有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,580 文字
3【事業等のリスク】 当社グループではリスクマネジメントの国際規格であるISO31000に沿った全社的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)体制を構築しています。業務執行におけるリスクとその管理を俯瞰的に審議する機関としてリスク管理委員会を設置し、年3回開催しています。リスク管理委員会は代表執行役社長の諮問機関で、委員長を代表執行役社長が務め、全執行役により構成されています。当社グループに重大な影響を与えるリスクの特定、リスク対策計画、リスク対策のレビュー等の審議を行い、リスク管理に関わる経営判断や意思決定を支えています。 リスク管理委員会の審議・決定内容は、取締役会に報告され確認されます。取締役会から、業務執行において注視すべきリスクや固有リスクに係わる対策等の助言をうけ、リスク対策の整備やリスク管理活動の改善等に活かされています。 リスク管理の客観的な評価は、内部監査担当部署が実施しています。内部監査担当部署は、体制やプロセスの有効性を評価し、重要な事項は監査委員会および取締役会に年1回報告されています。 リスク管理の実施主体である関係会社等は自律的なリスク管理に努めています。これらの実施主体に対して、重大な影響を与えうるリスクを中心に、本社/事業部門およびリスク管理の主管部門(ERM主管部門、リスク管理委員会事務局)が、様々な活動の推進・支援を行っています。 なお、リスクが顕在化し経営に重大な影響をあたえる危機が生じた際は、代表執行役社長を委員長とする危機管理委員会にて初動対応および事業継続対応を行います。 当社グループでは、毎年、事業を取り巻くリスクのアセスメント(リスクの洗い出し、分析・評価)を、グローバルベースで実施しています。アセスメントの対象となるリスクは、当社グループの企業価値に影響をあたえる不確実性と定義しています。リスクをマイナス面の影響に留まらず、プラス面の機会を含めた定義としています。また、リスクを事業機会(経営上の戦略的意思決定に係る不確実性)とコンプライアンス・危機事象(適正かつ効率的な業務遂行に係る不確実性)で分類しています。事業機会を外部環境と戦略に、コンプライアンス・危機事象をオペレーションと危機事象に細分化して57個の主要リスクに分類し網羅性確保に努めています。 本社/事業部門、関係会社等は、これらの主要リスクをもとにリスクの洗い出しを行います。洗い出されたリスクは、影響度と発生可能性の視点で分析しています。影響度の分析では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面といった外部のステークホルダーへの影響も考慮しています。 次に、下図のリスクマップに分析結果をプロットします。リスクの許容度をAAA~Dの6段階で評価のうえ、AAA~Aに評価されたリスクを許容できないリスクに特定します。さらに、これらのリスクを対象に経営戦略や経営課題、外部環境の変化、リスク対策の充足度などを踏まえて、経営が重点的に管理すべきリスク(重点管理リスク)の候補を選定しています。 重点管理リスクは、リスク管理委員会で決定し、年2回取締役会に報告されています。また、重点管理リスクの主管部門(リスクオーナー)を定め、計画にもとづく対策の推進が図られています。対策の進捗状況等のモニタリングについては、重点管理リスクの分類に応じた方法を定め四半期ごとに確認を行っています。リスク管理委員会はモニタリングを踏まえてリスクの変化や対策のレビューを行い、その結果を取締役会に報告しています。さらに、取締役会からの助言、リスク管理委員会での議論、代表執行役社長からの指示を翌年の重点対策リスクの選定に活かすとともに、リスク管理プロセスや対策の見直しを行い、より効果的なリスク管理の実現にむけてPDCAのマネジメントサイクルを機能させています。 当社グループを取り巻くリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しています。当社グループは、リスク管理体制およびリスク管理プロセスを整備しリスクの軽減や回避に努めていますが、顕在化したリスクが当社グループの業績、財政状況に影響を与える可能性があります。 以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 外部環境に関するリスク(社会情勢等に係るもの) 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでいます。各々の地域における政治、経済、社会等の外部環境変化が顕在化した場合、お客様ニーズ、様々なコスト、駐在員や出張者の安全、サプライチェーン等に影響を与える可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・規制、税制、産業政策、通商政策等の政策的側面 ・景気、インフレ、失業率等の経済的側面 ・犯罪、誘拐、テロリズム、暴動、ストライキ等の社会的側面 ・戦争、地域紛争、主要国間対立、経済制裁措置等の地政学的側面 これらリスクへの対策として、本社/事業部門、関係会社等における日々の情報収集とともに外部専門機関を活用した情報収集を実施しています。また、外部環境変化に伴うお客様ニーズの変化をタイムリーに把握し、迅速かつ的確なお客様サポートができるようソリューションを充実させています。 (金融市場の変動に係るもの) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動において多数の通貨を使用しています。為替市場の急激又は大幅な変動により、製品の競争力の低下、調達コストの上昇等の影響が考えられます。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っています。 当社グループが保有する資産および負債にかかる金利の変動は、利息の増減や資産等の価値に影響を与える可能性があります。また、保有株式等の価格が下落した場合、評価損の計上による業績への影響、資本効率の低下に伴う財政状況への影響が考えられます。政策保有株式については、すべての政策保有株式を対象に、毎年取締役会において、中長期的な観点からその保有目的、経済合理性等について妥当性を判断しています。必要最低限の保有という考え方に立ち、縮減を図っています。 (2) 戦略に関するリスク(市場・競合環境に係るもの) ① コスト競争力 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービスおよび販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会を逸するリスクがあります。 ② デジタル技術の利活用による競争優位性の確立 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっています。これにビジネスとして応え、競争優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会を失うリスクがあります。 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取り組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会の逸失につながるリスクがあります。 ④ 気候変動への取り組みによる市場環境の変化 気候変動の取り組みに対する社会の要求が高まり、当社グループのお客様の戦略に影響を与えています。主要なお客様であるエネルギー関連企業では、長期的視点でのエネルギーシフト等環境変化に対する取り組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取り組みに遅れが生じた場合は、ビジネス機会を逃すリスクがあります。(戦略投資に係るもの) 当社グループは、主に新事業・新分野への進出のための戦略的成長投資を重点的に強化しています。技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するためのM&Aやアライアンスを行っていますが、予期せぬ環境変化や取得した資産や機会を十分に活用できずビジネスが迅速に立ち上がらない可能性があります。また、被買収企業との経営、業務、意識等の統合に失敗した場合に、想定した成果をあげられないリスクがあります。 このリスクへの対策として、被買収企業の発掘から投資後の取り組みを効果的に行うためのガイドラインを策定し関係者に周知しています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに向けて、プロジェクト推進体制の強化を図っています。また、それを支える専門人財の確保・育成・活用にも取り組んでいます。(研究開発に係るもの) 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術およびIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。しかし、研究・開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合せずビジネス機会を確保できないリスクがあります。 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、又は想定した成果をあげられないリスク、および競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。(人財の確保・育成に係るもの) 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっていますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営や戦略の遂行に影響を及ぼします。 このようなリスクへの対策として、社員に成長の機会を提供し、活躍しやすい環境を整備することでリスク低減に努めています。また、人事制度・プロセスのグローバル統一化と、それらを効率的に運用するための人事ITシステムの活用を進めています。事業戦略に沿った人財ポートフォリオを定義し、各事業戦略に必要な人財の育成と獲得により人財リソースのグローバルな最適化を図っています。 (人権に係るもの) 当社グループにおいて、ハラスメント、差別、劣悪な労働環境等の人権問題が発生した場合、被害者の心身の不調、訴訟の提起、取引の停止、企業イメージの低下等の影響が考えられます。 当社グループでは「YOKOGAWAグループ人権方針」を定めています。国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながら取り組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取り組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示しています。事業活動、サプライチェーン等で人権に負の影響を与える可能性を特定、防止、軽減し、どのように対処するかについて説明責任を果たすための人権デューデリジェンスを進めています。また、人権侵害を未然に防ぐ手段として、当社グループで働く人全てを対象とする「相談・通報窓口」を設け、人権に関わる通報に対して解決を図る体制を構築しています。(保有資産の価値低下に係るもの) 当社グループが保有している事業資産について、時価下落および収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) オペレーションに関するリスク(コンプライアンスに係わるもの) 当社グループは、様々な法令および社会規範を遵守した事業活動を行う必要がありますが、法令違反や社会を騒がせるような不正行為が発覚した場合、行政罰、訴訟、企業イメージの低下をまねく可能性があります。 当社グループでは、コンプライアンスの基本原則を「YOKOGAWAグループ行動規範」として定めています。また、日常業務のなかで遭遇する問題について遵守すべき事項は、「YOKOGAWAグループコンプライアンスガイドライン」および「贈収賄防止規程」に定めています。また、コンプライアンスに係わる内部通報・相談窓口が設置・運用されています。社員への教育を推進するとともに、代表執行役社長がコンプライアンスファーストを宣言してコンプライアンス経営を強力に推進しています。(製品の品質に係るもの) 当社グループは、長年にわたる技術およびノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品およびサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因してお客様に損害を与えるリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業活動全般に影響が広がり、企業イメージの低下とともに重要なお客様との取引を失う可能性があります。 当社グループでは、「品質第一」を基本精神とし顧客満足を最優先に考えた取り組みを行っています。国際規格に準拠した品質マネジメントシステムを運用し、開発・設計から製造・販売・サービスに至るまでの全プロセスで品質管理を徹底しています。また、社員が「品質第一」の心をもち、グループ共通のルールや考え方のもとで継続的な品質改善を目指した取り組みを行っています。(調達および供給に係るもの) 大規模な自然災害、戦争や地域紛争、鉱物資源の調達不能、重要なサプライヤーの事業中断等に起因するサプライチェーンの混乱により、電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあり、お客様との契約違反や取引の停止に陥る可能性があります。 部品等の調達に係わるリスクに対しては、主要な電子部品等の市況動向を日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めています。