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バルミューダ(6612)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

バルミューダグループは、バルミューダと2つの海外子会社(欧州・北米)で構成されるファブレスメーカーです。自社工場を持たず、製品の企画、デザイン、設計、開発を行い、外部の工場に製造を委託しています。主な事業は「家電事業」の単一セグメントで、空調関連(扇風機、加湿器、空気清浄機)やキッチン関連(トースター、電気ケトル、オーブンレンジ、コーヒーメーカー、ホットプレート)、その他(デスクライト、ランタン、ワイヤレススピーカー)の製品を国内外で販売しています。製品のプロモーションコンテンツも自社で制作し、消費者にコンセプトを的確に伝えることを重視しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

バルミューダグループは「家電事業」の単一セグメントで事業を展開しています。このセグメントには、扇風機や加湿器、空気清浄機などの「空調関連」、トースター、電気ケトル、オーブンレンジ、コーヒーメーカーなどの「キッチン関連」、デスクライト、ランタン、ワイヤレススピーカーなどの「その他」の製品が含まれます。これらの製品は、日本国内だけでなく、連結子会社であるBALMUDA Europe GmbHが主に欧州で、BALMUDA North America, Inc.が米国内で販売促進活動を行い、海外売上高比率は33.1%(2025年12月期)となっています。特に韓国の代理店への売上依存度が高い傾向にあります。

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FY2025|2,561 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社(BALMUDA Europe GmbH、BALMUDA North America, Inc.)の3社で構成されています。製品の企画、デザイン、設計、開発、国内外での製品等の販売を軸に、「家電事業」の単一セグメントで事業を展開しているファブレス(自社工場を保有せず、外部の製造工場に製品の生産を委託する)メーカーです。また、消費者に製品のコンセプトをできるだけ的確にお伝えするために、製品のプロモーションに係る写真、動画等のコンテンツについては、社内で制作しています。なお、連結子会社BALMUDA Europe GmbHは、主に欧州を中心に当社製品の販売を、BALMUDA North America, Inc.は、米国内での広告宣伝・販売促進活動を行っています。当社が取り扱う製品の特徴については以下のとおりです。 ・空調関連The GreenFanは、当社グループが家電メーカーとして立ち上がる契機となった代表的な製品です。「扇風機から自然界の風を送り出すことはできないだろうか」というアイディアを実現したのが、特徴的な二重構造の羽根です。速い風と遅い風を同時に作り出し、そしてぶつけ合わせることにより風のもつ渦をなくすことで、面で移動する空気の流れに生まれ変わります。二重構造の羽根が作り出すのは、自然界の風と同じ、大きな面で移動する空気の流れであり、広がる風はまさに自然界の風の気持ちよさを体感することができるものです。また、羽根面積が大きいため、通常の回転数で回すと風が出すぎてしまうことから、回転数を制御することができる「DCブラシレスモーター(※)」という、当時、それまで扇風機に使われたことのないモーターを採用しています。さらに、オプションのバッテリー&ドックを組み合わせると、自由に持ち運べるコードレス扇風機としても使用することができます。バッテリー駆動時間は最大20時間で、付属のドックの上に本体を置くだけで充電が開始されるため、持ち運びたい時にアダプターの線の抜き差しをする必要もありません。(※)低回転で回すことができ、細かい制御も可能なうえ、消費電力が低いという特徴を持つモーター。2010年の発売当時、数千円程度の扇風機が一般的であった市場に、3万円台の価格の製品を投入しましたが、これまでの扇風機では実現できなかった、自然界の風と同じような気持ちよさや、特徴的なデザイン(グッドデザイン賞受賞)等が高く評価され、「DC扇風機(又は高級扇風機)」というジャンルを新たに築いた製品です。その他、水を上から注ぎ入れるだけで給水ができるタンクレス構造を実現した加湿器「Rain」、航空機のジェットエンジン等で使われるテクノロジーを応用した整流翼を使用し、大容量の空気を静かに循環させることができる空気清浄機「BALMUDA The Pure」、送風と同時に脱臭が可能なポータブルサーキュレーター「GreenFan C2」等を展開しています。 ・キッチン関連2015年に、キッチン関連製品第一弾として販売したスチームトースター「BALMUDA The Toaster」は、簡単においしいトーストを作ることができるトースターで、当社グループを代表する製品です。開発のきっかけは、会社近くの公園で行った土砂降りの中でのバーベキュー大会でした。食パンを炭火で焼き始めたところ、表面がパリッとして中に水分が残ることにより、これまでにない食感となり、この味の再現ができれば、理想のトースターを開発できる、と次の日から再現実験を繰り返す試行錯誤を続けました。土砂降りの雨の中で焼いていたことから、水分がポイントになると考え、これを実現したのが、独自のスチームテクノロジーと温度制御です。古くからある窯やヨーロッパの街並みなどから着想を得たモダンクラシックなデザインはグッドデザイン賞金賞を受賞しています。その後、ハンドドリップでのコーヒーの淹れやすさを志向し、手になじむハンドルと湯切れの良いノズルを採用し、注ぎ心地を追求した電気ケトル「BALMUDA The Pot」、これまでの電子レンジにはないギターの音色による特徴的な操作音を採用し、シンプルなデザインで使いやすい大きさにまとめた、キッチンを楽しくするオーブンレンジ「BALMUDA The Range」、精緻な温度制御、0.2ml単位の正確なドリップ、バイパス注湯による独自の抽出方法(Clear Brewing Method)でストロング&クリアな味わいを実現したオープンドリップ式コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」、ライブキッチンのおいしさと楽しさを実現するステンレスホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」等を展開しています。 ・その他2018年10月、手術灯のテクノロジーを基にした太陽光LEDデスクライト「BALMUDA The Light」を発売しました。従来の白色LEDでは失われてしまっていた本来の色を照らし出し、自然界の色に非常に近いスペクトルが特徴となる太陽光LEDを採用しており、また、光源が視界に入らないよう、前方の低い位置から斜めに手元を照らすことが可能となるフォワードビームテクノロジーを搭載した製品です。その後、キャンドルのように揺らぐ暖色の灯りから、読書灯にも使える温白色の灯りまで、幅広い場面で活用できるバッテリー内蔵のポータブルLEDランタン「BALMUDA The Lantern」、360°全方位に広がる立体的で抜けるような気持ちよいサウンドと、グルーヴを増幅させる輝きでライブステージのような臨場感を作り出す充電式でポータブルなワイヤレススピーカー「BALMUDA The Speaker」等を展開しています。加えて、Apple の元 CDO(最高デザイン責任者)Sir Jony Ive(サー・ジョニー・アイブ)率いるクリエイティブ・コレクティブ集団 LoveFrom との共同開発によるポータブル LEDランタン「Sailing Lantern」を2025年9月に発表しました。 事業の系統図は、以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
独自の機能・洗練されたデザインにより、高価格帯でも市場に受け入れられているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「DC扇風機(又は高級扇風機)」というジャンルを新たに築いた製品や、グッドデザイン賞受賞等
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:新製品開発の失敗または遅延 / 原材料価格の高騰や調達性悪化 / 製造委託先への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

バルミューダは、ミニマルで洗練されたデザインという独自のブランドイメージを確立している。これは、他社製品との差別化要因となり、一定の顧客ロイヤルティを生み出していると考えられる。しかし、特許や規制ライセンスなどの強力な無形資産は限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

バルミューダ製品はデザイン性に優れ、特定のライフスタイルを志向する顧客層に支持されている。しかし、調理家電としての機能面で他社製品への乗り換え障壁は低く、スイッチング・コストは限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

バルミューダの製品は、個々の製品としての価値提供が中心であり、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は存在しない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

バルミューダは、デザイン性やブランドイメージを重視した高付加価値戦略をとっており、コスト競争力で優位に立つ事業モデルではない。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

バルミューダは、ニッチ市場をターゲットとした比較的小規模な事業展開であり、業界全体をカバーするような効率規模の経済性を享受できる状況にはない。

バルミューダグループの優位性は、独自の機能と洗練されたデザインを両立した製品開発力にあります。例えば、自然界の風を再現する扇風機「The GreenFan」や、独自のスチームテクノロジーと温度制御で美味しいトーストを作る「BALMUDA The Toaster」など、既存の家電にはない新しい価値を提供し、高価格帯ながらも市場に受け入れられています。これにより「DC扇風機」や「高級トースター」といった新たな市場ジャンルを築き、ブランド価値を確立しています。また、製品のコンセプトを的確に伝えるためのプロモーションコンテンツを社内で制作する体制も、ブランドイメージの維持・向上に寄与しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。 (1)会社経営の基本方針当社グループは、「卓越した創意工夫と最良の科学技術によって、どこにもなかった素晴らしい方法を創出し、人々の役に立つ」という企業理念(The Vision)のもと、家電という道具を通して、素晴らしい体験を社会にお届けすべく事業活動に取り組んでおり、これらの活動が株主価値及び企業価値の最大化につながると考えています。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、成長性、収益性及び効率性向上を重視した経営が必要と認識し、企業価値の向上に努めています。企業価値向上の判断にあたっては、重要な経営指標として海外売上高比率と売上総利益率を重視し、中長期的な成長、収益力の向上及び堅実な経営基盤の構築に邁進していきます。 (3)経営戦略等当社グループは、更なる成長に向けて、世界の顧客層を前提としたビジネスモデルへシフトするべく、中長期の経営戦略として「グローバルブランドへの進化」を掲げ、持続的な成長の実現に取り組んでいます。その第一歩として、2025年は米国での本格的な事業展開に着手しました。製品展開については、温度調整機能つき電気ケトル「MoonKettle」、ステンレス ホットプレート「BALMUDA The Teppanyaki(日本での製品名はBALMUDA The Plate Pro)」、サラマンダー機能つきスチームトースター「BALMUDA The Toaster Pro」を発売し、米国における製品ラインナップを拡大しました。また、ニューヨーク・ブルックリンにブランドショップ「BALMUDA 50 Norman Brooklyn」をオープンしました。加えて、世界の顧客層を前提とした新製品の開発を推進しました。2025年9月、Appleの元CDO(最高デザイン責任者)Sir Jony Ive(サー・ジョニー・アイブ)率いるクリエイティブ・コレクティブ集団LoveFromとの共同開発によるポータブルLEDランタン「Sailing Lantern」を発表しました。