1786

オリエンタル白石(1786)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 建設工事
    プレストレストコンクリートやニューマチックケーソン技術を用いた建設工事が主力です。
  • 鋼構造物
    橋梁などの鋼構造物の設計、製作、架設も行っています。
  • その他事業
    太陽光発電による売電や不動産賃貸、ウェブサイト制作も手掛けています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建設事業
    プレストレストコンクリート工事やニューマチックケーソン工事が中心で、売上高539.57億円と利益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 鋼構造物事業
    橋梁などの鋼構造物の設計、製作、架設を行い、売上高73.34億円を上げています。
  • 港湾事業
    港湾、土木、建築工事を手掛け、売上高29.97億円を計上しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstructionBusinessReportableSegment 地域 540 50 9.3%
SteelStructure 事業 73 3 3.7%
PortOperationServiceReportableSegment 事業 30 1 2.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|972 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社を合わせ8社により構成されております。当連結会計年度において、当社グループが営んでいる事業の内容は下記のとおりであります。セグメントの名称事業内容主要な会社建設事業・プレストレストコンクリートの建設工事及び製造販売・ニューマチックケーソン、補修補強等の建設工事・耐震補強建築工事の設計 施工、建設工事用資材の販売・土木工事請負、建設機械の賃貸(オペレーター付)オリエンタル白石株式会社株式会社タイコー技建株式会社榮開発株式会社菊政株式会社菊政工務店鋼構造物事業・橋梁等の鋼構造物の設計、製作、架設・補修補強等工事日本橋梁株式会社港湾事業・港湾、土木、建築工事山木工業株式会社その他・太陽光発電による売電事業・不動産賃貸事業・インターネットによるホームページの企画、制作及び運営オリエンタル白石株式会社株式会社クリエイティブ・ラボ (用語説明)  ・プレストレストコンクリート  PC鋼材と呼ばれる高強度の鋼材を引っ張って(この作業を緊張といいます。)張力を与えた後にコンクリートと固定することで引っ張られていたPC鋼材が元に戻ろうとしてコンクリートに圧縮力を与えることで、コンクリート部材の強度・耐久性を向上させる技術です。この技術により、コンクリートの最大の弱点(圧縮には強いが引張には弱い。)を克服することができます。  コンクリートの橋梁上部、落石から道路を守るロックシェッド等の防災設備、タンク、建築、舗装、既存構造物の補強など幅広い分野に利用されています。  ・ニューマチックケーソン  ニューマチックケーソン工法(Pneumatic caisson method)のpneumaticは空気のcaissonは函(はこ)を意味します。日本では「潜函」工法とも呼ばれています。  地上で鉄筋コンクリート製の函(躯体)を構築し、躯体下部に作業室を設け、ここに地下水圧に見合った圧縮空気を送り込むことで地下水の浸入を防ぎます。  作業室内で地山を掘削・排土して、躯体を沈下させることで、橋梁や建造物の基礎として、また、下水ポンプ場、地下調整池、シールドトンネルの立坑、地下鉄や道路トンネルの本体構造物として幅広く活用されています。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
請負金額に反映することが困難な水準で資材価格・労務費が高騰した場合、利益減少の可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
プレストレストコンクリートやニューマチックケーソン工法など、高度な建設技術と経験が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場リスク(公共事業削減) / 資材価格・労務費上昇リスク / 事故などの安全上のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

オリエンタル白石は、建設業の中でも特にプレキャストコンクリート製品の製造・販売を主力としており、特定の技術やノウハウは存在するものの、強力なブランド力や特許による独占的な優位性は限定的である。競合他社も同様の技術を有している可能性が高い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設プロジェクトにおいては、一度採用された工法や部材を変更することは、設計変更、追加コスト、工期遅延のリスクを伴うため、顧客(ゼネコンやデベロッパー)にとってスイッチングコストは一定程度存在する。しかし、代替材料や工法の選択肢も存在するため、絶対的なものではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業、特にプレキャストコンクリート製品の製造・販売においては、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。事業の性質上、顧客との直接的な関係性が重要であり、プラットフォーム型のネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模な生産設備への投資や、原材料の調達において、一定の規模の経済性が働く可能性がある。また、長年の経験に基づく製造ノウハウの蓄積が、効率的な生産に寄与していると考えられるが、競合他社も同様の努力をしている可能性があり、決定的なコスト優位とは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

プレキャストコンクリート製品の製造・販売においては、生産規模が大きくなるほど、単位あたりの固定費が低下し、コスト競争力が高まる傾向がある。オリエンタル白石は、一定の生産能力と販売網を有しており、規模の経済による優位性をある程度享受していると考えられる。

  • 特殊技術
    プレストレストコンクリートやニューマチックケーソンといった専門技術に強みがあります。
  • 多角的な事業
    建設だけでなく、鋼構造物や港湾、再生可能エネルギーなど多岐にわたる事業を展開しています。
  • 公共事業依存