(プロジェクトマネジメントに係るもの) 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取り組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、サプライチェーンの混乱により製品の調達や供給が困難となった場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。(知的財産権に係るもの) 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け期待した収益が得られないリスクがあります。また、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え賠償責任を課されるリスクがあります。 当社グループでは、知的財産ポートフォリオに基づいた管理を行っています。発明の創出・権利化、M&A・出資における知的財産デューデリジェンス等、効果的かつ効率的なリスク評価と知的財産の獲得を進めています。ポートフォリオに基づく知的財産活動の強化のために、知的財産管理システムを導入し国内外の外部リソース(特許事務所等)との連携を図っています。また、社員の特許リスク感度の強化を促し他者特許侵害の未然防止を目的とした教育を実施しています。(情報セキュリティに係るもの) 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報および機密情報を入手することがあります。当社グループへのサイバー攻撃、社員の不正行為等によりこれらの情報が流出する、また、それが悪用されるリスクがあります。そのようなリスクの影響として、賠償責任の負担、取引の停止、企業イメージの悪化等が考えられます。 当社グループは、情報セキュリティ推進体制を確立し、情報セキュリティ対策に取り組んでいます。ISO27001の考え方をベースに情報セキュリティ活動を展開し、施策・運用の実施状況を評価して必要な改善を行っています。また、情報セキュリティ担当役員を委員長とし製品を含めた各分野のサイバーセキュリティ担当者で構成される情報セキュリティ委員会を設置しています。グループ内での情報共有や最新動向の把握に努めサイバー攻撃への対応力を高めています。(自然災害に係わるもの) 気候変動により勢力を強めた風水災、大規模地震、大規模な噴火等の自然災害が発生し、当社グループの物的・人的リソースに甚大な被害が生じた場合の事業中断リスクが考えられます。当社グループの重要な機能・業務が停止し復旧が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社では、経営に重大な影響をあたえる危機が発生した場合、代表執行役社長を委員長とする危機管理委員会にて対応を行います。自然災害発災直後の初動対応をガイドラインとして整備し、社員や組織に求められる行動を明確にしています。また、事業継続計画(BCP)の整備を進めており、重要な業務・機能の復旧策や代替策の策定を推進しています。策定したBCPの有効性・実効性を高めるためのBCP訓練を定期的に実施して課題を抽出し、BCPの継続的改善を図っています。(自然や生物多様性に係わるもの) 当社グループの事業活動は、自然からの恵みに依存するとともに自然に少なからず負荷を与えます。当社グループのバリューチェーン全体においては、調達プロセスにおける資源採掘による土地改変、使用プロセスにおける温室効果ガス排出に伴う温暖化や干ばつ等の気候変動、廃棄プロセスにおける水質汚染等により自然や生態系にインパクトを与える可能性があります。 当社グループは、グループ環境方針で生物多様性の課題に取り組むことを定め、自治体やNPO等と連携して保全活動を行っています。また、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言に賛同し、TNFD提言に基づく情報開示を行う意向を表明しました。TNFDが開発したアプローチに沿って自社操業における依存と影響ならびにリスクと機会について分析を行い、自然に対する悪影響やリスクを軽減するための対策を検討しています。 事業等のリスクやサステナビリティ全般に関するリスク管理に関連するもののうち、特に重要な「気候変動への取り組み」、「TCFDへの賛同」、「人権尊重」についての考え方や取り組みは、サステナビリティレポート及びYOKOGAWAレポートにその詳細を掲載しています。サステナビリティレポート: https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/sustainability/report/YOKOGAWAレポート : https://www.yokogawa.co.jp/about/ir/shiryo/annual-ja/
FY2024|6,326 文字
3【事業等のリスク】 当社ではグループにおける効果的なリスク管理を実現するため、リスク管理の統括責任をもつ代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。気候変動を含めた外部環境、戦略、品質、環境、安全衛生、危機管理、企業倫理などのグループの企業価値に影響をあたえる不確実性をリスクと定義し、「外部環境」「戦略」「オペレーション」の観点で分類・管理しています。毎年、グループ各社においてそれぞれのリスクや対策等を洗い出すとともに、経営戦略や経営課題、外部のリスク環境なども踏まえ、リスク管理委員会が重点的に管理すべきリスク(重点管理リスク)を選定しています。その選定にあたっては、リスクの重大度を、影響度及び発生可能性の面から評価しています。影響度の評価では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面での影響も(外部機関を通じて得られた外部環境分析結果を含め)考慮しています。重点管理リスクは経営会議で決定し、取締役会に報告しています。また、内部監査担当部署は、グループのリスク管理プロセスの有効性を評価し、重要な事項は取締役会及び監査役に年に2回報告しています。 なお、リスクの状況により、必要に応じて代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会を開催し対応する体制を採っています。 重点管理リスクについては、対策内容や対策の進捗について四半期ごとに確認するとともに、リスク管理委員会でリスクの状況を評価し、その内容を取締役会に報告しています。また、対策の見直しや改善点の洗い出しを実施し、残余リスクを考慮し、翌年の重点管理リスクの選定に反映させています。 また、個社においては、洗い出したリスクに対して自律的にPDCAサイクルを回し、リスク管理を行っています。 なお、2024年6月18日開催の第148回定時株主総会における定款一部変更の承認をもって、指名委員会等設置会社に移行したことに伴い、リスク管理委員会は代表執行役社長の諮問機関へ変更する予定です。変更以降は、重点管理リスクの決定はリスク管理員会で審議のうえ決定し、取締役会へ報告します。また、リスク管理委員会で評価した重点管理リスクの状況等も引き続き、取締役会へ報告していく予定です。 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しています。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 外部環境に関するリスク(社会情勢等に係るもの) 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があるとともに、業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・各国の政治的または経済的要因 ・租税や通商制限の影響 ・各国の商慣習の違い ・自然災害(地震、火災、洪水・津波等)、感染症、ストライキ、その他の要因による 社会的混乱 ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃 ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正 ・地政学(戦争、暴動、テロ、主要国間の対立等)による各国の経済制裁措置 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避・影響の低減に努めています。 (為替・金利・株価変動に係るもの) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業上の取引や事業活動におけるコストとして多数の通貨を使用しています。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っていますが、急激または大幅に変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有する資産及び負債にかかる金利の変動は利息の増減や資産等の価値に影響を与えるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有している株式等は価格が変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 戦略に関するリスク(市場・競合環境に係るもの) ① コスト競争力 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービス及び販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② デジタル技術の利活用による競争力優位性の確立 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっており、これにビジネスとして応え、競争力優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動への取り組みによる市場環境の変化 気候変動への取組みに対する社会の要求が増大しており、当社グループのお客様の戦略にも影響を与える可能性があります。主要なお客様であるエネルギー関連における長期的視点でのエネルギーシフト等、お客様は環境変化に対する取り組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失や企業価値低下につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(戦略投資に係るもの) 当社グループは、主に新事業・新分野への進出に対する戦略的成長投資を重点的に強化し、必要に応じてM&Aやアライアンスの可能性を検討しながら、技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するための投資を行っています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに万全の体制で臨んでいます。また、それを支える人財の育成・活用にも取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ環境変化等によって想定した成果があがらないリスクがあります。また、取得した資産や機会を十分に活用できない場合も含め投資後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果をあげられないリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(研究開発に係るもの) 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取組みを強化しています。しかし、研究・開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しないリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果をあげられないリスク、及び競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(人財の確保・育成に係るもの) 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっています。当社グループではグローバルに人財採用、採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(人権に係るもの) 当社グループは、人権尊重についてその方針を定めるとともに国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながらその取組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示し、国際的に求められている人権を支持して人権尊重に取り組んでいますが、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(保有資産の価値低下に係るもの) 当社グループが保有している事業資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) オペレーションに関するリスク(製品の品質・供給に係るもの) 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因して損害が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 また、主要な電子部品等の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めるなど、リスクの低減に取り組んでいますが、外部環境変化に起因するサプライチェーンの混乱により電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあります。このような場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(プロジェクトマネジメントに係るもの) 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、サプライチェーンの混乱により製品の調達や供給が困難となった場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(知的財産権に係るもの) 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(情報セキュリティに係るもの) 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育、システムのセキュリティ対策を展開していますが、予期せぬ事態(サイバー攻撃を含む)により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 事業等のリスクやサステナビリティ全般に関するリスク管理に関連するもののうち、特に重要な「気候変動への取り組み」、「TCFDへの賛同」、「人権尊重」についての考え方や取り組みは、サステナビリティレポート及びYOKOGAWAレポートにその詳細を掲載しています。サステナビリティレポート: https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/sustainability/report/YOKOGAWAレポート : https://www.yokogawa.co.jp/about/ir/shiryo/annual-ja/
