経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、当社グループの直営店事業部門、プロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、ステークホルダーの皆様にシアワセを届けてまいります。当社グループでは「元気と笑顔と〇〇で、シアワセを届ける。」というミッションを従業員に与え、それぞれの立場、役割に応じて「〇〇」での部分を自ら考え、シアワセを届ける行動を促しております。 当社グループでは、直営店事業部門において、いつも美味いと言っていただける味の追求は勿論のこと、ご来店いただいたお客様に対して、エンターテイメント性や笑顔が溢れる店舗空間において、きめ細やかな気遣いを感じていただけるサービスを提供しております。また、プロデュース事業部門においては、当社グループに蓄積された繁盛店ノウハウをプロデュース店に惜しみなく注ぎ、常に美味しいラーメンが提供される地域で愛される店舗づくりに貢献しております。 当社グループにおける、このような取り組みを通して一人でも多くのお客様に数多く足を運んでいただき、お客様に満足していただくことで、当社グループとしての事業の拡大を図り、企業価値の向上につなげてまいりたいと考えております。 (2)経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の減速感が広がり、主要各国の金融政策の転換や通商政策の変動など、不確実性の高い国際環境の下で推移いたしました。特に米国においては、第2次トランプ政権誕生後の通商政策見直しに伴い、対日輸入品への新たな関税措置が導入され、わが国輸出企業の業績および国内製造業の生産活動に影響を及ぼすなど、外需を巡る環境は全般的に逆風が続いております。また、外国為替市場におきましては、米国の金利動向や世界的な資金流動性の変化を背景に、年度を通じて円安基調が継続していることから、依然として企業の輸入コストや消費者の生活コストに影響を与える水準にあり、原材料・食料品価格の高止まりを通じて物価に一定の上昇圧力を残す要因となりました。わが国の消費者物価は、エネルギー価格のピークアウトにより輸入物価の押し上げは一服しつつも、人件費やサービス価格上昇を背景に総じて高めの伸びが続きました。特に外食、宿泊、運輸などサービス関連の価格は、人手不足や賃上げの進展を反映して上昇がみられ、物価の構造的な押し上げ要因となったことから、実質消費の伸びは力強さを欠き、消費者心理の改善も緩やかなものにとどまりました。こうした状況下、本年10月に積極財政を掲げる高市政権が発足したことにより、東京証券取引所における日経平均株価は、5万円台の大台を付ける等、経済政策への期待が高まっております。一方、日本銀行は本年1月に見直した政策金利0.5%をその後の金融政策決定会合においても据え置く判断を継続しており、緩和的な金融環境が維持されております。また、労働市場につきましては、就業者数の増加や有効求人倍率の高水準維持など、雇用環境は総じて堅調に推移いたしました。2025年春闘においては、2024年春闘を上回る高水準の賃上げが実現し、2年連続で定昇込み5%台の賃上げとなり、定昇除く賃上げ分は過年度の物価上昇を概ね上回ったものの、実質所得の改善は限定的に留まりました。内閣府が発表した2025年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値(物価変動の影響を除いた実質の季節調整済み前期比)は0.4%減(年率換算1.8%減)と、6四半期ぶりのマイナス成長となりました。主な要因として輸出の落ち込み、住宅投資の減少等が上げられ、輸出においては、米国の一連の関税措置の影響により自動車等の輸出減が生じ、住宅投資においては、4月の建築基準法等の法改正前の駆け込み需要の増加に対する反動により減少を招いております。但し、当該期間に生じた6四半期ぶりのマイナス成長については、一過性であるとの見方が多く、エコノミストの間では2025年10~12月期においてプラスに転じるとの予想が優勢な状況にあります。また、訪日外国人観光客数については、過去最高水準を維持しており、本年1~10月の訪日外国人客は、日本政府観光局によると10か月累計で3,550万人を超え、前年同期比17.7%増となりました。円安を背景に日本の物価水準が相対的に割安となったことで、訪日客による旅行・宿泊・飲食等のサービス需要が拡大し、サービス輸出の増加を通じて外需の下支え要因となりました。一方、世界経済に目を向けると、本年1月に米国で第2次トランプ政権が発足し、通商政策の見直しが進められました。対中関税の維持、調整に加え、日本や欧州など主要貿易相手国に対しても追加的な関税措置が講じられたことで、国際貿易の先行きには不透明感が広がっております。また、中東情勢やウクライナ情勢を巡っては、停戦や対話の枠組みを模索する動きがあるものの、依然として紛争は継続し、情勢は予断を許さない状況にあります。こうした地政学的リスクの長期化は、エネルギー価格や資源市況の変動要因の一つとなり、世界経済の不確実性を高める要因となっております。米国においては、2025年10月より約43日間に及ぶ長期の連邦政府閉鎖が発生し、多くの行政サービスが停止したことにより、GDP(国内総生産)速報値を含む主要統計の公表が遅延しております。GDP速報値が判明しない状況下において、トランプ政権発足後に進められてきた関税措置が、GDPの約7割を占める個人消費、設備投資、雇用環境にどのような影響を及ぼしたのかについては、統計開示の再開が待たれる状況です。こうした中、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、本年開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)において7月会合まで利下げを見送ってきましたが、国内景気の減速やインフレ率の鈍化を背景に9月、10月開催のFOMCにおいて2会合連続でFF金利(フェデラルファンド金利)を0.25%ずつ下げ、誘導目標を3.75%~4.00%に改定する決定を下しました。