7075

QLSホールディングス(7075)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 多角的な福祉サービス
    QLSホールディングスは、保育、介護福祉、人材派遣の3つの主要事業を展開しています。特に保育事業は、認可保育所や小規模認可保育所などを運営し、自治体からの委託費や補助金、または利用者からの保育料を主な収益源としています。これにより、社会のニーズに応えながら安定した収益基盤を築いています。
  • 介護福祉サービスの提供
    介護福祉事業では、訪問介護、居宅介護支援、障がい者グループホーム、放課後等デイサービスなど多岐にわたるサービスを提供しています。これらのサービスは、国や自治体が定めた報酬体系に基づき、利用者の負担割合に応じた利用料と合わせて国保連合会からの給付が主な収益となります。高齢化社会の進展に伴い、需要の増加が見込まれる分野です。
  • 人材派遣による支援
    専門性を持った人材の派遣を中心とした人材派遣事業も展開しており、企業や施設が必要とする人材を供給することで収益を得ています。この事業は、保育や介護福祉事業で培った人材育成のノウハウを活かし、社会全体の労働力不足の解消に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 保育事業
    QLSホールディングスの主力事業であり、2025年3月31日現在、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、奈良県、沖縄県で認可保育所35施設、小規模認可保育所3施設、東京都認証保育所1施設、企業主導型保育所3施設、学童保育13施設を運営しています。売上高は59.34億円、営業利益は11.64億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。自治体からの委託費や補助金、利用者からの保育料が主な収益源です。
  • 介護福祉事業
    埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、大阪府、沖縄県で訪問介護17拠点、通所介護1施設、認知症対応型共同生活介護5施設、訪問看護2拠点、有料老人ホーム4施設、児童発達支援2施設、放課後等デイサービス6施設、共同生活援助54施設、就労支援4施設、生活介護2施設を運営しています。売上高は26.03億円、営業利益は1.01億円で、高齢化社会の進展に伴い需要が増加している分野です。国保連合会からの給付と利用者負担が主な収益です。
  • 人材派遣事業
    専門性を持った人材の派遣を中心とした事業を展開しており、売上高は16.35億円、営業利益は1.66億円です。保育や介護福祉分野で培ったノウハウを活かし、企業や施設に適切な人材を供給することで収益を得ています。社会全体の労働力不足に対応する重要な役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
NursingBusiness 地域 59 12 19.6%
CareBusiness 地域 26 1 3.9%
TemporaryStaffingBusiness 地域 16 2 10.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,208 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、2025年3月31日現在、純粋持株会社の当社と子会社5社及び非連結子会社1社により構成されており、直営保育施設の運営を中心とした「保育事業」、居宅介護支援、訪問介護、障がい者グループホーム、放課後等デイサービスを中心とした「介護福祉事業」並びに専門性を持った人材の派遣を中心とした「人材派遣事業」を営んでおります。当社グループの事業は、この3つのセグメントとなっております。 また、「その他」として業務受託による携帯電話等の通信機器の販売等を行なっておりますが、事業の重要性が乏しいため、「その他」の詳細な内容の記載を省略しております。 当該区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります(1)保育事業 当社グループは、認可保育所等の保育施設を運営しており、2025年3月31日現在、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、奈良県、沖縄県において、認可保育所35施設(うち民間委託1施設)、小規模認可保育所3施設、東京都認証保育所1施設、企業主導型保育所3施設(うち運営受託保育所2施設)、学童保育13施設を運営しております。「豊かな人間性をもった子どもを育成すること」を保育理念として掲げ、子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができるよう行き届いた環境を提供し、人とのかかわりを大切にし、人に対する愛情と信頼感を育てるとともに、自然や社会への興味や関心を育て、喜んで話したり聞いたりすることができる子どもたちの育成に努めております。 主な収益として、児童数や職員配置に応じて自治体から委託費及び補助金が交付されます。認可保育所においては、保護者が負担する保育料は保護者が自治体に直接納めるため、当社グループでは徴収しません。一方で、小規模認可保育所・東京都認証保育所・企業主導型保育所(自主運営)においては保育必要時間に応じて定められた保育料を当社グループで徴収します。 また、保育施設につきましては、一部当社グループで所有している土地・建物はありますが、主に賃貸となっております。 具体的な保育施設の内容は、次のとおりです。① 認可保育所 児童福祉法に基づいた児童福祉施設であり、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の数、給食設備等)を満たし、都道府県知事などに認可された施設をいいます。保護者が仕事や病気などの理由で、0歳から就学前の子どもの保育ができない場合に、子どもを預かって保育を行ないます。当社グループは、利用者からの保育料及び国又は自治体が負担する施設型給付を委託費として交付を受け施設運営を行なっております。② 小規模認可保育所 子ども・子育て支援制度に基づいた保育施設であり、0歳から3歳未満の子どもを対象とした定員6名~19名の市町村の認可を受けた施設をいいます。認可保育所より小規模で柔軟な保育事業を提供することが可能となり、大都市における待機児童解消を図るとともに、地方における児童人口減少による保育所運営の維持も図ることができると期待されております。当社グループは、利用者からの保育料及び地方自治体からの地域型保育給付の交付を受け施設運営を行なっております。③ 東京都認証保育所 認可保育所だけでは応えきれない大都市における待機児童対策の一環として、多様な保育ニーズに応えることができるよう東京都が独自に認証基準を定め、認証された施設をいいます。当社グループは、利用者からの保育料及び東京都から交付される運営費により施設運営を行なっております。④ 企業主導型保育所の運営及び運営受託 内閣府が開始した、企業向けの助成制度に基づき設置された保育所であります。企業の従業員の子どもを対象とした従業員枠と地域住民向けの地域枠があり、地域枠を弾力的に設定できるなど柔軟な運営が可能となります。当社グループは、利用者からの保育料及び公益財団法人児童育成協会から運営費補助金の交付を受け施設運営を行なっております。また、他社の企業主導型保育所の運営受託も行なっております。⑤ 学童保育 小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童であって、保護者が労働等により昼間家庭にいないものに対し、授業の終了後に児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図ることを目的とした事業をいいます。当社グループは、利用者からの利用料又は自治体から交付される運営費により学童クラブを運営しております。(主な関係会社)㈱クオリス、㈱エルサーブ (2)介護福祉事業 当社グループは、訪問介護や居宅介護支援等を提供する介護事業所、障がいのある児童の支援を行なう放課後等デイサービスや障がい者の共同生活の支援を行なう共同生活援助等を運営しており、2025年3月31日現在、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、大阪府、沖縄県において、訪問介護17拠点(うち8拠点において居宅介護も、5拠点において居宅介護支援も行なっております。)、通所介護1施設、認知症対応型共同生活介護5施設、訪問看護2拠点、有料老人ホーム4施設、児童発達支援2施設、放課後等デイサービス6施設、共同生活援助54施設、就労支援4施設(うち2施設において相談支援も行なっております。)、生活介護2施設を運営しております。 主な収益として、国や自治体が定めた利用者単価に利用回数を乗じた報酬が国保連合会を通じて給付されます。利用者が負担する利用料については、利用者の所得に応じて負担割合が1割~3割と定められており、当社グループが徴収します。 また、介護福祉施設につきましても、一部当社グループで所有している土地・建物はありますが、賃貸が主となっております。 