事業の概要
- DX推進の総合支援デリバリーコンサルティングは、企業のデジタル変革(DX)をITコンサルティングとシステム開発の両面から支援しています。具体的には、クラウド技術、生成AI、データ分析などを活用し、クライアントのビジネスモデル変革や新しいサービス開発をサポートすることで収益を得ています。
- データ活用力向上支援企業がデータを経営に活かすための「データリテラシーエンジニアリング(DLE)」という独自のサービスも提供しています。従業員のデータ活用スキルや意識を診断し、データ基盤の構築から文化定着までを支援することで、顧客企業の持続的な成長に貢献しています。
- つの主要サービスデジタル化の構想からシステム開発までを支援する「デジタルマイグレーション」、データ活用戦略を推進する「データストラテジー」、業務効率化のためのITツール導入を支援する「インテリジェントオートメーション」の3つのサービスを提供し、これらを通じて収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- デジタルマイグレーションクライアント企業のデジタル化を推進するためのサービスです。開発体制の立ち上げから、クライアントが自力でDXを進められるようになるまでを支援します。具体的には、システム全体の設計(デジタルアーキテクト)、プロジェクトの進行管理(デジタルPMO)、そしてクラウド環境でのシステム実装(クラウドマイグレーション)を提供しています。
- データストラテジー企業が保有するデータを有効活用するための戦略策定から実行までを支援するサービスです。クラウド環境でのデータ分析基盤構築(データアーキテクト)、ビジネス課題解決のためのデータ活用シナリオ定義とシステム化構想(インサイトデリバリー)、AIや生成AIを活用したデータ分析と意思決定支援(AI&アナリティクス)が含まれます。
- インテリジェントオートメーション現場業務のデジタル化と効率化を支援するサービスです。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「ipaSロボ」を活用し、業務の自動化を導入計画から成功体験の創出、さらには全社展開まで一貫してサポートします。これにより、企業の生産性向上とDXの初期段階を支援しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、「日本のITサービスを変えるテクノロジーコンサルティング」を経営理念に掲げ、ITコンサルティングとITシステム開発の双方向からクライアントのDX(デジタルトランスフォーメーション)(*1)を支援する、デジタルトランスフォーメーション事業を展開しております。企業のIT投資の目的は、システムの「構築・導入」から、導入したIT・データ・AIを「活用し、成果を生み出す」ことへと移りつつあります。当社グループは、クライアントのIT・データ・AIへの投資を、現場に定着し、持続的な成果を創出する仕組みへと変えるパートナーとして、大企業の基幹システムを中心とするエンタープライズ領域と、データ基盤・BI・生成AIを中心とするAI・データ領域を注力領域に定め、構想から実装、定着までを一貫して支援しております。 当社グループが提供する主なサービスの事業領域及び事業の特徴は、以下のとおりであります。 (1) 事業領域当社グループは、クライアントの変革の段階に応じて、以下のサービスを提供しております。 ① モダナイゼーション&マイグレーション長年の改修によって複雑化した大企業の基幹システム等を、クライアントの業務を止めることなく、次世代の基盤へ刷新・移行(モダナイゼーション/マイグレーション(*2))するサービスであります。システム全体の相互依存関係を解きほぐしたうえで、クラウドやSaaSなど技術の新旧にとらわれずに最適なテクノロジーを選定し、拡張性、安定性及び堅牢性の高いシステムの全体像(アーキテクチャ)を設計しております。さらに、移行計画の策定から移行の推進、品質の担保までを一貫して支援しております。特に、SAP社の基幹業務システム「SAP ERP 6.0」(*3)の標準保守が2027年末に終了することに伴う移行需要に対しては、アクセンチュア株式会社との販売代理店パートナーシップ契約をはじめ、パートナー企業と連携して移行支援に取り組んでおります。 ② PMO・ガバナンス支援大規模で、複数のベンダーが参画する変革プロジェクトにおいて、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)(*4)としてプロジェクト全体を統率し、確実な完遂を支援するサービスであります。DXプロジェクトでは、複数のテクノロジーや開発ベンダーが並走する中で、全体のコンセプトを維持しながら、安定的に実装と改善を進めることが求められております。当社グループは、クライアントと各開発チームの間に立ち、進捗・課題・リスクの管理やベンダー間の調整に加え、論点整理、合意形成、会議体の運営といった意思決定の支援を行っております。あわせて、品質とリスクを管理する仕組みを整備し、クライアントが設定した目標の達成に向けてプロジェクトを推進しております。また、開発体制の構築、作業の標準化及び教育をプロジェクト計画に組み込むことで、クライアントの開発内製化も支援しております。 ③ データ活用支援企業が保有するデータを経営や業務の意思決定に活かすため、データを活用する仕組みの構築と、それを使いこなす組織づくりの両面から支援しております。a. データ基盤・BI構築事業課題から最適なデータ活用シナリオを定義し、その実現に必要なシステム化構想やBI(ビジネスインテリジェンス)(*5)ツールの選定を行っております。そのうえで、クラウド型のDWH(データウェアハウス)(*6)等を活用した分析基盤の設計・構築、多様なデータソースからのデータの取得・統合、レポートやダッシュボードの設計・開発など、BIシステムの構築に求められる工程を支援しております。また、オンプレミスで構築されたBIシステムや分析基盤のクラウド環境への移行、パフォーマンス診断に基づく性能改善を通じて、継続的に活用されるBIシステムの実現を支援しております。b. データリテラシーエンジニアリング(DLE)「データはあるが使われない」という企業の課題に対し、組織のデータリテラシー(データを読み解き、活用する力)の向上を支援する当社独自のコンサルティングサービスであり、2025年7月期より提供しております。後述するデータリテラシー診断フレームワークにより組織の課題を可視化したうえで、a.のデータ基盤の整備と組み合わせながら、現場での活用が定着するまで伴走しております。これにより、クライアントの持続的なデータ活用力の強化を支援しております。 ④ AIエージェント生成AI(*7)やAIエージェント(*8)を、クライアントの業務プロセスに組み込むサービスであります。AIを適用する業務の選定と設計から、RAG(*9)等の技術を用いた実装、運用、さらに利用の定着に向けた教育・運用設計までを一貫して支援し、AI活用の効果の最大化と定着を図っております。また、自然言語による検索や生成AIを活用したインサイトの提示、AIによる異常検知や予測分析などを通じて、経営層から現場担当者までが迅速に意思決定を行える環境の整備を支援しております。本領域においては、日鉄ソリューションズ株式会社との資本業務提携に基づく共同提案をはじめ、パートナー企業との協業を推進しております。 ⑤ インテリジェントオートメーションDXの最初期段階である現場業務のデジタル化により、作業の効率化を支援しております。ITツールの導入支援にとどまらず、DXの推進に向けたソリューションまで提供しております。セルフRPA(*10)ツール「ipaSロボ」をベースとした業務自動化ソリューションと、コンサルティングの知見を活かした業務自動化支援を組み合わせた、独自性の高いサービスを提供しております。 a. 業務自動化支援RPA導入の成果を早期に創出するため、導入計画の立案から、初期導入段階の支援、他業務への水平展開と定着に向けた伴走支援までを提供しております。また、対象業務を分析したうえでRPAのスクリプトを作成するなど、コンサルティングの知見を活かした実効性のある支援を行っております。b. ipaSロボ(業務自動化ソリューション)ipaSロボは、RPA技術を活用し、人がPC上で行っていたマウス及びキーボードの操作を記録して、作業を自動化するツールであります。従来の業務自動化ツールは、操作できるシステムやアプリケーションに制約がある場合が少なくありません。ipaSロボは、画像認識機能により画面上に表示された画像・項目・値を認識しながら操作を自動化するため、画面表示を伴う多様なシステムやアプリケーションの操作に対応しております。また、自動化ツールの導入において最も時間を要するのは、操作の記録・編集作業であります。ipaSロボでは、複雑な分岐・繰り返し処理を含む場合でもプログラミングを必要とせずに記録・編集できるため、迅速なスクリプト開発を可能としております。c. AIスキャンロボAIスキャンロボは、ネットスマイル株式会社により提供されている、少量多品種の帳票読取処理に適したAI-OCR(*11)サービスであります。AI-OCRとRPAを導入することにより、帳票を一括スキャンして所定の単位でPDFファイルとして管理でき、紙の帳票を用いた運用を解消することができます。また、読取データとの突合せ作業が自動化され、手入力は不一致のデータのみとなるため、データ入力作業の削減が可能となります。新規の帳票に対しても、現場の担当者が容易に読取項目を設定することができます。 (2) 事業の特徴当社グループの各サービスは、20年以上にわたる事業の中で蓄積してきた、以下の当社固有の能力及び知的財産に支えられております。