事業の概要
- 社会インフラを支える前田工繊グループは、主に土木資材、建築資材、農業資材、不織布の製造・販売を行う「ソーシャルインフラ事業」と、自動車用軽合金鍛造ホイールや産業資材の製造・販売を行う「インダストリーインフラ事業」の2つの柱で収益を上げています。社会の基盤を支える製品と技術を提供することで、安定的な収益構造を築いています。
- ジオシンセティックスのパイオニアソーシャルインフラ事業では、土木工事に使われる高分子材料製品「ジオシンセティックス」の日本における先駆者として、盛土補強材や土木シート、河川護岸材など多岐にわたる製品を提供しています。繊維とプラスチックを素材に、防災・減災や老朽化対策に貢献する高付加価値製品が主力です。
- 高機能素材と製品の提供インダストリーインフラ事業では、連結子会社のBBSジャパンが高級自動車用鍛造ホイールを製造・販売し、自動車メーカーへのOEM供給とアフターマーケット市場で存在感を示しています。また、未来コーセンは超純水洗浄技術を活かした精密機器用ワイピングクロスや、各種工業繊維製品を提供しており、高い技術力で多様な産業を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 社会インフラ事業この事業は、主に土木資材、建築資材、農業資材、不織布の製造・販売を手掛けています。2025年6月期の売上高は363.95億円、営業利益は73.55億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。特に、土木工事に使われる高分子材料製品「ジオシンセティックス」のパイオニアとして、防災・減災や老朽化対策に貢献する製品を提供しています。
- 産業インフラ事業この事業は、主に自動車用軽合金鍛造ホイールの製造・販売と、各種繊維を原料とした産業資材の製造・加工・販売を行っています。2025年6月期の売上高は277.13億円、営業利益は60.1億円と、社会インフラ事業に次ぐ規模でグループの収益に貢献しています。高級鍛造ホイールのBBSジャパンがこの事業の中核を担い、高い技術力とブランド力で自動車産業を支えています。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Infrastructure | 事業 | 364 | 74 | 20.2% |
| TechnicalService | 事業 | 277 | 60 | 21.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、2025年6月30日現在、当社(前田工繊株式会社)及び連結子会社11社により構成されております。当社グループの主な事業は、ソーシャルインフラ事業(主に土木資材、建築資材、農業資材、不織布の製造・販売)及びインダストリーインフラ事業(主に自動車用軽合金鍛造ホイールの製造・販売及び各種繊維を原料とした産業資材の製造・加工・販売)であります。なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 <ソーシャルインフラ事業>当社は、1972年の設立以来、繊維とプラスチックを素材とした環境資材(ジオシンセティックス)を取り扱う事業に取り組んでおります。ジオシンセティックスとは、“土木工事などに使用される高分子材料の製品”の総称で、geoという言葉とsyntheticsという言葉が合成されてできた用語であります。当社は、日本におけるジオシンセティックス技術のパイオニア企業として、繊維を核とした様々な技術を横断的に駆使した、付加価値の高い製品群を提供しております。主要な製品は、盛土補強材、土木シート、河川護岸材、斜面防災製品、接着アンカー、水質汚濁防止膜、プラスチック擬木、排水材、ポリマーセメントモルタル、植生製品、間伐材製品等であります。また、「防災・安心・安全」をキーワードに、主に繊維と樹脂を素材とした土木資材及びコンクリート構造物の補修・補強材料を利用した工法を提供しております。また、当社では、目的・用途に応じて多様な加工や機能付加ができる不織布の製造・販売を行っております。原反メーカーとして、自動車資材や土木・建設資材、医療・衛生資材等に利用される製品を二次加工メーカーや最終製品メーカーに供給しております。なお、これらの製品を構成する材料の一部は、インダストリーインフラ事業で生産している材料を使用しております。また、連結子会社においては、前田工繊産資株式会社が合成樹脂製品、土木資材、建築資材、配管資材の製造・加工・販売を行っているほか、未来のアグリ株式会社が獣害対策製品及び農業資材の製造・販売、園芸用ハウス及び栽培システムの設計・施工・販売、酪農用製品の販売を行っております。その他、未来テクノ株式会社が天幕、帆布生地製品及び海洋土木製品等の製造・販売、沖縄コーセン株式会社が土木資材の製造・販売・レンタル、株式会社セブンケミカルが外壁用の防水材、保護・仕上げ材の製造・販売、株式会社犀工房が幼稚園・保育園用備品、各種遊具等の企画・設計・製造・販売、株式会社釧路ハイミールがフィッシュミール及び魚油の製造・販売を行っております。海外拠点においては、MAEDA KOSEN VIETNAM CO.,LTD.が合成木材等の製造を行っております。 <インダストリーインフラ事業>連結子会社であるBBSジャパン株式会社は、ホイールメーカーとして高級鍛造ホイールの製造に特化し、自動車メーカー向けOEM供給とアフター市場向けの販売を行っております。BBSジャパン株式会社が設計・製造・販売を行うほか、同社の連結子会社であるBBS Motorsport GmbHにて設計・製造・販売を行っております。また、未来コーセン株式会社は、繊維産業で培った知識・ノウハウを活かした超純水洗浄技術やカット技術、撚糸加工技術を使ったサービス及び製品の提供を行っております。主要な製品は、クリーンルーム内で使用されるフラットディスプレイパネル・精密機器用ワイピングクロスのほか、ネームリボン、各種工業繊維等の細巾織編物二次製品、衣料・各種産業資材用の丸編製品であります。 事業系統図(2025年6月30日現在)は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格高騰分を販売価格に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ジオシンセティックス技術のパイオニア企業としての繊維を核とした技術、超純水洗浄技術、カット技術、撚糸加工技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:売上高の公共事業比率が高いこと / 原材料価格の変動 / 知的財産権侵害のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定のブランド力や特許による明確な優位性は限定的。一部製品における技術力やノウハウは存在するものの、業界全体で広く認知される無形資産としては弱い。
