経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、2026年4月1日付で関通ホールディングス株式会社を完全親会社とする持株会社体制へ移行したことを契機として、次のとおり経営理念を制定し、その実践をとおして一層の企業価値の向上を目指してまいります。[経営理念]当社グループは、物流で培った知恵とデータを起点として、AI及びテクノロジーにより経営の再現性を高め、事業と経営者を量産できる経営へと高度化してまいります。分野を問わず成長できる企業群を創出し、その積み重ねによって、産業の持続的発展と社会インフラを支え続けることを、当社グループの使命と位置付けております。[経営理念を実行するための判断基準]当社グループは、上記経営理念を実現するため、次の判断基準に基づき、日々の事業活動及び経営判断を行ってまいります。① お客様と現場を起点とした本質思考競合や慣習ではなく、常にお客様と現場を起点として思考し、数字、データ、現物及び現場を徹底的に見つめることで、表層ではなく本質的な課題を掘り下げてまいります。AI及びテクノロジーは、現場理解を深めるための手段として活用いたします。② 発明によるシンプル化とAI・ITへの委任複雑さは失敗であると認識し、常に発明を重ねて業務及び意思決定の構造をシンプルなものといたします。再現可能な業務、構造化できる意思決定及び人が担わなくてよい判断については、積極的にAI及びIT基盤へ委任してまいります。③ オーナー視点による経営と事業の分化すべての事業をオーナーの視点で捉え、短期的な成果よりも長期的な企業価値の向上を優先いたします。すべての事業は将来の分社化を前提に設計し、「一事業一責任、一事業一社長」を原則とする体制を構築してまいります。④ データと構造に基づく経営判断経験及び直感を尊重しつつも、最終的な経営判断は必ずデータと構造によって説明可能なものとする方針であります。AI、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある正しい判断を出し続けてまいります。⑤ 学習する組織と次世代経営者の育成当社グループは、学習する組織として、学び続け、変化し続ける企業文化を涵養してまいります。次の経営者を育成し送り出すことを経営における最大の成果と位置付け、経営人材の継続的な育成に取り組んでまいります。⑥ 行動優先と失敗からの学習完璧を待たずに行動することを優先し、小さく試して早く失敗し、そこから学ぶサイクルを尊重いたします。失敗は前向きに歓迎する一方で、再現性のない成功は評価の対象とせず、再現性の確保を重視してまいります。⑦ 結果と企業価値への責任当社グループは、経営の成果を売上高や規模ではなく、企業価値の向上によって測るものといたします。事業数の拡大、経営者の輩出及び経営の再現性の向上といった成果について、持株会社としてグループ全体に責任を持ってまいります。持株会社体制の下、各事業会社は事業の専門性を深耕し、グループ全体としては適正なガバナンスを効かせた最適な経営資源の配分を行うことにより、グループ全体の企業価値の最大化を目指してまいります。 (2) 中長期的な経営戦略 当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、並びに情報、ノウハウ等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に集中的に展開する「集中戦略」を採用してまいりました。 当社グループは、長年の物流現場で培った運用ノウハウ、倉庫管理システム「クラウドトーマス」並びに同システムの次世代版である「クラウドトーマスPro」に代表されるソフトウエア資産、及びこれらを支えるガバナンス体制といった無形資産を最大の競争力の源泉と認識しております。今後においては、当該無形資産を収益の柱へと転換し、労働集約型モデルからテクノロジー及びノウハウを提供する高付加価値モデル(Tech・BPaaS)への構造転換を進めることによって、売上高の成長と利益率の構造的な改善を同時に実現してまいります。 具体的には、次の各施策をグループ一体で推進してまいります。①「仕組み」と「ノウハウ」の収益化単なる物流代行に留まらず、お客様の受注から出荷までのバックオフィス業務全体を自動化するBPaaS(Business Process as a Service)型サービスを展開し、ストック型の収益基盤の確立を目指してまいります。②アセット・ライト経営への投資シフト物流倉庫等のハード資産への投資を抑制し、ソフトウエア開発及び人的資本へ経営資源を重点配分することで、損益分岐点の引下げ及び環境変化に対する耐性の向上を図ってまいります。③データに基づく経営判断とAI・DXの推進生成AI及び自動化ツールの業務への徹底活用により、従業員の業務時間を削減し、付加価値業務への時間配分を拡大いたします。併せて、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある意思決定の実現に取り組んでまいります。加えて、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組むことにより、新しい経営資源を効率的に獲得し、既存サービスとの相乗効果によるサービスの提供機会の増加を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。 (3) 経営環境 当社グループは、物流サービスの提供を主たる事業とし、その中でも、主にEコマース及び通信販売事業を営む企業様向けの配送センター代行サービスである「EC・通販物流支援サービス」の提供に係る事業を展開しております。 当社の主たるサービスに関わりの深いEC市場について、経済産業省がまとめた「電子商取引に関する市場調査」によりますと、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)のうち物販系分野の市場規模は継続的に拡大基調で推移しているものの、その成長率は近年緩やかに鈍化する傾向にあります。これは、EC利用の社会的な浸透に伴う市場の成熟化、消費者によるオンラインとオフラインの購買チャネルの使い分けの進展、並びに物価上昇を背景とした消費マインドの慎重化等が要因と考えられます。 一方、物流業界におきましては、2024年4月施行の働き方改革関連法によるトラックドライバーの時間外労働時間の上限規制(いわゆる「2024年問題」)が継続して影響を及ぼしており、輸配送業務の人手不足及び物流コストの上昇圧力が続いております。また、原油価格及び為替レートの変動、物流センター運営に係る水道光熱費等の経費、並びに人件費の上昇等も、物流事業者の収益構造を圧迫する要因となっております。こうした環境下、荷主企業においては、倉庫運営の効率化、省人化投資並びに物流業務のアウトソーシング需要が一層高まっており、当社グループが提供する統合物流サービス及びITオートメーションサービスに対する市場のニーズは引続き堅調に推移するものと認識しております。 他方で、物流業界における自動化・無人化投資の拡大、業界再編及びITオートメーション領域における新規参入等により、競争環境は厳しさを増しております。当社グループは、自社現場で培ったノウハウを活かしたソフトウエアの改良及びお客様のニーズに応じた柔軟なサービス提供等により、競合他社との差別化を図ってまいります。 (4) 目標とする経営指標 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値の向上に関わる中核的な経営指標と位置付け、ROE15%以上の水準を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。 2026年2月期の業績は、売上高18,345百万円(前期比20.1%増)、営業利益319百万円(前期は47百万円の営業損失)、親会社株主に帰属する当期純利益206百万円(前期は848百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。前連結会計年度に発生したサイバー攻撃を踏まえ、当連結会計年度を「信頼回復と強靭な経営基盤の再構築」の期間と位置づけ、全社を挙げて取り組んだ結果、業績は大幅な改善を実現しております。 当社グループは、2026年4月1日付で持株会社体制へ移行し、「ハコからチエへ」をスローガンに、従来の労働集約型ビジネスから「DXプラットフォーム企業」への質的転換を図ってまいります。2027年2月期の連結業績につきましては、売上高20,008百万円(前期比9.1%増)、営業利益484百万円(前期比51.4%増)、経常利益409百万円(前期比43.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益266百万円(前期比29.2%増)を計画しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、長年にわたる物流サービス事業、並びにITオートメーション事業で蓄積したノウハウを活かし、今後においても持続的な成長を遂げるため、次の事項を対処すべき課題と認識しております。 1 持株会社体制への移行によるグループ経営の高度化 2026年4月1日付で移行した持株会社体制の下、グループ全体の経営戦略及び経営資源の配分は完全親会社である関通ホールディングス株式会社が担い、各事業会社は事業の専門性の深耕に注力する体制を構築しております。システム開発投資については持株会社が資産として一元的に管理し、投資対効果(ROI)を厳格に検証することで、グループ全体の資本効率の向上を図ってまいります。 2 人材の確保と育成 当社グループの事業拡大には優秀な人材の獲得が不可欠であり、品質維持・向上には人材育成が不可欠であります。新卒採用及び外国人技能実習生の受入れを継続するほか、経営理念及び社内の各種方針を取りまとめた「経営方針書」に基づく勉強会、長年の物流サービス事業で培ったノウハウを反映した独自教育プログラム、並びに生成AI等を活用するためのデジタル・リスキリングを計画的に実施してまいります。これらの取組みを通じて、現場の知見とAIを融合させた「ハイブリッド人材」及び次世代の経営者の育成を推進するとともに、業務の仕組み化及び利益への貢献度を評価軸とする成果志向の人事評価制度への深化を進めてまいります。 3 持続的な事業規模の拡大 当社グループは、メーカー及び輸入業者の製品在庫管理から、卸売業者・EC事業者への流通、並びに購入者への発送までを一拠点で管理運営する統合物流サービスの提案を強化し、BtoB・BtoC双方のニーズに応じた新サービスの創出により事業規模を拡大し企業価値を高める方針であります。