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エアークローゼット(9557)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

エアークローゼットは、主に国内在住の女性向けに、プロのスタイリストが選んだ洋服をレンタルする「airCloset」を運営しています。このサービスは、洋服のサブスクリプション型レンタルと、気に入った服の購入を組み合わせたFaaS(Fashion as a Service)形式が特徴です。収益は、月額のレンタル利用料が主で、オプション料金やレンタル後の洋服販売(買取)、使用済みアイテム販売(エコセール)、広告収入などからも得ています。洋服の仕入れからパーソナルスタイリングによる付加価値提供、レンタル、販売までを一貫して行い収益化を目指すビジネスモデルです。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

エアークローゼットの事業セグメントは、パーソナルスタイリング事業の単一セグメントです。これは、スタイリストが顧客一人ひとりに合わせた洋服を選定し、個宅に配送・レンタルするサービス「airCloset」を主軸とした事業を指します。このサービスは、洋服のレンタル利用料や販売売上によって収益を得ており、同社の主要な収益源となっています。生活家電や寝具などのライフスタイル商材を試して購入する「airCloset Mall」などの事業も提供していますが、全体としてはパーソナルスタイリング事業が中心であり、セグメント別の詳細な記載は省略されています。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,465 文字
3【事業の内容】(1) 事業概要当社は、国内在住の女性に対して、スタイリストが一人一人の顧客の好みに合わせた洋服を選定(パーソナルスタイリング)し個宅に向けて配送しレンタルするサービス「airCloset」を主として提供しています。「airCloset」は非対面で顧客にパーソナルスタイリングを提供する事業として2015年2月にリリース致しました。当サービスは洋服を循環的に活用するシェアリングエコノミーの要素や継続課金制のサブスクリプション型のビジネスモデルを採用していることが特徴です。「airCloset」はメーカー、ブランド等のアパレル事業者と顧客とを引き合わせるプラットフォームとしての機能を有しており、かつ、レンタル中の洋服で気に入ったものについては購入することも可能な機能を備えています。洋服を着ることに関わる移動や選択・メンテナンスや購入(所有)までさまざまな機能を統合したFaaS形式(※1)サービスです。「airCloset」リリース以降も継続的にPDCAサイクル(※2)を回すことで、機能改善及び新規機能の追加を行ってまいりました。代表的な機能改善及び新規機能追加の例としては、顧客が好みのスタイリストを指名できる「スタイリスト指名オプション」機能の追加や、レギュラープランの2倍の量の洋服をレンタルできる「ダブルレンタルオプション」、洋服と合わせたアクセサリーをレンタルできる「アクセサリーオプション」の追加などが挙げられます。当社の事業構造は洋服を仕入れ、パーソナルスタイリングによって付加価値を高めて提供することでレンタル利用料および販売売上(買取料)にて収益化を目指すビジネスと言い換えることもできます。 また、当社では生活家電や寝具など比較的高額なライフスタイル商材を試して購入する「airCloset Mall」などの事業を提供してきました。今後も、当社の事業を推進することにより、アパレル業界、日本の経済社会に対する貢献をしたいと考えております。なお、当社はパーソナルスタイリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ※1 FaaSとは、Fashion as a Serviceの略称であり、洋服の所有・利用に関わる様々な機能(選択・比較・コーディネート・購入・試着など)をサービス提供側が用意し、利用者がそのニーズに応じて利用していくサービス提供基盤のことを指します。※2 PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようとする活動のことを指します。 ■ airClosetの事業構造※ 無料会員とはメールアドレスによる登録で、取り扱いアイテムの閲覧やエコセールへの参加などが可能な会員属性のことを指します。 (2) サービス概要① ファッションレンタルサービス「airCloset」について「airCloset」は国内居住の女性をターゲットに、一人一人の顧客の好みに合わせてスタイリストが選定した洋服をレンタルするサービスとして2015年2月より提供開始しております。洋服のスタイリングを含む顧客とスタイリストのコミュニケーションは非対面のオンラインで行われることが特徴です。レギュラープランでは、月額定額制で、1度に3着の洋服をコーディネートし、顧客の指定する住所に郵送します。顧客は受け取った洋服を職場や女子会・ママ会といった日常シーンで着用し、楽しむことが可能です。着用を終えた洋服は専用の返送方法にて当社委託先の倉庫に返却し、返却を確認できた時点でまた次の洋服を当該顧客に配送するというサイクルを繰り返します。返却された洋服のクリーニング・メンテナンスは利用料金の範囲内で当社委託先の協力会社にて行うため、顧客に不要な手間をかけさせない点にも工夫があります。また、レンタルされた洋服は顧客の手元での着用時または返却後に在庫として存在する場合には、購入することもできるため、レンタル衣類の試着サービスとしてだけでなく、洋服の新たな購入方法としても利用されています。自分の好みやサイズを登録するだけでプロのスタイリストが選定した洋服が届き、その洋服を日常生活で楽しみ、利用後はそのまま返却するだけでまた次の洋服が届く。手軽にたくさんの「洋服との新しい出会い」を得られることをサービスの中心的な価値としています。 「airCloset」の顧客の年齢層は20代から50代女性と幅広く、特に30代後半から40代が中心となっています(2024年6月時点)。中でも働く女性が92.8%(2024年6月時点)、子供を持つ女性が55.8%(2022年4月時点)を占める等、仕事や育児に時間が割かれており、自身の洋服選びの時間に悩む女性が賢くファッションを楽しむために利用しているケースが多く見られます。