    国や地方自治体からの公共事業が多く、安定した受注基盤を持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す。」の経営理念のもと、公共事業を中心とした社会基盤の整備と維持管理にかかわる事業活動を通じ、社会の発展に貢献できるよう努めております。そして、社会から支持され、信頼される企業となることによって業績の向上を図り、企業価値を高めていくことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び会社の対処すべき課題 公共投資市場は、防災・減災対策や将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進、整備新幹線の着実な整備やリニア中央新幹線プロジェクトの推進、全国の高速道路の大規模更新工事及び4車線化といった事業が引き続き展開され、今後の建設需要は底堅い見通しであるものの、世界的なインフレの影響による鉄鋼や木材など建設資材の高騰、高齢化や若年層の入職者減少による人手不足の深刻化、時間外労働の上限規制に伴う協力業者を含めた人件費等の上昇等により、経営環境はより厳しさを増すことが予想されています。また、アメリカの通商政策の不透明感や地政学的な要因など今後の全世界的な動向についても不確実な要素が多く、より緻密でタイムリーな対応や戦略が求められるものと考えられます。このような環境のもと、当社グループでは、主力事業の強化のため公入札における総合評価力の強化による受注確保への対応、当社グループの持つ特化技術採用に向けた技術営業の推進、競争力を高める研究開発・設備投資の推進、教育の充実と多様な人材活用による組織強化、生産性向上とコスト競争力向上等の戦略を進めてまいります。又、工事現場における長時間労働を是正するため、生産性の向上、社員能力の向上という観点から“人材の育成”“生産性の向上” “働き方改革” の3つの課題をテーマとして対策を進めております。同時に、当社グループの事業を支える協力会社に対して社員研修、資格取得の支援により技能労働者の確保への環境整備も進めてまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、これまで培ってきた経営資源をもとに、「事業」、「投資」、「財務」、「サステナビリティ」に対する戦略を構築し、長期ビジョン「オリエンタル白石グループ2030年の将来像」に向け一丸となって挑戦と前進を続けるため、2023年度(2024年3月期)を初年度とし、2025年度(2026年3月期)までの3か年を対象とした「中期経営計画2023-2025~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~」を策定しスタートさせております。この中期経営計画では、オリエンタル白石グループの2030年像を「人財と技術の多様性を活かし、社会インフラ整備の様々な需要に応え、挑戦と前進を続ける企業集団」とし、グループの2030年の将来像に向け、基幹事業の充実、連結事業の強化、新規・周辺事業による事業領域の拡大、サステナブル経営への取組を進め、企業価値の一層の向上に努めてまいります。中期経営計画の主な内容は、以下のとおりであります。 中期経営計画の基本方針①国土強靭化、インフラ老朽化対策などの社会的課題の解決に貢献し、これを業績の向上につなげる。②基幹事業のさらなる充実、連結事業の強化、新規・周辺事業の成長と領域拡大を推進しグループ全体の発展を図る。③DXや技術開発、他社・他業種との連携により、事業生産性を高める。④教育、研修など“人への投資”を促進し、競争力豊かな人財の構築を図る。⑤バランスのとれた投資、還元戦略を実行する。⑥カーボンニュートラルに向け、脱炭素施策の推進と技術開発を継続する。 中期経営計画における経営指標目標(2026年3月期) 企業価値向上と成長戦略 持続的な売上の増加と収益の向上 売上高        730億円 営業利益         62億円 親会社株主に帰属する当期純利益   45億円 成長事業の基盤固め 投資額 220億円 D/Eレシオ            0.29倍  株主に対する還元効率 自己資本当期純利益率(ROE)    9%以上 配当性向               50%以上 総還元性向              70%程度 PBR              1倍以上   (事業戦略)基幹事業(PC土木、ニューマチックケーソン/一般土木、補修補強、PC建築)・公共工事におけるシェアと実績の拡大・ニューマチックケーソンの橋梁と治水設備等への事業拡大・事業量の確保と収益力の維持を図る・プレキャストコンクリートのすう勢の中でのPC構造の採用を拡大する連結事業(鋼構造物事業、港湾事業)・新設橋梁と補修補強のバランスの中で売上・利益の拡大を図る・港湾、土木の中小工事で受注・売上を確保するとともに今後本格化するカーボンニュートラルポートプロジェクトへの準備を進める新規・周辺事業(工場製品外販、地域戦略事業、橋梁維持管理事業、官民連携事業、海外事業、環境事業)・成長投資、技術開発、生産性向上、他社・他業種との連携、顧客基盤の強化新規・周辺事業の領域拡大を図ることで基幹事業の拡充、連結事業の強化にも寄与生産性向上・プレキャスト化促進・機械、船舶の機能強化・情報通信、DX等、新技術の活用・施工の遠隔化、自動化・工事、現場支援システムの構築 (投資戦略)・基幹事業や連結事業の拡充と強化、新規・周辺事業の拡大を図る経常投資(既存事業継続投資)    50億円成長投資(成長機会創出投資)    110億円戦略投資(資本業務提携)      60億円投資総額(2023-2025年度) 220億円規模*戦略投資(資本業務提携)資金として伊藤忠商事株式会社への第三者割当増資により約50億円を調達 (財務戦略)営業CF(堅実なCF創出力の向上)と財務CF(財務健全性を維持した有利子負債の活用、資本業務提携による第三者割当増資)を経常投資・成長投資・戦略投資へ投下し好循環を生み出すことにより企業価値を高めると共に、安定した配当の継続に加え、上記投資の成果と資本効率を踏まえた機動的な自己株式取得を実施します。 (サステナビリティ戦略)・環境(カーボンニュートラルの実現に向けた取組)2030年度目標 CO2排出量(Scope1,2) 19,000t-CO2売上高原単位21t-CO2/億円削減率 約31%(2021年度比)・人材戦略人財と技術の多様性を活かす働きやすさと働きがいのある魅力的な企業づくり・ガバナンス・対話グループの持続的な成長を支えるガバナンスとステークホルダーとの対話の充実 当該経営数値目標を採用した理由は、当社の経営方針・経営戦略を理解する上でステークホルダーにとって重要な指標であり、目標に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。 (中期経営計画最終年度の業績予想)中期経営計画最終年度となる2026年3月期の連結業績予想について、受注面では、補修・補強分野の受注において今年1月に発生した中国自動車道の事故の影響や競争の激化により受注量の減少が予想されるものの、首都圏を中心とした大型ポンプ場等のニューマチックケーソン工事の発注が旺盛な事に加え、新たな連結子会社の受注を取り込む事により昨年度を超える受注量を想定しております。引き続き、当社の得意とする技術や特化工法の採用を推進し選別受注に努めるとともに、グループ内のシナジーを活かし技術優位性が発揮できる難易度の高い工事にも取り組んでいきたいと考えています。売上面では、前期からの豊富な繰越受注残高はあるものの、大阪モノレール、北海道新幹線工事などの一部大型工事の進捗の遅れやニューマチックケーソン工事の発注が想定よりも遅れている影響で、既存の基幹事業においては若干の減少になりそうですが、新たな連結子会社の売上を加え2025年3月期を超える売上高を確保する計画です。また、売上面に対する事故の影響ですが、大規模更新の継続工事の繰越受注残が全社的に確保されており、該当工事及び同種工事における影響は総じて限定的になると考えています。利益面では、昨年実績を下回る見込みです。これは、大型工事の竣工に伴う設計変更による収益の押し上げが今年度は見込めないことや、大型ニューマチックケーソン工事については、着工後の早期段階の工事が多く最盛期は次年度以降になるため、今年度の利益率向上への貢献がそれほど期待できないことなどによるものです。上記のことから、2026年3月期の連結業績予想を下記の通りとしておりますが、中期経営計画経営指標目標に向け改善を目指すとともに長期ビジョンの推進に向け努めてまいります。 2026年3月期の連結業績予想売上高   660億円営業利益  43億円親会社株主に帰属する当期純利益 28億円 (2025年1月に発生した重大事故)2025年1月27日当社施工工事において、作業員2名が死亡し、3名が負傷する重大事故が発生いたしました。ご遺族、被災された皆様、関係者の皆様、株主の皆様をはじめとする多くのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと改めて深くお詫び申し上げます。今回発生した重大事故に対して、発生原因の分析、同種工事における再発防止策を策定し全社に周知指導するとともに、新たに社長を本部長とする「安全統括本部」を設置し、工事部門や技術部門、管理部門、工場、機材センター、業革推進部、様々なプロジェクトやタスクチームと連携し、全社的な安全管理体制の強化を図ってまいります。また、安全統括本部を中心として、安全施工、安全対策への指導、支援を行うとともに、安全性、施工性を高める機械や設備、DX、そして社員の安全教育・安全研修などに、さらに注力してまいります。役員・社員一同、今回の事故に真摯に向き合い、心より反省し、危機感をもって、“安全のオリエンタル白石” の実現に向けて一丸となって今後とも取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す。」の経営理念のもと、公共事業を中心とした社会基盤の整備と維持管理にかかわる事業活動を通じ、社会の発展に貢献できるよう努めております。そして、社会から支持され、信頼される企業となることによって業績の向上を図り、企業価値を高めていくことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び会社の対処すべき課題 公共投資市場は、防災・減災対策や将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進、整備新幹線の着実な整備やリニア中央新幹線プロジェクトの推進、全国の高速道路の大規模更新工事及び4車線化といった事業が引き続き展開され、今後の建設需要は底堅い見通しであるものの、世界的なインフレの影響による鉄鋼や木材など建設資材の高騰、高齢化や若年層の入職者減少による人手不足の深刻化、時間外労働の上限規制に伴う協力業者を含めた人件費等の上昇等により、経営環境はより厳しさを増すことが予想されています。また、アメリカの通商政策の不透明感や地政学的な要因など今後の全世界的な動向についても不確実な要素が多く、より緻密でタイムリーな対応や戦略が求められるものと考えられます。このような環境のもと、当社グループでは、主力事業の強化のため公入札における総合評価力の強化による受注確保への対応、当社グループの持つ特化技術採用に向けた技術営業の推進、競争力を高める研究開発・設備投資の推進、教育の充実と多様な人材活用による組織強化、生産性向上とコスト競争力向上等の戦略を進めてまいります。又、工事現場における長時間労働を是正するため、生産性の向上、社員能力の向上という観点から“人材の育成”“生産性の向上” “働き方改革” の3つの課題をテーマとして対策を進めております。同時に、当社グループの事業を支える協力会社に対して社員研修、資格取得の支援により技能労働者の確保への環境整備も進めてまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、これまで培ってきた経営資源をもとに、「事業」、「投資」、「財務」、「サステナビリティ」に対する戦略を構築し、長期ビジョン「オリエンタル白石グループ2030年の将来像」に向け一丸となって挑戦と前進を続けるため、2023年度(2024年3月期)を初年度とし、2025年度(2026年3月期)までの3か年を対象とした「中期経営計画2023-2025~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~」を策定しスタートさせております。この中期経営計画では、オリエンタル白石グループの2030年像を「人財と技術の多様性を活かし、社会インフラ整備の様々な需要に応え、挑戦と前進を続ける企業集団」とし、グループの2030年の将来像に向け、基幹事業の充実、連結事業の強化、新規・周辺事業による事業領域の拡大、サステナブル経営への取組を進め、企業価値の一層の向上に努めてまいります。中期経営計画の主な内容は、以下のとおりであります。 中期経営計画の基本方針①国土強靭化、インフラ老朽化対策などの社会的課題の解決に貢献し、これを業績の向上につなげる。②基幹事業のさらなる充実、連結事業の強化、新規・周辺事業の成長と領域拡大を推進しグループ全体の発展を図る。③DXや技術開発、他社・他業種との連携により、事業生産性を高める。④教育、研修など“人への投資”を促進し、競争力豊かな人財の構築を図る。⑤バランスのとれた投資、還元戦略を実行する。⑥カーボンニュートラルに向け、脱炭素施策の推進と技術開発を継続する。 