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ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 精密減速機の開発・製造・販売
    ハーモニック・ドライブ・システムズは、主に産業用ロボットや半導体製造装置などに使われる「減速装置」とその応用製品である「メカトロニクス製品」(アクチュエーターや制御装置)を開発、製造、販売しています。これらの製品は、機械の動きを精密に制御するために不可欠な部品であり、高い技術力が求められます。
  • グローバルな生産・販売体制
    日本、北米、欧州、中国といった主要な地域市場に生産・販売拠点を持ち、それぞれの地域の子会社が生産と販売を担当しています。これにより、各地域の顧客ニーズに合わせた製品供給とサポート体制を構築し、世界中の産業機械メーカーに製品を提供しています。
  • 高付加価値製品の提供
    同社グループの製品は、単なる部品ではなく、モーターやセンサーを組み合わせたアクチュエーターやコントローラーといった高機能なメカトロニクス製品が中心です。特に「波動歯車装置ハーモニックドライブ®」は、その精密さと信頼性で高い評価を得ており、同社の収益の柱となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本セグメント
    日本セグメントは、国内の当社を含む子会社とアジア地域の現地法人である子会社が担当しており、減速装置にモーターやセンサーを組み合わせたアクチュエーターやコントローラーの開発・販売、波動歯車装置「ハーモニックドライブ®」の製造・販売、精密遊星減速機の製造などを手掛けています。売上高は217.27393億円と、同社グループ内で最も大きな規模を占めています。
  • 中国セグメント
    今期から独立した報告セグメントとなった中国セグメントは、哈默納科(上海)商貿有限公司が減速装置およびメカトロニクス製品の販売と技術サービスを担当しています。量的重要性の高まりを考慮して独立セグメントとして記載されるようになり、売上高は56.23075億円を計上しており、今後の成長が期待される地域です。
  • 北米・欧州セグメント
    北米セグメントは、ハーモニック・ドライブ・エルエルシーが減速装置およびメカトロニクス製品の開発、製造、販売を担い、売上高は116.28795億円です。欧州セグメントは、ハーモニック・ドライブ・エスイーとその連結子会社8社が欧州・中近東・アフリカ・インド・南米地域での開発、製造、販売を担当し、売上高は166.66675億円と、両地域ともにグローバル展開における重要な市場となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 217
ChinaReportableSegment 地域 56
NorthAmerica 地域 116
Europe 地域 167
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,719 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社関係会社。以下同様。)は、当社、連結子会社17社及び持分法適用会社2社の計20社で構成されており、主に減速装置とその応用製品であるメカトロニクス製品(アクチュエーター及び制御装置)を生産・販売する精密減速機事業を専ら営んでおります。  当社及び当社関係会社の製品の主な地域別市場は、「日本(アジア地域含む。以下同様。)」、「北米」、「欧州」であり、当社グループは、生産・販売体制を基礎とした地域別の所在地別セグメントから構成されており、「日本」は、国内の当社を含む子会社とアジア地域の現地法人である子会社が、「北米」は、現地法人である子会社が、「欧州」は、現地法人である子会社が、それぞれ生産・販売を担当しております。従いまして、当社は、生産・販売体制を基礎とした地域別の所在地別セグメントから構成されており、「日本」、「北米」、「欧州」の3つを報告セグメントとしておりましたが、今期、量的重要性の高まりを考慮し、従来「日本」に含まれていた「中国」を報告セグメントとして記載する方法に変更いたしました。  当社グループ各社の概要と事業内容は次のとおりであります。名称所在地資本金又は出資金議決権の所有割合セグメント名事業内容株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ東京都品川区7,100,036千円当社日本・減速装置にモーター、センサー等を組み合わせたアクチュエーター及びコントローラーの開発、販売 ・波動歯車装置「ハーモニックドライブ®」の開発、製造、販売及び精密遊星減速機の開発、販売連結子会社エイチ・ディ・システムズ・インコーポレイテッド 米国マサチューセッツ州ビバリー100千米ドル100.0%北米ハーモニック・ドライブ・エルエルシーへの出資並びに減速装置及びメカトロニクス製品の調査・研究ハーモニック・ドライブ・エルエルシー 米国マサチューセッツ州ビバリー6,000千米ドル100.0%(100.0%)(注)1北米減速装置及びメカトロニクス製品の開発、製造並びに北米地域における販売株式会社エッチ・ディ・ロジスティクス長野県安曇野市10,000千円100.0%日本当社グループの物流業務等の受託株式会社ハーモニック プレシジョン長野県松本市10,000千円100.0%日本当社グループの減速装置ユニット製品の主要部品であるクロスローラーベアリングの製造、加工株式会社ハーモニック・エイディ長野県安曇野市10,000千円100.0%日本当社販売の精密遊星減速機の製造株式会社ハーモニックウィンベル長野県駒ヶ根市45,000千円100.0%日本メカトロニクス製品の製造並びに各種モーターの開発、量産支援及び製造、販売哈默納科(上海)商貿有限公司中国上海市8,200千元100.0%中国減速装置及びメカトロニクス製品の販売及び技術サービス三益ADM株式会社韓国大邱廣域市5,OOO,000千ウォン51.0%(51.0%)(注)1日本精密遊星減速機の製造ハーモニック・ドライブ・エスイー及びその連結子会社8社ドイツヘッセン州リンブルグ1,550千ユーロ100.0% 欧州減速装置及びメカトロニクス製品の開発、製造、並びに欧州・中近東・アフリカ・インド・南米地域における販売持分法適用非連結子会社青梅鋳造株式会社東京都西多摩郡60,000千円49.2%日本高強度鋳鉄を中心とした鋳造製品の開発、製造、販売持分法適用関連会社合同会社ハタ研長野県安曇野市50,000千円28.6%日本精密機械部品及び電子機器の開発、製造、販売  (注) 1.議決権の所有割合の(内書)は間接所有割合を表しております。   2.当社は、2025年1月1日付でハーモニック・ドライブ・エスイーへの出資を目的とした特定目的会社である、合同会社エイチ・ディ・マネジメントを吸収合併しました。 (その他の関係会社)名称所在地資本金又は出資金議決権の所有割合事業内容株式会社KODENホールディングス東京都大田区50,000千円34.8%KODENグループへの出資を目的とした持株会社 事業の概要図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
多様な顧客ニーズに合わせた個別仕様の特殊製品を提供し、高い市場占有率を持つ
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
波動歯車装置、精密遊星減速機、サーボアクチュエーター等の開発・製造技術、モーションコントロール技術
