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ピジョン(7956)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他製品 情報通信・サービスその他

事業の概要

ピジョンは、育児用品(哺乳瓶、おむつなど)や介護用品の製造・仕入れ・販売を主な事業とする企業グループです。日本国内だけでなく、中国、シンガポール、トルコ(ランシノ事業)など、グローバルに事業を展開しています。特に育児用品が主力で、製造から販売までを一貫して手掛けることで収益を上げています。また、子育て支援として保育・託児・幼児教育事業も行っています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ピジョンの事業セグメントは、主に地域と事業内容で構成されています。日本事業は、育児・女性向け用品とヘルスケア・介護用品の製造販売、および子育て支援(保育など)を行います。中国事業は、育児・女性向け用品の製造販売が中心で、売上・営業利益ともに最も大きく、グループの稼ぎ頭です。シンガポール事業は、アジアを中心とした育児・女性向け用品の製造販売を担い、ランシノ事業は、トルコを拠点に育児・女性向け用品を製造販売しています。全体として海外比率が高く、特に中国市場が収益の柱となっています。

2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
JapanReportableSegment 地域 364 26 7.1%
ChinaReportableSegment 地域 411 105 25.5%
SingaporeReportableSegment 事業 98 21 21.6%
LansinohReportableSegment 事業 219 15 6.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,438 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、ピジョン株式会社(当社)、子会社26社で構成されており、事業内容は、育児用品や介護用品の製造、仕入、販売を主に行っております。事業内容及び当社と主要な関係会社の当該事業に係る位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の4事業は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (日本事業)育児及び女性向け用品関連では、子会社であるピジョンホームプロダクツ株式会社、ピジョンマニュファクチャリング兵庫株式会社、ピジョンマニュファクチャリング茨城株式会社、PIGEON INDUSTRIES (THAILAND) CO.,LTD.、THAI PIGEON CO.,LTD.、PIGEON MANUFACTURING (SHANGHAI) CO.,LTD.等で製造した商品を当社が他の仕入商品とともに販売しております。なお、上記のうち国内製造会社において、一部独自の販売を行っております。子育て支援関連では、子会社であるピジョンハーツ株式会社が保育、託児、幼児教育事業を行っております。ヘルスケア・介護関連では、ピジョンホームプロダクツ株式会社、ピジョンマニュファクチャリング兵庫株式会社、ピジョンマニュファクチャリング茨城株式会社で製造した介護用品を当社及び子会社であるピジョンタヒラ株式会社が他の仕入商品とともに販売を行っております。 (中国事業)子会社であるPIGEON MANUFACTURING (SHANGHAI) CO.,LTD.、PIGEON INDUSTRIES (CHANGZHOU) CO.,LTD.、PIGEON INDUSTRIES (THAILAND) CO.,LTD.、THAI PIGEON CO.,LTD.等で製造した育児及び女性向け用品を子会社であるPIGEON (SHANGHAI) CO.LTD.、DOUBLEHEART CO.LTD.等が他の仕入商品とともに販売しております。 (シンガポール事業)子会社であるPIGEON INDUSTRIES (THAILAND) CO.,LTD.、THAI PIGEON CO.,LTD.、PIGEON MANUFACTURING (SHANGHAI) CO.,LTD.、PIGEON INDUSTRIES (CHANGZHOU) CO.,LTD.、PIGEON INDIA PVT.LTD.、PT PIGEON INDONESIA等で製造した育児及び女性向け用品を子会社であるPIGEON SINGAPORE PTE.LTD.、PIGEON INDIA PVT.LTD.等が他の仕入商品とともに販売しております。 (ランシノ事業)子会社であるLANSINOH LABORATORIES MEDICAL DEVICES DESIGN INDUSTRY AND COMMERCE LTD.CO.、PIGEON INDUSTRIES (THAILAND) CO.,LTD.、PIGEON MANUFACTURING (SHANGHAI) CO.,LTD.で製造した育児及び女性向け用品を子会社であるLANSINOH LABORATORIES,INC.等が他の仕入商品とともに販売しております。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格高騰時に販売価格に転嫁できない場合があるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
日本国内市場シェア No.1の哺乳器シリーズ「母乳実感®」など、ブランド力による優位性。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:出生数の減少 / 経済動向・社会・制度等の変化 / 天候・自然災害
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ピジョンは「母乳実感」ブランドを中心に、長年にわたり培ってきた高いブランド認知度と信頼性を持つ。特にベビー用哺乳瓶・乳首市場において、そのブランド力は強力な無形資産となっている。海外市場でも「Pigeon」ブランドは一定の評価を得ており、これが競争優位の源泉の一つとなっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ベビー用品、特に哺乳瓶や乳首は、一度赤ちゃんに合った製品を見つけると、その安全性や使い慣れた感触から、親が他のブランドに乗り換えることに心理的・時間的コストを感じやすい。特に「母乳実感」のような主要ブランドは、その安心感からスイッチング障壁が一定程度存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ベビー用品の製造・販売事業には、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。製品の価値は個々の性能やブランドイメージに依存し、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高める構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ベビー用品は品質要求が高く、安全基準を満たすための製造コストが一定以上かかる。ピジョンが他社に対して構造的なコスト優位を持つという明確な証拠は乏しい。一部の生産拠点の効率化や規模の経済によるコスト削減の可能性はあるが、決定的な優位性とは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ピジョンはベビー用品市場において、国内およびアジアを中心に一定の市場シェアを有しており、規模の経済が働く余地がある。特に、グローバルな生産・販売ネットワークを構築している点は、効率的な事業運営に寄る。しかし、業界全体が高度に寡占されているわけではない。

