事業等のリスク
住友商事の事業には複数のリスクが存在します。まず、多数の連結子会社や持分法適用会社への事業投資において、事業環境の変化や顧客喪失、原料価格高騰などにより計画通りの利益が得られず、投下資金の回収不能や追加負担が発生する可能性があります。また、鉱物資源やガス開発事業では、開発費用の増加、工期遅延、埋蔵量の変動、生産量の計画未達、生産コスト上昇、事業所在国の政府関連事由による計画未達のリスクがあります。さらに、取引先の信用力低下による貸倒れ、金属・エネルギーなどの商品市況の変動、60ヶ国以上で展開する事業におけるカントリーリスク、金利・為替の変動リスクも業績に影響を与える可能性があります。
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FY2025|8,796 文字
3 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当期末時点における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。 ① 「業績安定」② 「体質強化」③ 「信用維持」 当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当期末現在、当社は315社の連結子会社及び192社の持分法適用会社を有しています(注)。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、主要顧客の喪失、原料価格の上昇等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(注) 連結子会社が保有する関係会社のうち、当該連結子会社にて連結または持分法処理されているもの(当期末現在、子会社339社、持分法適用会社72社)については、上記会社数から除外しています。 (a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するとともに、2021年には、過去の大型投資案件の計画未達・損失発生等の要因を網羅的に分析し、新たに投資規範を設定、新規投資検討の際には常にこの規範に照らして議論するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、経営会議及びその諮問機関である全社投融資委員会、またはグループ経営会議(各営業グループにおける投資意思決定機関)を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさなど、投資の成否を左右する諸条件について早い段階から課題の特定、議論の深掘りを行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資実行後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資実行後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」を設けています。更に、投資先のモニタリング制度として、2018年度より「フルポテンシャルプラン」を導入し、ROIC/WACCなど複数の定量指標に基づくスコアリングによって投資先を分類、課題先は明確な時間軸に基づき改善、又は撤退を促し、投資ポートフォリオの質の向上を進めてきました。その結果、一定の改善、成果が得られたことから、2025年度より本制度を改定し、一定の定量基準にて撤退候補先を洗い出すとともに、営業グループの自律経営という方針のもと、投資先の成長性や収益性、新規投資案件の進捗状況にフォーカスした投資先レビューの枠組みへ高度化させ、従来以上にポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでいます。また、ガバナンスの高度化を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメント報酬の設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。さらに、価値向上実現へのコミットメントを高めるべく、投資パフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。(注) 投資実行後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画を策定すべく、経営インフラの構築・整備を行う活動のこと。 ② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があることから、当社では、マーケット情報の収集や分析に取り組み、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。ロシア及びウクライナ関連ビジネスにおいては、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産のほか、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。しかしながら、このような取り組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業における再生可能エネルギーへのシフトなど、より環境負荷の低い事業ポートフォリオへの継続的なシフト等の取り組みを進めています。また、人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げています。当社全事業・サプライチェーンを対象として実施した人権デューデリジェンスの結果などを踏まえ、全社的なリスクマッピングをおこない、当社グループにおける人権リスクが高い事業を特定しております。各SBUや事業会社が主体となり、引き続き人権リスクの低減・防止に努めます。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、営業グループ、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、それぞれの組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為等が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、財務健全性の維持・向上を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人的資本に関するリスク当社グループが事業を展開する地域・分野及びビジネスモデルは劇的に多様化しており、環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。ビジネスを展開するにあたって、特定分野に高度な専門性及び経験を持った人財が必要となる可能性は常にあります。当社では、タイムリーに社内外のTop Tierプロフェッショナル人財を確保するために、通年採用を実施し、また人材育成、健康経営・働き方改革の推進、競争力のある報酬やキャリア開発の機会の提供等を通じて、多様な人財一人ひとりが働きがいを感じ、未来を拓く挑戦に邁進できる、魅力的な職場環境の整備に取り組んでいます。しかしながら、ビジネスモデルの急激な変化により特定の専門人材に対する需要が急増する、あるいは当該専門人材に対する労働市場が成熟しておらず、加えて当社の人財の確保・育成の取り組みをもっても十分な対応が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下のとおりです。・当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。・資源・エネルギー上流案件については、定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
FY2024|8,755 文字
3 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2024年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。 ① 「業績安定」② 「体質強化」③ 「信用維持」 当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当連結会計年度末現在、当社は633社の連結子会社及び251社の持分法適用会社を有しています。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、主要顧客の喪失、原料価格の上昇等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するとともに、2021年には、過去の大型投資案件の計画未達・損失発生等の要因を網羅的に分析し、新たに投資規範を設定、新規投資検討の際には常にこの規範に照らして議論するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、各事業部門の投融資委員会乃至全社投融資委員会を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさなど、投資の成否を左右する諸条件について早い段階から課題の特定、議論の深掘りを行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」があるほか、全社投融資委員会のもとで業績改善策の立案や実行をフォローする「重点フォローアップ制度」を設けています。更には、投資ポートフォリオの質の向上を目的としたモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を2018年度に導入しました。資本コスト(WACC)を上回るリターン(ROIC)を達成しているかどうかを測る、ROIC/WACCなど複数の定量指標に基づくスコアリングによって、投資先を「健全先」、「健全化ロードマップ策定先」、「撤退候補先」の三つに分類、「健全化ロードマップ策定先」、「撤退候補先」を対象として、四半期ごとに業績やロードマップの進捗状況乃至撤退の取り組み状況をモニタリングしています。また、ロードマップの実現確度が十分ではないと判断される場合は、ロードマップの見直し、それでも健全化が困難と判断される場合は、撤退方針先に変更するなど、明確な時間軸に基づく投資ポートフォリオのバリューアップ施策を通じ、高い収益性と強い下方耐性を有する事業ポートフォリオの構築に取り組んでいます。また、ガバナンスの高度化を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメントの報酬設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。さらに、価値向上実現へのコミットメントを高めるべく、投資パフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。(注) 投資実行直後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画の策定に向けた経営インフラ構築・整備活動。 ② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があることから、当社では、マーケット情報の収集や分析に取り組み、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。ロシア及びウクライナ関連ビジネスにおいては、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産のほか、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。しかしながら、このような取り組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業における再生可能エネルギーへのシフトなど、より環境負荷の低い事業ポートフォリオへの継続的なシフト等の取り組みを進めています。また、人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げ、当社の全事業・サプライチェーンを対象にした人権デューデリジェンスの取り組みを継続しています。この取り組みを通じて人権リスクを特定した上で、その低減・防止に努めます。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、事業部門、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、それぞれの組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを、完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、財務健全性の維持・向上を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積もりの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人的資本に関するリスク当社グループが事業を展開する地域・分野及びビジネスモデルは劇的に多様化しており、環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。ビジネスを展開するにあたって、特定分野に高度な専門性及び経験を持った人材が必要となる可能性は常にあります。当社では、社内外のTop Tierプロフェッショナル人材を確保するために、通年採用、健康経営・働き方改革の推進、「Diversity, Equity & Inclusion」すなわち多様な価値観やアイデアを受け容れ、活かす文化・意識の醸成等、より魅力的な職場環境の整備に取り組んでいます。しかしながら、ビジネスモデルの急激な変化により特定の専門人材に対する需要が急増する、あるいは当該専門人材に対する労働市場が成熟しておらず、加えて当社の人材確保・育成の取り組みをもっても十分な対応が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、事業部門やビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下のとおりです。・当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。・資源・エネルギー上流案件については、定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