具体的なサービスの内容は、次のとおりです。① 訪問介護(介護保険法の介護給付) 訪問介護は、自宅で生活される利用者の自立支援を目的として、身体介護・生活援助の介護サービスを提供する事業です。介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格を持ったホームヘルパーが訪問して、居宅サービス計画(ケアプラン)に沿った訪問介護計画に基づき排泄、入浴、掃除、洗濯等、日常生活の世話や介助を行ないます。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される介護保険報酬により運営しております。② 居宅介護(障害者総合支援法の自立支援給付) 居宅介護は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(略称:障害者総合支援法)による、障害福祉サービスの中の訪問系サービスの一つで、障がい者を対象として、介護保険の訪問介護と同様のサービス提供を行なう事業です。訪問介護と同様に居宅に訪問して、日常生活の支援並びに生活等に関する相談及び助言その他生活全般に渡る援助を行なっております。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。③ 居宅介護支援(介護保険法の介護給付) 利用者が介護保険サービスを利用する際には居宅介護サービスの利用計画が必要となるため、その計画を作成する事業を居宅介護支援事業と呼びます。居宅介護支援は、当社グループの介護支援専門員(ケアマネジャー)が利用者の自宅に訪問して、利用者及びその家族と相談しながら、利用者のニーズに合わせた最適なケアプランを作成し、介護サービス事業者等との連絡調整を行ないます。当社グループは、自治体から給付される介護保険報酬により運営しております。④ 認知症対応型共同生活介護  認知症対応型共同生活援助は65歳以上の方で、身体上又は精神上の障がいがある方に対して、日常生活を行なう住居を提供し、生活上の支援を行なう事業です。入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活上の支援を行ないます。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される介護保険報酬により運営しております。⑤ 訪問看護 訪問看護は症状が安定期にある人の自宅を看護師や理学療法士等が訪問して看護サービスを提供する事業で、主治医が必要と認める場合に受けることができます。自宅で療養される方に治療及びリハビリを行ないます。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される介護保険報酬又は医療保険等の診療報酬により運営しております。⑥ 児童発達支援 児童発達支援事業所は0歳~小学校入学前の発達に不安のある児童を対象に、自分の慣れ親しんだ地域での発達支援を提供する施設です。日常生活での基本的な動作の指導、集団生活に馴染むための訓練、技能や知識の習得等を行なっております。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。⑦ 放課後等デイサービス 障がいのある就学児童が学校の授業終了後や学校休業日に通い、生活能力の向上と子どもの状況に応じた発達支援を行なう事業です。児童の成長と子育てを支援するサービスを提供しております。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。⑧ 共同生活援助(障がい者グループホーム) 障がいを持つ人達が地域社会に溶け込んで生活できるよう、共同生活をする場所を提供し、生活の支援を行なう事業です。調理・洗濯、掃除等の日常生活の支援、社会生活上の相談及び助言を行ない、自立に向けた支援を行なっております。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。⑨ 就労支援 就労支援は、一般企業への就労を希望する障がい者に、一定期間、就労に向けた支援を行なう事業です。就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行なうとともに、就職時における相談や支援、就職後の定着支援などの福祉サービス、また、働く場の提供等を行なっております。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。⑩ 生活介護(障がい者デイサービス) 生活介護は、常に介護を必要とする障がい者に、入浴、排せつ及び食事等の介護や日常生活上の支援を行なうとともに、創作的活動又は生産活動の機会の提供、その他の身体機能又は生活能力の向上のために必要な支援を行なう事業です。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。⑪ 通所介護(デイサービス) 通所介護は、通所する高齢者に、入浴、排せつ及び食事等の介護や日常生活の支援を行なうほか、他者との交流の支援や機能訓練を行ないます。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される介護保険報酬により運営しております。⑫ 有料老人ホーム 有料老人ホームは、施設に入居する高齢者が心身ともに健康で安心した生活が送れるよう必要な支援を行ないます。当社グループは、利用者からの利用料及び自治体から給付される介護保険報酬により運営しております。⑬ 相談支援 相談支援は、サービス等利用計画を作成し、障がい者(児)の自立した生活を支え、障がい者(児)の抱える課題の解決や適切なサービス利用に向けて、各種福祉サービスの手続きや調整、情報提供、助言を行ないます。当社グループは、自治体から給付される障害福祉サービス報酬により運営しております。(主な関係会社)㈱クオリス、㈱エルサーブ、㈱和み、㈱和みライフケア (3)人材派遣事業 当社グループは、東京都、愛知県、京都府、兵庫県、沖縄県において、人材派遣事業を展開しております。自動車ディーラー等を顧客として、主として自動車整備士など専門性を持つ人材派遣サービスを提供しております。特に、自動車メーカーのリコール対応などの緊急時における人材派遣サービスに強みを持っております。他にも、介護、保育、看護といった福祉関係の事業所や、ホテル業界にも人材派遣を行なっております。(主な関係会社)㈱ダウイン (4)その他 業務受託による携帯電話等の通信機器の販売等を株式会社ダウイン(東京都、福岡県)において行なっております。  当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。[事業系統図]  (注) ◆は連結子会社であります。その他、株式会社ダウインにおいてモバイル事業を行なっております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
保育事業は自治体からの委託費・補助金、介護福祉事業は介護保険制度の報酬に依存するため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
保育事業、介護福祉事業、人材派遣事業ともに、児童福祉法、介護保険法、労働者派遣法等に基づく許認可・指定が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:利用者の減少 / 人材の確保 / 国や自治体による方針や関連法規制等の改訂等
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、QLSホールディングスが保有する特許、ブランド、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は開示されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

QLSホールディングスは、主に人材紹介事業を展開しており、求職者と企業のマッチングを行っています。求職者側は転職活動において、企業側は採用活動において、新たなプラットフォームへの移行コストは限定的であると考えられますが、一度マッチングが成立し、関係性が構築された場合は、一定のスイッチングコストが発生する可能性があります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

QLSホールディングスの事業モデルは、ユーザー数の増加が直接的にサービスの価値を高めるネットワーク効果を生み出す構造にはなっていません。求職者と求人企業の双方の数が増加しても、個々のマッチングの質が向上するわけではありません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

人材紹介業界において、QLSホールディングスが他社と比較して構造的に低いコストでサービスを提供できるという具体的な証拠はありません。テクノロジー活用や業務効率化によるコスト削減の可能性はありますが、現時点では明確な優位性は見られません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

