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関通ホールディングス(9326)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

関通ホールディングスは、主にEコマース(ネット通販)や通信販売を行う顧客向けに、商品の入庫・在庫管理・出庫といった配送センター業務を代行する「EC・通販物流支援サービス」を主力としています。このサービスを通じて得たノウハウを活かし、受注管理代行サービスや、自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」、チェックリストシステム「アニー」などのITサービスも提供しており、物流とITの両面から顧客の事業を支援することで収益を上げています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

同社の事業セグメントは「物流サービス事業」と「ITオートメーション事業」の2つです。「物流サービス事業」は、EC・通販事業者向けに商品の入庫・在庫管理・出庫などの配送センター業務を代行するサービスが中心で、受注管理代行や物流コンサルティングも含まれます。最新年度では売上高145.24億円に対し営業損失3.28億円と赤字でした。「ITオートメーション事業」は、自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」やチェックリストシステム「アニー」などのソフトウェアをお客様に提供する事業で、売上高6.38億円に対し営業利益3.33億円と利益を出しており、ITオートメーション事業が稼ぎ頭となっています。

2025-02 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LogisticServiceBusiness 地域 145 -3 -2.3%
ITAutomationBusiness 地域 6 3 52.3%
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FY2026|4,189 文字
3【事業の内容】当社グループは、主にEコマース(注1)及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務を代行するEC・通販物流支援サービスを主たるサービスとして物流サービス事業を展開しております。当該サービスを提供する中で、当社が取組んだ改善活動の結果、成果が出た活動をそのまま新しいサービスとしてお客様にご提供することで、受注管理業務代行サービス、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System、以下「倉庫管理システム」という。)「クラウドトーマス」やチェックリストシステム「アニー」等、サービス拡充を図りながら事業を展開しております。いずれのサービスもEC・通販物流支援サービスにおける課題解決の活動から生まれており、そのEC・通販物流支援サービスは2000年頃のインターネット通販の黎明期からスタートし、センター運営のノウハウを蓄積してまいりました。これらノウハウを当社が主催する「学べる倉庫見学会」等のセミナーの開催をとおしてお客様へご案内し、目で見て耳で聞いて実感いただくことで、更なるお客様獲得につなげております。また、2026年4月より持株会社体制に移行、それぞれの事業を子会社にて専門的に対応することで、よりサービスを拡充してまいります。当社グループの具体的なサービスの特徴は、次のとおりです。 (1) 物流サービス事業(EC・通販物流支援サービス) EC・通販物流支援サービスは、主にEコマース及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務をお客様から受託し、お客様に代わって配送センター業務を行うサービスです。 当社グループは2000年頃のインターネット通販の黎明期から培ってきたノウハウをもち、そのノウハウを自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」に機能として搭載し、物流業務の自動化機器と連携させること等により、サービス提供を行っております。 具体的には、自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」を活用することで品質維持・改善を図り、また現場の個別作業においては、チェックリストシステム「アニー」を活用して、お客様別の作業ごとに手順をチェックリスト形式で作成し、これをマニュアルとして利用することで、品質の平準化を図るとともに、作業の標準化及び効率化を図り、作業ミスの予防につなげております。 また、主要なお客様とは定期的にミーティングを開催し、当社が提供するEC・通販物流支援サービスの現状報告、お客様の声として現状の課題等をお聞かせいただき、お客様個別の課題等に対する改善活動に取組み、KPI等の指標の推移をご提示する等、改善状況の可視化を図り、お客様にご満足いただけるサービスレベルの向上に活かしております。 2023年12月に、当社は完全子会社として関通ネクストロジ株式会社(以下「関通ネクストロジ」という。)を設立しました。関通ネクストロジは河出興産株式会社(以下「河出興産」という。)から、出版物の物流サービス事業及びEコマース事業者向けの物流サービス事業を譲受け、これらの事業を開始しております。当社グループがこれまで培ってきた物流ノウハウやITサービスを出版物流の分野に取り入れることで、河出興産が取り組んできた物流サービスの付加価値をより一層高め、またお客様へのサービスレベルの向上及び継続的なサービス提供を実現し、当社グループの企業価値向上を図っております。 なお、物流センターを再編することにより余剰となった一部の倉庫を、第三者に転貸するサブリースのサービスを提供しております。 (受注管理業務代行サービス) 受注管理業務代行サービス(以下「受注管理サービス」という。)は、EC・通販物流支援サービスの上流工程に位置し、Eコマースにおけるご購入者様の注文内容を確認し、電子メール対応や入金確認、出荷指示データ作成等の業務をお客様から受託しております。EC・通販物流支援サービスと連携することで、お客様から販売活動のバックヤード業務をワンストップでアウトソーシングいただくことが可能になっております。 受注管理業務の改善活動の中で標準化された業務は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、(注2))の活用による自動化、判断をともなう業務は受注処理を自動化するアプリケーション「e.can(イーキャン)」の活用による効率化を推進しております。 (物流コンサルティングサービス) 当社は、EC・通販物流支援サービスで培われたノウハウを活用し、物流現場改善による生産性の向上による効率化等を目的としたコンサルティングサービスを提供しております。 当社の物流コンサルティングサービスは、物流業務に関するお客様の課題をヒアリングし、お客様の現場を実際にお見せいただき、実際の作業を確認させていただいた上で課題を整理し、改善手法の立案を行います。 改善手法の立案に当たっては、ワークサンプリング(注3)を実施して作業手順をフローチャート等として可視化し、レイアウト及び保管什器の変更、倉庫管理システムの導入、変更若しくは使用方法の改善、梱包単位に商品を仕分けするための仕分けシステムの導入等による効率的な物流業務の改善方法等を検討し、ご提案しております。 また、改善を実行に移すための計画を策定し、その進捗管理を行うとともに、倉庫管理システムや仕分けシステムの導入支援、現場でのオペレーションにおける使用方法の説明、指導、教育等を行い、お客様の物流業務における改善効果の実現を支援しております。  物流サービス事業に係る事業系統図は、次のとおりです。[物流サービス事業の事業系統図](注)当社は、当社の子会社である株式会社関通ビジネスサービスにEC・通販物流支援サービスの一部を再委託しており、業務委託先には当該子会社が含まれております。 (2) ITオートメーション事業 ITオートメーション事業は、主に当社で開発して利用し、成果につながったソフトウエアをお客様にご利用いただくサービスです。(倉庫管理システム「クラウドトーマス」) 倉庫管理システム「クラウドトーマス」は、倉庫内に保管されている商品(在庫)の数を正確に把握するとともに、倉庫内業務の効率化を実現するためのソフトウエアです。