FY2023|8,933 文字
3 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2023年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。 ① 「業績安定」② 「体質強化」③ 「信用維持」 当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当連結会計年度末現在、当社は636社の連結子会社及び250社の持分法適用会社を有しています。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、パートナーの業績不振等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。 (a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、投資案件を選定するための厳格な投資規律の設定や、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、各事業部門の投融資委員会乃至全社投融資委員会を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさなど投資の成否を左右する諸条件について、早い段階から議論を深掘りし課題の特定を行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」があるほか、全社投融資委員会のもとで業績改善策の立案や実行をフォローする「重点フォローアップ制度」を設けています。更には、投資ポートフォリオの質の向上を目的としたモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を2018年度に導入しました。資本コスト(WACC)を上回るリターン(ROIC)を達成しているかどうかを測る、ROIC/WACC等複数の定量指標に基づくスコアリングによって、投資先を「健全先」、「健全化ロードマップ策定先」、「撤退候補先」の三つに分類の上、「重点フォローアップ制度」の対象である「重点フォローアップ対象先」と「健全化ロードマップ策定先」、「撤退候補先」を対象として、四半期ごとに業績やロードマップの進捗状況乃至撤退の取り組み状況をモニタリングしています。また、ロードマップの実現確度が十分ではないと判断される場合は、ロードマップの見直し、それでも健全化が困難と判断される場合は、撤退方針先に変更する等、明確な時間軸に基づく投資ポートフォリオのバリューアップ施策を通じ、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「事業ポートフォリオのシフト」に取り組んでいます。また、同中期経営計画で掲げる「ガバナンスの高度化」を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメントの報酬設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。さらに、価値向上実現へのコミットメントを高めるべく、投資パフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。(注) 投資実行直後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画の策定に向けた経営インフラ構築・整備活動。 ② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと当社では、資源開発の知見に長けた人材からなる「資源・エネルギープロジェクト管理部」を立ち上げ、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。また、単一プロジェクトへの投資上限金額の設定や資源・エネルギーポートフォリオ中の生産未開始案件の割合を一定以下に保つなどのポートフォリオマネジメントを通じて、上記リスクの抑制に努めています。 (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。ロシア及びウクライナ関連ビジネスにおいては、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。しかしながら、このような取組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業において経営資源を再生可能エネルギーなど、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする等の取組みを進めています。また、人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げ、当社の全事業・サプライチェーンを対象にした人権デューデリジェンスの取り組みを開始しています。この取り組みを通じて人権リスクを特定した上で、その低減・防止に努めます。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、事業部門、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、夫々の組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを、完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、当社では中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、適切な内部統制の構築・グループガバナンスの高度化に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「財務健全性の維持・向上」を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積もりの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人的資本に関するリスク 当社グループが事業を展開する地域・分野及びビジネスモデルは劇的に多様化しており、環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。ビジネスを展開するにあたって、特定分野に高度な専門性及び経験を持った人材が必要となる可能性は常にあります。当社では、社内外のTop Tierプロフェッショナル人材を確保するために、通年採用、健康経営・働き方改革の推進、「Diversity, Equity and Inclusion」多様な価値観やアイデアを受け容れ、活かす文化・意識の醸成等、より魅力的な職場環境の整備に取り組んでいます。しかしながら、ビジネスモデルの急激な変化により特定の専門人材に対する需要が急増する、あるいは当該専門人材に対する労働市場が成熟しておらず、加えて当社の人材確保・育成の取り組みをもっても十分な対応が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、事業部門やビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下のとおりです。・当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。・資源・エネルギー上流案件については、エクスポージャー上限枠の設定並びに定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
FY2022|9,309 文字
2 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2022年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1)当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」および「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。 ①「業績安定」②「体質強化」③「信用維持」 当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクターおよび双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当連結会計年度末現在、当社は637社の連結子会社及び256社の持分法適用会社を有しています。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、パートナーの業績不振等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、投資案件を選定するための厳格な投資規律の設定や、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、各事業部門の投融資委員会乃至全社投融資委員会を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさ等投資の成否を左右する諸条件について、早い段階から議論を深掘りし課題の特定を行うと共に、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件においては、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」がある他、全社投融資委員会のもとで業績改善の立案や実行をフォローする「重点フォローアップ制度」を設けています。更には、投資ポートフォリオの質の向上を目的とした新たなモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を2018年度に導入しました。主に定量的な指標をもとに投資先を評価し、「健全先」「健全化ロードマップ策定先」「撤退候補先」の三つに分類しています。「健全化ロードマップ策定先」「撤退候補先」及び「重点フォローアップ対象先」については、四半期毎に業績やロードマップの進捗状況乃至撤退の取り組み状況をモニタリングする一方、ロードマップの実現確度が十分ではないと判断される場合は、ロードマップの見直し、それでも健全化が困難と判断される場合は、撤退方針先に変更する等、明確な時間軸に基づく投資ポートフォリオのバリューアップ施策を通じ、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「事業ポートフォリオのシフト」に取り組んでいます。また、同中期経営計画にて掲げる「ガバナンスの高度化」を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメントの報酬設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。さらに、価値向上実現へのコミットメントを高めるべく、投資パフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。(注) 投資実行直後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画の策定に向けた経営インフラ構築・整備活動。 ② 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、石油、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと当社では、資源開発の知見に長けた人材からなる「資源・エネルギープロジェクト管理部」を立ち上げ、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。また、単一プロジェクトへの投資上限金額の設定や資源・エネルギーポートフォリオ中の生産未開始案件の割合を一定以下に保つ等のポートフォリオマネジメントを通じて、上記リスクの抑制に努めています。 (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品毎の枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件毎に保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国毎のエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。ロシアおよびウクライナ関連ビジネスにおいては、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、全てのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務者増加に対応すべくテレワーク環境の強化を行うとともに、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化を図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保にも努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナーなどの継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」および、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。