当社グループはこれらを、個々のコンサルタントの経験に依存しない再現可能な「型」として整備することで、サービスの品質と生産性の向上を図っております。 ① データリテラシー診断フレームワーク上智大学との共同研究に基づいて開発した、組織のデータ活用力を診断する当社独自のフレームワークであります。本フレームワークは、データリテラシーエンジニアリングの起点となっております。② アーキテクチャ設計力依存関係が複雑なシステム全体を、整合性を保って設計する能力であります。当社グループは創業以来、事業の全体像を見通して最適なシステムを設計する「アーキテクチャ思考」を重視してまいりました。20年以上の実装経験から蓄積した設計の知見は、モダナイゼーション&マイグレーションの中核となっております。③ 実装方法論(Delivery Approach)設計・開発・運用までの品質を一貫して担保する、当社グループの標準的な実装方法論であります。生成AIを当社グループの開発・管理プロセスに組み込むことで、品質と生産性の同時向上を図っております。④ 現場実装力クライアントの業務に深く入り込み、システムやAIが現場で動き、使われる状態になるまで責任を持って伴走する力であります。データリテラシーエンジニアリングにおける現場での伴走をはじめ、各サービスに共通する当社グループの強みであり、「導入したが使われない」状態を「使われる」状態に変える実装の作法として整備しております。 [用語解説](*1)DX(デジタルトランスフォーメーション)企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。(*2)モダナイゼーション/マイグレーション老朽化した基幹システム等を、クラウドなどの新しい基盤へ刷新・移行すること。(*3)SAP ERP 6.0SAP社により提供されている、会計・購買・生産などを統合管理する基幹業務システム。(*4)PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)企業や組織において、個々のプロジェクトのマネジメントを横断的に支援する部門や仕組みのこと。(*5)BI(ビジネスインテリジェンス)企業などの組織のデータを、収集・蓄積・分析・報告することにより、経営上などの意思決定に役立てる手法や技術の総称。(*6)DWH(データウェアハウス)企業の意思決定を支援するために使用される、時系列と目的別に編成・統合された大規模なビジネスデータの集合。(*7)生成AI学習したデータをもとに、文章・画像・プログラム等の新たなコンテンツを生成する人工知能。(*8)AIエージェント与えられた目的に対し、AIが自ら手順を判断し、複数の作業を自律的に実行する仕組み。(*9)RAG(検索拡張生成)生成AIが回答を作成する際に、社内文書等の外部情報を検索して参照させることで、回答の正確性を高める技術。(*10)RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ソフトウエアロボットにより、人がPC上で行う定型的な操作を自動化する技術。(*11)AI-OCRAIを活用して、手書き文字や帳票の文字を読み取り、データ化する技術。 [事業系統図]当社グループの事業系統図は、以下のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 新規企業の参入障壁が低く、競争が激化する傾向にあるため価格競争に陥る可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | なし デジタルトランスフォーメーション事業は新規企業の参入障壁も低く、競争が激化する傾向にある。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 低い |
会社が挙げる主要リスク:DX投資の動向の影響 / 技術革新への対応 / 競合
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
現時点では、デリバリーコンサルティングのブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
クライアントは、DXコンサルティングやシステム開発を一度依頼すると、そのシステムへの習熟やデータ蓄積により、他社への乗り換えには一定のコストや手間が発生する可能性があります。しかし、乗り換えによる損失が極めて大きいとは言えません。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
デリバリーコンサルティングの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認されません。
コスト優位☆☆☆☆☆
同社はコンサルティングサービスを提供しており、他社と比較して構造的に低コストで生産・提供できる優位性は現時点では見当たりません。
規模の経済★☆☆☆☆
DXコンサルティング市場は成長していますが、デリバリーコンサルティングの市場シェアや業界内でのポジションは、効率規模による優位性を示すほど大きくはありません。
- 一貫したDX支援体制課題発見から戦略立案、システム実装、運用までを一貫して支援できる体制が強みです。これにより、顧客企業は複数のベンダーと連携する手間なく、効率的かつ確実にDXを進めることが可能となり、顧客からの信頼を得ています。
- 高いプロジェクト遂行能力長年の経験で培われたプロジェクトマネジメント力と技術力により、確実なプロジェクト遂行と安定した品質を提供しています。これにより、顧客は安心してプロジェクトを任せることができ、不採算案件の発生リスクを低減し、高い顧客満足度を維持しています。
- 豊富な人材と知識の蓄積多様な業界経験を持つITコンサルタントとエンジニアが多数在籍しており、幅広い技術知見とノウハウを蓄積しています。これにより、複雑なDX課題にも対応でき、顧客企業の多様なニーズに応えることで競争優位性を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「テクノロジーコンサルティング」の強化経営理念として「日本のITサービスを変えるテクノロジーコンサルティング」を掲げ、レガシー技術から最先端技術までを熟知したITプロフェッショナル集団として、高付加価値サービスを提供することを目指しています。これにより、顧客企業のビジネス変革や新規サービス開発を支援し、企業価値向上に貢献します。
- 成長DXの加速と成果の可視化日本企業のDX課題である「成長DXの弱さ」と「成果の可視化不足」を克服するため、新規事業創出や顧客体験向上に直結するコンサルティングサービスの拡充と、DX効果を測定可能なKPI設定・データ分析基盤の提供を推進しています。これにより、顧客企業の持続的な競争力向上を支援し、自社の成長にもつなげます。
- DX人材の確保と育成DX推進には専門人材が不可欠であるため、リスキリング支援や社内外の人材交流を通じてDX人材の確保と育成に注力しています。これにより、変化の激しいIT業界において常に最新の技術を提供できる体制を維持し、顧客ニーズに応え続けることを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループでは、以下のとおり経営理念を掲げ、全役職員が共有しております。 日本のITサービスを変えるテクノロジーコンサルティング ● 企業を変革するビジネスパートナー我々はレガシーと最先端の双方を熟知したITプロフェッショナル集団。システム構築から内製化まで高付加価値サービスを提供し、クライアントのビジネスモデル変革や新規サービス開発を実現します。 ● 時代が求める、時代に先駆けるIT人材を育成デジタル技術が企業変革を加速する時代。1)世界レベルのテックナレッジによりシステムを最適構築するアーキテクト、2)デジタル変革を成功に導くプロジェクトマネジメント、3)システム内製化を具現するイネーブルメントの3つをコア・コンピタンスとしたITプロフェッショナルを育成します。 ● 健全な企業文化と健全な経営挑戦・互助・公正を尊重する企業文化を育み、楽しく豊かに働く環境を提供。日本を支えるITサービス産業の一員として正々堂々と経営を行い、社会の発展に貢献します。 当社グループは2003年4月の設立当初から、ITコンサルティング力とアウトソーシングを融合し、クライアントにとってより付加価値の高いサービスの提供を目指して事業を行ってまいりました。 これまで培ってきた確実なサービスデリバリーの能力は、プロジェクトマネジメント力や技術力の向上により一層安定したものとなっております。 昨今、AIをはじめとするテクノロジーの環境は急激に変化しており、企業にはこれに迅速かつ柔軟に対応することが求められております。当社グループは、テクノロジーと企業経営を取り巻く環境について、以下の3つの潮流があると認識しております。・AI・自動化の加速:生成AIの登場により、知的な業務プロセスまでもが自動化の対象となり、AIエージェントの実用化も進みつつあります。一方で、導入企業においては、AIを活用する人材の不足や現場への定着が障壁となっております。・人的資本経営とスキル格差の拡大:人的資本に関する情報開示の拡充が進み、データリテラシーの可視化と強化が経営課題となっております。一方で、組織内ではAIやデータを活用するスキルの二極化が進んでおります。・ITの「構築」から「実装・定着」へ:価値の源泉は、ITシステムを構築することから、導入したIT・データ・AIをいかに使いこなし、成果につなげるかへと移っております。 