経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営の基本方針当社グループは、「地域のヘルスケアに貢献する」という経営理念を掲げ、地域医療の充実と安定、医療の品質向上に資する様々な商品及びサービスの開拓と提供を通じて、その実現を図ってまいりました。2017年12月に持株会社体制に移行したのち、2024年6月に現在の事業会社9社体制となりました。持株会社体制を活かしたグループ力の向上に向けた活動により、ステークホルダーの真の満足度を高め、地域及び社会へ貢献を果たすべく、グループを挙げて取り組んでおります。また、当社グループは、上記の経営理念のもと、長期ビジョンである「マルティプライビジョン2030」を策定し、マテリアリティ(重要課題)への取り組みを更に強化するとともに、「持続可能な社会」への貢献と企業価値向上の実現に向け、サステナブル経営を実践してまいります。 (2) 中期経営計画 ① 新中期経営計画の策定当社グループでは、前中期経営計画の終了を受けて、2024年7月に当期(2025年5月期)を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。本計画では、「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」という基本方針のもと、次の主要施策を掲げ、経営基盤の強化に向けた積極的な投資と、グループ機能向上による相乗効果の発揮を目指してまいります。また、当社グループにとって「人材」は最も重要な資本であることから、人材基盤を強化するとともに、従業員のワークエンゲージメントを向上させながら、当社グループで働く人々にとって魅力ある組織づくりに取り組んでまいります。主要施策・人的資本経営の推進・グループ間連携による新たな価値の創出と生産性向上・持続的成長に向けた投資の実施・ESG経営による地域社会への貢献・ガバナンス最優先の風土醸成 ② 業績目標について新中期経営計画最終年度(2027年5月期)の主要業績目標は以下の通りです。連結売上高73,000百万円連結営業利益950百万円連結営業利益率1.3%以上連結経常利益1,000百万円 ③ 目標の進捗状況について初年度である当期(2025年5月期)は、経営基盤の強化に向けた積極的な投資を進めるとともに、グループ機能向上による相乗効果の発揮を目指し、グループが一丸となって取り組んでまいりました。当期の業績につきましては、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、上記の経営方針のもと、安定的に収益が確保できる組織体制を確立・強化するとともに、資本コストや株価を意識した経営を実現し、企業価値向上を図るため、中期経営計画の主要施策の他、次の課題に取り組んでまいります。・M&Aやパートナーシップ構築による収益性の向上・ヘルスケア分野の社会問題解決に資する投資・コーポレートガバナンス・コード推進による透明性、公正性の確保・自己株式取得による機動的な資本政策・株主・投資家との対話強化による経営改善 企業価値向上に向けた経営目標経営指標目標PBR(株価純資産倍率)1倍以上ROE(自己資本当期純利益率)10%以上配当性向(株主還元)30%以上 (4) 当社グループを取り巻く経営環境今後の経営環境につきましては、不安定な国際情勢や物価上昇、金利・為替の変動など、様々な要因による経済への影響が懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。このような環境のもと、当社グループにおきましては、「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を基本方針とする中期経営計画(2024~2026年度)を推進しており、経営基盤の強化に向けた積極的な投資やM&Aによる事業領域の拡充を掲げるとともに、グループ機能の向上による相乗効果の発揮を目指しております。安定的な商品供給体制の構築に向けては、グループ物流機能の将来に渡る需要増への対応強化や、各事業会社における情報セキュリティ意識の向上を図ってまいります。また、当社グループにとって「人材」は最も重要な資本と位置づけており、人材基盤の強化と従業員のワークエンゲージメントの向上を通じて、当社グループで働く人々にとって魅力ある組織を目指してまいります。次期の売上面につきましては、医療機関における検査・手術件数が引き続き緩やかに回復することが期待されるほか、画像診断装置を用いて行うIVE (Interventional Endoscopy)やIVR (Interventional Radiology)といった低侵襲治療分野、および医療の質向上と効率化に寄与する医療機器やITシステムの需要が底堅く推移するものと考えており、増収を見込んでおります。また、利益面につきましては、売上の増加に伴い売上総利益の増加が見込まれる一方で、賃金のベースアップや人材確保に伴う施策等による人的資本投資にかかる人件費関連コストの上昇、ならびに中核事業会社である山下医科器械株式会社の物流センターリニューアルに伴うコストの計上、さらに事業子会社であるマイクロソニック株式会社にて開発中の超音波画像診断装置「ブレストスキャン」にかかる研究開発費の計上等により、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は減益を見込んでおります。一方、こうした減益要因が見込まれる中にあっても、グループ全体として将来に向けた安定的な収益基盤の強化に向けて、DXの推進や業務プロセス改革等による生産性の向上とコスト削減を進め、企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。 (5) 対処すべき課題 ① 人的資本経営の実践持続的成長を支える根幹は人的資本にあると認識しており、人的資本の最大化を図るため、事業会社9社を含むグループ10社の人材情報を統合的にマネジメントする体制を構築してまいります。