顧客の年収については400~600万円の層が約37%と多くみられます(2021年10月時点)。また、2022年4月実施の顧客アンケートでは、時間的制約や手段的制約によって買い物に行きたくてもいけない(71.6%)、洋服のコーディネートや着こなしに迷ったことがある(92.0%)などの顧客層の悩みが抽出されており、これらの課題を解決するためのサービスとしても活用されています。 当サービスの主な収益構造は、「airCloset」サービスの提供による顧客から得られる月額の会費収入です。会費収入は主に10,980円/月のレギュラープラン、7,980円/月のライトプランと13,980円/月のライトプラスプランそれぞれのプランに利用登録をした会員を通じて得られるものであり、サブスクリプション型で提供しています。これらに加えてレギュラープランの2倍の洋服レンタル機会を得られるダブルレンタルオプション(9,680円/月)や洋服だけでなくアクセサリーをレンタル対象に追加できるアクセサリーオプション(1,100円/回)、好みのスタイリストを直接指名できるスタイリスト指名オプション(550円/回)、コーディネートに用いる洋服のブランドを指定できるブランドセレクトオプションなどのアップセル・クロスセル(※)によるさらなる収益機会の獲得を見込むことが出来ます。なお、レギュラープランは返却する都度、何度でも次の洋服がレンタルできるプラン、ライトプランは月に1度、3着1セットの洋服をレンタルできるプラン、ライトプラスプランはXS~3Lの洋服が月に1度、5着1セットでレンタルできるプランとして提供しています。また、個人ではなく法人単位のレンタルサービスも提供しております。また、月額の会費収入とは別に、レンタル中の商品を現状有姿で買い取る際に得られる販売収入、レンタル提供が終了したアイテムを販売する「エコセール」、各顧客への洋服の配送の際に行う企業広告のサンプリングや梱包資材へのデザイン広告等を請け負う広告収入などがあります。 ※ アップセルとは、当社が現在提供している商品やサービスに加えて、質及び金額ともにより上位の商品やサービスを提供し、利用者が現在利用する商品やサービスに代わり上位の商品やサービスを購入することをいいます。一方で、クロスセルとは、利用者が現在利用している商品やサービスに追加して、別の商品やサービスを購入することをいいます。 ■ 「airCloset」の料金体系 「airCloset」がパーソナルスタイリングにより提供する顧客体験(UX:User Experience)には、先に試して気に入った洋服だけを購入する価値やデザインの新旧やブランドネームによることなく自身にとって「似合う」洋服を購入する価値、また洋服を購入するだけでなくレンタルサービスそのものを楽しむ価値の3つの新しい価値が含まれます。具体的には、月額会員の半数は「airCloset」を通じて洋服を購入した経験があり、その販売率は期間中の配送着数に対して約6%となっています(2024年6月期実績)。また、ブランドやデザインの型式は顧客評価や販売率に関わらず、顧客自身が現状有姿の商品そのものの品質を好んだ際に購入されています。別のアンケートでは、普段購入していないブランドの洋服を「airCloset」を通じて体験した、という顧客が約90%いることも分かっています(2021年2月時点調査)。さらに、利用期間が6か月を超えるロイヤル会員が全会員数の65%超を占めており(2025年6月末時点)、洋服の購入後も継続して当社サービスを利用していることも分かっています。サービスを利用するたびに体験価値が重ねられるため、月額会員の退会率は登録当初から約3か月を境に緩やかになっていきます。■ 会員獲得について「airCloset」には月額会員のほか、メールアドレスを登録し当社からサービス関連情報を受け取ることのできる無料会員という会員属性が存在します。無料会員はレンタルサービスの利用はできませんが、当社の実施するセール等の機会に洋服を購入することが可能です。無料会員は月額会員への転換の見込みのある顧客として事業成長の先行指標となっております。継続的なマーケティング活動を通じて認知度の向上に取り組んでおり、特に、春・秋にサービスへのニーズが高まることから、重点的にマーケティング活動を実施しております。この結果、2025年6月末時点では月額会員4万人と月額会員数は順調に成長し、無料会員140万人が登録されています。 ■ 無料会員数・月額会員数の推移 当社の事業は、顧客との洋服の好みのやり取りを通じた長期的な利用を促進する観点から、サービス品質の維持向上が強く求められます。言い換えると、サブスクリプション型事業の特徴として、会費収入基盤の安定的拡大を実現するとともに、契約期間中のオプション追加や商品購入などLTV(※1)を高める仕組みを具備していることが当事業の成功要因と考えられます。この点において、顧客の選好や購入に関する価格弾力性をデータから分析し活用するなど、AIを用いたパーソナライズの開発・促進も重要となります。2025年6月期においては、安定して発生するairCloset事業の月額会費および販売による売上が約82%を占めており、当社の事業収入の中心が安定的な顧客基盤によってもたらされていることを示しています。 ※1 LTV(Life Time Value)とは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値のことをいいます。 ② メーカー公認月額制レンタルモール「airCloset Mall」について当社は、2020年4月に、生活家電等のライフスタイル商材を取り扱うメーカーにサブスクリプション型のレンタル型販売ビジネスの基盤を提供するサービスとして「airCloset Mall」をリリース致しました。本サービスは当社と各メーカーがプラットフォーム利用契約を直接締結し、顧客へ契約に基づく商品をレンタルし、試用したうえで購入を促す販売チャネルを提供します。メーカーは商品の納品から最短1週間でサブスクリプションのレンタル型販売ビジネスを始めることができ、顧客は目当ての商品を自宅で試用してから購入を検討することが出来るメリットがあります。また本サービスは「airCloset」で蓄積したフルフィルメント(※)ノウハウを応用した物流プラットフォームとしてメーカーと顧客の間で機能しています。