入荷から出荷、庫内での棚移動を含め、在庫のすべての動きを、バーコードとそれを読み取るスキャナにより物理的に管理することで、入出庫処理やロケーション管理などを一元的に行うことができるようになります。「クラウドトーマス」導入により、お客様の販売商品の正確な在庫管理、誤出荷の防止、倉庫内業務の標準化及び効率化を実現することが可能になります。 2021年2月には、比較的規模の大きい物流センター向けに、お客様個別のカスタマイズ対応が可能な「クラウドトーマスPro」の発売を開始し、お客様がご利用する基幹システムとの連携を容易にするカスタマイズ開発のサービスを提供し、またお客様の物流センター運営の一層の効率化を図るため、お客様が運営される物流センターへの物流自動化機器の導入をご提案する等、「クラウドトーマスPro」の販売にあわせ、お客様の物流業務の効率化をサポートしております。 2026年2月期には新たなセキュリティ機能を搭載したソフトウエア開発に取り組んでおります。 (チェックリストシステム「アニー」) チェックリストシステム「アニー」はクラウド型のチェックリストシステムです。「クラウドトーマス」と同じく、当社がチェックリストの運用を改善し続けた結果、生み出されたソフトウエアです。チェックリストに作業の手順を登録することで、作業の抜け漏れが少なくなり、業務の品質を落とさず、作業手順やノウハウが見える化され、業務の標準化を図ることができ、新人教育にもご利用いただけます。 お客様による「アニー」の新規導入に当たっては、ご利用開始を支援する導入支援サービスをあわせて提供しております。 (その他) ECサイトの受注処理を自動化するシステム「e.can(イーキャン)」は、ECサイトの受注処理(注文受付から、物流現場の出荷作業用データ生成、カスタマーへの完了報告等の事務作業)内で発生する、受注伝票の書換え作業を自動化するシステムで、ECサイトでの受注処理業務の効率化を実現することが可能になります。  ITオートメーション事業に係る事業系統図は、次のとおりです。[ITオートメーション事業の事業系統図] (3) その他の事業(外国人技能実習生教育サービス)外国人技能実習生教育サービス(以下「外国人教育サービス」という。)は、当社がミャンマーから外国人技能実習生(以下「実習生」という。)受入れを行う際に、ミャンマーで行った現地教育カリキュラムを、お客様にもご利用いただくサービスです。実習生の受入れを希望されているお客様に、現地ミャンマーでお客様が希望される職種にあった、就業上必要となる技能訓練のほか、会社の文化等の教育を行い、日本で就業時に即戦力の人材として採用いただける教育を行うサービスです。 (福祉・教育サービス) 障がいをお持ちのお子様向け教育事業として、放課後等デイサービスの教室を運営し、発達障害を抱える児童の学童保育と呼ばれる放課後デイサービスを通じて発達に課題を抱えるお子さまの成長と自立をサポートしております。 そのほか、企業主導型保育事業として保育園を運営しております。 (注)1.Eコマースとは、Electronic Commerceの略で、インターネットを通じた電子商取引のことをいい、ECと表記されることもあります。WEBサイト上のオンラインショップを利用した物品販売等がこれに当たります。2.RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業をワークフロー自動化ツール等を用いて、人間に代わって自動処理する仕組みをいいます。3.ワークサンプリングとは、作業者の作業の発生状況、及び設備の稼働状況を把握する稼働分析の一つです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
輸配送コスト上昇分をお客様に理解を求め値上げ対応する方針であるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
2000年頃からのノウハウ蓄積、自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」やチェックリストシステム「アニー」。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:公的規制強化のリスク / 設備投資・投資成果・減損等のリスク / コスト上昇リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリにデータがないため、無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。ブランド力や特許、規制ライセンスに関する公開情報も限定的です。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

物流業務は一度委託すると、システム連携やオペレーションの再構築に手間がかかるため、一定のスイッチングコストは存在します。しかし、価格競争力やサービス内容によっては乗り換えも起こり得ます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

関通ホールディングスの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認されません。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

同社は「物流の見える化」やIT活用による効率化を推進しており、標準化されたオペレーションとITシステムによるコスト削減努力が見られます。これにより、同業他社と比較して一定のコスト競争力を維持している可能性があります。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

物流業界は規模の経済が働きやすい分野であり、同社は複数の拠点と多様なサービスを展開することで、一定の規模メリットを享受していると考えられます。特に、大規模な荷主や複雑な物流ニーズに対応できる体制は強みとなり得ます。

同社の強みは、2000年頃のインターネット通販黎明期から培ってきた物流センター運営のノウハウと、それをシステム化した自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」にあります。このシステムと現場の改善活動から生まれたチェックリストシステム「アニー」を組み合わせることで、物流業務の品質維持・改善、標準化、効率化を実現し、誤出荷防止にも貢献しています。また、顧客ごとの課題解決に継続的に取り組み、セミナー開催を通じてノウハウを共有することで、顧客獲得とサービスレベル向上につなげている点も優位性と言えます。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、2026年4月1日付で関通ホールディングス株式会社を完全親会社とする持株会社体制へ移行したことを契機として、次のとおり経営理念を制定し、その実践をとおして一層の企業価値の向上を目指してまいります。[経営理念]当社グループは、物流で培った知恵とデータを起点として、AI及びテクノロジーにより経営の再現性を高め、事業と経営者を量産できる経営へと高度化してまいります。分野を問わず成長できる企業群を創出し、その積み重ねによって、産業の持続的発展と社会インフラを支え続けることを、当社グループの使命と位置付けております。[経営理念を実行するための判断基準]当社グループは、上記経営理念を実現するため、次の判断基準に基づき、日々の事業活動及び経営判断を行ってまいります。① お客様と現場を起点とした本質思考競合や慣習ではなく、常にお客様と現場を起点として思考し、数字、データ、現物及び現場を徹底的に見つめることで、表層ではなく本質的な課題を掘り下げてまいります。AI及びテクノロジーは、現場理解を深めるための手段として活用いたします。② 発明によるシンプル化とAI・ITへの委任複雑さは失敗であると認識し、常に発明を重ねて業務及び意思決定の構造をシンプルなものといたします。再現可能な業務、構造化できる意思決定及び人が担わなくてよい判断については、積極的にAI及びIT基盤へ委任してまいります。③ オーナー視点による経営と事業の分化すべての事業をオーナーの視点で捉え、短期的な成果よりも長期的な企業価値の向上を優先いたします。すべての事業は将来の分社化を前提に設計し、「一事業一責任、一事業一社長」を原則とする体制を構築してまいります。④ データと構造に基づく経営判断経験及び直感を尊重しつつも、最終的な経営判断は必ずデータと構造によって説明可能なものとする方針であります。AI、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある正しい判断を出し続けてまいります。