経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当連結会計年度末現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、愛されるマーケティング活動を推進しており、その思いをラバブルマーケティンググループという名前に表しています。これは、短期的な成果のために生活者を欺いたり、邪魔をしたりする広告・マーケティング活動を決して行わないとする当社の強い思いを示すものです。これからの広告・マーケティングは、生活者や購買者の視点に立ち、邪魔をするのではなく、その人にとって価値のある情報を適切な形で届けることが重要です。私たちはそれを「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)」と位置づけ、そのコンセプトを推進し日本のマーケティング業界を変えていきます。 (2) 経営戦略等当社グループは、「最も愛されるマーケティンググループを創る」をミッションに掲げ、SNSを中心としたデジタルマーケティング領域において、企業の課題解決とブランド価値向上を支援するマーケティングサービスを提供しております。主力であるSNSマーケティング事業においては、SNSアカウントの戦略立案から運用支援、AIを活用した運用支援ツールの開発・提供、SNS実務人材の育成を一体的に提供する「MOS(Marketing Operating Service)」というビジネスモデルを構築し、当社独自の競争優位性を形成しております。また、2024年11月に株式会社ユニオンネットをグループに迎え、Webサイト制作やクリエイティブ支援機能を取り込むなど、既存サービスとのシナジー創出による提供価値の最大化を進めております。加えて、株式会社コムニコによる食インフルエンサーマーケティング事業「ライフインザキッチン」の譲受、ならびにインバウンドメディア「Talon Japan」事業を軸とした訪日外国人向けマーケティング支援の強化など、周辺領域への展開を通じて、企業のマーケティング課題に包括的に対応できる体制を整備しております。さらに、当社グループは持続的かつ非連続的な成長の実現に向けて、M&A戦略を成長ドライバーの一つとして位置づけており、案件発掘からデューデリジェンス、PMI(買収後統合)に至る一連のプロセスを内製化し、専門チームによる推進体制を構築しております。加えて、資本政策面においても、2025年11月に実施した第三者割当増資により成長投資のための財務基盤を強化いたしました。これらの戦略を通じて、当社グループは、既存事業の持続的な成長とともに、新規事業やM&Aによる外部成長を組み合わせることで、企業価値の最大化を図ってまいります。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、事業規模の成長と収益性の向上を両立させることを基本方針としており、「売上高」および「営業利益率」を重要な経営指標と位置付けております。売上高の拡大を通じて事業基盤の強化を図るとともに、営業利益率については、継続的な業務プロセスの見直しと業務効率化の推進により、収益性の向上を目指しております。具体的には、案件ごとの業務内容の明確化や業務フローの標準化・工数管理の徹底に加え、生成AIを活用した運用支援ツールや提案業務の効率化を通じて、開発費の最適化および生産性の向上を図っております。また、これらの取り組みで得られた知見や運用ノウハウをツールや研修プログラムに反映することで、グループ全体の事業運営効率の底上げを進めております。さらに、当社グループでは「調整後EBITDA(注1)」を補完的な経営指標として位置付けております。この指標は、M&Aにより発生するのれん償却費の影響を除外し、事業の実態に近い収益力やキャッシュ創出力を測る上で有用であり、特に成長投資を伴う当社の経営実態をより的確に把握するものと認識しております。(注1)調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+株式報酬費用 (4) 経営環境「2024年日本の広告費」(株式会社電通)によると、日本の総広告費は社会全体のデジタル化を背景に伸長し、7兆6,730億円(前年比104.9%)となりました。このうち、インターネット広告費は3兆6,517億円(前年比109.6%)と高い成長を示し、総広告費に占める構成比も47.6%に達しております。こうした背景のもと、当社グループが展開するSNSマーケティング事業を取り巻く環境も引き続き拡大傾向にあります。総務省の「令和6年通信利用動向調査」によれば、日本国内におけるソーシャルメディア利用者数は1億人を超えており、特に13〜49歳の9割以上がSNSを利用しているという結果が出ています 。企業においてもSNSの重要性は年々高まっており、帝国データバンクの調査では、社外向けにSNSを活用している企業の割合は40.8%、とりわけBtoC企業では7割超という高い水準を示しています。(注1)一方で、人的リソースの不足や教育体制の未整備により、SNSを十分に活用できていない企業も少なくなく、SNS活用が進んでいない企業の割合は依然として半数近くを占めております。こうした状況に対し、当社グループでは「運用支援」「運用支援ツールの提供」「教育」の3つのソリューションを通じ、企業のSNS活用を支援し、社会的なニーズに応えるサービス提供体制を強化しております。さらに、当社が上場する東京証券取引所グロース市場においては、2025年9月に公表された制度見直しにより、従来の「上場10年経過後の時価総額40億円以上」という上場維持基準から、「上場5年経過後の時価総額100億円以上」へと引き上げる方針が示されております。