経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」という理念のもと、障害のある方々が生き生きと働き続けられることができるように「一人ひとりに適した支援(個別支援)」をすることを会社の経営の基本方針としております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社は、「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」「自立訓練(生活訓練)サービス」を、①非就労フェーズ(通所が週2日程度で職業準備性が低い)の障害者も含めた幅広い受け入れを行うことで「ターゲット」を差別化し、②様々な悩みや不安、課題を抱える障害のある方一人ひとりに適した支援を徹底的に提供(「個別」と「支援」)することでそれを可能にし、③ドミナント展開を行うことで経営資源を効率的に活用してまいります。また、④引きこもりという社会課題解決のために事業化した「Cocorport College」の卒業生が、ココルポートが運営する就労移行支援事業所へ通所するという事業シナジーを生んでおります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、売上高及び経常利益を重要な経営指標と位置付けております。そして、重要な財務経営指標である売上高と経常利益成長を判断するための重要な非財務経営指標を事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)として各経営課題に取り組んでおります。事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)を重要な非財務経営指標と考えている理由は以下のとおりであります。事業所数、利用者数(通所数)当社事業では、1つの事業所でサービスを提供できる利用定員数が「障害者総合支援法」に基づく省令で定められているため、売上高の成長には事業所数の拡大を進める必要があります。また、利用者数(通所数)は売上高を構成する基本単位となるため、成長を判断するための重要な非財務経営指標としております。就職者数、定着者数(定着率)就職者数及び定着者数の向上は、次年度以降の基本報酬単価決定の算定基礎となり、報酬単価(売上単価)の向上となるため、成長を判断するための重要な非財務経営指標としております。 (4) 経営環境日本における障害者数は増加傾向にあり、内閣府「令和7年度版障害者白書」によれば1,152.8万人となっております。こうした社会環境の下、企業や国・地方公共団体が達成を義務付けられている障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられ、2024年4月には2.5%となっております。(参考:1976年時点の法定雇用率は1.5%)。また、2018年には精神障害者が障害者雇用義務の対象に加わり、厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における雇用障害者数「67万7,461人」、実雇用率「2.41%」はともに過去最高を更新しております。一方で、法定雇用率達成企業の割合は46.0%となっていることや、法定雇用率自体も2026年7月に2.7%に引上げられる(厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」)ことから、今後も障害者雇用の拡大は見込まれ、それを支援する障害福祉サービスの拡大余地も引き続き大きいと考えられます。こうした社会環境下にあって、就労移行支援サービスは、質の高いサービスを提供する必要性が求められるようになり、多くの就職者数を輩出するなど、より成果を出した事業所に報酬単価向上を通じて報いる流れが進んでおります。指定障害福祉サービスにおける報酬額は、厚生労働省において「就労移行支援サービス」と「自立訓練(生活訓練)サービス」といったサービスごとに定められておりますが、「就労移行支援サービス」の報酬単価は、2018年4月の報酬改定以降、利用者の就職後の就労定着実績に応じて基本報酬が大きく増減するように変更されております。「就労移行支援サービス」については、この報酬単価改定の影響によって就職者を輩出できない事業所は報酬単価の減少により利益率が悪化し、その影響により就労移行支援事業所数は減少するものの、サービス需要は減少することなく維持された状態(注)にあります。一方で、就職者を多く輩出する事業所は、今まで以上に高い利益率を獲得することになるため、利益率が改善する事業所と利益率が悪化して市場から退出せざるを得ない事業所の2極化が進み、就職者を多く輩出する「支援の質が高い」事業者は、マーケットシェアを拡大していくと考えられます。 (注) 厚生労働省 社会福祉施設等調査:結果の概要 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は、法令を遵守し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、継続的に企業価値を高めていく上で、以下の項目を重要課題として取り組んでまいります。① 知名度の向上当社は、「指定障害福祉サービス」を行っておりますが、事業内容の認知度はまだまだ高いとは言えず、今後は当社の事業をより浸透させることが求められます。当社は、非就労フェーズ(通所が週2日程度で職業準備性が低い)の障害者も含めた幅広い受け入れを行っているため、知名度向上が利用者獲得(紹介)の機会増につながるものと考えており、1人でも多くの障害のある方に自立に向けた支援を提供することを通じて、自分らしく前向きに地域社会へ参加する人が増えるように取り組んでまいります。 ② 人材の確保と社員育成当社における事業はすべて障害のある方に対する直接的な支援であり、重要指標である利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)等を継続的に保つための最大の要素は、高品質なサービスを提供できる人材の質であるとの認識から、人材の「採用と育成」に大きな経営資源を割いております。そのため、当社の理念に共感していただける人材の継続的確保及び定着化を重要な課題の一つとして認識しております。 ③ 就労定着支援サービスの強化当社の就労定着支援サービスにおきましては、当社サービスを経て就職をした利用者が、その職場で長く働き自立することができるようになるまで支援することが必要であると認識しております。当社では、笑顔で長く働き続けられるよう、「就業面」はもちろん、「生活面」や「体調面」も含めて、土台からしっかりサポートするため月1回以上の面談を必須にするなど、今後も一層の支援を図ってまいります。 ④ 自立訓練(生活訓練)サービスの強化2020年4月からサービス提供を開始している自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)を強化することは、社会課題である引きこもりの解消につながると考えております。また、就労移行支援サービス利用前段階の方(就職までまだ考えられない方)を自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)で受け入れることにより、自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)利用終了後に就労移行支援サービス(就職後は就労定着支援サービス)を提供することによって、より一体としてサービスを提供できるようになり、それが利用者へのより大きな付加価値提供につながると認識しております。自立訓練(生活訓練)サービスの強化は、各種サービスの利用者獲得などのシナジー効果を高めるものと考えております。更に2024年4月より、精神的な不調により休職した方の復職支援ニーズに応えるため、リワーク専門の自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport Rework)を開始し、休職されている方々への復職支援も開始しております。 ⑤ 事業基盤の強化・事業所数の拡大当社事業は、一つの事業所でサービスを提供できる利用定員数が「障害者総合支援法」に基づく省令で定められている中、当社は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、就労移行支援サービス及び自立訓練(生活訓練)サービスともに事業所数を拡大してきておりますが、今後の継続的な事業の成長には、一層の事業所数拡大を進める必要があると考えております。 ・提供サービスの質の向上今後継続的に事業所開設を行う際に、どの事業所でも質の高いサービスを提供するためには、一人ひとりごとに異なる悩みや不安、課題に寄り添った個別支援(一人ひとりに適した支援)の徹底が必要になります。そのために、研修を充実させ、行動指針の浸透を図っておりますが、今後一層強化し、各事業所に浸透させる必要があると考えております。 ・地域・関係機関との連携強化障害のある方の個別最適なサービスを提供するために、行政・クリニック・支援機関といった社会資源への働きかけも重視しております。社会資源からの紹介を通じて、障害のある方に当社の質の高いサービスを利用していただき、障害のある方の就労移行実績を継続的に示すことで、社会資源からの紹介を更に増やせるものと考えております。今後もドミナント展開を徹底し、地域・関係機関との連携を強化することは重要な課題であると考えております。 ⑥ 事業関連法令の遵守当社が展開する事業は、各種法令及び制度に基づいたサービス提供であり、障害者総合支援法及びその関連法令の遵守が事業継続の前提となります。当社では、これらの法令に基づき事業活動を行う中で、今後の法改正に柔軟に対応しつつ、持続可能な指定障害福祉サービス体制の構築を推進してまいります。 ⑦ コーポレート・ガバナンスの強化当社は、持続的な企業価値向上を実現するためには、コーポレート・ガバナンスの強化は重要な課題の一つであると認識しております。当社では、業務執行に対する監督体制を強化することにより透明性の高い経営を目指すとともに、内部統制機能の強化及びコンプライアンス遵守を推進し、企業価値の持続的向上を実現する体制の構築に努めております。具体的には、社外取締役の活用や監査役会、会計監査人、内部監査室との連携を図り、取締役会の経営戦略策定機能・監督機能を十分に発揮できる体制を整えております。今後におきましても、内部統制の実効性を高めコーポレート・ガバナンスを充実していくことにより内部管理体制の強化を図り、リスク管理の徹底とともに強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。 ⑧ 財務上の課題財務上の課題については、安定的に営業キャッシュ・フローを獲得できており、財務基盤は安定していると考えています。今後とも新規事業所開設に伴う投資活動を継続する予定ですが、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持しており、現時点で優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、投資と内部留保の適切なバランスを検討し、事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」という理念のもと、障害のある方々が生き生きと働き続けられることができるように「一人ひとりに適した支援(個別支援)」をすることを会社の経営の基本方針としております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社は、「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」「自立訓練(生活訓練)サービス」を、①非就労フェーズ(通所が週2日程度で職業準備性が低い)の障害者も含めた幅広い受け入れを行うことで「ターゲット」を差別化し、②様々な悩みや不安、課題を抱える障害のある方一人ひとりに適した支援を徹底的に提供(「個別」と「支援」)することでそれを可能にし、③ドミナント展開を行うことで経営資源を効率的に活用してまいります。