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KOKUSAI ELECTRIC(6525)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

KOKUSAI ELECTRICグループは、半導体製造装置の製造、販売、保守サービスを世界中で展開しています。主な事業は、半導体の前工程(シリコンウェーハに回路を形成する初期段階)で使用される「成膜」装置と「熱処理」装置の製造・販売です。成膜装置は、回路の素材となる薄膜を形成し、熱処理装置は、膜の品質を向上させる役割を担います。特に、複雑な半導体構造に対応する高難易度成膜と高生産性を両立するバッチALD技術を強みとしています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

KOKUSAI ELECTRICグループは、半導体製造装置事業の単一セグメントで構成されています。このセグメントは、主に半導体の前工程で使用される装置を扱っており、「装置ビジネス」として分類されます。具体的には、シリコンウェーハ上に薄膜を形成する「成膜」工程の装置と、膜の品質を改善する「熱処理」工程の装置の製造・販売が中心です。特に、複数のウェーハを一括処理する「バッチ成膜装置」と、成膜後の膜質を改善する「枚葉トリートメント(膜質改善)装置」が主力製品であり、これらが収益の大部分を占めています。グローバルに事業を展開しており、海外売上比率も高いと考えられます。

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FY2025|4,885 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社7社で構成され、半導体製造装置の製造・販売・保守サービスを中心にグローバルに事業活動を展開しております。当社グループは、半導体製造装置事業の単一セグメントであるため、ビジネスユニットごとに分類して記載いたします。 (1)装置ビジネス当社グループでは、半導体の製造に使用する装置の製造及び販売を行っております。半導体の製造プロセスの概略図を(図-1)に示します。半導体は、シリコンウェーハ上に、回路を形成していく工程を繰り返して製造していきます。回路形成工程は、回路形成に必要な薄膜等を形成する成膜工程、成膜後に熱をかけて結晶サイズを揃える(アニール)等の熱処理工程、成膜上に回路を形成するパターニングを行うリソグラフィ工程、パターンに沿って膜を取り除くエッチング工程、各工程間でウェーハを洗浄する洗浄工程、各工程間での検査工程で構成されます。シリコンウェーハ上にこれらの工程を繰り返して回路を形成する製造工程を総称して前工程と呼んでおります。そして、前工程の工程ごとに高度な専用技術を要したさまざまな装置が使用されることで半導体が製造されます。当社グループでは、前工程における「成膜」工程の装置を主力製品として、また「熱処理」工程に用いられる装置の製造及び販売をしております。 図-1 半導体製造前工程と当社グループ適応製品 「成膜」工程とは、シリコンウェーハの回路形成における回路素材となるポリシリコン膜や絶縁膜等の薄膜を形成する工程を指します。当社グループでは、その成膜工程の中でLP-CVD製品のほかに、ALD(注1)に対応した製品を提供しております。一方、「熱処理」工程とは、熱酸化(注2)膜を形成するプロセスや、成膜後に加熱して膜中の結晶サイズを揃える(アニール)プロセス、成膜後に注入した不純物を加熱して均一に拡散するプロセス、また、プラズマを用いて成膜後に膜質を改善する(トリートメント)プロセスなどを指します。当社グループでは、本工程に最適なプロセス技術にて装置提供を行っております。これらの工程は、シリコンウェーハの回路形成において重要な役割を担うことから、各装置に、高度な技術と品質の信頼性の高い製品提供が必要となります。 当社グループが装置メーカーとして取り組んでいる最も重要な課題に、デバイス構造の複雑化を原因とする成膜プロセスの生産性の低下があります。三次元(立体)構造になるとデバイスの構造がより深く、複雑になります。それにより成膜が必要な表面積が拡大し、ガスの移動距離が長くなり、成膜に要する時間が増加するため、生産性の課題が顕在化します。また、デバイス構造の複雑化に伴い、難易度の高い高品質成膜が要求されており、ALDのニーズが高まっております。当社グループは、このニーズに高難易度成膜と高生産性の両立できるバッチALD技術で、顧客の厳しい要求仕様に応えております。このバッチALD技術は、当社のコア技術による競合優位性の高い技術となっており、当社グループは高いシェアを持続しております。 顧客からのニーズが高まっているALDはサイクリックなプロセスであり、そのプロセスの中でガスの流入や流出、また膜質を維持するために副産物の除去を行うため時間を要するプロセスになってしまうことが大きな課題になっております。ALD技術とバッチの組み合わせによる補完関係を実現した当社グループのバッチALD技術は、高難易度成膜と高生産性の両立を可能とするものであり、生産性に関するALDの問題の論理的な解決策となります。 次に当社製品について以下にご紹介いたします。当社製品はバッチ成膜装置と枚葉トリートメント(膜質改善)装置をラインアップしており、バッチALDは売上高世界シェア1位(出典:TechInsights Inc.. “TI_ALD Tools_YEARLY” (April 2025))となっております。また、当社の枚葉トリートメント装置が属するPlasma Gate Modification Tools市場でも売上高世界シェア1位(出典: Gartner®, Market Share: Semiconductor Wafer Fab Equipment, Worldwide, 2024, Bob Johnson et al. Published 21 April 2025, Revenue from Shipments basis)(注3)となっております。 それぞれの製品についてご説明します。① バッチ成膜装置バッチ成膜装置とは、数十枚以上のシリコンウェーハを一括処理することを可能とした成膜装置であり、高生産性が特徴となります。バッチ成膜装置には、高生産性を追究しウェーハ数百枚の一括処理に対応した「ラージバッチ」プラットフォーム(図-2 主要製品概要参照)と、複雑化する半導体構造への難易度が高い高品質成膜に対応し、ウェーハ数十枚の一括処理に対応した「ミニバッチ」プラットフォームがあります。このバッチ成膜装置のプラットフォームに使途に応じた反応炉をセットし、最適なプロセスを実現しております。「成膜」工程では、「LP-CVD」「ALD」など、「熱処理」工程では「熱酸化」「アニール」「拡散」などに適応しております。なお、バッチ成膜装置の主力製品であるAdvancedAce®シリーズ及びTSURUGI® 剱®シリーズの概要は下記のとおりです。・AdvancedAce®シリーズ:当社のコア技術である温度制御技術、自動搬送技術、真空・ガス置換技術、冷却技術、成膜技術を結集することで、高品質な成膜性能と高生産性を実現し、バッチCVD技術とバッチALDに対応したサーマルプロセス装置。・TSURUGI® 剱®シリーズ:次世代デバイス、特に三次元(立体)デバイスに向けた成膜品質向上の市場ニーズにこたえるため、新反応炉を採用した成膜処理技術向上により、最新のバッチALD技術に対応し高品質・高生産性を備えたプロセス提供を可能にしたサーマルプロセス装置。 ② 枚葉トリートメント(膜質改善)装置枚葉トリートメント装置は、成膜後にプラズマや加熱により膜中の不純物の除去や粒子を安定させることで膜質を改善させることを目的とした装置です。半導体デバイスの微細化、複雑化に伴い低温環境での成膜需要が高まる中で、低温環境でも膜質を維持するソリューションとして需要が拡大しております。当社グループで製造・販売している枚葉トリートメント装置には、独自のプラズマ源を用いた「酸窒化・トリートメント装置」のMARORA®、ノンプラズマでヒーターを熱源とした「アニール装置」のTANDUO®などがあります。特に「MARORA®」は複雑な半導体形状に対しても高い生産性と品質でのトリートメントが可能で、顧客からの需要を集めており、バッチ成膜装置に次ぐ柱として今後も成長させていく計画です。 (注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでおります。(注2)シリコン基板表面から内部にかけて高純度の酸化をする方法。熱酸化には、ドライ酸化、ウエット酸化などいくつかの方法があります。(注3)GARTNERは、Gartner Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、同社の許可に基づいて使用しています。All rights reserved. Gartnerは、Gartnerリサーチの発行物に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティング又はその他の評価を得たベンダーのみを選択するようにテクノロジーユーザーに助言するものではありません。Gartnerリサーチの発行物は、Gartnerリサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartnerは、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の責任を負うものではありません。本書に記載するGartnerのコンテント (以下「Gartnerコンテント」) は、Gartnerシンジケート・サブスクリプション・サービスの一部としてGartner, Inc.(以下「Gartner」)が発行したリサーチ・オピニオンまたは見解を表すものであり、事実を述べているものではありません。Gartnerコンテントの内容はいずれも、そのコンテントが発行された当時の内容であり、本書が発行された日の内容ではありません。また、Gartnerコンテントに記載されている見解は予告なく変更されることがあります。 図-2 主要製品概要 (2)サービスビジネス当社グループでは、当社グループが製造・販売する半導体製造装置において部品販売・保守サービスをはじめとするアフターサービスの提供を行っております。半導体生産工場においては、半導体製造装置が年中無休で稼働しており、半導体製造装置に対し安定的な稼働とともに、耐久性が高い製品の提供が要求されております。当社グループにおいては、これら品質を担保した製品の提供を行っておりますが、これに加え、迅速、かつ、的確にアフターサービスを提供する体制が求められております。