Sailing Lanternは、美しさと機能性を兼ね備え、クラシックな海洋デザインに現代的な解釈を加えた特別なランタンであり、今回のコラボレーションは、LoveFromと当社が持つ、デザインに対する共通の価値観から実現したものです。Sailing Lanternは、米国・ヨーロッパ各国・韓国・日本で予約を開始しており、2026年春から順次、出荷を開始します。さらには、世界の顧客層を想定して開発を進めてきた新製品、1日のさまざまな場面で良い時間を過ごしていただくために生まれた「The Clock」を発表し、日本で予約を開始しました。米国・韓国においても順次展開を予定しています。 (4)経営環境わが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続きました。一方で、物価上昇の長期化、不安定な国際情勢、米国の政策動向の影響等により消費者の節約志向が一層強まっており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いています。当社グループの主要取扱製品である生活家電は、国内においては買い替え需要主体の成熟市場であり、長期的には人口減による市場縮小が見込まれます。また、物価上昇による消費マインドの冷え込みも購買意欲に影響を与えていると考えられます。他方、共働きや少人数世帯、高齢化世帯の増加、ライフスタイルの多様化等の変化が生じており、価値観や社会の多様化が加速しています。各メーカーはそのような価値観の変化を見据えた商品開発を行うことが求められています。 (5)対処すべき課題① 収益性の改善当連結会計年度は、中長期の成長戦略として「グローバルブランドへの進化」を掲げ、その第一歩として米国での本格的な事業展開に着手しましたが、米国関税政策の影響を受けたことにより、期初の計画を下回る結果となりました。また、国内においても、消費マインド低迷の長期化等、厳しい外部環境の影響を受けました。2026年12月期は、厳しい外部環境を踏まえ、市場動向を慎重に見極めた販売計画としたうえで、コスト構造の改善や製品別・地域別販売戦略の最適化等を推進し、黒字転換を目指します。 ② 事業の多様化当社グループは、海外で製造した生活家電を、主に日本および韓国市場で販売する事業構造を有しており、収益基盤が特定の地域・販売形態に相対的に依存している状況にあり、為替動向や両国の消費環境の変化に影響を受けやすい事業体質となっています。製品カテゴリー、展開地域、販売チャネルの多様化を加速させ、事業ポートフォリオの分散と収益機会の拡大を図ることで、事業基盤の確立に努めていきます。 ③ コーポレートガバナンス体制の強化経営環境の変化が激しい環境下で、経営の意思決定をより迅速化するとともに、これまで以上に取締役の業務執行に対する監督機能を強化する必要があります。更なるコーポレートガバナンスの強化並びに継続的な企業価値の拡大に努めていきます。 ④ 企業ブランドの構築強いブランド像を確立するために、卓越した創意工夫と最良の科学技術による革新的なプロダクトを実現化していきます。また、適時適切なコミュニケーション施策の展開を通じて、顧客の様々な体験機会を創出することにより、企画・デザイン・技術・ブランド力で競争優位を確立させるよう努めていきます。 ⑤ 製品の開発・品質管理体制の強化製品開発における品質と信頼性の向上に向けて、品質管理部門の陣容の充実に努めるとともに、製品開発プロセスを要所で区切り、進行状況の期限管理を徹底する一方で、企画初期段階からの徹底したリスクアセスメントの実施によって、開発上の対処すべき課題をより広範に洗い出し、次の開発ステップに移行可能かどうかの審査を厳格化することにより、品質の向上に努めていきます。 ⑥ 内部管理体制の強化事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレートガバナンス機能の強化は必須であり、そのために財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しています。コーポレートガバナンスに関しては、内部監査による定期的なモニタリングの実施や監査法人との連携を図ることにより適切に運用を進めています。ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつも、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えた、全社的に効率化された組織体制の構築に向けてさらに内部管理体制の強化に取り組んでいきます。 ⑦ 有能な人材確保今後の更なる成長を目指すうえで、人材の獲得及び育成が重要であると考えています。人材獲得競争は今後も厳しい状況が続くと思われますが、当社の経営方針やビジョンに共感し、高い専門性を有する人材を惹きつけられるように、教育研修制度の整備、福利厚生の充実を図っていくとともに、外部ノウハウの活用等にも積極的に取り組み、事業計画達成に必要となる適切な人材リソースの確保に努めていきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。 (1)会社経営の基本方針当社グループは、「卓越した創意工夫と最良の科学技術によって、どこにもなかった素晴らしい方法を創出し、人々の役に立つ」という企業理念(The Vision)のもと、家電という道具を通して、素晴らしい体験を社会にお届けすべく事業活動に取り組んでおり、これらの活動が株主価値及び企業価値の最大化につながると考えています。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、成長性、収益性及び効率性向上を重視した経営が必要と認識し、企業価値の向上に努めています。企業価値向上の判断にあたっては、重要な経営指標として海外売上高比率と売上総利益率を重視し、中長期的な成長、収益力の向上及び堅実な経営基盤の構築に邁進していきます。 (3)経営戦略等当社グループは、更なる成長に向けて、世界の顧客層を前提としたビジネスモデルへシフトするべく、中長期の経営戦略として「グローバルブランドへの進化」を掲げ、持続的な成長の実現に取り組んでいます。その第一歩として、2025年は米国での本格的な事業展開に着手しました。製品展開については、温度調整機能つき電気ケトル「MoonKettle」、ステンレス ホットプレート「BALMUDA The Teppanyaki(日本での製品名はBALMUDA The Plate Pro)」、サラマンダー機能つきスチームトースター「BALMUDA The Toaster Pro」を発売し、米国における製品ラインナップを拡大しました。