研究開発活動(本文)
FY2025|2,874 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは、「INPEX Vision 2035」及び「2025-2027 中期経営計画」を踏まえ、より低炭素なエネルギーの安定的な供給と、持続可能で地球環境に配慮した「責任あるエネルギー・トランジション」を目指し、主要エネルギー供給事業者としての責務を果たすために、事業の基盤となる技術、更には新事業開発の先鋒としての技術の在り方・方向性と将来達成すべき目標を「INPEX技術戦略」にまとめました。また、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を2022年4月に新設したうえで、2024年1月の組織改編で設置したイノベーション本部の下に配置し、ネットゼロ分野の研究開発を進めております。また、2025年4月には、全社における専門技術の集約・向上と技術支援機能の強化を図ることを目的として技術統括本部を設置し、技術的課題の解決に取り組んでおります。当連結会計年度の研究活動費の総額は131億円となりました。主な研究開発関連活動は以下のとおりであります。 (1) 水素・アンモニア 当社は、2050年のネットゼロ社会の実現に向け、低炭素ソリューション事業本部を中心として水素・アンモニア事業に注力しております。 取組みの一つとして、新潟県柏崎市にてブルー水素・アンモニア製造実証試験を進めており、2025年に試運転作業を開始し、2026年内の実証運転開始を目指しております。本実証試験では、天然ガスを原料として年間700トンの水素を製造し、その一部をアンモニア製造に使用、残りを水素発電に使用するとともに、副次的に発生するCO2を既にガス生産を終了した東柏崎ガス田平井地区の貯留層へ圧入するという計画です。なお、本実証試験のうち、水素・アンモニアの製造及びCO2回収については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下「NEDO」という。)で採択された助成事業(※1)として、また、CO2の地中貯留の実施と評価については、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(Japan Organization for Metals and Energy Security、以下「JOGMEC」という。)との共同研究(※2)として実施しております。 また、水素サプライチェーンの重要要素である輸送・貯蔵技術については、イノベーション本部I-RHEXの技術課題の一つとして研究開発しています。※1 NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「燃料アンモニア利用・生産技術開発/ブルーアンモニア製造に係る技術開発」※2 「天然ガス利用等における低炭素化を目的とした国内枯渇油ガス田を活用した CO2貯留可能量把握に関する実証試験」 (2) CCS/CCUS(Carbon dioxide Capture and Storage/ Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) CCSを構成する技術のうちCO2貯留技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)を通じてCO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に、日本CCS調査株式会社(JCCS)の株主として日本国内におけるCCS実証プロジェクトに参加しております。 これらCCS/CCUS事業を安全かつ効率的に推進するため、CO2地下貯留層及び遮蔽層のモニタリング手法の開発、日本国内の地質特徴を加味した遮蔽層の健全性評価、地下貯留層に対するCO2圧入性評価、CO2地下貯留によるCO2鉱物化の評価手法の開発等の研究開発を進めております。 (3) メタネーション 当社は、2021年10月に新潟県長岡市の株式会社INPEX JAPAN長岡鉱場越路原プラントにて生産されるガスに随伴して排出されるCO2を利用した400 Nm3-CO2/hのメタネーション実用化技術開発事業(※3)を開始し、2026年内に既存パイプラインへ合成メタンを注入するという予定で、実証プラントの運転を開始しております。将来的には、大型化に向けた技術開発及びスケールアップを行い、当社のパイプラインで供給することを目指しております。※3 NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減/有効利用実用化技術開発/気体燃料へのCO2利用技術開発/大規模なCO2-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発」 (4) CO2回収・DAC(Direct Air Capture)、E Fuel イノベーション本部I-RHEXの主要研究テーマとしてCCSに関連して、CO2回収の効率化、船上CO2回収技術の開発、新コンセプトに基づくDAC技術の開発、CO2輸送技術の開発を実施しており、これらを通じ効率的なCCSサプライチェーン構築を目指しています。 また、国内大学との共同研究を通じFT(Fischer-Tropsch)合成によるE Fuel製造の研究開発も進めております。 (5) 石油・天然ガス エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ研究開発を進めております。 在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、具体的には、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発、ならびに次世代のEOR技術として難条件下でのEOR技術研究開発を進めております。 (6) DX 当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、生産・供給体制及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下を進めております。① 油ガス田開発分野では、地震探査データ処理・解釈や貯留/シール層の岩相・化石種の自動判定等、地下評価への機械学習適用の取り組みを通じて作業効率の最大化と高精度化を進めております。② 油ガス生産・処理施設の操業・保全分野では、デジタル/AI技術活用によるメンテナンス記録の分析・効率化、生産施設の省人化・無人化施策推進、IOTセンサーによるリモート監視、ロボットを利用した腐食状況検査等に取り組んでおります。③ CCS/CCUS分野では、機械学習を活用した貯留層流動シミュレーターの高速代替ツールの整備やCCSデータモニタリングシステム構築等を進めております。
