事業の概要
- 計測機器の製造販売国際計測器グループは、バランシングマシン、電気サーボモータ式試験機、材料試験機、シャフト歪自動矯正機、その他計測機器(巻線試験機、歯車かみ合い試験機、地震計など)の製造販売とサービスを主な事業としています。特に、高速で回転する部品の振動や騒音の原因となるアンバランスを測定・修正するバランシングマシンは、自動車部品や家電製品など幅広い分野で品質管理に不可欠な装置です。
- タイヤ関連試験機の主力タイヤの安全性と品質向上に不可欠なバランス試験とユニフォーミティ(均一性)試験を同時に行える複合試験機(UBマシン)を開発し、タイヤ業界向けに積極的に展開しています。このタイヤ関連試験機は、当連結会計年度末の受注残高の66.7%を占めるなど、グループの主要な収益源となっています。
- 多様な産業への貢献自動車産業向けの試験機だけでなく、機械部品の耐久性を測る材料試験機や、モーターの巻線不良を検出する巻線試験機、精密歯車の検査を行う歯車かみ合い試験機など、多岐にわたる産業の品質管理や研究開発を支える製品を提供しています。地震計の製造販売も行っており、社会インフラの安全にも貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 国際計測器(事業)国際計測器株式会社は、バランシングマシン、電気サーボモータ式試験機、シャフト歪自動矯正機、その他計測機器の製造販売およびサービスを日本で行う中核事業会社です。グループ全体の売上高の大部分を占める98.97743億円を計上しており、多様な計測機器を通じて幅広い産業の品質管理と生産性向上に貢献しています。
- 東伸工業(地域)東伸工業株式会社は、日本を拠点に材料試験機の製造販売およびサービスを提供しています。機械部品の耐久性などを測る材料試験機は、製品の信頼性確保に不可欠であり、2.41918億円の売上高を計上しています。特定の専門分野に特化することで、グループの製品ポートフォリオを補完しています。
- アメリカ(地域)KOKUSAI INC.は米国を拠点とし、バランシングマシン、シャフト歪自動矯正機の製造販売およびサービス、電気サーボモータ式試験機の販売およびサービスを行っています。13.8524億円の売上高を計上しており、北米市場における自動車産業やその他の製造業のニーズに対応し、グループの海外展開を牽引する重要な地域セグメントです。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| InternationalMeasurementCo | 事業 | 99 | − | − |
| ToshinIndustryCo | 地域 | 2 | − | − |
| America | 地域 | 14 | − | − |
| Korea | 事業 | 12 | − | − |
| China | 地域 | 2 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び関係会社)は、当社、子会社6社及びその他の関係会社1社で構成されており、バランシングマシン、電気サーボモータ式試験機、材料試験機、シャフト歪自動矯正機、その他計測機器(巻線試験機、歯車かみ合い試験機及び地震計等)の製造販売及びサービスを主な事業としております。(1) グループ会社別の事業内容は次のとおりであります。区分会社名所在地(注)主な事業当社国際計測器株式会社日本バランシングマシン、電気サーボモータ式試験機、シャフト歪自動矯正機、その他計測機器の製造販売及びサービス連 結 子 会 社KOKUSAI INC.米国バランシングマシン、シャフト歪自動矯正機の製造販売及びサービス、電気サーボモータ式試験機の販売及びサービスKOREA KOKUSAI CO.,LTD.韓国バランシングマシン、電気サーボモータ式試験機、シャフト歪自動矯正機の製造販売及びサービス高技国際計測器(上海)有限公司中国バランシングマシン、シャフト歪自動矯正機、巻線試験機の製造販売及びサービスKOKUSAI Europe GmbH.ドイツバランシングマシン、電気サーボモータ式試験機の販売及びサービスThai Kokusai CO.,LTD.タイバランシングマシン、電気サーボモータ式試験機の販売及びサービス東伸工業株式会社日本材料試験機の製造販売及びサービスその他の関係会社松本繁興産株式会社日本有価証券の保有並びに運用 (注) セグメントとの関連については、KOKUSAI Europe GmbH.及びThai Kokusai CO.,LTD.はセグメントの「その他」、当社及びその他の連結子会社は所在地と報告セグメントが同一であります。なお、その他の関係会社の松本繁興産株式会社はセグメントには含まれておりません。 (2) 事業の系統図は、次のとおりであります。 (3) 主な製品の内容及び主な用途については次のとおりであります。①バランシングマシン(バランサーまたは動釣合試験機)<バランシングマシン及びバランス自動修正装置>バランシングマシンには、スタティック型(重量のバラツキを測定)とダイナミック型(遠心力のバラツキを測定)の2方式があり、当社グループの製造・販売するバランシングマシンのほぼ全てがダイナミック型のバランシングマシンであります。モーターの回転子やエンジンあるいはタイヤのように高速で回転する物体は、わずかな重量のアンバランスがあっても、振動や騒音の原因となるだけではなく製品の寿命にも影響するため、品質管理上からもバランスの測定及び修正作業は生産工程上必要なものとなっております。しかも、その要求精度はますます厳しくなってきており、省エネ・低騒音とあわせて高性能化の方向へ向かっております。バランシングマシンには、大別するとバランス測定を目的としたバランサー(汎用型やタイヤバランサー等)と、アンバランスの個所をカッターやドリル等で削ったり、パテや金属片等をプラスしたりして自動で修正を行うバランス自動修正装置(自動バランサー)の2種類があり、当社グループはこの両方を製造・販売しております。バランシングマシンの用途は、高速で回転する全ての部品が対象となりますが、主な対象部品は次のとおりであります。●自動車部品・電装用モーター類(EVモーター、オルタネーター、スターター、ワイパー、ABS、エアコン、ウインドウ、フューエルポンプ等数十種類)・エンジン系(クランクシャフト、フライホイール、プーリー、ターボチャージャー等)・変速・駆動系(クラッチ、トルコン部品各種、プロペラシャフト等)・足回り系(ブレーキディスク、ブレーキドラム、ホイール、タイヤ等)●家電関係 掃除機、換気扇、ミキサー、エアコン、ハードディスク等の各種モーター●OA関係 ハードディスク、レーザープリンター(ポリゴンミラー)、冷却用小型ファン等●その他 各種産業機械、農機・建機、ターボファン、タービン、工作機械主軸類、その他高速で回転する全ての部品 <ユニフォーミティ/バランス複合試験機>完成タイヤの主要試験項目には、バランス試験とユニフォーミティ試験(タイヤに所定の面圧をかけながら回転させ、タイヤの反発力のバラツキを計測する)の2項目があります。