中期経営計画における経営指標目標(2026年3月期) 企業価値向上と成長戦略 持続的な売上の増加と収益の向上 売上高        730億円 営業利益         62億円 親会社株主に帰属する当期純利益   45億円 成長事業の基盤固め 投資額 220億円 D/Eレシオ            0.29倍  株主に対する還元効率 自己資本当期純利益率(ROE)    9%以上 配当性向               50%以上 総還元性向              70%程度 PBR              1倍以上   (事業戦略)基幹事業(PC土木、ニューマチックケーソン/一般土木、補修補強、PC建築)・公共工事におけるシェアと実績の拡大・ニューマチックケーソンの橋梁と治水設備等への事業拡大・事業量の確保と収益力の維持を図る・プレキャストコンクリートのすう勢の中でのPC構造の採用を拡大する連結事業(鋼構造物事業、港湾事業)・新設橋梁と補修補強のバランスの中で売上・利益の拡大を図る・港湾、土木の中小工事で受注・売上を確保するとともに今後本格化するカーボンニュートラルポートプロジェクトへの準備を進める新規・周辺事業(工場製品外販、地域戦略事業、橋梁維持管理事業、官民連携事業、海外事業、環境事業)・成長投資、技術開発、生産性向上、他社・他業種との連携、顧客基盤の強化新規・周辺事業の領域拡大を図ることで基幹事業の拡充、連結事業の強化にも寄与生産性向上・プレキャスト化促進・機械、船舶の機能強化・情報通信、DX等、新技術の活用・施工の遠隔化、自動化・工事、現場支援システムの構築 (投資戦略)・基幹事業や連結事業の拡充と強化、新規・周辺事業の拡大を図る経常投資(既存事業継続投資)    50億円成長投資(成長機会創出投資)    110億円戦略投資(資本業務提携)      60億円投資総額(2023-2025年度) 220億円規模*戦略投資(資本業務提携)資金として伊藤忠商事株式会社への第三者割当増資により約50億円を調達 (財務戦略)営業CF(堅実なCF創出力の向上)と財務CF(財務健全性を維持した有利子負債の活用、資本業務提携による第三者割当増資)を経常投資・成長投資・戦略投資へ投下し好循環を生み出すことにより企業価値を高めると共に、安定した配当の継続に加え、上記投資の成果と資本効率を踏まえた機動的な自己株式取得を実施します。 (サステナビリティ戦略)・環境(カーボンニュートラルの実現に向けた取組)2030年度目標 CO2排出量(Scope1,2) 19,000t-CO2売上高原単位21t-CO2/億円削減率 約31%(2021年度比)・人材戦略人財と技術の多様性を活かす働きやすさと働きがいのある魅力的な企業づくり・ガバナンス・対話グループの持続的な成長を支えるガバナンスとステークホルダーとの対話の充実 当該経営数値目標を採用した理由は、当社の経営方針・経営戦略を理解する上でステークホルダーにとって重要な指標であり、目標に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。 (中期経営計画最終年度の業績予想)中期経営計画最終年度となる2026年3月期の連結業績予想について、受注面では、補修・補強分野の受注において今年1月に発生した中国自動車道の事故の影響や競争の激化により受注量の減少が予想されるものの、首都圏を中心とした大型ポンプ場等のニューマチックケーソン工事の発注が旺盛な事に加え、新たな連結子会社の受注を取り込む事により昨年度を超える受注量を想定しております。引き続き、当社の得意とする技術や特化工法の採用を推進し選別受注に努めるとともに、グループ内のシナジーを活かし技術優位性が発揮できる難易度の高い工事にも取り組んでいきたいと考えています。売上面では、前期からの豊富な繰越受注残高はあるものの、大阪モノレール、北海道新幹線工事などの一部大型工事の進捗の遅れやニューマチックケーソン工事の発注が想定よりも遅れている影響で、既存の基幹事業においては若干の減少になりそうですが、新たな連結子会社の売上を加え2025年3月期を超える売上高を確保する計画です。また、売上面に対する事故の影響ですが、大規模更新の継続工事の繰越受注残が全社的に確保されており、該当工事及び同種工事における影響は総じて限定的になると考えています。利益面では、昨年実績を下回る見込みです。これは、大型工事の竣工に伴う設計変更による収益の押し上げが今年度は見込めないことや、大型ニューマチックケーソン工事については、着工後の早期段階の工事が多く最盛期は次年度以降になるため、今年度の利益率向上への貢献がそれほど期待できないことなどによるものです。上記のことから、2026年3月期の連結業績予想を下記の通りとしておりますが、中期経営計画経営指標目標に向け改善を目指すとともに長期ビジョンの推進に向け努めてまいります。 2026年3月期の連結業績予想売上高   660億円営業利益  43億円親会社株主に帰属する当期純利益 28億円 (2025年1月に発生した重大事故)2025年1月27日当社施工工事において、作業員2名が死亡し、3名が負傷する重大事故が発生いたしました。ご遺族、被災された皆様、関係者の皆様、株主の皆様をはじめとする多くのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと改めて深くお詫び申し上げます。今回発生した重大事故に対して、発生原因の分析、同種工事における再発防止策を策定し全社に周知指導するとともに、新たに社長を本部長とする「安全統括本部」を設置し、工事部門や技術部門、管理部門、工場、機材センター、業革推進部、様々なプロジェクトやタスクチームと連携し、全社的な安全管理体制の強化を図ってまいります。また、安全統括本部を中心として、安全施工、安全対策への指導、支援を行うとともに、安全性、施工性を高める機械や設備、DX、そして社員の安全教育・安全研修などに、さらに注力してまいります。役員・社員一同、今回の事故に真摯に向き合い、心より反省し、危機感をもって、“安全のオリエンタル白石” の実現に向けて一丸となって今後とも取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。(1) 経営成績の状況受注高、売上高及び受注残高の状況区 分前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増 減金 額 (百万円)金 額 (百万円)金 額 (百万円)増減率(%)受注高67,74665,085△2,660△3.9売上高67,38264,553△2,828△4.2受注残高98,19298,7245310.5 (注)上記数値には、当連結会計年度に連結子会社となりました、株式会社榮開発、株式会社菊政及びその子会社1社の数値は含まれておりません。 