これに先立ち、当社は2025年1月に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」において、時価総額100億円を中期的な目標として掲げており、すでに戦略的な取り組みを開始しております。今後も、収益基盤の強化や非連続的成長に向けたM&Aの活用、資本政策の柔軟な運用等を通じて、中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。(注1)出処:(株)帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」2023年9月15日発表 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 当社グループ及びサービスの認知度向上当社グループは、SNSマーケティングにおいて「運用支援」「運用支援ツールの提供」「教育」を基軸とし、現代の生活者の情報消費行動に寄り添った包括的なマーケティング支援を展開しております。近年増加する訪日外国人旅行者に対応したインバウンドマーケティング支援をはじめ、企業の世界観をデジタル上で体現するWeb制作サービスや、専門性の高いインフルエンサーを活用したPR施策にも取り組んでおり、企業と生活者の新たな接点の創出に貢献しております。こうした多様なソリューションをより多くの企業へ届けるため、展示会やカンファレンス等の外部イベントへの出展を強化し、サービス認知の向上と見込み顧客の獲得を図るとともに、マーケティング実施体制のさらなる充実を推進してまいります。加えて、資本市場における当社グループの認知度向上を目的としたIR活動にも注力しており、株主・投資家との対話を通じて当社の事業内容や成長戦略に対する理解の促進を図り、株式市場における適正な企業価値評価の獲得に努めてまいります。 ② 人材戦略の強化と生成AIの活用による生産性向上当社グループの持続的成長には、優秀な人材の確保と育成が不可欠であり、採用力の強化とともに、教育体制の整備・拡充を重要な経営課題と捉えております。これに加え、近年急速に進展する生成AI技術の活用は、業務効率の抜本的な改善や、組織ナレッジやノウハウの共有・活用の高度化を実現する手段として極めて重要と認識しております。当社ではAI・DX推進室を中心に、生成AIを活用した業務支援や人材育成の高度化に取り組んでおり、全社的な展開を通じて、人的資本の質的向上と業務生産性の最大化を両立し、企業競争力の一層の強化を図ってまいります。 ③ グループ経営の強化当社グループは、2025年10月31日時点において、7社の連結子会社を保有しております。グループ内各社の強みやノウハウを相互に活かし合い、シナジー効果を最大限に発揮することで、グループ全体としての事業成長と企業価値の向上を図ってまいります。また、2025年10月に決議したAIフュージョンキャピタルグループ株式会社を割当先とする第三者割当増資を契機に、同社およびそのグループ会社や投資先企業との連携を深めてまいります。これにより、AI関連分野をはじめとした新規領域への展開や技術・人材・ビジネスネットワークの活用を通じた協業を推進し、グループ経営のさらなる強化を目指してまいります。 ④ 事業提携、企業買収への積極的な取り組み当社グループが持続的かつ非連続的な成長を実現するためには、既存事業の安定的成長に加えて、将来の成長を担う新たな事業の創出及び拡大が不可欠であると認識しております。その実現に向けては、自社による事業開発に加え、事業提携やM&Aなど外部資源の活用を通じて、新たな事業領域やサービスへの投資を積極的に検討・推進してまいります。投資にあたっては、既存事業の収益状況や財務バランスを踏まえ、許容可能なリスクの範囲内で慎重かつ機動的に意思決定を行う方針です。また、M&Aを成長戦略の柱として継続的かつ効果的に推進するため、専任チームの体制強化を図るとともに、案件の発掘からデューデリジェンス、PMI(買収後統合)に至るまでの一連のプロセスを社内で円滑に遂行できるよう、関係部門との連携体制を強化してまいります。これにより、グループ全体としての経営管理力とシナジー創出力のさらなる向上を目指してまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化当社グループは、企業価値を向上させるため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。業務の適正及び財務諸表の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能するよう、一層の内部管理体制の整備・運用の強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当連結会計年度末現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、愛されるマーケティング活動を推進しており、その思いをラバブルマーケティンググループという名前に表しています。これは、短期的な成果のために生活者を欺いたり、邪魔をしたりする広告・マーケティング活動を決して行わないとする当社の強い思いを示すものです。これからの広告・マーケティングは、生活者や購買者の視点に立ち、邪魔をするのではなく、その人にとって価値のある情報を適切な形で届けることが重要です。私たちはそれを「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)」と位置づけ、そのコンセプトを推進し日本のマーケティング業界を変えていきます。 (2) 経営戦略等当社グループは、「最も愛されるマーケティンググループを創る」をミッションに掲げ、SNSを中心としたデジタルマーケティング領域において、企業の課題解決とブランド価値向上を支援するマーケティングサービスを提供しております。主力であるSNSマーケティング事業においては、SNSアカウントの戦略立案から運用支援、AIを活用した運用支援ツールの開発・提供、SNS実務人材の育成を一体的に提供する「MOS(Marketing Operating Service)」というビジネスモデルを構築し、当社独自の競争優位性を形成しております。また、2024年11月に株式会社ユニオンネットをグループに迎え、Webサイト制作やクリエイティブ支援機能を取り込むなど、既存サービスとのシナジー創出による提供価値の最大化を進めております。加えて、株式会社コムニコによる食インフルエンサーマーケティング事業「ライフインザキッチン」の譲受、ならびにインバウンドメディア「Talon Japan」事業を軸とした訪日外国人向けマーケティング支援の強化など、周辺領域への展開を通じて、企業のマーケティング課題に包括的に対応できる体制を整備しております。さらに、当社グループは持続的かつ非連続的な成長の実現に向けて、M&A戦略を成長ドライバーの一つとして位置づけており、案件発掘からデューデリジェンス、PMI(買収後統合)に至る一連のプロセスを内製化し、専門チームによる推進体制を構築しております。加えて、資本政策面においても、2025年11月に実施した第三者割当増資により成長投資のための財務基盤を強化いたしました。これらの戦略を通じて、当社グループは、既存事業の持続的な成長とともに、新規事業やM&Aによる外部成長を組み合わせることで、企業価値の最大化を図ってまいります。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、事業規模の成長と収益性の向上を両立させることを基本方針としており、「売上高」および「営業利益率」を重要な経営指標と位置付けております。売上高の拡大を通じて事業基盤の強化を図るとともに、営業利益率については、継続的な業務プロセスの見直しと業務効率化の推進により、収益性の向上を目指しております。具体的には、案件ごとの業務内容の明確化や業務フローの標準化・工数管理の徹底に加え、生成AIを活用した運用支援ツールや提案業務の効率化を通じて、開発費の最適化および生産性の向上を図っております。また、これらの取り組みで得られた知見や運用ノウハウをツールや研修プログラムに反映することで、グループ全体の事業運営効率の底上げを進めております。さらに、当社グループでは「調整後EBITDA(注1)」を補完的な経営指標として位置付けております。この指標は、M&Aにより発生するのれん償却費の影響を除外し、事業の実態に近い収益力やキャッシュ創出力を測る上で有用であり、特に成長投資を伴う当社の経営実態をより的確に把握するものと認識しております。(注1)調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+株式報酬費用 (4) 経営環境「2024年日本の広告費」(株式会社電通)によると、日本の総広告費は社会全体のデジタル化を背景に伸長し、7兆6,730億円(前年比104.9%)となりました。このうち、インターネット広告費は3兆6,517億円(前年比109.6%)と高い成長を示し、総広告費に占める構成比も47.6%に達しております。こうした背景のもと、当社グループが展開するSNSマーケティング事業を取り巻く環境も引き続き拡大傾向にあります。総務省の「令和6年通信利用動向調査」によれば、日本国内におけるソーシャルメディア利用者数は1億人を超えており、特に13〜49歳の9割以上がSNSを利用しているという結果が出ています 。企業においてもSNSの重要性は年々高まっており、帝国データバンクの調査では、社外向けにSNSを活用している企業の割合は40.8%、とりわけBtoC企業では7割超という高い水準を示しています。(注1)一方で、人的リソースの不足や教育体制の未整備により、SNSを十分に活用できていない企業も少なくなく、SNS活用が進んでいない企業の割合は依然として半数近くを占めております。こうした状況に対し、当社グループでは「運用支援」「運用支援ツールの提供」「教育」の3つのソリューションを通じ、企業のSNS活用を支援し、社会的なニーズに応えるサービス提供体制を強化しております。さらに、当社が上場する東京証券取引所グロース市場においては、2025年9月に公表された制度見直しにより、従来の「上場10年経過後の時価総額40億円以上」という上場維持基準から、「上場5年経過後の時価総額100億円以上」へと引き上げる方針が示されております。これに先立ち、当社は2025年1月に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」において、時価総額100億円を中期的な目標として掲げており、すでに戦略的な取り組みを開始しております。今後も、収益基盤の強化や非連続的成長に向けたM&Aの活用、資本政策の柔軟な運用等を通じて、中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。(注1)出処:(株)帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」2023年9月15日発表 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 当社グループ及びサービスの認知度向上当社グループは、SNSマーケティングにおいて「運用支援」「運用支援ツールの提供」「教育」を基軸とし、現代の生活者の情報消費行動に寄り添った包括的なマーケティング支援を展開しております。