QLSホールディングスは人材紹介業界において、一定の規模は有していると考えられますが、業界全体を寡占するほどの圧倒的な規模の経済性を享受しているとは言えません。今後の事業拡大による規模の経済性の向上が期待されます。

  • 多様な保育施設の運営
    QLSホールディングスは、認可保育所、小規模認可保育所、東京都認証保育所、企業主導型保育所、学童保育など、多様な形態の保育施設を運営しています。これにより、様々な保護者のニーズや地域の特性に合わせた柔軟なサービス提供が可能となり、幅広い顧客層を獲得しています。
  • 地域密着型の介護福祉
    介護福祉事業では、訪問介護、居宅介護支援、認知症対応型共同生活介護、訪問看護、有料老人ホーム、障がい者グループホームなど、地域に根差した多様なサービスを提供しています。これにより、利用者の自宅や地域での生活を支え、きめ細やかなサポート体制を構築することで、地域社会からの信頼を得ています。
  • 許認可事業による安定性
    保育事業や介護福祉事業は、児童福祉法や介護保険法などに基づく許認可や指定が必要な事業です。QLSホールディングスはこれらの厳格な基準を満たし、行政機関からの許認可を得て事業を運営しているため、新規参入障壁が高く、安定した事業基盤を築いています。また、国や自治体からの給付金や補助金が収益の大部分を占めるため、景気変動の影響を受けにくい特性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。(1)会社の基本方針 当社グループは、「Quality of Life 全ての人に質の高い生活を‼」を会社の企業理念としております。経営方針は、下記の3点になります。1.地域密着企業として地域社会に貢献する。2.時代や顧客ニーズの変化に柔軟に対応したサービスを提供していく。3.弊社に関わる全てのステークホルダーに信頼される企業であり続ける。 (2)経営環境・経営戦略等 当社グループの事業のうち、保育事業は政府が掲げる「異次元の少子化対策」、介護福祉事業は「更なる高齢化社会の進展」が後押しとなって、当社グループの既存サービスはこれからも安定的に売上を伸ばしていけるものと判断しております。しかしながら、当社グループのより一層の事業拡大のためには、既存サービスだけでなく新たな取組みを継続的に実現していく必要があります。 このような考えから、当社グループは、保育施設や介護福祉事業所の安定的な運営及び新規開設により利用者のニーズに応えていくとともに、訪問介護、訪問看護、共同生活援助(障がい者グループホーム)、認知症対応型共同生活介護等の知識と経験を生かし、住宅型有料老人ホームの運営も開始しました。今後も、多種多様なサービス形態の運営を蓄積されたノウハウにより行なうことで、さらなる成長を目指してまいります。 また、当社グループの各事業の連携によるシナジー効果を生かした経営に努め、具体的には、「インクルーシブ保育」及び「採用コストの最大効率化」の実現に努めてまいります。 「インクルーシブ保育」 「インクルーシブ保育」とは、子どもの国籍、障がいの有無にかかわらず、同じ空間で生活・教育を行なうことです。 福祉大国としても名高いスウェーデンでは、就学前の幼児教育においては「インクルーシブ教育」が基本であり、国籍や障がいの有無にかかわらず、同じ環境で教育を受けております。 当社グループにおいても、子ども一人ひとりに違いがあることを受け入れ、互いに認め合うことで、社会性を身に付け、思いやりの心を育てる「インクルーシブ保育」を実践するため、クオリスキッズ板橋本町保育園に併設する形で、児童発達支援事業所(障がいのある未就学のお子さまを対象とした児童福祉法に基づく通所支援)であるクオリスキッズぷらすを運営しており、保育所の多機能化を図っております。また、保育所に併設する形以外でも、クオリスキッズ駒込保育園の近隣にて、クオリスキッズぷらす本駒込を運営しております。 今後、当社グループの保育所に併設、若しくは近隣に児童発達支援事業所や保育所等訪問支援事業所(保育所等を訪問し、障がいのある児童に対して集団生活への適応のために必要な支援を行なう、児童福祉法に基づく通所支援)を展開し、保育所と児童発達支援事業所で相互に利用児童の紹介を行ない、また、近隣に放課後等デイサービスを展開する等、園児の卒園後でも切れ目のないサービス展開に努めてまいります。 「採用コストの最大効率化」 主に3つの事業セグメントを持つことで、当社グループは、職員の新しいキャリア形成にも柔軟に応えることが可能です。 実際に、派遣スタッフから訪問看護事業の拠点責任者にキャリアアップした実績や、保育事業から介護福祉事業へのキャリア転換の実績もあります。単体事業であれば離職に繋がるケースをグループ全体の連結では防ぐことが可能であり、多事業・多地域運営の強みを生かし、グループ全体での人材の確保・定着に努めることで、採用コストメリットの最大化を図ってまいります。  セグメント別では次のとおりです。① 保育事業 当社グループのメイン事業である保育事業において、厚生労働省の公表数字によりますと、2024年4月1日時点の全国の待機児童数は2,567人となっており、子育て世代に人気の都市部の待機児童は、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)で873人、近畿圏(三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)で999人となっております。首都圏と近畿圏で全待機児童の72.9%を占めており、少子高齢化が進む中でも、女性の就業率の上昇に伴い保育所の利用児童数は増加基調にあります。 また、新子育て安心プラン後の保育提供体制の確保として引き続き受け皿整備、過疎地域における保育機能確保・強化すると発表があるように、クオリスキッズとしても地域のニーズの把握と実現に努め、地域に密着した保育の提供を行なう事で、児童数の確保・拡大に繋げてまいります。具体的には、2020年度から始まった小学校におけるプログラミング教育必修化、文部科学省推進の「EdTech」「STEAM教育」など、生きる力を養う教育が保育所においても必要だと考えており、保育所ごとに地域のニーズに合わせ、英語教室、リトミック(音楽に合わせて体を動かす教育法)、体操教室といった無料のプログラムを専門の講師を招いて実施しています。また、給食の質(安全性、新鮮な食材の使用)にこだわった高付加価値サービスの提供や、研修・サポート体制を充実させることによる職員の保育力の底上げ及びモチベーションの向上に努めてまいります。さらに、ドミナント戦略によって、その地域での実績の積み重ねにより自治体を始めとする地域社会からの信頼性の確保並びに当社グループ内での近隣保育所同士の緊急時のヘルプ体制を充実してまいります。これらの取組みにより、他社との差別化に努めてまいります。 学童保育事業については、子ども家庭庁の公表数字(「令和6年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」)によりますと、2024年4月1日時点の放課後児童健全育成事業の全国の待機児童数は17,686人となっており、2021年の13,416人から3年間で約1.32倍も増加しています。また、登録児童数で見ても、2021年の1,348,275人から2024年には1,519,952人と約1.13倍も増加し、保育事業同様に利用児童数は増加基調にあります。 また、放課後児童対策パッケージ2025(令和6年12月こども家庭庁・文部科学省発出)にて、待機児童が発生している都道府県を対象に民間事業者による放課後児童クラブへの参入支援が行なわれることが発表され、この施策を用いた各市町村での民間委託も発表されています。行政の施策を追い風に、保育事業で培われた「STEAM教育」などの知識や経験を生かし、他社との差別化をもって事業の発展に努めます。② 介護福祉事業 介護福祉事業においては、少子高齢化が進む中で、今後も高い需要があります。 厚生労働省が看取りの場を病院から在宅へ推し進める中で、2022年7月から新たに始めた訪問看護事業も将来的に高いニーズがあり、2006年までの統計(厚生労働省「死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移」)を基にした厚生労働省の推計(2017年「地域の医療・介護連携で何を目指すのか?」)によると、2009年時点で病院での看取りが92.3万人、自宅での看取りが14.2万人でしたが、2030年では病院が89万人、自宅が20万人になる見込みとなっています。また、第9期介護保険事業計画(厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」)では、2023年から2040年の間に、訪問看護のサービス量が27%増加、訪問介護でも25%の増加と予想されています。当社の同事業においても同等の増加率を見込んでおり、訪問介護・看護事業を軸とした複数種別の介護福祉事業の展開による売上の確保を進めてまいります。 介護福祉事業のもうひとつの柱である障がい福祉事業においては、令和7年度の障害保健福祉関係予算案が、障害保健福祉部全体として2兆2,338億円を計上しており、対前年度1,078億円増、5.1%の伸びとなっています。障害保健福祉関係予算の大宗を占める障害福祉サービスに係る給付のための経費については、1兆6,531億円を計上しており、対前年度880億円増、5.6%の伸びとなっています。