事業の概要
- 印刷加工事業中本パックスは、グラビア印刷、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工といった特殊な技術を駆使して、様々な製品を製造・販売しています。これらの加工技術を組み合わせることで、食品包装材からIT関連部品、医療品、建材、生活用品まで、幅広い分野の製品を手掛けており、顧客の多様なニーズに応えることで収益を上げています。
- 多角的な製品展開同社グループは、食品関連、IT・工業材関連、医療・医薬関連、建材関連、生活資材関連といった多岐にわたる用途で製品を提供しています。例えば、食品容器や包装フィルム、スマートフォンの部品に使われるフィルム、湿布薬の剥離フィルム、壁紙、布団圧縮袋など、私たちの身の回りにある多くの製品に同社の技術が使われています。これにより、特定の市場に依存せず安定した収益基盤を築いています。
- 自社ブランドと技術同社は、環境対応や機能性向上に特化した自社ブランド製品を開発しています。例えば、薄肉化で省資源化を図る「NAK-A-PET」、オーブン調理可能な「NC-PET」、電子レンジ対応の「NS-PET」などがあります。これらの独自技術や製品は、顧客に新たな価値を提供し、競争力を高めることで、収益拡大に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 印刷関連事業中本パックスグループは、印刷加工、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工といった技術を核とした「印刷関連事業」を単一セグメントとして展開しています。これは、同社グループの事業が多岐にわたる製品用途(食品、IT、医療、建材、生活資材など)を持つものの、根幹となる加工技術が共通しているため、事業全体を一体として捉えていることを示しています。
- 多様な用途への展開この単一セグメントの中で、同社グループは食品関連(乳製品、コンビニ、農水産、加工食品など)、IT・工業材関連(モバイル機器、二次電池、自動車、半導体など)、医療・医薬関連(貼付剤、市販薬、病院関連など)、建材関連(住宅、家具など)、生活資材関連(圧縮袋、DIY、キッチン、衛生など)といった非常に幅広い用途に製品を提供しています。これにより、特定の市場に依存しない安定した事業基盤を築いています。
- 国内外の拠点と役割同社グループは、日本国内に複数の工場を持つ中本パックス株式会社を中心に、国内に9社、海外に5社の連結子会社、1社の持分法適用関連会社で構成されています。例えば、中本Fine Pack株式会社は食品関連のシート成型加工、中本包装(蘇州)有限公司は生活資材関連製品の製造を担うなど、各社が特定の役割を果たすことで、国内外の顧客に製品を供給しています。
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3【事業の内容】当社グループ(当社及び関係会社)は、当社、連結子会社14社(国内9社、海外5社)、持分法適用関連会社1社(国内1社)により構成され、印刷加工(グラビア印刷)、コーティング加工、ラミネート加工及び成型加工による製品の販売を主な事業としております。なお、当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。 (1)加工の種類種類説明グラビア印刷凹版印刷(印刷しようとする文字や模様などの部分が凸版印刷と反対に窪んでいる版面を使う印刷)で、微細な濃淡が表現できる。コーティング加工素材表面を樹脂等の薄い皮膜で覆い、素材を保護したり、機能性を持たせること。ラミネート加工(ドライラミネート及びサーマルラミネート)包装材料の強化及び機能付加を目的として、接着剤及び高熱により多層複合化すること。成型加工プラスチックシートに熱を加え、形を変えること(食品用容器、トレー、蓋等)。インフレーション法により、プラスチックフィルム及びシートを製膜すること。 [印刷加工プロセスの一例] (2)用途及び主要製品用途主要製品食品関連① 乳製品関連:シュリンクフィルム(※1)、蓋材、台紙、袋等② コンビニエンスストア関連:弁当・サラダ容器用フィルム及び成型用シート(容器・トレー用等)、自社開発品(NAK-A-PET(※2)、NC-PET(※2)、NS-PET(※2))等③ 農水産、加工食品関連:農産物・牡蠣、ハム・ソーセージ用ラミネートシート、冷凍食品・豆腐・油揚げ用フィルム等④ その他:包装用フィルム・シート原紙、ラベル、副資材等IT・工業材関連① モバイル機器関連:NSセパ(※3)(自社ブランド)、遮光フィルム等② 二次電池(リチウムイオン電池)関連:コーティング加工等③ 自動車関連:天井・内装の部材等④ 半導体関連:導電シート、各製造における工程紙等⑤ その他:電線被覆フィルム、電子部品緩衝フィルム等医療・医薬関連① 貼付剤関連:NSセパ印刷品(自社ブランド)、外装袋印刷等② 市販薬関連:個包装フィルム印刷等③ 病院関連:点滴薬外装フィルム印刷、フェイスシールド、防護服等建材関連① 住宅関連:内装壁紙印刷品、ふすま紙印刷品、水回り用コーティング品等② 家具関連:化粧板紙印刷品、システムキッチン用フィルム印刷品等③ その他:Nコート(※4)印刷品(自社ブランド)、店舗什器用印刷品等生活資材関連① 圧縮袋関連:布団用、衣類用等② DIY、エコ関連:壁装飾用、床装飾用、窓ガラス用断熱シート等③ キッチン、衛生関連:まな板シート、キッチンマット、水切り等④ その他:使い捨てカイロ不織布印刷、Nコート等その他① リサイクルペレット(※5)(ポリスチレン、ポリプロピレン)② グラビア印刷機・ドライラミネーター機等(自社特許技術搭載)③ 重袋用原紙、印刷・包装用フィルム [用語説明]※1 シュリンクフィルム(熱で収縮するプラスチックフィルム)※2 当社では、「環境対応」「衛生管理」に配慮した製品・技術の開発や素材の改質を行っております。名称特徴用途NAK-A-PET(剛性を向上したポリエステルシート)① 薄肉化により省資源化② バイオマス原料の配合が可能③ リサイクル可能な素材、環境及び食品衛生等に配慮した設計・農産物用フードパック・食品用トレー・電子部品用トレーNC-PET(高耐熱性及び耐寒性のあるポリエステルシート)① 高温での調理が可能、耐寒強度も強く、高剛性、軽量化も可能② 特に耐熱性に優れていることから、風味の向上、食品衛生上の安全性を確保(当シートの容器を使用してグラタンを190℃のオーブンで45分加熱しても、容器は変形しない)・オーブン調理用食品容器(主にグラタン等)・高温殺菌食品用容器NS-PET(熱接着性のあるポリエステルフィルム)① ヒートシール性がある② 保香性:コーヒー等香りを保持③ 耐熱性:電子レンジ対応品、フィルムの融点は120℃(一般に食品包装などによく用いられるシーラントフィルムは、1,000W×2分半(内容物140℃)の電子レンジ加熱により溶けてしまうが、当フィルムを使用した袋は、1,000W×2分半(内容物140℃)の電子レンジ加熱でも変形しない)・テイクアウト用食品袋(主に揚げ物惣菜)・コーヒー、お茶等の袋・防虫忌避剤の袋※3 NSセパ(ポリエステルの離型フィルムであり、主にスマートフォン・液晶ディスプレイ等の生産や、湿布薬の離型フィルムに使用されます。)