FY2024|2,979 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは、「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」を踏まえ、エネルギートランジション実現に貢献し、主要エネルギー供給事業者としての責務を果たすために、事業の基盤となる技術、更には新事業開発の先鋒としての技術の在り方・方向性と将来達成すべき目標を「INPEX技術戦略」として2022年8月にまとめました。また、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を2022年4月に新設したうえで、2024年1月の組織改編で設置したイノベーション本部の下に配置し、ネットゼロ分野の研究開発を進めております。当連結会計年度の研究活動費の総額は356億円となりました。主な研究開発関連活動は以下のとおりであります。 (1) 水素・アンモニア 当社は、2050年のネットゼロ社会の実現に向け、水素・CCUS事業開発本部を中心として水素・アンモニア事業に注力しております。 取組みの一つとして、新潟県柏崎市にてブルー水素・アンモニア製造実証試験計画を進めており、2025年の運転開始を目指し、現在実証プラントの建設作業及び実証試験に使用する坑井(生産井、圧入井及び観測井の3坑)の掘削作業を実施中です。本実証試験では、天然ガスを原料として年間700トンの水素を製造し、その一部をアンモニア製造に使用、残りを水素発電に使用するとともに、副次的に発生するCO2を既にガス生産を終了した東柏崎ガス田平井地区の貯留層へ圧入するという計画です。なお、本実証試験のうち、水素・アンモニアの製造及びCO2回収については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下「NEDO」という。)で採択された助成事業(※1)として、また、CO2 の地中貯留の実施と評価については、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(Japan Organization for Metals and Energy Security、以下「JOGMEC」という。)との共同研究(※2)として実施しております。 また、水素サプライチェーンの重要要素である輸送・貯蔵技術については、イノベーション本部I-RHEXの技術課題の一つとして研究開発しています。※1 NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「燃料アンモニア利用・生産技術開発/ブルーアンモニア製造に係る技術開発」※2 「天然ガス利用等における低炭素化を目的とした国内枯渇油ガス田を活用した CO2貯留可能量把握に関する実証試験」 (2) CCS/CCUS(Carbon dioxide Capture and Storage/ Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) CCSを構成する技術のうちCO2貯留技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)を通じてCO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に、日本CCS調査株式会社(JCCS)の株主として日本国内におけるCCS実証プロジェクトに参加しております。更に2021年度から、新潟県阿賀野市においてCO2を用いた原油回収効率改善技術(EOR)のための研究をJOGMECと共同で実施いたしました。 これらCCS/CCUS事業を安全かつ効率的に推進するため、CO2地下貯留層及び遮蔽層のモニタリング手法の開発、日本国内の地質特徴を加味した遮蔽層の健全性評価、及びCO2地下貯留によるCO2鉱物化の評価手法の開発等の研究開発を進めております。 (3) メタネーション 当社は、2021年10月に新潟県長岡市の株式会社INPEX JAPAN長岡鉱場越路原プラントにて生産されるガスに随伴して排出されるCO2を利用した400 Nm3-CO2/hのメタネーション実用化技術開発事業(※3)を開始し、2026年に既存パイプラインへ合成メタンを注入するという予定で、実証プラントの建設作業を進めております。将来的には、大型化に向けた技術開発及びスケールアップを行い、当社のパイプラインで供給することを目指しております。※3 NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減/有効利用実用化技術開発/気体燃料へのCO2利用技術開発/大規模なCO2-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発」 (4) CO2回収・DAC(Direct Air Capture)、SAF(Sustainable Aviation Fuel)、人工光合成 イノベーション本部I-RHEXの主要研究テーマとしてCCSに関連して、CO2回収の効率化、船上CO2回収技術の開発、新コンセプトに基づくDAC技術の開発、CO2輸送技術の開発を実施しており、これらを通じ効率的なCCSサプライチェーン構築を目指しています。 また、国内大学との共同研究を通じFT(Fischer-Tropsch)合成によるSAF製造の研究開発も進めております。 さらに、経済産業省及びNEDOが主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用し光触媒を用いた水分解による水素の生成を目指す研究開発プロジェクトに継続して取り組んでおります。(5) 石油・天然ガス エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ研究開発を進めております。 在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、具体的には生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発に取り組んでおります。 また、次世代のEOR技術として難条件下でのEOR技術研究開発を進めております。 (6) DX 当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、生産・供給体制及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下を進めております。① 油ガス田開発分野では、地震探査データ処理・解釈や貯留/シール層の岩相・化石種の自動判定等、地下評価への機械学習適用の取り組みを通じて作業効率の最大化を進めております。また、油ガス生産・処理施設の操業・保全分野では、デジタル技術活用による省人化・無人化施策推進、AI活用、モバイル機器、ロボットの技術検証等に取り組んでおります。② CCS/CCUS分野では、機械学習を活用した貯留層流動シミュレーターの高速代替ツールの整備やCCSデータモニタリングシステム構築等を進めております。
