7048

ベルトラ(7048)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • オンライン旅行予約サイト運営
    ベルトラは、世界150カ国で現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA」を運営しています。観光ツアー、文化体験、グルメツアーなど多岐にわたる約22,000点のツアーを提供し、旅行者はサイトを通じて検索・予約・決済・体験談投稿までの一連の流れをオンラインで完結できます。
  • 収益源は手数料収入
    主な収益は、ツアーを催行する約8,000社の現地催行会社からの手数料です。ツアー代金、手数料率、予約数によって収入が決まります。手数料率は催行会社との個別交渉で決定され、予約数を増やすために広告やSEO、SNSマーケティングに注力しています。
  • 二つの事業セグメント
    事業は「OTA事業」と「観光IT事業」の二つに分かれています。OTA事業は「VELTRA」やハワイ特化の英語サイト「Hawaii Activities」でのツアー予約による収益が主です。観光IT事業は、観光関連事業者へのITインフラ提供やチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外の収益源を指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • オンライン・トラベル・エージェント事業(OTA事業)
    この事業は、ベルトラグループが運営する現地体験ツアーのオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」やハワイ特化の英語サイト「Hawaii Activities」)を通じたツアー予約から収益を得ています。最新年度の売上高は約36.6億円、営業利益は約8.5億円と、グループの主要な収益源となっています。
  • 観光IT事業
    OTA事業以外の収益源となる事業で、観光関連事業者へのITインフラ供給サービスや、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業などが含まれます。最新年度の売上高は約8.8億円ですが、営業利益は約-2.6億円と赤字であり、今後の成長が期待される分野です。
  • グローバルな事業展開
    ベルトラグループは、日本国内だけでなく、米国や東南アジアなどにも事業拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。特に「Hawaii Activities」を運営するVELTRA Inc.やITシステムのオフショア開発拠点であるVELTRA Malaysia Sdn. Bhd.などの連結子会社を通じて、国際的な市場での存在感を高めています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
OTA 事業 37 9 23.3%
ToursimIT 事業 9 -3 -29.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,441 文字
3【事業の内容】 当社グループは当社及び連結子会社5社により構成されており、国内及び世界150か国の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」を運営しております。国内及び世界150か国、約8,000社の催行会社と直接契約し、観光ツアー、文化体験、グルメツアー、ショー・エンターテインメント、美術館・博物館、クルーズ、レストラン、スパ・エステ、ゴルフ、マリーンスポーツなど幅広いラインナップで提供しております。当社のサービスは、世界各国の催行会社・プロツアーガイドとのネットワークに裏付けられる、豊富な商品ジャンルとラインナップの豊富さを特徴としており、時代や個人のニーズに合った商品を開発し、スピーディーに提供することで顧客満足度の向上に積極的に取り組んでおります。 旅行者は、当社グループと契約した催行会社が提供する現地体験ツアーの商品情報を、「VELTRA」で検索・閲覧します。旅行者は、体験したい現地体験ツアーを見つけたら、「VELTRA」に会員情報を登録し、その予約申込を行います。その予約は、当社グループ経由で催行会社に依頼され、予約確定後、バウチャー(*)を発券いたします。旅行者はこのバウチャーを提示することで現地体験ツアーに参加、終了後は体験談を投稿することができます。このような旅行における一連の体験をオンライン上で完結するサービスを当社グループの特徴としております。 当社グループは、従来、現地体験ツアーの旅行オンラインサービスを運営する旅行関連事業の単一セグメントとしておりましたが、当連結会計年度より、報告セグメントを以下の2つに区分いたしました。(1)当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント事業(以下、「OTA事業」)(2)観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」) なお、主な連結子会社として、上記リンクティビティ株式会社、及び「Hawaii Activities」を運営しているVELTRA Inc.などの事業子会社がある他、ITシステムのオフショア開発拠点であるVELTRA Malaysia Sdn. Bhd.があります。* バウチャー:予約・代金支払いと引き換えに発行され、これを提示してサービスを受ける証票。 (1)収益構造 当社グループは、現地体験ツアーを専門に販売する日本最大級の旅行オンラインサービスを展開しております。国内及び海外で現地体験ツアーを運営する現地の催行会社と直接契約を締結し受託販売を行います。 当社グループの主な収益源は、催行会社からの手数料収入であり、収入金額はツアー代金、手数料率及び当社グループが運営する予約サイトにてご予約いただいた予約数によって決まります。 手数料率は、現地の催行会社と販売合意を締結する際に、相対で都度、決定しております。 申込数につきましては、当社ウェブサイトへの訪問数(Visit数)に比例いたします。