経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「お客様第一義を基本に、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)業界のNo.1企業を目指し、同志の幸福と豊かな社会づくりに貢献する。」という経営理念のもと、主として物流センター業務をコアとする3PL業務を行っており、その中でも小売業を中心としたEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流に加えて、BCP物流に特化して事業展開を図っております。また、人材育成、最先端の知識や技術の修得、独創的なロジスティクスデザインの構築(物流の最適化)とDXの研究開発にも取り組むことにより、お客様の経営を全面的にサポートできるロジスティクスのプロ集団として、「地域社会の発展」「豊かな社会づくり」に貢献してまいります。(2) 目標とする経営指標当社グループは、経営の基盤となる財務力・収益力の継続的な改善と、利益向上に見合った利益還元を行うための指標として、以下の指標を安定的に維持していくことを目標としています。① 自己資本比率:45%以上② 売上高経常利益率:8%以上③ ROE:15%以上(3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループが持続的な成長を実現するためには、当社のコアとなるEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各事業ドメインにおける業容拡大と、深刻化する人材及び稼働車両不足の状況下における事業拡大に資する人材の確保・育成、DX化の推進と適用による省人化・省力化、生産性向上に努めております。また、更なる事業拡大のため、経営資源を適正に配分し、成長事業への集中投資と低収益事業の再生・再編による経営の効率化を図るとともに、ESG経営にも積極的に取り組み、経済価値の最大化と同時に社会的価値の創出を目指してまいります。中期重点施策は、以下のとおりです。① 成長市場の物流需要増大に適合したコア事業の拡大と開拓≪EC物流事業≫既存・新規顧客に係る高品質・高効率なサプライチェーン(センター運営・幹線輸送・ラストワンマイル)一貫物流プロセスを構築し、更なる事業の拡大を図っております。≪低温食品物流事業≫スーパーマーケット向けの物流ノウハウを集約したサービスメニュー「AZ-COM7PL」(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)を発展させた調達ネットワークの構築、多様な輸送モードに対応した産直プラットフォームの構築、HACCP(食品の衛生管理手法)に適合した物流品質の向上に努めております。≪医薬・医療物流事業≫顧客企業の経営戦略に合致した全国の物流ネットワークの最適化と最先端技術を駆使した物流センターの再構築に取り組んでおります。② 事業規模の拡大に連動した要員確保の多様化と最適配置・人材育成 将来の事業拡大に必要な人材の確保と優秀な人材の育成を充たすために、新卒採用の強化に加え、即戦力となる中途採用等を含む採用チャネルの多角化に取り組みます。また、事業拡大に必要なスキルと要員数に基づいた戦略的人材育成と、人的資本の最大化を目指したタレントマネジメントによる適正配置・離職防止に取り組みます。③ DX推進による持続可能な物流モデルの構築労働力不足、輸送費の上昇という社会課題に対し、DX推進による持続可能な物流モデルの構築に向け、「データドリブン経営」へシフトします。ITツールを活用しながら収集・蓄積されたデータを分析し、適切かつ迅速な意思決定が可能なデータドリブン事業情報基盤づくりに取り組んでまいります。 ④ 成長性と資本効率を両立する事業への経営資源の集中と事業の再生・再編 経営資源を最適に再投資するため、事業の成長性と投資効率を測定し、コア事業に集中的に経営資源を配分することで、事業成長の加速を図ります。また、ROICツリー展開により各事業の改善ドライバーを特定することで、低収益事業の再生と不採算事業の再編を図ります。⑤ 事業活動を通じた社会との共有価値の創造とコーポレートガバナンス改革 東証プライム市場上場企業としての責務を果たすべく、物流企業としてGHG(温室効果ガス)排出量削減は勿論、事業活動を通じた環境・社会的価値の向上に努めるとともに、当社が推進する「AZ-COMネットワーク」によるパートナー企業間の相互扶助に基づく連携や「AZ-COM BCPネットワーク」による発災時における安全・安心・安定した物流の提供、強靭な物流網の構築等に努め、社会の公器たる姿勢を示してまいります。 また、当社の永続的発展を実現するために、次世代を見据えたコーポレートガバナンス改革に取り組んでまいります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く環境は、長期化するロシアのウクライナ侵攻、米中対立、並びに中東情勢等の地政学リスクに加え、米国新政権による政策動向の影響など、先行き不透明感を強めております。国内においても、物価上昇による個人消費の伸び悩みや各種コストの高止まり等、依然として厳しい状況が続いております。 