経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 我が国の光産業は、光技術の絶え間ない革新により、情報通信、ディスプレイ・照明、情報記録、情報入出力、レーザ・光加工、光エネルギー、センシング・計測等さまざまな産業分野に光技術の応用が広がり、出荷額ベースで約13兆円規模(一般財団法人光産業技術振興協会「光産業全出荷額、国内生産額調査結果について」2025年3月14日より)の一大産業に成長しております。ビッグデータ、半導体等の微細化、情報通信の大容量高速化など近年のイノベーションの進展は、電気から光の時代への移行を加速しております。光技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくと見られる中で当社グループは、世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組み、グローバルニッチ分野での製品化/事業化に成功してまいりました。3つの経営理念、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」のもとに、光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ、新たな付加価値を創造するコーディネーターを担ってまいります。同時に、「世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組む」ベンチャー精神を発揮し、世界でもユニークな光学技術で世界のイノベーションの拡大に貢献する企業をめざしてまいります。 (2)経営戦略等 当社グループは、上記の経営方針の下、光学分野の次世代製品開発、レーザ加工、レーザセンシングといった新領域の新製品開発とともに、コア技術である単結晶の高品質化開発といった基盤技術の研究開発を推進してまいります。こうした取り組みの例として、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現への貢献が挙げられます。具体的にはデジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けのSiCウエハの超高品質化、大口径化の開発並びに家電パワーデバイス用途の低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力してまいります。これらの開発については、取締役会、執行役員会等により議論され、随時進捗確認を行っております。 また、中長期的な経営の指針として、「光学技術の蓄積」、「光学分野における技術者集団の形成」、「市場における新たな需要の発掘」、「事業譲受のノウハウの集積」を図り、各市場において高付加価値製品の開発を実現し、それにより高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成してまいります。 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。 営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体向材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品となります。 EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。 (4)経営環境 電気の20世紀から光の21世紀と言われる社会変革は、光通信技術による情報革命が主導してまいりました。1980年代の光ファイバ、インターネットの一般家庭への導入、データセンターの活用によるクラウドサービスの拡大、スマートフォンの普及、さらに5Gの導入と技術の進展はとどまるところを知りません。ただ、これでもまだ光の機能の一部を利用したにすぎません。具体的には、製造現場でのレーザ加工、医療分野での眼科やがんの診断及び治療、ディスプレイ、精密計測、農業利用などへの展開に向けた開発が進展しております。こうした光学分野の環境をもとに、それぞれの事業毎の経営環境は「第1 企業の概況 3 事業の内容」にも一部記載しておりますが、半導体事業及びヘルスケア事業の事業環境について以下に記載いたします。 世界の半導体産業は、元々先端技術の動向に影響を受けやすく、比較的変動の大きい市場と言われておりましたが、NoT(Network of Things)等にけん引される需要拡大により食品、電力、輸送に迫る重要な産業となっております。2022年には前年比で3.3%の成長を遂げましたが、2023年は世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの増大などの影響で個人投資や企業の設備投資が減少し、特にメモリ市場を中心に市場全体が9.4%縮小しました。しかし、生成AIの急速な普及によるロジックデバイスの需要増加や、メモリやマイクロデバイスの需要回復により、2023年後半には市場が回復傾向にあります。2024年には、生成AIやパワーディスクリートの需要が持続し、市場は前年比で13.1%の再拡大が見込まれております。(世界半導体市場統計2023年11月28日公表)。当社グループの半導体事業は、半導体ウエハの欠陥検査装置向けの単結晶とレーザで構成されておりますが、そうした市場全体の動向や世界的な半導体不足解消に向けた半導体メーカーの旺盛な設備投資意欲を背景に増勢で推移しております。 ヘルスケア市場は、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年の一時的な需要減少後、従来の堅調な需要が回復しましたが、中国経済の減速や米中摩擦の昂進から、2024年はやや軟調と見られております。