当社ウェブサイトの知名度をあげるため、検索キーワード連動型広告(リスティング広告)による宣伝活動、Google等の検索エンジンの最適化(SEO)、SNSによるコンテンツマーケティングを実施しております。 また、旅行関連事業者等と業務提携を行っており、例えば同社のホームページからの現地体験ツアーの申し込みにつきましては、当社にて取り扱う形となっております。このような他社との事業提携は、現地体験ツアーへの申込数の拡大に貢献しているため、さらなる拡大に努めてまいる所存であります。 (2)当社グループの強み① 国内及び海外の現地体験ツアー商品の提供 国内及び世界150か国、約8,000社の催行会社と直接契約し、観光ツアー、文化体験、グルメツアー、ショー・エンターテインメント、美術館・博物館、クルーズ、レストラン、スパ・エステ、ゴルフ、マリーンスポーツなど22,000点を超える幅広いラインナップで提供しております。 ② ITを活用した独自のマーケティング力と商品企画力 当社グループは、催行会社との契約、商品情報の掲載、商品の販売、旅行者の現地体験ツアーの参加、その後の体験談投稿という一連の流れの中で、ITを活用した独自のマーケティング力と商品企画力を構築しております。 各種言語別に制作した当社グループの商品ラインナップにおいては、世界各国で人気のある商品はもちろんのこと、小規模で運営されている少人数制の現地体験ツアーも多数取り扱っております。小規模な現地体験ツアーでは、ツアーガイドやインストラクター、ドライバー等が現地を熟知し、当該地のガイドに精通していることによりユニークな現地体験ツアーを提供し、効率かつ安全な移動手段を提供することを可能にしていると当社グループでは考えております。 また、旅行者のニーズを分析した商品を企画し、現地の催行会社と共同で制作したオリジナルの商品も提供しております。これらのバリエーション豊かな商品もインターネット販売に特化しているからこそ実現可能なサービスであり、多様化する旅行ニーズにおいても、旅行者の選択肢の幅を広げ、それぞれの旅行スタイルにマッチした商品提供を可能にすると考えております。 旅行者が行った予約依頼は、当社グループ経由で催行会社に依頼し、予約確定を旅行者にお知らせいたします。当社グループでは、一部の催行会社との間で、API連携(*1)をすることによって、商品の空き状況を待ち時間無く、リアルタイムにて旅行者に提供するサービスを推進しております。 加えて、商品内容が複雑な現地体験ツアーにおいて、スピーディーかつスムーズな検索、申込を実現するため、ユーザーフレンドリーなUX(*2)とUI(*3)のシステム改善を進めております。 また、40万件を超える実際に参加した旅行者が投稿した体験談は、これから参加を検討している旅行者にとって、リアルかつ信頼性を持った情報であると考えております。これらのプロモーションは、旅行者の集客、予約申込の促進に大きく貢献していると思われます。 旅行者のロイヤリティ(*4)を向上させるとともに、会員向けにリピート率を向上させる一環として、購入代金に応じたポイント付与する(ポイントプログラム)ことや、体験談を投稿したときにもポイントを付与することで、次のツアー参加時の代金の一部として利用できるようなインセンティブも提供しております。 そして、体験談やカスタマーサービスでのフィードバックを元に催行会社と商品・サービスの改善を実施しております。*1 API連携:自社のシステムと他社のシステムとを連携すること。*2 UX:User Experienceの略で、ウェブサイト訪問者がサービスを通じて得られる体験。*3 UI:User Interfaceの略で、ウェブサイト訪問者の目に触れ、操作する部分。*4 ロイヤリティ:当社グループのサービスに対して感じる信頼や愛着。 ③ 旅行関連企業へのITインフラ供給 当社グループが築いてきた催行会社約8,000社との直接契約とそれを支えるシステム連携などのB2C(*1)向けのITインフラを基盤として、1万社以上の国内・海外のオンライン旅行事業者、対面対応(オフライン)の旅行事業者、当社グループとフランチャイズ契約にて展開している旅行事業者などの旅行関連企業に対して、B2B2C(*2)向けのシステムを提供しています。現在、各事業者とのシステム連携の強化を推進し、更に提携先のマイルなどの企業通貨を現地体験ツアーの支払いに利用できるサービスを随時拡大しております。*1 B2C:Business to Consumerの略称で、企業と消費者の取引を意味しております。*2 B2B2C:Business to Business to Consumerの略で、企業と消費者の取引を行う法人の支援をするビジネスを意味しております。 事業系統図は以下のとおりになります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
手数料率は現地の催行会社と販売合意を締結する際に、相対で都度決定。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
国内及び世界150か国、約8,000社の催行会社と直接契約しているネットワーク。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:自然災害、地政学的リスク及び感染症等 / 競争環境の変化 / 技術革新(生成AI等)への対応
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ベルトラはオンライン体験予約プラットフォームを運営しており、特定のブランド認知度は存在するものの、特許や規制ライセンスといった強力な無形資産は現時点では限定的。プラットフォームの信頼性や口コミがブランド価値を支えている側面がある。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

旅行者にとっては、一度利用したプラットフォームの利便性や過去の予約履歴が、次回予約時の検討材料となる可能性がある。しかし、競合プラットフォームも多く、体験内容や価格で容易に乗り換えられるため、スイッチングコストは限定的。

ネットワーク効果★★☆☆☆
根拠:中程度利用者増が価値を生む

