有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2023|29,998 文字
3【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営戦略に関するリスク①.当行の経営戦略について当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる分野を、小口ファイナンス及び機関投資家向けビジネス、海外ビジネスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」では、中期ビジョン実現のための基本戦略の1つとして「グループ内外の価値共創の追求」を掲げ、SBIグループ及び当行グループの各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、SBIグループ及び当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期ビジョンの達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 ②.法人向け銀行業務の戦略的拡充について当行の法人向け銀行業務の拡充に当たっては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・当行の法人顧客基盤の規模は国内大手銀行グループより小さいことから、既存の顧客に対する法人向け貸出拡大には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠ける可能性があります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行する可能性があります。・当行が注力しているプロジェクトファイナンス、ノンリコースファイナンスやLBOファイナンス等の新しい貸出形態を含む融資は、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となる可能性があります。・株式市場等の市場環境の悪化により、注力分野の一つであるベンチャー企業や企業オーナー向け融資の機会等が縮小することで、収益性が低下する可能性があります。・その他、当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 ③.リテールバンキング業務の戦略的拡充について当行は、リテールバンキング業務において、SBIグループ内/当行グループ内での相互送客による規模(口座数、預金量)の拡大、SBIグループとの連携による商品ラインナップの拡充、リアルチャネルの最適化(SBIグループとの共同店舗他)とネットチャネル(アプリなど)の高度化に取り組んでおります。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに際しては、以下のようなリスク及び課題があります。・当行は、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合、相対的に店舗数や口座数、預金量といった規模が小さいため、当行が企図する顧客基盤の拡大が容易でない可能性があります。・当行が提供する資産運用やローン等の商品・サービスについては、他の金融機関との競争の激化やお客さまの嗜好の変化等によって受け入れられなくなるなど、預り資産や収益の拡大に結びつかない可能性があります。・リテールバンキング業務の提供には、人員の確保や情報システムの安定が不可欠であり、多大な経営資源の投入が必要となる可能性があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 ④.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について当行は、2004年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・IT化促進への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱いに関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は2007年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(「事業等のリスク」においては、同社、傘下の子会社及び株式会社アプラスインベストメントを包括して「アプラス」という。)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、2016年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行い着実に収益を伸長してまいりましたが、コンシューマーファイナンス業界の経営環境の悪化等により、十分な収益を確保することが出来なくなった場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記(7)③.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払いができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社。以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記(6)①.をご参照ください。)を実施しておりますが、今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。 ⑤.当行グループの無担保カードローン事業の展開について当行グループでは、銀行カードローンのニーズがあるお客さまに対しては当行の「SBI新生銀行カードローン」を、消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては新生フィナンシャルの「レイク」(以下「レイク」という。)を提供しております。(なお、当行で扱っていた「SBI新生銀行カードローン エル」は2018年3月末に、NTTドコモ回線ご契約者向けの「スマートマネーレンディング」は2023年1月4日に、新生パーソナルローンで扱っていた「ノーローン」は2020年6月末に、それぞれを以って新規申込の受付を停止しており、そのときまでにご契約いただいたお客さまに対してのみ、引き続き各々でサービスを提供しております。)レイクでは、従来の消費者金融商品の顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れております。加えて、SBIグループの顧客基盤を活用し、グループ協働でのカードローン事業を推進する等、従来手法に限らない獲得方法を模索しております。貸金業法改正による規制の強化等により、2006年以降、貸金業者による消費者向け貸付残高は大幅に減少した一方、当該規制等の対象外である銀行カードローン残高が増加し過剰な貸付け等が問題視されたことを背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行グループでは、無担保カードローン事業を注力分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャル及び新生パーソナルローンでは貸金業法に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローンの健全な市場形成に寄与してまいります。また、2022年4月からの成人年齢引き下げに関しましても貸金リテラシーを重視した対応を行っております。新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、SBIグループのネットワーク等を起点とした他の金融機関向けの保証提携の拡大並びに非金融領域での新たな提携先の開拓に注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 ⑥.金融商品及びサービスの範囲の拡大について当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 ⑦.海外業務の拡大によるリスクについて当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。例えば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い(2021年3月にエグジット)、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・オセアニア地域を中心とした優良案件に対する買収を含めた取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を推進しているところであります。例えば、ニュージーランド最大手のノンバンクであるUDC Finance Limitedを買収(完全子会社化)し、オーストラリアのコンシューマーファイナンスのリーディングカンパニーであるLatitudeグループと資本業務提携しました。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・外貨資金調達が困難になった場合、外貨資金繰りが不安定化するリスク・法制度・取引慣行等の相違や事前調査の制約に起因する想定外の事象が事後的に判明・発生することによる、対応費用や課徴金等の発生及び与信関連費用が増加するリスク・紛争や経済制裁措置の発動等に伴う、当該国でのビジネス機会の縮小・喪失及び対応費用が発生するリスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・専門人材の不足や確保の困難化により競争力が低下するリスク・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行グループとしての投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 (2)信用リスク①.貸倒引当金の十分性について当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。例えば、利上げによる長期金利の急上昇を通じた不動産価格の下落に伴う不動産ノンリコースローンの信用リスクの増加や、ロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクの発現、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響や昨今の物価・為替・金利等の変動を含む企業内外の経済環境等の変化、大規模自然災害・パンデミックの発生による経済活動の停滞、さらには景気後退により、株安、業績不振や雇用悪化が生じ、企業倒産件数や失業者数の増加に伴う貸出金の信用リスクの増加等は、貸倒引当金を増やす可能性があります。これらのリスクに関して、当行はシナリオ分析による想定損失額や自己資本(比率)への影響を把握しており、事象発生時に想定される財務上の影響が、危機的な規模には達せず、自己資本・資金流動性等について一定水準を確保できることを確認しております。不動産市況の悪化のリスクに関しては、国内外の市況・ビジネス動向を定期的に把握し、取組方針レビューを行う取り組みに加え、マクロ経済指標や市場・規制動向等の変化に基づくリスクヒートマップや影響度分析等の予兆管理を実施するとともに、与信制御手段の適切な発動や機動的見直しを行う態勢整備を行っております。また、当行グループの大口投融資先や与信集中業種については、上記のようなマクロ経済環境以外による信用力悪化にも留意し管理体制の強化を行っております。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 ②.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について2023年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約10%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。2023年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約18%を占めている金融・保険業分野でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約10%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。また、不動産業分野の占める割合は約13%でありますが、そのうち約2割はノンリコースローンであります。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 ③.自己資本比率規制について当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、2023年3月末における連結自己資本比率10.24%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、2023年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。当行及びSBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」という。)は、預金保険機構及び整理回収機構との間で、2023年5月12日付で「公的資金の取扱いに関する契約書」を締結しており、同日時点の公的資金の残額が合計で349,374,894,942円であることを確認するとともに、SBIHD及び当行は、公的資金について、会社法その他の法令を遵守し、当行の財務の健全性並びに事業上の必要性及び成長性を害することのない範囲で、可能な限り早期に要回収額を返済するよう努めること、SBIHD及び当行は、かかる早期の公的資金の返済に向けて当行の収益及び企業価値の更なる向上に取り組むとともに、2025年3月末日までに、その返済に関する具体的仕組み(返済に関して想定されるスケジュールを含みます。以下同じです。)につき預金保険機構及び整理回収機構に提案し、かかる提案の後、SBIHD、預金保険機構、整理回収機構及び当行は、公的資金の返済に向けた具体的仕組みについて誠実に協議の上、2025年6月末日までに、具体的仕組みについて合意すること(但し、合意される返済スキーム及びこれに基づく返済は、公的資金の早期返済、株主平等原則を含む法令の遵守、当行の財務の健全性並びに事業上の必要性及び成長性、並びに当行の各株主の権利を勘案したものでなければならないものとすること)等を合意しております。この契約書は、公的資金の残額を確認する部分を除いて、本スクイーズアウト手続(詳細は下記(8)⑥.をご参照ください。)における株式併合の効力が発生することを条件として初めて効力を生ずるものとされています。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は2014年3月末から適用が開始されておりますが、バーゼルⅢ規制最終化に関し2024年3月末までに対応完了することが求められております。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 (3)市場リスク①.マーケットの変動及び不安定要因による影響について当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、2007年以降のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、2011年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには2010年の欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まり、マイナス金利を含む金融政策の変更や2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、2022年2月の地政学リスクの高まり等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下による信用リスク・アセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 (4)流動性リスク①.資金調達について近年、安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・地政学リスクの発現や大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 ②.信用格付の影響について格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 (5)オペレーショナル・リスク①.事務事故・不正等について当行グループでは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。当行では、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、具体的な事務管理策としては、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えております。また、お客さま本位の業務運営に反した行為等のコンダクトリスクに対して、ミスコンダクト事案の広範な捕捉やリスク軽減策の実施等の管理体制の高度化にも努めております。しかしながら、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。当行グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2020年1月に、アプラスで取り扱う「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」において、審査書類の改ざんや不自然な不動産評価があった等の一部報道がなされたことを受け、社外の弁護士を委員長とする特別調査委員会(以下「本委員会」という。)をアプラス内に設置し調査を進めた結果、収入証明書の改ざんが行われたと認定された案件が確認されました。アプラスの役職員の関与や、第三者評価機関の不動産評価がアプラス社内で改ざんされるなどの不正は認められず、第三者評価機関によって不当な不動産評価がなされたといった事実も認められませんでしたが、本委員会より、収入証明書の改ざんを生じさせた背景として、投資用マンションローンの商品設計・審査体制上の問題や、アプラスのガバナンス・内部統制の体制に関する問題が指摘されました。アプラスでは、既に「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の取扱を停止しており、これまでもリスクコントロールの観点から、段階的に手続きや審査基準の厳格化を行っており、これが結果的には収入証明書の改ざん等の不正防止に一定の効果があったと考えられる旨を公表しておりますが、本委員会より再発防止策として、(ⅰ)今後の新規商品導入における商品特性の重視、(ⅱ)事業運営における審査機能の独立性確保、(ⅲ)事業者管理の再確認、(ⅳ)効率性とリスク管理のバランス、について提言を受けており、アプラスはこれをビジネス遂行全般の問題として真摯に受け止め、お客さまの保護、営業・審査等の体制面の強化、ガバナンス体制の見直しを重点に、再発防止に取り組んでいます。この「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の収入証明書の改ざんが、当行グループに及ぼした影響は限定的ですが、今後アプラスの再発防止策が有効に機能しなかった場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2022年3月から4月にかけて、当行で2013年12月31日までに投資信託特定口座の取引を開始したお客さまの口座に関し、保有されていた投資信託の取得価額及び取得単価(以下「取得価額情報」という。)に誤りがあった口座が存在することが判明いたしました。対象特定口座の一部において、取得価額情報に誤りが存在する結果、投資信託の売却に伴う譲渡所得金額、国税・地方税等の金額及び源泉徴収後の入金額に誤りが生じていたことが判明しました。今後同様の事務処理の誤りが判明した場合、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.情報システムへの依存について当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウイルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー、クラウドサービス事業者等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる、または機密情報漏洩や、ハッキング・フィッシングを通じた銀行口座やウォレット等での不正利用や不正送金が増加する可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があり、レピュテーションや営業基盤の棄損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③.個人情報等の保護について近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。2005年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 ④.訴訟について当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.有能な従業員の雇用について既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務、海外事業の戦略分野、デジタル・トランスフォーメーション分野や財務会計等のさまざまな分野において、豊富な実績と経験、専門性を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。これらに対して、雇用経路の拡大、多様な人材が能力を発揮できる柔軟な働き方の整備、育成強化実践等の施策を打ち出しております。例えば、従業員に対する定期的なエンゲージメントサーベイ結果を踏まえ、各種人事施策の見直しを行い、SBIグループ各社への公募異動制度により従業員の自律的なキャリア形成の支援を行っております。しかしながら、当行は、他の銀行のみならず、金融業以外の業種との間で、このような従業員の採用において競合関係にあり、中堅及びベテラン層の退職者増加により人材流動化が加速しているなかで、当行が業務戦略分野及び基幹分野遂行のための有能な人材を採用し、定着させられる保証はなく、当行グループの競争力低下、業績・財務状況への悪影響を及ぼす可能性があります。また、中堅・ベテラン層の退職者の増加に起因した、内部管理やリスク管理水準の低下により問題事案が顕在化し、業務運営に及ぼす制約が強まる可能性があります。 ⑥.重要な経営陣の退社による事業への影響について事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 (6)財務面に関するリスク①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の上限金利を年20%に引き下げる改正(2006年12月成立、2010年6月施行)以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払いを定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業法」では、超過利息の支払いが任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払いは有効であるとされておりました。しかし、2006年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払いは原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記(7)③.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する2006年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、2006年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が2006年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンは適切に引当てを行ってきております。新生フィナンシャルについては、同社は、2008年9月にGEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)よりその子会社を含めて取得したものですが、買収に際して相当額の利息返還損失引当金を計上したほか、日本GEとの取り決めに従って一定額を超える部分の過払金返還等損失について日本GEから補償金を受領していました。2014年3月末、同時点以降の将来に発生が見込まれる過払金返還等損失の額の現金一括払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEによる損失補償は終了し、新生フィナンシャルは同金額を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では過払利息返還の対象となる母集団の口座数の減少や債務者等の代理人となる弁護士事務所及び司法書士事務所の広報活動の減少を背景として、「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回って推移しており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 ②.年金制度及び年金資産に関するリスクについて当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下する等)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)金融諸環境等に関するリスク①.金融サービス市場における競合について規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、当行は下記(8)②.に記載のとおり金融庁への経営健全化計画の提出・定期的な見直しの義務を負っていますが、上記の大手銀行グループは、既に政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。2012年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、2016年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に、2019年4月には1,300万円から2,600万円(通常貯金と定期性貯金についてそれぞれ1,300万円)に引き上げられました。2015年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、2017年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施され、2019年4月には日本郵政による株式会社かんぽ生命保険の第2次売出しが実施され、2021年10月には政府による日本郵政の株式の第3次売出しが実施され、2023年3月には日本郵政によるゆうちょ銀行の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、2015年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。なお、商工組合中央金庫については、成立(公布日)から2年以内に業務範囲の見直し・政府保有株式の全部売却等を含む「中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律」が211回国会において可決されております。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、特に個人・中小企業向けローン市場を中心に、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが導入されており、当行の貸出金残高の縮小及び金利競争による利鞘縮小の可能性があります。このリスクに対しては、FinTech企業への出資及び提携を通じて、異業種の持つサービス、データやノウハウ等の共有、融合による価値共創ビジネスを主な戦略に掲げておりますが、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。また、FinTech等スタートアップ企業と大手金融機関の連携の流れが加速し、連携について競争が激化することで当行グループの価値共創戦略の優位性が低下する可能性があります。さらには、デジタル・トランスフォーメーション分野における戦略策定・業務推進において、必要なスキルを有した専門人材の不足や確保の困難化に起因して競争力が低下する可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 ②.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について当行グループは業務を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等並びに外国における同様の法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関によりモニタリングを受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒されるほか、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び2006年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。例えば、円建て仕組預金にお預け入れいただく際には、利息等の一部が預金保険の対象外となっているため、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 ③.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」並びに外国における同様の法律等の適用を受けております。また、2011年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。2010年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。2010年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払いが同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払いに該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、2006年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払いを遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、2010年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、2010年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付・情報の提供等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。2018年6月の同法改正施行では、新たな事業規制として「カード加盟店調査等の義務」等が加わり、クレジットカード番号を取り扱うことを認める契約を締結する事業者に対して「加盟店管理」の一層の強化を図る旨の規定が導入され、また、2021年4月の同法改正施行では、近年のクレジットカードのセキュリティリスクの高まりを踏まえ、監督官庁による包括信用購入あっせん業者の監督手段を強化するため、業務の全部または一部の停止を命ずることができる旨の規定が導入されました。当行グループのコンシューマーファイナンス業務は、法令等を厳格に遵守する体制にありますが、今後万一、意図せずに同法に抵触する行為等が生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 ④.法令及び規制等の変更等の影響について当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 ⑤.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについてわが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 ⑥.災害等の発生による悪影響について当行グループは、国内外において店舗、事務所やデータセンター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の大規模自然災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、地政学リスクの発現やパンデミックの発生により、当行グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行グループの業務の一部が停止する等、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、地政学リスクの発現や大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの不良債権及び与信関連費用が増加したり、保有している金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦.