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トレーディア(9365)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

トレーディアは、輸出入・国際輸送・倉庫事業を主軸とする物流会社です。輸出部門では、輸出書類作成から梱包、通関、輸送、現地配送まで一貫して手配し、輸入部門では海外からの輸送手配、通関、国内配送、倉庫保管までを代行します。国際部門では海外業者と提携し、日本と諸外国間のドア・ツー・ドア輸送を提供。倉庫部門では、阪神地区の倉庫貸し出しによる賃料収入も得ています。子会社や関連会社が陸運、はしけ運送、システム開発、損害保険代理業などを担い、多角的に事業を支えています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

トレーディアの事業セグメントは、主に「輸出部門」「輸入部門」「国際部門」「倉庫部門」で構成されています。輸出部門は機械機器を主力とし、売上27.24億円、営業利益0.02億円。輸入部門は繊維製品や生活雑貨が中心で、売上51.66億円に対し営業損失0.17億円となっています。最も売上と利益を上げているのは国際部門で、売上85.88億円、営業利益2.01億円と稼ぎ頭です。倉庫部門は売上0.54億円、営業利益0.52億円と安定した収益源です。特に国際部門と輸入部門では中国関連の取引比率が高い傾向にあります。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Exportation 事業 27 0 0.1%
Importationi 事業 52 -0 -0.3%
International 事業 86 2 2.3%
Warehouse 地域 1 1 96.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,232 文字
3【事業の内容】 当社の企業集団は、トレーディア株式会社(当社)および連結子会社1社、持分法適用関連会社6社より構成されており、輸出部門、輸入部門、国際部門、倉庫部門、その他の部門を営んでおります。 当社が営んでいる主な事業内容と各関連会社等の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 当社および当社の関係会社の事業における当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 1 輸出部門 荷主(輸出貿易業者)の委託を受け、輸出書類およびネゴ書類の作成、輸出貨物の梱包、通関手続業務、港湾における船舶への輸送、現地での配送、納入先での据付けなどを行う事業でありまして、当社は五大港(神戸・大阪・名古屋・京浜・横浜)において業務から荷役作業までを一貫責任体制で行っております。 阪神コンテナー輸送株式会社(関連会社)は、陸運業者であり、海上コンテナの輸送を行っております。また、三笠陸運株式会社(関連会社)は、陸運業者であり、トラック運送を行っております。広瀬産業海運株式会社(関連会社)は、はしけ運送業者であり、はしけによる貨物の運送を行っております。 2 輸入部門 荷主(輸入貿易業者)の委託を受け、海外の産地から国内の納入先までの船舶やコンテナ等の手配から、関連する官公庁への各種申請、輸入関税・消費税の包括延納申請、船舶により運送された貨物の港湾における船舶からの受取若しくは荷主への引渡しを行っております。また、五大港(神戸・大阪・名古屋・京浜・横浜)を拠点とする自家倉庫およびその他外貿各港での商品保管や仕分など、輸入に関わるすべての業務を代行しております。 阪神コンテナー輸送株式会社(関連会社)は陸運業者であり、海上コンテナの輸送を行っております。また、三笠陸運株式会社(関連会社)は陸運業者であり、トラック運送を行っております。 3 国際部門 海外各国の業者と業務提携を行い、日本と諸外国間外航海運の利用運送を行うとともに諸外国の内陸運送、通関を含むドア・ツー・ドアの輸送を一貫して引受けるものであります。錦茂国際物流(上海)有限公司(関連会社)は物流事業者であり、主に日本~中国及び中国国内の輸送を引き受けております。 4 倉庫部門 阪神地区における当社保有の倉庫設備の一部を貸し出し、賃料収入を得ております。 5 その他の部門 船内荷役、その他の事業を行っております。 ※ 他の連結子会社・関連会社の主な業務は以下のとおりであります。 大日物流株式会社(連結子会社)は、受託システム開発及び支援を主な業務として営んでおります。 ソーラー・エンタープライズ株式会社(関連会社)は、損害保険代理業を主な業務として営んでおります。 株式会社忠和商会(関連会社)は、倉庫作業の請負を主な業務として営んでおります。  以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
海上運賃の水準や為替レートの変動の影響を受け、立替金慣行があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
特定保税承認、認定通関業者としての認定を受けており、五大港で業務を一貫責任体制で行う。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事務リスク / 法務リスク / 社会リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

トレーディアは倉庫・運輸関連業であり、特許やブランド力、規制ライセンスといった無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。公開情報からは、明確な無形資産の存在を示す証拠は見当たらない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