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:需要変動に関するリスク / 生産に関するリスク / 品質に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ハーモニック・ドライブ・システムズは、精密減速機分野における独自の「ハーモニック・ドライブ」機構に関する長年の技術蓄積と特許網を有している。これは他社が容易に模倣できない高度な技術的ノウハウであり、特にロボットアームや航空宇宙分野など、高い精度が要求されるニッチ市場で強力なブランド力と信頼を築いている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の精密減速機は、ロボットや産業機械の性能に直結するため、一度採用されると、その設計や製造プロセスに深く組み込まれる。代替品への切り替えは、再設計、テスト、認証に多大な時間とコストを要するため、顧客は容易に乗り換えられない。特に、高い精度と信頼性が求められる用途では、スイッチング・コストは高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すものではない。製品の価値は、個々の性能や技術力に依存し、ユーザー数の増加によって製品自体の価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

精密減速機の製造には高度な加工技術と品質管理が求められ、一般的に製造コストは高い。同社が構造的に他社より大幅に低いコストで生産できるという明確な証拠はない。ただし、長年の経験による製造ノウハウの蓄積は、一定の効率化に寄与している可能性はある。

  • 独自の精密減速機技術
    同社は「波動歯車装置ハーモニックドライブ®」という独自の精密減速機技術を保有しています。これは、高い精度とコンパクトさを両立させる特殊な歯車装置で、産業用ロボットや半導体製造装置など、精密な動作が求められる分野で競合他社との差別化要因となっています。
  • グローバルな生産・販売ネットワーク
    日本、北米、欧州、中国に生産・販売拠点を持ち、世界中の主要な市場で事業を展開しています。これにより、各地域の顧客に迅速に対応できる体制を構築しており、特定の地域に依存しない安定した事業基盤を築いています。
  • カスタマイズ対応力
    顧客の多様なニーズに合わせて、個別仕様に基づいた特殊製品を数多く提供しています。これにより、特定のお客様の特定の機器に部品として採用されることが多く、顧客との強固な関係性を構築し、長期的な取引に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社は、以下の経営理念のもと、経営を遂行しております。① 個人の尊重当社は、社員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と、生き甲斐を追求できる企業でありたい。一人一人の向上心を信じ、自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業とする。② 存在意義のある企業当社は、存在意義のある、優れた企業として認められることを望む。独創性を発揮し、個性と特徴をもち、経営の基盤を、絶えることのない研究開発活動と品質優先に置く経営を貫く。全ての組織が全力を尽くすことに生き甲斐を感ずる企業とする。③ 共存共栄当社は、社員、顧客、株主、材料部品の購入先、協力会社、取引先などの多くの人々に支えられている。当社は、これら関係者の全てに満足してもらえるように魅力ある製品、サービス、報酬、環境、取引関係を作り上げるよう最善の努力を払う。④ 社会への貢献当社は、社会の良き一員として企業活動を通じ、広く社会や産業界に貢献して行く。我々が提供する製品やサービスが、直接的間接的に広く社会の向上に役立ち、属する地域社会の環境や質の向上に役立つ企業を目指す。 (2)当社グループの事業と製品当社グループは、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、技術者・技能者という人的資源を中核に、トータル・モーション・コントロールを構成するコア技術を高度に応用することによって、お客様が求める“動き”の実現に貢献できる製品を提供しております。 当社グループでは、ハーモニックドライブ®、アキュドライブ®、ハーモニックプラネタリ®といった高精度減速機に、モーター、センサーなどを組み合わせたアクチュエーター、さらにはその性能を引き出すドライバー、コントローラー、その他システム要素を組み合わせ、他社製品とは差別化された高付加価値製品を提供しております。 (3)当社グループの強みや特長① 波動歯車装置に係る技術・技能の蓄積当社グループは、波動歯車装置との運命的な出会いを契機に、創業以来50年以上にわたって無限に広がるこの減速装置の可能性を追求してきました。これまでに蓄積した開発技術、生産技術、加工・組立の技能、生産システムは、当社グループのかけがえのない財産であり、最大の強みと考えております。② 小型・軽量・高精度を提供する製品群当社グループが製造・販売するメカトロニクス製品と減速装置は、高度なモーション・コントロールや各種装置のコンパクト化・軽量化を求めるお客様にご採用いただいております。なかでも、小型、軽量、高精度を特長とするハーモニックドライブ®は、自動車、デジタル機器、半導体ウェハー、フラットパネルディスプレイなどの製造工程で使われる産業用ロボットの関節部に組み込まれ、世界市場で高いシェアを獲得しています。さらに、工作機械、計測試験装置、人工衛星、先進医療機器、車載などの幅広い用途において、他の機構では実現の難しい差別化された付加価値を提供しています。③ 「トータル・モーション・コントロール」の提供を可能とするコア技術当社グループは、減速機のほか、モーター、センサー、ドライバー、コントローラー、その他システム要素に関する研究開発とものづくりを通じて、これらの技術・技能を蓄積してきました。このようにして培ったコア技術に係る有形・無形の技術と技能は、お客様が求める高度なモーション・コントロールを提供するために不可欠なものであり、当社グループの競争力の源泉と考えております。④ 営業・製造・開発が一体となった事業運営当社グループは、お客様のニーズをものづくりや製品開発に生かすため、営業部門、製造部門、技術・開発部門が密接な関係をもった事業運営を行っています。例えば、長野県の安曇野市にこれらの主要部門を集中させ、引合いから技術検討、試作、受注、製造、出荷までの業務プロセスを効率的に進める体制を構築しています。お客様のニーズや技術者の発想を素早くものづくりに反映し、新たなモーション・コントロールをタイムリーに提供できる体制も当社グループの強みのひとつと考えております。⑤ 国際的な事業展開当社グループは、日本、米国、ドイツ、韓国、中国、台湾に事業拠点を展開し、各地域の特性に合わせた事業戦略を推進するとともに、各拠点が相互に連携しながら世界的に広がるお客様に対し最適な製品・サービスの提供を進めております。 (4)中長期的な当社グループの経営戦略 当社グループは、「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」という不変のミッションを推進しております。当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置は、EV化、手術支援ロボットなど、新たな「社会の技術革新」に大きく貢献しており、今後もその需要は拡大していくことが予想されます。また、世界的な人手不足が顕在化するなか、自動化が加速しており、協働ロボットに加え、新たな市場として「AI・ヒト型ロボット」の需要増加が見込まれております。当社グループはこのような成長機会を確実に取り込むための経営基盤をより強固なものにするとともに、現中期経営計画(2024年度~2026年度)に基づき、グループ一体となって持続可能な社会の実現に向け活動を推進してまいります。さらに、ミッション・長期ビジョンの達成に向け、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略を遂行することにより、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。 ■サステナビリティ基本方針私たちは、「個人の尊重」「存在意義のある企業」「共存共栄」「社会への貢献」という4つの柱で構成された経営理念に基づき、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、社会をより良くするための技術革新に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。 ■当社グループのミッションモーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する ■長期ビジョン未来と調和するトータル・モーション・コントロールのベストプロバイダー ■マテリアリティ ・人的資本の価値最大化 ・お客様の期待値に応えるQCDSの実現 ・環境の変化に適合した新技術・新技能への挑戦と創出 ・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する ・時代に調和した経営基盤の構築 ■中期経営計画(2024年度〜2026年度) ~「価値創出と変革」への挑戦~(基本方針) ① 収益性を重視した全事業の持続的な成長  ・新たな成長ドライバーの開拓  ・顧客期待値に応えるQCDS+Speedの徹底  ② 環境変化に適合できる経営資源(ひと、もの、かね、情報)の強化  ・個の成長と多様な脳力が発揮され、尊重される組織の実現  ・資本効率を意識した成長投資  ・財務基盤及びガバナンス強化  ③ 未来に続く企業価値向上への取り組み  ・ネットゼロの推進  ・多様な人財の登用、採用  ・お客様の環境負荷低減を促進する製品の開発 (5)経営環境と対処すべき課題 2025年度の当社グループの事業環境は、労働人口減少を補うためのロボットをはじめとする自動化投資の拡大、データセンターの拡充及び生成AIに必要な先端半導体の需要拡大に伴う設備投資増等により、前期に引き続き受注が回復基調になると見込んでいます。しかしながら、国際情勢の不安定化による資源・原材料価格の高止まり、為替相場の変動に加えてトランプ関税により、世界経済は一層不透明感が増し、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続くものと予想されます。このような事業環境に対応すべく、現中期経営計画(2024年度~2026年度)の施策を着実に推進してまいります。高い生産能力と品質の維持、サプライチェーン体制の強化による安定した部材調達、並びにITの積極投資による生産性向上と業務効率の改善をさらに加速させることで、一層の製品力の向上、コスト低減、リードタイム短縮に取り組んでまいります。加えて、営業・開発技術一体によるお客様の課題解決力向上と対応の迅速化を推進し、更なる競争優位性の拡大に傾注してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社は、以下の経営理念のもと、経営を遂行しております。① 個人の尊重当社は、社員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と、生き甲斐を追求できる企業でありたい。一人一人の向上心を信じ、自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業とする。② 存在意義のある企業当社は、存在意義のある、優れた企業として認められることを望む。独創性を発揮し、個性と特徴をもち、経営の基盤を、絶えることのない研究開発活動と品質優先に置く経営を貫く。全ての組織が全力を尽くすことに生き甲斐を感ずる企業とする。③ 共存共栄当社は、社員、顧客、株主、材料部品の購入先、協力会社、取引先などの多くの人々に支えられている。当社は、これら関係者の全てに満足してもらえるように魅力ある製品、サービス、報酬、環境、取引関係を作り上げるよう最善の努力を払う。④ 社会への貢献当社は、社会の良き一員として企業活動を通じ、広く社会や産業界に貢献して行く。我々が提供する製品やサービスが、直接的間接的に広く社会の向上に役立ち、属する地域社会の環境や質の向上に役立つ企業を目指す。 (2)当社グループの事業と製品当社グループは、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、技術者・技能者という人的資源を中核に、トータル・モーション・コントロールを構成するコア技術を高度に応用することによって、お客様が求める“動き”の実現に貢献できる製品を提供しております。 当社グループでは、ハーモニックドライブ®、アキュドライブ®、ハーモニックプラネタリ®といった高精度減速機に、モーター、センサーなどを組み合わせたアクチュエーター、さらにはその性能を引き出すドライバー、コントローラー、その他システム要素を組み合わせ、他社製品とは差別化された高付加価値製品を提供しております。 (3)当社グループの強みや特長① 波動歯車装置に係る技術・技能の蓄積当社グループは、波動歯車装置との運命的な出会いを契機に、創業以来50年以上にわたって無限に広がるこの減速装置の可能性を追求してきました。これまでに蓄積した開発技術、生産技術、加工・組立の技能、生産システムは、当社グループのかけがえのない財産であり、最大の強みと考えております。② 小型・軽量・高精度を提供する製品群当社グループが製造・販売するメカトロニクス製品と減速装置は、高度なモーション・コントロールや各種装置のコンパクト化・軽量化を求めるお客様にご採用いただいております。なかでも、小型、軽量、高精度を特長とするハーモニックドライブ®は、自動車、デジタル機器、半導体ウェハー、フラットパネルディスプレイなどの製造工程で使われる産業用ロボットの関節部に組み込まれ、世界市場で高いシェアを獲得しています。さらに、工作機械、計測試験装置、人工衛星、先進医療機器、車載などの幅広い用途において、他の機構では実現の難しい差別化された付加価値を提供しています。③ 「トータル・モーション・コントロール」の提供を可能とするコア技術当社グループは、減速機のほか、モーター、センサー、ドライバー、コントローラー、その他システム要素に関する研究開発とものづくりを通じて、これらの技術・技能を蓄積してきました。このようにして培ったコア技術に係る有形・無形の技術と技能は、お客様が求める高度なモーション・コントロールを提供するために不可欠なものであり、当社グループの競争力の源泉と考えております。④ 営業・製造・開発が一体となった事業運営当社グループは、お客様のニーズをものづくりや製品開発に生かすため、営業部門、製造部門、技術・開発部門が密接な関係をもった事業運営を行っています。例えば、長野県の安曇野市にこれらの主要部門を集中させ、引合いから技術検討、試作、受注、製造、出荷までの業務プロセスを効率的に進める体制を構築しています。お客様のニーズや技術者の発想を素早くものづくりに反映し、新たなモーション・コントロールをタイムリーに提供できる体制も当社グループの強みのひとつと考えております。⑤ 国際的な事業展開当社グループは、日本、米国、ドイツ、韓国、中国、台湾に事業拠点を展開し、各地域の特性に合わせた事業戦略を推進するとともに、各拠点が相互に連携しながら世界的に広がるお客様に対し最適な製品・サービスの提供を進めております。 (4)中長期的な当社グループの経営戦略 当社グループは、「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」という不変のミッションを推進しております。当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置は、EV化、手術支援ロボットなど、新たな「社会の技術革新」に大きく貢献しており、今後もその需要は拡大していくことが予想されます。また、世界的な人手不足が顕在化するなか、自動化が加速しており、協働ロボットに加え、新たな市場として「AI・ヒト型ロボット」の需要増加が見込まれております。当社グループはこのような成長機会を確実に取り込むための経営基盤をより強固なものにするとともに、現中期経営計画(2024年度~2026年度)に基づき、グループ一体となって持続可能な社会の実現に向け活動を推進してまいります。さらに、ミッション・長期ビジョンの達成に向け、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略を遂行することにより、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。 ■サステナビリティ基本方針私たちは、「個人の尊重」「存在意義のある企業」「共存共栄」「社会への貢献」という4つの柱で構成された経営理念に基づき、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、社会をより良くするための技術革新に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。 ■当社グループのミッションモーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する ■長期ビジョン未来と調和するトータル・モーション・コントロールのベストプロバイダー ■マテリアリティ ・人的資本の価値最大化 ・お客様の期待値に応えるQCDSの実現 ・環境の変化に適合した新技術・新技能への挑戦と創出 ・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する ・時代に調和した経営基盤の構築 ■中期経営計画(2024年度〜2026年度) ~「価値創出と変革」への挑戦~(基本方針) ① 収益性を重視した全事業の持続的な成長  ・新たな成長ドライバーの開拓  ・顧客期待値に応えるQCDS+Speedの徹底  ② 環境変化に適合できる経営資源(ひと、もの、かね、情報)の強化  ・個の成長と多様な脳力が発揮され、尊重される組織の実現  ・資本効率を意識した成長投資  ・財務基盤及びガバナンス強化  ③ 未来に続く企業価値向上への取り組み  ・ネットゼロの推進  ・多様な人財の登用、採用  ・お客様の環境負荷低減を促進する製品の開発 (5)経営環境と対処すべき課題 2025年度の当社グループの事業環境は、労働人口減少を補うためのロボットをはじめとする自動化投資の拡大、データセンターの拡充及び生成AIに必要な先端半導体の需要拡大に伴う設備投資増等により、前期に引き続き受注が回復基調になると見込んでいます。しかしながら、国際情勢の不安定化による資源・原材料価格の高止まり、為替相場の変動に加えてトランプ関税により、世界経済は一層不透明感が増し、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続くものと予想されます。このような事業環境に対応すべく、現中期経営計画(2024年度~2026年度)の施策を着実に推進してまいります。高い生産能力と品質の維持、サプライチェーン体制の強化による安定した部材調達、並びにITの積極投資による生産性向上と業務効率の改善をさらに加速させることで、一層の製品力の向上、コスト低減、リードタイム短縮に取り組んでまいります。加えて、営業・開発技術一体によるお客様の課題解決力向上と対応の迅速化を推進し、更なる競争優位性の拡大に傾注してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、全体としては回復基調ながら、米国トランプ大統領の保護主義政策、中国の不動産不況と内需の低迷、さらには資源価格・原材料価格の高騰など、先行きの不透明感が根強く残りました。当社グループの受注環境は、国内では受注の底入れが確認でき、当社製品の在庫が適正化されたお客様からの受注が緩やかながら回復基調となりました。また、ハイエンド志向の中国ローカルロボットメーカーからの受注拡大及び新規のお客様からの案件により、産業用ロボット向けが増加した一方で、車載向けは減少しました。結果として、通期の連結受注高は前期比20.3%増加の530億41百万円となりました。用途別の売上高の動向につきましては、産業用ロボット向けは、主要顧客における在庫調整が進み、お客様の発注が正常化に近づいたことに加え、ハイエンドの中国ローカルロボットメーカー向け及び新規のお客様からの案件獲得により、大幅に増加しました。一方、半導体製造装置向けは、特に最先端分野において、データセンター用途、生成AI関連用途などが需要をけん引したものの、高水準な受注残に支えられた前期に対し、売上高は減少しました。また、車載用途については、お客様の生産調整により売上高は減少しました。これらの結果、連結売上高は、前期比0.3%減少の556億45百万円となりました。損益面につきましては、全社コスト革新プロジェクトを立ち上げ、製造工法や業務効率を中心に全社を挙げて改革を進めました。上半期は産業用ロボット向け、半導体装置向け製品の受注回復のペースが想定より緩やかであったこと、国内生産工場の操業度も低水準であったことから、営業赤字となりました。一方で下半期は、受注が回復基調となり黒字を計上した結果、通期の営業利益も6百万円の黒字(前期比94.4%減)となりました。また、投資有価証券の売却等で、58億68百万円の特別利益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は34億73百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失248億6百万円)となりました。なお、製品群別の売上高は、減速装置が423億4百万円(前期比7.3%増)、メカトロニクス製品が133億41百万円(前期比18.5%減)で、売上高比率はそれぞれ76.0%、24.0%となりました。 報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。 (日本)産業用ロボット向け、半導体製造装置向け製品の売上高は緩やかな回復基調となった一方で、車載向け、その他一般産業機械向けの売上高が減少し、売上高は前期比0.4%減少の217億27百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、減収の影響に加え、子会社からの受取配当金が19億80百万円減少したことにより、前期比45.6%減少の22億24百万円となりました。 (中国)中国ローカルロボットメーカーからの受注拡大により、売上高は前期比35.1%増加の56億23百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、セールスミックスの変化により、前期比6.5%減少の3億2百万円となりました。 (北米)お客様の生産調整により先進医療用途(手術支援ロボット関連)向けが減少したことに加え、半導体製造装置向け需要の回復が遅れていることにより、売上高は前期比12.5%減少の116億28百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、減収の影響により、前期比67.4%減少の5億56百万円となりました。 (欧州)為替相場が円安に推移した一方で、欧州経済の低迷により需要が高まらず、売上高は前期比0.8%増加の166億66百万円となりました。また、ハーモニック・ドライブ・エスイー株式取得時に計上した無形固定資産に係る減価償却費9億44百万円の負担により、52百万円のセグメント損失(経常損失)(前年同期はセグメント利益2億14百万円)となりました。 当連結会計年度における財政状態は、以下のとおりです。総資産は、前連結会計年度末と比較して、55億20百万円減少(前期比4.6%減)し、1,136億21百万円となりました。これは、現金及び預金が45億81百万円増加(前期比22.6%増)した一方で、株式を売却したことにより投資有価証券が83億71百万円減少(前期比95.3%減)したこと、有形固定資産が21億87百万円減少(前期比4.5%減)したことが主な要因です。負債は、前連結会計年度末と比較して、50億62百万円減少(前期比12.7%減)し、346億78百万円となりました。これは、短期資金の調達により短期借入金が20億1百万円増加(前期比285.6%増)した一方で、一部借入金の早期弁済の実行により、長期借入金が41億85百万円減少(前期比27.5%減)したことに加え、繰延税金負債が21億21百万円減少(前期比36.3%減)したことが主な要因です。純資産は、前連結会計年度末と比較して、4億58百万円減少(前期比0.6%減)し、789億43百万円となりました。これは、為替変動の影響により為替換算調整勘定が26億4百万円増加(前期比20.1%増)したことに加え、主に株式の売却益を計上したことにより利益剰余金が15億73百万円増加(前期比4.2%増)した一方で、その他有価証券評価差額金が41億10百万円減少(前期比96.6%減)したことが主な要因です。 