環境・社会に配慮しない投融資等について近年、気候変動などの環境課題及び社会課題の顕在化に伴い、国内外での法令及び規制等の対応が厳格化され、金融機関に対しては、資金提供者として、環境・社会のサステナビリティに一層配慮することが期待されています。かかる背景から、環境・社会課題に適切な対応を行わない事業への投融資や関連取引を経営リスクと捉えています。当行グループにおいては、統合的なリスク管理のフレームワークにおいて、環境・社会課題等のサステナビリティに関するリスクを重要なリスクとして特定し、これらのリスクに対する予兆管理や対応力の強化を継続的に進めています。しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行グループの取り組み、リスク管理態勢の整備、それらの情報開示が期待から大きく乖離した場合等には、当行グループの競争力の低下及びレピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(当行グループのサステナビリティについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」も合わせてご覧ください。) (8)その他①.リスクマネジメントポリシーの有効性について当行は、金融機関として健全性・収益性の高い業務運営を確保するために当行グループの抱える様々なリスクをコントロールする必要があるとの認識のもと、そのリスクの総和を把握し、能動的な管理を行うため、リスクについての基本的認識及びリスク管理の基本方針を、リスクマネジメントポリシーとして制定しております。このポリシーのもとで、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法務・事務・システム等のオペレーショナル・リスク等、各種のリスクの内容に応じて特定の委員会を設置し、リスクを管理する体制を構築しております。当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しておりますが、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②.当行の経営に対する政府の影響力について当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。政府は、2023年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約23.0%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約13.2%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約9.8%))。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。当行及びSBIHDは、預金保険機構及び整理回収機構との間で、2023年5月12日付で「公的資金の取扱いに関する契約書」を締結し、公的資金の返済に関する今後の取扱い等について一定の合意をしております。(詳細は上記(2)③.をご参照ください。)しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。金融庁は、2005年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。この考え方・判断基準は引き続き当行にも適用されることが、「公的資金の取扱いに関する契約書」(詳細は上記(2)③.をご参照ください。)において確認されています。したがって、今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 ③.普通株式の配当に関する制約について当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。なお、後述の本公開買付け及び本スクイーズアウト手続(詳細は下記(8)⑥.をご参照ください。)を経て、当行の株主は、SBI地銀ホールディングス株式会社、預金保険機構及び整理回収機構のみとなることが予定されています。 ④.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。なお、後述の本公開買付け及び本スクイーズアウト手続(詳細は下記(8)⑥.をご参照ください。)を経て、当行の株主は、SBI地銀ホールディングス株式会社、預金保険機構及び整理回収機構のみとなることが予定されており、その過程で当行株式は東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止される予定です。 ⑤.当行の親会社についてSBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」という。)の完全子会社であるSBI地銀ホールディングス株式会社(以下「SBI地銀ホールディングス」という。)が、2021年9月10日から2021年12月10日までを公開買付期間として行った当行の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)により、本公開買付けの決済の開始日である2021年12月17日をもって、SBI地銀ホールディングスは当行の普通株式56,922,199株を取得するとともに、SBIHDはSBI地銀ホールディングスを通じて間接的に保有する部分を含め当行の議決権の47.77%(2021年9月30日現在の当行の発行済株式数及び自己株式の数を基準としています。)に相当する99,659,999株を保有することとなりました。これにより、SBIHDは当行の親会社かつ銀行主要株主に、SBI地銀ホールディングスは当行の銀行主要株主かつ筆頭株主となるとともに当行のその他の関係会社に、それぞれ該当することとなりました。その後、当行の親会社であるSBIHDは、同社が所有する当行株式(42,737,700株)について、SBI地銀ホールディングスに2022年2月1日付で譲渡しました。さらに、SBI地銀ホールディングスは2022年10月11日に銀行持株会社の認可を取得し、同年同月14日から21日までの間に当行株式を2,500,000株追加取得し、当行の議決権の50.04%(2022年9月30日現在の当行の発行済株式数および自己株式の数を基準としています。)に相当する102,159,999株を保有するに至り、2022年10月21日付で当行を子会社とする銀行持株会社となりました。SBI地銀ホールディングスは、当行の親会社であり銀行持株会社であり、また、SBIHDはSBI地銀ホールディングスの完全親会社であることから当行の親会社であり銀行主要株主であります。これまで、当行では取締役、銀行主要株主等関連当事者との間の利益相反取引について社内規程を制定し、適切な管理を行う体制となっておりましたが、SBIHDグループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が当行の少数株主にとって不利益をもたらさないかについて、より慎重な管理体制を構築するため、独立社外取締役全員で構成される「親法人取引諮問委員会」を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで、利益相反管理体制に遺漏無きことを期してまいります。 ⑥.当行の親会社による公開買付け及びスクイーズアウトについてSBI地銀ホールディングスは、2023年5月15日から同年6月23日までを公開買付期間として、当行株式の全て(但し、当行が保有する自己株式、並びに預金保険機構及び整理回収機構が保有する当行株式を除きます。以下同じです。)を取得することにより、当行の株主をSBI地銀ホールディングス、預金保険機構及び整理回収機構のみとする非公開化を目的とした、当行株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を開始するとともに、本公開買付けの結果当行株式の全てを取得するに至らなかった場合は、当行の株主をSBI地銀ホールディングス、預金保険機構及び整理回収機構のみとするための、当行株式に関する株式併合を含む一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」という。)を実施する予定であると公表しています。本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の過程で当行株式は東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止となり、当行の株主はSBI地銀ホールディングス、預金保険機構及び整理回収機構のみとなることが予定されています。当行取締役会は、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、当行の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しております。本公開買付けは予定どおり2023年6月23日をもって終了し、7,547,389株の応募があったとのことです。応募株式に関する決済が完了すると、SBI地銀ホールディングスは合計109,707,388株(議決権割合約53.73%(2023年3月31日現在の当行の発行済株式数および自己株式の数を基準としています。))の当行株式を保有することとなります。また、SBI地銀ホールディングスは本公開買付けによって当行株式の全てを取得するには至らなかったため、今後本スクイーズアウト手続の実施が予定されます。具体的な日程は本書提出時点で未定ですが、本スクイーズアウト手続の過程で、一定の予告期間を経て当行株式は東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止となる予定です。上場廃止されると、当行株式を東京証券取引所スタンダード市場で取引することはできなくなります。株主の皆様が本公開買付けに応募せず、上場廃止までに売却もしなかった当行株式については、本スクイーズアウト手続を経て、本公開買付けの買付価格と実質的に同一の単価で金銭交付がなされる予定です。 重要なリスクSBI新生銀行グループでは、経営上重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクを「重要なリスク」(トップリスク)とし、定量化が困難な非財務リスクも含めて、グループリスクポリシー委員会等での議論を踏まえて選定しています。現在、長期金利の上昇や地政学リスクの発現を端緒とした与信関連費用の増加及び保有有価証券の価値下落のほか、人材リスクの顕在化、ITリスクなどを重要なリスクとして選定しています。これらの重要なリスクに対しては、予兆管理の高度化や対応力の強化を重点的に取り組んでいます。2023年3月現在、以下を重要なリスクとして選定しております。 リスクシナリオ内容・影響1.与信関連費用の増加●長期金利の上昇や地政学リスクの発現、大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした世界的な景気後退や不動産担保価格の下落に伴う、与信関連費用の増加。●大口投融資先や与信集中業種の信用力悪化に伴う、与信関連費用の増加。2.金利上昇リスク●各国中央銀行の金融政策の変更や更なる政策金利の引上げを端緒とした金利上昇に伴う、保有有価証券の価値下落及び調達コストの増加。3.外貨流動性に関するリスク●地政学リスクの発現や大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした金融市場の混乱に伴う、外貨流動性の低下及び外貨調達コストの増加。4.人材リスクの顕在化 (新規採用の困難化・退職者の増加)●人材獲得競争の激化を背景とする新卒・中途採用の困難化に起因した、戦略分野及び基幹分野における競争力の低下。●人材流動化の加速を背景とする中堅・ベテラン層の退職者の増加に起因した、内部管理上の問題の顕在化及び業務運営上の制約の強まり。5.ITリスク (サイバー攻撃・システム障害)●サイバー攻撃による顧客情報の流出・決済機能等の停止や、サイバー金融犯罪による不正利用・不正送金の発生に伴う、直接的な損失の発生及び評判の悪化。●システム障害の発生による顧客情報の流出や決済機能等の停止に伴う、直接的な損失の発
FY2022|29,198 文字
2【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営戦略に関するリスク①.当行の経営戦略について当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる分野を、小口ファイナンス及び機関投資家向けビジネス、海外ビジネスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、「新生銀行グループの中期ビジョン」では、中期ビジョン実現のための基本戦略の1つとして「グループ内外の価値共創の追求」を掲げ、SBIグループ及び当行グループの各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、SBIグループ及び当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期ビジョンの達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 ②.法人向け銀行業務の戦略的拡充について当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているプロジェクトファイナンス、ノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むオルタナティブ投資は、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 ③.リテールバンキング業務の戦略的拡充について当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・当行は、ニューノーマル(新しい常態)に向けて、これまでの店舗のあり方やお取引の方法を見直し、お客さまとスタッフが時間や場所に縛られない新しい接客サービスの構築を進めており、既存の物理店舗と、デジタル技術等を活用したリモートチャネルを組み合わせながら、個人のお客さまのさまざまなニーズに対して最適なサービスの提供に取り組んでおりますが、競合他社もこうしたサービスを提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 ④.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について当行は、2004年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・IT化促進への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は2007年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(「事業等のリスク」においては、同社、傘下の子会社及び株式会社アプラスインベストメントを包括して「アプラス」という。)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、2016年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行い着実に収益を伸長してまいりましたが、コンシューマーファイナンス業界の経営環境の悪化等により、十分な収益を確保することが出来なくなった場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記(7)③.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社。以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記(6)①.をご参照ください。)を実施しておりますが、今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。 ⑤.当行グループの無担保カードローン事業の展開について当行グループでは、お客さまのニーズに合わせて、銀行カードローンのニーズがあるお客さまに対しては当行の「新生銀行スマートカードローン プラス」を、消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては新生フィナンシャルの「レイクALSA(アルサ)」(以下「アルサ」という。)を提供しております。(なお、当行で扱っていた消費者金融商品である「新生銀行カードローン エル」は2018年3月末に、新生パーソナルローンで扱っていた「ノーローン」は2020年6月末に、それぞれを以って新規申込の受付を停止しており、そのときまでにご契約いただいたお客さまに対してのみ、引き続き各々でサービスを提供しております。)アルサでは、従来の消費者金融商品の顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れております。貸金業法改正による規制の強化等により、2006年以降、貸金業者による消費者向け貸付残高は大幅に減少した一方、当該規制等の対象外である銀行カードローン残高が増加し過剰な貸付け等が問題視されたことを背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行では、無担保カードローン事業を注力分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャルおよび新生パーソナルローンでは貸金業法に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローン市場の健全な形成に寄与してまいります。また、2022年4月からの成人年齢引き下げに関しましても貸金リテラシーを重視した対応を行ってまいります。新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、他の金融機関向けの信用保証業務に注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 ⑥.金融商品及びサービスの範囲の拡大について当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 ⑦.海外業務の拡大によるリスクについて当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。例えば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い(2021年3月にエグジット)、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・オセアニア地域を中心とした優良案件に対する買収を含めた取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を推進しているところであります。例えば、ニュージーランド最大手のノンバンクであるUDC Finance Limitedを買収(完全子会社化)し、オーストラリアのコンシューマーファイナンスのリーディングカンパニーであるLatitudeグループと資本業務提携しました。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・外貨資金調達が困難になった場合、外貨資金繰りが不安定化するリスク・法制度・取引慣行等の相違や事前調査の制約に起因する想定外の事象が事後的に判明・発生することによる、対応費用や課徴金等の発生及び与信関連費用が増加するリスク・紛争や経済制裁措置の発動等に伴う、当該国でのビジネス機会の縮小・喪失及び対応費用が発生するリスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・専門人材の不足や確保の困難化により競争力が低下するリスク・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行グループとしての投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 (2)信用リスク①.貸倒引当金の十分性について当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。例えば、利上げによる長期金利の急上昇を通じた不動産価格の下落に伴う不動産ノンリコースローンの信用リスクの増加や、新型コロナウイルス感染症がもたらす資源価格や物流コストの上昇、半導体不足、環境変化を始めとする影響の長期化、新たなパンデミックや大規模自然災害等の発生、ロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクの発現に伴う経済活動の停滞、さらには景気後退により、株安、業績不振や雇用悪化が生じ、企業倒産件数や失業者数の増加に伴う貸出金の信用リスクの増加等は、貸倒引当金を増やす可能性があります。これらのリスクに関して、当行はシナリオ分析による想定損失額や自己資本(比率)への影響を把握しており、事象発生時に想定される財務上の影響が、危機的な規模には達せず、自己資本・資金流動性等について一定水準を確保できることを確認しております。不動産市況の悪化のリスクに関しては、国内外の市況・ビジネス動向を定期的に把握し、取組方針レビューを行う取り組みに加え、マクロ経済指標や市場・規制動向等の変化に基づくリスクヒートマップや影響度分析等の予兆管理を実施するとともに、与信制御手段の適切な発動や機動的見直しを行う態勢整備を行っております。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 ②.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について2022年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約6%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。2022年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約15%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約3割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約10%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約18%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 ③.自己資本比率規制について当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、2022年3月末における連結自己資本比率11.72%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、2022年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は2014年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 (3)市場リスク①.マーケットの変動及び不安定要因による影響について当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、2007年以降のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、2011年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには2010年の欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まり、マイナス金利を含む金融政策の変更や2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、2022年2月の地政学リスクの高まり等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、利鞘の縮小、地政学リスクを有する国の国債や株式を組み込んだ金融商品の価格下落や売却受付停止等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼし、さらには、お客さまに最適なサービスを提供することが困難となり顧客離反が起きた場合、レピュテーションを毀損する可能性があります。 ②.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 (4)流動性リスク①.資金調達について近年、安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・新たなパンデミックや大規模自然災害の発生や地政学リスクの発現等を端緒とした海外の金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 ②.信用格付の影響について格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 (5)オペレーショナル・リスク①.事務事故・不正等について当行グループでは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。当行では、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、具体的な事務管理策としては、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えております。また、お客さま本位の業務運営に反した行為等のコンダクトリスクに対して、ミスコンダクト事案の広範な捕捉やリスク軽減策の実施等の管理体制の高度化にも努めております。しかしながら、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。当行グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2020年1月に、アプラスで取り扱う「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」において、審査書類の改ざんや不自然な不動産評価があった等の一部報道がなされたことを受け、社外の弁護士を委員長とする特別調査委員会(以下「本委員会」という。)をアプラス内に設置し調査を進めた結果、収入証明書の改ざんが行われたと認定された案件が確認されました。アプラスの役職員の関与や、第三者評価機関の不動産評価がアプラス社内で改ざんされるなどの不正は認められず、第三者評価機関によって不当な不動産評価がなされたといった事実も認められませんでしたが、本委員会より、収入証明書の改ざんを生じさせた背景として、投資用マンションローンの商品設計・審査体制上の問題や、アプラスのガバナンス・内部統制の体制に関する問題が指摘されました。アプラスでは、既に「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の取扱を停止しており、これまでもリスクコントロールの観点から、段階的に手続きや審査基準の厳格化を行っており、これが結果的には収入証明書の改ざん等の不正防止に一定の効果があったと考えられる旨を公表しておりますが、本委員会より再発防止策として、(ⅰ)今後の新規商品導入における商品特性の重視、(ⅱ)事業運営における審査機能の独立性確保、(ⅲ)事業者管理の再確認、(ⅳ)効率性とリスク管理のバランス、について提言を受けており、アプラスはこれをビジネス遂行全般の問題として真摯に受け止め、お客さまの保護、営業・審査等の体制面の強化、ガバナンス体制の見直しを重点に、再発防止に取り組んでいます。この「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の収入証明書の改ざんが、当行グループに及ぼした影響は限定的ですが、今後アプラスの再発防止策が有効に機能しなかった場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2022年1月に、新生インベストメント・マネジメント株式会社は、投資一任業務における善管注意義務違反及び公募投資信託業務における善管注意義務違反、忠実義務違反の事実が認められたとして、金融庁より金融商品取引法第51条に基づき、業務改善命令を受けました。2022年3月から4月にかけて、当行で2013年12月31日までに投資信託特定口座の取引を開始したお客さまの口座に関し、保有されていた投資信託の取得価額及び取得単価(以下「取得価額情報」という。)に誤りがあった口座が存在することが判明いたしました。対象特定口座の一部において、取得価額情報に誤りが存在する結果、投資信託の売却に伴う譲渡所得金額、国税・地方税等の金額及び源泉徴収後の入金額に誤りが生じていたことが判明しました。今後の対応により、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.情報システムへの依存について当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウイルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー、クラウドサービス事業者等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる、又は機密情報漏洩や、ハッキング・フィッシングを通じた銀行口座やウォレット等での不正利用や不正送金が増加する可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があり、レピュテーションや営業基盤の棄損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③.個人情報等の保護について近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。2005年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 ④.訴訟について当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.有能な従業員の雇用について既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計等のさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。これらに対して、兼業・副業を受入れ外部人的資源を活用し、データサイエンティスト等の専門コースの設定により専門人材を受入れる仕組づくりを構築しております。また、リファラル採用やアルムナイ制度による雇用経路の拡大、ニューノーマルに対応した多様な人材が能力を発揮できる柔軟な働き方の整備、グループ内での人材発掘、選抜、育成強化実践等の施策を打ち出しております。しかしながら、当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が業務戦略遂行のための有能な人材を採用し、定着させられる保証はなく、当行グループの競争力低下、業績・財務状況への悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥.重要な経営陣の退社による事業への影響について事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 (6)財務面に関するリスク①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の上限金利を年20%に引き下げる改正(2006年12月成立、2010年6月施行)以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業法」では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、2006年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記(7)③.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する2006年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、2006年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が2006年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンは適切に引き当てを行ってきております。新生フィナンシャルについては、同社は、2008年9月にGEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)よりその子会社を含めて取得したものですが、買収に際して相当額の利息返還損失引当金を計上したほか、日本GEとの取り決めに従って一定額を超える部分の過払金返還等損失について日本GEから補償金を受領していました。