6240

ヤマシンフィルタ(6240)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • フィルタ専門メーカーとしての歴史
    ヤマシンフィルタは創業以来、一貫してフィルタの専門メーカーとして事業を展開してきました。建設機械向けの油圧フィルタや産業機械用フィルタ、そして近年注力しているエアフィルタの開発・製造・販売が主な収益源です。フィルタの心臓部である「ろ材」の内製化が特徴で、顧客の多様なニーズに応える製品を提供しています。
  • 建機用フィルタが主力
    同社の売上高の約8割を占めるのが建機用フィルタ事業です。油圧ショベルなどの建設機械に不可欠な油圧回路の作動油や燃料、エンジンオイルのろ過に使われるフィルタを開発・製造・販売しており、建設機械の高性能化に伴い需要が拡大しています。
  • 新規事業ポートフォリオの確立
    建機用フィルタ事業に加え、2019年10月からはエアフィルタ事業を第2の柱として育成しています。さらに、次世代の「ろ材」であるナノファイバーの量産化技術を確立し、これを建機用フィルタやエアフィルタだけでなく、様々な産業資材として活用することで、第3の事業ポートフォリオを確立し、企業価値向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建設機械用フィルタ事業
    建設機械の油圧回路や燃料、エンジンオイルのろ過に用いられるフィルタの開発・製造・販売を行っています。油圧ショベルなどの建設機械に不可欠な部品であり、同社の主力事業で、2025年3月期には売上高174.89億円、営業利益25.55億円を計上しており、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • エアフィルタ事業
    空気中の不純物を取り除くエアフィルタの開発・製造・販売を行っています。2019年10月より第2の事業ポートフォリオとして追加され、今後の成長が期待されています。2025年3月期には売上高26.15億円、営業利益0.76億円を計上しており、まだ規模は小さいものの、新たな収益源としての役割を担っています。
  • 産業用・プロセス用フィルタ事業
    産業用フィルタは工作機械や農業機械、船舶などに使われる油圧ユニットのろ過に、プロセス用フィルタは電子部品や食品製造工程での精密ろ過に用いられます。これらは建機用フィルタ事業と連携して製造されており、多様な業界のニーズに応えることで、事業の多角化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstractionSegmentReportableSegment 事業 175 26 14.6%
AirReportableSegment 事業 26 1 2.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,528 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社7社により構成されており、建機用フィルタ製品及びエアフィルタ製品を主たる事業としております。当社グループは、経営理念として、「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、フィルタビジネスを通じて社会貢献するという意思のもと、フィルタビジネスを通じた新規事業ポートフォリオの確立に取り組んでおり、本業である建機用フィルタ事業に加え、2019年10月1日よりエアフィルタ事業を第2の事業ポートフォリオとして追加いたしました。当社グループの各セグメントの関連は、次のとおりであります。 建機用フィルタ事業建設機械向け油圧フィルタ(以下、建機用フィルタ)、産業機械向け油圧フィルタ(以下、産業用フィルタ)、プロセス用フィルタの開発・製造・販売を行っております。 エアフィルタ事業エアフィルタの開発・製造・販売を行っております。 当社グループについて(1) 当社グループの概要当社グループは、創業以来、一貫してフィルタの専門メーカーとして実績を重ねてきました。当社グループは、フィルタのキーパーツである「ろ材」の主な材料であるガラス繊維や不織布及びフィルタの構成部品に使用される金属加工品や樹脂加工品等の仕入を行い、建機用フィルタ、産業用フィルタ、プロセス用フィルタ、エアフィルタを製造・販売しております。当社グループは、各フィルタの「ろ材」の開発及び製品設計から製造をグループ内で一貫して行い、建設機械、産業機械等の業界向けに販売を行っております。当社グループの特徴は、「ろ材」を内製化することで、顧客が要望する様々な仕様に対応した「ろ材」及び「ろ材構造」を独自に開発し、最適な製品を顧客へ供給できることであります。