FY2023|2,803 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは、「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」を踏まえ、エネルギートランジション実現に貢献し、主要エネルギー供給事業者としての責務を果たすために、事業の基盤となる技術、更には新事業開発の先鋒としての技術の在り方・方向性と将来達成すべき目標を「INPEX技術戦略」として2022年8月にまとめました。また、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を2022年4月に新設し、ネットゼロ分野の研究開発を進めております。当連結会計年度の研究活動費の総額は3,564百万円となりました。主な研究開発関連活動は以下のとおりであります。 (1) 水素・アンモニア 当社は、2050年のネットゼロカーボン社会の実現に向け、水素・CCUS事業開発本部を中心として水素・アンモニア事業に注力しております。 取組みの一つとして、新潟県柏崎市にブルー水素・アンモニア製造実証プラントの準備・建設作業を、2025年の運転開始を目指して進めております。本実証試験では、天然ガスを原料として年間700トンの水素を製造し、その一部をアンモニア製造に使用、残りを水素発電に使用するとともに、副次的に発生するCO2を既にガス生産を終了した東柏崎ガス田平井地区の貯留層へ圧入するという計画です。なお、本実証試験のうち、水素・アンモニアの製造及びCO2回収については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下「NEDO」という。)で採択された助成事業として、また、CO2 の地中貯留の実施と評価については、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(Japan Organization for Metals and Energy Security、以下「JOGMEC」という。)との共同研究として実施してまいります。 また、水素サプライチェーンの重要要素である輸送・貯蔵技術については、I-RHEXの技術課題の一つとして探求してまいります。 (2) CCS/CCUS(Carbon dioxide Capture and Storage/ Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) CO2の分離回収・貯留(CCS)技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)を通じてCO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に、日本CCS調査株式会社(JCCS)の株主として日本国内におけるCCS実証プロジェクトに参加しております。 2021年度から、新潟県阿賀野市においてCO2を用いた原油回収効率改善技術(EOR)のための研究をJOGMECと共同で実施しております。 これらCCS/CCUS事業を安全かつ効率的に推進するため、CO2地下貯留における地下評価技術モデルの構築や地下及び地上環境の各種モニタリング手法の研究開発を進めております。 (3) メタネーション 当社は、新潟県長岡市のINPEX長岡鉱場越路原プラント内で、生産されるガスに随伴して排出される二酸化炭素8Nm3/hを利用したメタネーションの基盤技術開発事業の試験(※1)を2017年から2021年まで実施しておりましたが、2021年10月には同プラントにて400Nm3-CO2/hのメタネーション実用化技術開発事業(※2)を開始し、2026年に既存パイプラインへ合成メタンを注入するという予定で関連作業を進めております。将来的には、大型化に向けた技術開発及びスケールアップを行い、2030年を目途に10,000Nm3-CO2/hスケール、年間6万トン程度の合成メタンを製造し、当社のパイプラインで供給することを目指しております。※1 NEDO委託事業「次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/CO2有効利用技術開発」※2 NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減/有効利用実用化技術開発/気体燃料へのCO2利用技術開発/大規模なCO2-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発」 (4) CO2回収・DAC(Direct Air Capture)、SAF(Sustainable Aviation Fuel)、人工光合成 経済産業省及びNEDOが主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用した光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに継続して取り組んでおります。 I-RHEXにおいてはCO2回収・輸送を含む効率的なサプライチェーン構築のための技術開発、FT(Fischer-Tropsch)合成によるSAF製造の研究開発も進めております。 (5) 石油・天然ガス エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ研究開発を進めております。 在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、具体的には生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発に取り組んでおります。 また、次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法や難条件下でのEOR技術研究開発を進めております。 (6) DX 当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、生産・供給体制及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下を進めております。① 油ガス田開発分野では、地震探査データ処理・解釈や貯留/シール層の岩相・化石種の自動判定等、地下評価への機械学習適用の取り組みを通じて作業効率の最大化を進めております。また、油ガス生産・処理施設の操業・保全分野では、デジタル技術活用による省人化・無人化施策推進、AI活用、ロボット・ドローンの技術検証等に取り組んでおります。② CCS/CCUS分野では、デジタルによる貯留効率評価ツールやCCSデータモニタリングシステム構築等を進めております。
FY2022|3,039 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは、INPEX Vision @2022を踏まえ、エネルギートランジション実現に貢献し、主要エネルギー供給事業者としての責務を果たすために、事業の基盤となる技術、更には新事業開発の先鋒としての技術の在り方・方向性と将来達成すべき目標を「INPEX技術戦略」として2022年8月にまとめました。また、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を2022年4月に新設し、ネットゼロ分野の研究開発を進めております。当連結会計年度の研究活動費の合計は1,914百万円となりました。主な研究開発関連活動を以下に記します。 (1) 水素・アンモニア 当社は、2050年 のネットゼロカーボン社会の実現に向け、水素・CCUS事業開発本部を中心として水素・アンモニア事業に注力しております。 取組みの一つとして、新潟県柏崎市にブルー水素・アンモニア製造実証プラントの準備・建設作業を、2024年の運転開始を目指して進めております。本実証試験では、天然ガスを原料として年間700トンの水素を製造し、その一部をアンモニア製造に使用、残りを水素発電に使用するとともに、副次的に発生するCO2を既にガス生産を終了した東柏崎ガス田平井地区の貯留層へ圧入するという計画です。