2014年3月末、同時点以降の将来に発生が見込まれる過払金返還等損失の額の現金一括払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEによる損失補償は終了し、新生フィナンシャルは同金額を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では過払利息返還の対象となる母集団の口座数の減少や債務者等の代理人となる弁護士事務所及び司法書士事務所の広報活動の減少を背景として、「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回って推移しており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 ②.年金制度及び年金資産に関するリスクについて当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下する等)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)金融諸環境等に関するリスク①.金融サービス市場における競合について規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、当行は下記(8)②.に記載のとおり金融庁への経営健全化計画の提出・定期的な見直しの義務を負っていますが、上記の大手銀行グループは、既に政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。2012年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、2016年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に、2019年4月には1,300万円から2,600万円(通常貯金と定期性貯金についてそれぞれ1,300万円)に引き上げられました。2015年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、2017年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施され、2019年4月には日本郵政による株式会社かんぽ生命保険の第2次売出しが実施され、2021年10月には政府による日本郵政の株式の第3次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、2015年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、特に個人・中小企業向けローン市場を中心に、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが導入されており、当行の貸出金残高の縮小及び金利競争による利鞘縮小の可能性があります。このリスクに対しては、FinTech企業への出資及び提携を通じて、異業種の持つサービス、データやノウハウ等の共有、融合による価値共創ビジネスを主な戦略に掲げておりますが、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。また、FinTech等スタートアップ企業と大手金融機関の連携の流れが加速し、連携について競争が激化することで当行グループの価値共創戦略の優位性が低下する可能性があります。さらには、デジタル・トランスフォーメーション分野における戦略策定・業務推進において、必要なスキルを有した専門人材の不足や確保の困難化に起因して競争力が低下する可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 ②.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について当行グループは業務を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等並びに外国における同様の法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関によりモニタリングを受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒されるほか、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び2006年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。例えば、円建て仕組預金にお預け入れいただく際には、利息等の一部が預金保険の対象外となっているため、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 ③.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」並びに外国における同様の法律等の適用を受けております。また、2011年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。2010年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。2010年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、2006年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、2010年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、2010年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付・情報の提供等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。2018年6月の同法改正施行では、新たな事業規制として「カード加盟店調査等の義務」等が加わり、特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。また、2021年4月の同法改正施行では、近年のクレジットカードのセキュリティリスクの高まりを踏まえ、監督官庁による包括信用購入あっせん業者の監督手段を強化するため、業務の全部または一部の停止を命ずることができる旨の規定が導入されました。当行グループのコンシューマーファイナンス業務は、法令等を厳格に遵守する体制にありますが、今後万一、意図せずに同法に抵触する行為等が生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 ④.法令及び規制等の変更等の影響について当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 ⑤.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについてわが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 ⑥.災害等の発生による悪影響について当行グループは、国内外において店舗、事務所やデータセンター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、新型インフルエンザ等感染症の流行や影響の長期化により、当行グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行グループの業務の一部が停止する等、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、あるいは新たなパンデミックや大規模自然災害等の発生、さらには地政学リスクが発現した場合は、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの不良債権及び与信関連費用が増加したり、保有している金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦.環境・社会に配慮しない投融資等について当行グループは、環境・社会の持続可能性(サステナビリティ)への取り組みに関する基本的な考え方と方向性を示す「グループサステナビリティ経営ポリシー」を制定しております。経営理念を実現するために必要な持続可能な成長機会の獲得には、持続可能な社会の構築に貢献することが企業グループの社会的責任であるとの認識に立つ基本方針として、本ポリシーを位置づけております。また、当行は、2020年1月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同、同年4月には「赤道原則」(Equator Principles)を採択しました。近年、気候変動問題などの環境課題及び社会課題の顕在化に伴い、当行グループのステークホルダーからは、資金提供者として、環境・社会のサステナビリティに一層配慮することが期待されています。かかる背景から、当行グループにおいても、統合的なリスク管理のフレームワークにおいて、気候変動問題・社会問題等のサステナビリティに関するリスクを重要なリスクとして特定するとともに、TCFDのフレームワークに基づきシナリオ分析や物理リスク・移行リスクの計測等を行っています。ビジネス活動においては、環境・社会課題に適切な対応を行わない事業への投融資や企業等との取引を経営リスクと捉え、「責任ある投融資に向けた取組方針」を制定の上、リスクと経済合理性とを適切に判断して取り組んでいます。一方で、環境・社会のサステナビリティへの取り組みは、大きなビジネス機会であると捉え、当行グループは金融業として持てる力を総動員し、環境・社会課題の改善に資する事業に資金使途が限定されたグリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティローンをはじめとする様々なファイナンス手段を通じて、こうした課題解決を支援しています。しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行グループの取り組み、リスク管理態勢の整備、それらの情報開示が期待から大きく乖離した場合等には、当行グループの競争力の低下及びレピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)その他①.リスクマネジメントポリシーの有効性について当行は、金融機関として健全性・収益性の高い業務運営を確保するために当行グループの抱える様々なリスクをコントロールする必要があるとの認識のもと、そのリスクの総和を把握し、能動的な管理を行うため、リスクについての基本的認識及びリスク管理の基本方針を、リスクマネジメントポリシーとして制定しております。このポリシーのもとで、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法務・事務・システム等のオペレーショナル・リスク等、各種のリスクの内容に応じて特定の委員会を設置し、リスクを管理する体制を構築しております。当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しておりますが、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②.当行の経営に対する政府の影響力について当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、2005年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 ③.普通株式の配当に関する制約について当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 ④.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.政府による当行の普通株式の売却の可能性について2006年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株(2017年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると20,003千株)に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株(同株式併合後17,546千株)を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、2007年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株(同株式併合後2千万株)を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、2008年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株(同株式併合後26,912,888株)に転換されました。その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、2022年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約22.9%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約13.1%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約9.7%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 ⑥.当行の親会社についてSBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」という。)の完全子会社であるSBI地銀ホールディングス株式会社(以下「SBI地銀ホールディングス」という。)が、2021年9月10日から2021年12月10日までを公開買付期間として行った当行の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)により、本公開買付けの決済の開始日である2021年12月17日をもって、SBI地銀ホールディングスは当行の普通株式56,922,199株を取得するとともに、SBIHDはSBI地銀ホールディングスを通じて間接的に保有する部分を含め当行の議決権の47.77%(2021年9月30日現在の当行の発行済株式数および自己株式の数を基準としています。)に相当する99,659,999株を保有することとなりました。これにより、SBIHDは当行の親会社かつ銀行主要株主に、SBI地銀ホールディングスは当行の銀行主要株主かつ筆頭株主となるとともに当行のその他の関係会社に、それぞれ該当することとなりました。その後、当行の親会社であるSBIHDは、同社が所有する当行株式(42,737,700株)について、SBI地銀ホールディングスに2022年2月1日付で譲渡しました。これにより、SBI地銀ホールディングスは、当行のその他の関係会社から当行の親会社となり、また、SBIHDはSBI地銀ホールディングスの完全親会社であることから引き続き当行の親会社であり、両社が当行の銀行主要株主であります。これまで、当行では取締役、銀行主要株主等関連当事者との間の利益相反取引について社内規程を制定し、適切な管理を行う体制となっておりましたが、SBIHDグループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が当行の少数株主にとって不利益をもたらさないかについて、より慎重な管理体制を構築するため、独立社外取締役全員で構成される「親法人取引諮問委員会」を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで、利益相反管理体制に遺漏無きことを期してまいります。 重要なリスク当行グループは、経営上の重要なリスクについては、定量化が困難な非財務リスクも含めて、経営陣による議論を踏まえて認識する体制としています。現在、地政学リスクの発現を端緒とする与信関連費用の増加や保有有価証券の価値下落のほか、サイバー攻撃等によるシステム障害、各種戦略リスクなどを重要なリスクとして認識しています。これらのリスクに対する予兆管理や対応力の強化を継続的に進めていきます。 2022年3月現在、以下を重要なリスクとして選定しております。 リスクシナリオ内容・影響1.地政学リスク地政学リスクの発現を端緒とする下記2~5のほか、当該国でのビジネス機会の縮小・喪失及び対応費用の発生。地政学リスクを有する国の国債や株式を組み込んだ金融商品の価格下落等に伴うレピュテーションの毀損。2.与信関連費用の増加地政学リスクの発現のほか、コロナ禍の長期化、新たなパンデミックや大規模自然災害の発生、各国中央銀行の金融政策転換による金利上昇などを端緒とした、景気悪化や不動産担保価格の下落による与信関連費用の増加。3.保有有価証券の価値下落地政学リスクの発現のほか、各国中央銀行の金融政策転換、新たなパンデミックや大規模自然災害の発生などを端緒とした、内外金融市場の混乱や景気悪化による保有有価証券の価値下落。4.外貨調達環境の不安定化地政学リスクの発現のほか、新たなパンデミックや大規模自然災害の発生などを端緒とした、金融市場の混乱による、外貨流動性の低下及び外貨調達コストの上昇。5.サイバー攻撃・大規模なシステム障害地政学リスクその他を背景とするサイバー攻撃によるサービス停止・情報漏洩、ハッキング・フィッシングによる銀行口座・ウォレット等の不正利用・不正送金、その他の要因による大規模なシステム障害。これらに伴う直接的な損失及びレピュテーションの毀損。6.重大な法令違反・不適切な行為お客さま保護の視点を欠く行為により損害を与えるなど、役職員等による社会的規範に反する行為に伴うレピュテーションの毀損。マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策等の不備に伴う直接的な損失及びレピュテーションの毀損。7.DX戦略推進に関するリスクデジタル・トランスフォーメーション分野における競争激化や異業種からの参入が活発化する中、戦略策定・業務推進における人材リスクの顕在化による対応力・競争力の低下。8.海外ビジネス戦略推進に関するリスク海外ビジネスの戦略策定・業務推進における人材リスクの顕在化による対応力・競争力の低下。法制度・取引慣行等の相違や事前調査の制約に起因する想定外の事象に対する対応費用等の発生及び与信関連費用の増加。9.サステナビリティに関するリスク気候変動問題や社会問題の解決に向けた取組み、リスク管理態勢の整備、情報開示が不十分であることに起因する競争力の低下及びレピュテーションの毀損。対応が不十分な投融資先の業況悪化による与信関連費用の増加。 なお、「事業等のリスク」は、重要なリスクも踏まえて選定しています。
FY2021|26,491 文字
2【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営戦略に関するリスク①.当行の経営戦略について当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる注力分野を、小口ファイナンス及び機関投資家向けビジネスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、グループ内の各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営戦略の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 ②.法人向け銀行業務の戦略的拡充について当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているプロジェクトファイナンス、ノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むオルタナティブ投資は、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 ③.リテールバンキング業務の戦略的拡充について当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・当行は、ニューノーマル(新しい常態)に向けて、これまでの店舗のあり方やお取引の方法を見直し、お客さまとスタッフが時間や場所に縛られない新しい接客サービスの構築を進めており、既存の物理店舗と、デジタル技術等を活用したリモートチャネルを組み合わせながら、個人のお客さまのさまざまなニーズに対して最適なサービスの提供に取り組んでおりますが、競合他社もこうしたサービスを提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 ④.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について当行は、2004年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・IT化促進への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は2007年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は2010年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して「アプラス」という。)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、2016年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行い着実に収益を伸長してまいりましたが、コンシューマーファイナンス業界の経営環境の悪化等により、十分な収益を確保することが出来なくなった場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記(7)③.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社。以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記(6)①.をご参照ください。)を実施しておりますが、今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。 ⑤.当行グループの無担保カードローン事業の展開について当行グループでは、お客さまのニーズに合わせて、銀行カードローンのニーズがあるお客さまに対しては当行の「新生銀行スマートカードローン プラス」を、消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては新生フィナンシャルの「レイクALSA(アルサ)」(以下「アルサ」という。)を提供しております。(なお、当行で扱っていた消費者金融商品である「新生銀行カードローン エル」は2018年3月末に、新生パーソナルローンで扱っていた「ノーローン」は2020年6月末に、それぞれを以って新規申込の受付を停止しており、そのときまでにご契約いただいたお客さまに対してのみ、引き続き各々でサービスを提供しております。)アルサでは、従来の消費者金融商品の顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れております。近時、銀行カードローンの残高の増加を背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行では、無担保カードローン事業を注力分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャルおよび新生パーソナルローンでは貸金業に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローン市場の健全な形成に寄与してまいります。新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、他の金融機関向けの信用保証業務に注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 ⑥.金融商品及びサービスの範囲の拡大について当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 ⑦.海外業務の拡大によるリスクについて当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。例えば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い(2021年3月にエグジット)、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・パシフィック地域を中心とした優良案件に対する買収を含めた取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・外貨資金調達が困難になった場合、外貨資金繰りが不安定化するリスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 (2)信用リスク①.貸倒引当金の十分性について当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。例えば、利上げによる長期金利の急上昇を通じた不動産価格の下落に伴う不動産ノンリコースローンの信用リスクの増加や、新型コロナウイルス感染症流行の長期化やそれに伴う経済活動の停滞、さらには景気後退により、株安、業績不振や雇用悪化が生じ、企業倒産件数や失業者数の増加に伴う貸出金の信用リスクの増加等は、貸倒引当金を増やす可能性があります。これらのリスクに関して、当行はシナリオ分析による想定損失額や自己資本(比率)への影響を把握しており、事象発生時に想定される財務上の影響が、危機的な規模には達せず、自己資本・資金流動性等について一定水準を確保できることを確認しております。不動産市況の悪化のリスクに関しては、国内外の市況・ビジネス動向を定期的に把握し、取組方針レビューを行う取り組みに加え、マクロ経済指標や市場・規制動向等の変化に基づくリスクヒートマップや影響度分析等の予兆管理を実施するとともに、与信制御手段の適切な発動や機動的見直しを行う態勢整備を行っております。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 ②.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について2021年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約7%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。2021年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約15%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約3割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約10%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約18%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 ③.自己資本比率規制について当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、2021年3月末における連結自己資本比率11.39%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、2021年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は2014年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 (3)市場リスク①.マーケットの変動及び不安定要因による影響について当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、2007年以降のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、2011年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには2010年の欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まり、マイナス金利を含む金融政策の変更や2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の感染拡大等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 (4)流動性リスク①.資金調達について近年、安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・海外の金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 ②.信用格付の影響について格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 (5)オペレーショナル・リスク①.事務事故・不正等について当行グループでは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。当行では、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、具体的な事務管理策としては、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えております。また、お客さま本位の業務運営に反した行為等のコンダクトリスクに対して、ミスコンダクト事案の広範な捕捉やリスク軽減策の実施等の管理体制の高度化にも努めております。しかしながら、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。当行グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2020年1月に、アプラスで取り扱う「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」において、審査書類の改ざんや不自然な不動産評価があった等の一部報道がなされたことを受け、社外の弁護士を委員長とする特別調査委員会(以下「本委員会」という。)をアプラス内に設置し調査を進めた結果、収入証明書の改ざんが行われたと認定された案件が確認されました。アプラスの役職員の関与や、第三者評価機関の不動産評価がアプラス社内で改ざんされるなどの不正は認められず、第三者評価機関によって不当な不動産評価がなされたといった事実も認められませんでしたが、本委員会より、収入証明書の改ざんを生じさせた背景として、投資用マンションローンの商品設計・審査体制上の問題や、アプラスのガバナンス・内部統制の体制に関する問題が指摘されました。アプラスでは、既に「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の取扱を停止しており、これまでもリスクコントロールの観点から、段階的に手続きや審査基準の厳格化を行っており、これが結果的には収入証明書の改ざん等の不正防止に一定の効果があったと考えられる旨を公表しておりますが、本委員会より再発防止策として、(ⅰ)今後の新規商品導入における商品特性の重視、(ⅱ)事業運営における審査機能の独立性確保、(ⅲ)事業者管理の再確認、(ⅳ)効率性とリスク管理のバランス、について提言を受けており、アプラスはこれをアプラスグループにおけるビジネス遂行全般の問題として真摯に受け止め、お客さまの保護、営業・審査等の体制面の強化、ガバナンス体制の見直しを重点に、再発防止に取り組んでいます。この「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の収入証明書の改ざんが、当行グループに及ぼした影響は限定的ですが、今後アプラスの再発防止策が有効に機能しなかった場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.情報システムへの依存について当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー、クラウドサービス事業者等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる、又は機密情報漏洩や、ハッキング・フィッシングを通じた銀行口座やウォレット等での不正利用や不正送金が増加する可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があり、レピュテーションや営業基盤の棄損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③.個人情報等の保護について近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。2005年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 ④.