特に主力品目である建機用フィルタでは、油圧ショベルが国産化された同時期からフィルタ製品の開発、生産を手掛けており、搭載される回路の知識や長年に亘るノウハウは競合他社との差別化に貢献しております。また、近年において、現在の主要な材料であるガラス繊維と比較し、その耐久性や濾過効果において優位性が高く、かつ環境負荷の低減に貢献する次世代の「ろ材」として、ナノファイバーの量産化技術の確立に成功しました。このナノファイバーを使用したフィルタ製品は、建機用フィルタ事業及びエアフィルタ事業における新たな主力製品として期待されており、主要な取引先への供給が開始されております。更には、このナノファイバーにより量産される「ろ材」を、建機用フィルタ製品やエアフィルタ製品のみならず、様々な事業分野へ産業資材として活用することにより、第3の事業ポートフォリオとして、新たな事業の確立を実現し、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。 (2) 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけ 品目事業内容及び関係会社との位置づけ建機用フィルタ当社、YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.及びYAMASHIN VIETNAM CO., LTDにおいて製造を行っております。製品販売は、国内は当社が行っており、海外は主として各連結子会社が行っております。連結子会社の販売担当地域は次のとおりであります。YAMASHIN AMERICA INC.・・・・・・・当社製品の米国向け販売YAMASHIN EUROPE BRUSSELS BV・・・・当社製品の欧州向け販売YAMASHIN THAI LIMITED・・・・・・・当社製品の東南アジア・インド向け販売YAMASHIN FILTER(SIP) INC.・・・・・当社製品の中国向け販売産業用フィルタ当社、YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.及びYAMASHIN VIETNAM CO., LTDにおいて製造を行っております。国内の販売は当社が行っており、海外の販売は、建機用フィルタと同様であります。プロセス用フィルタ当社及びYAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.において製造を行っております。国内の販売は当社が行っており、海外の販売は、建機用フィルタと同様であります。エアフィルタ株式会社アクシーにおいて製造を行っております。国内の販売は株式会社アクシー及びその代理店が行っております。 (3) 取扱製品について当社グループの取り扱う主要な製品の内容は次のとおりであります。 ・建機用フィルタ分野建機用フィルタとは、建設機械の駆動に不可欠である油圧回路の作動油をはじめ、燃料のディーゼル・オイル、エンジン駆動に必要な潤滑油のろ過に用いられるフィルタのことであり、あらゆる建設機械に搭載されております。当社グループの主力分野である建機用フィルタ製品は、建設機械の高性能化に伴い、機械回路のあらゆる部分で採用が拡大されてまいりました。特に油圧回路は機械駆動に大きな役割を担っているため、フィルタによる回路環境の整備は不可欠であり、多数のフィルタが建設機械には搭載されております。 品目製品名主な特徴・用途建機用フィルタ作動油用フィルタリターンフィルタ作動油がオイルタンクに戻る前に、細かい不純物を除去する目的で装備されるフィルタであります(交換用のカートリッジを特にフィルタエレメントと呼称します)。油圧ショベル及びその他建設機械、一般油圧システムに使用されております。サクションストレーナオイルタンク内の比較的大きな不純物を除去する目的で、サクションポート(オイルタンクの吸いこみ口)に直接装着されております。油圧ショベル及びその他建設機械、一般油圧システムに使用されております。ラインフィルタ油圧回路に用いられるフィルタで、圧力のかかる箇所に設置されるフィルタであります。油圧ショベル及びその他建設機械、一般油圧システムに使用されております。エアブリーザ建設機械のオイルタンク内への外気に含まれる不純物の侵入の防止、油圧システム稼働中のオイルタンク内の圧力の保持、オイルタンク内のオイル清浄度の維持といった多目的なフィルタであります。油圧ショベル及びその他建設機械に使用されております。リリーフバルブ作動油の温度が高い時にはオイルクーラーを通し、温度が低い時(差圧がかかる時)にはオイルクーラーを通さずにオイルタンクへ向けて作動油を流すという振り分けを行うバルブとして使用されております。中大型油圧ショベル、ミニ油圧ショベルにおいて使用されております。