FY2023|9,645 文字
3【事業等のリスク】 当社ではグループにおける効果的なリスク管理を実現するため、リスク管理の統括責任をもつ代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。気候変動を含めた外部環境、戦略、品質、環境、安全衛生、危機管理、企業倫理などのグループの企業価値に影響をあたえる不確実性をリスクと定義し、「外部環境」「戦略」「オペレーション」の観点で分類・管理しています。毎年、グループ各社においてそれぞれのリスクや対策等を洗い出すとともに、経営戦略や経営課題、外部のリスク環境なども踏まえ、リスク管理委員会が重点的に管理すべきリスク(重点管理リスク)を選定しています。その選定にあたっては、リスクの重大度を、影響度及び発生可能性の面から評価しています。影響度の評価では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面での影響も(外部機関を通じて得られた外部環境分析結果を含め)考慮しています。重点管理リスクは経営会議で決定し、取締役会に報告しています。また、内部監査担当部署は、グループのリスク管理プロセスの有効性を評価し、重要な事項は取締役会及び監査役に年に2回報告しています。 なお、リスクが顕在化し、グループの経営に重大な影響を及ぼすおそれがある危機が発生した際には、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会にて対応にあたります。 重点管理リスクについては、対策内容や対策の進捗について四半期ごとに確認し、リスク管理委員会でリスクの状況を評価するとともに、経営会議・取締役会に報告しています。また、対策の見直しや改善点の洗い出しを実施し、翌年の重点管理リスクの選定に反映させています。 また、個社においては、洗い出したリスクに対して自律的にPDCAサイクルを回し、リスク管理を行っています。 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しています。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 外部環境に関するリスク(社会情勢等に係るもの) 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があるとともに、業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・各国の政治的または経済的要因 ・租税や通商制限の影響 ・各国の商慣習の違い ・自然災害(地震、火災、洪水・津波等)、戦争、暴動、テロ、感染症、ストライキ、その他の要因による 社会的混乱 ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃 ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避・影響の低減に努めています。 COVID-19の世界的な流行に対しては、局所的なロックダウンなどによるサプライチェーン混乱など経済活動への影響を把握するとともに、オフィスワークとテレワークを組み合わせた柔軟な働き方への移行など、「ウィズコロナ」への対応を進めています。 また、ロシア・ウクライナ情勢に対しては、エネルギー需給のひっ迫、資源・原材料価格高騰などが継続しており、危機管理委員会において引き続き情報共有を行うとともに方針や諸施策について検討し、対応しています。 当社グループの次期(2024年3月期)の業績は、世界経済が全体として低成長となることが見込まれていることや、COVID-19後に再開された大口受注案件に一巡感がでていること、また、素材産業における投資が減速する見込みであることなどにより、受注高については減少が予想されます。売上高及び営業利益は、半導体等を含む生産部品及びプロジェクト調達品の調達難が継続していることから、限定的な伸長と予想されます。これに伴い、経常利益は微増と予想されるものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益等により増益となる予想です。 世界は脱炭素社会の実現に向けたエネルギー・トランジション等、社会課題解決に向けたニーズの高まりや、デジタル技術の革新などにより劇的に変化しており、当社グループはこのような事業環境の変化を機会ととらえ、成長に向けた社会共通課題解決を軸とした事業構造を確立し、社会や環境への貢献を拡大しながら成長を目指します。(為替・金利・株価変動に係るもの) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業上の取引や事業活動におけるコストとして多数の通貨を使用しています。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っていますが、急激または大幅に変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有する資産及び負債にかかる金利の変動は利息の増減や資産等の価値に影響を与えるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有している株式等は価格が変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 戦略に関するリスク(市場・競合環境に係るもの) ① コスト競争力 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービス及び販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② デジタル技術の利活用による競争力優位性の確立 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっており、これにビジネスとして応え、競争力優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動への取り組みによる市場環境の変化 気候変動への取組みに対する社会の要求が増大しており、当社グループのお客様の戦略にも影響を与える可能性があります。主要なお客様であるエネルギー関連における長期的視点でのエネルギーシフト等、お客様は環境変化に対する取り組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失や企業価値低下につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (※後述する気候変動及びTCFDに関する取り組みについてもご参照ください)(戦略投資に係るもの) 当社グループは、主に新事業・新分野への進出に対する戦略的成長投資を重点的に強化し、必要に応じてM&Aやアライアンスの可能性を検討しながら、技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するための投資を行っています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに万全の体制で臨んでいます。また、それを支える人財の育成・活用にも取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ環境変化等によって想定した成果があがらないリスクがあります。また、取得した資産や機会を十分に活用できない場合も含め投資後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果をあげられないリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(研究開発に係るもの) 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取組みを強化しています。しかし、研究・開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しないリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果をあげられないリスク、及び競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(人財の確保・育成に係るもの) 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっています。当社グループではグローバルに人財採用、採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(人権に係るもの) 当社グループは、人権尊重についてその方針を定めるとともに国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながらその取組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示し、国際的に求められている人権を支持して人権尊重に取り組んでいますが、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (保有資産の価値低下に係るもの) 当社グループが保有している事業資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) オペレーションに関するリスク(製品の品質・供給に係るもの) 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因して損害が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 また、主要な電子部品等の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めるなど、リスクの低減に取り組んでいますが、外部環境変化に起因するサプライチェーンの混乱により電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあります。このような場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(プロジェクトマネジメントに係るもの) 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、サプライチェーンの混乱により製品の調達や供給が困難となった場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(知的財産権に係るもの) 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(情報セキュリティに係るもの) 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 上記、事業等のリスクやサステナビリティ全般に関するリスク管理に関連するもののうち、特に重要な「気候変動への取り組み」、「TCFDへの賛同」、「人権尊重」についての考え方や取り組みは以下のとおりです。 [気候変動への取り組み] 当社グループは、世界の温室効果ガス(GHG)排出量に大きな影響を与える、エネルギー、化学をはじめとする製造業をお客様として事業をしており、気候変動はリスク・機会の両面から事業活動に大きな影響を与えます。当社グループの売上の多くを占めているエネルギー関連企業のお客様は、再生可能エネルギー企業へのシフトをさらに加速しており、低炭素向け投資も拡大しています。こういった市場の変化を踏まえ、2021年度に長期経営構想を見直し、中期経営計画「Accelerate Growth 2023(以下、AG2023)」を策定しました。 長期経営構想においては、10年後におけるお客様への提供価値のため、System of Systems(SoS)に着目し、IA2IAとSmart Manufacturingの取り組みを進めています。IA2IAでは、プラントのオペレーションを自動化から自律化へと進化させ、Smart Manufacturingでは、生産現場からサプライチェーンへとスコープを広げ、バリューチェーンを通じたシステムのつながりを広げていくことで、革新的に生産性を向上させていきます。 制御事業の3つの業種別サブセグメントごとの状況については、「エネルギー&サステナビリティ」では、再生可能エネルギー業種に注力しています。