このような環境の変化を踏まえ、当社グループは、企業が成長を続けるためには、IT、AI、そしてそれらを使いこなす組織と人(Human)の3つの成長が欠かせないと考えております。当社グループはこの3つの領域に焦点を当て、クライアントの業務変革と継続的な成長に貢献するパートナーを目指してまいります。 当社グループは、以下の強みによって上記の環境変化に対応し、競争優位を確立できると考えております。・一気通貫の支援体制:課題の発見から戦略の立案、実装、運用、定着までをトータルに支援できる体制・高いデリバリー力:確実なプロジェクト遂行と安定した品質を担保するプロジェクトマネジメント力・人材とナレッジの蓄積:多様な業界経験を有するITコンサルタントとエンジニアによる総合力と、案件を通じて蓄積した知見・顧客基盤の厚み:設立から20年を超えるサービス提供で培った長期的な顧客接点 当社グループは、上記の競争優位を保ちつつ、持続的な成長に資する経営環境を整備するために以下を推進してまいります。・成果の創出と定着の支援:データ基盤やKPIの整備と現場での伴走を通じて、IT・データ・AIへの投資が現場で成果を生み続ける状態をつくる支援・企業価値の創出に向けたAI活用の支援:生成AIやAIエージェントを業務プロセスに組み込み、効率化にとどまらない価値の創出を支援・組織と人の強化:クライアントのデータ活用力の向上を支援するとともに、当社グループ自身もリスキリングや人材育成を通じてDX人材を確保・育成 当社グループは、上述した領域を主とした「テクノロジーコンサルティング」の強化を通じて、クライアントの効率化と成長の両立を支援し、その持続的な競争力の向上に貢献することを経営方針として事業を展開しております。 (2)目標とする経営指標 当社グループは持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、事業拡大の観点から売上高及び営業利益を、収益性の観点から営業利益率を、重要な経営指標と位置づけております。また、売上高の成長を支える基盤として、コンサルタント数(直接プロジェクトに携わる人員数)を成長戦略上の重要な指標と位置づけ、その拡大を進めてまいります。 (3)経営環境及び経営戦略 当社グループがターゲットとするDX市場は、株式会社富士キメラ総研が2025年4月に発表した「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」によると、国内のDX関連投資額は、2024年度の5兆2,759億円から2030年度には9兆2,666億円まで拡大する見通しであります。この間の年平均成長率(CAGR)は9.8%となります。当社グループは、ITコンサルティングサービスへの需要も中長期的に拡大していくものと見込んでおります。 こうした背景には、AI・IoT・ロボティクスといった既に実用段階にある基盤技術の浸透に加え、生成AIやAIエージェント、デジタルツインなどの新たな先端技術への投資が世界的に加速していることがあります。特に、製造業のスマートファクトリー、金融業のデジタルバンキング、小売・外食業の現場DX、物流業のデジタル倉庫など、主要産業でのDX投資が重点領域となっております。また、DX人材アセスメントサービスなどの新興分野も急速に立ち上がりを見せております。 このような市場環境のもと、当社グループは、大企業の基幹システムを中心とするエンタープライズ領域と、データ基盤・BI・生成AIを中心とするAI・データ領域を注力領域と定めております。その起点となるのが、大企業における基幹システムの刷新であります。SAP社の基幹業務システム「SAP ERP 6.0(ECC6.0)」の標準保守は2027年末に終了し、移行を終えていない企業は、移行、第三者保守の利用又は業務への影響の受容といった判断を迫られることとなります。国内のSAP ERPユーザー約2,000社のうち、2024年11月時点で約4割が移行を終えていない一方、S/4HANAの導入コンサルティングが可能な国内ベンダーは約100社(2024年時点)にとどまっており、供給は構造的に不足しております(注)。当社グループは、このうち供給が追いついていない領域として、移行前に着手すべき事項を見極める診断と、移行後に基幹データを起点としてAI・データを現場で活用できる状態をつくる支援に注力しております。これらの取組みは、日鉄ソリューションズ株式会社との資本業務提携及びアクセンチュア株式会社との販売代理店パートナーシップ契約を通じて、パートナー企業とともに推進してまいります。(注)日経クロステック「SAP『2027年問題』を抱えるユーザー企業とコンサル業界、何が問題なのか」(2024年11月) このような経営環境のもと、当社グループは、これまで培ってきた最新ITソリューション及びクラウドサービスの活用力等を活かし、DXによる新たな価値創出を念頭に、各種テクノロジーを統合的な視点から最適に運用してまいります。そのうえで、プロジェクトの規模を問わず将来的な拡張性を維持し、活用の過程で生じる新たな課題に迅速に対応できるシステムやサービスを提供してまいります。 ■中長期の経営方針 当社グループは、中長期の経営方針として「顧客基盤の拡大」と「収益性の改善」の両立を掲げております。そのために、提供サービスの強みを明確にして差別化と訴求力を高め、営業の質を向上させるとともに、継続的に価値を創出するビジネスモデルへの進化を進めてまいります。 具体的には、人員の増加に比例して売上高が増える「個人依存型の成長」から、組織として「再現可能な成長」への転換を図ります。個々の案件で得た知見をノウハウとして蓄積し、再利用可能な「型」として整備すること(アセット化)で、価値が一過性で終わるフロー型のビジネスから、価値が積み上がるストック型のビジネスモデルへの進化を目指してまいります。 この転換を、当社グループは「顧客基盤の拡大」「価値の積み上げ」「アセット化」が循環する成長モデルとして進めております。この成長モデルでは、クライアントとの良質な関係を基盤とした継続的な受注、案件を通じた価値の積み上げ、アセット化による品質と独自性の向上を相互に連動させ、さらなる顧客基盤の拡大につなげてまいります。 あわせて、基盤刷新(モダナイゼーション)、PMO(推進・統制)、AI実装・データ定着を当社グループの強みとして明確にし、システムを構築するだけでなく、変革の実現とAI活用による成果の創出まで一貫して支援してまいります。 当社グループは、上記の方針に基づき、以下の成長戦略を推進してまいります。まず、テックパートナーとの協業推進とマーケティングへの投資により、顧客基盤を拡大してまいります。次に、既存サービスの高収益化と新たな収益機会の創出により、顧客一社あたりの収益の最大化を図ります。これらを支える成長基盤として、中長期の成長に向けた人材戦略を推進してまいります。なお、中長期の成長は既存事業の成長を基本とし、M&Aは成長を加速させる追加的な機会として機動的に検討してまいります。 ■テックパートナーとの協業推進 DX推進に必要なソフトウエアやクラウドサービスを提供するテックパートナーとは、その顧客に対してソフトウエアやクラウドサービスの活用支援を当社グループが行うことで協力関係を強固なものにし、継続的な新規顧客開拓を実現してまいります。当社グループは、自社の強みを明確にしたうえで、パートナーとともに新たな案件の獲得を進めております。 2026年には、Azure上でのデータ活用、分析基盤の構築及びAI活用の支援に関する専門性と提供体制が評価され、Microsoftのソリューションパートナー認定「Data & AI(Azure)」を取得いたしました。 当社グループが専門性を有する主なテクノロジー・データ分析・データ基盤:Tableau、Microsoft Azure、Databricks、Snowflake、ThoughtSpot、Vertica、SingleStore・エンタープライズSaaS:Salesforce、SAP・AI・大規模言語モデル基盤:Claude、Azure OpenAI、Gemini、Dify、watsonx、AI inside・クラウド基盤:Microsoft Azure、Amazon Web Services、Oracle Cloud Infrastructure ■パートナー企業との資本業務提携及び販売代理店パートナーシップ 当社は、2025年9月に日鉄ソリューションズ株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。本提携により、データ基盤・BI領域及びAIなどの次世代技術領域において両社の技術・事業基盤を相互に補完し、コンサルティングから実装・運用まで一貫したデリバリー体制を強化するとともに、データ人材の育成・高度化を共同で推進しております。現在は、新規の提案及び既存の案件を同社と共同で進める体制を構築し、AIエージェント案件をはじめとする協業を進めており、同社の顧客基盤へのアクセスを通じて、データ利活用領域での共同提案の拡大を目指してまいります。 また、当社は2025年6月に、アクセンチュア株式会社が保有するソフトウエアの一部について、日本国内における販売代理店パートナーシップ契約を締結しております。当連結会計年度においては、同社と相互に協力して対象サービスの提案を進めるとともに、当社の専門能力と親和性の高い領域を見極め、SAP領域に注力する方針を明確にいたしました。 ■マーケティングへの投資 各種マーケティング施策を企画・実行し、当社グループのブランド認知を高め、新規顧客との接触機会を増加させることで顧客獲得能力の増強を図ります。具体的には、最新のコンサルティング実績をまとめた書籍を2027年7月期中に出版する予定であるほか、パートナー企業との提携や案件の実績を定期的に発信してまいります。 ■既存サービスの高収益化 当社グループは、クライアントとの緊密な関係の構築を通じてその課題の解決を図るアカウントマネジメントの取組みを開始しており、顧客一社あたりの売上高の向上を目指してまいります。また、当連結会計年度においては、案件を社内のコンサルタントで担う内製化を進めたことによりコンサルタントの稼働率が改善し、外注費が減少したことから、売上総利益率が小幅に上昇いたしました。今後は、案件への対応を通じて得た知見をノウハウとして体系化し、アセット化を推進することで、案件ごとの収益性の向上と当社グループ全体の収益基盤の強化につなげてまいります。 ■新たな収益機会の創出 当社グループは、既存事業に加え、新たな収益機会の創出にも注力しております。データリテラシーエンジニアリング事業については、引き続き事業の立ち上げを進めております。また、AIエージェント関連のコンサルティングサービスの提供により、業務効率化や意思決定の高度化を支援し、クライアントのDX推進に資する新たな価値を提供してまいります。さらに、アクセンチュア株式会社との販売代理店パートナーシップ契約に基づく取組みについては、SAP領域に注力して案件化を進めてまいります。これらの取組みにより、当社グループのサービス領域を拡張し、持続的な成長基盤の確立を目指してまいります。 ■中長期成長に向けた人材戦略 当社グループは、中長期的な成長の実現に向けて、人材こそが競争優位の源泉であると考えております。そのため、マーケットの需要に応える高付加価値な人材の育成・確保を戦略的に進めております。具体的には、人材戦略に基づきスキルターゲットを定めた研修の実施や、コンサルタントのスキルを可視化するタレントマネジメントシステムを導入し、継続的な人材力の強化に取り組んでおります。当連結会計年度においては、新卒採用に加え、PMO領域に力点を置いた中途採用を進めるとともに、注力する領域のコアスキルトレーニングを実施いたしました。今後は、市場のニーズに応える人材と組織づくりに向けた育成・採用を進めるとともに、若手人材の成長スピードの加速に取り組んでまいります。 人材戦略においては、「人材・タレント要件」「人材ポートフォリオ」「行動規範」を設定し、採用・育成・評価を一体的に推進しております。育成・確保の面では、社員や採用人材、ビジネスパートナーを対象に、コアスキルトレーニングやコンサルタント育成研修を実施し、現場で即戦力となる人材を計画的に育成してまいります。 さらに、組織改革にも取り組み、社員の意識改革や組織の風土改革を進め、エンゲージメント向上を図っております。これらを支えるオペレーション基盤として、評価制度の整備やタレントマネジメント、サーベイ・モニタリングの仕組みを導入し、データに基づいた人材マネジメントを実現しております。 このように、当社グループは「育成・確保」「組織改革」「オペレーション基盤」を三位一体で推進することにより、多様な人材が成長し続けられる環境を整備し、ひいては中長期的な企業価値向上に寄与してまいります。 ■M&A 持続的な成長と企業価値の向上を実現するために、戦略的なM&Aについて検討を行っております。M&Aを通じて、新たな業界・地域における顧客接点を獲得し、より幅広い市場へのアクセスを実現してまいります。また、専門性の高い人材や独自技術を有する企業をグループに迎え入れることで、当社グループ単独では保有していなかった専門能力を迅速に獲得し、クライアントに提供する価値の幅と深みを拡張することが可能となります。 当社グループの中長期の成長は既存事業の成長を基本としておりますが、M&Aを成長を加速させる追加的な機会と位置付け、既存事業とのシナジーを最大限に発揮させながら、クライアントに対する提供価値の向上と当社グループの事業の持続的な拡大を目指してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①最先端IT技術への対応 これまでIT業界は生成AI、クラウド、データ分析、セキュリティなどの様々な技術により発展を遂げてきました。近年は、AIエージェントなど、業務プロセスそのものを担うAIの実用化も進んでおります。IT技術の進化は現在も急速に進んでおり、IT技術をいかに活用してクライアントのビジネスを高度化するかが、これまで以上に重要になっております。当社グループでは、最先端IT技術の発掘に取り組むとともに、それらに対する理解を深め、活用方法を日々研究しております。また、最先端技術と既存技術との融合も視野に入れることで、より付加価値の高いサービスの提供を目指しております。 ②新規顧客の開拓と営業体制の強化 当社グループは、事業拡大に向けて、既存顧客への支援継続、及びアップセル、クロスセルの積極的な提案とともに、新規顧客の獲得にも注力してまいります。また、顧客ニーズの多様化に対応し、ターゲット市場における認知度の向上及び新規顧客を獲得するため、書籍の出版や提携・案件実績の発信などのマーケティング活動を行い、潜在顧客との接点を増やし、効率的な営業活動を展開してまいります。さらに、営業人員の育成や、日鉄ソリューションズ株式会社をはじめとする外部パートナーとの連携の拡充を通じて、既存顧客との関係の深化と新規顧客の開拓を同時に進められる営業体制を整備してまいります。 ③当社グループ及び当社グループのサービスの認知度向上 当社グループは、最新のIT技術を活用したサービス及び製品を提供しており、事業の拡大に向けて、クライアントが安心してサービス・製品を導入・利用できるよう、当社グループ及び当社グループのサービス・製品の知名度や信頼を向上させることが重要であると認識しております。当社グループは引き続き高品質のサービス・製品の提供を通じて、信頼の獲得に努めるほか、プロモーション活動を強化し、認知度の向上を図ってまいります。 ④優秀な人材確保と組織体制の強化 当社グループは、継続的に事業拡大を行うために、優秀な人材を十分に確保することが課題と考えております。今後は、高い専門性を有した人材を育成することで、市場の変化に耐えうる組織基盤を構築する考えであります。 そのため、新卒採用の強化、経験者の中途採用、社内外の研修を含む教育制度の整備、人事評価制度の改善などを通じて、イノベーションを奨励する労働環境を継続的に整備し、従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保と定着を促進していく方針であります。 ⑤内部管理体制の強化 当社グループでは、企業価値最大化のため、業務の拡大に合わせて内部管理体制を強化することが必要であると認識しております。今後も、財務分析の強化、リスク管理の徹底等、健全な企業経営に必要な体制を強化するよう取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループでは、以下のとおり経営理念を掲げ、全役職員が共有しております。 日本のITサービスを変えるテクノロジーコンサルティング ● 企業を変革するビジネスパートナー我々はレガシーと最先端の双方を熟知したITプロフェッショナル集団。システム構築から内製化まで高付加価値サービスを提供し、クライアントのビジネスモデル変革や新規サービス開発を実現します。 ● 時代が求める、時代に先駆けるIT人材を育成デジタル技術が企業変革を加速する時代。1)世界レベルのテックナレッジによりシステムを最適構築するアーキテクト、2)デジタル変革を成功に導くプロジェクトマネジメント、3)システム内製化を具現するイネーブルメントの3つをコア・コンピタンスとしたITプロフェッショナルを育成します。 ● 健全な企業文化と健全な経営挑戦・互助・公正を尊重する企業文化を育み、楽しく豊かに働く環境を提供。日本を支えるITサービス産業の一員として正々堂々と経営を行い、社会の発展に貢献します。 当社グループは2003年4月の設立当初から、ITコンサルティング力とアウトソーシングを融合し、クライアントにとってより付加価値の高いサービスの提供を目指して事業を行ってまいりました。 これまで培ってきた確実なサービスデリバリーの能力は、プロジェクトマネジメント力や技術力の向上により一層安定したものとなっております。 昨今、AIをはじめとするテクノロジーの環境は急激に変化しており、企業にはこれに迅速かつ柔軟に対応することが求められております。当社グループは、テクノロジーと企業経営を取り巻く環境について、以下の3つの潮流があると認識しております。・AI・自動化の加速:生成AIの登場により、知的な業務プロセスまでもが自動化の対象となり、AIエージェントの実用化も進みつつあります。一方で、導入企業においては、AIを活用する人材の不足や現場への定着が障壁となっております。・人的資本経営とスキル格差の拡大:人的資本に関する情報開示の拡充が進み、データリテラシーの可視化と強化が経営課題となっております。一方で、組織内ではAIやデータを活用するスキルの二極化が進んでおります。・ITの「構築」から「実装・定着」へ:価値の源泉は、ITシステムを構築することから、導入したIT・データ・AIをいかに使いこなし、成果につなげるかへと移っております。 このような環境の変化を踏まえ、当社グループは、企業が成長を続けるためには、IT、AI、そしてそれらを使いこなす組織と人(Human)の3つの成長が欠かせないと考えております。当社グループはこの3つの領域に焦点を当て、クライアントの業務変革と継続的な成長に貢献するパートナーを目指してまいります。 当社グループは、以下の強みによって上記の環境変化に対応し、競争優位を確立できると考えております。