8706

極東証券(8706)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

証券・商品先物取引業 金融(除く銀行)

事業の概要

極東証券は、有価証券の売買やその仲介、引き受け、募集の取り扱いなどを主な業務とする金融商品取引業者です。子会社を通じて、投資ファンドの運営・管理、自己資金での長期投資、不動産の賃貸、経済・金融市場の調査・研究も行っています。収益は主に金融商品取引業から得ており、顧客からの手数料収入に過度に依存しない収益構造を目指しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

極東証券グループは、「投資・金融サービス業」という単一セグメントで事業を展開しています。これは、金融商品取引業、投資業、不動産業、調査・研究業の4つの事業内容を含みますが、金融商品取引業以外の事業が連結財務諸表に与える影響が軽微であるため、統合されています。主な稼ぎ頭は極東証券株式会社が行う金融商品取引業であり、子会社は投資ファンドの運営・管理、自己資金での長期投資、不動産賃貸、経済調査・研究を通じてグループ全体の事業を支えています。海外比率については特筆されていません。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|757 文字
3【事業の内容】 当社及び関係会社は、有価証券の売買等及び売買等の受託、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い等を主たる業務としております。 当社及び関係会社の事業内容及び位置付けは以下のとおりであります。なお、当社及び関係会社は、(1)金融商品取引業、(2)投資業、(3)不動産業及び(4)調査・研究業を事業内容としておりますが、当社が行う事業以外において当社及び連結子会社の連結財務諸表への影響が僅少なため、「投資・金融サービス業」という単一セグメントとみなしております。 主な関係会社は、当社の子会社「株式会社FEインベスト(連結)、極東プロパティ株式会社(連結)、株式会社極東証券経済研究所(非連結)」の3社であります。 (1)金融商品取引業① 極東証券株式会社は、国内において第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業を営んでおります。② 株式会社FEインベストは、国内において第二種金融商品取引業を営んでおり、同社が組成する投資ファンドの運営・管理を行っております。(2)投資業 株式会社FEインベストは、自己資金を利用して、主に長期投資による安定的収益の確保を目的とした投資業を行っております。(3)不動産業 極東プロパティ株式会社は、不動産業を営み、主として極東証券株式会社の本支店の店舗等を賃貸しております。(4)調査・研究業 株式会社極東証券経済研究所は、主として極東証券株式会社の委託に基づき、国内外における経済、金融市場の調査・研究業を営んでおります。〔当社及び関係会社の事業系統図〕  (注)1.上記、株式会社極東証券経済研究所は持分法非適用会社であります。 2.上記以外に非連結子会社として投資事業有限責任組合が1組合あり、当該組合は持分法非適用会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
市場競争力の低下や収益機会を逃す可能性がリスクとして挙げられているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
金融商品取引業の登録、金融商品取引法及び関係法令、自主規制機関の諸規則遵守が求められる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:単一事業(金融商品取引業)を営んでいることのリスク / テクノロジーを活用しないことによる市場競争力低下のリスク / 金融商品取引業の登録取消し、業務停止処分に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

極東証券は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPによる明確な無形資産の優位性を示唆する情報は現時点では確認できません。一般的な証券会社としてのサービス提供であり、他社との差別化要因となる強力な無形資産は見当たりません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

証券口座の開設・維持には一定の手間がかかるため、既存顧客が他社へ乗り換える際には多少のスイッチングコストが発生します。しかし、手数料の安さやサービス内容の魅力があれば乗り換えは比較的容易であり、顧客の囲い込みに繋がるほどの高いスイッチングコストは存在しないと考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

極東証券のビジネスモデルは、顧客数が増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果を生み出す構造ではありません。取引プラットフォームの利用や情報提供は、個々の顧客の利用状況に依存し、全体としてのネットワーク効果は限定的です。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

証券業界は競争が激しく、手数料やサービスコストの最適化は常に求められます。しかし、極東証券が構造的に他社よりも圧倒的に低コストでサービスを提供できるような、明確なコスト優位性を示す情報は現時点では確認できません。規模の経済によるコスト削減効果も限定的と考えられます。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

証券業界は大手証券会社が市場を寡占する傾向がありますが、極東証券は中堅規模のプレイヤーであり、業界全体に対する最適な規模の経済を享受しているとは言えません。一定の顧客基盤と取引量はありますが、業界のリーダー企業と比較すると規模の優位性は限定的です。

極東証券は、Face to Faceの対面営業をビジネスモデルの基盤としており、顧客との直接的な関係構築を重視しています。これにより、顧客のニーズに合わせたきめ細やかなサービス提供が可能となり、顧客との信頼関係を深めることで、他社との差別化を図っています。また、子会社による投資業や不動産業、調査・研究業を通じて、事業の多角化を進め、収益源の安定化を図ることで、単一事業に依存するリスクの軽減を目指しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社及びグループ会社(以下「当社グループ」という。)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下第2 事業の状況において「当期」という。)末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針当社グループは、創立以来、「信は萬事の基と為す」を経営の基本理念として、信頼を原点としたFace to Face(お客さまとの対面での直接対話型)のビジネスモデルと健全経営による安定的成長確保を経営の基本方針としております。この基本方針を堅持しながら、市場環境や規制環境の変化にも柔軟に対応し、持続的な成長を可能とする収益基盤を構築していくことが、当社グループの対処すべき課題と認識しております。こうした課題認識の下、中期事業計画(2024年度~2026年度)を着実に実行することで、企業価値・株主価値の最大化を図ってまいります。また、当社グループの事業活動を通じて、お客さまを含め国民全体の資産形成に資することで社会全体に付加価値をもたらし、ひいては、国民経済全体の発展に貢献することを念頭に置きながら、持続可能な事業を展開してまいります。 (2)中長期の基本戦略当社グループは、経営の基本理念に則り、独自のビジネスモデルを堅持し持続的な成長を目指してまいります。そのため、当社グループは、以下に掲げるサステナビリティ基本方針に基づき、全てのステークホルダーをこれまで以上に意識しつつ、当社グループの企業価値の向上及び金融・資本市場を通じた持続可能性への貢献を行ってまいります。また、東京証券取引所プライム市場上場企業として、企業価値の向上に向けた資本コストや株価を意識した経営及び株主との対話の推進に取り組むとともに、より高い水準のコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めてまいります。  (サステナビリティ基本方針)当社グループは、企業理念に基づき、金融商品取引業者としての事業を通じて、サステナビリティ(持続可能性)の向上に取り組んでまいります。 (3)経営環境及び中期事業計画、対処すべき課題① 経営環境諸外国における経済・金利の動向や地政学的なリスクなど、わが国経済や金融市場は引き続き不確実な動きを示すことが予想され、当社事業の持続的成長の脅威となる要因は多く存在すると考えております。わが国では、政府の「資産運用立国」の実現に向けた政策の下、NISAの抜本的拡充・恒久化、金融経済教育の充実及び暗号資産を活用した新たな金融商品の開発等の様々な施策が実施されており、国民の安定的な資産形成へのニーズが高まっております。こうした環境において、富裕層向けの金融サービスを中核事業としてきた当社グループは、独自のビジネスモデルを更に追求することで、その存在意義が高まり、厳しい競争環境下においても、持続可能な成長が可能であると考えております。 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等イ.顧客基盤・預り資産の拡大当社グループは、国内外の証券市場で売買される金融商品の販売をその事業基盤としており、その顧客基盤や預り資産についても、市場環境によって大きく左右されると考えております。当期においては、投資信託の販売が好調に推移したことから、預り資産残高1,000万円以上の顧客口座数、総預り資産残高ともに増加いたしました。顧客基盤や預り資産について、単にその水準をもって経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標とすることは困難でありますが、それらを当社グループの収益基盤の大きな柱として認識しつつ、加えて、お客さまの属性や投資行動等を詳細に分析し活用する方法を更に検討してまいります。 ロ.顧客満足度の向上当社グループの持続的な成長のためには、提供する商品やサービスに対するお客さまの評価や満足度の向上が不可欠であります。お客さまの満足度を測る指標としては、お客さまの投資パフォーマンスや営業員の対応力・提案力の評価など様々な観点が挙げられますが、当社グループでは「既存のお客さまによる新規顧客のご紹介」を重要な指標として継続的に採用してまいりました。その結果、新規に口座を開設いただいたお客さまのうち、既存のお客さまからのご紹介を契機とする割合は、当期実績で65.2%と引き続き高い水準を維持しております。これは、お客さまからの信頼と評価の表れであると認識しております。また、2025年度には、お客さま満足度(CX指標(注))の調査も実施し、その結果、CX指標は6.52となり、前回調査(2022年度:5.51)から着実に向上しております。当社が重視してきたFace to Faceのビジネスモデルを堅持・深化させ、更なるお客さま満足度の向上に努めてまいります。 (注)CX指標は、お客さまアンケートにより、当社サービスに対する「継続意向」「取引意向」「推奨意向」の3項目を0点から10点で評価いただき、その平均値により算出するお客さまロイヤルティ指標です。なお、本指標は株式会社野村総合研究所のCXMM®に基づき算出しております。(CXMM®は株式会社野村総合研究所の登録商標です。) ハ.収益性当社グループの収益性を評価する指標として考えられるものは、以下のとおりであります。a. 資本コストと資本利益率当社グループは、Face to Face のビジネスモデルを堅持しながらお客さま向けビジネスの拡大に努めるとともに、健全な財務基盤のもと自己資本による積極的な投資も行うことで、持続的な成長を図ることを目指しております。このような収益構造の独自性に鑑み、当社グループはROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置付けております。資本コストを上回るROEを実現するため、収益力向上に取り組んでまいります。当期の実績につきましては、資本コスト8.9%に対し、ROEは9.2%となりました。 b. 各収益源の利益への貢献度合(安定性)当社グループの収益構造は、お客さま向けビジネスによる収益と自己資本による投資から得られる収益から成り立っております。市場環境に大きく影響を受けない安定した収益構造を確保するために、収益構造の多様化を図ってまいります。その成果を判断する指標としては、手数料収入、トレーディング収益、金融収支、営業外収益、特別利益等のキャッシュ・フローが全体収益にバランスよく貢献していることを検証することとしております。なお、当期においては、投資信託の販売が好調に推移したことから受入手数料が増加するなど、バランスの良い収益構造を実現しております。 ③ 中期事業計画、対処すべき課題当社グループを取り巻く内外の環境の変化を踏まえ、中期事業計画(2024年度~2026年度)の見直しを行い、「収益基盤の拡大・充実」、「人的資本の充実」及び「コンプライアンスの徹底」を対処すべき課題に設定しました。中期事業計画を着実に実行しながら、ROE8%の達成を目標として、当社グループ独自のビジネスモデルを強化し、収益力の向上に取り組んでまいります。 イ.収益基盤の拡大・充実当社グループは、国内外の金融・資本市場で取引される金融商品の販売を中核事業とし、お客さまからの預り資産を収益基盤の重要な柱として位置づけております。このため、お客さまとの関係性の強化が持続的成長の鍵であると認識し、2025年度にお客さま満足度(CX指標)調査を実施いたしました。その結果、CX指標は、前回調査から着実に向上し、特に当社の対面営業における「親切・丁寧な対応」が高い評価を得ました。こうした評価を支えているのが、創業以来一貫して堅持してきた、お客さまとの直接対話を重視した対面営業であります。当社グループは、この取組みを通じてお客さまから厚い信頼と高い評価を獲得してまいりました。この当社グループの強みである「親切・丁寧な対応」を更に推進し、顧客数や販売金額の拡大といった量的成長に加え、収益力の質的向上にも取り組んでまいります。具体的には、営業事務の効率化により営業員が付加価値の高い提案活動やアフターフォローに専念できる環境を整備するとともに、お客さまデータの分析・活用を高度化することにより、提案からアフターフォローに至るまで一貫して質の高いサービスの提供を目指してまいります。また、株主資本の効率的な運用という観点から、当社グループを取り巻く環境の変化を的確に捉えながら、適切なリスク管理の下、有望な投資対象への投資を推進することで、お客さま向けビジネスによる収益以外の収益拡大にも取り組んでまいります。 ロ.人的資本の充実当社グループの企業価値を他社と差別化している要因は、「お客さまからの信頼」というブランドとお客さまのニーズを的確に捉えた「旬の商品の提供」というノウハウであると考えております。これらの強みを最大限に活かし、環境変化に柔軟に対応しながら持続的な収益力向上を実現するためには、人的資本の充実が最も重要な経営課題であると考えております。こうした認識のもと、当社グループでは、お客さまのニーズの多様化・高度化に的確に対応できる人材の育成を重要な施策として位置づけ、人材育成プランを策定しております。人材育成プランの実行を通じて、社員一人ひとりの対応力・提案力の向上を図るとともに、当社グループ独自の金融サービスを支える中核人材の育成に継続的に取り組んでまいります。また、従業員のモチベーション向上につながる社内体制の整備等を実施し、社員全員が高いパフォーマンスを発揮できる環境を整備してまいります。更に、時代や環境変化に合わせて当社グループが持続的な成長・発展ができるよう、中長期的に必要な人材を適切に確保・育成していくための取組みを推進してまいります。 ハ.コンプライアンスの徹底当社グループは、経営の基本理念に則り、お客さまと「誠実・公正」に向き合い、金融サービスを提供することが、お客さまの満足度を高め、当社グループの収益力の向上に寄与すると考えております。そのため、「お客さま本位の業務運営に関する方針」に基づき、「誠実・公正」な業務運営の徹底を図ってまいります。その一環として、当社グループにおいて、法令・諸規則の遵守を徹底するとともに、高い倫理観に基づいて業務を遂行できる環境整備を継続的に推進してまいります。これらの取組みを通じて、お客さま本位のコンプライアンスを重視したFace to Faceのビジネスモデルの更なる推進を図ってまいります。   <中期事業計画の概要>
