研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 5,773 |
| 2024-03 | - | 4,861 |
| 2023-03 | - | 3,508 |
| 2022-03 | - | 3,450 |
| 2021-03 | - | 4,054 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,710 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野における研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は6,190億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。 (1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に、車両開発を株式会社日産オートモーティブテクノロジー、日産車体株式会社、ユニット開発をジヤトコ株式会社などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。また、総合研究所(神奈川県横須賀市)において電動化・知能化を柱とした研究開発を行っている。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種の設計開発業務を行っている。また、米国の日産先進技術開発センター・シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、日産技術開発(上海)有限公司において自動運転車、電気自動車(EV)、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。 (2) 新商品の開発状況国内にて「日産アリア NISMO」を発売した。海外では、北米において「キックス」、「アルマーダ」、「ムラーノ」、インフィニティ「QX80」、欧州において「日産アリア NISMO」、中東において「パトロール」を発売した。 (3) 新技術の開発状況日産は2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという目標に向けて電動化技術の進化を続けるとともに、交通事故の死者数を実質ゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」の実現に向けた知能化技術の開発に取り組んでいる。そして、今後の商品ラインアップにおいては、パワートレインに対するニーズの多様化に応えるため、車種に応じてハイブリッド技術(「e-POWER」、プラグインハイブリッドを含む)、次世代電気自動車技術、先進的なガソリンエンジン技術を投入する。また、電動化の鍵となるバッテリーについては従来のNCMリチウムイオンバッテリーの性能を向上していくとともに、コストに優れるLFPバッテリー及びバッテリーの革新となる全固体電池の開発を進めていく。これらの進化したNCMリチウムイオンバッテリー、LFPバッテリー、全固体電池を搭載したEVは、2028年度に投入する予定である。さらに、電動車の競争力を向上させるため、EVと「e-POWER」でモーター・インバーターなど主要部品を共用化し、モジュール化することによりコストの大幅低減を実現する次世代電動パワートレイン「X-in-1」技術開発などに取り組んでいく。EVでは、「日産リーフ」、SUVの「日産アリア」、軽自動車の「日産サクラ」を発売した。また、J.D.パワー2024年日本自動車商品魅力度調査において「日産サクラ」が、軽ハイトワゴンのセグメントにおける最も魅力的なモデルであるとしてNo.1を獲得した。さらに、次世代のEVに向けては競争力を確保するため、プラットフォームを共有するファミリー開発などの効率化を行い、EVのコストをガソリン車(ICE車)と同等にしていくことを目指す。 車両の電動化では、ガソリンエンジンで発電した電力を利用し、モーターの力で走行する「e-POWER」を2016年より採用しており、2024年にはグローバル累計生産台数が160万台に到達した。また、J.D.パワー2024年日本自動車商品魅力度調査において、「ノート」と「キックス」がコンパクト車とコンパクトSUVのセグメントにおける最も魅力的なモデルであるとして、No.1を獲得した。今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として進化を続けていく。EV同様、コストのさらなる低減に向け、発電専用エンジンの開発及び定点運転に特化するシステムの簡素化に取り組む。第3世代の「e-POWER」システムは、効率性の大幅な改善により、現在の第2世代システムに比べて高速走行時の燃費を最大15%向上させることを目指している。新しい「e-POWER」専用1.5リッターエンジンを採用し、5-in-1システムは日産の最新のEVパワートレインと主要部品を共有する。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、構造合理化、工法の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、軽自動車からインフィニティに至るまで、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。2024年は「キックス」、「パトロール」、「アルマーダ」、「ムラーノ」、インフィニティ「QX80」へ採用を拡大した。当社グループは「EVを作って売る」のみならず、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサンエナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサンエナジー」は次の3つの領域で構成される。・充電ソリューションの拡充:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・EVを活用したエネルギーマネジメントサービス:EVのバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進。日本では法人や地方自治体のお客様向けに、「ニッサンエナジー・シェア」としてエネルギーマネジメントのサービスを提供・リチウムイオンバッテリー二次利用事業「4R」の推進:EVがさらに普及する将来を見据え、クルマで使用された後でも高い性能を有する日産のEVのバッテリーを二次利用するための取り組みを推進加えて、EVを活用し日本が抱える地球温暖化、災害対策、再生可能エネルギーの推進、地方での観光の活性化や移動の問題といった課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでいる。再生可能エネルギーの利活用に有効な手段であるEVは、地球規模の課題である脱炭素社会の実現に大きく貢献するものであり、2025年3月末時点で自治体・企業との連携によるブルー・スイッチ活動は276件となった安全面において、日産は事故による犠牲者を減らすため、事故そのものを減らすことに取り組み、安全性能に係わる技術の進化と採用拡大を推進する。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産リーフ」、「日産リーフプラス」、「ムラーノ」、「アルティマ」、「セントラ」、「ヴァーサ」、「ローグ」、「日産アリア」、「パスファインダー」、インフィニティ「QX50」、「QX60」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「パスファインダー」、インフィニティ「QX80」がトップセーフティピック+(TSP+)を獲得、インフィニティ「QX60」がトップセーフティピック(TSP)を獲得した。また、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。さらに、ドライバーの負担を軽減する技術として、2016年より「プロパイロット」、2019年より高速道路で同一車線内ハンズオフが可能なナビ連動ルート走行を実現した「プロパイロット2.0」を販売しており、2024年は「アルマーダ」、インフィニティ「QX80」、「QX60」に採用した。引き続き、プロパイロット技術を軽自動車に至るまで幅広い車種で採用を推進していく。さらに、一般道や敷地内の走行が可能なドアツードアの運転支援を実現する開発を進めている。また、この技術をお客様が安心して使えるようにするために、クルマの緊急回避性能を飛躍的に向上させる技術の開発に取り組んでいる。これらの技術を搭載した次世代プロパイロットを2027年度の新型車に採用する予定で、さらなるドライバーの負担軽減と交通事故の低減を目指していく。当社グループは、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
FY2024|4,198 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は6,099億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。 (1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に、車両開発を株式会社日産オートモーティブテクノロジー、日産車体株式会社、ユニット開発をジヤトコ株式会社などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種の設計開発業務を行っている。また、米国の日産先進技術開発センター・シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、ルノーとの合弁会社アライアンス研究開発(上海)有限公司を2019年に設立し、自動運転車、電気自動車(EV)、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。 (2) 新商品の開発状況国内にて、「フェアレディZ NISMO」、「スカイライン NISMO」、「アトラス」、「日産クリッパー EV」を発売した。海外では、中国において「キャッシュカイ」、「パラディン」、「パスファインダー」および、新エネルギー車(NEV)のヴェヌーシア「V-Online DD-i」、「VX6」を発売した。 (3) 新技術の開発状況日産は2021年11月に「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンとして、新しい長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表した。日産は今後10年間で、数多くのワクワクする電動車とイノベーションを提供し、グローバルに事業を拡大していく。この長期ビジョンは、2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという当社の目標を支えるものである。そして、バランスの取れたポートフォリオで多様なお客さまのニーズと市場毎に異なる電動化のペースに対応するため、2024年度から2030年度の間で計34車種の電動車を投入してすべてのセグメントをカバーする。その結果、グローバルな電動車のモデルミックスは2026年度に約40%、2030年度には約60%になる見込みである。また、電動化の鍵となるバッテリーについては従来のNCMリチウムイオンバッテリーの性能を向上していくとともに、コストに優れるLFPバッテリーおよびバッテリーの革新となる全固体電池の開発を進めていく。これらの進化したNCMリチウムイオンバッテリー、LFPバッテリー、全個体電池を搭載したEVは、2028年度に投入する予定である。さらに、EVと「e-POWER」でモーター・インバーターなど主要部品の共用化・モジュール化することによりコストの大幅低減を実現する次世代電動パワートレイン「X-in-1」技術開発を通じ、電動車の競争力をさらに向上させる。EVでは、「日産リーフ」、SUVの「日産アリア」、軽自動車の「日産サクラ」に続き、ビジネスユースもサポートする軽商用EVバンの「日産クリッパー EV」を発売した。「日産クリッパー EV」は、軽商用バンとして必要な荷室性能と積載量を確保しながらも、モーター駆動のEVならではの力強い走りで、重い荷物も軽快に運ぶことが可能である。また、走行時や起動・停車時の静粛性も高く、早朝や深夜をはじめ、住宅街での使用にも適する。さらに、次世代のEVに向けては競争力を確保するため、プラットフォームを共有するファミリー開発などの効率化を行い、EVのコストをガソリン車(ICE車)と同等にしていくことを目指す。 車両の電動化では、ガソリンエンジンで発電した電力を利用し、モーターの力で走行する「e-POWER」を2016年より採用している。