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FY2025|4,224 文字|出典 docID: S100XUQY
3【事業の内容】(1)ミッション 当社グループは「プロジェクト型社会の創出」をミッションに掲げております。 日本経済はバブル期以降長らく停滞が続いてきましたが、これは工業資本主義から情報資本主義に世界が転換し、求められる人材の質が、言われたことを速く・正確にこなす“タスク型の人材”から、自らの力でプロジェクトを推進できる“プロジェクト型の人材”に変わってきている中、残念ながら我が国の主要産業ではその変革が十分に進んでこなかったことに起因していると捉えています。 私たちは、日本企業が旧来型の縦割り・上意下達の「タスク型」の組織構造を脱却し、自らの力でプロジェクトを推進できる人材がミッションに基づいて有機的に結び付き、目的に向かってチームとして結集する「プロジェクト型」の体制に変革していくことが、日本社会が活力を取り戻す唯一の道と考えております。そのため、プロジェクト型の人材の輩出、そして事業を通じて日本企業を変革していくことを目指しています。 (2)事業概要 当社グループは、当社、連結子会社(株式会社プロジェクトカンパニー、株式会社アルトワイズ、株式会社Dr.健康経営)の計4社で構成されており、「デジタルトランスフォーメーション事業」「DX×テクノロジー事業」「DX×HR事業」の3セグメントでデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる業務支援サービスを提供しています。 当社グループが属するデジタルトランスフォーメーション市場は、DX関連の国内市場規模が2030年に8兆円を超えるといった試算があるなど拡大基調の市場であり、国内企業においてDXへの取組みが浸透している状況です。一方で、「DX動向2025」(独立行政法人情報処理推進機構)によると、DXを推進する人材の「量」について、2021年から2024年にわたって「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業が約8割を占めているなどDXを推進する人材は多くの企業で不足しており、DXへの取組みによる、将来像やアクションの具体化が行えていない状況であると推察しています。 また、こうしたDXの急速な進展等に伴ってビジネス展開のスピードが求められるようになる中、大企業を中心に、経営戦略・事業戦略の実行を担う部課長など中間管理職層のキャパシティ不足が、戦略実行推進のボトルネックとなっていると考えております。 当社グループは、当事者意識・現場感を大切にして伴走し部課長が抱える課題をトータルサポートするパートナーになるべく、事業会社の部門を問わずビジネスを横断的に支援するポジションを取っております。また、適切なソリューションを組み合わせて導入・運用まで伴走していくスタイルを志向し、プロジェクト単位のコンサルティングに留まらず、顧客企業の事業グロースを支援しています。 各セグメントの位置付け及び事業内容は以下のとおりです。 (デジタルトランスフォーメーション事業) 本セグメントではコンサルティングサービス、マーケティングサービス、UIscopeサービスの3サービスを提供しています。 コンサルティングサービスにおいては、主に部課長といったミドル層に対してDXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っております。従来の経営コンサルティングは、主に経営層を対象に経営戦略・事業戦略の策定を支援するものでした。一方、デジタル化の急速な進展等に伴って、ビジネス展開のスピードが求められるようになる中、大企業を中心にミドル層のキャパシティ不足がボトルネック化していると考えております。こうした大企業ミドル層のボトルネックを解消し、顧客の事業グロースを実現するため、ミドル層に対して実際の事業展開の実行を支援しております。新規事業開発については、新たな収益源を創出したいという顧客へ事業立ち上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討、整理するなどの支援を行っております。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により、PL計画の達成等を支援しております。また、業務改善という観点からはRPA※1・BI※2ツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革など生産性向上のための支援を行っております。また、これらの支援に加え、2025年1月にAIコンサルティング本部を新設するなど、AIの利活用推進の支援も行っております。現在、AI技術は既存業務の効率化やイノベーションを生み出す期待から、顧客企業において、経営ビジョンや中期経営計画へのAI利活用推進の方針の組込や、AIタスクフォースやAI CoE※3の組成等、取り組みニーズが高まっているものの、AI活用推進のためのリソースや知見が足りておらず、進捗が芳しくないといった課題が見受けられます。そこで、当社の専門知見を持ったAIコンサルタントが顧客企業内でのAI利活用推進の旗振り役となり、AI利活用プロジェクトの推進を支援しております。 直近は、各種政策の効果や雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな持ち直しがみられた一方、物価上昇や外部環境の不確実性が継続し、企業においては生産性向上・収益力強化に向けた取り組みが引き続き重要となりました。この状況を踏まえ、各社がDXを通じた新規サービス展開等に着手していることに加え、既存クライアントにおける事業変革(業務変革・組織変革・オペレーション改革・データ利活用等)テーマの拡大に伴い、当社グループによる支援需要が堅調に推移し、コンサルティングサービスの売上を牽引しております。 マーケティングサービスにおいては、戦略検討から実行までを支援しており、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っております。ただし、前連結会計年度末をもって株式会社DCXforceの全株式を譲渡し当社の連結の範囲から除外された影響により、「マーケティングサービス」の売上高は前年同期比で大幅な減少となっております。 UIscopeサービスにおいては、UI/UX※5の改善のためのユーザビリティテストサービスである「UIscope」を活用し、サービス体験の改善・設計を支援しております。「UIscope」は、スマートフォンアプリ・サイトに特化し、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することでUI/UXを改善していくサービスです。これまでの案件実績をもとに蓄積したUI/UX改善ノウハウをもとに、定性的なユーザビリティ評価が可能なサービスとして独自性を有しております。スポットでサービスのUI/UXを調査・レポーティングした顧客について、その後中長期的にサービス体験の改善支援を行う提案を積極的に行うことで、UIscopeサービスから他サービスの継続的な支援へのアップセル※6にも成功しております。 本セグメントの主な関係会社は、株式会社プロジェクトカンパニーです。 (DX×テクノロジー事業) 本セグメントでは、IT企業などを顧客として、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が顧客企業に常駐し、システム開発・運用保守業務やソフトウエアテスト業務を支援するテクノロジーサービスを提供しています。 事業会社の事業グロースの過程では、システム開発工程において要件定義書や設計書に沿ったコーディング、システムテスト工程ではテスト項目作成・実施や抽出された不具合修正、またサービスリリース後には運用保守・機能追加開発の対応といったシステムエンジニアの業務が多く発生しております。