ピジョンは、育児用品という生活に密着した分野で長年の実績とブランド力を築いており、これが大きな強みと考えられます。特に、日本国内外に製造・販売拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンを構築している点は、規模の経済性や地域ごとのニーズに対応できる柔軟性につながります。また、子育て支援事業も展開することで、育児に関する幅広いサービスを提供し、顧客との接点を増やしていることも優位性と言えるでしょう。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon Group DNA」は経営理念と社是で構成され、ピジョングループの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は、存在意義とSpiritで構成されており、当社グループが社会において存在する意味と全ての活動における“心”と“行動”の拠り所として定義しております。当社グループはこの考えに基づき、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて事業を展開しており、その達成に向けた5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、過去3年間で劇的な変化を遂げ、世界的な出生数の減少が続く中、原材料・エネルギー価格の高騰や地政学リスクの常態化に加え、デジタル技術の進化による消費行動の多様化、地場ブランドとの競争激化など、極めて難易度の高い事業運営を要求されております。その一方、中国では少子化が進行しているものの、経済力や出生数からも依然として巨大市場であることに加え、中国政府による少子化対策の拡充及び強化、またアジア各国やその他新興国においても、中長期的には経済成長に伴う消費の拡大やEコマースの浸透・発達が見込まれる中、当社グループの未進出領域も多く残されていることなどにより、成長の機会が十分期待できるものと考えております。また、当社グループは、経営理念を「愛」とし、存在意義(Purpose)を「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」として事業を展開しております。そして、この存在意義を実現し、当社グループが社会になくてはならない存在として中長期的に成長するために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、以下5つの要素を設定しております。1. 事業競争力向上とビジネス強靭化2. 環境負荷軽減3. 社会課題への貢献4. 存在意義実現のための人材・組織風土5. 強固な経営基盤の構築 このような環境の下、当社グループは2025年12月期までの「第8次中期経営計画」において、ブランドの再構築や各事業での自己完結体制を強化する構造改革、サプライチェーンの効率化等を推進するとともに、2024年に発覚したグループ会社元従業員による不適切取引事案を厳粛に受け止め、信頼回復に向けたガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的な立て直しに全力を注いでまいりました。これらの一連の取組を経て、当社グループは次なる成長ステージとして、2026年12月期を初年度とする「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」をスタートいたしました。本計画においては、これまでの「事業構造改革」から得た学びを活かした上で、「収益性を伴う持続的な成長」という新たな目標に向けた施策を遂行してまいります。存在意義を常に起点とし、中長期的な企業価値向上を実現するため、以下の戦略を重点的に推進します。1. 商品戦略:・哺乳器を中心とした基幹商品群(基幹商品、サブ基幹商品)の成長加速・エイジアップ商品によるLTV※の拡大 ※LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)2. 地域戦略:・最重点地域である米州・欧州※、成長余地の大きいシンガポール事業での成長を加速・日本、中国事業の安定的な成長によるグループ収益性の確保 ※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたします。 3. 経営基盤の強化・ESGの着実な取組:・地域軸 x 機能軸での経営体制を推進・成長戦略を支える着実なESGの取組を強化 当社グループの最大の強みである哺乳器・乳首を含む主力商品カテゴリを「最優先投資領域(基幹商品)」、さらに過去の学びから特定した当社の知見やブランド力を活かして今後の売上・利益成長が期待できる商品カテゴリを「次なる成長領域(サブ基幹商品)」と位置付け、経営資源を集中投下します。哺乳器・乳首については、既存展開市場での圧倒的シェアを盤石なものにするだけでなく、これまで十分にアプローチできていなかった未開拓領域(ホワイトスペース)への攻勢を強め、10年後の圧倒的な哺乳器グローバル市場シェア(20%)達成を目指します。あわせて、哺乳器・乳首で培った強力なブランド力を活かし、収益性の高い基幹商品群への優先的な資源配分を推進することで顧客生涯価値を高めると同時に企業価値向上のドライバーへと育成し、経済価値と社会価値の最大化を図ります。地域戦略では、ピジョンブランド・ランシノブランドのシナジーを創出しつつ、各市場の特性に応じた「選択と集中」を徹底いたします。出生数減少に直面する日本、中国事業においては、ブランド価値の再定義とオペレーションの効率化により安定した収益基盤を構築します。一方で、哺乳器・乳首カテゴリの本格展開を開始する米州・欧州市場、及び成長余力の大きいASEAN・インド市場においては、機動的な投資によるブランド認知拡大や高単価・高付加価値化等を推進し、グローバルでの持続的な成長加速を目指します。そして、これら戦略の着実な遂行とともに、グローバルでの事業拡大と経営基盤の強化のため、新たな役員体制を構築いたします。