然しながら、このような取組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員などのステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業において経営資源を再生可能エネルギーなど、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする等の取り組みを進めています。また、人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げ、当社の全事業・サプライチェーンを対象にした人権デューデリジェンスの取り組みを開始しています。この取り組みを通じて人権リスクを特定した上で、その低減・防止に努めます。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、事業部門、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、夫々の組織において内部統制を適切に構築する必要があります。然しながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為などのオペレーショナルリスクを、完全に防止することが出来る保証はありません。事務処理ミスや不正行為が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社では中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、適切な内部統制の構築・グループガバナンスの高度化に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「財務健全性の維持・向上」を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積もりの変更や法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人材確保に関するリスク当社グループが事業を展開する地域・分野およびビジネスモデルは劇的に多様化しており、ビジネス環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。変革期の世界で勝ち抜くためには、人材戦略として、多様な価値観やアイデアを受け容れ、活かし、新たな「価値創造」につなげていくことが不可欠と考えており、当社グループでは、人材獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しています。また、2020年度にグローバルベースでの人材マネジメントに関するビジョンとして「グローバル人材マネジメントポリシー」を制定し、中期経営計画「SHIFT 2023」を実現するための「Diversity & Inclusion」施策、戦略的な人材登用・育成や組織作り、それを支える文化・意識の醸成などに取り組むとともに、健康経営と働き方改革を推進し、より魅力的な職場環境の整備に努めています。然しながら、予期せぬ要因等により、多様な人材の登用・育成が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、事業部門やビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下の通りです。・当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。・資源・エネルギー上流案件については、エクスポージャー上限枠の設定並びに定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。 (5) 新型コロナウイルスに係るリスク新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループへの影響度は、国・地域や産業毎に異なっており、現環境下においても計画通りの収益を上げているビジネスラインもあれば、直接・間接的に影響を受け、損失を被っているビジネスラインも存在しています。世界的な感染の拡散はあるものの、経済環境の回復傾向は続く見通しです。各ビジネスラインにおいては、環境の変化を踏まえて、個別案件を取り巻くリスクを特定の上、管理しながら、各ビジネスを推進しております。各ビジネスラインにおける影響・対応方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。しかしながら、仮に感染が収束に向かわず再拡大・長期化した場合、当社の業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|8,358 文字
2 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2021年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 新型コロナウイルスに係るリスク新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の停滞は、当社のさまざまな事業に大きな影響を与えていますが、感染症拡大による影響は未だ不確定要素が多く、仮に感染が収束に向かわず長期化した場合、当社の業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、これらに対する対応方針につきましては、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当連結会計年度末現在、当社は662社の連結子会社及び273社の持分法適用会社を有しています。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、パートナーの業績不振等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、各事業部門の投融資委員会乃至全社投融資委員会を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさ等投資の成否を左右する諸条件について、早い段階から議論を深掘りし課題の特定を行うと共に、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件においては、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」がある他、全社投融資委員会のもとで業績改善の立案や実行をフォローする「重点フォローアップ制度」を設けています。更には、投資ポートフォリオの質の向上を目的とした新たなモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を2018年度に導入しました。主に定量的な指標をもとに投資先を評価し、「健全先」「健全化ロードマップ策定先」「撤退候補先」の三つに分類しています。「健全化ロードマップ策定先」「撤退候補先」及び「重点フォローアップ対象先」については、四半期毎に業績やロードマップの進捗状況乃至撤退の取り組み状況をモニタリングする一方、ロードマップの実現確度が十分ではないと判断される場合は、ロードマップの見直し、それでも健全化が困難と判断される場合は、撤退方針先に変更する等、明確な時間軸に基づく投資ポートフォリオのバリューアップ施策を通じ、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「事業ポートフォリオのシフト」に取り組んでいます。また、同中期経営計画にて掲げる「ガバナンスの高度化」を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメントの報酬設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。(注) 投資実行直後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画の策定に向けた経営インフラ構築・整備活動。 ② 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、石油、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと当社では、資源開発の知見に長けた人材からなる「資源・エネルギープロジェクト管理部」を立ち上げ、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。また、単一プロジェクトへの投資上限金額の設定や資源・エネルギーポートフォリオ中の生産未開始案件の割合を一定以下に保つ等のポートフォリオマネジメントを通じて、上記リスクの抑制に努めています。 (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品毎の枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、予めヘッジポリシーを定め、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件毎に保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国毎のエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とする情報セキュリティ委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、関連規程を整備した上で情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、従来の当社の「コンプライアンス指針」を踏まえ、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナーなどの継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」および、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。然しながら、このような取組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員などのステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。また、世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業において経営資源を再生可能エネルギーなど、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする等の取り組みを進めています。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、事業部門、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、夫々の組織において内部統制を適切に構築する必要があります。然しながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為などのオペレーショナルリスクを、完全に防止することが出来る保証はありません。事務処理ミスや不正行為が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社では中期経営計画「SHIFT 2023」にて「ガバナンスの強化」を掲げ、適切な内部統制の構築・グループガバナンスの高度化に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、中期経営計画「SHIFT 2023」にて掲げる「財務健全性の維持・向上」を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積もりの変更や法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人材確保に関するリスク当社グループが事業を展開する地域・分野およびビジネスモデルは劇的に多様化しており、ビジネス環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。変革期の世界で勝ち抜くためには、人材戦略として、多様な価値観やアイデアを受け容れ、活かし、新たな「価値創造」につなげていくことが不可欠と考えており、当社グループでは、人材獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しています。また、2020年度にグローバルベースでの人材マネジメントに関するビジョンとして「グローバル人材マネジメントポリシー」を制定し、中期経営計画「SHIFT 2023」を実現するための「Diversity & Inclusion」施策、戦略的な人材登用・育成や組織作り、それを支える文化・意識の醸成などに取り組むとともに、健康経営と働き方改革を推進し、より魅力的な職場環境の整備に努めています。然しながら、予期せぬ要因等により、多様な人材の登用・育成が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、事業部門やビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下の通りです。・インドネシア等当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。・資源・エネルギー上流案件については、エクスポージャー上限枠の設定並びに定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
FY2020|9,665 文字