2023年には、新開発の「e-POWER」専用設計エンジンを搭載した「セレナ」において、燃焼効率の向上やスムースで力強い加速、優れた静粛性などが評価され2023-2024「日本カー・オブ・ザ・イヤー」において「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」、2024年次「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」において「RJCカーオブザイヤー」と「RJCテクノロジーオブザイヤー」を受賞した。さらに、グローバル市場における採用拡大のため、2023年には中国で「エクストレイル」へ「e-POWER」搭載モデルを設定した。今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として進化を続けていく。EV同様、コストのさらなる低減に向け、発電専用エンジンの開発及び定点運転に特化するシステムの簡素化に取り組む。さらに次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンでは、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を開発し、一層のCO2排出量の削減(燃費向上)を目指す。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、構造合理化、工法の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、軽自動車からインフィニティに至るまで、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。2020年「ローグ」、「キャシュカイ」、「ノート」、2022年「日産アリア」、2023年「セレナ」など採用車種の拡大を進めている。また、構造合理化においては、新設計したモーター、インバーターを適用した「e-POWER」システムを2020年発売の「ノート」に採用した。6%の出力向上を図りながら、モーターでは15%、インバーターでは30%の軽量化を実現している。2023年「セレナ」にも同様の技術を採用している。当社グループは「EVを作って売る」のみならず、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサンエナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサンエナジー」は次の3つの領域で構成される。・充電ソリューションの拡充:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・EVを活用したエネルギーマネジメントサービス:EVのバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進。日本では法人や地方自治体のお客様向けに、「ニッサンエナジー・シェア」としてエネルギーマネージメントのサービスを提供・リチウムイオンバッテリー二次利用事業「4R」の推進:EVがさらに普及する将来を見据え、クルマで使用された後でも高い性能を有する日産のEVのバッテリーを二次利用するための取り組みを推進加えて、EVを活用し日本が抱える地球温暖化、災害対策、再生可能エネルギーの推進、地方での観光の活性化や交通課題といった課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでいる。再生可能エネルギーの利活用に有効な手段であるEVは、地球規模の課題である脱炭素社会の実現に大きく貢献するものであり、2024年3月末時点で自治体・企業との連携によるブルー・スイッチ活動は254件となった。安全面において、日産は事故による犠牲者を減らすため、事故そのものを減らすことに取り組み、安全性能に係わる技術の進化と採用拡大を推進する。日本では、自動車アセスメント(JNCAP)にて、「セレナ」、「エクストレイル」が最高評価となるファイブスター賞を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産リーフ」、「日産リーフプラス」、「ムラーノ」、「アルティマ」、「マキシマ」、「セントラ」、「ヴァーサ」、「ローグ」、「日産アリア FWD」、「パスファインダー AWD」、インフィニティ「QX50」、「QX60 AWD」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「パスファインダー」がトップセーフティピック+(TSP+)を獲得、「日産アリア」、インフィニティ「QX60」がトップセーフティピック(TSP)を獲得した。中国では、中国新車アセスメントプログラム(C-NCAP)にて「日産アリア」が5つ星を獲得した。また、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。さらに、ドライバーの負担を軽減する技術として、2016年より「プロパイロット」、2019年より高速道路で同一車線内ハンズオフが可能なナビ連動ルート走行を実現した「プロパイロット2.0」を販売しており、2023年には「セレナ」へミニバン世界初として採用した。引き続き、プロパイロット技術を軽自動車に至るまで幅広い車種で採用を推進していく。また、2027年度には、ドアツードアの自動運転技術を搭載した次世代プロパイロットを投入する予定である。さらに、2030年度にはアクティブセーフティとAI技術を融合させたシステムを実用化し、さらなる交通事故の低減を目指していく。当社グループは、「Nissan Ambition 2030」に基づき、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
FY2023|5,049 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は5,222億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。 (1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に、車両開発を(株)日産オートモーティブテクノロジー、日産車体(株)、ユニット開発をジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種の設計開発業務を行っている。また、米国のアライアンス イノベーション ラボ シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、ルノーとの合弁会社アライアンス研究開発(上海)有限公司を2019年に設立し、自動運転車、電気自動車(EV)、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノー、三菱自動車工業(株)及び当社は2022年1月に発表したアライアンスのロードマップである「Alliance 2030」に基づき、さらなる経営資源の効率化を目指し、次世代技術、プラットフォーム、パワートレインの開発を分担し共用化を推進している。 (2) 新商品の開発状況国内にて、「日産サクラ」、新型「フェアレディZ」、新型「エクストレイル」、新型「セレナ」を発売した。海外では、北米において「日産アリア」、新型「日産Z」、欧州において「日産アリア」、新型「エクストレイル」、「キャシュカイ e-POWER」、「ジューク ハイブリッド」、「タウンスター EV」、中国において「日産アリア」を発売した。 (3) 新技術の開発状況日産は2021年11月に「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンとして、新しい長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表した。日産は今後10年間で、数多くのワクワクする電動車とイノベーションを提供し、グローバルに事業を拡大していく。この長期ビジョンは、2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという当社の目標を支えるものである。そして、ワクワクする多様なクルマを求めるお客さまの要望にお応えし、日産は2030年度までに19車種のEVを含む27車種の電動車を導入し、ニッサン、インフィニティの両ブランドをあわせてグローバルに電動車のモデルミックスを55%以上とすることを目指している。なお、2026年度のグローバルな電動車の販売比率は、最新の見通しでは、44%となる見込みである。また、エネルギー密度やコストなどに優れる全固体電池や、EVと「e-POWER」でモーター・インバーターなど主要部品の共用化・モジュール化することによりコストの大幅低減を実現する次世代電動パワートレイン「X-in-1」技術開発を通じ、電動車の競争力をさらに向上させる。EVでは、「日産リーフ」、SUVの「日産アリア」に続き、軽自動車の量産型EVの「日産サクラ」、さらに欧州ではビジネスユースもサポートする小型商用EVバン「タウンスター EV」を発売した。 「日産サクラ」は、軽自動車独自の小回り性能に加え、「日産リーフ」の開発で培った技術を投入し、EVならではの静粛性や力強くなめらかな加速を実現した。また、「日産リーフ」にも搭載しているリチウムイオンバッテリーを搭載した。搭載効率を高めるユニバーサルスタック構造により、広い室内空間を確保しながらも、最大180km(WLTCモード)と、日常生活に十分な航続距離を確保するとともに、高い信頼性を実現している。「日産サクラ」は、2022-2023「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、「第32回(2023年次)RJCカー オブ ザ イヤー」、「2022~2023日本自動車殿堂カーオブザイヤー」を受賞した。車両の電動化では、ガソリンエンジンで発電した電力を利用し、モーターの力で走行する「e-POWER」を2016年より採用している。2022年に発売した「エクストレイル」では、発電用エンジンに圧縮比が可変である「VCターボ」を組み合わせることにより一層力強く静粛性の高い「e-POWER」を実現した。4WDモデルでは新たな電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載し、2022-2023「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。また、「ノート」、「ノート オーラ」は、2022年暦年の国内登録車販売において、ハイブリッド車を含む電動車*販売台数No.1を獲得している。(*電動車とは、バッテリーに蓄えた電気エネルギーをクルマの動力のすべて又は一部として使って走行する自動車を指す。電動車順位は2022年1月~2022年12月の自動車登録情報(新車新規登録情報)に基づく日産調べ。)さらに、グローバル市場における採用拡大のため、中国での「シルフィ」、欧州での「キャシュカイ」へ「e-POWER」搭載モデルを設定した。「e-POWER」を追加しラインアップが充実した「キャシュカイ」は、イギリスで生産された車両として日産初のベストセラーを獲得、Auto Moto Grand Prix ceremonyにおいて、“Best Innovation”を受賞。メキシコでは、「日産キックス e-POWER」がメキシコ政府によりEVカテゴリーに分類され、EVとしての各種優遇策を受けることが可能となった。今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として進化を続けていく。EV同様、コストのさらなる低減に向け、発電専用エンジンの開発及び定点運転に特化するシステムの簡素化に取り組む。さらに次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンでは、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を開発し、一層のCO2排出量の削減(燃費向上)を目指す。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、構造合理化、工法の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、軽自動車からインフィニティに至るまで、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。2020年「ローグ」、「キャシュカイ」、「ノート」、2022年「日産アリア」など採用車種の拡大を進めている。また、構造合理化においては、新設計したモーター、インバーターを適用した「e-POWER」システムを2020年発売の「ノート」に採用した。6%の出力向上を図りながら、モーターでは15%、インバーターでは30%の軽量化を実現している。2022年「日産サクラ」でも同様の技術を採用している。