中国においては、中国国家統計局が発表した2025年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値が前年同期比4.8%増と政府目標(5.0%増)を下回り、4~6月期の5.2%増からも伸びが鈍化いたしました。個人消費が力強さを欠くなか、不動産市場の調整が長期化していることが引き続き景気の重石となっております。こうした状況下、中国政府は、トランプ政権が進める関税政策により米中間の貿易摩擦が意識される中でも、景気を下支えする政策を適宜講じつつ、過度な大型刺激策には慎重な姿勢を維持し、内需拡大や構造改革を通じた持続的な成長への転換を模索する状況にあります。わが国における外食産業は、物価高によるコストプッシュ圧力が依然として続いており、仕入価格の高止まりに加え、物流費や人件費の上昇が収益を圧迫しております。特に、異常気象による収穫量の低下や生産コスト増を背景に、コメを中心とした一部農産物の価格が2024年末から2025年初頭にかけて上昇したことにより、主要食材の価格転嫁を巡る経営判断が重要な課題となっております。また、インバウンド需要の急増により観光地や都市部の店舗では来店者数が増加し、客単価も上昇するなど堅調な動きがみられる一方、地方や郊外立地では価格上昇に対する消費者の感応度が高く、価格設定の難しさが続いております。さらに、労働市場では人手不足が続く中、最低賃金の地域別引き上げに伴い、パート・アルバイトを中心とした人件費の上昇がコスト構造に影響を与えております。このように飲食業界では、価格改定を進めつつ、来店客数の維持や店舗オペレーションの効率化により、コスト上昇を吸収する取り組みが求められております。当社グループは、こうした外部環境の変化に柔軟に対応すべく、機動的な価格改定による収益構造の維持、提供商品の鮮度向上と物流コストの低減を目的としたSCM(サプライチェーン・マネジメント)体制の強化、積極的な新規出店、出店を支える適正人員数の確保といった飲食企業が直面している各種重要経営課題に対して真摯に向き合い、精力的に課題解決に取り組んでまいりました。特にこれまでも実施してきた価格改定については、慎重且つ段階的な対応を戦略的に進めたことにより、客足への悪影響を最小限に抑えることができ、当連結会計年度における国内直営店の既存店売上高(改装店除く)は前年同期比105.8%を達成し、新店出店効果を発揮して全店売上高ベースでは129.5%と堅調な収益拡大を図ることができました。これにより、コメを始めとする農産物の価格高騰、人件費の上昇といったコスト上昇圧力が高まる中においても、前期同様の十分な利益構造を維持しております。当社グループは、今後においても提供商品に対するお客様満足度を常に意識した価格戦略を展開してまいります。加えて、3本柱となった横浜家系ラーメン業態の「町田商店」、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」、油そば業態の「元祖油堂」に留まらず、次なる業態、ブランドの開発を常に進めながら、駅近立地、ロードサイド立地、商業施設内立地とあらゆるジャンルの出店立地を精力的に模索し、事業拡大を図ってまいります。また、当社グループ直営店並びにプロデュース店への供給体制についてもビジネス効率、BCP(事業継続計画)等の総合的観点から、ここ数年、立地、生産品目等、生産体制の戦略的見直しを図っており、当連結会計年度においては、前期に生産体制を整えた国内6工場に加え、本年4月に神栖スープ工場、6月に桑名製麺工場を立ち上げることとなりました。製麺工場5拠点、チャーシュー工場1拠点、スープ工場2拠点となった国内8工場体制に対して、今後も生産拠点増設、生産品目の増加等を積極的に図ってまいります。さらに、当社グループでは、戦略的SCMの視点をもって物流効率、物流コスト、物流リードタイムの大幅改善を進めており、これまで配備を進めてきた関東、中京、関西、東北の物流倉庫と前述の生産体制の最適連携を絶え間なく進めてきたことから、直営店舗、プロデュース店舗に対して効率的な後方支援体制を整えるに至っております。また、前期より進めている店舗での提供商品の品質安定化を目指したIH機器への切り替えを、当連結会計年度においても順次進めており、店舗内オペレーション、お客様の快適性を増すための店舗改装を引き続き積極的に行ってまいりました。当社グループが出店する各種業態は、大幅な増店の中でも前年度の既存店売上高および客数を維持する状況にありますが、最大の懸案は、新規出店加速、既存店の店舗クオリティ維持を両立させるための適正人員数を労働市場から遅滞なく確保していけるかという点であり、そのためにも渋谷に本社を構え、人材確保を適時適切に図っていく所存です。以上のように、直営店やプロデュース店の出店戦略に留まらず、生産体制、物流体制、本社体制においてもグループ力強化を図ってまいりました当社グループは、従業員の雇用確保、積極的な新規出店等、独自の事業活動を展開することができ、堅調な業績を確保することとなりました。当連結会計年度におきましては、国内の直営店、プロデュース店ともに店舗数を増加させることにより、売上拡大を図ることができました。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、国内事業のオーガニックな成長と海外事業の積極展開により、中長期的な目指すべき姿として「世界中に最高のラーメンをお届けできる企業」を掲げており、長期的スパンでの、世界のラーメンマーケットでシェア50%(国内シェア50%、海外シェア50%)の獲得を目指しております。そのマイルストーンして、2028年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、以下の施策を重要テーマとして認識し、更なる企業価値向上を目指してまいります。