社内で実践し成果を確認した取組みを新サービスとして顧客に提供することを基本とし、倉庫管理システム「クラウドトーマス」及びチェックリストシステム「アニー」などのITオートメーション事業は代表例であり、現在も規模を拡大し当社の利益に貢献しております。また、出版物流サービスをはじめとする連結子会社関通ネクストロジ株式会社による顧客基盤拡大の取組みを継続するとともに、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組んでまいります。 4 継続した改善活動による物流品質・生産性の向上及び新しいノウハウの蓄積 当社グループは、環境整備活動を継続し、物流サービス事業で新たな概念を取り入れた高度な改善活動を推進しております。独自の知見に基づき新規設備の導入や業務改善を進め、物流品質・生産性の向上、新規ノウハウの蓄積および持続的なコスト最適化に取り組んでまいります。(注)環境整備活動とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える活動」であり、当社の教育・企業文化形成の柱としております。毎日決まった時間に全従業員が30分の時間を使って実施します。整理、整頓、清掃等を基本として、仕事とそのやり方を学び、気付く感性を育て、円滑なコミュニケーションを図る機会を生み出すものです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、2026年4月1日付で関通ホールディングス株式会社を完全親会社とする持株会社体制へ移行したことを契機として、次のとおり経営理念を制定し、その実践をとおして一層の企業価値の向上を目指してまいります。[経営理念]当社グループは、物流で培った知恵とデータを起点として、AI及びテクノロジーにより経営の再現性を高め、事業と経営者を量産できる経営へと高度化してまいります。分野を問わず成長できる企業群を創出し、その積み重ねによって、産業の持続的発展と社会インフラを支え続けることを、当社グループの使命と位置付けております。[経営理念を実行するための判断基準]当社グループは、上記経営理念を実現するため、次の判断基準に基づき、日々の事業活動及び経営判断を行ってまいります。① お客様と現場を起点とした本質思考競合や慣習ではなく、常にお客様と現場を起点として思考し、数字、データ、現物及び現場を徹底的に見つめることで、表層ではなく本質的な課題を掘り下げてまいります。AI及びテクノロジーは、現場理解を深めるための手段として活用いたします。② 発明によるシンプル化とAI・ITへの委任複雑さは失敗であると認識し、常に発明を重ねて業務及び意思決定の構造をシンプルなものといたします。再現可能な業務、構造化できる意思決定及び人が担わなくてよい判断については、積極的にAI及びIT基盤へ委任してまいります。③ オーナー視点による経営と事業の分化すべての事業をオーナーの視点で捉え、短期的な成果よりも長期的な企業価値の向上を優先いたします。すべての事業は将来の分社化を前提に設計し、「一事業一責任、一事業一社長」を原則とする体制を構築してまいります。④ データと構造に基づく経営判断経験及び直感を尊重しつつも、最終的な経営判断は必ずデータと構造によって説明可能なものとする方針であります。AI、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある正しい判断を出し続けてまいります。⑤ 学習する組織と次世代経営者の育成当社グループは、学習する組織として、学び続け、変化し続ける企業文化を涵養してまいります。次の経営者を育成し送り出すことを経営における最大の成果と位置付け、経営人材の継続的な育成に取り組んでまいります。⑥ 行動優先と失敗からの学習完璧を待たずに行動することを優先し、小さく試して早く失敗し、そこから学ぶサイクルを尊重いたします。失敗は前向きに歓迎する一方で、再現性のない成功は評価の対象とせず、再現性の確保を重視してまいります。⑦ 結果と企業価値への責任当社グループは、経営の成果を売上高や規模ではなく、企業価値の向上によって測るものといたします。事業数の拡大、経営者の輩出及び経営の再現性の向上といった成果について、持株会社としてグループ全体に責任を持ってまいります。持株会社体制の下、各事業会社は事業の専門性を深耕し、グループ全体としては適正なガバナンスを効かせた最適な経営資源の配分を行うことにより、グループ全体の企業価値の最大化を目指してまいります。 (2) 中長期的な経営戦略 当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、並びに情報、ノウハウ等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に集中的に展開する「集中戦略」を採用してまいりました。 当社グループは、長年の物流現場で培った運用ノウハウ、倉庫管理システム「クラウドトーマス」並びに同システムの次世代版である「クラウドトーマスPro」に代表されるソフトウエア資産、及びこれらを支えるガバナンス体制といった無形資産を最大の競争力の源泉と認識しております。