プラットフォーム上の体験提供者(アクティビティ事業者)が増えることで、旅行者にとって選択肢が増え、プラットフォームの魅力が増すという側面はある。しかし、旅行者側のネットワーク効果は弱く、事業者側のネットワーク効果も限定的。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ベルトラはオンラインプラットフォーム運営であり、製造業のような構造的なコスト優位性は見られない。体験提供者からの手数料ビジネスモデルであり、オペレーション効率化によるコスト削減は可能だが、競争優位の源泉とはなりにくい。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

オンライン体験予約市場は成長しているが、ベルトラが絶対的な寡占状態にあるわけではない。グローバルな競合も存在し、規模の経済による明確な優位性を確立しているとは言い難い。市場シェア拡大が今後の課題。

  • 豊富な商品ラインナップ
    国内および世界150カ国、約8,000社の催行会社と直接契約を結び、観光ツアーから文化体験、グルメ、マリンスポーツまで22,000点以上の幅広い現地体験ツアーを提供しています。これにより、多様な旅行者のニーズに応えることが可能です。
  • ITを活用したマーケティング力
    独自のITインフラとマーケティング戦略により、旅行者のニーズを分析し、催行会社と共同でオリジナル商品を企画・提供しています。また、40万件を超える体験談やポイントプログラムを通じて、顧客満足度とリピート率の向上に努めています。
  • 旅行関連企業へのITインフラ提供
    約8,000社の催行会社との直接契約で培ったB2C(企業と消費者間取引)向けITインフラを基盤に、1万社以上のオンライン・オフライン旅行事業者やフランチャイズ契約事業者に対し、B2B2C(企業が他の企業を通じて消費者と取引)向けのシステムを提供しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する」を企業ビジョンとして掲げております。旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界各地から奥深い魅力ある体験を世界中の旅行者に届けます。当社グループのサービスは業界内でも独自性の高さを誇り、その独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。また、ここでのバリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界中の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。 (2)経営戦略等 上記の経営方針のもと、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。 当社グループは長年に亘り、現地体験ツアーをオンラインで取り扱ってきた中で築きあげた国内外の約8,000社のツアー催行会社とのネットワークを有し、約22,000の質の高いアクティビティ商品を提供することで顧客満足度の向上に努めてまいりました。その結果、2025年12月末現在において、約260万人の会員基盤を保持しております。今後は、ツアー催行会社とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かしながら、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースに新しい技術やビジネスモデルを取り入れたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、インバウンド旅行を含め、需要が急回復した国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。 (4)経営環境 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。 当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題① 高効率経営の実現と利益成長の加速 これまでの当期純損失の計上から黒字転換を果たし、安定的な収益構造を確立することが最優先の課題であると認識しております。これに対し、当期における黒字化達成を足掛かりとして、主力であるOTA事業の収益拡大をさらに推進するとともに、「生産性の改善」を旗印に掲げ、積極的なテクノロジー活用によるオペレーションの効率化を断行することで、営業利益率のさらなる向上と着実な利益の積み上げを図ってまいります。 ② 独自価値の追求によるグローバル競争力の強化 旅行者のニーズが多様化・高度化する中、グローバルOTA競合との差別化を実現し、独自の成長路線を歩むことが不可欠な課題となっております。これに対し、単なる在庫確保に留まらず、現地の催行会社との緊密なパートナーシップに基づいたユニークで魅力ある体験商品の開発・提供を加速させてまいります。併せて、システム連携の深化により予約プロセスの即時性を高め、他社にはない圧倒的な顧客体験を提供することで、グローバル市場におけるプレゼンスを確立してまいります。 ③ 組織パフォーマンスの最大化と人的資本の高度化 既存事業の拡大や新たなビジネスモデルの構築を加速させるためには、限られた経営資源の中で組織全体の実行力を極限まで高めることが重要な課題であると認識しております。これに対し、社内人材の適材適所な配置と適切な権限委譲による「組織パフォーマンスの最大化」を推進してまいります。特に、AIをはじめとする先端技術を使いこなし、付加価値の高い業務へシフトするためのスキルの再開発を強力に推進することで、社員一人ひとりが高い生産性を発揮できる環境を整え、エンゲージメントの向上と共に、少数精鋭で高い成果を生む組織体質を構築してまいります。 ④ AI時代への完全適応とビジネスモデルの変革 急速に進展するAI技術への対応は、現在進行形で取り組むべき最重要戦略であると捉えております。これに対し、蓄積された膨大な顧客データを基盤としたAI活用の内製化を急ぎ、旅行者一人ひとりに最適化されたパーソナライズ・サービスを即時提供できる体制を構築いたします。