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ネットプロテクションズホールディングス(7383)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他金融業 金融(除く銀行)

事業の概要

  • BNPL決済サービス提供
    ネットプロテクションズホールディングスは、商品が届いてから支払いができる「BNPL(Buy Now Pay Later:後払い)」決済サービスを主力事業としています。消費者は商品を確認してから代金を支払えるため安心感があり、販売店は代金未回収のリスクを負うことなく売上を確保できる仕組みです。同社は、与信審査から請求書発行、入金確認、督促、貸倒れ対応まで、決済に関わる一連の業務をワンストップで提供し、その手数料を収益源としています。
  • 信用リスク保証型モデル
    同社は、販売店に代わって購入者への売買代金を立て替え、その後購入者から代金を回収する「信用リスク保証型」のビジネスモデルを採用しています。これにより、販売店は購入者の信用リスクを気にすることなく販売活動に集中でき、同社は債権の額面から所定の手数料を受け取ることで収益を上げています。このモデルは、販売店が安心して後払い決済を導入できる大きなメリットを提供しています。
  • 多様な決済ソリューション
    同社は、BtoC(消費者向け)取引では「NP後払い」「atone」「NP後払いair」「AFTEE」、BtoB(企業間)取引では「NP掛け払い」といった複数のBNPL決済サービスを展開しています。これにより、ECサイト、実店舗、訪問型サービス、企業間取引など、様々な取引形態や顧客ニーズに対応し、幅広い市場で収益機会を創出しています。特に「atone」は会員制で非物販商材にも対応し、利便性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 決済ソリューション事業
    ネットプロテクションズホールディングスは、BNPL(Buy Now Pay Later:後払い)決済サービスを提供する「決済ソリューション事業」を単一の報告セグメントとしています。この事業は、商品やサービスを受け取った後に代金を支払う仕組みを提供し、消費者には安心感を、販売店には未回収リスクの軽減と売上拡大の機会を提供することで収益を上げています。
  • BtoC向けサービス
    このセグメントには、消費者向けの多様なBNPL決済サービスが含まれます。ECサイト向けの「NP後払い」はクレジットカード不要で手軽に利用でき、スマートフォンを活用した会員制の「atone」はECと実店舗の両方で利用可能でポイント還元もあります。また、訪問型サービス向けの「NP後払いair」は現場での現金やり取りを不要にし、台湾・ベトナムでは「AFTEE」を展開しています。
  • BtoB向けサービス
    企業間取引を対象とした「NP掛け払い」もこのセグメントの重要な柱です。企業間の商習慣に合わせた締め支払いが可能で、販売元企業は与信、請求書発行、入金確認、督促といった請求関連業務をアウトソースでき、未回収リスクも低減できます。また、連結子会社のNPファイナンスは「NP掛け払い」の購入企業向けにオンライン・レンディングサービス「NPハンディレンディング」を提供し、事業を多角化しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,207 文字
3【事業の内容】 当連結会計年度末現在において、当社グループは純粋持株会社である当社(株式会社ネットプロテクションズホールディングス)、連結子会社4社(株式会社ネットプロテクションズ、株式会社NPファイナンス、恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)、Công ty TNHH Net Protections Vietnam(Net Protections Vietnam Co., Ltd.))の計5社で構成されています。  「第1 企業の概況(はじめに)」に記載の通り、当社グループは2000年1月に設立した旧ネットプロテクションズ(旧商号:株式会社ネットプロテクションズ)が2002年より開始したBNPL(Buy Now Pay Later:後払い)決済サービスを提供する決済ソリューション事業を単一の報告セグメントとしています。  なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。セグメントの名称主要な事業内容地域会社名決済ソリューション事業BtoC取引向けサービス「NP後払い」「atone」「NP後払いair」日本株式会社ネットプロテクションズBtoC取引向けサービス「AFTEE」台湾NP Taiwan, Inc.ベトナムNet Protections Vietnam Co., Ltd.BtoB取引向けサービス「NP掛け払い」日本株式会社ネットプロテクションズ株式会社NPファイナンス <決済ソリューション事業> 2002年より日本で初めての信用リスク保証型のBNPL決済サービスを提供しています。その特徴は、顧客が一連の決済関連業務をワンストップでアウトソースできることにあります。決済関連業務には与信審査、請求書発行、入金確認/消込、督促/回収、貸倒対応があり、それぞれの業務に専門事業者が存在しますが、当社グループが提供するサービスはこれら全ての機能を包含しています。また、BNPL決済サービスの総合プロバイダーとして、個人、法人、EC、対面販売など取引形態を問わずBNPL決済サービスをご利用いただけるよう、当社グループでは複数サービスを提供しています。これらのサービスの概要は以下の通りです。 [各サービスに共通するスキーム]  ※当社所定の審査を通過した取引が対象です。審査通過後においても、当該取引に関して加盟店と購入者または購入企業の間に紛争が生じ、速やかに解決ができず、又はその恐れがあると当社が判断したときその他当社が提供するサービスの加盟店規約所定の事由がある取引は、対象外となります。 主体当社グループの提供するサービスの仕組み及び各取引主体の享受するメリット購入者/購入企業 購入商品の到着・サービスの提供を受けた後、当社グループから発送される請求書を用い、コンビニエンスストア・銀行・郵便局・口座振替等様々な手段で支払えます。商品着荷・受取及びサービス享受後に支払いを行うため、商品が届かない、破損している等の商品トラブルを避けることができます。販売元 出荷・役務などの提供後、当社グループより売買代金から手数料を控除した額を受け取ります。これにより、購入者/購入企業に対する信用リスクを負うことなく確実に代金を回収できます。当社グループの提供するサービスの導入に伴い、決済手段としてBNPL決済サービスを希望する購入者/購入企業からの新規注文及び新規顧客の増加が期待できます。なお、一部の取引については、購入者/購入企業が当社グループに支払いを行う前に、当社グループより販売元に立替払いを行うことで、販売元における販売代金の早期回収にも寄与しています。当社グループ 出荷・役務提供等の取引成立を条件に購入者の信用を確認の上で、売買代金を販売元に支払うことで債権を買い取り、その後購入者/購入企業より代金を回収します。債権の額面に対し所定の手数料率を掛けて算出される取引手数料及び請求書発行手数料等を販売元から受領し、営業収益として計上します。 [サービスごとの概要] サービス名称サービス概要BtoC取引向けサービス[エヌピー後払い] BtoC取引のECを対象にしたBNPL決済サービスです。 クレジットカード情報のような固有の番号や、事前の会員登録が不要で、氏名・住所・電話番号等といった商品配送に必要な基本的な情報のみでBNPL決済サービスを利用できます。請求は取引の都度行われます。 ①クレジットカード情報の漏洩、不正利用の防止、②請求書に伴う都度支払いによる使い過ぎの防止、③クレジットカード情報の入力を不要とすることによる決済手続きの手間の解消などを理由に「NP後払い」が支持され、決済手段として選択されています。[アトネ] BtoC取引を対象にスマートフォンを活用した会員制のBNPL決済サービスです。 購入者が自身の保有するスマートフォン等で無料の会員登録をすることで、EC及び実店舗にてキャッシュレスでの売買(BNPL決済)が可能になります。請求は月締めで、翌月にまとめて支払うことが可能です。また、利用額に応じたポイントを付与しており、atoneでの次回の買い物の値引きに利用できます。 会員登録により購入者への信用判断が精緻化されるため、サービス・デジタルコンテンツといったこれまで「NP後払い」では取り扱ってこなかった非物販商材へのサービス提供が可能となっています。[エヌピー後払いエアー] 水道・ガスの修理、ハウスクリーニングなど、訪問型のBtoC役務サービスを対象としたBNPL決済サービスです。 購入者は、サービスを受けた後日に代金を支払うことができるため、当日の現金準備が不要となります。 また、現金のやりとりや管理が一切不要で、請求・督促業務も代行するため、販売元企業の負担が減り、現場スタッフや経理が本業に集中できる環境を整えられるなど、全国の企業における請求業務のDX化推進に寄与します。