倉庫・運輸サービスは、顧客との長期契約や、特定のシステム連携、積み上げられた信頼関係により、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、サービス内容の標準化が進むと、乗り換えのハードルは低下する傾向にある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

トレーディアの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済や効率的なオペレーションによるコスト優位性は、同業他社との比較において重要となる。しかし、公開情報からは、トレーディアが構造的に圧倒的なコスト優位性を持っていることを示す具体的な証拠は乏しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

倉庫・運輸業界は、設備投資や広範なネットワーク構築が必要であり、一定の規模を持つ企業が有利となる傾向がある。トレーディアは、特定の地域やサービスにおいて、一定の事業規模を確保している可能性があり、これが競争優位の源泉となりうる。

トレーディアの強みは、輸出入・国際輸送における一貫したサービス提供体制にあります。特に、五大港(神戸・大阪・名古屋・京浜・横浜)を拠点に、輸出入業務から荷役作業までを一貫責任体制で行える点は、顧客にとっての利便性と信頼性の高さに繋がります。また、海外の物流事業者との提携により、諸外国の内陸運送や通関を含むドア・ツー・ドアの国際輸送を可能にしている点も強みです。長年の経験と広範なネットワーク、そして特定保税承認や認定通関業者としての許認可も、事業継続における参入障壁となっています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等 当社グループは「国際物流業務を通して世界の産業とくらしに貢献する」を事業コンセプトとし、経営方針につきましては、「顧客の課題を解決することによって付加価値の高いサービスを提供する」、「経営基盤を強化し、存在感のある事業体となる」、「社員にとって働きがいのある、いきいきとした職場を作る」を基本方針として、経営を進めております。また、当社グループは、自己資本利益率と売上高経常利益率を重視し、収益性の高い企業体質を目指しております。サービスの多様化と経営資源の最適化を図ると共に、株主資本の効率的な運用と収益性の一層の向上により企業価値向上を目指しております。また、当社グループは「国際物流のトータルプランナーとして常に革新する企業」を目指し、常に顧客ニーズの変化に的確に対応した事業体となる経営を進めております。 当社グループを取り巻く港湾物流業界は、米国の通商政策による世界経済の混乱の影響から脱しきれぬまま、終わりの見えぬウクライナ情勢に加え、米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡封鎖が、世界経済を震撼させる暗雲として立ち込め、自由貿易体制の萎縮や各国エネルギー政策の転換等を招き、サプライチェーンの再編等による物流形態の変革が加速し、今後の事業環境は大きく変化するものと思われます。当社グループといたしましては、この変化に即応できる効率的な体制作りと、物流の合理化要請に対応できる商品、情報、サービスの提供をグローバルに取組み、積極的な営業展開による収益の拡大に努めております。 具体的には、サービスの多様化として、基幹港湾施設の機能強化と拡張によりコア事業の強化を図ると共に、グループ企業の活用による新規事業参入を目指しております。 また、経営資源の最適化に向けDXを推進しており、当社グループでの港湾関連情報における環境を整備するため、港湾関連データ連携基盤の構築により全ての港湾情報や貿易手続きを電子的に取り扱うことが可能となるサイバーポートへの接続や、通関業連合会の通関業者のためのクラウドサービス提供により、当社グループ基幹システムとの連携強化を進めております。今後、企業間における電子取引が活発化するなか、子会社を活用し当社グループ内のIT環境を整備することにより業務の効率化を推進し、また、デジタルフォワーディング事業者としての地位の確立を目指し、積極的なシステム活用により仕事の付加価値を高め、組織や制度改革、教育制度の充実により社員の意識改革を推し進め、人的資本の価値を最大限引き出し、収益性の向上に繋げてまいります。 現在、海上輸送とJRの鉄道輸送網を組み合わせた国際複合一貫サービスを提供しており、モーダルシフトによる物流機能を強化すると共に、顧客と連携し環境負荷の低減を推進しております。「みなとSDGs」への登録に加え、今後は施設の「グリーン経営認証」の拡大を図り、ESG経営の強化により物流事業者として責任を果たし、社会的貢献をしてまいります。 海外においては、グループ会社を含めた海外合弁会社4社を中心に、従来のサービスの強化と新たな商品開発を推進します。取引先の海外生産拠点の変化に柔軟に対応し、当社グループの国際物流網強化のため海外に新たな投資先を模索し、積極的に投資を推進することにより海外事業の拡大や収益源を求めてまいります。 引続き情報を的確に捉え取引先のニーズに応え新たなサービスを提供し、海貨系国際物流事業者としての役割を果たし、事業活動の効率化を図り健全な経営を目指してまいります。 2)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは五大港に自己資産もしくは賃貸により倉庫設備を保有し、輸出入貨物の海上輸送及び港湾を中心とした国内物流を取り扱う海貨系国際物流事業者として事業展開しております。港湾運送事業の規制緩和は近年大きく前進しておらず、当社を取り巻く事業環境は急激な変化もなく、港湾地域への企業の新規参入もない状況です。