重点テーマ取組みの概要関連指標既存事業の拡大・1店舗あたりの品質向上・営業時間の延長(24時間営業の試験的導入含む)・売上高成長率・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)人材の確保・採用力強化・離職率低下に向けた施策・売上高成長率出店力の強化・モデル開発出店による既存業態の出店ポテンシャル拡大・M&Aや自社開発の新業態による出店ポテンシャルの拡大・売上高成長率海外展開の加速化・海外人材の採用、育成・食材供給体制の構築・売上高成長率製造体制の強化・製造コスト削減・製造品質の向上・安定供給体制(エリア別安定供給体制の構築)・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)購買、 物流体制の強化・物流コストの最適化・配送頻度、配送品質の向上(365日・翌日納品)・自動発注による単純化・標準化の推進・仕入れのスケールアップによる食材品質アップ、コストダウン・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)DXの推進・AIを利用した管理体制の構築・売上高成長率・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)サステナビリティへの取り組み・サステナビリティ経営の推進と開示の充実化・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率) (4)優先的に対処すべき課題当社グループでは、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、以下の課題について重点的に取り組んでまいります。なお、成長戦略を構成する新規出店等の投資につきましては、営業活動から生じるキャッシュ・フローと金融機関からの借入を中心とする財務活動から生じるキャッシュ・フローで賄える見込みであります。 ① 人材確保に向けた取り組み当社グループの属する外食産業においては、人手不足による人材の奪い合いや人件費の上昇など、人材の確保及び定着に対して厳しい状況が続いております。人材確保につきましては、最重要経営課題であると認識しており、採用力の強化、離職率低下、教育システムの改良の面から、あらゆる角度からアプローチを行っていく所存です。具体的には、キャストからの正社員登用、外国人の採用及び教育、賃上げ、店内労働環境改善に一層重点的に取り組んでまいります。これらにより、新規出店を支える人材の確保と定着を実現してまいります。 ② 購買・物流体制の強化当社グループは食材を調達・加工・調理しお客様にラーメンを提供しておりますが、食材の調達においては、世界的なインフレによる価格高騰や天候不順や自然災害等による一部の食材の需給逼迫が懸念されます。店舗数が拡大してきたことにより、仕入量が増加しており、規模のメリットを生かした仕入条件の良化により、食材の確保、コストコントロールに取り組んでおります。また、当社グループは日本国内各地に直営店舗やプロデュース店舗を多数有しておりますが、出店地域の拡大とともに、配送の遅延による欠品リスクや配送コストの高騰による収益性の悪化が懸念されます。配送においては、SCMの視点をもって物流効率、物流コスト、物流リードタイムの大幅改善を進めており、日本各地に4物流センターを配置し、配送の効率性を向上させるとともに、配送頻度・配送品質の向上にも取り組み、お客様に、クオリティの高いラーメンをなるべく安価に提供できる体制を整えてまいります。 ③ サステナビリティへの取り組み当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、直営店事業部門ならびにプロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、すべてのステークホルダーの皆様に美味しいラーメンでシアワセを届けてまいります。現在の世界情勢に目を配れば、一部地域において戦争や紛争等のいたましい出来事が勃発しており、加えて、気候変動や食糧危機など様々な社会・環境課題にも直面しております。こうした状況下、当社グループにおいては、上述の企業理念に基づく精力的な事業活動を通して、こうした課題と真摯に向き合うことにより、持続可能な社会の実現、豊かな食文化の発展に貢献してまいりたいと考えております。さらには当社グループの持続的な成長や企業価値向上をもたらすべく、サステナビリティ活動にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、国内事業のオーガニックな成長と海外事業の積極展開により、中長期目標として、“世界中に最高のラーメンをお届けできる企業”を目指し、2028年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、事業拡大並びに企業価値向上を目指し、成長性に収益性を加えて、投資収益性を重要な経営指標と位置付けております。・売上高成長率 20.0%以上・売上高営業利益率 10.0%以上・ROE(自己資本当期純利益率) 20.0%以上
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、当社グループの直営店事業部門、プロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、ステークホルダーの皆様にシアワセを届けてまいります。当社グループでは「元気と笑顔と〇〇で、シアワセを届ける。」というミッションを従業員に与え、それぞれの立場、役割に応じて「〇〇」での部分を自ら考え、シアワセを届ける行動を促しております。 当社グループでは、直営店事業部門において、いつも美味いと言っていただける味の追求は勿論のこと、ご来店いただいたお客様に対して、エンターテイメント性や笑顔が溢れる店舗空間において、きめ細やかな気遣いを感じていただけるサービスを提供しております。また、プロデュース事業部門においては、当社グループに蓄積された繁盛店ノウハウをプロデュース店に惜しみなく注ぎ、常に美味しいラーメンが提供される地域で愛される店舗づくりに貢献しております。 当社グループにおける、このような取り組みを通して一人でも多くのお客様に数多く足を運んでいただき、お客様に満足していただくことで、当社グループとしての事業の拡大を図り、企業価値の向上につなげてまいりたいと考えております。 (2)経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の減速感が広がり、主要各国の金融政策の転換や通商政策の変動など、不確実性の高い国際環境の下で推移いたしました。特に米国においては、第2次トランプ政権誕生後の通商政策見直しに伴い、対日輸入品への新たな関税措置が導入され、わが国輸出企業の業績および国内製造業の生産活動に影響を及ぼすなど、外需を巡る環境は全般的に逆風が続いております。また、外国為替市場におきましては、米国の金利動向や世界的な資金流動性の変化を背景に、年度を通じて円安基調が継続していることから、依然として企業の輸入コストや消費者の生活コストに影響を与える水準にあり、原材料・食料品価格の高止まりを通じて物価に一定の上昇圧力を残す要因となりました。わが国の消費者物価は、エネルギー価格のピークアウトにより輸入物価の押し上げは一服しつつも、人件費やサービス価格上昇を背景に総じて高めの伸びが続きました。特に外食、宿泊、運輸などサービス関連の価格は、人手不足や賃上げの進展を反映して上昇がみられ、物価の構造的な押し上げ要因となったことから、実質消費の伸びは力強さを欠き、消費者心理の改善も緩やかなものにとどまりました。こうした状況下、本年10月に積極財政を掲げる高市政権が発足したことにより、東京証券取引所における日経平均株価は、5万円台の大台を付ける等、経済政策への期待が高まっております。一方、日本銀行は本年1月に見直した政策金利0.5%をその後の金融政策決定会合においても据え置く判断を継続しており、緩和的な金融環境が維持されております。また、労働市場につきましては、就業者数の増加や有効求人倍率の高水準維持など、雇用環境は総じて堅調に推移いたしました。2025年春闘においては、2024年春闘を上回る高水準の賃上げが実現し、2年連続で定昇込み5%台の賃上げとなり、定昇除く賃上げ分は過年度の物価上昇を概ね上回ったものの、実質所得の改善は限定的に留まりました。内閣府が発表した2025年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値(物価変動の影響を除いた実質の季節調整済み前期比)は0.4%減(年率換算1.8%減)と、6四半期ぶりのマイナス成長となりました。主な要因として輸出の落ち込み、住宅投資の減少等が上げられ、輸出においては、米国の一連の関税措置の影響により自動車等の輸出減が生じ、住宅投資においては、4月の建築基準法等の法改正前の駆け込み需要の増加に対する反動により減少を招いております。但し、当該期間に生じた6四半期ぶりのマイナス成長については、一過性であるとの見方が多く、エコノミストの間では2025年10~12月期においてプラスに転じるとの予想が優勢な状況にあります。また、訪日外国人観光客数については、過去最高水準を維持しており、本年1~10月の訪日外国人客は、日本政府観光局によると10か月累計で3,550万人を超え、前年同期比17.7%増となりました。円安を背景に日本の物価水準が相対的に割安となったことで、訪日客による旅行・宿泊・飲食等のサービス需要が拡大し、サービス輸出の増加を通じて外需の下支え要因となりました。一方、世界経済に目を向けると、本年1月に米国で第2次トランプ政権が発足し、通商政策の見直しが進められました。対中関税の維持、調整に加え、日本や欧州など主要貿易相手国に対しても追加的な関税措置が講じられたことで、国際貿易の先行きには不透明感が広がっております。また、中東情勢やウクライナ情勢を巡っては、停戦や対話の枠組みを模索する動きがあるものの、依然として紛争は継続し、情勢は予断を許さない状況にあります。こうした地政学的リスクの長期化は、エネルギー価格や資源市況の変動要因の一つとなり、世界経済の不確実性を高める要因となっております。米国においては、2025年10月より約43日間に及ぶ長期の連邦政府閉鎖が発生し、多くの行政サービスが停止したことにより、GDP(国内総生産)速報値を含む主要統計の公表が遅延しております。GDP速報値が判明しない状況下において、トランプ政権発足後に進められてきた関税措置が、GDPの約7割を占める個人消費、設備投資、雇用環境にどのような影響を及ぼしたのかについては、統計開示の再開が待たれる状況です。こうした中、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、本年開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)において7月会合まで利下げを見送ってきましたが、国内景気の減速やインフレ率の鈍化を背景に9月、10月開催のFOMCにおいて2会合連続でFF金利(フェデラルファンド金利)を0.25%ずつ下げ、誘導目標を3.75%~4.00%に改定する決定を下しました。中国においては、中国国家統計局が発表した2025年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値が前年同期比4.8%増と政府目標(5.0%増)を下回り、4~6月期の5.2%増からも伸びが鈍化いたしました。個人消費が力強さを欠くなか、不動産市場の調整が長期化していることが引き続き景気の重石となっております。こうした状況下、中国政府は、トランプ政権が進める関税政策により米中間の貿易摩擦が意識される中でも、景気を下支えする政策を適宜講じつつ、過度な大型刺激策には慎重な姿勢を維持し、内需拡大や構造改革を通じた持続的な成長への転換を模索する状況にあります。わが国における外食産業は、物価高によるコストプッシュ圧力が依然として続いており、仕入価格の高止まりに加え、物流費や人件費の上昇が収益を圧迫しております。特に、異常気象による収穫量の低下や生産コスト増を背景に、コメを中心とした一部農産物の価格が2024年末から2025年初頭にかけて上昇したことにより、主要食材の価格転嫁を巡る経営判断が重要な課題となっております。また、インバウンド需要の急増により観光地や都市部の店舗では来店者数が増加し、客単価も上昇するなど堅調な動きがみられる一方、地方や郊外立地では価格上昇に対する消費者の感応度が高く、価格設定の難しさが続いております。