そのため、デジタルトランスフォーメーション事業で支援する新規事業開発案件の下流工程を担う形でのシナジーも一部において顕在化しており、商流の上位化による当セグメントの売上総利益率が向上しております。 主な関係会社は、株式会社アルトワイズです。 (DX×HR事業) 本セグメントでは、企業の人事労務部門を顧客としてヘルスケアサービスを提供しています。 ヘルスケアサービスでは、産業医紹介サービス「産業医コンシェルジュ」を主軸として、顧客に対して従業員の健康やメンタルヘルスケアを支援しており、ストレスチェック制度の義務化や働き方改革関連法の施行、COVID-19の感染拡大を契機としたテレワークの普及等を背景に事業を拡大しています。また、専門資格を有する保健師を顧客企業に派遣し、健康経営に関する課題解決を支援する「保健師コンサルティングサービス」も伸長しております。 ただし、前連結会計年度の2024年5月をもって「HRソリューションサービス」を手掛けていた株式会社プロジェクトHRソリューションズの全株式を譲渡し、当社の連結の範囲から除外されたことが、「DX×HR事業」の売上高の前年同期比での減少要因となっております。 主な関係会社は、株式会社Dr.健康経営です。 これら3セグメントについて、2025年12月期における売上構成は、デジタルトランスフォーメーション事業が72.7%、DX×テクノロジー事業が23.4%、DX×HR事業が3.9%となっております。 (3)事業系統図 ※1.RPAとは、Robot Process Automationの略であり、定型的な事務作業をソフトウェアが自動化する仕組みです。※2.BIとは、Business Intelligenceツールの略であり、企業が保有するデータを集計・分析し、経営判断に活用するためのツールです。※3.AI CoEとは、AI Center of Excellenceの略であり、AIに関する専門知識を集約し、全社的な活用推進をリードする組織です。※4.LPとは、Landing Pageの略であり、商品やサービスの紹介や問い合わせの受け付け、集客に特化したWebページのことを指します。※5.UI/UXとは、ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンスの略であり、それぞれ、Webサイトのデザインやフォント等ユーザーの視覚に触れる情報、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを指します。※6.アップセルとは、顧客が購入済みのものと比べてより単価の高いモノ・サービスの購買を促すことを指します。
FY2024|4,237 文字|出典 docID: S100VIYR
3【事業の内容】(1)ミッション 当社グループは「プロジェクト型社会の創出」をミッションに掲げております。 日本経済はバブル期以降長らく停滞が続いてきましたが、これは工業資本主義から情報資本主義に世界が転換し、求められる人材の質が、言われたことを速く・正確にこなす“タスク型の人材”から、自らの力でプロジェクトを推進できる“プロジェクト型の人材”に変わってきている中、残念ながら我が国の主要産業ではその変革が十分に進んでこなかったことに起因していると捉えています。 私たちは、日本企業が旧来型の縦割り・上意下達の「タスク型」の組織構造を脱却し、自らの力でプロジェクトを推進できる人材がミッションに基づいて有機的に結び付き、目的に向かってチームとして結集する「プロジェクト型」の体制に変革していくことが、日本社会が活力を取り戻す唯一の道と考えております。そのため、プロジェクト型の人材の輩出、そして事業を通じて日本企業を変革していくことを目指しています。 (2)事業概要 当社グループは、当社、連結子会社(株式会社プロジェクトカンパニー、株式会社アルトワイズ、株式会社Dr.健康経営)の計4社で構成されており、「デジタルトランスフォーメーション事業」「DX×テクノロジー事業」「DX×HR事業」の3セグメントでデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる業務支援サービスを提供しています。 当社グループが属するデジタルトランスフォーメーション市場は、DX関連の国内市場規模が2030年に8兆円を超えるといった試算があるなど拡大基調の市場であり、国内企業においてDXへの取組みが浸透している状況です。一方で、「DX動向2024」(独立行政法人情報処理推進機構)によると、DXを推進する人材の「量」について、2021年から2023年にわたって「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業が約8割を占めているなどDXを推進する人材は多くの企業で不足しており、DXへの取組みによる、将来像やアクションの具体化が行えていない状況であると推察しています。 また、こうしたDXの急速な進展等に伴ってビジネス展開のスピードが求められるようになる中、大企業を中心に、経営戦略・事業戦略の実行を担う部課長など中間管理職層のキャパシティ不足が、戦略実行推進のボトルネックとなっていると考えております。 当社グループは、当事者意識・現場感を大切にして伴走し部課長が抱える課題をトータルサポートするパートナーになるべく、事業会社の部門を問わずビジネスを横断的に支援するポジションを取っております。また、適切なソリューションを組み合わせて導入・運用まで伴走していくスタイルを志向し、プロジェクト単位のコンサルティングに留まらず、顧客企業の事業グロースを支援しています。 各セグメントの位置付け及び事業内容は以下のとおりです。 (デジタルトランスフォーメーション事業) 本セグメントではコンサルティングサービス、マーケティングサービス、UIscopeサービスの3サービスを提供しています。 コンサルティングサービスにおいては、主に部課長といったミドル層に対してDXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っております。従来の経営コンサルティングは、主に経営層を対象に経営戦略・事業戦略の策定を支援するものでした。一方、デジタル化の急速な進展等に伴って、ビジネス展開のスピードが求められるようになる中、大企業を中心にミドル層のキャパシティ不足がボトルネック化していると考えております。こうした大企業ミドル層のボトルネックを解消し、顧客の事業グロースを実現するため、ミドル層に対して実際の事業展開の実行を支援しております。新規事業開発については、新たな収益源を創出したいという顧客へ事業立ち上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討、整理するなどの支援を行っております。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により、PL計画の達成等を支援しております。また、業務改善という観点からはRPA※1・BI※2ツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革など生産性向上のための支援を行っております。また、これらの支援に加え、2025年1月にAIコンサルティング本部を新設するなど、AIの利活用推進の支援も行っております。現在、AI技術は既存業務の効率化やイノベーションを生み出す期待から、顧客企業において、経営ビジョンや中期経営計画へのAI利活用推進の方針の組込や、AIタスクフォースやAI CoE※3の組成等、取り組みニーズが高まっているものの、AI活用推進のためのリソースや知見が足りておらず、進捗が芳しくないといった課題が見受けられます。そこで、当社の専門知見を持ったAIコンサルタントが顧客企業内でのAI利活用推進の旗振り役となり、AI利活用プロジェクトの推進を支援しております。直近は、各種政策の効果や雇用・所得環境の改善、個人消費の回復などにより経済情勢・事業環境が緩やかに持ち直していくと期待されております。この状況を踏まえ、各社がDXを通じた新規サービス展開等に着手していることもあり、新規事業開発支援のニーズが強く、コンサルティングサービスの売上を牽引しております。 