⑤ 学習する組織と次世代経営者の育成当社グループは、学習する組織として、学び続け、変化し続ける企業文化を涵養してまいります。次の経営者を育成し送り出すことを経営における最大の成果と位置付け、経営人材の継続的な育成に取り組んでまいります。⑥ 行動優先と失敗からの学習完璧を待たずに行動することを優先し、小さく試して早く失敗し、そこから学ぶサイクルを尊重いたします。失敗は前向きに歓迎する一方で、再現性のない成功は評価の対象とせず、再現性の確保を重視してまいります。⑦ 結果と企業価値への責任当社グループは、経営の成果を売上高や規模ではなく、企業価値の向上によって測るものといたします。事業数の拡大、経営者の輩出及び経営の再現性の向上といった成果について、持株会社としてグループ全体に責任を持ってまいります。持株会社体制の下、各事業会社は事業の専門性を深耕し、グループ全体としては適正なガバナンスを効かせた最適な経営資源の配分を行うことにより、グループ全体の企業価値の最大化を目指してまいります。 (2) 中長期的な経営戦略 当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、並びに情報、ノウハウ等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に集中的に展開する「集中戦略」を採用してまいりました。 当社グループは、長年の物流現場で培った運用ノウハウ、倉庫管理システム「クラウドトーマス」並びに同システムの次世代版である「クラウドトーマスPro」に代表されるソフトウエア資産、及びこれらを支えるガバナンス体制といった無形資産を最大の競争力の源泉と認識しております。今後においては、当該無形資産を収益の柱へと転換し、労働集約型モデルからテクノロジー及びノウハウを提供する高付加価値モデル(Tech・BPaaS)への構造転換を進めることによって、売上高の成長と利益率の構造的な改善を同時に実現してまいります。 具体的には、次の各施策をグループ一体で推進してまいります。①「仕組み」と「ノウハウ」の収益化単なる物流代行に留まらず、お客様の受注から出荷までのバックオフィス業務全体を自動化するBPaaS(Business Process as a Service)型サービスを展開し、ストック型の収益基盤の確立を目指してまいります。②アセット・ライト経営への投資シフト物流倉庫等のハード資産への投資を抑制し、ソフトウエア開発及び人的資本へ経営資源を重点配分することで、損益分岐点の引下げ及び環境変化に対する耐性の向上を図ってまいります。③データに基づく経営判断とAI・DXの推進生成AI及び自動化ツールの業務への徹底活用により、従業員の業務時間を削減し、付加価値業務への時間配分を拡大いたします。併せて、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある意思決定の実現に取り組んでまいります。加えて、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組むことにより、新しい経営資源を効率的に獲得し、既存サービスとの相乗効果によるサービスの提供機会の増加を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。 (3) 経営環境 当社グループは、物流サービスの提供を主たる事業とし、その中でも、主にEコマース及び通信販売事業を営む企業様向けの配送センター代行サービスである「EC・通販物流支援サービス」の提供に係る事業を展開しております。 当社の主たるサービスに関わりの深いEC市場について、経済産業省がまとめた「電子商取引に関する市場調査」によりますと、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)のうち物販系分野の市場規模は継続的に拡大基調で推移しているものの、その成長率は近年緩やかに鈍化する傾向にあります。これは、EC利用の社会的な浸透に伴う市場の成熟化、消費者によるオンラインとオフラインの購買チャネルの使い分けの進展、並びに物価上昇を背景とした消費マインドの慎重化等が要因と考えられます。 一方、物流業界におきましては、2024年4月施行の働き方改革関連法によるトラックドライバーの時間外労働時間の上限規制(いわゆる「2024年問題」)が継続して影響を及ぼしており、輸配送業務の人手不足及び物流コストの上昇圧力が続いております。また、原油価格及び為替レートの変動、物流センター運営に係る水道光熱費等の経費、並びに人件費の上昇等も、物流事業者の収益構造を圧迫する要因となっております。こうした環境下、荷主企業においては、倉庫運営の効率化、省人化投資並びに物流業務のアウトソーシング需要が一層高まっており、当社グループが提供する統合物流サービス及びITオートメーションサービスに対する市場のニーズは引続き堅調に推移するものと認識しております。 他方で、物流業界における自動化・無人化投資の拡大、業界再編及びITオートメーション領域における新規参入等により、競争環境は厳しさを増しております。当社グループは、自社現場で培ったノウハウを活かしたソフトウエアの改良及びお客様のニーズに応じた柔軟なサービス提供等により、競合他社との差別化を図ってまいります。 (4) 目標とする経営指標 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値の向上に関わる中核的な経営指標と位置付け、ROE15%以上の水準を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。 2026年2月期の業績は、売上高18,345百万円(前期比20.1%増)、営業利益319百万円(前期は47百万円の営業損失)、親会社株主に帰属する当期純利益206百万円(前期は848百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。前連結会計年度に発生したサイバー攻撃を踏まえ、当連結会計年度を「信頼回復と強靭な経営基盤の再構築」の期間と位置づけ、全社を挙げて取り組んだ結果、業績は大幅な改善を実現しております。 当社グループは、2026年4月1日付で持株会社体制へ移行し、「ハコからチエへ」をスローガンに、従来の労働集約型ビジネスから「DXプラットフォーム企業」への質的転換を図ってまいります。2027年2月期の連結業績につきましては、売上高20,008百万円(前期比9.1%増)、営業利益484百万円(前期比51.4%増)、経常利益409百万円(前期比43.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益266百万円(前期比29.2%増)を計画しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、長年にわたる物流サービス事業、並びにITオートメーション事業で蓄積したノウハウを活かし、今後においても持続的な成長を遂げるため、次の事項を対処すべき課題と認識しております。 1 持株会社体制への移行によるグループ経営の高度化 2026年4月1日付で移行した持株会社体制の下、グループ全体の経営戦略及び経営資源の配分は完全親会社である関通ホールディングス株式会社が担い、各事業会社は事業の専門性の深耕に注力する体制を構築しております。システム開発投資については持株会社が資産として一元的に管理し、投資対効果(ROI)を厳格に検証することで、グループ全体の資本効率の向上を図ってまいります。 2 人材の確保と育成 当社グループの事業拡大には優秀な人材の獲得が不可欠であり、品質維持・向上には人材育成が不可欠であります。新卒採用及び外国人技能実習生の受入れを継続するほか、経営理念及び社内の各種方針を取りまとめた「経営方針書」に基づく勉強会、長年の物流サービス事業で培ったノウハウを反映した独自教育プログラム、並びに生成AI等を活用するためのデジタル・リスキリングを計画的に実施してまいります。これらの取組みを通じて、現場の知見とAIを融合させた「ハイブリッド人材」及び次世代の経営者の育成を推進するとともに、業務の仕組み化及び利益への貢献度を評価軸とする成果志向の人事評価制度への深化を進めてまいります。 3 持続的な事業規模の拡大 当社グループは、メーカー及び輸入業者の製品在庫管理から、卸売業者・EC事業者への流通、並びに購入者への発送までを一拠点で管理運営する統合物流サービスの提案を強化し、BtoB・BtoC双方のニーズに応じた新サービスの創出により事業規模を拡大し企業価値を高める方針であります。