精神障がいをお持ちの方は毎年増加傾向にあり、現在では600万人を超えている状況ですので、今後も障がい者グループホームのニーズがさらに高まると見込んでおります。 また、当社グループの介護福祉事業は複数のサービスを展開しており、0歳から100歳以上までの利用者のライフステージに合わせたサービスを提供することが可能です。利用者のライフステージに応じ、その利用者がその時々の年齢において何らかの介護福祉サービスを必要とした際に、継続的に当社グループのサービスを選択していただけるよう、保育事業と同様、ドミナント戦略によって自治体を始めとした地域社会からの信頼性の確保に努めてまいります。こうした信頼の地道な積み重ねにより、将来的な当社グループの新たな介護福祉サービス導入等における利用者の確保に繋げてまいります。③ 人材派遣事業 人材派遣事業においては、メインである自動車整備士派遣の需要が引き続き高い状況ですが、若者の自動車離れに伴い、自動車整備士を目指す若年層、自動車整備士専門学生が年々減少しております。 そのような状況の中、当社グループでは、自動車整備士資格を保有したグローバル人材の採用に注力しております。独立行政法人国際協力機構(JICA)が作成した資料(2024 年7月「2030/40 年の外国人との共生社会の実現に向けた調査研究に係る外国人労働需要予測の更新業務 最終報告書」)によると、来日外国人労働者数の将来推計結果は、新型コロナウイルス禍以前の2019年の42万人から、2030年には67万人(2019年比60%増)、2040年には93万人(同122%増)に増加するとされており、我が国の労働人口が減少する中、外国人労働者は年々増加し、今後も引き続き増加する見込みとなっております。外国人労働者の採用に備え、当社グループでは外国人コーディネーターが在籍しており、外国人労働者が安心して働けるための環境整備にも力を入れております。 また、当社グループは、自動車整備工場などに自動車整備士を派遣しておりますが、自動車メーカーのリコール対応などの緊急時における人材派遣サービスにも強みを持っております。今後は既存拠点の売上拡大だけでなく、新規出店による売上拡大を目指してまいります。 他にも、自動車整備士だけでなく、介護、保育、看護といった福祉関係の事業所や、ホテル業界への派遣も行なっております。ホテル業界は慢性的な人手不足でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるホテルマンの業界離脱により、一層のホテルマン不足となっております。円安の影響もあり外国人観光客が回復しつつある現在、コロナ禍前に近い需要・人手不足となったことで、派遣のニーズが急増しております。そういったニーズに合わせて柔軟に対応することにより、収益の拡大に努めてまいります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く市場環境は急速に変化し、益々競争が激化しております。そのような市場環境で継続的な成長を図るために、既存事業である保育事業の安定した収益拡大を図るとともに、介護福祉事業、人材派遣事業におきましてもさらなる収益の拡大を目指すため、以下のような課題に取り組んでまいります。① 提供するサービスの品質向上 当社グループは、保育事業及び介護福祉事業におきまして、保育施設及び介護事業所の運営を行なっており、安全かつ高品質なサービスを提供し、また、利用者に安心して利用していただけるよう日々努めております。今後、当社グループの成長に伴い、事業所数が増えていくことになりますが、すべての事業所において提供するサービスの品質を落とすことなく、維持向上させて利用者のニーズに応えていくことが重要と考えております。そのために、施設の改善、スタッフに対する教育研修等を通じてより一層、提供するサービスの品質向上を図ります。② 人材の確保とスタッフ育成 当社グループがサービスの品質向上を図り、安定的な成長を達成するためには、優秀な人材の育成及び確保が必要不可欠と考えております。このため、魅力ある職場環境を整備するとともに、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置、研修の充実等により、優秀な人材を育成できるよう努めております。また、働き方改革の一環として、長時間労働の削減を図るため、超過勤務時間管理を徹底するなどし、従業員の健康維持、増進を図ります。③ ニーズに対応できるサービスの拡大 今後も保育事業及び介護福祉事業におきましては、利用者の増加が見込まれ、それに伴い利用者のニーズも多様化することが想定されます。そのため、企業主導型保育所や民間委託による保育所の開設、障がい者グループホームや訪問看護事業所を増加させ、多様なニーズに対応できるサービスを拡大してまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。重要な経営指標は、売上高、営業利益、経常利益であります。グループの事業規模を示す売上高はもちろんのこと、損益面においては、事業の通常収益を示す営業利益を管理しております。また、事業の特性上、保育所の開設前費用(営業外費用)、それに対する補助金(営業外収益)も多額に発生することがあるため、経常利益も重要な経営指標としております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。(1)会社の基本方針 当社グループは、「Quality of Life 全ての人に質の高い生活を‼」を会社の企業理念としております。経営方針は、下記の3点になります。1.地域密着企業として地域社会に貢献する。2.時代や顧客ニーズの変化に柔軟に対応したサービスを提供していく。3.弊社に関わる全てのステークホルダーに信頼される企業であり続ける。 (2)経営環境・経営戦略等 当社グループの事業のうち、保育事業は政府が掲げる「異次元の少子化対策」、介護福祉事業は「更なる高齢化社会の進展」が後押しとなって、当社グループの既存サービスはこれからも安定的に売上を伸ばしていけるものと判断しております。しかしながら、当社グループのより一層の事業拡大のためには、既存サービスだけでなく新たな取組みを継続的に実現していく必要があります。 このような考えから、当社グループは、保育施設や介護福祉事業所の安定的な運営及び新規開設により利用者のニーズに応えていくとともに、訪問介護、訪問看護、共同生活援助(障がい者グループホーム)、認知症対応型共同生活介護等の知識と経験を生かし、住宅型有料老人ホームの運営も開始しました。今後も、多種多様なサービス形態の運営を蓄積されたノウハウにより行なうことで、さらなる成長を目指してまいります。 また、当社グループの各事業の連携によるシナジー効果を生かした経営に努め、具体的には、「インクルーシブ保育」及び「採用コストの最大効率化」の実現に努めてまいります。 「インクルーシブ保育」 「インクルーシブ保育」とは、子どもの国籍、障がいの有無にかかわらず、同じ空間で生活・教育を行なうことです。 福祉大国としても名高いスウェーデンでは、就学前の幼児教育においては「インクルーシブ教育」が基本であり、国籍や障がいの有無にかかわらず、同じ環境で教育を受けております。 当社グループにおいても、子ども一人ひとりに違いがあることを受け入れ、互いに認め合うことで、社会性を身に付け、思いやりの心を育てる「インクルーシブ保育」を実践するため、クオリスキッズ板橋本町保育園に併設する形で、児童発達支援事業所(障がいのある未就学のお子さまを対象とした児童福祉法に基づく通所支援)であるクオリスキッズぷらすを運営しており、保育所の多機能化を図っております。また、保育所に併設する形以外でも、クオリスキッズ駒込保育園の近隣にて、クオリスキッズぷらす本駒込を運営しております。 今後、当社グループの保育所に併設、若しくは近隣に児童発達支援事業所や保育所等訪問支援事業所(保育所等を訪問し、障がいのある児童に対して集団生活への適応のために必要な支援を行なう、児童福祉法に基づく通所支援)を展開し、保育所と児童発達支援事業所で相互に利用児童の紹介を行ない、また、近隣に放課後等デイサービスを展開する等、園児の卒園後でも切れ目のないサービス展開に努めてまいります。 「採用コストの最大効率化」 主に3つの事業セグメントを持つことで、当社グループは、職員の新しいキャリア形成にも柔軟に応えることが可能です。 実際に、派遣スタッフから訪問看護事業の拠点責任者にキャリアアップした実績や、保育事業から介護福祉事業へのキャリア転換の実績もあります。単体事業であれば離職に繋がるケースをグループ全体の連結では防ぐことが可能であり、多事業・多地域運営の強みを生かし、グループ全体での人材の確保・定着に努めることで、採用コストメリットの最大化を図ってまいります。  セグメント別では次のとおりです。① 保育事業 当社グループのメイン事業である保育事業において、厚生労働省の公表数字によりますと、2024年4月1日時点の全国の待機児童数は2,567人となっており、子育て世代に人気の都市部の待機児童は、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)で873人、近畿圏(三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)で999人となっております。