さらに、工法においては、V-LPDC(吸引低圧鋳造法)という新たな鋳造工法の実用化が挙げられる。「ローグ」、「キャシュカイ」などの1.5リットル3気筒ターボエンジン シリンダヘッドに適用し、4%の軽量化に貢献した。当社グループは「EVを作って売る」だけでなく、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサン エナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサン エナジー」は次の3つの領域で構成される。・ニッサン エナジー サプライ:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・ニッサン エナジー シェア:EVのバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進・ニッサン エナジー ストレージ:日産のEVのバッテリーはクルマで使用された後でも高い性能を有しており、EVがさらに普及する将来を見据え、二次利用のためのソリューションを提供フォーアールエナジー(株)と協働で神奈川県内のセブン‐イレブン10店舗で「日産リーフ」のバッテリーを再利用した「定置型蓄電池」、太陽光パネルと卒FIT電力を活用した「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」も開始している。また、JR東日本は、踏切保安装置用の電源として、「日産リーフ」の24kWhバッテリーのモジュールを再利用した再生リチウムイオン蓄電池(エネハンドグリーン)を導入した。この電源装置は、従来の鉛酸バッテリー電源との比較で高寿命かつ運用コスト低減を実現しつつ、再生バッテリーの活用による環境にやさしく循環型システムの実現に貢献する。 加えて、EVを活用し日本が抱える地球温暖化、災害対策、再生可能エネルギーの推進、地方での観光の活性化や交通課題といった課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでいる。再生可能エネルギーの利活用に有効な手段であるEVは、地球規模の課題である脱炭素社会の実現に大きく貢献するものであり、2023年3月末時点で自治体・企業との連携によるブルー・スイッチ活動は216件となった。安全面において、日産は事故による犠牲者を減らすため、事故そのものを減らすことに取り組み、安全性能に係わる技術の進化と採用拡大を推進する。日本では、自動車アセスメント(JNCAP)にて、「日産サクラ」が最高評価となるファイブスター賞を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産リーフ」、「日産リーフe+」、「ヴァーサ」、「セントラ」、「アルティマ」、「マキシマ」、「ローグ」、「ローグスポーツ AWD」、「ムラーノ」、インフィニティ「QX50」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「パスファインダー」、インフィニティ「QX60」がトップセーフティピック+(TSP+)を獲得、「ローグ」がトップセーフティピック(TSP)を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、「日産アリア」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。さらに、ドライバーの負担を軽減する技術として、2016年より「プロパイロット」、2019年より高速道路で同一車線内ハンズオフが可能なナビ連動ルート走行を実現した「プロパイロット2.0」を販売している。引き続き、プロパイロット技術を軽自動車に至るまで幅広い車種で採用を推進していく。また、ユーロNCAPによる運転支援システム評価で、「キャシュカイ」に採用されたナビリンク機能を備えた「プロパイロット」が、日産として初めて最高評価である“very good”とランク付けされるなど、高い評価を得ている。さらにNissan Ambition 2030では、2026年度までにプロパイロットを、ニッサン、インフィニティ両ブランドあわせて250万台以上、販売することを目指している。また、運転支援技術をさらに進化させ、2030年度までにほぼすべての新型車に高性能な次世代LiDAR(ライダー)技術を搭載することを目指している。当社グループは、Nissan Ambition 2030に基づき、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
FY2022|5,023 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は4,841億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。 (1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に、車両開発を日産車体(株)、(株)日産オートモーティブテクノロジー、ユニット開発をジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種の設計開発業務を行っている。また、米国のアライアンス イノベーション ラボ シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、ルノーとの合弁会社アライアンス研究開発(上海)有限公司を2019年に設立し、自動運転車、電気自動車(EV)、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノー、三菱自動車工業(株)および当社は2022年1月に発表したアライアンスのロードマップである「Alliance 2030」に基づき、さらなる経営資源の効率化を目指し、次世代技術、プラットフォーム、パワートレインの開発を分担し共用化を推進している。 (2) 新商品の開発状況国内にて、「ノート オーラ」、「日産アリア」を発売した。海外では、北米において新型「QX60」、「QX55」、新型「フロンティア」、新型「パスファインダー」、欧州において新型「キャシュカイ」、「タウンスター」、中国において新型「エクストレイル」を発売した。 (3) 新技術の開発状況環境面においては、引き続き、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2022」のもと、新車からのCO2排出量を2022年までに2010年比40%削減することを目指しており、車両の電動化をはじめとするモノづくりの技術革新により、燃料消費量やCO2排出量を削減していく。さらに、より高い目標に取り組んでいくため、日産は2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクルでのカーボンニュートラルを目指すこととし、その実現に向けたマイルストーンとして2030年代早期より、主要市場で投入する新型車全てを電動車とする。Nissan Ambition 2030で、2030年度までに15車種の電気自動車(EV)を含む23車種の電動車を投入することを発表した。本目標の達成に向け、2026年度までにEVと「e-POWER」搭載車を合わせて20車種導入し、各主要市場における電動車の販売比率を欧州75%/日本55%/中国40%/米国2030年度までに40%(EVのみ)まで向上させることを目指す。2028年度までに自社開発の全固体電池(ASSB)を搭載したEVを市場投入することを目指し、2024年度までに横浜工場内にパイロット生産ラインを導入する計画である。電気自動車(EV)では、63ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加しており、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は58万台を突破、「e-NV200」、「シルフィ ゼロ・エミッション」、ヴェヌーシアブランドの「e30」、「D60EV」、「T60EV」、さらに東風ブランドを含めたEV全体のグローバル累計販売台数では81万台を超えた。 また、2022年にこれまで培った電動化技術を更に進化させた、日産初のクロスオーバーEV「日産アリア」を発売した。新開発されたモーターは高速巡行時の消費電力を低減し、B6モデル(2WD 66kWhバッテリー搭載モデル)では、470km(WLTCモード)の航続距離を実現した。さらに、最大610km※の航続距離を実現する高容量バッテリーグレードの発売を予定している。「日産アリア」では水冷式バッテリー温度調節システムを搭載したことにより、出力130kW以上の急速充電器を利用した場合、30分で最大375㎞分※を充電することが可能となった。※ 2WD 90kWhバッテリー搭載モデル WLTCモード社内測定値 車両の電動化では、ガソリンエンジンで発電した電力を利用し、モーターの力で走行する「e-POWER」を2016年より採用している。2020年12月には第2世代「e-POWER」を搭載した新型「ノート」を発売、さらに、2021年8月には「ノート オーラ」を発売した。新型「ノート」、「ノート オーラ」は、2021-2022「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、「第31回(2022年次)RJCカー オブ ザ イヤー」、「2021~2022日本自動車殿堂カーオブザイヤー」を受賞、併せて2021年度下半期の国内登録車販売において、ハイブリッド車を含む電動車販売台数No.1*を獲得している。(*「ノート」、「ノート オーラ」の合計台数。電動車とは、バッテリーに蓄えた電気エネルギーをクルマの動力のすべてまたは一部として使って走行する自動車を指す。電動車順位は2021年10月~2022年3月の自動車登録情報(新車新規登録情報)に基づく日産調べ。)また両車種に搭載された第2世代「e-POWER」が「RJCテクノロジー オブ ザ イヤー6ベスト」を受賞。さらに、グローバル市場においても採用拡大を進めており、中国での「シルフィ」、欧州での「キャシュカイ」へ「e-POWER」搭載モデルを設定している。今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として進化を続けていく。EV同様、コストのさらなる低減に向け、発電専用エンジンの開発及び定点運転に特化するシステムの簡素化に取り組む。さらに次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンでは、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を開発し、一層のCO2排出量の削減(燃費向上)を目指す。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、工法、構造合理化の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、軽自動車からインフィニティに至るまで、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。2020年「ローグ」には980MPa級高成形性ハイテン材を、「ノート」には強度を1470MPaまで高めた超ハイテン材を採用している。さらに「ローグ」、「キャシュカイ」においては、クローズドループ・リサイクルプロセスを適用したアルミニウム材をフード、ドアなどに採用している。クローズドループ・リサイクルプロセスは、廃アルミニウムをリサイクルすることで、原材料から同程度のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90%以上を節約することができる環境に配慮した技術である。これらの技術については、幅広い車種への採用拡大を進め軽量化を推進するとともに、材料使用量低減やリサイクルの活用によりエネルギー使用量の削減に貢献している。また、構造合理化においては、新設計したモーター、インバーターを適用した「e-POWER」システムを2020年発売の新型「ノート」に採用した。6%の出力向上を図りながら、モーターでは15%、インバーターでは30%の軽量化を実現している。当社グループは「EVを作って売る」だけでなく、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサン エナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサン エナジー」は次の3つの領域で構成される。