6 【研究開発活動】当社グループでは、中期経営計画 2024-2026「イノベーションで持続可能な未来を拓く」の実現に向け、①FPSOによる社会への石油エネルギーの安定供給と、その際に発生する温室効果ガスの削減の両立、②石油やガスの代替エネルギー社会への橋渡しをテーマに革新的な研究開発活動を展開しております。 ① FPSOによる社会への石油エネルギーの安定供給と、その際に発生する温室効果ガスの削減の両立当社グループが設計・建造・据付(EPCI)並びにリース・オペレーションを行うFPSOから、エネルギー資源を安全かつ安定的に社会へ供給し続けること、同時にFPSOのライフサイクルを通じた温室効果ガス(GHG)排出を削減することを両立させ、脱炭素社会に向けた過渡期における化石燃料需要を支え、エネルギー・トランジションの実現に寄与するべく、研究開発を実施しております。安定的に稼働する高いアセット・インテグリティのFPSOを建造すべく、 EPCI分野では、Computer Vision, Large Language Model, Vision Language Model, Agentic RAGといった最新のAI/アプローチを組み合わせたAIチャットボットの開発・導入による過去の技術資産を活用した設計上の意思決定の迅速化・高度化、シミュレーションやデータ処理の自動化、エンタープライズデータ基盤の活用によるEPCI工程の品質・生産性の向上や工程管理の高度化など、設計・建造段階における効率化や、それに伴うヒューマンエラーの低減に取り組んでおります。オペレーションにおいては安定的・安全な操業のため、火気工事を伴わない船体補修法であるCFRP補修手法など、洋上の環境においても適用が容易な補修技術の開発・評価を行うとともに、限られた洋上人員での効率的な設備保全を実現すべく、無人小型潜水艇や自立型無人潜水機によるダイバー作業の代替、板厚測定ドローンやロボットを活用したクリーニング作業など、ロボット技術による高所・閉所等の危険作業の代替を進めております。さらに、グループ会社のShape社と共同で、アセット・インテグリティを維持するための効果的なメンテナンスを実現すべくコンディション・ベースド・メンテナンス(CBM)やプレディクティブ・メンテナンス(PdM)等に関する研究開発、AIを用いた安全リスク評価の効率化に関する研究開発を行っております。FPSOにおける原油生産に伴う温室効果ガス (GHG) 排出量の削減においては、主要なGHG発生源である発電機からの排出低減を目的に、Shape社と共同で、デジタルツインとAIを用いた運転の最適化ソリューションを既存FPSOの操業に導入している他、高発電効率を実現するコンバインドサイクル発電モジュールを実用化し、本年度に生産開始したFPSO Bacalhauで運転を開始しております。さらなる排出低減を目指し、発電機排ガスからCO2を抽出する燃焼後カーボンキャプチャー(PCC)技術の開発を実施しております。PCC技術については、陸上で実績のあるPCCシステムのFPSO搭載に向けた技術評価に加え、洋上環境により適した革新的PCC技術のパイロットプラントのFPSO搭載に向けた研究開発を進めております。加えて、ガスタービンやボイラーといった従来型の発電機を代替する低GHG排出の発電手段についても、将来の実用化・FPSOへの搭載に向けた研究開発を行っており、固体酸化物燃料電池については、FPSO上への搭載に向けてパイロットプラントの設計・製作を開始しております 。フレアの削減については、クローズドフレアシステムの既存プラットフォームへの搭載や、予知運転により機械の異常停止低減を支援するデジタルツールの開発に向けた活動を進めております。ベントや漏洩ガスについても、ロボット技術を用いた検出自動化等を通じた排出削減を研究開発活動の対象として実施しております。 ② 石油やガスの代替エネルギー社会への橋渡し当社グループはエネルギー・トランジションにおける現実解に貢献すべく、一足飛びにグリーンソリューションのみを追求するのではなく、将来の代替エネルギー社会への着実な移行に不可欠なソリューションの実現を目指して研究活動を実施しております。主力産業である海洋油田開発の周辺領域での知見を獲得し、FPSOのEPCI及びオペレーションから得た知見や当社の技術資産と組み合わせることで、当社独自の実現可能なソリューションを追求しております。また、当社の強みであるTLP型浮体技術と係留技術を組み合わせた発電単価競争力のあるTLP型洋上風力発電設備・変電設備の開発や、タレット型係留設備を採用した浮体式液化CO2貯蔵・注入ユニット(FSIU)の開発を実施し、i-TLP™2及びFSIUにて船級協会より基本設計承認を取得しております。さらに、浮体式原子力発電を実現するための浮体・送電設備の開発や、油井水や海水からのリチウム回収設備といった新規ソリューション開発に向けた取り組みも実施しております。当連結会計年度におけるこれらの研究開発に係る金額は23,926千米ドルであります。なお、当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しております。