首都圏と近畿圏で全待機児童の72.9%を占めており、少子高齢化が進む中でも、女性の就業率の上昇に伴い保育所の利用児童数は増加基調にあります。 また、新子育て安心プラン後の保育提供体制の確保として引き続き受け皿整備、過疎地域における保育機能確保・強化すると発表があるように、クオリスキッズとしても地域のニーズの把握と実現に努め、地域に密着した保育の提供を行なう事で、児童数の確保・拡大に繋げてまいります。具体的には、2020年度から始まった小学校におけるプログラミング教育必修化、文部科学省推進の「EdTech」「STEAM教育」など、生きる力を養う教育が保育所においても必要だと考えており、保育所ごとに地域のニーズに合わせ、英語教室、リトミック(音楽に合わせて体を動かす教育法)、体操教室といった無料のプログラムを専門の講師を招いて実施しています。また、給食の質(安全性、新鮮な食材の使用)にこだわった高付加価値サービスの提供や、研修・サポート体制を充実させることによる職員の保育力の底上げ及びモチベーションの向上に努めてまいります。さらに、ドミナント戦略によって、その地域での実績の積み重ねにより自治体を始めとする地域社会からの信頼性の確保並びに当社グループ内での近隣保育所同士の緊急時のヘルプ体制を充実してまいります。これらの取組みにより、他社との差別化に努めてまいります。 学童保育事業については、子ども家庭庁の公表数字(「令和6年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」)によりますと、2024年4月1日時点の放課後児童健全育成事業の全国の待機児童数は17,686人となっており、2021年の13,416人から3年間で約1.32倍も増加しています。また、登録児童数で見ても、2021年の1,348,275人から2024年には1,519,952人と約1.13倍も増加し、保育事業同様に利用児童数は増加基調にあります。 また、放課後児童対策パッケージ2025(令和6年12月こども家庭庁・文部科学省発出)にて、待機児童が発生している都道府県を対象に民間事業者による放課後児童クラブへの参入支援が行なわれることが発表され、この施策を用いた各市町村での民間委託も発表されています。行政の施策を追い風に、保育事業で培われた「STEAM教育」などの知識や経験を生かし、他社との差別化をもって事業の発展に努めます。② 介護福祉事業 介護福祉事業においては、少子高齢化が進む中で、今後も高い需要があります。 厚生労働省が看取りの場を病院から在宅へ推し進める中で、2022年7月から新たに始めた訪問看護事業も将来的に高いニーズがあり、2006年までの統計(厚生労働省「死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移」)を基にした厚生労働省の推計(2017年「地域の医療・介護連携で何を目指すのか?」)によると、2009年時点で病院での看取りが92.3万人、自宅での看取りが14.2万人でしたが、2030年では病院が89万人、自宅が20万人になる見込みとなっています。また、第9期介護保険事業計画(厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」)では、2023年から2040年の間に、訪問看護のサービス量が27%増加、訪問介護でも25%の増加と予想されています。当社の同事業においても同等の増加率を見込んでおり、訪問介護・看護事業を軸とした複数種別の介護福祉事業の展開による売上の確保を進めてまいります。 介護福祉事業のもうひとつの柱である障がい福祉事業においては、令和7年度の障害保健福祉関係予算案が、障害保健福祉部全体として2兆2,338億円を計上しており、対前年度1,078億円増、5.1%の伸びとなっています。障害保健福祉関係予算の大宗を占める障害福祉サービスに係る給付のための経費については、1兆6,531億円を計上しており、対前年度880億円増、5.6%の伸びとなっています。精神障がいをお持ちの方は毎年増加傾向にあり、現在では600万人を超えている状況ですので、今後も障がい者グループホームのニーズがさらに高まると見込んでおります。 また、当社グループの介護福祉事業は複数のサービスを展開しており、0歳から100歳以上までの利用者のライフステージに合わせたサービスを提供することが可能です。利用者のライフステージに応じ、その利用者がその時々の年齢において何らかの介護福祉サービスを必要とした際に、継続的に当社グループのサービスを選択していただけるよう、保育事業と同様、ドミナント戦略によって自治体を始めとした地域社会からの信頼性の確保に努めてまいります。こうした信頼の地道な積み重ねにより、将来的な当社グループの新たな介護福祉サービス導入等における利用者の確保に繋げてまいります。③ 人材派遣事業 人材派遣事業においては、メインである自動車整備士派遣の需要が引き続き高い状況ですが、若者の自動車離れに伴い、自動車整備士を目指す若年層、自動車整備士専門学生が年々減少しております。 そのような状況の中、当社グループでは、自動車整備士資格を保有したグローバル人材の採用に注力しております。独立行政法人国際協力機構(JICA)が作成した資料(2024 年7月「2030/40 年の外国人との共生社会の実現に向けた調査研究に係る外国人労働需要予測の更新業務 最終報告書」)によると、来日外国人労働者数の将来推計結果は、新型コロナウイルス禍以前の2019年の42万人から、2030年には67万人(2019年比60%増)、2040年には93万人(同122%増)に増加するとされており、我が国の労働人口が減少する中、外国人労働者は年々増加し、今後も引き続き増加する見込みとなっております。外国人労働者の採用に備え、当社グループでは外国人コーディネーターが在籍しており、外国人労働者が安心して働けるための環境整備にも力を入れております。 また、当社グループは、自動車整備工場などに自動車整備士を派遣しておりますが、自動車メーカーのリコール対応などの緊急時における人材派遣サービスにも強みを持っております。今後は既存拠点の売上拡大だけでなく、新規出店による売上拡大を目指してまいります。 他にも、自動車整備士だけでなく、介護、保育、看護といった福祉関係の事業所や、ホテル業界への派遣も行なっております。ホテル業界は慢性的な人手不足でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるホテルマンの業界離脱により、一層のホテルマン不足となっております。円安の影響もあり外国人観光客が回復しつつある現在、コロナ禍前に近い需要・人手不足となったことで、派遣のニーズが急増しております。そういったニーズに合わせて柔軟に対応することにより、収益の拡大に努めてまいります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く市場環境は急速に変化し、益々競争が激化しております。そのような市場環境で継続的な成長を図るために、既存事業である保育事業の安定した収益拡大を図るとともに、介護福祉事業、人材派遣事業におきましてもさらなる収益の拡大を目指すため、以下のような課題に取り組んでまいります。① 提供するサービスの品質向上 当社グループは、保育事業及び介護福祉事業におきまして、保育施設及び介護事業所の運営を行なっており、安全かつ高品質なサービスを提供し、また、利用者に安心して利用していただけるよう日々努めております。今後、当社グループの成長に伴い、事業所数が増えていくことになりますが、すべての事業所において提供するサービスの品質を落とすことなく、維持向上させて利用者のニーズに応えていくことが重要と考えております。そのために、施設の改善、スタッフに対する教育研修等を通じてより一層、提供するサービスの品質向上を図ります。② 人材の確保とスタッフ育成 当社グループがサービスの品質向上を図り、安定的な成長を達成するためには、優秀な人材の育成及び確保が必要不可欠と考えております。このため、魅力ある職場環境を整備するとともに、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置、研修の充実等により、優秀な人材を育成できるよう努めております。また、働き方改革の一環として、長時間労働の削減を図るため、超過勤務時間管理を徹底するなどし、従業員の健康維持、増進を図ります。③ ニーズに対応できるサービスの拡大 今後も保育事業及び介護福祉事業におきましては、利用者の増加が見込まれ、それに伴い利用者のニーズも多様化することが想定されます。そのため、企業主導型保育所や民間委託による保育所の開設、障がい者グループホームや訪問看護事業所を増加させ、多様なニーズに対応できるサービスを拡大してまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。重要な経営指標は、売上高、営業利益、経常利益であります。グループの事業規模を示す売上高はもちろんのこと、損益面においては、事業の通常収益を示す営業利益を管理しております。