経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針社名のアンビスは、Ambitious Vision(大志ある未来像)の造語であります。当社グループは、医療やヘルスケアの進歩に貢献したい、そして、その恩恵をあまねく多くの人々が享受できる社会の実現に貢献したいと考えています。また、サイエンスやテクノロジーではなく、仕組みをイノベーションすることで社会課題を解決し、かつ利益をあげることを実現します。その第一歩として、終末期の病床から医師の機能をアウトソーシングするというアイデアをもとに、ホスピス「医心館」という独自の事業を提案、実践し、都市部から過疎地域まで広く展開、どの地域でも事業化し最期まで医療(療養)を得られる暮らしを提供できる可能性を示したことで医療介護業界に「ホスピス」という事業領域を確立しました。わが国では、これまで永らく病院に医療資源を集中させる構造をとってまいりました。従来の急性期患者を対象とした「病院完結型」から、高齢者や慢性疾患患者の機能維持・向上を対象とした「地域完結型」の社会保障体制(地域包括ケアシステム)への移行改革が行われようとする今、その構造による体制硬直が改革の障壁となっております。この現状を打破するべく推進される在宅医療は、医療を人々のくらしに還し、病院と地域を親和させるといった医療のパラダイムシフトをもたらすことを期待するものであります。2013年の創業以来、当社グループは、住み慣れた地域で在宅療養を得られずに困っている高齢者ほかのニーズに応えるべく、医心館事業を提案し、実直に取り組むことを続けてまいりました。結果、医心館はこの展開地域で在宅療養を含めた地域包括ケアシステムや「地域医療」のプラットフォームとして受け入れられているものと認識しております。今後、医心館事業を拡大展開していくにあたり、当社グループとその事業に期待される役割はますます重要かつ大きなものになっていくと見通しております。当社グループでは、「世界で最もエキサイティングな医療・ヘルスケアカンパニーへ」をビジョンに掲げ、医心館事業に続く第二、第三の事業を創生し100年続くカンパニーを目指してまいります。 足元では「医療過疎地の医療課題をビジネスの力で解決すること」を目下の事業ミッションとして、医療過疎地の医療機関・病院の活性化を推進することで、本格的に医療支援事業を開始しております。今後、3-5年の時間軸で本格的な総合医療カンパニーに変貌することを目指します。 (2) 目標とする経営指標当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示すEBITDAのほか、収益性の判断指標ではEBITDAマージンを、財務の安定性判断の指標では自己資本比率とNet Debt/EBITDA倍率を用い、これら指標の向上に意識をおき、バランスよく、かつ持続的に企業価値を拡大していくことを目指しております。会計影響の排除、戦略投資効果も勘案した評価へと移行することを企図し、従来の営業利益からEBITDAを重視することにしました。また、企業価値を測る指標として、売上高、EBITDAの前年比増による成長性並びにEBITDAマージンを重視しています。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループの中長期ビジョンは以下の3点であります。① ホスピス事業(医心館事業)を長期安定的な収益基盤として確立② 医療支援事業を通じた、疲弊した医療機関・医療法人に対する経営支援をはじめとする、総合医療カンパニーへの進化③ 世界で最もエキサイティングな医療・ヘルスケアカンパニーとして100年続く企業となり、人々の幸せを実現 これらビジョンをふまえて、当社グループが設定した中長期戦略は以下の2点であります。(a) 医心館事業規模(開設数)の拡大及び持続的な事業基盤の構築当社グループは、今後も医心館事業を積極的に展開します。展開地域では、より厚い信頼(質)とより高いシェア(量)の両方を獲得し維持することを目指します。具体的な行動方針はつぎのとおりであります。 ・末期がん患者を中心とする医心館の展開の推進医心館は、終末期医療に特化した看護体制を備えた在宅医療のプラットフォームとして機能しており、入居者の過半数が末期がん患者になります。そして、最後まで責任ある医療的ケアを行った結果、病院に搬送することなく医心館で最期を迎える方の割合は非常に高い水準に至りました。一方で、非がん患者や、重度ケアを必要とする事故後や先天異常の若年者(40歳未満の介護保険非対象者)も積極的に受入れ、在宅医療のセーフティーガードとなることを志向しています。 ・西日本を含む広範な地域での展開の加速当社グループは、医心館の開設・運営を推進するに当たり、高齢者人口当たり療養病床数など様々な医療資源が乏しく、切迫度の高い東日本から展開する方針としてきました。また、首都圏は高齢者人口の増加とともに、医療依存度が高く適切な療養先の確保が必要な方々が急増している問題が生じており、当社グループはこの問題にいち早く対応するため、首都圏におけるドミナント展開を加速させてきました。今後も、西日本含め、需要がある地域に拠点新設をしていく方針です。 ・入居者及び従業員からのロイヤリティ向上当社グループは、すでに高い顧客満足度を実現しておりますが、今後はより一層良質なケアを提供し、顧客満足度のさらなる向上に努めてまいります。