FY2024|2,251 文字
6 【研究開発活動】当社グループでは、中期経営計画 2024-2026「イノベーションで持続可能な未来を拓く」の実現のため、①FPSOによる社会への石油エネルギーの安定供給とその際に発生する温室効果ガスの削減の両立、及び ②石油やガスの代替エネルギー社会への橋渡し をテーマに、革新的な研究開発活動を展開しております。 ① FPSOによる社会への石油エネルギーの安定供給とその際に発生する温室効果ガスの削減の両立当社グループが設計・建造・据付(EPCI)並びにリース・オペレーションを行うFPSOからエネルギー資源を安全かつ安定的に社会に対し供給し続けること、そして同時にFPSOのライフサイクルを通じた温室効果ガス(GHG)排出を削減することを両立することによって脱炭素社会に向けた過渡期における化石燃料需要を支え、エネルギー・トランジションの実現に寄与するべく、研究開発を実施しております。安定的に稼働する高いアセット・インテグリティのFPSOを建造すべく、デジタル技術を用いた設計データ整合性確認の自動化、3Dスキャンデータや3Dモデルを活用した建造工程の管理等、設計・建造段階での効率化やそれに伴うヒューマンエラーの低減といった研究開発を行っており、オペレーションにおいては安定的・安全な操業のために火気工事を伴わない船体補修法であるCFRP補修手法等、洋上の環境においても適用が容易な補修技術の開発・評価を行うと同時に、限られた洋上人員による効率的な設備保全を実現すべく、無人小型潜水艇や自立型無人潜水機によるダイバー作業の代替、板厚測定ドローンやロボットを活用したクリーニング作業等、ロボット技術で高所・閉所等の危険作業の代替を進める研究開発を実施しております。さらに、グループ会社のShape社と共同でアセット・インテグリティを保つための効果的なメンテナンスを実現すべくコンディション・ベースド・メンテナンス(CBM)やプレディクティブ・メンテナンス(PdM)等に関する研究開発を行っております。温室効果ガス排出量の削減においては、ライフサイクル全体にわたって責任感を持って取り組む立場から、あらゆるスコープ1、2、3排出をその削減対象としております。ライフサイクルにわたるGHG排出量を細かな粒度で定量化する手法を開発し、その分析を通じてGHG削減に有効な注力領域を特定することで、効果的な研究開発活動を展開しております。FPSOにおける原油生産に伴うGHG排出において主要なGHG発生源である発電機からの排出低減を目的とした、高発電効率を実現するコンバインドサイクル発電モジュールの実用化や、発電機排ガスからCO2を抽出する燃焼後カーボンキャプチャー(PCC)技術の開発を実施しております。PCC技術開発においては、陸上で実績のあるPCCシステムのFPSO搭載に向けた技術評価と、洋上環境により適した革新的なPCC技術について、パイロットプラントのFPSO搭載に向けた研究開発活動を行っております。さらに、ガスタービンやボイラーといった従来型の発電機を代替するような低GHG排出の発電手段についても、将来の実用化・FPSOへの搭載に向けた研究開発活動を行っております。フレアの削減については、クローズドフレアシステムの既存プラットフォームへの搭載や、予知運転による機械の異常停止低減を支援するデジタルツールの開発に向けた活動を行っております。ベントや漏洩ガスに関してもロボット技術を用いた検出自動化等を通じての排出削減を研究開発活動の対象として実施しております。 ② 石油やガスの代替エネルギー社会への橋渡し当社グループはエネルギー・トランジションにおける現実解に貢献すべく、一足飛びにグリーンソリューションだけを追求するのではない、将来の代替エネルギー社会への着実な移行において必要不可欠なソリューションの実現を目指して研究活動を実施しております。主力産業である海底油田開発の周辺領域での知見を獲得し、FPSOのEPCI及びオペレーションから得た知見や、当社の技術資産と組み合わせることで、当社独自の実現可能なソリューションを追求しております。代替燃料の生産ソリューションにおいては、原油を生産するFPSOにおいて発生する随伴ガスを受け取り、液体アンモニアに変換・貯蔵し、発生したCO2を海底に圧入することができる「ブルーアンモニアFPSO」のコンセプト開発を行い、設計基本承認を取得しております。その他のソリューションにおいては、当社の強みであるTLP型浮体技術と係留技術を組み合わせた、コスト競争力のあるTLP型洋上風力発電設備・変電設備の開発やCCS設備を備えた発電バージのコンセプト開発、浮体式CO2受取・圧入プラットフォームのコンセプト開発、更にはバッテリーの原料として不可欠なリチウムの油井水や海水からの回収設備といった新規ソリューション開発に向けた取り組みを実施しております。グループ会社のSOFEC社におきましては、高電圧電気スイベルの開発や、アンモニアや液体CO2の海上払い出し設備の開発といった研究開発活動を展開しております。当連結会計年度におけるこれらの研究開発に係る金額は16,534千米ドルであります。なお、当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しております。