このような状況のもと、当社グループは持続的な成長を可能にするため、経営資源の全体最適化を図り、顧客のあらゆるご要望にお応えできるよう、業務改革や社員一人ひとりの意識・行動変革に取り組んでまいります。また、労働環境の変化への対応や人材及び稼働車両不足などの問題解決に努め、業容拡大に対処できる体制の構築を図ってまいります。主な施策としましては、以下のとおりとなります。 ① 純粋持株会社体制によるグループ経営の推進「グループ経営戦略推進機能の強化」、「責任と権限の明確化と意思決定の迅速化」、「グループガバナンスの強化」を推進し、当社グループ全体の企業価値極大化を実現してまいります。② 営業体制の強化新規顧客を獲得するため、営業ターゲットを絞り込み、引き続き顧客に密着した集中営業活動を展開し、いち早く顧客のニーズを収集し、変わり続ける社会環境や顧客ニーズに応える物流改善提案を行うことで、新規顧客の開拓及び既存顧客の業務シェア拡大に努めてまいります。③ 業務体制の強化日々変動する顧客の物量動向を注視し、人員配置や効率的な配車などきめ細かな経費コントロールと業務効率の改善を目的とした「日次決算マネジメント」を全社で完全実施することで、あらゆる環境変化に即座に対応ができる安定した収益基盤の構築に努めてまいります。また、顕在化している人材及び稼働車両不足等の諸問題を解決すべく、「AZ-COMネットワーク」の会員規模拡大に努め、パートナー企業との連携強化による安定した輸配送体制の構築と人材の確保に引き続き取り組んでまいります。④ M&Aによる事業拡大当社グループは、顧客ニーズの充足とともに更なる事業の拡大を図るため、経営戦略としてM&Aを推進しております。実行する場合には、投資効果の算定や、シナジーの検証、当社の企業文化に融合できるか等、総合的に勘案した上で実行してまいります。また、シナジーの創出やガバナンス強化を実現するために適切なPMI(経営統合プロセス)を実施してまいります。⑤ 採用活動の強化あらゆる環境が変化する中、今後の事業拡大のためには、多様な人材の確保が必要不可欠となります。このため、福利厚生の充実化や採用体制の整備・強化を図り、経営トップから新入社員まで採用活動に携わる「全社オールリクルート体制」を推進し、優秀な新規学卒者の採用と即戦力となる経験者採用により人材の確保に取り組んでまいります。⑥ 管理体制の強化社会から信用・信頼される企業づくりのため、法令遵守はもとより、内部管理体制やリスク管理体制の強化に努め、企業倫理に則った行動の徹底に努めることで、健全な企業経営を推進してまいります。 ⑦ 安全対策の強化物流会社としての社会的責任を果たすため、事故ゼロを目標として掲げ、安全担当部署による定期的な巡回指導や最先端のデジタル・タコグラフ、ドライブレコーダーの情報を活用した運転者の安全運転教育を実施し、事故撲滅への更なる安全強化対策に取り組んでまいります。また、エコドライブの推進や車両・施設における環境負荷軽減など、環境保全に対しても積極的に取り組んでまいります。⑧ より実効性の高いガバナンス体制構築より実効性の高いガバナンス体制構築に向け、取締役会の諮問機関として、指名・報酬委員会を設置しております。指名・報酬委員会は独立性・客観性を担保するため、委員の過半数を独立社外取締役としており、取締役候補者の選任プロセス及び取締役の報酬決定プロセスに係る諮問・答申を行うとともに、取締役会の機能の向上を目的とした取締役会実効性評価を実施することで、ダイバーシティを意識した経営の透明性・客観性の確保とコーポレート・ガバナンスの一層の強化に取り組んでまいります。⑨ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進激変する経営環境に対応し、競合他社との厳しい競争に勝ち抜いていくためにDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、集中オペレーションによる業務の自動化やAI配車・物量予測の研究・導入等、先端技術による業務の効率化と物流品質の向上を実現すべく、社会インフラとしての物流事業の変革を更に加速してまいります。⑩ サステナビリティの推進サステナビリティ経営の実現により事業活動を通じて社会的責任を果たすため、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現すべくマテリアリティ(重要課題)を特定し、CSV(Creating Shared Value:社会との共有価値の創造)の実現に取り組んでまいります。⑪ 資本コストや株価を意識した経営の実現資本コストを的確に把握したうえで、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を設定し、その実現のために事業ポートフォリオの見直し等の取り組みを推進することで、経営資源の適切な配分と資本コストの適正化を図り、企業価値向上の実現を目指しております。≪現状分析≫ 経営資源を最適に再投資するため、事業の成長性と投資効率についてROIC(投下資本利益率)を用いて測定・評価しております。また、WACC(加重平均資本コスト)を参考として当社におけるハードルレートは8%と設定しております。 