当社は、この2つの試験を1台の試験機で同時に計測できる複合機を開発し販売しております。さらに、時速120Km以上の実走状態で計測する高速型のインライン複合試験機(当社製品名H-UBマシン)の開発にも成功し、国内のみならず海外においても多くの販売実績を有しております。 ②電気サーボモータ式試験機自動車産業における素材・部品の材料・耐久試験から完成車の走行/振動試験まで、広範囲にわたる試験を全て高精度の電気サーボモータを採用し、自社開発の制御システム(特許取得済)で製品化した試験装置であります。従来の油圧式制御とは異なる世界初の試験機であり、提出日現在の製品ラインアップは30数種類に及んでおります。自動車業界のみならず、多様な業界からのニーズがあるため、顧客からの要求に基づいた製品開発や受託試験等により販売実績を積み重ねております。 ③材料試験機機械などに使用される部品はある一定の負荷がかかる状態で使用されるものがあります。本試験機は、部品(材料)の使用状況下での耐久性を試験する装置です。一般に材料試験と呼ばれる試験は、多岐にわたりますが、当社グループにおいて主に取り扱う試験機は引っ張り試験、圧縮試験、ねじり試験などであります。また、高温状態などの特殊条件下で使用される部品について、一定の温度や圧力を保持した状態で部品(材料)の耐久性を測定するクリープ試験機なども材料試験機に含まれております。 ④シャフト歪自動矯正機シャフトは、加工或いは熱処理工程において歪み(曲がり)が発生します。従来よりシャフトの歪矯正作業は熟練工の仕事とされておりましたが、この矯正作業を自動化したものがシャフト歪自動矯正機であり、主に自動車部品、OA部品等の矯正に利用されております。 ⑤その他の主な製品<巻線試験機>モーターやトランス等の巻線部品(コイル)に、使用電圧の十数倍のサージ電圧をかけてそのコイルの良否を判定する試験機であります。 <歯車かみ合い試験機>トランスミッション等に使用される歯車の歯面のキズ、偏芯、大きさ(OBD)等を、生産ライン上で全数検査を対象として検査する自動試験機であります。全ての精密歯車が対象となりますが、主に自動車用トランスミッション工場で使用されております。 <地震計>地震国であるわが国では、地震による災害防止のために地震防災システムの構築が必要とされていました。当社においては、振動計測技術を活かした地震計の製造販売を行っております。阪神・淡路大震災を契機に1996年に構築された震度情報ネットワークシステムにおいて、当社の地震計が多くの全国各都道府県及び市区町村に採用されました。なお、2010年度にはこの震度情報ネットワークシステムの全国的な更新があり、当社は地震計測装置メーカーとして最多の設置実績を有しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高精度・省エネ・低騒音化の要求に応える製品開発力があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高速回転体のバランス測定・修正技術、複合試験機開発、電気サーボモータ式試験機のノウハウ。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:国内外の経済情勢及び社会情勢の影響 / タイヤ関連試験機への高い依存度 / 海外売上高比率の高さと経済情勢
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。公開情報からは、特定の無形資産に依存した競争優位性は確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
精密機器という性質上、顧客が一度導入した計測器を他社製品に切り替える際には、再校正やオペレーション変更の手間が発生する可能性がある。しかし、そのコストが顧客にとって致命的な損失となるほどのスイッチング・コストは現時点では明確ではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が発生するビジネスモデルではないと判断される。
コスト優位★☆☆☆☆
精密機器製造におけるコスト競争力に関する具体的な情報は乏しい。規模の経済や独自の生産技術による顕著なコスト優位性を示すデータは確認できない。一般的な製造業としてのコスト管理は行われていると推測される。
規模の経済★★☆☆☆
精密機器業界において、一定の市場シェアと生産規模は有していると考えられる。しかし、業界全体を寡占するほどの圧倒的な規模の経済や、少数精鋭のプレイヤーによる市場構造を示唆する情報は現時点では限定的である。
- 高度な計測技術と製品開発力同社グループは、高速回転体のアンバランスを精密に測定・修正するバランシングマシンや、世界初の電気サーボモータ式試験機など、独自の技術と特許に基づいた製品を開発しています。特に、タイヤのバランスとユニフォーミティを同時に測定できる複合試験機は、高い精度が求められる自動車・タイヤ業界で競争優位性となっています。
- グローバルな事業展開米国、韓国、中国、ドイツ、タイなど世界各地に子会社を展開し、製造販売およびサービスを提供しています。これにより、各地域の顧客ニーズに迅速に対応できる体制を構築しており、特に自動車・タイヤ業界の海外進出や新興市場の成長を取り込むことで、売上高の約7割を海外で稼ぎ出すグローバル企業としての強みを持っています。
- 幅広い製品ラインナップバランシングマシンだけでなく、電気サーボモータ式試験機、材料試験機、シャフト歪自動矯正機、巻線試験機、歯車かみ合い試験機、地震計など、多岐にわたる計測機器を提供しています。これにより、自動車、家電、OA機器、産業機械など様々な業界の顧客に対して、幅広いソリューションを提供できる点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「常に顧客の要請に応えて、その時代に即した新しい価値の創造に努める」を基本理念としており、国内だけでなくグローバルな市場において「利益を伴う成長」を達成し、継続的に企業価値を高めていくことを目指しております。当社グループは、振動計測技術をベーステクノロジーとした製品を製造しております。主な製品として、自動車・家電製品・デジタル機器などに搭載されている回転機器(モーター、ハードディスク、タイヤなど)を対象とし、回転した状態でのつり合いを測定するバランシングマシン、主に自動車に搭載される電子部品の振動によって受ける影響を試験する試験機や、試験対象物にかかる様々な負荷を再現し、耐久性を試験する電気サーボモータ式試験機を製造販売することにより、顧客の品質向上を通じて社会に貢献することを目標として研究開発を行っております。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とした経営活動を実施してまいります。