※4 Nコート(ポリプロピレン系の合成紙であり、水に強い性質を生かし、主に自動販売機用のラベル、床材に使用されます。)※5 リサイクルペレット(3~5mm程度の粒子状にしたプラスチック材料) 食品関連は、国内外の工場にてプランニング・製版・印刷加工・ラミネート加工・スリット(検査)加工・製袋加工等を行った製品を、顧客に販売しております。シート印刷品(当社製品)は中本FinePack株式会社(連結子会社)または成型メーカーにて成型を行ったうえ、弁当や総菜等の容器及びトレーとして顧客製品に使用されます。フィルム印刷品(当社製品)は顧客である食品メーカーにて加工され、乳製品・菓子・豆腐・ハム・ソーセージ等の食品(顧客製品)の包装資材として使用されます。IT・工業材関連は、NSセパ(自社ブランド)の販売と顧客製品の委託加工(コーティング加工等)等を行っております。NSセパは主に顧客であるIT部材メーカーにて、パソコン及びモバイル機器等の製造工程に使用されます。また、ラミネートフィルム品(当社製品)は顧客である自動車部材メーカーにて加工され、自動車の内装部材として、顧客の最終製品の一部に使用されます。医療・医薬関連は、グラビア印刷を基軸とし、コーティング加工にて離型性等の機能性・付加価値を付与した製品及びNSセパ(自社ブランド)に印刷加工を行ったものを、顧客のプライベートブランド向けに販売しております。薬用セパレーター印刷品(当社製品)は、顧客である医薬品メーカーにて加工され、湿布等のセパレートフィルムとして顧客製品の一部に使用されます。医薬品の外装袋や個包装は、グラビア印刷を行い顧客に提供しております。建材関連は、素材の提案・企画を行い、グラビア印刷を基軸に主に㈱中本印書館(連結子会社)で印刷加工・仕上げ加工を行った製品を顧客に販売しております。木目柄・レンガ柄印刷品(当社製品)は顧客である建装材メーカーにて貼合加工等が行われ、家具・壁紙・ふすま紙といった顧客の最終製品の一部に使用されます。生活資材関連(布団圧縮袋・毛染め用ブラシ等)は、主に中本包装(蘇州)有限公司(連結子会社)で製造(ラミネート加工、製袋加工、アッセンブリー等)し、当社及び㈱アール(連結子会社)が国内の顧客(ホームセンター等)に販売しております。その他、自社で排出されるプラスチック廃材を自社で再生し、リサイクルペレットとして販売しております。 (3)関係会社の事業の内容会社名概要中本パックス㈱(当社)関西2工場・関東5工場を有しており、「(2)用途及び主要製品」に記載した、全ての用途にかかる製品を製造し、国内顧客を中心に販売しております。㈱アール中本包装(蘇州)有限公司及びNAKAMOTO PACKS VIETNAM COMPANY LIMITEDで製造した生活資材関連の製品を日本国内で販売しております。㈱中本印書館建材関連のグラビア印刷加工を中心に行い、当社に販売しております。㈱サンタック食品関連フィルムのグラビア印刷加工を行い、主に当社に販売しております。中本Fine Pack㈱食品関連のシート成型加工を行い、成型蓋及び成型容器を国内顧客に販売しております。三国紙工㈱紙及びプラスチックフィルムのラミネート及びコーティング加工による製品を、国内顧客を中心に販売しております。中本アドバンストフィルム㈱食品関連、IT・工業材関連、医療・医薬関連のプラスチックフィルムを製造し、国内顧客に販売しております。エイワファインプロセシング㈱食品関連、IT・工業材関連フィルムの製袋加工を行い、国内顧客及び中本アドバンストフィルム㈱に販売しております。ナピクル㈱廊坊中本新型材料科技有限公司の日本国内持株会社㈱中本キタイホールディングス中本北井(蘇州)商貿有限公司の日本国内持株会社廊坊中本新型材料科技有限公司IT・工業材関連(自動車関連)の製品を製造し、中国の顧客及び当社に販売しております。中本包装(蘇州)有限公司食品関連、IT・工業材関連、医療・医薬関連及び生活資材関連の製品を製造し、中国の顧客及び㈱アールに販売しております。中本北井(蘇州)商貿有限公司中本包装(蘇州)有限公司で製造したIT・工業材関連、生活資材関連の製品を中国及び日本国内の顧客に販売しております。Nakamoto Packs USA,Inc.IT・工業材関連(自動車関連)を中心に、北米及び中米の顧客に販売しております。NAKAMOTO PACKS VIETNAMCOMPANY LIMITEDIT・工業材関連(自動車関連)及び生活資材関連の製品を製造し、当社に販売しております。RNスマートパッケージング㈱食品関連の機能性フィルムを国内顧客に販売しております。 当社グループの事業内容の概要は次のとおりであります。 [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 厚物シート印刷及びラミネート等に関する独自のノウハウを有しているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 グラビア印刷、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工の技術とノウハウ |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:国内景気と消費動向の低迷 / 資源・原材料の市況変動と調達困難 / 為替の急激な変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。公開情報からは、特定の無形資産が競争優位の源泉となっている明確な証拠は見当たらない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
包装資材という性質上、顧客は特定の仕様や品質を求める場合、サプライヤー変更に伴う評価・切り替えコストが発生する可能性がある。しかし、一般的に包装資材は代替品が多く、スイッチング・コストは限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