また、ニューヨーク・ブルックリンにブランドショップ「BALMUDA 50 Norman Brooklyn」をオープンしました。加えて、世界の顧客層を前提とした新製品の開発を推進しました。2025年9月、Appleの元CDO(最高デザイン責任者)Sir Jony Ive(サー・ジョニー・アイブ)率いるクリエイティブ・コレクティブ集団LoveFromとの共同開発によるポータブルLEDランタン「Sailing Lantern」を発表しました。Sailing Lanternは、美しさと機能性を兼ね備え、クラシックな海洋デザインに現代的な解釈を加えた特別なランタンであり、今回のコラボレーションは、LoveFromと当社が持つ、デザインに対する共通の価値観から実現したものです。Sailing Lanternは、米国・ヨーロッパ各国・韓国・日本で予約を開始しており、2026年春から順次、出荷を開始します。さらには、世界の顧客層を想定して開発を進めてきた新製品、1日のさまざまな場面で良い時間を過ごしていただくために生まれた「The Clock」を発表し、日本で予約を開始しました。米国・韓国においても順次展開を予定しています。 (4)経営環境わが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続きました。一方で、物価上昇の長期化、不安定な国際情勢、米国の政策動向の影響等により消費者の節約志向が一層強まっており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いています。当社グループの主要取扱製品である生活家電は、国内においては買い替え需要主体の成熟市場であり、長期的には人口減による市場縮小が見込まれます。また、物価上昇による消費マインドの冷え込みも購買意欲に影響を与えていると考えられます。他方、共働きや少人数世帯、高齢化世帯の増加、ライフスタイルの多様化等の変化が生じており、価値観や社会の多様化が加速しています。各メーカーはそのような価値観の変化を見据えた商品開発を行うことが求められています。 (5)対処すべき課題① 収益性の改善当連結会計年度は、中長期の成長戦略として「グローバルブランドへの進化」を掲げ、その第一歩として米国での本格的な事業展開に着手しましたが、米国関税政策の影響を受けたことにより、期初の計画を下回る結果となりました。また、国内においても、消費マインド低迷の長期化等、厳しい外部環境の影響を受けました。2026年12月期は、厳しい外部環境を踏まえ、市場動向を慎重に見極めた販売計画としたうえで、コスト構造の改善や製品別・地域別販売戦略の最適化等を推進し、黒字転換を目指します。 ② 事業の多様化当社グループは、海外で製造した生活家電を、主に日本および韓国市場で販売する事業構造を有しており、収益基盤が特定の地域・販売形態に相対的に依存している状況にあり、為替動向や両国の消費環境の変化に影響を受けやすい事業体質となっています。製品カテゴリー、展開地域、販売チャネルの多様化を加速させ、事業ポートフォリオの分散と収益機会の拡大を図ることで、事業基盤の確立に努めていきます。 ③ コーポレートガバナンス体制の強化経営環境の変化が激しい環境下で、経営の意思決定をより迅速化するとともに、これまで以上に取締役の業務執行に対する監督機能を強化する必要があります。更なるコーポレートガバナンスの強化並びに継続的な企業価値の拡大に努めていきます。 ④ 企業ブランドの構築強いブランド像を確立するために、卓越した創意工夫と最良の科学技術による革新的なプロダクトを実現化していきます。また、適時適切なコミュニケーション施策の展開を通じて、顧客の様々な体験機会を創出することにより、企画・デザイン・技術・ブランド力で競争優位を確立させるよう努めていきます。 ⑤ 製品の開発・品質管理体制の強化製品開発における品質と信頼性の向上に向けて、品質管理部門の陣容の充実に努めるとともに、製品開発プロセスを要所で区切り、進行状況の期限管理を徹底する一方で、企画初期段階からの徹底したリスクアセスメントの実施によって、開発上の対処すべき課題をより広範に洗い出し、次の開発ステップに移行可能かどうかの審査を厳格化することにより、品質の向上に努めていきます。 ⑥ 内部管理体制の強化事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレートガバナンス機能の強化は必須であり、そのために財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しています。コーポレートガバナンスに関しては、内部監査による定期的なモニタリングの実施や監査法人との連携を図ることにより適切に運用を進めています。ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつも、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えた、全社的に効率化された組織体制の構築に向けてさらに内部管理体制の強化に取り組んでいきます。 ⑦ 有能な人材確保今後の更なる成長を目指すうえで、人材の獲得及び育成が重要であると考えています。人材獲得競争は今後も厳しい状況が続くと思われますが、当社の経営方針やビジョンに共感し、高い専門性を有する人材を惹きつけられるように、教育研修制度の整備、福利厚生の充実を図っていくとともに、外部ノウハウの活用等にも積極的に取り組み、事業計画達成に必要となる適切な人材リソースの確保に努めていきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績の状況当連結会計年度の連結業績は、売上高が10,115百万円(対前年同期比18.8%減)、営業損失が866百万円(前年同期は12百万円の利益)、経常損失が904百万円(前年同期は94百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,596百万円(前年同期は67百万円の利益)となりました。国内においては、物価上昇に伴う消費マインド低迷の長期化により増加した流通在庫の適正化のために、主に第3四半期に出荷を大幅に抑制したことなどにより、当連結会計年度の売上高は前年同期の実績を下回りました。北米の売上高については、中長期の成長戦略である「グローバルブランドへの進化」の第一歩として新製品3機種を発売したことなどにより前年実績を上回りました。韓国及びその他の地域においては、前年の新製品展開との差異等により前年同期の売上高実績を下回りました。