なお、具体的数値に関しましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」に記載しております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、投資効率の高い経営を図るため、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とするバランスのとれた経営計画を策定し実施しておりますが、景気動向や主力ユーザーの業界動向等を考慮し、計画を作成しております。計画を達成するために、以下の5項目を主な経営戦略として掲げ、中期3ヶ年経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の実現に向けて諸施策を講じて行く所存であります。①人材・技術への投資による積極的な研究開発活動の実施②海外市場への積極的な進出による世界シェアの拡大③日本・米国・韓国・中国の各連結子会社工場における生産体制の確立(コストダウン戦略)④戦略製品としてのタイヤユニフォーミティ/バランス複合試験機(UBマシン)の世界的な拡販体制の確立⑤今後の事業の柱となる各種の電気サーボモータ式試験機の研究開発及び拡販体制の確立また、長期的には日本・アジアはもちろんのこと、米国・欧州においてもKOKUSAIブランドがバランシングマシンを中心とした計測・試験機器専門メーカーとして認知されるべく万全の体制を整えて行く所存であります。今後とも「技術開発型企業」として、市場ニーズをいち早くキャッチできる営業体制の強化と、最先端技術の製品開発を可能とする技術スタッフの育成に努めてまいります。 (4)会社の対処すべき課題 当社グループの主力ユーザーである自動車部品・タイヤメーカー及び電子・家電メーカーのアジア圏を中心とした地域への海外生産移管が、今後も継続することが予想され、さらに現地ユーザーからの受注も増加傾向にあります。これにより海外メーカーや現地メーカーとの価格競争が激化し、当社グループの主力製品であるバランシングマシンを中心とした試験計測機も、その影響を受けております。このような状況の下、当社グループは以下の課題につき対処していく所存であります。 ①生産体制古河テクニカルセンターの受託試験も開始しており、本社第三工場の生産スペースの拡大により、電気サーボモータ式各種試験機等の生産能力が向上しております。各連結子会社の現地生産体制を強化するため社内外を問わず生産スペースの拡充を図り、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるために、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門をさらに強化してまいります。 ②財務戦略当社グループの海外売上高は、当連結会計年度において70.7%と高い比率になっております。このため、為替予約などの施策を行うことにより、為替相場の変動による業績への影響を極力抑えるよう努力いたします。また、製品製造期間の長期化に対応するため、運転資金を調達しておりますが、業績に与える影響を少なくするように調達手段を検討しております。 ③研究開発当社グループは、これまでユーザーのニーズを的確に把握し、特に現場担当者の方々の声を反映させて新製品の開発を行ってまいりました。既存事業の主力製品であるタイヤ関連試験機につきましては、生産ライン用タイヤバランサー及びユニフォーミティマシンの設計変更等によるコストダウン・精度向上を目指した研究開発を今後も継続して行ってまいります。 また、普通乗用車及びトラック・バス用「タイヤ摩耗試験機」・「フラットロードタイヤ総合試験装置」をはじめとした、タイヤの耐久性・グリップ力・転がり抵抗など、タイヤの基本性能・精度向上を目指した研究開発用各種試験機の研究開発を推進してまいります。近年、自動車の自動運転化への流れが急速に進む中で、EVモーターや車載用の各種コンピューターユニット等、自動運転を実現するための各製品に対して、今まで以上に高い信頼性(性能・耐久・安全)が求められる試験機需要が高まるとともに、EV化に伴い車両部品が発生する振動の重要度に関する認識が強まっております。当社グループが今後の主力製品の柱として位置付けて研究開発を推進し、製品化に成功した「電気サーボモータ式試験機」及び「動電型3軸同時振動試験機」はユーザーから要求される性能試験に対応する製品シリーズとして高い評価をいただいており、さらなる製品開発を進めております。この試験機は、競合他社が製造している従来の油圧試験システムと比較して「環境・メンテナンス・省エネ等」の面で優れた性能を有しており、特に近年CO2削減による省エネ化が重要視されているため、今後さらに多くの納入実績を積み重ねてまいる所存です。今後さらに性能・精度・機能面の向上を目指して、新たな試験機需要に対応した研究開発活動を推進してまいります。 ④人材育成今後予想される競合他社による製品の価格低下圧力や生産増加・品質向上に対応するため、また、海外連結子会社における生産能力や品質の向上、現地ユーザーに対するメンテナンス等の対応能力をより一層高めるため、エンジニアの育成を重要な課題と位置付けております。具体的な施策としては、従来より当社グループの現地スタッフに対する技術研修、各連結子会社への積極的な技術指導を行っておりますが、今後も継続してグループ全体として人材育成に取り組むとともに、海外サービス人員確保のための人材採用を強化してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「常に顧客の要請に応えて、その時代に即した新しい価値の創造に努める」を基本理念としており、国内だけでなくグローバルな市場において「利益を伴う成長」を達成し、継続的に企業価値を高めていくことを目指しております。当社グループは、振動計測技術をベーステクノロジーとした製品を製造しております。主な製品として、自動車・家電製品・デジタル機器などに搭載されている回転機器(モーター、ハードディスク、タイヤなど)を対象とし、回転した状態でのつり合いを測定するバランシングマシン、主に自動車に搭載される電子部品の振動によって受ける影響を試験する試験機や、試験対象物にかかる様々な負荷を再現し、耐久性を試験する電気サーボモータ式試験機を製造販売することにより、顧客の品質向上を通じて社会に貢献することを目標として研究開発を行っております。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とした経営活動を実施してまいります。なお、具体的数値に関しましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」に記載しております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、投資効率の高い経営を図るため、売上高、売上高経常利益率、自己資本利益率の向上を目標とするバランスのとれた経営計画を策定し実施しておりますが、景気動向や主力ユーザーの業界動向等を考慮し、計画を作成しております。