今後においては、当該無形資産を収益の柱へと転換し、労働集約型モデルからテクノロジー及びノウハウを提供する高付加価値モデル(Tech・BPaaS)への構造転換を進めることによって、売上高の成長と利益率の構造的な改善を同時に実現してまいります。 具体的には、次の各施策をグループ一体で推進してまいります。①「仕組み」と「ノウハウ」の収益化単なる物流代行に留まらず、お客様の受注から出荷までのバックオフィス業務全体を自動化するBPaaS(Business Process as a Service)型サービスを展開し、ストック型の収益基盤の確立を目指してまいります。②アセット・ライト経営への投資シフト物流倉庫等のハード資産への投資を抑制し、ソフトウエア開発及び人的資本へ経営資源を重点配分することで、損益分岐点の引下げ及び環境変化に対する耐性の向上を図ってまいります。③データに基づく経営判断とAI・DXの推進生成AI及び自動化ツールの業務への徹底活用により、従業員の業務時間を削減し、付加価値業務への時間配分を拡大いたします。併せて、ダッシュボード及び定量指標を経営判断の中心に据え、再現性のある意思決定の実現に取り組んでまいります。加えて、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組むことにより、新しい経営資源を効率的に獲得し、既存サービスとの相乗効果によるサービスの提供機会の増加を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。 (3) 経営環境 当社グループは、物流サービスの提供を主たる事業とし、その中でも、主にEコマース及び通信販売事業を営む企業様向けの配送センター代行サービスである「EC・通販物流支援サービス」の提供に係る事業を展開しております。 当社の主たるサービスに関わりの深いEC市場について、経済産業省がまとめた「電子商取引に関する市場調査」によりますと、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)のうち物販系分野の市場規模は継続的に拡大基調で推移しているものの、その成長率は近年緩やかに鈍化する傾向にあります。これは、EC利用の社会的な浸透に伴う市場の成熟化、消費者によるオンラインとオフラインの購買チャネルの使い分けの進展、並びに物価上昇を背景とした消費マインドの慎重化等が要因と考えられます。 一方、物流業界におきましては、2024年4月施行の働き方改革関連法によるトラックドライバーの時間外労働時間の上限規制(いわゆる「2024年問題」)が継続して影響を及ぼしており、輸配送業務の人手不足及び物流コストの上昇圧力が続いております。また、原油価格及び為替レートの変動、物流センター運営に係る水道光熱費等の経費、並びに人件費の上昇等も、物流事業者の収益構造を圧迫する要因となっております。こうした環境下、荷主企業においては、倉庫運営の効率化、省人化投資並びに物流業務のアウトソーシング需要が一層高まっており、当社グループが提供する統合物流サービス及びITオートメーションサービスに対する市場のニーズは引続き堅調に推移するものと認識しております。 他方で、物流業界における自動化・無人化投資の拡大、業界再編及びITオートメーション領域における新規参入等により、競争環境は厳しさを増しております。当社グループは、自社現場で培ったノウハウを活かしたソフトウエアの改良及びお客様のニーズに応じた柔軟なサービス提供等により、競合他社との差別化を図ってまいります。 (4) 目標とする経営指標 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値の向上に関わる中核的な経営指標と位置付け、ROE15%以上の水準を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。 2026年2月期の業績は、売上高18,345百万円(前期比20.1%増)、営業利益319百万円(前期は47百万円の営業損失)、親会社株主に帰属する当期純利益206百万円(前期は848百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。前連結会計年度に発生したサイバー攻撃を踏まえ、当連結会計年度を「信頼回復と強靭な経営基盤の再構築」の期間と位置づけ、全社を挙げて取り組んだ結果、業績は大幅な改善を実現しております。 当社グループは、2026年4月1日付で持株会社体制へ移行し、「ハコからチエへ」をスローガンに、従来の労働集約型ビジネスから「DXプラットフォーム企業」への質的転換を図ってまいります。2027年2月期の連結業績につきましては、売上高20,008百万円(前期比9.1%増)、営業利益484百万円(前期比51.4%増)、経常利益409百万円(前期比43.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益266百万円(前期比29.2%増)を計画しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、長年にわたる物流サービス事業、並びにITオートメーション事業で蓄積したノウハウを活かし、今後においても持続的な成長を遂げるため、次の事項を対処すべき課題と認識しております。 