AIによる業務プロセスの自動化を全社的に推進し、コスト構造の抜本的改革と付加価値の向上を同時に成し遂げることで、AI時代のリーディングカンパニーとしての地位を確立してまいります。 ⑤ ベルトラグループ全体におけるガバナンス及び管理体制の再構築 事業規模の急拡大とグローバル展開の進展に伴い、グループ全社において親会社と同水準の高度な経営管理・統制機能を一貫して浸透させることが、持続的な成長に向けた重要な課題であると認識しております。これに対し、子会社を含めたグループ各社の経理財務、法務、労務といった管理業務の平準化を強力に推進し、親会社の知見を活かしたプロセスの厳格化を図ってまいります。取締役会による監督機能をグループ全体に直接及ぼすとともに、「個人・組織・グループ」の各階層における役割と責任を再定義し、潜在的リスクを未然に防ぐ仕組みをグループ横断で定着させることで、グループ一体となった強固かつ柔軟な経営基盤を構築してまいります。 ⑥ 情報セキュリティ・ガバナンスの高度化とリスク管理の徹底 子会社の資金流出事案を重く受け止め、巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセス等の脅威に対し、グループ全体の防御力を一律に底上げし、有事の際の事業継続性を確保することが最優先の課題であると認識しております。このため、従来の各社独自の対応を統合し、グループ共通の「情報セキュリティ・ガバナンス」を確立した上で、公的なガイドライン等に基づく高度な監視体制を全グループ会社へ導入いたします。併せて、自然災害やツアー事故等を想定した「BCP(事業継続計画)」の策定・運用をグループ全体で徹底し、継続的な教育・啓発を通じて、高い倫理観と防犯意識に基づいた強固なセキュリティ文化を組織全体に根付かせてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する」を企業ビジョンとして掲げております。旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界各地から奥深い魅力ある体験を世界中の旅行者に届けます。当社グループのサービスは業界内でも独自性の高さを誇り、その独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。また、ここでのバリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界中の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。 (2)経営戦略等 上記の経営方針のもと、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。 当社グループは長年に亘り、現地体験ツアーをオンラインで取り扱ってきた中で築きあげた国内外の約8,000社のツアー催行会社とのネットワークを有し、約22,000の質の高いアクティビティ商品を提供することで顧客満足度の向上に努めてまいりました。その結果、2025年12月末現在において、約260万人の会員基盤を保持しております。今後は、ツアー催行会社とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かしながら、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースに新しい技術やビジネスモデルを取り入れたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、インバウンド旅行を含め、需要が急回復した国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。 (4)経営環境 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。 当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題① 高効率経営の実現と利益成長の加速 これまでの当期純損失の計上から黒字転換を果たし、安定的な収益構造を確立することが最優先の課題であると認識しております。これに対し、当期における黒字化達成を足掛かりとして、主力であるOTA事業の収益拡大をさらに推進するとともに、「生産性の改善」を旗印に掲げ、積極的なテクノロジー活用によるオペレーションの効率化を断行することで、営業利益率のさらなる向上と着実な利益の積み上げを図ってまいります。 ② 独自価値の追求によるグローバル競争力の強化 旅行者のニーズが多様化・高度化する中、グローバルOTA競合との差別化を実現し、独自の成長路線を歩むことが不可欠な課題となっております。これに対し、単なる在庫確保に留まらず、現地の催行会社との緊密なパートナーシップに基づいたユニークで魅力ある体験商品の開発・提供を加速させてまいります。併せて、システム連携の深化により予約プロセスの即時性を高め、他社にはない圧倒的な顧客体験を提供することで、グローバル市場におけるプレゼンスを確立してまいります。 ③ 組織パフォーマンスの最大化と人的資本の高度化 既存事業の拡大や新たなビジネスモデルの構築を加速させるためには、限られた経営資源の中で組織全体の実行力を極限まで高めることが重要な課題であると認識しております。これに対し、社内人材の適材適所な配置と適切な権限委譲による「組織パフォーマンスの最大化」を推進してまいります。特に、AIをはじめとする先端技術を使いこなし、付加価値の高い業務へシフトするためのスキルの再開発を強力に推進することで、社員一人ひとりが高い生産性を発揮できる環境を整え、エンゲージメントの向上と共に、少数精鋭で高い成果を生む組織体質を構築してまいります。 ④ AI時代への完全適応とビジネスモデルの変革 急速に進展するAI技術への対応は、現在進行形で取り組むべき最重要戦略であると捉えております。これに対し、蓄積された膨大な顧客データを基盤としたAI活用の内製化を急ぎ、旅行者一人ひとりに最適化されたパーソナライズ・サービスを即時提供できる体制を構築いたします。