さらに、労働市場では人手不足が続く中、最低賃金の地域別引き上げに伴い、パート・アルバイトを中心とした人件費の上昇がコスト構造に影響を与えております。このように飲食業界では、価格改定を進めつつ、来店客数の維持や店舗オペレーションの効率化により、コスト上昇を吸収する取り組みが求められております。当社グループは、こうした外部環境の変化に柔軟に対応すべく、機動的な価格改定による収益構造の維持、提供商品の鮮度向上と物流コストの低減を目的としたSCM(サプライチェーン・マネジメント)体制の強化、積極的な新規出店、出店を支える適正人員数の確保といった飲食企業が直面している各種重要経営課題に対して真摯に向き合い、精力的に課題解決に取り組んでまいりました。特にこれまでも実施してきた価格改定については、慎重且つ段階的な対応を戦略的に進めたことにより、客足への悪影響を最小限に抑えることができ、当連結会計年度における国内直営店の既存店売上高(改装店除く)は前年同期比105.8%を達成し、新店出店効果を発揮して全店売上高ベースでは129.5%と堅調な収益拡大を図ることができました。これにより、コメを始めとする農産物の価格高騰、人件費の上昇といったコスト上昇圧力が高まる中においても、前期同様の十分な利益構造を維持しております。当社グループは、今後においても提供商品に対するお客様満足度を常に意識した価格戦略を展開してまいります。加えて、3本柱となった横浜家系ラーメン業態の「町田商店」、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」、油そば業態の「元祖油堂」に留まらず、次なる業態、ブランドの開発を常に進めながら、駅近立地、ロードサイド立地、商業施設内立地とあらゆるジャンルの出店立地を精力的に模索し、事業拡大を図ってまいります。また、当社グループ直営店並びにプロデュース店への供給体制についてもビジネス効率、BCP(事業継続計画)等の総合的観点から、ここ数年、立地、生産品目等、生産体制の戦略的見直しを図っており、当連結会計年度においては、前期に生産体制を整えた国内6工場に加え、本年4月に神栖スープ工場、6月に桑名製麺工場を立ち上げることとなりました。製麺工場5拠点、チャーシュー工場1拠点、スープ工場2拠点となった国内8工場体制に対して、今後も生産拠点増設、生産品目の増加等を積極的に図ってまいります。さらに、当社グループでは、戦略的SCMの視点をもって物流効率、物流コスト、物流リードタイムの大幅改善を進めており、これまで配備を進めてきた関東、中京、関西、東北の物流倉庫と前述の生産体制の最適連携を絶え間なく進めてきたことから、直営店舗、プロデュース店舗に対して効率的な後方支援体制を整えるに至っております。また、前期より進めている店舗での提供商品の品質安定化を目指したIH機器への切り替えを、当連結会計年度においても順次進めており、店舗内オペレーション、お客様の快適性を増すための店舗改装を引き続き積極的に行ってまいりました。当社グループが出店する各種業態は、大幅な増店の中でも前年度の既存店売上高および客数を維持する状況にありますが、最大の懸案は、新規出店加速、既存店の店舗クオリティ維持を両立させるための適正人員数を労働市場から遅滞なく確保していけるかという点であり、そのためにも渋谷に本社を構え、人材確保を適時適切に図っていく所存です。以上のように、直営店やプロデュース店の出店戦略に留まらず、生産体制、物流体制、本社体制においてもグループ力強化を図ってまいりました当社グループは、従業員の雇用確保、積極的な新規出店等、独自の事業活動を展開することができ、堅調な業績を確保することとなりました。当連結会計年度におきましては、国内の直営店、プロデュース店ともに店舗数を増加させることにより、売上拡大を図ることができました。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、国内事業のオーガニックな成長と海外事業の積極展開により、中長期的な目指すべき姿として「世界中に最高のラーメンをお届けできる企業」を掲げており、長期的スパンでの、世界のラーメンマーケットでシェア50%(国内シェア50%、海外シェア50%)の獲得を目指しております。そのマイルストーンして、2028年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、以下の施策を重要テーマとして認識し、更なる企業価値向上を目指してまいります。重点テーマ取組みの概要関連指標既存事業の拡大・1店舗あたりの品質向上・営業時間の延長(24時間営業の試験的導入含む)・売上高成長率・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)人材の確保・採用力強化・離職率低下に向けた施策・売上高成長率出店力の強化・モデル開発出店による既存業態の出店ポテンシャル拡大・M&Aや自社開発の新業態による出店ポテンシャルの拡大・売上高成長率海外展開の加速化・海外人材の採用、育成・食材供給体制の構築・売上高成長率製造体制の強化・製造コスト削減・製造品質の向上・安定供給体制(エリア別安定供給体制の構築)・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)購買、 物流体制の強化・物流コストの最適化・配送頻度、配送品質の向上(365日・翌日納品)・自動発注による単純化・標準化の推進・仕入れのスケールアップによる食材品質アップ、コストダウン・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)DXの推進・AIを利用した管理体制の構築・売上高成長率・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率)サステナビリティへの取り組み・サステナビリティ経営の推進と開示の充実化・売上高営業利益率・ROE(自己資本当期純利益率) (4)優先的に対処すべき課題当社グループでは、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、以下の課題について重点的に取り組んでまいります。