計画を達成するために、以下の5項目を主な経営戦略として掲げ、中期3ヶ年経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の実現に向けて諸施策を講じて行く所存であります。①人材・技術への投資による積極的な研究開発活動の実施②海外市場への積極的な進出による世界シェアの拡大③日本・米国・韓国・中国の各連結子会社工場における生産体制の確立(コストダウン戦略)④戦略製品としてのタイヤユニフォーミティ/バランス複合試験機(UBマシン)の世界的な拡販体制の確立⑤今後の事業の柱となる各種の電気サーボモータ式試験機の研究開発及び拡販体制の確立また、長期的には日本・アジアはもちろんのこと、米国・欧州においてもKOKUSAIブランドがバランシングマシンを中心とした計測・試験機器専門メーカーとして認知されるべく万全の体制を整えて行く所存であります。今後とも「技術開発型企業」として、市場ニーズをいち早くキャッチできる営業体制の強化と、最先端技術の製品開発を可能とする技術スタッフの育成に努めてまいります。 (4)会社の対処すべき課題 当社グループの主力ユーザーである自動車部品・タイヤメーカー及び電子・家電メーカーのアジア圏を中心とした地域への海外生産移管が、今後も継続することが予想され、さらに現地ユーザーからの受注も増加傾向にあります。これにより海外メーカーや現地メーカーとの価格競争が激化し、当社グループの主力製品であるバランシングマシンを中心とした試験計測機も、その影響を受けております。このような状況の下、当社グループは以下の課題につき対処していく所存であります。 ①生産体制古河テクニカルセンターの受託試験も開始しており、本社第三工場の生産スペースの拡大により、電気サーボモータ式各種試験機等の生産能力が向上しております。各連結子会社の現地生産体制を強化するため社内外を問わず生産スペースの拡充を図り、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるために、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門をさらに強化してまいります。 ②財務戦略当社グループの海外売上高は、当連結会計年度において70.7%と高い比率になっております。このため、為替予約などの施策を行うことにより、為替相場の変動による業績への影響を極力抑えるよう努力いたします。また、製品製造期間の長期化に対応するため、運転資金を調達しておりますが、業績に与える影響を少なくするように調達手段を検討しております。 ③研究開発当社グループは、これまでユーザーのニーズを的確に把握し、特に現場担当者の方々の声を反映させて新製品の開発を行ってまいりました。既存事業の主力製品であるタイヤ関連試験機につきましては、生産ライン用タイヤバランサー及びユニフォーミティマシンの設計変更等によるコストダウン・精度向上を目指した研究開発を今後も継続して行ってまいります。 また、普通乗用車及びトラック・バス用「タイヤ摩耗試験機」・「フラットロードタイヤ総合試験装置」をはじめとした、タイヤの耐久性・グリップ力・転がり抵抗など、タイヤの基本性能・精度向上を目指した研究開発用各種試験機の研究開発を推進してまいります。近年、自動車の自動運転化への流れが急速に進む中で、EVモーターや車載用の各種コンピューターユニット等、自動運転を実現するための各製品に対して、今まで以上に高い信頼性(性能・耐久・安全)が求められる試験機需要が高まるとともに、EV化に伴い車両部品が発生する振動の重要度に関する認識が強まっております。当社グループが今後の主力製品の柱として位置付けて研究開発を推進し、製品化に成功した「電気サーボモータ式試験機」及び「動電型3軸同時振動試験機」はユーザーから要求される性能試験に対応する製品シリーズとして高い評価をいただいており、さらなる製品開発を進めております。この試験機は、競合他社が製造している従来の油圧試験システムと比較して「環境・メンテナンス・省エネ等」の面で優れた性能を有しており、特に近年CO2削減による省エネ化が重要視されているため、今後さらに多くの納入実績を積み重ねてまいる所存です。今後さらに性能・精度・機能面の向上を目指して、新たな試験機需要に対応した研究開発活動を推進してまいります。 ④人材育成今後予想される競合他社による製品の価格低下圧力や生産増加・品質向上に対応するため、また、海外連結子会社における生産能力や品質の向上、現地ユーザーに対するメンテナンス等の対応能力をより一層高めるため、エンジニアの育成を重要な課題と位置付けております。具体的な施策としては、従来より当社グループの現地スタッフに対する技術研修、各連結子会社への積極的な技術指導を行っておりますが、今後も継続してグループ全体として人材育成に取り組むとともに、海外サービス人員確保のための人材採用を強化してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況と生産、受注及び販売の実績(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。①経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、半導体不足による影響が緩和されつつあるものの、部品納期の長期化や資源高の影響を受けており、ウクライナ情勢の緊張が長期化し、依然として先行きの不透明な状況が続いております。また、日本経済は、部品納期の長期化や資源高の影響を受けているものの、景気は回復の傾向を見せており、企業の設備投資が再度検討されております。なお、当社グループが主力取引先としている中国及び東南アジアの自動車及びタイヤ業界の設備投資については、当連結会計年度において回復傾向で推移しており、当社の主力顧客である日系企業や中国企業の欧州や東南アジア等への海外進出が続いております。国内自動車関連メーカーの設備投資につきましては、電動化の推進やカーボンニュートラルなどの世界的潮流への対応に注力するなか、電気自動車等の環境や省エネに配慮した自動車部品に対する製造・研究開発分野への投資が続いております。このような経営環境のなかで当社グループは、生産ライン用の試験装置であるバランシングマシンとともに、研究開発用でありイニシャルコストとランニングコストの低減が見込める電気サーボモータ式試験機の営業活動を、国内及びアジアを中心に積極的に展開しております。この結果、中国をはじめとするアジアのタイヤメーカー向けの生産ライン用タイヤ関連試験機の大型受注や、国内部品メーカー向けの電気サーボモータ式試験機等の受注を獲得いたしました。