2 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2020年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 新型コロナウイルスに係るリスク新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の停滞は、当社のさまざまな事業に大きな影響を与えていますが、感染症拡大による影響は不確定要素が多く、当社の今後の事業活動への影響の大きさを見通すことが困難な状況が続いています。感染が収束に向かわず長期化した場合、当社の業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、これらに対する対応方針につきましては、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当連結会計年度末現在、当社は663社の連結子会社及び294社の持分法適用会社を有しています。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む環境の変化や、パートナーの業績不振等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定については、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、各事業部門の投融資委員会および全社投融資委員会を開催します。それらの委員会において、戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、ならびに投資の成否を左右する諸条件について、早い段階から深く議論しています。 (b) 投資実行後投資後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件においては、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」がある他、全社投融資委員会のもとで業績改善の立案や実行をフォローする「重点フォローアップ制度」を設けています。更には、投資ポートフォリオの質の向上を目的とした新たなモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を2018年度に導入しました。主に定量的な指標をもとに投資先を評価し、「健全先」「ポテンシャル先」「撤退候補先」の三つに分類しています。投資ポートフォリオにおける立ち位置を確認の上、改めて事業性の強弱をレビューします。レビュー結果に従って、事業価値最大化につながる具体策を通じて成長戦略の一つである「既存事業のバリューアップ」を図る一方、成長余地の乏しい事業からの撤退も促しています。これらの施策は、「中期経営計画2020」にて掲げる「既存事業のバリューアップ」を促進するためのものです。また、同中期経営計画にて掲げる「ガバナンスの高度化」を目的とし、2018年度には、当社及び事業会社の対話によって事業会社における内部統制プロセスを強化するための「グループガバナンス高度化プロジェクト」を立ち上げ、事業会社における業務品質の向上に取り組んでいます。(注) 投資実行直後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画の策定に向けた経営インフラ構築・整備活動。 ② 大型案件に係るリスク(a) アンバトビー当社は、2005年、マダガスカル共和国にて、ニッケル採掘から精錬までを一貫して手掛ける同事業に参画しました。当社の100%子会社であるSummit Ambatovy Mineral Resources Investment B.V.(本社:オランダ本国アムステルダム)を通じて、マダガスカルにおけるニッケル採掘事業会社であるAmbatovy Minerals S.A.及びニッケル精錬事業会社であるDynatec Madagascar S.A.(本社:マダガスカル共和国アンタナナリボ、以下両社を称して「プロジェクト会社」)に各47.7%の出資を行い、Sherritt International Corporation(本社:カナダオンタリオ州、出資比率12%)、Korea Resources Corporation(本社:韓国江原道、出資比率40.3%)と共に事業を行っています。当社はプロジェクト会社への投資に対して持分法を適用しております。プロジェクト会社の有形固定資産に減損の兆候が認められ、かつ、減損テストの結果、回収可能価額が有形固定資産の帳簿価額を下回った場合には、当社において持分相当額を持分法投資損失として認識します。プロジェクト会社における有形固定資産の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方が採用され、その見積りには、プロジェクト会社の生産状況、将来の資源価格(主にニッケル及びコバルト等の長期予想価格)、可採埋蔵量、割引率、新型コロナウイルス感染拡大による操業停止の期間といった重要な仮定が使用されており、これらの仮定の変動により当社の業績に重要な影響を与えるリスクがあります。当連結会計年度においては、コバルトの長期予想価格の見通しの下落、プロジェクト会社における設備トラブルに起因する不安定な操業状況および新型コロナウイルス感染拡大による操業への影響を踏まえ有形固定資産の減損の兆候を認識し、減損テストを実施しております。その結果、処分コスト控除後の公正価値がプロジェクト会社における有形固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失を認識しておりません。なお、操業停止期間に関しては、回復時期が見通せない状況ではあるものの、半年を超えない範囲で操業停止が継続すると仮定を置いた上で生産計画の見直しを行っております。当連結会計年度末におけるプロジェクト会社に対する持分法投資の帳簿価額は約634億円となります。 (b) Fyffes当社は、2017年、アイルランド青果物生産・卸売企業Fyffes社の全株式を約900億円で取得しております。Fyffes社は欧州、米国、カナダ、中南米などにおいて、バナナ、パイナップル、メロンおよびマッシュルームを中心に青果物の生産や流通、販売を幅広く手掛けています。なお、当社の取得価額には超過収益力が含まれており、当連結会計年度においては、のれん及びその他無形資産の帳簿価額は約728億円となっております。Fyffes社ののれん及びその他の無形資産については、使用価値に基づき算定される回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、減損損失が認識されます。使用価値算定においては、販売数量・マージン・割引率等が重要な仮定として使用されており、これら仮定の変動により当社の業績に重要な影響を与えるリスクがあります。 ③ 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、石油、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと当社では、資源開発の知見に長けた人材からなる「資源・エネルギープロジェクト管理部」を立ち上げ、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。また、単一プロジェクトへの投資上限金額の設定や資源・エネルギーポートフォリオ中の生産未開始案件の割合を一定以下に保つ等のポートフォリオマネジメントを通じて、上記リスクの抑制に努めています。 (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品毎の枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、予めヘッジポリシーを定め、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件毎に保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国毎のエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応出来るよう、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とする情報セキュリティ委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、関連規程を整備した上で情報資産の適切な管理に努めています。また、「中期経営計画2020」にて掲げる「ガバナンスの高度化」を推進するため、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、従来の当社の「コンプライアンス指針」を踏まえ、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナーなどの継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」および、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員などのステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。また、世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業において経営資源を再生可能エネルギーなど、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする等の取り組みを進めています。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、事業部門、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、夫々の組織において内部統制を適切に構築する必要があります。然しながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為などのオペレーショナルリスクを、完全に防止することが出来る保証はありません。事務処理ミスや不正行為が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社では「中期経営計画2020」にて「ガバナンスの高度化」を掲げ、適切な内部統制の構築・グループガバナンスの高度化に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、「中期経営計画2020」にて掲げる「財務健全性の向上」を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積もりの変更や法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人材確保に関するリスク当社グループが事業を展開する地域・分野およびビジネスモデルは劇的に多様化しており、ビジネス環境は従来とは非連続に、そして相当なスピードで大きく変化しています。変革期の世界で勝ち抜いていくためには、人材戦略として、多様な価値観やアイデアを受け容れ、活かし、新たな「価値創造」につなげていくことが不可欠と考えています。当社グループでは、人材獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しており、加えて、「中期経営計画2020」では、経営基盤の強化施策として、「人材戦略の高度化」を掲げており、人材戦略の基本コンセプトは「Diversity & Inclusion~多様な力を競争力の源泉に~」とし、グローバル連結ベースでの「適時・適所・適材」の人材配置の徹底、戦略的な人材登用・育成や組織作り、それを支える文化や意識の醸成などに取り組んでいます。然しながら、予期せぬ要因等により、多様な人材の登用・育成が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、事業部門やビジネスラインへ配分するリスクアセット額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下の通りです。・インドネシア等当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。・資源・エネルギー上流案件については、エクスポージャー上限枠の設定並びに定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
FY2019|6,923 文字