売上総利益率については、円安基調が続く厳しい外部環境の中、過年度より継続的に取り組んできた製造コスト低減、適切な価格設定による適正利幅確保等の施策の効果により、前年同期比で1.5ポイント改善し32.7%となりました。販売費及び一般管理費については、米国への戦略的投資を実行したことなどにより、前年同期の実績を上回りました。新製品の発売状況10月、BALMUDA The Range S(単機能レンジ)を発売しました。BALMUDA The Range(オーブンレンジ)のシンプルな操作性と軽快なギターのサウンドはそのままに、高さと奥行きを抑えたコンパクト設計からボタンやハンドルなど細部の質感まで、丁寧な仕上げとなっています。限られたスペースでも自分好みにコーディネートを楽しめるデザインと遊び心のあるディスプレイで、使うたびに楽しい時間をお届けする製品です。11月、Rain(加湿器)の新モデルを発売しました。Rainは2013年の発売以来、直感的な使いやすさと美しいデザインでお客さまのご好評をいただいてきましたが、今回、現代の生活空間に合う加湿器として進化しました。そして当社は、Appleの元CDO(最高デザイン責任者) Sir Jony Ive(サー・ジョニー・アイブ)率いるクリエイティブ・コレクティブ集団LoveFromとの共同開発によるポータブルLEDランタン「Sailing Lantern」を発表しました。Sailing Lanternは、美しさと機能性を兼ね備え、クラシックな海洋デザインに現代的な解釈を加えた特別なランタンです。今回のコラボレーションは、LoveFromと当社が持つ、デザインに対する共通の価値観から実現しました。成長戦略の進捗状況当社は、更なる成長に向けて、世界の顧客層を前提としたビジネスモデルへシフトするべく、中長期の経営戦略として「グローバルブランドへの進化」を掲げ、持続的な成長の実現に取り組んでいます。その第一歩として、当連結会計年度は米国での本格的な事業展開に着手しました。製品展開については、3月にMoonKettle、4月にBALMUDA TheTeppanyaki、9月にはBALMUDA The Toaster Proを発売し、米国における製品ラインナップを拡大しました。また、4月にはニューヨーク・ブルックリンにブランドショップ「BALMUDA 50 Norman Brooklyn」をオープンしました。期初からこれらの施策を推進してきたことにより、北米における売上高は前述の通り前年実績を上回りました。しかしながら、米国関税政策の影響を受け販路拡大計画を見直したことにより、米国における売上高は期初の倍増計画を下回る結果となりました。その一方で、世界の顧客層を前提とした新製品の開発は着実に進捗しました。9月に発表したSailing Lanternは、米国・ヨーロッパ各国・韓国・日本で予約を開始しており、2026年春から順次、出荷を開始する予定です。加えて、世界の顧客層を想定して開発を進めてきた新製品、1日のさまざまな場面で良い時間を過ごしていただくために生まれた「The Clock」を発表し、日本で予約を開始しました。米国・韓国においても順次展開を予定しています。これらの諸施策を推進したものの、消費マインド低迷の長期化や米国関税政策等、厳しい外部環境の影響等により、冒頭に記載の連結業績となりました。なお、収益構造の更なる改善のため、製品・部材等の評価減等に関する特別損失として事業構造改善費用687百万円を当連結会計年度に計上しました。 (単位:百万円) 2024年12月期2025年12月期前期差前期比(%)売上高12,46210,115△2,346△18.8営業利益又は営業損失(△)12△866△878―経常利益又は経常損失(△)94△904△999―親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)67△1,596△1,664― (売上高)地域別売上高については、日本、韓国及びその他地域で前年実績を下回りましたが、事業展開を強化した北米では前年実績を上回りました。 (単位:百万円)地域別売上高2024年12月期2025年12月期前期差前期比(%)日本8,0256,767△1,258△15.7韓国2,3151,832△482△20.8北米60371611318.8その他1,517798△718△47.3合計12,46210,115△2,346△18.8 (単位:百万円)製品カテゴリー別売上高2024年12月期2025年12月期前期差前期比(%)空調関連2,1121,552△559△26.5キッチン関連9,5277,975△1,552△16.3その他822587△234△28.5合計12,46210,115△2,346△18.8 (売上原価、売上総利益)円安基調が続く厳しい外部環境の中、過年度より継続的に取り組んできた製造コスト低減、適切な価格設定による適正利幅確保等の施策の効果により、売上原価は6,808百万円(前期比1,767百万円減)、売上総利益は3,307百万円(前期比578百万円減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失)販売費及び一般管理費は、米国への戦略的投資を実行したことなどにより、4,173百万円(前期比300百万円増)となりました。この結果、営業損失は866百万円(前年度は12百万円の営業利益)となりました。 (経常損失)営業損失を866百万円、為替差損を31百万円計上したことなどにより、経常損失は904百万円(前年度は94百万円の経常利益)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損失)経常損失を904百万円計上し、特別損失として事業構造改善費用を687百万円、法人税等を5百万円(前期比25百万円減)計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,596百万円(前年度は67百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 なお、当社グループは家電事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。 売上高の伸長と営業利益率の改善のための重要な経営指標である海外売上高比率と売上総利益率は以下のとおりです。世界の顧客層を前提とした新製品の発売、原価低減等のコスト構造改善や製品別・地域別販売戦略の最適化等を推進し、2026年12月期での黒字転換を目指します。 