スイッチングコスト★★★☆☆
建築・土木分野におけるシートや資材は、一度採用されると仕様変更や他社製品への切り替えに手間やコストがかかる場合がある。特に、インフラ関連の長期プロジェクトでは、サプライヤーとの継続的な関係が重視される傾向がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウによる効率化や、一部原材料の調達力はあると考えられるが、業界全体で突出したコスト優位性を示す証拠は少ない。規模の経済によるコスト削減効果は限定的。
規模の経済★★★☆☆
建築・土木資材分野において、一定の市場シェアと生産能力を有しており、業界内での存在感は大きい。しかし、グローバルな視点や、他分野の巨大企業と比較すると、絶対的な規模の経済は限定的。
- ジオシンセティックスの先駆者前田工繊は1972年の設立以来、日本におけるジオシンセティックス技術のパイオニアとして、長年の経験と実績に基づいた高い技術力とノウハウを蓄積しています。これにより、他社にはない付加価値の高い製品群を提供し、土木・建設分野で強固な地位を確立しています。
- 多角的な製品と技術力同社は繊維とプラスチックを核とした多様な技術を横断的に活用し、土木資材から不織布、自動車部品、農業資材まで幅広い製品を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、様々な顧客ニーズに対応できる柔軟性と競争優位性を有しています。
- 高級鍛造ホイールのブランド力連結子会社のBBSジャパンは、高級自動車用鍛造ホイールの製造に特化しており、その高い品質とブランド力は自動車業界で広く認知されています。自動車メーカーへのOEM供給実績とアフターマーケットでの支持は、技術力とデザイン性が評価されている証拠であり、強力な競争優位性となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針当社グループは、「人と人との良いつながり」を基本理念・目標としており、経営理念として、「私たちは 独自の知恵と技術で 持続可能な地球 そして 安心・安全で豊かな社会を創るために 貢献してまいります」を掲げ事業運営をしております。この経営理念に基づき、「ソーシャルインフラ事業」では、独自の技術力と開発力により、災害が起きてもその被害を最小限にすることで、「誰もが安心して暮らせる環境」「誰にとっても安全な環境」そして「全ての生物にとって豊かな自然環境」の創造に貢献してまいります。また、不織布関連分野においては、豊富な経験と確かな技術力、多彩な製品ラインアップでお客様のご要望にお応えするとともに、「社会の皆様が安心して利用できる素材」「社会の皆様の生活に安全・快適な資材」の提供を積極的に進めてまいります。「インダストリーインフラ事業」では、アルミ鍛造ホイール分野において、世界最高レベルの鍛造技術により、妥協なき品質を求めるとともに、より究極的な性能と美しさをもつホイールとして、多くの「人」に支持されるBBS鍛造ホイールを目指してまいります。また、産業資材分野においては、これまで培ってきたカット技術と超純水洗浄技術を活かし、高品質・高付加価値な製品を提供いたします。これらの事業を通じて、社会の皆様の「豊かな暮らし」の実現に貢献してまいります。 ○ 企業メッセージ当社グループは、成長戦略の柱であるM&Aや海外事業、人材育成を積極的に推進するため、企業メッセージを掲げております。当社グループは、この企業メッセージを基に、社員一丸となって全員を戦力化することで、企業価値の最大化を目指してまいります。前田工繊は混ぜる会社です人と技術を混ぜる会社です混ざると 化学反応が 起きるのですイノベーションは化学反応の果実世界一のイノベーターを目指し社会のあるべき姿 人間のあるべき姿を追い求めていきます。 (2) 経営戦略等当社グループは、M&A、海外事業の展開、人材育成の3つの柱を経営戦略として掲げております。まず、M&Aについては、国内外で独自の技術・ノウハウを有する企業を対象に積極展開してまいります。当社グループはこれまで「繊維」・「土木」という異なる技術領域を融合し、創業当時からのDNAである「独自の知恵と技術」を駆使し、多種多様な高付加価値製品を生み出してきました。今後も、既存製品の更なる改善・改良だけでなく、事業領域の異なる多様な製商品を組み合わせることで、モノづくりの本質である「イノベーション」を追求し、新しい市場を創出していきます。次に、海外事業については、海外子会社において工場増設など生産体制を増強することにより、欧米やASEAN地域を中心に事業拡大を目指します。また、外国籍企業との業務提携を積極的に推進することで、海外販売網の拡大を図ってまいります。最後に、人材育成については、当社グループでは、組織の活性化を図り、全員を戦力化させるため、人事評価制度や研修制度の見直しを行っており、また、人材開発面においては、M&Aの実践による事業領域の拡大や海外事業の進展に対応するためのグローバルな人材の発掘を行うことで、組織のパフォーマンスを向上させてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、主に、営業利益、営業利益率、EBITDA、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)を用いております。 (4) 経営環境当社グループの事業は、ソーシャルインフラ事業及びインダストリーインフラ事業に分類されます。このうち主たる事業であるソーシャルインフラ事業につきましては、公共事業における土木資材の製造販売の比率が高いことから、その業績は公共事業の予算規模や執行時期に左右される場合があります。また、インダストリーインフラ事業では、自動車用軽合金鍛造ホイールにおいて、自動車の販売及びアフターマーケット市場からの需要に大きく影響を受けます。