マーケティングサービスにおいては、X(旧 Twitter)、Instagram等のSNS運用支援、Webサイト改善、マーケティングコンサルティングのサービスを提供しております。SNS運用支援においては顧客のSNSを通じたブランディング・集客促進を、Webサイト改善においては集客や販売促進につながるWebサイト・LP※4の改善を行っております。また、マーケティングコンサルティングにおいては、デジタルマーケティングにおける戦略検討から実行までを支援しており、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っております。実態としては、SNSの運用における支援実績を評価いただき、より広範なデジタルマーケティングの戦略立案などに関するご相談をいただく、というような形での案件創出を行う事業構造となっております。ただし、2024年11月26日付適時開示「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」のとおり、12月27日をもって「マーケティングサービス」を手掛ける株式会社DCXforceの全株式を譲渡し当社の連結の範囲から除外されております。 UIscopeサービスにおいては、UI/UX※5の改善のためのユーザビリティテストサービスである「UIscope」を活用し、サービス体験の改善・設計を支援しております。「UIscope」は、スマートフォンアプリ・サイトに特化し、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することでUI/UXを改善していくサービスです。これまでの案件実績をもとに蓄積したUI/UX改善ノウハウをもとに、定性的なユーザビリティ評価が可能なサービスとして独自性を有しております。スポットでサービスのUI/UXを調査・レポーティングした顧客について、その後中長期的にサービス体験の改善支援を行う提案を積極的に行うことで、UIscopeサービスから他サービスの継続的な支援へのアップセル※6にも成功しております。 本セグメントの主な関係会社は、株式会社プロジェクトカンパニーです。 (DX×テクノロジー事業) 本セグメントでは、IT企業などを顧客として、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が常駐し、システム開発・運用保守業務やソフトウエアテスト業務を支援するテクノロジーサービスを提供しています。 事業会社の事業グロースの過程では、システム開発工程において要件定義書や設計書に沿ったコーディング、システムテスト工程ではテスト項目作成・実施や抽出された不具合修正、またサービスリリース後には運用保守・機能追加開発の対応といったシステムエンジニアの業務が多く発生しております。そのため、デジタルトランスフォーメーション事業で支援する新規事業開発案件の下流工程を担う形でのシナジーも一部において顕在化しており、商流の上位化による当セグメントの売上総利益率が向上しております。 主な関係会社は、株式会社アルトワイズです。 (DX×HR事業) 本セグメントでは、企業の人事労務部門を顧客としてヘルスケアサービスを提供しています。 ヘルスケアサービスでは、産業医紹介サービス「産業医コンシェルジュ」を主軸として、顧客に対して従業員の健康やメンタルヘルスケアを支援しており、ストレスチェック制度の義務化や働き方改革関連法の施行、COVID-19の感染拡大を契機としたテレワークの普及等を背景に事業を拡大しています。 主な関係会社は、株式会社Dr.健康経営です。 これら3セグメントについて、2024年12月期における売上構成は、デジタルトランスフォーメーション事業が75.1%、DX×テクノロジー事業が19.1%、DX×HR事業が5.9%となっております。 (3)事業系統図 ※1.RPAとは、Robot Process Automationの略であり、定型的な事務作業をソフトウェアが自動化する仕組みです。※2.BIとは、Business Intelligenceツールの略であり、企業が保有するデータを集計・分析し、経営判断に活用するためのツールです。※3.AI CoEとは、AI Center of Excellenceの略であり、AIに関する専門知識を集約し、全社的な活用推進をリードする組織です。※4.LPとは、Landing Pageの略であり、商品やサービスの紹介や問い合わせの受け付け、集客に特化したWebページのことを指します。※5.UI/UXとは、ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンスの略であり、それぞれ、Webサイトのデザインやフォント等ユーザーの視覚に触れる情報、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを指します。※6.アップセルとは、顧客が購入済みのものと比べてより単価の高いモノ・サービスの購買を促すことを指します。
FY2023|3,857 文字|出典 docID: S100T4ZY
3 【事業の内容】(1) ミッション当社グループは「プロジェクト型社会の創出」をミッションに掲げております。日本経済はバブル期以降長らく停滞が続いてきましたが、これは工業資本主義から情報資本主義に世界が転換し、求められる人材の質が、言われたことを速く・正確にこなす“タスク型の人材”から、自らの力でプロジェクトを推進できる“プロジェクト型の人材”に変わってきている中、残念ながら我が国の主要産業ではその変革が十分に進んでこなかったことに起因していると捉えています。私たちは、日本企業が旧来型の縦割り・上意下達の「タスク型」の組織構造を脱却し、自らの力でプロジェクトを推進できる人材がミッションに基づいて有機的に結び付き、目的に向かってチームとして結集する「プロジェクト型」の体制に変革していくことが、日本社会が活力を取り戻す唯一の道と考え、プロジェクト型の人材の輩出、そして事業を通じて日本企業を変革していくことを目指しています。 (2) 事業概要当社グループは、当社、連結子会社(株式会社DCXforce、株式会社プロジェクトテクノロジーズ、株式会社アルトワイズ、株式会社プロジェクトHRソリューションズ、株式会社ポテンシャル、株式会社Dr.健康経営)の計7社で構成されており、「デジタルトランスフォーメーション事業」「DX×テクノロジー事業」「DX×HR事業」の3セグメントでデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる業務支援サービスを提供しています。 当社グループが属するデジタルトランスフォーメーション市場は拡大基調の市場であり、国内のDX関連投資額は2019年から2030年まで年平均成長率13%で増加し、2030年には約3兆円の市場規模となること、また当該DX関連投資額の拡大はほぼ全ての業種に当てはまることが予測されています(株式会社富士キメラ総研『2020デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』)。また、「DXレポート2.2」(経済産業省公表)によれば、デジタルトランスフォーメーションに「具体的に取り組んでいる」「具体的な取組を検討している」と回答した企業が約7割を占める一方、うち「成果が出ている」とした企業は1割未満に留まります。この状況は、事業会社におけるITに精通した人材の不足、IT領域を特定のサプライヤによる個社最適なシステムのスクラッチ開発※1 に過度に依存することによる経営とITの分断、さらにDXソリューションが多数供給されている中で適切なサプライヤ選定が困難であることなどの我が国IT業界の構造的課題に起因しているものと捉えています。当社グループは、事業会社の部門を問わずビジネスを横断的に支援するポジションを取り、適切なソリューションを組み合わせて導入・運用まで伴走していくスタイルを志向し、プロジェクト単位のコンサルティングに留まらず、顧客企業の事業グロースを支援しています。 