ナイロンストレーナ各種オイルタンクの給油口に装着し、給油の際、オイルタンク内への汚染物資の侵入を防ぎます。油圧ショベル及びその他建設機械に使用されております。トランスミッション用フィルタブルドーザー、ホイールローダー等のトランスミッション機構を持つ建設機械に設置されるフィルタであります。高粘度の潤滑油に混入したギアなどの摩擦にて発生した金属粉などの不純物のろ過に使用されております。燃料用フィルタ建設機械のディーゼル燃料に含まれる不純物、水分の除去に使用されております。エンジンオイル用フィルタディーゼルエンジンに用いられるエンジンオイル内の細かい不純物のろ過を行っております。 ・産業用フィルタ分野産業用フィルタとは、様々な業界に応用されている油圧ユニットの作動油や潤滑油のろ過に用いられるフィルタのことであり、工作機械、冷凍用圧縮機、農業機械、船舶、鉄道車両、航空機やヘリコプター等の産業機械に使用されております。当社グループの産業用フィルタ製品は、油圧ユニットを搭載する機械分野全般で使用されております。そのため、取引先の業種も様々であり、求められる性能や機能も異なります。主な販売先は、工作機械メーカーや圧縮機メーカー、農業機械メーカーなどであります。 品目製品名主な特徴・用途産業用フィルタラインフィルタ工作機械、プレス機、搬送油圧ユニットの油圧回路などにおいて、作動油等のろ過に使用されます。 ・プロセス用フィルタ分野プロセス用フィルタとは、顧客製品の製造工程で行われるろ過・分離に必要なフィルタのことであり、電子部品、精密部品、液晶ディスプレイや食品等の業界に使用されております。当社グループのプロセス用フィルタ製品は、建機用、産業用と比較して、より細かいろ過を求められる分野へ提供されております。具体的な用途は、電子部品の精密洗浄やコンデンサ・フィルム関連のナノレベルの分級(対象物の分離工程)等であります。 品目製品名主な特徴・用途プロセス用フィルタ糸巻フィルタ半導体業界、化学業界、食品業界において、精密なろ過を行う前に大きな物質をろ過する際に使用されております。不織布フィルタ半導体業界、化学業界、食品業界において、精密洗浄用フィルタに使用されております。メンブレンフィルタ半導体業界、化学業界、食品業界において、精密洗浄用フィルタにおいて、ろ過の最終工程で使用されております。 ・エアフィルタ分野エアフィルタとは、空気中からごみ、塵埃などの除去に用いられるフィルタのことであり、ビル・建物をはじめ、食品や薬品などの製造工場、電力配電盤や鉄道車両など特殊な用途に至るまで幅広い分野に使用されております。当社グループのエアフィルタ製品は、多様化する顧客の要求に応えるため、比較的大きな粒子を除去するために用いられるプレフィルタから半導体製造工場や病院(手術室)など高い清浄度が求められる空間で用いられるHEPAフィルタ、異物混入が許されない食品工場で用いられる防虫フィルタなど幅広い製品をラインナップしております。 品目製品名主な特徴・用途エアフィルタプレフィルタ空気中の比較的大きな塵埃(5μm以上)を除去し、次段フィルタの寿命を伸ばす目的で外気取入口などに装着されております。ビル・建物、各種工場、各種環境機器などあらゆる場面に使用されております。中高性能フィルタ空気中の塵埃(5μm以下)を除去し、中程度の清浄空気を得る目的で設置されているフィルタであります。一般的なビルでよく見かける天吊りのパッケージ型空調機などに搭載されております。HEPAフィルタ0.3μmの大きさの粒子を99.97%以上除去する、超高効率のフィルタであります。半導体工場、病院にあるクリンルームや空気清浄機などに使用されております。オイルミストフィルタ金属加工工場など室内に立ち込めるオイルミストを除去する目的で使用されております。厨房機器への搭載、フライヤーを使用する環境で使用されております。防虫フィルタ建物への虫の侵入を防ぐ目的で使用されています。食品業界だけでなく、一般家庭への空調システムにも使用されております。脱臭フィルタ空気中の臭いやガス成分を除去する目的で設置されております。美術館・博物館、動物病院や畜産業界などに使用されております。ケーシング各種フィルタを設置・搭載する目的の取付枠であります。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
「ろ材」の内製化と独自開発により顧客の多様な仕様に対応し、差別化に貢献
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
フィルタのキーパーツである「ろ材」の独自開発技術と長年にわたるノウハウ
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定市場(建機用フィルタ)への依存度 / 新興国市場での模倣品・廉価品との競合 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