・一気通貫の支援体制:課題の発見から戦略の立案、実装、運用、定着までをトータルに支援できる体制・高いデリバリー力:確実なプロジェクト遂行と安定した品質を担保するプロジェクトマネジメント力・人材とナレッジの蓄積:多様な業界経験を有するITコンサルタントとエンジニアによる総合力と、案件を通じて蓄積した知見・顧客基盤の厚み:設立から20年を超えるサービス提供で培った長期的な顧客接点 当社グループは、上記の競争優位を保ちつつ、持続的な成長に資する経営環境を整備するために以下を推進してまいります。・成果の創出と定着の支援:データ基盤やKPIの整備と現場での伴走を通じて、IT・データ・AIへの投資が現場で成果を生み続ける状態をつくる支援・企業価値の創出に向けたAI活用の支援:生成AIやAIエージェントを業務プロセスに組み込み、効率化にとどまらない価値の創出を支援・組織と人の強化:クライアントのデータ活用力の向上を支援するとともに、当社グループ自身もリスキリングや人材育成を通じてDX人材を確保・育成 当社グループは、上述した領域を主とした「テクノロジーコンサルティング」の強化を通じて、クライアントの効率化と成長の両立を支援し、その持続的な競争力の向上に貢献することを経営方針として事業を展開しております。 (2)目標とする経営指標 当社グループは持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、事業拡大の観点から売上高及び営業利益を、収益性の観点から営業利益率を、重要な経営指標と位置づけております。また、売上高の成長を支える基盤として、コンサルタント数(直接プロジェクトに携わる人員数)を成長戦略上の重要な指標と位置づけ、その拡大を進めてまいります。 (3)経営環境及び経営戦略 当社グループがターゲットとするDX市場は、株式会社富士キメラ総研が2025年4月に発表した「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」によると、国内のDX関連投資額は、2024年度の5兆2,759億円から2030年度には9兆2,666億円まで拡大する見通しであります。この間の年平均成長率(CAGR)は9.8%となります。当社グループは、ITコンサルティングサービスへの需要も中長期的に拡大していくものと見込んでおります。 こうした背景には、AI・IoT・ロボティクスといった既に実用段階にある基盤技術の浸透に加え、生成AIやAIエージェント、デジタルツインなどの新たな先端技術への投資が世界的に加速していることがあります。特に、製造業のスマートファクトリー、金融業のデジタルバンキング、小売・外食業の現場DX、物流業のデジタル倉庫など、主要産業でのDX投資が重点領域となっております。また、DX人材アセスメントサービスなどの新興分野も急速に立ち上がりを見せております。 このような市場環境のもと、当社グループは、大企業の基幹システムを中心とするエンタープライズ領域と、データ基盤・BI・生成AIを中心とするAI・データ領域を注力領域と定めております。その起点となるのが、大企業における基幹システムの刷新であります。SAP社の基幹業務システム「SAP ERP 6.0(ECC6.0)」の標準保守は2027年末に終了し、移行を終えていない企業は、移行、第三者保守の利用又は業務への影響の受容といった判断を迫られることとなります。国内のSAP ERPユーザー約2,000社のうち、2024年11月時点で約4割が移行を終えていない一方、S/4HANAの導入コンサルティングが可能な国内ベンダーは約100社(2024年時点)にとどまっており、供給は構造的に不足しております(注)。当社グループは、このうち供給が追いついていない領域として、移行前に着手すべき事項を見極める診断と、移行後に基幹データを起点としてAI・データを現場で活用できる状態をつくる支援に注力しております。これらの取組みは、日鉄ソリューションズ株式会社との資本業務提携及びアクセンチュア株式会社との販売代理店パートナーシップ契約を通じて、パートナー企業とともに推進してまいります。(注)日経クロステック「SAP『2027年問題』を抱えるユーザー企業とコンサル業界、何が問題なのか」(2024年11月) このような経営環境のもと、当社グループは、これまで培ってきた最新ITソリューション及びクラウドサービスの活用力等を活かし、DXによる新たな価値創出を念頭に、各種テクノロジーを統合的な視点から最適に運用してまいります。そのうえで、プロジェクトの規模を問わず将来的な拡張性を維持し、活用の過程で生じる新たな課題に迅速に対応できるシステムやサービスを提供してまいります。 ■中長期の経営方針 当社グループは、中長期の経営方針として「顧客基盤の拡大」と「収益性の改善」の両立を掲げております。そのために、提供サービスの強みを明確にして差別化と訴求力を高め、営業の質を向上させるとともに、継続的に価値を創出するビジネスモデルへの進化を進めてまいります。 具体的には、人員の増加に比例して売上高が増える「個人依存型の成長」から、組織として「再現可能な成長」への転換を図ります。個々の案件で得た知見をノウハウとして蓄積し、再利用可能な「型」として整備すること(アセット化)で、価値が一過性で終わるフロー型のビジネスから、価値が積み上がるストック型のビジネスモデルへの進化を目指してまいります。 この転換を、当社グループは「顧客基盤の拡大」「価値の積み上げ」「アセット化」が循環する成長モデルとして進めております。この成長モデルでは、クライアントとの良質な関係を基盤とした継続的な受注、案件を通じた価値の積み上げ、アセット化による品質と独自性の向上を相互に連動させ、さらなる顧客基盤の拡大につなげてまいります。 あわせて、基盤刷新(モダナイゼーション)、PMO(推進・統制)、AI実装・データ定着を当社グループの強みとして明確にし、システムを構築するだけでなく、変革の実現とAI活用による成果の創出まで一貫して支援してまいります。 当社グループは、上記の方針に基づき、以下の成長戦略を推進してまいります。まず、テックパートナーとの協業推進とマーケティングへの投資により、顧客基盤を拡大してまいります。次に、既存サービスの高収益化と新たな収益機会の創出により、顧客一社あたりの収益の最大化を図ります。これらを支える成長基盤として、中長期の成長に向けた人材戦略を推進してまいります。なお、中長期の成長は既存事業の成長を基本とし、M&Aは成長を加速させる追加的な機会として機動的に検討してまいります。 ■テックパートナーとの協業推進 DX推進に必要なソフトウエアやクラウドサービスを提供するテックパートナーとは、その顧客に対してソフトウエアやクラウドサービスの活用支援を当社グループが行うことで協力関係を強固なものにし、継続的な新規顧客開拓を実現してまいります。当社グループは、自社の強みを明確にしたうえで、パートナーとともに新たな案件の獲得を進めております。 2026年には、Azure上でのデータ活用、分析基盤の構築及びAI活用の支援に関する専門性と提供体制が評価され、Microsoftのソリューションパートナー認定「Data & AI(Azure)」を取得いたしました。 当社グループが専門性を有する主なテクノロジー・データ分析・データ基盤:Tableau、Microsoft Azure、Databricks、Snowflake、ThoughtSpot、Vertica、SingleStore・エンタープライズSaaS:Salesforce、SAP・AI・大規模言語モデル基盤:Claude、Azure OpenAI、Gemini、Dify、watsonx、AI inside・クラウド基盤:Microsoft Azure、Amazon Web Services、Oracle Cloud Infrastructure ■パートナー企業との資本業務提携及び販売代理店パートナーシップ 当社は、2025年9月に日鉄ソリューションズ株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。本提携により、データ基盤・BI領域及びAIなどの次世代技術領域において両社の技術・事業基盤を相互に補完し、コンサルティングから実装・運用まで一貫したデリバリー体制を強化するとともに、データ人材の育成・高度化を共同で推進しております。現在は、新規の提案及び既存の案件を同社と共同で進める体制を構築し、AIエージェント案件をはじめとする協業を進めており、同社の顧客基盤へのアクセスを通じて、データ利活用領域での共同提案の拡大を目指してまいります。 また、当社は2025年6月に、アクセンチュア株式会社が保有するソフトウエアの一部について、日本国内における販売代理店パートナーシップ契約を締結しております。当連結会計年度においては、同社と相互に協力して対象サービスの提案を進めるとともに、当社の専門能力と親和性の高い領域を見極め、SAP領域に注力する方針を明確にいたしました。 ■マーケティングへの投資 各種マーケティング施策を企画・実行し、当社グループのブランド認知を高め、新規顧客との接触機会を増加させることで顧客獲得能力の増強を図ります。具体的には、最新のコンサルティング実績をまとめた書籍を2027年7月期中に出版する予定であるほか、パートナー企業との提携や案件の実績を定期的に発信してまいります。 ■既存サービスの高収益化 当社グループは、クライアントとの緊密な関係の構築を通じてその課題の解決を図るアカウントマネジメントの取組みを開始しており、顧客一社あたりの売上高の向上を目指してまいります。また、当連結会計年度においては、案件を社内のコンサルタントで担う内製化を進めたことによりコンサルタントの稼働率が改善し、外注費が減少したことから、売上総利益率が小幅に上昇いたしました。今後は、案件への対応を通じて得た知見をノウハウとして体系化し、アセット化を推進することで、案件ごとの収益性の向上と当社グループ全体の収益基盤の強化につなげてまいります。 ■新たな収益機会の創出 当社グループは、既存事業に加え、新たな収益機会の創出にも注力しております。データリテラシーエンジニアリング事業については、引き続き事業の立ち上げを進めております。また、AIエージェント関連のコンサルティングサービスの提供により、業務効率化や意思決定の高度化を支援し、クライアントのDX推進に資する新たな価値を提供してまいります。さらに、アクセンチュア株式会社との販売代理店パートナーシップ契約に基づく取組みについては、SAP領域に注力して案件化を進めてまいります。これらの取組みにより、当社グループのサービス領域を拡張し、持続的な成長基盤の確立を目指してまいります。 ■中長期成長に向けた人材戦略 当社グループは、中長期的な成長の実現に向けて、人材こそが競争優位の源泉であると考えております。そのため、マーケットの需要に応える高付加価値な人材の育成・確保を戦略的に進めております。具体的には、人材戦略に基づきスキルターゲットを定めた研修の実施や、コンサルタントのスキルを可視化するタレントマネジメントシステムを導入し、継続的な人材力の強化に取り組んでおります。当連結会計年度においては、新卒採用に加え、PMO領域に力点を置いた中途採用を進めるとともに、注力する領域のコアスキルトレーニングを実施いたしました。今後は、市場のニーズに応える人材と組織づくりに向けた育成・採用を進めるとともに、若手人材の成長スピードの加速に取り組んでまいります。 人材戦略においては、「人材・タレント要件」「人材ポートフォリオ」「行動規範」を設定し、採用・育成・評価を一体的に推進しております。育成・確保の面では、社員や採用人材、ビジネスパートナーを対象に、コアスキルトレーニングやコンサルタント育成研修を実施し、現場で即戦力となる人材を計画的に育成してまいります。 さらに、組織改革にも取り組み、社員の意識改革や組織の風土改革を進め、エンゲージメント向上を図っております。これらを支えるオペレーション基盤として、評価制度の整備やタレントマネジメント、サーベイ・モニタリングの仕組みを導入し、データに基づいた人材マネジメントを実現しております。 このように、当社グループは「育成・確保」「組織改革」「オペレーション基盤」を三位一体で推進することにより、多様な人材が成長し続けられる環境を整備し、ひいては中長期的な企業価値向上に寄与してまいります。 ■M&A 持続的な成長と企業価値の向上を実現するために、戦略的なM&Aについて検討を行っております。M&Aを通じて、新たな業界・地域における顧客接点を獲得し、より幅広い市場へのアクセスを実現してまいります。また、専門性の高い人材や独自技術を有する企業をグループに迎え入れることで、当社グループ単独では保有していなかった専門能力を迅速に獲得し、クライアントに提供する価値の幅と深みを拡張することが可能となります。 当社グループの中長期の成長は既存事業の成長を基本としておりますが、M&Aを成長を加速させる追加的な機会と位置付け、既存事業とのシナジーを最大限に発揮させながら、クライアントに対する提供価値の向上と当社グループの事業の持続的な拡大を目指してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①最先端IT技術への対応 これまでIT業界は生成AI、クラウド、データ分析、セキュリティなどの様々な技術により発展を遂げてきました。近年は、AIエージェントなど、業務プロセスそのものを担うAIの実用化も進んでおります。IT技術の進化は現在も急速に進んでおり、IT技術をいかに活用してクライアントのビジネスを高度化するかが、これまで以上に重要になっております。当社グループでは、最先端IT技術の発掘に取り組むとともに、それらに対する理解を深め、活用方法を日々研究しております。また、最先端技術と既存技術との融合も視野に入れることで、より付加価値の高いサービスの提供を目指しております。 ②新規顧客の開拓と営業体制の強化 当社グループは、事業拡大に向けて、既存顧客への支援継続、及びアップセル、クロスセルの積極的な提案とともに、新規顧客の獲得にも注力してまいります。また、顧客ニーズの多様化に対応し、ターゲット市場における認知度の向上及び新規顧客を獲得するため、書籍の出版や提携・案件実績の発信などのマーケティング活動を行い、潜在顧客との接点を増やし、効率的な営業活動を展開してまいります。さらに、営業人員の育成や、日鉄ソリューションズ株式会社をはじめとする外部パートナーとの連携の拡充を通じて、既存顧客との関係の深化と新規顧客の開拓を同時に進められる営業体制を整備してまいります。 ③当社グループ及び当社グループのサービスの認知度向上 当社グループは、最新のIT技術を活用したサービス及び製品を提供しており、事業の拡大に向けて、クライアントが安心してサービス・製品を導入・利用できるよう、当社グループ及び当社グループのサービス・製品の知名度や信頼を向上させることが重要であると認識しております。当社グループは引き続き高品質のサービス・製品の提供を通じて、信頼の獲得に努めるほか、プロモーション活動を強化し、認知度の向上を図ってまいります。 ④優秀な人材確保と組織体制の強化 当社グループは、継続的に事業拡大を行うために、優秀な人材を十分に確保することが課題と考えております。今後は、高い専門性を有した人材を育成することで、市場の変化に耐えうる組織基盤を構築する考えであります。 そのため、新卒採用の強化、経験者の中途採用、社内外の研修を含む教育制度の整備、人事評価制度の改善などを通じて、イノベーションを奨励する労働環境を継続的に整備し、従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保と定着を促進していく方針であります。 ⑤内部管理体制の強化 当社グループでは、企業価値最大化のため、業務の拡大に合わせて内部管理体制を強化することが必要であると認識しております。今後も、財務分析の強化、リスク管理の徹底等、健全な企業経営に必要な体制を強化するよう取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復基調で推移した一方、物価上昇や海外経済の動向、地政学リスク等により、先行き不透明な状況が続きました。 当社グループが属するIT・コンサルティング市場におきましては、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や生成AIをはじめとする新たなテクノロジーの活用、基幹システムの刷新等を背景に、IT投資及びコンサルティングサービスに対する需要は引き続き堅調に推移しました。 このような状況のなか、当社グループのデジタルトランスフォーメーション事業は、クライアントのデジタルプラットフォーム構築のハブとなるDXパートナーとして、高い技術知見によってクラウド、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など先端技術を活用し、クライアントのビジネスモデル変革や新たなサービス開発に最適なシステム像を描き、クライアントの企業価値の最大化に貢献してまいりました。 当連結会計年度においては、日鉄ソリューションズ株式会社との資本業務提携や、アクセンチュア株式会社との販売代理店契約などのパートナーとの協業拡大や、Microsoft社のソリューションパートナー(Data & AI)認定の取得などの販路及び支援領域の拡大に取り組んでまいりました。 これらの取組により、第4四半期連結会計期間においては案件の端境期の影響により売上高が減少したものの、通期では前連結会計年度を上回る売上高となりました。また、コンサルタントの稼働率が向上したことにより外注委託費を抑制し、売上総利益は増加いたしました。一方、採用面においては、新卒社員を中心に人員の確保を進めたものの、業界全体における人材需給の逼迫を背景に当初計画を下回る採用実績となり、これに伴い販売費及び一般管理費は当初の想定を下回りました。 その結果、当連結会計年度における経営成績については、売上高は2,841,418千円(前年同期比3.7%増)、営業利益は147,086千円(前年同期比184.0%増)、経常利益は155,439千円(前年同期比157.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118,383千円(前年同期比238.0%増)となりました。なお、当社グループの報告セグメントはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は1,471,275千円となり、前連結会計年度末に比べ165,356千円増加いたしました。これは主に、売掛金及び契約資産が41,421千円、その他に含まれる未収入金が3,777千円減少した一方、現金及び預金が210,184千円、前払費用が2,547千円増加したことによるものであります。固定資産は200,585千円となり、前連結会計年度末に比べ22,169千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が3,535千円減少した一方、有形固定資産が4,521千円増加したこと及び繰延税金資産が18,568千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は1,671,860千円となり、前連結会計年度末に比べ187,525千円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は415,711千円となり、前連結会計年度末に比べ73,121千円増加いたしました。