収益構造はメーカーから個別契約にて定めた金額を受領するプラットフォーム利用料と顧客から受領するレンタル売り上げの一部及び購入に結びついた場合の販売売上の一部(レベニューシェア)によって構成されます。なお、商品によっては直接仕入を行い、顧客へのサービスを提供しております。その場合の収益構造は、顧客から受領するレンタル売り上げ及び購入に結びついた場合の販売売上によって構成されます。 ※ フルフィルメントとは、通信販売やECにおいて、受注から配送までの業務(受注、梱包、在庫管理、発送、受け渡し、代金回収まで)の一連のプロセス全体のことを指す用語として用いております。 (3) 当社の特徴① 専用オペレーションの強み当社は、クリーニング技術の改善や個品単位でのレンタルアイテムの保管管理に関する独自のフルフィルメントノウハウを蓄積しており、ファッションレンタルに関わる物流機能について様々な強みを有しています。例えばレンタルアイテムの個品管理や、協力会社との連携による専用のクリーニング手法・メンテナンス方法を継続的に開発・導入・検証しております。月額会員一人当たり限界利益(以下、「一人当たり限界利益」)はオペレーション業務の改善の結果、以下のとおり順調に推移しております。また、一人当たり限界利益はサブスクリプションビジネスの健全性、持続的な収益性の動向を把握するための重要指標と捉えております。 ■ 一人当たり限界利益の推移 売上高(千円)変動費(千円)限界利益(千円)平均会員数(※1)(人)一人当たり限界利益(※2)(円)2021年6月期2,887,0571,402,9861,484,07124,76259,9342022年6月期3,390,3391,506,0281,884,31129,83763,1542023年6月期3,740,0431,723,8872,016,15531,70163,6002024年6月期4,216,1571,821,6792,394,47735,25767,9142025年6月期4,957,5892,225,8522,731,73738,89370,237※1 各期間における日次の会員数を平均することで算出※2 一人当たり限界利益:売上高より、売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれる変動費(オペレーションコスト、スタイリングコストなど)を控除(ただし、レンタル用資産償却費控除前)した金額を限界利益とし、平均会員数で除すことで算出※3 2020年6月期の変動費には倉庫移転費用58,624千円が含まれております。※4 限界利益(売上高より、売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれる変動費(オペレーションコスト、スタイリングコストなど)を控除(ただし、レンタル用資産償却費控除前)した金額)/ 売上高により算出される限界利益率は2025年6月期において55.1%となります。 ■ 1配送当たりオペレーションコスト(※ CPO)の推移 CPO(円)2021年6月期2,5162022年6月期2,4582023年6月期2,4752024年6月期2,4642025年6月期2,543※ 移転費用を除く物流費用の総額を配送数で除すことで算出 またオペレーションの全体像については以下の通りです。 ■ 独自の循環型プラットフォーム創業時から社内に物流専門チームを設置し、協力会社と共に専用物流倉庫/専用クリーニング工場による独自システムや独自オペレーションを構築しております。返却を受けたレンタル品のメンテナンスから再出荷までのプロセスを循環型の物流基盤(プラットフォーム)と捉えており、当社物流の強みとしています。具体例としては、返却を受け付けた洋服を最短では1日で再貸出し可能にするよう、オペレーション品質を高めています。また、配送手段についてもヤマト運輸株式会社、佐川急便株式会社、日本郵便株式会社等の配送事業者の活用や、三菱商事株式会社が提供するSmariの導入など顧客の利便性を高めるために様々な工夫を行っています。こうした一連の機能を「AC-PORT」と呼称し、ファッションレンタル事業の収益化に貢献するよう、改善運用を繰り返しています(下図『「AC-PORT」の進化』の『フェーズ5』)。具体的には、洗濯可能なRFIDタグ(※)を活用し、個品管理が可能な独自のWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)、におい除去等の精度を高めたクリーニング手法、洋服の循環を高効率で実現する庫内オペレーション等が特徴です。特に、WMSについては完全自社開発により構築し、外部ベンダーに依存しない開発・改修・運用体制を備えています。さらに、RFIDを活用した独自の物流システムに関する特許を取得しており(特許第7105347号)、その独自性及び新規性を認められています。また、本システムは将来的な事業展開に備え、ファッションレンタルサービスに関するオペレーションを機能単位で外販可能な設計となっており、他社へのプラットフォーム展開も開始しております。さらに今後においては、現在は別拠点にて運営している倉庫・クリーニング・メンテナンスの機能を同一拠点に配置した、倉庫一体型の物流体制の構築を目指します。当該物流体制の構築の実現に向けて倉庫の拡張移転を開始しており、2026年6月期中での完了を予定しております。 ※ RFID(Radio Frequency Identifier)とは、ID情報を埋め込んだRFタグ(電磁波を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体)から、電磁界や電波を用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般を指します。 ■ 「AC-PORT」の進化 ② パーソナルスタイリング当社は、今日の消費社会について、トレンドを頼りに設計される大量生産・大量消費の消費文化から、個々人の多種多様なライフスタイルや好みを重視する消費文化への変化が生じており、ファッションの分野では特に、今後パーソナルなサービスが一層求められていくことになると考えています。当社と雇用契約を締結するスタイリスト及び業務委託契約を締結するスタイリストは合計300名を超えています(2025年6月末時点)。