しかしながら、港湾運送事業における港湾の荷動きは、経済大国の通商政策転換や軍事力を背景とした力による他国への攻撃等の地政学リスクに揺らぐ世界におけるサプライチェーンの生産状況により大きく影響し、また、エネルギー価格の上昇や円安基調の為替水準による国内物価高の煽りを受け、国内消費動向に大きく影響される状況です。さらに加速する少子高齢化と国内人口の減少により日本の経済力低下は否めず、中長期的には国内消費全体の縮小等が進み、当社グループの主力倉庫設備等の拠点がある神戸港をはじめとして、港湾の輸出入貨物の取扱量は、今後減少していくことが推測され、業者間の競争がより一層激化することが予想されます。 港湾の物流を担うコンテナ及びトラック運送業界における2024年問題や燃料費等の高騰による物流コストの上昇も顕在化し企業経営を圧迫しており、行政主導によるターミナル等の港湾物流の効率化推進事業の進捗状況に歩調を合わせ、当社グループの業務効率化に繋げております。 現在、当社グループは海外投資資産を持たず、アジアを中心に海外フォワーダーと資本提携による合弁会社を設立、もしくは代理店契約により連携を強化し海外展開を行っています。海外への投資効果においては安定的な利益配当を確保し、営業面では、取引先のニーズに沿ったきめ細かな新たなサービスを提供し、他社と差別化した国際物流をコーディネートすることにより海外における収益の確保を目指しています。 輸出部門の主要顧客は、グローバルなサプライチェーンの枠組みの中で堅調を維持しているものの、国際物流網混乱の収束とともに分散化・最適化へと変化し、荷動きは世界各国の貿易政策の見直しと相まって世界の生産構造の変化や生産状況に大きく左右され、当社業績へ大きく影響します。 また、輸出・輸入・国際の全ての部門において、機械機器メーカー、商社、小売業を中心に主要取引先の営業収入の比重が高い顧客構成となっています。輸入部門・国際部門の輸入においては中国から貨物の依存度が高く、中国の政策や経済情勢等による影響も受け易く、当社グループの主要取扱い貨物構成も繊維製品、生活雑貨等の消費資材に偏重しているため、国内消費動向も業績に大きく影響します。今後も取引先の事業展開、世界経済や地政学的な外部要因により、当社グループ業績への影響が非常に危惧される状況が続くと予想されます。 今後の日本経済は、堅調なインバウンド需要や政府による経済政策により所得の改善や景況感の上向きが期待されるものの、イラン情勢をはじめとする地政学的リスクにより、エネルギー価格や物価のさらなる高騰の懸念から、世界経済が減速する可能性もあり、混迷した状況が続くものと予測されます。当社グループを取り巻く環境としては、荷動きの鈍化、需給バランスの緩みによる海上運賃の下落、顧客の物流コスト削減意識の強まり等の影響で、業者間の価格競争がより一層激化し、事業環境の厳しさは増すものと思われます。従いまして、2026年4月以降の経済情勢はまだまだ予断を許さない状況で推移するものと考えております。 このような状況下、景気の動向や経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応し、継続的に安定した収益を確保できる基盤を確立するため、海外拠点の充実強化によるサービスの提供と営業収入の拡大に努めます。また、基幹港湾物流施設への投資による機能強化と再編により、経営資源の再構築を行い、高付加価値貨物取り込みによる安定的な収益源確保と品質向上を推進し、輸出、輸入部門の利益率の改善を図るべく取り組みを進めております。また、港湾関連情報ネットワークとの連携や子会社を活用したDXによる合理化を進めると共に、成長のための人的資本経営を推進し、顧客からのより一層の信頼を得る海貨系国際物流事業者として、企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等 当社グループは「国際物流業務を通して世界の産業とくらしに貢献する」を事業コンセプトとし、経営方針につきましては、「顧客の課題を解決することによって付加価値の高いサービスを提供する」、「経営基盤を強化し、存在感のある事業体となる」、「社員にとって働きがいのある、いきいきとした職場を作る」を基本方針として、経営を進めております。また、当社グループは、自己資本利益率と売上高経常利益率を重視し、収益性の高い企業体質を目指しております。サービスの多様化と経営資源の最適化を図ると共に、株主資本の効率的な運用と収益性の一層の向上により企業価値向上を目指しております。また、当社グループは「国際物流のトータルプランナーとして常に革新する企業」を目指し、常に顧客ニーズの変化に的確に対応した事業体となる経営を進めております。 当社グループを取り巻く港湾物流業界は、米国の通商政策による世界経済の混乱の影響から脱しきれぬまま、終わりの見えぬウクライナ情勢に加え、米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡封鎖が、世界経済を震撼させる暗雲として立ち込め、自由貿易体制の萎縮や各国エネルギー政策の転換等を招き、サプライチェーンの再編等による物流形態の変革が加速し、今後の事業環境は大きく変化するものと思われます。当社グループといたしましては、この変化に即応できる効率的な体制作りと、物流の合理化要請に対応できる商品、情報、サービスの提供をグローバルに取組み、積極的な営業展開による収益の拡大に努めております。 具体的には、サービスの多様化として、基幹港湾施設の機能強化と拡張によりコア事業の強化を図ると共に、グループ企業の活用による新規事業参入を目指しております。 また、経営資源の最適化に向けDXを推進しており、当社グループでの港湾関連情報における環境を整備するため、港湾関連データ連携基盤の構築により全ての港湾情報や貿易手続きを電子的に取り扱うことが可能となるサイバーポートへの接続や、通関業連合会の通関業者のためのクラウドサービス提供により、当社グループ基幹システムとの連携強化を進めております。