・ニッサン エナジー サプライ:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・ニッサン エナジー シェア:EVのバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進・ニッサン エナジー ストレージ:日産のEVのバッテリーはクルマで使用された後でも高い性能を有しており、EVがさらに普及する将来を見据え、二次利用のためのソリューションを提供フォーアールエナジー(株)と協働で神奈川県内のセブン‐イレブン10店舗で「日産リーフ」のバッテリーを再利用した「定置型蓄電池」、太陽光パネルと卒FIT電力を活用した「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」も開始している。また、JR東日本は、踏切保安装置用の電源として、「日産リーフ」の24kWhバッテリーのモジュールを再利用した再生リチウムイオン蓄電池(エネハンドグリーン)を導入した。この電源装置は、従来の鉛酸バッテリー電源との比較で高寿命かつ運用コスト低減を実現しつつ、再生バッテリーの活用による環境にやさしく循環型システムの実現に貢献する。 加えて、EVを活用し日本が抱える地球温暖化、災害対策、再生可能エネルギーの推進、地方での観光の活性化や交通課題といった課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでいる。再生可能エネルギーの利活用に有効な手段であるEVは、地球規模の課題である脱炭素社会の実現に大きく貢献するものであり、2022年3月末時点で自治体・企業との連携によるブルー・スイッチ活動は170件以上となった。安全面において、日産は事故による犠牲者を減らすため、事故そのものを減らすことに取り組み、安全性能に係わる技術の進化と採用拡大を推進する。日本では、自動車アセスメント(JNCAP)にて、「日産ルークス」、「ノート/ノート オーラ」、「日産キックス」において最高評価となるファイブスター賞を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産リーフ」、「日産リーフe+」、「ムラーノ」、「アルティマ」、「マキシマ」、「セントラ」、「ヴァーサ」、インフィニティ「QX50」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「マキシマ」、「アルティマ」、「ローグ」、「ムラーノ」がトップセーフティーピック+(TSP+)を獲得、「セントラ」がトップセーフティーピック(TSP)を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、「キャシュカイ」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。2016年より「プロパイロット」、2019年より高速道路で同一車線内ハンズオフが可能なナビ連動ルート走行を実現した「プロパイロット2.0」を販売、これらの販売台数は2022年3月末までにグローバルで累計163万台に達している。さらにNissan Ambition 2030では、2026年度までにプロパイロットを、ニッサン、インフィニティ両ブランドあわせて250万台以上、販売することを目指している。また、運転支援技術をさらに進化させ、2030年度までにほぼすべての新型車に高性能な次世代LiDAR(ライダー)技術を搭載することを目指している。当社グループは、Nissan Ambition 2030に基づき、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
FY2021|5,572 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は5,035億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。 (1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産オートモーティブテクノロジー、ユニット開発をジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国のアライアンス イノベーション ラボ シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、ルノーとの合弁会社 アライアンス研究開発(上海)有限公司を2019年に設立し、自動運転車、電気自動車、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノー、三菱自動車工業(株)及び当社は2020年5月に発表したアライアンスの取組みにより、さらなる経営資源の効率化を目指し、次世代技術、プラットフォーム、パワートレインの開発を分担し共用化を推進している。また、ダイムラーと戦略的協力関係を継続している。 (2) 新商品の開発状況国内にて、新型「日産キックス e-POWER」「ノート e-POWER」を発売した。海外では、北米において新型「ローグ」、インドにおいて新型「日産マグナイト」、タイ・中南米において新型「日産ナバラ」、「日産フロンティア」を発売した。 (3) 新技術の開発状況環境面においては、引き続き、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2022」のもと、新車からのCO2排出量を2022年までに2010年比40%削減することを目指しており、車両の電動化をはじめとするモノづくりの技術革新により、燃料消費量やCO2排出量を削減していく。さらに、より高い目標に取り組んでいくため、日産は2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクルでのカーボンニュートラルを目指すこととし、その実現に向けたマイルストーンとして2030年代早期より、主要市場で投入する新型車全てを電動車両とする。電気自動車(EV)では、60ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加している。2020年で販売開始から10周年を迎えた「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は52万台を突破、「e-NV200」、「シルフィ ゼロ・エミッション」、ヴェヌーシア「e30」、「D60EV」、「T60EV」、東風ブランドを含めた電気自動車全体のグローバル累計販売台数では70万台を超えた。2018年度には「日産リーフe+」が日本、米国で追加され、より幅広いお客様ニーズにこたえている。また、2020年にこれまで培った電動化技術を更に進化させた、日産初のクロスオーバーEV「日産アリア」を発表した。新開発されたモーターは高速巡行時の消費電力を低減し、最大610km(2WD 90kWhバッテリー搭載モデル WLTCモード 社内測定値)の航続距離を実現した。また、水冷式バッテリー温度調節システムを搭載した。これにより、出力130kW以上の急速充電器を使用した場合、30分で最大375km分を充電することが可能となった。車両の電動化では、2016年度に「ノート」に初搭載した「e-POWER」を、2018年3月には「セレナ」、2020年6月には「日産キックス」に拡大採用している。「日産キックス」は日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)主催の「第30回(2021年次)RJC カー オブ ザ イヤー」において「RJCカー オブ ザ イヤー 6ベスト」を受賞した。同時に、「日産キックス」に搭載されている「e-POWER」も「RJCテクノロジー オブ ザ イヤー」を受賞するなど、高い評価を受けている。「e-POWER」搭載の「日産キックス」は、日本のみならず海外市場へ展開している。2020年12月には第2世代へと進化した「e-POWER」を搭載した新型「ノート」を発売し、欧州で発売される「キャシュカイ」へも「e-POWER」搭載モデルを設定するなど、搭載車種をさらに拡大している。「e-POWER」はガソリンエンジンとモーターを融合した新しいパワーユニットで、ガソリンエンジンで発電した電力を利用したモーターの力で走行する。今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として進化を続けていく。EV同様、コストのさらなる低減に向け、発電専用エンジンの開発及び定点運転に特化するシステムの簡素化に取り組む。さらに次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンでは、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を開発し、一層のCO2排出量の削減(燃費向上)を目指す。2023年度までに8車種を超える電気自動車を投入する計画は順調に推移している。さらに、「e-POWER」をグローバル市場のB、Cセグメントに拡大していく。これにより電動化率を2023年度までに日本60%/中国23%/欧州50%へと向上させ、年間100万台以上の電動化技術搭載車の販売を目指す。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、工法、構造合理化の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、軽自動車からインフィニティなど、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。2018年に衝突時のエネルギー吸収性を高めた980MPa級高成形性ハイテン材をインフィニティ「QX50」に採用し、2019年にSAE International「SAE/AISI Sydney H. Melbourne Award for Excellence in the Advancement of Automotive Steel Sheet」を受賞するなど高い評価を受けている。2020年「ローグ」では980MPa級高成形性ハイテン材を拡大採用するとともに、クローズドループ・リサイクルプロセスを適用したアルミニウム材をフード、ドアなどに採用している。廃アルミニウムをリサイクルすることで、原材料から同程度のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90%以上を節約することができる環境に配慮した技術である。2020年「ノート」には強度を1,470MPaまで高めた超ハイテン材を採用した。これらの技術については、幅広い車種への採用拡大を進め軽量化を推進するとともに、材料使用量低減やリサイクルの活用によりエネルギー使用量の削減に貢献している。また、材料、工法面での技術進化に加え、構造合理化により新設計したモーター、インバーターを適用した「e-POWER」システムを2020年発売の新型「ノート」に採用した。6%の出力向上を図りながら、モーターでは15%、インバーターでは30%の軽量化を実現している。当社グループは「電気自動車を作って売る」だけでなく、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサン エナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサン エナジー」は次の3つの領域で構成される。・ニッサン エナジー サプライ:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・ニッサン エナジー シェア:電気自動車のバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進・ニッサン エナジー ストレージ:日産の電気自動車のバッテリーはクルマで使用された後でも高い性能を有しており、電気自動車がさらに普及する将来を見据え、二次利用のためのソリューションを提供2019年度は、西日本電信電話(株)、(株)NTTスマイルエナジーと共同で、EV(V2B)を活用したオフィスビルでのエネルギーコスト・CO2削減トライアルの実証プロジェクトを実施し、電力料金等の削減効果を確認した。また、フォーアールエナジー(株)と協働で神奈川県内のセブン‐イレブン10店舗で「日産リーフ」の中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」、太陽光パネルと卒FIT電力を活用した「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」も開始している。加えて、電気自動車を活用し日本が抱える地球温暖化や災害対策等の課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでおり、災害時に停電が発生した際、当該地域の日産販売会社が保有する「日産リーフ」を自治体の避難所等に派遣し、「日産リーフ」から給電器を介して電力供給することを主軸とした災害時の連携のほか、「日産リーフ」を活用したエネルギーマネジメントや観光なども含むブルー・スイッチ活動として、120件以上と連携している。