採用からキャリア形成を、一体的に捉える戦略的な人事体制の推進を図り、多様なカリキュラムによる研修を実施し、当社グループ事業を支える個々人の資質やキャリアを踏まえた人材育成に取り組んでまいります。また、従業員が健康的に働くことができる職場環境の整備に努め、労働時間の削減や有給休暇の取得促進、全従業員の健康診断受診等、健康経営を積極的に推進し、組織の活性化を図ることで、資本政策と連携した従業員のエンゲージメントの向上に努めてまいります。 ② グループ間の連携と協業による事業の活性化当社を含む事業会社間において、販売チャネルの活用や商材の共有を促進し、グループ内の経営資源の効率化を図り、収益力の向上を目指してまいります。また、迅速な情報収集や情報の共有および相互補完を図りながら、グループ全体の事業収益を継続的に拡大していき、持続成長可能な推進体制構築の実現を目指します。 ③ 事業会社等の継続支援とM&Aによる事業領域の拡充現在、新型輸液装置のレンタルや、注射調剤・監査支援システムの販売、乳房疾患の早期発見を目的とした超音波診断装置など、将来性のある新規商材の取り扱いを推進しております。いずれも将来の成長が期待できる商材であるため、早期に市場への浸透を図り、当社グループの事業の多角化を目指してまいります。今後も、事業領域の拡充や潜在需要の顕在化に向けた積極的な投資を加速しながら、グループの企業価値の最大化を図るため、外部企業とのアライアンスを含め、新規事業分野への投資を積極的に行い、事業領域の拡充を図ってまいります。 ④ ESG経営を踏まえた安定的な商品供給体制の構築「地域のヘルスケアに貢献する」企業として、離島・過疎化地域を含めた物流体制の維持に万全を期し、医療資材の安定供給を確保するとともに、「事業継続マネジメント(BCM)体制の構築」による社会的インフラ機能を維持し、自然災害等の発生時におけるリスクの最小化に努めてまいります。また、新物流センター構想の稼働による物流の更なる効率化と、顧客対応のスピードアップにより、物流面における競争力強化を図ってまいります。安定供給のために、全ての業務プロセスに対しDXを推進することで従業員一人ひとりが付加価値の高い仕事を行う時間を創出できるよう、セキュリティ強化と共に進めてまいります。 ⑤ ガバナンスとコンプライアンスの更なる意識向上と深化当社グループは、コンプライアンス遵守はもとより、企業倫理への取り組みの重要性を認識するとともに、変動する企業環境に対応した迅速な経営意思決定と経営の健全性向上を図ることによって、企業価値を継続して高めていくことを経営の最重要課題の一つとして位置づけております。その実現のために、株主の皆様をはじめ、お客様、取引先、地域社会、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、株主総会、取締役会、監査等委員会、会計監査人等、法律上の機能制度を一層強化・改善・整備しながら、コーポレート・ガバナンスを充実させてまいります。 ⑥ グループの管理機能の充実持株会社と事業会社間において、迅速な情報収集や情報の共有および相互補完を図りながら、事業会社が本業に専念できる環境を構築し、グループ全体の事業収益を継続的に拡大していき、持続成長可能な推進体制構築の実現を目指します。また、グループ経営機能の明確化を図り、グループリスクの管理機能を強化するとともに、経営資源の効率的な運用を進め、収益力の向上を目指してまいります。 当社グループの中核事業会社の一つである山下医科器械株式会社は、2026年8月に創業100年という大きな節目を迎えます。 これまで多くの皆様に支えられながら、医療業界における発展とともに歩んでまいりました。100周年を機に、これまでの歴史を振り返るとともに、次の100年に向けた持続的成長と社会貢献のあり方を見つめ直す機会ととらえています。 今後は、ブランド価値の向上に向けた広報活動や、社内外への感謝の意を示す記念事業を展開しグループ全体の結束力をさらに高めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営の基本方針当社グループは、「地域のヘルスケアに貢献する」という経営理念を掲げ、地域医療の充実と安定、医療の品質向上に資する様々な商品及びサービスの開拓と提供を通じて、その実現を図ってまいりました。2017年12月に持株会社体制に移行したのち、2024年6月に現在の事業会社9社体制となりました。持株会社体制を活かしたグループ力の向上に向けた活動により、ステークホルダーの真の満足度を高め、地域及び社会へ貢献を果たすべく、グループを挙げて取り組んでおります。また、当社グループは、上記の経営理念のもと、長期ビジョンである「マルティプライビジョン2030」を策定し、マテリアリティ(重要課題)への取り組みを更に強化するとともに、「持続可能な社会」への貢献と企業価値向上の実現に向け、サステナブル経営を実践してまいります。 (2) 中期経営計画 ① 新中期経営計画の策定当社グループでは、前中期経営計画の終了を受けて、2024年7月に当期(2025年5月期)を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。本計画では、「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」という基本方針のもと、次の主要施策を掲げ、経営基盤の強化に向けた積極的な投資と、グループ機能向上による相乗効果の発揮を目指してまいります。また、当社グループにとって「人材」は最も重要な資本であることから、人材基盤を強化するとともに、従業員のワークエンゲージメントを向上させながら、当社グループで働く人々にとって魅力ある組織づくりに取り組んでまいります。主要施策・人的資本経営の推進・グループ間連携による新たな価値の創出と生産性向上・持続的成長に向けた投資の実施・ESG経営による地域社会への貢献・ガバナンス最優先の風土醸成 ② 業績目標について新中期経営計画最終年度(2027年5月期)の主要業績目標は以下の通りです。