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社及びグループ会社(以下「当社グループ」という。)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下第2 事業の状況において「当期」という。)末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針当社グループは、創立以来、「信は萬事の基と為す」を経営の基本理念として、信頼を原点としたFace to Face(お客さまとの対面での直接対話型)のビジネスモデルと健全経営による安定的成長確保を経営の基本方針としております。この基本方針を堅持しながら、市場環境や規制環境の変化にも柔軟に対応し、持続的な成長を可能とする収益基盤を構築していくことが、当社グループの対処すべき課題と認識しております。こうした課題認識の下、中期事業計画(2024年度~2026年度)を着実に実行することで、企業価値・株主価値の最大化を図ってまいります。また、当社グループの事業活動を通じて、お客さまを含め国民全体の資産形成に資することで社会全体に付加価値をもたらし、ひいては、国民経済全体の発展に貢献することを念頭に置きながら、持続可能な事業を展開してまいります。 (2)中長期の基本戦略当社グループは、経営の基本理念に則り、独自のビジネスモデルを堅持し持続的な成長を目指してまいります。そのため、当社グループは、以下に掲げるサステナビリティ基本方針に基づき、全てのステークホルダーをこれまで以上に意識しつつ、当社グループの企業価値の向上及び金融・資本市場を通じた持続可能性への貢献を行ってまいります。また、東京証券取引所プライム市場上場企業として、企業価値の向上に向けた資本コストや株価を意識した経営及び株主との対話の推進に取り組むとともに、より高い水準のコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めてまいります。  (サステナビリティ基本方針)当社グループは、企業理念に基づき、金融商品取引業者としての事業を通じて、サステナビリティ(持続可能性)の向上に取り組んでまいります。 (3)経営環境及び中期事業計画、対処すべき課題① 経営環境諸外国における経済・金利の動向や地政学的なリスクなど、わが国経済や金融市場は引き続き不確実な動きを示すことが予想され、当社事業の持続的成長の脅威となる要因は多く存在すると考えております。わが国では、政府の「資産運用立国」の実現に向けた政策の下、NISAの抜本的拡充・恒久化、金融経済教育の充実及び暗号資産を活用した新たな金融商品の開発等の様々な施策が実施されており、国民の安定的な資産形成へのニーズが高まっております。こうした環境において、富裕層向けの金融サービスを中核事業としてきた当社グループは、独自のビジネスモデルを更に追求することで、その存在意義が高まり、厳しい競争環境下においても、持続可能な成長が可能であると考えております。 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等イ.顧客基盤・預り資産の拡大当社グループは、国内外の証券市場で売買される金融商品の販売をその事業基盤としており、その顧客基盤や預り資産についても、市場環境によって大きく左右されると考えております。当期においては、投資信託の販売が好調に推移したことから、預り資産残高1,000万円以上の顧客口座数、総預り資産残高ともに増加いたしました。顧客基盤や預り資産について、単にその水準をもって経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標とすることは困難でありますが、それらを当社グループの収益基盤の大きな柱として認識しつつ、加えて、お客さまの属性や投資行動等を詳細に分析し活用する方法を更に検討してまいります。 ロ.顧客満足度の向上当社グループの持続的な成長のためには、提供する商品やサービスに対するお客さまの評価や満足度の向上が不可欠であります。お客さまの満足度を測る指標としては、お客さまの投資パフォーマンスや営業員の対応力・提案力の評価など様々な観点が挙げられますが、当社グループでは「既存のお客さまによる新規顧客のご紹介」を重要な指標として継続的に採用してまいりました。その結果、新規に口座を開設いただいたお客さまのうち、既存のお客さまからのご紹介を契機とする割合は、当期実績で65.2%と引き続き高い水準を維持しております。これは、お客さまからの信頼と評価の表れであると認識しております。また、2025年度には、お客さま満足度(CX指標(注))の調査も実施し、その結果、CX指標は6.52となり、前回調査(2022年度:5.51)から着実に向上しております。当社が重視してきたFace to Faceのビジネスモデルを堅持・深化させ、更なるお客さま満足度の向上に努めてまいります。 (注)CX指標は、お客さまアンケートにより、当社サービスに対する「継続意向」「取引意向」「推奨意向」の3項目を0点から10点で評価いただき、その平均値により算出するお客さまロイヤルティ指標です。なお、本指標は株式会社野村総合研究所のCXMM®に基づき算出しております。(CXMM®は株式会社野村総合研究所の登録商標です。) ハ.収益性当社グループの収益性を評価する指標として考えられるものは、以下のとおりであります。a. 資本コストと資本利益率当社グループは、Face to Face のビジネスモデルを堅持しながらお客さま向けビジネスの拡大に努めるとともに、健全な財務基盤のもと自己資本による積極的な投資も行うことで、持続的な成長を図ることを目指しております。このような収益構造の独自性に鑑み、当社グループはROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置付けております。資本コストを上回るROEを実現するため、収益力向上に取り組んでまいります。当期の実績につきましては、資本コスト8.9%に対し、ROEは9.2%となりました。 b. 各収益源の利益への貢献度合(安定性)当社グループの収益構造は、お客さま向けビジネスによる収益と自己資本による投資から得られる収益から成り立っております。市場環境に大きく影響を受けない安定した収益構造を確保するために、収益構造の多様化を図ってまいります。その成果を判断する指標としては、手数料収入、トレーディング収益、金融収支、営業外収益、特別利益等のキャッシュ・フローが全体収益にバランスよく貢献していることを検証することとしております。なお、当期においては、投資信託の販売が好調に推移したことから受入手数料が増加するなど、バランスの良い収益構造を実現しております。 ③ 中期事業計画、対処すべき課題当社グループを取り巻く内外の環境の変化を踏まえ、中期事業計画(2024年度~2026年度)の見直しを行い、「収益基盤の拡大・充実」、「人的資本の充実」及び「コンプライアンスの徹底」を対処すべき課題に設定しました。中期事業計画を着実に実行しながら、ROE8%の達成を目標として、当社グループ独自のビジネスモデルを強化し、収益力の向上に取り組んでまいります。 イ.収益基盤の拡大・充実当社グループは、国内外の金融・資本市場で取引される金融商品の販売を中核事業とし、お客さまからの預り資産を収益基盤の重要な柱として位置づけております。このため、お客さまとの関係性の強化が持続的成長の鍵であると認識し、2025年度にお客さま満足度(CX指標)調査を実施いたしました。その結果、CX指標は、前回調査から着実に向上し、特に当社の対面営業における「親切・丁寧な対応」が高い評価を得ました。こうした評価を支えているのが、創業以来一貫して堅持してきた、お客さまとの直接対話を重視した対面営業であります。当社グループは、この取組みを通じてお客さまから厚い信頼と高い評価を獲得してまいりました。この当社グループの強みである「親切・丁寧な対応」を更に推進し、顧客数や販売金額の拡大といった量的成長に加え、収益力の質的向上にも取り組んでまいります。具体的には、営業事務の効率化により営業員が付加価値の高い提案活動やアフターフォローに専念できる環境を整備するとともに、お客さまデータの分析・活用を高度化することにより、提案からアフターフォローに至るまで一貫して質の高いサービスの提供を目指してまいります。また、株主資本の効率的な運用という観点から、当社グループを取り巻く環境の変化を的確に捉えながら、適切なリスク管理の下、有望な投資対象への投資を推進することで、お客さま向けビジネスによる収益以外の収益拡大にも取り組んでまいります。 ロ.人的資本の充実当社グループの企業価値を他社と差別化している要因は、「お客さまからの信頼」というブランドとお客さまのニーズを的確に捉えた「旬の商品の提供」というノウハウであると考えております。これらの強みを最大限に活かし、環境変化に柔軟に対応しながら持続的な収益力向上を実現するためには、人的資本の充実が最も重要な経営課題であると考えております。こうした認識のもと、当社グループでは、お客さまのニーズの多様化・高度化に的確に対応できる人材の育成を重要な施策として位置づけ、人材育成プランを策定しております。人材育成プランの実行を通じて、社員一人ひとりの対応力・提案力の向上を図るとともに、当社グループ独自の金融サービスを支える中核人材の育成に継続的に取り組んでまいります。また、従業員のモチベーション向上につながる社内体制の整備等を実施し、社員全員が高いパフォーマンスを発揮できる環境を整備してまいります。更に、時代や環境変化に合わせて当社グループが持続的な成長・発展ができるよう、中長期的に必要な人材を適切に確保・育成していくための取組みを推進してまいります。 ハ.コンプライアンスの徹底当社グループは、経営の基本理念に則り、お客さまと「誠実・公正」に向き合い、金融サービスを提供することが、お客さまの満足度を高め、当社グループの収益力の向上に寄与すると考えております。そのため、「お客さま本位の業務運営に関する方針」に基づき、「誠実・公正」な業務運営の徹底を図ってまいります。その一環として、当社グループにおいて、法令・諸規則の遵守を徹底するとともに、高い倫理観に基づいて業務を遂行できる環境整備を継続的に推進してまいります。これらの取組みを通じて、お客さま本位のコンプライアンスを重視したFace to Faceのビジネスモデルの更なる推進を図ってまいります。   <中期事業計画の概要>