社内で実践し成果を確認した取組みを新サービスとして顧客に提供することを基本とし、倉庫管理システム「クラウドトーマス」及びチェックリストシステム「アニー」などのITオートメーション事業は代表例であり、現在も規模を拡大し当社の利益に貢献しております。また、出版物流サービスをはじめとする連結子会社関通ネクストロジ株式会社による顧客基盤拡大の取組みを継続するとともに、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組んでまいります。 4 継続した改善活動による物流品質・生産性の向上及び新しいノウハウの蓄積 当社グループは、環境整備活動を継続し、物流サービス事業で新たな概念を取り入れた高度な改善活動を推進しております。独自の知見に基づき新規設備の導入や業務改善を進め、物流品質・生産性の向上、新規ノウハウの蓄積および持続的なコスト最適化に取り組んでまいります。(注)環境整備活動とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える活動」であり、当社の教育・企業文化形成の柱としております。毎日決まった時間に全従業員が30分の時間を使って実施します。整理、整頓、清掃等を基本として、仕事とそのやり方を学び、気付く感性を育て、円滑なコミュニケーションを図る機会を生み出すものです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、2026年4月1日付で関通ホールディングス株式会社を完全親会社とする持株会社体制へ移行したことを契機として、次のとおり経営理念を制定し、その実践をとおして一層の企業価値の向上を目指してまいります。[経営理念]当社グループは、物流で培った知恵とデータを起点として、AI及びテクノロジーにより経営の再現性を高め、事業と経営者を量産できる経営へと高度化してまいります。分野を問わず成長できる企業群を創出し、その積み重ねによって、産業の持続的発展と社会インフラを支え続けることを、当社グループの使命と位置付けております。[経営理念を実行するための判断基準]当社グループは、上記経営理念を実現するため、次の判断基準に基づき、日々の事業活動及び経営判断を行ってまいります。① お客様と現場を起点とした本質思考競合や慣習ではなく、常にお客様と現場を起点として思考し、数字、データ、現物及び現場を徹底的に見つめることで、表層ではなく本質的な課題を掘り下げてまいります。AI及びテクノロジーは、現場理解を深めるための手段として活用いたします。② 発明によるシンプル化とAI・ITへの委任複雑さは失敗であると認識し、常に発明を重ねて業務及び意思決定の構造をシンプルなものといたします。再現可能な業務、構造化できる意思決定及び人が担わなくてよい判断については、積極的にAI及びIT基盤へ委任してまいります。③ オーナー視点による経営と事業の分化すべての事業をオーナーの視点で捉え、短期的な成果よりも長期的な企業価値の向上を優先いたします。すべての事業は将来の分社化を前提に設計し、「一事業一責任、一事業一社長」を原則とする体制を構築してまいります。④ データと構造に基づく経営判断経験及び直感を尊重しつつも、最終的な経営判断は必ずデータと構造によって説明可能なものとする方針であります。AI、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある正しい判断を出し続けてまいります。⑤ 学習する組織と次世代経営者の育成当社グループは、学習する組織として、学び続け、変化し続ける企業文化を涵養してまいります。次の経営者を育成し送り出すことを経営における最大の成果と位置付け、経営人材の継続的な育成に取り組んでまいります。⑥ 行動優先と失敗からの学習完璧を待たずに行動することを優先し、小さく試して早く失敗し、そこから学ぶサイクルを尊重いたします。失敗は前向きに歓迎する一方で、再現性のない成功は評価の対象とせず、再現性の確保を重視してまいります。⑦ 結果と企業価値への責任当社グループは、経営の成果を売上高や規模ではなく、企業価値の向上によって測るものといたします。事業数の拡大、経営者の輩出及び経営の再現性の向上といった成果について、持株会社としてグループ全体に責任を持ってまいります。持株会社体制の下、各事業会社は事業の専門性を深耕し、グループ全体としては適正なガバナンスを効かせた最適な経営資源の配分を行うことにより、グループ全体の企業価値の最大化を目指してまいります。 (2) 中長期的な経営戦略 当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、並びに情報、ノウハウ等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に集中的に展開する「集中戦略」を採用してまいりました。 当社グループは、長年の物流現場で培った運用ノウハウ、倉庫管理システム「クラウドトーマス」並びに同システムの次世代版である「クラウドトーマスPro」に代表されるソフトウエア資産、及びこれらを支えるガバナンス体制といった無形資産を最大の競争力の源泉と認識しております。今後においては、当該無形資産を収益の柱へと転換し、労働集約型モデルからテクノロジー及びノウハウを提供する高付加価値モデル(Tech・BPaaS)への構造転換を進めることによって、売上高の成長と利益率の構造的な改善を同時に実現してまいります。 具体的には、次の各施策をグループ一体で推進してまいります。①「仕組み」と「ノウハウ」の収益化単なる物流代行に留まらず、お客様の受注から出荷までのバックオフィス業務全体を自動化するBPaaS(Business Process as a Service)型サービスを展開し、ストック型の収益基盤の確立を目指してまいります。②アセット・ライト経営への投資シフト物流倉庫等のハード資産への投資を抑制し、ソフトウエア開発及び人的資本へ経営資源を重点配分することで、損益分岐点の引下げ及び環境変化に対する耐性の向上を図ってまいります。③データに基づく経営判断とAI・DXの推進生成AI及び自動化ツールの業務への徹底活用により、従業員の業務時間を削減し、付加価値業務への時間配分を拡大いたします。併せて、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある意思決定の実現に取り組んでまいります。加えて、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組むことにより、新しい経営資源を効率的に獲得し、既存サービスとの相乗効果によるサービスの提供機会の増加を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。 (3) 経営環境 当社グループは、物流サービスの提供を主たる事業とし、その中でも、主にEコマース及び通信販売事業を営む企業様向けの配送センター代行サービスである「EC・通販物流支援サービス」の提供に係る事業を展開しております。 当社の主たるサービスに関わりの深いEC市場について、経済産業省がまとめた「電子商取引に関する市場調査」によりますと、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)のうち物販系分野の市場規模は継続的に拡大基調で推移しているものの、その成長率は近年緩やかに鈍化する傾向にあります。これは、EC利用の社会的な浸透に伴う市場の成熟化、消費者によるオンラインとオフラインの購買チャネルの使い分けの進展、並びに物価上昇を背景とした消費マインドの慎重化等が要因と考えられます。 一方、物流業界におきましては、2024年4月施行の働き方改革関連法によるトラックドライバーの時間外労働時間の上限規制(いわゆる「2024年問題」)が継続して影響を及ぼしており、輸配送業務の人手不足及び物流コストの上昇圧力が続いております。また、原油価格及び為替レートの変動、物流センター運営に係る水道光熱費等の経費、並びに人件費の上昇等も、物流事業者の収益構造を圧迫する要因となっております。こうした環境下、荷主企業においては、倉庫運営の効率化、省人化投資並びに物流業務のアウトソーシング需要が一層高まっており、当社グループが提供する統合物流サービス及びITオートメーションサービスに対する市場のニーズは引続き堅調に推移するものと認識しております。 他方で、物流業界における自動化・無人化投資の拡大、業界再編及びITオートメーション領域における新規参入等により、競争環境は厳しさを増しております。当社グループは、自社現場で培ったノウハウを活かしたソフトウエアの改良及びお客様のニーズに応じた柔軟なサービス提供等により、競合他社との差別化を図ってまいります。 (4) 目標とする経営指標 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値の向上に関わる中核的な経営指標と位置付け、ROE15%以上の水準を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。 2026年2月期の業績は、売上高18,345百万円(前期比20.1%増)、営業利益319百万円(前期は47百万円の営業損失)、親会社株主に帰属する当期純利益206百万円(前期は848百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。前連結会計年度に発生したサイバー攻撃を踏まえ、当連結会計年度を「信頼回復と強靭な経営基盤の再構築」の期間と位置づけ、全社を挙げて取り組んだ結果、業績は大幅な改善を実現しております。 当社グループは、2026年4月1日付で持株会社体制へ移行し、「ハコからチエへ」をスローガンに、従来の労働集約型ビジネスから「DXプラットフォーム企業」への質的転換を図ってまいります。2027年2月期の連結業績につきましては、売上高20,008百万円(前期比9.1%増)、営業利益484百万円(前期比51.4%増)、経常利益409百万円(前期比43.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益266百万円(前期比29.2%増)を計画しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、長年にわたる物流サービス事業、並びにITオートメーション事業で蓄積したノウハウを活かし、今後においても持続的な成長を遂げるため、次の事項を対処すべき課題と認識しております。 1 持株会社体制への移行によるグループ経営の高度化 2026年4月1日付で移行した持株会社体制の下、グループ全体の経営戦略及び経営資源の配分は完全親会社である関通ホールディングス株式会社が担い、各事業会社は事業の専門性の深耕に注力する体制を構築しております。システム開発投資については持株会社が資産として一元的に管理し、投資対効果(ROI)を厳格に検証することで、グループ全体の資本効率の向上を図ってまいります。 2 人材の確保と育成 当社グループの事業拡大には優秀な人材の獲得が不可欠であり、品質維持・向上には人材育成が不可欠であります。新卒採用及び外国人技能実習生の受入れを継続するほか、経営理念及び社内の各種方針を取りまとめた「経営方針書」に基づく勉強会、長年の物流サービス事業で培ったノウハウを反映した独自教育プログラム、並びに生成AI等を活用するためのデジタル・リスキリングを計画的に実施してまいります。これらの取組みを通じて、現場の知見とAIを融合させた「ハイブリッド人材」及び次世代の経営者の育成を推進するとともに、業務の仕組み化及び利益への貢献度を評価軸とする成果志向の人事評価制度への深化を進めてまいります。 3 持続的な事業規模の拡大 当社グループは、メーカー及び輸入業者の製品在庫管理から、卸売業者・EC事業者への流通、並びに購入者への発送までを一拠点で管理運営する統合物流サービスの提案を強化し、BtoB・BtoC双方のニーズに応じた新サービスの創出により事業規模を拡大し企業価値を高める方針であります。社内で実践し成果を確認した取組みを新サービスとして顧客に提供することを基本とし、倉庫管理システム「クラウドトーマス」及びチェックリストシステム「アニー」などのITオートメーション事業は代表例であり、現在も規模を拡大し当社の利益に貢献しております。また、出版物流サービスをはじめとする連結子会社関通ネクストロジ株式会社による顧客基盤拡大の取組みを継続するとともに、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組んでまいります。 4 継続した改善活動による物流品質・生産性の向上及び新しいノウハウの蓄積 当社グループは、環境整備活動を継続し、物流サービス事業で新たな概念を取り入れた高度な改善活動を推進しております。独自の知見に基づき新規設備の導入や業務改善を進め、物流品質・生産性の向上、新規ノウハウの蓄積および持続的なコスト最適化に取り組んでまいります。(注)環境整備活動とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える活動」であり、当社の教育・企業文化形成の柱としております。毎日決まった時間に全従業員が30分の時間を使って実施します。整理、整頓、清掃等を基本として、仕事とそのやり方を学び、気付く感性を育て、円滑なコミュニケーションを図る機会を生み出すものです。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況 当連結会計年度(2025年3月1日から2026年2月28日まで)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、緊迫する地政学リスクに伴うエネルギー価格の高止まりや、為替相場の変動による輸入コストの上昇が、引き続き企業収益や個人消費の不透明感をもたらしております。 物流業界におきましては、EC市場の拡大に伴う物流量の増加が継続する一方で、生産年齢人口の減少による深刻な人手不足、および「物流2024年問題」に端を発した輸送能力の不足が喫緊の課題となっております。このような環境下、倉庫運営においては従来の労働集約型モデルからの脱却が求められており、AI(人工知能)やロボティクスを活用した省人化・自動化投資、ならびにDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化への需要が急速に高まっております。 当社グループにおきましては、前連結会計年度に発生したサイバー攻撃によるシステム停止等の事態を真摯に受け止め、当連結会計年度を「信頼回復と強靭な経営基盤の再構築」の期間と位置づけ、全社を挙げてセキュリティ体制の抜本的強化と事業の立て直しに邁進してまいりました。  これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が18,345,950千円(前期比20.1%増)、営業利益は319,926千円(前期は47,406千円の営業損失)、経常利益は285,131千円(前期は92,090千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は206,088千円(前期は848,221千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。  セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業利益又は営業損失をベースとしております。 (物流サービス事業) 既存顧客の信頼回復に努めるとともに、AIを活用した業務効率化や人員配置の最適化により、オペレーションの精度と生産性を向上させました。 これらの結果、物流サービス事業に係る当連結会計年度の売上高は17,310,344千円(前期比19.2%増)、セグメント利益は333,834千円(前期は328,503千円のセグメント損失)となりました。 (ITオートメーション事業) ITオートメーション事業におきましても、倉庫管理システム(WMS)「クラウドトーマス」において、最新のセキュリティ対策を施した新バージョンの展開を推進し、ITと物流現場の知見を融合させたソリューション提供に注力いたしました。 これらの結果、ITオートメーション事業に係る当連結会計年度の売上高は884,612千円(前期比38.5%増)、セグメント利益は36,980千円(前期比88.9%減)となりました。 (その他の事業) その他の事業におきましては、障がい者のお子様向けの放課後等デイサービスが堅調に推移しました。 この結果、その他の事業に係る当連結会計年度の売上高は150,993千円(前期比40.6%増)、セグメント損失は50,889千円(前期は52,755千円のセグメント損失)となりました。 [2026年2月期 セグメント別連結経営成績]     (単位:千円,%)セグメント区分売上高セグメント損益(営業損益) サービス区分実績百分比前期増減率実績売上高営業利益率前期増減率 EC・通販物流支援サービス17,151,81593.520.0- 受注管理業務代行サービス158,5280.9△14.2-物流サービス事業17,310,34494.419.2333,8341.9-ITオートメーション事業884,6124.838.536,9804.2△88.9その他の事業150,9930.840.6△50,889△33.7-セグメント合計18,345,950100.020.1319,9261.7- ② 財政状態の分析 当連結会計年度末における総資産は11,699,038千円(前連結会計年度末比1,379,553千円の増加)、負債は9,454,943千円(前連結会計年度末比1,227,022千円の増加)、純資産は2,244,094千円(前連結会計年度末比152,531千円の増加)となりました。