また、スタイリングはオンラインで連携するクラウドソーシングの仕組みで提供されており、前述の消費文化の変容に伴い増加するニーズを満たすことが出来るよう効率的なリソースの確保に努めています。なお、スタイリストは過去のスタイリングデータとお客様の評価データを掛け合わせることにより自身の提供するスタイリングの品質を自発的に高められる仕組みを取っています。 ③ サブスクリプションモデルによる収益の安定性及びエンゲージメントの高いユーザー基盤「airCloset」はサブスクリプションモデルでのサービス展開を実施しており、強固な顧客基盤を強みとしています。非連続に消費・購買が行われる小売業と異なり、顧客との継続的な関係を前提とするため、業績の急激な変動が生じません。また、損益に与える変数が多数ありながらも事業構造がシンプルかつ明確になっていることがその特徴です。このため、売上高の成長とコストの安定化を達成することで、事業の将来像を予想しやすいビジネスであると考えております。月額会員のなかには5年を超える長期利用を継続している顧客も存在します。また、顧客がスタイリストにスタイリングの感想を伝えることで、次回のスタイリングが一層その顧客に適したものに調整されていく仕組みをもっていることから、当社と顧客との間のコミュニケーション頻度が非常に高いことも特徴としています。月額会員制度による安定的な収益性に加え、多くの顧客接点からサービス改善策を質量ともに打ち出し続けられる点が当社のビジネスモデルの強みであると考えています。また、月次の新規獲得顧客数のうち15%強は退会会員からの再登録となっており、顧客との信頼関係を高く維持しております(2025年6月期)。 ④ AI・データ活用パーソナルスタイリングサービスの量及び品質を担保しその精度を高めるため、スタイリストの「スキルのシェア」とデータサイエンティストによる「AI/データ活用」を徹底しております。顧客からは従来のECサービスで取得できる購買データのみならず、着用後の感想(体験データ)を収集することが出来、これを社内で解析・応用することで新しい顧客体験につながるアクションを取り続けることが可能になります。業務の中で収集できる様々なデータを指標化することで、スタイリング精度の向上や、顧客とスタイリストのマッチング、在庫数の最適化、物流効率の最適化、仕入れ価格の最適化など、サービス品質の向上に向けたPDCAサイクルに活用しています。例えば、体験データについては120万件/年以上、スタイリングデータも40万件/年以上、サービスを運営しながら収集しております。 ⑤ マーケティング手法「自分の好み・自分に似合う」商品を求めているパーソナライズ市場の潜在顧客のニーズに対し、様々なマーケティング手法で対応し、効率的な顧客獲得を行っております。本市場に対する顧客開拓力は当社の成長の源泉となっております。WEBマーケティング、特にSNS広告や検索広告で幅広く潜在顧客へ訴求を行っており、各種広告において最適化を図るなど改善も重ねております。2026年6月期においては新規顧客の獲得手段において広告への集中から脱却し、コラボレーション強化やオフライン接点の強化など、新規会員獲得手段の多様化を行ってまいります。各種手段での訴求後は、当社のこれまでのスタイリングノウハウを独自に集約した「パーソナルスタイリング診断」のコンテンツを配置しております。このように顧客獲得手法を洗練し、顧客獲得コストをコントロールすることで、顧客獲得の効率化と事業成長を実現しております。 ⑥ 効率的な在庫管理当社はサブスクリプションモデルを採用しているため、貸出着数の増加によって事業拡大を図る従来型の貸衣装事業とは異なる在庫管理の考え方を持っています。具体的には保有在庫の最適化に関しては一着当たり回転率ではなく、月額会員一人当たり仕入高(以下、「一人当たり仕入高」)と顧客満足度をKPIとして管理しています。顧客満足度を下げずに一人当たり仕入高を効率化していくためのモニタリング、仕入計画策定、在庫運用等を実施しています。一人当たり仕入高の推移は下図の通りです。なお、これにより各洋服が使われる期間も長期化が図られ、利用実態に応じて見直しを行うレンタル用資産の耐用年数にも影響を与えるものとなります。一方で、顧客満足度も継続的にモニタリングし、一人当たり仕入高を高い水準とすることも選択肢の一つと考えておりますので、二つの指標の関連性に留意しながらモニタリングしていきます。 ■ 一人当たり仕入高(※1)の推移※1 各年度におけるレンタル用資産増加額を年間平均月額会員数で除すことで算出※2 利用毎にお客様から取得する4段階評価のレーティングにおける年間平均値 [事業系統図] ※ 洋服のレンタルと返却は当社が契約しているファッションレンタル倉庫と顧客の間で繰り返されます。レンタルした洋服のうち、顧客が購入の意思を示したものについては購入代金を支払うことにより顧客の手元に取り置くことができます。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
仕入価格上昇時にサービス価格への反映を検討するとしているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
ファッションレンタル物流の構築や所属スタイリストの数的優位性。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:インターネット関連市場の発展阻害 / 物流機能の適時拡充の遅れ / 特定の業務委託に対する依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