これは主に、買掛金が21,949千円減少した一方、未払法人税等が34,134千円、賞与引当金が26,987千円、役員賞与引当金が13,846千円、未払消費税等が10,130千円増加したことによるものであります。固定負債は18,840千円となり、前連結会計年度末に比べ10,281千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が10,483千円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は434,552千円となり、前連結会計年度末に比べ62,840千円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は1,237,307千円となり、前連結会計年度末に比べ124,685千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を118,383千円計上したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ210,184千円増加し、1,071,117千円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、246,624千円の収入(前年同期は66,484千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を155,439千円計上し、売上債権が42,988千円減少したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、18,844千円の支出(前年同期比91.3%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により18,844千円を支出したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、16,399千円の支出(前年同期比17.8%減)となりました。これは株式の発行により856千円の収入があった一方、長期借入金の返済により17,234千円の支出があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、デジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、受注及び販売の実績については、セグメント別の記載を省略しております。 a.生産実績当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループは、デジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)受注高(千円)前連結会計年度比(%)受注残高(千円)前連結会計年度比(%)デジタルトランスフォーメーション事業2,901,156101.9497,568113.6 c.販売実績 当社グループは、デジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)販売高(千円)前連結会計年度比(%)デジタルトランスフォーメーション事業2,841,418103.7 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年8月1日至 2025年7月31日)当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)日鉄ソリューションズ株式会社--434,09915.3トランス・コスモス株式会社415,69615.2346,50612.2PwCコンサルティング合同会社--308,70410.9アクセンチュア株式会社277,66810.1-- 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。 (売上高)当社グループでは、持続的な成長を通じた企業価値向上を目指しており、事業拡大の観点から売上高を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化に取り組んでおります。当連結会計年度は、戦略的アライアンスの推進等による顧客基盤の拡大に加え、アカウントマネジメントの取り組みを継続するなど、既存顧客との関係強化及び案件獲得に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度における売上高は2,841,418千円(前期比3.7%増)となりました。 (売上総利益)当連結会計年度における売上原価は1,736,489千円(前期比3.0%増)となりました。売上高が前期を上回る中、内製化の推進により外注費が減少し、コンサルタントの稼働率が改善したことなどにより、売上総利益率は38.9%(前期は38.5%)となりました。この結果、売上総利益は1,104,929千円(前期比4.7%増)となりました。 (営業利益)当社グループは、強固な経営基盤及び高利益率体質を構築すべく、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、経営の効率化に努めております。当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、将来の成長に向けた採用強化に伴い採用関連費用が増加した一方、広告宣伝費が減少したことなどにより、957,842千円(前期比4.5%減)となりました。この結果、営業利益は147,086千円(前期比184.0%増)となり、営業利益率は5.2%(前期は1.9%)となりました。 (経常利益)当連結会計年度において、営業外収益は主に助成金収入と為替差益の計上により8,711千円(前期比14.5%減)となりました。一方、営業外費用は支払利息等の計上により358千円(前期比79.0%減)となりました。この結果、経常利益は155,439千円(前期比157.9%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度において、特別利益の計上はありませんでしたが、固定資産の除却のため特別損失を0千円計上しております。また、法人税、住民税及び事業税を55,625千円、法人税等調整額を△18,568千円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は118,383千円(前期比238.0%増)となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析 キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループでは、事業規模の拡大を進めるために、最先端IT技術の発掘や各種IT技術を活用した製品開発及びサービスの向上に取り組んでおります。これらの資金需要は、主として人件費や外注費であり、手元資金及び営業キャッシュ・フローで補っておりますが、必要に応じて銀行借入れ等の有利子負債による調達を実施します。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、その作成過程においては経営者による会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいておりますが、その性質上、将来においてこれらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。 ④ 経営戦略の現状と見通し 当社グループは、テクノロジーコンサルティングを通じて、クライアントの持続的な競争力向上に貢献することを経営方針として事業を展開しております。 幅広いシステムアーキテクチャにおけるシステム開発・実装経験を有するコンサルティングサービスを提供するほか、AIや自動言語処理、アナリティクスなどの各種IT技術を組み合わせた独自のアプリケーションの企画・開発に取り組んでまいります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について 当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長を遂げるためには、さまざまな課題に対処することが必要であると認識しております。 それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最先端IT技術の発掘及び次世代商品開発による競合との差別化を推進し、さらなる事業拡大を図ってまいります。
事業リスク
- DX投資動向への依存国内顧客企業のDX投資の動向に業績が大きく左右されます。経済情勢の悪化や景気減速により、顧客企業のDX投資意欲が低下した場合、受注が減少し、会社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新への対応遅れ生成AI、クラウド、データ分析などIT技術の進化が速い業界にいるため、新しい技術への対応が遅れると、提供するサービスの競争力が低下する恐れがあります。また、予期せぬ新技術への大規模な投資が必要になった場合、会社の業績に影響を与える可能性があります。