なお、成長戦略を構成する新規出店等の投資につきましては、営業活動から生じるキャッシュ・フローと金融機関からの借入を中心とする財務活動から生じるキャッシュ・フローで賄える見込みであります。 ① 人材確保に向けた取り組み当社グループの属する外食産業においては、人手不足による人材の奪い合いや人件費の上昇など、人材の確保及び定着に対して厳しい状況が続いております。人材確保につきましては、最重要経営課題であると認識しており、採用力の強化、離職率低下、教育システムの改良の面から、あらゆる角度からアプローチを行っていく所存です。具体的には、キャストからの正社員登用、外国人の採用及び教育、賃上げ、店内労働環境改善に一層重点的に取り組んでまいります。これらにより、新規出店を支える人材の確保と定着を実現してまいります。 ② 購買・物流体制の強化当社グループは食材を調達・加工・調理しお客様にラーメンを提供しておりますが、食材の調達においては、世界的なインフレによる価格高騰や天候不順や自然災害等による一部の食材の需給逼迫が懸念されます。店舗数が拡大してきたことにより、仕入量が増加しており、規模のメリットを生かした仕入条件の良化により、食材の確保、コストコントロールに取り組んでおります。また、当社グループは日本国内各地に直営店舗やプロデュース店舗を多数有しておりますが、出店地域の拡大とともに、配送の遅延による欠品リスクや配送コストの高騰による収益性の悪化が懸念されます。配送においては、SCMの視点をもって物流効率、物流コスト、物流リードタイムの大幅改善を進めており、日本各地に4物流センターを配置し、配送の効率性を向上させるとともに、配送頻度・配送品質の向上にも取り組み、お客様に、クオリティの高いラーメンをなるべく安価に提供できる体制を整えてまいります。 ③ サステナビリティへの取り組み当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、直営店事業部門ならびにプロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、すべてのステークホルダーの皆様に美味しいラーメンでシアワセを届けてまいります。現在の世界情勢に目を配れば、一部地域において戦争や紛争等のいたましい出来事が勃発しており、加えて、気候変動や食糧危機など様々な社会・環境課題にも直面しております。こうした状況下、当社グループにおいては、上述の企業理念に基づく精力的な事業活動を通して、こうした課題と真摯に向き合うことにより、持続可能な社会の実現、豊かな食文化の発展に貢献してまいりたいと考えております。さらには当社グループの持続的な成長や企業価値向上をもたらすべく、サステナビリティ活動にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、国内事業のオーガニックな成長と海外事業の積極展開により、中長期目標として、“世界中に最高のラーメンをお届けできる企業”を目指し、2028年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、事業拡大並びに企業価値向上を目指し、成長性に収益性を加えて、投資収益性を重要な経営指標と位置付けております。・売上高成長率 20.0%以上・売上高営業利益率 10.0%以上・ROE(自己資本当期純利益率) 20.0%以上
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績① 事業全体の状況「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載いたしましたとおり、当社グループは、新規出店に伴う従業員の適正確保を図り積極的な事業活動を展開することができたことから、堅調な業績を確保することができました。当連結会計年度におきましては、直営店、プロデュース店ともに店舗数を増加させることにより、事業拡大を図ることができました。 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、下記のとおりとなりました。 (売上高) 当社グループの売上高は35,878,100千円(前年同期比26.0%増)となりました。これは主に、今期は既存店売上高が堅調に推移するとともに新規出店を実施したことによるものです。(営業利益) 当社グループの営業利益は3,367,903千円(前年同期比15.8%増)となりました。これは主に、既存店売上高が堅調に推移したことに伴い利益率が向上したことによります。(経常利益) 当社グループの経常利益は3,374,634千円(前年同期比13.5%増)となりました。これは主に、営業利益が増加したことによるものです。(親会社株主に帰属する当期純利益) 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は2,185,836千円(前年同期比16.5%増)となりました。これは主に、営業利益が増加したことによるものです。 また、当連結会計年度の目標とする経営指標は、下記のとおりとなりました。 〈売上高成長率〉当社グループの売上高成長率は前年同期比26.0%増(2025年10月期目標20.0%増以上)となりました。これは主に、既存店の売上高が好調であったためです。〈売上高営業利益率〉売上高営業利益率は9.4%(2025年10月期目標10.0%以上)となりました。これは主に、既存店の売上高が好調であったためです。〈ROE(自己資本当期純利益率)〉ROE(自己資本当期純利益率)は23.4%(2025年10月期目標20.0%以上)となりました。これは主に、既存店の売上高が好調であったためです。 ② 事業部門別の状況(直営店事業部門)国内直営店事業部門においては、当連結会計年度を通じて積極的な出店を続け、直営店50店舗の新規出店を果たしました。当該期間における直営店の新規出店は、主力である横浜家系ラーメン業態の「町田商店」で26店舗、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」で6店舗、油そば業態の「元祖油堂」で15店舗、その他業態で3店舗とバランスよく行うことができました。