この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の66.6%から69.5%になりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて39億81百万円増加し、229億23百万円となりました。 当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による収入は75億16百万円となりました。(前連結会計年度は127億28百万円の収入)これは、売上債権の増加額が9億44百万円となった一方で、減価償却費を80億23百万円計上したことが主な要因です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による収入は14億80百万円となりました。(前連結会計年度は59億50百万円の支出)これは、有形固定資産の取得による支出を48億81百万円、定期預金の預入による支出を26億59百万円計上した一方で、投資有価証券の売却による収入を83億25百万円計上したことが主な要因です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による支出は58億74百万円となりました。(前連結会計年度は81億22百万円の支出)これは、短期借入れによる収入を46億50百万円計上した一方で、長期借入金の返済による支出を48億24百万円、短期借入金の返済による支出を26億50百万円、配当金の支払を19億10百万円計上したことが主な要因です。 ③ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)日本減速装置27,705,8959.2メカトロニクス製品3,964,412△37.6中国減速装置--メカトロニクス製品--北米減速装置4,814,9086.0メカトロニクス製品4,134,546△29.6欧州減速装置9,212,251△3.4メカトロニクス製品5,016,6152.9合 計54,848,630△3.0  (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、中国、北米、欧州)に区分しております。 3.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。 4.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)日本減速装置20,075,36222.23,914,59820.6メカトロニクス製品2,557,86678.9851,66270.8中国減速装置5,128,00258.4899,541△19.8メカトロニクス製品175,543△24.348,092△8.0北米減速装置5,850,20923.63,916,151△4.8メカトロニクス製品3,804,43515.72,032,703△39.8欧州減速装置10,681,8349.45,471,411△9.5メカトロニクス製品4,767,860△4.42,116,516△20.7合 計53,041,11420.319,250,679△8.9  (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、中国、北米、欧州)に区分しております。3.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。 4.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。 5.受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した533,794千円の受注取り消し額を差し引いております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)日本減速装置19,232,1751.4メカトロニクス製品2,495,218△12.0中国減速装置5,439,04946.2メカトロニクス製品184,026△58.4北米減速装置6,270,99910.1メカトロニクス製品5,357,795△29.4欧州減速装置11,362,0502.9メカトロニクス製品5,304,624△3.6合 計55,645,940△0.3  (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)日産自動車株式会社6,547,42211.75,733,87010.3 3.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、中国、北米、欧州)に区分しております。 4.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。 5.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月18日)現在において、当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得の発生時期及びその金額を合理的に見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営者が見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産が減額され税金費用が増加する可能性があります。  (固定資産の減損処理) 当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無に係る判定を行い、認識及び測定のプロセスを経た上で、減損が必要と認められる固定資産については帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、当該資産の耐用年数、将来の使用目処、将来キャッシュ・フロー、割引率の設定などにおいて、経営者の判断や見積りを用いておりますが、今後の事業計画や市場環境の変化により、当該見積りや判断の前提条件や仮定に変更が生じた場合には減損処理が必要となることがあり、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 ② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析a. 財政状態 (流動資産) 流動資産は、前連結会計年度末に比べて57億6百万円増加(前期比12.0%増)し、531億64百万円となりました。これは、現金及び預金が45億81百万円増加(前期比22.6%増)したことが主な要因です。 (固定資産) 固定資産は、前連結会計年度末に比べて112億27百万円減少(前期比15.7%減)し、604億56百万円となりました。これは、株式を売却したことにより投資有価証券が83億71百万円減少(前期比95.3%減)したこと、有形固定資産が21億87百万円減少(前期比4.5%減)したことが主な要因です。 この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて55億20百万円減少(前期比4.6%減)し、1,136億21百万円となりました。 (流動負債) 流動負債は、前連結会計年度末に比べて21億76百万円増加(前期比18.6%増)し、138億96百万円となりました。これは、短期資金の調達により短期借入金が20億1百万円増加(前期比285.6%増)したこと、未払法人税等が11億82百万円増加したことが主な要因です。 (固定負債) 固定負債は、前連結会計年度末に比べて72億38百万円減少(前期比25.8%減)し、207億81百万円となりました。これは、長期借入金が41億85百万円減少(前期比27.5%減)したことに加え、繰延税金負債が21億21百万円減少(前期比36.3%減)したことが主な要因です。 この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて50億62百万円減少(前期比12.7%減)し、346億78百万円となりました。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べて4億58百万円減少(前期比0.6%減)し、789億43百万円となりました。