当社グループのヘルスケア事業は、これまではがんの診断装置(PET、Positron Emission Tomography)に搭載されるシンチレータ単結晶が主体でしたが、頭部PET検査装置用シンチレータ単結晶の売上実績も出てきており、両方を合わせた市場全体の成長が期待されております。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題① 各種研究開発の促進 当社グループが推進する光技術の応用範囲は、世界規模で拡大しており、半導体分野における高集積化・高性能化の進展、医療・分析機器の高度化等を背景として、当社グループの製品に対する需要は、中長期的に底堅く推移するものと見込んでおります。近年では、従来の半導体分野に加え、量子技術分野においても光源や光学材料に対する要求が高まっております。一方、次世代パワー半導体材料として期待が高まるSiC単結晶においては、高品質かつ大口径の結晶開発が求められており、当社グループにおいても溶液法を用いたSiC単結晶開発を推進しております。また、量子技術や先端半導体分野においては、産業用途を見据えた高出力・高安定なレーザ光源及び関連技術の開発が重要な課題となっております。こうした新領域・新用途への対応にあたっては、研究開発段階から将来的な製品化・事業化を見据えた技術検討を進める必要があり、当社グループの独自性、技術的な優位性を維持しつつ、的確かつスピーディーな研究開発体制の構築が引き続き重要となっております。当社グループでは、社内の人的及び資金的資源を有効に活用するとともに、大学や研究機関との連携や、政府機関による研究開発支援制度等の活用を通じて、研究開発の促進及び技術基盤の強化に努めております。 ② 優秀な人材の採用・育成 当社グループ製品への需要増や開発促進に対応するため、当社グループでは即戦力の技術者の採用とともに優秀な若手技術者の採用や人材開発が大きな経営課題になっていると認識しております。新卒採用については、国内外の大学や研究室、並びに国内の高等専門学校と継続的に連携し、学生の履修状況に応じた実体験型インターンシップ等を通じて卒業生の採用につなげ、採用環境が厳しい中でも計画に沿った実績を重ねております。当社における過去3年の新卒採用の実績は、2024年4月25名、2025年4月8名、2026年4月5名となっております。中でも、事業継承、研究開発の進展、研究の深化を担う人材を確保するため、博士課程修了者の採用については継続的に取り組み、実績を有しております。中途採用については、優秀人材の獲得競争が年々激化する中、人材紹介会社を通じて当社グループの魅力や市場における製品優位性を効果的に発信し、業務拡大に対応可能な即戦力の確保に成果を上げております。当社における過去3年の正社員の中途採用実績は、2024年2月期24名、2025年2月期13名、2026年2月期12名となっており、即戦人財の充足が進んでおります。また、優秀な社員が能力を最大限発揮できる環境の整備に向け、創業25周年を機に「行動指針」を制定しました。企業の理念を具現化し、社員が日々の業務で取るべき行動や判断基準として全社に展開し、社員への浸透を進めております。さらに、外部研修の積極活用に加え、階層別研修(新入社員・若手・チームリーダー・管理職)や専門別研修を体系化し、社員一人ひとりの成長目標とスキルギャップに応じた学習の機会を提供することで、能力発揮と生産性の向上を図ってまいります。加えて、将来の経営を担う幹部人材のサクセッションプランを進め、タレントマネジメントの強化を通じて、持続的な企業価値向上に資する人材基盤の確立に努めてまいります。 ③ 財務体質の健全化 当社グループは、当社グループ製品の需要増に対応するためには、既存設備の増強と継続的な研究開発が必要と考えております。一方で、これら設備投資又は研究開発投資を支える財務基盤の確保も重要な課題の一つと認識しております。具体的には、自己資本比率等の指標及び各種キャッシュ・フローの水準により財務体質の健全性を確認しながら、各投資のタイミングと投資額について検討しております。 ④ 資材調達体制の強化 当社グループは、様々な原材料や光学部品等を購入して使用しております。その中には特殊な原材料や部品も含まれており、重要な原材料・部品については複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じ、安定的な製造及び供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業においてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの主な産出国は中国、オーストラリア等に限られており、当社グループは中国から調達しております。このため、複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、在庫水準の適切な管理等を通じて、供給リスクの低減に取り組んでおります。また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については、当社グループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でも限られていることから、仕入先との綿密な調整等連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングを実施することにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 我が国の光産業は、光技術の絶え間ない革新により、情報通信、ディスプレイ・照明、情報記録、情報入出力、レーザ・光加工、光エネルギー、センシング・計測等さまざまな産業分野に光技術の応用が広がり、出荷額ベースで約13兆円規模(一般財団法人光産業技術振興協会「光産業全出荷額、国内生産額調査結果について」2025年3月14日より)の一大産業に成長しております。