2024年12月期2025年12月期前期差海外売上高比率(%)35.633.1△2.5売上総利益率(%)31.232.71.5 生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績は以下のとおりです。なお、当社グループは、家電事業の単一セグメントであるため、製品カテゴリー別に記載しています。製品カテゴリー金額(百万円)前期比(%)空調関連1,057△14.4キッチン関連5,339△3.3その他38614.1合計6,783△4.4 (注)金額は、総製造費用によっています。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績は以下のとおりです。なお、当社グループは、家電事業の単一セグメントであるため、製品カテゴリー別に記載しています。製品カテゴリー金額(百万円)前期比(%)空調関連1―キッチン関連7△37.2合計8△24.4 (注)金額は、仕入価格によっています。 ③ 受注実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しています。 ④ 販売実績当連結会計年度における販売実績は、前述(売上高)の製品カテゴリー別売上高をご確認ください。なお、主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりです。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)THE LIMO Co., Ltd.2,24718.01,83218.1株式会社ミツバ1,29610.41,16611.5 (注)当該割合が100分の10未満である相手先別の販売実績については、記載を省略しています。 (2) 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は4,659百万円となり、前連結会計年度末と比べて1,522百万円減少しました。 流動資産は3,972百万円(前連結会計年度末比1,560百万円減)となり、これは主に現金及び預金が672百万円、売掛金が576百万円、商品及び製品が293百万円減少したことなどによるものです。固定資産は687百万円(前連結会計年度末比37百万円増)となり、これは主に製品の金型取得等により有形固定資産が47百万円増加したことなどによるものです。なお、前連結会計年度において、「流動資産」の「商品及び製品」に含めていた「未着品」は、開示の明瞭性を高めるため、当連結会計期間より独立掲記しています。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は1,849百万円となり、前連結会計年度末と比べて16百万円増加しました。流動負債は1,704百万円(前連結会計年度末比103百万円減)となり、これは主に短期借入金が400百万円増加した一方で、買掛金が322百万円、1年内返済予定の長期借入金が178百万円減少したことなどによるものです。固定負債は144百万円(前連結会計年度末比119百万円増)となり、これは長期借入金が増加したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は2,810百万円となり、前連結会計年度末と比べて1,538百万円減少しました。これは主に譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ27百万円増加した一方で、利益剰余金が1,596百万円減少したことなどによるものです。なお、当連結会計期間に減資を実施し、資本金80百万円をその他資本剰余金に振り替えています。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は673百万円となり、前連結会計年度末と比べて672百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により使用した資金は577百万円(前連結会計年度は1,348百万円の獲得)となりました。主な要因は仕入債務の減少322百万円、棚卸資産の増加130百万円です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は429百万円(前連結会計年度は205百万円の使用)となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出313百万円です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により獲得した資金は341百万円(前連結会計年度は1,008百万円の使用)となりました。主な要因は短期借入金の純増加額400百万円です。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社の資金需要の主なものは、運転資金、金型等の設備投資、法人税等の支払、借入金の返済等であり、その資金の源泉としては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、新株発行等により、必要とする資金を調達することとしています。また、不測の事態に備えて、金融機関とコミットメントライン契約を締結し、必要な資金を適時に確保する体制を整えていますが、当連結会計年度において、当座貸越契約の財務制限条項(連結貸借対照表、貸借対照表における純資産の部の金額を基準日の75%以上に維持すること)に抵触しています。当座貸越枠については、継続的な利用について既に取引金融機関と協議を進めています。

事業リスク

バルミューダグループは、新製品開発において期待通りの機能が得られない、開発の遅延、開発費の超過、市場に受け入れられないといったリスクがあります。また、ファブレスメーカーであるため、原材料の価格高騰や調達悪化、製造委託先への依存、海外販売代理店の販売戦略変更や取引中止が経営に影響を与える可能性があります。販売予測の誤りによる在庫不足や過剰在庫、製品の不具合発生による費用負担やブランド価値毀損、さらに法的規制の変更や知的財産権に関する係争、情報セキュリティ侵害なども事業に影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,470 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項には、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられるものについては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示を行っています。