(2021年3月時点)安全面においては、日産車がかかわる死者数を2015年までに1995年比で半減させることを目指し、日本、米国、英国で達成した。また、2020年までに日本、米国、英国でさらに半減させるという高い目標に向かって活動を続けてきた。2019年時点では、日本で目標達成に至っているが、米国、英国ではさらなる活動が必要な状況である。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。 日本では、予防安全性能アセスメント(JNCAP)にて「日産デイズ」が最高評価となるASV+++と、衝突安全性能評価ファイブスター賞、事故自動通報システム機能評価でSOS+を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産リーフ」、「日産リーフe+」、「ムラーノ」、「マキシマ」、「アルティマ」、「セントラ」(2021モデルイヤー)が最高評価となる5つ星を獲得した。米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「セントラ」が「2021トップセーフティピック(TSP)」、「アルティマ」、「マキシマ」、「セントラ」が「2021トップセーフティピック+(TSP+)」を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、新型「日産ジューク」が最高評価となる5つ星を獲得した。中国では、中国新車アセスメントプログラム(C-NCAP)にて、「シルフィ」、「ティアナ」が最高評価となる5つ星を獲得した。さらに、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。2016年8月には、「プロパイロット」を「セレナ」に搭載した。2019年9月には、高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動して設定したルートを走行し、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフが可能となる世界初の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」を新型「スカイライン」のハイブリッド車に標準装備として搭載し、2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいてイノベーション部門賞、RJCカー オブ ザ イヤーにおいてRJCテクノロジー オブ ザ イヤーを受賞した。当社グループは「プロパイロット」の採用をグローバルに進めており、これまでに日本では「セレナ」、「エクストレイル」、「日産リーフ」、「日産デイズ」、「日産ルークス」に、米国では「ローグ」、「ローグスポーツ」、「日産リーフ」、「アルティマ」、インフィニティ「QX50」に、欧州では「日産リーフ」、「キャシュカイ」、「エクストレイル」、「日産ジューク」に、中国では「アルティマ」、「エクストレイル」、「キャシュカイ」、インフィニティ「QX50」に搭載、2021年3月末までに「プロパイロット」搭載車のグローバル累計販売台数は111万台を突破した。当社グループは「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入する計画を発表しており順調に推移している。2023年度末までに「プロパイロット」搭載車の販売台数が年間150万台になると見込んでいる。当社グループは、NISSAN NEXTを目指し、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
FY2020|5,695 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は5,448億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。(1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産オートモーティブテクノロジー、ユニット開発を愛知機械工業(株)、ジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国のアライアンス イノベーション ラボ シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、ルノーとの合弁会社 アライアンス研究開発(上海)有限公司を2019年に設立し、自動運転車、電気自動車、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノー、三菱自動車工業(株)及び当社は2020年5月に発表した新たなアライアンスの取組みにより、さらなる経営資源の効率化を目指し、次世代技術、プラットフォーム、パワートレインの開発を分担し共用化を加速させる。また、ダイムラーと戦略的協力関係を継続している。(2) 新商品の開発状況国内にて、新型「スカイライン」、新型「日産ルークス」を発売した。海外では、北米において新型「ヴァーサ」、「セントラ」、欧州において新型「日産ジューク」、中国において、新型「アルティマ」、「シルフィ」を発売した。(3) 新技術の開発状況環境面においては、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2022」のもと、新車からのCO2排出量を2022年までに2010年比40%削減することを目指しており、車両の電動化をはじめとするモノづくりの技術革新により、燃料消費量やCO2排出量を削減していく。電気自動車(EV)では、56ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加している。2020年3月時点で、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は47万台を突破、「e-NV200」、「シルフィ ゼロ・エミッション」、ヴェヌーシア「e30」、東風ブランドを含めた電気自動車全体のグローバル累計販売台数では60万台を超えた。2018年度には「日産リーフe+」が日本、米国で追加され、より幅広いお客様のニーズにこたえている。「日産リーフ」は世界中で高く評価されており、国内では、日本自動車殿堂(JAHFA)にて「カーテクノロジーオブザイヤー」を受賞、米国では、2018 CES(Consumer Electronics Show)にて「Best of Innovation award winners for 2018」を、2018 New York International Auto Showにて「2018 World Green Car」を、2019 SAE International World Congress ExperienceにてJ.D. Power Engineering Award for Highest-Rated Vehicle Redesignを受賞、欧州では、2018 What Car? Awardsにて「Best Electric Car」を受賞した。「e-NV200」については、2020年3月現在、欧州、日本、香港で発売されている。スペインのバルセロナやオランダのアムステルダムでは「e-NV200」タクシーが運行を始めており、日本でも都市部の貨物配送事業者や地方自治体など様々なビジネスシーンで使用されている。車両の電動化では、2016年度に「ノート」に初搭載したe-POWERを国内向けの「セレナ」に拡大採用して好評を得ており、2019年次「RJCテクノロジーオブザイヤー」、2019年度に中国科学技術協会、他が主催する第一回「2019世界新エネルギー車大会」(World New Energy Vehicles Congress, WNEVC)にて「グローバルNEVトップイノベーション技術賞」、「第52回 市村産業賞・貢献賞」を受賞した。このe-POWER技術は100%モーターで動力を制御し、エンジンは発電のみに特化することで最も効率の良い運転条件で発電が可能となり、クルマが使われる頻度の高い市街地走行時において従来型ハイブリッドシステム車に対し、クラストップの燃費(*1)を実現している。 2023年度までに8車種を超える電気自動車を投入する計画は順調に推移している。さらに、e-POWERをグローバル市場のB、Cセグメントに拡大していく。これにより電動化率を2023年度までに日本60% /中国23% /欧州50%へと向上させ、年間100万台以上の電動化技術搭載車の販売を目指す。内燃機関の改善では、米国・中国で世界初の量産型の可変圧縮比エンジンである「VCターボ」を、インフィニティ新型「QX50」に搭載し、新型「アルティマ」に拡大採用した。「VCターボ」エンジンは、日本にて「自動車技術会 技術開発賞」、「第54回機械振興協会会長賞」、米国にて2020年ワーズ「10ベストエンジン賞 (Wards 10 Best Engines)」を受賞するなど、高い評価を受けている。可変圧縮比技術は、ピストンの上死点位置をシームレスに変化させることができるマルチリンクシステムを活用しており、最適な圧縮比に素早く変化させることができ、パワー、力強いトルク、効率性を併せ持つエンジンを実現できる。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料置換、工法、構造合理化の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、近年では「日産デイズ」、「日産ルークス」といった軽自動車に至るまで、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。さらに、従来工法での加工が可能で幅広い部位への適用が可能な高加工性980MPa級ハイテン材を2018年にインフィニティ「QX50」に採用した。これによりドライビングパフォーマンスと軽量化を両立させることができ、2019年に「SAE/AISI Sydney H. Melbourne Award for Excellence in the Advancement of Automotive Steel Sheet」を受賞するなど高い評価を受けている。また、鋼材使用量低減や既存ラインの活用によりトータルコストの削減にも貢献している。材料、工法面での技術進化に加え、プラットフォームの改善、高効率3気筒エンジンなどを2019年に発売した新型「日産ジューク」に採用し、車両サイズの拡大と性能向上を図りながら、20kg以上の車両軽量化を実現している。 当社グループは「電気自動車を作って売る」だけでなく、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサン エナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。 「ニッサン エナジー」は次の3つの領域で構成される。・ニッサン エナジー サプライ:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・ニッサン エナジー シェア:電気自動車のバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進・ニッサン エナジー ストレージ:日産の電気自動車のバッテリーはクルマで使用された後でも高い性能を有しており、電気自動車がさらに普及する将来を見据え、二次利用のためのソリューションを提供2019年度は、西日本電信電話(株)、(株)NTTスマイルエナジーと共同で、EV(V2B)を活用したオフィスビルでのエネルギーコスト・CO2削減トライアルの実証プロジェクトを実施し、電力料金等の削減効果を確認した。また、フォーアールエナジー(株)と協働で神奈川県内のセブン‐イレブン10店舗で「日産リーフ」の中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」、太陽光パネルと卒FIT電力を活用した「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」も開始している。加えて、電気自動車を活用し日本が抱える地球温暖化や災害対策等の課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでおり、活動の一環として災害時に停電が発生した際、当該地域の日産販売会社が保有する「日産リーフ」を、避難所や自治体が指定する場所に派遣し、「日産リーフ」から給電器を介して生活に必要な電力を供給することを主軸とした災害時連携協定を日本国内の24の自治体・企業と結んでいる。(2020年3月時点)これらの活動が高く評価され、「第6回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2020」の企業・産業部門で「最優秀賞」を受賞した。