連結売上高73,000百万円連結営業利益950百万円連結営業利益率1.3%以上連結経常利益1,000百万円 ③ 目標の進捗状況について初年度である当期(2025年5月期)は、経営基盤の強化に向けた積極的な投資を進めるとともに、グループ機能向上による相乗効果の発揮を目指し、グループが一丸となって取り組んでまいりました。当期の業績につきましては、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、上記の経営方針のもと、安定的に収益が確保できる組織体制を確立・強化するとともに、資本コストや株価を意識した経営を実現し、企業価値向上を図るため、中期経営計画の主要施策の他、次の課題に取り組んでまいります。・M&Aやパートナーシップ構築による収益性の向上・ヘルスケア分野の社会問題解決に資する投資・コーポレートガバナンス・コード推進による透明性、公正性の確保・自己株式取得による機動的な資本政策・株主・投資家との対話強化による経営改善 企業価値向上に向けた経営目標経営指標目標PBR(株価純資産倍率)1倍以上ROE(自己資本当期純利益率)10%以上配当性向(株主還元)30%以上 (4) 当社グループを取り巻く経営環境今後の経営環境につきましては、不安定な国際情勢や物価上昇、金利・為替の変動など、様々な要因による経済への影響が懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。このような環境のもと、当社グループにおきましては、「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を基本方針とする中期経営計画(2024~2026年度)を推進しており、経営基盤の強化に向けた積極的な投資やM&Aによる事業領域の拡充を掲げるとともに、グループ機能の向上による相乗効果の発揮を目指しております。安定的な商品供給体制の構築に向けては、グループ物流機能の将来に渡る需要増への対応強化や、各事業会社における情報セキュリティ意識の向上を図ってまいります。また、当社グループにとって「人材」は最も重要な資本と位置づけており、人材基盤の強化と従業員のワークエンゲージメントの向上を通じて、当社グループで働く人々にとって魅力ある組織を目指してまいります。次期の売上面につきましては、医療機関における検査・手術件数が引き続き緩やかに回復することが期待されるほか、画像診断装置を用いて行うIVE (Interventional Endoscopy)やIVR (Interventional Radiology)といった低侵襲治療分野、および医療の質向上と効率化に寄与する医療機器やITシステムの需要が底堅く推移するものと考えており、増収を見込んでおります。また、利益面につきましては、売上の増加に伴い売上総利益の増加が見込まれる一方で、賃金のベースアップや人材確保に伴う施策等による人的資本投資にかかる人件費関連コストの上昇、ならびに中核事業会社である山下医科器械株式会社の物流センターリニューアルに伴うコストの計上、さらに事業子会社であるマイクロソニック株式会社にて開発中の超音波画像診断装置「ブレストスキャン」にかかる研究開発費の計上等により、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は減益を見込んでおります。一方、こうした減益要因が見込まれる中にあっても、グループ全体として将来に向けた安定的な収益基盤の強化に向けて、DXの推進や業務プロセス改革等による生産性の向上とコスト削減を進め、企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。 (5) 対処すべき課題 ① 人的資本経営の実践持続的成長を支える根幹は人的資本にあると認識しており、人的資本の最大化を図るため、事業会社9社を含むグループ10社の人材情報を統合的にマネジメントする体制を構築してまいります。採用からキャリア形成を、一体的に捉える戦略的な人事体制の推進を図り、多様なカリキュラムによる研修を実施し、当社グループ事業を支える個々人の資質やキャリアを踏まえた人材育成に取り組んでまいります。また、従業員が健康的に働くことができる職場環境の整備に努め、労働時間の削減や有給休暇の取得促進、全従業員の健康診断受診等、健康経営を積極的に推進し、組織の活性化を図ることで、資本政策と連携した従業員のエンゲージメントの向上に努めてまいります。 ② グループ間の連携と協業による事業の活性化当社を含む事業会社間において、販売チャネルの活用や商材の共有を促進し、グループ内の経営資源の効率化を図り、収益力の向上を目指してまいります。また、迅速な情報収集や情報の共有および相互補完を図りながら、グループ全体の事業収益を継続的に拡大していき、持続成長可能な推進体制構築の実現を目指します。 ③ 事業会社等の継続支援とM&Aによる事業領域の拡充現在、新型輸液装置のレンタルや、注射調剤・監査支援システムの販売、乳房疾患の早期発見を目的とした超音波診断装置など、将来性のある新規商材の取り扱いを推進しております。いずれも将来の成長が期待できる商材であるため、早期に市場への浸透を図り、当社グループの事業の多角化を目指してまいります。今後も、事業領域の拡充や潜在需要の顕在化に向けた積極的な投資を加速しながら、グループの企業価値の最大化を図るため、外部企業とのアライアンスを含め、新規事業分野への投資を積極的に行い、事業領域の拡充を図ってまいります。 ④ ESG経営を踏まえた安定的な商品供給体制の構築「地域のヘルスケアに貢献する」企業として、離島・過疎化地域を含めた物流体制の維持に万全を期し、医療資材の安定供給を確保するとともに、「事業継続マネジメント(BCM)体制の構築」による社会的インフラ機能を維持し、自然災害等の発生時におけるリスクの最小化に努めてまいります。また、新物流センター構想の稼働による物流の更なる効率化と、顧客対応のスピードアップにより、物流面における競争力強化を図ってまいります。