また、事業の特性上、保育所の開設前費用(営業外費用)、それに対する補助金(営業外収益)も多額に発生することがあるため、経常利益も重要な経営指標としております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調が続いているものの、資源価格や原材料価格の高騰や円安による物価上昇など、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような環境の中、当社グループは、保育事業においては長野県、兵庫県、沖縄県において学童保育の運営が始まったこと等により、売上高は5,934,396千円(前年同期比14.2%増)となり、セグメント利益は1,164,325千円(前年同期比20.8%増)となりました。 介護福祉事業においては、訪問介護を行なうあるふぁ昭和(大阪府)、就労支援を行なうエルファーム(沖縄県)、共同生活援助を行なういーまーる北谷(沖縄県)の運営が始まり、また、2023年8月に株式会社ふれあいタウン、株式会社和みの2社を取得し、同年11月に障がい者グループホーム事業(g-port)を譲受け、2024年5月に株式会社和みライフケアを取得したことにより、売上高は2,603,656千円(前年同期比77.4%増)となり、セグメント利益は101,122千円(前年同期比781.2%増)となりました。 人材派遣事業においては、主力である自動車ディーラーへの派遣業務が新型コロナウイルスの影響による低迷から抜け出し、売上高は1,636,678千円(前年同期比23.3%増)となり、セグメント利益は166,095千円(前年同期比37.0%増)となりました。 以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は10,548,294千円(前年同期比26.2%増)、営業利益は610,645千円(前年同期比49.0%増)、経常利益は594,573千円(前年同期比47.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は372,226千円(前年同期比62.7%増)となりました。 ② 財政状態及びその分析(資産の部) 当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ768,613千円増加し、5,056,808千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ492,679千円増加し、3,242,445千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加250,342千円、売掛金の増加235,377千円によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ275,934千円増加し、1,814,363千円となりました。これは主に、リース資産の増加158,348千円によるものであります。 (負債の部) 当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ262,388千円増加し、3,433,400千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ259,319千円増加し、2,150,180千円となりました。これは主に、短期借入金の増加100,000千円、賞与引当金の増加61,333千円によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ3,068千円増加し、1,283,219千円となりました。これは主に、リース債務の増加124,039千円によるものであります。 (純資産の部) 当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度末に比べ506,225千円増加し、1,623,408千円となりました。これは主に、配当金の支払に伴う利益剰余金44,291千円の減少、新株発行に伴う資本金及び資本剰余金の増加176,812千円、並びに親会社株主に帰属する当期純利益372,226千円の計上によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ257,495千円増加し、1,574,895千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、508,976千円の収入(前年同期は505,691千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益547,715千円、減価償却費61,423千円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額175,661千円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、213,134千円の支出(前年同期は211,472千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入10,604千円であり、支出の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出106,834千円、有形固定資産の取得による支出92,075千円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、82,730千円の支出(前年同期は92,583千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入300,000千円、長期借入れによる収入271,045千円、株式の発行による収入78,280千円、ストックオプションの行使による収入98,398千円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出200,000千円、長期借入金の返済による支出487,368千円、社債の償還による支出90,000千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは生産活動を行なっていないため、該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループは受注活動を行なっていないため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)売上高(千円)前年同期比(%)保育事業5,934,396114.2介護福祉事業2,603,656177.4人材派遣事業1,635,782123.3報告セグメント計10,173,835127.3その他374,459100.9合計10,548,294126.2 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)東京都3,274,92339.23,533,37033.5大阪市935,49611.21,062,96110.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態及びその分析」に記載しております。 (売上高) 当連結会計年度の売上高は、10,548,294千円(前年同期比26.2%増)となりました。 売上高の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は、売上の増加に伴い8,810,469千円(前年同期比25.6%増)となりました。 この結果、売上総利益は、1,737,825千円(前年同期比29.3%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,127,180千円(前年同期比20.7%増)となりました。 主な要因は、役員増員による役員報酬の増加、子会社の取得、事業譲受に伴う採用・広告費の増加によります。 この結果、営業利益は、610,645千円(前年同期比49.0%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当連結会計年度において、営業外収益は22,457千円(前年同期比30.4%増)、営業外費用は38,529千円(前年同期比67.9%増)発生しました。 営業外収益の主な要因はキャリアアップ助成金の受け取りによるものであり、営業外費用の主な要因は支払利息によるものです。 この結果、経常利益は、594,573千円(前年同期比47.1%増)となりました。 (特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における特別利益は55,780千円となりました。主な要因は、保育所開設のための設備投資に対する整備補助金収入によるものです。 当連結会計年度における特別損失は102,638千円となりました。主な要因は、保育事業及び介護福祉事業セグメントにおける減損損失46,854千円及び保育所開設のための設備投資に対する固定資産圧縮損55,780千円を計上したことによります。 税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を175,488千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、372,226千円(前年同期62.7%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの主な資金需要は、人件費、地代家賃、採用・広告費、新規開設及び改装等に係る設備投資です。これらの資金需要は、自己資金及び借入金により充当しております。 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,574,895千円であり、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び1年内償還予定の社債の合計は796,334千円となっております。④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、当該リスクが顕在化した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。そのため、当社を取り巻く事業環境の変化に留意しつつ、優秀な人材の確保や組織体制の整備を行ない、経営資源を適切に配分し、適切な対応を図ってまいります。 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、売上高、営業利益、経常利益としております。