包装資材の製造・販売事業であり、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を向上させるネットワーク効果は期待できない。プラットフォームビジネスのような特性は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業経験と、特定の製造技術・ノウハウによる効率化の可能性は考えられる。しかし、原材料価格の変動や競合他社との価格競争に晒される可能性もあり、構造的なコスト優位性は限定的と推測される。
規模の経済★★☆☆☆
特定のニッチ市場や顧客層に特化している可能性はあるが、業界全体における規模の経済性や寡占度に関する情報は不足している。大手競合と比較した場合の規模の優位性は不明瞭。
- 多様な加工技術中本パックスは、グラビア印刷、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工といった複数の専門的な加工技術を保有しています。これらの技術を組み合わせることで、顧客の複雑な要求に応える高機能な製品を開発・製造できる点が強みです。これにより、幅広い産業分野で独自の地位を確立し、競合他社との差別化を図っています。
- 独自ブランドと製品開発力同社は、「NSセパ」「Nコート」といった自社ブランド製品や、環境対応・機能性向上に特化した「NAK-A-PET」「NC-PET」「NS-PET」などの独自素材を開発しています。これらの製品は、特定の用途において高い性能を発揮し、顧客の課題解決に貢献しています。継続的な研究開発により、市場の変化に対応した新製品を投入できる点が競争優位となっています。
- 幅広い顧客基盤と用途食品、IT・工業材、医療・医薬、建材、生活資材と非常に幅広い分野の顧客と取引があり、特定の産業や製品に依存しない事業構造を構築しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した事業運営を可能にしています。多様な用途に対応できる技術力と製品ラインナップが、顧客からの信頼と継続的な受注に繋がっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは「クリーン&セイフティ」を合言葉に、自然環境や労働環境に配慮した製品、技術の開発、素材の改良など、社会が必要とするものづくりに努め、常に顧客に満足いただけるものを供給し続けてまいります。そして、当社グループが引き続き成長していくためには、①主力部門である食品関連における自社開発品の販売強化と顧客ニーズへの迅速な対応、②IT・工業材関連における技術力と開発力の強化、③食品関連、建材関連、生活資材関連における連結子会社との連携による同業他社に負けない競争力の強化が重要であります。また、当社グループ事業の基盤となる従業員の成長を促す教育制度の継続とコンプライアンス遵守の体制を築き、社会に信用される企業にしてまいります。当社グループでは目指す企業像として、「全天候型グローバル企業」を掲げ、その実現に向け対応しております。これは単に経済的な企業価値を追求するだけでなく、「人にやさしい、地球にやさしい」という社会的な企業価値を高めて、あらゆるステークホルダーから信頼される企業像を実現していこうというものです。当社グループとしては継続的に事業ポートフォリオを見直すことで、収益構造を改善するとともに、従来とは異なる成長領域を生み出し、多彩な領域と新陳代謝のあるバランスのとれた事業構造を目指しております。そのために、常に新しい技術に取り組み、顧客に密着したマーケティング活動を行い、グローバル規模で顧客や社会のニーズを先取りしていくことを強力に推進してまいります。 (2)経営戦略等2027年2月期におけるわが国経済は、物価上昇が続くものの賃上げの継続により実質賃金はプラス圏で推移するとみられることから個人消費が持ち直すほか、企業の省力化やDX設備投資の拡大などから内需は緩やかな回復が続くと思われます。一方で、人手不足による供給制約、米国の政策による貿易の悪化や国際情勢の緊張の高まり、とりわけ中東情勢の長期化といったリスクも考えられ、依然として先行きは不透明な状況にあります。当社グループは、2027年2月期の経営課題を「環境経営と改善活動の推進、安全第一でお客様満足度を最大化する」といたしました。環境対応製品の開発と拡販、環境対応インキ・接着剤への切り替えをはじめとした環境経営を進めるとともに、材料使用量削減や生産効率向上など改善活動による原価低減を推進いたします。また、顧客のニーズ・環境対応・省力化に貢献できる製品の提供と、品質管理に注力して顧客満足度の向上に努めると共に、企業としての社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係を築き、持続的な企業価値の向上に努めていく所存であります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、収益性の改善、資本効率の向上に取り組んでまいります。具体的には、経営指標として連結ROE(自己資本当期純利益率)10.0%~12.0%以上を中期経営計画における経営目標とし、長期的には13.0%以上を目標としております。 (4)経営環境及び対処すべき課題① 全天候型経営当社グループを取り巻く状況は刻々と変化しており、現在のような経済環境の激変期には、企業の永続的な発展を重要課題として認識しております。国際情勢の変化、金融不安、IT・半導体のシリコンサイクル、資源・食料・原材料価格の高騰等による業績への影響を最小限にとどめるためにも、特定分野に偏らない事業ポートフォリオの構築が課題であると考えております。また、少子高齢化が進む日本においては、長期的には食品関連や生活資材関連等の需要減少が見込まれます。このような課題に対処するために、創業以来積み上げた印刷、ラミネート及びコーティング技術を活用して、食品包装材を主力に、IT・工業材、医療・医薬、日用雑貨、自動車、建材分野に製品を展開するほか、日本だけでなくグローバルに事業を展開する全天候型経営を行っております。各分野にバランス良く投資をすることで、顧客、取引先、社会、従業員、株主に安心していただける強固な基盤を作ってまいります。 ② 技術及び製品開発自社開発品(NAK-A-PET、NC-PET、NS-PET)は、薄肉化、高剛性による省資源、耐熱、耐寒性付与によるスペックアップ、安全性、環境負荷低減(CO2排出量の低減)、リサイクルを可能にする単一素材化を実現した素材であるため、海洋プラスチックの問題による環境意識の高まりなど潜在的な需要は大きく、更なる販売強化を行う必要があると考えております。