近年増加する訪日外国人旅行者に対応したインバウンドマーケティング支援をはじめ、企業の世界観をデジタル上で体現するWeb制作サービスや、専門性の高いインフルエンサーを活用したPR施策にも取り組んでおり、企業と生活者の新たな接点の創出に貢献しております。こうした多様なソリューションをより多くの企業へ届けるため、展示会やカンファレンス等の外部イベントへの出展を強化し、サービス認知の向上と見込み顧客の獲得を図るとともに、マーケティング実施体制のさらなる充実を推進してまいります。加えて、資本市場における当社グループの認知度向上を目的としたIR活動にも注力しており、株主・投資家との対話を通じて当社の事業内容や成長戦略に対する理解の促進を図り、株式市場における適正な企業価値評価の獲得に努めてまいります。 ② 人材戦略の強化と生成AIの活用による生産性向上当社グループの持続的成長には、優秀な人材の確保と育成が不可欠であり、採用力の強化とともに、教育体制の整備・拡充を重要な経営課題と捉えております。これに加え、近年急速に進展する生成AI技術の活用は、業務効率の抜本的な改善や、組織ナレッジやノウハウの共有・活用の高度化を実現する手段として極めて重要と認識しております。当社ではAI・DX推進室を中心に、生成AIを活用した業務支援や人材育成の高度化に取り組んでおり、全社的な展開を通じて、人的資本の質的向上と業務生産性の最大化を両立し、企業競争力の一層の強化を図ってまいります。 ③ グループ経営の強化当社グループは、2025年10月31日時点において、7社の連結子会社を保有しております。グループ内各社の強みやノウハウを相互に活かし合い、シナジー効果を最大限に発揮することで、グループ全体としての事業成長と企業価値の向上を図ってまいります。また、2025年10月に決議したAIフュージョンキャピタルグループ株式会社を割当先とする第三者割当増資を契機に、同社およびそのグループ会社や投資先企業との連携を深めてまいります。これにより、AI関連分野をはじめとした新規領域への展開や技術・人材・ビジネスネットワークの活用を通じた協業を推進し、グループ経営のさらなる強化を目指してまいります。 ④ 事業提携、企業買収への積極的な取り組み当社グループが持続的かつ非連続的な成長を実現するためには、既存事業の安定的成長に加えて、将来の成長を担う新たな事業の創出及び拡大が不可欠であると認識しております。その実現に向けては、自社による事業開発に加え、事業提携やM&Aなど外部資源の活用を通じて、新たな事業領域やサービスへの投資を積極的に検討・推進してまいります。投資にあたっては、既存事業の収益状況や財務バランスを踏まえ、許容可能なリスクの範囲内で慎重かつ機動的に意思決定を行う方針です。また、M&Aを成長戦略の柱として継続的かつ効果的に推進するため、専任チームの体制強化を図るとともに、案件の発掘からデューデリジェンス、PMI(買収後統合)に至るまでの一連のプロセスを社内で円滑に遂行できるよう、関係部門との連携体制を強化してまいります。これにより、グループ全体としての経営管理力とシナジー創出力のさらなる向上を目指してまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化当社グループは、企業価値を向上させるため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。業務の適正及び財務諸表の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能するよう、一層の内部管理体制の整備・運用の強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、緩やかな回復基調が見られました。一方で、エネルギー価格や原材料価格の高止まり、円安基調の継続に伴う物価上昇の長期化に加え、地政学リスクや金融政策の影響、さらに米国における通商政策の不透明感などを背景に、企業や消費者のマインドには慎重な傾向が根強く続いており、景気の先行きについては依然として不透明感が残る状況となっております。当社グループが事業を展開するデジタルマーケティング領域におきましては、国内外の様々な影響を受けつつも、社会活動のデジタル化を背景に高い成長率を維持し、「2024年日本の広告費」(株式会社電通)によると、インターネット広告市場は前年比9.6%増の3兆6,517億円となりました。当社グループは、「人に地球に共感を」をパーパスに掲げ、現代の生活者の情報消費行動に寄り添い、共感を重視したマーケティング活動「愛されるマーケティング」を推進するマーケティング企業グループです。近年、ITテクノロジーやプラットフォームの進展により、多チャネル化が加速し、生活者との継続的なコミュニケーションの重要性が一層高まっております。このような環境のもと、当社グループは、SNSマーケティングの運用支援をはじめ、運用支援ツールの提供、教育、Webサイトの企画・制作、Web広告運用、Webコンサルティング、マーケティングオートメーションの導入支援など、マーケティングプロセス全体にわたる多様なソリューションを提供しております。また、ITツールやAI技術の活用を通じて、企業のマーケティング活動の効率化にも貢献しております。当社グループは、「最も愛されるマーケティンググループを創る」というグループミッションのもと、2025年1月に公表した中期経営計画に基づき、①既存事業の安定的成長、②新規領域(海外展開・インバウンドプロモーション、XR・Web3等)の早期立ち上げ、③M&Aによる非連続的成長を柱に、持続的な企業価値の向上に取り組んでおります。