事業リスク

  • 利用者減少による影響
    国内の人口減少、特に少子高齢化は、保育事業と介護福祉事業の両方に影響を与える可能性があります。待機児童の減少や、想定よりも利用率が低下した場合、会社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。市場拡大が見込まれるものの、需要の変動には注意が必要です。
  • 人材確保の困難性
    保育士や介護福祉士などの専門資格を持つ人材の確保と育成は、事業拡大において重要な課題です。新規施設の増加に人材の確保が追いつかない場合、施設の運営が計画通りに進まず、会社の財政状態や業績に影響を与える可能性があります。人材紹介の活用や自社での育成強化が求められます。
  • 法規制改定のリスク
    保育事業は国や自治体の方針、介護福祉事業は介護保険法などの関連法規制に大きく影響されます。補助金の削減や報酬単価の引き下げ、株式会社による事業拡大の制限など、法規制の改定があった場合、会社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。定期的な法改正への対応が不可欠です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,621 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)利用者の減少 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの主要な事業は保育事業であり、認可等を受けた保育所の運営を行なっております。 また、保育事業だけでなく介護福祉事業におきましても、国内の居住者を対象とした事業であるため、人口変化による影響が大きい事業となっております。今後、国内においては人口減少、特に少子高齢化が見込まれておりますが、保育事業に関連する事項としましては、待機児童数が年々減少していることが挙げられます。女性就業率の上昇傾向や被用者保険の適用拡大に伴う働き方の変容を踏まえると、人口減少による縮小影響よりも利用率の増加による影響が上回り、今後も市場拡大が見込まれておりますが、想定よりも利用率が低下し、利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。介護事業に関しましても、高齢化により今後の市場拡大が見込まれておりますが、想定よりも利用率が低下し、利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)人材の確保 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループでは、新規施設の増加に伴い、保育士、児童指導員や介護福祉士などの資格や要件を満たした人材の確保と育成が必要となっております。これらの人材を確保するために人材紹介会社との取引拡大、自社による人材確保戦略の拡充等、人材の確保における多チャネル化を進めておりますが、施設数の増加に人材の確保が追い付かず、施設の運営が計画どおりに進まない場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (3)国や自治体による方針や関連法規制等の改訂等 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 2000年に認可保育園の運営主体に株式会社も認められるようになったため、当社グループも認可保育園の運営事業へ参画いたしました。2015年4月には子ども・子育て支援新制度が施行され、国及び自治体は待機児童解消に向けた様々な支援策を実施しております。しかしながら、今後、国や自治体の方針について改定等が実施され、補助金の削減や株式会社による認可保育所の開設並びに既存の公立保育所の民営化が認められなくなった場合、当社グループにおける保育事業の拡大が止まり、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 また、介護福祉事業においては介護保険法などをはじめとする各種関連法令改定によって影響を受ける事業であり、介護保険制度は定期的な見直し改定が行われております。今後、介護保険制度の改定により報酬引き下げ等の事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、委託費単価や報酬単価が期中に改定された場合、期初に遡って精算される可能性があります。 (4)許認可等事業 (発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、保育事業、介護福祉事業及び人材派遣事業において、児童福祉法及び介護保険法、及び労働者派遣法等に基づき、認可保育所、小規模認可保育所、放課後等デイサービス、障がい者グループホーム等を運営しております。いずれの事業も許認可権限、指定権限を持つ行政機関へ施設設置の申請を行ない、審査を経た上で許認可や指定が付与されます。現時点において、当社グループの事業において運営している施設に許認可取消、指定取消事由は発生しておりませんが、今後、何らかの原因により行政機関から取消された場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。セグメントの名称法令名許認可等の名称監督官庁主な取消事由保育事業児童福祉法認可、認証、認定等企業主導型保育に係る助成厚生労働省内閣府都道府県及び市町村関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき介護福祉事業介護保険法訪問介護指定居宅介護支援指定通所介護指定特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム)指定認知症対応型共同生活介護指定都道府県及び市町村介護保険法第77条の関係法令に定める基準を満たさないとき、人格尊重義務に違反したとき、請求や指定に関し不正があったとき、帳簿書類提出命令や検査等に従わない、又は虚偽の報告や答弁をしたとき障害者総合支援法居宅介護事業指定就労移行支援事業指定生活介護事業指定共同生活援助事業指定計画相談支援事業指定都道府県及び市町村障害総合支援法第50条の関係法令に定める基準を満たさないとき、人格尊重義務に違反したとき、請求や指定に関し不正があったとき、帳簿書類提出命令や検査等に従わない、又は虚偽の報告や答弁をしたとき児童福祉法児童発達支援事業指定放課後等デイサービス事業指定都道府県及び市町村児童福祉法第21条の5の23の関係法令に定める基準を満たさないとき、人格尊重義務に違反したとき、請求や指定に関し不正があったとき、帳簿書類提出命令や検査等に従わない、又は虚偽の報告や答弁をしたとき人材派遣事業労働者派遣法労働者派遣事業許可厚生労働省許可の欠格事由に該当するとき(労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合等)労働者派遣法若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき職業安定法職業紹介事業許可厚生労働省許可の欠格事由に該当するとき(職業安定法第32条に定められている条項に抵触した場合等)職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令若しくは処分に違反したとき (5)食の安全性について (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理及び衛生管理を実施し、食中毒などの事故防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (6)大規模な災害 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、首都圏と大阪市内を中心に保育施設及び介護施設を有しております。