また、④引きこもりという社会課題解決のために事業化した「Cocorport College」の卒業生が、ココルポートが運営する就労移行支援事業所へ通所するという事業シナジーを生んでおります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、売上高及び経常利益を重要な経営指標と位置付けております。そして、重要な財務経営指標である売上高と経常利益成長を判断するための重要な非財務経営指標を事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)として各経営課題に取り組んでおります。事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)を重要な非財務経営指標と考えている理由は以下のとおりであります。事業所数、利用者数(通所数)当社事業では、1つの事業所でサービスを提供できる利用定員数が「障害者総合支援法」に基づく省令で定められているため、売上高の成長には事業所数の拡大を進める必要があります。また、利用者数(通所数)は売上高を構成する基本単位となるため、成長を判断するための重要な非財務経営指標としております。就職者数、定着者数(定着率)就職者数及び定着者数の向上は、次年度以降の基本報酬単価決定の算定基礎となり、報酬単価(売上単価)の向上となるため、成長を判断するための重要な非財務経営指標としております。 (4) 経営環境日本における障害者数は増加傾向にあり、内閣府「令和7年度版障害者白書」によれば1,152.8万人となっております。こうした社会環境の下、企業や国・地方公共団体が達成を義務付けられている障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられ、2024年4月には2.5%となっております。(参考:1976年時点の法定雇用率は1.5%)。また、2018年には精神障害者が障害者雇用義務の対象に加わり、厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における雇用障害者数「67万7,461人」、実雇用率「2.41%」はともに過去最高を更新しております。一方で、法定雇用率達成企業の割合は46.0%となっていることや、法定雇用率自体も2026年7月に2.7%に引上げられる(厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」)ことから、今後も障害者雇用の拡大は見込まれ、それを支援する障害福祉サービスの拡大余地も引き続き大きいと考えられます。こうした社会環境下にあって、就労移行支援サービスは、質の高いサービスを提供する必要性が求められるようになり、多くの就職者数を輩出するなど、より成果を出した事業所に報酬単価向上を通じて報いる流れが進んでおります。指定障害福祉サービスにおける報酬額は、厚生労働省において「就労移行支援サービス」と「自立訓練(生活訓練)サービス」といったサービスごとに定められておりますが、「就労移行支援サービス」の報酬単価は、2018年4月の報酬改定以降、利用者の就職後の就労定着実績に応じて基本報酬が大きく増減するように変更されております。「就労移行支援サービス」については、この報酬単価改定の影響によって就職者を輩出できない事業所は報酬単価の減少により利益率が悪化し、その影響により就労移行支援事業所数は減少するものの、サービス需要は減少することなく維持された状態(注)にあります。一方で、就職者を多く輩出する事業所は、今まで以上に高い利益率を獲得することになるため、利益率が改善する事業所と利益率が悪化して市場から退出せざるを得ない事業所の2極化が進み、就職者を多く輩出する「支援の質が高い」事業者は、マーケットシェアを拡大していくと考えられます。 (注) 厚生労働省 社会福祉施設等調査:結果の概要 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は、法令を遵守し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、継続的に企業価値を高めていく上で、以下の項目を重要課題として取り組んでまいります。① 知名度の向上当社は、「指定障害福祉サービス」を行っておりますが、事業内容の認知度はまだまだ高いとは言えず、今後は当社の事業をより浸透させることが求められます。当社は、非就労フェーズ(通所が週2日程度で職業準備性が低い)の障害者も含めた幅広い受け入れを行っているため、知名度向上が利用者獲得(紹介)の機会増につながるものと考えており、1人でも多くの障害のある方に自立に向けた支援を提供することを通じて、自分らしく前向きに地域社会へ参加する人が増えるように取り組んでまいります。 ② 人材の確保と社員育成当社における事業はすべて障害のある方に対する直接的な支援であり、重要指標である利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)等を継続的に保つための最大の要素は、高品質なサービスを提供できる人材の質であるとの認識から、人材の「採用と育成」に大きな経営資源を割いております。そのため、当社の理念に共感していただける人材の継続的確保及び定着化を重要な課題の一つとして認識しております。 ③ 就労定着支援サービスの強化当社の就労定着支援サービスにおきましては、当社サービスを経て就職をした利用者が、その職場で長く働き自立することができるようになるまで支援することが必要であると認識しております。当社では、笑顔で長く働き続けられるよう、「就業面」はもちろん、「生活面」や「体調面」も含めて、土台からしっかりサポートするため月1回以上の面談を必須にするなど、今後も一層の支援を図ってまいります。 ④ 自立訓練(生活訓練)サービスの強化2020年4月からサービス提供を開始している自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)を強化することは、社会課題である引きこもりの解消につながると考えております。また、就労移行支援サービス利用前段階の方(就職までまだ考えられない方)を自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)で受け入れることにより、自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)利用終了後に就労移行支援サービス(就職後は就労定着支援サービス)を提供することによって、より一体としてサービスを提供できるようになり、それが利用者へのより大きな付加価値提供につながると認識しております。自立訓練(生活訓練)サービスの強化は、各種サービスの利用者獲得などのシナジー効果を高めるものと考えております。更に2024年4月より、精神的な不調により休職した方の復職支援ニーズに応えるため、リワーク専門の自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport Rework)を開始し、休職されている方々への復職支援も開始しております。 ⑤ 事業基盤の強化・事業所数の拡大当社事業は、一つの事業所でサービスを提供できる利用定員数が「障害者総合支援法」に基づく省令で定められている中、当社は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、就労移行支援サービス及び自立訓練(生活訓練)サービスともに事業所数を拡大してきておりますが、今後の継続的な事業の成長には、一層の事業所数拡大を進める必要があると考えております。 ・提供サービスの質の向上今後継続的に事業所開設を行う際に、どの事業所でも質の高いサービスを提供するためには、一人ひとりごとに異なる悩みや不安、課題に寄り添った個別支援(一人ひとりに適した支援)の徹底が必要になります。そのために、研修を充実させ、行動指針の浸透を図っておりますが、今後一層強化し、各事業所に浸透させる必要があると考えております。 ・地域・関係機関との連携強化障害のある方の個別最適なサービスを提供するために、行政・クリニック・支援機関といった社会資源への働きかけも重視しております。社会資源からの紹介を通じて、障害のある方に当社の質の高いサービスを利用していただき、障害のある方の就労移行実績を継続的に示すことで、社会資源からの紹介を更に増やせるものと考えております。今後もドミナント展開を徹底し、地域・関係機関との連携を強化することは重要な課題であると考えております。 ⑥ 事業関連法令の遵守当社が展開する事業は、各種法令及び制度に基づいたサービス提供であり、障害者総合支援法及びその関連法令の遵守が事業継続の前提となります。当社では、これらの法令に基づき事業活動を行う中で、今後の法改正に柔軟に対応しつつ、持続可能な指定障害福祉サービス体制の構築を推進してまいります。 ⑦ コーポレート・ガバナンスの強化当社は、持続的な企業価値向上を実現するためには、コーポレート・ガバナンスの強化は重要な課題の一つであると認識しております。当社では、業務執行に対する監督体制を強化することにより透明性の高い経営を目指すとともに、内部統制機能の強化及びコンプライアンス遵守を推進し、企業価値の持続的向上を実現する体制の構築に努めております。具体的には、社外取締役の活用や監査役会、会計監査人、内部監査室との連携を図り、取締役会の経営戦略策定機能・監督機能を十分に発揮できる体制を整えております。今後におきましても、内部統制の実効性を高めコーポレート・ガバナンスを充実していくことにより内部管理体制の強化を図り、リスク管理の徹底とともに強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。 ⑧ 財務上の課題財務上の課題については、安定的に営業キャッシュ・フローを獲得できており、財務基盤は安定していると考えています。今後とも新規事業所開設に伴う投資活動を継続する予定ですが、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持しており、現時点で優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、投資と内部留保の適切なバランスを検討し、事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当事業年度のわが国経済は、インバウンド需要の増加や賃上げによる雇用・所得環境の改善等、経済情勢に一定程度の回復傾向がみられています。一方で、物価上昇の継続や米国の通商政策などの不安定な国際情勢によって当面不透明な状況が続くものと見込まれております。当社を取り巻く障害福祉サービス業界においては、障害者数は増加傾向にあり1,152.8万人となっております(内閣府「令和7年度版障害者白書」)。また、障害者の法定雇用率(民間企業に義務付けられている障害者の雇用率)は段階的に引上げられ、2024年4月には2.5%となりました(1976年時点の法定雇用率は1.5%)。2018年には精神障害者が障害者雇用義務の対象に加わりました。厚生労働省「令和6年障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における雇用障害者数「67万7,461人」、実雇用率(民間企業に実際に雇用されている障害者の雇用率)「2.41%」はともに過去最高を更新しております。