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合に適切な対応に努める方針ではありますが、当社株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)製品・サプライチェーンに関するリスク ① 新製品の開発について当社グループは、独自の機能・洗練されたデザインを有する製品の開発を目指していますが、・期待どおりの機能が得られず、もしくは競合製品の出現等により開発を断念する・開発の遅延により、製品化が遅れる・開発費が想定を上回る・新製品が市場に受け入れられない などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 原材料の調達について当社グループは、下記③に記載のとおり、すべての製品を製造委託先から仕入れており、原材料の調達は製造委託先が担うことを基本としています。製造委託先に余裕を持った先行発注を行うことにより安定的な仕入れを行ってきました。しかしながら、急激な需給関係の変化により、予期せぬ原材料価格の高騰、調達性の悪化が生じ、製造の遅れ、製品原価の上昇が避けられなくなる場合があります。設計変更による代替品の活用、当社で調達した部材の製造委託先への支給などの対策を講じても十分な対応ができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ③ 製造委託先等取引先への依存について当社グループは、製造工場を持たず、すべての製品を国内外の製造委託先から仕入れています。製造委託先との関係強化とともに、リスクヘッジのために代替先の確保にも努めていますが、製造委託先との関係が悪化し、代替先の確保が遅れるなどの状況になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、製造委託先を含む取引先の経営悪化や、国内外の政治的・社会的な混乱、新たな法的規制や制限、自然災害、紛争等によりサプライチェーンに支障が生じた場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ④ 海外の販売代理店への依存について当社グループの海外売上高比率は33.1%(2025年12月期)であり、そのうち韓国の代理店であるTHE LIMO Co., Ltd.向け売上高比率が18.1%(2025年12月期)となっています。同社を含めた海外代理店とは定期的な情報交換を行うなど関係強化に努めていますが、各代理店における販売戦略の変更、取扱いの中止等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、各国の政治的・社会的な混乱、新たな法的規制や制限、自然災害、紛争等が生じた場合にも現地での製品の販売に支障が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 在庫管理について当社グループは、在庫管理と販売予測により、品切れによる販売機会のロス削減と過剰在庫の防止に努めています。しかしながら、機能やデザインで差別化を進めていることから販売価格が高くなる傾向があり、類似製品の販売動向を参考に販売予測を立てることが難しく、また、当社製品と類似した競合製品の出現等による競争の激化、物価上昇による消費行動の変化も、販売予測を難しくする一因となっています。加えて、特に天候の影響を受けやすい扇風機等の空調家電については、昨今の気候変動の影響もあり、販売予測が難しくなってきています。販売予測を誤った場合には在庫不足又は過剰在庫となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 債権回収について当社グループの販売は、家電量販店や海外代理店等を経由しており、1社当たりの取引金額が多額となるケースがあります。取引先企業の信用状態の調査を行うとともに、取引開始後も継続的に信用状態の把握を行っていますが、倒産等の理由により回収不能となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 製品の不具合発生について当社グループは、品質や安全に関する法令・規則の遵守に努めるとともに、品質管理部門の人員増強、製品開発プロセスの見直し等の施策により、品質と信頼性の維持向上に努めていますが、万一、予期しない製品の不具合等が発生した場合、アフターサービス費用もしくはリコール費用が生じることとなります。対策として、製造物賠償責任保険等に加入していますが、受取保険金で十分な補償が行えない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、社会的な信用の失墜、顧客の離反を惹起し、当社グループのブランド価値が毀損することとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (2)コンプライアンスに関するリスク ① 法的規制について当社グループは、製造物責任、消費者保護、知的財産権、個人情報保護、製品安全、金融商品取引、適時開示ルール等の各種法令の規制を受けています。これら各種法令の改定、新たな法令の制定等が行われた場合において、対応のための追加的費用の発生、もしくは法規制の違反が生じたときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは、アジア、欧州及び北米向けの輸出を行っており、製品については海外の各種規制に準拠していますが、現地の法的規制の改正、新たな法規制の制定等が行われた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 知的財産権について当社グループは、新製品の開発に関し、他社の著作権、特許権、商標権等の侵害をしないよう、担当部門を中心として独自の情報収集を行うほか、弁護士や弁理士等専門家のアドバイスを受けています。しかしながら、知的財産をめぐって他社との係争が生じた場合や、他社より知的財産の侵害を受けた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ③ 情報セキュリティについて当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報や機密情報等を保有しています。情報管理に細心の注意を払い情報セキュリティ体制を構築・運用しています。