FY2023|2,189 文字
6 【研究開発活動】当社グループでは、中期経営計画 2024-2026「イノベーションで持続可能な未来を拓く」の実現のため、①FPSO事業の価値向上、及び ②新規事業創出の2つの領域での研究開発活動を展開しております。 ① FPSO事業の価値向上当社グループが設計・建造・据付(EPCI)並びにリース・オペレーションを行うFPSOからエネルギー資源を安全かつ安定的に供給するという根本的な価値を維持・向上させるのみならず、温室効果ガス(GHG)をはじめとする大気中への排出や海洋への排水といった環境負荷の低減、更にはEPCIやオペレーションにおける省力化・省人化といった側面での事業価値向上に資する研究開発を実施しております。FPSOの安定操業のためのアセット・インテグリティ向上に資する研究開発としては、高信頼性・省メンテナンス性・軽量化等の観点から導入を検討している新規要素技術の開発・評価、限られた洋上人員による効率的な設備保全を実現するコンディション・ベースド・メンテナンス(CBM)やプレディクティブ・メンテナンス(PdM)に関する研究開発、さらには火気工事を伴わない船体補修法であるCFRP補修手法等、洋上の環境においても適用が容易な補修技術の開発・評価といった活動を行っております。環境負荷の低減、特にGHG排出量の把握・削減においては、ライフサイクルを遍く責任感を持って取り組む立場から、活動量が甚大かつ活動領域が広範に亘るFPSOのEPCIにおける排出量の算定モデルの構築を行い、更には操業中のFPSOからの排出量算定の精緻化及び漏洩箇所の継続的な検知・補修を実施するため実際にFPSO上でのGHG排出量計測及び計測技術の比較・評価を実施いたしました。先行して把握できている操業中のFPSOからの排出については、主要なGHG発生源である発電機からの排出低減を目的とした、高発電効率を実現するコンバインドサイクル発電モジュールの開発、発電機排ガスからCO2を抽出するカーボンキャプチャー(CC)技術の開発、省エネのための機器運転最適化を提示するデジタルツールの開発といった活動をはじめ、その他の排出源であるフレア・ベント・漏洩についても低減のための研究開発、さらに関連する活動として、脱炭素技術の搭載に伴うトップサイド(原油・ガス生産プラント)の更なる大型化に対応した、次世代船体の開発も実施しております。省力化・省人化の観点では、無人潜水機(ROV)/無人航空機(UAV)によるダイバー作業の代替、ドローンを活用した高所・閉所作業の代替といったドローン・ロボティクス技術の活用と、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の実現を主な研究開発対象としております。 一例として、プライベートLTE技術の試験導入によるIoT化、様々な能力・資格が求められるオペレーション人員の人員配置自動化、業務フロー・日報等の電子化及びテキストマイニング等によるデータ活用といったFPSO操業における活動から、上流工程であるFPSOの設計におけるタグ情報管理や設計データ整合性確認の自動化、3Dモデルを活用した建造工程の容易な確認の実現といった活動へと展開しております。さらに、Chat GPTベースの生成AIを活用した社内業務改善、独自開発の高速検索システムを活用した図面・書類等へのアクセス向上、データ統合プラットフォームの開発といった業務横断的な、全社員の業務改革を支援する研究開発活動を実施しております。 ② 新規事業創出再生可能エネルギーや代替燃料等のエネルギー・トランジションにおける浮体事業、社内開発したデジタル技術を用いたデジタル事業、及びその他事業の創出に資する研究開発を実施しております。再生可能エネルギーにおいては、当社グループの強みである浮体・係留技術を活かしたTLP型及びセミサブ型の洋上風力発電設備を開発しており、特にTLP型に関しては漁業との親和性という観点から日本での導入が期待されております。また、グループ会社のSOFEC社は電力供給ブイ及び代替燃料の一つであるアンモニアの輸送システムの開発を行い、設計基本承認を取得しております。デジタル事業においては、当社グループのFPSO事業における知見やデータを活用したデジタル・ソリューションをパッケージ化したサービスを、グループ会社のShape社を通じて石油ガス業界だけでなく他業界に対しても外販を実施しております。当社グループの操業を通じて開発した故障予測モデルを活用し、顧客プラントにおけるPdMの支援を行うツールである「Lighthouse」、設計データと操業データを統合し、顧客プラントに対してリアルタイムで省エネ・GHG排出削減のための運転最適化を支援する「Shape AURA」、当社グループのプロセスセーフティマネジメントシステムとデジタルツールにより顧客プラントの安全操業を支援する「DBMS」の3つのサービスが現在リリース済みとなっております。当連結会計年度におけるこれらの研究開発に係る金額は11,083千米ドルであります。なお、当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しております。