蓄電池を含む複雑なエネルギーサプライチェーンにおけるエネルギー最適管理ソリューションビジネスを確立していきます。「マテリアル」では高機能化学市場におけるソリューションを拡大しています。カーボンニュートラルと循環型経済の動きが加速する中、モビリティ市場におけるCO2削減を背景にEV向け2次電池など新素材のニーズに応えていきます。カーボンマネジメントソリューションにより、温室効果ガス排出量を経営課題とするお客様と一緒に、脱炭素化に取り組みます。「ライフ」では、気候変動の適応に貢献する医薬・食品業種の生産性向上に関するビジネス拡大、水ビジネスでは広域排水管理や海水淡水化の海外展開、さらに再生水の飲用利用に向けた実証実験など新たな価値創出に取り組んでいきます。 AG2023では、3つの業種別セグメントにおける事業の注力分野でSDGsへの貢献を拡大するためのサステナビリティ目標を設定しています。気候変動の課題に関しても複数の目標を設定しており、重点的に取り組んでいきます。 [TCFDへの賛同] 気候変動の課題に積極的に向き合い将来に備えていくという意思のもと、金融安定理事会(FSB)が気候変動に関する財務情報の開示を推進するために設立した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」(以下、TCFD)による提言の支持を表明しました(2019年2月)。 [人権尊重]当社グループのすべての事業活動は人権の尊重を前提に成り立っており、私たちは、事業を展開する世界各国・地域でのさまざまな人権課題について理解を深め、その解決に積極的に関与することで、人々の尊厳が守られ、敬意が払われるように力を尽くさなくてはなりません。その責務を果たすための指針として、「YOKOGAWAグループ人権方針」を策定し、次の内容について定めています。1. 人権に関連した法令の遵守と国際行動規範の尊重2. 人権デューディリジェンスの実施3. YOKOGAWAグループの人権の重点課題4. コミュニケーションとエンゲージメント・人権尊重のための体制「YOKOGAWAグループ人権方針」は、取締役会の承認により定められています。代表取締役社長を当社グループの人権に関わる最高責任者とした社内体制を整備し、継続的な取り組みを実施しています。人権に関係する部門から担当者を選出した人権実務者会議が具体的な人権に関する取り組みを進めています。・人権デューディリジェンス当社グループは、事業活動、サプライチェーンおよびその他のビジネス上、人権に負の影響を与える可能性を特定、防止、軽減し、どのように対処するかについて責任を果たすための人権デューディリジェンスを進めています。労働安全衛生、労務管理、購買・販売管理についてはそれぞれグループ全体を対象とする内部統制システムを構築しており、リスクの低減や発見された問題の是正を行っています。-人権に関する通報・相談窓口と救済措置 当社グループが直接的に引き起こしている人権侵害、および間接的に関与している可能性のある人権侵害を早期発見し是正するため、YOKOGAWAグループで働く人すべてを対象とする、相談・通報窓口を社内に設置するとともに、サプライヤー向けのヘルプラインを設けています。また、お客様やお取引先様、地域社会など、外部のステークホルダーからの人権侵害に関わる通報・相談については、ホームページのお問い合わせで受け付けています。匿名での通報・相談も可能としており、通報者のプライバシーの保護、通報者への報復行為や不利益な取り扱いの禁止を定めています。 各ステークホルダーから寄せられた人権侵害事象については、企業倫理・人事・調達・法務部門等が連携して調査し、助言・啓発など適切な救済措置を講じ、再発防止に取り組みます。 -人権リスク評価人権リスク評価は、企業の方針、事業活動の内容、内部統制システムの運用状況の確認に加え、関係者へのヒアリングにより、取り組みの優先度の高い人権課題を特定するものです。優先度は、事業活動や取引関係を通じて悪影響を及ぼすリスクの重要度と、リスクへの影響力の2つの観点から評価します。リスク評価の結果、環境・社会への影響、強制労働・奴隷労働(従業員)、労働安全衛生(従業員)、公平なビジネス慣行、製品・サービスに関する品質と安全性、労働環境(従業員)の6項目が取り組みの優先度の高い人権リスクと評価されました。優先度の高い人権リスクについては、国や地域の特性も踏まえてさらなるリスクの低減に取り組み、問題の可能性が発見された場合には適切な対応を図っていきます。 当社グループは2022年度、自社のグローバルエンジニアリング拠点33か所に対して、「強制労働・奴隷労働」「労働安全衛生」「労働環境」などに関するSAQ(Self-assessment questionnaire)を実施しました。対策を講じるべきリスクの高い拠点はなかったものの、人権侵害のリスク低減に向けてコミュニケーションを継続していきます。またサプライチェーンにおける人権侵害リスクを低減するため、お取引先様の事業所へ環境保全や人権に関するSAQを送付し、その回答を評価しました。高リスク(SAQスコアが50%未満)の事業所16か所へは、改善に向けたコミュニケーションを行います。 当社グループのTCFDへの対応のガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標については、サステナビリティレポート及びYOKOGAWAレポートにその詳細を掲載しています。サステナビリティレポート: https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/sustainability/report/YOKOGAWAレポート : https://www.yokogawa.co.jp/about/ir/shiryo/annual-ja/
FY2022|8,214 文字
2【事業等のリスク】 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 事業展開に関するリスク(外部環境変化に係るもの) 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があるとともに、業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・各国の政治的または経済的要因 ・租税や通商制限の影響 ・各国の商慣習の違い ・自然災害(地震、火災、洪水・津波等)、戦争、暴動、テロ、感染症、ストライキ、その他の要因による 社会的混乱 ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃 ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避・影響の低減に努めています。 現在顕在化しているリスクとして、COVID-19の世界的な流行やロシア・ウクライナ情勢に対しては、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会において、情報共有を行うとともに方針や諸施策について検討し、対応しています。 COVID-19感染拡大による事業への影響はワクチン接種の進行に伴い徐々に低下傾向にあり市場全体は回復傾向にあるものの、引き続き局所的なロックダウンなどによるサプライチェーン混乱など経済活動への影響が懸念されます。さらにロシア・ウクライナ情勢の深刻化により、エネルギー需給のひっ迫、資源・原材料価格高騰などが顕在化しており、これらが今後の国際情勢及び世界経済の不透明感を増しています。 当社グループの次期(2023年3月期)の業績は、COVID-19の影響により停滞していた経済活動回復の本格化を背景に、主要なお客様・業種・地域において経済成長や産業の高度化を背景とした需要増が見込まれ、受注高及び売上高の伸長が予想される一方で、ロシア・ウクライナ情勢を受けたロシア事業の大幅縮小による受注高及び売上高の減少も予想されます。今後、ロシア産エネルギーの代替供給やエネルギー安全保障を見据えた動きが進むと考えられ、受注高については一定程度のリカバリーが実現できると予想していますが、これらの案件が具体的な事業機会として実現するまでには時間を要するものも多いと考えており、次期の売上高のリカバリーは限定的になると予想しています。これらの影響も考慮したうえで、当社グループの次期の受注高及び売上高は伸長する予想です。営業利益は、部品価格や物流費高騰の影響が想定されるものの、主に増収により対前年で増益となる予想であり、これに伴い、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ増益となる予想です。 世界は脱炭素社会の実現に向けたエネルギー・トランジション等、社会課題解決に向けたニーズの高まりや、デジタル技術の革新、COVID-19感染拡大によるパラダイムシフトなどにより劇的に変化しており、当社グループはこのような事業環境の変化を機会ととらえ、成長に向けた社会共通課題解決を軸とした事業構造を確立し、社会や環境への貢献を拡大しながら成長を目指します。 (市場・競合環境に係るもの) ① コスト競争力 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービス及び販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② デジタル技術の利活用による競争力優位性の確立 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっており、これにビジネスとして応え、競争力優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動への取り組みによる市場環境の変化 気候変動への取組みに対する社会の要求が増大しており、当社グループのお客様の戦略にも影響を与える可能性があります。主要なお客様であるエネルギー関連における長期的視点でのエネルギーシフト等、お客様は環境変化に対する取り組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失や企業価値低下につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (※後述する気候変動及びTCFDに関する取り組みについてもご参照ください)(戦略投資に係るもの) 当社グループは、主に新事業・新分野への進出に対する戦略的成長投資を重点的に強化し、必要に応じてM&Aやアライアンスの可能性を検討しながら、技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するための投資を行っています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに万全の体制で臨んでいます。また、それを支える人財の育成・活用にも取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ環境変化等によって想定した成果があがらないリスクがあります。また、取得した資産や機会を十分に活用できない場合も含め投資後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果をあげられないリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(研究開発に係るもの) 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取組みを強化しています。しかし、研究・開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しないリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果をあげられないリスク、及び競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(製品の品質・供給に係るもの) 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因して損害が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 また、主要な電子部品等の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めるなど、リスクの低減に取り組んでいますが、外部環境変化に起因するサプライチェーンの混乱により電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあります。このような場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(プロジェクトマネジメントに係るもの) 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、サプライチェーンの混乱により製品の調達や供給が困難となった場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(2) 経営全般に関するリスク(人財の確保・育成に係るもの) 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっています。当社グループではグローバルに人財採用、採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(人権に係るもの) 当社グループは、人権尊重についてその方針を定めるとともに国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながらその取組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示し、国際的に求められている人権を支持して人権尊重に取り組んでいますが、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(知的財産権に係るもの) 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(情報セキュリティに係るもの) 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(3) 金融その他に関するリスク(為替・金利・株価変動に係るもの) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業上の取引や事業活動におけるコストとして多数の通貨を使用しています。