損益の状況区 分前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増 減金 額 (百万円)金 額 (百万円)金 額 (百万円)増減率(%)売上総利益12,61411,660△954△7.6営業利益6,5335,434△1,099△16.8経常利益6,5805,556△1,023△15.6親会社株主に帰属する当期純利益4,6323,715△917△19.8 当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まりが期待されることから、アメリカの通商政策等の影響による国内外の金融資本市場の変動等の不透明感はあるものの、全体としては、緩やかな回復基調にあるものと目されます。また、輸出入面において、持ち直しの動きがあるアジア・アメリカ向けの輸出取引に加え、概ね横ばい傾向にある輸入取引と併せて、今後先行きへの期待が高まるなか、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れが個人消費に及ぼす影響などに一層注意する状況が続いております。これら状況下で、改善している企業収益にもとづく企業の業況判断も足踏み状態であることから、雇用・所得環境の改善の動きに期待しながら、慎重に総合的な動向を見定めようとする環境となっております。一方、公共投資につきましては、国の令和6年度一般会計予算の補正予算において約2.4兆円の追加予算が計上され、補正後は前年度比1.4%増となり、令和7年度一般会計予算の公共工事関係費でも、当初予算案は前年度並みの水準となっております。公共工事請負金額の年度累計も、対前年同期比46.4百億円増の103.2%の実績となっていることから、今後も底堅く推移していくことが見込まれております。このような状況におきまして、当社グループ全体で受注活動に取り組んだ結果、当連結会計年度の受注高は、650億8千5百万円(前年同期比3.9%減)となりました。前連結会計年度比で鋼構造物事業で増加となりましたが、建設事業、港湾事業で減少となりグループ全体としても減少となりました。当社グループの当連結会計年度における売上高は645億5千3百万円(前年同期比4.2%減)となりました。各セグメントにおいて前年同期比で減少となりました。また、受注残高につきましては、上記の受注及び売上の状況により、987億2千4百万円(前年同期比0.5%増)となりました。当連結会計年度における売上原価は528億9千3百万円(前年同期比3.4%減)となり、売上総利益は116億6千万円(前年同期比7.6%減)となりました。売上高の減少に伴い、売上原価も減少となり売上総利益においても減少となりました。 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、試験研究費、諸経費の増加により62億2千5百万円(前年同期比2.4%増)となりました。営業利益は54億3千4百万円(前年同期比16.8%減)、経常利益は55億5千6百万円(前年同期比15.6%減)となりました。当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、37億1千5百万円(前年同期比19.8%減)となりました。なお、当社グループの報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。受注高、売上高、受注残高及びセグメント利益の状況区 分前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増 減セグメント名称金 額 (百万円)金 額 (百万円)金 額 (百万円)増減率(%)Ⅰ受注高 建設事業58,63855,241△3,397△5.8鋼構造物事業5,5676,32976113.7港湾事業3,3113,256△55△1.7その他2282583013.2Ⅱ売上高 建設事業54,99753,957△1,039△1.9鋼構造物事業8,5017,334△1,166△13.7港湾事業3,6742,997△676△18.4その他2082635426.0Ⅲ受注残高 建設事業82,79484,0771,2831.6鋼構造物事業13,00812,003△1,005△7.7港湾事業2,3652,62325810.9その他2419△4△19.0Ⅳセグメント利益(営業利益) 建設事業5,9345,011△922△15.5鋼構造物事業561270△291△51.8港湾事業△155975-その他408746114.0 (注) 1 「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。2 上記数値には、当連結会計年度に連結子会社となりました、株式会社榮開発、株式会社菊政及びその子会社1社の数値は含まれておりません。 ① 建設事業当セグメントにおきましては、売上高は539億5千7百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益(営業利益)は50億1千1百万円(前年同期比15.5%減)となりました。前年同期比で主にPC土木(新設橋梁)、ニューマチックケーソン工事における売上高の減少に伴い、利益についても減少となりました。② 鋼構造物事業当セグメントにおきましては、売上高は73億3千4百万円(前年同期比13.7%減)、セグメント利益(営業利益)は2億7千万円(前年同期比51.8%減)となりました。前年同期比で主に新設橋梁工事における売上高の減少に伴い、利益についても減少となりました。③ 港湾事業当セグメントにおきましては、売上高は29億9千7百万円(前年同期比18.4%減)、セグメント利益(営業利益)は5千9百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)1千5百万円)となりました。 ④ その他太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業により、売上高は2億6千3百万円(前年同期比26.0%増)、セグメント利益(営業利益)は8千7百万円(前年同期比114.0%増)となりました。 当社グループは、2023年度(2024年3月期)を初年度とし、2025年度(2026年3月期)までの3か年を対象とした「中期経営計画2023-2025 ~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~」を策定しスタートさせており、当連結会計年度は中期経営計画の2年度にあたります。当社グループの2026年3月期の目標と当連結会計年度での主な指標の達成率は以下のとおりであります。区 分中期経営計画(2026年3月期)当連結会計年度(2025年3月期)達成率売上高730億円645億5千3百万円88.4%営業利益62億円(営業利益率8.5%)54億3千4百万円(営業利益率8.4%)87.6% 売上高につきましては、各セグメントにおいて前年同期比で減少となり、当連結会計年度においては88.4%の達成率となりました。