今後、企業間における電子取引が活発化するなか、子会社を活用し当社グループ内のIT環境を整備することにより業務の効率化を推進し、また、デジタルフォワーディング事業者としての地位の確立を目指し、積極的なシステム活用により仕事の付加価値を高め、組織や制度改革、教育制度の充実により社員の意識改革を推し進め、人的資本の価値を最大限引き出し、収益性の向上に繋げてまいります。 現在、海上輸送とJRの鉄道輸送網を組み合わせた国際複合一貫サービスを提供しており、モーダルシフトによる物流機能を強化すると共に、顧客と連携し環境負荷の低減を推進しております。「みなとSDGs」への登録に加え、今後は施設の「グリーン経営認証」の拡大を図り、ESG経営の強化により物流事業者として責任を果たし、社会的貢献をしてまいります。 海外においては、グループ会社を含めた海外合弁会社4社を中心に、従来のサービスの強化と新たな商品開発を推進します。取引先の海外生産拠点の変化に柔軟に対応し、当社グループの国際物流網強化のため海外に新たな投資先を模索し、積極的に投資を推進することにより海外事業の拡大や収益源を求めてまいります。 引続き情報を的確に捉え取引先のニーズに応え新たなサービスを提供し、海貨系国際物流事業者としての役割を果たし、事業活動の効率化を図り健全な経営を目指してまいります。 2)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは五大港に自己資産もしくは賃貸により倉庫設備を保有し、輸出入貨物の海上輸送及び港湾を中心とした国内物流を取り扱う海貨系国際物流事業者として事業展開しております。港湾運送事業の規制緩和は近年大きく前進しておらず、当社を取り巻く事業環境は急激な変化もなく、港湾地域への企業の新規参入もない状況です。しかしながら、港湾運送事業における港湾の荷動きは、経済大国の通商政策転換や軍事力を背景とした力による他国への攻撃等の地政学リスクに揺らぐ世界におけるサプライチェーンの生産状況により大きく影響し、また、エネルギー価格の上昇や円安基調の為替水準による国内物価高の煽りを受け、国内消費動向に大きく影響される状況です。さらに加速する少子高齢化と国内人口の減少により日本の経済力低下は否めず、中長期的には国内消費全体の縮小等が進み、当社グループの主力倉庫設備等の拠点がある神戸港をはじめとして、港湾の輸出入貨物の取扱量は、今後減少していくことが推測され、業者間の競争がより一層激化することが予想されます。 港湾の物流を担うコンテナ及びトラック運送業界における2024年問題や燃料費等の高騰による物流コストの上昇も顕在化し企業経営を圧迫しており、行政主導によるターミナル等の港湾物流の効率化推進事業の進捗状況に歩調を合わせ、当社グループの業務効率化に繋げております。 現在、当社グループは海外投資資産を持たず、アジアを中心に海外フォワーダーと資本提携による合弁会社を設立、もしくは代理店契約により連携を強化し海外展開を行っています。海外への投資効果においては安定的な利益配当を確保し、営業面では、取引先のニーズに沿ったきめ細かな新たなサービスを提供し、他社と差別化した国際物流をコーディネートすることにより海外における収益の確保を目指しています。 輸出部門の主要顧客は、グローバルなサプライチェーンの枠組みの中で堅調を維持しているものの、国際物流網混乱の収束とともに分散化・最適化へと変化し、荷動きは世界各国の貿易政策の見直しと相まって世界の生産構造の変化や生産状況に大きく左右され、当社業績へ大きく影響します。 また、輸出・輸入・国際の全ての部門において、機械機器メーカー、商社、小売業を中心に主要取引先の営業収入の比重が高い顧客構成となっています。輸入部門・国際部門の輸入においては中国から貨物の依存度が高く、中国の政策や経済情勢等による影響も受け易く、当社グループの主要取扱い貨物構成も繊維製品、生活雑貨等の消費資材に偏重しているため、国内消費動向も業績に大きく影響します。今後も取引先の事業展開、世界経済や地政学的な外部要因により、当社グループ業績への影響が非常に危惧される状況が続くと予想されます。 今後の日本経済は、堅調なインバウンド需要や政府による経済政策により所得の改善や景況感の上向きが期待されるものの、イラン情勢をはじめとする地政学的リスクにより、エネルギー価格や物価のさらなる高騰の懸念から、世界経済が減速する可能性もあり、混迷した状況が続くものと予測されます。当社グループを取り巻く環境としては、荷動きの鈍化、需給バランスの緩みによる海上運賃の下落、顧客の物流コスト削減意識の強まり等の影響で、業者間の価格競争がより一層激化し、事業環境の厳しさは増すものと思われます。従いまして、2026年4月以降の経済情勢はまだまだ予断を許さない状況で推移するものと考えております。 このような状況下、景気の動向や経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応し、継続的に安定した収益を確保できる基盤を確立するため、海外拠点の充実強化によるサービスの提供と営業収入の拡大に努めます。また、基幹港湾物流施設への投資による機能強化と再編により、経営資源の再構築を行い、高付加価値貨物取り込みによる安定的な収益源確保と品質向上を推進し、輸出、輸入部門の利益率の改善を図るべく取り組みを進めております。また、港湾関連情報ネットワークとの連携や子会社を活用したDXによる合理化を進めると共に、成長のための人的資本経営を推進し、顧客からのより一層の信頼を得る海貨系国際物流事業者として、企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策に伴う一時的な減速からの回復や、インバウンド消費が過去最高を更新、10月下旬に5万円台を突破した日経平均株価も堅調に推移するなど、緩やかながらも持ち直しの動きが続きました。