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当期における当社グループの経営成績等の状況の概要は以下のとおりであります。① 経営成績の状況当期の国内外の経済は、米国による相互関税の影響が一部にありましたが、緩やかな回復基調をたどりました。一方で、2026年2月末に米国とイスラエルがイランを軍事攻撃したことにより、中東の地政学的リスクが急激に高まりました。こうした中、日本銀行は国内の物価上昇に対応し2025年12月に政策金利の引上げを実施しましたが、2026年3月の金融政策決定会合では据え置きました。他方、米国連邦準備制度理事会(FRB)は、米国雇用情勢の悪化やインフレ率の鈍化を受けて利下げを再開し、2025年後半に3度の利下げを実施しましたが、2026年に入り政策金利を据え置きました。欧州中央銀行(ECB)は2025年4月と6月に2度の追加利下げを実施しましたが、景気の持直しにより、その後は政策金利を据え置きました。株式市場では、2025年4月に相互関税の影響を懸念し株価は世界的に急落しましたが、相互関税率が引き下げられたことなどにより回復しました。2026年に入っても主要各国の株価指数は史上最高値を更新するなど順調に推移しました。日経平均株価は高市政権の積極財政政策への期待や堅調な企業業績を背景に5万円の大台を突破し、2026年2月には59,332円の最高値をつけました。その後、イランによるホルムズ海峡の閉鎖など中東情勢が更に悪化したことで急落しましたが、それまでの大幅な株価上昇もあり、当期末の日経平均株価は51,063円と前連結会計年度(以下「前期」という。)末比で43%上昇しました。米国株式市場でも、NYダウ平均株価は、関税交渉進展や堅調な企業業績及びFRBの利下げを受けて2026年2月まで順調に上昇し、史上最高値を更新しました。その後、イラン戦争を受けて2026年3月に下落しましたが、当期末は46,341ドルと前期末比10%の上昇となりました。債券市場では、日本の10年国債利回りは2025年4月に1.1%台まで低下しましたが、関税交渉進展などを経て上昇に転じました。国内の物価上昇継続や、高市政権の積極財政による財政悪化懸念及び日本銀行の利上げなどを背景に2%の大台を超え、当期末の10年国債利回りは2.345%と前期末比で0.86%の上昇となりました。米国の10年国債利回りは、2025年4月に4%割れまで低下した後に上昇しましたが、上昇は長期化せず再度低下傾向となりました。2026年2月に再び4%を割り込んだ後は原油価格の高騰によるインフレ懸念で利回りは上昇し、当期末は4.323%と前期末比で0.115%の上昇となりました。外国為替市場では、2025年4月に1ドル=140円割れまで円高ドル安になった後は円安歩調となりました。高市政権の積極財政によるインフレ懸念で更に円安が進行し、2026年3月には1ドル=160.46円をつけましたが、当期末は1ドル=158.75円と前期末比8.82円の円安となりました。ユーロ円については2025年後半にECBが利下げを停止したことに加えて円安が進行したことから、当期末は1ユーロ=183.43円と前期末比21.21円の円安となりました。こうした環境の中、当社及び連結子会社は、お客さまの多様なニーズにお応えするため、「特色ある旬の商品」の提供に努めました。また、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営も行ってまいりました。当期の業績につきましては、営業収益83億17百万円(前期比4.1%増)、純営業収益81億93百万円(前期比3.6%増)、営業利益30億39百万円(前期比12.9%増)、経常利益40億6百万円(前期比16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益47億90百万円(前期比7.7%増)となりました。② 財政状態の状況当期末の資産合計は、信用取引貸付金や現金・預金の増加等により、806億円と前期末に比べ20億2百万円増加いたしました。当期末の負債合計は、短期借入金や預り金の増加等により、280億90百万円と前期末に比べ11億2百万円増加いたしました。当期末の純資産合計は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加等により、525億9百万円と前期末に比べ9億円増加いたしました。③ キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載しております。 ④ トレーディング業務の状況トレーディング商品:連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。商品有価証券等(売買目的有価証券)種類2025年3月31日現在2026年3月31日現在資産(百万円)負債(百万円)資産(百万円)負債(百万円)株式569-93-債券20,986-21,667-受益証券1,229-1,233-その他---- デリバティブ取引の契約額等及び時価種類2025年3月31日現在2026年3月31日現在契約額(百万円)契約額のうち1年超(百万円)時価(百万円)評価損益(百万円)契約額(百万円)契約額のうち1年超(百万円)時価(百万円)評価損益(百万円)株価指数先物取引 売建--------買建--------為替予約取引 売建752-662,062-00買建--------市場リスクについては、取締役会が半期ごとにポジション・リスク限度額を各トレーディング部門に配分し、各トレーディング部門は、その範囲内で運用することとしております。リスク管理体制としては、各部門が、日々のポジション・リスク額及び損益の状況をチェックのうえ、経営陣に報告しております。更に、総合的な牽制機能として、リスク管理部が、適正な自己資本規制比率維持の観点から、全社的なリスクの状況を把握し、日々、取締役、執行役員及び監査役に報告するほか、毎月末の自己資本規制比率及びその詳細を取締役会に報告しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当期末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績の分析)当社グループの収益の中心は、証券市場における仲介業者として得られる手数料収入等でありますが、これらは市場環境の変化の影響を大きく受けやすいものとなっております。そのため、当社グループは、健全な財務基盤のもと自己資本による積極的な投資も行うことで、持続的な成長を図ることを目指しております。当期における経営成績は、お客さま向け外国債券販売が伸び悩んだことや自己保有債券の時価が下落したことなどから債券トレーディング損益が減少した一方で、株式市場における売買高が増加したことや投資信託の販売が好調であったことから受入手数料が増加しました。これらの結果、前期に比べ増収となりました。それらの内訳及び要因は、以下のとおりであります。営業収益 当期の株式市場では、2025年4月に相互関税の影響を懸念し株価は世界的に急落しましたが、相互関税率が引き下げられたことなどにより回復しました。2026年に入っても主要各国の株価指数は史上最高値を更新するなど順調に推移しました。日経平均株価は高市政権の積極財政政策への期待や堅調な企業業績を背景に5万円の大台を突破し、2026年2月には59,332円の最高値をつけました。その後、イランによるホルムズ海峡の閉鎖など中東情勢が更に悪化したことで急落しましたが、それまでの大幅な株価上昇もあり、当期末の日経平均株価は51,063円と前期末比で43%上昇しました。これらに伴い、株式市場における売買取引も活況となりました。また、投資信託の顧客販売については年間を通じて好調でありました。その結果、「受入手数料」は、41億55百万円(前期比35.0%増、10億77百万円増加)となりました。その内訳は以下のとおりであります。 「株券委託手数料」は、18億16百万円(前期比55.7%増、6億49百万円増加)となり、「受益証券(上場投資信託)委託手数料」を加えた「委託手数料」は、18億50百万円(前期比55.1%増、6億57百万円増加)となりました。 