[アフティー] BtoC取引を対象にスマートフォンを活用したBNPL決済サービスで、2018年8月より台湾で、2023年6月よりベトナムで展開しています。「NP後払い」と「atone」から得られたノウハウをもとにローカライズしたBNPL決済サービスです。 BtoB取引向けサービス[エヌピー掛け払い] 企業間取引における少額債権を主対象とした掛け払い決済です。 事前手続き不要で末締め翌月末払いといった企業間の商習慣に合わせた決済が可能になります。 本サービスの導入により、販売元企業は与信、請求書発行、入金確認、督促といった請求関連業務をアウトソースすることができ、更に未回収リスクを低減できます。 購入企業にとっては、事前手続き不要で締め支払が可能になる上、ペーパーレスにも対応していることによりDX化推進に寄与します。 近年の少子化の進展による労働力人口の減少、働き方改革・テレワーク普及等によるDX化・業務効率化の必要性が増していることに加え、事業拡大に伴い決済業務の効率化が重視される傾向が高まり、決済サービス等のアウトソース活用ニーズは益々拡大するものと考えています。 また、連結子会社であるNPファイナンスでは、「NP掛け払い」の購入企業を対象に、オンライン・レンディングサービス「NPハンディレンディング」を提供しています。 <事業系統図> 当社グループの事業の系統図は、以下の通りです。 ※連結子会社である株式会社NPファイナンスは、株式会社ネットプロテクションズが提供する「NP掛け払い」サービスの購入企業を対象にサービスを提供しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
郵便料金値上げに対応し請求書発行手数料を改定しており、価格転嫁が可能。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
与信判断システムや決済オペレーションフロー等の独自の仕組みを構築し、業界最高水準の与信通過率と最低水準の未払い率を実現。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済環境、特にEC市場の成長鈍化リスク / BNPL決済市場の成長鈍化リスク / BNPL決済市場における競争の激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、特許やブランド認知度、規制ライセンス等、明確な無形資産の優位性を示す情報は確認できませんでした。後払い決済サービスにおける信頼性やノウハウは無形資産となり得ますが、定量的な評価は困難です。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

後払い決済サービスは、一度導入するとシステム連携や顧客への周知等で乗り換えコストが発生します。特にBtoC向けでは、決済手段の変更が顧客体験に影響を与える可能性があり、一定のスイッチング・コストが存在すると考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は確認できません。加盟店と消費者の双方にメリットがあるものの、直接的な相互依存性は限定的です。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

後払い決済サービスは、信用リスク管理やシステム運用にコストがかかります。同社が構造的に競合他社よりも低コストでサービスを提供できるという明確な証拠はありません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

後払い決済市場は成長していますが、複数のプレイヤーが存在し、寡占化が進んでいるとは言えません。一定の規模はありますが、業界全体に対して最適化された少数寡占とは言えない状況です。

  • 業界最先端の与信ノウハウ
    ネットプロテクションズホールディングスは、2002年から日本で初めて信用リスク保証型のBNPL決済サービスを提供しており、長年の事業運営で培った独自の与信判断システムと決済オペレーションフローを有しています。これにより、高い与信通過率と低い未払い率を両立させ、利便性と収益性を兼ね備えたサービス提供を実現している点が強みです。
  • ワンストップの業務代行
    同社は、与信審査、請求書発行、入金確認、督促、貸倒れ対応といった決済関連業務の全てをワンストップで代行しています。これにより、販売店はこれらの煩雑な業務から解放され、本業に集中できるという大きなメリットを享受できます。この包括的なサービス提供は、他社との差別化要因となり、販売店のスイッチングコストを高める効果も期待できます。
  • 多様なBNPLサービス展開
    同社は、BtoC向けの「NP後払い」「atone」「NP後払いair」「AFTEE」や、BtoB向けの「NP掛け払い」など、幅広いBNPL決済サービスを提供しています。これにより、EC、実店舗、訪問サービス、企業間取引といった多様な商取引形態や顧客層のニーズに対応し、市場の様々なセミグメントを取り込むことが可能です。この多角的なサービス展開は、顧客基盤の安定化と拡大に寄与しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営理念当社グループは、「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに、事業及び組織の両面で革新的な仕組みを作り、それを広げていくことを目指しています。具体的には、事業面ではBNPL決済ソリューションを提供することで、関わる全てのステークホルダーが「手間」なく「信用リスク」なく商取引を実現できるように貢献しています。組織面では当社グループ従業員の成長、モチベーションの維持及びパフォーマンスの向上を目的として、従業員個々人が自律的に役割を考え業務遂行する「ティール組織」を採用し、現場担当者の意見を尊重した意思決定の実現を図っています。 (2)中期経営計画当社グループは2024年5月に「中期経営計画(2025年3月期 - 2027年3月期)」を策定していますが、通期の実績及び経営環境の変化を反映し、毎年ローリング方式で次期からはじまる3ヵ年の中期経営計画を策定することとしています。「中期経営計画(2025年3月期 - 2027年3月期)」で掲げていた目標である2027年3月期営業利益20億円を当連結会計年度において突破したことを受け、2025年5月に策定した「中期経営計画(2026年3月期 - 2028年3月期)」においては、今後の更なる成長を目指し、目標とする経営数値を以下の通り最新化しました。①財務ポリシー・28/3期のGMV1兆円超、営業利益40億円・3ヵ年の営業利益 CAGR(年平均成長率)25%②事業別ポートフォリオ・BtoCは「NP後払い」を安定収益事業としつつ、「atone」のCAGR50~55%を計画。・BtoB「NP掛け払い」では、CAGR25~30%を計画。③販管費ポリシー・販管費の総額は、年間5億円程度の増加を基本方針としつつ、利益計画の進捗状況に応じて調整を行う。・業務と取引の拡大に伴い、人件費や業務委託費は増加するが、いずれもGMV成長に対しては緩やかになる見込み。・マーケティング費用の投下は、成長に資する施策を中心に、規律を持って行う。・極端に開発費を投じる施策は想定していない。保守・運用費用はGMV成長に対して緩やかに増加する見込み。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループの決済ソリューション事業のビジネスフローは、①当社サービス利用による取扱高(GMV)と加盟店ごとに設定された手数料率に基づく収益計上、②購入者からの代金回収に大別されます。そのため、当社の経営上の重要指標はそれぞれ、①は取扱高、②は購入者による未払い率となっており、社内では各数値を継続的に確認しています。 (4)経営環境当社グループは、BtoC取引向けサービスである「NP後払い」、「NP後払いair」、「atone」及び「AFTEE」並びに、BtoB取引向けサービスである「NP掛け払い」のサービスを提供しています。「NP後払い」ではEC市場、「atone」ではEC市場及び対面店舗市場、「NP後払いair」では住宅設備機器修理、リフォームなどの訪問型役務サービス市場、「AFTEE」では海外市場、「NP掛け払い」ではBtoB市場全般を対象市場としており、当社グループはこれらサービスにより、幅広い市場にアプローチすることが可能です。 (5)優先的に対処すべき課題当社グループは、上記に記載の各サービス構築及び普及を目指し、下記の課題に全社一体となって取り組んでまいります。 ① 収益基盤の拡大積み上げ型のビジネスを展開する当社グループにとって、加盟店の獲得及びサービスの稼働促進を実現し、収益基盤を拡大させることは、業容の拡大を目指す上で継続的かつ重要な課題です。各サービスの進捗及び今後の注力課題は以下の通りです。 ・NP後払い他「NP後払い他」は当社グループで最も利益貢献の大きいBtoC事業です。2025年3月期では、与信改善に加え、購入者への延滞事務手数料の加算を開始したことで更に安定的に利益を創出することができる体制となりました。