しかしながら、万一、情報が流出した場合は、信用低下や対策のための費用負担が生じることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、受発注等の業務管理や会計処理等はシステムによる業務処理を実施しており、不測の事態により重要データの改ざん、漏えい、破壊やシステム停止等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (3)事業体制に関するリスク  ① 有能な人材の確保・育成について当社グループは、今後の新製品開発等事業拡大のために機構設計、電気設計、ソフトウエア設計、デザイン等の製品開発・量産技術に関する豊富な経験を有する能力の高い優秀な人材の確保及びその育成が急務となっています。当社グループは、優秀な人材の確保に努めるとともに、教育研修制度の充実を図り、管理者の育成に注力しています。しかしながら、人材の確保及び育成が不十分である場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 代表者への依存について当社の代表取締役社長である寺尾玄は創業者であり、製品開発を主導するなど当社グループの経営及び事業運営において、極めて重要な役割を果たしています。当社グループでは、取締役会等で情報共有を進めるとともに、権限委譲により、同氏へ過度に依存しない体制を構築してきました。また、社内の人材育成が成果をあげつつあること、さらに、外部からの人材登用等の方策により、経営層の厚みが増しています。しかしながら、何らかの要因で同氏が当社グループの経営に関与できなくなる事態が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ③ 大株主について当社の代表取締役社長である寺尾玄が、当連結会計年度末現在で発行済株式総数(自己株式を除く)の67.86%を所有しており、引続き大株主となる見込みです。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しています。同氏は、当社の創業者であるとともに代表取締役社長であるため、当社としても安定株主であると認識していますが、将来的に何らかの事情により同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 配当政策について当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要施策であると認識しています。一方で、持続的な成長のための研究開発や収益性の向上も重要な経営課題であると考えています。当社グループは、これまで、成長につながる内部留保を優先し、配当を行っておらず、今後も当面の間、内部留保の充実を進める方針です。将来的には、各期の業績、財務体質を勘案しつつ利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては、配当の可能性及びその時期については未定です。 ⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等について当社グループは、当連結会計年度において、営業損失866百万円、経常損失904百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1,596百万円を計上し、取引銀行2行と締結している当座貸越契約の財務制限条項(連結貸借対照表、貸借対照表における純資産の部の金額を基準日の75%以上に維持すること)に抵触したこと、また、マイナスの営業キャッシュ・フローを計上したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。当社グループは、当該状況を解消すべく、2026年12月期において、厳しい外部環境を踏まえ、市場動向を慎重に見極めた販売計画としたうえで、黒字転換に向け、既に推進している以下の対応策を実施していきます。 (1)世界の顧客層を前提にした新製品の発売・Sailing Lantern(2025年9月発表)・・・米国・ヨーロッパ各国・韓国・日本の10か国以上で販売(2026年3月から順次発売予定)・The Clock(2026年3月発表)・・・米国・韓国・日本で展開(2)収益構造の改善・コスト構造の改善(原価低減、固定費圧縮) -為替の変動に対するリスクヘッジ策の推進 -米国向け戦略投資の大幅削減(主に広告宣伝費) -開発案件の選択と集中による試験研究費の効率運用 -既存製品の原価低減・製品別・地域別販売戦略の最適化 -製品別販売戦略の最適化(製品カテゴリー、展開地域、販売チャネル)による利幅改善 -一部製品の販売終了による販売・管理コストの削減(3)運転資金の効率的な調達・安定的な事業運営及び上述の対応策実現のため、当座貸越枠の継続的な利用に向けた、取引金融機関と協議の実施 一方で、これらの対応策は実施途上であり、新商品の発売や収益構造の改善については、今後の事業環境の変化によっては効果を十分に得られない可能性があること、また、当座貸越枠については、継続的な利用について取引金融機関と協議を進めている段階であり、最終的な合意を得られていないため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。 (4)事業環境に関するリスク ① 為替変動の影響について当社グループは、製品の輸出入を行っており、通常、決済は外貨で行っています。当社グループは、大半の製品を中国や台湾等、海外の製造委託先から仕入れており、販売の66.9%(2025年12月期)は国内向けであることから、総じて円高は仕入れコストの低下につながることで業績にプラスに作用し、円安はマイナスに作用します。為替の変動に対するリスクヘッジ策を推進していますが、急激な為替変動が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 自然災害等について地震、台風、津波等の自然災害、火災、国際紛争、世界的な感染症の流行等が発生した場合、当社グループの事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、リスク対応策の検討と準備を推進していますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合には、事業の継続に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

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