当社グループでは、このような顧客の要望に応えるべく、より顧客の製造拠点に近い場所にて、サービス拠点を設置したうえで、優秀なエンジニアを配置するとともに、交換パーツを配備することで、装置トラブルに迅速、かつ、的確に対応可能な体制を整えております。 取り扱いサービス(役務提供を含む)①消耗部品等の部品販売、保守サービス、有償修理(現地修理/ユニット引取り修理/オーバーホール等)②装置の移設・改造(プロセス変更/アップグレード等)③ウェーハサイズ200mm以下のレガシー装置(新規・中古)販売 ① 部品販売、保守サービス、有償修理当社が製造・販売する主要製品に対し、保守メンテナンスするための製品の提供を行っております。加えて、半導体製造装置のための定期的な保守サービスを行っております。また、製品保証契約による修理サービスに加えて、故障時に有償で修理サービスを提供しております。 ② 装置の移設・改造当社が提供する主要製品に対し、設置後に必要に応じて、装置の移設やプロセスの書き換え、アップグレード等のサービス等を提供しております。 ③ ウェーハサイズ200㎜以下の装置と中古装置の販売当社はレガシー世代でのバッチ成膜装置を新規・中古いずれも顧客の要望に応じて適切に提供しております。2017年には、200mmバッチ成膜装置に、ウェーハサイズ300mmの先端装置技術を移植した新製品として競争力の高いバッチ成膜装置(VERTEX Revolution®)を市場投入して販売しております。また、SiCを含むパワーデバイス用途向けの販売が増加しており、当社は高温アニール技術を生かして差別化をはかっております。 半導体設備投資サイクルの変動を受けにくく、かつ消耗品の販売等リカーリングな収益が発生するサービスビジネスは、安定的かつ高マージンな収益が期待されます。当社グループは装置のライフサイクル全体にわたってアフターサービスを提供し続ける体制を整えており、インストール台数の増加と各サービスの強化を通じてサービスビジネスも拡大しております。 また、国内関連子会社(株式会社国際電気セミコンダクターサービス)にて、成膜した後に膜の抵抗値を測定する測定検査装置や、他装置メーカー等向けに洗浄装置用の超音波発振器(水の中で振動させて洗浄に使用)ユニットを製品として製造・販売をしております。 当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
高難易度成膜と高生産性を両立できるバッチALD技術で高いシェアを維持。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
バッチALD技術は当社のコア技術による競合優位性の高い技術であり、高いシェアを持つ。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:マクロ経済環境(地政学的リスク、関税政策) / 市場ニーズ(半導体市場の不安定性) / 他社との競合(技術革新、生産性改善の遅れ)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

同社は半導体製造装置、特にウェーハ加工装置分野で一定の技術力を持つが、特許やブランド力で圧倒的な優位性を示す具体的な情報は限定的。一部の特定用途向け装置で技術的優位性を持つ可能性はあるが、広範な無形資産とは言えない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造装置は、顧客である半導体メーカーにとって生産ラインの根幹をなすため、装置の切り替えには多大なコストとリスクが伴う。特に、長年使用してきた装置との互換性や保守体制の維持を考慮すると、一定のスイッチング・コストは存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

半導体製造装置のビジネスモデルにおいて、直接的なネットワーク効果は発生しない。装置の性能や信頼性が重視されるため、ユーザー数の増加が装置自体の価値を高める構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

半導体製造装置業界は技術集約型であり、製造コストでの圧倒的な優位性を築くことは難しい。同社が特定の工程で効率的な生産体制を構築している可能性はあるが、業界全体で見たコスト優位性は限定的と考えられる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

半導体製造装置業界は、高度な技術力と設備投資が必要なため、参入障壁が高く、少数の有力企業による寡占状態が形成されやすい。同社は特定の分野で一定のシェアを持ち、規模の経済を活かした事業運営を行っていると考えられる。

同社の最大の強みは、高難易度成膜と高生産性を両立する「バッチALD技術」です。これは、複数のウェーハを一括処理できるバッチ方式と、原子層レベルで精密な膜を形成するALD技術を組み合わせたもので、競合他社の枚葉(1枚ずつ処理)装置と比較して生産性に優位性があります。また、バッチALD装置と枚葉トリートメント(膜質改善)装置はそれぞれ世界シェア1位を獲得しており、高い技術力と市場での優位性を確立しています。独自のプラズマ源や温度制御技術も競争力の源泉です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)企業理念当社グループは、ステークホルダーの皆様との対話をより一層深め、技術で未来を支えていく決意を込めた企業理念として「KOKUSAI ELECTRIC Way」を掲げております。 (2)経営方針当社グループは、企業理念の実現に向け、半導体製造装置専業メーカーとして社会的責任を強く自覚し、事業活動とESGの取り組み(環境・社会課題の解決、ガバナンスの強化)の両側面から経済価値及び環境・社会価値を追求することにより、SDGsの達成に寄与するとともに、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な発展の両立をめざしてまいります。 (3)経営戦略当社グループは、半導体製造プロセスの前工程における「成膜」工程に注力しており、バッチ成膜装置、トリートメント(膜質改善)装置で世界トップクラスのシェアを有しております。近年、半導体デバイス構造の微細化や構造の複雑化、三次元化によってウェーハの表面が複雑な形状になり、高品質な薄膜等を形成するにはより高度な技術が必要とされています。これに対して当社グループは、難易度の高い成膜と高い生産性を両立するバッチALD(注1)成膜技術や、高い生産性を維持しつつ形成された薄膜の膜質を改善するトリートメント技術を生かした高付加価値製品の販売拡大や研究開発に注力し、事業拡大を図ってまいります。また、装置のライフサイクル全体にわたって、メンテナンスや修理、部品供給、移設・改造などお客様のニーズに合わせたアフターサービスの拡充を図るとともに、今後の需要拡大に対応するための生産体制及び開発体制の拡充、DXを活用した生産効率向上にも注力してまいります。ESGの取り組みでは、設定した5つのマテリアリティに基づき、課題解決に向けた活動を推進してまいります。また、ディスクロージャーポリシーに則り、ステークホルダーの皆様と積極的に対話を行ってまいります。(注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。 (4)中期計画当社グループは、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)の市場規模および市場成長を前提として、中期目標を設定しております。WFEが1,200億ドルに達した時に当社グループの売上収益を3,300億円以上とし、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させていきます。詳細は、当社ウェブサイト(URL:https://www.kokusai-electric.com/ir)にて公開しております。 (5)経営環境半導体製造装置市場に大きく影響する半導体デバイス市場の規模は、2016年の約3,500億ドルに対し、2022年には約6,100億ドルと1.7倍へ拡大しており、2023年から2029年まで年平均成長率10.9%で成長することが予想されております(注1)。半導体デバイス市場拡大の背景には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大や、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等の産業向けの需要拡大、主要国による産業支援策があります。足元の世界経済は、緩やかな成長基調にあったものの、依然として先行きに対する不透明な状況が続いており、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れています。しかしながら半導体デバイス市場では、生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しており、2025年以降需要が本格回復し、更に2029年に向けて技術革新の継続・加速的により再び成長基調へ進むものと期待しています(注2)。半導体製造装置市場は2016年の約370億ドルに対し、2022年には約980億ドルと2.6倍以上へ拡大しており、2023年から2029年まで年平均成長率8.0%で成長することが予想されております(注2)。足元では先端DRAM、先端ノード向けLogic/Foundry向けの設備投資が加速しており、NANDも2025年に入り回復の兆しが見られ、今後半導体デバイスの需要回復に伴って半導体製造装置の需要も回復するものと見ております。中長期的には、半導体デバイスの微細化、構造の複雑化、三次元化が進む中で、難易度の高い成膜と高い生産性を両立することのできる半導体製造装置へのニーズが高まると考えております。(注1)出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 25)(注2)出典:TechInsights Inc. IC MANUFACTURING EQUIPMENT MARKET HISTORY AND FORECAST (2019 - 2029) (March 2025) 半導体デバイス/半導体製造装置の世界市場規模(単位:十億ドル) 2016年2022年2023年2029年(予想)半導体デバイスの世界市場規模351.8613.9559.11,040.4半導体製造装置の世界市場規模37.097.799.0156.1出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 2025)出典:TechInsights Inc. IC MANUFACTURING EQUIPMENT MARKET HISTORY AND FORECAST (2019 – 2029) (March 2025) (6)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れる中、半導体デバイス市場では生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しています。