各事業本部の責任者となる事業役員と、代表取締役社長直下に設置した5つの専門領域を管掌する経営役員(CxO)の各役割・責任を明確にした上で相互連携を強化していくことで、事業本部横断での機能の高度化や各々の専門性を活かした迅速な意思決定、そしてガバナンスの向上につなげてまいります。当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。また、重要課題(マテリアリティ)への取組を着実に行い、環境(E)、社会(S)及びガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求してまいります。「社会的価値が経済価値をリードする」という二項共創の考え方に基づき、当社グループが事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷等の低減に対しては“あたりまえ”の活動として取り組み、加えて赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決することや未開拓の市場・商品領域へのビジネス拡大に挑戦することで、当社グループは社会になくてはならない存在として持続的な成長を通じた「存在意義」の実現と一層の企業価値向上を目指してまいります。 (3)経営戦略等「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」においては、哺乳器・乳首を中心とした基幹商品群を成長ドライバーとしつつ、エイジアップ商品によるLTVの拡大も図ることで収益性を伴う持続的な成長の達成を目指してまいります。 なお、本中期経営計画期間における各事業戦略の概要は、下記のとおりであります。「米州・欧州事業」※ ・哺乳器の売上倍増に向けた施策遂行 ・妊娠から授乳までを支援する商品サイクル構築 ・専門家からの強力な「ランシノ哺乳器推奨」の獲得 ※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたします。「シンガポール事業」 ・成長市場と広口タイプ哺乳器の拡大・単価アップへ集中 ・ブランドイメージ向上と「高付加価値化」を加速 ・(インド市場)流通構造の高度化・広口哺乳器や基幹商品の拡大に注力「中国事業」 ・「高付加価値化」とLTVの拡大 ・メリハリのあるEC販売チャネル施策 ・「徹底したROI評価」によるEC活動の効率改善「日本事業」 ・圧倒的ブランド力を活かした「エイジアップ・新規領域」 ・自社の最新技術を活用した新商品投入 ・各種ポートフォリオ最適化による収益改善 (4)目標とする経営指標2026年2月13日に発表いたしました2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画における主な経営指標は、売上高125,000百万円、営業利益20,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13,160百万円、PVA9,443百万円、EPS110.02円、ROE14.9%、ROIC15.4%を掲げております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon Group DNA」は経営理念と社是で構成され、ピジョングループの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は、存在意義とSpiritで構成されており、当社グループが社会において存在する意味と全ての活動における“心”と“行動”の拠り所として定義しております。当社グループはこの考えに基づき、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて事業を展開しており、その達成に向けた5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、過去3年間で劇的な変化を遂げ、世界的な出生数の減少が続く中、原材料・エネルギー価格の高騰や地政学リスクの常態化に加え、デジタル技術の進化による消費行動の多様化、地場ブランドとの競争激化など、極めて難易度の高い事業運営を要求されております。その一方、中国では少子化が進行しているものの、経済力や出生数からも依然として巨大市場であることに加え、中国政府による少子化対策の拡充及び強化、またアジア各国やその他新興国においても、中長期的には経済成長に伴う消費の拡大やEコマースの浸透・発達が見込まれる中、当社グループの未進出領域も多く残されていることなどにより、成長の機会が十分期待できるものと考えております。また、当社グループは、経営理念を「愛」とし、存在意義(Purpose)を「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」として事業を展開しております。そして、この存在意義を実現し、当社グループが社会になくてはならない存在として中長期的に成長するために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、以下5つの要素を設定しております。1. 事業競争力向上とビジネス強靭化2. 環境負荷軽減3. 社会課題への貢献4. 存在意義実現のための人材・組織風土5. 強固な経営基盤の構築 このような環境の下、当社グループは2025年12月期までの「第8次中期経営計画」において、ブランドの再構築や各事業での自己完結体制を強化する構造改革、サプライチェーンの効率化等を推進するとともに、2024年に発覚したグループ会社元従業員による不適切取引事案を厳粛に受け止め、信頼回復に向けたガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的な立て直しに全力を注いでまいりました。これらの一連の取組を経て、当社グループは次なる成長ステージとして、2026年12月期を初年度とする「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」をスタートいたしました。本計画においては、これまでの「事業構造改革」から得た学びを活かした上で、「収益性を伴う持続的な成長」という新たな目標に向けた施策を遂行してまいります。存在意義を常に起点とし、中長期的な企業価値向上を実現するため、以下の戦略を重点的に推進します。1. 商品戦略:・哺乳器を中心とした基幹商品群(基幹商品、サブ基幹商品)の成長加速・エイジアップ商品によるLTV※の拡大 ※LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)2. 地域戦略:・最重点地域である米州・欧州※、成長余地の大きいシンガポール事業での成長を加速・日本、中国事業の安定的な成長によるグループ収益性の確保 ※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたします。 3. 