また、良質なケアの実現に向けて、従業員の退職率低減にも取り組み、教育研修の実施、ゆとりある運営、人員体制の拡充を進めてまいります。 (b) 医療支援事業への取組前述のとおり、医療過疎地では、病院の多くが医師の慢性的な不足と経営赤字という課題を抱え、病床の休廃止や廃院の危機に瀕しております。そこには、それらの病院に勤務する医師らは、病棟管理から救命対応までのすべてを少ない人員で行わざるを得ない結果としての過密な労働環境があります。医心館事業の本質は、病院の機能を大胆に切り分け、医師を外部化し、質の高い看護体制を事業所に整え、終末期の患者を対象としたケアに特化して運営することにあります。これは医師の労働環境を、及び地域における病院(病床)の存在を危機から救う方策であります。当社グループの創業者であり代表取締役の柴原慶一は、研究者から事業家へと転身した際には、この「本質」を地域医療再生へのアプローチのひとつとして構想し、当初はこれをそのまま事業目的化することになりました。地域の医療機関や医療従事者の専門性や役割を活かした連携によって地域医療を支える仕組みであり、それぞれが役割に特化することで一層の機能強化を促し、地域では医療資源が効果的かつ効率的に利用される姿を期待するものであります。当社は地域医療が抱える経営赤字や医師の慢性的不足といった課題解決の一歩として、また既存の医心館事業とのシナジー効果を図りつつ地域医療再生事業に一層注力してまいりたく、2020年3月に医療機関及び介護施設の経営に関するコンサルティング等を目的とした連結子会社「株式会社明日の医療」を設立いたしました。株式会社明日の医療は、医療機関や介護施設の運営に関する総合的な支援を行います。具体的には、長年の医心館事業で培った医療機関等とのネットワークにより、地域医療のプラットフォーム形成、病棟の転換、医療従事者の組織づくりといった病院の経営改善に必要な対策をアドバイスしています。また医心館との連携をはかることで入退院調整が有効に行われるようサポートしています。その一例として、2025年4月には、6つの医療機関に対する経営支援を開始し、地域マーケティング、病院や施設機能の明確化、コスト管理、組織づくり、多職種連携などのノウハウを活かし、収益性を改善することに成功しました。弊社の経営支援の特徴としては、医師や看護師の人財派遣を通じた超ハンズオン型の経営支援であり、それに加えて、弊社グループにおいてバックオフィス機能の支援として、運営管理や資金面においてもサポートを行うことが可能です。弊社が医療法人の経営をサポートすることで、医療法人の経営再建だけでなく、在宅医療を含めた地域医療全体の活性化にも寄与できるものと考えております。今後は地方・過疎地に限定せず、今後、総合病院・後方支援病院を含めた幅広い医療機関に対して経営支援に取り組んでまいります。 (4) 会社の優先的に対処すべき課題医療過疎地をはじめとした「地域」の医療を強化再生するプラットフォーマー(プラットフォームホルダー)として、またパイオニアとして、好循環を維持強化するための各種戦略を選択できる競争優位と先駆者の優位性をもって、安定的かつ持続的な成長、そして長期的利益へと繋げることを目的としております。このために、既存の医心館事業を一層深耕し、業務効率を改善させ、人材の採用や教育に注力していくなど、積極的な事業展開を図ります。これらを実現するための当社グループの対処すべき課題は以下のとおりと考えております。 ① サステナビリティ経営の推進当社グループは、優先的に取り組むべき重要課題に対処することで、引き続き、社会に対する継続的な貢献と当社グループの企業価値向上の両立を目指していきます。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ② 医心館事業の持続的成長と運営基盤の強化当社グループは、引き続き医心館事業を中核として事業運営を推進し、展開地域においてより厚い信頼を獲得し維持することを目指しております。 今後は、運営品質や人材育成、地域医療機関との連携強化など、質的成長を重視する一方で、地域の医療ニーズや市場環境を踏まえた選択的かつ持続的な事業拡大にも努めてまいります。 ③ 事業ポートフォリオの基本方針と見直し現在の当社グループは医心館事業の単一セグメントから構成されておりますが、今後は医心館事業で得たノウハウや人財を活かし、医療支援事業にも、積極的に取り組んでいく方針です。当社グループでは、連結子会社「株式会社明日の医療」を中心に、医療法人に対する経営支援を提供し、医心館事業とのシナジー効果を発現してまいりたいと存じます。詳細は「(3) 中長期的な会社の経営戦略 (b) 医療支援事業への取組」をご参照ください。 ④ 財務健全性の確保当社グループが今後も持続的に医心館事業を運営・展開していくためには、財務健全性の維持が不可欠であるため、着実な利益剰余金の積み上げとキャッシュ・フローの創出、有利子負債の管理を通じて財務基盤の強化に取り組んでまいります。当社グループは、自己資本比率の目安を30%と定めておりますが、2025年9月末時点において、43.0%と目安を十分に上回る強固な財務基盤を維持しております。