なお、本実証試験のうち、水素・アンモニアの製造および CO2回収については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下「NEDO」)で採択された助成事業として、また、CO2 の地中貯留の実施と評価については、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(Japan Organization for Metals and Energy Security、以下「JOGMEC」)との共同研究として実施してまいります。 また、水素サプライチェーンの重要要素である輸送・貯蔵技術については、I-RHEXの技術課題の一つとして探求してまいります。 (2) CCS/CCUS(Carbon dioxide Capture and Storage/ Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) 2021年度から、新潟県阿賀野市においてCO2を用いた原油回収効率改善技術(EOR)のための研究をJOGMECと共同で実施しております。本技術は、CO2と水を混合し泡状流体(フォーム)の状態にして地下に圧入するものであり、従来のCO2 EORで弱点とされてきた地層間の浸透性の違いに起因する不均一な圧入とそれに伴う地下の原油の取り残しの発生を軽減し、原油の回収効率を改善させることが期待されております。また、原油回収後、CO2の一部は地下に残留するため、温室効果ガスの一つであるCO2削減効果についても検証することを予定しております。 CO2の分離回収・貯留(CCS)技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、CO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査株式会社の株主として日本国内における実証プロジェクトに参加しております。 さらに、I-RHEXではCCSにおける地下および地上環境の各種モニタリング手法の研究開発も進めております。 (3) メタネーション 当社は、新潟県長岡市のINPEX長岡鉱場越路原プラント内で、生産されるガスに随伴して排出される二酸化炭素8Nm3/hを利用したメタネーションの基盤技術開発事業の試験(※1)を2017年から2021年まで実施しておりましたが、2021年10月には同プラントにて400Nm3-CO2/hのメタネーション実用化技術開発事業(※2)を開始し、2025年に既存パイプラインへ合成メタンを注入するという予定で関連作業を進めております。将来的には、大型化に向けた技術開発及びスケールアップを行い、2030年を目途に10,000Nm3-CO2/hスケール、年間6万トン程度の合成メタンを製造し、当社のパイプラインで供給することを目指しております。※1NEDO委託事業「次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/CO2有効利用技術開発」※2NEDO課題設定型産業技術開発費助成事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減/有効利用実用化技術開発/気体燃料へのCO2利用技術開発/大規模なCO2-メタネーションシステムを用いた導管注入の実用化技術開発」 (4) CO2回収・DAC(Direct Air Capture)、SAF(Sustainable Aviation Fuel)、人工光合成 経済産業省及びNEDOが主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用した光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに継続して取り組んでおります。 I-RHEXにおいてはCO2回収・輸送を含む効率的なサプライチェーン構築のための技術開発、FT(Fischer-Tropsch)合成によるSAF製造の研究開発も進めております。 (5) 石油天然ガス エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ研究開発を進めております。 在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、具体的には油層中で生産障害となるアスファルテンの制御技術、生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発に取り組んでおります。 低浸透性貯留層に対しては、新潟や北米のプロジェクトを通じて獲得した知見に基づき、数値モデルを用いた生産量/圧入量予測モデルの作成や地下の貯留岩のフラクチャ―形状を把握するマイクロサイスミック等の研究開発を進めております。 また、次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法や難条件下でのEOR技術研究開発を進めております。 (6) DX 当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、供給エネルギー及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下を進めております。 ①油ガス田開発分野では、地震探査データ処理・解釈や貯留/シール層の岩相・化石種の自動判定等、地下評価への機械学習適用の取り組みを通じて作業効率の最大化を進めております。また、油ガス生産・処理施設の操業・保全分野では、デジタル技術活用による省人化・無人化施策推進、AI活用、ロボット・ドローンの技術検証等に取り組んでおります。 ②CCS/CCUS分野では、デジタルによる貯留効率評価ツールやCCSデータモニタリングシステム構築等を進めております。
FY2021|3,110 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは、従来より「長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上」と「持続可能なエネルギー供給システム構築の推進」の観点から研究開発活動に取り組んでまいりました。ネットゼロカーボン社会の実現に向けて、エネルギー開発・安定供給の責任を果たしつつ、エネルギー構造の変革への取り組みを強化する経営の基本方針を2021年1月に策定、公表し、同方針に沿って①上流事業のCO2低減(CCUS推進)、②水素事業の展開、③再生可能エネルギーの取組強化と重点化、④カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓、⑤森林保全によるCO2吸収の推進、のネットゼロ5分野の関連技術の獲得を目指した活動を実施しています。 ネットゼロカーボン社会に向けた変革を加速させるべく、エネルギーのクリーン化に繋がる各取組を現中期経営計画期間(2022年~2024年)内に重点的に実施し、研究開発を着実に進めてまいります。 このため、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を設立し、CO2貯留・回収技術、低コスト水素製造技術等のクリーンエネルギー技術の研究開発を推進します。 エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たすため、「既存E&P技術と先進技術の融合でエネルギートランジションをリードし、上流事業の強靭化とエネルギーのクリーン化を進める」を目標に掲げて研究開発活動を実施しており、当連結会計年度の研究活動費の合計は409百万円となりました。主な研究活動内容は以下の通りです。 (1) 先進技術の獲得・開発 (CO2貯留・回収技術、低コスト水素製造技術等) CCS/CCUS事業の検討・実証を通じて、事業推進に必要な技術の強化を図ります。2021年度から、新潟県阿賀野市においてCO2を用いた原油回収効率改善技術(EOR)のための研究を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共同で実施しています。本技術は、CO2と水を混合し泡状流体(フォーム)の状態にして地下に圧入するものであり、従来のCO2 EORで弱点とされてきた地層間の浸透性の違いに起因する不均一な圧入とそれに伴う地下の原油の取り残しの発生を軽減し、原油の回収効率を改善させることが期待されています。また、原油回収後、CO2の一部は地下に残留するため、温室効果ガスの一つであるCO2削減効果についても検証することを予定しております。 CO2の分離回収・貯留(CCS)技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、CO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査株式会社の株主として日本国内に おける実証プロジェクトに参加しております。 さらに、低コスト水素製造技術については、ケミカルルーピング技術などの非在来型を含む種々の水素製造プロセスの探索と評価を行い、Life Cycleで評価して低コストで水素を製造できるような技術の開発を目指し、研究開発に取り組んでおります。 (2) E&P技術の高度化・効率化・低炭素化による上流事業の強靭化 エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、既存上流事業について以下の研究開発を進めてまいります。①在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ、具体的には油層中で生産障害となるアスファルテンの制御技術、生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発を実施しています。また、当社は国内企業と連携し、セラミック膜を利用した随伴水処理技術を開発・実証し、国内操業現場において試験運転を実施すると共に、国外油田への適用に向けた検討を行っております。②イクシスLNGプロジェクトの開発や直江津LNG基地の操業経験を通じて獲得したLNG技術について、その経験と知識をLessons Learntデータベースを構築し社内で共有しました。また、新潟やカナダのプロジェクトなどを通じて獲得したタイト貯留層開発技術については、2019年にオペレーターとして権益を取得した米国イーグルフォードアセットにおいて、数値モデルを用いた生産量予測モデルの作成や地下の貯留岩のフラクチャ―形状を把握するマイクロサイスミック等の研究開発を進めてまいります。③次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法や難条件下の研究開発も進めております。 (3) 再生可能エネルギーへの取組 2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向け、カーボンリサイクル、再生可能エネルギー開発等、当社グループがこれまで上流事業を通じて培った経験と知識を活用した研究開発を実施しております。 低炭素化に向けた「炭素循環」技術の中で、2017年以降、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「CO2有効利用技術開発事業」を受託して取り組んでまいりましたCO2からメタンを生成するメタネーションの技術開発については、合成メタン製造コストの低減、設備の大規模化等実用化に向けた更なる検証を進めてまいります。当社長岡鉱場から回収した二酸化炭素を用いて合成メタンを製造する実証試験を2024年から2025年に実施し、製造した合成メタンを都市ガスパイプラインへ注入する予定です。本事業で設置する実証設備の合成メタン製造能力は約400Nm3/hを予定しており、これは現時点で世界最大級の規模となります。 また、経済産業省及びNEDOが主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用した光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに継続して取り組んでいます。 さらに、再生可能エネルギー事業への取り組みを促進し、太陽光発電、地熱発電及び洋上風力発電事業の推進に必要な技術の強化を図ります。 (4) デジタル技術の活用促進 当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、デジタルエネルギー会社としての基礎を確立することで、供給エネルギー及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下の取組を実施してまいります。①油ガス田開発分野では、地震探査データ解釈の自動化、岩相・化石種の自動判定等の取り組みを通じて作業効率の最大化を促進すると共に、掘削における逸泥や抑留といった早期障害検知AIモデルの検証を進めています。油ガス・LNG処理施設及び再生可能エネルギー設備の操業・保全分野では、省人化・無人化等による全体最適化を目指し、AI活用・ロボット・ドローンの技術検証に取り組んでおります。②CCS/CCUS分野では事業機会創出にあたり、デジタルによる貯留適地スクリーニングの省力化・自動化の取り組み等を進めております。③データ管理・データサイエンスの面では、当社グループの保有する膨大な技術データをクラウド上で一元管理化を一層進め、それらのデータの高度活用を促進いたします。
FY2020|2,419 文字
5 【研究開発活動】当社グループでは、従来から「長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上」と「持続可能なエネルギー供給システム構築の推進」という観点から研究開発活動に取り組んでまいりました。一方、2018年5月に策定した「ビジョン 2040」では、『「技術のINPEX」として多様化するエネルギー社会の未来を切り開く』を掲げ、2040年には石油・天然ガスのコア技術でアセット・プロジェクト価値の向上を図ると共に、得意技術で競争力を生み、更に次世代の持続可能なエネルギービジネスを推進する長期的未来を描いており、これを実現するために「技術ロードマップ2018」を策定し、今後5年間の技術目標を設定しました。当社グループでは、「ビジョン2040」と「技術ロードマップ2018」のもと、グループ全体の技術力の強化に取り組むと共に、従来からの研究開発も継続させつつ、ビジョンの実現に必要な研究開発を着実に進めていきます。 研究開発活動は太宗が地域ごとに集約した各報告セグメントに共通するもので、当連結会計年度は、483百万円となりました。技術ロードマップが取り組む各技術課題で進めている主な研究開発活動は以下の通りとなります。 (1) Core Technologies:石油・天然ガス上流事業の持続的成長の為に、「コア技術の着実な維持・向上と得意技術の競争力強化」を掲げ、当社グループの既存上流事業の各課題で以下の研究開発を進めています。