経営基盤の強化・ESGの着実な取組:・地域軸 x 機能軸での経営体制を推進・成長戦略を支える着実なESGの取組を強化 当社グループの最大の強みである哺乳器・乳首を含む主力商品カテゴリを「最優先投資領域(基幹商品)」、さらに過去の学びから特定した当社の知見やブランド力を活かして今後の売上・利益成長が期待できる商品カテゴリを「次なる成長領域(サブ基幹商品)」と位置付け、経営資源を集中投下します。哺乳器・乳首については、既存展開市場での圧倒的シェアを盤石なものにするだけでなく、これまで十分にアプローチできていなかった未開拓領域(ホワイトスペース)への攻勢を強め、10年後の圧倒的な哺乳器グローバル市場シェア(20%)達成を目指します。あわせて、哺乳器・乳首で培った強力なブランド力を活かし、収益性の高い基幹商品群への優先的な資源配分を推進することで顧客生涯価値を高めると同時に企業価値向上のドライバーへと育成し、経済価値と社会価値の最大化を図ります。地域戦略では、ピジョンブランド・ランシノブランドのシナジーを創出しつつ、各市場の特性に応じた「選択と集中」を徹底いたします。出生数減少に直面する日本、中国事業においては、ブランド価値の再定義とオペレーションの効率化により安定した収益基盤を構築します。一方で、哺乳器・乳首カテゴリの本格展開を開始する米州・欧州市場、及び成長余力の大きいASEAN・インド市場においては、機動的な投資によるブランド認知拡大や高単価・高付加価値化等を推進し、グローバルでの持続的な成長加速を目指します。そして、これら戦略の着実な遂行とともに、グローバルでの事業拡大と経営基盤の強化のため、新たな役員体制を構築いたします。各事業本部の責任者となる事業役員と、代表取締役社長直下に設置した5つの専門領域を管掌する経営役員(CxO)の各役割・責任を明確にした上で相互連携を強化していくことで、事業本部横断での機能の高度化や各々の専門性を活かした迅速な意思決定、そしてガバナンスの向上につなげてまいります。当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。また、重要課題(マテリアリティ)への取組を着実に行い、環境(E)、社会(S)及びガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求してまいります。「社会的価値が経済価値をリードする」という二項共創の考え方に基づき、当社グループが事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷等の低減に対しては“あたりまえ”の活動として取り組み、加えて赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決することや未開拓の市場・商品領域へのビジネス拡大に挑戦することで、当社グループは社会になくてはならない存在として持続的な成長を通じた「存在意義」の実現と一層の企業価値向上を目指してまいります。 (3)経営戦略等「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」においては、哺乳器・乳首を中心とした基幹商品群を成長ドライバーとしつつ、エイジアップ商品によるLTVの拡大も図ることで収益性を伴う持続的な成長の達成を目指してまいります。 なお、本中期経営計画期間における各事業戦略の概要は、下記のとおりであります。「米州・欧州事業」※ ・哺乳器の売上倍増に向けた施策遂行 ・妊娠から授乳までを支援する商品サイクル構築 ・専門家からの強力な「ランシノ哺乳器推奨」の獲得 ※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたします。「シンガポール事業」 ・成長市場と広口タイプ哺乳器の拡大・単価アップへ集中 ・ブランドイメージ向上と「高付加価値化」を加速 ・(インド市場)流通構造の高度化・広口哺乳器や基幹商品の拡大に注力「中国事業」 ・「高付加価値化」とLTVの拡大 ・メリハリのあるEC販売チャネル施策 ・「徹底したROI評価」によるEC活動の効率改善「日本事業」 ・圧倒的ブランド力を活かした「エイジアップ・新規領域」 ・自社の最新技術を活用した新商品投入 ・各種ポートフォリオ最適化による収益改善 (4)目標とする経営指標2026年2月13日に発表いたしました2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画における主な経営指標は、売上高125,000百万円、営業利益20,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13,160百万円、PVA9,443百万円、EPS110.02円、ROE14.9%、ROIC15.4%を掲げております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に個人消費の持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。世界経済においても、緩やかな持ち直しが続くことが期待される一方、中国では不動産市場の停滞や個人消費の弱含みによる影響もあり景気が緩やかに減速していることに加え、米国の政策動向による影響や欧米における高い金利水準の継続など、依然として不透明な状況は継続しております。このような状況の中、当社グループは、その存在意義を実現させるため、2023年12月期より「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」を推進してまいりました。当連結会計年度はその最終年度として、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、以下の3つの基本戦略の着実な実行による既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいりました。 ①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度においては、売上高は中国事業を中心に販売が堅調に推移したことにより、1,091億70百万円(前期比4.8%増)となりました。利益面においては、増収による売上総利益の増加に加え、売上総利益率が前期比で0.9ポイント改善したことで販売費及び一般管理費の増加を吸収し、営業利益は131億58百万円(同8.4%増)、経常利益は136億81百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円(同2.4%増)となりました。なお、当連結会計年度の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。・米ドル:149.66円(151.48円)・中国元: 20.82円( 21.04円)注:( )内は前年同期の為替換算レート 当社グループの報告セグメントは「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」及び「ランシノ事業」の計4セグメントとなっております。各セグメントにおける概況は以下のとおりです。 <日本事業>当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業全体の売上高は378億6百万円(前期比3.6%増)、セグメント利益は25億96百万円(同29.9%増)となり増収増益で終了しました。ベビーケア(育児及び女性向け用品)の売上高は、基幹商品である哺乳器・乳首やベビースキンケア、販売構成比の高いベビーフード・飲料等が堅調に推移し、前期を上回りました。6月に実施した哺乳器・乳首を含むベビー関連用品の一部価格改定による効果に加え、ベビーケアの新規領域である育児家電についても、8月より販売を開始したスペースパフォーマンスに優れる新モデルを加えた「哺乳びんスチーム除菌・乾燥器 ポチット」シリーズをはじめ、引き続き好調に推移しました。また、9月に「TABOTENZU(タボテンズ)」及び11月に「ピジョンキッズ」の新ブランドをそれぞれ発表するなど、育児を取り巻く環境の多様化や、共働き世帯の増加など社会構造の変化に伴う親のニーズに応じた新たな製品づくり、発信等に継続的に取り組んでおります。また、コミュニケーション施策の一環として、「インスタライブ」などの自社SNSを活用した商品紹介や販売促進に加え、小売店との共同開催によるプレママ・パパ向けセミナーや、医療従事者向けのオンラインセミナーを複数回開催するなど、継続的なブランド強化に取り組んでおります。子育て支援においては、事業所内保育施設等53箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら、事業を展開してまいります。ヘルスケア・介護については、介護用品ブランド「ハビナース」で販売している、アタッチメント型の食事補助具「自分で食べる ミールキャッチ」などの新商品を中心にブランドの活性化を図りました。引き続き、排泄サポート、清潔サポート、食事サポート関連商品等の販売を推進し、今後も更なる小売店及び介護施設等への営業活動強化などの施策実行を徹底してまいります。当事業の利益については、増収や価格改定効果に伴う売上総利益の増加や工場稼働率の改善等により前期を上回りました。 <中国事業>当事業の売上高は429億2百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益は104億96百万円(同4.3%増)となり増収増益で終了しました。主要市場である中国本土においては、前年奏功したブランド露出及び販売促進活動の強化を継続実施したことで、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。商品群では、基幹商品である哺乳器・乳首及びベビースキンケアの販売が堅調に推移しました。また、新商品を投入し、ラインアップを拡充しているドリンキングカップの販売も引き続き好調となるなど、出生数減少に向けた対応策の一環である高月齢及びキッズ向け商品(エイジアップ)についても売上への貢献度が着実に高まっております。さらに、消費者コミュニケーションでは、動画プラットフォームTikTokの中国本土版「Douyin(抖音)」や「RED(小紅書)」等のSNS上でのブランド露出強化に加え、ライブコマース等のデジタルマーケティングの強化により、中国最大のECイベントである11月のダブルイレブン商戦における販売も堅調に推移しました。また、当事業が管轄する韓国及び北米市場(ピジョンブランド)においては、現地販売子会社を起点としたブランド強化及び販売・マーケティング活動に取り組んだほか、特に北米市場においては、哺乳器・乳首を中心としたピジョンブランドの育児用品の販売が好調に推移しました。当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の伸長によって販売費及び一般管理費の増加を吸収し、前期を上回りました。 <シンガポール事業>当事業の売上高は149億20百万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は21億24百万円(同27.4%増)となり増収増益で終了しました。当事業が管轄するASEAN周辺地域及びインドでは、特にオーストラリア、マレーシアなどでの販売が堅調に推移し、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。当事業が注力している基幹商品カテゴリにおいては、高価格帯の広口タイプ哺乳器「SofTouch™」シリーズ(日本における商品名:母乳実感®)のブランドリニューアル効果が主要市場で継続したこともあり、哺乳器・乳首の販売が好調に推移しました。スキンケアでは、当事業が注力する「ナチュラル・ボタニカル・ベビー」シリーズの「おむつかぶれクリーム」が好調を維持するなど、順調に販売が伸長しております。また、新商品として7月に販売を開始したドリンキングカップ「StarTouch™」の各国での露出増加と販売促進に注力しました。引き続き、上位中間層以上のお客様をターゲットとし、基幹商品である哺乳器・乳首及びスキンケアを中心に積極的な販売・マーケティング活動を展開してまいります。当事業の利益については、哺乳器・乳首の販売伸長及び広口哺乳器の販売比率拡大による総利益率の改善等もあり、前期を上回りました。 <ランシノ事業>当事業の売上高は219億4百万円(前期比2.2%増)、セグメント利益は15億17百万円(同12.3%減)となり増収減益で終了しました。主力市場である北米においては、主力商品である乳首ケアクリームや母乳パッドの販売が堅調に推移したことに加え、当期より注力している哺乳器・乳首の販売も大きく伸長した一方、さく乳器カテゴリにおいては昨年の新商品効果の一巡や競争激化などの影響が継続した結果、現地通貨ベースの売上高は前期を下回りました。欧州市場においては、各国での乳首ケアクリーム等の好調に加えてドイツ、ベネルクスなどでさく乳器や産前・産後ケア商品等の販売も好調に推移し、現地通貨ベースの売上高も前期を上回りました。北米においては、注力中である哺乳器カテゴリのラインアップ拡充に加え、8月には他ブランドとのコラボレーションによるドリンキングカップ等の販売も開始し、哺乳器カテゴリ周辺商品の強化にも着手しております。今後は一層の事業拡大に向け、各地域の消費者行動に合わせたランシノブランドの製品ラインアップを強化し、妊娠中及び産後の女性をより包括的にサポートすることを目指してまいります。