第51期2024年3月期実績第52期2025年3月期実績ROIC(投下資本利益率)10.68%7.28%WACC(加重平均資本コスト)1.18%1.99%RОE(自己資本利益率)20.03%12.90%PBR(株価純資産倍率)3.30倍2.87倍※2025年3月末時点のWACC(1.99%)には、2020年12月に調達した2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(ユーロ円CB)が含まれておりますが、投資家要求利回り及び投資効率を鑑み、これをハードルレートの設定に用いることは適当でないと判断し、ユーロ円CB発行以前のWACC(7.77%)を参考値としてハードルレートを設定しております。≪評価・改善プロセス≫ 当社グループの各事業について、ROICと過去2年間の売上高年平均成長率(CAGR)を軸とした財務評価及び補完的に競合企業数と業界成長率を軸とした市場評価を行い、それらを複合的に評価しております。 評価結果に基づき、適格と判断された事業については、資源配分を行い、事業を継続いたします。また、不適格と判断された事業については、事業再生計画を策定し、計画実行後2ヶ年経過後に再評価を実施。なおも将来業績の回復可能性が見込めないと判断された場合は、撤退・縮小・売却等の善後策を検討いたします。 当社グループの事業評価・改善プロセス図は、以下のとおりです。≪運営体制≫ 事業の評価、低評価事業の再生、不適格事業の撤退・縮小、事業ポートフォリオの再編、経営資源の再配分の各プロセスは、経営層が主体となり、各常任委員会(サステナビリティ委員会、投資委員会、見積・契約審査委員会)において審議し、取締役会に答申して意思決定しております。 当社グループの資本コスト経営に関する運営体制図は、以下のとおりです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「お客様第一義を基本に、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)業界のNo.1企業を目指し、同志の幸福と豊かな社会づくりに貢献する。」という経営理念のもと、主として物流センター業務をコアとする3PL業務を行っており、その中でも小売業を中心としたEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流に加えて、BCP物流に特化して事業展開を図っております。また、人材育成、最先端の知識や技術の修得、独創的なロジスティクスデザインの構築(物流の最適化)とDXの研究開発にも取り組むことにより、お客様の経営を全面的にサポートできるロジスティクスのプロ集団として、「地域社会の発展」「豊かな社会づくり」に貢献してまいります。(2) 目標とする経営指標当社グループは、経営の基盤となる財務力・収益力の継続的な改善と、利益向上に見合った利益還元を行うための指標として、以下の指標を安定的に維持していくことを目標としています。① 自己資本比率:45%以上② 売上高経常利益率:8%以上③ ROE:15%以上(3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループが持続的な成長を実現するためには、当社のコアとなるEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各事業ドメインにおける業容拡大と、深刻化する人材及び稼働車両不足の状況下における事業拡大に資する人材の確保・育成、DX化の推進と適用による省人化・省力化、生産性向上に努めております。また、更なる事業拡大のため、経営資源を適正に配分し、成長事業への集中投資と低収益事業の再生・再編による経営の効率化を図るとともに、ESG経営にも積極的に取り組み、経済価値の最大化と同時に社会的価値の創出を目指してまいります。中期重点施策は、以下のとおりです。① 成長市場の物流需要増大に適合したコア事業の拡大と開拓≪EC物流事業≫既存・新規顧客に係る高品質・高効率なサプライチェーン(センター運営・幹線輸送・ラストワンマイル)一貫物流プロセスを構築し、更なる事業の拡大を図っております。≪低温食品物流事業≫スーパーマーケット向けの物流ノウハウを集約したサービスメニュー「AZ-COM7PL」(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)を発展させた調達ネットワークの構築、多様な輸送モードに対応した産直プラットフォームの構築、HACCP(食品の衛生管理手法)に適合した物流品質の向上に努めております。≪医薬・医療物流事業≫顧客企業の経営戦略に合致した全国の物流ネットワークの最適化と最先端技術を駆使した物流センターの再構築に取り組んでおります。② 事業規模の拡大に連動した要員確保の多様化と最適配置・人材育成 将来の事業拡大に必要な人材の確保と優秀な人材の育成を充たすために、新卒採用の強化に加え、即戦力となる中途採用等を含む採用チャネルの多角化に取り組みます。また、事業拡大に必要なスキルと要員数に基づいた戦略的人材育成と、人的資本の最大化を目指したタレントマネジメントによる適正配置・離職防止に取り組みます。