加工糸やワイピングクロスにおいては、家電、精密機械及び自動車の民需向けで使用されるため、一層のコスト削減が求められ、海外廉価品との競合が激しくなっております。従いまして、ソーシャルインフラ事業におきましては、公共事業のさらなる縮小があった場合、インダストリーインフラ事業におきましては、原材料価格の高騰による販売価格転嫁ができない場合または市場や顧客からの支持を獲得できる新製品を提供できなかった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、厳しい企業間競争が続くなかにあっても、国内外の需要環境の変化に敏感に対応できる開発・生産・販売体制の構築を目指しております。また、当社グループでは、M&Aと海外事業の展開、人材育成を成長戦略の最重要施策として掲げております。これらを実現させるために、次に掲げる項目が重要であると考えております。 ① 研究開発体制の強化当社グループが提供する製品・サービスに対するユーザーの要求に終わりはなく、ユーザーのニーズを的確に先取りし、製品・サービスに反映させていくことが最優先と考えます。このため、販売部門と研究開発部門の連携を密にして、コストパフォーマンスに優れた独自の製品・サービスをよりスピーディーに実現することを目指します。なお、当社グループのソーシャルインフラ事業においては、昨今の国土交通省の重点政策であります『安全・安心の確保』と方向性をそろえ、防災・減災対策や社会資本の老朽化対策という観点での研究開発をさらに進めてまいります。 ② 品質の向上当社グループの製品が使用現場で安定した性能を維持するためには、使用原材料及び製造工程の品質管理が重要であると考えます。このため、当社グループ各社の品質保証部門を強化し、設計・開発段階における品質向上や、耐久性試験等による品質確認を徹底することで、製品クレームの低減と顧客サービスの向上に努めております。 ③ 購買部門の強化当社グループでは、各種原材料の仕入価格の変動が収益に大きな影響を与え、また国内外を問わず自然災害によるサプライチェーンの寸断が生産活動に影響を与えると認識しております。このため、購買部門を強化し、高い品質を維持しながら、最適な原材料の調達ルートをグローバルに開拓することにより、その影響が最小限に止まるよう最善を尽くしてまいります。また、製品改良時などには新しい原材料の調査・調達にも力を発揮するよう、購買部門の機動力を高めてまいります。 ④ M&Aの活用当社グループでは、2000年以降17件のM&Aを実施しており、今後も効果的にM&Aを実施する方針であります。M&Aを行うに当たり、投資効果はもちろん、対象企業の取扱製品の将来性や当社グループとの相乗効果を十分に検討したうえで、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aを進めてまいります。 ⑤ 人材育成当社グループでは、M&Aの実践による事業領域の拡大に対応するため、人材の確保及び育成が重要な経営課題であります。そのため、今後も即戦力を求めた少数精鋭の中途採用と、中長期的な視点で人的基盤を整備するための新規採用を継続的に行ってまいります。また、社内外の研修体系を整備し、継続的に人材育成を行うとともに、従来の年功序列から成果主義への転換を図ることで、社員全員の戦力化を目指します。 ⑥ グローバル化の進展当社グループでは、海外における製造・販売の多様化・効率化と販路の拡大を目的として、2011年12月にベトナムに海外子会社MAEDA KOSEN VIETNAM CO.,LTD.を設立いたしました。また、2013年11月1日付でドイツに海外子会社BBS Motorsport GmbHを持つBBSジャパン株式会社を子会社化いたしました。また、2016年1月に世界65ヶ国でジオシンセティックス製品(土木工事等に使用される高分子の繊維製品等の総称)の販売を行う台湾のGOLD-JOINT INDUSTRY CO., LTD.と業務提携し、さらに2020年5月に世界60ヶ国以上でジオシンセティックス製品の販売を行うHUESKER Synthetic GmbH(本社:ドイツ連邦共和国)及び同社の関連会社のHUESKER Asia Pacific Pte Ltd.(本社:シンガポール)との間においてアジア地域にて販売提携し、新たな市場開拓を推進しております。今後も、拡大が見込める海外市場を取り込むことで、当社グループの業績拡大を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針当社グループは、「人と人との良いつながり」を基本理念・目標としており、経営理念として、「私たちは 独自の知恵と技術で 持続可能な地球 そして 安心・安全で豊かな社会を創るために 貢献してまいります」を掲げ事業運営をしております。この経営理念に基づき、「ソーシャルインフラ事業」では、独自の技術力と開発力により、災害が起きてもその被害を最小限にすることで、「誰もが安心して暮らせる環境」「誰にとっても安全な環境」そして「全ての生物にとって豊かな自然環境」の創造に貢献してまいります。また、不織布関連分野においては、豊富な経験と確かな技術力、多彩な製品ラインアップでお客様のご要望にお応えするとともに、「社会の皆様が安心して利用できる素材」「社会の皆様の生活に安全・快適な資材」の提供を積極的に進めてまいります。「インダストリーインフラ事業」では、アルミ鍛造ホイール分野において、世界最高レベルの鍛造技術により、妥協なき品質を求めるとともに、より究極的な性能と美しさをもつホイールとして、多くの「人」に支持されるBBS鍛造ホイールを目指してまいります。また、産業資材分野においては、これまで培ってきたカット技術と超純水洗浄技術を活かし、高品質・高付加価値な製品を提供いたします。これらの事業を通じて、社会の皆様の「豊かな暮らし」の実現に貢献してまいります。 ○ 企業メッセージ当社グループは、成長戦略の柱であるM&Aや海外事業、人材育成を積極的に推進するため、企業メッセージを掲げております。当社グループは、この企業メッセージを基に、社員一丸となって全員を戦力化することで、企業価値の最大化を目指してまいります。前田工繊は混ぜる会社です人と技術を混ぜる会社です混ざると 化学反応が 起きるのですイノベーションは化学反応の果実世界一のイノベーターを目指し社会のあるべき姿 人間のあるべき姿を追い求めていきます。 (2) 経営戦略等当社グループは、M&A、海外事業の展開、人材育成の3つの柱を経営戦略として掲げております。まず、M&Aについては、国内外で独自の技術・ノウハウを有する企業を対象に積極展開してまいります。当社グループはこれまで「繊維」・「土木」という異なる技術領域を融合し、創業当時からのDNAである「独自の知恵と技術」を駆使し、多種多様な高付加価値製品を生み出してきました。今後も、既存製品の更なる改善・改良だけでなく、事業領域の異なる多様な製商品を組み合わせることで、モノづくりの本質である「イノベーション」を追求し、新しい市場を創出していきます。次に、海外事業については、海外子会社において工場増設など生産体制を増強することにより、欧米やASEAN地域を中心に事業拡大を目指します。また、外国籍企業との業務提携を積極的に推進することで、海外販売網の拡大を図ってまいります。最後に、人材育成については、当社グループでは、組織の活性化を図り、全員を戦力化させるため、人事評価制度や研修制度の見直しを行っており、また、人材開発面においては、M&Aの実践による事業領域の拡大や海外事業の進展に対応するためのグローバルな人材の発掘を行うことで、組織のパフォーマンスを向上させてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、主に、営業利益、営業利益率、EBITDA、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)を用いております。 (4) 経営環境当社グループの事業は、ソーシャルインフラ事業及びインダストリーインフラ事業に分類されます。このうち主たる事業であるソーシャルインフラ事業につきましては、公共事業における土木資材の製造販売の比率が高いことから、その業績は公共事業の予算規模や執行時期に左右される場合があります。また、インダストリーインフラ事業では、自動車用軽合金鍛造ホイールにおいて、自動車の販売及びアフターマーケット市場からの需要に大きく影響を受けます。加工糸やワイピングクロスにおいては、家電、精密機械及び自動車の民需向けで使用されるため、一層のコスト削減が求められ、海外廉価品との競合が激しくなっております。従いまして、ソーシャルインフラ事業におきましては、公共事業のさらなる縮小があった場合、インダストリーインフラ事業におきましては、原材料価格の高騰による販売価格転嫁ができない場合または市場や顧客からの支持を獲得できる新製品を提供できなかった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、厳しい企業間競争が続くなかにあっても、国内外の需要環境の変化に敏感に対応できる開発・生産・販売体制の構築を目指しております。また、当社グループでは、M&Aと海外事業の展開、人材育成を成長戦略の最重要施策として掲げております。これらを実現させるために、次に掲げる項目が重要であると考えております。 ① 研究開発体制の強化当社グループが提供する製品・サービスに対するユーザーの要求に終わりはなく、ユーザーのニーズを的確に先取りし、製品・サービスに反映させていくことが最優先と考えます。このため、販売部門と研究開発部門の連携を密にして、コストパフォーマンスに優れた独自の製品・サービスをよりスピーディーに実現することを目指します。なお、当社グループのソーシャルインフラ事業においては、昨今の国土交通省の重点政策であります『安全・安心の確保』と方向性をそろえ、防災・減災対策や社会資本の老朽化対策という観点での研究開発をさらに進めてまいります。 ② 品質の向上当社グループの製品が使用現場で安定した性能を維持するためには、使用原材料及び製造工程の品質管理が重要であると考えます。このため、当社グループ各社の品質保証部門を強化し、設計・開発段階における品質向上や、耐久性試験等による品質確認を徹底することで、製品クレームの低減と顧客サービスの向上に努めております。 ③ 購買部門の強化当社グループでは、各種原材料の仕入価格の変動が収益に大きな影響を与え、また国内外を問わず自然災害によるサプライチェーンの寸断が生産活動に影響を与えると認識しております。このため、購買部門を強化し、高い品質を維持しながら、最適な原材料の調達ルートをグローバルに開拓することにより、その影響が最小限に止まるよう最善を尽くしてまいります。また、製品改良時などには新しい原材料の調査・調達にも力を発揮するよう、購買部門の機動力を高めてまいります。 ④ M&Aの活用当社グループでは、2000年以降17件のM&Aを実施しており、今後も効果的にM&Aを実施する方針であります。M&Aを行うに当たり、投資効果はもちろん、対象企業の取扱製品の将来性や当社グループとの相乗効果を十分に検討したうえで、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aを進めてまいります。 ⑤ 人材育成当社グループでは、M&Aの実践による事業領域の拡大に対応するため、人材の確保及び育成が重要な経営課題であります。そのため、今後も即戦力を求めた少数精鋭の中途採用と、中長期的な視点で人的基盤を整備するための新規採用を継続的に行ってまいります。また、社内外の研修体系を整備し、継続的に人材育成を行うとともに、従来の年功序列から成果主義への転換を図ることで、社員全員の戦力化を目指します。 ⑥ グローバル化の進展当社グループでは、海外における製造・販売の多様化・効率化と販路の拡大を目的として、2011年12月にベトナムに海外子会社MAEDA KOSEN VIETNAM CO.,LTD.を設立いたしました。また、2013年11月1日付でドイツに海外子会社BBS Motorsport GmbHを持つBBSジャパン株式会社を子会社化いたしました。また、2016年1月に世界65ヶ国でジオシンセティックス製品(土木工事等に使用される高分子の繊維製品等の総称)の販売を行う台湾のGOLD-JOINT INDUSTRY CO., LTD.と業務提携し、さらに2020年5月に世界60ヶ国以上でジオシンセティックス製品の販売を行うHUESKER Synthetic GmbH(本社:ドイツ連邦共和国)及び同社の関連会社のHUESKER Asia Pacific Pte Ltd.(本社:シンガポール)との間においてアジア地域にて販売提携し、新たな市場開拓を推進しております。