当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の増加が見られた一方で、米国関税による原価への影響等もあり前期を下回りました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億8百万円増加し、396億9百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、130億58百万円(前年同期は142億81百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益133億18百万円、減価償却費45億81百万円等の増加要因に対し、棚卸資産の増加額19億4百万円、法人税等の支払額39億83百万円等の減少要因によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、31億44百万円(前年同期は11億37百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入54百万円等の増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出27億97百万円、無形固定資産の取得による支出3億45百万円等の減少要因によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、108億18百万円(前年同期は106億39百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額91億5百万円によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績(生産実績)当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年1月1日  至 2025年12月31日) 前年同期比(%)日本事業(百万円)9,602103.4中国事業(百万円)14,041111.6シンガポール事業(百万円)7,31299.7ランシノ事業(百万円)2,17888.7合計(百万円)33,135104.7(注)金額は製造原価によっております。 (受注実績)当社グループは、主として見込みにより生産及び商品仕入を行っており、一部受注による商品仕入れを行っておりますが、受注残高は僅少であります。(販売実績)当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年1月1日  至 2025年12月31日) 前年同期比(%)日本事業(百万円)37,806103.6中国事業(百万円)42,902109.9シンガポール事業(百万円)14,920104.5ランシノ事業(百万円)21,904102.2内部売上高消去(百万円)△8,363118.4合計(百万円)109,170104.8(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。  相手先 前連結会計年度(自 2024年1月1日  至 2024年12月31日) 当連結会計年度(自 2025年1月1日  至 2025年12月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)ピップ株式会社16,80316.117,62916.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は下記のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。1)財政状態(資産)当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。流動資産は30億99百万円増加し765億61百万円、固定資産は13億19百万円減少し335億27百万円となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が4億8百万円、商品及び製品が22億43百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産の減少の主な要因は、建物及び構築物が13億81百万円減少したことによるものです。(負債)当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。流動負債は7億44百万円増加し181億27百万円、固定負債は2億44百万円減少し60億73百万円となりました。流動負債の増加の主な要因は、未払費用が5億92百万円、製品自主回収関連費用引当金が1億23百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が2億27百万円増加したものの、リース債務が4億10百万円減少したことによるものです。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、利益剰余金が5億85百万円減少したものの、為替換算調整勘定が22億24百万円増加したことによるものです。2)経営成績(売上高及び売上原価)当連結会計年度における売上高は、1,091億70百万円となりました。セグメントごとに分析しますと、日本事業は、哺乳器・乳首以外の商品群も伸長したこと等により378億6百万円、中国事業は、哺乳器・乳首やスキンケアの伸長等により429億2百万円、シンガポール事業は哺乳器の広口シフト化の進行により149億20百万円、ランシノ事業は欧州が好調かつ北米も哺乳器・乳首の大幅伸長等により219億4百万円となりました。当連結会計年度における売上原価は、543億31百万円となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、416億80百万円となりました。主に中国事業においてマーケティング活動の強化に伴う費用の積極的な使用等により、売上高比率は0.5ポイント増加し、営業利益は131億58百万円となりました。(営業外損益、特別損益、経常利益及び税金等調整前当期純利益)当連結会計年度の営業外損益は、助成金収入を6億52百万円計上したことにより、5億23百万円の利益となりました。特別損益は、製品自主回収関連費用を4億95百万円計上したことにより、3億63百万円の損失となりました。これらの結果、経常利益は136億81百万円、税金等調整前当期純利益は133億18百万円となりました。 (法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の法人税等は44億81百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は2億66百万円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円となりました。 各セグメントの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。1)財政状態(日本事業)セグメント資産は、機械装置及び運搬具が405百万円、建物及び構築物が370百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加937百万円、建設仮勘定の増加335百万円等により、前連結会計年度末に比べ445百万円増加の261億37百万円となりました。(中国事業)セグメント資産は、建物及び構築物が609百万円、原材料及び貯蔵品が294百万円それぞれ減少したものの、受取手形及び売掛金の増加725百万円、商品及び製品の増加672百万円、機械装置及び運搬具の増加138百万円、建設仮勘定の増加109百万円等により、前連結会計年度末に比べ802百万円増加の203億99百万円となりました。