③ DX推進による持続可能な物流モデルの構築労働力不足、輸送費の上昇という社会課題に対し、DX推進による持続可能な物流モデルの構築に向け、「データドリブン経営」へシフトします。ITツールを活用しながら収集・蓄積されたデータを分析し、適切かつ迅速な意思決定が可能なデータドリブン事業情報基盤づくりに取り組んでまいります。 ④ 成長性と資本効率を両立する事業への経営資源の集中と事業の再生・再編 経営資源を最適に再投資するため、事業の成長性と投資効率を測定し、コア事業に集中的に経営資源を配分することで、事業成長の加速を図ります。また、ROICツリー展開により各事業の改善ドライバーを特定することで、低収益事業の再生と不採算事業の再編を図ります。⑤ 事業活動を通じた社会との共有価値の創造とコーポレートガバナンス改革 東証プライム市場上場企業としての責務を果たすべく、物流企業としてGHG(温室効果ガス)排出量削減は勿論、事業活動を通じた環境・社会的価値の向上に努めるとともに、当社が推進する「AZ-COMネットワーク」によるパートナー企業間の相互扶助に基づく連携や「AZ-COM BCPネットワーク」による発災時における安全・安心・安定した物流の提供、強靭な物流網の構築等に努め、社会の公器たる姿勢を示してまいります。 また、当社の永続的発展を実現するために、次世代を見据えたコーポレートガバナンス改革に取り組んでまいります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く環境は、長期化するロシアのウクライナ侵攻、米中対立、並びに中東情勢等の地政学リスクに加え、米国新政権による政策動向の影響など、先行き不透明感を強めております。国内においても、物価上昇による個人消費の伸び悩みや各種コストの高止まり等、依然として厳しい状況が続いております。 このような状況のもと、当社グループは持続的な成長を可能にするため、経営資源の全体最適化を図り、顧客のあらゆるご要望にお応えできるよう、業務改革や社員一人ひとりの意識・行動変革に取り組んでまいります。また、労働環境の変化への対応や人材及び稼働車両不足などの問題解決に努め、業容拡大に対処できる体制の構築を図ってまいります。主な施策としましては、以下のとおりとなります。 ① 純粋持株会社体制によるグループ経営の推進「グループ経営戦略推進機能の強化」、「責任と権限の明確化と意思決定の迅速化」、「グループガバナンスの強化」を推進し、当社グループ全体の企業価値極大化を実現してまいります。② 営業体制の強化新規顧客を獲得するため、営業ターゲットを絞り込み、引き続き顧客に密着した集中営業活動を展開し、いち早く顧客のニーズを収集し、変わり続ける社会環境や顧客ニーズに応える物流改善提案を行うことで、新規顧客の開拓及び既存顧客の業務シェア拡大に努めてまいります。③ 業務体制の強化日々変動する顧客の物量動向を注視し、人員配置や効率的な配車などきめ細かな経費コントロールと業務効率の改善を目的とした「日次決算マネジメント」を全社で完全実施することで、あらゆる環境変化に即座に対応ができる安定した収益基盤の構築に努めてまいります。また、顕在化している人材及び稼働車両不足等の諸問題を解決すべく、「AZ-COMネットワーク」の会員規模拡大に努め、パートナー企業との連携強化による安定した輸配送体制の構築と人材の確保に引き続き取り組んでまいります。④ M&Aによる事業拡大当社グループは、顧客ニーズの充足とともに更なる事業の拡大を図るため、経営戦略としてM&Aを推進しております。実行する場合には、投資効果の算定や、シナジーの検証、当社の企業文化に融合できるか等、総合的に勘案した上で実行してまいります。また、シナジーの創出やガバナンス強化を実現するために適切なPMI(経営統合プロセス)を実施してまいります。⑤ 採用活動の強化あらゆる環境が変化する中、今後の事業拡大のためには、多様な人材の確保が必要不可欠となります。このため、福利厚生の充実化や採用体制の整備・強化を図り、経営トップから新入社員まで採用活動に携わる「全社オールリクルート体制」を推進し、優秀な新規学卒者の採用と即戦力となる経験者採用により人材の確保に取り組んでまいります。⑥ 管理体制の強化社会から信用・信頼される企業づくりのため、法令遵守はもとより、内部管理体制やリスク管理体制の強化に努め、企業倫理に則った行動の徹底に努めることで、健全な企業経営を推進してまいります。 ⑦ 安全対策の強化物流会社としての社会的責任を果たすため、事故ゼロを目標として掲げ、安全担当部署による定期的な巡回指導や最先端のデジタル・タコグラフ、ドライブレコーダーの情報を活用した運転者の安全運転教育を実施し、事故撲滅への更なる安全強化対策に取り組んでまいります。また、エコドライブの推進や車両・施設における環境負荷軽減など、環境保全に対しても積極的に取り組んでまいります。⑧ より実効性の高いガバナンス体制構築より実効性の高いガバナンス体制構築に向け、取締役会の諮問機関として、指名・報酬委員会を設置しております。指名・報酬委員会は独立性・客観性を担保するため、委員の過半数を独立社外取締役としており、取締役候補者の選任プロセス及び取締役の報酬決定プロセスに係る諮問・答申を行うとともに、取締役会の機能の向上を目的とした取締役会実効性評価を実施することで、ダイバーシティを意識した経営の透明性・客観性の確保とコーポレート・ガバナンスの一層の強化に取り組んでまいります。