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テイ・エス テック(7313)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 自動車部品製造販売
    テイ・エス テックは、主に二輪車用シートや樹脂部品、四輪車用シートや内装品などの自動車部品を製造・販売しています。これらの製品は、自動車メーカーに供給され、完成車に組み込まれることで収益を得ています。特に、本田技研工業株式会社とそのグループ会社への販売比率が86.9%と高く、同社グループの事業戦略や生産動向が収益に大きく影響するビジネスモデルです。
  • グローバルな生産・販売体制
    日本、米州、中国、アジア・欧州の4つの地域にわたる国内外50社の関係会社で事業を展開しており、それぞれの地域で二輪車・四輪車用部品の製造販売を行っています。これにより、各地域の自動車市場のニーズに対応し、部品の供給網をグローバルに構築することで、安定的な事業運営を目指しています。
  • 本田技研工業グループとの連携
    その他の関係会社である本田技研工業株式会社とは、事業上、継続的で緊密な関係にあります。この強固な関係性により、開発初期段階からの商品共創が可能となり、本田技研工業グループ向けビジネスの維持・拡大を図っています。一方で、この高い依存度が事業リスクにもなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業
    主に二輪車用シートや樹脂部品、四輪車用シートや内装品などの製造販売を行っています。当社(テイ・エス テック)を中核に、九州テイ・エス株式会社やテイ・エス パーツ アンド サービス株式会社などが含まれます。国内市場のニーズに対応し、主要顧客である本田技研工業グループへの供給を担う重要な拠点です。
  • 米州事業
    主に二輪車用シートや樹脂部品、四輪車用シートや内装品などの製造販売を行っています。TRI-CON INDUSTRIES, LTD.やTS TECH USA CORPORATIONなどが含まれ、北米・南米地域の自動車市場向けに製品を供給しています。この地域は、自動車生産台数が多く、テイ・エス テックのグローバル戦略において重要な位置を占めています。
  • 中国事業およびアジア・欧州事業
    中国では主に四輪車用シートや内装品を製造販売しており、広州提愛思汽車内飾系統有限公司などが主要な拠点です。アジア・欧州地域では、主に二輪車用シートや樹脂部品、四輪車用シートや内装品を製造販売しており、PT. TS TECH INDONESIAやTS TECH Poland sp. z o.o.などが含まれます。これらの地域は、新興国市場の成長を取り込み、事業拡大を図る上で重要なセグメントです。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,526 文字
3 【事業の内容】当グループは、当社及び国内外50社の関係会社により構成され、セグメント別には、日本、米州、中国、アジア・欧州の4地域からなっています。また、その他の関係会社である本田技研工業株式会社とは、事業上、継続的で緊密な関係にあります。当グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。 (日本)主に二輪車用シート及び樹脂部品等、四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。当社、九州テイ・エス株式会社、サン化学工業株式会社、テイ・エス パーツ アンド サービス株式会社、株式会社テイ・エス ロジスティクス、株式会社ホンダカーズ埼玉北、株式会社今仙電機製作所 2024年4月1日付で、連結子会社である総和産業株式会社を存続会社、連結子会社である株式会社テック東栄を消滅会社とする吸収合併を行い、同日付で存続会社である総和産業株式会社は、テイ・エス パーツ アンド サービス株式会社に商号変更しました。また、2025年4月1日付で、連結子会社であるテイ・エス パーツ アンド サービス株式会社を存続会社、連結子会社であるサン化学工業株式会社を消滅会社とする吸収合併を行っております。 (米州)主に二輪車用シート及び樹脂部品等、四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。TRI-CON INDUSTRIES, LTD.、TS TRIM INDUSTRIES INC.、TS TECH USA CORPORATION、TS TECH AMERICAS, INC.、TS TECH ALABAMA, LLC.、TRIMOLD LLC、TS TECH INDIANA, LLC、TST NA TRIM, LLC.、TSML INNOVATIONS, LLC、TS TECH CANADA INC.、TRIMONT MFG. INC.、INDUSTRIAS TRI-CON DE MEXICO, S.A. DE C.V.、TST MANUFACTURING DE MEXICO, S. DE R.L. DE C.V.、TS DE SAN PEDRO INDUSTRIES, S. DE R.L. DE C.V.、TS TECH DO BRASIL LTDA.、TS TRIM BRASIL S/A (中国)主に四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。広州提愛思汽車内飾系統有限公司、寧波提愛思汽車内飾有限公司、広州徳愛康紡績内飾製品有限公司、武漢提愛思全興汽車零部件有限公司、TS TECH (HONG KONG) CO.,LTD.、広州広愛興汽車零部件有限公司 (アジア・欧州)主に二輪車用シート及び樹脂部品等、四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。TS TECH TRIM PHILIPPINES, INC.、PT. TS TECH INDONESIA、TS TECH (THAILAND) CO.,LTD.、TS TECH ASIAN CO.,LTD.、TS TECH (KABINBURI) CO.,LTD.、TS TECH SUN INDIA PRIVATE LIMITED、TS TECH SUN RAJASTHAN PRIVATE LIMITED、TS TECH (MANDAL) PRIVATE LIMITED、TS TECH Poland sp. z o.o.、LAGUNA TS LAND, INC. 当社の連結子会社であったTS TECH Hungary Kft.の解散に伴い、当連結会計年度より連結の範囲から除外しています。 事業の系統図は、次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要顧客である本田技研工業株式会社への販売依存度が高いため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