各セグメントの位置付け及び事業内容は以下のとおりです。 (デジタルトランスフォーメーション事業)本セグメントではコンサルティングサービス、マーケティングサービス、UIscopeサービスの3サービスを提供しています。コンサルティングサービスにおいては、DXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っております。新規事業開発により新たな収益源を創出したいという顧客へは事業立ち上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討、整理するなどの支援を行っております。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により、PL計画の達成等を支援しております。また、業務改善という観点からはRPA・BIツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革など生産性向上のための支援を行っております。日本の大手企業※2 におけるデジタル化ニーズを的確に捉えて案件を受注することで、コンサルティングサービスの売上高は創業来拡大を継続しております。直近は、特に原材料価格の上昇や円安の進行、人材不足・賃金上昇といった経済情勢・事業環境を踏まえ、各社がDXを通じた新規サービス展開等に着手していることもあり、新規事業開発支援のニーズが強く、コンサルティングサービスの売上を牽引しております。マーケティングサービスにおいては、Twitter、Instagram等のSNS運用支援、Webサイト改善、マーケティングコンサルのサービスを提供しております。SNS運用支援においては顧客のSNSを通じたブランディング・集客促進を、Webサイト改善においては集客や販売促進につながるWebサイト・LP※3 の改善を行っております。また、マーケティングコンサルにおいては、デジタルマーケティングにおける戦略検討から実行までを支援しており、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っております。実態としては、SNSの運用における支援実績を評価いただき、より広範なデジタルマーケティングの戦略立案などに関するご相談をいただく、というような形での案件創出を行う事業構造となっております。UIscopeサービスにおいては、UI/UX※4 の改善のためのユーザビリティテストサービスである「UIscope」を活用し、サービス体験の改善・設計を支援しております。「UIscope」は、スマートフォンアプリ・サイトに特化し、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することでUI/UXを改善していくサービスです。これまでの案件実績をもとに蓄積したUI/UX改善ノウハウをもとに、定性的なユーザビリティ評価が可能なサービスとして独自性を有しており、受注案件の約8割をインバウンド※5 で獲得しております。スポットでサービスのUI/UXを調査・レポーティングした顧客について、その後中長期的にサービス体験の改善支援を行う提案を積極的に行うことで、UIscopeサービスから他サービスの継続的な支援へのアップセル※6 にも成功しております。本セグメントの主な関係会社は、株式会社プロジェクトカンパニー、株式会社DCXforceです。 (DX×テクノロジー事業)本セグメントでは、IT企業などを顧客として、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が常駐し、システム開発・運用保守業務やソフトウエアテスト業務を支援するテクノロジーサービスを提供しております。事業会社の事業グロースの過程では、システム開発工程において要件定義書や設計書に沿ったコーディング、システムテスト工程ではテスト項目作成・実施や抽出された不具合修正、またサービスリリース後には運用保守・機能追加開発の対応といったシステムエンジニアの業務が多く発生するため、デジタルトランスフォーメーション事業で支援する新規事業開発案件の下流工程を担う形でのシナジーも一部において顕在化しており、商流の上位化による当セグメントの売上総利益率が向上しております。主な関係会社は、株式会社プロジェクトテクノロジーズ、株式会社アルトワイズです。 (DX×HR事業)本セグメントでは、企業の人事労務部門を顧客としてHRソリューションサービス及びヘルスケアサービスを提供しています。HRソリューションサービスでは、幅広い業界の企業に対して、採用戦略の調査・検討から目標設定、実際の採用業務の代行といった採用領域の支援や、エンジニアを中心とするDX人材のスキル査定を含む人事評価制度の設計・運用や離職率引き下げ施策の検討・実行などの人事労務領域の支援を提供しています。ヘルスケアサービスでは、産業医紹介サービス「産業医コンシェルジュ」を主軸として、顧客に対して従業員の健康やメンタルヘルスケアを支援しており、ストレスチェック制度の義務化や働き方改革関連法の施行、COVID-19の感染拡大を契機としたテレワークの普及等を背景に事業を拡大しています。主な関係会社は、株式会社プロジェクトHRソリューションズ、株式会社ポテンシャル、株式会社Dr.健康経営です。 これら3セグメントについて、2023年12月期における売上構成は、デジタルトランスフォーメーション事業が73.6%、DX×テクノロジー事業が19.2%、DX×HR事業が7.3%となっております。 (3) 事業系統図 ※1.スクラッチ開発とは、システムやソフトウエアをゼロから業務に細かく合わせてオーダーメイドで開発する方式のことを指します。※2.日本の大手企業とは、日本国内に本社が登記されている売上高100億円以上の企業を指します。※3.LPとは、Landing Pageの略であり、商品やサービスの紹介や問い合わせの受け付け、集客に特化したWebページのことを指します。※4.UI/UXとは、ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンスの略であり、それぞれ、Webサイトのデザインやフォント等ユーザーの視覚に触れる情報、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを指します。※5.インバウンドとは、積極的な営業活動を通じてではなく、顧客からの問い合わせにより受注へ結び付くことを指します。※6.アップセルとは、顧客が購入済みのものと比べてより単価の高いモノ・サービスの購買を促すことを指します。
FY2022|7,305 文字|出典 docID: S100QH0V
3 【事業の内容】(1) ビジョン当社グループは「プロジェクト型社会の創出」を創業来、理念に掲げております。バブル経済の崩壊以来、日本企業の競争力は年々低下しており、平成期における不況は「失われた30年」と振り返られるようになりました。PwC調査レポート『長期的な経済展望 世界の経済秩序は2050年までにどう変化するのか?』によると、日本のGDPの2050年における順位は、8位まで下がると予想されています。そのような中、当社グループは、日本企業の競争力を取り戻し、日本経済を再び活性化させるためには、日本企業が従来の縦割り型の組織形態から脱却し、プロジェクトごとに成果にコミット可能なプロフェッショナル人材を集め、成果に拘るプロジェクトベースの組織の集合体に変革する必要があると考えます。その実現に向けて、当社グループは「プロジェクト型社会の創出」を理念として掲げ、大手企業におけるデジタルを活用した新規事業開発、既存事業におけるデジタルを活用した業務効率化、デジタル系新規事業におけるUI/UX※1の改善等、デジタルトランスフォーメーション※2(DX)の実現をデジタルトランスフォーメーション事業、DX×テクノロジー事業、DX×HR事業の三本柱により一気通貫で支援しております。 (2) 事業の概要当社グループの主たる業務は、準委任契約に基づきデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わるアドバイザリーを提供する「デジタルトランスフォーメーション事業」です。