今後も、拡大が見込める海外市場を取り込むことで、当社グループの業績拡大を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における日本経済は、雇用及び所得環境の改善により個人消費に持ち直しの動きがみられたほか、好調な企業業績を背景に設備投資も底堅く推移し、緩やかな景気回復が続きました。その一方で、長期化するウクライナ情勢など地政学リスクが継続したことに加え、資源・エネルギー価格の変動や国内物価の上昇、アメリカの通商政策の動向等の影響により、先行きが不透明な状況が続いています。 このような状況のもと、当社グループでは、2023年8月に公表した中期経営計画「グローバルビジョン∞ -PART Ⅱ-」(2024年6月期~2027年6月期)に基づく各種施策を推進しています。既存事業の強化については、高付加価値な製品・工法を提供するための研究開発や生産性向上等を目的とした設備投資を計画的に実施し、М&Aについては、当社グループの既存事業とのシナジーが見込まれる2社の子会社化が完了いたしました。グローバルネットワーク拡充については、建設関連資材や鍛造ホイールなどの当社グループの製品をグローバル市場で販売する取組みを積極的に展開してまいりました。また、持続的成長の基盤となる人的資本への投資も経営上の重要な課題と捉えており、新たな研修体系の導入や海外子会社との人材交流、エンゲージメント調査結果に基づく各種施策、女性活躍推進の取組み等を実行しております。以上の結果、当連結会計年度の売上高は64,108百万円(前年同期比14.8%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は12,026百万円(同12.0%増)、経常利益は12,259百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,489百万円(同18.9%増)となりました。なお、財政状態につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (ソーシャルインフラ事業)主力の公共工事事業において、大型案件の進捗により盛土補強材、海洋土木製品の販売が好調に推移したほか、河川護岸材、景観資材の販売が堅調に推移し、売上・利益とも増加しました。不織布関連の製品は、スパンボンド(連続長繊維不織布)の産業資材・自動車資材向け販売が伸び悩んだものの、医療・衛生資材の受注が堅調であったことから、売上・利益とも増加しました。農水産関連分野については、農業用資材事業における園芸用ハウスなど一部製品の伸び悩み、水産加工事業における販売単価の低迷などの影響により、売上・利益とも前年同期を下回る結果となりました。海外子会社であるMAEDA KOSEN VIETNAM CO., LTD.においては、取扱製品の拡充により安定した受注を確保できたことから、売上・利益とも好調に推移しました。また、当連結会計年度より、2024年12月19日付で子会社化した株式会社犀工房、2025年4月1日付で子会社化した三井化学産資株式会社(現前田工繊産資株式会社)の業績が寄与しました。以上の結果、当事業の売上高は36,395百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は7,355百万円(同8.9%増)となりました。 (インダストリーインフラ事業)自動車用鍛造ホイール事業については、国内自動車メーカーへのOEM供給、アフター市場向け販売とも堅調に推移し、海外子会社であるBBS Motorsport GmbHによる欧州での販売も好調に推移したことから、売上・利益ともに好調な結果となりました。衣料・各種産業資材事業については、電力料や仕入れ価格の高騰によるコスト増加の影響があったものの、精密機器用ワイピングクロス等の売上が回復し、売上・利益とも好調に推移しました。以上の結果、当事業の売上高は27,713百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は6,010百万円(同17.8%増)となりました。 <グローバルビジョン∞について>当社グループは、成長戦略の具体策として、2019年11月に中長期ビジョンである『グローバルビジョン∞』を公表いたしました。この実現に向けた施策として「①既存事業の強化と新規事業進出」「②M&A活用による事業領域拡大」「③グローバルネットワーク拡充」「④ESG+H(※2024年6月期より追加)」を掲げております。これら施策を遂行するため、既存事業については、高付加価値な製品・工法を提供するための研究開発や生産能力の増強を目的とした設備投資を積極的に行っております。また、既存の事業領域の枠に捉われず、新規事業分野にも積極的に取り組むため、M&Aの実践を継続するとともに、これまでのM&Aで培った実績とノウハウを活用しながら、事業シナジーの創出を目指した投資育成事業も推進しております。さらに、国内外の技術や販売ネットワークを活用し、グローバルに展開していくことで、当社グループ製品の市場拡大を目指しております。そのグローバルビジョン∞の第一弾となる「PARTⅠ」(2020年9月期~2023年6月期)では、上記「①既存事業の強化と新規事業進出」を重点施策として位置付け取り組んだ結果、4か年計画の最終年度となる2023年6月期の計画目標である売上高500億円、営業利益80億円に対し、売上高502億円、営業利益84億円を達成いたしました。続く第二弾として、グローバルビジョン∞「PARTⅡ」(2024年6月期~2027年6月期)を策定いたしました。PARTⅡでは、最終年度となる2027年6月期には、売上高700億円、営業利益120億円を実現する見通しです。具体的には、PARTⅡでは、当社グループ事業における成長分野への投資として、4か年で総額150億円の設備投資を計画しております。この設備投資は、生産能力の増強目的のほか、生産ライン自動化・省力化による生産効率化を目的としており、順次業績に寄与する見込みです。また、PARTⅡでは「②M&A活用による事業領域拡大」を重点施策として位置付け、4か年で総額200億円のM&A投資枠を設定し、M&Aの実現で成長を加速させていく考えです。「③グローバルネットワーク拡充」では、新たなマーケットを求めて、2027年6月期の当社グループにおける海外売上比率を30%まで引き上げることを目標としております。