訴訟について当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.有能な従業員の雇用について既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計等のさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。これらに対して、兼業・副業を受入れ外部人的資源を活用し、データサイエンティスト等の専門コースの設定により専門人材を受入れる仕組づくりを構築しております。また、リファラル採用やアルムナイ制度による雇用経路の拡大、ニューノーマルに対応した多様な人材が能力を発揮できる柔軟な働き方の整備、グループ内での人材発掘、選抜、育成強化実践等の施策を打ち出しております。しかしながら、当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が業務戦略遂行のための有能な人材を採用し、定着させられる保証はなく、当行グループの競争力低下、業績・財務状況への悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥.重要な経営陣の退社による事業への影響について事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 (6)財務面に関するリスク①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の上限金利を年20%に引き下げる改正(2006年12月成立、2010年6月施行)以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業法」では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、2006年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記(7)③.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する2006年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、2006年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が2006年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンは適切に引き当てを行ってきております。新生フィナンシャルについては、同社は、2008年9月にGEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)よりその子会社を含めて取得したものですが、買収に際して相当額の利息返還損失引当金を計上したほか、日本GEとの取り決めに従って一定額を超える部分の過払金返還等損失について日本GEから補償金を受領していました。2014年3月末、同時点以降の将来に発生が見込まれる過払金返還等損失の額の現金一括払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEによる損失補償は終了し、新生フィナンシャルは同金額を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では過払利息返還の対象となる母集団の口座数の減少や債務者等の代理人となる弁護士事務所及び司法書士事務所の広報活動の減少を背景として、「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回って推移しており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 ②.年金制度及び年金資産に関するリスクについて当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下する等)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)金融諸環境等に関するリスク①.金融サービス市場における競合について規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、当行は下記(8)②.に記載のとおり金融庁への経営健全化計画の提出・定期的な見直しの義務を負っていますが、上記の大手銀行グループは、既に政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。2012年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、2016年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に、2019年4月には1,300万円から2,600万円(通常貯金と定期性貯金についてそれぞれ1,300万円)に引き上げられました。2015年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、2017年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施され、2019年4月には日本郵政による株式会社かんぽ生命保険の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、2015年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、特に個人・中小企業向けローン市場を中心に、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、当行の貸出金残高の縮小及び金利競争による利鞘縮小の可能性があります。このリスクに対しては、FinTech企業への出資及び提携を通じて、異業種の持つサービス、データやノウハウ等の共有、融合による価値共創ビジネスを主な戦略に掲げておりますが、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。また、FinTech等スタートアップ企業と大手金融機関の連携の流れが加速し、連携について競争が激化することで当行グループの価値共創戦略の優位性が低下する可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 ②.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について当行グループは業務を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等並びに外国における同様の法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関によりモニタリングを受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒されるほか、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び2006年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。例えば、円建て仕組預金にお預け入れいただく際には、利息等の一部が預金保険の対象外となっているため、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 ③.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」並びに外国における同様の法律等の適用を受けております。また、2011年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。2010年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。2010年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、2006年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、2010年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、2010年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付・情報の提供等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。また、同法は2018年6月に改正施行され、新たな事業規制として「カード加盟店調査等の義務」等が加わっております。これらの規制の中で、特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 ④.法令及び規制等の変更等の影響について当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 ⑤.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについてわが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 ⑥.災害等の発生による悪影響について当行グループは、国内外において店舗、事務所やデータセンター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、新型インフルエンザ等感染症の流行により、当行グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行グループの業務の一部が停止する等、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束に向かわず、今後さらに深刻化、長期化した場合は、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの不良債権及び与信関連費用が増加したり、保有している金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦.環境・社会に配慮しない投融資等について当行グループは、環境課題及び社会課題への取り組みに関する基本的な考え方と方向性を示す「グループ ESG 経営ポリシー」を制定しております。経営理念を実現するために必要な持続可能な成長機会の獲得には、持続可能な社会の構築に貢献することが企業グループの社会的責任であるとの認識に立ち、経営戦略立案の出発点となる基本方針として、本ポリシーを位置づけております。また、当行は、2020年1月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同しました。近年、気候変動問題などの環境課題及び社会課題の顕在化に伴い、当行グループを取り巻くステークホルダーからは、資金提供者として、環境及び社会に一層配慮することが期待されています。かかる背景から、当行グループにおいても、環境課題及び社会課題への取り組みは、重要な経営課題であると認識しています。環境課題はビジネスリスクであると同時に、大きなビジネス機会であると捉え、当行グループは金融業として持てる力を総動員し、環境課題に取り組んでいます。また、再生可能エネルギー導入拡大に資する投融資の機会には積極的に取り組んでいます。一方、環境問題及び社会課題に適切な対応を行わない企業と取引することを経営リスクと捉え、環境問題及び社会課題と経済合理性とを適切に判断して取り組んでいます。しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行グループの取り組みが期待から大きく乖離した場合等には、当行グループのレピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)その他①.リスクマネジメントポリシーの有効性について当行は、金融機関として健全性・収益性の高い業務運営を確保するために当行グループの抱える様々なリスクをコントロールする必要があるとの認識のもと、そのリスクの総和を把握し、能動的な管理を行うため、リスクについての基本的認識及びリスク管理の基本方針を、リスクマネジメントポリシーとして制定しております。このポリシーのもとで、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法務・事務・システム等のオペレーショナル・リスク等、各種のリスクの内容に応じて特定の委員会を設置し、リスクを管理する体制を構築しております。当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しておりますが、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②.当行の経営に対する政府の影響力について当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、2005年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 ③.普通株式の配当に関する制約について当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 ④.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.政府による当行の普通株式の売却の可能性について2006年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株(2017年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると20,003千株)に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株(同株式併合後17,546千株)を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、2007年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株(同株式併合後2千万株)を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、2008年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株(同株式併合後26,912,888株)に転換されました。その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、2021年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約21.8%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約12.5%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約9.3%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 重要なリスク当行グループは、経営上の重要なリスクについては、経営陣による議論を踏まえて認識する体制としています。このプロセスでは定量化が困難な非財務リスクも含めて検討することを重視していますが、経営上の影響を判断するにあたっては、トリガー事象、波及経路、財務インパクトを可能な限り具体化しています。現在、景気悪化の他に、サイバーセキュリティリスク、人材リスク、気候変動リスクなどを重要なリスクとして認識しています。これらのリスクに対する予兆管理や対応力の強化を継続的に進めてまいります。 2021年3月現在、以下を重要なリスクとして選定しております。 リスクシナリオ内容・影響1.景気悪化の長期化・深刻化新型コロナウイルス感染症流行の長期化、大規模自然災害や新たな感染症流行、金融政策の転換による市場金利の上昇や株価の急落など。これらによる景気悪化の長期化・深刻化に伴う収益力の低下・与信関連費用の増加。2.重大な不正・不芳行為マネー・ローンダリング及びテロ資金供与事案の発生や、内部又は業務委託先による重大なコンプライアンス上の不正・不芳事案の発生。これらに伴う直接的な損失の発生、レピュテーションの毀損。3.サイバーセキュリティリスクサイバー攻撃の増加に伴う情報システムの機能停止や機密漏洩、ハッキング・フィッシングによる銀行口座・ウォレット等での不正送金など不正取引の増加。これらに伴うレピュテーション、営業基盤の毀損。4.外貨調達環境の不安定化海外向け投融資の増加により外貨資金の運用超過額が拡大する可能性がある中で、そうした局面で金融市場の混乱が生じた場合、これに伴う調達コストの上昇、外貨調達の不安定化。5.DX時代の競争リスク他業種からの個人・中小企業向けローン市場への参入による残高・利鞘縮小。フィンテック等スタートアップ企業と大手金融機関の連携の流れが加速し、当行グループの価値共創戦略の有効性が低下する影響。6.人材に関するリスク他の金融機関や異業種との競合激化による良質な人材の確保・育成の困難化。これに伴う当行グループの競争力低下、業績・財務状況への悪影響。7.気候変動に関するリスク気候変動に関する規制強化や低炭素社会への移行に伴う取引先への影響を通じ、当行グループに悪影響が及ぶ可能性。気候変動リスクへの取り組みや情報開示が不十分な場合に生じるレピュテーションの毀損。 なお、「事業等のリスク」は、重要なリスクも踏まえて選定しています。
FY2020|27,454 文字
2【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営戦略に関するリスク①.当行の経営戦略について当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる注力分野を、小口ファイナンス及び機関投資家向けビジネスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、グループ内の各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営戦略の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 ②.法人向け銀行業務の戦略的拡充について当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているプロジェクトファイナンス、ノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むオルタナティブ投資は、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 ③.リテールバンキング業務の戦略的拡充について当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・ATMやテレフォンバンキング、インターネットバンキングで24時間365日いつでもお取引頂けるといった当行が提供するサービスに匹敵するサービスを、競合他社も提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 ④.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について当行は、2004年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・IT化促進への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は2007年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は2010年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して「アプラス」という。)(東京証券取引所上場)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、2016年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行ってまいりましたが、それがアプラスの収益性を回復するのに十分でない場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記(7)③.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社。以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記(6)①.をご参照ください。)を実施しておりますが、今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。 ⑤.当行グループの無担保カードローン事業の展開について当行は、当局からの必要な認可の取得等を経て、2011年10月より、新生フィナンシャルが「レイク」ブランドで行っている個人向け無担保ローン事業の一部を譲り受け、銀行本体での本格的な無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」(2019年10月より「新生銀行カードローン エル」(以下「エル」という。)にサービス名称変更)の取り扱いを開始いたしました。2010年6月に完全施行された改正後の「貸金業の規制等に関する法律」(2007年12月に施行された法改正により、同法の題名は「貸金業法」に改められた。以下「貸金業法」または「改正貸金業法」という。)の趣旨を踏まえ、健全な貸し手として円滑かつ合理的なサービスを提供することによりお客さまの資金ニーズにお応えし、一定の成長を実現してまいりました。銀行本体での取り扱い開始にあたっては、消費者金融商品ニーズがあるお客さまに加えて、銀行カードローンのニーズがあるお客さまへの顧客層の拡大を企図しておりました。しかしながら、6年間の取り組みを振り返った結果、「レイク」は消費者金融ブランドとしての認知が依然として高く、銀行カードローンニーズがあるお客さまのご利用は限定的であったと判断いたしました。また、銀行カードローンをご希望のお客さまに対する商品として、2015年11月に取り扱いを開始した「新生銀行スマートカードローン プラス」(以下「スマートカードローン プラス」という。)は一定の成果を上げております。こうした状況を勘案し、当行グループでは、お客さまのニーズに合わせて商品の再構築を行うこととし、銀行カードローンニーズのお客さまはスマートカードローン プラスで対応し、当行で提供するエルについては、2018年3月末を以って新規のお客さまからのお申し込みと契約の受付は停止しております。消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては、新生フィナンシャルにて新しく導入した商品「レイクALSA(アルサ)」(以下「アルサ」という。)とともに、新生パーソナルローンが取り扱う「ノーローン」を提供いたします。なお、2018年3月末までにご契約いただいたエルのお客さまは、引き続き当行でサービスを提供しております。アルサでは、エルをご利用いただいているお客さまと同じ顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れてまいります。近時、銀行カードローンの残高の増加を背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、改正貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行では、無担保カードローン事業を注力分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、改正貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャルおよび新生パーソナルローンでは改正貸金業に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローン市場の健全な形成に寄与してまいります。新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、他の金融機関向けの信用保証業務に注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 ⑥.金融商品及びサービスの範囲の拡大について当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 ⑦.海外業務の拡大によるリスクについて当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。例えば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・豪州を中心とした優良案件に対する取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・外貨資金調達が困難になった場合、外貨資金繰りが不安定化するリスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 (2)信用リスク①.貸倒引当金の十分性について当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。例えば、利上げによる長期金利の急上昇を通じた不動産価格の下落に伴う不動産ノンリコースローンの信用リスクの増加や、景気後退により、株安、業績不振や雇用悪化が生じ、企業倒産件数や失業者数の増加に伴う貸出金の信用リスクの増加等は、貸倒引当金を増やす可能性があります。これらのリスクに関して、当行はシナリオ分析による想定損失額や自己資本(比率)への影響を把握しており、事象発生時に想定される財務上の影響が、危機的な規模には達せず、自己資本・資金流動性等について一定水準を確保できることを確認しております。不動産市況の悪化のリスクに関しては、国内外の市況・ビジネス動向を定期的に把握し、取組方針レビューを行う取り組みに加え、マクロ経済指標や市場・規制動向等の変化に基づくリスクヒートマップや影響度分析等の予兆管理を実施するとともに、与信制御手段の適切な発動や機動的見直しを行う態勢整備を行っております。2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大やそれに伴う経済活動停滞による影響は今後1年程度続くものと想定し、特に当行及び一部の連結子会社の特定業種向けの貸出金等の信用リスクに大きな影響があるとの仮定を置いております。こうした仮定のもと、当該影響により予想される損失に備えるため、特定債務者の債務者区分を足許の業績悪化の状況を踏まえて修正するとともに、特定業種ポートフォリオの貸倒実績に予想される業績悪化の状況に基づく修正を加えた予想損失率によって、貸倒引当金を追加計上しております。なお、当該金額は現時点の最善の見積りであるものの見積りに用いた仮定の不確実性は高く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況やその経済環境への影響が変化した場合には、翌年度の連結財務諸表において当該貸倒引当金は増減する可能性があります。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 ②.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について2020年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約7%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。2020年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約14%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約3割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約11%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約17%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 ③.自己資本比率規制について当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、2020年3月末における連結自己資本比率11.21%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、2020年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は2014年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 (3)市場リスク①.マーケットの変動及び不安定要因による影響について当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、2007年以降のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、2011年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには2010年の欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まり、マイナス金利を含む金融政策の変更や2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 (4)流動性リスク①.資金調達について近年、安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・海外の金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 ②.信用格付の影響について格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 (5)オペレーショナル・リスク①.事務事故・不正等について当行グループでは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。当行では、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、具体的な事務管理策としては、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。当行グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2020年1月に、アプラスで取り扱う「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」において、審査書類の改ざんや不自然な不動産評価があった等の一部報道がなされたことを受け、社外の弁護士を委員長とする特別調査委員会(以下「本委員会」という。)をアプラス内に設置し調査を進めた結果、収入証明書の改ざんが行われたと認定された案件が確認されました。アプラスの役職員の関与や、第三者評価機関の不動産評価がアプラス社内で改ざんされるなどの不正は認められず、第三者評価機関によって不当な不動産評価がなされたといった事実も認められませんでしたが、本委員会より、収入証明書の改ざんを生じさせた背景として、投資用マンションローンの商品設計・審査体制上の問題や、アプラスのガバナンス・内部統制の体制に関する問題が指摘されました。アプラスでは、既に「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の取扱を停止しており、これまでもリスクコントロールの観点から、段階的に手続きや審査基準の厳格化を行っており、これが結果的には収入証明書の改ざん等の不正防止に一定の効果があったと考えられる旨を公表しておりますが、本委員会より再発防止策として、(ⅰ)今後の新規商品導入における商品特性の重視、(ⅱ)事業運営における審査機能の独立性確保、(ⅲ)事業者管理の再確認、(ⅳ)効率性とリスク管理のバランス、について提言を受けており、アプラスはこれをアプラスグループにおけるビジネス遂行全般の問題として真摯に受け止め、お客さまの保護、営業・審査等の体制面の強化、ガバナンス体制の見直しを重点に、再発防止に取り組んでいます。この「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の収入証明書の改ざんが、当行グループに及ぼした影響は現時点では限定的ですが、今後アプラスの再発防止策が有効に機能しなかった場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.情報システムへの依存について当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー、クラウドサービス事業者等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があります。 ③.個人情報等の保護について近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。2005年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 ④.訴訟について当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.