1 持株会社体制への移行によるグループ経営の高度化 2026年4月1日付で移行した持株会社体制の下、グループ全体の経営戦略及び経営資源の配分は完全親会社である関通ホールディングス株式会社が担い、各事業会社は事業の専門性の深耕に注力する体制を構築しております。システム開発投資については持株会社が資産として一元的に管理し、投資対効果(ROI)を厳格に検証することで、グループ全体の資本効率の向上を図ってまいります。 2 人材の確保と育成 当社グループの事業拡大には優秀な人材の獲得が不可欠であり、品質維持・向上には人材育成が不可欠であります。新卒採用及び外国人技能実習生の受入れを継続するほか、経営理念及び社内の各種方針を取りまとめた「経営方針書」に基づく勉強会、長年の物流サービス事業で培ったノウハウを反映した独自教育プログラム、並びに生成AI等を活用するためのデジタル・リスキリングを計画的に実施してまいります。これらの取組みを通じて、現場の知見とAIを融合させた「ハイブリッド人材」及び次世代の経営者の育成を推進するとともに、業務の仕組み化及び利益への貢献度を評価軸とする成果志向の人事評価制度への深化を進めてまいります。 3 持続的な事業規模の拡大 当社グループは、メーカー及び輸入業者の製品在庫管理から、卸売業者・EC事業者への流通、並びに購入者への発送までを一拠点で管理運営する統合物流サービスの提案を強化し、BtoB・BtoC双方のニーズに応じた新サービスの創出により事業規模を拡大し企業価値を高める方針であります。社内で実践し成果を確認した取組みを新サービスとして顧客に提供することを基本とし、倉庫管理システム「クラウドトーマス」及びチェックリストシステム「アニー」などのITオートメーション事業は代表例であり、現在も規模を拡大し当社の利益に貢献しております。また、出版物流サービスをはじめとする連結子会社関通ネクストロジ株式会社による顧客基盤拡大の取組みを継続するとともに、M&Aによる事業拡大にも積極的に取り組んでまいります。 4 継続した改善活動による物流品質・生産性の向上及び新しいノウハウの蓄積 当社グループは、環境整備活動を継続し、物流サービス事業で新たな概念を取り入れた高度な改善活動を推進しております。独自の知見に基づき新規設備の導入や業務改善を進め、物流品質・生産性の向上、新規ノウハウの蓄積および持続的なコスト最適化に取り組んでまいります。(注)環境整備活動とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える活動」であり、当社の教育・企業文化形成の柱としております。毎日決まった時間に全従業員が30分の時間を使って実施します。整理、整頓、清掃等を基本として、仕事とそのやり方を学び、気付く感性を育て、円滑なコミュニケーションを図る機会を生み出すものです。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況 当連結会計年度(2025年3月1日から2026年2月28日まで)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、緊迫する地政学リスクに伴うエネルギー価格の高止まりや、為替相場の変動による輸入コストの上昇が、引き続き企業収益や個人消費の不透明感をもたらしております。 物流業界におきましては、EC市場の拡大に伴う物流量の増加が継続する一方で、生産年齢人口の減少による深刻な人手不足、および「物流2024年問題」に端を発した輸送能力の不足が喫緊の課題となっております。このような環境下、倉庫運営においては従来の労働集約型モデルからの脱却が求められており、AI(人工知能)やロボティクスを活用した省人化・自動化投資、ならびにDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化への需要が急速に高まっております。 当社グループにおきましては、前連結会計年度に発生したサイバー攻撃によるシステム停止等の事態を真摯に受け止め、当連結会計年度を「信頼回復と強靭な経営基盤の再構築」の期間と位置づけ、全社を挙げてセキュリティ体制の抜本的強化と事業の立て直しに邁進してまいりました。 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が18,345,950千円(前期比20.1%増)、営業利益は319,926千円(前期は47,406千円の営業損失)、経常利益は285,131千円(前期は92,090千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は206,088千円(前期は848,221千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業利益又は営業損失をベースとしております。 (物流サービス事業) 既存顧客の信頼回復に努めるとともに、AIを活用した業務効率化や人員配置の最適化により、オペレーションの精度と生産性を向上させました。 これらの結果、物流サービス事業に係る当連結会計年度の売上高は17,310,344千円(前期比19.2%増)、セグメント利益は333,834千円(前期は328,503千円のセグメント損失)となりました。 (ITオートメーション事業) ITオートメーション事業におきましても、倉庫管理システム(WMS)「クラウドトーマス」において、最新のセキュリティ対策を施した新バージョンの展開を推進し、ITと物流現場の知見を融合させたソリューション提供に注力いたしました。 