さらに当社グループでは、PARTⅡより「④ESG+H」を掲げ、ESG(Environment=環境、Social=社会、Governance=ガバナンス)のみならず、H(Human=人材、Health=健康)を企業活動全体に関わる重要な視点と位置付け、積極的な取組みを行っております。特に、人的資本に関する取組としては、継続的な賃上げに加え、学べる機会と自己成長を実感できる環境を提供するための社内研修制度の見直しなど、人的資本への投資を強化してまいります。なお、数値目標の進捗状況は以下のとおりです。 (数値目標の進捗状況)(単位:百万円) 2023年6月期(実績)2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(計画)2027年6月期(計画)売上高50,20455,83364,10867,50070,000営業利益8,49310,73612,02611,00012,000EBITDA11,68214,10615,51514,70015,000親会社株主に帰属する当期純利益5,2587,9799,4897,6008,000RОE12.415.114.510.712%以上 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ839百万円増加(前期比3.9%増)し、22,260百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは、13,408百万円(前期は12,024百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,917百万円、減価償却費3,451百万円、売上債権の減少1,691百万円等の収入と、法人税等の支払額2,601百万円、仕入債務の減少1,495百万円、負ののれん発生益1,146百万円等の支出によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは、7,829百万円(前期は423百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得6,307百万円、有形固定資産の取得2,149百万円等の支出によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは、4,711百万円(前期は5,196百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得1,909百万円、配当金の支払額1,563百万円、リース債務の返済656百万円、長期借入金の返済582百万円等の支出によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)前年同期比(%)ソーシャルインフラ事業(百万円)18,052111.4インダストリーインフラ事業(百万円)19,947111.4合計(百万円)37,999111.4 b.商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)前年同期比(%)ソーシャルインフラ事業(百万円)7,248124.4インダストリーインフラ事業(百万円)152126.9合計(百万円)7,400124.4 c.受注実績当社グループは、大部分の品目が見込生産であり、受注残高も僅少であることから記載を省略しております。 d.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)前年同期比(%)ソーシャルインフラ事業(百万円)36,395114.9インダストリーインフラ事業(百万円)27,713114.8合計(百万円)64,108114.8(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Dr.ing.h.c.F.Porsche Aktiengesellsc7,19812.98,68913.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態(資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,716百万円増加し86,959百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,478百万円増加いたしました。これは主に、商品及び製品が1,332百万円、原材料及び貯蔵品が968百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が907百万円、現金及び預金が839百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて2,238百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が1,956百万円、投資その他の資産が222百万円それぞれ増加したことによるものであります。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ793百万円増加し18,513百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて712百万円増加いたしました。これは主に、電子記録債務が1,164百万円、流動資産のその他が1,023百万円それぞれ減少したものの、未払法人税等が1,232百万円、未払金が1,042百万円、支払手形及び買掛金が674百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて80百万円増加いたしました。これは主に、リース債務が638百万円、長期借入金が279百万円それぞれ減少したものの、退職給付に係る負債が662百万円、繰延税金負債が206百万円、固定負債のその他が105百万円それぞれ増加したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,923百万円増加し68,446百万円となりました。これは主に、自己株式が1,807百万円増加したものの、利益剰余金が7,924百万円増加したことによるものであります。 b.経営成績(売上高)当連結会計年度の売上高は、64,108百万円(前年同期比14.8%増)となりました。