Logic/Foundryは、一部のデバイスメーカーに投資抑制が見られるものの、全体として先端ノード向けの設備投資が加速しています。NANDも年度終盤に回復の兆しが見られ、今後回復が進むものと期待できます。中長期的には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。こうした状況をふまえ、当社グループは、前述の経営戦略に基づき、以下の重点施策を推進してまいります。 ① イノベーションによる高付加価値製品の継続的な創出とお客様のニーズを的確に捉えた開発体制の強化今後加速されることが予測されるお客様の先端デバイス開発スピードに応えるため、イノベーションを創出し、難易度が高い成膜技術等を用いた当社が有する高付加価値製品の開発をさらに推進してまいります。この推進体制の一環として、韓国生産拠点のデモ評価エリアの拡張及び横浜テクノロジーセンタの設置を既に実施しており、また、今後米国デモセンターの新設(2026年9月竣工)を予定しております。② グループ一体化経営をはじめとする高効率経営の推進当社グループにおける営業、設計、調達、生産及びサービス業務の全体最適を目的として、生産管理や顧客管理等のシステムの統合を含むDXの推進を加速してまいります。③ 多様な人財が活躍できる職場環境づくり当社グループが持続的に成長・発展していくために、従業員一人一人の多様性を生かした新たな価値創出の機会を積極的に設け、その能力や才能を遺憾なく発揮できるよう、オープンな職場環境づくりをめざしてまいります。④ さらなる業績拡大のためのお客様への提案力の強化これまで当社がNAND分野で培ってきたバッチALDやトリートメント(膜質改善)をはじめとする先端プラットフォーム・プロセス技術を、Logic/Foundry分野及びDRAM分野へと展開いたします。また、新分野への挑戦を加速させるため、パワーデバイス・成熟ノード・センサー分野への取組みも継続して強化してまいります。当社は今後も、当社グループのコーポレートスローガンである「技術と対話で未来をつくる」に則り、お客様が抱える課題を深く理解し、その課題に対する解決策を積極的に提案してまいります。⑤ サービスビジネスのさらなる拡大当社製品のライフサイクル全体でお客様のニーズに合わせたサービスを提供するため、部品販売・メンテナンスをはじめとする、当社グループ全体でのオペレーションの最適化を推進し、持続的な成長をめざしてまいります。 (7)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業の持続的な成長性、収益性を測定するため、売上収益、調整後営業利益率、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置付けております。当該指標を重視する理由について、売上収益は事業成長の目安となること、調整後営業利益率は売上の増加割合に対する収益性の変化を確認する目安となるためであります。また、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させるため、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)についても重要な経営指標として位置付けてまいります。なお、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、経営成績の推移を把握するために以下の算式により算出しております。① 調整後営業利益 = 営業利益(IFRS)- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)② 調整後当期利益 = 当期利益- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) - 持分法で処理されている投資の売却益 + ファイナンシング関連費用 + その他の金融費用 + 調整項目に対する税金調整額 - 税率変更に伴う一時的な税金費用の調整額
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)企業理念当社グループは、ステークホルダーの皆様との対話をより一層深め、技術で未来を支えていく決意を込めた企業理念として「KOKUSAI ELECTRIC Way」を掲げております。 (2)経営方針当社グループは、企業理念の実現に向け、半導体製造装置専業メーカーとして社会的責任を強く自覚し、事業活動とESGの取り組み(環境・社会課題の解決、ガバナンスの強化)の両側面から経済価値及び環境・社会価値を追求することにより、SDGsの達成に寄与するとともに、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な発展の両立をめざしてまいります。 (3)経営戦略当社グループは、半導体製造プロセスの前工程における「成膜」工程に注力しており、バッチ成膜装置、トリートメント(膜質改善)装置で世界トップクラスのシェアを有しております。近年、半導体デバイス構造の微細化や構造の複雑化、三次元化によってウェーハの表面が複雑な形状になり、高品質な薄膜等を形成するにはより高度な技術が必要とされています。これに対して当社グループは、難易度の高い成膜と高い生産性を両立するバッチALD(注1)成膜技術や、高い生産性を維持しつつ形成された薄膜の膜質を改善するトリートメント技術を生かした高付加価値製品の販売拡大や研究開発に注力し、事業拡大を図ってまいります。また、装置のライフサイクル全体にわたって、メンテナンスや修理、部品供給、移設・改造などお客様のニーズに合わせたアフターサービスの拡充を図るとともに、今後の需要拡大に対応するための生産体制及び開発体制の拡充、DXを活用した生産効率向上にも注力してまいります。ESGの取り組みでは、設定した5つのマテリアリティに基づき、課題解決に向けた活動を推進してまいります。また、ディスクロージャーポリシーに則り、ステークホルダーの皆様と積極的に対話を行ってまいります。(注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。 (4)中期計画当社グループは、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)の市場規模および市場成長を前提として、中期目標を設定しております。WFEが1,200億ドルに達した時に当社グループの売上収益を3,300億円以上とし、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させていきます。詳細は、当社ウェブサイト(URL:https://www.kokusai-electric.com/ir)にて公開しております。 (5)経営環境半導体製造装置市場に大きく影響する半導体デバイス市場の規模は、2016年の約3,500億ドルに対し、2022年には約6,100億ドルと1.7倍へ拡大しており、2023年から2029年まで年平均成長率10.9%で成長することが予想されております(注1)。半導体デバイス市場拡大の背景には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大や、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等の産業向けの需要拡大、主要国による産業支援策があります。足元の世界経済は、緩やかな成長基調にあったものの、依然として先行きに対する不透明な状況が続いており、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れています。しかしながら半導体デバイス市場では、生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しており、2025年以降需要が本格回復し、更に2029年に向けて技術革新の継続・加速的により再び成長基調へ進むものと期待しています(注2)。半導体製造装置市場は2016年の約370億ドルに対し、2022年には約980億ドルと2.6倍以上へ拡大しており、2023年から2029年まで年平均成長率8.0%で成長することが予想されております(注2)。足元では先端DRAM、先端ノード向けLogic/Foundry向けの設備投資が加速しており、NANDも2025年に入り回復の兆しが見られ、今後半導体デバイスの需要回復に伴って半導体製造装置の需要も回復するものと見ております。中長期的には、半導体デバイスの微細化、構造の複雑化、三次元化が進む中で、難易度の高い成膜と高い生産性を両立することのできる半導体製造装置へのニーズが高まると考えております。(注1)出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 25)(注2)出典:TechInsights Inc. IC MANUFACTURING EQUIPMENT MARKET HISTORY AND FORECAST (2019 - 2029) (March 2025) 半導体デバイス/半導体製造装置の世界市場規模(単位:十億ドル) 2016年2022年2023年2029年(予想)半導体デバイスの世界市場規模351.8613.9559.11,040.4半導体製造装置の世界市場規模37.097.799.0156.1出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 2025)出典:TechInsights Inc. IC MANUFACTURING EQUIPMENT MARKET HISTORY AND FORECAST (2019 – 2029) (March 2025) (6)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れる中、半導体デバイス市場では生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しています。Logic/Foundryは、一部のデバイスメーカーに投資抑制が見られるものの、全体として先端ノード向けの設備投資が加速しています。NANDも年度終盤に回復の兆しが見られ、今後回復が進むものと期待できます。中長期的には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。こうした状況をふまえ、当社グループは、前述の経営戦略に基づき、以下の重点施策を推進してまいります。 ① イノベーションによる高付加価値製品の継続的な創出とお客様のニーズを的確に捉えた開発体制の強化今後加速されることが予測されるお客様の先端デバイス開発スピードに応えるため、イノベーションを創出し、難易度が高い成膜技術等を用いた当社が有する高付加価値製品の開発をさらに推進してまいります。この推進体制の一環として、韓国生産拠点のデモ評価エリアの拡張及び横浜テクノロジーセンタの設置を既に実施しており、また、今後米国デモセンターの新設(2026年9月竣工)を予定しております。② グループ一体化経営をはじめとする高効率経営の推進当社グループにおける営業、設計、調達、生産及びサービス業務の全体最適を目的として、生産管理や顧客管理等のシステムの統合を含むDXの推進を加速してまいります。③ 多様な人財が活躍できる職場環境づくり当社グループが持続的に成長・発展していくために、従業員一人一人の多様性を生かした新たな価値創出の機会を積極的に設け、その能力や才能を遺憾なく発揮できるよう、オープンな職場環境づくりをめざしてまいります。④ さらなる業績拡大のためのお客様への提案力の強化これまで当社がNAND分野で培ってきたバッチALDやトリートメント(膜質改善)をはじめとする先端プラットフォーム・プロセス技術を、Logic/Foundry分野及びDRAM分野へと展開いたします。また、新分野への挑戦を加速させるため、パワーデバイス・成熟ノード・センサー分野への取組みも継続して強化してまいります。当社は今後も、当社グループのコーポレートスローガンである「技術と対話で未来をつくる」に則り、お客様が抱える課題を深く理解し、その課題に対する解決策を積極的に提案してまいります。⑤ サービスビジネスのさらなる拡大当社製品のライフサイクル全体でお客様のニーズに合わせたサービスを提供するため、部品販売・メンテナンスをはじめとする、当社グループ全体でのオペレーションの最適化を推進し、持続的な成長をめざしてまいります。 (7)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業の持続的な成長性、収益性を測定するため、売上収益、調整後営業利益率、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置付けております。当該指標を重視する理由について、売上収益は事業成長の目安となること、調整後営業利益率は売上の増加割合に対する収益性の変化を確認する目安となるためであります。また、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させるため、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)についても重要な経営指標として位置付けてまいります。なお、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、経営成績の推移を把握するために以下の算式により算出しております。① 調整後営業利益 = 営業利益(IFRS)- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)② 調整後当期利益 = 当期利益- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) - 持分法で処理されている投資の売却益 + ファイナンシング関連費用 + その他の金融費用 + 調整項目に対する税金調整額 - 税率変更に伴う一時的な税金費用の調整額
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、3,415億円となり、前連結会計年度末に比べ339億円減少しました。主な内容として、現金及び現金同等物は、借入金の期限前返済による減少915億円、自己株式の取得による支出に伴う減少185億円、資金の借入れによる増加600億円等により479億円減少しました。一方で有形固定資産は、富山県砺波市の新工場建設等により115億円増加しました。営業債権及びその他の債権は、売上収益増加に伴い108億円増加しました。 当連結会計年度末の負債合計は、1,453億円となり、前連結会計年度末に比べ427億円減少しました。主な内容として、借入金は借換により333億円、営業債務及びその他の債務は131億円減少しました。 当連結会計年度末の資本は1,962億円となり、前連結会計年度末に比べ88億円増加しました。主な内容として、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が281億円増加しました。一方で自己株式の取得により資本の控除項目である自己株式が180億円増加しました。 b.経営成績 当連結会計年度における世界経済は、緩やかな成長基調にあるものの、欧州や中東における地政学リスクの長期化、中国経済の減速、米中貿易摩擦の影響、各国の関税政策に対する懸念などにより、依然として先行きに対する不透明感が続いています。 当社グループを取り巻く事業環境は、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れる中、半導体デバイス市場では生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しています。Logic/Foundryは、一部のデバイスメーカーに投資抑制が見られるものの、全体として先端ノード向けの設備投資が加速しています。NANDも年度終盤に回復の兆しが見られ、今後回復が進むものと期待できます。中長期的には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。 こうした状況において、当連結会計年度における当社グループの売上収益は、前連結会計年度と比べてDRAM、Logic/Foundry、NANDのすべてのアプリケーション向けで装置販売が伸長し、装置ビジネスの売上収益が増加したことに加え、部品販売やレガシー装置販売が好調に推移し、サービスビジネスの売上収益が増加したことから、2,389億円(前連結会計年度比32.1%増)となりました。これに伴い、営業利益は513億円(同66.9%増)、税引前利益は508億円(同70.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は360億円(同60.9%増)と、各利益が前連結会計年度と比べて増益となりました。 なお、当社グループは、半導体製造装置事業による単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は448億円となり、前連結会計年度末の926億円と比べて479億円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ355億円増加し、385億円の収入となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因としては、売上収益増加に伴う当期利益の計上360億円によるものであります。一方で主な減少要因は、売上収益増加に伴う営業債権及びその他の債権の増加116億円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出等により、277億円の支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の借換、自己株式の取得による支出等により、581億円の支出となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは半導体製造装置事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)前年同期比(%)半導体製造装置事業202,707110.4 (注)1.金額は販売価格によっております。 b.受注実績当社グループは半導体製造装置事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)半導体製造装置事業224,862151.8135,60890.6 c.販売実績当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは半導体製造装置事業のみの単一セグメントであるため、製品・サービス別の販売実績を示しております。区分当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)販売高(百万円)前年同期比(%)製品164,292138.8サービス74,641119.4合計238,933132.1 (注)1. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり であります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)CXMT Corporation26,15314.548,75920.4Samsung Electronics Co., Ltd.35,77419.831,80613.3Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.-(注2)-(注2)30,82712.9 (注)2. 該当連結会計年度において連結売上収益の10%未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 重要性がある会計方針及び見積もり当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、見積もり及び判断を行っておりますが、見積もり特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積もりと異なる場合があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積もり及び判断」をご参照ください。 ② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容(売上収益)半導体デバイス市場では生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しており、Logic/Foundryは全体として先端ノード向けの設備投資が加速しています。また、NANDも今後回復が進むものと期待できます。そうした中、DRAM、Logic/Foundry、NANDのすべてのアプリケーション向けで装置販売が伸長したことにより当社の装置売上収益は1,643億円(前期比138.8%)となりました。また、部品販売やレガシー装置販売が好調に推移したことによりサービス売上収益は746億円(前期比119.4%)となり、売上収益全体では、2,389億円(前期比132.1%)となりました。 (営業利益)売上収益の増加により売上総利益が増加しました。また、他方で中長期的な成長に向けた研究開発費、人件費等の販売費及び一般管理費は増加したものの、営業利益は513億円(対売上収益比率21.5%)となりました。 (税引前利益)長期借入金の利息支払い等金融費用の発生(14億円)等により、当連結会計年度の税引前利益は508億円(対売上収益比率21.3%)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益)法人所得税費用が148億円計上となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は360億円(対売上収益比率15.1%)となりました。 財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループでは、運転資金については、内部留保により調達することを基本としております。設備資金については、案件の都度、手持ち資金でまかなえるか、又は長期借入金にて調達するかを検討しており、必要に応じて外部からの資金調達を行うこととしております。なお、子会社の資金調達については、グループ資金の効率性確保の観点から原則として当社が実施し、当社から当社グループ子会社に貸付を実施します。当社グループでは、グループ資金を当社が集中して管理し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を実現しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。当連結会計年度の売上収益は2,389億円、営業利益は513億円であり、営業利益率は21.5%となりました。調整後営業利益は578億円、調整後当期利益は423億円となりました。 当社グループを取り巻く事業環境は、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れる中、半導体デバイス市場では生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しています。Logic/Foundryは、一部のデバイスメーカーに投資抑制が見られるものの、全体として先端ノード向けの設備投資が加速しています。NANDも年度終盤に回復の兆しが見られ、今後回復が進むものと期待できます。中長期的には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。 半導体デバイス市場は、マートフォンやパソコン等の電子機器の需要回復が遅れる中、生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しています。Logic/Foundryは、一部のデバイスメーカーに投資抑制が見られるものの、全体として先端ノード向けの設備投資が加速しています。NANDも年度終盤に回復の兆しが見られ、今後回復が進むものと期待できます。中長期的には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれ、当社グループでは今後の需要に対応するための研究・開発投資や設備投資を継続してまいります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社グループは、経営成績の推移を適切に把握するために、調整後営業利益及び調整後当期利益を算出しております。これらは国際会計基準(IFRS)により規定された指標ではなく、当社の業績を評価する上で、通常の営業活動の結果として投資家が有用と考える財務指標であり、上場準備のために発生する上場関連費用、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー等の非経常的なものについて除外しております。 (1)調整後営業利益(単位:百万円) 第6期第7期第8期第9期第10期自2020年4月1日至2021年3月31日自2021年4月1日至2022年3月31日自2022年4月1日至2023年3月31日自2023年4月1日至2024年3月31日自2024年4月1日至2025年3月31日営業利益60,03770,65256,06430,74551,320-その他の収益(注3)△16,571△231△270△679△348+その他の費用871,2351,562487253(調整額) +企業結合により識別した無形資産等の償却6,3916,3686,3696,3695,907+スタンドアローン関連費用(注4)4231,024353223317+マネジメントフィー(注5)275308---+売却関連費用(注6)1,7719---+株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)-56173694304調整額 計8,8607,7656,8957,2866,528調整後営業利益(注1)52,41379,42164,25137,83957,753 (2)調整後当期利益(単位:百万円) 第6期第7期第8期第9期第10期自2020年4月1日至2021年3月31日自2021年4月1日至2022年3月31日自2022年4月1日至2023年3月31日自2023年4月1日至2024年3月31日自2024年4月1日至2025年3月31日当期利益33,04351,33940,30522,37436,004-その他の収益(注3)△16,571△231△270△679△348+その他の費用871,2351,562487253(調整額) +企業結合により識別した無形資産等の償却6,3916,3686,3696,3695,907+スタンドアローン関連費用(注4)4231,024353223317+マネジメントフィー(注5)275308---+売却関連費用(注6)1,7719---+株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)-56173694304+ファイナンシング関連費用4,270----+その他の金融費用1,054----+調整項目に対する税金調整額1,160△2,685△2,507△2,172△1,970-税率変更等に伴う一時的な税金費用の調整額(注7)-△1,857--1,836調整後当期利益(注2)31,90355,56645,98527,29642,303 (注)1.調整後営業利益は以下の算式により算出しております。調整後営業利益 = 営業利益(IFRS)- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)2.調整後当期利益は以下の算式により算出しております。調整後当期利益 = 当期利益 - その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) - 持分法で会計処理されている投資の売却益 + ファイナンシング関連費用 + その他の金融費用 + 調整項目に対する税金調整額 - 税率変更等に伴う一時的な税金費用の調整額3.第6期のその他の収益には、契約解除料16,362百万円が含まれており、これは2021年3月にApplied Materials, Inc.との事業統合の契約解除が確定したことによるものとなります。4.スタンドアローン関連費用は、国際会計基準の導入、適時開示体制構築及び内部統制体制構築等の上場関連の一時的な費用であります。5.マネジメントフィーはKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.とのMonitoring Agreementに基づく報酬であります。6.売却関連費用は、Applied Materials, Inc.との事業統合に向けた準備費用及び事業再編等に関わる一時的な費用であります。7.第10期の税率変更等に伴う一時的な税金費用の調整額は、連結子会社間における事業譲渡に伴う一時的な費用であります。8.調整後営業利益及び調整後当期利益につきましては、国際会計基準により規定された指標ではなく、当社の業績を評価する上で、通常の営業活動の結果として投資家が有用と考える財務指標であり、上場準備のために発生するスタンドアローン関連費用、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー等の非経常的なものについて除外しております。

事業リスク

主なリスクとして、世界経済の動向や地政学的リスクが挙げられます。半導体需要の急激な変動や国際的な貿易摩擦、関税政策などが、当社の製造コストや販売計画に大きな影響を与える可能性があります。また、半導体業界は技術革新が激しく、市場ニーズの変化に対応できない場合や、競合他社の技術開発に遅れをとる場合、売上や収益が悪化するリスクがあります。さらに、主要顧客への依存度が高いため、顧客の設備投資計画の変更や予期せぬ事態が業績に影響を及ぼす可能性もあります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|14,408 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスク、リスク顕在化の可能性、顕在化の時期、連結業績への影響度及びリスクへの対応は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 リスク項目マップ分類リスク項目顕在化の可能性顕在化の時期影響度政治・経済の動向マクロ経済環境中中期~長期大市場環境の動向市場ニーズ中中期~長期大他社との競合等中中期~長期大主要顧客への依存中中期~長期大海外事業中中期~長期大研究開発低長期大株式市場の動向Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.グループとの関係低中期小当社株式の流動性低短期小災害・パンデミック、事件・事故大規模災害等中長期中感染症の世界的流行中長期小サプライチェーン調達・生産高中期~長期大品質問題製造物・品質低中期大知的財産知的財産中中期~長期中訴訟訴訟等低中期~長期小環境環境対応低中期~長期中人事管理人材高短期~中期中コンプライアンスコンプライアンス等低中期中情報セキュリティ情報セキュリティ高中期~長期大財務・税務為替中特定時期なし小借入金低特定時期なし大のれん及びその他の無形資産低特定時期なし大 (1)マクロ経済環境(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)当社グループはグローバルに事業を展開しており、当社グループの業績は国内外の景気、経済動向、社会情勢及び地政学的リスク、各国の関税政策等に影響されます。例えば、半導体デバイスの急激な需要の増減や需給バランスの悪化によって、半導体デバイスメーカーの設備投資計画に大きな変更が生じれば、当社グループの調達、製造コスト、販売の計画に影響が生じる可能性があります。