2 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2019年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。(1) 期間損益変動のリスク当社の過去の各四半期、半期または通期の実績が、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものとは一概に言えません。当社の業績は過去において、以下に掲げる要因を含む多くの要因によって、四半期毎、半期及び年度毎に変動しており、今後も変動すると考えられます。① 当社の関与する市場における経済及びその他の状況の変化② 製品及びサービスの原価、販売価格、売上高、並びに提供する製品及びサービス構成の変化③ 顧客の需要、取引関係、取引先の業況、産業動向及びその他の要因の変化④ 戦略的事業投資の成功及び不成功⑤ 株式・不動産・その他の資産価格の変化及びそれらの売却・再評価⑥ 金利・為替等の金融市場及び商品市場の動向⑦ 当社の顧客の信用力の変化従って、当社の過去の実績の比較は、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものではありません。(2) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク当社は、グローバルなリーディングカンパニーを目指し、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、中期経営計画を策定しています。中期経営計画では、一定の定量目標及び定性目標を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおり、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等に基づき策定されております。しかしながら必要な情報を全て収集できるとは限らないこと等から、事業環境の変化その他様々な要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性もあります。また、当社は経営計画において、「リスクアセット」と「リスク・リターン」という「各事業が抱えるリスクに対する収益性」を把握する当社独自の指標を使用しております。これらは一定の統計的な前提、見積りや仮定を含む概念であり、財務諸表より算出された評価指標とも異なるため、必ずしも全ての投資家にとって有用な指標である訳ではありません。(3) 事業環境が変化するリスク当社は、日本を含む60か国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開しており、日本及び海外の幅広い産業分野において、様々な商業活動その他の取引を行っているため、日本の一般景気動向の影響のみならず、関係各国の経済状況や世界経済全体の影響も受けます。当社が事業を展開する諸外国の一部においては、デフレーションや通貨価値の下落、流動性の危機に直面しているところ、或いはそうした事態が将来発生する懸念のあるところがあります。さらに、当社の事業展開上重要な諸外国は、テロ攻撃の可能性や政情不安等の懸念があり、このような事態が発生した場合には経済情勢に変化が出てくる可能性があります。従って、当社の事業展開上重要な地域における上記を含む経済情勢などの事業環境の変化が、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(4) 競争関係に伴うリスク当社が事業を遂行する市場は、熾烈な競合状況にあります。当社は、日本の他の総合商社のみならず、当該各事業に特化した国内外の企業とも競合しています。これらの競合他社が、財務、技術、マーケティング、販売網、情報、人材、取引先との強固な関係等の面で当社より優位にある、もしくは、日本の他の総合商社が当社と同様の戦略的経営計画を策定、実行することにより、当社がそれらの総合商社との差別化を図ることが困難となる可能性もあります。このような熾烈な競合状況下において、当社が、以下に掲げる事項を行うことができない場合には、当社の事業展開にとって障害となる可能性があります。① 市場動向を予測し、当該市場動向に対処することによって、顧客の変化するニーズに適時に応じること② 販売先及び仕入先との関係を維持すること③ 関係会社及び提携先との関係及び全世界的な地域ネットワークを維持すること④ 当社の事業計画を遂行するために必要な資金を適切な条件で調達すること⑤ 価格競争力を維持するために、常時変転している市場動向に合わせて、当社の原価構造を適時に調整すること (5) 取引先の信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。これら取引先には当社の投資先企業が含まれており、この場合には、信用リスクに加えて投資リスクが存在します。また、当社は、主としてヘッジを目的とするスワップ等のデリバティブも行っており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。これら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の事業及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しております。しかしながら、こうした管理によりリスクを十分に回避できる保証はありません。また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合や当社の前提、見積りまたは評価の基礎を成したその他の要素が変化する場合あるいはその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、実際に発生する損失が貸倒引当金を大きく超過する可能性があります。(6) 投資等に係るリスク当社は、戦略上の理由や事業機会の拡大を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、今後も行い続ける予定です。また、当社は、こうした投資先に対して、掛売り、貸付、保証等の信用供与を行う場合もあります。さらに、このような事業投資は多額の資本の裏付けを必要とするため、追加的な資金拠出を必要とする場合があります。当社はこれらの投資から期待通りの成果を上げられない可能性があり、また事業投資の多くは流動性が低いこと等の理由により、当社が望む時期もしくは方法により投資を回収できない場合があります。当社は、当社外の他社とパートナーシップやジョイント・ベンチャーを設立したり戦略的なビジネス・アライアンスを組むことがあります。投資先の会社の経営や資産を当社が直接コントロールすることや、当該投資先に関わる重要な意思決定を当社自身が行うことは、他の株主やパートナーの同意がない限りできないか、または全くできない場合があります。このような場合や当該他社との戦略的アライアンス等を継続できない場合等においては、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社は、投資案件の実施にあたっては、原則として、案件毎の事業リスクを反映した投資基準をクリアーできることを条件付けています。加えて、全社的に大きなインパクトのある大型案件や重要案件については、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、コーポレート部門メンバーを加えた各事業部門の投融資委員会及び全社投融資委員会を開催し、専門的見地から案件のリスク分析と取り進めの可否を検討することによって、適切に牽制を行っています。また、投資実施後においては事業計画との対比で業績を評価するなどのモニタリングを行い、投資リスクの管理に努めています。(7) 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社が各国で展開する鉱物資源、石油、ガス等の開発事業においては、以下に例示するような事項が起こるリスクがあり、これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。① 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること② 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が 変動すること③ 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること④ 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事 由に起因して計画が実現しないこと (8) 金利、外国為替、及び商品市況の変動について当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、様々なデリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。当社は、世界の商品市場における参加者として、鉱物、金属、化学品、エネルギー及び農産物といった様々な商品の取引を行っているため、関連する商品価格の変動の影響を受ける可能性があります。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めていますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。(9) 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(11) 退職給付債務に関するリスク国内外の株式市場が今後低迷した場合等に、当社の年金資産の価値が減少し、追加的な年金資産の積み増しを要する等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(12) リスク・エクスポージャーの集中リスク当社の事業や投資活動の一部において、特定の市場、投資先または地域に対する集中度が高くなっているものがあります。そのため、これらの事業や投資活動から当社が期待した通りの成果が得られない場合、または、これらの市場もしくは地域における経済環境が悪化した場合には、当社の事業及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。例えば、インドネシアにおいては、大型発電事業、自動車金融事業、液化天然ガス(LNG)プロジェクト等、様々な事業を展開しており、リスク・エクスポージャーが集中しております。(13) 資金の流動性に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(14) 法的規制に係るリスク当社の事業は、日本及び諸外国において、様々な分野にわたる広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、関税及びその他の租税、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、独占禁止、不公正取引規制、為替管理、販売代理店保護、消費者保護、環境保護等の分野にわたります。当社が事業を行う国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に服する可能性があり、また、比較的最近に法整備がなされた新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない解釈並びに規制当局、司法機関及び行政機関の規制実務の変更によって、当社の法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。当社が現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰則及び罰金が科せられるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。(15) 訴訟等に関するリスク当社は、現在、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性に鑑み、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 (16) 役職員の法令及び社内規程の遵守違反及び情報セキュリティに係るリスク当社は、多種多様な事業活動を様々な地域で行っており、またその規模自体も大きいため、日々の事業活動に対する管理は必然的に分散化する傾向にあります。そのため、当社は、法令及び社内規程の遵守を役職員に対し徹底するため、広範囲にわたる内部統制及び経営陣による監視を行っておりますが、役職員の不正及び不法行為を、完全に防止することができる保証はありません。役職員が不正及び不法行為を行った場合、当社は、事業活動上の制約、財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける他、訴訟等のリスクに晒される可能性があります。当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。(17) 個々の事業分野または地域に固有のリスクの存在と当社のリスク管理システムについて当社は、事業部門及び国内外の地域組織を通じて、広範かつ多様な事業を営むとともに、新しい分野に事業を拡大しています。従って、当社には、総合商社として直面する全体的リスク及び不確実性に加え、個々の事業分野または地域に固有のリスクが存在します。当社のリスク管理システムは、多種多様なリスクに対応すべく、リスク計測手法、情報システムから社内規程及び組織構成に至るまで、様々な要素により構成されておりますが、各種リスクに対して十分に機能し得ない可能性があります。また、新しい事業活動、製品、サービスに関するリスクについては、全く経験がないかあるいは限定的な経験しか有しない可能性があります。このような場合には、新しい事業活動、製品、サービスには、より複雑なリスク管理システムの導入や人的資源等の経営資源の投入が必要となる可能性があり、さらに人的資源等の経営資源が不足している場合には、事業運営に対する制約につながる可能性があります。(18) 自然災害等のリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
FY2018|6,988 文字