安定供給のために、全ての業務プロセスに対しDXを推進することで従業員一人ひとりが付加価値の高い仕事を行う時間を創出できるよう、セキュリティ強化と共に進めてまいります。 ⑤ ガバナンスとコンプライアンスの更なる意識向上と深化当社グループは、コンプライアンス遵守はもとより、企業倫理への取り組みの重要性を認識するとともに、変動する企業環境に対応した迅速な経営意思決定と経営の健全性向上を図ることによって、企業価値を継続して高めていくことを経営の最重要課題の一つとして位置づけております。その実現のために、株主の皆様をはじめ、お客様、取引先、地域社会、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、株主総会、取締役会、監査等委員会、会計監査人等、法律上の機能制度を一層強化・改善・整備しながら、コーポレート・ガバナンスを充実させてまいります。 ⑥ グループの管理機能の充実持株会社と事業会社間において、迅速な情報収集や情報の共有および相互補完を図りながら、事業会社が本業に専念できる環境を構築し、グループ全体の事業収益を継続的に拡大していき、持続成長可能な推進体制構築の実現を目指します。また、グループ経営機能の明確化を図り、グループリスクの管理機能を強化するとともに、経営資源の効率的な運用を進め、収益力の向上を目指してまいります。 当社グループの中核事業会社の一つである山下医科器械株式会社は、2026年8月に創業100年という大きな節目を迎えます。 これまで多くの皆様に支えられながら、医療業界における発展とともに歩んでまいりました。100周年を機に、これまでの歴史を振り返るとともに、次の100年に向けた持続的成長と社会貢献のあり方を見つめ直す機会ととらえています。 今後は、ブランド価値の向上に向けた広報活動や、社内外への感謝の意を示す記念事業を展開しグループ全体の結束力をさらに高めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 a. 経営成績当連結会計年度(2024年6月1日~2025年5月31日)におけるわが国の状況は、企業収益の改善や大企業を中心とした賃上げ、及びインバウンド増加に伴い、経済活動の回復傾向がみられました。一方、米国の関税政策による世界的な景気後退リスクや、これに伴う金融資本市場の変動リスク、さらに国内の物価上昇の懸念等により、見通しが立ちづらい状況となっております。当社グループが属する医療業界におきましては、2024年度診療報酬改定により、医療の質の向上や医療従事者の処遇改善などが図られております。本改定では、病床機能の分化や医療機関の連携強化を通じた医療提供体制の整備、外来医療機能の強化やかかりつけ医の役割の明確化等が打ち出されており、これらを通じて地域包括ケアシステムとの連携が一層推進されております。さらに、医療のデジタル化推進や医師の働き方改革など、医療提供体制の効率化と生産性向上に向けた取り組みも進められております。加えて、政府による「医療DX令和ビジョン2030」のもと、データやデジタル技術を活用した医療サービスの提供方法や業務プロセスの変革が目指されておりますが、医療機関を取り巻く経営環境は依然として厳しく、人件費の高騰やエネルギーコストの上昇等による物価高が医療機関の経営を圧迫し、地域医療の維持にも影響を及ぼすことが懸念されております。このような状況の中、当社グループでは、「地域のヘルスケアに貢献する」という経営理念の下、「中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)」を推進しており、経営基盤の強化に向けた積極的な投資を進めるとともに、グループ機能向上による相乗効果の発揮を目指し、グループが一丸となって取り組んでまいりました。これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、中核事業である医療機器販売業において、放射線機器等の設備投資需要が前年同期よりも増加したことや、検査・手術件数の増加により診療材料等の医療機器消耗品の需要が堅調に推移したこと、さらに、前連結会計年度に事業子会社となった株式会社鹿児島オルソ・メディカルの主要事業である整形外科分野の売上が増加したこと等により、売上高は644億86百万円(前年同期比4.8%増)となりました。利益面におきましては、賃上げによる人件費2億20百万円の増加や物流コスト60百万円の上昇、事業子会社であるマイクロソニック株式会社において開発中の超音波画像診断装置「ブレストスキャン」にかかる研究開発費1億64百万円の計上等により販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は8億38百万円(前年同期比13.3%減)、経常利益は9億9百万円(前年同期比10.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億16百万円(前年同期比6.3%増)となりました。 セグメントごとの業績は下記のとおりであります。なお、各セグメントの売上高はセグメント内の内部売上高を含んでおります。〈医療機器販売業〉医療機器販売業のうち一般機器分野では、一般医療機器備品や放射線診断装置及び超音波診断装置の売上により94億13百万円(前年同期比6.9%増)となりました。一般消耗品分野では、汎用消耗品及び手術関連消耗品の売上により258億35百万円(前年同期比3.7%増)となりました。内視鏡、サージカル、循環器等により構成される低侵襲治療分野では、電子内視鏡手術システム等の内視鏡備品や、腹腔鏡システム等のサージカル備品、血管内治療、内視鏡関連消耗品の売上により147億17百万円(前年同期比0.6%増)となりました。整形、理化学、眼科、皮膚・形成、透析により構成される専門分野では、眼科関連機器や整形外科関連の売上により127億56百万円(前年同期比13.0%増)となりました。