二輪車・四輪車用シート・内装品の製品開発、高機能な製品実現に向けた先進技術の研究開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:本田技研工業株式会社への販売依存度が高い / 競合の激化による市場シェア低下 / 原材料・部品の市況変動や供給不足
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

テイ・エス テックは自動車部品メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開情報からは確認できない。汎用品部品が中心と推測される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーとの取引は長期にわたることが多く、部品サプライヤーの変更には型式認証や生産ラインの調整など、一定のコストと時間がかかる。しかし、テイ・エス テックの製品群が汎用品中心であれば、代替サプライヤーへの切り替えは比較的容易な可能性もある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

自動車部品製造業は、ユーザーが増えることで製品価値が増大するネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

自動車部品業界は価格競争が激しく、効率的な生産体制とサプライチェーン管理によるコスト削減が重要となる。テイ・エス テックが長年事業を継続できていることから、一定のコスト競争力を持っていると推測される。ただし、具体的なコスト優位性を示すデータは不足している。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

自動車部品サプライヤーとして、一定の生産規模を持つことで、自動車メーカーからの要求に応え、効率的な生産を実現していると考えられる。業界内でのシェアや生産能力に関する詳細データは不足しているが、一定の規模の経済は享受していると推測される。

  • 本田技研工業グループとの強固な関係
    本田技研工業株式会社およびそのグループ会社への販売比率が約87%と非常に高く、長年にわたる緊密な関係を築いています。これにより、開発初期段階から商品共創を行うことができ、安定した取引基盤と技術連携による製品開発力が強みとなっています。この関係性は、新規参入企業にとって高い参入障壁となります。
  • グローバルな生産・供給体制
    日本、米州、中国、アジア・欧州の4つの地域に50社以上の関係会社を展開し、グローバルな生産・供給体制を構築しています。これにより、各地域の自動車メーカーのニーズに迅速に対応できるだけでなく、地域ごとの市場変動リスクを分散し、安定的な部品供給を可能にしています。この広範なネットワークは、競争優位性をもたらします。
  • 安全部品の製造技術と品質管理
    自動車の乗員の身体に直接触れ、保護する役割を持つシートなどの安全上重要な部品を製造しています。開発段階からの品質熟成や製造工程内品質保証体制の構築、ISO/IATFなどの国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムの運用により、高い品質と安全性を確保しています。製品欠陥の発生予防と迅速な対応を可能にするトレーサビリティシステムも強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項には将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものです。 (1) 経営基本方針  当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。 「人材重視」とは、「人こそ企業の決め手」と考え、働く者全てが「夢」と「情熱」をもって活き活きと働くことができる企業でありたいという私たちの想いを表しています。また、経営理念には、安全性のみならず、快適さや感動を与えられる製品を車室内空間(キャビン)全体で提供し、社会とともに持続的な成長を続けていくことで、全てのステークホルダーから「喜ばれる企業」であり続けるという強い意思が込められています。 経営理念はTSフィロソフィーとしてグループ全体に共有され、社員一人ひとりが実践していくことで、企業価値の向上に努めています。 (2) 中長期経営計画当グループはこれまで蓄積してきたシート・内装品に関する多岐にわたる技術を礎に、変化する事業環境の中でさらなる事業成長を遂げるため、安心・安全・快適なキャビンを提供できる企業へと変革すべく、2030年ビジョンに「Innovative quality company - 新たな価値を創造し続ける -」を掲げています。 このビジョンの実現に向け新たに始まった第15次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期、以下「第15次中期」)は、「ESG経営の実現」を経営方針とし、「成長戦略」「地域戦略」「機能戦略」からなる重点戦略をもって、一層の事業成長と資本効率の向上に取り組んでいます。第15次中期の中間である2025年3月期は、中国市場での日系自動車メーカーの販売不振による生産台数の減少や世界的な原材料価格の高騰、労務費の上昇など、大変厳しい事業環境が続きました。加えて、米国の通商政策による先行きの不透明感など、新たな課題が次々と浮上しており、日々変化する事業環境への対応が急務となっています。しかしながら、第15次中期の策定時に定めた重点戦略は、事業環境が激変する現在においても方向性は妥当であり、各戦略の諸施策を着実に推進していくことが、当グループの持続的成長につながっていきます。引き続き、未来の車室内空間を見据えた次世代技術開発をはじめ、主要客先からのさらなる商権獲得、新事業の拡大に向けた生産体制整備、ビジネスパートナーとのアライアンス活用など、成長に不可欠な領域へ経営資源を投入していきます。なお、第15次中期開始時点で開示した2030年ビジョンに向けての中長期目標(KPI)については、当グループを取り巻く事業環境の変化に伴い、目標の前提となる生産台数予測が計画策定時点から大きく変動していることを受け、現在見直しを行っています。 (3) 対処すべき課題(重点取り組み) ① 成長戦略 1) キャビンコーディネート機能の獲得長期視点では、EV化や自動運転車両の実現が着実に近づく中、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに新たな価値を提案できる企業への変革を加速させるべく、次世代車を見据えた商品開発に取り組んでいます。継続して取り組んでいる独自イベント「次世代車室内空間発表会」では、当グループの考えるこれまでにない車室内空間と、そこで過ごす新たな移動時間の提案を実際の車両の中に具現化し、さまざまな完成車メーカーの皆さまにご体験いただいています。そこから拾い上げたお客さまの声をタイムリーに研究開発に活かすことで、より魅力的な商品提案へとつなげていきます。   2) 新事業のさらなる拡大当グループは本田技研工業グループ(以下、ホンダ)を主要客先として、着実な成長を遂げてきました。