営業利益につきましては、当連結会計年度において達成率87.6%となりました。これは、前年同期比で、各セグメントにおける売上高が減少するなかで、港湾事業では増加となりましたが、建設事業、鋼構造物事業において減少となったことによるものであります。なお、2026年3月期の連結業績予想につきましては、2025年5月13日に公表いたしました「2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」において、売上高660億円、営業利益43億円としております。経営成績に重要な影響を与える主な要因は、事業の大半を国・地方自治体及び高速道路会社等からの公共事業に依存する中、急激な公共投資の削減や建設コストの上昇等の事業環境の変化であります。当連結会計年度における事業環境は良好に推移したものと考えております。今後の建設需要は底堅い見通しであるものの、働き方改革に伴う工期延伸、発注ロットの大型化により繰越工事が増加していることによる協力業者を含めた配置人員と受注のバランス、引続き懸念される地政学的影響による資源価格の高騰が経費へ影響を及ぼす恐れや原材料価格の高騰等、今後の経営環境は厳しさを増すことが予想され、より緻密な戦略、対策、計画が求められるものと考えられます。 (2) 財政状態の状況区 分前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増 減金 額 (百万円)金 額 (百万円)金 額 (百万円)増減率(%)流動資産57,02955,812△1,216△2.1固定資産15,89421,7615,86636.9 資産合計72,92377,5744,6506.4流動負債17,32618,7391,4128.2固定負債5,6337,5651,93234.3 負債合計22,96026,3053,34414.6 純資産合計49,96251,2681,3052.6 (流動資産)流動資産は、前連結会計年度に比べ2.1%減少し558億1千2百万円となりました。これは主に未成工事支出金が13億4千1百万円増加しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が13億4千8百万円、未収消費税等が18億7千万円減少したことなどによるものであります。 (固定資産)固定資産は、前連結会計年度に比べ36.9%増加し217億6千1百万円となりました。これは主に連結子会社3社を取得したことにより有形固定資産が24億1百万円、のれんが22億9百万円増加したことなどによるものであります。(流動負債)流動負債は、前連結会計年度に比べ8.2%増加し187億3千9百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金が16億4千4百万円減少しましたが、未払金が7億4千3百万円、未払消費税等が14億2千3百万円、未成工事受入金が8億3千8百万円増加したことなどによるものであります。(固定負債)固定負債は、前連結会計年度に比べ34.3%増加し75億6千5百万円となりました。これは主に長期借入金が2億8千6百万円、長期未払金が13億4千5百万円増加したことなどによるものであります。(純資産)純資産は、前連結会計年度に比べ2.6%増加し512億6千8百万円となり、自己資本比率は66.1%となりました。 当社グループの報告セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。セグメント資産セグメント名称前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増 減金 額 (百万円)金 額 (百万円)金 額 (百万円)増減率(%)建設事業63,68169,8056,1239.6鋼構造物事業7,6967,521△175△2.3港湾事業5,8335,596△237△4.1その他2,7752,722△53△1.9 (注) 「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。 ① 建設事業当セグメント資産は698億5百万円(前年同期比9.6%増)となりました。連結子会社3社を取得したことによる機械及び装置、のれんなどの固定資産の増加等によりセグメント資産は前年同期から増加しております。② 鋼構造物事業当セグメント資産は75億2千1百万円(前年同期比2.3%減)となりました。完成工事未収入金、現金及び預金等の流動資産の減少等によりセグメント資産は前年同期から減少しております。③ 港湾事業当セグメント資産は55億9千6百万円(前年同期比4.1%減)となりました。のれんの償却に伴う無形固定資産の減少等によりセグメント資産は前年同期から減少しております。 (3) キャッシュ・フローの状況(単位:百万円)区 分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)増 減営業活動によるキャッシュ・フロー5,2737,8032,529投資活動によるキャッシュ・フロー△996△5,211△4,214財務活動によるキャッシュ・フロー1,999△2,895△4,894現金及び現金同等物の増加額6,277△302△6,579現金及び現金同等物の期首残高13,90320,1806,277現金及び現金同等物の期末残高20,18019,877△302 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、対前年3億2百万円減少の198億7千7百万円(前年同期比1.5%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は78億3百万円(前年同期比48.0%増)となりました。これは主に減価償却費13億6千万円、売上債権の減少8億6千1百万円、仕入債務の減少19億4千5百万円、未収消費税等の減少19億4千3百万円、未払消費税等の増加14億2千1百万円、法人税等の支払額16億7千4百万円、税金等調整前当期純利益55億1千9百万円などによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は52億1千1百万円(前年同期比423.0%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出23億8千8百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出27億6千8百万円などによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は28億9千5百万円(前年同期は19億9千9百万円の増加)となりました。