2 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2018年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。(1) 期間損益変動のリスク当社の過去の各四半期、半期または通期の実績が、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものとは一概に言えません。当社の業績は過去において、以下に掲げる要因を含む多くの要因によって、四半期毎、半期及び年度毎に変動しており、今後も変動すると考えられます。① 当社の関与する市場における経済及びその他の状況の変化② 製品及びサービスの原価、販売価格、売上高、並びに提供する製品及びサービス構成の変化③ 顧客の需要、取引関係、取引先の業況、産業動向及びその他の要因の変化④ 戦略的事業投資の成功及び不成功⑤ 株式・不動産・その他の資産価格の変化及びそれらの売却・再評価⑥ 金利・為替等の金融市場及び商品市場の動向⑦ 当社の顧客の信用力の変化従って、当社の過去の実績の比較は、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものではありません。(2) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク当社は、グローバルなリーディングカンパニーを目指し、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、中期経営計画を策定しています。中期経営計画では、一定の定量目標及び定性目標を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおり、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等に基づき策定されております。しかしながら必要な情報を全て収集できるとは限らないこと等から、事業環境の変化その他様々な要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性もあります。また、当社は経営計画において、「リスクアセット」と「リスク・リターン」という「各事業が抱えるリスクに対する収益性」を把握する当社独自の指標を使用しております。これらは一定の統計的な前提、見積りや仮定を含む概念であり、財務諸表より算出された評価指標とも異なるため、必ずしも全ての投資家にとって有用な指標である訳ではありません。(3) 事業環境が変化するリスク当社は、日本を含む60か国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開しており、日本及び海外の幅広い産業分野において、様々な商業活動その他の取引を行っているため、日本の一般景気動向の影響のみならず、関係各国の経済状況や世界経済全体の影響も受けます。当社が事業を展開する諸外国の一部においては、デフレーションや通貨価値の下落、流動性の危機に直面しているところ、或いはそうした事態が将来発生する懸念のあるところがあります。さらに、当社の事業展開上重要な諸外国は、テロ攻撃の可能性や政情不安等の懸念があり、このような事態が発生した場合には経済情勢に変化が出てくる可能性があります。従って、当社の事業展開上重要な地域における上記を含む経済情勢などの事業環境の変化が、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(4) 競争関係に伴うリスク当社が事業を遂行する市場は、熾烈な競合状況にあります。当社は、日本の他の総合商社のみならず、当該各事業に特化した国内外の企業とも競合しています。これらの競合他社が、財務、技術、マーケティング、販売網、情報、人材、取引先との強固な関係等の面で当社より優位にある、もしくは、日本の他の総合商社が当社と同様の戦略的経営計画を策定、実行することにより、当社がそれらの総合商社との差別化を図ることが困難となる可能性もあります。このような熾烈な競合状況下において、当社が、以下に掲げる事項を行うことができない場合には、当社の事業展開にとって障害となる可能性があります。① 市場動向を予測し、当該市場動向に対処することによって、顧客の変化するニーズに適時に応じること② 販売先及び仕入先との関係を維持すること③ 関係会社及び提携先との関係及び全世界的な地域ネットワークを維持すること④ 当社の事業計画を遂行するために必要な資金を適切な条件で調達すること⑤ 価格競争力を維持するために、常時変転している市場動向に合わせて、当社の原価構造を適時に調整すること (5) 取引先の信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。これら取引先には当社の投資先企業が含まれており、この場合には、信用リスクに加えて投資リスクが存在します。また、当社は、主としてヘッジを目的とするスワップ等のデリバティブも行っており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。これら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の事業及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しております。しかしながら、こうした管理によりリスクを十分に回避できる保証はありません。また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合や当社の前提、見積りまたは評価の基礎を成したその他の要素が変化する場合あるいはその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、実際に発生する損失が貸倒引当金を大きく超過する可能性があります。(6) 投資等に係るリスク当社は、戦略上の理由や事業機会の拡大を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、今後も行い続ける予定です。また、当社は、こうした投資先に対して、掛売り、貸付、保証等の信用供与を行う場合もあります。さらに、このような事業投資は多額の資本の裏付けを必要とするため、追加的な資金拠出を必要とする場合があります。当社はこれらの投資から期待通りの成果を上げられない可能性があり、また事業投資の多くは流動性が低いこと等の理由により、当社が望む時期もしくは方法により投資を回収できない場合があります。当社は、当社外の他社とパートナーシップやジョイント・ベンチャーを設立したり戦略的なビジネス・アライアンスを組むことがあります。投資先の会社の経営や資産を当社が直接コントロールすることや、当該投資先に関わる重要な意思決定を当社自身が行うことは、他の株主やパートナーの同意がない限りできないか、または全くできない場合があります。このような場合や当該他社との戦略的アライアンス等を継続できない場合等においては、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社は、投資案件の実施にあたっては、原則として、案件毎の事業リスクを反映した投資基準をクリアーできることを条件付けています。加えて、全社的に大きなインパクトのある大型案件や重要案件については、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、コーポレート部門メンバーを加えた各事業部門の投融資委員会及び全社投融資委員会を開催し、専門的見地から案件のリスク分析と取り進めの可否を検討することによって、適切に牽制を行っています。また、投資実施後においては事業計画との対比で業績を評価するなどのモニタリングを行い、投資リスクの管理に努めています。(7) 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社が各国で展開する鉱物資源、石油、ガス等の開発事業においては、以下に例示するような事項が起こるリスクがあり、これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。① 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること② 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が 変動すること③ 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること④ 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事 由に起因して計画が実現しないこと (8) 金利、外国為替、及び商品市況の変動について当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。そのような例として、当社が複数の子会社等を通じて日本その他の地域で展開する、自動車金融事業やリース事業が挙げられます。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、様々なデリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。当社は、世界の商品市場における参加者として、鉱物、金属、化学品、エネルギー及び農産物といった様々な商品の取引を行っているため、関連する商品価格の変動の影響を受ける可能性があります。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めていますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。(9) 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(11) 退職給付債務に関するリスク国内外の株式市場が今後低迷した場合等に、当社の年金資産の価値が減少し、追加的な年金資産の積み増しを要する等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(12) リスク・エクスポージャーの集中リスク当社の事業や投資活動の一部において、特定の市場、投資先または地域に対する集中度が高くなっているものがあります。そのため、これらの事業や投資活動から当社が期待した通りの成果が得られない場合、または、これらの市場もしくは地域における経済環境が悪化した場合には、当社の事業及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。例えば、インドネシアにおいては、大型発電事業、自動車金融事業、液化天然ガス(LNG)プロジェクト等、様々な事業を展開しており、リスク・エクスポージャーが集中しております。(13) 資金の流動性に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(14) 法的規制に係るリスク当社の事業は、日本及び諸外国において、様々な分野にわたる広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、関税及びその他の租税、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、独占禁止、不公正取引規制、為替管理、販売代理店保護、消費者保護、環境保護等の分野にわたります。当社が事業を行う国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に服する可能性があり、また、比較的最近に法整備がなされた新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない解釈並びに規制当局、司法機関及び行政機関の規制実務の変更によって、当社の法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。当社が現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰則及び罰金が科せられるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。(15) 訴訟等に関するリスク当社は、現在、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性に鑑み、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 (16) 役職員の法令及び社内規程の遵守違反及び情報通信システムの管理に係るリスク当社は、多種多様な事業活動を様々な地域で行っており、またその規模自体も大きいため、日々の事業活動に対する管理は必然的に分散化する傾向にあります。そのため、当社は、法令及び社内規程の遵守を役職員に対し徹底するため、広範囲にわたる内部統制及び経営陣による監視を行っておりますが、役職員の不正及び不法行為を、完全に防止することができる保証はありません。役職員が不正及び不法行為を行った場合、当社は、事業活動上の制約、財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける他、訴訟等のリスクに晒される可能性があります。当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。(17) 個々の事業分野または地域に固有のリスクの存在と当社のリスク管理システムについて当社は、事業部門及び国内外の地域組織を通じて、広範かつ多様な事業を営むとともに、新しい分野に事業を拡大しています。従って、当社には、総合商社として直面する全体的リスク及び不確実性に加え、個々の事業分野または地域に固有のリスクが存在します。当社のリスク管理システムは、多種多様なリスクに対応すべく、リスク計測手法、情報通信システムから社内規程及び組織構成に至るまで、様々な要素により構成されておりますが、各種リスクに対して十分に機能し得ない可能性があります。また、新しい事業活動、製品、サービスに関するリスクについては、全く経験がないかあるいは限定的な経験しか有しない可能性があります。このような場合には、新しい事業活動、製品、サービスには、より複雑なリスク管理システムの導入や人的資源等の経営資源の投入が必要となる可能性があり、さらに人的資源等の経営資源が不足している場合には、事業運営に対する制約につながる可能性があります。(18) 自然災害等のリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
FY2017|6,812 文字