また、コーティング技術を活用した金属箔や薄肉フィルムへの加工により、需要拡大が見込まれる工業材分野(産業資材やスマートフォン向けなど)、二次電池分野(電極、セパレーターなど)の新規取組も進めております。このような課題に対処するために、最新鋭の生産設備やテストコーターの導入、技術部門の拡充、生産拠点への開発部門付設等により総合的な技術革新を推し進め、お客様のニーズに対応した製品開発のスピードを速めてまいります。 ③ 課題解決型企業の実現単身世帯、高齢者及び働く女性の増加やライフスタイルの変化による外食からのシフトにより、総菜を中心とした中食市場やデリバリーの需要が底堅い食品関連市場、AI時代の到来や、クルマの電装化等により新たなニーズが見込まれるIT・工業材関連市場など、時代や環境の変化に伴う課題の解決が必要であると認識しております。このような課題に対処するために、潜在する市場ニーズ(環境・安全・個食化等)を的確につかみ、これまで培ってきた技術を駆使するほか、顧客ニーズに応じて設備改良を行うことで新製品及び新素材の開発につなげ新たな価値を提供し、社会や顧客の課題を解決してまいります。 ④ 環境経営循環型社会の実現による持続可能な社会の構築を目指し、紙への印刷や紙容器、当社独自の開発品であるNAK-A-PET、NC-PET、NS-PETや、石化由来材料の削減や食品の賞味期限延長によるフードロス削減が可能な機能性包材(ラベルレスサーマルトップシール製品)、生分解性のガスバリア材料を使用したパッケージング素材(RESCⓇ)の販売を強化しております。また、リサイクル原料使用による省資源化とCO2削減、水性インキや植物由来成分等を含有したバイオマスインキを使用した印刷、水性接着剤を使用したラミネート、紙への生分解性樹脂ラミネート等の環境対応製品により環境負荷低減に取り組んでまいります。加えて工場のLED化、省エネ設備の導入、太陽光発電設備の導入によるCO2削減、材料の再資源化を行うリペレット事業の拡大により、生産活動に伴う廃棄物の発生抑制及び再資源化の取組みなど、各種施策を実施してまいります。 ⑤ グローバル戦略海外連結子会社(中国3社、米国1社、ベトナム1社)における事業は、各国の通商政策、人件費の高騰、環境基準の変化、地政学リスク、販売価格競争の激化や為替変動により不透明な環境にあります。このような課題に対処するために、当社グループは引き続き自動車内装材、圧縮袋や生活資材製造の合理化を図るとともに、当社グループが得意とするクリーンコーティング、熱ラミネート等の付加価値の高い製品の販売増加を目指し、新規顧客の開拓を推進いたします。また、複数国に生産拠点を持つことで、チャイナリスクへの対策、グローバルなサプライチェーンの構築と顧客ニーズへの対応を進めてまいります。 ⑥ 社会的責任を重視した経営地域社会からの信頼を得ることも企業価値の向上を目指した経営の一つと考え、事業活動や雇用を通して地域の社会経済活動に貢献しております。また、環境負荷の低減、障がい者雇用をはじめとしたダイバーシティの推進、取引先の事業活動の継続に寄与するため、全国主要都市周辺に16工場を配置し、BCP対応、供給責任を果たしております。この他、顧客、取引先、社会、従業員、株主など各ステークホルダーとの対話や協働が持続的成長に不可欠と考えており、コミュニケーションの機会を大切にし、企業経営に生かしております。 ⑦ 内部管理体制の強化当社グループは、金融商品取引法における内部統制に係る報告を実施するため内部管理体制の強化に努め、コンプライアンス機能の強化、業務マニュアルの整備等を行ってまいりました。今後もこの内部管理体制を有効に機能させることが、企業価値を高め、効率的かつ健全な企業経営を実現するものと認識し、より一層透明性の高い経営を目指し、相互牽制の効いた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは「クリーン&セイフティ」を合言葉に、自然環境や労働環境に配慮した製品、技術の開発、素材の改良など、社会が必要とするものづくりに努め、常に顧客に満足いただけるものを供給し続けてまいります。そして、当社グループが引き続き成長していくためには、①主力部門である食品関連における自社開発品の販売強化と顧客ニーズへの迅速な対応、②IT・工業材関連における技術力と開発力の強化、③食品関連、建材関連、生活資材関連における連結子会社との連携による同業他社に負けない競争力の強化が重要であります。また、当社グループ事業の基盤となる従業員の成長を促す教育制度の継続とコンプライアンス遵守の体制を築き、社会に信用される企業にしてまいります。当社グループでは目指す企業像として、「全天候型グローバル企業」を掲げ、その実現に向け対応しております。これは単に経済的な企業価値を追求するだけでなく、「人にやさしい、地球にやさしい」という社会的な企業価値を高めて、あらゆるステークホルダーから信頼される企業像を実現していこうというものです。当社グループとしては継続的に事業ポートフォリオを見直すことで、収益構造を改善するとともに、従来とは異なる成長領域を生み出し、多彩な領域と新陳代謝のあるバランスのとれた事業構造を目指しております。そのために、常に新しい技術に取り組み、顧客に密着したマーケティング活動を行い、グローバル規模で顧客や社会のニーズを先取りしていくことを強力に推進してまいります。 (2)経営戦略等2027年2月期におけるわが国経済は、物価上昇が続くものの賃上げの継続により実質賃金はプラス圏で推移するとみられることから個人消費が持ち直すほか、企業の省力化やDX設備投資の拡大などから内需は緩やかな回復が続くと思われます。一方で、人手不足による供給制約、米国の政策による貿易の悪化や国際情勢の緊張の高まり、とりわけ中東情勢の長期化といったリスクも考えられ、依然として先行きは不透明な状況にあります。当社グループは、2027年2月期の経営課題を「環境経営と改善活動の推進、安全第一でお客様満足度を最大化する」といたしました。環境対応製品の開発と拡販、環境対応インキ・接着剤への切り替えをはじめとした環境経営を進めるとともに、材料使用量削減や生産効率向上など改善活動による原価低減を推進いたします。また、顧客のニーズ・環境対応・省力化に貢献できる製品の提供と、品質管理に注力して顧客満足度の向上に努めると共に、企業としての社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係を築き、持続的な企業価値の向上に努めていく所存であります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、収益性の改善、資本効率の向上に取り組んでまいります。