当連結会計年度におきましては、M&A戦略の一環として、2024年11月にはWeb制作・広告運用・コンサルティングに強みを持つ株式会社ユニオンネットをグループに迎え、同社の顧客基盤と技術力を活かしたソリューション展開を推進するとともに、東京オフィスを開設し、首都圏における営業体制の強化とグループ連携の深化を図りました。2024年12月には、SNSマーケティング支援を担う既存グループ会社の株式会社コムニコが、日本最大級の食インフルエンサーネットワークを保有する「ライフインザキッチン」事業を譲受し、既存事業の競争力強化とシナジー創出を推進いたしました。2025年2月には、訪日外国人旅行者向けプロモーション支援の強化を目的として、連結子会社「株式会社インバウンド・バズ」を新設し、TALONTRAVEL CO., LTD.よりインバウンドメディア「Talon Japan」事業を譲り受けました。これにより、タイ市場を中心とした東南アジアからのインバウンド需要に対応したプロモーション体制を強化しております。また、2025年9月には、LINE公式アカウントの運用支援に強みを持つ株式会社エルマーケの子会社化に向けた基本合意書を締結いたしました。さらに、成長戦略の資金基盤を支える施策として、2025年10月にはAIフュージョンキャピタルグループ株式会社を割当先とする第三者割当増資を決議し、M&Aおよび新規事業投資に充てる資金を確保いたしました。新規事業では、XR領域において、株式会社ABALとの資本業務提携により、XRを活用したアトラクションの事業化が進展しました。インバウンド関連では、他社との連携によるターゲティング広告導入や、店舗や飲食店への送客支援などの訪日観光客向けサービスを多面的に展開しました。既存事業の強化では、SNS運用支援領域におけるプロダクト強化が進展しています。株式会社コムニコでは、TikTok Shopの店舗運用支援サービスを開始し、SNSコマース市場への対応を強化しております。また、「AIリプライアシスト」の対応プラットフォームをInstagramおよびTikTokへ拡張し、SNS運用の支援業務の効率化とエンゲージメント強化を推進しました。加えて、自社開発のSNS運用支援ツールに生成AIによる投稿文作成機能を追加し、より質の高い運用を少ない工数で可能とする機能開発に継続して取り組んでおります。 人材教育においても、株式会社ジソウが提供する「SNS担当者スキルアップメニュー」の導入が進んだほか、SNSエキスパート協会による検定受講者数は累計7,000人を突破し、SNS実務者の育成および業界全体のスキル底上げに貢献しております。また、全社横断の取り組みとしてAI・DX推進室を設置し、AIを活用した提案書作成支援やプロンプトの標準化、社内研修プログラムの整備などを通じて、グループ全体の業務生産性向上にも取り組んでおります。これらの施策を通じて、当社グループは既存事業の収益基盤を着実に強化するとともに、新たな市場・領域への展開を同時に進め、次なる成長ステージに向けた企業価値の向上に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は2,630,574千円(前期比21.7%増)、営業利益160,351千円(前期比16.9%増)、経常利益166,826千円(前期比12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益133,175千円(前期比83.4%増)となりました。 なお、当連結会計年度より、「マーケティング事業」の単一セグメントに変更したため、セグメント別の記載を省略しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ18,561千円増加し1,483,140千円となりました。これは主に現金及び預金が115,715千円減少した一方、売掛金が80,870千円、未収還付法人税等が33,884千円、その他流動資産が19,302千円増加したこと等によります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ173,152千円増加し、435,239千円となりました。これは主にのれんが92,576千円、繰延税金資産が49,572千円増加したこと等によります。その結果、資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ191,713千円増加し1,918,379千円となりました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ107,160千円増加し、992,839千円となりました。これは主に未払金が97,905千円、未払法人税等が65,761千円減少した一方、買掛金が21,028千円、短期借入金が108,400千円、1年内返済予定の長期借入金が34,133千円、契約負債が28,977千円増加したこと等によります。固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ73,744千円減少し、461,103千円となりました。これは主に長期借入金が72,964千円減少したこと等によります。その結果、負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ33,416千円増加し、1,453,943千円となりました。