医療情報、設備、医療環境等により構成される情報・サービス分野では、電子カルテシステム等の医療IT備品の売上により17億64百万円(前年同期比6.2%減)となりました。この結果、医療機器販売業の売上高は644億87百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は21億98百万円(前年同期比1.2%増)となりました。 〈医療機器製造・販売業〉医療機器製造・販売業におきましては、グループ開発製品である整形外科用インプラントの製造・販売、および超音波を用いた医療用機器等の開発、販売を行っており、売上高は2億19百万円(前年同期比18.0%減)、セグメント損失は220百万円(前年同期は1百万円のセグメント損失)となりました。 〈医療モール事業〉医療モール事業におきましては、主として賃料収入により売上高は72百万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益は5百万円(前年同期比750.6%増)となりました。 b. 財政状態(資産の部)当連結会計年度末の総資産は275億49百万円となり、前連結会計年度末に比べて9億91百万円増加いたしました。流動資産は、主に受取手形、売掛金及び契約資産の増加により、前連結会計年度末に比べて8億79百万円増加し、217億66百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて1億11百万円増加し、57億82百万円となりました。 (負債及び純資産の部)当連結会計年度末の負債は、主に支払手形及び買掛金の増加により、前連結会計年度末に比べて5億59百万円増加し、185億60百万円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末に比べて4億31百万円増加し、89億88百万円となり、自己資本比率は32.6%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により6億17百万円増加し、投資活動により19百万円増加し、財務活動により2億40百万円減少いたしました。この結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末から3億97百万円増加し、56億98百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、営業活動により増加した資金は6億17百万円(前年同期は8億78百万円の増加)となりました。主な要因としましては、税金等調整前当期純利益9億43百万円、売上債権の増加額6億4百万円および仕入債務の増加額3億43百万円等によるものであります 。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、投資活動により増加した資金は19百万円(前年同期は10億67百万円の減少)となりました。主な要因としましては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入3億39百万円、有形固定資産の取得による支出2億79百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、財務活動により減少した資金は2億40百万円(前年同期は3億35百万円の減少)となりました。主な要因としましては、配当金の支払額1億74百万円及び自己株式の取得による支出65百万円によるものであります。 (販売の状況) 販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)金額(百万円)金額(百万円)医療機器販売業一般機器分野8,8039,413一般消耗品分野24,90525,835低侵襲治療分野14,62614,717専門分野11,29112,756情報・サービス分野1,8811,764小 計61,50764,487医療機器製造・販売業267219医療モール事業6872セグメント間及びセグメント内内部取引額△288△293合 計61,55564,486 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成するにあたっては、会計方針についていくつかの重要な判断および見積りを行っております。これらの判断および見積りは、過去の経験や実際の状況に応じ、合理的と考えられる方法で行っておりますが、不確実性を伴うものであるため、実際の結果は判断および見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 〈有価証券の減損処理〉当社グループは、保有する有価証券のうち、時価のあるものについては、市場価格等が取得原価に比べて50%以上下落した銘柄について全て減損処理を行い、下落率が30%~50%の銘柄については個別銘柄ごとに時価の回復可能性を検討したうえで、必要と認められた額について減損処理を行っております。時価のない有価証券については、財政状況の悪化により実質価額が取得価額と比べ著しく低下したものについて減損処理を行っております。時価のある有価証券においては時価の回復可能性について、時価のない有価証券においては実質価額の算定について、それぞれ判断および見積りを行っておりますが、これら減損処理適用に係る判断の結果によっては、当社グループの連結財務諸表に影響を与える場合があります。〈固定資産の減損処理〉当社グループは、保有する固定資産のうち、減損の兆候があると認められる資産または資産グループについて将来にわたって得られるキャッシュ・フローを見積り、見積られた将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を認識します。減損損失を認識した資産または資産グループは、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減額した金額を減損損失として当連結会計年度において費用処理します。