AIによる業務プロセスの自動化を全社的に推進し、コスト構造の抜本的改革と付加価値の向上を同時に成し遂げることで、AI時代のリーディングカンパニーとしての地位を確立してまいります。 ⑤ ベルトラグループ全体におけるガバナンス及び管理体制の再構築 事業規模の急拡大とグローバル展開の進展に伴い、グループ全社において親会社と同水準の高度な経営管理・統制機能を一貫して浸透させることが、持続的な成長に向けた重要な課題であると認識しております。これに対し、子会社を含めたグループ各社の経理財務、法務、労務といった管理業務の平準化を強力に推進し、親会社の知見を活かしたプロセスの厳格化を図ってまいります。取締役会による監督機能をグループ全体に直接及ぼすとともに、「個人・組織・グループ」の各階層における役割と責任を再定義し、潜在的リスクを未然に防ぐ仕組みをグループ横断で定着させることで、グループ一体となった強固かつ柔軟な経営基盤を構築してまいります。 ⑥ 情報セキュリティ・ガバナンスの高度化とリスク管理の徹底 子会社の資金流出事案を重く受け止め、巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセス等の脅威に対し、グループ全体の防御力を一律に底上げし、有事の際の事業継続性を確保することが最優先の課題であると認識しております。このため、従来の各社独自の対応を統合し、グループ共通の「情報セキュリティ・ガバナンス」を確立した上で、公的なガイドライン等に基づく高度な監視体制を全グループ会社へ導入いたします。併せて、自然災害やツアー事故等を想定した「BCP(事業継続計画)」の策定・運用をグループ全体で徹底し、継続的な教育・啓発を通じて、高い倫理観と防犯意識に基づいた強固なセキュリティ文化を組織全体に根付かせてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。 当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。 このような環境の中、当社グループは国内及び世界150か国の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」の運営を中心に、複数の事業展開を通して、旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、「グローバルを舞台に、デジタルと体験の力で未来の観光を創造する」ことを経営の軸に置き、事業を推進しております。  セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。 なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。(OTA事業) アクティビティツアーの予約成立に応じて収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(OTA)として、現地体験ツアーオンライン予約サイト(①「VELTRA」の日本語サイト及び英語サイト、②催行地をハワイに特化した英語サイト「HawaiiActivities」)を運営しております。 当連結会計年度におきましては、収益性の抜本的な改善に向けた「高収益体質への進化」をテーマに構造改革を推進いたしました。海外旅行事業では、円安や物価高に加え、Google検索の仕様変更に伴う流入減といった厳しい環境下、DXによる業務効率化やマーケティングROIの改善に注力いたしました。具体的には、広告費の高騰を受け、費用対効果を優先して一部の広告出稿を抑制したことで営業収益は計画を下回ったものの、マーケティング費や人件費などの諸経費における厳格なコスト管理が着実に成果を上げました。また、法人向けサービスの強化や新たなクルーズ事業(VELTRA Cruise)の展開など、収益源の多角化にも取り組みました。 国内旅行事業におきましても、訪日外国人向けのインバウンド商品が極めて好調に推移し、国内事業単体での収益性も着実に改善いたしました。また、中央省庁と連携した国内観光施策の強化や、顧客ロイヤリティプログラムの拡充、サービスのタッチポイントを増やす施策等、継続的に実施しております。 これら一連の結果、OTA事業全体の営業利益率は前年の11.6%から23.2%へと劇的に向上いたしました。これにより、通期での黒字化達成に大きく寄与し、持続的な利益創出に向けた強固な事業基盤が確立されたものと考えております。今後は、最適化されたコスト構造を維持しつつ、ユーザーの利便性向上や独自性の高い商品ラインナップの拡充を図り、さらなる成長と収益性の向上を加速させてまいります。 以上の結果、OTA事業の営業収益は3,672,431千円(前年同期比2.2%増)、営業利益は852,397千円(前年同期比104.7%増)となりました。 (観光IT事業) 当社グループでは、連結子会社であるリンクティビティ株式会社を通じて、交通・観光事業者向けのチケットプラットフォーム事業や、観光関連事業者のDXを支援するITインフラ事業を展開しております。 当連結会計年度におきましては、主力であるチケットプラットフォーム事業が、継続的なインバウンド旅行者の増加に加え、取扱商品の拡充と戦略的な販売展開により、好調な市場の伸びを大幅に上回る飛躍的な成長を遂げ、グループ全体の収益成長を支える柱としての存在感を高めております。また、2024年8月の韓国子会社「LINKTIVITY KOREA INC.」の設立を機に、韓国・中国エリアでのサプライヤー獲得と連携強化を加速させるなど、プラットフォームとしての優位性は一段と強固なものとなりました。 一方で、さらなる事業領域の拡大に向けた新規事業として、QR改札機導入支援等のITインフラ事業を推進しております。当連結会計年度におきましては、中長期的な収益基盤のさらなる強化を見据え、当該事業への開発投資および営業・開発体制の構築に伴う人員増強を戦略的に実行いたしました。 今後は、QR改札機の導入支援やさらなる利便性を備えた企画乗車券の開発を継続し、国内外での強固なプラットフォーム基盤を活用することで、更なる市場優位性の確立と継続的な事業拡大を図ってまいります。 