⑨ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進激変する経営環境に対応し、競合他社との厳しい競争に勝ち抜いていくためにDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、集中オペレーションによる業務の自動化やAI配車・物量予測の研究・導入等、先端技術による業務の効率化と物流品質の向上を実現すべく、社会インフラとしての物流事業の変革を更に加速してまいります。⑩ サステナビリティの推進サステナビリティ経営の実現により事業活動を通じて社会的責任を果たすため、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現すべくマテリアリティ(重要課題)を特定し、CSV(Creating Shared Value:社会との共有価値の創造)の実現に取り組んでまいります。⑪ 資本コストや株価を意識した経営の実現資本コストを的確に把握したうえで、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を設定し、その実現のために事業ポートフォリオの見直し等の取り組みを推進することで、経営資源の適切な配分と資本コストの適正化を図り、企業価値向上の実現を目指しております。≪現状分析≫ 経営資源を最適に再投資するため、事業の成長性と投資効率についてROIC(投下資本利益率)を用いて測定・評価しております。また、WACC(加重平均資本コスト)を参考として当社におけるハードルレートは8%と設定しております。 第51期2024年3月期実績第52期2025年3月期実績ROIC(投下資本利益率)10.68%7.28%WACC(加重平均資本コスト)1.18%1.99%RОE(自己資本利益率)20.03%12.90%PBR(株価純資産倍率)3.30倍2.87倍※2025年3月末時点のWACC(1.99%)には、2020年12月に調達した2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(ユーロ円CB)が含まれておりますが、投資家要求利回り及び投資効率を鑑み、これをハードルレートの設定に用いることは適当でないと判断し、ユーロ円CB発行以前のWACC(7.77%)を参考値としてハードルレートを設定しております。≪評価・改善プロセス≫ 当社グループの各事業について、ROICと過去2年間の売上高年平均成長率(CAGR)を軸とした財務評価及び補完的に競合企業数と業界成長率を軸とした市場評価を行い、それらを複合的に評価しております。 評価結果に基づき、適格と判断された事業については、資源配分を行い、事業を継続いたします。また、不適格と判断された事業については、事業再生計画を策定し、計画実行後2ヶ年経過後に再評価を実施。なおも将来業績の回復可能性が見込めないと判断された場合は、撤退・縮小・売却等の善後策を検討いたします。 当社グループの事業評価・改善プロセス図は、以下のとおりです。≪運営体制≫ 事業の評価、低評価事業の再生、不適格事業の撤退・縮小、事業ポートフォリオの再編、経営資源の再配分の各プロセスは、経営層が主体となり、各常任委員会(サステナビリティ委員会、投資委員会、見積・契約審査委員会)において審議し、取締役会に答申して意思決定しております。 当社グループの資本コスト経営に関する運営体制図は、以下のとおりです。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)業績等の概要当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大や賃上げ等による雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調となりました。一方で、長期化するロシアのウクライナ侵攻、米中対立、並びに中東情勢等の地政学リスクに加え、米国新政権による政策動向の影響など、先行き不透明感を強めております。物流業界におきましては、物価高騰に伴う物量の伸び悩みだけではなく、輸送力および労働力不足や各種コスト上昇など、依然として厳しい経営環境が続いております。このような環境のもと当社グループは、コアとなるEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各ドメインにおける業容拡大と、深刻化する人材及び稼働車両不足の状況下における事業拡大に資する人材の確保・育成、DX化の推進と適用による省人化・省力化、生産性向上に努めてまいりました。また、更なる事業拡大のため、経営資源を適正に配分し、成長事業への集中投資と低収益事業の再生・再編による経営の効率化を図るとともに、ESG経営にも積極的に取り組み、経済価値を最大化すると同時に社会的価値の創出を目指してまいります。 以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高208,370百万円(前年同期比4.9%増)となりましたが、後述するセグメント別の業績情報に加え、株式公開買付関連費用が影響し、営業利益10,969百万円(同20.8%減)、経常利益11,645百万円(同19.