これらの結果、ITオートメーション事業に係る当連結会計年度の売上高は884,612千円(前期比38.5%増)、セグメント利益は36,980千円(前期比88.9%減)となりました。 (その他の事業) その他の事業におきましては、障がい者のお子様向けの放課後等デイサービスが堅調に推移しました。 この結果、その他の事業に係る当連結会計年度の売上高は150,993千円(前期比40.6%増)、セグメント損失は50,889千円(前期は52,755千円のセグメント損失)となりました。 [2026年2月期 セグメント別連結経営成績] (単位:千円,%)セグメント区分売上高セグメント損益(営業損益) サービス区分実績百分比前期増減率実績売上高営業利益率前期増減率 EC・通販物流支援サービス17,151,81593.520.0- 受注管理業務代行サービス158,5280.9△14.2-物流サービス事業17,310,34494.419.2333,8341.9-ITオートメーション事業884,6124.838.536,9804.2△88.9その他の事業150,9930.840.6△50,889△33.7-セグメント合計18,345,950100.020.1319,9261.7- ② 財政状態の分析 当連結会計年度末における総資産は11,699,038千円(前連結会計年度末比1,379,553千円の増加)、負債は9,454,943千円(前連結会計年度末比1,227,022千円の増加)、純資産は2,244,094千円(前連結会計年度末比152,531千円の増加)となりました。主な増減要因は、次のとおりであります。 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は5,733,689千円(前連結会計年度末比791,757千円の増加)となりました。 主な要因は、現金及び預金が462,278千円、売掛金が446,816千円増加したことによるものです。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は5,965,348千円(前連結会計年度末比587,796千円の増加)となりました。 主な要因は、投資有価証券が176,921千円増加したほか、物流センターの新設にともなう敷金の支出により敷金及び保証金が254,420千円増加したことによるものです。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は3,920,482千円(前連結会計年度末比1,376,436千円の増加)となりました。 主な要因は、短期借入金が800,000千円増加、1年内返済予定の長期借入金が454,630千円増加したことによるものです。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は5,534,461千円(前連結会計年度末比149,414千円の減少)となりました。 主な要因は、長期借入金が122,136千円減少したことによるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産の部の残高は2,244,094千円(前連結会計年度末比152,531千円の増加)となりました。 主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益206,088千円を計上した一方、剰余金の配当を100,614千円実施した結果、利益剰余金合計が105,474千円増加したことによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ461,715千円増加し、2,445,892千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は494,040千円(前連結会計年度は96,147千円の資金を使用)となりました。主な要因は、売上債権の増加額400,641千円を計上した一方で、税金等調整前当期純利益318,118千円、減価償却費329,889千円及び仕入債務の増加額147,493千円を計上したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は1,059,911千円(前連結会計年度は700,173千円の資金を使用)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の返還による収入104,696千円を計上した一方で、投資有価証券の取得による支出177,422千円、有形固定資産の取得による支出396,627千円及び敷金及び保証金の差入による支出359,116千円を計上したことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は1,027,586千円(前連結会計年度は652,256千円の資金を獲得)となりました。 