4 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2017年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。(1) 期間損益変動のリスク当社の過去の各四半期、半期または通期の実績が、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものとは一概に言えません。当社の業績は過去において、以下に掲げる要因を含む多くの要因によって、四半期毎、半期及び年度毎に変動しており、今後も変動すると考えられます。① 当社の関与する市場における経済及びその他の状況の変化② 製品及びサービスの原価、販売価格、売上高、並びに提供する製品及びサービス構成の変化③ 顧客の需要、取引関係、取引先の業況、産業動向及びその他の要因の変化④ 戦略的事業投資の成功及び不成功⑤ 株式・不動産・その他の資産価格の変化及びそれらの売却・再評価⑥ 金利・為替等の金融市場及び商品市場の動向⑦ 当社の顧客の信用力の変化従って、当社の過去の実績の比較は、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものではありません。(2) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク当社は、グローバルなリーディングカンパニーを目指し、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、中期経営計画を策定しています。中期経営計画では、一定の定量目標及び定性目標を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおり、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等に基づき策定されております。しかしながら必要な情報を全て収集できるとは限らないこと等から、事業環境の変化その他様々な要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性もあります。また、当社は経営計画において、「リスクアセット」と「リスク・リターン」という「各事業が抱えるリスクに対する収益性」を把握する当社独自の指標を使用しております。これらは一定の統計的な前提、見積りや仮定を含む概念であり、財務諸表より算出された評価指標とも異なるため、必ずしも全ての投資家にとって有用な指標である訳ではありません。(3) 事業環境が変化するリスク当社は、日本を含む60か国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開しており、日本及び海外の幅広い産業分野において、様々な商業活動その他の取引を行っているため、日本の一般景気動向の影響のみならず、関係各国の経済状況や世界経済全体の影響も受けます。当社が事業を展開する諸外国の一部においては、デフレーションや通貨価値の下落、流動性の危機に直面しているところ、或いはそうした事態が将来発生する懸念のあるところがあります。さらに、当社の事業展開上重要な諸外国は、テロ攻撃の可能性や政情不安等の懸念があり、このような事態が発生した場合には経済情勢に変化が出てくる可能性があります。従って、当社の事業展開上重要な地域における上記を含む経済情勢などの事業環境の変化が、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(4) 競争関係に伴うリスク当社が事業を遂行する市場は、熾烈な競合状況にあります。当社は、日本の他の総合商社のみならず、当該各事業に特化した国内外の企業とも競合しています。これらの競合他社が、財務、技術、マーケティング、販売網、情報、人材、取引先との強固な関係等の面で当社より優位にある、もしくは、日本の他の総合商社が当社と同様の戦略的経営計画を策定、実行することにより、当社がそれらの総合商社との差別化を図ることが困難となる可能性もあります。このような熾烈な競合状況下において、当社が、以下に掲げる事項を行うことができない場合には、当社の事業展開にとって障害となる可能性があります。① 市場動向を予測し、当該市場動向に対処することによって、顧客の変化するニーズに適時に応じること② 販売先及び仕入先との関係を維持すること③ 関係会社及び提携先との関係及び全世界的な地域ネットワークを維持すること④ 当社の事業計画を遂行するために必要な資金を適切な条件で調達すること⑤ 価格競争力を維持するために、常時変転している市場動向に合わせて、当社の原価構造を適時に調整すること(5) 取引先の信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。これら取引先には当社の投資先企業が含まれており、この場合には、信用リスクに加えて投資リスクが存在します。また、当社は、主としてヘッジを目的とするスワップ等のデリバティブも行っており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。これら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の事業及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しております。しかしながら、こうした管理によりリスクを十分に回避できる保証はありません。また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合や当社の前提、見積りまたは評価の基礎を成したその他の要素が変化する場合あるいはその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、実際に発生する損失が貸倒引当金を大きく超過する可能性があります。(6) 投資等に係るリスク当社は、戦略上の理由や事業機会の拡大を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、今後も行い続ける予定です。また、当社は、こうした投資先に対して、掛売り、貸付、保証等の信用供与を行う場合もあります。さらに、このような事業投資は多額の資本の裏付けを必要とするため、追加的な資金拠出を必要とする場合があります。当社はこれらの投資から期待通りの成果を上げられない可能性があり、また事業投資の多くは流動性が低いこと等の理由により、当社が望む時期もしくは方法により投資を回収できない場合があります。当社は、当社外の他社とパートナーシップやジョイント・ベンチャーを設立したり戦略的なビジネス・アライアンスを組むことがあります。投資先の会社の経営や資産を当社が直接コントロールすることや、当該投資先に関わる重要な意思決定を当社自身が行うことは、他の株主やパートナーの同意がない限りできないか、または全くできない場合があります。このような場合や当該他社との戦略的アライアンス等を継続できない場合等においては、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社は、投資案件の実施にあたっては、原則として、案件毎の事業リスクを反映した投資基準をクリアーできることを条件付けています。加えて、全社的に大きなインパクトのある大型案件や重要案件については、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、コーポレート部門メンバーを加えた各事業部門の投融資委員会及び全社投融資委員会を開催し、専門的見地から案件のリスク分析と取り進めの可否を検討することによって、適切に牽制を行っています。また、投資実施後においては事業計画との対比で業績を評価するなどのモニタリングを行い、投資リスクの管理に努めています。(7) 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社が各国で展開する鉱物資源、石油、ガス等の開発事業においては、以下に例示するような事項が起こるリスクがあり、これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。① 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること② 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が 変動すること③ 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること④ 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事 由に起因して計画が実現しないこと (8) 金利、外国為替、及び商品市況の変動について当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。そのような例として、当社が複数の子会社等を通じて日本その他の地域で展開する、自動車金融事業やリース事業が挙げられます。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、様々なデリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。当社は、世界の商品市場における参加者として、鉱物、金属、化学品、エネルギー及び農産物といった様々な商品の取引を行っているため、関連する商品価格の変動の影響を受ける可能性があります。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めていますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。(9) 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(11) 退職給付債務に関するリスク国内外の株式市場が今後低迷した場合等に、当社の年金資産の価値が減少し、追加的な年金資産の積み増しを要する等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(12) リスク・エクスポージャーの集中リスク当社の事業や投資活動の一部において、特定の市場、投資先または地域に対する集中度が高くなっているものがあります。そのため、これらの事業や投資活動から当社が期待した通りの成果が得られない場合、または、これらの市場もしくは地域における経済環境が悪化した場合には、当社の事業及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。例えば、インドネシアにおいては、大型発電事業、自動車金融事業、液化天然ガス(LNG)プロジェクト等、様々な事業を展開しており、リスク・エクスポージャーが集中しております。(13) 資金の流動性に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(14) 法的規制に係るリスク当社の事業は、日本及び諸外国において、様々な分野にわたる広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、関税及びその他の租税、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、独占禁止、不公正取引規制、為替管理、販売代理店保護、消費者保護、環境保護等の分野にわたります。当社が事業を行う国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に服する可能性があり、また、比較的最近に法整備がなされた新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない解釈並びに規制当局、司法機関及び行政機関の規制実務の変更によって、当社の法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。当社が現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰則及び罰金が科せられるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。(15) 訴訟等に関するリスク当社は、現在、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟固有の不確実性に鑑み、現時点において、当社の関わる訴訟の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟による悪影響を受けないという保証はありません。(16) 役職員の法令及び社内規程の遵守違反及び情報通信システムの管理に係るリスク当社は、多種多様な事業活動を様々な地域で行っており、またその規模自体も大きいため、日々の事業活動に対する管理は必然的に分散化する傾向にあります。そのため、当社は、法令及び社内規程の遵守を役職員に対し徹底するため、広範囲にわたる内部統制及び経営陣による監視を行っておりますが、役職員の不正及び不法行為を、完全に防止することができる保証はありません。役職員が不正及び不法行為を行った場合、当社は、事業活動上の制約、財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける他、訴訟等のリスクに晒される可能性があります。当社は、事業活動の多くを情報通信システムの機能に依存しています。このため、情報通信システムの機能不全、外部からのサイバー攻撃等は、グローバルな規模で事業活動を妨げる可能性があります。(17) 個々の事業分野または地域に固有のリスクの存在と当社のリスク管理システムについて当社は、事業部門及び国内外の地域組織を通じて、広範かつ多様な事業を営むとともに、新しい分野に事業を拡大しています。従って、当社には、総合商社として直面する全体的リスク及び不確実性に加え、個々の事業分野または地域に固有のリスクが存在します。当社のリスク管理システムは、多種多様なリスクに対応すべく、リスク計測手法、情報通信システムから社内規程及び組織構成に至るまで、様々な要素により構成されておりますが、各種リスクに対して十分に機能し得ない可能性があります。また、新しい事業活動、製品、サービスに関するリスクについては、全く経験がないかあるいは限定的な経験しか有しない可能性があります。このような場合には、新しい事業活動、製品、サービスには、より複雑なリスク管理システムの導入や人的資源等の経営資源の投入が必要となる可能性があり、さらに人的資源等の経営資源が不足している場合には、事業運営に対する制約につながる可能性があります。(18) 自然災害等のリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
FY2016|6,779 文字