① 在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ、具体的には油層中で生産障害となるアスファルテンの制御技術、生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発を実施しています。また、当社は国内企業と連携し、セラミック膜を利用した随伴水処理技術を開発・実証し、国内操業現場において試験運転を実施すると共に、国外油田への適用に向けた検討を行っております。② イクシスLNGプロジェクトの開発や直江津LNG基地の操業経験を通じて獲得したLNG技術につい て、その経験と知識をLessons Learntデータベースを構築し社内で共有しました。また、新潟やカナダのプロジェクトなどを通じて獲得したタイト貯留層開発技術については、Big Dataと人工知能を用いた生産量予測モデルの作成や地下の貯留岩のフラクチャ―形状を把握するマイクロサイスミック等の研究開発を進めており、これらを着実に競争力のある得意技術にしていきます。 (2) Next Challenge:今ある技術課題については、今後実証の場を経て当社グループのコア技術へと 成長させるべくチャレンジしていきます。また持続可能エネルギーシステムを推進するための低炭素化技術や再生可能エネルギーの取組みを強化して行きます。① 既存油ガス田の回収率向上を目指す二酸化炭素圧入(CO2-EOR)技術に着目し、国内の大学・企業と連携を図りつつ研究開発に取り組んでいます。海外の油田にてCO2-EORの共同研究プロジェクトを立ち上げる準備を進めています。また、国内自社フィールド等を活用した実証試験にも取り組む予定です。② 地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の分離回収・貯留(CCS)技術に関して、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでいます。また、CO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査(株)の株主として日本国内に おける実証プロジェクトに参加しております。③ 再生可能エネルギーの取り組み強化を進めるため、太陽光発電、地熱発電及び洋上風力発電に必要な技術的課題に取組み、技術の蓄積を図っていきます。 (3) Emerging:今後2040年のエネルギー社会を見据えた未来の技術に取り組んでいきます。 ① 更なる低炭素化に向けた「炭素循環」の技術のなかでは、経済産業省及び新エネルギー・産業 技術総合開発機構(NEDO)が主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用して光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに取り組んでいます。また、NEDOから「CO2有効利用技術開発事業」を受託し、CO2からメタンを生成するメタネーションの技術開発に取り組んでいます。② 国内研究機関と共同で地下常在菌を活用した増進回収技術(EOR)の研究開発を進めており、国内自社フィールド等を活用した実証試験にも取り組んでいます。また、次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法の研究開発も進めています。 (4) Digital Transformation:デジタル技術をあらゆる分野で最大限に活用し、エネルギー企業として効率的な開発・操業の実現と、レジリエントな企業体質の構築の実現を進めていきます。技術的に大きく4つの分野にわけ、以下のような取り組みを実施しています。① 油ガス田開発分野では、地震探査データ解釈の自動化、岩相・化石種の自動判定等に取り組み、作業効率の最大化を促進します。② 掘削分野では、逸泥や抑留といった掘削障害早期検知モデルの研究開発を進めています。③ 生産・操業分野では、操業費の全体最適化を目指し、Digital Oil FieldやDigital Twinといった技術に取り組んでいます。④ 情報管理の面では、当社の保有する膨大な技術データをクラウド上で一元管理化を進めており、その有効活用を促進します。
FY2019|2,468 文字
5 【研究開発活動】当社グループでは、従来から「長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上」と「持続可能なエネルギー供給システム構築の推進」という観点から研究開発活動に取り組んでまいりました。一方、2018年5月に策定した「ビジョン 2040」では、『「技術のINPEX」として多様化するエネルギー社会の未来を切り開く』を掲げ、2040年には石油・天然ガスのコア技術でアセット・プロジェクト価値の向上を図ると共に、得意技術で競争力を生み、更に次世代の持続可能なエネルギービジネスを推進する長期的未来を描いており、これを実現するために「技術ロードマップ2018」を策定し、今後5年間の技術目標を設定しました。当社グループでは、「ビジョン2040」と「技術ロードマップ2018」のもと、グループ全体の技術力の強化に取り組むと共に、従来からの研究開発も継続させつつ、ビジョンの実現に必要な研究開発を着実に進めていきます。 研究開発活動は地域ごとに集約した各報告セグメントに共通するもので、当連結会計年度は、579百万円となりました。技術ロードマップが取り組む各技術課題で進めている主な研究開発活動は以下の通りとなります。 (1) Core Technologies:石油・天然ガス上流事業の持続的成長の為に、「コア技術の着実な維持・ 向上と得意技術の競争力強化」を掲げ、当社グループの既存上流事業の各課題で以下の研究開発 を進めています。① 在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、当社技術研究所が主 体となり、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ、具体的には油層中で生産障害 となるアスファルテンの制御技術、生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀 の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発を実施しています。ま た、当社は国内企業と連携し、セラミック膜を利用した随伴水処理について、国内外の操業 現場で実証実験を行っております。② イクシスLNGプロジェクトの開発や直江津LNG基地の操業経験を通じて獲得したLNG技術につい て、その経験と知識をLessons Learntデータベースを構築し社内で共有しました。また、新 潟やカナダのプロジェクトなどを通じて獲得したタイト貯留層開発技術については、Big Dataと人工知能を用いた生産量予測モデルの作成や地下の貯留岩のフラクチャ―形状を把握 するマイクロサイスミック等の研究開発を進めており、これらを着実に競争力のある得意技 術にしていきます。 (2) Next Challenge:今ある技術課題については、今後実証の場を経て当社グループのコア技術へと 成長させるべくチャレンジしていきます。また持続可能エネルギーシステムを推進するための低 炭素化技術や再生可能エネルギーの取組みを強化して行きます。 ① 既存油ガス田の回収率向上を目指す二酸化炭素圧入(CO2-EOR)に着目し、国内の大学・企業と 連携を図りつつ研究開発に取り組んでいますが、今年度から海外の油田にてCO2-EOR共同研究 プロジェクトを立ち上げ、実証試験を行う準備を進めています。