今後は、この状態を維持しつつ、「NP後払い」にて通販各社の自社後払いからの切替の他、「AFTEE」にて海外市場の開拓、「NP後払いair」にて住宅設備機器修理、リフォーム、家電修理、ガス機器販売、家事代行、ハウスクリーニングなど様々な業界に対応した請求業務のDX化の推進に貢献することを目指し、柔軟な決済サービスの開発や、加盟店の拡大に努めます。 ・atone「atone」は、BtoC事業におけるGMVの成長ドライバーと位置づけており、EC物販市場に加えて、デジタルコンテンツなどのEC非物販市場や実店舗市場でのBNPL決済ニーズの獲得に注力し、サービスを展開しています。バーチャルカード機能、会員登録なしで利用可能な「つど後払い」機能、ショップ・キャンペーン・ポイントの三つの情報を集約したポータルサイト「atone shops」など、継続的に利用者及び利用シーンの拡大に注力してまいりました。2026年3月期は、ポイント還元率がより高く、分割払いも利用可能な「atoneプラス」の正式リリースを予定している他、新規加盟店にとってサービスの導入障壁を下げることができるECプラットフォームへのシステム連携等を行うことで効率的に新規加盟店の獲得を進めてまいります。 ・NP掛け払いBtoB取引向けサービスである「NP掛け払い」は、EC事業者、卸売り・業務用販売商品を取り扱う事業者、大手企業からITベンチャーなど様々な業種・規模のBtoB決済での様々なニーズに応えられる決済サービスの構築に注力してきました。その結果、現在の「NP掛け払い」は、加盟店それぞれの月次締め日及び支払日に対応できるソリューションを提供しています。2025年3月期においては、労働人口減少という構造的な問題や働き方改革などの潮流により、回収リスクも含めて請求関連業務を一気通貫で扱える「NP掛け払い」に対するニーズが強まり、リード案件及び加盟店の獲得が加速しました。2026年3月期においても、この状況を追い風とし、戦略的な営業やサービス開発を行って大手企業からの受注を獲得することでGMVを成長させていきます。 ② 独自与信システムの深化当社グループでは、少額決済に特化した独自の与信システムを構築してきました。過去から蓄積した膨大な取引データの活用及び各事業で得たノウハウを相互に取り入れることでより優れた与信モデルを生み出すことが可能となり、高い与信通過率と低い未回収(貸倒れ)率を両立しています。今後も、高い与信通過率、低い未回収率を維持しつつ、与信精度向上を図り、 様々な業種業態に最適な与信を行えるよう、継続した改善を加えてまいります。 ③ セキュリティ及びガバナンスの強化当社グループは、提供サービスを通じて個人情報をはじめとした重要な情報資産を多く取り扱っているため、情報セキュリティ及びガバナンスの強化が重要であると考えています。現在においても、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理するなど情報保護については万全の注意を払っていますが、今後も社内教育・研修の実施の他、システムの強化・整備を実施してまいります。 ④ 人材の高度化当社グループは、高いサービス品質を維持・向上させながら各事業領域での成長を目指すべく、人材の高度化に注力しています。今後もティール組織の実践企業として、社員が自分らしく働ける文化や風土を実現しながら、多岐にわたる経歴をもつ優秀な人材を積極的に採用し事業成長速度を加速させてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営理念当社グループは、「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに、事業及び組織の両面で革新的な仕組みを作り、それを広げていくことを目指しています。具体的には、事業面ではBNPL決済ソリューションを提供することで、関わる全てのステークホルダーが「手間」なく「信用リスク」なく商取引を実現できるように貢献しています。組織面では当社グループ従業員の成長、モチベーションの維持及びパフォーマンスの向上を目的として、従業員個々人が自律的に役割を考え業務遂行する「ティール組織」を採用し、現場担当者の意見を尊重した意思決定の実現を図っています。 (2)中期経営計画当社グループは2024年5月に「中期経営計画(2025年3月期 - 2027年3月期)」を策定していますが、通期の実績及び経営環境の変化を反映し、毎年ローリング方式で次期からはじまる3ヵ年の中期経営計画を策定することとしています。「中期経営計画(2025年3月期 - 2027年3月期)」で掲げていた目標である2027年3月期営業利益20億円を当連結会計年度において突破したことを受け、2025年5月に策定した「中期経営計画(2026年3月期 - 2028年3月期)」においては、今後の更なる成長を目指し、目標とする経営数値を以下の通り最新化しました。①財務ポリシー・28/3期のGMV1兆円超、営業利益40億円・3ヵ年の営業利益 CAGR(年平均成長率)25%②事業別ポートフォリオ・BtoCは「NP後払い」を安定収益事業としつつ、「atone」のCAGR50~55%を計画。・BtoB「NP掛け払い」では、CAGR25~30%を計画。③販管費ポリシー・販管費の総額は、年間5億円程度の増加を基本方針としつつ、利益計画の進捗状況に応じて調整を行う。・業務と取引の拡大に伴い、人件費や業務委託費は増加するが、いずれもGMV成長に対しては緩やかになる見込み。・マーケティング費用の投下は、成長に資する施策を中心に、規律を持って行う。・極端に開発費を投じる施策は想定していない。保守・運用費用はGMV成長に対して緩やかに増加する見込み。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループの決済ソリューション事業のビジネスフローは、①当社サービス利用による取扱高(GMV)と加盟店ごとに設定された手数料率に基づく収益計上、②購入者からの代金回収に大別されます。そのため、当社の経営上の重要指標はそれぞれ、①は取扱高、②は購入者による未払い率となっており、社内では各数値を継続的に確認しています。 (4)経営環境当社グループは、BtoC取引向けサービスである「NP後払い」、「NP後払いair」、「atone」及び「AFTEE」並びに、BtoB取引向けサービスである「NP掛け払い」のサービスを提供しています。「NP後払い」ではEC市場、「atone」ではEC市場及び対面店舗市場、「NP後払いair」では住宅設備機器修理、リフォームなどの訪問型役務サービス市場、「AFTEE」では海外市場、「NP掛け払い」ではBtoB市場全般を対象市場としており、当社グループはこれらサービスにより、幅広い市場にアプローチすることが可能です。 (5)優先的に対処すべき課題当社グループは、上記に記載の各サービス構築及び普及を目指し、下記の課題に全社一体となって取り組んでまいります。 ① 収益基盤の拡大積み上げ型のビジネスを展開する当社グループにとって、加盟店の獲得及びサービスの稼働促進を実現し、収益基盤を拡大させることは、業容の拡大を目指す上で継続的かつ重要な課題です。各サービスの進捗及び今後の注力課題は以下の通りです。 ・NP後払い他「NP後払い他」は当社グループで最も利益貢献の大きいBtoC事業です。2025年3月期では、与信改善に加え、購入者への延滞事務手数料の加算を開始したことで更に安定的に利益を創出することができる体制となりました。今後は、この状態を維持しつつ、「NP後払い」にて通販各社の自社後払いからの切替の他、「AFTEE」にて海外市場の開拓、「NP後払いair」にて住宅設備機器修理、リフォーム、家電修理、ガス機器販売、家事代行、ハウスクリーニングなど様々な業界に対応した請求業務のDX化の推進に貢献することを目指し、柔軟な決済サービスの開発や、加盟店の拡大に努めます。 ・atone「atone」は、BtoC事業におけるGMVの成長ドライバーと位置づけており、EC物販市場に加えて、デジタルコンテンツなどのEC非物販市場や実店舗市場でのBNPL決済ニーズの獲得に注力し、サービスを展開しています。バーチャルカード機能、会員登録なしで利用可能な「つど後払い」機能、ショップ・キャンペーン・ポイントの三つの情報を集約したポータルサイト「atone shops」など、継続的に利用者及び利用シーンの拡大に注力してまいりました。2026年3月期は、ポイント還元率がより高く、分割払いも利用可能な「atoneプラス」の正式リリースを予定している他、新規加盟店にとってサービスの導入障壁を下げることができるECプラットフォームへのシステム連携等を行うことで効率的に新規加盟店の獲得を進めてまいります。 ・NP掛け払いBtoB取引向けサービスである「NP掛け払い」は、EC事業者、卸売り・業務用販売商品を取り扱う事業者、大手企業からITベンチャーなど様々な業種・規模のBtoB決済での様々なニーズに応えられる決済サービスの構築に注力してきました。その結果、現在の「NP掛け払い」は、加盟店それぞれの月次締め日及び支払日に対応できるソリューションを提供しています。