当連結会計年度におきましては、「町田商店」ブランドにてロードサイド店21店舗、駅近店4店舗、商業施設1店舗を出店いたしました。ロードサイドへの出店は、関東地方11店舗(東京都2店舗、神奈川県2店舗、千葉県2店舗、埼玉県2店舗、栃木県2店舗、群馬県1店舗)、中部地方3店舗(愛知県2店舗、三重県1店舗)、東北地方5店舗(宮城県3店舗、岩手県1店舗、福島県1店舗)となりました。また駅近エリアへの4店舗の出店は仙台駅、五反田駅、東横線の元住吉駅、大阪の十三駅に各1店舗、商業施設へは羽田空港第1旅客エアターミナルビルに1店舗出店いたしました。「町田商店」に次ぐ第2ブランドであるガッツリ系ラーメン業態の「豚山」では、当連結会計年度において、駅近店1店舗、ロードサイド店5店舗を出店いたしました。駅近店1店舗は小田原駅に、またロードサイド店5店舗は、武蔵村山市、仙台市、郡山市、名古屋市、長久手市にそれぞれ出店いたしました。「豚山」のロードサイド店は、前々期より出店を開始しており、当連結会計年度において出店加速させてまいりました。駐車場を完備したロードサイドの本格的ガッツリ系ラーメン業態として、どの店舗も一定のご評価をいただいており、新たな顧客ニーズを発掘しております。さらに当社グループの第3ブランドの地位を確立している油そば業態の「元祖油堂」を当連結会計年度において15店舗と大量出店させました。特に一挙に2店舗を出店させた渋谷駅、仙台駅、通算3店舗目の出店となった横浜駅のように同一駅に複数店舗の出店を叶えることができました。その他の出店先としては、小田原駅、溝の口駅、大船駅、御茶ノ水駅、上大岡駅、相模大野駅等の首都圏駅近エリア、多摩センター駅の駅ナカ施設、羽田空港第1旅客エアターミナルビルと多彩な出店を進めており、さらに関西初出店の北新地駅、九州初出店の熊本駅にそれぞれ出店いたしました。当該業態は、これまでの当社が展開する業態と比較して、出店時の調整が容易であり、且つオフィス立地において十分に競争力がある業態ゆえ、これまで出店の制約を受けていた東京23区内を始めとする都心エリアに積極出店を叶える強力なブランドとなりました。加えて、当連結会計年度に初出店を果たした東北、関西、九州に留まることなく、それ以外の地方への出店が視野に入ることとなりました。また、当社グループでは、従前より新商品、新業態の開発に対しても商品開発部門を中心に各種テーマへ積極的に取り組んでおり、町田商店、豚山、元祖油堂に次ぐ第4ブランドとなる競争力のあるブランドの開発を精力的に進めております。当連結会計年度においては、その他業態として3店舗の出店をいたしました。海外直営店事業部門においては、これまで「E.A.K. RAMEN」ブランドの横浜家系ラーメン業態にて米国ニューヨーク州にのみ店舗展開をしてまいりましたが、昨年9月、中国上海市に中国1号店として「町田商店」をオープンさせました。当連結会計年度においては、当該店舗を順調に営業してまいりましたが、本年7月に同じく中国上海市に中国2号店、10月に中国3号店をオープンさせることとなりました。また米国においては、本年2月にニュージャージーに新たに1店舗を出店いたしました。当該出店は、商業施設内への出店となったことから、米国における出店は、路面店1店舗、ペンシルベニア駅のフードコート1店舗、商業施設内1店舗とそれぞれ異なった立地への出店が叶い、今後、当社の立地戦略の構築に向け、効果測定を進めていくこととなります。さらにスイスのチューリッヒにおいて、JV(ジョイントベンチャー)店方式によるヨーロッパ1号店を本年8月にオープンさせました。以上の結果、当連結会計年度末の当社グループの店舗数は、直営店278店舗(国内272店舗、海外6店舗)、業務委託店8店舗、JV店1店舗、合計287店舗となりました。また、直営店事業部門の売上高は30,811,062千円となりました。 (プロデュース事業部門)国内プロデュース事業部門においては、既出店地域においてこれまで通り、商圏における潜在需要試算に基づく出店ルールに従ってプロデュース店と直営店との間で詳細な調整を行いながら、出店を進めてまいりました。既存プロデュース店は、当連結会計年度においても各既存プロデュース店ともに堅調な業績を残すこととなりました。これまで当社グループ直営店の成功ノウハウをもとにきめ細かく支援してきた成果が現れることとなりました。また、当社グループが開発した新業態を既存プロデュース店オーナーが自ら展開することを検討する場面も増えてきており、これまでの横浜家系ラーメン業態を中心としたプロデュース事業に加え、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」、油そば業態の「元祖油堂」にてFC事業も展開しております。このように国内プロデュース事業部門においては、事業ラインナップの充実化を進め、より付加価値の高い提案活動を展開してまいりました。海外プロデュース事業部門においては、既存オーナーの出店意思を確認しながら新規出店支援を進める一方で「Machida Shoten(町田商店)」の店舗名でのFC事業についても本格的に展開しており、とりわけ東南アジアにおいては「Machida Shoten(町田商店)」に対する出店要請が高いことから、当該地域において当社グループではフランチャイズパートナーとの出店交渉を戦略的に進めてまいりました。この結果、現在、タイ1店舗、ベトナム4店舗、カンボジア2店舗、フィリピン4店舗、香港2店舗、韓国1店舗、モンゴル1店舗、合計15店舗の「Machida Shoten(町田商店)」の出店を叶えることとなりました。また、新たに「GANSO ABURADO(元祖油堂)」にて韓国に1店舗の出店を叶えることとなりました。このように、FC事業は、東南アジアにて順調にスタートすることができ、各国のフランチャイジーとのFC契約締結も進んでいることから、今後も北米、アジア等において「Machida Shoten(町田商店)」のブランドを中心としてFC事業にかかる営業活動を積極的に展開してまいります。以上の結果、当社グループがプロデュースする店舗数は、当連結会計年度に40店舗の純増となり、結果、プロデュース店は国内570店舗、海外13店舗、FC店は国内15店舗、海外16店舗、合計614店舗となりました。