ビッグデータ、半導体等の微細化、情報通信の大容量高速化など近年のイノベーションの進展は、電気から光の時代への移行を加速しております。光技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくと見られる中で当社グループは、世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組み、グローバルニッチ分野での製品化/事業化に成功してまいりました。3つの経営理念、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」のもとに、光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ、新たな付加価値を創造するコーディネーターを担ってまいります。同時に、「世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組む」ベンチャー精神を発揮し、世界でもユニークな光学技術で世界のイノベーションの拡大に貢献する企業をめざしてまいります。 (2)経営戦略等 当社グループは、上記の経営方針の下、光学分野の次世代製品開発、レーザ加工、レーザセンシングといった新領域の新製品開発とともに、コア技術である単結晶の高品質化開発といった基盤技術の研究開発を推進してまいります。こうした取り組みの例として、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現への貢献が挙げられます。具体的にはデジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けのSiCウエハの超高品質化、大口径化の開発並びに家電パワーデバイス用途の低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力してまいります。これらの開発については、取締役会、執行役員会等により議論され、随時進捗確認を行っております。 また、中長期的な経営の指針として、「光学技術の蓄積」、「光学分野における技術者集団の形成」、「市場における新たな需要の発掘」、「事業譲受のノウハウの集積」を図り、各市場において高付加価値製品の開発を実現し、それにより高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成してまいります。 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。 営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体向材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品となります。 EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。 (4)経営環境 電気の20世紀から光の21世紀と言われる社会変革は、光通信技術による情報革命が主導してまいりました。1980年代の光ファイバ、インターネットの一般家庭への導入、データセンターの活用によるクラウドサービスの拡大、スマートフォンの普及、さらに5Gの導入と技術の進展はとどまるところを知りません。ただ、これでもまだ光の機能の一部を利用したにすぎません。具体的には、製造現場でのレーザ加工、医療分野での眼科やがんの診断及び治療、ディスプレイ、精密計測、農業利用などへの展開に向けた開発が進展しております。こうした光学分野の環境をもとに、それぞれの事業毎の経営環境は「第1 企業の概況 3 事業の内容」にも一部記載しておりますが、半導体事業及びヘルスケア事業の事業環境について以下に記載いたします。 世界の半導体産業は、元々先端技術の動向に影響を受けやすく、比較的変動の大きい市場と言われておりましたが、NoT(Network of Things)等にけん引される需要拡大により食品、電力、輸送に迫る重要な産業となっております。2022年には前年比で3.3%の成長を遂げましたが、2023年は世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの増大などの影響で個人投資や企業の設備投資が減少し、特にメモリ市場を中心に市場全体が9.4%縮小しました。しかし、生成AIの急速な普及によるロジックデバイスの需要増加や、メモリやマイクロデバイスの需要回復により、2023年後半には市場が回復傾向にあります。2024年には、生成AIやパワーディスクリートの需要が持続し、市場は前年比で13.1%の再拡大が見込まれております。(世界半導体市場統計2023年11月28日公表)。当社グループの半導体事業は、半導体ウエハの欠陥検査装置向けの単結晶とレーザで構成されておりますが、そうした市場全体の動向や世界的な半導体不足解消に向けた半導体メーカーの旺盛な設備投資意欲を背景に増勢で推移しております。 ヘルスケア市場は、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年の一時的な需要減少後、従来の堅調な需要が回復しましたが、中国経済の減速や米中摩擦の昂進から、2024年はやや軟調と見られております。当社グループのヘルスケア事業は、これまではがんの診断装置(PET、Positron Emission Tomography)に搭載されるシンチレータ単結晶が主体でしたが、頭部PET検査装置用シンチレータ単結晶の売上実績も出てきており、両方を合わせた市場全体の成長が期待されております。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題① 各種研究開発の促進 当社グループが推進する光技術の応用範囲は、世界規模で拡大しており、半導体分野における高集積化・高性能化の進展、医療・分析機器の高度化等を背景として、当社グループの製品に対する需要は、中長期的に底堅く推移するものと見込んでおります。