エアークローゼットは、ファッションレンタルサービスにおける独自のブランド認知度を構築しつつある。しかし、特許や規制ライセンスなどの明確な無形資産の強固な優位性は現時点では限定的。ブランド構築は継続的なマーケティング投資に依存する。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は一度、自身のサイズや好みに合ったスタイリング提案を受け、クローゼットに服が蓄積されると、他社への乗り換えに手間や不確実性を感じる可能性がある。特に、パーソナルスタイリングの質への満足度が高い顧客ほど、乗り換えコストは高まる。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザー数が増加しても、サービス自体の価値が直接的に向上するような顕著なネットワーク効果は見られない。将来的には、ユーザーのレビューや嗜好データが蓄積され、スタイリング精度の向上に繋がる可能性はある。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ファッションレンタルサービスは、在庫管理、クリーニング、物流など、オペレーションコストが収益性を圧迫する構造を持つ。エアークローゼットが競合他社に対して構造的なコスト優位性を持つという証拠は現時点では見当たらない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ファッションレンタル市場はまだ成長段階であり、エアークローゼットは一定の規模を持つプレイヤーだが、業界全体で最適化された少数寡占状態には至っていない。規模の経済による顕著なコスト優位性は限定的。

エアークローゼットは、非対面でパーソナルスタイリングを提供する「airCloset」を2015年から展開し、ファッションレンタル物流の構築や多数のスタイリストを抱えることで高い参入障壁を築いています。顧客は20代から50代と幅広く、特に多忙な30代後半から40代の働く女性が中心で、洋服選びの悩み解決に貢献しています。レンタルで試着後に購入できる仕組みや、普段買わないブランドとの出会いを提供するなど、単なるレンタルに留まらない顧客体験を提供し、これが競合に対する優位性となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

事業リスク

エアークローゼットの事業にはいくつかのリスクがあります。インターネット関連市場の発展が阻害された場合や、競合他社の参入による優位性の低下が経営成績に影響を与える可能性があります。また、ユーザー数増加に伴う物流機能の拡充が遅れた場合や、クリーニング・配送業務を特定の外部業者に依存しているため、取引条件の変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場の流行や顧客の嗜好の変化により在庫の需要が想定と異なった場合、レンタル用資産の減損が発生するリスクや、月額会員数の獲得が計画通りに進まない、または既存会員が減少するリスクも存在します。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,966 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性がある事項及びその他の投資者の判断に影響を及ぼすと考えられる事項には、以下のようなものがあります。 また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。具体的には、当該リスクを把握し、管理する体制・枠組みとして当社内にリスク・コンプライアンス委員会を設置し、対応いたします。詳しくは「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 a.企業統治の体制の概要 ホ) リスク・コンプライアンス委員会」をご参照ください。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 〈市場に関するリスク〉(1) インターネット関連市場について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社はインターネットを介してアパレル商品をレンタルするパーソナルスタイリングEC事業「airCloset」を主力サービスとして提供しており、5Gなどの新しい規格を含むブロードバンド環境の普及によりインターネット関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。しかしながら、新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改定を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合優位性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)当社はインターネット通信販売事業者として、単なるアパレル商品のレンタル・販売を行うだけでなく、サイトの利便性を高め、また各ブランドと良好な関係を保ちつつ、ユーザーにパーソナルスタイリングを提供することによって、競合優位性を有していると考えております。関連市場の拡大に伴い、各ブランド自身によるパーソナルスタイリング・ファッションレンタル事業への展開、競合他社による新たな付加価値サービスの提供等がなされる可能性がありますが、当社独自に開発したファッションレンタル物流の構築や所属スタイリストの数的優位性など、参入障壁は高く、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないものと考えております。 〈事業運営に関するリスク〉(3) 物流機能について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社は、ユーザー数の増加に応じて必要在庫数、必要作業スペース等が増加するため、倉庫・スタッフ等の拡充を行っておりますが、これらを適時に行えなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、物流拠点を設置している地域において、地震、台風等の自然災害が発生したことにより物流拠点が被害を受けた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ただし、クリーニングノウハウは当社に蓄積されており、かつ緊急時に依頼可能な工場を事前に確保するなど、クリーニング工場の分散化の余地を残していること、また物流拠点に火災保険を付保していることなど、オペレーション・財務両面で復旧を速やかに行い当該リスクを最小化する手段を備えています。 (4) 特定の業務委託に対する依存度の高さについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)当社は商品に対するクリーニングの実施やメンテナンス等の業務、また商品のユーザーとの間の受配送について、特定の第三者に委託しております。