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っていますが、急激または大幅に変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有する資産及び負債にかかる金利の変動は利息の増減や資産等の価値に影響を与えるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有している株式等は価格が変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(保有資産の価値低下に係るもの) 当社グループが保有している事業資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 グループにおける効果的なリスク管理を実現するため、リスク管理の統括責任をもつ代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。内部監査担当部署は、グループのリスク管理プロセスの有効性を評価し、重要な事項は取締役会及び監査役に年に2回報告しています。 なお、リスクが顕在化し、グループの経営に重大な影響を及ぼすおそれがある危機が発生した際には、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会にて対応にあたります。 気候変動を含めた外部環境、戦略、品質、環境、安全衛生、危機管理、企業倫理などのグループの企業価値に影響をあたえる不確実性をリスクと定義し、「事業機会」と「コンプライアンス・危機事象」の観点で分類・管理しています。毎年、グループ各社においてそれぞれのリスクや対策等を洗い出すとともに、経営戦略や経営課題、外部のリスク環境なども踏まえ、リスク管理委員会が重点的に管理すべきリスク(重点管理リスク)を選定しています。その選定にあたっては、「事業機会」と「コンプライアンス・危機事象」の重大度を、影響度及び発生可能性の面から評価しています。影響度の評価では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面での影響も(外部機関を通じて得られた外部環境分析結果を含め)考慮しています。重点管理リスクは経営会議で決定し、取締役会に報告しています。 重点管理リスクに対する対策内容や対策の進捗、リスクの状況については四半期ごとにリスク管理委員会で確認し、経営会議・取締役会に報告するとともに、翌年の重点管理リスクの選定に反映させています。 個社においては、洗い出したリスクに対して自律的にPDCAサイクルを回し、リスク管理を行っています。 [気候変動への取り組み] 当社グループは、世界の温室効果ガス(GHG)排出量に大きな影響を与える、エネルギー、化学をはじめとする製造業をお客様として事業をしており、気候変動はリスク・機会の両面から事業活動に大きな影響を与えます。当社グループの売上の多くを占めているエネルギー関連企業のお客様は、再生可能エネルギー企業へのシフトをさらに加速しており、低炭素向け投資も拡大しています。こういった市場の変化を踏まえ、2021年度に長期経営構想を見直し、中期経営計画「Accelerate Growth 2023(以下、AG2023)」を策定しました。 長期経営構想においては、10年後におけるお客様への提供価値のため、System of Systems(SoS)に着目し、IA2IAとSmart Manufacturingの取り組みを進めています。IA2IAでは、プラントのオペレーションを自動化から自律化へと進化させ、Smart Manufacturingでは、生産現場からサプライチェーンへとスコープを広げ、バリューチェーンを通じたシステムのつながりを広げていくことで、革新的に生産性を向上させていきます。 制御事業の3つの業種別セグメントごとの状況については、「エネルギー&サステナビリティ」では、風力発電向けの計測器を始めとする再生可能エネルギー向けの事業が拡大しています。今後、蓄電池や水素などのエネルギーストレージの活用を含む複雑なサプライチェーンにおいては、安定的・効率的にエネルギーを供給するニーズが高まると予測しており、エネルギーマネジメントの事業にも注力していきます。「マテリアル」は、これまで培ってきた高機能化学分野での経験をもとに、バイオケミカル産業やプラスチックなどのリサイクル事業の効率化を支援し、またバイオマス原料の普及によるCO2削減に取り組んでいきます。「ライフ」は、気候変動の影響を受ける医薬、食品、水の領域でさらに事業を拡大していきます。 AG2023では、3つの業種別セグメントにおける事業の注力分野でSDGsへの貢献を拡大するためのサステナビリティ目標を新たに設定しています。気候変動の課題に関しても複数の目標を設定しており、重点的に取り組んでいきます。 [TCFD提言に沿った情報開示] 気候変動の課題に積極的に向き合い将来に備えていくという意思のもと、金融安定理事会(FSB)が気候変動に関する財務情報の開示を推進するために設立した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」(以下、TCFD)による提言の支持を表明しました(2019年2月)。TCFDの提言を踏まえ、当社グループは気候変動に関するリスク分析と財務インパクトの評価を次の表のように進め、経営戦略に反映させ、情報開示を進めています。 当社グループのTCFDへの対応のガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標については、サステナビリティレポート及びYOKOGAWAレポートにその詳細を掲載しています。サステナビリティレポート: https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/sustainability/report/YOKOGAWAレポート : https://www.yokogawa.co.jp/about/ir/shiryo/annual-ja/
FY2021|6,243 文字
2【事業等のリスク】 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 事業展開に関するリスク(外部環境変化に係るもの) 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があるとともに、業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・各国の政治的または経済的要因 ・租税や通商制限の影響 ・各国の商慣習の違い ・自然災害(地震、火災、洪水・津波等)、戦争、暴動、テロ、感染症、ストライキ、その他の要因による 社会的混乱 ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃 ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避・影響の低減に努めています。 現在顕在化しているリスクとして、COVID-19の世界的な流行に対しては、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会において、情報共有を行うとともに方針や諸施策について検討し、対応しています。 世界経済は、ワクチン実用化によるCOVID-19感染拡大の鈍化に伴い、今後徐々に回復傾向に向かうと予想していますが、足元での変異株拡大もありそのタイミングは依然として不透明な状況にあります。経済活動の再開や燃料需要の増加によりお客様の投資意欲に一定程度の回復の兆しが見えると見込む一方、当面、設備投資案件の減少に伴う競合他社との激しい価格競争が継続するとも想定しています。当社グループの主力の制御事業では、お客様の既設設備の安全・安定操業や生産性向上に向けたOPEX(Operating Expenditure)ビジネスを拡大しており、新設投資への依存度は決して高くありませんが、COVID-19感染拡大による「エネルギー需要減によるお客様の投資意欲の大幅な減退」「移動制限によるプロジェクトの進捗遅延」などの影響を受けた2020年度の受注高の大幅な減少により、当社グループの業績回復には時間がかかるものと予想しています。当社グループを取り巻く事業環境は、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー・トランジション等、社会課題解決に向けたニーズの高まりや、デジタル技術の革新、COVID-19感染拡大によるパラダイムシフトなどの影響を受けて劇的に変化しています。当社グループはこのような事業環境の変化を機会ととらえ、成長に向けた社会課題解決を軸とした事業構造を確立し、社会や環境への貢献を拡大しながら成長を目指します。 (市場・競合環境に係るもの) ① コスト競争力 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービス及び販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② デジタル技術の利活用による競争力優位性の確立 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっており、これにビジネスとして応え、競争力優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動への取組みによる市場環境の変化 気候変動への取組みに対する社会の要求が増大しており、当社グループのお客様の戦略にも影響を与える可能性があります。主要なお客様であるエネルギー関連では、長期的視点でエネルギーシフト等、環境変化に対する取組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失や企業価値低下につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (戦略投資に係るもの) 当社グループは、主に新事業・新分野への進出に対する戦略的成長投資を重点的に強化し、必要に応じてM&Aやアライアンスの可能性を検討しながら、技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するための投資を行っています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに万全の体制で臨んでいます。また、それを支える人財の育成・活用にも取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ環境変化等によって想定した成果があがらないリスクがあります。また、取得した資産や機会を十分に活用できない場合も含め投資後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果をあげられないリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (研究開発に係るもの) 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取組みを強化しています。しかし、研究・開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しないリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果をあげられないリスク、及び競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (製品の品質・供給に係るもの) 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因して損害が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 また、主要な電子部品等の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めるなど、リスクの低減に取り組んでいますが、外部環境変化に起因するサプライチェーンの混乱により電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあります。このような場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (プロジェクトマネジメントに係るもの) 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 経営全般に関するリスク(人財の確保・育成に係るもの) 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっています。当社グループではグローバルに人財採用、採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (人権に係るもの) 当社グループは、人権尊重についてその方針を定めるとともに国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながらその取組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示し、国際的に求められている人権を支持して人権尊重に取り組んでいますが、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (知的財産権に係るもの) 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (情報セキュリティに係るもの) 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融その他に関するリスク(為替・金利・株価変動に係るもの) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業上の取引や事業活動におけるコストとして多数の通貨を使用しています。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っていますが、急激または大幅に変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有する資産及び負債にかかる金利の変動は利息の増減や資産等の価値に影響を与えるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有している株式等は価格が変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (保有資産の価値低下に係るもの) 当社グループが保有している事業資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 グループにおける効果的なリスク管理を実現するため、リスク管理の統括責任をもつ代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。内部監査担当部署は、グループのリスク管理プロセスの有効性を評価し、重要な事項は取締役会および監査役に年に2回報告しています。 気候変動を含めた外部環境、戦略、品質、環境、安全衛生、危機管理、企業倫理などのグループの企業価値に影響をあたえる不確実性をリスクと定義し、「事業機会」と「コンプライアンス・危機事象」の観点で分類・管理しています。毎年、グループ各社においてそれぞれのリスクや対策等を洗い出し、そのなかからリスク管理委員会が重点的に管理すべきリスクを選定しています。その選定にあたっては、「事業機会」と「コンプライアンス・危機事象」の重大度を、影響度および発生可能性の面から評価しています。影響度の評価では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面での影響も(外部機関を通じて得られた外部環境分析結果を含め)考慮しています。対策内容やその進捗については、リスク管理委員会が定期的に確認し、翌年の重点的に管理すべきリスクの選定に反映させています。
FY2020|6,257 文字
2【事業等のリスク】 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 事業展開に関するリスク(外部環境変化に係るもの) 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があるとともに、業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・各国の政治的または経済的要因 ・租税や通商制限の影響 ・各国の商慣習の違い ・自然災害(地震、火災、洪水・津波等)、戦争、暴動、テロ、感染症、ストライキ、その他の要因による 社会的混乱 ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃 ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避・影響の低減に努めています。 現在顕在化しているリスクとして、COVID-19が世界的に拡大しており、世界経済の見通しは一段と不透明となっています。また、経済停滞による燃料需要の大幅な減少により、一定の期間、原油価格は低水準で推移するものと見込まれています。これに伴い、オイル、ガスなどエネルギー関連の業種を中心に2020年度の設備投資計画の大幅な見直しが行われており、エネルギー関連以外の業種においても、経済停滞による需要減により、お客様の設備投資意欲は大幅に減退することが見込まれるとともに、設備投資案件の減少に伴う競合他社との価格競争がさらに激化することなどが想定されます。 当社主力の制御事業では、お客様の既設設備の安全・安定操業や生産性向上に向けたOPEX(Operating Expenditure)ビジネスを拡大しており、新設投資への依存度は決して高くありません。しかしながら、COVID-19感染拡大による経済活動の大幅な制限や、それに伴うエネルギー資源需要の減少と価格下落が生じており、そうした状況が長期化した場合には、大きな影響を受けることが予想され、当社グループの2020年度の受注高及び売上高へのリスクが顕在化しつつあります。事業環境が刻々と変化する中で、お客様や世の中の動向を踏まえ、また、COVID-19収束後の社会を見据えながら、2020年度は、最終年度となる中期経営計画「Transformation(トランスフォーメーション)2020(略称:TF2020)」を含めたグループ全体の戦略に対する優先順位を明確にしてアクションプランを迅速に実行していきます。 (市場・競合環境に係るもの) ① コスト競争力 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービス及び販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② デジタル技術の利活用による競争力優位性の確立 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっており、これにビジネスとして応え、競争力優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様企業を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動への取組みによる市場環境の変化 気候変動への取組みに対する社会の要求が増大しており、当社グループのお客様の戦略にも影響を与える可能性があります。主要なお客様であるエネルギー関連では、長期的視点でエネルギーシフト等、環境変化に対する取組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失や企業価値低下につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (戦略投資に係るもの) 当社グループは、主に既存事業の変革、新事業とビジネスモデル変革への挑戦及びデジタルトランスフォーメーションに対する戦略的成長投資を強化し、必要に応じてM&Aやアライアンスの可能性を検討しながら、技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するための投資を行っています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに万全の体制で臨んでいます。また、それを支える人財の育成・活用にも取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ環境変化等によって想定した成果があがらないリスクがあります。また、取得した資産や機会を十分に活用できない場合も含め投資後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果をあげられないリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (研究開発に係るもの) 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取組みを強化しています。しかし、開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しないリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果をあげられないリスク、及び競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (製品の品質・供給に係るもの) 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因して損害が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 また、主要な電子部品等の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めるなど、リスクの低減に取り組んでいますが、外部環境変化に起因するサプライチェーンの混乱により電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあります。このような場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (プロジェクトマネジメントに係るもの) 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 経営全般に関するリスク(人財の確保・育成に係るもの) 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっています。当社グループではグローバルに人財採用、採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (人権に係るもの) 当社グループは、人権尊重についてその方針を定めるとともに国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながらその取組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示し、国際的に求められている人権を支持して人権尊重に取り組んでいますが、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (知的財産権に係るもの) 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課されるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (情報セキュリティに係るもの) 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融その他に関するリスク(為替・金利・株価変動に係るもの) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業上の取引や事業活動におけるコストとして多数の通貨を使用しています。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っていますが、急激または大幅に変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有する資産及び負債にかかる金利の変動は利息の増減や資産等の価値に影響を与えるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが保有している株式等は価格が変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (保有資産の価値低下に係るもの) 当社グループが保有している事業資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 グループにおける効果的なリスク管理を実現するため、リスク管理の統括責任をもつ代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。内部監査担当部署は、グループのリスク管理プロセスの有効性を評価し、重要な事項は取締役会および監査役に年に2回報告しています。 気候変動を含めた外部環境、戦略、品質、環境、安全衛生、労務、危機管理、企業倫理などのグループの企業価値に影響をあたえる不確実性をリスクと定義し、「事業機会」と「コンプライアンス・危機事象」の観点で分類・管理しています。毎年、グループ各社においてそれぞれのリスクや対策等を洗い出し、そのなかからリスク管理員会が重点的に管理すべきリスクを選定しています。その選定にあたっては、「事業機会」と「コンプライアンス・危機事象」の重大度を、影響度および発生可能性の面から評価しています。影響度の評価では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面での影響も(外部機関を通じて得られた外部環境分析結果を含め)考慮しています。対策内容やその進捗については、リスク管理委員会が定期的に活動の進捗を確認しています。年に1度評価・改善を行い、次回の重点的に管理すべきリスクの選定に反映させています。
FY2019|3,881 文字