また、自己資本比率以外にNet Debt/EBITDA倍率を参照しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針社名のアンビスは、Ambitious Vision(大志ある未来像)の造語であります。当社グループは、医療やヘルスケアの進歩に貢献したい、そして、その恩恵をあまねく多くの人々が享受できる社会の実現に貢献したいと考えています。また、サイエンスやテクノロジーではなく、仕組みをイノベーションすることで社会課題を解決し、かつ利益をあげることを実現します。その第一歩として、終末期の病床から医師の機能をアウトソーシングするというアイデアをもとに、ホスピス「医心館」という独自の事業を提案、実践し、都市部から過疎地域まで広く展開、どの地域でも事業化し最期まで医療(療養)を得られる暮らしを提供できる可能性を示したことで医療介護業界に「ホスピス」という事業領域を確立しました。わが国では、これまで永らく病院に医療資源を集中させる構造をとってまいりました。従来の急性期患者を対象とした「病院完結型」から、高齢者や慢性疾患患者の機能維持・向上を対象とした「地域完結型」の社会保障体制(地域包括ケアシステム)への移行改革が行われようとする今、その構造による体制硬直が改革の障壁となっております。この現状を打破するべく推進される在宅医療は、医療を人々のくらしに還し、病院と地域を親和させるといった医療のパラダイムシフトをもたらすことを期待するものであります。2013年の創業以来、当社グループは、住み慣れた地域で在宅療養を得られずに困っている高齢者ほかのニーズに応えるべく、医心館事業を提案し、実直に取り組むことを続けてまいりました。結果、医心館はこの展開地域で在宅療養を含めた地域包括ケアシステムや「地域医療」のプラットフォームとして受け入れられているものと認識しております。今後、医心館事業を拡大展開していくにあたり、当社グループとその事業に期待される役割はますます重要かつ大きなものになっていくと見通しております。当社グループでは、「世界で最もエキサイティングな医療・ヘルスケアカンパニーへ」をビジョンに掲げ、医心館事業に続く第二、第三の事業を創生し100年続くカンパニーを目指してまいります。 足元では「医療過疎地の医療課題をビジネスの力で解決すること」を目下の事業ミッションとして、医療過疎地の医療機関・病院の活性化を推進することで、本格的に医療支援事業を開始しております。今後、3-5年の時間軸で本格的な総合医療カンパニーに変貌することを目指します。 (2) 目標とする経営指標当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示すEBITDAのほか、収益性の判断指標ではEBITDAマージンを、財務の安定性判断の指標では自己資本比率とNet Debt/EBITDA倍率を用い、これら指標の向上に意識をおき、バランスよく、かつ持続的に企業価値を拡大していくことを目指しております。会計影響の排除、戦略投資効果も勘案した評価へと移行することを企図し、従来の営業利益からEBITDAを重視することにしました。また、企業価値を測る指標として、売上高、EBITDAの前年比増による成長性並びにEBITDAマージンを重視しています。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループの中長期ビジョンは以下の3点であります。① ホスピス事業(医心館事業)を長期安定的な収益基盤として確立② 医療支援事業を通じた、疲弊した医療機関・医療法人に対する経営支援をはじめとする、総合医療カンパニーへの進化③ 世界で最もエキサイティングな医療・ヘルスケアカンパニーとして100年続く企業となり、人々の幸せを実現 これらビジョンをふまえて、当社グループが設定した中長期戦略は以下の2点であります。(a) 医心館事業規模(開設数)の拡大及び持続的な事業基盤の構築当社グループは、今後も医心館事業を積極的に展開します。展開地域では、より厚い信頼(質)とより高いシェア(量)の両方を獲得し維持することを目指します。具体的な行動方針はつぎのとおりであります。 ・末期がん患者を中心とする医心館の展開の推進医心館は、終末期医療に特化した看護体制を備えた在宅医療のプラットフォームとして機能しており、入居者の過半数が末期がん患者になります。そして、最後まで責任ある医療的ケアを行った結果、病院に搬送することなく医心館で最期を迎える方の割合は非常に高い水準に至りました。一方で、非がん患者や、重度ケアを必要とする事故後や先天異常の若年者(40歳未満の介護保険非対象者)も積極的に受入れ、在宅医療のセーフティーガードとなることを志向しています。 ・西日本を含む広範な地域での展開の加速当社グループは、医心館の開設・運営を推進するに当たり、高齢者人口当たり療養病床数など様々な医療資源が乏しく、切迫度の高い東日本から展開する方針としてきました。また、首都圏は高齢者人口の増加とともに、医療依存度が高く適切な療養先の確保が必要な方々が急増している問題が生じており、当社グループはこの問題にいち早く対応するため、首都圏におけるドミナント展開を加速させてきました。今後も、西日本含め、需要がある地域に拠点新設をしていく方針です。 ・入居者及び従業員からのロイヤリティ向上当社グループは、すでに高い顧客満足度を実現しておりますが、今後はより一層良質なケアを提供し、顧客満足度のさらなる向上に努めてまいります。