本書提出日現在において当該委託業者との間に問題は生じておりませんが、今後において取引条件等の変更があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化するリスクは高くないものと認識しております。関連する委託業務の実施ノウハウの内製化や、一部の委託企業とは資本業務提携を結ぶなど良好な関係を維持継続できるよう努めております。 (5) 在庫リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)当社が保有する大部分の商材については、(特に「airCloset」において)当社自ら仕入れを行い自社の資産として保有したうえでレンタル・販売を行う買取型の仕入れ形態をとっております。これらの仕入れを行う際は、市場の流行・顧客の嗜好を考慮しておりますが、市場の流行・顧客の嗜好の変化により、商品の需要状況が当社の想定していたものと大きく異なる結果、レンタル用資産の減損を実施することとなった場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 仕入リスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は、「airCloset」で提供するアパレル商品をメーカーや商社を通じて仕入れており、仕入先各社との関係は良好であり何ら問題は生じておりませんが、今後ブランドの事業方針や戦略等の見直しが行われた場合、仕入先の経営状況が変化し財務内容が悪化した場合、当社との取引関係の悪化等を起因とした商品供給量の減少が行われる場合、または契約の不履行もしくは取引の中止等があった場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、「shareCloset」のスキームを利用した中古市場からの買取の道を深めるなど、将来的な調達経路の開発も進めております。さらに当社は、古物商免許を取得しており、従たる調達手段として前述した中古市場からの買取を行う場合にも適法・適切な対応を取ることが可能となっております。上記リスクが顕在化する可能性は高くないものと考えておりますが、引き続きリスクの低減に努めてまいります。 (7) 月額会員数について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社事業において重要なKPIに定めている月額会員数について、本項「事業等のリスク」記載のリスクが顕在化した場合、またはその他不測の事態が生じた場合に新規会員獲得が計画通りに実現できない可能性があります。また、計画以上に既存会員の減少が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。すべてのリスクの発生可能性を未然に防ぐ合理的な手立てはないものと考えておりますが、かかる事象が生じた場合にも、適切な経営判断ができるよう常に社内外の情報収集を行っていくとともに、社内外の各組織・関連機関との関係を維持・向上できるよう努めてまいります。 (8) 固定資産(主にレンタル用資産)の減損について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社では、固定資産の減損に係る会計基準に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、対象となる資産に減損損失を計上する必要が生じた場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) システムトラブルについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:大)当社はユーザーとの接点についてインターネットサイトやスマートフォンアプリを主たる方法として採用しており、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。しかしながら、地震、火災等の自然災害、事故、停電など予期せぬ事象の発生によって、当社設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社のサービスは外部クラウドサーバAmazon Web Service社が提供するサービス(以下、「AWS」という。)を利用して提供しており、AWSの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。これまでのところ、当社においてAWSに起因する重大なサービスの停止やトラブル等は起こっておりませんが、システムエラーや人為的な破壊行為、自然災害等の当社の想定していない事象の発生によりAWSが停止した場合には、顧客への損害の発生やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がありますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。当社では、AWSが継続的に稼働しているかを随時モニタリングしており、障害の発生またはその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整備しております。AWSはFISC安全対策基準(注)を満たす安全性を備えております。(注)FISCとは、金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことを指します。 (10) 洋服の仕入価格の上昇について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 原材料価格の上昇や円安の進行等など様々な要因により、当社が仕入れを行っているアパレル商品の仕入コストの上昇等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対応するため、仕入コストの上昇については「(6) 仕入リスクについて」に記載の対応を進めるとともに、お客様一人当たりに必要な洋服の量の最適化、仕入商品の見直しにより対応を行います。また、上記で対応が困難な規模の仕入価格コストの上昇が起きた場合はサービス価格への反映を検討してまいります。 (11) 物流コストの上昇について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社は物流業務を外部の専門業者に委託しておりますが、原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰した場合や、物流業界における人件費が高騰した場合に物流コストが上昇し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対応するため、複数の専門業者様と取引を行うことや、より効率的な仕組みの構築を行うことで対応してまいります。人件費の高騰については前述に加え、定期的に物流業者様とコミュニケーションを実施し、物流コストへの影響を確認したうえで、事業への影響の最小化を図るよう対応してまいります。〈法的規制に関するリスク〉(12) 法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)当社事業は、「特定商取引に関する法律(特商法)」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」、「古物営業法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」、「クリーニング業法」等による規制を受けております。現時点では特段認識しているものはありませんが、今後既存の規制への抵触あるいは何らかの新たな規制による当社事業運営への影響が生じる場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないと認識しております。当社は、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内の管理体制を構築することによりこれら法令を遵守する体制を整備しております。また、顧問弁護士等とも連携し、最新の情報を収集しております。法的規制等への対応が必要となった場合には、法務担当、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、適切な対応を取れる体制を整備しております。 (13) 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)当社は、運営するサービス名、サイト名称について複数の商標登録を行っており、今後もオンライン・オフラインを問わず新たなサービスを展開する際にも、関連する商標登録を行っていく方針としております。また当社が運営するインターネットサイトを通じて貸出・販売する商品および掲載する画像については第三者の知的財産権を侵害しないように監視・管理を行っておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、このような事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクに対しては、顧問弁護士等とも連携し、最新の情報を収集するとともに、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内の管理体制を構築することにより対応しております。 (14) 情報セキュリティ及び個人情報等の漏洩について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:大)当社事業においては、個人情報や機密情報が含まれているデータ等を取り扱っております。氏名、住所等の情報に加え、例えば、効果的なスタイリングサービスの提供にあたり必要となる、会員から取得する顔写真や身体のサイズ等も含まれます。万が一、こうしたデータの情報漏洩、改ざん、または不正使用等が生じた場合、もしくは何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客への損害賠償やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼすことがある重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないと認識しております。当社会員等の個人情報については、クレジットカード情報を保持しない等のシステム設計上の配慮は当然ながら、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定や、外部データセンターでの厳重な情報管理等、管理面及び物理的側面からもその取扱いに注意を払っております。また、社内での個人情報保護に関する教育啓蒙を行っており、個人情報保護について重要性の認識の醸成を行っております。なお、万一の場合に備え、サイバー保険を付保しております。 〈組織に関するリスク〉(15) 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社の創業メンバーである代表取締役社長兼CEO天沼聰は、IT/プロジェクトマネジメントに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。何らかの理由により同氏による業務執行が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある重要なリスクと認識しておりますが、同氏に過度に依存しないよう、経営幹部人材の拡充、採用・育成及び権限委譲による分業体制の構築などにより、経営組織の強化に取り組んでいるため、当該リスクが顕在化する可能性は高くないものと考えております。 (16) 人材の確保について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は今後の事業拡大及び収益基盤の拡充のためには、優秀な人材を確保及び育成することが不可欠と認識しております。しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合には、当社の事業拡大の制約となり、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクと認識しております。当社では、今後の事業の成長に応じて積極的な採用活動を行うとともに、成長ポテンシャルの高い人材の育成を同時に進め、内部管理体制及び業務執行体制の充実を図っていく方針であり、そのための風土づくりや人事制度の充実に努めています。 