主にアンダーライティング(引受)業務に係る手数料で構成される「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、当社が参入したIPO件数が減少したことから、14百万円(前期比20.1%減、3百万円減少)となりました。 投資信託受益証券の募集・売出しの取扱手数料などによって構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、受益証券(投資信託)の販売の増加により、14億12百万円(前期比15.9%増、1億93百万円増加)となりました。 「その他の受入手数料」は、主に受益証券(投資信託)の信託報酬の増加により、8億78百万円(前期比35.4%増、2億29百万円増加)となりました。 「トレーディング損益」につきましては、「債券等トレーディング損益」が減少したことから、23億6百万円の利益(前期比29.0%減、9億42百万円減少)となりました。内訳は以下のとおりであります。 「株券等トレーディング損益」は、株式先物取引を中心に88百万円の損失(前期は92百万円の損失)となりました。 「債券等トレーディング損益」は、「多様な商品によるマーケット変化を捉えた機動的な運用提案」を行うことで、お客さまからの信頼を獲得するとともに、お客さまの投資パフォーマンスの向上を目指しましたが、お客さま向け外国債券販売が伸び悩んだことなどから、25億45百万円の利益(前期比27.2%減、9億50百万円減少)となりました。 外貨建債券の為替ヘッジ目的で行っている為替デリバティブ取引を中心とした「その他のトレーディング損益」は1億50百万円の損失(前期は1億53百万円の損失)となりました。 「金融収益」につきましては、主にトレーディング商品として保有する債券等から得られる受取債券利子や収益分配金で構成されます。「金融収益」は18億36百万円(前期比10.3%増、1億71百万円増加)となりました。 「その他の営業収入」は、17百万円の利益(前期は4百万円の損失)となりました。 以上の結果、「営業収益」は、83億17百万円(前期比4.1%増、3億27百万円増加)となりました。純営業収益 「金融費用」は支払利息が増加したことにより、1億23百万円(前期比53.0%増、42百万円増加)となりました。「営業収益」からこの「金融費用」を差し引いた「純営業収益」は81億93百万円(前期比3.6%増、2億85百万円増加)となりました。営業損益 「販売費・一般管理費」は、主に取引関係費、人件費、不動産関係費、租税公課の減少により、51億54百万円(前期比1.2%減、62百万円減少)となりました。 「純営業収益」から「販売費・一般管理費」を控除した「営業損益」は、30億39百万円の利益(前期比12.9%増、3億47百万円増加)となりました。経常損益 「営業外収益」は、受取配当金等合計で10億38百万円(前期比4.8%増、47百万円増加)、「営業外費用」は、70百万円(前期比69.2%減、1億57百万円減少)を計上いたしました。 この結果、「営業外損益」は、9億67百万円の利益(前期比26.9%増、2億5百万円増加)となりました。 「営業利益」に当該利益を加味した「経常損益」は、40億6百万円の利益(前期比16.0%増、5億53百万円増加)となりました。税金等調整前当期純損益 「特別利益」は、投資有価証券売却益で31億28百万円(前期比13.3%減、4億80百万円減少)、「特別損失」は、投資有価証券売却損等合計で61百万円(前期比89.2%減、5億2百万円減少)を計上いたしました。 この結果、「特別損益」は、30億67百万円の利益(前期比0.7%増、22百万円増加)となりました。 「経常利益」に当該利益を加味した「税金等調整前当期純損益」は、70億74百万円の利益(前期比8.8%増、5億75百万円増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益 「法人税等合計」は、法人税、住民税及び事業税は減少しましたが、法人税等調整額の増加により、22億84百万円(前期比11.3%増、2億31百万円増加)となりました。 この結果、「親会社株主に帰属する当期純損益」は、47億90百万円の利益(前期比7.7%増、3億43百万円増加)となりました。(財政状態の分析)当期末の財政状態は、前期末に比べ資産、負債及び純資産が増加いたしました。これらの内訳及び要因は、以下のとおりであります。資産 「流動資産」は、509億23百万円となり、前期末に比べ46億28百万円増加いたしました。これは主に、信用取引貸付金が25億59百万円増加(当期末47億40百万円)、現金・預金が9億23百万円増加(当期末116億91百万円)、顧客預り金の分別保管を主な目的とする預託金が4億47百万円増加(当期末100億21百万円)したことによるものであります。 「固定資産」は、296億76百万円となり、前期末に比べ26億25百万円減少いたしました。これは主に、長期純投資のために保有する投資有価証券が27億14百万円減少(当期末261億88百万円)したことによるものであります。 この結果、「資産合計」は、806億円となり、前期末に比べ20億2百万円増加いたしました。負債 「流動負債」は、256億97百万円となり、前期末に比べ11億55百万円増加いたしました。これは主に、約定見返勘定が4億94百万円減少(当期末-百万円)、未払金が4億48百万円減少(当期末1億92百万円)、未払法人税等が3億99百万円減少(当期末8億91百万円)した一方で、短期借入金が19億円増加(当期末129億円)、お客さまからの現金の預りを中心とした預り金が7億91百万円増加(当期末108億70百万円)したことによるものであります。 「固定負債」は、23億66百万円となり、前期末に比べ58百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が4億34百万円増加(当期末13億26百万円)した一方で、長期借入金が5億円減少(当期末5億円)したことによるものであります。 この結果、「負債合計」は、280億90百万円となり、前期末に比べ11億2百万円増加いたしました。純資産 「純資産」は、主に、自己株式の買い付けにより7億19百万円減少(当期末△15億83百万円)した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、「利益剰余金」が12億80百万円増加(当期末418億56百万円)、投資有価証券の時価の上昇により、「その他有価証券評価差額金」が3億39百万円増加(当期末22億13百万円)いたしました。 この結果、「純資産合計」は、525億9百万円となり、前期末に比べ9億円増加いたしました。(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び中期事業計画、対処すべき課題 ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況) 当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、23億62百万円の使用(前期は40億98百万円の使用)となりました。これは主に、信用取引貸付金を中心とした信用取引資産及び信用取引負債の増減額(26億69百万円の使用)等によるものであります。 当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、60億13百万円の獲得(前期は46億87百万円の獲得)となりました。これは主に、純投資目的で保有している投資有価証券の売買等に伴う増加(57億25百万円の獲得)等によるものであります。 当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、28億27百万円の使用(前期は22億24百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払い(35億7百万円の使用)等によるものであります。 これらの結果、当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ10億62百万円増加し、115億31百万円となりました。 (財務戦略の基本的な考え方) 当社グループの財務戦略の基本的な考え方は、自己資本を充実させることにより強固な財務基盤を構築するとともに、自己資本を効率的に運用することによって収益性を高め、企業価値の向上を目指すものであります。 金融商品取引業者は、その業務の性格上、自己勘定に基づいて有価証券等の保有や売買取引を行う場合があります。それら保有有価証券の価格変動リスクなどの各種リスクを十分にカバーできる「固定化されていない自己資本の額」を維持し、財務の健全性を表す「自己資本規制比率」を一定の水準以上に維持することが法令等により義務付けられております。