しかしながら、外部環境変化による収益減少リスクを減らすとともに、さらなる事業成長を遂げるためには、新たなお客さまの獲得とその商権拡大が急務です。全世界のお客さまをターゲットとし、各機種のモデルチェンジタイミングを見据えた戦略的な営業活動を展開していきます。特に、今後も自動車需要の拡大が見込まれるインド市場においては、マルチ・スズキ・インディア社向けに四輪車用シートをはじめとした自動車部品を製造しているクリシュナグループと、シート開発および自動車部品製造の合弁会社の設立を決定しました。両社が培ってきた技術と豊富な経験を共有し、インド国内の自動車メーカーなどの新規顧客、新商権獲得に向け、強力に受注活動を推進していきます。   3) 主要客先シェア向上新規顧客・新商権の獲得を図る一方、当グループにとってホンダビジネスは最も重要な事業基盤であることに変わりはなく、第15次中期もホンダビジネスのさらなる拡大を目指し、ホンダ向け四輪車用シートシェア向上を図っていきます。  シェア向上には、既存商権の確実な受注と新商権による拡販が不可欠です。激変する自動車業界の環境下においても、開発初期段階からお客さまとの魅力商品の共創に取り組み、確実な商権獲得につなげ一層のシェア向上を目指します。  ② 地域戦略 1) 北米収益体質のV字回復米州地域では、その市場の大きさからグループ最大の売上収益を計上する一方、変則生産から生じる労務費や生産ロスの増加、原材料価格の高騰など、さまざまな要因から収益性に課題を残しています。収益のV字回復に向けては、生産工程の自動化や生産変動に柔軟に対応できる自動立体倉庫システムなどの設備投資、調達構造の再編などに取り組んでおり、着実な体質改善が図られています。引き続き、さらなる収益体質への変革を目指し、徹底した原価低減に取り組んでいきます。 2) 中国事業戦略の再構築中国地域では、新興EVメーカーの勢力拡大により、日系自動車メーカーは苦戦を強いられ、非常に厳しい事業環境が続いています。そのような中でも、当グループの収益性を支えるべく、生産要員の最適化や調達体制の見直しにより、収益維持を図ります。また、新たなビジネスパートナーとの連携を活かし、長安汽車グループなど新たなお客さまからの商権を獲得しました。これらを皮切りに、さらなる事業拡大につなげ、激化する中国市場での勝ち残りを目指します。 3) 欧州新事業の戦略的拡大「新事業のさらなる拡大」に向け、本格稼働を開始したポーランド四輪車用シート生産会社は、その立地を活かし、周囲に点在する欧州自動車メーカーへ向け価格競争力のある製品供給を可能とします。日本の各機能本部とドイツ営業・開発拠点が連携を図り、これらの利点を活かした欧州自動車メーカーへの積極的な営業活動により、新規顧客・新商権を着実に獲得していくことで、より一層の拡販を目指します。  ③ 機能戦略  1) サプライチェーンの再構築EV化に伴う利益構造の変化や新興メーカーの台頭など、自動車業界を取り巻く環境は大きく変化しており、新規商権獲得に向けては、コスト競争力ある部品を安定的に供給できるサプライチェーンの確立が急務です。そのため、部品生産アロケーションの見直しや現地ローカルメーカーの採用拡大などによる原価低減、取引先と連携したCO₂排出量削減など、収益性を兼ね備えたサステナブルなサプライチェーンの構築を目指します。 2) 環境技術開発の推進強化これからの事業成長には環境負荷を回避・低減する“環境技術”が重要となります。従来から推進する軽量化技術はもとより、サステナブルマテリアル※1への置き換え技術の構築を図ります。また、リサイクル材やスクラップ鉄を使った電炉鋼材加工技術の確立、製品自体のリサイクル促進を目指し、モノマテリアル※2化や製品の易解体構造の実現など、環境技術をいち早く製品として世に送り出すことで、一層の事業成長と持続可能な社会への貢献に努めます。 ※1継続的に利用可能な資源から得られ、ライフサイクル全体で環境への影響が小さい原材料※2「単一素材」の意味。製品や部品が単一の素材でできていることでリサイクル性が向上する 3) 高効率生産体制の構築他社を凌駕する高効率な生産体制の構築により労働生産性を高めていくため、徹底した生産の自動化やAI技術を活用した生産ラインの進化などを推進していきます。また、サステナビリティへの取り組みとして、省エネ技術活用による電力使用量削減や環境負荷を低減する生産技術の導入を図り、持続可能な“モノづくり”へと進化させていきます。  ④ 資本効率の向上当グループは、盤石な財務基盤を持つ一方、積み上げた資本をいかに効率的に活用していくかが重要な課題であると捉えています。財務安全性は維持しつつ、資本構成を改善し、キャッシュをより有益な資産へアロケーションしていくべく、重点戦略に基づく積極的な成長投資を行っていきます。また、第15次中期は、株主還元方針として「業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施」を基本方針と定め、配当と自己株式に関する具体的な指標をもって一層の株主還元を行います。なお、2025年3月期には約150億円規模の自己株式取得を実施し、加えて、2025年5月14日に市場買付けによる約50億円規模の自己株式の取得および自己株式12,000,000株の消却を公表しています。今後も、成長投資による持続的成長と株主還元の拡充により、資本効率の向上へとつなげていきます。 ⑤ サステナビリティ取り組みの強化当グループが持続的な成長を遂げるためには、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業活動を通じて社会課題に取り組んでいくことが不可欠です。 持続可能な社会の実現に向けて「当グループ」と「ステークホルダー」にとっての重要性の両軸から、優先的に取り組んでいくべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、中長期的な視点で目標設定しています。社会領域では、未来の車室内空間を想定した研究開発や環境対応技術の開発成果を、独自イベント「次世代車室内空間発表会2024」において、多くの完成車メーカーに提案いたしました。環境領域においては、省エネルギー施策の水平展開や、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組みました。加えて、さらなるサステナビリティ意識の醸成を目的に、自然保護団体への寄付制度「テイ・エス テック基金」を創設し、社員と会社が一体となり、自然を守る活動の支援を推進しています。企業基盤領域では、多様な人材の確保や育成はもちろん、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを強化しています。毎年実施しているエンゲージメント調査を活用し、各機能本部の責任者が認識する課題や解決に向けた施策を経営陣に共有することで、現場任せで終わらせることなく、効果的な施策につなげています。引き続き、第15次中期はマテリアリティへの取り組みをさらに加速し、企業価値向上と持続的な成長を実現していきます。特定したマテリアリティおよびKPIについては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(2)戦略並びに指標及び目標」に記載のとおりです。