一方で、終わりの見えないウクライナ情勢や、2月末に米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発するホルムズ海峡の封鎖により、エネルギー価格のさらなる高騰やインフレ再燃が懸念されるなど、地政学的リスクが景気の下振れに直結する可能性も拭いきれておりません。 当社グループを取り巻く環境としては、輸出貨物の取扱量は、米国の通商政策による混乱等の影響から脱しきれず、前年を下回って推移しました。輸入関連では、長引く物価高により取扱量は伸び悩み、前年を下回りましたが、自社施設を活用して利益確保に努めました。国際物流網を担うコンテナ船による海上輸送においては、運賃市況が前年比で下落傾向にあるなかで、取扱量の増加に注力いたしました。 a.財政状態 当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ25億31百万円余増加し、133億23百万円余となりました。 当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ12億66百万円余増加し、74億8百万円余となりました。 当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ12億64百万円余増加し、59億15百万円余となりました。 b.経営成績 当社グループはこのような状況下におきまして、顧客ニーズに柔軟に対応した積極的な営業展開に努めてまいりましたが、総取扱量は前年同期比5.9%減少し、営業収入は前年同期比1.2%減の164億47百万円余(対前年同期1億98百万円余減)としたものの、保管料収入や、適正料金収受により、営業総利益は前年同期比4.4%増の10億81百万円余(対前年同期45百万円余増)となりました。営業損益は一般管理費の増加により、前年同期比7.0%減の2億35百万円余の利益(対前年同期17百万円余減)、経常損益は、受取利息及び配当金と持分法による投資利益が大きく増加したことにより、前年同期比22.7%増の4億88百万円余の利益(対前年同期90百万円余増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比35.3%増の3億62百万円余(対前年同期94百万円余増)となりました。  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 輸出部門 輸出部門におきましては、持ち直しの動きが見られたものの、雑貨、機械製品の取扱いの減少により、取扱量は前年同期比で4.4%減となりました。しかしながら、コスト減少、適正料金の収受の効果により大幅に収益性が改善したことにより、輸出部門の営業収入は前年同期比0.1%増の27億25百万円余(対前年同期1百万円余増)、セグメント利益は対前年同期比3,342.9%増の56百万円余(対前年同期54百万円余増)となりました。 輸入部門 輸入部門におきましては、食料品は増加しましたが、雑貨の減少により取扱量は前年同期比で10.7%減となりました。取扱件数も前年同期比で伸び悩み、営業収入には貢献できず、輸入部門の営業収入は前年同期比1.7%減の50億77百万円余(対前年同期88百万円余減)としましたが、自社施設における貨物取扱いの規模を拡張したことから収益性が改善し、セグメント損失7百万円余(前年同期はセグメント損失16百万円余)となりました。 国際部門 国際部門におきましては、輸出では、前年同期に好調だった設備輸送、三国間貿易の取扱減を補うべく、取扱量の増加に注力しましたが、前年同期比で7.2%減となりました。また、北米・欧州向けをはじめとする運賃市況が下落した影響が大きく、営業収入は前年同期比20.4%減となり、収益性も低下しました。輸入では、中国及び東南アジアからの薬事関連品、衛生関連品、衣類などが堅調に推移し、また、猛暑の影響により夏物家電の取扱いの長期化などが後押しとなり、取扱量は前年同期比3.3%増加し、営業収入も前年同期比4.5%増となりましたが、同業他社との運賃競争もあり、収益性は低下しました。結果、部門全体では、営業収入は前年同期比1.6%減の84億48百万円余(対前年同期1億39百万円余減)、取扱量は前年同期比1.5%増加しましたが、収益性低下を補うことが出来ず、セグメント利益は対前年同期比46.7%減の1億7百万円余(対前年同期93百万円余減)となりました。 倉庫部門 倉庫部門におきましては、営業収入は前年同様の54百万円余となりました。セグメント利益は前年同様の51百万円余の計上となりました。 その他 船内荷役等の営業収入は前年同期比32.8%増の1億69百万円余となり、セグメント利益は前年同期比78.3%増の27百万円余の計上となりました。 (注)その他のセグメントの営業収入には、セグメント間の内部営業収入27百万円余を含んでおります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10億52百万円余となり、前連結会計年度末より73百万円余の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動による資金は5億円余の獲得(前連結会計年度4億61百万円余の獲得)となっております。これは主に、法人税等の支払1億66百万円余、前受金の減少42百万円余がありますが、立替金の減少2億30百万円余、税金等調整前当期純利益4億80百万円余によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動による資金は13億96百万円余の支出(前連結会計年度3億52百万円余の支出)となっております。これは主に、有形固定資産の取得による支出14億17百万円余によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動による資金は8億22百万円余の獲得(前連結会計年度2億87百万円余支出)となっております。