当社は、「自己資本規制比率」を高水準に維持することを経営の基本方針といたしますが、上記のとおり、自己資本を効率的に活用して、収益性を高めるために一定のリスク(主に市場リスク)をとる必要もあると考えております。このため、これらリスク額及び自己資本規制比率につきましては、適切なリスク管理体制の下で監視しております。 当社は、財務体質や収益性を測る指標として「信用格付け」を取得しております。当社グループとして、近い将来に新株式や債券の発行による資金調達を行うことは想定しておりませんが、運転資金の安定的な調達を可能とするため、「信用格付け」の水準を安定的に維持することに努めることといたします。(手許流動性) 当社は、半期ごとに実施する流動性コンティンジェンシープランの検証過程において、緊急事態発生時に、借入金等の返済やお客さまへの預り金の返還などを円滑に行うために当初必要と考えられる手許現預金の水準を決定しております。また、その後必要となる現金需要を賄うために、短期間で現金化が可能となる市場性のある有価証券の保有に努めております。 また、当社グループはお客さま向け販売や自己勘定での取引を目的として、外貨建て有価証券を取り扱っております。これら外貨建て有価証券取引の清算決済においては、期限までに当該外貨を遅滞なく支払う必要があります。しかしながら、外国為替市場の動向によっては決済のための外貨調達が困難になることも想定されます。このような外貨調達リスクを避けるため、市場の状況や取引高を勘案しながら、必要と思われる外貨の種別及び金額をその都度検証し、十分な金額を手許に維持するよう心がけております。(成長分野への投資活動) 上記目的で必要とされる手許流動性の水準を超える現預金については成長分野や有望市場への投資活動に振り向けることが可能な資金と位置付け、積極的に投資活動を行ってまいります。これによって、新たな収益源の開拓や収益性が向上し、企業価値向上につながると考えております。 (株主還元-利益配分に関する基本方針及び当期の配当) 当社は、株主価値向上の一環として、株主の皆さまに対し積極的な利益還元を図ることを経営の重要な政策の一つとしております。配当金額は、連結配当性向70%及び連結純資産配当率(DOE)2%の両基準で算出した数値のいずれか高い金額を基準とし、当社の自己資本の水準及び中長期的な業績動向並びに株価等を総合的に判断し、決定する旨を基本方針としております。 当期の期末配当につきましては、上記の連結配当性向基準で算出した金額に基づき総合的に判断し、1株当たり60円の普通配当(年間110円)を支払うことといたしました。なお、配当原資は利益剰余金であります。 配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。(資金需要と資金調達) 当社グループの資金需要につきまして、営業活動に係る資金利用といたしましては、お客さま向け販売商品等のトレーディング商品の買付け、信用取引に係るお客さま向けの融資、証券取引サービスを提供するためのインフラ維持に係る費用、人件費などがあります。また、投資活動に係る資金利用といたしましては、投資有価証券の買付け、お客さま向けサービスの向上と取引の安全性を確保するために必要なシステム投資、金融商品取引業者として法令遵守のために必要な制度整備やシステム投資などがあります。 一方、当社グループの運転資金につきましては、自己資金の利用又は借入による資金調達によって賄っております。自己勘定によるトレーディング商品や投資有価証券の買付けにつきましては、原則として自己資金を利用することとしております。借入による資金調達に関しましては、短期借入金及び長期借入金で調達しております。短期借入金については、銀行借入に加えて、コールマネーの調達も行っております。また、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行を含む合計7行との間で、総額46億円のシンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しております。この契約に基づく当期末の借入実行残高は25億円であります。③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、有価証券の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の計上、減価償却資産の償却、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付等の会計処理については、会計関連諸法規をベースに、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる基準により見積り及び判断を行っております。会計処理については、真実性の原則は勿論のこと、特に健全性と継続性の原則に配慮しております。しかしながら、実際の結果は、見積り作成時点での不確実性があることから、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の連結営業収益は、証券市場に係る受入手数料及びトレーディング損益を柱としており、その大半が株式市場及び債券市場を源泉としております。株式・債券市場の好・不調による業績への影響を緩和するため、収益源の多様化を通じて収益の安定性確保に努めておりますが、それでもなお、業績が証券市場の動向に左右され、大きく変動する可能性があります。また、国内外の金融商品市場の急激な変動により、当社が保有している金融商品の評価損益が多額になる可能性もあります。 一般的に、証券市場や外国為替市場は、内外の政治・経済情勢、金利、企業収益等、様々な要因を反映して変動します。したがって、当社グループの連結経営成績についても、証券市場に係るこれらの要因が多大な影響を及ぼす可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

主なリスクとして、単一の金融商品取引業に事業が集中しているため、金融資本市場の変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。また、テクノロジー活用が遅れており、将来的にフィンテック分野でのサービス提供が求められた際に、システム構築の遅延により収益機会を逃すリスクがあります。さらに、業容拡大や収益多様化の遅れ、新規事業参入時の法令遵守違反、訴訟、内部統制の不備、災害、風評被害、気候変動、資金流動性、外貨調達に関するリスクも挙げられます。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,313 文字
3【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重大であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合への対応を図るため、全社的なリスク管理体制を整備しております。また、当社グループの事業リスクの網羅的な把握、その評価・分析及び対策について協議し、今後の方向性を定めることその他のリスク管理のために必要となる事項を取り扱うため、リスク管理委員会を設置しております。なお、委員会における審議内容は、代表取締役社長及び取締役会に報告することとなっております。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当期末現在において当社グループが判断したものであります。(1)一般的なリスク① 事業会社としてのリスクイ.単一事業を営んでいることのリスク当社グループは、単一領域(金融商品取引業)で事業を行っているため、その業績は金融資本市場の変貌や環境変化によって多大な影響を受けることとなります。金融資本市場の縮小等によって、当社グループの収益が縮小した場合、それを補完する他の事業を行っていないことから、経営成績や財政状態が急激に悪化する可能性があります。ロ.テクノロジーを活用しないことのリスク当社グループは、Face to Faceのビジネスモデルに基づいて対面営業を行っていることから、オンライン取引等を行うために必要とされるシステム等は構築しておりません。しかしながら、将来的には顧客又は投資者からフィンテック分野での技術を活用したサービスの提供を求められる可能性があります。その際、これまでテクノロジーを有効に活用してこなかったことにより、高度にシステム化されたお客さま向けサービスのためのインフラ構築の遅延により収益機会を逃す可能性があります。また、業務効率性向上の遅延、費用削減の限界等により、当社グループの市場競争力そのものが低下する可能性もあります。これらを原因として、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ハ.