また、国際的な貿易摩擦や製品の国産化施策に伴う関税、貿易障壁、国産メーカー支援強化等の政策により、当社グループにおける製造コストの上昇、国を跨いだ輸送の遅延、販売機会の変化等が生じる可能性があります。また、ロシア・ウクライナ問題の長期化、世界的なインフレの長期化、インフレ抑制のための金利上昇、新興国の成長鈍化、中台関係の悪化、中東及び北朝鮮での地政学的リスクの増大等により世界経済が低迷する場合、当社グループの主要な販売地域にも影響を及ぼす可能性があります。加えて、「(10)感染症の世界的流行」に記載のとおり、感染症の世界的な感染拡大等が再度発生した場合、消費者行動及び事業活動を含む世界全体の経済活動に影響が生じる可能性があります。当社グループは、マクロ経済環境について注視しながら事業運営を進めていく方針ですが、上記のような影響が生じた場合、当社グループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。2023年3月期には、2022年10月7日付米国輸出管理規則(EAR)(注1)の改正公布により、米国製半導体製造装置について中国の特定の先端半導体メーカーへの輸出が禁止され、その後複数の中国の半導体メーカーが米国政府の発行する制裁リスト(Entity List)に掲載されました。また、日本においても、全世界向けを対象とした先端半導体製造装置の輸出規制に関する改正法令が2023年7月23日に施行されました。このような米中貿易摩擦は日本や他国にも波及し、中国の半導体デバイスメーカーのみならず他の大手半導体デバイスメーカーの投資計画に影響を及ぼすなど、今後の半導体業界にとっての大きなリスクであると懸念されます。(注1):EAR=Export Administration Regulations(輸出管理規則) (リスクへの対応)当社グループは、事業等のリスクについて、社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会において総合的に管理・検討する体制のもと、各部門が必要な対応を行い、定期的に、また必要に応じて取締役会へ報告、審議する管理体制を整備しております。また、当該リスクを軽減するため、市場動向や競合状況の調査・分析を行い、お客様との対話を通じてニーズを把握し、そのニーズに応えることのできる付加価値の高い製品・サービスを提供し続けるべく研究開発をはじめとする事業活動を推進しております。加えて、半導体デバイス別および地域別の売上構成バランスをより適正化すべく努めてまいります。 (2)市場ニーズ(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)半導体業界は技術革新が激しく、技術の変化により市場が大幅に成長する反面、需要と供給のギャップが急激に広がり供給過剰となり、半導体製品の値崩れ及び設備投資の抑制が発生することがあります。半導体デバイス市場は事業構造上、不安定な性質を有しているため、将来においても市況が低迷する可能性があります。半導体デバイス市場と連動する半導体製造装置市場もこの不安定な市況を避けることは難しく、半導体市況に連動し当社グループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い用途で半導体の利用が進んでおり、半導体を利用した新しい製品や技術の導入時期、消費者の嗜好の変化、業界の動向等が、半導体の需要や半導体メーカーの設備投資、研究開発計画に与える影響は大きくなっていることから、半導体の市場動向の予測は複雑化しております。3か月に1回程度更新される民間調査機関(TechInsights等)にて、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)CY年度予測が発表されます。市場動向から下方修正、又はマイナス成長予測に転じる場合があり、その予測どおりに主要顧客投資計画の見直しからの後ろ倒しや縮小・中止などが発生した場合には、当社業績に影響を与える可能性が生じます。また、主要顧客における予測していない事故や事態、半導体デバイス市場の想定を超える需要の悪化により当社グループの事業が影響を受ける可能性があるだけではなく、予測を上回る半導体の需要増に応じた半導体製造装置の需要の増加に対応できず、当社グループが市場の好況の恩恵を十分に享受できず、主要顧客との取引関係にも影響を与える可能性があります。また、半導体製造装置メーカーの変更は、一般的にコストが高く、顧客である半導体メーカーが一度特定の半導体製造装置メーカーの装置を選択すると、当該半導体メーカーは同じ半導体製造装置メーカーの製品を利用し続ける傾向にあります。他の半導体製造装置メーカーの製品を利用している顧客が当社グループ製品に乗り換えることは必ずしも容易ではないため、他の半導体製造装置メーカーの製品を使用している潜在的な顧客に当社グループ製品を販売することができない場合、当社グループの売上及び市場シェアの拡大に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (3)他社との競合等(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)他社との競合の観点では、当社の主力製品であるバッチ成膜装置は、他社の枚葉装置と部分的に競合し、また、同じバッチ成膜装置の競合メーカーと激しい競争が続いております。トリートメント(膜質改善)装置についても、複数の競合メーカーとの競争があります。当社グループでは、高品質成膜・高性能半導体製造装置(25~50枚少数枚数バッチ処理)で、枚葉装置よりも生産性における優位性を維持するとともに、当社のALD成膜技術、プリカーサ(成膜に使用するガス)開発や、排気技術の開発など、技術開発における優位性の維持に努めておりますが、技術革新、生産能力の拡充や生産性の改善等の実現が他社に遅れ、販売価格の前提となるコスト、性能、生産量が競合他社に劣る場合や、新たな競合メーカーが台頭した場合、受注高の減少及びシェアの低下により売上及び収益が悪化することにより、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (4)主要顧客への依存(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)半導体業界は、近年の激しい景気変動や技術競争から再編が進んでおり、プレイヤーが集約された市場環境となっております。当社グループにおいても、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおり、主要顧客に対する売上収益が連結売上収益の相当程度を占めております。当社グループは、リスクを軽減するため、主たる経営数値は当然のこととして、各種の経営指標についても継続的に管理するとともに、リスクをふまえた一定の目標に基づき適切な改善を行ってまいります。また、取引先に対し定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額を設定するなど、信用リスクの管理のための施策を講じておりますが、主要顧客各社の事業方針の変更、取引条件の変更、技術革新、業界動向、各国の関税政策、地政学的影響などの理由により取引量が縮小した場合や販売価格低下の圧力が強まった等の場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが売掛債権を有する主要顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (5)海外事業(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、海外の各国において以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの売上収益の比率が高い国においては、「(1)マクロ経済環境」に記載のとおり、今後、地政学的問題や貿易摩擦などによって各国の国産メーカーへの支援強化等が実施される可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。地域別の売上収益については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 21.売上収益」をご参照ください。 ・投資、輸出入、関税、公正競争、腐敗防止、環境、労働、租税その他事業活動に係る法令その他の公的規制及びその変更・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動上の制約・政治的要因、社会的要因及び経済情勢の変動・テロ、戦争、自然災害、各種感染症等の発生による社会的混乱等 (リスクへの対応)「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。加えて、技術的、取引上の契約事項の明確な記載と相互確認を行うとともに、海外事業に係る取引先、輸出先政庁との情報共有、輸出管理運用基準の遵守、輸出管理教育の受講、輸出管理部門、法務部門と担当部門の連携強化を図っております。 (6)研究開発(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社グループを取り巻く半導体デバイス市場は、従来の携帯電話やパソコンなどのコンシューマー向けからデータセンターや5G、AIなどの高成長産業向けへと需要がシフトしながら急速に拡大しております。これに伴い、半導体デバイスは複雑な構造へのシフトが進んでおり、半導体製造装置はより難易度の高い技術と高い生産性の両立が求められ、半導体の世代ごとの開発に追従する厳しい技術開発競争下にあります。当社グループにとって研究開発は重要課題の一つであり、積極的な投資によって顧客ニーズに応えうる付加価値の高い技術及び製品を提供し続けることを基本としておりますが、市場環境の変化に対応できない場合や製品競争力を維持できない場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (7)Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.グループとの関係(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)KKRによって運営されているKKR HKE Investment L.P.は、2024年3月31日現在において当社発行済株式総数の43.4%を保有しておりましたが、2024年7月に実施しました所有株式の売出しおよびオーバーアロットメントによる売出し等により、2025年3月31日現在における当社総株主議決権の保有割合は23.5%に減少いたしました。