また国内自社フィールド等 を活用した実証試験にも取り組む予定です。 ② 地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の分離回収・貯留(CCS)技術に関して、2016 年から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開 発・実証に取り組んでいます。また、CO2-EORを含むCO2地下貯留(CCS)の国際基準 (ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査(株)の株主として日本国内に おける実証プロジェクトに参加しております。 ③ 再生可能エネルギーの取り組み強化を進めるため、太陽光発電、地熱発電及び洋上風力発電 に必要な技術的課題に取組み、技術の蓄積を図っていきます。 (3) Emerging:今後2040年のエネルギー社会を見据えた未来の技術に取り組んでいきます。 ① 更なる低炭素化に向けた「炭素循環」の技術のなかでは、経済産業省及び新エネルギー・産業 技術総合開発機構(NEDO)が主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太 陽エネルギーを利用して光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2か らプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに取り組んでいます。 また、NEDOから「CO2有効利用技術開発事業」を受託し、CO2からメタンを生成するメタネー ションの技術開発に取り組んでいます。 ② 当社技術研究所では、国内研究機関と共同で地下常在菌を活用した増進回収技術(EOR)の研 究開発を進めており、国内自社フィールド等を活用した実証試験にも取り組んでいます。また 次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法の研究開発も、当社研究所が主体となって進めて います。 (4) Digital Transformation:デジタル技術をあらゆる分野で最大限に活用し、エネルギー企業とし て効率的な開発・操業の実現と、レジリエントな企業体質の構築の実現を進めていきます。技術的 に大きく4つの分野にわけ、以下のような取り組みを実施しています。 ① 油ガス田開発分野では、地震探査データ解釈の自動化、岩相・化石種の自動判定等に取り組 み、作業効率の最大化を促進します。 ② 掘削分野では、逸泥や抑留といった掘削障害早期検知モデルの研究開発を進めています。 ③ 生産・操業分野では、操業費の全体最適化を目指し、Digital Oil FieldやDigital Twinとい った技術に取り組んでいます。 ④ 情報管理の面では、当社の保有する膨大な技術データをクラウド上で一元管理化を進めてお り、その有効活用を促進します。
FY2018|1,511 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、主に以下の観点から取り組んでおります。(1)長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上(2)持続可能なエネルギー供給システム構築の推進研究開発活動は地域ごとに集約した各報告セグメントに共通するもので、当連結会計年度は、809百万円となりました。主な研究開発活動は以下のとおりであります。 (1)長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上①当社中長期ビジョンで掲げている上流専業企業トップレベルの国際的競争力の確保を実現するために、埋蔵量の確保と当社の強みを創り出すという観点から、新たな探鉱コンセプトの創出、大水深油ガス田開発、シェールガス・タイトオイル開発や既存油田回収率向上等の技術を着実に獲得していくこととしています。また当社の技術力を支える共通の基盤強化のために、専門家の育成、技術標準・ガイドラインの整備、ナレッジ・マネジメント・システムの構築等、技術基盤の整備を図っております。②上記取り組みの一環として、国内外の大学や他企業と連携を図りつつ、地質構造発達史の研究、既存油田回収率向上を目指す二酸化炭素(CO2)圧入や地下常在菌を活用した増進回収技術(EOR)の研究、生産障害となる油層中でのアスファルテン析出対策、腐食防食分野の研究などを進めております。加えて、新規技術の実用化を促進すべく国内自社フィールド等を活用した実証テストにも積極的に取り組んでいます。③また、油ガス田開発にともなう環境対策及び各種化学分析技術の高精度化にも努めております。④更に、将来の新たな国産エネルギー資源の確保に向け、国の主導するメタンハイドレートに関する研究・調査事業に関与し、技術的課題の克服に貢献しています。 (2)持続可能なエネルギー供給システム構築の推進①地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の分離回収・貯留(CCS)技術に関して、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)のCO2地中貯留の実証試験(平成12~19年度)に協力し、平成28年度からは新設された二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、同組合が受託したMETIの公募事業「二酸化炭素大規模地中貯留の安全管理技術開発事業」を通して、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでいます。また、CO2-EORを含むCO2地下貯留(CCS)の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査(株)の株主として日本国内における実証プロジェクトに参加しております。②社会に貢献する総合エネルギー企業を目指して、石油・天然ガスのみならず、新たなエネルギーの研究や事業化にも取り組んでいます。地熱発電及び太陽光発電などの再生可能エネルギーへの取り組みを強化するとともに、経済産業省及び新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用して光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素と二酸化炭素からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに取り組んでいます。 また、本年5月に策定した「ビジョン 2040」、「中期経営計画 2018-2022」の一環として、これまでの重要技術課題への取組み成果を振り返るとともに、今後5年間で挑戦すべき新たな技術テーマとそれらへの取組み方針を「技術ロードマップ2018」としてまとめました。同技術ロードマップに則り、新たな研究開発課題への取組みを開始いたします。