以上の結果、観光IT事業の営業収益はプラットフォーム事業の飛躍的な伸びにより891,549千円(前年同期比24.0%増)となりました。利益につきましては、ITインフラ事業への積極的な先行投資を優先した結果、営業損失262,751千円(前年同期132,275千円の営業損失)となりました。  これらセグメントごとの経営成績の結果、当グループの当連結会計年度の営業収益は4,581,627千円(前年同期比6.4%増)、営業利益は105,125千円(前年同期175,594千円の営業損失)となりました。また、経常利益は99,426千円(前年同期298,365千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は140,537千円(前年同期407,943千円の親会社株主に帰属する当期純損失)と、当初計画には及ばなかったものの、コロナ禍以降、5年ぶりに黒字転換を達成いたしました。 ② 財政状態の状況(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は8,336,871千円と、前連結会計年度末比490,190千円増加しました。これは主に、現金及び預金が520,249千円増加、営業未収入金が140,188千円減少したことによるものです。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は986,536千円と、前連結会計年度末比248,495千円増加しました。これは主に、ソフトウエアが117,916千円増加したことと、ソフトウエア仮勘定が93,466千円増加したことによるものです。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は6,353,155千円と、前連結会計年度末比657,385千円増加しました。これは主に、営業未払金が389,500千円、前受金が230,299千円それぞれ増加したことによるものです。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は475千円と、前連結会計年度末から微増となりました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は2,969,777千円と、前連結会計年度末比81,262千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が140,537千円増加した一方で、連結子会社リンクティビティ株式会社による営業損失の計上等により、非支配株主持分が53,927千円減少したことによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より520,249千円増加し、5,686,926千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は920,212千円(前連結会計年度は459,565千円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の増加392,715千円や前受金の増加231,743千円などの増加要因と、前渡金の増加149,812千円などの減少要因によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は388,246千円(前連結会計年度は436,202千円の支出)となりました。これは主に、固定資産取得による支出400,311千円などの減少要因によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は46千円(前連結会計年度は1,352,893千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入46千円の増加要因によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループは、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。収益区分当連結会計年度(自 2025年1月1日  至 2025年12月31日)営業収益(千円)前年同期比(%)OTA事業3,663,8622.3観光IT事業879,84425.3その他37,92086.2合計4,581,6276.4 (注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(営業収益) 営業収益は、4,581,627千円(前年同期比6.4%増)となりました。 なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業部門が3,672,431千円(前年同期比2.2%増)、観光IT事業部門が891,549千円(前年同期比24.0%増)となりました。 (営業費用及び営業損益) 営業費用は、4,476,502千円(前年同期比0.1%減)となりました。主な要因は、営業収益増加に伴うカード決済手数料の増加、旅行需要の回復を見越しての人員増加による人件費及び広告宣伝費の増加によるものであります。これらの結果、営業利益は105,125千円(前年同期175,594千円の営業損失)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常損益) 営業外収益は71,925千円(前年同期比2135.0%増)、営業外費用は77,624千円(前年同期比38.4%減)となりました。これは主に、匿名組合投資利益の増加や円安による為替差損の増加などによるものであります。これらの結果、経常利益は99,426千円(前年同期298,365千円の経常損失)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損益) 法人税等合計は19,512千円(前年同期20,238千円)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は140,537千円(前年同期407,943千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告宣伝費や人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は基幹システムの開発・改良等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、主要取引銀行と総額15億円の当座貸越契約の継続を行っておりますが、引続き、主要取引銀行との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行い、財務基盤の安定化に努めてまいります。 