- 優秀な人材の確保と育成事業拡大には優秀なIT人材の確保、育成、定着が不可欠ですが、特に新分野に精通した人材の獲得競争が激化しています。必要な人材が確保できなかったり、採用した人材が流出したりした場合、事業運営に支障をきたし、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループは、リスク管理に関して「リスク管理規程」を定め、リスク管理体制を整備しております。 以下では、当社グループの経営成績及び財政状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境に関するリスク①IT投資の動向について 当社グループの事業は国内市場に依存しており、国内のクライアントのIT投資の動向に影響を受けます。当社グループでは、幅広い業種・業態・規模のクライアントに提案できる体制の整備や、提供するサービスのラインナップの拡充に取り組んでおりますが、国内外の経済情勢の悪化や景気動向の減速等により、クライアントのIT投資意欲が減退した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ②技術革新への対応について 当社グループの主要な事業領域は、生成AI、クラウド、データ分析、セキュリティ関連を含むIT技術の進化及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており変化の激しい業界となっております。当社グループでは、市場や他社の動向を適時に把握するとともに、コンサルタントが新しい技術要素を継続的に習得できるよう取り組んでおりますが、これらの技術への対応が遅れた場合、当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、想定外の新技術への投資が必要となる場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③競合について 当社グループのデジタルトランスフォーメーション事業は、新規企業の参入障壁も低く、競争が激化する傾向にあります。当社グループでは、市場環境の変化や同業他社の動向を適時に把握するとともに、特許や商標の出願・登録を積極的に進め、価格だけでなく付加価値で対抗できるブランディングを図っております。しかしながら、今後、同業他社による新商品や新サービスの出現等によって価格競争が激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④自然災害等の発生について 当社グループでは、大規模な地震や台風等の自然災害に加え、気候変動による集中豪雨や猛暑などによって事業活動が制約される可能性を認識しております。事業継続計画(BCP)の策定やテレワーク体制などを整備しておりますが、大規模災害時には事業活動が停止あるいは著しく制約される可能性があり、その内容によっては、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業運営に関するリスク①優秀な人材の確保及び育成について 当社グループが事業拡大を進めていくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最重要課題であると認識しております。特に、生成AI、クラウド領域、データ解析など新分野に精通した人材の獲得競争が激化しております。当社グループでは、事業の成長スピードに合わせた人事計画に基づく積極的な採用活動、人事評価制度の改善や研修の実施等の施策を通じ、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。当社グループでは今後もこれらの施策を継続していく予定ではありますが、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合や、採用後の人材流出が進んだ場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ②協力会社の活用について 当社グループでは、必要に応じてシステムの設計、構築等について協力会社等に外注しております。現状では、協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保ち、エンジニアの確保に注力しておりますが、協力会社において技術力及び技術者数が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③不採算案件の発生について 当社グループでは、業務管理部門、品質管理部門は各プロジェクトの品質、コスト及び納期等の状況を見極め、異常を検知・予測し、早期に対策を講じて不採算案件の発生防止に努めております。しかしながら、このような取り組みにもかかわらず障害が防止できない場合、追加費用が発生して採算が悪化し、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④特定の仕入先への依存について 当社グループは、株式会社PKSHA Associatesと販売パートナー契約を締結し、当社グループの商品である「ipaSロボ」に不可欠であるRPAエンジンの仕入を行っております。当社グループでは、同社との良好な取引関係の構築に引き続き取り組むとともに、取引基本契約を締結し、必要量を安定的に確保できる体制を整えておりますが、同社の事業方針の変更等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤特定の販売先への依存について 当社グループの最近の2連結会計年度において販売依存度が総販売実績の10%を超える取引先は、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ④生産、受注及び販売の実績c.販売実績」に記載のとおりであります。 当社グループとこれらの販売先は良好な取引関係を維持しており、今後も継続的な取引を見込んでおりますが、当該会社の事業方針の変更等により、取引関係の解消又は取引条件の大幅な変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥新規事業について 当社グループでは、企業価値の継続的な向上を目指し、事業規模の拡大と収益基盤を多様化するために、新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想され、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、新規事業が当社グループの目論見どおり推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦資本業務提携先との関係について 当社は、2025年9月に日鉄ソリューションズ株式会社と資本業務提携契約を締結し、同社と共同で提案や案件の推進に取り組んでおります。当社グループでは、同社との良好な協業関係の維持に努めておりますが、同社との協業関係に変化が生じた場合や、同社の事業方針が変更された場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧代表者依存度について 創業以来、代表取締役を務めている阪口琢夫は、当社グループの経営方針や事業戦略構築等において重要な役割を果たしております。当社グループは、事業拡大に伴い代表者に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、現状においては何らかの理由により代表者が退任するような事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3)コンプライアンスに関するリスク①内部管理体制について 当社グループは、今後も事業を拡大していくためには、内部管理体制を強化する必要があると認識しております。今後の事業展開に応じて、採用・能力開発等によって内部管理体制の充実を図ってまいりますが、当初計画を超えて事業が成長し体制構築が追い付かない場合や、新たな人材の採用及び育成が順調に進まなかった場合、急な欠員等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ②情報セキュリティについて 当社グループは業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。当社グループではISMS認証を取得しており、情報管理に取り組んでおります。しかしながら、これらの情報について、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③係争や訴訟について 本書提出日現在において当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争や訴訟は提起されておりませんが、取引先とのトラブルの発生等、何らかの問題が生じた場合には係争や訴訟に発展する可能性があり、その内容及び結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他のリスク①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社グループでは、当社グループの取締役及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末日現在の新株予約権による潜在株式総数は682,800株であり、発行済株式総数4,864,200株の14.0%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 ②投資リスクについて 当社グループでは、企業価値の継続的な向上を目指し、必要に応じて企業買収等の投資を実施することがあります。買収企業や出資先の業績が計画どおりに伸長せず、投資した金額が回収できない場合や追加の費用が発生した場合等において、減損等の損失が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。