これは主に配当金の支払額20億6百万円、自己株式の取得による支出5億円などによるものであります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資本の財源は、営業活動による確実な代金回収を基礎としており、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を198億7千7百万円保有しております。当社グループは、月商の約2.0か月分を安定的な経営に必要な手元資金水準とし、それを超える分については、企業価値の向上に資する研究開発の強化や戦略的投資へ配分しております。当連結会計年度の設備投資は25億1千1百万円、研究開発は9億8千4百万円でありました。これらの設備投資及び研究開発費は、自己資金で賄っております。資金の流動性につきましては、運転資金は内部資金及び金融機関からの借入金によって調達しており、機動的かつ安定的な資金調達のため、取引銀行5行との間で、シンジケーション方式による総額100億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度末において当該契約に基づく実行残高はありません。また、子会社において、取引銀行2行との間でシンジケーション方式による総額15億円のコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末において当該契約に基づく実行残高は9億円であります。当社は、2023年5月16日に、2023年度からの3か年を計画期間とする「中期経営計画(2023年~2025年)」を発表しており、事業への資源配分及び株主還元について次のとおり考えております。事業への資源配分については、積極的な投資による企業成長の好循環を目指し、2023年度からの3年間で経常投資、成長投資、戦略投資の各分野で総額220億円の投資計画を設定しております。これまでのところ、ニューマチックケーソン事業等の技術研究開発に加え、M&Aによる事業領域の拡大や工場・船舶の機能強化等、事業の成長機会の創出に資する投資を展開しており、2025年3月期までの累計で総額109億円の投資を実施しております。株主還元については、安定した利益還元を経営における最重要課題のひとつと考え、安定した利益配当を継続することを基本方針としております。また資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として自己株式取得の推進を通じ、2026年3月期においては、配当性向50%以上、総還元性向70%程度を目標としております。2025年3月期時点では配当性向51.7%、総還元性向65.6%となっており、自己株式については2025年2月~3月に総額5億円の取得を実施、2025年5月~7月に総額10億円(上限)の取得を計画しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りです。一定の期間にわたり認識する方法による収益請負工事契約に関する収益は、収益認識会計基準等により、一定の期間にわたり充足される履行義務は、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。なお、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、工事原価が履行義務の充足における進捗度に比例して発生すると判断しているため、主として、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。見積総原価としての工事原価総額は、原価要素別・作業内容別に個別に積み上げ、所定の承認手続を経て確定された実行予算に基づいて見積っております。工事の進行途上において工事内容の変更等が行われる場合には、当該状況の変化に関する情報を適時に適切な部署・権限者に伝達し、当該情報をもとに実行予算の見直しを行うことで、工事原価総額の見積りに反映させております。対象となる請負工事は、工事ごとに内容や工期が異なるため個別性が強く、また、進行途上において当初想定していなかった事象の発生により工事内容の変更が行われる等の特徴があるため、今後、想定していなかった状況の変化等により工事原価総額の見積りの見直しが改めて必要となった場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (生産、受注及び売上の状況)(1) 生産実績当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、記載はしておりません。 (2) 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)建設事業55,241△5.884,0771.6鋼構造物事業6,32913.712,003△7.7港湾事業3,256△1.72,62310.9その他25813.219△19.0合計65,085△3.998,7240.5 (注) 1 「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。2 上記数値には、当連結会計年度に連結子会社となりました、株式会社榮開発、株式会社菊政及びその子会社1社の数値は含まれておりません。 (3) 売上実績 当社グループの主な事業である建設事業は、請負形態をとっており「販売」という概念には適合しないため、販売実績に替えて売上実績にて記載しております。当連結会計年度における売上実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)建設事業53,957△1.9鋼構造物事業7,334△13.7港湾事業2,997△18.4その他26326.0合計64,553△4.2 (注) 1 「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。2 上記数値には、当連結会計年度に連結子会社となりました、株式会社榮開発、株式会社菊政及びその子会社1社の数値は含まれておりません。3 主な相手先別の売上実績及びそれぞれの総売上実績に対する割合は次のとおりであります。前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)相手先売上高(百万円)割合(%)中日本高速道路株式会社12,84719.1西日本高速道路株式会社10,46015.5国土交通省9,20413.7 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)相手先売上高(百万円)割合(%)中日本高速道路株式会社10,79316.7西日本高速道路株式会社9,83815.2国土交通省8,87213.7