これは、為替変動の影響により為替換算調整勘定が26億4百万円増加(前期比20.1%増)したことに加え、主に株式の売却益を計上したことにより利益剰余金が15億73百万円増加(前期比4.2%増)した一方で、その他有価証券評価差額金が41億10百万円減少(前期比96.6%減)したことが主な要因です。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の66.6%から69.5%になりました。  b. 流動性および資金の源泉  (キャッシュ・フロー) キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。  (資金需要)当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の購入や外注加工費の支払いのほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に係るものです。また、当社グループの研究開発費は研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めております。設備投資、M&Aなどに係る投資資金需要に対しましては、自己資金の充当を優先した上で、不足する資金については直接金融、間接金融など多面的な調達方法を検討し実行いたします。なお、当連結会計年度における設備投資のうち主なものは、工作機械等の製造装置、各種検査装置、切削工具、治具の取得などでありますが、これらへの投資にあたっては、有形・無形固定資産の購入とする方法と、リース取引による方法とを併用しております。 c. 経営成績 (売上高)売上高は、前連結会計年度に比べて1億50百万円減少(前期比0.3%減)し、556億45百万円となりました。これは、国内では受注の底入れが確認でき、当社製品の在庫が適正化されたお客様からの受注が緩やかながら回復基調となった一方で、北米において先進医療機器向け、半導体製造装置向けの売上高が減少したことが主な要因です。 (営業利益)営業利益は、前連結会計年度に比べて1億17百万円減少(前期比94.4%減)し、6百万円となりました。これは、上半期は産業用ロボット向け、半導体装置向け製品の受注回復のペースが想定より緩やかであったこと、国内生産工場の操業度も低水準であったことから、営業赤字となった一方で、下半期は受注が回復基調となり、上半期の赤字を打ち消したことによるものです。 (営業外損益)営業外収益は、前連結会計年度に比べて10百万円増加(前期比1.2%増)し、8億80百万円となりました。これは、為替差益が1億29百万円減少した一方で、受取利息が2億19百万円増加したことなどが主な要因です。営業外費用は、前連結会計年度に比べて3億11百万円増加(前期比73.5%増)し、7億35百万円となりました。これは、為替差損が2億35百万円増加したことなどが主な要因です。 これらの結果、経常利益は前連結会計年度に比べて4億19百万円減少(前期比73.5%減)し、1億51百万円となりました。 (特別損益)特別利益は、前連結会計年度に比べて58億59百万円増加し、58億68百万円(前連結会計年度は8百万円)となりました。これは、前述の株式売却に伴う投資有価証券売却益を58億65百万円計上したことが主な要因です。特別損失は、前連結会計年度に比べて269億46百万円減少(前期比95.6%減)し、12億39百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は34億73百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失248億6百万円)となりました。 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、目標とする経営指標を売上高営業利益率:20%以上、自己資本当期純利益率(ROE):10%以上としております。また、2024年度を初年度とする中期経営計画(2024-2026年度)において、2026年度における財務目標を連結売上高 900億円、売上高営業利益率 15%~20%、ROE10%以上と掲げております。しかしながら、初年度にあたる当連結会計年度の実績(売上高556億45百万円、売上高営業利益率0.0%)は、受注の回復が低迷している影響を受け、大幅な未達となりました。2025年度の当社グループの事業環境は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、前期に引き続き受注が回復基調になると見込んでいる一方で、世界経済は一層不透明感が増し、楽観は許されない状況が続くものと想定しています。これらの見通しをもとに中期経営計画最終年度となる2026年度における財務目標を達成するための取り組みを進めてまいります。なお、連結売上高、売上高営業利益率、ROEの過去5年間の推移は以下のとおりです。 2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度連結売上高370億34百万円570億87百万円715億27百万円557億96百万円556億45百万円売上高営業利益率2.3%15.3%14.3%0.2%0.0%ROE0.7%6.6%7.5%△27.1%4.4%

事業リスク

  • 需要変動による業績影響
    同社グループの製品は、産業用ロボットや半導体製造装置などの設備投資動向に大きく左右されます。スマートフォンなどの電子機器市場の変動や、需給調整による市場の縮小があった場合、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定顧客の製品販売動向や生産終了もリスク要因です。
  • 個別受注契約に伴うリスク
    顧客ごとにカスタマイズされた製品を製造・販売しており、ほとんどが受注生産です。このため、納期が長期化し機会損失が生じる可能性や、想定外のコスト発生、製品性能・納期問題によるペナルティー、受注後の契約取り消しや仕様変更によるコスト回収不能などが業績に悪影響を与える可能性があります。
  • 研究開発と技術革新の遅れ
    モーション・コントロール分野での技術・技能集団として研究開発に注力していますが、技術革新に追いつけず魅力的な新製品を開発できなかった場合や、新製品の市場投入・浸透が遅れた場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、競合他社の著しい技術革新により、製品の競争力が低下するリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,771 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月18日)現在において、当社グループが判断したものです。なお、各リスクが顕在化する時期については、その特定が困難であるため記載しておりません。 ① 需要変動に関するリスク (発生可能性:高、影響度:大)当社グループの製品は、産業用ロボット、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置をはじめとする産業用機械の部品として販売されるものが大半でありますので、設備投資動向が当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、産業用ロボット、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置業界向けについては、スマートフォン等の電子機器や半導体デバイス並びにパネル市場の市況好転や製造技術の革新などにより大きな成長を遂げることがある反面、需給調整などによる予期せぬ市場の縮小が起こった場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、多様なお客様のニーズに合致した個別仕様にもとづく特殊製品を提供しており、特定のお客様が製造販売する特定の機器(資本財に限らず、自動車等の消費財などを含む)に部品として採用されておりますが、これら機器の販売動向に変化が生じた場合や、生産終了の決定がなされた場合などは、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。