主な増減要因は、次のとおりであります。 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は5,733,689千円(前連結会計年度末比791,757千円の増加)となりました。 主な要因は、現金及び預金が462,278千円、売掛金が446,816千円増加したことによるものです。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は5,965,348千円(前連結会計年度末比587,796千円の増加)となりました。 主な要因は、投資有価証券が176,921千円増加したほか、物流センターの新設にともなう敷金の支出により敷金及び保証金が254,420千円増加したことによるものです。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は3,920,482千円(前連結会計年度末比1,376,436千円の増加)となりました。 主な要因は、短期借入金が800,000千円増加、1年内返済予定の長期借入金が454,630千円増加したことによるものです。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は5,534,461千円(前連結会計年度末比149,414千円の減少)となりました。 主な要因は、長期借入金が122,136千円減少したことによるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産の部の残高は2,244,094千円(前連結会計年度末比152,531千円の増加)となりました。 主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益206,088千円を計上した一方、剰余金の配当を100,614千円実施した結果、利益剰余金合計が105,474千円増加したことによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ461,715千円増加し、2,445,892千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は494,040千円(前連結会計年度は96,147千円の資金を使用)となりました。主な要因は、売上債権の増加額400,641千円を計上した一方で、税金等調整前当期純利益318,118千円、減価償却費329,889千円及び仕入債務の増加額147,493千円を計上したことによるものです。  (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は1,059,911千円(前連結会計年度は700,173千円の資金を使用)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の返還による収入104,696千円を計上した一方で、投資有価証券の取得による支出177,422千円、有形固定資産の取得による支出396,627千円及び敷金及び保証金の差入による支出359,116千円を計上したことによるものです。  (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は1,027,586千円(前連結会計年度は652,256千円の資金を獲得)となりました。 主な要因は、長期借入金の返済による支出2,117,506千円及び配当金の支払額100,893千円を計上した一方で、短期借入金の純増加額800,000千円及び長期借入れによる収入2,450,000千円を計上したことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)前年同期比(%)物流サービス事業(千円)17,310,34419.2ITオートメーション事業(千円)884,61238.5報告セグメント計(千円)18,194,95719.9その他の事業(千円)150,99340.6合計(千円)18,345,95020.1 (注)1.セグメント間の取引については該当事項はありません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)㈱ライフドリンクカンパニー1,787,59111.73,375,28718.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績等の状況に関する認識及び検討内容 当社グループは物流サービス事業を主たる事業としておりますが、これらのサービスにかかわる分野は競合他社との競争に優位性を獲得する必要があり、サービスラインアップ、サービスレベル、サービス品質及び価格等の面において、お客様に常に新しい価値を提供することが求められます。当社グループは、新しい価値の創造のため、継続的な教育を通じた物流サービスの品質向上はもとより、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)への取組み、物流ロボットをはじめとする自動化機器の導入、倉庫管理システム「クラウドトーマス」のバージョンアップ等の省人化を目的とした設備投資を積極的に推進し、人と物流ロボットとの組み合わせの最適化を推進するほか、M&Aによる事業の拡大を図ることで、当社グループの持続的な発展を図ってまいります。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ③ 財政状態の分析 財政状態の分析に関する情報については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりです。 ④ 経営成績の分析(売上高) 物流サービス事業においては、既存のお客様に係る売上高が前年同期を約15%上回って推移する中、新規のお客様に関しても前期のサイバー攻撃の影響から獲得作業が再開した影響は大きく、前年同期を約257%上回る結果となりました。またITオートメーション事業においても、倉庫管理システム「クラウドトーマス」についてサイバー攻撃から回復し、当連結会計年度の売上高は前年同期比20.1%増の18,345,950千円となりました。 (売上原価) 当連結会計年度の売上原価は、前年同期比18.9%増の16,810,935千円となりました。 これは主に、労務費4,089,609千円、発送運賃及び運送費用7,186,043千円、賃借料4,113,564千円を計上したことによるものです。 (販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年同期比3.1%増の1,215,089千円となりました。 これは主に、人件費472,353千円、広告宣伝費96,116千円、賃借料67,687千円、租税公課70,427千円、減価償却費28,723千円、支払手数料42,865千円を計上したことによるものです。 (営業外収益) 当連結会計年度の営業外収益は、前年同期比1.0%減の55,303千円となりました。 これは主に、受取利息23,306千円、助成金収入11,986千円を計上したことによるものです。 (営業外費用) 当連結会計年度の営業外費用は、前年同期比10.4%減の90,097千円となりました。 これは主に、支払利息79,055千円を計上したことによるものです。 (特別利益) 当連結会計年度の特別利益は440,828千円となりました。 これは主に、サイバー攻撃等で発生した損害賠償への受取保険金438,523千円を計上したことによるものです。 (特別損失) 当連結会計年度の特別損失は407,842千円となりました。 これは主に、サイバー攻撃で発生した損害賠償金337,581千円、東大阪通販物流センターのサブリース化に伴う倉庫移転損失引当金18,492千円を計上したことによるものです。 ⑤ キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの事業活動における運転資金の主なものは、発送運賃費及び運送費用、賃借料等があります。また、設備投資需要としては、物流センターの新設または増床、ソフトウエア開発及びマテハン機器の導入等があります。 当社グループは、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保を蓄積すること、資本市場からの資金調達並びに金融機関からの借入を行うことで、流動性を確保することとしております。 ⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉え、ROE15%以上を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。最近3事業年度におけるROEの推移は次のとおりです。指 標2024年2月期2025年2月期2026年2月期ROE(自己資本利益率)[連結]1.6%-9.5%(注)2025年2月期は親会社株主に帰属する当期純利益がマイナスとなったため、自己資本利益率の記載は行っておりません。