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項には将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものです。 (1) 経営基本方針  当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。 「人材重視」とは、「人こそ企業の決め手」と考え、働く者全てが「夢」と「情熱」をもって活き活きと働くことができる企業でありたいという私たちの想いを表しています。また、経営理念には、安全性のみならず、快適さや感動を与えられる製品を車室内空間(キャビン)全体で提供し、社会とともに持続的な成長を続けていくことで、全てのステークホルダーから「喜ばれる企業」であり続けるという強い意思が込められています。 経営理念はTSフィロソフィーとしてグループ全体に共有され、社員一人ひとりが実践していくことで、企業価値の向上に努めています。 (2) 中長期経営計画当グループはこれまで蓄積してきたシート・内装品に関する多岐にわたる技術を礎に、変化する事業環境の中でさらなる事業成長を遂げるため、安心・安全・快適なキャビンを提供できる企業へと変革すべく、2030年ビジョンに「Innovative quality company - 新たな価値を創造し続ける -」を掲げています。 このビジョンの実現に向け新たに始まった第15次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期、以下「第15次中期」)は、「ESG経営の実現」を経営方針とし、「成長戦略」「地域戦略」「機能戦略」からなる重点戦略をもって、一層の事業成長と資本効率の向上に取り組んでいます。第15次中期の中間である2025年3月期は、中国市場での日系自動車メーカーの販売不振による生産台数の減少や世界的な原材料価格の高騰、労務費の上昇など、大変厳しい事業環境が続きました。加えて、米国の通商政策による先行きの不透明感など、新たな課題が次々と浮上しており、日々変化する事業環境への対応が急務となっています。しかしながら、第15次中期の策定時に定めた重点戦略は、事業環境が激変する現在においても方向性は妥当であり、各戦略の諸施策を着実に推進していくことが、当グループの持続的成長につながっていきます。引き続き、未来の車室内空間を見据えた次世代技術開発をはじめ、主要客先からのさらなる商権獲得、新事業の拡大に向けた生産体制整備、ビジネスパートナーとのアライアンス活用など、成長に不可欠な領域へ経営資源を投入していきます。なお、第15次中期開始時点で開示した2030年ビジョンに向けての中長期目標(KPI)については、当グループを取り巻く事業環境の変化に伴い、目標の前提となる生産台数予測が計画策定時点から大きく変動していることを受け、現在見直しを行っています。 (3) 対処すべき課題(重点取り組み) ① 成長戦略 1) キャビンコーディネート機能の獲得長期視点では、EV化や自動運転車両の実現が着実に近づく中、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに新たな価値を提案できる企業への変革を加速させるべく、次世代車を見据えた商品開発に取り組んでいます。継続して取り組んでいる独自イベント「次世代車室内空間発表会」では、当グループの考えるこれまでにない車室内空間と、そこで過ごす新たな移動時間の提案を実際の車両の中に具現化し、さまざまな完成車メーカーの皆さまにご体験いただいています。そこから拾い上げたお客さまの声をタイムリーに研究開発に活かすことで、より魅力的な商品提案へとつなげていきます。   2) 新事業のさらなる拡大当グループは本田技研工業グループ(以下、ホンダ)を主要客先として、着実な成長を遂げてきました。しかしながら、外部環境変化による収益減少リスクを減らすとともに、さらなる事業成長を遂げるためには、新たなお客さまの獲得とその商権拡大が急務です。全世界のお客さまをターゲットとし、各機種のモデルチェンジタイミングを見据えた戦略的な営業活動を展開していきます。特に、今後も自動車需要の拡大が見込まれるインド市場においては、マルチ・スズキ・インディア社向けに四輪車用シートをはじめとした自動車部品を製造しているクリシュナグループと、シート開発および自動車部品製造の合弁会社の設立を決定しました。両社が培ってきた技術と豊富な経験を共有し、インド国内の自動車メーカーなどの新規顧客、新商権獲得に向け、強力に受注活動を推進していきます。   3) 主要客先シェア向上新規顧客・新商権の獲得を図る一方、当グループにとってホンダビジネスは最も重要な事業基盤であることに変わりはなく、第15次中期もホンダビジネスのさらなる拡大を目指し、ホンダ向け四輪車用シートシェア向上を図っていきます。  シェア向上には、既存商権の確実な受注と新商権による拡販が不可欠です。激変する自動車業界の環境下においても、開発初期段階からお客さまとの魅力商品の共創に取り組み、確実な商権獲得につなげ一層のシェア向上を目指します。  ② 地域戦略 1) 北米収益体質のV字回復米州地域では、その市場の大きさからグループ最大の売上収益を計上する一方、変則生産から生じる労務費や生産ロスの増加、原材料価格の高騰など、さまざまな要因から収益性に課題を残しています。収益のV字回復に向けては、生産工程の自動化や生産変動に柔軟に対応できる自動立体倉庫システムなどの設備投資、調達構造の再編などに取り組んでおり、着実な体質改善が図られています。引き続き、さらなる収益体質への変革を目指し、徹底した原価低減に取り組んでいきます。 2) 中国事業戦略の再構築中国地域では、新興EVメーカーの勢力拡大により、日系自動車メーカーは苦戦を強いられ、非常に厳しい事業環境が続いています。そのような中でも、当グループの収益性を支えるべく、生産要員の最適化や調達体制の見直しにより、収益維持を図ります。また、新たなビジネスパートナーとの連携を活かし、長安汽車グループなど新たなお客さまからの商権を獲得しました。これらを皮切りに、さらなる事業拡大につなげ、激化する中国市場での勝ち残りを目指します。 3) 欧州新事業の戦略的拡大「新事業のさらなる拡大」に向け、本格稼働を開始したポーランド四輪車用シート生産会社は、その立地を活かし、周囲に点在する欧州自動車メーカーへ向け価格競争力のある製品供給を可能とします。日本の各機能本部とドイツ営業・開発拠点が連携を図り、これらの利点を活かした欧州自動車メーカーへの積極的な営業活動により、新規顧客・新商権を着実に獲得していくことで、より一層の拡販を目指します。  ③ 機能戦略  1) サプライチェーンの再構築EV化に伴う利益構造の変化や新興メーカーの台頭など、自動車業界を取り巻く環境は大きく変化しており、新規商権獲得に向けては、コスト競争力ある部品を安定的に供給できるサプライチェーンの確立が急務です。そのため、部品生産アロケーションの見直しや現地ローカルメーカーの採用拡大などによる原価低減、取引先と連携したCO₂排出量削減など、収益性を兼ね備えたサステナブルなサプライチェーンの構築を目指します。 