有能な従業員の雇用について既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計等のさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。これらに対して、新卒以外の効果的な採用や外部人的資源の活用、リファラル採用を検討し、専門人材を受け入れる仕組づくりに取組んでおります。また、多様な人材が能力を発揮できる柔軟な働き方の整備、高度な専門性を持つ人材が活躍するキャリアコースの創設、グループ内での人材発掘、選抜、育成強化を実践しております。しかしながら、当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が業務戦略遂行のための有能な人材を採用し、定着させられる保証はありません。 ⑥.重要な経営陣の退社による事業への影響について事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 (6)財務面に関するリスク①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の上限金利を年20%に引き下げる改正(2006年12月成立、2010年6月施行)以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業法」では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、2006年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記(7)③.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する2006年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、2006年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が2006年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンは適切に引き当てを行ってきております。新生フィナンシャルについては、同社は、2008年9月にGEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)よりその子会社を含めて取得したものですが、買収に際して相当額の利息返還損失引当金を計上したほか、日本GEとの取り決めに従って一定額を超える部分の過払金返還等損失について日本GEから補償金を受領していました。2014年3月末、同時点以降の将来に発生が見込まれる過払金返還等損失の額の現金一括払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEによる損失補償は終了し、新生フィナンシャルは同金額を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回っており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 ②.年金制度及び年金資産に関するリスクについて当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下する等)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)金融諸環境等に関するリスク①.金融サービス市場における競合について規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、当行は下記(8)②.に記載のとおり金融庁への経営健全化計画の提出・定期的な見直しの義務を負っていますが、上記の大手銀行グループは、既に政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。2012年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、2016年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に、2019年4月には1,300万円から2,600万円(通常貯金と定期性貯金についてそれぞれ1,300万円)に引き上げられました。2015年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、2017年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施され、2019年4月には日本郵政による株式会社かんぽ生命保険の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、2015年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、特に個人・中小企業向けローン市場を中心に、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、当行の貸出金残高の縮小及び金利競争による利鞘縮小の可能性があります。このリスクに対しては、FinTech企業への出資及び提携を通じて、異業種の持つサービス、データやノウハウ等の共有、融合による価値共創ビジネスを主な戦略に掲げておりますが、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 ②.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について当行グループは業務を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関によりモニタリングを受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒されるほか、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び2006年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。例えば、円建て仕組預金にお預け入れいただく際には、利息等の一部が預金保険の対象外となっているため、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 ③.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」の適用を受けております。また、2011年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。2010年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。2010年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、2006年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、2010年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、2010年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。また、同法は2018年6月に改正施行され、新たな事業規制として「カード加盟店調査等の義務」等が加わっております。これらの規制の中で、特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 ④.法令及び規制等の変更等の影響について当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 ⑤.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについてわが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 ⑥.災害等の発生による悪影響について当行グループは、国内外において店舗、事務所やデータセンター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、新型インフルエンザ等感染症の流行により、当行グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行グループの業務の一部が停止する等、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が収束に向かわず、今後さらに深刻化、長期化した場合は、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの不良債権及び与信関連費用が増加したり、保有している金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦.環境・社会に配慮しない投融資等について当行グループは、環境課題及び社会課題への取り組みに関する基本的な考え方と方向性を示す「グループ ESG 経営ポリシー」を制定しております。経営理念を実現するために必要な持続可能な成長機会の獲得には、持続可能な社会の構築に貢献することが企業グループの社会的責任であるとの認識に立ち、経営戦略立案の出発点となる基本方針として、本ポリシーを位置づけております。また、当行は、2020年1月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同しました。近年、気候変動問題などの環境課題及び社会課題の顕在化に伴い、当行グループを取り巻くステークホルダーからは、資金提供者として、環境及び社会に一層配慮することが期待されています。かかる背景から、当行グループにおいても、環境課題及び社会課題への取り組みは、重要な経営課題であると認識しています。環境課題はビジネスリスクであると同時に、大きなビジネス機会であると捉え、当行グループは金融業として持てる力を総動員し、環境課題に取り組んでいます。また、再生可能エネルギー導入拡大に資する投融資の機会には積極的に取り組んでいます。一方、環境問題及び社会課題に適切な対応を行わない企業と取引することを経営リスクと捉え、環境問題及び社会課題と経済合理性とを適切に判断して取り組んでいます。しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行グループの取り組みが期待から大きく乖離した場合等には、当行グループのレピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)その他①.リスクマネジメントポリシーの有効性について当行は、金融機関として健全性・収益性の高い業務運営を確保するために当行グループの抱える様々なリスクをコントロールする必要があるとの認識のもと、そのリスクの総和を把握し、能動的な管理を行うため、リスクについての基本的認識及びリスク管理の基本方針を、リスクマネジメントポリシーとして制定しております。このポリシーのもとで、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法務・事務・システム等のオペレーショナル・リスク等、各種のリスクの内容に応じて特定の委員会を設置し、リスクを管理する体制を構築しております。当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しておりますが、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②.当行の経営に対する政府の影響力について当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、2005年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 ③.普通株式の配当に関する制約について当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 ④.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.政府による当行の普通株式の売却の可能性について2006年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株(2017年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると20,003千株)に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株(同株式併合後17,546千株)を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、2007年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株(同株式併合後2千万株)を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、2008年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株(同株式併合後26,912,888株)に転換されました。その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、2020年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約20.3%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約11.7%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約8.7%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 ⑥.当行の銀行主要株主について当行取締役であったJ.クリストファー・フラワーズ氏(以下「JCF氏」という。)がマネージングディレクター兼最高経営責任者を務めるジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー(J.C.Flowers & Co. LLC、以下「J.C.フラワーズ社」という。)の関係者を含む投資家が2008年1月の当行普通株式に対する公開買付けのために組成した投資ビークルである、サターンⅠサブ(ケイマン)エグゼンプト・リミテッド、サターン・ジャパンⅡサブ・シーブイ、サターン・ジャパンⅢサブ・シーブイ及びサターンⅣサブ・エルピー(以下「サターン4者」という。)はJCF氏とともに、2008年2月から2019年8月まで当行の銀行主要株主として当行普通株式の20%以上を継続して保有してきましたが、2019年8月、その保有する当行普通株式の大部分につき国内および海外での売出しを実施した結果、当行の銀行主要株主でなくなりました。長期に亘った安定大株主に異動が生じたことにより、当行の今後の株主意思決定の方向性に変化が生じる可能性があります。なお、上記売出しの結果、当行には銀行主要株主が存在しないことになりましたが、当行は、当行の銀行主要株主等との取引について、通常の手続に加えて第三者的視点から、銀行主要株主等からの独立性確保・事業リスク遮断の状況を確認することを目的とする社内規程を定めております。 重要なリスク当行グループは、今後1年間に顕在化しうるリスクのうち、経営上の影響が大きいと考えられる重要なリスクについては、経営陣による議論を踏まえて認識する体制としています。このプロセスでは定量化が困難な非財務リスクも含めて検討することを重視していますが、経営上の影響を判断するにあたっては、トリガー事象、波及経路、財務インパクトを可能な限り具体化しています。現在、景気悪化の他に、金融技術革新による異業種参入、人材リスクの顕在化、業務プロセスにおける不正、外貨調達環境の不安定化などを重要なリスクとして認識しています。当行グループの経営管理フレームワークでは、これらのリスクに対する予兆管理や対応力の強化を継続的に進める体制としています。 2020年3月現在、以下を重要なリスクとして選定しております。 リスクシナリオ内容・影響1.景気悪化による与信費用の増加関税引き上げや原油価格上昇が招くインフレによる金融政策の転換。利上げによる長期金利の急上昇を通じた不動産価格の下落に伴う信用コスト増加や調達コストの上昇。米中問題深刻化を受けた景気後退による株安等。2.大規模自然災害や感染症の流行気候変動に伴う大規模自然災害や感染症の世界的流行を契機とする景気悪化による与信費用の増加。システム障害等による業務の中断や損失の発生。3.金融技術革新による異業種参入フィンテック等新技術の台頭・進展に伴う個人・中小企業向けローン市場等への他業種からの参入。これに伴う当行グループのローン残高縮小、及び、金利競争による利鞘縮小。4.人材リスクの顕在化良質な人材が確保できないことによるパフォーマンス低下やキーマン流出等による戦力ダウン。今後強化が必要となる事業戦略遂行のための人材確保の困難化。5.業務プロセスにおける不正行為委託先を含む内部不正行為・外部からの不正行為(マネー・ローンダリング、サイバー攻撃等)やシステム障害。これに伴う関係当局からの科料・行政処分、及び、風評等。6.外貨調達環境の不安定化外貨資金の運用・調達バランスにおける運用超過の拡大。そうした環境下での金融市場の混乱に伴う調達コストの上昇を含む外貨調達の不安定化、非効率化。 なお、「事業等のリスク」は、重要なリスクも踏まえて選定しています。
FY2019|24,039 文字
2【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営戦略に関するリスク①.当行の経営戦略について当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる注力分野を、小口ファイナンス及び機関投資家向けビジネスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、グループ内の各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営戦略の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 ②.法人向け銀行業務の戦略的拡充について当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているプロジェクトファイナンス、ノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むオルタナティブ投資は、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 ③.リテールバンキング業務の戦略的拡充について当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・ATMやテレフォンバンキング、インターネットバンキングで24時間365日いつでもお取引頂けるといった当行が提供するサービスに匹敵するサービスを、競合他社も提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 ④.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について当行は、2004年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・IT化促進への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は2007年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は2010年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して「アプラス」という。)(東京証券取引所上場)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、2016年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行ってまいりましたが、それがアプラスの収益性を回復するのに十分でない場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記(7)③.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社。以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記(6)①.をご参照ください。)を実施しておりますが、今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。 ⑤.当行グループの無担保カードローン事業の展開について当行は、当局からの必要な認可の取得等を経て、2011年10月より、新生フィナンシャルが「レイク」ブランドで行っている個人向け無担保ローン事業の一部を譲り受け、銀行本体での本格的な無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」(以下「レイク」という。)の取り扱いを開始いたしました。2010年6月に完全施行された改正後の「貸金業の規制等に関する法律」(2007年12月に施行された法改正により、同法の題名は「貸金業法」に改められた。以下「貸金業法」または「改正貸金業法」という。)の趣旨を踏まえ、健全な貸し手として円滑かつ合理的なサービスを提供することによりお客さまの資金ニーズにお応えし、一定の成長を実現してまいりました。銀行本体での取り扱い開始にあたっては、消費者金融商品ニーズがあるお客さまに加えて、銀行カードローンのニーズがあるお客さまへの顧客層の拡大を企図しておりました。しかしながら、6年間の取り組みを振り返った結果、レイクは消費者金融ブランドとしての認知が依然として高く、銀行カードローンニーズがあるお客さまのご利用は限定的であったと判断いたしました。また、銀行カードローンをご希望のお客さまに対する商品として、2015年11月に取り扱いを開始した「新生銀行スマートカードローン プラス」(以下「スマートカードローン プラス」という。)は一定の成果を上げております。こうした状況を勘案し、当行グループでは、お客さまのニーズに合わせて商品の再構築を行うこととし、銀行カードローンニーズのお客さまはスマートカードローン プラスで対応し、当行で提供するレイクについては、2018年3月末を以って新規のお客さまからのお申し込みと契約の受付は停止しております。消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては、新生フィナンシャルにて新しく導入した商品「レイクALSA(アルサ)」とともに、新生パーソナルローンが取り扱う「ノーローン」を提供いたします。なお、2018年3月末までにご契約いただいたレイクのお客さまは、引き続き当行でサービスを提供しております。新商品では、レイクをご利用いただいているお客さまと同じ顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れてまいります。近時、銀行カードローンの残高の増加を背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、改正貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行では、無担保カードローン事業を注力分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、改正貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャルおよび新生パーソナルローンでは改正貸金業に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローン市場の健全な形成に寄与してまいります。新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、他の金融機関向けの信用保証業務に注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 ⑥.金融商品及びサービスの範囲の拡大について当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 ⑦.海外業務の拡大によるリスクについて当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。たとえば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・豪州を中心とした優良案件に対する取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・外貨資金調達が困難になった場合、外貨資金繰りが不安定化するリスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 (2)信用リスク①.貸倒引当金の十分性について当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 ②.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について2019年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約8%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。2019年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約12%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約3割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約11%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約17%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 ③.自己資本比率規制について当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、2019年3月末における連結自己資本比率11.85%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、2019年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は2014年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 (3)市場リスク①.マーケットの変動及び不安定要因による影響について当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、2007年以降のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、2011年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには2010年の欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まりや、マイナス金利を含む金融政策の変更等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、円高の進行に伴う外国資産の時価の下落、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 (4)流動性リスク①.資金調達について近年、資金調達方法の多様化に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・海外の金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化する可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 ②.信用格付の影響について格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 (5)オペレーショナル・リスク①.事務事故・不正等について当行グループでは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。当行では、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、具体的な事務管理策としては、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。当行グループの役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②.情報システムへの依存について当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があります。また、当行では、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を行いました。システム更新にあたっては十分に注意してテスト等を行いましたが、今後予想外のシステムダウンや誤作動等に起因する不具合が生ずるおそれもあり、その場合は当行の業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③.個人情報等の保護について近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。2005年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 ④.訴訟について当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.有能な従業員の雇用について既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計等のさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が有能な人材を採用し、定着させられる保証はありません。 ⑥.重要な経営陣の退社による事業への影響について事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 (6)財務面に関するリスク①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の上限金利を年20%に引き下げる改正(2006年12月成立、2010年6月施行)以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業法」では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、2006年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記(7)③.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する2006年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、2006年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が2006年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンは適切に引き当てを行ってきております。新生フィナンシャルについては、2008年9月に、GEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)より、その子会社を含めて取得しております。本件買収に際して、将来の過払金返還等損失の発生に備えた利息返還損失引当金2,210億円を計上するとともに、買収時に締結した株式譲渡契約上、過払金返還等損失を受ける可能性のある資産の相当の部分に関する当行の負担を最大2,039億円とし、それを超える過払金返還等損失を日本GEが負担することとしていました。2010年6月以降、過払金返還等損失の累積額が上記の当行最大負担額を超えたため、新生フィナンシャルは日本GEからかかる損失相当額の支払を受けておりましたが、2014年3月末、将来発生が見込まれる過払金返還等損失の額として1,750億円の現金払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEの損失補償は終了しました。これに伴い、新生フィナンシャルは日本GEから受け取った1,750億円を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回っており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 ②.年金制度及び年金資産に関するリスクについて当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下する等)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)金融諸環境等に関するリスク①.