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,284百万円(同20.1%減)の増収減益となりました。 セグメント別の業績は以下のとおりであります。① 物流事業<輸配送事業>(ラストワンマイル事業) ラストワンマイル事業においては、エリア拡大や稼働台数増に加え、完全子会社化した㈱ルーフィの業績が寄与した結果、売上高は39,350百万円(前年同期比2.9%増)となりました。(EC常温輸配送事業) EC常温輸配送事業においては、成長するEC需要を背景とした新たな輸配送案件の獲得や各取引先との料金改定が一部進捗したものの、前連結会計年度における大型拠点閉鎖に伴う輸送数の減少が影響した結果、売上高は53,371百万円(前年同期比10.3%減)となりました。<3PL事業>(EC常温3PL事業) EC常温3PL事業においては、大手ネット通販会社向けの大型拠点を中心とした新たな物流センターの開設が進んだことに加え、各取引先における取扱物量の増加が業績に寄与した結果、売上高は64,486百万円(前年同期比18.2%増)となりました。(低温食品3PL事業) 低温食品3PL事業においては、新たなスーパーマーケット向け物流センター開設や各取引先における取扱物量の増加が寄与した結果、売上高は24,239百万円(前年同期比9.8%増)となりました。(医薬・医療3PL事業) 医薬・医療3PL事業においては、主要取引先であるドラッグストアの業容拡大に対応する新たな物流センターを開設したことに加え、好調な出荷物量が業績に寄与した結果、売上高は24,151百万円(前年同期比12.0%増)となりました。 以上の結果、物流事業における売上高は205,598百万円(前年同期比4.9%増)の増収となりました。 利益面では、積極的な事業拡大を目的とした営業開発により、物流センターの拠点数や稼働車両台数が増加したことや適正な運賃への価格転嫁の取り組みが一部進捗いたしました。一方で、新たな拠点の開設及び統廃合に伴う一時費用や各種コストの上昇が影響した結果、物流事業におけるセグメント利益(営業利益)は11,330百万円(同18.2%減)の減益となりました。 ② その他 ファイズホールディングス㈱における情報システム事業の拡大及び㈱アズコムデータセキュリティのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に係る新規案件開発の受注が順調に推移した結果、売上高は2,771百万円(前年同期比7.2%増)、セグメント利益(営業利益)は418百万円(同9.0%増)の増収増益となりました。 (2)財政状態の状況(資産) 資産合計は、3,845百万円増加し、138,440百万円となりました。流動資産は、有価証券が5,000百万円、未収還付法人税等が614百万円それぞれ減少したこと等により、5,924百万円減少し66,573百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物(純額)が1,720百万円、機械装置及び運搬具(純額)が1,624百万円、工具、器具及び備品(純額)が1,000百万円、建設仮勘定が3,577百万円、敷金及び保証金が1,158百万円、それぞれ増加したこと等により、9,770百万円増加し71,866百万円となりました。 (負債) 負債合計は、947百万円増加し、78,000百万円となりました。流動負債は、償還日まで1年未満となった転換社債を固定負債から振替えたことにより1年内償還予定の転換社債が20,146百万円増加した一方で、未払法人税等が1,601百万円、未払金が1,240百万円、それぞれ減少したこと等により、18,066百万円増加し50,682百万円となりました。固定負債は、長期借入金が2,077百万円、資産除去債務が653百万円、それぞれ増加した一方で、転換社債が20,366百万円減少したこと等により、17,118百万円減少し27,317百万円となりました。 (純資産)純資産は、利益剰余金が3,091百万円増加したこと等により、2,897百万円増加し60,440百万円となり、自己資本比率は41.7%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期末と比べ、4,744百万円減少し、41,136百万円となりました。各キャッシュ・フローの主な増減要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは1,900百万円の収入減少となり、8,897百万円の収入となりました。これは主に、法人税等の支払額が586百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益が2,604百万円減少したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは4,741百万円の支出増加となり、10,606百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得により3,668百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得により1,249百万円、それぞれ支出が増加したことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度においては8,581百万円の収入でしたが、当連結会計年度では3,035百万円の支出となりました。