これは主に、短期借入金の純減額2億円がありますが、長期借入れによる収入13億円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、生産・販売の形態をとらない業種のため、実態にあわせた表示をしております。営業実績 当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称営業実績(千円)前期比(%)輸出部門2,725,0790.1輸入部門5,077,643△1.7国際部門8,448,132△1.6倉庫部門54,0000.0その他169,93732.8小計16,474,792△1.1消去△27,600―合計16,447,192△1.2 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 (退職給付費用) 退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。  詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析 当連結会計年度において流動資産は前連結会計年度より1億85百万円余減少し、固定資産は前連結会計年度より27億17百万円余増加となり、総資産は133億23百万円余と前連結会計年度より25億31百万円余の増加となりました。流動資産減少の理由としては、日銀の金融政策による金利の上昇に伴い、短期借入金の圧縮のため手元資金を絞った結果、現金及び預金が減少しました。また、輸入の荷動きの鈍化と通関件数が伸び悩んだ結果、関税等の立替金が2億30百万円余減少したためです。一方、固定資産増加については、主として神戸港六甲物流センターの定温倉庫改修の設備投資を行ったため、建物及び構築物を主に有形固定資産が12億60百万円余増加、投資その他の資産においては、政策保有の商社株や金融株を中心に投資有価証券が株式市場の好況により10億90百万円余増加したことが要因です。 負債合計は、74億8百万円余と前連結会計年度より12億66百万円余増加しました。流動負債は、未払法人税等が59百万円余減少と短期借入金等が減少したことにより、前連結会計年度に比べ1億2百万円余減少しております。一方、固定負債においては、六甲物流センター定温倉庫化改修のための資金を金融機関から調達し、長期借入金が9億53百万円余増加し、投資有価証券の含み益等により繰延税金負債が4億56百万円余増加したためです。 純資産合計は、59億15百万円余と前連結会計年度に比べ12億64百万円余増加しています。退職給付に係る調整累計額が前連結会計年度末に比べ2億34百万円余増加に加え、その他有価証券評価差額金が7億37百万円余増加し、利益剰余金が2億88百万円余増加したためです。 海上運賃高騰等による短期的な資金需要が収まったものの、突発的な資金需要にも備え、引続き金融機関に短期の借入枠を保持しております。また、流動性比率の改善を図りつつ、金利上昇による利益圧迫を抑えるため、手元資金を絞り短期借入金の圧縮を図ると共に、築港倉庫及び六甲物流センター定温改修に伴う高付加価値貨物取り込みにより、保管料を収益減とした長期借入金の返済計画を練り、長期的な有利子負債の圧縮を計画的に進めております。当社グループにおいては、一定の財務規律の下で利益を事業投資や株主還元に振り向けております。当連結会計年度においては、既存倉庫施設の機能強化の拡張による利益確保を図ると共に、事業の効率化に繋がる生産性向上のためのDX関連投資の推進に努めております。 b.経営成績の分析<輸出部門> 輸出部門については、経営成績に繋がる外部要因としてグローバルなサプライチェーンの枠組みによる海外経済情勢の影響を受けます。米国の通商政策の転換に端を発した自動車関連貨物の荷動き鈍化が一部顕在化しましたが、全体的には持ち直しの動きが見られました。当連結会計年度では雑貨や機械機器製品の取扱いが減少したものの、輸入貨物に対応する倉庫機能強化の定温改修工事に伴う輸出貨物の占有率減少によるコスト減少の効果と、海上コンテナの陸送や湾関連作業コスト増について、粘り強く取引先へ理解を求め適正料金の収受に努めた結果、収益性が改善し、前連結会計年度1百万円余のセグメント利益から、56百万円余のセグメント利益へと大幅な改善が図られました。 <輸入部門> 輸入部門については、当社グループの取扱商品は生活消費材が中心となっており、国内の景況感による消費動向が取扱量や営業収入に大きく影響します。当連結会計年度においては、エネルギー価格の上昇や物価高騰が続く状況のなか、国内景況感の冷え込みにより雑貨を中心に取扱量が大幅に減少しました。加えて取扱件数も伸び悩み営業収入に貢献できませんでした。一方、自社保有の港湾倉庫施設の機能強化と拡張を実施し、高付加価値の医薬品原材料の取り込みによる保管料収入が収益面で下支えしたものの、結果的には荷動き鈍化による影響の補填には至らず、前連結会計年度16百万円余のセグメント損失から7百万円余のセグメント損失と僅かな改善に留まりました。 <国際部門> 国際部門については、営業収入に占める海上運賃等の仕入原価の割合が高く収益率が低い商品となっており、収入源である海上運賃の大部分は外貨建てであるため為替レートの影響を受け、仕入れの海上運賃の水準に大きく左右される商品となっています。当連結会計年度において、国際輸出では、取扱いが低迷しつつある設備輸出の海上輸送や半導体関連物資の三国間貿易の海上輸送案件の減少を補うべく、全体的な取扱量の確保に注力しましたが、結果前年同期に及ばず取扱量は大きく減少しました。また、長期航路の北米・欧州向けをはじめとする運賃市況が需給の緩みから下落し、収益面における業績貢献度が大幅に低下しました。一方、国際輸入は、中国や東南アジアからの薬事関連品、衛生関連品、衣類などの荷動きが堅調に推移し、また、国内の猛暑が長引いた影響により夏物家電の取扱いの長期化が後押しとなり、取扱量、営業収入ともに増加しました。