事業リスク

同社は、物流事業に関する公的規制の強化により費用負担が増加したり、法令違反で事業停止となるリスクがあります。また、新規顧客獲得のための設備投資やITシステム開発に先行投資を行うため、顧客の業績不振や経済状況の悪化により投下資金の回収が困難になる、または期待した投資効果が得られない可能性があります。さらに、原油価格高騰や人手不足による輸配送コスト、人件費などのコスト上昇リスクや、地震・風水害などの甚大な災害による物流業務の停滞リスク、顧客情報漏洩やシステム障害による信用低下・損害賠償リスクも抱えています。多額の借入金による金利上昇リスクや、人材確保・育成が計画通りに進まないリスクも存在します。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,336 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)公的規制強化のリスクについて 当社グループは、物流事業を中心とする3PL(企業物流の包括的受託)企業として、物流事業に関する各種事業法の規制を受けています。そのような中、当社は、法令遵守の徹底を図るため、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、事業活動の適法性の確保に努めておりますが、環境対策及び安全対策の規制強化などを遵守するために一層の費用負担を求められるリスクや、法令等違反した場合に事業の停止、許認可の取消等を受けるリスクがあります。したがって、これらの事象は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。セグメント区分許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限取消事由物流サービス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録-同法第21条第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録-同法第16条その他の事業指定障害児通所支援事業児童福祉法厚生労働省指定6年同法第21条の5の24第1項又は第33条の18第6項指定障害福祉サービス事業者障害者総合支援法厚生労働省指定6年第36条の第3項又は第2条の第6項 (2)設備投資・投資成果・減損等のリスクについて 当社グループは顧客の物流業務を受託する際、物流センターや設備機器、情報システム等に対して先行的に設備投資を行う場合があります(新規顧客のセンター開設時など初期投資が必要となります)。投資にあたっては事業収支計画を策定し慎重に判断しておりますが、経済状況の悪化等により顧客の業績不振や支払停止が生じると、投下資金の回収が困難となり将来の成長や収益性が低下する可能性があります。また、継続的な設備投資やソフトウエア開発を行っておりますが、計画通りに実施しても期待した投資効果を得られない場合や、事業環境の変化により保有資産に減損損失が発生する場合があります。さらに、資本市場から調達した資金についても、状況の変化により当初予定とは異なる用途に充当する可能性があり、想定通りの成果を得られないリスクがあります。これらの場合、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。特に物流施設やITシステムへの投資額は多額であり、その減損が発生した場合には当社グループの財務指標に及ぼす影響も大きくなる可能性があります。 (3)コスト上昇リスクについて 当社グループは、物流業務において輸配送サービスを外部の専門業者に委託しておりますが、原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰した場合や、車両・ドライバー不足、関連法令の改正等により庸車費用が上昇した場合は、輸配送コストが上昇する可能性があります。輸配送コストの上昇分は、お客様にご理解いただき、値上げ対応させていただく方針であり、また輸配送サービスの委託先については、佐川急便株式会社及びヤマト運輸株式会社の占める割合が相対的に大きいため、他の輸配送サービス業者との関係構築等に努めております。加えて、物流センター運営等にかかわる水道光熱費等の経費のほか、従業員の賃金及び労働力の確保のためのコストが上昇する可能性があり、作業の効率化による残業の削減、空調設備の充実、リフレッシュ休暇(注)の取得促進、社員教育等をとおして働きやすい環境の構築に努めるとともに、新しい物流設備の導入等による生産性の向上に取組んでおります。しかしながら、これらの対策が奏功しない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(注)リフレッシュ休暇とは、社員若しくはパート社員として半年以上勤務した者が、半年に1度の頻度で5から6連休の休暇を取得できる制度です。 (4)甚大な災害発生のリスクについて 当社グループは、物流センターを運営する等、顧客の商品やそれらの管理にかかわる情報を取り扱っていること等から、BCPや災害発生時のマニュアル整備・火災予防対策など、事前対策の推進に取り組んでいます。しかしながら、地震・風水害などの天災地変により、停電・輸送経路の遮断などの事態が発生した場合、物流業務の停滞を招く恐れがあります。したがって、これらの事象は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5)情報セキュリティ・システム障害のリスクについて 当社グループは物流業務の受託およびソフトウエア提供に際し、顧客の機密情報を取り扱っております。社内規程の整備、内部監査および社員教育の徹底など情報資産の管理に努めておりますが、万が一情報の外部流出やデータ消失などが発生した場合、社会的信用の低下や顧客からの損害賠償請求に繋がる可能性があります。また、当社グループは物流センター業務やITサービスにおいて自社開発の倉庫管理システムを使用しており、外部からのサイバー攻撃に備えたセキュリティ対策やデータバックアップ等を講じております。それでもなお、災害やサイバー攻撃などによりシステムがダウンあるいは破壊された場合、業務に重大な支障が生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、業務委託先における情報管理の不備から機密情報が流出するリスクにも注意を払っておりますが、完全に排除することは困難であります。 (6)M&A及び資本業務提携等のリスクについて 当社グループは、持続的な成長のため、M&Aや資本業務提携等を行うことがあります。これらの実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等審査を十分行い、リスクを検討したうえで決定していますが、実施後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断した場合や、資本業務提携等を解消・変更する場合、のれんや持分法で会計処理されている投資の減損損失等、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7)金利変動および資金調達のリスク 当社グループは物流センター増設などの設備投資資金を主に金融機関からの借入金で調達しております。変動金利の借入は金利上昇リスクに晒されているため、低金利下での長期固定化など適切な固定・変動比率の管理に努めておりますが、予想を上回る金利上昇が発生した場合には調達コストが増大する可能性があります。なお、2026年2月期末現在、当社グループの有利子負債残高は約73億円(総資産比約63%)に上り、財務レバレッジが高い水準にあります。