2) 環境技術開発の推進強化これからの事業成長には環境負荷を回避・低減する“環境技術”が重要となります。従来から推進する軽量化技術はもとより、サステナブルマテリアル※1への置き換え技術の構築を図ります。また、リサイクル材やスクラップ鉄を使った電炉鋼材加工技術の確立、製品自体のリサイクル促進を目指し、モノマテリアル※2化や製品の易解体構造の実現など、環境技術をいち早く製品として世に送り出すことで、一層の事業成長と持続可能な社会への貢献に努めます。 ※1継続的に利用可能な資源から得られ、ライフサイクル全体で環境への影響が小さい原材料※2「単一素材」の意味。製品や部品が単一の素材でできていることでリサイクル性が向上する 3) 高効率生産体制の構築他社を凌駕する高効率な生産体制の構築により労働生産性を高めていくため、徹底した生産の自動化やAI技術を活用した生産ラインの進化などを推進していきます。また、サステナビリティへの取り組みとして、省エネ技術活用による電力使用量削減や環境負荷を低減する生産技術の導入を図り、持続可能な“モノづくり”へと進化させていきます。  ④ 資本効率の向上当グループは、盤石な財務基盤を持つ一方、積み上げた資本をいかに効率的に活用していくかが重要な課題であると捉えています。財務安全性は維持しつつ、資本構成を改善し、キャッシュをより有益な資産へアロケーションしていくべく、重点戦略に基づく積極的な成長投資を行っていきます。また、第15次中期は、株主還元方針として「業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施」を基本方針と定め、配当と自己株式に関する具体的な指標をもって一層の株主還元を行います。なお、2025年3月期には約150億円規模の自己株式取得を実施し、加えて、2025年5月14日に市場買付けによる約50億円規模の自己株式の取得および自己株式12,000,000株の消却を公表しています。今後も、成長投資による持続的成長と株主還元の拡充により、資本効率の向上へとつなげていきます。 ⑤ サステナビリティ取り組みの強化当グループが持続的な成長を遂げるためには、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業活動を通じて社会課題に取り組んでいくことが不可欠です。 持続可能な社会の実現に向けて「当グループ」と「ステークホルダー」にとっての重要性の両軸から、優先的に取り組んでいくべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、中長期的な視点で目標設定しています。社会領域では、未来の車室内空間を想定した研究開発や環境対応技術の開発成果を、独自イベント「次世代車室内空間発表会2024」において、多くの完成車メーカーに提案いたしました。環境領域においては、省エネルギー施策の水平展開や、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組みました。加えて、さらなるサステナビリティ意識の醸成を目的に、自然保護団体への寄付制度「テイ・エス テック基金」を創設し、社員と会社が一体となり、自然を守る活動の支援を推進しています。企業基盤領域では、多様な人材の確保や育成はもちろん、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを強化しています。毎年実施しているエンゲージメント調査を活用し、各機能本部の責任者が認識する課題や解決に向けた施策を経営陣に共有することで、現場任せで終わらせることなく、効果的な施策につなげています。引き続き、第15次中期はマテリアリティへの取り組みをさらに加速し、企業価値向上と持続的な成長を実現していきます。特定したマテリアリティおよびKPIについては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(2)戦略並びに指標及び目標」に記載のとおりです。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 (1) 経営成績2025年3月期は、依然として続く中国市場における日系自動車メーカーの販売不振に加え、各地域での物価高騰や人件費の上昇など、製造コストの上昇局面が続きました。また、世界的なEVシフトの減速を受けた自動車メーカーの開発計画見直しなど、先行きが不透明な状況が続いています。そのような中でも、課題としていた米州地域の収益改善は、さらなる生産自動化の推進などにより、着実にV字回復が図られています。また、生産台数の減少により厳しい事業運営が続く中国地域においても、要員構成の適正化や固定費の削減など、収益確保に向けた諸施策を推進してきました。さらに、当グループの次世代技術をご提案する独自イベント「次世代車室内空間発表会2024」の開催や、インド市場での事業拡大を見据えた新たな合弁会社の設立準備、新規顧客獲得とその商権拡大などに向け、将来の成長につながる取り組みを加速させています。当連結会計年度における売上収益は、為替換算効果や新事業売上※の増加等により、4,605億14百万円と前連結会計年度に比べ188億円(4.3%)の増収となりました。利益面では、さらなる原価低減に努めましたが、中国を中心とした主要客先向けの減産影響等により、営業利益は164億28百万円と前連結会計年度に比べ10億78百万円(6.2%)の減益となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は86億30百万円と前連結会計年度に比べ15億84百万円(15.5%)の減益となりました。※本田技研工業株式会社および同社の関係会社等以外への売上USドル/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均:144.7円⇒当連結会計年度累計平均:152.6円中国元/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均: 20.1円⇒当連結会計年度累計平均: 21.1円 セグメントごとの事業概況及び業績は次のとおりです。 (日本)(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比増減額前期比増減率売上収益91,206110,46719,26021.1%営業利益7,96310,3592,39530.1% 前連結会計年度との主な増減理由売上収益主要客先向けの増産効果や新事業売上の増加等により増収となりました。営業利益諸経費の増加はありましたが、増収効果等により増益となりました。 (米州)(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比増減額前期比増減率売上収益240,100263,55523,4549.8%営業利益3,2766,1112,83486.5% 前連結会計年度との主な増減理由売上収益為替換算効果や増産効果等により増収となりました。営業利益増収効果や機種構成の良化等により増益となりました。 (中国)(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比増減額前期比増減率売上収益87,53970,814△16,724△19.1%営業利益9,9997,449△2,549△25.5% 前連結会計年度との主な増減理由売上収益減産影響等により減収となりました。営業利益諸経費の抑制や原価低減に努めましたが、減収影響等により減益となりました。 (アジア・欧州)(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比増減額前期比増減率売上収益48,96245,050△3,911△8.0%営業利益(△は損失)2,612△925△3,537-% 前連結会計年度との主な増減理由売上収益為替換算効果はありましたが、減産影響や機種構成の変化等により減収となりました。営業利益ポーランド連結子会社における固定資産の減損損失や減収影響等により減益となりました。 また、事業別の売上収益については下記のとおりです。(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比増減額前期比増減率 構成比 構成比 二輪事業8,0931.8%8,2031.8%1091.4% 四輪事業411,21293.1%429,22493.2%18,0114.4% (シート)374,89384.9%393,20285.4%18,3084.9% (内装品)36,3188.2%36,0217.8%△296△0.8% その他事業22,4075.1%23,0865.0%6793.0% 合計441,713100.0%460,514100.0%18,8004.3% ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本88,22724.9米州262,6569.6中国67,921△20.6アジア・欧州42,173△9.3合計460,9794.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2 金額は販売価格により算出しました。3 上記の金額には、仕入実績が含まれています。 ② 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本86,90321.77,099△13.3米州264,2568.123,2699.0中国66,176△24.83,871△32.3アジア・欧州42,508△10.53,19012.5合計459,8441.937,429△1.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本87,99525.1米州262,3459.6中国68,019△20.2アジア・欧州42,153△9.8合計460,5144.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)Honda Development and Manufacturing of America, LLC140,40031.8154,88733.6Honda Canada Inc.61,97114.069,99615.2本田技研工業株式会社45,67210.356,23312.2 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末における資産合計は、4,323億66百万円と前連結会計年度末に比べ138億47百万円の減少となりました。これは、主要客先からの受注台数の増加等により営業債権及びその他の債権の増加はありましたが、為替換算影響等により全般的に資産が減少したこと、及び自己株式の取得や配当金の支払等により現金及び現金同等物が減少したことが主な要因です。(負債)負債合計は、1,066億79百万円と前連結会計年度末に比べ91億69百万円の増加となりました。これは、為替換算影響等により全般的に負債の減少はありましたが、主要客先からの受注台数の増加等により営業債務及びその他の債務が増加したことが主な要因です。(資本)資本合計は、3,256億86百万円と前連結会計年度末に比べ230億16百万円の減少となりました。これは、自己株式の取得により自己株式が増加したこと、及び投資有価証券の時価評価差額の減少等によりその他の資本の構成要素が減少したことが主な要因です。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に比べ392億11百万円減少し、当連結会計年度末残高は1,115億43百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、287億13百万円と前連結会計年度に比べ89億45百万円の減少となりました。これは、営業債務及びその他の債務の増減額が73億49百万円の減少から100億54百万円の増加となりましたが、営業債権及びその他の債権の増減額が137億56百万円の減少から38億46百万円の増加となったこと、及び棚卸資産の増減額が1億59百万円の増加から64億58百万円の増加となったこと等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により支出した資金は、358億67百万円と前連結会計年度に比べ271億97百万円の増加となりました。これは、定期預金の預入及び払戻による純増減額が65億15百万円の収入から116億13百万円の支出となったこと等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により支出した資金は、314億43百万円と前連結会計年度に比べ136億24百万円の増加となりました。これは、自己株式の取得による支出が149億99百万円あったこと等によるものです。(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当グループの資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新機種に対応する生産設備や金型投資等であり、主に営業活動から生み出されるキャッシュ・フローにより充当しています。また、想定される自然災害などのリスクに対応するための資金は、自己資金を基本としています。  (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 ⑤連結財務諸表注記 2 連結財務諸表作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。

事業リスク

  • 本田技研工業グループへの高い依存度
    連結売上収益の約87%が本田技研工業株式会社とそのグループ会社向けであり、最終販売先が同社グループとなる売上比率は約90%に達します。そのため、同社グループの事業戦略変更、生産調整、特定車種の販売動向、リコールなどが、テイ・エス テックの業績に直接的かつ重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • サプライチェーンの寸断リスク