金融サービス市場における競合について規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、上記の大手銀行グループは、政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。2012年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、2016年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に、2019年4月には1,300万円から2,600万円(通常貯金と定期性貯金についてそれぞれ1,300万円)に引き上げられました。2015年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、2017年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施され、2019年4月には日本郵政による株式会社かんぽ生命保険の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、2015年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、特に個人・中小企業向けローン市場を中心に、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 ②.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について当行グループは業務を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外為法、犯罪収益移転防止法等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関によりモニタリングを受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒されるほか、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び2006年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。また、2012年9月6日より一時的に募集・販売を停止しておりました円建て仕組預金については、2012年12月17日より募集・販売を再開しておりますが、同日以降にお預け入れいただく際には、従来、預金保険の保護の範囲となっていた利息等の一部が預金保険の対象外となっており、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 ③.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」の適用を受けております。また、2011年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。2010年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。2010年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、2006年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、2010年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、2010年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。また、同法は2018年6月に改正施行され、新たな事業規制として「カード加盟店調査等の義務」等が加わっております。これらの規制の中で、特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 ④.法令及び規制等の変更等の影響について当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 ⑤.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについてわが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 (8)その他①.リスクマネジメントポリシーの有効性について当行は、金融機関として健全性・収益性の高い業務運営を確保するために当行グループの抱える様々なリスクをコントロールする必要があるとの認識のもと、そのリスクの総和を把握し、能動的な管理を行うため、リスクについての基本的認識及びリスク管理の基本方針を、リスクマネジメントポリシーとして制定しております。このポリシーのもとで、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法務・事務・システム等のオペレーショナル・リスク等、各種のリスクの内容に応じて特定の委員会を設置し、リスクを管理する体制を構築しております。当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しておりますが、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②.当行の経営に対する政府の影響力について当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、2005年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 ③.普通株式の配当に関する制約について当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 ④.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤.政府による当行の普通株式の売却の可能性について2006年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株(2017年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると20,003千株)に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株(同株式併合後17,546千株)を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、2007年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株(同株式併合後2千万株)を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、2008年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株(同株式併合後26,912,888株)に転換されました。その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、2019年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約19.1%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約11.0%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約8.2%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 ⑥.当行の銀行主要株主について2008年1月、サターンⅠサブ(ケイマン)エグゼンプト・リミテッド、サターン・ジャパンⅡサブ・シーブイ、サターン・ジャパンⅢサブ・シーブイ及びサターンⅣサブ・エルピー(以下「サターン4者」という。)は、当行普通株式に対する公開買付けにより当行普通株式358,456,000株(2017年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると35,845,600株)を取得しました。さらに、当行は2008年2月に総額500億円の普通株式(117,647,059株、同株式併合後11,764,705株)の第三者割当増資をサターン4者宛てに実施いたしました。サターン4者は、大株主として長期に亘り当行を支援し、また金融業界の豊かな知識と経験を持った当行取締役として継続的に助言を行ってきた、J.クリストファー・フラワーズ氏(以下「JCF氏」という。)がマネージングディレクター兼最高経営責任者を務めるジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー(J.C.Flowers & Co. LLC、以下「J.C.フラワーズ社」という。)の関係者を含む投資家が本件の公開買付けのために組成した投資ビークルです。さらに、2011年3月には、海外募集により当行普通株式690百万株(同株式併合後69百万株)を新規発行いたしましたが、その際、JCF氏から当行の発展に対するコミットメントを従来同様に維持する意向を受けており、当行としても、JCF氏の実績及び意向を勘案すれば、サターン4者及びJCF氏(以下「本指定先」という。)に対する配分の指定は当該増資を円滑に実施するために重要であると判断し、本指定先に対して合計172百万株(同株式併合後17.2百万株)を割り当てました。以上の結果、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、既存保有分並びに公開買付け、第三者割当増資及び海外募集による取得分を含め、当行の自己株式を除く発行済普通株式を2019年3月末現在約23%保有しております。当行は、当行の銀行主要株主等との取引について、通常の手続に加えて第三者的視点から、銀行主要株主等からの独立性確保・事業リスク遮断の状況を確認することを目的とする「銀行主要株主等との取引に係るガイドライン」を定めております。また、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、当行の株主基盤及びビジネスモデルを強化し、顧客に提供される金融商品及びサービスを拡大することを目的として当行の長期的な事業計画に対する自らのコミットメントを維持したいとの意向を示しておりますが、かかる普通株式はこれらの株主により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。
FY2018|23,153 文字
2【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 1.当行の経営戦略について 当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる成長分野を、無担保ローン、ストラクチャードファイナンスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、グループ内の各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営計画の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 2.法人向け銀行業務の戦略的拡充について 当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むストラクチャードファイナンスは、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 3.リテールバンキング業務の戦略的拡充について 当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・ATMやテレフォンバンキング、インターネットバンキングで24時間365日いつでもお取引頂けるといった当行が提供するサービスに匹敵するサービスを、競合他社も提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 4.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について 当行は、平成16年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・情報IT技術への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は平成19年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は平成22年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して「アプラス」という。)(東京証券取引所上場)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、平成28年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行ってまいりましたが、それがアプラスの収益性を回復するのに十分でない場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記24.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記5.をご参照ください。)を実施しておりますが、消費者金融業界をとりまく昨今の急速な状況変化に鑑みれば、状況変化による影響が予想を上回る可能性があります。 5.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の改正以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業の規制等に関する法律」(平成19年12月に施行された法改正により、同法の題名は「貸金業法」に改められた。以下「貸金業法」という。)では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、平成18年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記24.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する平成18年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、平成18年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が平成18年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンも同様に適宜引当金の積み増しを行ってきております。新生フィナンシャル(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社)については、平成20年9月に、GEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)より、その子会社を含めて取得しております。本件買収に際して、将来の過払金返還等損失の発生に備えた利息返還損失引当金2,210億円を計上するとともに、買収時に締結した株式譲渡契約上、過払金返還等損失を受ける可能性のある資産の相当の部分に関する当行の負担を最大2,039億円とし、それを超える過払金返還等損失を日本GEが負担することとしていました。平成22年6月以降、過払金返還等損失の累積額が上記の当行最大負担額を超えたため、新生フィナンシャルは日本GEからかかる損失相当額の支払を受けておりましたが、平成26年3月末、将来発生が見込まれる過払金返還等損失の額として1,750億円の現金払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEの損失補償は終了しました。これに伴い、新生フィナンシャルは日本GEから受け取った1,750億円を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回っており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 6.当行グループの無担保カードローン事業の展開について 当行は、当局からの必要な認可の取得等を経て、平成23年10月より、新生フィナンシャルが「レイク」ブランドで行っている個人向け無担保ローン事業の一部を譲り受け、銀行本体での本格的な無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」(以下「レイク」という。)の取り扱いを開始いたしました。平成22年6月に完全施行された改正貸金業法の趣旨を踏まえ、健全な貸し手として円滑かつ合理的なサービスを提供することによりお客さまの資金ニーズにお応えし、一定の成長を実現してまいりました。銀行本体での取り扱い開始にあたっては、消費者金融商品ニーズがあるお客さまに加えて、銀行カードローンのニーズがあるお客さまへの顧客層の拡大を企図しておりました。しかしながら、6年間の取り組みを振り返った結果、レイクは消費者金融ブランドとしての認知が依然として高く、銀行カードローンニーズがあるお客さまのご利用は限定的であったと判断いたしました。また、銀行カードローンをご希望のお客さまに対する商品として、平成27年11月に取り扱いを開始した「新生銀行スマートカードローン プラス」(以下「スマートカードローン プラス」という。)は一定の成果を上げております。こうした状況を勘案し、当行グループでは、お客さまのニーズに合わせて商品の再構築を行うこととし、銀行カードローンニーズのお客さまはスマートカードローン プラスで対応し、当行で提供するレイクについては、平成30年3月末を以って新規のお客さまからのお申し込みと契約の受付は停止しております。消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては、新生フィナンシャルにて新しく導入した商品「レイクALSA(アルサ)」とともに、新生パーソナルローンが取り扱う「ノーローン」を提供いたします。なお、平成30年3月末までにご契約いただいたレイクのお客さまは、引き続き当行でサービスを提供しております。新商品では、レイクをご利用いただいているお客さまと同じ顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れてまいります。近時、銀行カードローンの残高の増加を背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、改正貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行では、無担保カードローン事業を引き続き成長分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、改正貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャルおよび新生パーソナルローンでは改正貸金業に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローン市場の健全な形成に寄与してまいります。新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、他の金融機関向けの信用保証業務や同社が強みとする自社開発のコンシューマーファイナンス業務向けシステムの提供にも注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 7.金融商品及びサービスの範囲の拡大について 当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 8.マーケットの変動及び不安定要因による影響について 当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、サブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、平成23年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まりや、マイナス金利を含む金融政策の変更等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、株式を含む有価証券等の価格の下落に伴う資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、円高の進行に伴う外国資産の時価の下落、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 9.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて 当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 10.海外業務の拡大によるリスクについて 当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。たとえば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・豪州を中心とした優良案件に対する取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 11.リスクマネジメントポリシーの有効性について 当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。 12.訴訟について 当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 13.貸倒引当金の十分性について 当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 14.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について 平成30年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約8%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。平成30年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約12%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約3割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約11%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約17%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 15.資金調達について 近年、資金調達方法の多様化に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 16.信用格付の影響について 格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 17.有能な従業員の雇用について 既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計などのさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が有能な人材を採用し、定着させられる保証はありません。 18.重要な経営陣の退社による事業への影響について 事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 19.情報システムへの依存について 当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があります。また、当行では、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を行っているところでありますが、開発の遅延等による予期せぬ多額の費用の発生、システム更新時や更新後のシステムダウンや誤作動等に起因する不具合が生ずるおそれもあり、その場合は当行の業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 20.年金制度及び年金資産に関するリスクについて 当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下するなど)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 21.金融サービス市場における競合について 規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。 ・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、上記の大手銀行グループは、政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。平成24年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、平成28年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に引き上げられました。平成27年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、平成29年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、平成27年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 22.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について 当行は、金融機関としての広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。さらに、当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関により検査を受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。 当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び平成18年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。また、平成24年9月6日より一時的に募集・販売を停止しておりました円建て仕組預金については、平成24年12月17日より募集・販売を再開しておりますが、同日以降にお預け入れいただく際には、従来、預金保険の保護の範囲となっていた利息等の一部が預金保険の対象外となっており、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 23.自己資本比率規制について 当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、平成30年3月末における連結自己資本比率12.83%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、平成30年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は平成26年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 24.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について 当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」の適用を受けております。また、平成23年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。平成22年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。平成22年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、平成18年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、平成22年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、平成19年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、平成22年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 25.個人情報等の保護について 近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。平成17年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 26.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについて わが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 27.政府による当行の普通株式の売却の可能性について 平成18年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株(平成29年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると20,003千株)に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株(同株式併合後17,546千株)を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、平成19年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株(同株式併合後2千万株)を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、平成20年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株(同株式併合後26,912,888株)に転換されました。その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、平成30年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約18.6%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約10.6%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約7.9%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 28.当行の経営に対する政府の影響力について 当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、平成17年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 29.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について 当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 30.普通株式の配当に関する制約について 当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 31.法令及び規制等の変更等の影響について 当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。なお、当行は、平成30年1月に、平成26年3月期中の特定の取引に関連して、同期における当行の法人所得および法人税の納付額について国税当局との間で見解の相違が生じており、更正処分を受ける可能性があることを公表いたしましたが、平成30年3月に国税当局より当該取引に関する最終的な見解が示され、その可能性が無くなっております。 32.当行の銀行主要株主について 平成20年1月、サターンⅠサブ(ケイマン)エグゼンプト・リミテッド、サターン・ジャパンⅡサブ・シーブイ、サターン・ジャパンⅢサブ・シーブイ及びサターンⅣサブ・エルピー(以下「サターン4者」という。)は、当行普通株式に対する公開買付けにより当行普通株式358,456,000株(平成29年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると35,845,600株)を取得しました。さらに、当行は平成20年2月に総額500億円の普通株式(117,647,059株、同株式併合後11,764,705株)の第三者割当増資をサターン4者宛てに実施いたしました。サターン4者は、大株主として長期に亘り当行を支援し、また金融業界の豊かな知識と経験を持った当行取締役として継続的に助言を行ってきた、J.クリストファー・フラワーズ氏(以下「JCF氏」という。)がマネージングディレクター兼最高経営責任者を務めるジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー(J.C.Flowers & Co. LLC、以下「J.C.フラワーズ社」という。)の関係者を含む投資家が本件の公開買付けのために組成した投資ビークルです。さらに、平成23年3月には、海外募集により当行普通株式690百万株(同株式併合後69百万株)を新規発行いたしましたが、その際、JCF氏から当行の発展に対するコミットメントを従来同様に維持する意向を受けており、当行としても、JCF氏の実績及び意向を勘案すれば、サターン4者及びJCF氏(以下「本指定先」という。)に対する配分の指定は当該増資を円滑に実施するために重要であると判断し、本指定先に対して合計172百万株(同株式併合後17.2百万株)を割り当てました。以上の結果、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、既存保有分並びに公開買付け、第三者割当増資及び海外募集による取得分を含め、当行の自己株式を除く発行済普通株式を平成30年3月末現在約22%保有しております。当行は、当行の銀行主要株主等との取引について、通常の手続に加えて第三者的視点から、銀行主要株主等からの独立性確保・事業リスク遮断の状況を確認することを目的とする「銀行主要株主等との取引に係るガイドライン」を定めております。また、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、当行の株主基盤及びビジネスモデルを強化し、顧客に提供される金融商品及びサービスを拡大することを目的として当行の長期的な事業計画に対する自らのコミットメントを維持したいとの意向を示しておりますが、かかる普通株式はこれらの株主により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。