〈その他のリスク〉(17) 税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は、事業拡大のための積極的な人材投資等を行ってきたことから、創業以来当期純損失を計上しており、当事業年度末日現在において3,674,700千円の繰越欠損金が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であるため、繰越欠損金を利用することにより将来の税額を減額することができます。しかしながら繰越欠損金の利用額と利用期間には、税務上、一定の制限も設けられております。よって計画どおりに課税所得が発生しない場合、繰越欠損金を計画どおり利用できないこととなるため、通常の税率に基づく法人税等が課税されることになり、当期純利益やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (18) 訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社が事業活動を行う中で、顧客等から当社が提供するサービスの不備、個人情報の漏洩等により、訴訟を受けた場合には、当社の社会的信用が棄損され経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はなく、また、当該リスクが顕在化する可能性は高くないものと考えております。万が一、訴訟を受けるような事象が生じた場合にも、顧問弁護士等とも連携し、法務担当、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、適切な対応を取れる体制を整備しております。 (19) 株主構成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)当事業年度の末日現在において、当社発行済株式総数8,276,200株のうち、計1,068,200株はベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「VC等」という)が所有しており、VC等が保有する当社株式の発行済株式総数に対する割合は12.9%という水準となっております。一般にVC等による株式所有目的は、株式公開後に売却を行いキャピタルゲインを得ることであります。VC等が所有する当社株式を市場にて売却した場合には、当社株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性がありますが、顕在化する可能性は高くないものと考えております。 (20) 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けております。現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針でおります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (21) 自然災害・感染症等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)地震や台風等の自然災害、未知のコンピュータウイルス、テロ攻撃、システムトラブルまたは伝染病といった想定を超える自然災害や事故が発生した場合、当社業務委託先である物流倉庫等が保有する設備の損壊や電力供給、インターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、当該リスクの発生可能性を見通すのは困難であります。 (22) 社歴の浅いことについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社は2014年7月の設立から本書提出日まで創業から約10年と社歴が浅いため、業績に影響を与えうる全ての事象を網羅的に経験していると断じることが出来ず、不測の事象により事業計画の達成を阻害する要因が生じうる可能性を残しております。創業以来蓄積してきた経営ノウハウや過去データに基づく将来予測を可能な限り精緻に実施していくことで、当該リスクが顕在化する可能性を最小化できるよう努めてまいります。 (23) 過年度業績等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社の過去5期間における主要な経営成績の推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおりであります。 事業開始初年度より継続的に成長し、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても、会員増加を実現しています。 しかしながら、新規会員獲得に関する広告宣伝費や今後の成長に向けたレンタル用資産の購入に伴う減価償却費の負担等により、2023年6月期までの過去3期間においては継続的に当期純損失を計上しております。また、2024年6月期においては、airCloset事業は営業利益の黒字化を実現しているものの、新規事業への投資を実施した結果、当期純損失を計上しております。2025年6月期においては、収益性の改善を継続しており、全社として初めての当期純利益の黒字化を達成いたしました。 当社では、パーソナルスタイリングをはじめとした当社のサービス全般について、より一層の品質向上に努めるとともに、引き続き新規会員獲得のための成長投資を加速してまいりますが、想定通り新規会員獲得が進まない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (24) 設備投資費用等の回収について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 2025年6月期、2026年6月期にかけて段階的に倉庫の拡張移転を行っており、設備投資や契約面積の増床を実施しています。これに伴い固定費が増加しているため、想定通りに事業規模の拡大や他社連携が進まなかった場合に、収益性の悪化という形で当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

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