DXとは、テクノロジーを活用し、企業の事業モデルや業務プロセスを変革し、新たな付加価値の創出を目的とする取組と考えております。DXにおいて活用されるテクノロジーは、AI※4・RPA※5・ブロックチェーン※6・IoT※7・BI※8ツール・チャットボット※9・マーケティングオートメーション※10等、多岐にわたります。また、前記した内容に限らず、ビジネスにおいて実用に耐えうる新たなテクノロジーが生まれた際には、そのテクノロジーを企業に速やかに導入するよう提案していくことが当社グループの使命であると考えております。当社グループが属するデジタルトランスフォーメーション市場は拡大基調の市場であり、国内のDX関連投資額は2019年から2030年まで年平均成長率13%で増加していき、結果2030年には約3兆円の市場規模となると予測されております(㈱富士キメラ総研『2020デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』)。拡大を後押しする要因として、①日本企業の構造的課題による生産性の低さ、②政府によるDXの後押し、③新型コロナウイルス感染症の流行によるニューノーマルの常態化があげられます。①は2014年の『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』(経済産業省公表。通称『伊藤レポート』)で問題提起が行われ、2015年の㈱東京証券取引所によるコーポレートガバナンス・コード制定によって上場企業における持続的成長と中長期的な企業価値向上のための実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則が明記されました。また、2018年の『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』(経済産業省公表)により、さらにDX推進の機運が高まっており、DXが経営上の課題だと認識している企業からの当社グループへの引き合いも堅調に推移していると実感しております。日本市場については、日本企業の生産性の問題が指摘されているとはいえGDP上位の市場であり、その中でもDXに向けた予算については市場の拡大とともに増加していくと予想され、市場としては魅力的であると考えております。さらに、②の政府による後押しでは、デジタル庁の新設や経済産業省によるDX銘柄及びDX注目企業の選定等、国をあげて制度設計を行い、DX推進を後押ししている状況です。③新型コロナウイルス感染症の流行は、当初、顧客である日本企業の業績が悪化するという観点から、当社グループの業績にもネガティブな影響があるのではないかと警戒しておりました。結果的には、新型コロナウイルス感染症が業務のデジタル化を促進するなど、ニューノーマルへの対応という観点でDX市場の拡大要因となり、当社グループ業績に対してもポジティブな影響をもたらしたと判断しております。このような事業環境下でサービスを提供している各セグメントは以下のとおりです。 (デジタルトランスフォーメーション事業)当社グループが行っているデジタルトランスフォーメーション事業は、コンサルティングサービス、マーケティングサービス、UI/UXサービスの3つに分かれます。コンサルティングサービスにおいては、DXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っております。新規事業開発により新たな収益源を創出したいという顧客へは事業立ち上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討、整理するなどの支援を行っております。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により、PL計画の達成等を支援しております。また、業務改善という観点からはRPA・BIツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革など生産性向上のための支援を行っております。日本の大手企業※11におけるデジタル化ニーズを的確に捉えて案件を受注することで、コンサルティングサービスの売上高は創業来拡大を継続しております。直近は、特に新型コロナウイルス感染症流行拡大の経済情勢・事業環境を踏まえ、各社がDXを通じた新規サービス展開等に着手していることもあり、新規事業開発支援のニーズが強く、コンサルティングサービスの売上を牽引しております。マーケティングサービスにおいては、Twitter、Instagram等のSNS運用支援、Webサイト改善、マーケティングコンサルのサービスを提供しております。SNS運用支援においては顧客のSNSを通じたブランディング・集客促進を、Webサイト改善においては集客や販売促進につながるWebサイト・LP※12の改善を行っております。また、マーケティングコンサルにおいては、デジタルマーケティングにおける戦略検討から実行までを支援しており、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っております。実態としては、SNSの運用における支援実績を評価いただき、より広範なデジタルマーケティングの戦略立案などに関するご相談をいただく、というような形での案件創出を行う事業構造となっております。UI/UXサービスにおいては、UI/UXの改善のためのユーザビリティテストサービスである「UIscope」を活用し、サービス体験の改善・設計を支援しております。「UIscope」は、スマートフォンアプリ・サイトに特化し、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することで、UI/UXを改善していくサービスです。2022年12月期において案件の82%をインバウンド※13で獲得しており、またこれまでの案件実績(事業譲受から2022年12月末までの累計導入企業数は178社)をもとに幅広いサービス、プロダクトのUI/UX改善ノウハウを蓄積することができております。スポットでサービスのUI/UXを調査・レポーティングした顧客について、その後中長期的にサービス体験の改善支援を行う提案を積極的に行うことで、UI/UXサービス内のショット案件から継続的な支援へのアップセル※14に成功しております。主な関係会社は、株式会社プロジェクトカンパニー、株式会社プロジェクトパートナーズ、株式会社プロジェクトデジタルマーケティングです。 (DX×テクノロジー事業)当社グループが行っているDX×テクノロジー事業は、IT企業などを顧客として、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が常駐し、システム開発・運用保守業務やソフトウエアテスト業務を支援するテクノロジーサービスを提供しております。事業会社のサービスリリースに向けては、システム開発工程において要件定義書や設計書に沿ったコーディング支援、システムテスト工程ではテスト項目作成・実施や抽出された不具合修正支援、またサービスリリース後には運用保守・機能追加開発支援の対応といった支援を行っており、デジタルトランスフォーメーション事業のコンサルティングサービスで支援する事業開発案件の下流工程を担う形でのシナジー発揮も期待されます。主な関係会社は、株式会社クアトロテクノロジーズです。 (DX×HR事業)当社グループが行っているDX×HR事業は、企業のHR部門を幅広くバックアップするHRソリューションサービスを提供しています。幅広い業界の企業に対して、採用戦略の調査・検討から目標設定、実際の採用業務の代行といった採用領域の支援や、エンジニア等のDX人材のスキル査定を含む人事評価制度の設計・運用や従業員の離職率引き下げ施策の検討・実行などの人事労務領域の支援を中心として提供しています。