② 個別受注契約に関するリスク (発生可能性:中、影響度:中)当社グループは、お客様ごとに異なるニーズにきめ細かく対応できるよう、数多くのカスタマイズされた商品を製造・販売しており、当社グループが生産する品目のほとんどは、お客様と個別に受注契約した後に生産する形態としております。受注生産ゆえに納期が見込み生産と比べ相対的に長期化する場合があり、それによる失注のため機会損失のリスクがあります。受注にあたっては、当該製品の製造方法、コスト、納期などについて多面的な検討を実施しておりますが、想定外の経済・政治情勢等の変化、想定を超えるコストの発生、製品性能や納期上の問題等によるペナルティーの支払いなどが生じることがあり、これらが当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、受注後に、お客様による受注契約の取り消しや、製品の仕様変更などが発生し、これに伴うコストの全額を回収できない場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。③ 研究開発に関するリスク (発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、モーション・コントロール分野における技術・技能集団として、研究開発部門への重点的な資源配分を実施することで、高付加価値で特長ある製品を開発し、市場投入していきます。しかしながら、研究開発への資源配分及び研究開発のための人材確保の努力を継続する一方、技術革新に追い付きお客様や市場の需要を満たす魅力的な新製品を開発できなかった場合または研究開発の成果である新製品の市場投入もしくは市場浸透が遅れた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。④ 技術革新に関するリスク (発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、メカトロニクス製品、減速装置の開発・製造・販売をコアビジネスとしております。かかる中、当社が手掛ける波動歯車装置、精密遊星減速機、サーボアクチュエーター等を代替するような技術革新が起こった場合や、競合他社において生産技術面における著しい革新が起こった場合などは、当社グループの製品の競争力が著しく低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 品質に関するリスク  (発生可能性:高、影響度:大)当社グループは、お客様満足の向上と市場における優位性を高めるために、ISO9001の認証取得をはじめとして、品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、予期せぬ製品の不具合が発生することなどにより、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 外国為替の変動に関するリスク (発生可能性:高、影響度:中)当社グループは、米国に連結子会社2社、中国に連結子会社1社、韓国に連結子会社1社、欧州に連結子会社9社を有し、事業における積極的な国際化を推進しております。従いまして、為替変動は当社グループの事業活動に悪影響を与えることがあります。また、為替変動は、当社グループの外貨建取引に伴う収益・費用及び資産・負債の円換算額に影響を与え、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑦ 退職給付債務に関するリスク (発生可能性:中、影響度:中)当社及び一部の連結子会社では、確定給付型の退職年金制度または退職一時金制度を設けておりますが、退職給付債務及び退職給付費用の計算の基礎となる条件の見直しや、年金資産の運用環境悪化等が、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2016年12月1日より、確定給付企業年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行しております。⑧ 生産に関するリスク (発生可能性:高、影響度:大)当社グループは、生産能力の向上及び増強に努めておりますが、生産能力が計画どおりに向上する保証はありません。また、当社グループは、生産能力を向上させるため、特に国内の工場が位置する地域において生産業務に携わる従業員を雇用する必要がありますが、当社グループがその労働力需要を満たす能力は、多くの外部要因(工場が位置する地域において適切な従業員を確保できる可能性、当該地域の失業率、給与水準及び人口動態等)に左右されます。計画どおりに生産能力が向上したとしても、お客様が求めるQCDS水準またはスピードを満たすよう生産ができる保証はありません。 他方で、当社グループの商品に対するお客様の需要が当社グループの予想を下回った場合、当社グループの生産能力が十分に活用されず、投下資本等を回収することができないか、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。 これらの場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 調達に関するリスク (発生可能性:高、影響度:中)当社グループは、幅広いサプライヤーから原材料、部品及び生産設備を購入しておりますが、サプライヤーの供給不足、費用増加またはその他の理由により当社グループの利用量が制限される可能性があります。原材料、部品及び生産設備の価格上昇または利用制限があった場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 人材の確保に関するリスク (発生可能性:中、影響度:大)当社グループの事業においては、事業及びノウハウに関する深い知識と高い技術を有する研究者その他の技術者を含む熟練した従業員並びに能力の高い役員を確保する必要があり、かかる従業員または役員を確保できなかった場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの人材が競合他社に流出した場合、当該人材を通じて競合他社に当社グループの技術やノウハウが漏れ、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 海外事業の展開に関するリスク (発生可能性:高、影響度:中)当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、次のような海外事業展開に関するリスクがあります。・各国の政治情勢及び経済状況の変化及び社会的混乱・海外市場の関連産業における景気の減速または後退・各国の予期しない法律や規制の変更(移転価格問題、当社の在外子会社及び関連会社による送金その他の支払いにかかる源泉徴収その他の税金の賦課または増税等)・各国における許認可の取得及び維持の困難性及び不確実性・取引制限または関税の変更・テロ、戦争、自然災害、悪天候、感染症その他の制御不能な要因・当社グループが事業を行っている国もしくは地域と日本との間の、またはかかる国もしくは地域間の政治的、経済的関係の悪化・各国の政府による投資制限及びその他の規制の実施または増加・人件費の著しい増加及び賃金上昇・労働紛争、争議行為、ゼネストまたは労働環境におけるその他の障害・開発途上のインフラによりもたらされる予期せぬ事故(停電等)・文化の違いやその他の要因による現地の人材及び事業の管理の困難性・一部の国における限定的な知的財産権の保護また、海外における事業の展開に際しては、投下資本の回収が当初の計画どおりに進まない場合があり、収益の増加よりも早く費用の増加が生じることがあります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ M&A及び事業提携等に関するリスク (発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、ドイツ子会社ハーモニック・ドライブ・エスイーの買収をはじめ、様々な業務及び資本提携並びに合弁事業を行っており、適切な機会があれば、さらなる買収(M&A)や事業提携等を行う可能性があります。