2【事業等のリスク】 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 事業環境について① 外部環境変化による影響について 当社グループの活動範囲は世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。 ・各国の政治的または経済的要因 ・為替変動・金利変動 ・租税や通商制限など公的規制の影響 ・各国毎の商慣習の違い ・戦争、暴動、テロ、伝染病、新型感染症、ストライキ、その他の要因による社会的混乱 ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃 ・地震、津波、台風等の自然災害の影響 ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を受ける可能性があるとともに、当社グループの開発活動及び生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 ② 保有資産の価格変動 当社グループが保有している株式等の価格が変動した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有している固定資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業活動について① 制御事業 主力事業である制御事業の市場は、資源国・新興国におけるエネルギー開発や需要の増加を背景に、主に海外市場で中長期的に成長が見込まれるため、同事業へのリソースの集中を推進し、グローバル市場でのシェア向上による収益の拡大に向け、M&Aやアライアンスを活用しつつ、研究開発、生産、販売、エンジニアリング、サービスの体制の強化を図っています。 その中、新設や近代化など一定規模以上のプロジェクト案件での競争はいっそう激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が非常に高まっています。 当社グループは競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資を継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しない可能性があります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果が出ない可能性、及び競合他社に技術開発を先行されてしまう可能性があります。更には製品及び販管費含めたコスト削減においても市場の要求するコスト低減要求に効果的に対応できない可能性があります。このような場合は、当社グループの業績と財政に影響を及ぼす可能性があります。 一方、AI等で代表されるデジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクルを含めた生産性向上に対しての要求が大きくなっており、当社グループとしてこれに対してビジネスとして応えていく必要があります。この分野では、競合各社に加えてITや重電などの異業種からの企業が事業活動を活発化させており、競争相手とのコスト力、予期せぬ新技術に追随できない可能性があります。 また制御事業に集中する中で、予期せぬ事態により、主要製品が計画通りに部品調達や生産等が行えず、供給に遅延や停止が発生する可能性があります。 このような場合は当社グループの業績と財政に影響を及ぼす可能性があります。 ② 戦略投資 当社グループは、制御事業に集中する中で、将来的な新規ビジネス事業への投資を続けております。様々なM&A・アライアンスの実施をはじめ、医薬と食品産業の広範なバリューチェーンにおける生産性向上を実現するライフイノベーション事業での積極的な投資と、機器とエンジニアリングのモノ売りからの進化を目指したコンサルタンティングとシミュレーションによる高度な付加価値サービス、MES(*)などに代表されるソリューション及びそれらのサービス拡充を目指した投資を続けています。またM&A後の迅速なビジネス立上げにも万全の体制で臨んでいますが、予期せぬ環境変化等によって予定通りの成果があげられない場合、更にはM&A後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果が得られない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (*)MES:Manufacturing Execution Systemの略で、製造実行システム:製造工程の可視化、管理、作業者への支援や指示を行う情報システム ③ 人財の確保・育成 当社グループの成長の源泉は、有能な人財によって支えられています。特に、計測・制御・情報の分野での最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者の重要性が高まっており、また制御事業では、ソリューション提案能力を持つ人財や、海外市場におけるプロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財の重要性が高まっています。当社グループでは国内及び各国での人財採用を続けていますが、必要人財の確保が進まないリスクがあります。更に採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において人財確保不足や計画通りの育成が達成できない可能性があります。 これらの課題に対応できない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 製品の品質 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生し、また、その欠陥に起因して損害が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 研究開発活動 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGs(*)に代表されるサステナビリティの各種開発目標達成に向けての取り組みを強化しています。しかし、開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しなかった場合は当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (*)SDGs:Sustainable Development Goalsの略で、我々の世界を変革する持続可能な開発のための2030アジェンダで示される17のグローバル目標と169の達成基準からなる国連の開発目標 (3) その他① 知的財産権 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課せられるリスクがあり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報セキュリティ 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出や悪用された場合には、賠償責任を課せられるリスクや企業イメージを急激に低下させるリスク等があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 自然災害等の社会的混乱による重要製品の生産停止 地震、火災、洪水・津波等の災害や戦争、テロ行為、サイバー攻撃等の発生、またはこれらに起因するサプライチェーンの混乱による電子部品等の調達困難による重要製品の製造困難となった場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。 ④ SDGsのインパクトを受けた市場環境の変化 SDGsを含めた社会・環境側面に対する世間の要求が増大しており、当社グループの顧客の戦略にも影響を与えています。当社グループはサステナビリティの各種目標について、短期、中期、長期の計画を立てて活動を推進していますが、世間や顧客の要求水準が当初の想定を大きく上回り、顧客の期待に対応できない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|3,003 文字
2【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また必ずしも投資判断に影響を与えるとは限らない事項も以下に含まれていますが、当社グループは、このようなリスクを認識した上で必要なリスク管理体制を整え、発生回避及び発生時の影響の最小化に努めています。 (1) 事業環境について① 経済状況 当社グループが事業活動を展開する主要な市場である日本、アジア、欧州、北米、中東等の国及び地域の政情変動や経済環境の動向等は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 国際的事業活動 当社グループは、販売や生産活動を国際的に展開しており、その結果海外売上高比率は連結売上高の7割近くを占めています。そのため、海外各国の経済動向や為替相場の変動、投資・貿易・競争・税及び為替等に関する法的規制の変更、文化・宗教的な違いを背景にした商慣習の相違や労使関係問題、テロ・戦争・サイバー攻撃・自然災害等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされています。こうした様々なリスクは、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 法的規制等 当社グループは、事業活動を展開する国における法的規制の適用を受けています。今後、これらの法的規制が変更された場合や、予想できない新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、環境保護に関連する規制の動向は、規制に対応するための費用の増加等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの開発活動及び生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。④ 為替変動・金利変動 当社グループは、為替相場変動のリスクを軽減するための対策を講じていますが、為替相場の変動は、外貨建てで取引されている製品やサービスの価格及びコストの変動を通して、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、金利の変動リスクを軽減するために対策を講じていますが、金利の変動は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 保有資産の価格変動 当社グループが保有している株式等の価格が変動した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有している固定資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業活動について① 制御事業 主力事業である制御事業の市場は、資源国・新興国におけるエネルギー開発や需要の増加を背景に、主に海外市場で中長期的に成長が見込まれるため、同事業へのリソースの集中を推進し、グローバル市場でのシェア向上による収益の拡大に向け、M&Aやアライアンスを活用しつつ、研究開発、生産、販売、エンジニアリング、サービスの体制の強化を図っています。これにより、連結売上高に占める同事業の売上高比率が年々高まってきていることから、同事業の受注高・売上高に影響を与えるプラントの新設や更新需要の動向、原油価格の急激な変動、M&Aやアライアンスの成否等は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、予期せぬ事態により計画通りに部品調達や生産等が行えず、製品供給に遅延や停止が発生した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 戦略投資 当社グループは、M&A・アライアンスの実施をはじめ、既存事業強化や新規事業確立のための戦略投資を行っていますが、予期せぬ環境変化等により、予定通りの成果があげられない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 人財の確保・育成 当社グループの成長の源泉は、有能な人財によって支えられています。特に、計測・制御・情報の分野での最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者の重要性が高まっています。また、制御事業では、ソリューション提案能力を持つ人財や、海外市場におけるプロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財の重要性も高まっています。これらの人財の確保と育成は継続した課題です。かかる課題に対応できない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 製品の品質 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生し、また、その欠陥に起因して損害が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 研究開発活動 当社グループは、将来を見据えた新技術の開発を最も重要な経営課題として位置づけ、計測・制御・情報をコアとして、IIoTやAI等のデジタル技術を含め、技術開発を継続的に推進しています。しかし、開発投資が将来市場のニーズに予定通り適合しなかった場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) その他① 知的財産権 当社グループは、競争力における優位性を確保するために、製品及びサービスの開発の中で差別化技術及びノウハウを蓄積し、それらの知的財産権の保護に努めていますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合には当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、他社の権利を侵害しないように管理体制と教育を展開していますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できないことでの不利益が発生するとともに、賠償責任を課せられるリスクがあり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 情報セキュリティ 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出したり悪用された場合には、賠償責任を課せられるリスクや企業イメージを急激に低下させるリスク等があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 自然災害等 地震、火災、洪水・津波等の災害や戦争、テロ行為、サイバー攻撃等の発生、又はこれらに起因するサプライチェーンの混乱による電子部品等の調達困難は、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。また、新型インフルエンザ等の感染症については、当社グループでは適切な対応を実施していますが、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|2,772 文字