近年では、従来の半導体分野に加え、量子技術分野においても光源や光学材料に対する要求が高まっております。一方、次世代パワー半導体材料として期待が高まるSiC単結晶においては、高品質かつ大口径の結晶開発が求められており、当社グループにおいても溶液法を用いたSiC単結晶開発を推進しております。また、量子技術や先端半導体分野においては、産業用途を見据えた高出力・高安定なレーザ光源及び関連技術の開発が重要な課題となっております。こうした新領域・新用途への対応にあたっては、研究開発段階から将来的な製品化・事業化を見据えた技術検討を進める必要があり、当社グループの独自性、技術的な優位性を維持しつつ、的確かつスピーディーな研究開発体制の構築が引き続き重要となっております。当社グループでは、社内の人的及び資金的資源を有効に活用するとともに、大学や研究機関との連携や、政府機関による研究開発支援制度等の活用を通じて、研究開発の促進及び技術基盤の強化に努めております。 ② 優秀な人材の採用・育成 当社グループ製品への需要増や開発促進に対応するため、当社グループでは即戦力の技術者の採用とともに優秀な若手技術者の採用や人材開発が大きな経営課題になっていると認識しております。新卒採用については、国内外の大学や研究室、並びに国内の高等専門学校と継続的に連携し、学生の履修状況に応じた実体験型インターンシップ等を通じて卒業生の採用につなげ、採用環境が厳しい中でも計画に沿った実績を重ねております。当社における過去3年の新卒採用の実績は、2024年4月25名、2025年4月8名、2026年4月5名となっております。中でも、事業継承、研究開発の進展、研究の深化を担う人材を確保するため、博士課程修了者の採用については継続的に取り組み、実績を有しております。中途採用については、優秀人材の獲得競争が年々激化する中、人材紹介会社を通じて当社グループの魅力や市場における製品優位性を効果的に発信し、業務拡大に対応可能な即戦力の確保に成果を上げております。当社における過去3年の正社員の中途採用実績は、2024年2月期24名、2025年2月期13名、2026年2月期12名となっており、即戦人財の充足が進んでおります。また、優秀な社員が能力を最大限発揮できる環境の整備に向け、創業25周年を機に「行動指針」を制定しました。企業の理念を具現化し、社員が日々の業務で取るべき行動や判断基準として全社に展開し、社員への浸透を進めております。さらに、外部研修の積極活用に加え、階層別研修(新入社員・若手・チームリーダー・管理職)や専門別研修を体系化し、社員一人ひとりの成長目標とスキルギャップに応じた学習の機会を提供することで、能力発揮と生産性の向上を図ってまいります。加えて、将来の経営を担う幹部人材のサクセッションプランを進め、タレントマネジメントの強化を通じて、持続的な企業価値向上に資する人材基盤の確立に努めてまいります。 ③ 財務体質の健全化 当社グループは、当社グループ製品の需要増に対応するためには、既存設備の増強と継続的な研究開発が必要と考えております。一方で、これら設備投資又は研究開発投資を支える財務基盤の確保も重要な課題の一つと認識しております。具体的には、自己資本比率等の指標及び各種キャッシュ・フローの水準により財務体質の健全性を確認しながら、各投資のタイミングと投資額について検討しております。 ④ 資材調達体制の強化 当社グループは、様々な原材料や光学部品等を購入して使用しております。その中には特殊な原材料や部品も含まれており、重要な原材料・部品については複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じ、安定的な製造及び供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業においてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの主な産出国は中国、オーストラリア等に限られており、当社グループは中国から調達しております。このため、複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、在庫水準の適切な管理等を通じて、供給リスクの低減に取り組んでおります。また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については、当社グループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でも限られていることから、仕入先との綿密な調整等連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングを実施することにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態(資産) 当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,432百万円減少し、14,773百万円となりました。これは主に、未収入金が964百万円増加した一方で、仕掛品が692百万円、機械装置及び運搬具が1,649百万円、建設仮勘定が1,125百万円減少したこと等によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,715百万円減少し、10,078百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が461百万円増加した一方で、契約負債が131百万円、長期借入金が2,903百万円減少したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ717百万円減少し、4,694百万円となりました。これは主に、利益剰余金が538百万円、為替換算調整勘定が393百万円減少したこと等によるものであります。 