(シンガポール事業)セグメント資産は、建物及び構築物が228百万円減少したものの、商品及び製品の増加170百万円、未収入金の増加96百万円等により、前連結会計年度末に比べ14百万円増加の100億16百万円となりました。(ランシノ事業)セグメント資産は、建物及び構築物が173百万円、受取手形及び売掛金が143百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加586百万円、建設仮勘定の増加134百万円等により、前連結会計年度末に比べ420百万円増加の132億89百万円となりました。2)経営成績当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。1)資金需要当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用に係るものであります。また、設備資金需要としましては、主に生産設備の取得に伴う建物や機械装置等固定資産購入に係るものであります。2)財務政策当社グループは、堅固なバランスシートの維持、事業活動のための適切な流動性資産の維持を財務方針とし、主たる資金需要である運転資金及び設備資金につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金によっておりますが、日本におけるグループ会社の資金不足は当社からの貸付けで、海外グループ会社の資金需要につきましても主に当社からの外貨建て貸付けにて対応しております。また、当社における手元資金は事業投資の待機資金であることを前提に流動性・安全性の確保を最優先に運用しております。当社グループは、健全な財務体質、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も海外事業を中心とする成長性を確保するために現在の手元流動性を超える投資資金需要が発生した場合でも、必要資金を調達することが可能であると考えております。なお、2026年12月期の設備投資資金等の長期資金需要につきましては、内部資金をもって充当する予定であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りは、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりであります。・固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損損失の認識に当たり使用する回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローを適正な割引率で割り引いた使用価値等様々な仮定を用いております。なお、当連結会計年度においては減損損失を71百万円計上しております。 なお、当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業の1つである国内育児用品の販売事業は、出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。このような市場環境の下、これまで約70年にわたる育児研究から生まれた競争優位性を発揮できる新商品の開発及び発売、カテゴリ拡大による事業の安定的な成長に努めてまいります。また海外市場におきましては、海外各国における経済、社会情勢の変化、為替変動、新興国の経済成長に伴う原材料需給状況の変化等により売上高、利益額の減少が生じる可能性が考えられます。当社グループの事業成長継続のため、各市場に合わせた商品の開発と供給体制の整備・充実、及び、ブランド力強化と販売活動の一層の拡大が重要と考えております。また、当社グループは、保育、託児、幼児教育事業などを展開し、多くの乳幼児等をお預かりしておりますが、このような事業は予期せぬ事故が発生する可能性があります。これまでには、震災などの自然災害によるものを含め、業績に影響を与えるような事故等は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの経営成績に与える可能性があります。 (経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 当連結会計年度(2025年12月期)は引き続き、本中期経営計画のテーマである既存領域の強化、新規領域の拡大にグローバルに取り組んだほか、中国事業の売上高の回復を最重要テーマに成長投資を徹底的に投下したことにより、売上高は109,170百万円、営業利益は13,158百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8,570百万円、PVAは4,948百万円、EPSは71.65円、ROE10.4%、ROICは10.8%となりました。 2025年12月期計画2025年12月期実績2025年12月期計画比売上高(百万円)109,700109,1700.5%減営業利益(百万円)12,90013,1582.0%増親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)8,4008,5702.0%増PVA(百万円)(Pigeon Value Added)4,9184,9480.6%増EPS(円)70.2471.651.41円増ROE(%)10.710.40.3ポイント減ROIC(%)11.010.80.2ポイント減(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。 なお、2023年12月期を初年度とし、2025年12月期を最終年度とする第8次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりですが、2023年に発生したALPS処理水放出に起因する中国での風評被害影響など、想定外の課題にも直面し、最終年度である2025年度の当初目標未達となりました。 当初目標2024年12月期2025年12月期中期経営計画目標2025年12月期売上高(百万円)104,171109,170113,800営業利益(百万円)12,13913,15816,000親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)8,3718,57010,400PVA(百万円)(Pigeon Value Added)4,3534,9487,437EPS(円)70.0071.6586.92ROE(%)10.510.414.5ROIC(%)10.310.815.1(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。 また、2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりです。 2026年12月期2028年12月期売上高(百万円)113,500125,000営業利益(百万円)13,90020,000親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)9,14013,160PVA(百万円)(Pigeon Value Added)5,4279,443EPS(円)76.41110.02ROE(%)11.014.9ROIC(%)11.315.4(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。