4【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 また必ずしも投資判断に影響を与えるとは限らない事項も以下に含まれていますが、当社グループは、このようなリスクを認識した上で必要なリスク管理体制を整え、発生回避及び発生時の影響の最小化に努めています。 (1) 事業環境について① 経済状況 当社グループが事業活動を展開する主要な市場である日本、アジア、欧州、北米、中東等の国及び地域の政情変動や経済環境の動向等は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 国際的事業活動 当社グループは、販売や生産活動を国際的に展開しており、その結果海外売上高比率は連結売上高の7割近くを占めています。そのため、海外各国の経済動向や為替相場の変動、投資・貿易・競争・税及び為替等に関する法的規制の変更、文化・宗教的な違いを背景にした商慣習の相違や労使関係問題、テロ・戦争・コンピューターウイルスによる攻撃・自然災害等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされています。こうした様々なリスクは、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 法的規制等 当社グループは、事業活動を展開する国における法的規制の適用を受けています。今後、これらの法的規制が変更された場合や、予想できない新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、環境保護に関連する規制の動向は、規制に対応するための費用の増加等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの開発活動及び生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。④ 為替変動・金利変動 当社グループは、為替相場変動のリスクを軽減するための対策を講じていますが、為替相場の変動は、外貨建てで取引されている製品やサービスの価格及びコストの変動を通して、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、金利の変動リスクを軽減するために対策を講じていますが、金利の変動は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 保有資産の価格変動 当社グループが保有している株式等の価格が変動した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有している固定資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業活動について① 制御事業 主力事業である制御事業の市場は、資源国・新興国におけるエネルギー開発や需要の増加を背景に、主に海外市場で中長期的に成長が見込まれるため、同事業へのリソースの集中を推進し、グローバル市場でのシェア向上による収益の拡大に向け、M&Aやアライアンスを活用しつつ、研究開発、生産、販売、エンジニアリング、サービスの体制の強化を図っています。これにより、連結売上高に占める同事業の売上高比率が年々高まってきていることから、同事業の受注高・売上高に影響を与えるプラントの新設や更新需要の動向、原油価格の急激な変動、M&Aやアライアンスの成否等は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 人財の確保・育成 当社グループの成長の源泉は、有能な人財によって支えられています。特に、計測・制御・情報の分野での最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者の重要性が高まっています。また、制御事業では、海外市場におけるプロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財の確保と育成は継続した課題です。これらの課題に対応できない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 製品の品質 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生し、また、その欠陥に起因して損害が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。④ 研究開発活動 当社グループは、将来を見据えた新技術の開発を最も重要な経営課題として位置づけ、計測・制御・情報をコアとして技術開発(IIoTやAI技術を含む)を継続的に推進しています。しかし、開発投資が将来市場のニーズに予定通り適合しなかった場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) その他① 知的財産権 当社グループは、競争力における優位性を確保するために、製品及びサービスの開発の中で差別化技術及びノウハウを蓄積し、それらの知的財産権の保護に努めていますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合には当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、他社の権利を侵害しないように管理体制と教育を展開していますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できないことでの不利益が発生するとともに、賠償責任を課せられるリスクがあり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 情報セキュリティ 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出したり悪用された場合には、賠償責任を課せられるリスクや企業イメージを急激に低下させるリスク等があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 自然災害等 地震、火災、洪水・津波等の災害や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等の発生、又はこれらに起因するサプライチェーンの混乱による電子部品等の調達困難は、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。また、新型インフルエンザについては、当社グループでは適切な対応を実施していますが、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|2,758 文字
4【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 また必ずしも投資判断に影響を与えるとは限らない事項も以下に含まれていますが、当社グループは、このようなリスクを認識した上で必要なリスク管理体制を整え、発生回避及び発生時の影響の最小化に努めています。 (1) 事業環境について① 経済状況 当社グループが事業活動を展開する主要な市場である日本、アジア、欧州、北米、中東等の国及び地域の政情変動や経済環境の動向等は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 国際的事業活動 当社グループは、販売や生産活動を国際的に展開しており、その結果海外売上高比率は連結売上高の7割近くを占めています。そのため、海外各国の経済動向や為替相場の変動、投資・貿易・競争・税及び為替等に関する法的規制の変更、文化・宗教的な違いを背景にした商慣習の相違や労使関係問題、テロ・戦争・コンピューターウイルスによる攻撃・自然災害等の予期せぬ事態並びにその他の政治的・社会的要因の動向等のリスクにさらされています。こうした様々なリスクは、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 法的規制等 当社グループは、事業活動を展開する国における法的規制の適用を受けています。今後、これらの法的規制が変更された場合や、予想できない新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、環境保護に関連する規制の動向は、規制に対応するための費用の増加等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの開発活動及び生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。④ 為替変動・金利変動 当社グループは、為替相場変動のリスクを軽減するための対策を講じていますが、為替相場の変動は、外貨建てで取引されている製品やサービスの価格及びコストの変動を通して、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、金利の変動リスクを軽減するために対策を講じていますが、金利の変動は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 保有資産の価格変動 当社グループが保有している株式等の価格が変動した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有している固定資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業活動について① 制御事業 主力事業である制御事業の市場は、資源国・新興国におけるエネルギー開発や需要の増加を背景に、主に海外市場で中長期的に成長が見込まれるため、同事業へのリソースの集中を推進し、グローバル市場でのシェア向上による収益の拡大に向け、M&Aやアライアンスを活用しつつ、研究開発、生産、販売、エンジニアリング、サービスの体制の強化を図っています。これにより、連結売上高に占める同事業の売上高比率が年々高まってきていることから、同事業の受注高・売上高に影響を与えるプラントの新設や更新需要の動向、原油価格の急激な変動、M&Aやアライアンスの成否等は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 人財の確保・育成 当社グループの成長の源泉は、有能な人財によって支えられています。特に、計測・制御・情報の分野での最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者の重要性が高まっています。また、制御事業では、海外市場におけるプロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財の確保と育成は継続した課題です。これらの課題に対応できない場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 製品の品質 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生し、また、その欠陥に起因して損害が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。④ 研究開発活動 当社グループは、将来を見据えた新技術の開発を最も重要な経営課題として位置づけ、計測・制御・情報をコアとして技術開発を継続的に推進しています。しかし、開発投資が将来市場のニーズに予定通り適合しなかった場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) その他① 知的財産権 当社グループは、競争力における優位性を確保するために、製品及びサービスの開発の中で差別化技術及びノウハウを蓄積し、それらの知的財産権の保護に努めていますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合には当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、他社の権利を侵害しないように管理体制と教育を展開していますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できないことでの不利益が発生するとともに、賠償責任を課せられるリスクがあり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。② 情報セキュリティ 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出したり悪用された場合には、賠償責任を課せられるリスクや企業イメージを急激に低下させるリスク等があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 自然災害等 地震、火災、洪水・津波等の災害や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等の発生、又はこれらに起因するサプライチェーンの混乱による電子部品等の調達困難は、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。また、新型インフルエンザについては、当社グループでは適切な対応を実施していますが、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。