業容拡大や収益多様化の遅延に伴うリスクお客さまからの手数料収入に極端に頼らない収益構造を構築するためには、新しい収益分野への進出による業容拡大や収益源の確保が必要でありますが、業容拡大や収益源確保のための経験やリソースが伴わないことにより、また、それらの施策実施のタイミングに遅れが出ることにより、収益機会を逃してしまう可能性があり、結果として、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ニ.新規事業への参入に係るリスク収益源の多様化を目的として金融商品取引業以外の新規事業に直接又はグループ会社を通じて参入することを決定した場合は、当該事業を管轄する法令等の遵守が必要となります。したがって、法令遵守について不適切な対応や違反行為を行うことで、それらの業務が制限されることとなり、収益拡大につながらない可能性があります。ホ.訴訟等に係るリスク当社グループは、お客さまからの信頼確保を経営の基本理念として、日頃よりコンプライアンスの徹底とお客さま本位の業務運営を実行しております。しかしながら、お客さまに多額の損失が発生した場合、お客さま等から訴訟の提起やあっせんの申立てが行われる可能性があります。仮に、これらの訴訟等の結果が当社グループにとって不利なものとなった場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ヘ.法令遵守、内部統制に係るリスク当社グループは、法令遵守やリスク管理の視点から内部統制システムの整備を図り、より充実した社内管理態勢の確立と役職員におけるコンプライアンス意識の徹底に努めております。しかしながら、業務執行のプロセスにおいてそれらに関与する役職員の故意又は過失により法令違反若しくはそれらに準ずる行為がなされる可能性があります。内部統制システムの整備やコンプライアンス研修の実施は役職員による違法行為を未然防止するための有効な方策ではありますが、違法行為の全てを排除できるものではありません。また、役職員による意図的な違法行為は、周到に隠蔽され、長期間にわたって発覚しない場合もあります。更には、業務執行に関わり未公開情報を取り扱うこととなった場合に、それらの未公開情報の不適切な利用や漏洩、又は情報受領者との共謀など、不正行為が行われる可能性もあります。これらの違法行為は、当社グループの経営成績や財政状態に直接又は間接に影響を与える可能性があると同時に、会社に対しての使用者責任や法的責任等を問われる可能性があります。ト.オペレーションに係るリスク当社グループは、規則やマニュアルの整備など、役職員によるオペレーションに係るリスク軽減に努めておりますが、リスクの原因を全て排除することは極めて困難であります。役職員による事務処理上のミス等に起因する事故や不正等によって損失が発生した場合、損害賠償や社会的信用力の低下によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。チ.災害等に起因するリスク当社グループは、地震等の大規模な自然災害の発生やそれに伴うインフラ障害、又は新型コロナウイルス感染症などの病原性感染症の拡大(パンデミック)等を想定し、あらかじめ様々な対策を講じております。しかしながら、これら災害等に起因するリスクを全て回避することは困難であり、想定を超える規模でリスクが発現し、事業規模の縮小を余儀なくされる場合や事業継続計画の不備により事業の維持が不可能となった場合には、それらの事象に起因する直接的な損害に加えて、将来の収益の減少を引き起こすこととなり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。リ.風評リスク当社グループの事業はお客さまや投資者の信頼の上に成り立っております。仮に、お客さまや投資者の信頼を損ねるような不祥事が発生したり、お客さまに提供するサービスの内容が低下することにより、お客さまの評価が悪化した場合、お客さまが離散し、顧客基盤が脆弱となり、収益力の低下を引き起こします。また、その真偽にかかわりなく、当社グループにとって不利な報道や風評が流された場合にも、事業の縮小を招くことになります。これらの風評リスクの発現は、結果として当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ヌ.気候変動リスク当社グループの事業は、気候変動に関するリスクにより様々な影響を受ける可能性があります。例えば、気候変動への対応において脱炭素化によりエネルギー価格の上昇や供給量の不足が生じ、事業継続に支障をきたすことで事業コストの増加につながる可能性があります。また、気候変動の深刻化によって、保有する金融商品の価格やお客さま向け商品の販売に悪影響が生じ収益が悪化する可能性があります。グリーン投資を志向する顧客ニーズの変化への対応の遅れにより、当社の市場競争力(商品・サービス)の低下が発生する可能性もあります。気温上昇による屋外での活動制限等の物理的な制約を受ける可能性もあります。当社グループでは、中長期の経営成績や財政状態に影響が生じ得ることを踏まえ、気候変動を経営の重要な課題の一つとして認識し、その対策を検討してまいります。② 財務活動に係るリスクイ.資金流動性に係るリスク当社グループは、銀行借入れのほか、コールマネーによる市場での資金調達を行っております。金融引締めや金融市場の混乱又は当社の信用格付けの低下により、必要な資金調達が困難となる、又は不利な条件での資金調達を強いられる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このような流動性に係るリスクを回避すべく、コミットメントライン契約に基づくシンジケートローン、換金性の高い資産の保有、手許流動性の確保、流動性コンティンジェンシープランの整備、等の諸施策を講じております。ロ.外貨調達に係るリスク当社グループは、外貨建ての有価証券をお客さまに販売、又は自己勘定で取引しておりますが、取引の決済通貨として利用する外貨については、複数の外国為替取扱銀行との取引ラインを維持することで流動性の確保に努めております。しかしながら、外国為替市場の混乱等により外貨調達が困難になり、結果として決済が履行できなくなった場合には、決済の相手方に対する信用の毀損又は決済遅延等による金銭的な損失が発生することとなり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ハ.デリバティブ取引に係るリスク当社グループは、保有する外貨や外貨建て有価証券の為替リスクを回避するために行うデリバティブ取引を活用しております。しかし、これらの取引が、その本来の役割(リスク管理)を果たさない可能性があります。また、信用格付け等の悪化によりデリバティブ取引を行う能力が低下する場合も想定されます。これらは、デリバティブ取引により多額の損失を被る場合を含め、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ニ.会計基準や税制の改正に係るリスク当社グループの事業内容が変わらない場合であっても、会計制度や会計基準が改正されることによって、当社グループの経営成績や財政状態を標記する方法が変更される可能性があります。また、繰延税金資産の計上につきましては、現行の法定実効税率を使用しておりますが、税制の改正によって税率が変更された場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。③ 投資活動に係るリスク 投資有価証券等の固定資産に係る減損リスク当社グループは、関係会社への投資に加えて、純投資目的の有価証券を保有するとともに、不動産等の固定資産も保有しております。経済環境の悪化によって不動産価格の下落や不動産の陳腐化によって保有資産の減損を強いられる可能性があります。また、有価証券については、それらの市場価格等が下落することによって多額の評価損(減損)が発生することも考えられます。それらは、結果的に当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。(2)金融商品取引業に係る固有のリスク① 金融商品取引業の登録取消し、業務停止処分に係るリスク当社は、金融商品取引業を営むために金融商品取引法第29条に基づく金融商品取引業の登録を受け、金融商品取引法及び同法施行令等の関係法令を遵守することが求められております。また、当社は東京証券取引所、大阪取引所及び名古屋証券取引所の取引参加者であるとともに、自主規制機関である日本証券業協会及び第二種金融商品取引業協会の会員であり、これら諸団体が定める諸規則を遵守することも求められております。将来何らかの事由(会社又はその役職員の法令違反行為)により、金融商品取引業の登録の取消しや業務停止処分を受けた場合、又は金融商品取引所や自主規制機関から処分を受けた場合は、事業活動を行うことが困難となり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。② 自己資本規制比率に係るリスク第一種金融商品取引業者は法令に基づいて、固定化されていない自己資本金額のリスク相当額に対する比率を自己資本規制比率として算出しております。