これらを行う際は、利益性及び投資利益率の見込みを慎重に検討しますが、実施時に見込んだ計画どおりに進捗しない可能性、シナジー効果を実現できない可能性、買収した事業を成功裏に経営できない可能性があります。これらの場合、買収や事業提携等にかかるのれんや無形固定資産の減損等を通じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 固定資産の減損に関するリスク (発生可能性:高、影響度:大)当社グループは、事業用の資産や企業結合の際に発生する有形・無形の固定資産を保有しております。かかる固定資産について、事業環境の大幅な変動が生じた場合や土地等の固定資産価格が下落した場合には減損損失を計上する必要が生じ、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑭ 事業戦略の実現に関するリスク (発生可能性:高、影響度:大)当社グループは、良好な財政基盤を維持しつつ生産能力を増強させることを含め、事業戦略を推進しております。しかしながら、事業戦略の実現や目標の達成は様々な要因(当社グループが事業を行う地域における一般的な経済環境及び市場環境、競争や需要の水準等)に左右されるため、当社グループの事業戦略の実施が意図したとおりの効果をもたらさない可能性、実際の数値が事業計画の前提と異なる可能性、設定した目標が達成されない可能性があります。また、かかる目標が将来的にさらに変更される可能性もあります。 ⑮ 競合に関するリスク (発生可能性:高、影響度:大)当社グループは、減速装置及びメカトロニクス製品の市場において高い市場占有率を持つ製品を多数保有しております。新規参入者により競争が激化した場合、製品の利益率の悪化や販売の機会損失の発生により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 知的財産に関するリスク (発生可能性:中、影響度:中)特許及び商標を含む知的財産権並びに企業機密情報を含むノウハウは、当社グループにとって重要な競争力の源泉であり、その保護に努めていますが、当社グループの権利が干渉を受けた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが事業活動の中で他者の知的財産権を意図せず侵害した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑰ 訴訟その他の法的手続きに関するリスク (発生可能性:中、影響度:大)当社グループの事業活動において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの責任の有無にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟等の提起を受ける可能性があります。かかる訴訟等は、とりわけ製品、環境責任及び特許権侵害の申立て等の知的財産に関する問題に関連して生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合は、提訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑱ 法令及びコンプライアンスに関するリスク (発生可能性:中、影響度:中)当社グループの事業活動は、貿易、反トラスト、知的財産、製造物責任、労働関連法令、コーポレート・ガバナンス、個人情報保護、環境法令、政府の許認可、課税、国家間の国家安全保障に関する法令及び国家安全保障のための輸出入の規制を含む、各国における規制の対象となっております。当社グループのリスク管理体制、コンプライアンス体制及び内部統制システムを維持する努力が効果的でないかまたは不十分である場合、当社グループは(従業員または第三者によって行われたかを問わず)不正行為または腐敗行為に関与する可能性があり、また法令を遵守していないとみなされる可能性があります。これらにより、当社グループに制裁または罰金が科せられる可能性があり、また当社グループの事業及びレピュテーションに悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、今後、法規制が強化された場合や、事業活動を展開する地域が拡大した場合、法規制への対応に追加費用を要することとなり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑲ 労働災害・火災等のリスク (発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、日本をはじめ、海外にも事業拠点を有しており、各拠点において労働災害、火災等の産業事故や環境汚染が発生し、工場等の操業や地域社会に大きな影響を及ぼした場合、社会的信用の失墜、被災者への補償、復旧費用、生産活動停止による機会損失、顧客に対する補償など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑳ 環境法令及び有害物質に関するリスク (発生可能性:中、影響度:中)当社グループの事業は、特に製造プロセスにおいて、使用、貯蔵、排出及び廃棄に厳しい規制がかかっている化学物質等の使用を伴うため、当社グループが事業を展開している国々において幅広い環境法令及び規制の対象となっております。また、当社グループは、エネルギー及び資源保護、リサイクル、地球温暖化、汚染防止、並びに環境衛生及び安全性について、様々な法令及び工業規格の対象となっております。環境法令は、今後、規制が強化される可能性があります。その場合に当社グループの一部の生産及び一部の活動が制限もしくは禁止されてしまう可能性、または是正措置命令を受け、これの実行に伴う費用、適用された環境法令に準拠するために必要となる設備投資その他の費用が相当な金額になる可能性があります。これらによって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。㉑ 資金調達に関するリスク (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループのコミットメントライン契約等の一部借入金の契約には、財務制限条項が付されているものがあります。今後、当該財務制限条項への抵触があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場金利の急激な上昇等によって借入金に係るコストが増加した場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ㉒ 情報セキュリティーに関するリスク (発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、事業活動を通じて、お客様等の個人情報や機密情報を入手することがあるとともに、技術、営業、人事等に係る当社グループの機密情報を保有しています。これらの情報資産について、サイバー攻撃等による不正アクセスや、保有情報の破壊、漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用低下や事業継続に支障が生じることなどにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。㉓ その他のリスク (発生可能性:高、影響度:大)当社グループだけでは避けることのできない、経済や政治環境の変化、テロ、戦争、自然災害、悪天候、感染症その他の制御不能な要因などの予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、最近の米国における関税政策の変更は、当社グループに与える直接的な関税費用の増加に加え、当社グループのお客様が販売する製品等の需要変動を経て、間接的に当社グループの受注高・売上高に影響を与える可能性があります。

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