しかしながら、輸入海上輸送における同業他社との運賃競争が激化し、取引先との運賃調整を意義なくされ運賃水準の見直しを行った結果、利益率の低下を招きました。結果、国際部門全体では、取扱量は微増し、営業収入は微減としたものの、収益性の低下を踏みとどめることは出来ず、前連結会計年度より営業収入は1億39百万円余減の84億48百万円余を計上したにもかかわらず、セグメント利益は93百万円余減少し1億7百万円余の計上に留まりました。 <倉庫部門・その他> 倉庫部門は、安定した収益源としてセグメント利益は前年同様の54百万円余を計上し、その他については、船内荷役は期初より堅調であったため前連結会計年度より増加し、27百万円余の計上となりました。 c.キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度は、短期的な資金需要としての海上運賃高騰の影響は収まり、輸入部門における関税等の立替金が減少し、営業利益は前期には及ばなかったものの受取配当金の大幅な増加により税金等調整前当期純利益を確保した結果、営業活動による資金は5億円余の獲得となりました。当社グループの属する港湾運送業界では、輸入部門での関税・消費税、輸出及び輸入部門における海上運賃を取引先に代わり一旦立替える商習慣が根強く残っております。また、需給の緩みに由来する海上運賃水準低下に伴って短期的な資金需要も収まり、以前より取り組んでいる取引先の口座より関税等を直接引き落とすリアルタイム口座方式への切替えや、高額海上運賃支払いに備え前受金を確保する施策が引き続き功を奏し、利益確保と共に資金獲得に寄与しました。 投資活動による資金は、既存港湾倉庫の機能強化と拡張のため定温倉庫化の設備投資に踏み切った結果、13億96百万円余の支出としています。 財務活動による資金は、8億22百万円余を獲得しています。短期的に金融機関との資金調達枠を確保し急激な資金需要に備えると共に、金利水準が上昇基調の状況下、現金及び預金を最適な水準に絞り込み、短期借入金を2億円圧縮しています。一方、長期的には定温倉庫化の設備投資の資金として長期借入金13億円を調達し、既存の長期借入金を含め計画的に返済し、短期長期両者の調整により財源の安定化を図っております。

事業リスク

トレーディアは、事務処理ミスや不正による損害賠償リスク、法令違反や不適切な契約による法務リスクを抱えています。特に、通関業務における行政処分は、信頼失墜や業績への重大な影響を及ぼす可能性があります。また、サイバー攻撃やシステム障害によるシステムリスク、取引先の倒産や為替変動による財務リスクも存在します。さらに、大規模災害やパンデミックによる事業運営困難、主要取扱貨物(機械機器、繊維製品など)の構成による市場変動リスク、特定の取引先や中国への高い依存度も、業績に影響を与える可能性があります。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,785 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、物流の近代化、国際化の進展、取引先のニーズの多様化に伴い、経営環境は大きく変化し、国際物流事業者が抱えるリスクは多種多様化しており、リスク管理の強化・高度化の必要性はますます高まっています。適切なリスク管理が経営の健全性を確保するために極めて重要であることを認識し、取締役会を頂点としたリスク管理体制のもと、重大な影響を及ぼす可能性のある様々なリスクを洗い出し、未然に防止すると共にリスクが発生した場合は、迅速かつ適切に対処することにより被害を極小化し、再発防止の対応策を実施するなど企業価値の保全に取組んでいます。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。 a.事務リスク 役職員が正確な事務を怠る(作業上の貨物事故を含む)、あるいは、事故・不正等を起こすことにより取引先が損害を被り、当社が損害賠償責任を負うリスクを指しますが、正確かつ効率的な事務処理は取引先との信頼関係において原点との認識ではあるものの、膨大な取扱い件数及び多種多様な貨物取扱い事務作業において大小様々なビジネスクレームの発生の可能性は非常に高いものと予想されます。 コンプライアンスの徹底を図ると共に、各部署において業務マニュアル等の整備、事務手続きの見直し等を進めると共に、事務関連の事故内容等を含めた事例の詳細については執行役員会への報告義務としています。月例会議及び職制会議を通じて全従業員に周知し、事務ミス発生状況の実態把握を通じて、事務処理水準の向上や事務リスク防止の徹底を図っています。 b.法務リスク 法令や契約書等に違反すること、不適切な契約を締結すること、その他の法的原因により、損失を被るリスクとなります。法令を遵守することは、企業として不可欠であるとの認識に立ち、コンプライアンス規定、内部者取引管理規定等を定めると共に、法律、条例等業務関連法律等の整備保管を怠らず、また遵守に努めています。当社は2008年5月に特定保税承認を取得し、同年10月に認定通関業者として認定され、それぞれの制度法令に則り五大港及び各事業所において自社倉庫施設による保税業務及び通関業を含めた関連業務を行っております。過去の実例において、口頭注意から非違該当による減点等の行政処分は軽微ながら散発的に発生しており、今後重大な事故により一定期間の自社保税倉庫への搬入停止等の行政処分を受ける可能性も排除出来ず、取引先からの信頼を失うと共に社会的信用失墜にも繋がり当社業績へ重大な影響を与えることとなります。軽微な事例であっても事故対策委員会のもと再発防止策を策定し、事故内容等を含めた事例の詳細については執行役員会への報告義務とし、月例会議及び職制会議を通じて全従業員に周知徹底し再発防止、法令等の順守に努めています。 c.社会リスク 外部からの反社会的攻撃により当社が存続の危機にさらされる、または甚大な損害を被るリスクとなります。