事業リスク

  • 公共事業依存
    公共事業の削減があった場合、受注が減り業績に影響が出る可能性があります。
  • コスト上昇
    資材価格や人件費が高騰した場合、工事原価が増えて利益が減少するリスクがあります。
  • 事故・品質問題
    大規模な事故や品質問題が発生すると、会社の信用が低下し、損害賠償や受注機会の損失につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,422 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクの発生を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。当社グループは、年1回のリスク管理委員会を開催し、各事業部門において事業年度におけるリスクを把握しリスク低減に関する施策を討議するとともに、その有効性の評価と施策結果の確認を行い、その結果を受け翌事業年度のリスク低減へ反映させるサイクルを行っております。また、リスク管理委員会における経過、結果は取締役会に報告しております。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループの主要な事業は、建設事業であり、その事業サイクルは受注・施工・売上・回収の流れとなっております。リスクの区分としては、このサイクルに直接的に該当する(特に重要なリスク)と関連する(重要なリスク)に区分されます。    (特に重要なリスク)① 市場リスク当社グループの事業は、その大半が国・地方自治体及び高速道路会社からの公共事業に依存しております。これらの発注状況については情報収集に努めておりますが、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、目指すべき受注の確保ができず、売上の減少により業績に影響を与える可能性があります。受注への対応のため、本社において営業戦略会議を毎週開催し、これらの発注状況の共有、各支店の受注活動状況の確認、注力事業分野の指示等の受注量確保のための戦略会議を行っております。② 資材価格・労務費上昇リスク請負金額に反映することが困難になる水準で資材価格・労務費が高騰した場合には、工事原価の上昇による利益減少により業績に影響を与える可能性があります。資材価格・労務費については、入札時において見積徴収等を行い価格の動向を確認するとともに施工中における資材価格の高騰について発注者と情報を共有することにより請負金額へ反映されるよう協議を行っております。③ 事故などの安全上のリスク事業に関して大規模な事故が発生した場合は、多大な損害が発生する可能性があります。当社グループでは、安全を最優先として、事故防止に努めておりますが、万一事故が発生した場合は、社会的信用の失墜、各発注者からの指名停止措置等の行政処分、損害賠償等により、受注機会の喪失、利益の減少、資金負担の増加等の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。④ 品質管理に関するリスク当社グループの製品の製作及び施工につきましては、品質管理に細心の注意をはらい万全を期しておりますが、万一、重大な契約不適合責任や製造物責任による損害賠償が発生した場合、修復に多大な費用負担、施工遅延の発生や信用力の低下による受注機会の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 取引先の信用リスク当社グループは、民間からの請負工事を行っており、与信管理、情報収集、債権管理等の対応を取っておりますが、工事代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合、貸倒損失の計上による利益の減少、資金回収不能による資金繰りの悪化等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。    (重要なリスク)① 金利上昇による業績変動リスク資金調達については、当社を中心としたグループ内資金運用を基本に財務体質の維持・強化に努めており、金融機関からの借入期間の検討等により金利負担の低減に努めておりますが、現行金利が予想以上に高騰した場合には、調達資金コストの上昇が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 法的規制に関するリスク事業を営むにあたり建設業法等の法的規制を受けております。法令遵守の意識徹底は対処すべき課題の最優先課題と位置づけておりコンプライアンス教育による意識の徹底に努めておりますが、万一法令違反があった場合には、行政処分や刑事処分、訴訟による損害賠償等が発生し、受注機会の減少、資金負担の増加等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。③ 訴訟等のリスク事業等に関連して訴訟、紛争、その他法的手続きに関わる判決、和解、決定等により、信用力の低下による受注機会の減少や資金負担の増加等の業績に影響を及ぼす可能性があります。④ 感染症に関するリスク感染拡大や収束時期の長期化による上記①市場リスク(建設投資計画の見直しや工事発注時期の延期による受注機会の減少)や、②資材価格・労務費上昇リスク(工事中断の発生に伴う工程遅延による売上高減少や、関連する経費・労務補償等の原価が増加)等により、業績に影響を与える可能性があります。⑤ 情報セキュリティリスク当社グループは、施工物件に関する情報、経営・技術・知的財産に関する情報、個人情報等様々な情報を取り扱っております。情報セキュリティ規程を定め従業員教育を行うとともに、サイバーセキュリティ対策として、働き方の多様化を踏まえたエンドポイントセキュリティの強化やマネージメント・セキュリティ・サービスを導入しておりますが、これらの情報が外部からの攻撃や従業員の過失等により漏洩または消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や復旧費用等の発生により業績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 気候変動に関するリスクTCFDの枠組みに則り、気候変動に関するリスクは移行リスクと物理的リスクに区分して特定しております。 移行リスクにおいては、CO2削減に伴うエネルギー、材料、資機材等の価格高騰、施主や顧客によるCO2削減要求に対する制約、事業に関する法規則の厳格化が挙げられます。また物理的リスクは気象、環境変化による現場作業不能や災害、労働者の健康被害が挙げられます。

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