具体的には、経営指標として連結ROE(自己資本当期純利益率)10.0%~12.0%以上を中期経営計画における経営目標とし、長期的には13.0%以上を目標としております。 (4)経営環境及び対処すべき課題① 全天候型経営当社グループを取り巻く状況は刻々と変化しており、現在のような経済環境の激変期には、企業の永続的な発展を重要課題として認識しております。国際情勢の変化、金融不安、IT・半導体のシリコンサイクル、資源・食料・原材料価格の高騰等による業績への影響を最小限にとどめるためにも、特定分野に偏らない事業ポートフォリオの構築が課題であると考えております。また、少子高齢化が進む日本においては、長期的には食品関連や生活資材関連等の需要減少が見込まれます。このような課題に対処するために、創業以来積み上げた印刷、ラミネート及びコーティング技術を活用して、食品包装材を主力に、IT・工業材、医療・医薬、日用雑貨、自動車、建材分野に製品を展開するほか、日本だけでなくグローバルに事業を展開する全天候型経営を行っております。各分野にバランス良く投資をすることで、顧客、取引先、社会、従業員、株主に安心していただける強固な基盤を作ってまいります。 ② 技術及び製品開発自社開発品(NAK-A-PET、NC-PET、NS-PET)は、薄肉化、高剛性による省資源、耐熱、耐寒性付与によるスペックアップ、安全性、環境負荷低減(CO2排出量の低減)、リサイクルを可能にする単一素材化を実現した素材であるため、海洋プラスチックの問題による環境意識の高まりなど潜在的な需要は大きく、更なる販売強化を行う必要があると考えております。また、コーティング技術を活用した金属箔や薄肉フィルムへの加工により、需要拡大が見込まれる工業材分野(産業資材やスマートフォン向けなど)、二次電池分野(電極、セパレーターなど)の新規取組も進めております。このような課題に対処するために、最新鋭の生産設備やテストコーターの導入、技術部門の拡充、生産拠点への開発部門付設等により総合的な技術革新を推し進め、お客様のニーズに対応した製品開発のスピードを速めてまいります。 ③ 課題解決型企業の実現単身世帯、高齢者及び働く女性の増加やライフスタイルの変化による外食からのシフトにより、総菜を中心とした中食市場やデリバリーの需要が底堅い食品関連市場、AI時代の到来や、クルマの電装化等により新たなニーズが見込まれるIT・工業材関連市場など、時代や環境の変化に伴う課題の解決が必要であると認識しております。このような課題に対処するために、潜在する市場ニーズ(環境・安全・個食化等)を的確につかみ、これまで培ってきた技術を駆使するほか、顧客ニーズに応じて設備改良を行うことで新製品及び新素材の開発につなげ新たな価値を提供し、社会や顧客の課題を解決してまいります。 ④ 環境経営循環型社会の実現による持続可能な社会の構築を目指し、紙への印刷や紙容器、当社独自の開発品であるNAK-A-PET、NC-PET、NS-PETや、石化由来材料の削減や食品の賞味期限延長によるフードロス削減が可能な機能性包材(ラベルレスサーマルトップシール製品)、生分解性のガスバリア材料を使用したパッケージング素材(RESCⓇ)の販売を強化しております。また、リサイクル原料使用による省資源化とCO2削減、水性インキや植物由来成分等を含有したバイオマスインキを使用した印刷、水性接着剤を使用したラミネート、紙への生分解性樹脂ラミネート等の環境対応製品により環境負荷低減に取り組んでまいります。加えて工場のLED化、省エネ設備の導入、太陽光発電設備の導入によるCO2削減、材料の再資源化を行うリペレット事業の拡大により、生産活動に伴う廃棄物の発生抑制及び再資源化の取組みなど、各種施策を実施してまいります。 ⑤ グローバル戦略海外連結子会社(中国3社、米国1社、ベトナム1社)における事業は、各国の通商政策、人件費の高騰、環境基準の変化、地政学リスク、販売価格競争の激化や為替変動により不透明な環境にあります。このような課題に対処するために、当社グループは引き続き自動車内装材、圧縮袋や生活資材製造の合理化を図るとともに、当社グループが得意とするクリーンコーティング、熱ラミネート等の付加価値の高い製品の販売増加を目指し、新規顧客の開拓を推進いたします。また、複数国に生産拠点を持つことで、チャイナリスクへの対策、グローバルなサプライチェーンの構築と顧客ニーズへの対応を進めてまいります。 ⑥ 社会的責任を重視した経営地域社会からの信頼を得ることも企業価値の向上を目指した経営の一つと考え、事業活動や雇用を通して地域の社会経済活動に貢献しております。また、環境負荷の低減、障がい者雇用をはじめとしたダイバーシティの推進、取引先の事業活動の継続に寄与するため、全国主要都市周辺に16工場を配置し、BCP対応、供給責任を果たしております。この他、顧客、取引先、社会、従業員、株主など各ステークホルダーとの対話や協働が持続的成長に不可欠と考えており、コミュニケーションの機会を大切にし、企業経営に生かしております。 ⑦ 内部管理体制の強化当社グループは、金融商品取引法における内部統制に係る報告を実施するため内部管理体制の強化に努め、コンプライアンス機能の強化、業務マニュアルの整備等を行ってまいりました。今後もこの内部管理体制を有効に機能させることが、企業価値を高め、効率的かつ健全な企業経営を実現するものと認識し、より一層透明性の高い経営を目指し、相互牽制の効いた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ548百万円増加し、40,523百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,231百万円減少し、18,429百万円となりました。当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,780百万円増加し、22,093百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果に加え、訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要が堅調に推移したこと等により、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商・関税政策をめぐる不透明感や地政学リスクの高まりに加え、欧州の景気低迷や中国における内需回復の遅れなど、海外景気が国内景気を下押しするリスクが依然として存在しており、先行きについて予断を許さない状況が続いております。