FY2017|1,524 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、主に以下の観点から取り組んでおります。(1)長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上(2)持続可能なエネルギー供給システム構築の推進研究開発活動は地域ごとに集約した各報告セグメントに共通するもので、当連結会計年度は、1,983百万円となりました。主な研究開発活動は以下のとおりであります。 (1)長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上①当社中長期ビジョンで掲げている上流専業企業トップレベルの国際的競争力の確保を実現するために、埋蔵量の確保と当社の強みを創り出すという観点から、新たな探鉱コンセプトの創出、大水深油ガス田開発、シェールガス・タイトオイル開発や既存油田回収率向上等の技術を着実に獲得していくこととしています。また当社の技術力を支える共通の基盤強化のために、専門家の育成、技術標準・ガイドラインの整備、ナレッジ・マネジメント・システムの構築等、技術基盤の整備を図っております。②上記取り組みの一環として、国内外の大学や他企業と連携を図りつつ、地質構造発達史の研究、既存油田回収率向上を目指す二酸化炭素(CO2)圧入や地下常在菌を活用した増進回収技術(EOR)の研究、生産障害となる油層中でのアスファルテン析出対策、腐食防食分野の研究などを進めております。加えて、新規技術の実用化を促進すべく国内自社フィールド等を活用した実証テストにも積極的に取り組んでいます。③また、油ガス田開発にともなう環境対策及び各種化学分析技術の高精度化にも努めております。④更に、将来の新たな国産エネルギー資源の確保に向け、国の主導するメタンハイドレートに関する研究・調査事業に関与し、技術的課題の克服に貢献しています。 (2)持続可能なエネルギー供給システム構築の推進①地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の分離回収・貯留(CCS)技術に関して、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)のCO2地中貯留の実証試験(平成12~19年度)に協力し、平成28年度からは新設された二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、同組合が受託したMETIの公募事業「二酸化炭素大規模地中貯留の安全管理技術開発事業」を通して、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでいます。また、CO2-EORを含むCO2地下貯留(CCS)の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査(株)の株主として日本国内における実証プロジェクトに参加しております。②平成20~27年度に東京大学社会連携講座を通じ、二酸化炭素(CO2)をエネルギー源として再利用する持続型炭素循環システムの研究を産学共同で実施してまいりました。本共同研究の成果として、当社八橋油田由来の地下微生物群が電気化学的な二酸化炭素(CO2)のメタン変換活性を有する事を発見、さらに当該変換反応に関与する微生物群並びに変換経路についても解明しています。③社会に貢献する総合エネルギー企業を目指して、石油・天然ガスのみならず、新たなエネルギーの研究や事業化にも取り組んでいます。地熱発電及び太陽光発電などの再生可能エネルギーへの取り組みを強化するとともに、経済産業省及び新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用して光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素と二酸化炭素からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに取り組んでいます。
FY2016|1,440 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、主に以下の観点から取り組んでおります。(1)長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上(2)持続可能なエネルギー供給システム構築の推進研究開発活動は地域ごとに集約した各報告セグメントに共通するもので、当連結会計年度は、754百万円となりました。主な研究開発活動は以下のとおりであります。 (1)長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上①当社中長期ビジョンで掲げている上流専業企業トップレベルの国際的競争力の確保を実現するために、埋蔵量の確保と当社の強みを創り出すという観点から、新たな探鉱コンセプトの創出、大水深油ガス田開発、シェールガス・タイトオイル開発や既存油田回収率向上等の技術を着実に獲得していくこととしています。また当社の技術力を支える共通の基盤強化のために、専門家の育成、技術標準・ガイドラインの整備、ナレッジ・マネジメント・システムの構築等、技術基盤の整備を図っております。②上記取り組みの一環として、国内外の大学や他企業と連携を図りつつ、地質構造発達史の研究、既存油田回収率向上を目指す二酸化炭素(CO2)圧入や地下常在菌を活用した増進回収技術(EOR)の研究、生産障害となる油層中でのアスファルテン析出対策、腐食防食分野の研究などを進めております。加えて、新規技術の実用化を促進すべく国内自社フィールド等を活用した実証テストにも積極的に取り組んでいます。③また、油ガス田開発にともなう環境対策及び各種化学分析技術の高精度化にも努めております。④更に、将来の新たな国産エネルギー資源の確保に向け、国の主導するメタンハイドレートに関する研究・調査事業に関与し、技術的課題の克服に貢献しています。 (2)持続可能なエネルギー供給システム構築の推進①地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の分離回収・貯留(CCS)技術に関して、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)のCO2地中貯留の実証試験(平成12~19年度)に協力し、当社は引き続き貯留CO2の挙動観測技術に係る検討を継続しています。また、CO2-EORを含むCO2地下貯留(CCS)の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査(株)の株主として日本国内における実証プロジェクトに参加しております。②平成20~27年度に東京大学社会連携講座を通じ、二酸化炭素(CO2)をエネルギー源として再利用する持続型炭素循環システムの研究を産学共同で実施してまいりました。本共同研究の成果として、当社八橋油田由来の地下微生物群が電気化学的な二酸化炭素(CO2)のメタン変換活性を有する事を発見、さらに当該変換反応に関与する微生物群並びに変換経路についても解明しています。③社会に貢献する総合エネルギー企業を目指して、石油・天然ガスのみならず、新たなエネルギーの研究や事業化にも取り組んでいます。地熱発電及び太陽光発電などの再生可能エネルギーへの取り組みを強化するとともに、経済産業省及び新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用して光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素と二酸化炭素からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに取り組んでいます。