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4【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 1.当行の経営戦略について 当行グループのビジネスモデルは、当行に強みがあり、成長性・収益性が見込まれる成長分野を、無担保ローン、ストラクチャードファイナンスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行が長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行の財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営計画の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。 2.法人向け銀行業務の戦略的拡充について 当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むストラクチャードファイナンスは、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 3.リテールバンキング業務の戦略的拡充について 当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・ATMやテレフォンバンキング、インターネットバンキングで24時間365日いつでもお取引頂けるといった当行が提供するサービスに匹敵するサービスを、競合他社も提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 4.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について 当行は、平成16年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・情報IT技術への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は平成19年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は平成22年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して「アプラス」という。)(東京証券取引所上場)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、平成28年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行ってまいりましたが、それがアプラスの収益性を回復するのに十分でない場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記25.をご参照ください。)また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」という。)及びその子会社(詳細は下記6.をご参照ください。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記6.をご参照ください。)を実施しておりますが、消費者金融業界をとりまく昨今の急速な状況変化に鑑みれば、状況変化による影響が予想を上回る可能性があります。 5.新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルの業務統合・再編成等について 平成21年2月、当行は、消費者金融業界の経営環境が厳しくなる中、新生フィナンシャルと新生パーソナルローンの経営効率の最大化を図るため、新生フィナンシャルと新生パーソナルローンの大幅な業務の統合、再編成を推進すべく両社と基本合意を締結しました。さらに、当行と新生フィナンシャルは共同で新生パーソナルローン株式の公開買付けを実施した後、新生パーソナルローンの完全支配化手続きを完了し、平成22年3月には新生パーソナルローンを新生フィナンシャルの子会社として、より一体的な業務運営を行う体制を整えました。こうした施策に基づき、例えば、平成27年度に実施した新生フィナンシャルや新生パーソナルローンを含むコンシューマーファイナンス関連子会社6社の本社機能の移転・集約など、新生フィナンシャルと新生パーソナルローンとの間で各種経営資源(対顧客営業及びリスク管理のための各種インフラ等を含む。)の共有及び相互に重複する業務等を始めとした新生パーソナルローンの業務の大幅な統合・再編成を進めてきておりますが、今後の当行グループを巡る経営環境の変化や、その他予期せぬ事態等が発生した場合、かかる業務の統合・再編成を当行が最終的に期待する内容・規模・時期に実施できる保証はありません。6.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の改正以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン」金利、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業の規制等に関する法律」(平成19年12月に施行された法改正により、同法の題名は「貸金業法」に改められた。以下「貸金業法」という。)では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、平成18年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記25.をご参照ください。)アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する平成18年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、平成18年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が平成18年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンも同様に適宜引当金の積み増しを行ってきております。新生フィナンシャル(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社)については、平成20年9月に、GEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)より、その子会社を含めて取得しております。本件買収に際して、将来の過払金返還等損失の発生に備えた利息返還損失引当金2,210億円を計上するとともに、買収時に締結した株式譲渡契約上、過払金返還等損失を受ける可能性のある資産の相当の部分に関する当行の負担を最大2,039億円とし、それを超える過払金返還等損失を日本GEが負担することとしていました。平成22年6月以降、過払金返還等損失の累積額が上記の当行最大負担額を超えたため、新生フィナンシャルは日本GEからかかる損失相当額の支払を受けておりましたが、平成26年3月末、将来発生が見込まれる過払金返還等損失の額として1,750億円の現金払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEの損失補償は終了しました。これに伴い、新生フィナンシャルは日本GEから受け取った1,750億円を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。近時では「グレーゾーン」金利に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回っており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 7.銀行本体によるコンシューマーファイナンス業務の展開について 当行は、当局からの必要な認可の取得等を経て、平成23年10月より、新生フィナンシャルが「レイク」ブランドで行っている個人向け無担保ローン事業の一部を譲り受け、銀行本体での本格的な無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」を開始し、現時点に至るまで順調に業容を拡大しております。国内の個人向け無担保ローン市場は、平成22年6月に改正貸金業法が完全施行され、さらに貸し手の市場からの撤退も加速したことにより縮小を続けてきましたが、メガバンクをはじめとする銀行による無担保カードローンの積極化とともに平成26年度からは再び拡大に転じております。当行は拡大に転じた個人の小口金融ニーズに対し、健全な貸し手として円滑かつ合理的にサービスを提供していくことが求められております。こうした環境認識の下、当行は、既に一定の顧客認知度を有する「レイク」ブランドを活用して銀行本体で個人向け無担保ローンサービスを提供することにより、お客さまに対する訴求力を一層強めつつ、グループ会社と当行が蓄積してきた審査能力、マーケティングノウハウを融合してお客さまのニーズに円滑・迅速に対応することで、収益力の向上に繋げるとともに、中長期的な視点に立って、この分野におけるリーディングカンパニーとして健全な個人向け無担保ローン市場の形成に貢献してまいります。当行が本体で上記サービスを開始するにあたって、当行は新生フィナンシャルから、「レイク」ブランド及び無人店舗、ATM、ACM(自動契約機)、ウェブサイトやカスタマーサービスセンター等、事業展開に必要な資産を譲り受けました。また、マーケティング、契約の受付、顧客サービス、与信管理、債権管理等の業務は当行本体で行っており、これらの業務の体制構築のために、専門の部署を設けております。また、平成27年11月からは、当行の「新生総合口座パワーフレックス」を保有するお客さまや当行のグループ会社のお客さまを主たる対象とした、新しいブランド「新生銀行スマートカードローン プラス」を投入しております。銀行の口座機能を活かし、簡単な申込み手続き、借入・返済が24時間可能といった高い利便性の商品を推進してまいります。さらに、新生フィナンシャルは、当行本体による個人向け無担保ローンについて保証サービスを提供しております。なお、新生フィナンシャルの既存貸付債権については当行への譲渡は行わず、「新生フィナンシャル」として「レイク」ブランドを使用しない形で引き続き同社で管理しております。同社については、これらの業務に加えて、他の金融機関向けの信用保証業務の拡大や同社が強みとする自社開発のコンシューマーファイナンス業務向けシステムの提供にも注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針ですが、これら新規業務の展開次第では、想定どおりの効果をあげることができない可能性があります。当行は、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 8.金融商品及びサービスの範囲の拡大について 当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 9.マーケットの変動及び不安定要因による影響について 当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、サブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、平成23年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まりや、マイナス金利を含む金融政策の変更等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、株式を含む有価証券等の価格の下落に伴う資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、円高の進行に伴う外国資産の時価の下落、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 10.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて 当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 11.海外業務の拡大によるリスクについて 当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。たとえば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・豪州を中心とした優良案件に対する取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 12.リスクマネジメントポリシーの有効性について 当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク及び法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。 13.訴訟及び預金保険機構によるこれに関する補償について 預金保険機構、ニュー・エルティーシービー・パートナーズ・シー・ヴィ及び当行の間の平成12年2月9日付株式売買契約書(以下「株式売買契約書」という。)のもとで、当行は、平成12年3月1日以前の事実に関する訴訟により負担した費用に対する補償を含め、預金保険機構より訴訟等に関連して一定の補償を受けることが可能となっておりました。かかる株式売買契約書記載の株式売買契約に基づいて、当行は、預金保険機構に対し計3件の補償請求訴訟を提起していましたが、これら3件の訴訟については平成21年3月10日に訴訟上の和解が成立し、かかる和解により当行と預金保険機構との間で係属した訴訟はすべて終結しております。また当行は、平成29年5月にこれ以上の補償請求は行わない旨の機関決定を行っておりますが、これに伴いこれまで計上してきた潜在的な請求権とこれに対する同額の引当金を取り崩すため、当行の損益に与える影響はありません。 14.貸倒引当金の十分性について 当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 15.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について 平成29年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約7%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。平成29年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約12%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約4割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約12%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約15%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 16.資金調達について 近年、資金調達方法の多様化に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 17.信用格付の影響について 格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 18.有能な従業員の雇用について 既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計などのさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が有能な人材を採用し、定着させられる保証はありません。 19.重要な経営陣の退社による事業への影響について 事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 20.情報システムへの依存について 当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があります。また、当行では、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を行っているところでありますが、開発の遅延等による予期せぬ多額の費用の発生、システム更新時や更新後のシステムダウンや誤作動等に起因する不具合が生ずるおそれもあり、その場合は当行の業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 21.年金制度及び年金資産に関するリスクについて 当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下するなど)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 22.金融サービス市場における競合について 規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。 ・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、上記の大手銀行グループは、政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。平成24年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。平成27年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の大部分の株式を実質的に保有するなかで、平成28年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に引き上げられました。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、平成27年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。さらに、金融サービス市場には、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディングや仮想通貨等のお客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 23.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について 当行は、金融機関としての広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。さらに、当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関により検査を受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。 当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び平成18年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。また、平成24年9月6日より一時的に募集・販売を停止しておりました円建て仕組預金については、平成24年12月17日より募集・販売を再開しておりますが、同日以降にお預け入れいただく際には、従来、預金保険の保護の範囲となっていた利息等の一部が預金保険の対象外となっており、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 24.自己資本比率規制について 当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、平成29年3月末における連結自己資本比率13.06%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、現在、当行の普通株式469,128,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は平成26年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 25.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について 当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」の適用を受けております。また、平成23年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。平成22年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。平成22年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、平成18年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、平成22年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきております。今後、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られていく方向にありますが、その内容次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、平成19年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、平成22年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。26.個人情報等の保護について 近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。平成17年4月より「個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)」が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 27.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについて わが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 28.政府による当行の普通株式の売却の可能性について 平成18年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、平成19年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、平成20年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株に転換されました。その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、合計で当行の普通株式を469,128,888株(当行の普通株式の17.1%)を保有しています(預金保険機構保有分269,128,888株(当行の普通株式の約9.8%)、整理回収機構保有分200,000,000株(当行の普通株式の約7.3%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 29.当行の経営に対する政府の影響力について 当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、平成17年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 30.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について 当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 31.普通株式の配当に関する制約について 当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 32.法令及び規制等の変更等の影響について 当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。 33.当行の銀行主要株主について 平成20年1月、サターンIサブ(ケイマン)エグゼンプト・リミテッド、サターン・ジャパンⅡサブ・シーブイ、サターン・ジャパンⅢサブ・シーブイ及びサターンⅣサブ・エルピー(以下「サターン4者」という。)は、当行普通株式に対する公開買付けにより当行普通株式358,456,000株を取得しました。さらに、当行は平成20年2月に総額500億円の普通株式(117,647,059株)の第三者割当増資をサターン4者宛てに実施いたしました。サターン4者は、大株主として長期に亘り当行を支援し、また金融業界の豊かな知識と経験を持った当行取締役として継続的に助言を行ってきた、J.クリストファー・フラワーズ氏(以下「JCF氏」という。)がマネージンングディレクター兼最高経営責任者を務めるジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー(J.C.Flowers & Co. LLC、以下「J.C.フラワーズ社」という。)の関係者を含む投資家が本件の公開買付けのために組成した投資ビークルです。さらに、平成23年3月には、海外募集により当行普通株式690百万株を新規発行いたしましたが、その際、JCF氏から当行の発展に対するコミットメントを従来同様に維持する意向を受けており、当行としても、JCF氏の実績及び意向を勘案すれば、サターン4者及びJCF氏(以下「本指定先」という。)に対する配分の指定は当該増資を円滑に実施するために重要であると判断し、本指定先に対して合計172百万株を割り当てました。以上の結果、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、既存保有分並びに公開買付け、第三者割当増資及び海外募集による取得分を含め、当行の普通株式を平成29年3月末現在約20%保有しております。当行は、当行の銀行主要株主等との取引について、通常の手続に加えて第三者的視点から、銀行主要株主等からの独立性確保・事業リスク遮断の状況を確認することを目的とする「銀行主要株主等との取引に係るガイドライン」を定めております。また、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、当行の株主基盤及びビジネスモデルを強化し、顧客に提供される金融商品及びサービスを拡大することを目的として当行の長期的な事業計画に対する自らのコミットメントを維持したいとの意向を示しておりますが、かかる普通株式はこれらの株主により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。
FY2016|26,237 文字