こうしたなか、当社グループの事業活動も、エネルギー価格高騰などによる製造コストの上昇やサプライチェーンの混乱による影響を受けており、引き続き慎重に対応してまいります。このような状況の下、「環境経営と改善活動の推進、原点回帰でお客様満足度を最大化する」をスローガンに、環境への負荷を低減できる開発製品の販売、原価低減、生産効率・品質の向上に注力いたしました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は49,635百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は2,961百万円(同3.1%増)、経常利益は3,054百万円(同5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,175百万円(同8.2%増)となりました。製品用途別の経営成績は次のとおりであります。 (食品関連)既存のチーズなどの乳製品、水産加工品向け包材、冷凍食品向け包材が増加したほか、農産向けフードパックや豆腐用包材も堅調に推移いたしました。また、中本アドバンストフィルム株式会社の売上と利益貢献があったことにより、売上高は31,607百万円(前年同期比1.0%増)、売上総利益は4,465百万円(同2.3%増)となりました。 (IT・工業材関連)電子用途向け機能性材料やスマートフォン用途、半導体関連、自動車内装材、製造業向け重袋が総じて堅調に推移したことにより、売上高は9,329百万円(前年同期比3.8%増)、売上総利益は2,209百万円(同24.6%増)となりました。 (生活資材関連)利益率の高い自社商品の販売が好調に推移、収納関連商材や防ダニ関連商材の売上が増加した結果、売上高は4,284百万円(前年同期比0.6%増)、売上総利益は1,749百万円(同3.5%増)となりました。 (建材関連)住宅着工戸数の減少に伴い、表面機能コーティングを施した建材の受注は減少いたしました。一方で、比較的高収益な製品の販売が堅調に推移したことに加え、新規案件の受注が寄与したことで、売上高は1,995百万円(前年同期比4.5%増)、売上総利益は270百万円(同0.9%増)となりました。 (医療・医薬関連)貼付剤関連や医療用の包装袋は堅調に推移したものの、病院関連の輸液関係包材が減少したことにより、売上高は1,554百万円(前年同期比0.9%減)、売上総利益は325百万円(同1.6%減)となりました。 (その他)汎用品の重袋や多層ナイロン共押出袋が堅調に推移した一方で、化学メーカー向け機械販売において前年同期にあった大型案件の反動影響等を受け、売上高は864百万円(前年同期比22.9%減)、売上総利益は116百万円(同33.8%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ17百万円増加し、7,569百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,552百万円(前連結会計年度は、2,353百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益3,372百万円、減価償却費1,259百万円及びその他141百万円等による増加要因が、関係会社株式売却益137百万円、固定資産売却益113百万円、売上債権の増加額359百万円、仕入債務の減少額680百万円及び法人税等の支払額876百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,272百万円(前連結会計年度は、1,156百万円の減少)となりました。これは、固定資産の売却による収入212百万円及び投資有価証券の売却による収入116百万円等による増加要因が、生産加工設備等の固定資産の取得による支出1,388百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出181百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、1,277百万円(前連結会計年度は、1,240百万円の減少)となりました。これは、長期借入れによる収入1,200百万円による増加要因が、短期借入金の純減額600百万円、長期借入金の返済による支出1,045百万円、自己株式の取得による支出139百万円及び配当金の支払額606百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(千円)前年同期比(%)印刷関連事業32,998,02597.1合計32,998,02597.1 (注)金額は、製造原価によっております。 b.受注実績当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、連結子会社においては、受注から販売までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため、提出会社個別の受注高及び受注残高を記載しております。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)印刷関連事業34,149,900100.31,697,09696.2合計34,149,900100.31,697,09696.2 (注)金額は、販売価格によっております。 c.販売実績当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を用途ごとに示すと、次のとおりであります。用途当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(千円)前年同期比(%)食品関連31,607,569101.0IT・工業材関連9,329,308103.8生活資材関連4,284,711100.6建材関連1,995,276104.5医療・医薬関連1,554,69599.1その他864,38577.1合計49,635,946101.0 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)㈱エフピコ6,340,94012.96,176,01112.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(資産)当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ548百万円増加し、40,523百万円となりました。