現時点では金融機関との関係は良好でありますが、将来、経営成績の悪化や金融情勢の変化等により金融機関からの融資姿勢が慎重化し、必要な資金調達に支障が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。借入金利の上昇は利払い負担増によるキャッシュ・フロー悪化を招き、新規投資余力の低下にも繋がる可能性があります。さらに、資金調達が逼迫した場合、資金確保のため不利な条件での借入や株式発行(株主価値の希薄化)を余儀なくされる可能性があります。 (8)人材確保のリスクについて 当社グループの展開する物流サービス事業は労働集約型産業の一面があり、人材の確保や管理職の育成強化が、ITオートメーション事業においてはソフトウエア開発者等の専門職の確保や専門職の育成強化が重要となります。当社の事業計画を遂行する上で必要な人材を継続的に採用し、労働環境の整備や教育体制の充実等により人材の定着を図ることが、当社グループの持続的な成長にとって必要となります。これらが達成できなかった場合、また、達成のために人件費等増加が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (9)市場環境の変化および競合のリスクについて 当社グループはアパレル、日用品、食品を扱うEC(通信販売)事業者を主要顧客としており、現在EC市場は拡大基調にあります。しかし、国内景気の悪化等によりEC市場の成長が停滞または縮小に転じた場合、当社グループの取扱業務量が減少する可能性があります。また、物流業界では大手企業による自動化・無人化倉庫の展開や業界再編など競争が激化しており、ITオートメーション事業においても同業他社との競合があります。当社グループは顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供や、自社現場で培ったノウハウを活かしたソフトウエアの改良等により競合他社との差別化を図っておりますが、これらの取り組みが奏功せず将来的に競争優位を維持できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、競合他社が低価格戦略やサービスの拡充を図った場合、当社グループの顧客が流出しシェアが低下する可能性があります。また、市場動向の変化に当社グループの対応が遅れた場合、ビジネスチャンスを逃し業績に影響が出る可能性があります。 (10)業績変動のリスクについて 当社グループが得意とするインターネット通販事業者向けのEC・通販物流支援サービスでは、お客様が開催する各種セールや、入学や進級等のライフイベントに伴う季節的な時期において、需要が増加し売上が集中する傾向にあります。そのため、当該時期における人材や資材等の確保が必要となり、また、それに伴う売上高及び営業利益の増加を見込んでおり、それらは当社グループの季節要因として経営成績に影響を与える傾向にあります。経済や業界の動向、取引先の業況による景気変動などにより、季節要因等影響が計画通り進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (11)創業者への依存リスクについて 当社の代表取締役会長である達城久裕は、当社設立以来の代表取締役であり、2026年4月より代表取締役会長に就任しております。同氏は経営方針や経営戦略等、当社の事業活動において重要な役割を果たしており、同氏に対する当社の依存度は高くなっております。当社グループにおいては、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、担当役員や本部長等に権限委譲を進めておりますが、何らかの理由で同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (12)物流拠点の賃借に関するリスクについて 当社グループは物流サービスの提供にあたり、多くの物流センターを賃借しております。自社で保有する物流施設は限られており、大部分を外部からの賃借に依存している状況であります。契約形態によっては、貸主の都合による中途解約や契約満了時の更新拒絶等により、想定外に当該拠点が使用できなくなる場合があります。その際は他の施設の活用や新規拠点の確保等で業務継続に努めますが、適切な代替施設を迅速に確保できなければサービス提供に支障が生じる可能性があります。また、近隣の賃料相場上昇等に伴い契約更新時に賃料が大幅に引き上げられる場合もあります。当社グループはその妥当性を検証の上で貸主と協議し、必要に応じて顧客にも理解を求めますが、新拠点への移転には時間と費用を要するため、賃料負担が増大し取引継続が困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。重要拠点の閉鎖は当社グループの物流ネットワーク全体に支障をきたし、サービスレベルの低下や顧客離れを招く可能性があります。 (13)訴訟等のリスクについて 当社グループは、サービス提供に関して品質等のトラブルや問題が発生した場合、当社グループに過失の有無を問わず、顧客等から損害賠償請求や訴訟(以下「訴訟等」といいます。)を提起される可能性があります。当社グループでは、トラブル発生時には迅速な対応を図り、また事前に取引基本契約書を締結する等でリスクを低減しておりますが、万一、重大な訴訟等が生じた場合には、社会的信用の低下や高額の損害賠償負担が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)サービス品質の低下リスクについて 当社グループは、EC・通販物流支援サービスの提供に当たり、環境整備活動や従業員教育、作業ミスに関するアセスメント(事故報告アセスメント)による改善の横展開等によりサービス品質の維持・向上に努めております。しかし、これらの取組みが不十分であった場合やオペレーションに不備が生じた場合には、お客様満足度が低下し、ひいては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(注)事故報告アセスメントとは、誤出荷等の業務上のミスの原因究明を行い、対策や改善内容を役員が直接従業員へ教育し、全社で共有するための定期的な教育機会であります。 (15)株式価値の希薄化および大株主に関するリスクについて 当社グループは役員および従業員の士気向上を目的として新株予約権(ストックオプション)を発行しております。これらが権利行使され新たに株式が発行された場合、既存株主の持株比率および議決権割合が希薄化する可能性があります(2026年2月期末現在、潜在株式数320,200株・発行済株式数の約3.11%)。また、当社創業者である代表取締役会長およびその親族などが当社株式の約50%(議決権所有割合50.88%)を保有しており、経営方針の決定に大きな影響力を有しております。同社長は株主全体の利益に配慮した経営に努めておりますが、何らかの事情で同グループが大量の株式を市場で売却した場合、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。このため、経営意思決定において少数株主の意見が十分に反映されない事態が起こる可能性があります。さらに、経営方針の相違から支配株主と一般株主との間で利益相反が生じるリスクも存在します。支配株主と一般株主の利益相反が顕在化した場合、当社株式の市場評価にも影響が及ぶ可能性があります。 (16)配当方針にかかるリスクについて 当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題と認識しており、剰余金の配当については、将来の事業展開及び財務体質の強化のために必要な内部留保金を確保しつつ、安定した剰余金の配当を実施していく方針であります。 しかしながら、剰余金の配当につきましては、長期的な視野に立った事業展開の中で、設備投資資金の確保及び財務体質の強化のための内部留保の充実を優先する考えであり、当社グループの業績が何らかの理由で悪化した場合は、安定した剰余金の配当を継続できない可能性があります。 (17)持株会社体制移行に伴うリスクについて 当社グループは、2026年4月1日付で持株会社体制に移行いたしました。当該体制移行により、意思決定の迅速化、経営資源の最適配分及び事業の専門性深耕等のメリットが期待される一方、想定した効果が十分に発現しない場合、グループ各社間の連携・調整が円滑に行われない場合、又は持株会社及び事業会社間のコスト配分が適切に機能しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

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