b.経営成績 当連結会計年度における世界経済は、主要国においてインフレ率の低下が進み、金融引き締め局面から金融政策の調整局面へと移行する動きが見られる中、全体としては緩やかな成長を維持しました。一方で、ウクライナ情勢や中東地域における地政学的緊張の継続、米国の通商政策を巡る不確実性、中国経済における内需低迷や構造的な減速懸念等から、先行きに対する不透明感は依然として高い状況が続いております。日本経済においては、賃金上昇を背景とした個人消費の持ち直しや、省力化・デジタル化を中心とした企業の設備投資の底堅さにより、内需主導で緩やかな回復基調が継続しました。他方、原材料価格やエネルギー価格の動向、為替変動の影響に加え、海外経済の減速や地政学リスクの高まりが、景気の下振れ要因として引き続き注視される状況となっております。 当社グループの当連結会計年度においては、2026年2月に地政学リスクの低減と財務改善を目的にRaicol社の全株式を譲渡し、同社を連結対象から除外しました。当連結会計年度の業績は、半導体事業及び新領域事業の順調な拡大により、売上高及び営業利益は前期実績及び当期予想のいずれも上回る結果となりました。なお、当社グループのKPIでは、営業利益率は収益性の改善が進み前期比3.9ポイント増の5.4%となり、EBITDAマージンはキャッシュ創出力の改善により前期比0.6ポイント増の14.2%となりました。当社グループは光学事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、以下に製品の市場別に売上高の状況等を説明いたします。 半導体事業におきましては、深紫外レーザ及び単結晶の既存製品の需要拡大に加え、新製品の立ち上がり及び次世代レーザの開発受託が寄与しました。この結果、当連結会計年度における同事業の売上高は、前期比6.3%増の5,002百万円となり、過去最高を更新しました。 ヘルスケア事業におきましては、第2四半期に前期からの出荷期ずれが売上高の増加に寄与しました。その後、第3四半期以降は、顧客の実需に基づく安定した出荷フェーズへ移行しました。この結果、当連結会計年度における同事業の売上高は、前期比62.9%増の1,997百万円となり、過去最高を更新しました。 新領域事業におきましては、世界的なデータセンター需要の拡大を背景に、ファラデー回転子の出荷が増加したことから、Raicol社の売上高減少影響を上回る成長を実現しました。この結果、当連結会計年度における同事業の売上高は前期比23.4%増の3,040百万円となり、過去最高を更新しました。 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,040百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益542百万円(前年同期比329.7%増)、経常利益674百万円(前年同期比192.7%増)、親会社株主に帰属する当期純損失538百万円(前年同期は2,703百万円の損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ47百万円増加し、2,287百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、得られた資金は2,846百万円(前年同期は885百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,048百万円が生じた一方、補助金の受取額897百万円、関係会社株式売却損1,773百万円、固定資産圧縮損715百万円が生じたこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は683百万円(前年同期は1,544百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入328百万円が生じた一方で、有形固定資産の取得による支出647百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出360百万円が生じたこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は2,252百万円(前年同期は1,277百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入370百万円が生じた一方、長期借入金の返済による支出2,977百万円が生じたこと等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、光学事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績を事業区分別に記載すると以下のとおりです。事業区分当連結会計年度(千円)(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)前年同期比(%)半導体事業2,991,024108.1ヘルスケア事業1,486,784114.6新領域事業1,908,987123.9合計6,386,796114.0(注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当社グループは、光学事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における受注実績を事業区分別に記載すると以下のとおりです。事業区分当連結会計年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)半導体事業5,447,27699.93,498,842108.9ヘルスケア事業2,731,419226.7735,19336,759.7新領域事業3,152,601135.7688,23871.5合計11,331,297126.24,922,274117.9(注)当連結会計年度において、Raicol社を連結の範囲から除外しております。