流動資産につきましては、受取手形、売掛金及び契約資産が323百万円減少し、貸倒引当金が205百万円増加(流動資産は減少)したものの、電子記録債権が552百万円、短期貸付金が314百万円、その他が217百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ526百万円増加し、25,240百万円となりました。固定資産につきましては、減価償却費の計上等により有形固定資産が112百万円、無形固定資産が84百万円それぞれ減少したものの、投資その他の資産が219百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ22百万円増加し、15,282百万円となりました。 (負債)当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,231百万円減少し、18,429百万円となりました。流動負債につきましては、その他が130百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が771百万円、短期借入金が600百万円、関係会社整理損失引当金が205百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,286百万円減少し、14,934百万円となりました。固定負債につきましては、リース債務が145百万円減少したものの、長期借入金が90百万円、繰延税金負債が109百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ54百万円増加し、3,495百万円となりました。 (純資産)当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,780百万円増加し、22,093百万円となりました。これは、自己株式が139百万円増加(純資産は減少)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,569百万円増加したことや、退職給付に係る調整累計額が242百万円増加したこと等によるものであります。 b.経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、各用途区分において、食品関連では乳製品用・水産加工品用・冷凍食品用包材や農産物のフードパックなど、IT・工業材関連ではスマートフォン用途や半導体関連など、生活資材関連では利益率の高い自社商品の販売が好調に推移した結果、前連結会計年度に比べて503百万円(1.0%)増加し、49,635百万円となりました。 (営業利益)当連結会計年度の営業利益は、インキ・溶剤・電力・燃料・副資材の高騰によるコスト上昇があったものの、売上が増加したことと、販売活動や生産効率の改善効果があった結果、前連結会計年度に比べて90百万円(3.1%)増加し、2,961百万円となりました。 (経常利益)当連結会計年度の経常利益は、営業利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べて146百万円(5.0%)増加し、3,054百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益113百万円、投資有価証券売却益85百万円、関係会社株式売却益137百万円、固定資産除却損18百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べて165百万円(8.2%)増加し、2,175百万円となりました。 c.経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 d.経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。当連結会計年度におきましては、製造にかかわるコストが上昇しましたが、生産効率改善による原価低減や価格転嫁をすすめたほか、比較的利益率の良いIT・工業材関連や、生活資材関連での自社商品の販売が増加したことにより連結売上高経常利益率は前連結会計年度より良化し6.2%となりました。なお、連結ROEは10.8%となりました。長期目標の13.0%以上を目指し、効率的な事業経営によりROEの継続的な向上に取り組んでまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第一部 企業情報 第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資等の長期資金につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入れを基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は7,748百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,569百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。経営成績または財政状態に重要な影響を及ぼす見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる要因を考慮して行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在することから、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 国内景気と消費動向日本国内の景気低迷や物価高、感染症拡大による個人消費の落ち込みは、同社グループの製品需要に直接影響を与える可能性があります。主要顧客の市場シェア縮小も受注量の減少や単価の下落を招き、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 資源・原材料の市況変動包装材や加工フィルムの主要原材料である樹脂やフィルムの価格は、原油価格や為替レート、地政学リスクに大きく左右されます。これらの価格が高騰したり、調達が困難になったりすると、製造コストが増加し、利益を圧迫する可能性があります。