また、良質なケアの実現に向けて、従業員の退職率低減にも取り組み、教育研修の実施、ゆとりある運営、人員体制の拡充を進めてまいります。 (b) 医療支援事業への取組前述のとおり、医療過疎地では、病院の多くが医師の慢性的な不足と経営赤字という課題を抱え、病床の休廃止や廃院の危機に瀕しております。そこには、それらの病院に勤務する医師らは、病棟管理から救命対応までのすべてを少ない人員で行わざるを得ない結果としての過密な労働環境があります。医心館事業の本質は、病院の機能を大胆に切り分け、医師を外部化し、質の高い看護体制を事業所に整え、終末期の患者を対象としたケアに特化して運営することにあります。これは医師の労働環境を、及び地域における病院(病床)の存在を危機から救う方策であります。当社グループの創業者であり代表取締役の柴原慶一は、研究者から事業家へと転身した際には、この「本質」を地域医療再生へのアプローチのひとつとして構想し、当初はこれをそのまま事業目的化することになりました。地域の医療機関や医療従事者の専門性や役割を活かした連携によって地域医療を支える仕組みであり、それぞれが役割に特化することで一層の機能強化を促し、地域では医療資源が効果的かつ効率的に利用される姿を期待するものであります。当社は地域医療が抱える経営赤字や医師の慢性的不足といった課題解決の一歩として、また既存の医心館事業とのシナジー効果を図りつつ地域医療再生事業に一層注力してまいりたく、2020年3月に医療機関及び介護施設の経営に関するコンサルティング等を目的とした連結子会社「株式会社明日の医療」を設立いたしました。株式会社明日の医療は、医療機関や介護施設の運営に関する総合的な支援を行います。具体的には、長年の医心館事業で培った医療機関等とのネットワークにより、地域医療のプラットフォーム形成、病棟の転換、医療従事者の組織づくりといった病院の経営改善に必要な対策をアドバイスしています。また医心館との連携をはかることで入退院調整が有効に行われるようサポートしています。その一例として、2025年4月には、6つの医療機関に対する経営支援を開始し、地域マーケティング、病院や施設機能の明確化、コスト管理、組織づくり、多職種連携などのノウハウを活かし、収益性を改善することに成功しました。弊社の経営支援の特徴としては、医師や看護師の人財派遣を通じた超ハンズオン型の経営支援であり、それに加えて、弊社グループにおいてバックオフィス機能の支援として、運営管理や資金面においてもサポートを行うことが可能です。弊社が医療法人の経営をサポートすることで、医療法人の経営再建だけでなく、在宅医療を含めた地域医療全体の活性化にも寄与できるものと考えております。今後は地方・過疎地に限定せず、今後、総合病院・後方支援病院を含めた幅広い医療機関に対して経営支援に取り組んでまいります。 (4) 会社の優先的に対処すべき課題医療過疎地をはじめとした「地域」の医療を強化再生するプラットフォーマー(プラットフォームホルダー)として、またパイオニアとして、好循環を維持強化するための各種戦略を選択できる競争優位と先駆者の優位性をもって、安定的かつ持続的な成長、そして長期的利益へと繋げることを目的としております。このために、既存の医心館事業を一層深耕し、業務効率を改善させ、人材の採用や教育に注力していくなど、積極的な事業展開を図ります。これらを実現するための当社グループの対処すべき課題は以下のとおりと考えております。 ① サステナビリティ経営の推進当社グループは、優先的に取り組むべき重要課題に対処することで、引き続き、社会に対する継続的な貢献と当社グループの企業価値向上の両立を目指していきます。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ② 医心館事業の持続的成長と運営基盤の強化当社グループは、引き続き医心館事業を中核として事業運営を推進し、展開地域においてより厚い信頼を獲得し維持することを目指しております。 今後は、運営品質や人材育成、地域医療機関との連携強化など、質的成長を重視する一方で、地域の医療ニーズや市場環境を踏まえた選択的かつ持続的な事業拡大にも努めてまいります。 ③ 事業ポートフォリオの基本方針と見直し現在の当社グループは医心館事業の単一セグメントから構成されておりますが、今後は医心館事業で得たノウハウや人財を活かし、医療支援事業にも、積極的に取り組んでいく方針です。当社グループでは、連結子会社「株式会社明日の医療」を中心に、医療法人に対する経営支援を提供し、医心館事業とのシナジー効果を発現してまいりたいと存じます。詳細は「(3) 中長期的な会社の経営戦略 (b) 医療支援事業への取組」をご参照ください。 ④ 財務健全性の確保当社グループが今後も持続的に医心館事業を運営・展開していくためには、財務健全性の維持が不可欠であるため、着実な利益剰余金の積み上げとキャッシュ・フローの創出、有利子負債の管理を通じて財務基盤の強化に取り組んでまいります。当社グループは、自己資本比率の目安を30%と定めておりますが、2025年9月末時点において、43.0%と目安を十分に上回る強固な財務基盤を維持しております。