当社のその他の関係会社であることに変更はありません。当連結会計年度末時点において、当社の監査等委員でない取締役である中村正樹1名がKKRの日本法人である株式会社KKRジャパンから派遣されております。KKR HKE Investment L.P.は、中長期的には売却等により所有比率を低下させることが同社の方針と認識しておりますが、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、当該リスクを軽減するため、当該株主との取引等について、取引の合理性及び取引条件の妥当性を確認し、取締役会の承認を得ることとしております。なお、当社は、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.とのMonitoring Agreementに基づき、同社より経営全般に関するコンサルティング、資金調達等に関する経営指導を受け、契約に基づくフィーを支払っておりましたが、2022年3月31日にMonitoring Agreementを解除いたしました。これにより、2023年3月期以降、当該契約に基づく対価の支払いは発生いたしません。 (8)当社株式の流動性(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:小)東京証券取引所プライム市場の流通株式比率に係る上場維持基準は35%であるところ、当社の新規上場時における流通株式比率は41.7%程度となっておりましたが、KKR HKE Investment L.P.等による当社株式の売出し及びオーバーアロットメントによる売出し等により、2025年3月31日現在における流通株式比率は57.1%程度となりました。 (リスクへの対応)当社グループは、当該リスクを軽減するため、KKR HKE Investment L.P.との間における流通株式を増加させるための施策に関する対話、従業員の所有する新株予約権の行使やパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)及びリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)に基づく株式交付による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図ってまいります。 (9)大規模災害等(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)災害や人為的な原因等により電力、通信、交通等の社会的共通資本に関して重大な障害が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、主要生産拠点である当社富山事業所ならびに砺波事業所において長期にわたり稼働が困難となった場合には、より重大な影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループの事業拠点は、国内及び海外に展開しており、生産及び販売活動に大きな影響を与える地震、津波、洪水、火災等の災害に備え、下記の対応を行っております。 ・富山事業所ならびに砺波事業所における大規模災害発生を想定した、初期安全確保から生産稼働復旧に至る方針マニュアルの策定と運用・安全衛生リスク評価による予防安全装置の拡充継続・適切配分、ビジネスリスクアセスメントの見直し・社員の安全が確保できない場合は緊急対応として屋外避難の実施・安全運転講習、ISO45001に基づく安全衛生管理、海外出張用安全衛生マニュアル等による継続的リスク指導 (10)感染症の世界的流行(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:小)新型コロナウイルスをはじめとする感染症の世界的な流行は、都市封鎖や外出の禁止、自粛による移動の制限、事業拠点の閉鎖、生産活動の制約、個人消費や設備投資等の減少、サプライチェーンの混乱、世界的な資本市場の散発的な乱高下や資金調達環境の悪化等を生じさせ、世界経済の悪化を招き、当社グループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況、また、当社グループの顧客やサプライヤーの業務等にも影響を生じさせる可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、当該リスクを軽減するため、感染症流行時には感染防止対策を徹底するとともに、サプライチェーンの動向を注視し、支障が生じた際には対策本部を設置するなどして迅速な対応を行ってまいります。 (11)調達・生産(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)当社グループの使用する購入品資材等は、マルチベンダー化や継続的な仕入供給先への先行情報提供等により安定的な供給の確保に努めておりますが、供給の遅延・中断、急激な需要の増加、経済環境の悪化等により、必要不可欠な購入品資材等の供給不足や市場価格の上昇が生じる可能性があります。また、グループ製品に使用する資材等の仕入先を変更する際には、顧客の事前承認が必要な場合がありますが、顧客からの要求仕様を満たすために必要な特定の仕入品は、顧客承認を得るまで特定の仕入先からしか入手できず、必要な購入品資材等が不足する可能性があります。また、特定の仕入先の被災、事故、倒産等による急な供給遅延・中断が発生し、顧客の事前承認を取得するまでの間に代替品に切替えることができない場合、当社グループの生産活動に影響が生じ、顧客への納期遅延や受注取り消し等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、当該リスクを回避するために下記の対応を行っており、例えば、仕入先から生産中止による供給停止を要望された場合でも、仕入先には通常1年前の申請を義務付けているため、仕入先からの供給を確保しつつ、代替品を選定するなど切り替えの準備を進め、顧客承認を取得した上で代替品に切替えております。近年においては、マクロ経済環境における海外及び国内の経済動向、社会情勢及び地政学的リスク等の影響により、購入品資材等の仕入価格の上昇が継続しております。当社グループでは、価格上昇妥当性精査に加え商品の高付加価値化や製品への価格転嫁等により仕入価格上昇の影響を吸収していく方針です。 ・ビジネスパートナーとの日常連携と仕入価格の適時妥当性評価・ビジネスパートナーミーティングの定例・臨時開催による市場および生産情報共有と協議・QCDE(Quality Cost Delivery Environment)定期評価の実施・重点ビジネスパートナーの経営監視の実施・取引先緊急対応MAPの作成(二次、三次取引先の把握)・マルチベンダー化の継続的推進・購入品の高付加価値化及び製品への価格転嫁努力 (12)製造物・品質(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し多額の追加費用が発生することになった場合や、品質に問題が生じたことにより受注取り消しが発生した場合、当社グループの製品・サービスに対する顧客からの信頼が低下した場合、その他当社グループの製品の製造過程で問題が生じた場合(災害等により事業継続に支障が生じた場合、及びサプライヤーからの供給に問題が生じた場合等を含みます。)には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、国際標準規格である品質マネジメントシステム(ISO9001)及び環境マネジメントシステム(ISO14001)により製品を製造しており、重大な品質問題を防ぐため以下の取り組みを行っております。また、当社グループの製品の製造過程で問題が生じた場合には対策本部を設置するなどして迅速な対応を行ってまいります。 ・製品安全設計の推進・継続的な製品品質向上策の推進・不具合発生時の是正・予防処置基準に準拠した原因追及、対策、再発防止策等の是正処置 (13)知的財産(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中)当社グループは、当社の技術及び製品の競争力強化の観点から事業運営において知的財産に関する取り組みが重要であると認識しており、当社グループの技術やノウハウを保護するため、知的財産権の確保に努めておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する製品の販売等をすることにより当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、万が一、第三者が当社グループによって当該第三者の知的財産権を侵害しているとの見解を抱いた場合、当該第三者より、差止請求や損害賠償請求等の請求を受ける可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループでは、当該リスクにより、当社の健全な事業活動の継続に支障をきたすことのないよう、研究開発部門、設計部門、法務部門、知的財産部門など関係部署が相互に連携し、より適切な知的財産権のポートフォリオを構築するよう努めております。また、当社グループでは、研究開発部門、設計部門、法務部門、知的財産部門など関係部署が相互に連携し、技術及び製品の開発を進めており、必要に応じて、外部の専門家等の助言を得ております。 (14)訴訟等(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期~長期、影響度:小)当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、事業活動を進めていく上で取引先等から訴訟を受ける可能性や、訴訟に至らないまでも紛争に発展して請求等を受ける可能性があります。それらの訴訟等で当社グループが勝訴するという保証はなく、それらの訴訟等が当社グループの将来的な事業活動に影響を与える可能性があることは否定できません。また、さまざまな事情により、訴額の大きな訴訟等が提起された場合には、仮に損害賠償等の金銭の支払いが命じられる可能性が低いとしても、社会的な注目を集める結果、当社グループの社会的評価が低下する可能性があり、これにより当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、当社グループの事業活動に関する法令等の遵守はもとより、社会規範と企業倫理に則った透明性の高い経営を行うための行動を実践することを目的として、コンプライアンスの基本方針や体制などを定める会社規則を制定し、国内外の主要拠点における事業活動状況について、主にコンプライアンスの観点から把握するための体制として、コンプライアンス担当役員のもと本社の経営サポート部門を中心に構成するコンプライアンス委員会を設置しております。