安全面においては、日産車がかかわる死者数を2015年までに1995年比で半減させることを目指し、日本、米国、英国で達成した。現在は、2020年までに日本、米国、英国でさらに半減させるという高い目標に向かって活動を続けており、死者数を実質ゼロにすることが日産の究極の目標である。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。日本では、予防安全性能アセスメント(JNCAP)にて「ノート」、「セレナ」が最高評価となるASV+++を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「パスファインダー」、「ムラーノ」、「マキシマ」、「アルティマ」、「ヴァーサ」、インフィニティ「QX50」、「QX60」が最高評価となる5つ星を獲得した。米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「アルティマ」が「2020 トップセーフティピック(TSP)」、「マキシマ」が「2020 トップセーフティピック+(TSP+)」を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、新型「日産ジューク」が最高評価となる5つ星を獲得した。さらに、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。2016年8月には、「プロパイロット」を「セレナ」に搭載した。2019年9月には、高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動して設定したルートを走行し、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフが可能となる世界初の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」を新型「スカイライン」のハイブリッド車に標準装備として搭載し、2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて「イノベーション部門賞」、RJCカー オブ ザ イヤーにおいて「RJCテクノロジー オブ ザ イヤー」を受賞した。当社グループは「プロパイロット」の採用をグローバルに進めており、これまでに日本では「セレナ」、「エクストレイル」、「日産リーフ」、「日産デイズ」、「日産ルークス」に、米国では「ローグ」、「ローグスポーツ」、「日産リーフ」、「アルティマ」、インフィニティ「QX50」に、欧州では「日産リーフ」、「キャシュカイ」、「エクストレイル」、「日産ジューク」に、中国では「アルティマ」、「エクストレイル」に搭載、2020年3月末までに「プロパイロット」搭載車のグローバル累計販売台数は66万台を突破した。当社グループは「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入する計画を発表しており順調に推移している。2023年度末までに「プロパイロット」搭載車の販売台数が年間150万台になると見込んでいる。将来に向け、モビリティサービスにも取り組んでいる。2018年3月には、無人運転車両を活用した(株) ディー・エヌ・エーと共同開発中の新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を、予め募集した一般利用者を対象に、神奈川県横浜市のみなとみらい地区周辺で開始、2019年2月には対象エリアの拡大や選択できる乗車地・目的地の数を増やすなど、より実際のサービスに近い形で実証実験を実施した。2020年2月には、中央省庁や地方自治体、交通事業者や地元企業など関係者を対象とした試乗会を実施した。当社グループは、NISSAN NEXTを目指し、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。*1: 発売時点。「セレナ e-POWER」は、26.2km/L(日本基準)
FY2019|4,446 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は5,231億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。(1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産オートモーティブテクノロジー、ユニット開発を愛知機械工業(株)、ジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国の日産総合研究所シリコンバレーオフィスにおいて、自動運転車両の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノー、三菱自動車工業(株)及び当社は平成29年9月に発表した中期計画アライアンス2022により、さらなる経営資源の効率化を目指し、次世代技術、プラットフォーム、パワートレインの開発を分担し共用化を加速させている。また、ダイムラーとの戦略的協力関係においては、パワートレインやプラットフォームの共用に取り組んでいる。(2) 新商品の開発状況国内にて、新型「日産デイズ」、「日産リーフe+」を発売、「ノート」に4WD仕様を追加した。海外では、北米において新型「アルティマ」、「日産リーフe+」、「キックス」を発売、中国において、「シルフィ ゼロ・エミッション」を発売した。(3) 新技術の開発状況環境面においては、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2022」のもと、新車からのCO2排出量を令和4年までに平成22年比40%削減することを目指しており、車両の電動化をはじめとするモノづくりの技術革新により、燃料消費量やCO2排出量を削減していく。電気自動車(EV)では、51ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加している。平成31年3月時点で、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は40万台を突破、「e-NV200」、「シルフィ ゼロ・エミッション」、ヴェヌーシア「e30」、東風ブランドを含めた電気自動車全体のグローバル累計販売台数では51万台を超えた。平成30年度には「日産リーフe+」が日本、米国で追加され、より幅広いお客様ニーズにこたえている。「日産リーフ」は世界中で高く評価されており、国内では、日本自動車殿堂(JAHFA)にて「カーテクノロジーオブザイヤー」を受賞、米国では、2018 CES (Consumer Electronics Show)にて「Best of Innovation award winners for 2018」を、2018 New York International Auto Showにて「2018 World Green Car」を受賞、欧州では、2018 What Car? Awardsにて「Best Electric Car」を受賞した。「e-NV200」については、平成31年3月現在、欧州、日本、香港で発売されている。スペインのバルセロナやオランダのアムステルダムでは「e-NV200」タクシーが運行を始めており、日本でも都市部の貨物配送事業者や地方自治体など様々なビジネスシーンで使用されている。車両の電動化では、平成28年度に「ノート」に初搭載したe-POWERを国内向けの「セレナ」に拡大採用して好評を得ており、2019年次「RJCテクノロジーオブザイヤー」を受賞した。このe-POWER技術は100%モーターで動力を制御し、エンジンは発電のみに特化することで最も効率の良い運転条件で発電が可能となり、クルマが使われる頻度の高い市街地走行時において従来型ハイブリッドシステム車に対し、クラストップの燃費(*1)を実現している。内燃機関の改善では、世界初の量産型の可変圧縮比エンジンである「VCターボ」を、インフィニティ新型「QX50」に搭載し、さらに米国では、新型「アルティマ」に拡大採用する。「VCターボ」エンジンは、米国にて2019年ワーズ「10ベストエンジン賞 (Wards 10 Best Engines)」を受賞するなど、高い評価を受けている。可変圧縮比技術は、ピストンの上死点位置をシームレスに変化させることができるマルチリンクシステムを活用しており、最適な圧縮比に素早く変化させることができ、パワー、力強いトルク、効率性を併せ持つエンジンを実現できる。車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、日産は、構造の合理化、工法、材料置換の3つの手法により、車両の軽量化を推進している。平成25年には高強度と高成形性を両立できる世界初1.2GPa級高成形性超ハイテン材をインフィニティ「Q50」(日本では「スカイライン」)に採用し、「ムラーノ」、インフィニティ「Q60」などに採用を拡大した。さらに平成30年には衝突時のエネルギー吸収性をさらに高めた980MPa級高成形性超ハイテン材をインフィニティ新型「QX50」に採用した。超ハイテン材については採用拡大を順次進めており、平成30年新型「アルティマ」(1.2GPa級、980MPa級)及び平成31年新型「日産デイズ」(1.2GPa級)の車体骨格部材にも採用した。また、これらの超ハイテン材は鋼材使用量低減や既存ラインでの生産が可能なため、薄肉化による軽量化を実現しながらトータルコストを削減できる。当社は「電気自動車を作って売る」だけでなく、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサン エナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサン エナジー」は次の3つの領域で構成される。・ニッサン エナジー サプライ:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供・ニッサン エナジー シェア:電気自動車のバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進・ニッサン エナジー ストレージ:日産の電気自動車のバッテリーはクルマで使用された後でも高い性能を有しており、電気自動車がさらに普及する将来を見据え、二次利用のためのソリューションを提供 平成30年度は、東北電力(株)や三井物産(株)、三菱地所(株)と共同で、電気自動車のバッテリーを活用し、電力系統に接続して充放電する技術の実証プロジェクトを開始している。また、福島県浪江町発の世界初量産型マルチ超急速充電器、独立電源街路灯には「日産リーフ」の再生バッテリーが使用されている。安全面においては、日産車がかかわる死者数を平成27年までに平成7年比で半減させることを目指し、日本、米国、欧州(英国)で達成。現在は、令和2年までに日本、米国、欧州(英国)でさらに半減させるという高い目標に向かって活動を続けており、死者数を実質ゼロにすることが日産の究極の目標である。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。日本では、予防安全性能アセスメント(JNCAP)にて「日産デイズルークス」が最高評価となるASV+++を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「パスファインダー」、インフィニティ「QX60」が最高評価となる5つ星を獲得した。米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「パスファインダー(*2)」、「キックス」、新型「アルティマ」が「2019 トップセーフティピック(TSP)」を獲得(LEDヘッドライト搭載車)、欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、「日産リーフ」が最高評価となる5つ星を獲得した。さらに、当社は交通事故低減に大きな効果が期待できる自動運転技術の採用を推進している。平成28年8月には、「プロパイロット」を「セレナ」に搭載した。「プロパイロット」は、渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングをシステムが自動で制御し、運転操作を支援する。当社は「プロパイロット」の採用をグローバルに進めており、これまでに日本では「セレナ」、「エクストレイル」、「日産リーフ」、新型「日産デイズ」に、米国では「ローグ」、「日産リーフ」、新型「アルティマ」、インフィニティ新型「QX50」に、欧州では「日産リーフ」、「キャシュカイ」に搭載、平成31年3月末までに「プロパイロット」搭載車のグローバル累計販売台数は30万台を突破した。今後、高速道路における複数車線に対応した「プロパイロット」を実用化する予定である。また、当社は令和4年までに「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入する計画を発表しており、令和4年までに「プロパイロット」搭載車の販売台数が年間100万台になると見込んでいる。同時に将来に向け、モビリティサービスにも取り組んでいる。平成30年3月には、無人運転車両を活用した(株)ディー・エヌ・エーと共同開発中の新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を神奈川県横浜市のみなとみらい地区周辺で開始、平成31年2月には対象エリアの拡大や乗車地・目的地の自由な設定など、より実際のサービスに近い形で実証実験を実施した。当社グループは、Nissan M.O.V.E.to 2022達成を目指し、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。*1: 発売時点。「セレナ e-POWER」は、26.2km/L(日本基準)*2: 平成30年8月以降の生産車