減損損失の認識および回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローおよび割引率について判断および見積りを行っており、減損処理適用に係る判断の結果によっては、当社グループの連結財務諸表に影響を与える場合があります。 〈繰延税金資産〉当社グループは、税務上の繰越欠損金や企業会計の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異等について税効果会計を適用し、繰延税金資産および繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、判断および見積りを伴うものであり、実際の結果が見積りと異なった場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を与える場合があります。〈退職給付に係る負債〉当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務の計上にあたって、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、または法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える場合があります。 ② 経営成績の分析当連結会計年度における売上高は、644億86百万円(前年同期比4.8%増)となりました。なお、セグメント別の売上高は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目をご参照ください。利益面につきましては、販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は8億38百万円(前年同期比13.3%減)、経常利益は9億9百万円(前年同期比10.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6億16百万円(前年同期比6.3%増)となりました。 ③ 財政状態の分析 (資産の部)当連結会計年度末における流動資産は217億66百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億79百万円増加いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が6億4百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は57億82百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億11百万円増加いたしました。この結果、当連結会計年度末の総資産は275億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億91百万円増加いたしました。(負債及び純資産の部)当連結会計年度末における流動負債は180億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億3百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が2億93百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は4億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ56百万円増加いたしました。この結果、負債は185億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億59百万円増加いたしました。当連結会計年度末における純資産は89億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億31百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益6億16百万円の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は32.6%(前連結会計年度末は32.2%)となりました。 ④ キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a. キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業活動は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。なお、キャッシュ・フローの指標は以下のとおりであります。 2024年5月期2025年5月期自己資本比率(%) 32.232.6時価ベースの自己資本比率(%)25.123.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)--インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-- 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い (注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。 (注2)株式時価総額は自己株式を除く発行株式数をベースに計算しています。 (注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。(注4)有利子負債は連結貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。 b. 資本の財源および資金の流動性当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。これらに必要な資金については、自己資金をもって充当することを基本とし、必要に応じて銀行からの短期借入金等により資金調達を行うこととしております。