事業リスク

主なリスクとして、まず国内外での出生数の減少が挙げられ、主力である育児用品の売上減少につながる可能性があります。また、事業を展開する各国の経済動向、法改正、テロや感染症、自然災害、為替変動、国際貿易政策の変更などが業績に影響を与えるリスクがあります。さらに、原材料価格の高騰による製造コスト増加や、製造委託先での品質事故、子育て支援事業における事故、製造物責任に関する問題、情報システム障害や個人情報漏洩のリスクも考慮されます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,514 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)出生数の減少当社グループの主力事業である育児用品の製造及び販売事業は、国内及び海外での出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。 (2)経済動向・社会・制度等の変化に関するリスク現在、当社グループは日本をはじめ、タイ、中国、トルコ、インドネシア、インドで商品を製造し、さらに日本、アジア、オセアニア、中近東、北米、ヨーロッパを中心に国内外で事業を展開しております。日本事業・中国事業・シンガポール事業・ランシノ事業が持つリスクとしては以下のものが考えられます。当社グループも各事業におけるリスクに対しては可能な限りのリスクヘッジを講じてはおりますが、予期できない様々な要因によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。・当社グループにとって影響を及ぼす法律の改正、規制の強化・テロ・戦争の勃発、既知及び未知の感染症・伝染病の流行による社会的・経済的混乱・地震等の自然災害の発生・予測を超える為替の変動・国際貿易政策の予期せぬ変更(関税等) (3)天候・自然災害当社グループの主力商品である育児及び女性向け用品、介護用品は天候からの影響は比較的軽微と考えられますが、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故の影響で、製造、物流設備等が損害を被り、資産の喪失、商品の滞留等による損失計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、気候変動は世界共通の取り組むべき課題と認識し、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、「ピジョングループTCFD Report 2025」及び当社のコーポレートサイトにおいてTCFD提言の枠組みに則った情報開示をしております。 TCFDレポート:https://www.pigeon.co.jp/sustainability/environment_top/warming/ (4)原材料価格の変動当社グループの使用する主要な原材料には、原油価格やパルプ価格等の市場状況により変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰することにより、製造コストが高騰し、また、市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)製造委託先での事故当社グループの主力商品である育児及び女性向け用品、介護用品の一部は外部に製造委託を行っております。品質には万全を期しておりますが、事前の予想を超えた品質事故が起った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)子育て支援に関するリスク当社グループは、働きながら子育てをするご家族のため、保育、託児、幼児教育事業を展開し、多くの乳児、幼児をお預かりしております。そのため、安全には万全の配慮をしておりますが、乳児、幼児は予期しないケガをする可能性を秘めております。これまで当社グループの事業運営に影響を与えるような事故や補償問題は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)製造物責任に関するリスク生活者向け商品のメーカーとして、商品の品質や安全性、商品の原料に関する評価は非常に重要であります。当社グループは商品の設計段階から量産に至るまで、品質、安全性の確保に万全を期しておりますが、商品に欠陥が発生した場合、もしくは予期せぬ事故が発生した場合には、商品回収等に伴う損失の計上や、顧客の流出による売上の減少など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)訴訟に関するリスク当社グループは、会社設立以来、多額の補償金問題など大きなクレーム又は訴訟等を提起されたことはございません。しかし、国内海外を問わず事業を遂行していく上では、訴訟提起されるリスクは常に内包しております。万一当社グループが提訴された場合、また、その結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)情報システムのリスク当社グループは、販売促進キャンペーンや赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン等多数のお客様の個人情報をはじめ、研究活動の成果や商品開発上の機密事項など、様々な重要情報を保有しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含めて情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超えた出来事により、情報システムの崩壊、停止又は一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10)個人情報漏洩のリスク当社グループは、生活者向け商品とサービスの提供を行っており、多くの個人情報を保有しております。日頃より全社員には個人情報保護の重要性の認識を徹底させ、社内教育受講の義務付け、顧客情報の管理の強化に努めておりますが、何らかの原因にて個人情報が外部に漏洩する可能性があります。個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)信用リスク当社グループは、国内外の取引先と商取引を展開しており、取引先の経営破綻又は信用状況の悪化により当社グループが保有する債権が回収不能になるリスクがあります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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