主な要因は、長期借入金の返済による支出2,117,506千円及び配当金の支払額100,893千円を計上した一方で、短期借入金の純増加額800,000千円及び長期借入れによる収入2,450,000千円を計上したことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)前年同期比(%)物流サービス事業(千円)17,310,34419.2ITオートメーション事業(千円)884,61238.5報告セグメント計(千円)18,194,95719.9その他の事業(千円)150,99340.6合計(千円)18,345,95020.1 (注)1.セグメント間の取引については該当事項はありません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)㈱ライフドリンクカンパニー1,787,59111.73,375,28718.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績等の状況に関する認識及び検討内容 当社グループは物流サービス事業を主たる事業としておりますが、これらのサービスにかかわる分野は競合他社との競争に優位性を獲得する必要があり、サービスラインアップ、サービスレベル、サービス品質及び価格等の面において、お客様に常に新しい価値を提供することが求められます。当社グループは、新しい価値の創造のため、継続的な教育を通じた物流サービスの品質向上はもとより、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)への取組み、物流ロボットをはじめとする自動化機器の導入、倉庫管理システム「クラウドトーマス」のバージョンアップ等の省人化を目的とした設備投資を積極的に推進し、人と物流ロボットとの組み合わせの最適化を推進するほか、M&Aによる事業の拡大を図ることで、当社グループの持続的な発展を図ってまいります。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ③ 財政状態の分析 財政状態の分析に関する情報については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりです。 ④ 経営成績の分析(売上高) 物流サービス事業においては、既存のお客様に係る売上高が前年同期を約15%上回って推移する中、新規のお客様に関しても前期のサイバー攻撃の影響から獲得作業が再開した影響は大きく、前年同期を約257%上回る結果となりました。またITオートメーション事業においても、倉庫管理システム「クラウドトーマス」についてサイバー攻撃から回復し、当連結会計年度の売上高は前年同期比20.1%増の18,345,950千円となりました。 (売上原価) 当連結会計年度の売上原価は、前年同期比18.9%増の16,810,935千円となりました。 これは主に、労務費4,089,609千円、発送運賃及び運送費用7,186,043千円、賃借料4,113,564千円を計上したことによるものです。 (販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年同期比3.1%増の1,215,089千円となりました。 これは主に、人件費472,353千円、広告宣伝費96,116千円、賃借料67,687千円、租税公課70,427千円、減価償却費28,723千円、支払手数料42,865千円を計上したことによるものです。 (営業外収益) 当連結会計年度の営業外収益は、前年同期比1.0%減の55,303千円となりました。 これは主に、受取利息23,306千円、助成金収入11,986千円を計上したことによるものです。 (営業外費用) 当連結会計年度の営業外費用は、前年同期比10.4%減の90,097千円となりました。 これは主に、支払利息79,055千円を計上したことによるものです。 (特別利益) 当連結会計年度の特別利益は440,828千円となりました。 これは主に、サイバー攻撃等で発生した損害賠償への受取保険金438,523千円を計上したことによるものです。 (特別損失) 当連結会計年度の特別損失は407,842千円となりました。 これは主に、サイバー攻撃で発生した損害賠償金337,581千円、東大阪通販物流センターのサブリース化に伴う倉庫移転損失引当金18,492千円を計上したことによるものです。 ⑤ キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの事業活動における運転資金の主なものは、発送運賃費及び運送費用、賃借料等があります。また、設備投資需要としては、物流センターの新設または増床、ソフトウエア開発及びマテハン機器の導入等があります。 当社グループは、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保を蓄積すること、資本市場からの資金調達並びに金融機関からの借入を行うことで、流動性を確保することとしております。 ⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉え、ROE15%以上を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。最近3事業年度におけるROEの推移は次のとおりです。指 標2024年2月期2025年2月期2026年2月期ROE(自己資本利益率)[連結]1.6%-9.5%(注)2025年2月期は親会社株主に帰属する当期純利益がマイナスとなったため、自己資本利益率の記載は行っておりません。