企業防衛は、企業存続のみならず、グループ会社、従業員およびその家族、株主等を守るうえで、不可欠であるとの認識に立ち、取締役会を中心に情報収集等につとめ、社外各関係先との連携を密にするとともに、必要に応じて対策委員会を設置するなど、解決にあたることとしています。 d.システムリスク コンピューターシステムのダウンまたは誤作動等、システムの不備等に伴い、損失を被るリスク、さらに近年頻繁に発生する企業に対するサイバー攻撃により、コンピューターのシステムダウンや不正使用されることにより当社グループが損失を被るリスクとなります。コンピューターシステムの安全稼働を確保するため、セキュリティーポリシーに基づいた各種対策を実施するとともに、万一障害が発生した場合の影響の極小化と早期復旧を図るため、情報資産に関する管理体制の整備、コンピューターのバックアップ体制などの対策を講じています。 e.財務リスク 取引先の倒産等に起因して損害を被るリスクですが、債権管理に対する経理規定を遵守し、当社が定めた取引先与信基準に従い事業年度毎に取引先に対する与信限度枠を設定し、立替金については取引先との回収約定をもとに債権管理を徹底し、貸し倒れ発生等による損害の防止等に努めています。また、海上運賃の水準や為替レートの変動の影響を受けるため、関税等の立替金を取引先銀行口座から直接納付へと切替え、また、高額立替となる運賃等については前受金を受領し最大限リスクの低減を図り、売掛金及び立替金の債権残高や取引先の動向に十分注意を払い、営業債権の確実な回収を行っています。また、国外において海外の合弁会社・提携先代理店を経由した海外法人との取引もあり、海外合弁会社等と情報共有を行い、連携を強化して貸し倒れ防止に努めています。 f.人事・労務リスク 労務慣行の問題(役職員の人事処遇の問題、勤務管理上の問題)、ならびに職場の安全衛生環境の問題に起因して損失を被るリスク、および役職員の不法行為による使用者責任を問われるリスクがあります。就業規則を定め、労働基準関係法令の遵守に努めるとともに、労働組合とも協調し、より快適な労働環境を目指し、職場改善を行っています。 g.大規模災害リスク・世界的なウイルス感染症等による異常事態リスク 当社グループは、複数の事業拠点、五大港を中心とした港湾地域に物流施設を保持し事業運営をしております。南海トラフ地震等の大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミックが当社の想定を超える規模で発生し、労働生産力の大幅な低下や保有資産等への甚大な被害により事業運営が困難になった場合、財務状況や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。過去の風害や新型コロナウイルス感染症拡大の経験を踏まえ、従業員の安全確保を最優先課題とし、事業所での感染防止策の徹底、有事に備えた事業復旧の早期化及び被害の最少化のため、基幹システムのデータセンター集約や全社ネットワークの一部冗長化、事業拠点の分散化による業務運営の維持確保のための移管体制の整備強化に努め、在宅勤務及びサテライトオフィスによるテレワーク勤務体制を推進し、危機管理体制の強化を図っています。 h.主要取扱い貨物構成によるリスク 当社グループ輸出部門の取扱い主力貨物は機械機器であり、グローバルなサプライチエーンの枠組みにおいて生産状況が変化し、取引先受注状況により当社の取扱量が増減するため業績へ大きく影響します。また輸入部門の主要取扱い貨物構成は繊維製品、生活雑貨等の消費資材に偏重しており、国内消費動向が当社業績に大きく影響します。今後は取扱い貨物の開拓と多様化をより積極的に推進するとともに、高付加価値貨物の自社倉庫への取扱いを強化し、分散化によるリスクの低減を図ってまいります。 i.特定の取引先・貿易相手国への依存について 当社グループの営業収入で、輸出関連と輸入関連での上位10社の営業収入占有率をみますと下記のとおり大きなものとなっております。(単位千円)営業収入上位10社営業収入占有率輸出(約  430社)2,725,0791,595,67158.6%輸入(約  760社)5,077,6431,992,46939.2%  また、中国関連の営業収入占有率を見ますと、下記のとおり大きなものとなっております。(単位千円)合計中国関連営業収入占有率輸出2,725,079518,80119.0%輸入5,077,6432,471,74248.7%国際8,448,1325,194,62261.5%その他含む営業収入合計16,447,1928,185,16649.8%  当社グループの輸入部門及び国際部門輸入においては、中国からの輸入貨物の比率が非常に高く、アジアにおける当社設立海外合弁会社も中国を中心として海外展開をしております。また、新たに米国の通商政策の転換により日本からの輸出も含めた対象国に関係する貿易摩擦や当該地域における紛争及び国内法及び外国資本に対する法制度改正により、輸入のみならず輸出貨物の大幅な減少や当該地域での事業活動が困難となる事態も想定されるため、海外展開地域の軸足を中国偏重から脱却し世界の生産構造の変化に追従した新たな海外拠点の充実強化と新たな物流サービスの提供を目指しております。 j.特有の法的規制・取引慣行について 特有の法的規制につきまして該当事項はありませんが、取引慣行としましては港湾物流業界における立替金(海上運賃、関税等)の慣行があり、新規取引先開拓の手段にもなっております。当連結会計年度末時点での受取手形、売掛金及び契約資産の残高16億76百万円余に対し、立替金の残高7億78百万円余と一般企業と比較すると多く、運用資金面でのリスク及び貸倒債権となるリスクがあります。顧客の信用調査ならびに与信管理を徹底し、早期回収を行い貸倒債権とならないよう努めております。

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