売上高につきましては、部品等の供給不足に伴う製品製造期間の長期化や、客先との納期調整は継続しているものの、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上検収が増加したことにより前連結会計年度と比較して増加しております。利益面につきましては、前連結会計年度と比較してバランシングマシンの売上伸長により利益を計上しております。その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高132億4百万円(前連結会計年度比29.0%増)、営業利益12億1千1百万円(前連結会計年度は6億1千2百万円の損失)、経常利益14億1千1百万円(前連結会計年度は1億5千3百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益9億4千万円(前連結会計年度は2億5千8百万円の損失)となりました。 セグメントの経営成績は以下のとおりであります。 〔日本(国際計測器株式会社)〕海外向けバランシングマシンの出荷・検収が増加したため、全体として出荷・検収は増加いたしました。その結果、売上高は増加し、経常利益となりました。 売上高103億4千9百万円(前連結会計年度比36.4%増) 経常利益11億2千2百万円(前連結会計年度は4億3千4百万円の損失) 〔日本(東伸工業株式会社)〕電力業界からのクリープ試験装置や腐食環境試験装置などの受注が増加したものの、材料試験機の出荷・検収が減少いたしました。その結果、売上高は減少したものの、売上原価の改善により、経常損失は前連結会計年度と比較して減少いたしました。 売上高2億6千7百万円(前連結会計年度比18.8%減) 経常損失3百万円(前連結会計年度は3千4百万円の損失) 〔米国〕大手タイヤメーカーへのバランシングマシンの出荷・検収が増加したものの、外資系自動車関連メーカーへの電気サーボモータ式試験機の出荷・検収が減少いたしました。その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。 売上高14億3百万円(前連結会計年度比7.5%減) 経常利益8百万円(前連結会計年度比78.9%減) 〔韓国〕韓国大手自動車関連メーカーへのバランシングマシンやシャフト歪自動矯正機の出荷・検収が増加いたしました。その結果、売上高は増加し、経常利益は前連結会計年度と比較して増加いたしました。 売上高19億1千7百万円(前連結会計年度比41.8%増) 経常利益3億7千3百万円(前連結会計年度比74.1%増) 〔中国〕中国国内のタイヤメーカーへのバランシングマシンの出荷・検収が減少いたしました。その結果、売上高は減少したものの、経常損失は前連結会計年度と比較して減少いたしました。 売上高4億6千8百万円(前連結会計年度比53.1%減) 経常損失9百万円(前連結会計年度は3千万円の損失) ②財政状態(資産の部)当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億2千3百万円増加し、208億4千万円となりました。 (負債の部)当社グループの当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億6千2百万円減少し、92億3千9百万円となりました。 (純資産の部)当社グループの当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億8千5百万円増加し、116億1百万円となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により10億3千3百万円増加し、投資活動により3億1千5百万円減少し、財務活動により9億7千7百万円減少した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ1億4千1百万円減少し、50億9千3百万円となりました。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、10億3千3百万円の収入(前連結会計年度比3億3百万円の収入減少)となりました。これは、受取手形及び売掛金の回収により売上債権が4億6千8百万円減少したことや、受注の増加により前受金が3億5千2百万円増加したこと及び利息及び配当金の受取額が2億5百万円あったことなどによるものであります。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3億1千5百万円の支出(前連結会計年度比2億2百万円の支出減少)となりました。これは、定期預金の満期が到来したことにより定期預金の払戻による収入が33億6千7百万円あったものの、資金運用のために定期預金の預入による支出が31億9千万円あったことや投資有価証券の取得による支出が4億3千1百万円あったことなどによるものであります。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、9億7千7百万円の支出(前連結会計年度比6千9百万円の支出減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が5億8千4百万円あったことや配当金を2億7千3百万円支払ったことなどによるものであります。 (3) 生産、受注及び販売の実績a.生産実績区 分当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)生産高(千円)構成比(%)前年同期比(%)セグメントとの関連バランシングマシン8,641,33265.4+52.9日本(国際),米国,韓国,中国電気サーボモータ式試験機2,277,23217.2△5.2日本(国際),韓国シャフト歪自動矯正機528,6894.0△17.2日本(国際),米国,韓国,中国材料試験機241,9181.8△20.3日本(東伸)その他1,515,10511.5+15.7日本(国際),米国,韓国,中国合 計13,204,276100.0+28.1- (注1) 金額は、販売価格によっております。(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。 b.受注実績区 分当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)受注高(千円)構成比(%)前年同期比(%)セグメントとの関連バランシングマシン8,885,83663.5△10.6日本(国際),米国,韓国,中国電気サーボモータ式試験機2,639,59918.9△5.5日本(国際),米国,韓国,中国シャフト歪自動矯正機328,2382.3△24.4日本(国際),米国,韓国,中国材料試験機567,5194.1+78.6日本(東伸)その他1,568,76411.2+36.8日本(国際),米国,韓国,中国合 計13,989,957100.0△4.4- (注1) 金額は、受注価格によっております。(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。 