FY2018|4,255 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は4,958億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。(1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産オートモーティブテクノロジー、ユニット開発を愛知機械工業(株)、ジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国の日産総合研究所シリコンバレーオフィスにおいて、自動運転車両の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノー、三菱自動車工業(株)及び当社は2017年9月に発表した中期計画アライアンス2022により、さらなる経営資源の効率化を目指し、次世代技術、プラットフォーム、パワートレインの開発を分担し共用化を加速させている。また、ダイムラーとの戦略的協力関係においては、パワートレインやプラットフォームの共用に取り組んでいる。 (2) 新商品の開発状況国内にて、同一車線自動運転技術「プロパイロット」、先進の自動駐車機能「プロパイロットパーキング」、アクセルペダルだけで加減速する「e-Pedal」搭載の新型「日産リーフ」を発売、「エクストレイル」にプロパイロットを搭載、「セレナ」にe-POWERモデルを追加した。海外では、北米において新型「日産リーフ」を発売、「タイタン」にキングキャブモデルを追加、「ローグ」にプロパイロットを搭載、欧州において、新型「日産リーフ」を発売、中国において、フレームSUV「テラ」、「キックス」、「ナバラ」を発売した。また、インフィニティブランドから「VCターボ」搭載の新型「QX50」を発売、ダットサンブランドからコンパクトクロスオーバー「クロス」を発売した。 (3) 新技術の開発状況環境面においては、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2022」の具体的な取り組みとして、「電気自動車(EV)推進」「車両の電動化をはじめとするモノづくりの技術革新」「資源とクルマの価値利用の最大化」「革新的な技術・サービス」によるモビリティと人と社会の新たな関係構築の実現を目指して、技術開発を行っている。「電気自動車(EV)推進」では、51ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加している。2018年3月時点で、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は32万台を突破、「e-NV200」とヴェヌーシア「e30」、東風ブランドを含めた電気自動車全体のグローバル累計販売台数では38万台を超えた。2017年度には航続距離400km(JC08モード)を実現する新型のリチウムイオンバッテリーを搭載した新型「日産リーフ」が日本、米国、欧州で販売され、各地域で高く評価されている。国内では、日本自動車殿堂(JAHFA)にて「カーテクノロジーオブザイヤー」を受賞、米国では2018 CES(Consumer Electronics Show)にて「Best of Innovation award winners for 2018」を、2018 New York International Auto Showにて「2018 World Green Car」を受賞、欧州では、2018 What Car? Awardsにて「Best Electric Car」を受賞した。加えて日産の電気自動車2車種目の「e-NV200」が、2018年3月現在、欧州や日本を含む28ヵ国で発売されている。スペインのバルセロナやオランダのアムステルダムでは「e-NV200」タクシーが運行を始めており、日本でも都市部の貨物配送事業者や地方自治体などさまざまなビジネスシーンで使用されている。 「車両の電動化」では、2016年度に「ノート」に初搭載したe-POWERを国内向けの「セレナ」に拡大採用して好評を得ており、2017年度省エネ大賞を受賞した。このe-POWER技術は100%モーターで動力を制御し、エンジンは発電のみに特化することで最も効率の良い運転条件で発電が可能となり、クルマが使われる頻度の高い市街地走行時において従来型ハイブリッドシステム車に対し、クラストップの燃費(*1)を実現している。「モノづくりの技術革新」では、世界初の量産型の可変圧縮比エンジンである「VCターボ」を、インフィニティブランドの新型「QX50」に搭載した。可変圧縮比技術は、ピストンの上死点位置をシームレスに変化させることができるマルチリンクシステムを活用しており、最適な圧縮比に素早く変化させることができ、パワー、力強いトルク、効率性を併せ持つエンジンを実現できる。新技術適用による車両軽量化も推進している。日産は、高強度と高成形性を両立できる世界初1.2G級を含めた高張力鋼板への置換によって、薄肉化による軽量化を実現している。これまでに発売したインフィニティ「Q50」(日本では「スカイライン」)、北米「ムラーノ」、インフィニティ「Q60」に高張力鋼板への置換を拡大した。この高張力鋼板への置換を今後も推進し、2017年以降発売する新型車で高張力鋼板の適用率を25%まで拡大していく計画である。2017年度にはインフィニティ「QX50」にSHF(Super High Formability)980MPa級超高張力鋼板を世界の自動車メーカーで初めて採用した。これによりドライビングパフォーマンスを向上しながら軽量化を実現している。「資源とクルマの価値利用の最大化」にも取り組んでいる。EVが送電網(グリッド)とつながり社会と融合することは、エネルギー供給のグリッド全域での最適化に貢献する。現在日本では、「Vehicle to Home(V2H)」の取り組みとして、7,000基以上のEV用パワーコンディショナーが導入されており、家庭、店舗、ビルのエネルギー消費の管理にEVを活用している。また日米欧において、「Vehicle to Building(V2B)」の取り組みとして、多くのEVが建物への電力供給に利用されており、その数は年々増えている。さらに電力会社とのスマートチャージや「Vehicle to Grid(V2G)」の実証実験を行うなど、EVの更なる価値普及に向け取り組みを進めている。安全面においては、日産車がかかわる死者数を2015年までに1995年比で半減させることを目指し、日本、米国、欧州(英国)で達成している。現在は、2020年までに日本、米国、欧州(英国)でさらに半減させるという高い目標に向かって活動を続けており、死者数を実質ゼロにすることが日産の究極の目標である。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。日本では、予防安全性能アセスメント(JNCAP)にて日産「ノートe-POWER(Xグレード)」が最高評価となるASV++を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にてインフィニティ「QX60」、日産「ムラーノ」「アルティマ」「マキシマ」「パスファインダー」が最高評価となる5つ星を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、日産「マイクラ(Safety Pack)」が最高評価となる5つ星を獲得した。さらに、当社は交通事故低減に大きな効果が期待できる自動運転技術の採用を推進している。2016年8月には、高速道路上の単一車線の自動運転技術「プロパイロット」を新型「セレナ」に搭載した。「プロパイロット」は、渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動で制御し、ドライバーの負担を軽減する。国内において「プロパイロット」は、2017年に「エクストレイル」と新型「日産リーフ」に新たに採用された。日産は「プロパイロット」の採用をグローバルに進めており、これまでに米国では新型「QX50」、「ローグ」、「日産リーフ」に、欧州では「日産リーフ」、「キャシュカイ」に搭載、2018年3月末までに「プロパイロット」搭載車のグローバル累計販売台数は12万台を突破した。今後、高速道路における複数車線の自動運転を実用化する予定で、自動での車線変更が可能となる。また、当社は2022年までに「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入する計画を発表しており、2022年までに「プロパイロット」搭載車の販売台数が年間100万台になると見込んでいる。加えて、2018年3月には、無人運転車両を活用した(株)ディー・エヌ・エーと共同開発中の新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を神奈川県横浜市のみなとみらい地区周辺で開始している。当社グループは、Nissan M.O.V.E.to 2022達成を目指し、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。*1: 発売時点。「セレナ e-POWER」は、26.2km/L(日本基準)
FY2017|3,748 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は4,904億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。(1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産テクノ、日産ライトトラック(株)、ユニット開発を愛知機械工業(株)、ジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国の日産総合研究所シリコンバレーオフィスにおいて、自動運転車両の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノーと当社は、経営資源の効率的な活用を目指し、両社間で行う次世代技術の研究領域における役割を分担し、共通プラットフォームの採用、共通パワートレイン戦略の策定・実行、そして世界中の実験施設の適正化を加速させている。また、ダイムラーとの戦略的協力関係においては、パワートレインやプラットフォームの共用に取り組んでいる。 (2) 新商品の開発状況国内にて、同一車線自動運転技術「プロパイロット」搭載の新型「セレナ」を発売、「ノート」にe-POWERモデルを追加した。海外では、北米において新型「アルマーダ」、欧州において新型「マイクラ」、中国において新型「ティーダ」、ヴェヌーシアブランドからSUV「T90」、南米ではクロスオーバー「キックス」を発売した。また、インフィニティブランドから新型「Q60」を発売、ダットサンブランドからアーバンクロス「redi-GO」を発売した。 (3) 新技術の開発状況環境面においては、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」の3つの重点領域である、「低炭素化」「再生可能エネルギーへの転換」「資源の多様化」を推進するための活動として「ゼロ・エミッション車の普及」「低燃費車の拡大」「カーボンフットプリントの最小化」「新たに採掘する天然資源の最小化」「環境マネジメントの推進」という5つのテーマを掲げ、技術開発を行っている。「ゼロ・エミッション車の普及」では、48ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加している。2017年3月時点で、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は26万台を突破、「e-NV200」とヴェヌーシア「e30」を含めた電気自動車全体のグローバル累計販売台数では28万台を超えた。