当社グループの主事業であるソーシャルインフラ事業では、大型案件の進捗により盛土補強材、海洋土木製品の販売が好調に推移したほか、河川護岸材、景観資材の販売が堅調に推移した結果、売上高は36,395百万円(同14.9%増)となりました。インダストリーインフラ事業では、国内自動車メーカーへのOEM供給、アフター市場向け販売とも堅調に推移し、海外子会社であるBBS Motorsport GmbHによる欧州での販売も好調に推移したほか、同社のドイツ子会社BBS Motorsport GmbHの業績が大きく伸長した結果、売上高は27,713百万円(同14.8%増)となりました。 (営業損益)当連結会計年度の売上原価は40,315百万円(前年同期比14.8%増)、販売費及び一般管理費は11,766百万円(同17.8%増)となりました。この結果、営業利益は12,026百万円(同12.0%増)となり、売上高営業利益率は18.8%(同0.4ポイント減)となりました。 (経常損益)当連結会計年度において営業外収益は850百万円(前年同期比4.0%増)、営業外費用617百万円(同94.3%増)となりました。この結果、経常利益は12,259百万円(同9.1%増)となり、売上高経常利益率は19.1%(同1.0ポイント減)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損益)当連結会計年度において特別損失は488百万円(前年同期比459百万円増)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9,489百万円(同18.9%増)となり、売上高当期純利益率は14.8%(同0.5ポイント増)となりました。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度における営業利益は12,026百万円、営業利益率は18.8%、EBITDAは15,515百万円、ROE(自己資本利益率)は14.5%でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。各種指標の推移は以下のとおりです。 第48期第49期第50期第51期第52期第53期営業利益(百万円)4,5176,4624,2208,49310,73612,026営業利益率(%)11.514.911.416.919.218.8EBITDA(百万円)7,1899,6167,02411,68214,10615,515ROE(自己資本利益率)(%)9.612.98.812.415.114.5(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて算出しております。2.決算期変更の経過期間となる第50期連結会計年度は、2021年9月21日から2022年6月30日までの9か月10日間となっております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの主な資金需要は、営業活動のための原材料・商品の仕入費用及び人件費、生産設備の能力増強・合理化、品質向上及び業務効率化のための設備投資、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aのための資金等です。これらの資金については、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,871百万円、現金及び現金同等物の残高は22,260百万円であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りを行う必要がありますが、その見積りや当該見積りに用いた仮定は予測不能な事象の発生等により実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 公共事業への依存売上高の約6割を占めるソーシャルインフラ事業は、公共事業を主な需要先としています。政府の政策変更や予算縮小があった場合、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。公共事業の安定性は一定程度あるものの、政治的要因による変動リスクは存在します。
- 原材料価格の変動土木資材の主要原材料である合成樹脂や合成繊維は、原油価格に影響を受けます。原油価格が高騰し、原材料費の上昇分を製品価格に転嫁できない場合、利益率が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。仕入れ先の分散などでリスク軽減を図っています。
- 知的財産侵害のリスク同社は新製品や工法について特許権などの知的財産権を登録し保護に努めていますが、国内外で権利が侵害される可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産を侵害し、損害賠償請求などを受けた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。積極的な権利取得と社員教育で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 売上高の公共事業比率が高いことについて当社グループは、売上高の約6割をソーシャルインフラ事業が占めており、その製品の主な需要先は、公共事業を施工するゼネコン等となっております。これらの公共事業は、政府の大きな方針が前提となり、ある程度の安定性はあるものの、政府の方針転換等により予算の縮小が決定した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、製品ラインアップの充実及び組織力を駆使した複合提案により、防災・減災及び老朽化対策ニーズへの迅速かつ的確な対応を行うほか、民間需要に対する営業力も高めてまいります。 ② 原材料について当社グループの主力製品である土木資材は、合成樹脂、合成繊維を主な原材料としております。その原材料の主成分である原油価格の上昇により、原材料価格が高騰し、その上昇分を販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、販売価格への転嫁や製造コストの低減を速やかに実現できるよう努めているほか、海外を含めた産地や仕入先の分散による複数社購買を推進しております。 ③ 知的財産等について当社グループは、新製品・工法等について特許権等の知的財産の登録を行い、権利保護に努めておりますが、国内外において当社グループの権利が侵害される可能性があります。