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,686,926千円となっております。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。当連結会計年度における営業収益成長率は6.4%、営業利益率は2.3%となりました。 引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。 ⑤ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」で述べましたとおり、人為災害、テロ、戦争等や、技術革新、システム障害、為替変動等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 従いまして、当社グループは常に市場動向や各国の情勢等に留意しつつ、内部管理体制を強化するとともに優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、上記のような経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減してまいります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

事業リスク

  • 自然災害・地政学的リスク
    ベルトラのツアーは主に海外で行われるため、現地の自然災害、テロ、戦争、紛争などが発生した場合、ツアーの実施が困難になり、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、日本国内での災害も日本人旅行者の減少につながるリスクがあります。
  • 激化する競争環境
    ベルトラは現地体験ツアー専門で独自の地位を築いていますが、航空券やホテルを扱う大手オンライン旅行会社が、その資金力や営業力を活用して現地体験ツアー市場に参入することで、競争が激化し、業績に影響を与える可能性があります。
  • 技術革新への対応遅れ
    インターネット関連市場は技術革新のスピードが速く、特に生成AIを活用した旅行比較・提案サービスなどの普及により顧客ニーズが急速に変化しています。ベルトラがこれらの技術革新への対応に遅れた場合、事業の遂行に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,980 文字
3【事業等のリスク】1.有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)自然災害、地政学的リスク及び感染症等について① 海外催行地のリスク 当社グループの現地体験ツアーは主に海外で行われるため、現地での自然災害、テロ、戦争、紛争等の発生によりツアー実施が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 日本国内のリスク 当社グループのサービスを利用する主要な旅行者は日本に居住する邦人であります。そのため、日本国内において自然災害等が起こった場合には、会員数及び現地体験ツアー申込件数が著しく減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人的被害と風評 ツアー催行中に旅行者に人的被害が生じた場合、当社が直接催行していない場合でも、風評被害により社会的信用や会員数及び現地体験ツアー申込件数が著しく減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)競争環境の変化について 当社グループは現地体験ツアーを専門に販売する日本最大級の旅行オンラインサービスを展開しており、業界においてユニークなポジションを築いているものと認識しております。 しかしながら、世界市場には、航空券やホテル等のオンライン旅行事業を営んでいる有力な企業が多数存在しており、それらの企業が、その資本力、営業力等を活用して現地体験ツアー分野に進出すること等により、当社グループが想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 これに対し、当社グループは現地体験ツアー分野を専業として長年築いてきた、ツアー催行会社とのネットワーク強化や、国内外の観光事業者との業務連携等により競争力を維持・向上させてまいります。 (3)技術革新(生成AI等)への対応について 当社グループが事業を行っているインターネット関連市場では技術革新のスピードが極めて速く、特に生成AIを活用した旅行比較・提案サービス等の普及により顧客ニーズが急速に変化しております。当社グループがこれら技術革新の導入に遅れを取った場合、事業遂行上の制約となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対し、当社グループは市場動向や顧客ニーズの変化を早期に捉え、変化に対応した新機能や新サービスをフレキシブルに開発・導入していくことで対応してまいります。 (4)システム障害及びサイバー攻撃について 当社グループの行っている現地体験ツアーの予約サイトの運営は、インターネット環境に大きく依存しております。そのため、ITインフラ関連の障害やコンピュータウイルスへの感染、サイバー攻撃等によりサービスが停止した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対し、当社グループはインターネット環境を安定させるため、ITインフラのクラウド化やシステムの常時監視等の対応策を講じており、システム障害にかかるリスクを低減に努めております。 (5)個人情報の管理について 当社グループでは業務に関してサービス利用者の個人情報を有しており、個人情報の管理は非常に重要であると認識しております。しかしながら、不測の事態により顧客情報が外部へ流出した場合、社会的信用の失墜や損害賠償請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらの情報の取り扱いについては、情報システム管理規程、情報セキュリティ管理規程、個人情報保護規程、個人番号及び特定個人情報取扱規程を設け万全を尽くすとともに、情報システムの有効性、効率性、機密性等を確保するといった対応策を講じております。 (6)人材確保と育成について 当社グループの事業拡大及び経営管理体制強化には優秀な専門人材、並びに人材を監督・指導できるマネジメント人材の確保と育成が、必要不可欠と認識しております。人材の確保や教育が不十分な場合、当社グループの成長スピードが鈍化する可能性があります。そのため、当社グループでは、採用体制の随時見直しや定期的なスキルアップ教育等の研修制度を実施するなど、人材の定着率向上に努めております。 (7)為替変動リスクについて 当社グループは現地体験ツアーの中でも海外商品を主力としており、ツアー催行会社への外貨建決済において為替変動の影響を受けます。 これに対し、当社グループは為替予約取引の実施等により、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めております。 (8)業績の季節的変動について 当社グループでは営業収益の計上基準として催行実施日基準を採用しており、営業収益及び利益については旅行者が長期休暇を取得しやすい7月から9月(第3四半期)に増加する傾向がある一方、その他の期間については相対的に減少する傾向があります。したがって、当社グループの四半期別の業績のみで通期の業績を見通す際には留意が必要です。 (9)特有の法的規制について 当社グループで取り扱いをしている一部ツアーには運送手配等が含まれており、それらは旅行業法に該当するため、当社は第二種旅行業(5年ごとの更新)の登録を受けております。当社が旅行業法で定める登録拒否事由に該当し更新することができない場合又は旅行業法上の登録取消し事由に該当し登録取消処分等を受けた場合は、登録の取消し又は営業の停止等を命じられる可能性があります。 これに対し、当社は現時点において登録拒否事由や取消し事由に該当する事実はありませんが、今後も業界の健全性・発展性を損なうことの無いよう努めてまいります。 (許認可等の名称)許認可等の名称許認可登録番号有効期限関連法令許認可等の取消事由第二種旅行業東京都知事登録旅行業第2-55552030年1月17日旅行業法同法第19条 (10)海外事業展開に伴うリスクについて 当社グループは、日本国内のほか米国、東南アジアなどグローバルに事業拠点を配置し、事業を展開しております。現地の法規制等の成立・改正等が実施された場合や政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対し、本社と現地子会社の連携強化に加え、顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と情報共有を行うことで、海外展開に伴うリスク軽減を図っております。 (11)ウェブサイト及びSNS上の発信について 当社グループが運営するウェブサイトでは、現地体験ツアーに対するツアー参加者個人の評価・感想などを「参加体験談」として自由に発信できる仕様となっており、「参加体験談」は旅行者がツアーへの参加を検討する際、有意義な情報となりうる一方、「参加体験談」には好意的な内容だけでなく、現地体験ツアーに対して改善を要望する内容についても書かれており、中には不適切な書き込みがなされるケースがあります。このような不適切な書き込みやSNS等での予期せぬ悪評の拡散に対し、発見や対応が遅れた場合は信用低下を招く恐れがあります。 これに対し、当社グループでは参加体験談利用規約を明示し、法令や公序良俗に反する内容や誹謗中傷など不適切と判断した場合には、その内容を投稿者に事前通告なく削除する対応を取っており、健全なサイト運営を維持しております。 (12)知的財産権について 当社グループでは、ツアー催行会社より直接入手した画像等をウェブサイト上に掲載する際、第三者の著作権や肖像権等の知的財産権の侵害がないかの表明保証を催行会社から取得する等の対策を行っておりますが、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームを提起されるリスクは排除できません。 これに対し、当社グループでは社内ガイドラインとして知的財産権侵害クレームが発生した際の対応マニュアルを定めており、万が一侵害が発生した場合には迅速に対応できる体制を整備しております。 (13)配当政策について 当社グループでは、創業以来、無配を継続しております。これは、将来の事業発展と長期的な財務基盤の強化を経営の最重要課題と位置付けているためです。当面は利益を内部留保し、成長投資に充当することが株主利益の最大化に資すると判断しております。 将来的な配当実施については、財政状態及び経営成績を勘案し検討する方針ですが、事業計画の進捗状況によっては実施できない可能性がある点にご留意ください。 (14)ストック・オプション及び第三者割当新株予約権行使における株式価値の希薄化について 当社は、当社グループの取締役、従業員に対するインセンティブを目的に、会社法の規定に従ってストック・オプションとして、2017年12月29日に第1回(2017年12月28日開催の取締役会決議)及び2020年4月9日に第5回新株予約権(2020年3月25日開催の取締役会決議)を発行しております。 今後、現在付与済みの新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお本書提出日の前月末(2026年2月28日)現在における新株予約権による潜在株式数は397,900株であり、これは発行済株式総数36,603,380株の1.1%に相当します。

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