また、自己資本比率以外にNet Debt/EBITDA倍率を参照しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要経営者の視点により当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。 ① 財政状態資産、負債及び純資産の状況 (資産の状況)当連結会計年度末における資産合計は、83,947百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,148百万円の増加となりました。これは主に、借入金の増加等により現金及び預金が1,964百万円増加、新規事業所の開設等に伴い有形固定資産が8,421百万円、敷金及び保証金が349百万円増加したこと等によるものです。 (負債の状況)当連結会計年度末における負債合計は47,814百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,227百万円の増加となりました。これは主に、新規事業所の開設に伴い借入金が7,360百万円、リース債務が1,043百万円増加し、事業拡大に伴い未払金及び未払費用が1,039百万円増加したこと等によるものです。 (純資産の状況)当連結会計年度末における純資産合計は、36,132百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,919百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益3,660百万円の計上及び配当金391百万円の支払いにより利益剰余金が3,268百万円増加したことに加え、自己株式の取得等により自己株式が278百万円増加し純資産の減少要因となったこと等によるものです。 ② 経営成績の状況当社グループでは、「世界で最もエキサイティングな医療・ヘルスケアカンパニーへ」をビジョンに掲げ、医心館事業に続く第二、第三の事業を創生し100年続くカンパニーを目指しております。当連結会計年度において、医心館事業では新たに29事業所(岩手県:1、茨城県:1、埼玉県:2、千葉県:1、東京都:5、神奈川県:1、新潟県:1、富山県:1、石川県:1、岐阜県:1、静岡県:1、愛知県:2、三重県:1、兵庫県:3、鳥取県:1、広島県:1、香川県:1、愛媛県:1、福岡県:1、大分県:1、宮崎県:1)を開設、1事業所(静岡県)を増床した一方で「医心館 本郷」を閉鎖し、「医心館 姫路」を事業譲渡しました。今後、さらに綿密なマーケティングと開設戦略に基づいて積極的な開設を進め、併せて医療機関ほかに対する精力的な営業活動を行うことにより、長期的かつ持続的な成長を実現してまいります。また、直近では、医心館の運営等で獲得したノウハウを活用し、総合医療支援事業に本格的に参入しており、当連結会計年度においても、医療機関への支援の実績を積み上げております。今後は地方・過疎地に限定せず、総合病院・後方支援病院を含めた幅広い医療機関に対して経営支援に取り組んでまいります。 引き続き、大志ある未来像を見据え、重要で本質的な価値を創出するために、時には常識も疑い、斬新な解決策を模索するハングリーなチャレンジャーであり続けます。これらの結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高49,174百万円(前連結会計年度比15.8%増)、EBITDA8,966百万円(同28.2%減)、営業利益6,162百万円(同41.9%減)、経常利益6,343百万円(同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,660百万円(同50.8%減)となりました。なお、当社グループは医心館事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (単位:百万円) 2024年9月期(前連結会計年度)2025年9月期(当連結会計年度)増減額増減率 売上高42,47549,1746,69915.8% EBITDA(EBITDAマージン)12,480(29.4%)8,966(18.2%)△3,513△28.2% 営業利益(営業利益率)10,612(25.0%)6,162(12.5%)△4,450△41.9% 経常利益(経常利益率)10,551(24.8%)6,343(12.9%)△4,207△39.9% 親会社株主に帰属する当期純利益(当期純利益率)7,438(17.5%)3,660(7.4%)△3,778△50.8% (注) EBITDA = 営業利益+減価償却費+のれん償却額+株式報酬費用 (売上高)当連結会計年度の売上高は49,174百万円となり、前連結会計年度より6,699百万円の増加となりました。これは主に、新規29事業所の医心館開設及び1事業所の増床によるサービス提供の開始により、医療保険収入及び介護保険収入が生じたこと等によります。 (売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は34,385百万円となり、前連結会計年度より8,970百万円の増加となりました。これは主に、新規に医心館を開設したことに伴い採用した事業所従業員の給与手当が生じたこと等によります。この結果、売上総利益は14,789百万円となりました。 (販売費及び一般管理費、EBITDA、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は8,626百万円となり、前連結会計年度より2,179百万円の増加となりました。これは主に、新規に医心館を開設したことに伴う事業所従業員の採用費用、また業務の規模拡大に伴い採用した事業所事務員、地域連携部員、本社従業員の採用費用及び給与手当の増加によります。この結果、EBITDAは8,966百万円、営業利益は6,162百万円となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)当連結会計年度の営業外収益は761百万円となり、前連結会計年度より437百万円の増加となりました。これは主に、災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金に係る補助金収入が増加したこと等によります。また、当連結会計年度の営業外費用は580百万円となり、前連結会計年度より194百万円の増加となりました。これは主に、医心館の新規開設による借入金及びリース債務に係る支払利息が増加したこと等によります。この結果、経常利益は6,343百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の法人税等合計は2,025百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,660百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、10,833百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,964百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は6,025百万円(前連結会計年度は7,484百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払3,528百万円、売上債権の増加731百万円が生じた一方で、税金等調整前当期純利益5,685百万円、減価償却費2,753百万円が生じたこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は10,427百万円(前連結会計年度は16,828百万円の支出)となりました。これは主に、新規事業所を開設したことに伴い有形固定資産の取得による支出10,407百万円、敷金及び保証金の差入による支出443百万円が生じたこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は6,365百万円(前連結会計年度は6,083百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出4,639百万円が生じた一方で、新規事業所を開設したことに伴う長期借入れによる収入7,613百万円、短期借入金の純増額4,366百万円が生じたこと等によるものです。 ④ 生産・受注及び販売の実績当社グループの報告セグメントは、医心館事業のみの単一セグメントであります。 a.生産実績 当社グループでは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループでは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績は、49,174百万円となりました。なお、当社グループは医心館事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。主な相手先別の販売実績とその割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%) 神奈川県国民健康保険団体連合会6,44715.26,49713.2 東京都国民健康保険団体連合会3,8819.15,30610.8 社会保険診療報酬支払基金4,1549.84,7909.7 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金需要の主なものは、新規事業所の開設資金(土地や建物の取得等)及び運転資金であります。運転資金のうち主なものは、売上原価に計上している事業所従業員の人件費等で、新規事業所の開設資金は金融機関からの借入及び市場からの調達、運転資金は自己資金を基本としております。借入金につきましては、流動性を確保するため取引金融機関と当座貸越契約を締結し、適正な手許現金及び現金の水準を定め、長期資金と短期資金の均衡を保ちつつ、財務健全性の維持を図っております。総じて、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10,833百万円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、連結財務諸表「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の計上額に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。