この自己資本規制比率が法令で定める一定比率(120%又は100%)を下回ることによって、業務方法の変更命令、業務の停止命令、更には登録の取消しが行われることとなります。また、この自己資本規制比率の届出を怠った場合又は虚偽の内容の届出を行った場合は行政処分等を受けることがあります。これらの処分等が行われた場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。③ 顧客資産の分別保管に関するリスク金融商品取引業者は、お客さまから預託された資産を円滑かつ安全に返還できるように、預託された有価証券及び金銭については自己の財産とは区別して保管することが義務付けられております。また、お客さまから預託された外貨による金銭は、その円貨相当額を分別保管しており、仮に当社が経営破綻した場合は、当該預託された外貨ではなく分別保管されている円貨相当額を返還することになります。ただし、お客さまが信用取引を行った際に、当社が預かる信用取引買付け株券又は信用取引売付け代金については分別保管の対象とはなっておりませんが、これらの株券又は金銭は、社内で厳格に分別管理されております。しかし、これらの分別保管が適正に行われていなかった場合には、お客さまへ返還の遅延等が発生する可能性があり、それによって何らかの賠償責任が発生することも想定され、これらは当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。④ 投資者保護基金に関するリスク当社が加入する日本投資者保護基金は、会員が破綻した際に、投資者が当該破綻業者に預託した証券及び金銭について一人当たり10百万円を上限として保護することとしております。しかしながら、会員となっている金融商品取引業者の破綻に際して、投資者保護のために支払う総額が基金の積立総額を上回る場合は、当社を含む会員に対して、臨時拠出を求める可能性があります。この場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑤ 自己勘定によるトレーディングに伴うリスク当社グループは、自己勘定で株券及び債券等の取引を行っておりますが、市場流動性が減少する、又は多額の損失が発生する可能性があります。また、これらのポジションの市場リスクを低減させるために、ヘッジ取引やポジション管理を行っておりますが、想定以上に市場価格が変動した場合には、これらの機能がうまく発揮されない可能性があります。このような場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑥ 市場の縮小に伴うリスク経済情勢の悪化等により、株式市場や債券市場が低迷・縮小した結果、投資者の投資意欲が減退し、売買注文が減少することによって、委託手数料をはじめとする各種手数料収入が減少する可能性があります。また、新規上場企業の減少や株券発行市場の縮小によって引受手数料等が減少する可能性もあります。これらは、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑦ 競合によるリスク規制緩和の影響で金融商品取引業への参入が容易になるとともに、情報技術を利用した新たな商品やサービスを提供する業者の進出が可能となってきております。競争が激化する環境下で、当社グループがその競争力を維持できない場合には、競合他社へビジネスが流出してしまい、収益力を維持できなくなる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑧ 信用取引における信用供与に係るリスク信用取引を行うお客さまへ当社自らが信用供与を行い、それによって得られる収益は、当社グループの収益源の一つであります。しかし、信用取引による損失がお客さまに発生した場合、又は、代用有価証券の担保価値が下落することでお客さまの預託する担保価値が減少した場合において、担保の追加差し入れができなかった結果、当社が何らかの損失を被る可能性があります。その場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑨ カウンターパーティに関するリスク当社グループは、保有する外貨建てポジションの為替変動リスクをヘッジする目的で店頭デリバティブ取引を行っておりますが、取引の相手方(カウンターパーティ)の業務が継続できなくなることによって、当該取引の清算決済の履行が行われないカウンターパーティ・リスクがあります。仮に決済履行が行われなかった場合、何らかの損失が発生する可能性もあり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑩ 反社会的勢力及びマネー・ロンダリングに係るリスク当社グループは、反社会的勢力との取引関係を排除するための必要な方策をとるとともに、マネー・ロンダリングやテロ資金供与に関しても当社が不正に利用されないための対策をとっております。しかし、万全の体制をとっていたとしても、これらを全て排除することができない可能性があります。そのため、当局からの是正命令等を受ける、又は社会的な信用力が低下する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑪ 法令や会計基準の施行・改正に係るリスク当社グループによる業務遂行の根幹となる金融商品取引法等の関係法令について、新たな法令の施行や改正が行われた場合、当社グループの事業に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、金融商品取引業者に係る会計基準の新規適用や改正により、事業内容に変更がなくても、当社グループの経営成績や財政状態に関する開示内容が大幅に変更される可能性があります。(3)その他リスク① 年金債務の増加リスク当社グループの従業員に係る退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件等に基づいて算定されております。実際の運用結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。② システム障害に係るリスク当社グループが業務執行のために利用するコンピュータのハードウエア若しくはソフトウエア、又はネットワークが、人為的ミス、品質不良、外部からの不正アクセス、コンピュータウイルス、災害や停電等の諸要因によって障害を起こす場合があります。当社グループ及び業務委託先はこれらシステム障害リスクに備えて、システムの監視、二重化、バックアップ構築などの措置を講じておりますが、それらが不十分又は想定を超える大規模な障害であった場合には、損失や損害賠償責任が発生する可能性があります。この場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。③ 情報資産に係るリスク当社グループは、保有する全ての情報資産を重要な資産として位置付け、「情報セキュリティ方針」に基づいて、情報管理態勢を整備するとともに、それぞれの情報資産を保全するためのセキュリティ対策を施しております。しかし、何らかの理由で重要な顧客データや個人情報が漏洩又は破壊される可能性があることは否めません。このような場合は、お客さまをはじめ全てのステークホルダーの信頼を失墜するのみならず、賠償責任を負う場合もあります。これによって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。④ サイバー攻撃を受けるリスク当社グループは、サイバーセキュリティに関する対応方針を定め、高度なサイバー攻撃の標的とされる蓋然性の高い業務領域を特定するとともに、サイバー攻撃を想定したセキュリティ対策やサイバー攻撃緊急時対応計画を策定するなど、体制整備に努めております。しかし、これらの対策にもかかわらず、想定しなかった攻撃を受けることによって、重要な情報資産の漏洩や破壊が起きる可能性があります。これによって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。⑤ 人材育成や人材確保に係るリスク当社グループは、お客さまのライフステージに応じた多様なニーズに対し、従業員一人ひとりが高い対応力・提案力を発揮し、付加価値の高い提案活動やアフターフォローを実践することで、お客さま満足度の向上を図っております。したがって、それらを達成できる人材の確保及び育成は重要な経営課題の一つであります。そのために、有能な人材を通年で積極的に採用するとともに、社員教育制度の充実を図っております。しかし、人材確保や人材育成が進まなかった場合には、将来の事業展開に支障をきたし、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

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