c.受注残高区 分当連結会計年度末(2025年3月31日)受注残高(千円)構成比(%)前年同期比(%)セグメントとの関連バランシングマシン9,850,74474.7+3.0日本(国際),米国,韓国,中国電気サーボモータ式試験機2,621,79319.9+16.9日本(国際),米国,韓国,中国シャフト歪自動矯正機278,0822.1△44.5日本(国際),米国,韓国,中国材料試験機371,9742.8+690.2日本(東伸)その他69,1800.5-日本(国際),米国,韓国,中国合 計13,191,773100.0+6.8- (注1) 金額は、受注価格によっております。(注2) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。 d.販売実績区 分当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)売上高(千円)構成比(%)前年同期比(%)セグメントとの関連バランシングマシン8,641,33365.4+54.7日本(国際),米国,韓国,中国電気サーボモータ式試験機2,277,23217.2△5.2日本(国際),米国,韓国,中国シャフト歪自動矯正機544,2084.1△14.7日本(国際),米国,韓国,中国材料試験機241,9181.8△20.3日本(東伸)その他1,499,58411.4+14.5日本(国際),米国,韓国,中国合 計13,204,277100.0+29.0- (注1) 金額は、販売価格によっております。(注2) 主要な相手先別の販売実績等については、当該割合が10%以下のため記載を省略しております。(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。 (4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(流動資産)当社グループの当連結会計年度末の流動資産の残高は、158億6千4百万円(前連結会計年度末比7千1百万円増)となりました。これは、現金及び預金が減少(前連結会計年度末比3億4千9百万円減)したことや売上債権の回収などにより受取手形及び売掛金が減少(前連結会計年度末比4億5千9百万円減)したものの、海外物件の納期ずれ込みにより商品及び製品が増加(前連結会計年度末比3億2千3百万円増)したことや第1四半期連結会計期間以降に出荷予定の仕掛案件の進捗により仕掛品が増加(前連結会計年度末比4億8千9百万円増)したことが主たる要因であります。 (固定資産)当社グループの当連結会計年度末の固定資産の残高は、49億7千6百万円(前連結会計年度末比2億5千1百万円増)となりました。これは、外国債券の購入や株価の上昇により投資有価証券が増加(前連結会計年度末比4億1千3百万円増)したことが主たる要因であります。 (流動負債)当社グループの当連結会計年度末の流動負債の残高は、68億8千3百万円(前連結会計年度末比2千9百万円減)となりました。これは、受注の増加により前受金が増加(前連結会計年度末比3億5千9百万円増)したものの、借入金の返済により短期借入金が減少(前連結会計年度末比3億7千万円減)したことが主たる要因であります。 (固定負債)当社グループの当連結会計年度末の固定負債の残高は、23億5千5百万円(前連結会計年度末比2億3千2百万円減)となりました。これは、繰延税金負債が増加(前連結会計年度末比5千7百万円増)したものの、約定返済により長期借入金が減少(前連結会計年度末比3億3千9百万円減)したことが主たる要因であります。 (純資産)当社グループの当連結会計年度末の純資産の残高は、116億1百万円(前連結会計年度末比5億8千5百万円増)となりました。これは、為替換算調整勘定が減少(前連結会計年度末比6千5百万円減)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより利益剰余金が増加(前連結会計年度末比6億6千7百万円増)したことが主たる要因であります。 b.経営成績の分析(売上高)当社グループの当連結会計年度の売上高は、部品等の供給不足に伴う製品製造期間の長期化は続いているものの、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上検収が増加したことにより前連結会計年度と比較して増加し、132億4百万円(前連結会計年度比29.0%増)となりました。所在地別の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (営業利益)営業利益はバランシングマシンの売上検収が増加したことにより、12億1千1百万円(前連結会計年度は6億1千2百万円の損失)となりました。 (経常利益)経常利益は営業利益が増加したことや、受取利息及び配当金が増加したことにより14億1千1百万円(前連結会計年度は1億5千3百万円の損失)となりました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ12.1ポイント増加し、10.6%となりました。 (自己資本利益率)自己資本利益率(ROE)は親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、8.5%(前連結会計年度は△2.3%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資金需要当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、定期預金の運用や設備投資、退職金の原資とするための保険積立金の運用等によるものであります。 c.資金の調達当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金需要については自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における有利子負債の残高は34億1千万円となり前連結会計年度末に比べ6億4百万円の減少となりました。 d.流動性の確保当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における契約総額は15億円であり、資金の流動性は十分に確保されております。なお、当連結会計年度末において借入実行残高はありません。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。特に次の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。 a.仕掛品「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 b.貸倒引当金売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。 