そのため、新領域事業の受注残高にはRaicol社の受注残高は含まれておりません。 c.販売実績 当社グループは、光学事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績を事業区分別に記載すると以下のとおりです。事業区分当連結会計年度(千円)(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)前年同期比(%)半導体事業5,002,019106.3ヘルスケア事業1,997,672162.9新領域事業3,040,702123.4合計10,040,393119.6(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)Skyverse Technology Co., Ltd.2,856,52434.03,111,83231.0Marubeni America Corporation1,038,71912.41,838,98718.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、光学事業の単一セグメントでありますが、事業区分別に売上高を以下に記載いたします。a.売上高 当連結会計年度において、半導体事業では、深紫外レーザ及び単結晶の既存製品の需要拡大に加え、新製品の立ち上がり及び次世代レーザの開発受託が寄与し、5,002百万円(前年同期比6.3%増)となりました。ヘルスケア事業では、第2四半期に前期からの出荷期ずれが売上高の増加に寄与しました。その後、第3四半期以降は、顧客の実需に基づく安定した出荷フェーズへ移行したことから、1,997百万円(前年同期比62.9%増)となりました。新領域事業では、世界的なデータセンター需要の拡大を背景に、ファラデー回転子の出荷が増加したことから、Raicol社の売上高減少影響を上回る成長を実現し、3,040百万円(前年同期比23.4%増)となりました。全社では10,040百万円(前年同期比19.6%増)となりました。 b.売上総利益 当連結会計年度においては、半導体事業、ヘルスケア事業及び新領域事業のすべての事業区分における増収が、原材料費等の変動コストや設備投資の進展に伴う減価償却費の増加を吸収したことから、売上総利益は3,369百万円(前年同期比108百万円増)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,826百万円(前年同期比307百万円減)となりました。その主な要因は、のれん償却額が139百万円、研究開発費が93百万円減少したこと等によるものです。その結果、営業利益は542百万円(前年同期比416百万円増)となりました。 d.経常利益 当連結会計年度における営業外収益は、369百万円となりました。その主な要因は、為替差益356百万円です。営業外費用は、238百万円となりました。その主な要因は、支払利息163百万円及び固定資産除却損39百万円です。 これらの結果、当連結会計年度における経常利益は674百万円(前年同期比443百万円増)となりました。 e.特別利益及び特別損失 当連結会計年度における特別利益は、775百万円となりました。その主な要因は、補助金収入746百万円です。特別損失は、2,498百万円となりました。これは主な要因は、Raicol Crystals Ltd.の全株式及び貸付債権を譲渡したことにより生じた関係会社株式売却損の計上等によるものです。 f.税金等調整前当期純損失 当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は1,048百万円(前年同期は2,833百万円の損失)となりました。 g.法人税等 当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額は△510百万円(△は利益)(前年同期は△130百万円)となりました。 h.親会社株主に帰属する当期純損失 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は538百万円(前年同期は2,703百万円の損失)となりました。② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものは、製造用の設備の取得費、研究開発費、原材料等の購入費用、一般管理費等の営業費用であります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 日々の営業活動及び製品製造のための仕入れに係る資金の受け取りと支払いの差により発生する短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入で賄い、自己資本では賄えない固定資産投資等への対応資金である長期運転資金の調達につきましては、金融機関引き受けの私募社債の発行、また金融機関からの長期借入やリースを中心に、また必要に応じて資本での調達も検討することとしております。 なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は7,579百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,287百万円となっております。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。 営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品等となります。 EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。