2025年3月期においては、労働人口減少という構造的な問題や働き方改革などの潮流により、回収リスクも含めて請求関連業務を一気通貫で扱える「NP掛け払い」に対するニーズが強まり、リード案件及び加盟店の獲得が加速しました。2026年3月期においても、この状況を追い風とし、戦略的な営業やサービス開発を行って大手企業からの受注を獲得することでGMVを成長させていきます。 ② 独自与信システムの深化当社グループでは、少額決済に特化した独自の与信システムを構築してきました。過去から蓄積した膨大な取引データの活用及び各事業で得たノウハウを相互に取り入れることでより優れた与信モデルを生み出すことが可能となり、高い与信通過率と低い未回収(貸倒れ)率を両立しています。今後も、高い与信通過率、低い未回収率を維持しつつ、与信精度向上を図り、 様々な業種業態に最適な与信を行えるよう、継続した改善を加えてまいります。 ③ セキュリティ及びガバナンスの強化当社グループは、提供サービスを通じて個人情報をはじめとした重要な情報資産を多く取り扱っているため、情報セキュリティ及びガバナンスの強化が重要であると考えています。現在においても、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理するなど情報保護については万全の注意を払っていますが、今後も社内教育・研修の実施の他、システムの強化・整備を実施してまいります。 ④ 人材の高度化当社グループは、高いサービス品質を維持・向上させながら各事業領域での成長を目指すべく、人材の高度化に注力しています。今後もティール組織の実践企業として、社員が自分らしく働ける文化や風土を実現しながら、多岐にわたる経歴をもつ優秀な人材を積極的に採用し事業成長速度を加速させてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の業績は以下の通りです。 前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)増減率 百万円百万円%営業収益20,84423,03210.5営業利益又は損失(△)△6272,103 税引前利益又は損失(△)△8202,139 親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△)△8281,350 当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしていませんが、可能な範囲で以下の区分で経営指標を開示しています。 区分名称対象サービス名称BtoC取引向けサービスBtoCサービス_NP後払い他NP後払い、NP後払いair、AFTEE等BtoCサービス_atoneatoneBtoB取引向けサービスBtoBサービスNP掛け払い 経営指標は以下の通りです。 前連結会計年度当連結会計年度増減率 百万円百万円%GMV(non-GAAP)565,987641,95013.4  BtoCサービス_NP後払い他351,547353,7160.6  BtoCサービス_atone27,04039,96647.8  BtoBサービス187,399248,26732.5営業収益20,84423,03210.5  BtoCサービス_NP後払い他15,76316,5765.2  BtoCサービス_atone1,4161,86431.6  BtoBサービス3,6644,59125.3 -その他営業収益53159311.8売上収益20,31322,43810.5 -請求関連費用  (non-GAAP)8,3268,036△3.5 -貸倒関連費用  (non-GAAP)3,7813,478△8.0 -その他決済に係る  費用(non-GAAP)4104407.3売上総利益(non-GAAP)7,79510,48334.5  BtoCサービス_NP後払い他5,6207,62435.7  BtoCサービス_atone36848531.6  BtoBサービス1,8052,37331.4 -販売管理費及びその他営業費用 (non-GAAP)8,9548,9730.2営業利益又は損失(△)△6272,103- +減価償却費・償却費1,5771,6293.3 +株式報酬費用95△44.0 +固定資産除却損288△70.8 +減損損失48-△100.0EBITDA(non-GAAP)1,0373,747261.3(注)当社は投資家にとって当社グループの業績を評価するために有効であると考える指標として、当社が適用する会計基準であるIFRS会計基準において規定されていないnon-GAAP指標を追加的に開示しています。 non-GAAP指標指標の内容GMV当社グループ決済サービスの流通取引総額請求関連費用回収手数料+請求書発行手数料。主に請求1件当たりに発生する費用貸倒関連費用貸倒引当金繰入+貸倒損失+債権売却損。主に請求金額に対して割合で発生する費用その他決済に係る費用与信費用、NPポイント費用等、その他決済の提供に必要な費用売上総利益売上収益-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用)販売管理費及びその他営業費用営業費用-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用)EBITDA営業利益+(減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損+減損損失-減損損失戻入益) 当社グループの加盟店数は数万社にわたるため、特定加盟店への依存度が低い一方で、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっています。 (GMVについて)当連結会計年度において、GMVは前期比13.4%増の641,950百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同0.6%増の353,716百万円、BtoCサービス_atoneは同47.8%増の39,966百万円、BtoBサービスは同32.5%増の248,267百万円)となりました。BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。・NP後払いにおいては、サービスに占める割合が大きい、美容・健康・ファッション業界において、GMVの積み上げは限定的でした。第1四半期については健康食品に関する報道による既存加盟店のGMVの減少の影響を受けましたが、第2四半期以降は解消しています。なお、一部の販売方法に問題がある特定加盟店においては、それを是正した結果、GMVが減少しました。・役務・サービス分野向けBNPL決済であるNP後払いairサービスは、全国の請求業務のDXニーズにより、GMVが大きく伸長しました。・海外で提供しているBNPL決済であるAFTEEサービスにおいても、GMVが大きく伸長しました。BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。・前期までに営業体制の強化を完了し、加盟店獲得に注力した結果、当期に新規稼働した加盟店によって、GMVが伸長しました。・アパレル・エンタメなどの既存加盟店において、購入者による利用が拡大したことでGMVが増加しました。・また、総合ECモールを中心とした既存加盟店において、つど後払いの追加提供やキャンペーンなどの施策が貢献し、GMVが伸長しました。・EC市場だけでなく、アプリ専用カード(アプリ専用カードは、atoneのアプリ内で使えるJCBと連携したバーチャルカードです。)の利用や実店舗での利用も徐々に拡大しており、市場の開拓が進んでいる状況です。BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。・前期から引き続き、広告・広告制作などの大手加盟店を中心とした既存加盟店でサービスの利用が拡大したこと等によって、GMVが伸長しました。・また、大型の新規店が第3四半期から稼働し、GMVが伸長しました。・加えて、これまでのマーケティングへの先行投資から得たノウハウを活用した、サービス認知拡大施策による新規加盟店獲得が順調であり、今後のGMVの伸長に継続的に寄与する見込みです。 (営業収益について)当連結会計年度において、営業収益は前期比10.5%増の23,032百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同5.2%増の16,576百万円、BtoCサービス_atoneは同31.6%増の1,864百万円、BtoBサービスは25.3%増の4,591百万円)となりました。BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。・「NP後払い」において、24年7月に延滞事務手数料の加算を開始したことにより、GMVに対する営業収益率が上昇しました。・手数料率が低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件当たりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。 ・郵便料金の値上げに伴い、24年10月1日より紙請求書発行手数料を値上げしましたが、より手数料が低い電子請求書の利用比率が増加していることにより、GMVに対する営業収益率は低下しました。・なお、紙請求書発行手数料の改定は郵便料金の値上げによる原価上昇と相殺されるため、売上総利益率への貢献は限定的です。電子請求書の利用増加については郵送費用の削減効果の方が大きいため、売上総利益率に貢献します。BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。・手数料率が低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件当たりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。・また、今期実施された一部のキャンペーン施策のうち、売上値引に相当するキャンペーンが実施されたことにより、GMVに対する営業収益率が低下しました。BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。・手数料率が相対的に低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件当たりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。・請求書発行手数料が低い電子請求書の利用件数が増加し、GMVに対する営業収益率が低下しました。・なお、電子請求書の利用増加については郵送費用の削減効果の方が大きいため、売上総利益率の上昇に貢献します。・2023年7月に開始した「NP掛け払い 請求書カード払い」サービス、2024年10月に開始した「NPハンディレンディング」サービス等、決済から派生したファイナンスサービスを充実させることで、決済手数料以外の収益を獲得していく方針です。 (売上総利益について)当連結会計年度において、売上総利益は前期比34.5%増の10,483百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同35.7%増の7,624百万円、BtoCサービス_atoneは同31.6%増の485百万円、BtoBサービスは31.4%増の2,373百万円)となりました。GMV、営業収益に関する分析は前述の通りであるため、以下は主に原価による影響の記載となります。BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。・前期より取り組んでいる与信改善施策により、債権の回収状況の良化及び回収時期が早期化した結果、GMVに対する貸倒関連費用及び請求関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。・また、24年7月より延滞事務手数料の加算を開始し、ユーザーからの回収が早期化した結果、貸倒引当金の見積額が低下し、GMVに対する貸倒関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。・債権の回収状況の良化及び回収時期の早期化により、GMVに対する貸倒関連費用及び請求関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。・GMVに対して収納費用等の原価を圧縮した結果、売上総利益率が上昇しました。・また、今期実施された一部のキャンペーン施策のうち、売上値引に相当するキャンペーンが実施されたことにより、GMVに対する売上総利益率が低下しました。BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。・前期において、NP掛け払いの主要ユーザーである中小零細事業者を取り巻く環境が悪化し、支払遅延の発生率が上昇しました。この状況を考慮し、当期は貸倒引当金を積み増しているため、当連結会計年度におけるGMVに対する貸倒関連費用の割合が増加しました。・なお、前期は市況悪化を受けて与信のチューニングや督促の組み替え等の与信改善施策を推進しました。この施策の効果により、債権の回収状況が徐々に良化し、第3四半期以降は、GMVに対する貸倒関連費用の割合が前期比で改善しています。・また、債権の回収状況の良化により、GMVに対する請求関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。 (営業利益、EBITDAについて)当連結会計年度において、営業利益は2,103百万円(前期は△627百万円)、EBITDAは3,747百万円(前期比261.3%増)となりました。要因は以下の通りです。・与信改善施策を推進した結果、前期に比較して、GMVに対する貸倒関連費用及び請求関連費用等の原価の割合が減少しました。・また、業務効率化を推進した結果、前期に比較して、GMVに対する販売管理費の割合が減少しました。 ② 財政状態の状況 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)増減増減率 百万円百万円百万円%資産合計60,27970,84810,56817.5  流動資産合計40,69850,5409,84124.2  非流動資産合計19,58020,3077263.7負債合計42,49851,6189,11921.5  流動負債合計37,37446,2498,87423.7  非流動負債合計5,1235,3682444.8資本合計17,78019,2291,4498.2 当連結会計年度末時点における流動資産は前期末比9,841百万円増加しました。これは主に取扱高の増加等に伴い営業債権及びその他の債権が3,572百万円増加したことによるものです。非流動資産は前期末比726百万円増加しました。これは主にオフィスビルの契約更新をした結果、契約期間の賃料相当分が使用権資産として計上されたことにより有形固定資産が332百万円増加したこと、システム開発を強化した結果、ソフトウェア資産が増加したことにより、その他の無形資産が214百万円増加したことによるものです。流動負債は前期末比8,874百万円増加しました。これは主に取扱高の増加等に伴い営業債務及びその他の債務が6,714百万円増加したことによるものです。なお、当社グループの流動資産のうち営業債権及びその他の債権(貸倒引当金を控除前)39,424百万円は主に決済を利用したエンドユーザー向けの債権、流動負債のうち営業債務及びその他の債務38,940百万円は主に加盟店向けの債務です。当社グループの決済サービスはエンドユーザーからの回収サイクルと加盟店への支払サイクルが短期間でバランスしており、事業拡大に伴うワーキングキャピタルの増加は限定的です。そのため、金利上昇の影響を受けづらい構造になっています。なお、当社グループが提供する決済サービスの加盟店向け債務の支払は主に金曜日に行われるため、期末日の曜日によって期末残高が変動します。 ③ キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)増減 百万円百万円百万円営業活動によるキャッシュ・フロー1,9316,5674,635投資活動によるキャッシュ・フロー△1,760△1,506254財務活動によるキャッシュ・フロー751,2091,133現金及び現金同等物に係る換算差額△0△40△40現金及び現金同等物の増減額(△は減少)2466,2295,982現金及び現金同等物の期首残高10,56410,810246現金及び現金同等物の当期末残高10,81017,0396,229 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は17,039百万円(前期は10,810百万円)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は6,567百万円(前期は1,931百万円の獲得)となりました。これは主に以下の要因によるものです。・税引前当期利益の計上 (2,139百万円)・減価償却費、償却費等の計上 (1,629百万円)・営業債権及びその他の債権の増減 (△3,572百万円)・営業債務及びその他の債務の増減 (6,714百万円)・その他資産・負債の増減等 (356百万円)・法人所得税の支払 (△406百万円) (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は1,506百万円(前期は1,760百万円の使用)となりました。これは主に以下の要因によるものです。・システム開発投資による、無形資産の取得 (△1,484百万円) (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、獲得した資金は1,209百万円(前期は75百万円の獲得)となりました。これは主に以下の要因によるものです。・短期借入金の純増減額 (1,351百万円)・リース負債の返済による支出 (△294百万円) (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績及び受注実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しています。 ② 販売実績本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を適用しており、この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要性がある会計方針5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。 (貸倒引当金)当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上していますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。 (のれんの減損)当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っています。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー)本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。 (資本の財源及び資金の流動性)a.資金需要当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。 b.財務政策主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。 (経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載します。a.年間取扱高本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。 b.未払い率未払い率(未払いとなった取引額の割合(貸倒処理前のものを含む))はNP後払い(NP後払いair含む)サービスが0.46%(前期は0.59%)、NP掛け払いサービスが0.50%(前期は0.49%)となりました。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、更なる低減を図ってまいります。

事業リスク

  • 経済環境とEC市場の成長鈍化
    同社の決済サービスは経済活動、特にEC市場の成長に密接に関連しています。国内経済の停滞やEC関連法規の改正などによりEC市場の成長が鈍化した場合、同社のサービス利用が減少し、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に主力サービスである「NP後払い」はECを主要な対象としているため、影響は大きいと考えられます。
  • BNPL市場の競争激化と法規制
    BNPL決済市場は世界的に拡大しており、新規参入事業者との競争が激化する可能性があります。これにより、手数料の引き下げや顧客離れが生じ、同社の収益性が低下する恐れがあります。また、BNPL決済に関する法規制が強化されたり、法解釈が変更されたりした場合、現行のサービス提供が困難になり、事業モデルの変更やオペレーションコストの増加が発生し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 貸倒れ・詐欺的取引の発生
    同社のBNPL決済サービスは、購入者への債権を買い取るビジネスモデルのため、貸倒れリスクや詐欺的取引の発生リスクを同社が負います。独自の与信判断システムでリスクを管理していますが、予想を超える貸倒れや詐欺的取引が発生した場合、同社の経営成績や財政状態に大きな影響を与える可能性があります。特にデジタル商品の購入に利用される「atone」は、若年層の利用が多く、未払いリスクが高まる傾向にあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|10,005 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境に関するリスク① 経済環境、特にEC市場の成長鈍化リスク当社グループの提供する決済サービスは、BtoC及びBtoBそれぞれにおける経済活動に付随するものです。従って、国内を中心とした経済活動が停滞する場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社サービスのうち特に「NP後払い」はECを対象としたサービスです。今後、EC関連法規の改正等によりEC市場の成長が鈍化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② BNPL決済市場の成長鈍化リスク当社グループの提供する決済サービスは「後払い」を強みとしたものであり、販売元には販売代金の早期回収を、購入者には購入代金支払いタイミングの長期化を提供することで、商流の活性化を促していると認識しています。一方で決済手段には、従来の現金決済、プリペイド方式及びデビットカード等の消費者がすぐに取引プロセスを完了できる方法や、クレジットカード及びQRコード決済等の消費者が支払いを先延ばしにできる方法が存在し、BNPL決済は両方の方法での競争に直面し続けることになります。当社グループの提供するサービスは上述の通り、購入者は商品到着後、内容を確認してから代金を支払えるため、商品に係るトラブルを避けることができ、販売元はその購入者ニーズを満たすことで新規注文及び追加注文等を期待できるため、売上拡大に寄与します。この観点から、当社グループの提供するサービスは、購入者及び販売元双方の利用者に付加価値のあるものであり、商品到着前に支払いを完了する必要があるほかの決済サービス対比で十分競争力のあるものであると判断していますが、今後決済手段としてほかの方式が拡大することで当社対象市場が奪われるような事態になれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ BNPL決済市場における競争の激化足許、世界的なBNPL決済サービスの拡大もあり、当社グループの提供するBNPL決済方式と類似のサービスを提供する事業者が増加しているものと認識しています。当社グループは当該市場にいち早く進出し、与信判断システムや決済オペレーションフロー等の独自の仕組みを構築することで、業界最高水準の与信通過率と最低水準の未払い率を実現しており、利便性と収益性を兼ね備えている点において、高い競争力を有していると認識しています。しかしながら今後、新規参入する他社との競争が激化し、手数料の減額や顧客離れが生ずる場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 法規制強化の可能性BNPL決済サービスの関係する法令には、「貸金業法」「資金決済法」「割賦販売法」「債権回収業に関する特別措置法」「弁護士法」「犯罪による収益の移転防止に関する法律」等がありますが、2025年3月末時点の当社グループのBNPL決済サービスの現在のビジネスフローでは、いずれの法令における規制にも該当する事項はないことを、顧問弁護士及び(顧問弁護士を通じて)監督官庁に確認しています。また、当社グループは、BNPL決済サービスの自主規制団体である日本後払い決済サービス協会会員です。同協会では、後払い決済サービス取引の公正を確保し、購入者の利益を保護することを主な目的として「加盟店審査に関する自主ルール」を定めており、当社グループもこれに準じて後払い決済サービスを提供しています。また、同協会では、協会に参画する各社で加盟店の審査情報を共有する制度も開始しています。当社グループは、これらのルール等の策定等における同協会の活動として、経済産業省を中心とする関係機関との協議を行っています。しかしながら、当社グループの提供するサービスにおいて、今後法令の改正や法解釈の変更、または新しい法令の制定により何らかの規制が加わる場合には、現行のままでのサービス提供が困難となる可能性があります。その場合は、オペレーションの変更やサービス内容の変更等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 「atone」ではこれまで一括払いの後払いを提供してきましたが、2025年3月期より、株式会社ネットプロテクションズにおいて割賦販売法に基づく業登録を行い、分割払いのサービスのテスト提供を開始しています。2026年3月期にはポイント還元率がより高く、分割払いである「atone分割」も利用可能な「atoneプラス」の正式リリースを予定しています。更に、2024年4月に株式会社ネットプロテクションズの子会社として株式会社NPファイナンスを設立し、2024年10月よりオンライン・レンディングサービス「NPハンディレンディング」を提供開始しています。新規事業の開始にあたり、株式会社NPファイナンスにおいて貸金業法に基づく業登録を行いました。 ⑤ 関税リスク等当社グループでは、内需取引に関する決済サービスを提供しており、現時点では米国関税による直接的な影響はございません。しかしながら、米国関税政策等により、世界経済の先行き不透明な状態が続いていることから、引き続きグローバルな市場動向を注視し、今後業績に重大な影響を与えることが明らかになった場合は、速やかに開示します。 ⑥ 自然災害等当社グループでは、自然災害及び事故等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めていますが、大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限、混乱等の不測の事態が発生した場合には、当社グループによるサービス提供の継続が困難となる可能性があり、ひいては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)提供サービスに係るリスク① 貸倒れ及び詐欺的取引発生リスク当社グループの提供するBNPL決済サービスは、商行為における売り手(加盟店)に対して購入代金支払いを行い、購入者に対する債権を当社グループが買い取ることで成立しています。こうしたビジネスモデルから当社グループの提供するサービスを利用した商行為にかかる債権の貸倒れリスクを全て当社グループが負うと共に、詐欺的な取引が発生する可能性があるため、事業継続上高い個別与信判断能力が求められます。当社グループでは2002年より本ビジネスを展開し蓄積した情報を最大限活用し、全ての取引について商材の特性や購入者の情報等をベースに詐欺的取引目的でないか等を判断した上で与信判断を行い詐欺的取引の未然防止を図ると共に、未払い率をモニタリングすることにより事後的に速やかに検知の上対応できるように努めていますが、予想以上の貸倒れが発生する場合や、詐欺的取引の未然防止が想定通りの結果とならない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、デジタル商品の購入に利用可能な「atone」は、購入者が実際の住所を入力しない可能性が高くなるため、詐欺的な取引が発生する可能性が高まります。また、「atone」を利用する購入者はNP後払いに比べて若年層となる傾向があり、一般的に未払いのリスクが高まる傾向があります。これらの要因により「atone」事業において予想以上の貸倒れが発生する場合や、詐欺的取引の未然防止が想定通りの結果とならない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 加盟店獲得に係るリスク当社の各サービスの成長においては、当社の決済サービスを提供する売り手である販売元たる加盟店の数の増加及び当社の決済サービスを利用した販売量の増加が直接的かつ重要な要因となっています。従って、加盟店獲得が想定通りの結果とならない場合や主要な加盟店との関係が悪化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 海外展開におけるリスク当社グループでは現在、台湾に恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)を、ベトナムにCông ty TNHH Net Protections Vietnam(Net Protections Vietnam Co., Ltd.)を設立し、現地でのBNPL決済サービス「AFTEE」を開始しています。現在のところオペレーションにおいて大きな問題は発生しておらず、今後の業容拡大に備えて外注先の活用も含めて対応する人員の拡充を計画していますが、用意が間に合わない場合や、用意できたとしてもオペレーション量に対して十分な育成が間に合わないような場合は、オペレーションが滞ったり、人為的なミスが発生したりすることで当社グループのレピュテーションが悪化し、ひいては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらの海外展開先において、経済情勢及び政治情勢の悪化、法律・規則、税制、外資規制等の差異及び変更、商慣習や文化の相違、自然災害や感染症の発生、為替変動等の可能性があり、これらの要因により事業の遂行及び推進が困難になる場合には、当社グループの経営戦略が変更となることに加え、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現状において台湾、ベトナム以外の具体的な展開予定国は決まっていません。 ④ 郵送費、収納費等の原価上昇リスク当社グループの提供するBNPL決済サービスでは、購入者に対する請求にあたり、請求書の郵送や、入金時の収納代行の利用等、債権の回収にあたって必要なサービスを利用しています。これらのサービス提供料が上昇する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2024年10月に実施された郵便料金の値上げに対応し、当社グループが提供する各サービスでの請求書発行手数料を改定しました。今後も、外部の要因によって当社グループの事業において生じる原価が上昇する場合、サービスの価格改定等の対応を検討していきます。こうした対応による当社の収益性への影響は限定的と見込んでいますが、当該価格改定によって新規加盟店獲得もしくは当社取扱高への影響が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 新規事業に係るリスク当社グループにおける事業は主にBNPL決済サービスに焦点を当ててきましたが、これまでの各決済サービスにおける取引データの蓄積は、必ずしもBNPL決済サービスや一般的な決済サービスとは関係のない、新しいサービスを開発する機会につながり得ると考えています。新規のサービスは、当社グループの従来の専門分野とは異なる可能性があり、また、BNPL決済サービス市場における当社の知識や経験が、これらの新規サービスとは特に関連しない可能性があります。従って、当社グループはこれらの新規サービスが直面する可能性のある課題を予測することができない可能性があり、また、そのような課題に効率的に対処するための十分な能力を有していない可能性があります。2025年3月期には「atone」において、当社グループが提供する国内向けBtoCサービスとしては初めて、分割払いのサービスのテスト提供を開始しました。2026年3月期には、ポイント還元率がより高く、分割払いも利用可能な「atoneプラス」の正式リリースを予定しています。海外向けBNPL決済サービス「AFTEE」では、先行して分割払いのサービスを提供しており、高精度の与信システムと未払いコントロール技術によって利用が拡大しています。こうした「AFTEE」の知見及びノウハウも活用し、サービス提供をしてまいります。更に、2024年4月に株式会社ネットプロテクションズの子会社として設立した株式会社NPファイナンスでは、2024年10月より「NP掛け払い」の買い手である購入企業を対象としたオンライン・レンディングサービス「NPハンディレンディング」を開始しています。「NP掛け払い」の与信情報を活用することで、未払いをコントロールすることができると実証実験で検証できたため、事業化を判断しました。 (3)情報システム及び情報管理に係るリスク① システムトラブル当社グループのBNPL決済サービスは、SaaS(Software as a Service)形式で提供しています。また、当社グループ内の与信判断システムは過去の蓄積データ等との照合において大部分がシステム化されています。当社グループでは、外部のデータセンター及びクラウドインフラにサーバーを配置し複数のサーバーを使用することによる分散化を図り、定期的にサーバーデータのバックアップを取得すると共に、現状のシステムの稼働状況について適時確認し、システムの冗長化により、不備等が発生しないよう万全の注意を払っています。障害が発生した場合に備え、社内マニュアルを整備の上、リアルタイムのシステムの稼働状況及びサーバーのログチェックを確認する体制を構築しています。しかしながら、自然災害又は事故・外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入・コンピュータウイルス・サイバー攻撃等により、通信ネットワークの切断やアプリケーションの動作不良、クラウドサーバーの利用停止など、今後何らかのシステムトラブルが発生する場合には、当社グループのレピュテーションが悪化することに加え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報漏洩リスク当社グループでは、過去の取引情報や請求先情報等、様々な個人情報並びに企業情報を保有しています。当該情報については、外部からのアクセスを隔離すると共に社内アクセスについても重要情報には対象者を限定した上でアクセス制限を付す等適切なウォールを敷く等の対応により漏洩を防止しています。当社グループでは、プライバシーマークやPCI DSSといったセキュリティ基準に準拠しながらサービス提供・組織運営を行うと共に、システム部署において情報セキュリティにおける国際標準規格であるISO27001(ISMS認証)の認定も受けています。更に、情報セキュリティに係る社内規程を整備し、役職員等に対して定期的に研修を実施することで情報漏洩と不正使用を未然に防止するよう努めています。