また、当社グループは、第三者の知的財産を侵害しないように注意を払っておりますが、当社グループが認識していない範囲で第三者の知的財産を侵害する可能性があります。当社グループが仮に侵害し、第三者と知的財産権をめぐって損害賠償、対価の支払い等を請求された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、知的財産権の取得を積極的に推進するほか、新製品開発における侵害調査、当社グループ社員に対する知的財産権に関する教育を実施し、侵害防止に努めております。 ④ 訴訟・クレーム問題について当社グループが製造する土木資材、農業資材、自動車用鍛造ホイール、産業資材等の製品欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を及ぼした場合は、訴訟・紛争等の対象となる恐れがあります。現在において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておらず、このような事故の防止対策には万全を期しておりますが、万一製品に瑕疵があり、具体的な損害が顕在化した場合、当社グループの信用力低下に繋がる恐れがあり、また補償の負担割合等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、設計・開発段階における品質向上や、耐久性試験等による品質確認を徹底しております。また、製品の使用可能領域や安全な施工方法について取引先と十分な事前打合せを行うことで、双方の認識の相違による事故の発生防止に努めております。 ⑤ 自然災害について当社グループの主要な製品の製造拠点は、北陸圏内に集中しております。そのため、局地的な水害、冬季間の雪害、地震等により物流が滞り、原材料の入荷の遅延による生産不能又は生産能力の低下が発生した場合には、製品供給が滞る可能性があります。また、北陸圏内に限らず当社グループの製造拠点、仕入先等において、自然災害により物流の滞りや操業停止等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、調達による操業停止リスクへの対応として、複数社購買を推進しております。また、生産拠点の複数化や、主要拠点における重要商材の在庫の確保により、生産・出荷に関するリスクにも対応を進めております。 ⑥ 人材の確保について当社グループの成長は、研究開発部門の優秀な技術者や製造部門の高度な熟練技能者によって支えられており、当社グループが今後も高い競争力を維持していく上でこれらの人材の確保はますます重要となっております。また、技術面のみならず、当社グループの成長過程においては、経営管理面の優秀な人材確保も一層重要になっております。一方、こうした人材への需要は大きく、企業間における人材の獲得競争は激しいものとなっております。これらの有能な人材の確保及び雇用の維持が困難な場合には、当社グループの成長に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、地域や学校等との連携を強め、交流・情報交換に努めるほか、通年採用の実施により、新卒者に限らず、第2新卒、キャリア採用を含めた幅広い人材との接触機会を増やすことで、優秀な人材の獲得を目指します。また、人材育成においても、研修専任者がきめ細かな育成計画を設定し、より実効性のある育成計画を作成・実施してまいります。 ⑦ 為替相場の変動について当社グループは、国内を中心に事業活動を展開しておりますが、原材料・商品の一部を輸入品により調達しております。大幅な為替相場の変動が起こった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは一部でデリバティブ取引を行い、当該リスクの軽減に努めておりますが、一方で本来得られた利益を逸失する可能性があります。これらに対し、当社グループでは、グループ全体としての通貨別資金ポジションを現在及び将来計画まで含め可視化するとともに、為替予約の利用などを通じて大幅な偏りを回避いたします。 ⑧ 自動車用軽合金鍛造ホイールの販売について当社グループにおいて、連結子会社であるBBSジャパン株式会社及びBBS Motorsport GmbHの営業収入は、同社が製造販売する自動車用鍛造ホイールを装着した自動車の販売及びアフターマーケット市場からの需要に大きく影響を受け、これらを販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。したがって、主要市場における景気後退及びそれに伴う需要縮小のほか、自動車部品・原材料のサプライチェーンが停滞した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、他社との競争環境の中で、技術面やデザイン面において、高度化する自動車メーカーやコアユーザーのニーズに的確に対応していかなくてはなりません。同社が市場や顧客からの支持を獲得できる新製品を提供できなければ需要が縮小し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、同社では、将来の受注見込みの見える化を行いながら増産体制を整えるとともに、販売先、適用車種の偏りによる業績への影響を和らげるため、受注先の分散化を図っております。また、新しいモノづくりとして、軽量化・高剛性化・高強度化を追求しつつ、デザイン性のさらなる向上や製造コスト削減にも取り組んでおります。 ⑨ 企業買収等について当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。これらの投資に当たり、当社グループは、当該企業の財務内容や契約内容などについてデューデリジェンスを行い、事前にリスク回避するように努めておりますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。事業環境の急激な変化など、不測の事態が生じる場合、当社グループの事業展開、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、当社グループでは、M&Aに関する社内ガイドラインをより具体的な内容に改善し、過大投資や低収益事業の買収の回避に努めてまいります。なお、投資の判断にあたっては、外部専門家と連携し、多方面からの分析を実施しております。