これらの施設が地震、火災及び台風等の自然災害等の発生により利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (7)個人情報の保護について (発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの保育施設及び介護施設においては、利用者の氏名、住所をはじめ、保護者の氏名及び職業などの情報を保持しております。これら顧客の個人情報の取扱いについては厳重に管理し、万全を期しておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合、顧客からだけでなく、広く社会的な信用を失墜することとなり、施設の許認可及び指定に影響が出るなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (8)感染症の流行 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、多くの利用者に安全なサービスを提供するため、感染症について厳重に対応しておりますが、新型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が流行し、利用者が大きく減少し、従事する従業員が多数欠勤し、施設運営が困難となる可能性があります。また、今般の新型コロナウイルスの感染拡大のように、社会全体として外出自粛が要請される中で施設自体の運営を自粛する可能性や、国又は自治体より施設の休業要請を受ける可能性もあります。その場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (9)運営施設の事故等 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、施設運営において利用者の安全を確保する体制を整備していることから、これまで業績に多大な影響を与えるような事故等は発生しておりません。しかし、万が一運営施設において重大な事故等が発生し、所管する自治体等からの事業停止命令を受けた場合や、保護者等から損害賠償請求を受けた場合、風評被害等により多数の利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (10)季節変動(保育施設の利用者の一時的な減少) (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低) 保育事業においては、毎年4月になると5歳児等クラスが小学校へ進級する一方、新規0歳児は月齢を満たした後に入園することから、児童数が一時的に減少する傾向があります。このため、上半期は下半期と比較して児童数・施設稼働率が減少する傾向があります。 (11)新たに保育所等の施設を開設する場合の経営成績に対する影響 (発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの事業は、認可等を受けた保育所の運営を行なう保育事業を主としているため、保育事業に関する政策や市場の動向が、グループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。 新たに保育所等の施設を開設する場合、一般的には下記の影響が生ずる傾向があります。営業損益:開設時には、高年齢クラス(3歳~5歳児等)が定員を満たさない傾向があるため、開設初年度からの数年間は稼働率が低く、また、従業員の新規採用コストや研修費、消耗品等の費用の発生により経費が増加することから、営業損失となる傾向にあります。その後、低年齢クラスの児童が進級を重ねることにより、稼働率が向上して営業利益化する傾向があります。経常損益:新規開設に伴う費用は「開園前費用」として営業外費用に計上されます。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、開園前費用(営業外費用)を増大させる可能性があります。また、新規開設に伴う費用や設備投資等に対して、所管する自治体から設備補助金が交付されることがあります。当該補助金は下記記載の特別利益に計上されるものを除いて「補助金収入」として営業外収益に計上されます。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、補助金収入(営業外収益)を増大させる可能性があります。なお、当該補助金は開設が完了したことに伴い支給が決定されます。仮に、開設計画の進捗が遅れた場合は、当該補助金の発生も遅れることから、業績の見通しに影響を及ぼす可能性があります。なお、開設予定地において物件の確保や地域社会からの反対などにより開設が困難となった場合は、開設計画の見直し等により当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。特別損益:開設に伴う設備投資のうち、当該設備投資に対して補助金が交付されるものについては、税務上のメリットを享受するため直接減額方式による圧縮記帳を行なうことがあり、「固定資産圧縮損」として特別損失に計上されます。2025年3月期における固定資産圧縮損の計上額は55,780千円計上であり、2025年3月期における有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額は4,158,253千円であります。また、圧縮記帳を行なった固定資産の取得のために交付される補助金については「整備補助金収入」として特別利益に計上しており、2025年3月期において、整備補助金収入を55,780千円計上しております。 なお、候補地選定の難航等により施設開設場所が確保できない場合、グループ全体の業績に影響を与える可能性があります。 (12)固定資産の減損に関するリスク (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの保育事業及び介護福祉事業の業績が今後著しく悪化し、保育施設及び介護施設の建物や設備等の投資回収が困難となり減損処理が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。2025年3月期において減損損失を46,854千円計上しております。 (13)社会保険料の増加 (発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低) 従業員について、一定の条件を満たした場合は社会保険(厚生年金及び健康保険)への加入が義務付けられております。当社グループでは、既に加入義務者全員が社会保険に加入しておりますが、今後、社会保険加入要件について加入対象者が短時間労働者まで広がった場合、従業員の社会保険加入人員数が増加し、会社負担の社会保険料が増加するため、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (14)有利子負債及び金利負担について (発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、新規施設開設に関する設備資金などは金融機関からの借入れや社債などの有利子負債により調達しておりますが、外部からの有利子負債への依存度が高く、外部からの有利子負債への依存度が2025年3月31日現在、負債純資産合計の35.9%と高くなっており、急激な金利変動などの金融情勢の変化により、計画どおりに資金調達出来ない場合には、新たな保育・介護福祉施設の開設計画に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (15)財務制限条項について (発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、当社のグループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (16)創業者依存 (発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社の代表取締役社長である雨田武史は、株式会社クオリスの創業者であり、当社グループ事業の創業者であります。同氏は保育・介護業界に精通しており、経営戦略等の策定において重要な役割を果たしております。当社グループでは、役員等への権限移譲やコーポレート・ガバナンス体制の構築により、同氏に過度に依存しない経営体制を整備しておりますが、現状では何かしらの事情等により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 (17)新株予約権の行使による1株当たりの株式価値の希薄化について (発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 当社では、当社役員、当社従業員及び外部の協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」)を付与しております。 本書提出日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は266,700株であり、発行済株式総数7,478,380株の3.6%に相当しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。

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