しかしながら、当社グループ及びその委託先における人為的なミスや内外からの何らかの不正な方法でこれらの顧客情報が外部に流出する場合、当社グループのレピュテーションが悪化することに加え、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ システム開発と陳腐化リスク前述の通り、当社グループの決済サービスはSaaS形式での提供となっており、特にECにおいては、ユーザーインターフェースとなるカート事業者とのシステム連携が円滑になされることが重要な要素となります。当社グループではカート事業者各社のシステム改修や新サービス等によってこの連携が損なわれることのないよう、継続的に必要なシステム開発・改修を行っています。しかしながら、今後全く新しいカート事業者が導入され、当該システムに対応できない場合等技術革新に対応できない場合においては、当社グループのこれまでのシステム開発が陳腐化すると共に、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに係るリスク① 貸倒引当金の計上方法当社グループでは、支払期日までに支払がなされない未収入金に対して、所定の期間にわたり所定の督促業務を実施した後に、回収不能であった未収入金について貸倒損失又は債権売却損を計上しています。貸倒損失又は債権売却損の計上前の未収入金の残高に対して過去の回収実績を勘案した貸倒引当率を乗じることで貸倒引当金を計上しています。具体的には、貸倒引当率は過去における月別での経過年月別未収入金に対する平均貸倒実績率を計算することで算出し、これを期末の経過月別の未収入金残高に乗ずることで貸倒引当金を算定しています。当社グループでは、これまでの利用実績データを用いた詐欺等の貸倒懸念先の排除や、貸倒実績のある顧客の利用禁止、支払遅延先への外部業者も活用した回収促進によって、貸倒の発生の低減に努めています。しかしながら会計処理としては、期末時点での直近の貸倒実績を踏まえた引当金を計上するため、新規サービス・顧客の増加により一時的に貸倒実績が増加する場合等において、結果的に過年度の実績や当社の想定以上に貸倒引当金額を計上する可能性があります。そのような場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② のれんの減損リスク当社グループは、のれんや無形資産を含む資産を連結財政状態計算書に計上していますが、急激な景況の悪化や事業環境、競合状況の変化、法規制の変更、当社の事業戦略の変更等により、当社グループの経営計画が悪化した場合に、減損を認識することにより経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループののれんは、2016年7月に株式会社AP53(現株式会社ネットプロテクションズ)が実施した株式会社ネットプロテクションズの株式取得により発生しています。当社グループにおいては、のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めており、与信システムの深化等継続的なサービスの品質の向上、営業体制及びアライアンスの強化を通じ、取扱高及び営業収益の拡大に取り組んでまいります。 ③ 借入金、金利の変動及び財務制限条項当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し借入を行っています。当該借入金の支払利息の大部分は変動金利となっているため、市場金利が上昇する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが締結している借入契約の中には、財務制限条項が付されているものがあります。かかる財務制限条項については、純資産維持等の具体的な数値基準が設けられており、これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となる可能性があります。 ④ 配当について当社グループは、株主に対する適切な利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営上の重要課題の一つとして位置づけています。足元は、内部留保とのバランスを考慮した上で、事業拡大と事業の効率化のために必要な投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えています。事業拡大によりキャッシュフローの創出が可能な体制になりつつありますので、将来的には、投資と資本効率の向上の最適なバランスを勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針です。現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。 (5)その他① 株主の状況当社グループは、アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドから、純投資を目的とした出資を受けており、当連結会計年度末現在、投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズⅤ号、AP Cayman Partners Ⅲ-Ⅰ, L.P.、AP Cayman Partners Ⅲ, L.P.、Japan Fund Ⅴ,L.P.、アドバンテッジパートナーズ投資組合67号が合計で当社株式を22,157,000株(発行済株式総数対比22.31%)を保有しています。また、当社社外取締役かつ監査等委員である市川雄介は、アドバンテッジパートナーズより派遣されています。アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドは当社株式の上場時において、所有する当社株式の大半を売却しましたが、上場後においても一定の当社株式を保有しています。当社ではアドバンテッジパートナーズより、当該株式の将来的な処分時期や方法については未定であるものの、市場価格への影響を極力抑えた形で対応する旨聴取していますが、今後の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの経営その他の事項に関するアドバンテッジパートナーズの利益は、ほかの株主の利益とは異なる可能性があります。 ② 当社グループ組織特性に合致した従業員の採用・成長が果たせないリスク当社グループのBNPL決済サービスの開発や推進のためには、特定の専門知識を有する熟練した従業員を雇用し、雇用を維持する必要があり、また、当社グループの経営は経験豊富な経営陣に支えられています。これらの人材が確保できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、従業員一人一人が個人の特性や希望に合わせた自己実現を、仕事を通じて果たしていくことこそが、各人の業務へのモチベーション、ひいては当社グループとしての経営成績の最大化を図る上で最適であると判断しており、「ティール組織」を採用しています。本組織では、従業員それぞれが将来の経営幹部候補として、リーダーシップと責任を持って自発的に業務を遂行している一方で、必要に応じて組織の枠を超えた協力体制を取ることも可能となっており、「自立・分散・協調を実現」する組織運営が可能と考えています。しかしながら、当該組織運営の継続的な遂行のためには、現在の社風に合致した人材を厳選して採用し、教育していくことが不可欠です。こうした背景から、業容の拡大に伴い必要な人材を十分確保できないリスクがあり、その場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 企業買収及び事業提携リスク当社グループは、事業の拡大・成長に向けた手段の1つとして、企業買収や事業提携を実施することがあります。その場合、対象先の経営状況、事業内容、財務内容、法令遵守や契約関係等について詳細な事前調査を行い、リスクを吟味した上で決定してまいりますが、事前調査にて検出されなかった問題が生じた場合や買収後の統合作業において当初見積もっていた以上の経営資源の集中や期間を要する必要性が生じた場合、買収時点では予期していなかった事業環境の変化や買収時ののれん等の減損処理を行う必要が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 内部統制に係るリスク当社グループは、財務報告の適正性と信頼性を確保するための内部統制システムを構築していますが、様々な要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 中期経営計画当社グループは2025年5月に「中期経営計画(2026年3月期-2028年3月期)」(以下、「中期経営計画」という。)を策定しています。将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。そのため、中期経営計画を策定するための各種の前提(BtoC及びBtoBの市場環境、既存加盟店の平均成長率、郵送費・収納費等の原価等)が変化した際に、当社グループがかかる変化に対応した成長戦略又は事業運営を立案又は実行することができない場合には、中期経営計画を達成できない可能性があります。

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