(純資産)当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ158,296千円増加し、464,436千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が133,175千円増加したこと等によります。この結果、自己資本比率は21.9%(前連結会計年度末は15.1%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ115,715千円減少し、870,697千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動におけるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、1,891千円(前期は261,409千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益146,633千円、のれん償却額40,380千円の資金の増加要因があった一方、未払金の減少額122,827千円、法人税等の支払額132,884千円の資金の減少要因があったこと等によるものであります。(投資活動におけるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、112,324千円(前期は9,419千円の支出)となりました。これは主に事業譲受による支出116,465千円等によるものであります。 (財務活動におけるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、6,134千円(前期は65,359千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増減額108,400千円の資金の増加要因があった一方、長期借入金の返済による支出267,431千円の資金の減少要因があったこと等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社グループのサービス提供は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載は省略しております。 b 受注状況当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c 販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度よりマーケティング事業の単一セグメントに変更しているため、サービス別に記載しております。サービス区分販売高(千円)前年同期比(%)SNSアカウント運用支援1,719,447105.5SaaS型SNS運用支援ツール454,050109.7人材教育12,25082.9DX支援444,826429.7合計2,630,574121.7 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析(売上高)売上高は2,630,574千円(前期比21.7%増)となりました。これは主に、デジタルマーケティング市場全体の成長とその市場の中でもSNSマーケティングの需要の高まりにより、SNSアカウント運用支援サービスが大きく増収したことによるものです。 (売上原価、売上総利益)売上原価は1,360,377千円(前期比31.6%増)となりました。これは主に、売上高に伴う外注費の発生、体制強化のための従業員数増加による労務費の発生によるものであります。この結果、売上総利益は1,270,197千円(前期比12.6%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は1,109,845千円(前期比12.0%増)となりました。これは主に、営業及びサービス提供体制の強化を企図し、株式会社コムニコのセールスやカスタマーサクセス等の人員を増やしたことや、M&Aに伴うデューデリジェンス費用などの発生によるものであります。この結果、営業利益は160,351千円(前期比16.9%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)営業外収益は22,154千円(前期比20.6%増)となりました。これは主に、為替差益と受取手数料によるものであります。営業外費用は15,679千円(前期比103.4%増)となりました。この主な内訳は支払利息であります。この結果、経常利益は166,826千円(前期比12.8%増)となりました。 (特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)法人税等合計は12,235千円(前期比82.7%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は133,175千円(前期比83.4%増)となりました。 b 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「3.事業等のリスク」に含めて記載しております。 c 財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 d キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、事業拡大のための人件費、採用教育費、広告宣伝費であります。投資を目的とした資金需要は、M&A投資によるものであります。これらの必要資金については、自己資本を基本としつつ、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。