一方で、法定雇用率達成企業の割合は46.0%となっていることや、法定雇用率自体も2026年7月に2.7%に益々引上げられる(厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」)ことから、今後も障害者雇用の拡大は見込まれ、それを支援する障害福祉サービスの拡大余地も引き続き大きいと考えられます。このような環境の下、当事業年度においても社会課題解決に応えるべく拠点数増加を推進し、前事業年度末の105拠点(就労移行支援事業所74拠点、自立訓練(生活訓練)事業所(Cocorport College、Cocorport Rework)31拠点)から15拠点増加し合計120拠点へと拡大し(就労移行支援事業所81拠点、自立訓練(生活訓練)事業所(Cocorport College、Cocorport Rework)39拠点)、サービスの拡大を図ってまいりました。これらの結果、当事業年度における経営成績は、売上高6,376,772千円(前期比10.9%増)、営業利益771,938千円(前期比9.6%増)、経常利益797,843千円(前期比11.0%増)、当期純利益561,980千円(前期比6.9%増)となりました。また、当社は指定障害福祉サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② 財政状態の状況(資産)当事業年度末における流動資産合計は3,034,049千円となり、前事業年度末に比べ574,073千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が456,650千円、売掛金が90,060千円増加したこと等によるものであります。固定資産合計は845,981千円となり、前事業年度末に比べ136,988千円増加いたしました。これは主に新規拠点増加に伴い有形固定資産が58,886千円、敷金及び保証金が33,140千円、並びに繰延税金資産が44,627千円増加したこと等によるものであります。この結果、資産合計は、3,880,030千円となり、前事業年度末に比べ711,062千円増加いたしました。 (負債)当事業年度末における流動負債合計は711,654千円となり、前事業年度末に比べ57,461千円増加いたしました。これは主に未払費用が12,452千円減少した一方で、未払金が46,262千円、未払法人税等が23,860千円増加したこと等によるものであります。固定負債合計は230,120千円となり、前事業年度末に比べ65,045千円増加いたしました。これは主に、賃借不動産の退去に備えた資産除去債務が66,777千円増加したこと等によるものであります。この結果、負債合計は、941,775千円となり、前事業年度末に比べ122,507千円増加いたしました。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は2,938,255千円となり、前事業年度末に比べ588,554千円増加いたしました。これは主に新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ13,329千円増加したこと、及び当期純利益の計上に伴い繰越利益剰余金が561,980千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度末の自己資本比率は75.7%(前事業年度末は74.1%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末と比べて456,650千円増加し、1,728,119千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は598,101千円(前事業年度は562,618千円の獲得)となりました。これは主に売上債権の増加による90,060千円及び法人税等の支払額220,776千円等の支出があった一方で、税引前当期純利益760,410千円、減価償却費71,605千円をそれぞれ計上したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は155,904千円(前事業年度は101,383千円の使用)となりました。これは主に新規拠点開設に伴う有形固定資産の取得による支出97,659千円並びに敷金及び保証金の差入による支出54,334千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は14,452千円(前事業年度は24,530千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出8,738千円等があった一方で、新株予約権の行使に伴い、株式の発行による収入26,358千円があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績当事業年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。 サービスの名称当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)前年同期比(%)就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス5,213,996107.5自立訓練(生活訓練)サービス1,161,128129.2その他1,647121.3合計6,376,772110.9 (注) 1.