また、オウンドメディアである「digireka! HR」は、企業の経営者や人事担当者向けのメディアであり、「採用」、「経営戦略」、「組織開発」、「労務」、「IT」等々、複数ジャンルのコンテンツを掲載しており、顧客接点を創出しております。主な関係会社は、株式会社uloqoです。 これら3つの事業について、2022年12月期における売上構成は、デジタルトランスフォーメーション事業が92.4%、DX×テクノロジー事業が4.8%、DX×HR事業が2.8%という構成になっております。なお、当連結会計年度に株式会社uloqo(現株式会社プロジェクトHRソリューションズ)を株式取得により連結子会社化したため、第3四半期連結会計期間のみを連結しております。また、当連結会計年度に株式会社クアトロテクノロジーズ(現株式会社プロジェクトテクノロジーズ)を株式取得により連結子会社化したため、第4四半期連結会計期間のみを連結しております。 (3) 事業の特徴・強み当社グループのデジタルトランスフォーメーション事業における強みは、コンサルティング、マーケティング、UI/UXのニーズを一気通貫で支援できることです。顧客のニーズは個社によって異なるものの、DXのうち特定のニーズだけに困っているということは現実には少ないと当社グループは認識しており、企業活動における様々な場面において変革を推進したいというのが実態であると評価しております。当社グループは、特定領域のソリューションに特化してサービスを提供する会社ではなく、DXという広いニーズに応えるために様々なソリューションを提案する会社と自己定義しています。そのため、当初は「UIscope」の活用やSNSマーケティングの支援等、単領域、ソリューション的な活用であっても、次第に様々なニーズを顧客からヒアリングすることができ、最終的には一気通貫で支援する、というのが当社グループの得意とするパターンとなっています。単領域で取引を開始し、複数領域に展開することで、ライフタイムバリュー(LTV※15)が大きく伸びることが当社グループの強みです。当社グループの案件獲得プロセスの中で、最初に案件を獲得する、ノックインツールになっているのは「UIscope」です。「UIscope」はサービス立ち上げ(事業譲受元の㈱InnoBetaによる)の2012年以来、スマートフォンのUI/UX領域のリサーチサービスをいち早く展開し、利用実績を積み重ねてまいりました。当社グループの戦略としては、まずはUI/UXのような単領域で顧客の信頼を獲得し、そこから別領域の案件を獲得することを目指しております。実際にUI/UXの検証・改善についてご相談を受け支援する中で、UI/UX以外の領域における課題感についても当社グループで検知することができ、その課題感に対して別のソリューションを提案することにより複数領域における案件受注ができております。また当社グループのDX支援は比較的長期で継続する性質のものであり、直近4期のストック売上※16比率はおよそ90%で推移しております。一般的なコンサルティングファームにおいてはスポット/フロー売上※17偏重が多い中、当社グループにおいては一気通貫でのDX推進支援が可能であることを評価いただき、比較的長期の継続発注をしていただける(2018年1月から2022年12月の間で取引のあった売上高100億円以上の顧客について、3か月以上の連続受注が発生したものが80%、6か月以上の連続受注が発生したものが57%。ただし、「UIscope」のショット案件※18を除く。)ため、結果としてストック型のビジネスを構築することができております。このように、ビジネスモデルの特性上中長期的な支援が前提となるため、特定個人のスキル・能力に依存するような体制ではなく、あらゆる顧客に対して再現性をもった支援が可能となるよう、組織としての対応に重点を置いた体制構築を進めております。案件の状況に応じてパートナーも積極的に活用しており、2022年12月期においては85.8人(期中平均)のパートナーの方に当社グループメンバーと共同で顧客支援を行っていただいておりました。スキルの平準化やマネジメントの育成、パートナーの活用等、ストック型ビジネスに適した効率的なマネジメント体制を整備してきた結果、従業員数が増加すると同時に従業員一人当たり売上高も増加基調で推移し、2022年12月期のデジタルトランスフォーメーション事業及び本社部門に属する従業員一人当たり売上高は約41百万円となっております。 ※1.UI/UXとは、ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンスの略であり、それぞれ、Webサイトのデザインやフォント等ユーザーの視覚に触れる情報、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを指します。※2.デジタルトランスフォーメーションとは、テクノロジーを活用した、既存の業務プロセスや事業モデルからの脱却、あるいは新たな付加価値の創出を目的とする取組のことを指します。※3.HRソリューションとは、Human Resources ソリューションの略であり、企業における人的資源を活用し、雇用、配置、評価、育成、労務、福利厚生、安全衛生、制度、賃金などの業務を支援するサービスのことを指します。※3.AIとは、Artificial Intelligenceの略であり、コンピュータ上に人間のような知能を再現する技術のことを指します。※4.RPAとは、Robotic Process Automationの略であり、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、若しくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取組のことを指します。※5.SESとは、System Engineering Serviceの略であり、ソフトウエアやシステムの開発、保守、運用などの特定の業務において、エンジニアの技術力を提供する委託契約のことを指します。※6.ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、取引情報等のデータを同期して記録する手法のことであり、仮想通貨や決済、送金、証券取引等の技術に活用されています。※7.IoTとは、Internet of Thingsの略であり、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、モノ同士が相互通信することによって、遠隔から認識や計測、制御等が可能となる仕組みのことを指します。※8.BIとは、Business Intelligenceの略であり、企業におけるデータを、収集・蓄積・分析することにより、経営上の意思決定に役立てる手法や技術を指します。※9.チャットボットとは、人工知能を活用した「自動会話プログラム」のことであり、カスタマーサポート業務の効率化ツールとして注目されています。※10.マーケティングオートメーションとは、顧客一人ひとりとの関係構築を通じた収益の向上を目的とし、営業マーケティング施策の自動化、収益プロセス全体の効果測定を実現することを指します。※11. 日本の大手企業とは、日本国内に本社が登記されている売上高100億円以上の企業を指します。※12. LPとは、Landing Pageの略であり、商品やサービスの紹介や問い合わせの受け付け、集客に特化したページのことを指します。※13.インバウンドとは、積極的な営業活動を通じてではなく、顧客からの問い合わせにより受注へ結び付くことを指します。※14. アップセルとは、顧客が購入済みのものと比べてより単価の高いモノ・サービスの購買を促すことを指します。※15.LTVとは、Life Time Valueの略であり、ある顧客が、取引を開始してから終了するまでの期間に、自社に対してどれだけ利益をもたらしたか、収益の総額を算出するための指標です。※16. ストック売上とは、6か月以上の連続受注を獲得した顧客からの売上のうち、スポットの広告出稿やユーザーテスト等を除いたものを指します。※17. スポット/フロー売上とは、常に新規のサービスを提供することで都度金銭を受け取る形式による収益を指します。※18. ショット案件とは、次回/次月以降の継続的な発注を前提としない単発での引き合い、案件を指します。 (4) 事業系統図当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