また、法令や企業倫理上疑義のある事項等を早期に発見し、速やかな対策を講じるための仕組みとして、当社グループ統一のコンプライアンス通報制度を設けております。 (15)環境対応(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中)当社グループは、法及び規制の遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や損害賠償が発生する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、排水、排気、騒音、廃棄等における環境汚染に関するさまざまな環境法及び規制の適用を受けており、以下の対応を行っております。加えて、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に沿い、気候変動におけるリスクと機会を特定するとともに、それらが事業や財務に与える影響を分析し、対応策を設けております。  ・ISO14001による環境管理、法規制・条例の把握 ・使用エネルギーの適正管理 ・排水・排気設備の日常点検 ・廃棄物委託業者の現地確認実施 ・化学物質の適切な管理(許可、登録、使用量管理、廃棄時WDS(Waste Data Sheet)の提供) ・顧客への製品の化学物質情報の提供・SBT(Near-term)認定に沿ったGHG(温室効果ガス)排出量の削減・RE100(Renewable Energy 100%)認定に沿った再生可能エネルギーへの転換 (16)人材(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期~中期、影響度:中)当社グループがグローバルな事業展開を進めるなか、イノベーションを創出し成長を続けるためには、国内外で多様な人材を確保・育成すること、多様性を生かす組織文化が重要となります。少子高齢化の加速に伴う人材不足に起因して、必要な人材を継続的に採用・維持することができない場合や重要人材を喪失した場合には、人材不足による製品開発力の低下や顧客サポートの質の低下を招き、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、国内外で必要な人材をタイムリーに確保するため、国内外で経験者採用を拡大するとともに、多様な人材が働きやすい職場づくりの推進、グループ・グローバル共通のラーニングマネジメントシステムの活用や社内教育プログラムの実践により戦略的に人材の確保・育成を図っております。 (17)コンプライアンス等(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)事業を展開する各国の法令、規則の適用を受けるため、コンプライアンス体制や内部統制システムに内在する限界、法規制、法解釈の変更等により法規制等の遵守が困難になる可能性があります。また、貿易紛争により輸出規制や関税等が強化される可能性もあります。これらの規制を遵守できなかった場合には、業務への障害、罰則や課徴金の適用、法令違反に係る損害賠償請求、業務停止等の行政処分、当社グループに対する社会的評価・信用の低下等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、規制の強化によってそれを遵守するためのコストが大幅に上昇する可能性や、各国の競争法によって当社グループの事業の拡大が妨げられる可能性があります。また、当社グループは、財務報告の適正性と信頼性を確保するための内部統制システムを構築しておりますが、さまざまな要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)「(14)訴訟等」におけるリスクへの対応と同様です。加えて、コンプライアンス教育により法令、規則の周知徹底を行うとともに、澱み・癒着を防止するために、管理部門、担当ビジネスパートナーの定期ローテーションを強化するとともに、内部監査による定期的なモニタリングを実施しております。 (18)情報セキュリティ(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)当社グループは、事業活動を通じて、機密情報、顧客情報、個人情報等を取得・保有、利用しており、それらが意図せず流出した場合、社会的信用の低下や、損害賠償の発生、製品競争力の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、情報システム及び情報ネットワークを駆使しながら事業活動を行っており、サイバー攻撃、不正アクセス、自然災害、停電、機器類の故障、人為的ミスなどにより障害等が発生した場合には、業務の停滞や信用の低下が生じ、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、当該リスクへの対応として、情報セキュリティマネジメントに関する社内規程を定め、情報セキュリティ統括責任者を中心とした情報セキュリティ委員会を運営し、従業員対策とシステム対策の両面から継続的に改善しております。また、個人情報保護法への対応として、当社保有の情報資産保護のため、情報セキュリティ方針に基づく「情報セキュリティ事故発生時の連絡体制図」を定め、事故並びに事故の疑い時に迅速に対応できる連絡通報体制を構築しております。さらに、保護対象となる情報について、社内IDを使用したアクセス制限のほか、パスワードの設定・変更を定期的に見直すことにより管理を厳格化しております。 (19)為替(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループにおける海外売上収益は高い水準で推移しております。また、当社グループの外貨建ての資産及び負債の評価は為替相場の変動により影響を受けております。為替相場の急激な変動によっては、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループでは、海外での製品販売を円建としており、また、為替予約等の措置を講じることで、為替変動によるリスクを一定程度軽減させるよう努めております。 (20)借入金(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、LBOスキームにより株式取得を実施した際、金融機関等を貸付人とする多額の借入れを行っております。また、必要な運転資金について、営業活動より稼得した現預金を充当するほか、設備投資や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には、金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により資金調達環境が悪化した場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。今後、当社の経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.借入金」をご参照ください。 (リスクへの対応)当社グループは、上記のLBOスキーム実施時の借入金について、金利負担の減少、財務制限条項の緩和や有利な返済計画とする観点から、2021年3月期に金利(配当)負担の重い優先株式の買戻しとメザニン借入の返済を含む1,250億円の借り換えを行いました。この2021年3月期に借り換えを行った借入金の契約期限が2026年3月期に到来する為、今後の金利上昇見通しを考慮し、1年前倒しして2025年3月期に600億円の借り換えを行っております。 (21)のれん及びその他の無形資産(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、2018年5月に当社が日立国際電気の全株式を取得した際にLBOを用いた出資を行っております。これにより、のれん及びその他の無形資産が2025年3月期においてそれぞれ59,065百万円、50,442百万円計上されており、合わせて連結資産合計の32.1%を占めております。当社が連結決算において採用する国際会計基準では、当該のれん及び一部の耐用年数を確定できない無形資産については、償却を行わず、事業年度ごと又は減損の兆候が確認される場合において、減損テストを実施し、当社グループの事業の収益やキャッシュ・フロー創出力が低下したと認められる場合に減損損失を計上することが必要となり、これにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計と異なり、前述のとおり、のれん及び耐用年数の確定ができない無形資産の償却を行わないため、当該のれん及びその他の無形資産について減損損失の計上が必要となる場合、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計での減損損失の計上に比して計上額が多額となる可能性があります。2025年3月期においては、減損テストの結果、将来キャッシュ・フローによる使用価値(回収可能価額)は帳簿残高を上回っており、減損損失の計上は不要と判断しております。しかしながら、仮に税引前の割引率が一定の場合、将来キャッシュ・フローの見積額が74.1%減少すると回収可能価額と事業価値の帳簿価額が等しくなる可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループでは、上記リスクを逓減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取り組みを実施しております。 ① 顧客関係性の向上による、利益の最大化とシェアの拡大顧客エンゲージメントの最適化を推進するとともに、差別化技術開発を加速し、高付加価値製品の展開によるシェアの拡大、収益力強化に注力してまいります。 ② プロダクト・ライフサイクル・ビジネスの持続的成長顧客へ納入した装置のアフターサービスは、装置販売の拡大とともに、重要な事業として強化に取り組み順調に拡大してきました。今後も、プロダクト・ライフサイクル・ビジネスをさらに高度化して、拡大展開を推進してまいります。 ③ 製品・アプリケーション別戦略によるPOR(注)獲得強化と収益拡大アプリケーションごとの装置プラットフォームの最適化とターゲットの明確化によりPORの獲得を推進してまいります。顧客の要求に合致した技術開発と提案により、高収益である次世代新製品、新アプリケーションの拡販に取り組み、新PORの獲得とともに収益の拡大をめざしてまいります。 (注)Process Of Recordの略であり、「顧客の半導体製造プロセスにおける製造装置認定」のことを指します。

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