当社は「指定障害福祉サービス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前事業年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)神奈川県国民健康保険団体連合会1,784,89731.01,961,534 30.8埼玉県国民健康保険団体連合会1,265,60122.01,382,384 21.7東京都国民健康保険団体連合会1,122,30719.51,179,525 18.5千葉県国民健康保険団体連合会909,40915.8954,277 15.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a.固定資産の減損処理財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 b.資産除去債務財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、資産除去債務については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。 b.経営成績(売上高、売上原価、売上総利益)サービス拡大を目的に、当事業年度は就労移行支援事業所を前事業年度と比べて7事業所増加(前事業年度74事業所から81事業所)し、自立訓練(生活訓練)事業所の事業所数を8事業所増加(前事業年度31事業所から39事業所)いたしました。事業所数の増加に伴い、前事業年度と比べて通所数は23,403通所増加となり、470,432通所となりました(前事業年度比5.2%増)。売上高については、前事業年度と比べて625,960千円増加し、6,376,772千円(同10.9%増)となりました。売上原価については、従業員数増加に伴う労務費が398,816千円増加、事業所数増加に伴う地代家賃が79,537千円増加、利用者増加に伴う利用者研修費が21,531千円増加したこと等により、前事業年度と比べて497,806千円増加し、4,570,522千円(同12.2%増)となりました。その結果、売上総利益は、前事業年度と比べて128,154千円増加し、1,806,249千円(同7.6%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費については、広告宣伝費が18,726千円、給与手当が15,270千円増加したこと等により、前事業年度と比べて60,256千円増加し、1,034,310千円(同6.2%増)となりました。その結果、営業利益は771,938千円(同9.6%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)営業外収益は、助成金収入が15,819千円増加したこと等により、前事業年度と比べて16,464千円増加し、32,939千円(同99.9%増)となりました。営業外費用は、解約違約金6,540千円の発生等により、前事業年度と比べて5,239千円増加し、7,035千円(同291.7%増)となりました。その結果、経常利益は797,843千円(同11.0%増)となりました。 (特別利益、特別損失、法人税等、当期純利益)特別利益は発生しておりません。一方で、営業活動から生じる損益が継続してマイナスの事業所で、かつ、今後も収益改善の可能性が低いと判断した事業所について、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額37,433千円を減損損失として特別損失に計上いたしました。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は、前事業年度と比べて5,294千円増加し、198,429千円(同2.7%増)となりました。これらの結果、当期純利益は561,980千円(同6.9%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、障害福祉サービスの提供及び事業所の運営に係る人件費及び外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金であります。投資を目的とした資金需要は、新規事業所開設に伴う設備投資が主なものであります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当事業年度末における有利子負債の残高は1,666千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,728,119千円となっております。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)」に記載のとおり、売上高及び経常利益を重要な経営指標と位置付けております。そして、重要な経営指標である売上高と経常利益の向上のため、事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)等を重要指標として、各経営課題に取り組んでおります。なお、定着者数の目標は2年以上経過している各Officeは年間10名以上(就職者数は最低限年間10名以上)が目標となります。第14期については、事業所数は前事業年度と比べて、就労移行支援事業所は7事業所増加(前事業年度末74事業所から81事業所)、自立訓練(生活訓練)事業所は8事業所増加(前事業年度末31事業所から39事業所)となりました。事業所数の増加に伴い、前事業年度と比べて通所数は23,403通所増加(前事業年度比5.2%増)となりました。これらの結果、売上高は625,960千円増加(同10.9%増)、経常利益は79,123千円増加(同11.0%増)となりました。 a.重視する経営指標の推移 前事業年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)売上高(千円)5,750,8116,376,772 経常利益(千円)718,720797,843 b.売上高を構成する主要な経営指標