4【事業等のリスク】以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 1 当行の経営戦略について 当行は、平成28年1月29日に、平成29年3月期から平成31年3月期を対象期間とする「第三次中期経営計画」(以下「第三次中計」という。)を公表いたしました。 当行では、経営理念に基づき、真にお客さまから必要とされる金融グループを目指すための「中長期ビジョン」を定め、これに沿って、安定的・持続的な成長を可能とするビジネスモデルを構築し、経営理念の実現を確かなものとするため第三次中計を策定し、平成31年3月期には親会社株主に帰属する当期純利益640億円の達成を目指します。 (1)中長期ビジョン当行グループには、銀行に加え、無担保ローン、カード・信販、リースなどの業務を展開するグループ会社があり、その重要性の高さが大きな特徴となっております。市場競争の激化などの外部環境を考慮し、持続可能なビジネスモデルを確立するためには、グループの経営資源を最大限活用することが不可欠となります。中長期ビジョンでは、「グループ融合」により、各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供するとともに、グループレベルでの絶えざる改善・改革による無駄のないオペレーションを通じ、高い生産性・効率性を実現し、金融業界において独自のポジショニングを構築してまいります。 <中長期ビジョン>1.グループ融合により革新的金融サービスを提供する金融イノベーターであること2.絶えざる改善・改革によりリーンなオペレーションを実現し、卓越した生産性・効率性を達成する金融グループであること3.上記の実現により、ステークホルダーに報いるとともに、生まれてくる自信・充実感・矜持を新生銀行グループの求心力とし、コアバリューとしていくこと (2)第三次中計の基本方針と全体戦略当行の平成26年3月期から平成28年3月期を対象期間とした第二次中期経営計画における諸施策への取り組みの結果、同期間中の最終利益は黒字を継続するとともに、不良債権比率の圧縮は目標を大きく上回り、ポートフォリオの改善が進展しました。一方、不良債権の処理に伴う与信関連費用の戻り益や変動性の高い利益が最終利益を押し上げたことから、再現性・安定性の高い利益を生む業務のポテンシャルをフルに発揮することが今後の課題であると総括いたしました。これを踏まえ、以下4つを基本方針として、第三次中計を策定いたしました。 ■ グループ融合による新たな価値を創造し、中長期ビジョンの実現に向けた取り組みを行う■ 持続可能なビジネスモデルを構築するべく、選択と集中を実践するとともに一層の効率化を進める■ より動態的で柔軟なビジネス運営を行う■ 公的資金返済への道筋をつけ、株主還元の改善を図る この基本方針に基づく全体戦略として、以下の施策を実施してまいります。①事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出事業の優先順位付けを行うため、以下の4つの分野に分け、経営資源をより高い成長が見込まれる分野に配分いたします。また、グループ融合を通じて、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造に取り組みます。・成長分野:強みがあり、高い成長性・収益性が見込まれる分野・安定収益分野:過当競争から距離を置き、安定的・選択的に取り組む分野・戦略取組分野:将来性を期待する先行取組分野や、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造分野・縮小分野:市場が縮小する、または新生銀行グループの差別化要因が低い分野②グループ経営インフラ:環境に応じた柔軟なビジネス運営とリーンなオペレーションをグループワイドで支える環境の変化や計画の進捗に合わせた、柔軟かつ機動的なグループ経営資源の最適化・最大限の有効活用を行います。また、組織や社員の潜在能力が最大限発揮される事業運営体制を構築いたします。 (3)経営指標・計数計画第三次中計では安定した利益の成長に注力し、平成31年3月期には親会社株主に帰属する当期純利益640億円の達成を目指します。効率性を重視した経営を行い、経費率は50%台を目指します。資本政策は重要な経営課題と認識し、公的資金注入行として必要十分な内部留保の蓄積を進めつつ、公的資金返済の道筋を立てるとともに、株主還元の改善を目指してまいります。 <経営指標(連結)> 平成31年3月期計画持続性親会社株主に帰属する当期純利益640億円効率性RORA※1%程度経費率50%台※ RORA:親会社株主に帰属する当期純利益/期末リスクアセット額(バーゼルⅢ国際統一基準完全施行ベース) (4)事業戦略第三次中計では、無担保ローン、及び、不動産ファイナンス・プロジェクトファイナンスを中心としたストラクチャードファイナンスは成長分野と位置付け、経営資源を積極的に配分いたします。その他の業務分野は、強みの転換やリソースの最適化などを行い、選択的な取り組みを推進してまいります。 さらに当行は、これらの業務遂行のために、リスク管理、システムについて以下の施策を推進してまいります。 ・リスク管理につきましては、多元化する外部諸規制に適切に対応するとともに、各リスク管理のフレームワークの高度化による適正なリスクリターン運営の実現、ビジネス展開に即したリスク管理の実践、人材育成・強化を通じた全行的な案件審査力の向上を図り、リスクテイク能力の強化、リスクカルチャーの一層の深化を目指します。 ・システムにつきましては、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を着実に進めてまいります。 当行グループのビジネスモデルは、当行に強みがあり、成長性・収益性が見込まれる成長分野を、無担保ローン、ストラクチャードファイナンスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行が長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行の財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営計画の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。2.法人向け銀行業務の戦略的拡充について 当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。 ・法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。・当行が経営資源を投入しているノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むストラクチャードファイナンスは、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。・政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下する可能性があります。・当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。 3.リテールバンキング業務の戦略的拡充について 当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。 ・当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。・ATMやテレフォンバンキング、インターネットバンキングで24時間365日いつでもお取引頂けるといった当行が提供するサービスに匹敵するサービスを、競合他社も提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。・当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。 4.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について 当行は、平成16年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。 当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・情報IT技術への取組が不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること 、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。 当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は平成19年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は平成22年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して引き続き「アプラス」という。)(東京証券取引所上場)及びシンキ株式会社(以下「シンキ」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行ってまいりましたが、それがアプラスの収益性を回復するのに十分でない場合、または、シンキがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記26.をご参照ください。) また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、アプラス、シンキ及び新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」という。)及びその子会社(詳細は下記5.をご参照ください。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、シンキ及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。 これらの法令等の変更を受けて、アプラス、シンキ及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記7.をご参照ください。)を実施しておりますが、消費者金融業界をとりまく昨今の急速な状況変化に鑑みれば、状況変化による影響が予想を上回る可能性があります。 5.新生フィナンシャル株式会社の買収について 当行は、平成20年9月に、GEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)より、同年7月における同社との合意に基づき、新生フィナンシャル(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社)とその子会社を取得し、新生フィナンシャル及びその子会社における、「レイク」ブランドの個人ローン、住宅ローン、クレジットカード及び割賦販売業務の資産8,790億円(個人ローン6,470億円、住宅ローン1,050億円、クレジットカード・割賦債権810億円など)を総額5,800億円で取得しております。 本件買収に際して、将来のグレーゾーン金利関連費用発生に備えた利息返還損失引当金2,210億円がクロージングの段階で計上されております。また、買収時に締結した株式譲渡契約上、取得したグレーゾーン損失を受ける可能性のある資産の相当の部分について、買収時の消費者ローン及びクレジットキャッシング顧客からの将来の過払利息返還請求については、当行の負担は合計で最大2,039億円とし、それを超えるグレーゾーン金利関連費用につき、日本GEが負担することとなっており、平成22年6月以降、グレーゾーン金利関連費用の累積額が上記の当行最大負担額を超えたため、新生フィナンシャルは日本GEからかかる費用の支払を受けておりましたが、平成26年3月末、将来発生が見込まれる過払利息返還損失の額として1,750億円の現金払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEの損失補償は終了しました。なお、下記7.に記載のとおり、新生フィナンシャルは日本GEから受け取った1,750億円を利息返還損失引当金に追加計上しました。 新生フィナンシャルにおける過払利息返還動向は安定して低下傾向が続いていることから、当行及び新生フィナンシャルとしては、上記の利息返還損失引当金の追加計上により、将来発生が見込まれる損失に対して必要な引当水準を確保したものと考えておりますが、上記の追加計上が過去の実績をも踏まえたものであることなどを勘案すると、現在の引当水準が将来に亘って十分であるという保証はなく、もし同引当金に不足が生じた場合には、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 6.シンキ及び新生フィナンシャルの業務統合・再編成等について 平成21年2月、当行は、消費者金融業界の経営環境が厳しくなる中、新生フィナンシャルとシンキの経営効率の最大化を図るため、新生フィナンシャルとシンキの大幅な業務の統合、再編成を推進すべく両社と基本合意を締結しました。さらに、当行と新生フィナンシャルは共同でシンキ株式の公開買付けを実施した後、シンキの完全支配化手続きを完了し、平成22年3月にはシンキを新生フィナンシャルの子会社として、より一体的な業務運営を行う体制を整えました。こうした施策に基づき、例えば、平成27年度に実施した新生フィナンシャルやシンキを含むコンシューマーファイナンス関連子会社6社の本社機能の移転・集約など、新生フィナンシャルとシンキとの間で各種経営資源(対顧客営業及びリスク管理のための各種インフラ等を含む。)の共有及び相互に重複する業務等を始めとしたシンキの業務の大幅な統合・再編成を進めてきておりますが、今後の当行グループを巡る経営環境の変化や、その他予期せぬ事態等が発生した場合、かかる業務の統合・再編成を当行が最終的に期待する内容・規模・時期に実施できる保証はありません。 7.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下、「出資法」という。)の改正以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン」金利、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業の規制等に関する法律」(平成19年12月に施行された法改正により、同法の題名は「貸金業法」に改められた。以下、「貸金業法」という。)では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。しかし、平成18年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記26.をご参照ください。) アプラス及びシンキは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する平成18年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、平成18年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が平成18年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当を行ってきております。また、シンキも同様に適宜引当金の積み増しを行ってきております。新生フィナンシャルについては、必要に応じて、貸倒引当金とともに、買収契約に定められた日本GEによる損失補償の対象外の貸出資産について利息返還損失引当金を追加計上してまいりました。また、上記5.に記載のとおり、新生フィナンシャルが将来発生が見込まれる損失の額として1,750億円の現金払いを日本GEから受けることにより、日本GEの過払利息返還損失補償は終了しましたが、これに伴い、新生フィナンシャルは、平成26年3月末に、日本GEから受け取った1,750億円を利息返還損失引当金に追加計上しました。 近時では「グレーゾーン」金利に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回っており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。 8.銀行本体による新たなコンシューマーファイナンス業務の展開 当行は、当局からの必要な認可の取得等を経て、平成23年10月より、新生フィナンシャルが「レイク」ブランドで行っている個人向け無担保ローン事業の一部を譲り受け、銀行本体での本格的な無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」を開始し、現時点に至るまで順調に業容を拡大しております。国内の個人向け無担保ローン市場は、平成22年6月に改正貸金業法が完全施行され、さらに貸し手の市場からの撤退も加速したことにより縮小を続けてきましたが、メガバンクをはじめとする銀行による無担保カードローンの積極化とともに平成26年度からは再び拡大に転じております。当行は拡大に転じた個人の小口金融ニーズに対し、健全な貸し手として円滑かつ合理的にサービスを提供していくことが求められております。こうした環境認識の下、当行は、既に一定の顧客認知度を有する「レイク」ブランドを活用して銀行本体で個人向け無担保ローンサービスを提供することにより、お客さまに対する訴求力を一層強めつつ、グループ会社と当行が蓄積してきた審査能力、マーケティングノウハウを融合してお客さまのニーズに円滑・迅速に対応することで、収益力の向上に繋げるとともに、中長期的な視点に立って、この分野におけるリーディングカンパニーとして健全な個人向け無担保ローン市場の形成に貢献してまいります。当行が本体で上記サービスを開始するにあたって、当行は新生フィナンシャルから、「レイク」ブランド及び無人店舗、ATM、ACM(自動契約機)、ウェブサイトやカスタマーサービスセンター等、事業展開に必要な資産を譲り受けました。また、マーケティング、契約の受付、顧客サービス、与信管理、債権管理等の業務は当行本体で行っており、これらの業務の体制構築のために、専門の部署を設けております。また、平成27年11月からは、当行の「新生総合口座パワーフレックス」を保有するお客さまや当行のグループ会社のお客さまを主たる対象とした、新しいブランド「新生銀行スマートカードローン プラス」を投入しております。銀行の口座機能を活かし、簡単な申込み手続き、借入・返済が24時間可能といった高い利便性の商品を推進してまいります。さらに、新生フィナンシャルは、当行本体による個人向け無担保ローンについて保証サービスを提供しております。なお、新生フィナンシャルの既存貸付債権については当行への譲渡は行わず、「新生フィナンシャル」として「レイク」ブランドを使用しない形で引き続き同社で管理しております。同社については、これらの業務に加えて、他の金融機関向けの信用保証業務の拡大にも注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図ってまいります。 当行は、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。 9.金融商品及びサービスの範囲の拡大について 当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討する可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。 10.マーケットの変動及び不安定要因による影響について 当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。また、近時では、サブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、平成23年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まりや、マイナス金利を含む金融政策の変更等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、株式を含む有価証券等の価格の下落に伴う資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、円高の進行に伴う外国資産の時価の下落、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 11.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて 当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。 12.海外業務の拡大によるリスクについて 当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。たとえば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。一方で、近時は、アジア・豪州を中心とした優良案件に対する取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。 当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。 ・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違・社会的、政治的及び経済的な状況の変化・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性 このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。 13.リスクマネジメントポリシーの有効性について 当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク及び法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。 14.訴訟及び預金保険機構によるこれに関する補償について 預金保険機構、ニュー・エルティーシービー・パートナーズ・シー・ヴィ及び当行の間の平成12年2月9日付株式売買契約書(以下「株式売買契約書」という。)のもとで、当行は、平成12年3月1日以前の事実に関する訴訟により負担した費用に対する補償を含め、預金保険機構より訴訟等に関連して一定の補償を受けることが可能となっております。 かかる株式売買契約書記載の株式売買契約に基づいて、当行は、預金保険機構に対し計3件の補償請求訴訟を提起していましたが、これら3件の訴訟については平成21年3月10日に訴訟上の和解が成立し、かかる和解により当行と預金保険機構との間で係属した訴訟はすべて終結しております。 今後も、当行は、株式売買契約に基づいて、預金保険機構に対して補償金の支払いを求める可能性がありますが、かかる請求についてその全額の補償が得られない可能性があります。また、当行は潜在的な請求権の範囲を評価し適正な引当金を積んでおりますが、かかる引当金が当行の被る損失をカバーするのに十分でない可能性があります。 15.貸倒引当金の十分性について 当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。 16.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について 平成28年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約8%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。平成28年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約13%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約4割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約12%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約16%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。 17.資金調達について 近年、資金調達方法の多様化に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。 18.信用格付の影響について 格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。 19.有能な従業員の雇用について 既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計などのさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が有能な人材を採用し、定着させられる保証はありません。 20.重要な経営陣の退社による事業への影響について 事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。 21.情報システムへの依存について 当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。平成18年4月後半から5月上旬にかけて、ATMやインターネットバンキング・サービスにおける不具合が一部発生しました。顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後ともサービスの停止が生じない保証はありません。 平成24年1月10日には他行宛送金取引の一部が未完了となり、未完了取引分の送金完了が翌11日までかかるという事態が発生いたしました。本件遅延の原因は、当行が同年1月8日から9日にかけて全銀為替取引システムを東京のセンターから大阪のセンターに移設した際にネットワーク構成に不備が生じたことにあります。当行といたしましては、原因となったネットワーク構成を見直し、十分な処理速度を確保できること等を含むテストを実施するとともに、システム面での内部管理態勢の強化・改善を図る等、再発防止に向けた対策を講じてまいりました。今後同様の障害を繰り返すことのないよう、万全を期してまいります。当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる可能性があります。当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があります。また、当行では、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を行っているところでありますが、開発の遅延等による予期せぬ多額の費用の発生、システム更新時や更新後のシステムダウンや誤作動等に起因する障害が生ずるおそれもあり、その場合は当行の業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 22.年金制度及び年金資産に関するリスクについて 当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下するなど)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。 23.金融サービス市場における競合について 規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。 ・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数、及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、上記の大手銀行グループは、政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業との競争関係にあります。・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。平成24年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。平成27年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の大部分の株式を実質的に保有するなかで、平成28年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に引き上げられました。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、平成27年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。 さらに、金融サービス市場には、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディングや仮想通貨等のお客さまのニーズと金融技術(FinTech)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、競争環境に変化が生じる可能性があります。 当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。 24.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について 当行は、金融機関としての広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。さらに、当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関により検査を受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。 当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び平成18年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。 当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。また、平成24年9月6日より一時的に募集・販売を停止しておりました円建て仕組預金については、平成24年12月17日より募集・販売を再開しておりますが、同日以降にお預け入れいただく際には、従来、預金保険の保護の範囲となっていた利息等の一部が預金保険の対象外となっており、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。 25.自己資本比率規制について 当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、平成28年3月末における連結自己資本比率14.20%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。 ・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。・政府の保有する当行株式の取得:政府は、現在、当行の普通株式469,128,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は平成26年3月末から適用開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追及や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。 26.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について 当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」の適用を受けております。また、平成23年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。平成22年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。 また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。平成22年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、平成18年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、平成22年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。 アプラスの消費者金融、シンキ及び新生フィナンシャルについては、平成19年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、平成22年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。 当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。 27.個人情報等の保護について 近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。平成17年4月より「個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)」が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。 28.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについて わが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。 29.政府による当行の普通株式の売却の可能性について 平成18年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、平成19年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株を保有することとなりました。さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、平成20年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株に転換されました。 その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、合計で当行の普通株式を469,128,888株(当行の普通株式の17.1%)を保有しています(預金保険機構保有分269,128,888株(当行の普通株式の約9.8%)、整理回収機構保有分200,000,000株(当行の普通株式の約7.3%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 30.当行の経営に対する政府の影響力について 当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、平成17年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。 31.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について 当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。 32.普通株式の配当に関する制約について 当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。 33.将来における法令及び規制等の変更の影響について 当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、将来における法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。34.当行の銀行主要株主について 平成20年1月、サターンIサブ(ケイマン)エグゼンプト・リミテッド、サターン・ジャパンⅡサブ・シーブイ、サターン・ジャパンⅢサブ・シーブイ及びサターンⅣサブ・エルピー(以下「サターン4者」といいます。)は、当行普通株式に対する公開買付けにより当行普通株式358,456,000株を取得しました。さらに、当行は平成20年2月に総額500億円の普通株式(117,647,059株)の第三者割当増資をサターン4者宛てに実施いたしました。サターン4者は、大株主として長期に亘り当行を支援し、また金融業界の豊かな知識と経験を持った当行取締役として継続的に助言を行ってきた、J.クリストファー・フラワーズ氏(以下「JCF氏」といいます。)が会長を務めるジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー(J.C.Flowers & Co. LLC、以下「J.C.フラワーズ社」といいます。)の関係者を含む投資家が本件の公開買付けのために組成した投資ビークルです。さらに、平成23年3月には、海外募集により当行普通株式690百万株を新規発行いたしましたが、その際、JCF氏から当行の発展に対するコミットメントを従来同様に維持する意向を受けており、当行としても、JCF氏の実績及び意向を勘案すれば、サターン4者及びJCF氏(以下「本指定先」という。)に対する配分の指定は当該増資を円滑に実施するために重要であると判断し、本指定先に対して合計172百万株を割り当てました。以上の結果、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、既存保有分並びに公開買付け、第三者割当増資及び海外募集による取得分を含め、当行の普通株式を平成28年3月末現在約20%保有しております。当行は、当行の銀行主要株主等との取引について、通常の手続に加えて第三者的視点から、銀行主要株主等からの独立性確保・事業リスク遮断の状況を確認することを目的とする「銀行主要株主等との取引に係るガイドライン」を定めております。 また、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、当行の株主基盤及びビジネスモデルを強化し、顧客に提供される金融商品及びサービスを拡大することを目的として当行の長期的な事業計画に対する自らのコミットメントを維持したいとの意向を示しておりますが、かかる普通株式はこれらの株主により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。