c.製品保証引当金当社及び一部連結子会社は、販売済み製品に対する保証期間中の無償サービス費用に備えるため、過去の発生実績に基づく見積額を計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、追加引当が必要となる可能性があります。 d.繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について毎期回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」にも記載のとおり、国内市場動向のほか、ここ数年来継続している海外への売上高比率の高水準を背景とした主要海外売上先各国の経済情勢、市場動向並びに為替相場の変動が挙げられます。米国については新政権下の政策変更が市況に影響を与える可能性があり、個人消費や自動車関連メーカー等の設備投資に影響を及ぼすと予測されますが、短期的には設備投資の見直し等の影響を受ける可能性があります。中国については潜在的な市場は大きく、国策である一帯一路の方針の下、海外への設備投資が見込まれますが、米中貿易摩擦の影響等により、今後の成長に影響する可能性があります。インドについては、グローバルサウスの中心国として、中長期的には内需が堅調に推移すると見込まれることから市場の拡大が続くと予測しております。ASEAN地域については、今後において新たな生産拠点としての設備投資が見込まれることから、これらの地域も市場の拡大が続くものと予測しております。 国内については、主要ユーザーである自動車関連業界の生産設備予算については縮小傾向が続くことが懸念されるものの、環境対応車に対する需要は高いことから、環境対応車に搭載される低燃費エンジン・EVモーター・燃料電池など環境や品質に関連する研究開発予算や海外拠点に対する設備投資需要は、今後も継続されるものと予測されます。為替変動に関しましては、外貨建取引における主要通貨である米ドルのレートについては、当連結会計年度は概ね円安ドル高傾向で推移したことにより、為替差益を計上しております。今後も為替予約等の対策により業績への影響を軽減すべく対応する所存であります。 (6) 戦略的現状と見通しa.製品別・地域別戦略製品別戦略としましては、既存事業の主力製品であるバランシングマシンについて、生産ライン用タイヤユニフォーミティ・バランス複合試験機(UBマシン)をはじめとするタイヤ関連試験機を中心として販売活動を行ってまいります。今後は既存製品の更なる競争力の向上を推進するとともに、製品ラインアップを充実させるべくタイヤ摩耗試験機等の研究開発活動も積極的に行ってまいります。各種の電気サーボモータ式試験機については、自動車部品・鉄道車両用品・包装貨物用品・家電事務機器関連等、試験対象製品及び業界が多岐に渡るため、商社・代理店による営業を中心として積極的に事業展開を行い、さらなる製品開発を進めており、この数年間で開発したフラットロードタイヤ総合試験機と鉄道車輪粘着力測定装置については、日刊工業新聞社主催 十大新製品賞を受賞しております。今後も電気サーボモータ式及び動電型3軸同時振動試験機の更なる研究開発とシリーズ化、タイヤ摩耗試験機等の新たに開発した製品の拡販に向けて積極的な事業展開を行ってまいります。さらに、現在業務提携をしているエミック株式会社との動電型振動試験機事業を推進することにより当社の振動試験機シリーズが充実し、ユーザーのニーズに的確に対応することが可能となりビジネスチャンスが広がるものと期待しております。 今後の地域別戦略は、次のとおりになっております。中国では、高技国際計測器(上海)有限公司(連結子会社)において、タイヤ関連試験機のみならず、各種電気サーボモータ式試験機等の販売を拡充するため、5か所の販売拠点(天津・長春・青島・武漢・深セン)を設けており、現地スタッフの教育と中国国内市場のニーズを把握し、迅速な対応を行っております。生産ライン用のバランシングマシンやシャフト歪自動矯正機を中心に、自動車業界向け電気サーボモータ式試験機シリーズの拡販営業を展開してまいります。米国では、自動車・タイヤメーカーの設備投資予算については、日系及び現地自動車関連メーカー向けに生産ライン用バランシングマシンの拡販のため、新政権下の政策変更の影響を見極めながらよりきめ細かな営業活動を展開しております。韓国では、自動車業界・タイヤ業界の海外工場向けの設備予算が縮小傾向にありますが、グループ全体の生産拠点として機能しております。このような傾向の中でも研究開発部門の予算は継続的にあるため、設備計画情報を的確に収集し、電気サーボモータ式試験機シリーズの拡販営業を展開してまいります。ヨーロッパでは、現地における市場調査や展示会への出展による認知度の向上により、電気サーボモータ式試験機の自動車メーカー等に対する拡販体制を構築してまいります。国内では、当社を全製品の主力生産拠点であるとともに、研究開発活動の主要拠点と位置付けております。今後の新規主力製品の一つとして、シリーズ化を推進している各種の電気サーボモータ式試験機の生産増強及び研究開発拠点として本社第三工場が稼働しております。なお、今後の受託試験及び開発拠点として建設した古河テクニカルセンターにおける受託試験も開始しており、より顧客の細かなニーズを把握し、新たな製品開発につなげてまいります。また、東伸工業株式会社(連結子会社)においては、金属素材等の耐久・疲労・腐食等の試験を主力とする材料試験機全般を製造販売しておりますが、新エネルギーへの設備投資に対する営業活動や生産体制の効率化・コストダウンを図るとともに、当社との技術面・営業面・人材面における連携を強化しており、収益性を高める努力をしてまいります。 このように当社グループは、中国を中心とするアジア市場での販売シェア拡大に注力するとともに、当社グループ全体の管理体制強化にも注力する所存であります。 b.生産体制当連結会計年度末の受注残高は、131億9千1百万円(前連結会計年度末比8億3千6百万円増)であり、約12.1ヶ月分(130億円前提)の生産量を繰越すこととなりました。当社グループは、上記にも記載のとおり、新製品の柱となる各種の電気サーボモータ式試験機及び既存製品の生産体制を整えております。米国、韓国、中国の各連結子会社での生産体制も整っており、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるためにも、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門の強化を行い、グループ全体として生産能力及び品質向上に向けて強化を図るとともに生産効率を高め、既存製品はもとより開発新製品の収益性の向上を図る所存であります。
事業リスク
- 経済情勢と社会情勢の変動同社グループは日本だけでなく、米国、韓国、中国、東南アジアなどグローバルに事業を展開しており、これらの地域の経済情勢や社会情勢の変化が事業に影響を与える可能性があります。特に、関税変更や各国の対抗措置、政治・経済情勢の不安定化、ウクライナ情勢の長期化などが、製品製造や市場環境に影響を及ぼす可能性があります。