4 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2016年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。(1) 期間損益変動のリスク当社の過去の各四半期、半期または通期の実績が、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものとは一概に言えません。当社の業績は過去において、以下に掲げる要因を含む多くの要因によって、四半期毎、半期及び年度毎に変動しており、今後も変動すると考えられます。① 当社の関与する市場における経済及びその他の状況の変化② 製品及びサービスの原価、販売価格、売上高、並びに提供する製品及びサービス構成の変化③ 顧客の需要、取引関係、取引先の業況、産業動向及びその他の要因の変化④ 戦略的事業投資の成功及び不成功⑤ 株式・不動産・その他の資産価格の変化及びそれらの売却・再評価⑥ 金利・為替等の金融市場及び商品市場の動向⑦ 当社の顧客の信用力の変化従って、当社の過去の実績の比較は、将来の業績の傾向を直接間接に示唆するものではありません。(2) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク当社は、グローバルなリーディングカンパニーを目指し、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、中期経営計画を策定しています。中期経営計画では、一定の定量目標及び定性目標を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおり、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等に基づき策定されております。しかしながら必要な情報を全て収集できるとは限らないこと等から、事業環境の変化その他様々な要因により目標を達成できない可能性もあります。また、当社は経営計画において、「リスクアセット」と「リスク・リターン」という「各事業が抱えるリスクに対する収益性」を把握する当社独自の指標を使用しております。これらは一定の統計的な前提、見積りや仮定を含む概念であり、財務諸表より算出された評価指標とも異なるため、必ずしも全ての投資家にとって有用な指標である訳ではありません。(3) 事業環境が変化するリスク当社は、日本を含む60か国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開しており、日本及び海外の幅広い産業分野において、様々な商業活動その他の取引を行っているため、日本の一般景気動向の影響のみならず、関係各国の経済状況や世界経済全体の影響も受けます。当社が事業を展開する諸外国の一部においては、デフレーションや通貨価値の下落、流動性の危機に直面しているところ、或いはそうした事態が将来発生する懸念のあるところがあります。さらに、当社の事業展開上重要な諸外国は、テロ攻撃の可能性や政情不安等の懸念があり、このような事態が発生した場合には経済情勢に変化が出てくる可能性があります。従って、当社の事業展開上重要な地域における上記を含む経済情勢などの事業環境の変化が、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(4) 競争関係に伴うリスク当社が事業を遂行する市場は、熾烈な競合状況にあります。当社は、日本の他の総合商社のみならず、当該各事業に特化した国内外の企業とも競合しています。これらの競合他社が、財務、技術、マーケティング、販売網、情報、人材、取引先との強固な関係等の面で当社より優位にある、もしくは、日本の他の総合商社が当社と同様の戦略的経営計画を策定、実行することにより、当社がそれらの総合商社との差別化を図ることが困難となる可能性もあります。このような熾烈な競合状況下において、当社が、以下に掲げる事項を行うことができない場合には、当社の事業展開にとって障害となる可能性があります。① 市場動向を予測し、当該市場動向に対処することによって、顧客の変化するニーズに適時に応じること② 販売先及び仕入先との関係を維持すること③ 関係会社及び提携先との関係及び全世界的な地域ネットワークを維持すること④ 当社の事業計画を遂行するために必要な資金を適切な条件で調達すること⑤ 価格競争力を維持するために、常時変転している市場動向に合わせて、当社の原価構造を適時に調整すること(5) 取引先の信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。これら取引先には当社の投資先企業が含まれており、この場合には、信用リスクに加えて投資リスクが存在します。また、当社は、主としてヘッジを目的とするスワップ等のデリバティブも行っており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。これら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の事業及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定しております。しかしながら、こうした管理によりリスクを十分に回避できる保証はありません。また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合や当社の前提、見積りまたは評価の基礎を成したその他の要素が変化する場合あるいはその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、実際に発生する損失が貸倒引当金を大きく超過する可能性があります。(6) 投資等に係るリスク当社は、戦略上の理由や事業機会の拡大を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、今後も行い続ける予定です。また、当社は、こうした投資先に対して、掛売り、貸付、保証等の信用供与を行う場合もあります。さらに、このような事業投資は多額の資本の裏付けを必要とするため、追加的な資金拠出を必要とする場合があります。当社はこれらの投資から期待通りの成果を上げられない可能性があり、また事業投資の多くは流動性が低いこと等の理由により、当社が望む時期もしくは方法により投資を回収できない場合があります。当社は、当社外の他社とパートナーシップやジョイント・ベンチャーを設立したり戦略的なビジネス・アライアンスを組むことがあります。投資先の会社の経営や資産を当社が直接コントロールすることや、当該投資先に関わる重要な意思決定を当社自身が行うことは、他の株主やパートナーの同意がない限りできないか、または全くできない場合があります。このような場合や当該他社との戦略的アライアンス等を継続できない場合等においては、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクを出来る限り抑えるために、当社は、投資案件の実施にあたっては、原則として、案件毎の事業リスクを反映した投資基準をクリアーできることを条件付けています。加えて、全社的に大きなインパクトのある大型案件や重要案件については、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、コーポレート部門メンバーを加えた各事業部門の投融資委員会及び全社投融資委員会を開催し、専門的見地から案件のリスク分析と取り進めの可否を検討することによって、適切に牽制を行っています。また、投資実施後においては事業計画との対比で業績を評価するなどのモニタリングを行い、投資リスクの管理に努めています。(7) 鉱物資源、石油、ガス開発・生産事業に係るリスク当社が各国で展開する鉱物資源、石油、ガス等の開発事業においては、以下に例示するような事項が起こるリスクがあり、これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。① 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること② 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が 変動すること③ 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること④ 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害など、事業所在国の政府にかかわる事 由に起因して計画が実現しないこと (8) 金利、外国為替、及び商品市況の変動について当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。そのような例として、当社が複数の子会社等を通じて日本その他の地域で展開する、自動車金融事業やリース事業が挙げられます。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、様々なデリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。当社は、世界の商品市場における参加者として、鉱物、金属、化学品、エネルギー及び農産物といった様々な商品の取引を行っているため、関連する商品価格の変動の影響を受ける可能性があります。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めていますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。(9) 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産の他、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。(11) 退職給付債務に関するリスク国内外の株式市場が今後低迷した場合等に、当社の年金資産の価値が減少し、追加的な年金資産の積み増しを要する等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(12) リスク・エクスポージャーの集中リスク当社の事業や投資活動の一部において、特定の市場、投資先または地域に対する集中度が高くなっているものがあります。そのため、これらの事業や投資活動から当社が期待した通りの成果が得られない場合、または、これらの市場もしくは地域における経済環境が悪化した場合には、当社の事業及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。例えば、インドネシアにおいては、大型銅・金鉱山プロジェクト、大型発電事業、自動車金融事業、液化天然ガス(LNG)プロジェクト等、様々な事業を展開しており、リスク・エクスポージャーが集中しております。(13) 資金の流動性に係るリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(14) 法的規制に係るリスク当社の事業は、日本及び諸外国において、様々な分野にわたる広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、関税及びその他の租税、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、独占禁止、不公正取引規制、為替管理、販売代理店保護、消費者保護、環境保護等の分野にわたります。当社が事業を行う国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に服する可能性があり、また、比較的最近に法整備がなされた新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない解釈並びに規制当局、司法機関及び行政機関の規制実務の変更によって、当社の法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。当社が現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰則及び罰金が科せられるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。(15) 訴訟等に関するリスク当社は、現在、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟固有の不確実性に鑑み、現時点において、当社の関わる訴訟の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟で当社が勝訴するという保証や将来においてそれらの訴訟による悪影響を受けないという保証はありません。(16) 役職員の法令及び社内規程の遵守違反及び情報通信システムの管理に係るリスク当社は、多種多様な事業活動を様々な地域で行っており、またその規模自体も大きいため、日々の事業活動に対する管理は必然的に分散化する傾向にあります。そのため、当社は、法令及び社内規程の遵守を役職員に対し徹底するため、広範囲にわたる内部統制及び経営陣による監視を行っておりますが、役職員の不正及び不法行為を、完全に防止することができる保証はありません。役職員が不正及び不法行為を行った場合、当社は、事業活動上の制約、財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける他、訴訟等のリスクに晒される可能性があります。当社は、事業活動の多くを情報通信システムの機能に依存しています。このため、情報通信システムの機能不全等は、グローバルな規模で事業活動を妨げる可能性があります。(17) 個々の事業分野または地域に固有のリスクの存在と当社のリスク管理システムについて当社は、事業部門及び国内外の地域組織を通じて、広範かつ多様な事業を営むとともに、新しい分野に事業を拡大しています。従って、当社には、総合商社として直面する全体的リスク及び不確実性に加え、個々の事業分野または地域に固有のリスクが存在します。当社のリスク管理システムは、多種多様なリスクに対応すべく、リスク計測手法、情報通信システムから社内規程及び組織構成に至るまで、様々な要素により構成されておりますが、各種リスクに対して十分に機能し得ない可能性があります。また、新しい事業活動、製品、サービスに関するリスクについては、全く経験がないかあるいは限定的な経験しか有しない可能性があります。このような場合には、新しい事業活動、製品、サービスには、より複雑なリスク管理システムの導入や人的資源等の経営資源の投入が必要となる可能性があり、さらに人的資源等の経営資源が不足している場合には、事業運営に対する制約につながる可能性があります。(18) 自然災害等のリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水などの自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、防災訓練及び建物の耐震化などの対策を講じておりますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。