また、プロデュース事業部門の売上高は5,067,038千円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年増減比(%)飲食事業4,341,97332.7合計4,341,97332.7(注)1.当社グループの事業区分は、「飲食事業」の単一セグメントであります。2.金額は、製造原価によっております。 b.仕入実績 当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(千円)前年増減比(%)飲食事業7,796,17227.4合計7,796,17227.4(注)1.当社グループの事業区分は、「飲食事業」の単一セグメントであります。2.金額は、仕入価格によっております。 c.受注実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 d.販売実績 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。事業部門の名称販売高(千円)前年増減比(%)直営店事業部門30,811,06228.6プロデュース事業部門5,067,03812.4合計35,878,10026.0(注)1.当社グループは飲食事業の単一セグメントであるため事業部門別の販売実績を記載しております。2.金額は、販売価格によっております。3.直営店事業部門における当連結会計年度の地域別販売実績は、次のとおりであります。地域地域別売上高(千円)前年増減比(%)国内 北海道-- 東北2,842,33035.0 関東甲信19,743,66130.0 北陸-- 東海4,688,65031.1 近畿2,649,82817.3 中国・四国114,92317.7 九州・沖縄444- 国内合計30,039,83929.3海外771,22314.8合計30,811,06228.64.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がないため、記載を省略しております。 (2)財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,912,879千円増加し22,012,554千円となりました。これは主に、直営店の新規出店などの設備投資により建物及び構築物などの有形固定資産が3,968,999千円、敷金及び保証金が176,267千円増加したこと等によるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ2,910,348千円増加し11,632,471千円となりました。これは主に、出店のタイミングにより未払金が273,126千円、未払消費税等を含む流動負債のその他が303,396千円、長期借入金(1年以内返済予定分を含む)が1,812,905千円、未払法人税等が62,644千円増加したこと等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,002,531千円増加し10,380,083千円となり、自己資本比率は47.0%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益2,185,836千円の計上等により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。 (3)キャッシュ・フロー① キャッシュ・フロー及び流動性の状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,126,931千円となり、前連結会計年度末に比べ3,786千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は4,089,804千円(前年同期比24.8%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,205,888千円を計上し、減価償却費1,178,286千円、減損損失88,892千円等の非資金的費用があった一方、法人税等の支払額1,062,349千円があったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は5,533,734千円(前年同期比27.5%増)となりました。これは主に、直営店の新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出5,192,128千円、貸付けによる支出が176,023千円、敷金及び保証金の差入による支出217,668千円があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は1,441,217千円(前年同期比9.6%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,540,095千円、配当金の支払額399,757千円、短期借入金の純減額6,396千円があった一方、長期借入れによる収入が3,353,000千円あったこと等によります。 ② 資本政策の基本的な方針 当社グループは、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えております。事業への資源配分については、新規出店を主とした設備投資を継続的に実施してまいります。また、成長戦略に伴う当社グループの企業価値向上につながるM&Aも積極的に実施してまいります。また、株主還元については、株主への利益還元を経営の最重要課題と考えており、安定的かつ継続的な利益還元を基本スタンスとして連結配当性向20%以上を目安として実施してまいります。資金の源泉は事業から創出したキャッシュを中心としつつ、基本的に金融機関からの借入により資金調達をしてまいります。大規模な希薄化をもたらす資金調達については、ステークホルダーへの影響などを十分に考慮し、取締役会にて検討を行ったうえで、株主に対する説明責任を果たしてまいります。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。