FY2021|6,513 文字|出典 docID: S100NSUF
3 【事業の内容】(1) ビジョン当社は「プロジェクト型社会の創出」を創業来、理念に掲げております。バブル経済の崩壊以来、日本企業の競争力は年々低下しており、平成期における不況は「失われた30年」と振り返られるようになりました。PwC調査レポート『長期的な経済展望 世界の経済秩序は2050年までにどう変化するのか?』によると、日本のGDPの2050年における順位は、8位まで下がると予想されています。そのような中、当社は、日本企業の競争力を取り戻し、日本経済を再び活性化させるためには、日本企業が従来の縦割り型の組織形態から脱却し、プロジェクト毎に成果にコミット可能なプロフェッショナル人材を集め、成果に拘るプロジェクトベースの組織の集合体に変革する必要があると考えます。その実現に向けて、当社は「プロジェクト型社会の創出」を理念として掲げ、大手企業におけるデジタルを活用した新規事業開発、既存事業におけるデジタルを活用した業務効率化、デジタル系新規事業におけるUI/UX※1の改善等、デジタルトランスフォーメーション※2(DX)の実現をコンサルティングサービス、マーケティングサービス、UI/UXサービスの三本柱により一気通貫で支援しております。当社は「デジタルトランスフォーメーション事業」の単一セグメントであり、その概要・特徴等は以下のとおりです。 (2) 事業の概要当社の主たる業務は、準委任契約に基づきデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わるアドバイザリーを提供する「デジタルトランスフォーメーション事業」です。DXとは、テクノロジーを活用し、企業の事業モデルや業務プロセスを変革し、新たな付加価値の創出を目的とする取り組みと考えております。DXにおいて活用されるテクノロジーは、AI※3・RPA※4・ブロックチェーン※5・IoT※6・BI※7ツール・チャットボット※8・マーケティングオートメーション※9等、多岐にわたります。また、前記した内容に限らず、ビジネスにおいて実用に耐えうる新たなテクノロジーが生まれた際には、そのテクノロジーを企業にすみやかに導入するよう提案していくことが当社の使命であると考えております。当社が属するデジタルトランスフォーメーション市場は拡大基調の市場であり、国内のDX関連投資額は2019年から2030年まで年平均成長率13%で増加していき、結果2030年には約3兆円の市場規模となると予測されております(㈱富士キメラ総研『2020デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』)。拡大を後押しする要因として、①日本企業の構造的課題による生産性の低さ、②政府によるDXの後押し、③新型コロナウイルス感染症の流行によるニューノーマルの常態化があげられます。①は2014年の『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』(経済産業省公表。通称『伊藤レポート』)で問題提起が行われ、2015年の㈱東京証券取引所によるコーポレートガバナンス・コード制定によって上場企業における持続的成長と中長期的な企業価値向上のための実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則が明記されました。また、2018年の『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』(経済産業省公表)により、さらにDX推進の機運が高まっており、DXが経営上の課題だと認識している企業からの当社への引き合いも堅調に推移していると実感しております。日本市場については、日本企業の生産性の問題が指摘されているとはいえGDP上位の市場であり、その中でもDXに向けた予算については市場の拡大とともに増加していくと予想され、市場としては魅力的であると考えております。さらに、②の政府による後押しでは、デジタル庁の新設や経済産業省によるDX銘柄及びDX注目企業の選定等、国をあげて制度設計を行い、DX推進を後押ししている状況です。③新型コロナウイルス感染症の流行は、当初、顧客である日本企業の業績が悪化するという観点から、当社の業績にもネガティブな影響があるのではないかと警戒しておりました。結果的には、新型コロナウイルス感染症が業務のデジタル化を促進するなど、ニューノーマルへの対応という観点でDX市場の拡大要因となり、当社業績に対してもポジティブな影響をもたらしたと判断しております。このような事業環境下で当社が行っているデジタルトランスフォーメーション事業は、コンサルティングサービス、マーケティングサービス、UI/UXサービスの3つに分かれます。コンサルティングサービスにおいては、DXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っております。新規事業開発により新たな収益源を創出したいという顧客へは事業立上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討、整理するなどの支援を行っております。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により、PL計画の達成等を支援しております。また、業務改善という観点からはRPA・BIツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革など生産性向上のための支援を行っております。日本の大手企業※10におけるデジタル化ニーズを的確に捉えて案件を受注することで、コンサルティングサービスの売上高は創業来拡大を継続しております。直近は、特に新型コロナウイルス感染症流行拡大の経済情勢・事業環境を踏まえ、各社がDXを通じた新規サービス展開等に着手していることもあり、新規事業開発支援のニーズが強く、コンサルティングサービスの売上を牽引しております。2021年12月期におけるコンサルティングサービスの売上高について内訳は、新規事業開発支援が636,327千円、既存事業変革支援が382,800千円、業務改善支援が175,470千円でありました。マーケティングサービスにおいては、Twitter、Instagram等のSNS運用支援、Webサイト改善、マーケティングコンサルのサービスを提供しております。SNS運用支援においては顧客のSNSを通じたブランディング・集客促進を、Webサイト改善においては集客や販売促進につながるWebサイト・LP※11の改善を行っております。また、マーケティングコンサルにおいては、デジタルマーケティングにおける戦略検討から実行までを支援しており、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っております。実態としては、SNSの運用における支援実績を評価いただき、より広範なデジタルマーケティングの戦略立案などに関するご相談をいただく、というような形での案件創出を行う事業構造となっております。2021年12月期におけるマーケティングサービスの売上高について内訳は、SNS運用支援が229,008千円、Webサイト改善が85,716千円、マーケティングコンサルが235,531千円でありました。UI/UXサービスにおいては、UI/UXの改善のためのユーザビリティテストサービスである「UIscope」を活用し、サービス体験の改善・設計を支援しております。「UIscope」は、スマートフォンアプリ・サイトに特化し、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することで、UI/UXを改善していくサービスです。