- タイヤ関連試験機への高い依存同社グループの事業は、タイヤ関連試験機への依存度が高い状況にあります。当連結会計年度末の受注残高に占めるタイヤ関連試験機の割合は66.7%と非常に高く、今後の経営成績はタイヤ業界や自動車業界の設備投資動向に大きく左右される可能性があります。市場の変化や技術革新によっては、収益性が変動するリスクがあります。
- 為替相場の変動による影響連結売上高に占める海外売上高の割合が約7割と高く、特に米ドル建て売上が大きな割合を占めているため、為替相場の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。為替変動リスクへの対策は講じていますが、その影響を完全に排除することは難しく、想定以上の円高やドル安が進行した場合、収益が圧迫される可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 国内外の経済情勢及び社会情勢の影響について当社グループは日本国内のみならず、海外では主に米国、韓国、中国、東南アジアで事業展開をしており、今後の地域戦略の中心を担うASEAN諸国その他の新興市場国等の経済情勢及び社会情勢が変化した場合は、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。米国新政権下で予想される関税の変更やその他米国施策に対する各国対抗措置による市況の変化が当社の製品製造にも影響を及ぼす可能性があります。また、海外市場における事業展開には、法制や税制の変更、政治・経済情勢の変化、インフラの未整備、人材確保の困難性、テロ等の非常事態、ウクライナ情勢の長期化等といったリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業内容について当社グループは、モーターの回転子や、エンジンあるいはタイヤのように高速で回転する回転体のバランスを計測し、修正まで行うダイナミックバランシングマシンの製造を主たる事業としております。特にタイヤ業界において、安全性、品質向上へのニーズの高まりとともに主要試験項目であるバランス及びユニフォーミティ(均一性)試験の精度向上が要求されてまいりました。当社グループは、この2つの試験を同時に行うことができる複合機(UBマシン)を開発し、タイヤ関連試験機の中で戦略製品として位置付け、積極的に拡販してまいりました。なお、全製品におけるタイヤ関連試験機の受注残高に占める割合は、当連結会計年度末で66.7%と非常に高い割合であります。このように、タイヤ関連試験機に対する依存度は依然として高い状況にあり、今後の当社グループの経営成績はタイヤ業界・自動車業界等の設備投資動向に影響を受ける可能性があります。 タイヤ関連試験機の連結売上高に占める割合 2024年3月期2025年3月期 45.2%60.0% (3) 海外売上高について当社グループの連結売上高に占める海外売上高は、自動車関連メーカーなどの中国あるいは東南アジアへの生産移管、世界的な市場を視野に入れた自動車・タイヤ業界の海外への進出、さらに中国の自動車産業の躍進に見られる現地ユーザーの台頭やグローバルサプライチェーンの見直しにより、海外への売上高比率は今後も高い水準で推移すると予想されます。したがって、今後の当社グループ経営成績は、主要な海外売上先である中国をはじめとするアジアの経済情勢、市場動向により影響を受ける可能性があります。 連結売上高に占める海外売上高 2024年3月期2025年3月期 69.5%70.7% (4) 為替相場の変動による影響について当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は上記の「(3) 海外売上高について」に記載のとおりであります。当社の売上高における米ドル建て売上は、依然大きな割合になっており、為替相場の変動の影響を受けやすい状況であります。今後とも、為替相場の変動によるリスクへの対策を講じてまいりますが、影響をすべて排除することは難しく、当社グループの経営成績に少なからず影響を与える可能性があります。 2024年3月期2025年3月期米ドル建て売上高7,946千ドル(11億4千3百万円)18,457千ドル(28億円)為替差損益313百万円(為替差益)25百万円(為替差益) (5) 法規制等による影響について当社グループは日本国内のみならず、海外では主に米国、韓国、中国、東南アジアで事業展開しており、各国において様々な法的規制を受けております。 当社グループは、これらの法的規制等の遵守に努めておりますが、当該法的規制が改正された場合や、何らかの理由により当社グループがこれらの法的規制等を遵守出来ない場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 製造物責任当社グループは、品質管理基準に従って各種製品を製造しておりますが、欠陥や品質不良により、クレーム等が発生する場合には、当社グループに対する顧客の信頼が低下し、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、生産物賠償責任保険に加入しておりますが、同保険が賠償額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 知的財産の保護または侵害に伴うリスクについて当社グループは、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護を図るほか、他社の知的財産権に対する侵害の無いよう弁理士の協力を得ながらリスク管理に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが現在販売している製品、あるいは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に判断できない可能性があり、また、当社グループが認識していない特許権が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 地震等の災害当社グループは国内外に生産拠点があり、大地震、台風等の自然災害や事故、火災等により、生産の停止、設備の損壊や電力供給不足等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があり、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 経営人材リスク当社グループの企業経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びにそのような重要な役割を担い得る人材を育成、確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。