これは主に、前連結会計年度において増資の実施に伴い12,894百万円の収入があったことによるものです。 (4)生産、受注及び販売の実績① 生産実績 当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。 ② 受注実績 当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)物流事業205,598+4.9%その他2,771+7.2%合計208,370+4.9%(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総売上高実績に対する割合相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)アマゾンジャパン(同)54,40327.462,36929.9(株)マツキヨココカラ&カンパニー17,6688.919,9539.6ヤマト運輸(株)27,06813.617,4638.4(注)㈱マツキヨココカラ&カンパニーに対する売上高には、同社の子会社である㈱MCCマネジメントの売上高も含まれております。 (5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。 ② 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を与える要因について 当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制の変化、顧客の動向、人材の確保及び育成、システム障害等、様々なリスク要因が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社グループは法令遵守の浸透、顧客ニーズへの対応、新たなサービス開発、優秀な人材の確保と育成、システム基盤の増強等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。④ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループの運転資金需要のうち主なものは、傭車費、外注費、人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規物流センターに係る建設資金や設備投資及び既存物流センター設備に係る経常的な更新によるものであります。当社グループは、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、CMS参加各社におけるグループ内資金の包括的管理を実施しており、連結子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、連結子会社の自己資金や当社が連結子会社に長期貸付を行うことを基本としておりますが、金融機関からの借入金も検討していきます。資金の財源につきましては、短期運転資金は自己資金及び当社グループ内資金や金融機関からの借入金を基本としており、設備投資やM&A等に係る投資資金、長期運転資金は自己資金及びグループ内資金を活用するとともに、金融機関からの借入金及び社債にて対応しております。また、複数の金融機関との間で当座借越契約を締結しており、必要な資金を速やかに確保する基盤を整えております。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について 中期経営計画2025(2022年4月~2025年3月)の3年目である2025年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりとなりました。 当社グループが展開するEC物流において、成長を続けるネット通販需要に対応すべく、サプライチェーン(センター運営、幹線輸送、ラストワンマイル)一貫物流プロセスの強化に取り組みましたが、大型拠点閉鎖による輸送数の減少が業績に一部影響いたしました。一方で、3PL事業においては、積極的な営業開発により新たな物流センターを複数拠点稼働させるなど、更なる業容拡大に努めてまいりました。また、利益面については、積極的な事業拡大と日次決算マネジメントによる生産性向上の成果が見られたものの、拠点見直しに伴う減収影響や開設及び統廃合に係る一時費用に加え、各種コストの上昇が影響した結果、計画を下回ることとなりました。 第 52 期2025年3月期計画第 52 期2025年3月期実績計画比増減増減率売上高(百万円)240,000208,370△31,629△13.2%営業利益(百万円)17,10010,969△6,130△35.9%営業利益率(%)7.15.3△1.9ポイント-経常利益(百万円)17,50011,645△5,855△33.5%経常利益率(%)7.35.6△1.7ポイント-