    主力製品の製造には多数の取引先から原材料や部品を調達しており、取引先の財務状況悪化や経営破綻が発生した場合、サプライチェーンが寸断され、製品製造に遅延や停止が生じる可能性があります。特定の取引先への依存度が高い部品については、代替策の事前策定が重要となります。
  • 国際情勢・経済動向による影響
    日本、中国、米州、アジア・欧州などグローバルに事業を展開しているため、各国の経済低迷、自動車市場構造の変化、物価変動による消費者の購買意欲低下などが、二輪車・四輪車の販売減少を通じて業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料価格の市況変動や為替変動も収益に影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,405 文字
3 【事業等のリスク】当グループでは、リスク管理の統括責任者として、グローバルリスク管理委員会の委員長を務めるリスクマネジメントオフィサーを取締役または執行役員より選任し、事業を運営する上で顕在化する可能性のある、あらゆるリスクの抽出・評価・予防活動に取り組んでいます。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別途記載がない限り、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものです。 (1) 製品製造・販売に関するリスク① 本田技研工業株式会社及びそのグループ会社に対する販売依存度について  当グループの連結売上収益に占める本田技研工業株式会社及び同社関係会社(以下、同社グループ)に対する比率は86.9%(同社グループの取引先への売上収益を含めた最終販売先が同社グループとなる売上収益の比率は89.8%)に達しています。従って、同社グループの事業戦略や購買方針の変更、同社グループにおける生産調整、特定車種の生産拠点移管、生産拠点再編成、当グループの製品を採用した車種の販売開始時期の変更や販売動向、同社グループ及び同社グループ取引先におけるリコールやその他重大な問題による販売動向への影響等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  当グループは、魅力商品創出による顧客満足度の向上や、開発初期段階からの同社グループとの商品共創を通じ、同社グループ向けビジネスの維持・拡大を図るとともに、当該リスクの低減とさらなる事業成長に向け、同社グループ以外の顧客獲得に向けて設立された新事業統括本部の指揮の下、全世界のお客さまをターゲットとした戦略的な営業活動を展開し、新規顧客の獲得及び新規商権拡大に努めています。 ② 競合の状況について  新たな競合先の台頭や既存競合先の競争力向上により、市場におけるシェアが低下する可能性があります。当グループは、あらゆる面での競争力向上施策に加え、キャビン全体をコーディネートし、顧客に新たな価値を提案できる企業を目指し、次世代技術開発をはじめ、独自技術のさらなる進化とともに、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との連携によって、顧客の潜在ニーズを引き出す魅力ある商品の開発・新規顧客の獲得に取り組んでいます。 ③ 購買取引先の信用リスクについて  当グループは、主力製品の構造上、数多くの取引先から原材料・部品を調達しており、取引先における財務状況の悪化や経営破綻等が発生した場合には、サプライチェーンが寸断され、製品製造に遅れや停止が生じる可能性があります。  当該リスクに対しては、取引先の経営状態について定期的に確認を行い、取引先とともに財務体質の強化に取り組むほか、特定の取引先への依存度が高い部品を把握し、有事の代替策をあらかじめ策定しておく等、リスクの最小化に努めています。 ④ 製品の欠陥への対応について  当グループは、自動車部品の中でも乗員の身体に直接触れ、かつ保護する役割を持つ安全上重要な部品を製造しており、リコール等が発生した場合には、多額の賠償費用、製品保証引当金の計上や信用の低下等が発生する可能性があります。  当グループは、開発段階からの仕様品質の熟成や製造工程内品質保証体制の構築に努めるとともに、ISO9001/IATF16949等の国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムを運用する等、製品欠陥の発生予防に努めています。また、製造物責任賠償に繋がるような製品欠陥の発生に備え、影響範囲を速やかに把握するトレーサビリティ(製造履歴の追跡)システムを導入する等、迅速な対応を可能とする品質管理体制の強化に努めています。 ⑤ 災害・事故・感染症・戦争・ストライキ等による事業活動への影響について  当グループの所在地において、大規模な地震等の自然災害及び感染症、戦争、テロ、ストライキ等により、物的、人的被害及びインフラの遮断等、操業を中断する事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、ロシア・ウクライナをめぐる情勢悪化による影響範囲が拡大した場合等には円滑な事業運営が困難になることも予想され、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  当グループは、リスク抽出・検証、リスクへの対策内容の進捗確認と是正措置及び改善に取り組んでおります。重大な影響を与える事象が発生した場合、リスクマネジメントオフィサー指揮の下、当該リスクへの対策内容・対応検討指示を行います。   また、当該リスクが顕在化した場合に備え、継続的な事業を行うために留保すべき運転資金が定められた「安全資金ガイドライン」をグループ全体に適用する等、有事でも円滑な事業運営と雇用維持を可能とする資金管理体制の構築に努めています。 (2)国際情勢や経済動向等の外部経営環境に関するリスク① 市場環境の変化について  当グループは、日本、中国、その他のアジア地域、北米、南米、欧州において事業を展開しています。これらの国々における経済の低迷や、自動車市場構造の変化、物価等の動向による消費者の購買意欲の低下は、二輪車及び四輪車等の販売減少につながり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  当グループでは、顧客の多様化を図るとともに、開発効率の向上、生産の自動化、サプライチェーンの再構築、管理体制の強化等、あらゆる角度から効率性の向上、原価低減に努めることで高収益体質づくりに取り組んでいます。 ② 原材料や調達部品の市況変動等の影響について  当グループの主要製品である四輪車用シートは、鋼材、樹脂材、ウレタン、表皮材等の原材料及び、機構部品等の調達部品で構成されており、これらを取り巻く規制の変化、調達先の減産、価格の市況変動等に起因して、当社が対応または吸収できない原材料や半導体等の調達部品の供給不足によるサプライチェーンの混乱、急激な価格上昇等が発生した場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  当グループは、原材料や部品の調達において、供給元との基本取引契約をベースに安定的な調達に努めるとともに、市況変動影響を取引価格へ機動的に反映できる取引形態を採用しています。 ③ 為替変動の影響について  当グループはグローバルに事業活動を展開しており、各国間で部品相互補完等のために行う外貨建取引において、為替変動の影響を受けます。  当グループは、主要通貨間における為替予約等の為替ヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替相場の変動リスクを最小化しています。なお、当グループにとっての主要通貨はUSドル及び中国元であり、それらの平均為替レートは「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載しています。 (3)法的規制・訴訟に関するリスク① 知的財産権保護について  当グループは、自社が製造する製品に関連した技術とノウハウを蓄積してきましたが、将来にわたって知的財産権が有効に活用できない可能性があります。さらに、知的財産権が違法に侵害される、または当グループの開発した製品・技術が第三者の知的財産権を侵害していると判断された場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  当グループは、中長期的視点の知的財産戦略に基づき、知的財産ごとに独占化やライセンス化等の判断を行い、ノウハウの流出防止や、事業及び収益の拡大に努めています。また、知的財産部門が他社製品の構造を解析し、当社の知的財産権侵害がないかを随時確認するとともに、当社が他社の知的財産権を侵害しないよう、製品・技術開発に際しては先行調査を実施する等、十分な注意を払っています。 ② 訴訟等への対応について  当グループは、原材料・部品の調達や顧客への製品販売をはじめ、事業運営に必要な各種取引を行なっていますが、取引条件の疑義から発生する訴訟等の法的手続きにおいて、当グループの主張が認められなかった場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  当該リスクに対しては、事業に関連する法規の制定・改正情報のタイムリーな把握や対応に努めるとともに、契約締結時の審査体制の整備や、弁護士等の専門家との連携を通じ、問題の未然防止に努めています。 ③ 国際的活動に潜在するリスクについて  当グループは、北米、南米、中国、その他のアジア地域、欧州に生産子会社を設立し、海外での事業展開に積極的に取り組んでおり、それらの拠点間における国際間取引は年々、複雑・多様化しています。予期しない法律・規制の制定及び変更等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、米国をはじめとする追加関税や輸出入規制の強化のほか、米中関係や中東をめぐる情勢変動による影響範囲が拡大した場合等には、広範なサプライチェーンへの影響が予測されます。  当該リスクに対しては、当社からグループ各社に重要な法規の制定・改正情報の配信を行うとともに、グループ各社で現地関係機関からの積極的な情報収集に努め、変化への円滑な対応を図っています。また、移転価格税制においては、取引規模の大きい日米間のグループ内取引について、両国税務当局間であらかじめ当グループ内における取引価格の設定等を事前承認するAPA(事前確認制度)を活用しています。さらに、当グループは各地域ごとのサプライチェーン体制を構築しており、業績への影響を最小化すべく取り組んでおりますが、今後大きな影響がある場合にはお客様と緊密に連携していきます。 ④ 製品への法規制について  当グループは、事業を展開する各国において、自動車等に関する安全、環境等のさまざまな法的規制の適用を受けています。さらなる法的規制の強化または新たな規制の制定に際し、それらを遵守できなかった場合、当グループの事業活動を制限される可能性があります。また、これらの法的規制の強化または新たな規制の制定は、コスト増につながる可能性があります。  当グループは、常に自動車等に関連する最新の法規を把握し、これを遵守した事業活動を行っています。また、欧米を中心とする自動車の最新の法規動向を注視し、今後の法的規制にも対応が可能な開発体制を整えています。 (4)その他のリスク① サステナビリティへの取り組みについて当グループが持続的な成長を遂げるためには、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業活動を通じて社会課題に取り組んでいくことが不可欠です。また、サステナビリティへの取り組みの遅れや誤った対応が発生した場合、地域社会との関係性悪化や投資家や市場からの信頼を損ない、当グループのレピュテーションが低下することにより、株価の下落やビジネスチャンスを逃す可能性があります。当グループは、刻々と変化する社会の期待に応えながら企業価値の最大化を図っていくために、ESGの観点で経営を行い、サステナビリティへの取り組みを通じ持続可能な社会の実現に貢献していきます。第15次中期は経営方針「ESG経営の実現」の下、全てのステークホルダーにとっての重要性の両軸から、優先的に取り組んでいくべき課題を特定した重要課題(マテリアリティ)及び2030年目標の達成に向けた諸施策への取り組みを加速させていきます。 ② 情報漏洩リスクについて当グループは技術情報や従業員の個人情報、顧客から受け取ったさまざまな重要情報を保有しています。予期せぬ事態により機密情報の滅失、改ざんもしくは社外への漏洩が発生した場合には、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、損害賠償責任等が発生する可能性があります。当グループは、これらの情報が外部へ流出することを防止するため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムやネットワーク監視体制の強化に取り組んでいます。また、各顧客からのセキュリティ要件を踏まえた環境整備や、対象拠点においてはTISAX(Trusted Information Security Assessment Exchange)※の認証を取得する等、情報管理の徹底に努めています。※自動車業界向けの情報セキュリティ基準であり、VDA(ドイツ自動車工業会:Verband der Automobilindustrie)が策定した、VDA情報セキュリティ評価基準(VDA ISA)に基づき、認証機関の審査を受ける制度。 ③ 退職給付債務について当グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等の前提条件に基づいて算出しています。従って、実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更となった場合は、当グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当グループは、従業員の年金資産運用に際しては、適宜外部専門家の意見を得るほか、審議会等の機関を設置する等、各社で適切かつ慎重な審議を経て行っています。

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