- 為替変動の影響同社グループは海外販売の拡大を目指しており、為替変動の影響が大きくなると予想されます。急激な円安は原材料輸入コストを押し上げ、急激な円高は製品輸出価格の低下や為替差損の発生につながり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。 (1)国内景気と消費動向に関するリスク当社グループは、幅広い業種の顧客企業と取引を行っており、主として日本国内市場向けに、特定業種に偏らない活動を展開しております。しかしながら、国内需要の減退や物価高・感染症拡大の影響による国内個人消費の低迷が顕在化した場合や主要顧客における市場シェアの縮小等が生じた場合には、当社グループの受注量の減少や受注単価の下落により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (2)資源・原材料の市況に関するリスク当社グループは、包装材や各種加工フィルムの主要原材料として、樹脂、フィルムといった各種のプラスチック素材を使用しております。これらの原材料の価格は原油、ナフサなどの国際商品市況及び為替変動の影響を受けます。また、各国の通商政策や地政学リスク(紛争・戦争やテロ等)により調達自体が困難になる可能性があります。石化由来材料の使用削減や調達ルートの多様化に取り組んでおりますが、例えば、原油価格、電気代や燃料費が大きく変動した場合や、サプライチェーンの混乱等が生じ、樹脂やインキ等の原材料となる資源の調達困難による価格高騰、工場の操業停止や操業度が低下した場合には、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (3)為替の変動に関するリスク当社グループは、生活資材、IT・工業材、自動車内装材を中心に海外販売の拡大を計画しており、今後、為替変動の影響は次第に比重が増してくると予想されます。急激な為替変動が生じた場合には、原材料輸入価格の高騰または製品輸出価格の低下、並びに債権債務の決済時に多額の為替差損が生じることにより、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (4)研究開発活動に関するリスク当社グループは、将来の成長性を確保するという観点から、研究開発投資を行っております。しかしながら、計画どおりに研究開発が進捗しない場合、新製品や新技術に関して多額の研究開発投資を行ったとしても必ずしも十分な成果を上げることができない場合、また、想定し得ないような急激な技術革新が起きた場合には、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (5)製品の品質に関するリスク当社グループは、ISO9001及び14001を取得する等により、常に品質の高い製品を顧客に提供できるような品質管理体制の構築を図っております。しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥に基づく製造物責任の追及がなされた場合には、補償費用の負担や、再生産に係る費用の追加負担により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (6)環境規制等の影響に関するリスク当社グループは、環境保全を経営の重要課題であると認識し、厳格な管理を徹底しつつ事業活動を行っております。しかしながら、今後、環境等に関する様々な法的規制の強化または社会的責任の要請等に起因して事業活動に制約を受けるような事象が顕在化した場合には、計画外の設備投資や環境対策費用等の追加負担が生じることとなり、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (7)海外事業に関するリスク当社グループは、中国に3社、米国に1社、ベトナムに1社の連結子会社を有しており、わが国と相手国の間の政治問題、国際的な経済情勢の変化、また、雇用環境、税制、法的規制の違い等に起因する様々な問題が生じるリスクを回避または低減させるために、海外ビジネスに精通した国内取引先(インキメーカー、商社等)、監査法人、顧問税理士または顧問弁護士等より随時アドバイスを得て、海外展開を慎重に進めております。しかしながら、現時点における想定を遥かに上回る政治的(貿易摩擦、紛争・戦争やテロ等)、経済的(為替変動等)、社会的(労務問題等)な問題、または商慣習の違いに起因する取引先との関係構築に係る問題が顕在化した場合には、生産活動の縮小や停滞、サプライチェーンの混乱、販売活動の停滞等により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (8)自然災害・事故災害に関するリスク当社グループは、国内外に製造拠点を複数設けることにより自然災害や感染症の拡大に伴う操業停止または操業度低下リスクを分散させるとともに、事業所における耐震対策や点検、防火訓練等に取り組むことにより事故災害リスクを低下させるよう努めております。しかしながら、想定を超えるような地震、台風等の自然災害や感染症の拡大、また、火災等の事故災害が発生することに起因して、十分な原材料調達ができない場合や、設備や従業員が大きな被害を受け、工場の操業停止または操業度が低下した場合には、生産及び出荷の停止または遅延に伴う販売数量の減少や多額の修繕費用の発生により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (9)販売価格やシェアに関するリスク当社グループは、主力製品である厚物シート印刷及びラミネート等に関する独自のノウハウを有しており、今後も販売価格や一定のシェアを維持することができるものと考えております。しかしながら、そのような当社グループの独自性、優位性が発揮できない分野において、競合他社の低価格戦略や模倣等が顕在化した場合には、販売価格やシェアが低下することにより、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (10)業務提携・企業買収に関するリスク当社グループは、他社との業務提携や企業買収が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しており、過去においても積極的に業務提携や企業買収を行っております。しかしながら、当初想定した業務提携または買収によるシナジー効果を得ることができなかった場合には、利益率を圧迫する等により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (11)人材の採用・育成に関するリスク当社グループは、高度な技術力や企画力等を有する優秀な人材の採用・育成が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しており、新卒採用のほかにも多様な専門性を有する人材を確保すべく中途採用の実施等、幅広く優秀な人材を求めております。しかしながら、そのような人材の採用や育成ができなかった場合には、競争力が低下し、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。