2015年度には航続距離280km(JC08モード)を実現する容量30kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載した「日産リーフ」が日本、米国、欧州で販売された。加えて日産の電気自動車2車種目の「e-NV200」が、2017年3月現在、欧州や日本を含む26ヵ国で発売されている。スペインのバルセロナやオランダのアムステルダムでは「e-NV200」タクシーが運行を始めており、日本でも都市部の貨物配送事業者や地方自治体などさまざまなビジネスシーンで使用されている。EVが送電網(グリッド)とつながり社会と融合することは、エネルギー供給のグリッド全域での最適化に貢献する。現在日本では、「Vehicle to Home(V2H)」の取り組みとして、5,800世帯以上が家庭のエネルギー消費の管理にEVを活用している。また日本と欧米では、「Vehicle to Building(V2B)」の取り組みとして、数百台のEVが建物への電力供給に利用されている。 一方、「低燃費車の拡大」では、日本、中国、欧州、米国で販売する日産車の燃費改善を進めている。「リチウムイオンバッテリー」「インテリジェントデュアルクラッチコントロールハイブリッドシステム」「エクストロニックCVT(無段変速機)」の3つをコア技術と位置づけ、車室内空間、用途、価格を考慮しながらクルマに最適な低燃費技術を採用し市場に投入する。2016年度は、中国に投入した「マキシマ」、「ティーダ」がクラストップとなる燃費(*1)を実現した。日本に投入した「ノート e-POWER」では、100%モーターで動力を制御し、エンジンは発電のみに特化することで最も効率の良い運転条件で発電が可能となり、クルマが使われる頻度の高い市街地走行時において従来型ハイブリッドシステム車に対し、クラストップの燃費(*2)を実現している。燃費向上のための車両軽量化も推進している。日産は、高強度と高成形性を両立できる世界初1.2G級を含めた高張力鋼板への置換によって、薄肉化による軽量化を実現している。これまでに発売したインフィニティ「Q50」(日本では「スカイライン」)、北米「ムラーノ」に続き、2016年にはインフィニティ「Q60」にも高張力鋼板への置換を拡大した。この高張力鋼板への置換を今後も推進し、2017年以降発売する新型車で高張力鋼板の適用率を25%まで拡大していく計画である。安全面においては、日産車がかかわる死者数を2015年までに1995年比で半減させることを目指し、日本、米国、欧州(英国)で達成している。現在は、2020年まで日本、米国、欧州(英国)でさらに半減させるという高い目標に向かって活動を続けており、死者数を実質ゼロにすることが日産の究極の目標である。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。特に前方車両との衝突回避を支援する「エマージェンシーブレーキ」の採用拡大を進めており、2015年度末時点で、日本国内のほぼすべてのカテゴリーで搭載を完了するとともに、主要車種への標準装備も完了した。加えて、ビジネスをサポートする商用車についても、積極的に先進安全装備を採用することで、事故の低減によるドライバーの安全確保に取り組んでいる。2015年2月の「NV100クリッパー」、2016年1月の「NV350キャラバン」に続き、2016年11月には「NV150AD」に「エマージェンシーブレーキ」を採用拡大した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にてインフィニティ「QX60」、日産「アルティマ」「マキシマ」「パスファインダー」が最高評価となる5つ星を獲得した。米国道路安全保険協会(IIHS)にて、日産「アルティマ」「マキシマ」「ローグ」が最高評価となる「2017トップセーフティピックプラス(TSP+)」を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、インフィニティ「Q30」が最高評価となる5つ星を獲得した。さらに、交通事故低減に大きな効果が期待できる自動運転技術の投入スケジュールを発表し、2016年8月には、高速道路上の単一レーンの自動運転技術「プロパイロット」を新型「セレナ」に搭載した。「プロパイロット」は、渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動で制御し、ドライバーの負担を軽減する。新型「セレナ」における、2016年8月の発売から2017年2月末までの「プロパイロット」装着率は56%で、約3万6,000台が同技術搭載車となっている。2018年には高速道路上の複数レーンで危険回避や車線変更を自動的に行う自動運転技術を投入する予定である。2020年には、十字路や交差点を含む一般道でドライバーの操作介入なしに走行できる自動運転技術を導入する予定である。また、2015年10月より、国内と米国において高速道路・一般道を含むルートを目的地まで自動運転で走行する実験車両での公道テストを開始した。当社グループは、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。*1: 発売時点。「マキシマ」は、7.8L/100km、「ティーダ」は、5.3L/100km(中国基準)*2: 発売時点。「ノート e-POWER S」は、37.2km/L(日本基準)
FY2016|3,404 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は5,319億円であった。当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。(1) 研究開発体制当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産テクノ、日産ライトトラック(株)、ユニット開発を愛知機械工業(株)、ジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国に拠点を持つ英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国の日産総合研究所シリコンバレーオフィスにおいて、自動運転車両の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社、インドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社及び日産アショックレイランドテクノロジーズ(株)において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。ルノーと当社は、経営資源の効率化を目指し、両社間で行う次世代技術の研究領域における役割分担を再構築し、共通プラットフォームの採用、共通パワートレイン戦略の策定・実行、そして世界中の実験施設の適正化を加速させている。また、ダイムラーとの戦略的協力関係においては、パワートレインやプラットフォームの共用に取り組んでいる。 (2) 新商品の開発状況国内にて、「エクストレイル」にハイブリッドモデルを追加した。海外では、北米において新型「マキシマ」と新型「タイタンXD」、欧州においてインフィニティブランドからアクティブ・コンパクト「Q30」とプレミアム・アクティブ・クロスオーバー「QX30」、中国において「キャッシュカイ」とハイブリッドモデルを含む新型「ムラーノ」と若者世代をターゲットとした「ラニア」、ヴェヌーシアブランドからコンパクトSUV「T70」、中南米とカリブ諸国では新型ピックアップトラック「NP300 フロンティア」を発売した。 (3) 新技術の開発状況環境面においては、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」の3つの重点領域である、「低炭素化」「再生可能エネルギーへの転換」「資源の多様化」を推進するための活動として「ゼロ・エミッション車の普及」「低燃費車の拡大」「カーボンフットプリントの最小化」「新たに採掘する天然資源の最小化」「環境マネジメントの推進」という5つのテーマを掲げ、技術開発を行っている。「ゼロ・エミッション車の普及」では、2015年度には「日産リーフ」をマルタ、キプロスに新規投入し、同車の投入市場は48となった。また2015年12月には累計販売台数20万台を達成、さらに2015年度は年間販売台数4万7千台を販売し、累計販売台数は21万台以上という結果となった。2015年度は航続距離280km(JC08モード)を実現する容量30kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載した「日産リーフ」が日本、米国、欧州で販売され、各地域で高く評価されている。加えて日産の電気自動車2車種目の「e-NV200」が日本、欧州、香港に投入されており、バルセロナとアムステルダムではタクシーとして運行開始、日本では都市部の貨物配送事業者や地方自治体などで使用されている。また日産は新しい電力利用の提案を目指して、設備容量で欧州第2の規模を誇る電力・エネルギー企業、エネル社との間で提携を合意した。両社は、EVフリートのバッテリーを“エネルギーのハブ”とする、画期的なシステムの開発を共同で進めることで、スマートグリッドの実現に貢献する。 一方、「低燃費車の拡大」では、日本、中国、欧州、米国で販売する日産車の燃費改善を進めている。「リチウムイオンバッテリー」「インテリジェントデュアルクラッチコントロールハイブリッドシステム」「エクストロニックCVT(無段変速機)」の3つをコア技術と位置づけ、車室内空間、用途、価格を考慮しながらクルマに最適な低燃費技術を採用し市場に投入する。2015年度は、米国に投入した「マキシマ」(*1)、欧州に投入した「NP300 ナバラ」(*2)がクラストップとなる燃費を実現した。日本に投入した「エクストレイル ハイブリッド」では、EV走行領域の拡大やシステム動作モードの最適化等の進化により、ガソリン車に対して25%の燃費向上を実現した。燃費向上のための車両軽量化も推進している。2015年度に北米に投入した新型「タイタンXD」では、高張力鋼板への置換によりフレームを5kg、樹脂化によりフレームアンダーカバーを7kg軽量化した。また、新型「マキシマ」では、超高張力鋼板の採用比率を拡大し、車体の剛性を25%向上しながら車両全体で37kgの軽量化を実現した。安全面においては、日産車がかかわる交通事故による死亡・重症者数を2015年までに1995年比で半減させる目標を目指してきたが、日本、米国、英国はすでに達成しており、現在は、死亡・重症者数を2020年までにさらに半減させ、究極の目標として、実質ゼロにするという高い目標に向けて取り組んでいる。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。インフィニティ「Q50」及び「スカイライン」では世界初となる「PFCW(前方衝突予測警報)」を搭載する等、車両の周囲360度の危険からドライバーを守ることを目指した全方位運転支援システムを実現した。また、前方車両との衝突回避を支援する「エマージェンシーブレーキ」の採用拡大を進めており、2015年度末時点で、日本国内のほぼすべてのカテゴリーで搭載を完了するとともに、主要車種への標準装備も完了した。日本では、自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価にて「セレナ」が、最高評価となる「先進安全車プラス(ASV+)」を獲得し、米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にてインフィニティ「Q70」「QX60」、日産「マキシマ」「パスファインダー」が、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、インフィニティ「Q70」、日産「アルティマ」「マキシマ」「ムラーノ」が最高評価を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、インフィニティ「Q30」が最高評価を獲得した。さらに、交通事故低減に大きな効果が期待できる自動運転技術の投入スケジュールを発表し、2016年末には混雑した高速道路上の単一レーンで安全な自動運転を可能にする技術を、2018年には高速道路上の複数レーンで危険回避や車線変更を自動的に行う自動運転技術を投入する。2020年には、十字路や交差点を含む一般道でドライバーの操作介入なしに走行できる自動運転技術を導入する予定である。また、2015年10月より、国内と米国において高速道路・一般道を含むルートを目的地まで自動運転で走行する実験車両での公道テストを開始した。当社グループは、日産パワー88達成を目指し、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。*1: 発売時点。「マキシマ」は、25mpg(米国基準、シティ・ハイウェイ走行のコンビモード)*2: 発売時点。「NP300 ナバラ」(2WD)は、167g/km(欧州基準)