2021年12月期において案件の73%をインバウンド※12で獲得しており、またこれまでの案件実績(事業譲受から2021年12月末までの累計導入企業数は162社)をもとに幅広いサービス、プロダクトのUI/UX改善ノウハウを蓄積することができております。スポットでサービスのUI/UXを調査・レポーティングした顧客について、その後中長期的にサービス体験の改善支援を行う提案を積極的に行うことで、UI/UXサービス内のショット案件から継続的な支援へのアップセル※13に成功しております。これら3つのサービスについて、2021年12月期における売上構成は、コンサルティングサービスが55.8%、マーケティングサービスが25.7%、UI/UXサービスが18.4%となっており、ビジネス支援(コンサルティングサービス)が6割弱、広義のマーケティング支援(マーケティングサービス・UI/UXサービス)が4割強、という構成になっております。 (3) 事業の特徴・強み当社のデジタルトランスフォーメーション事業における強みは、コンサルティング、マーケティング、UI/UXのニーズを一気通貫で支援できることです。顧客のニーズは個社によって異なるものの、DXのうち特定のニーズだけに困っているということは現実には少ないと当社は認識しており、企業活動における様々な場面において変革を推進したいというのが実態であると評価しております。当社は、特定領域のソリューションに特化してサービスを提供する会社ではなく、DXという広いニーズに応えるために様々なソリューションを提案する会社と自己定義しています。そのため、当初は「UIscope」の活用やSNSマーケティングの支援等、単領域、ソリューション的な活用であっても、次第に様々なニーズを顧客からヒアリングすることができ、最終的には一気通貫で支援する、というのが当社の得意とするパターンとなっています。単領域で取引を開始し、複数領域に展開することで、ライフタイムバリュー(LTV※14)が大きく伸びることが当社の強みです。当社の案件獲得プロセスの中で、最初に案件を獲得する、ノックインツールになっているのは「UIscope」です。「UIscope」はサービス立ち上げ(事業譲受元の㈱InnoBetaによる)の2012年以来、スマートフォンのUI/UX領域のリサーチサービスをいち早く展開し、利用実績を積み重ねてまいりました。当社の戦略としては、まずはUI/UXのような単領域で顧客の信頼を獲得し、そこから別領域の案件を獲得することを目指しております。実際にUI/UXの検証・改善についてご相談を受け支援する中で、UI/UX以外の領域における課題感についても当社で検知することができ、その課題感に対して別のソリューションを提案することにより複数領域における案件受注ができております。このような既存顧客へのアップセルが奏功し、2021年12月期においては顧客の約6割は売上規模100億円以上の企業群、そしてこの企業群が売上高の約8割を占める構成となるなど、顧客への依存度分散を進めること、かつ顧客当たり売上高を高める(顧客当たり売上高は創業来の6年でおよそ8倍に上昇)ことにより日本の大手企業を中心とする顧客基盤を構築することに成功しております。また当社のDX支援は比較的長期で継続する性質のものであり、直近4期のストック売上※15比率はおよそ80%で推移しております。一般的なコンサルティングファームにおいてはスポット/フロー売上※16偏重が多い中、当社においては一気通貫でのDX推進支援が可能であることを評価いただき、比較的長期の継続発注をしていただける(2018年1月から2021年12月の間で取引のあった売上高100億円以上の顧客について、3か月以上の連続受注が発生したものが85%、6か月以上の連続受注が発生したものが71%。ただし、「UIscope」のショット案件※17を除く。)ため、結果としてストック型のビジネスを構築することができております。このように、ビジネスモデルの特性上中長期的な支援が前提となるため、特定個人のスキル・能力に依存するような体制ではなく、あらゆる顧客に対して再現性をもった支援が可能となるよう、組織としての対応に重点を置いた体制構築を進めております。案件の状況に応じてパートナーも積極的に活用しており、2021年12月期においては35.1人(期中平均)のパートナーの方に当社メンバーと共同で顧客支援を行っていただいておりました。スキルの平準化やマネジメントの育成、パートナーの活用等、ストック型ビジネスに適した効率的なマネジメント体制を整備してきた結果、従業員数が増加すると同時に従業員一人当たり売上高も増加基調で推移し、2021年12月期の従業員一人当たり売上高は約41百万円(前期比約8百万円の増加)となっております。 ※1.UI/UXとは、ユーザーインターフェース・ユーザーエクスペリエンスの略であり、それぞれ、Webサイトのデザインやフォント等ユーザーの視覚に触れる情報、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを指します。※2.デジタルトランスフォーメーションとは、テクノロジーを活用した、既存の業務プロセスや事業モデルからの脱却、あるいは新たな付加価値の創出を目的とする取り組みのことを指します。※3.AIとは、Artificial Intelligenceの略であり、コンピュータ上に人間のような知能を再現する技術のことを指します。※4.RPAとは、Robotic Process Automationの略であり、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、若しくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みのことを指します。※5.ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、取引情報等のデータを同期して記録する手法のことであり、仮想通貨や決済、送金、証券取引等の技術に活用されています。※6.IoTとは、Internet of Thingsの略であり、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、モノ同士が相互通信することによって、遠隔から認識や計測、制御等が可能となる仕組みのことを指します。※7.BIとは、Business Intelligenceの略であり、企業におけるデータを、収集・蓄積・分析することにより、経営上の意思決定に役立てる手法や技術を指します。※8.チャットボットとは、人工知能を活用した「自動会話プログラム」のことであり、カスタマーサポート業務の効率化ツールとして注目されています。※9.マーケティングオートメーションとは、顧客一人ひとりとの関係構築を通じた収益の向上を目的とし、営業マーケティング施策の自動化、収益プロセス全体の効果測定を実現することを指します。※10. 日本の大手企業とは、日本国内に本社が登記されている売上高100億円以上の企業を指します。※11. LPとは、Landing Pageの略であり、商品やサービスの紹介や問い合わせの受け付け、集客に特化したページのことを指します。※12.インバウンドとは、積極的な営業活動を通じてではなく、顧客からの問い合わせにより受注へ結びつくことを指します。※13. アップセルとは、顧客が購入済みのものと比べてより単価の高いモノ・サービスの購買を促すことを指します。※14.LTVとは、Life Time Valueの略であり、ある顧客が、取引を開始してから終了するまでの期間に、自社に対してどれだけ利益をもたらしたか、収益の総額を算出するための指標です。※15. ストック売上とは、6か月以上の連続受注を獲得した顧客からの売上のうち、スポットの広告出稿やユーザーテスト等を除いたものを指します。※16. スポット/フロー売上とは、常に新規のサービスを提供することで都度金銭を受け取る形式による収益を指します。※17. ショット案件とは、次回/次月以降の継続的な発注を前提としない単発での引き合い、案件を指します。 (4) 事業系統図当社の事業系統図は次のとおりであります。