同社は、独自の技術開発力に基づく特許やノウハウを蓄積しているが、そのブランド力や特許の独占性は限定的であり、競合他社も類似技術を開発する可能性がある。具体的な特許ポートフォリオの強さや、それが市場シェアに直結している明確な証拠は少ない。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設機械用フィルタという製品特性上、一度採用されたフィルタが別のメーカーに変更されるには、性能評価や認証プロセスが必要となるため、一定のスイッチングコストが発生する。特に大手OEMとの取引では、その関係性の維持が重要となる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

フィルタ事業には、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。製品の性能や価格が直接的な競争要因となる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産経験と効率化努力により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社の生産効率向上により、持続的なコスト優位性を確立するには至っていない可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

建設機械用フィルタ市場において、同社は主要プレイヤーの一つであり、一定の市場シェアを確保している。しかし、グローバルな大手競合と比較すると、規模の経済性においてはまだ差がある可能性があり、業界全体が多数のプレイヤーで構成されている。

  • 「ろ材」の内製化と独自開発力
    「ろ材」とはフィルタの性能を左右する重要な部品です。ヤマシンフィルタは、この「ろ材」の材料であるガラス繊維や不織布の開発から製品設計、製造までを一貫してグループ内で行っています。これにより、顧客の要望に応じた多様な「ろ材」や「ろ材構造」を独自に開発し、最適なフィルタ製品を提供できる点が大きな強みです。
  • 長年の経験とノウハウ
    主力製品である建機用フィルタにおいては、油圧ショベルの国産化と同時期からフィルタ製品の開発・生産を手掛けてきました。この長年にわたる経験で培われた油圧回路に関する知識やノウハウは、競合他社との差別化に貢献しており、顧客からの信頼を得る基盤となっています。
  • 次世代技術「ナノファイバー」
    現在の主要材料であるガラス繊維と比較して、耐久性やろ過効果に優れ、環境負荷の低減にも貢献する次世代の「ろ材」として、ナノファイバーの量産化技術を確立しました。このナノファイバーを使用したフィルタ製品は、建機用フィルタ事業とエアフィルタ事業の新たな主力製品として期待されており、主要取引先への供給も始まっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。この経営理念には、当社の創業者である山崎正彦のフィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマに持続可能な社会の実現のための課題解決に取り組み、コーポレートサステナビリティの更なる強化に努めるとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。 (2)当社グループを取り巻く経営環境当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業においては、新車の販売台数は前年度と同水準で推移する見通しである一方で、交換需要は引き続き堅調に推移することが見込まれます。また、地政学リスクを背景とした資材価格やエネルギーコストの高騰については依然として終息のめどが立たず、先行き不透明な状況が継続しており、米国の関税政策の影響による建機市場の需要減退が懸念されますが、当社グループのサプライチェーンにおける米国向け製品の関税の影響は僅少であり、影響額については販売価格の改定等により当社の負担を最小化することが可能であると見込んでおります。 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題① 新たな価値創造の取り組み当社は、新たな価値創造の取り組みとして、主力事業である建機用フィルタ事業においては、多様なアプローチによるシェア拡大、高付加価値製品の導入、アフターマーケット活動の進化に取り組み、更なる事業規模の拡大と収益性の改善に取り組んでまいります。また、ナノファイバー技術による先端素材を建機用フィルタ事業やエアフィルタ事業により積極的に展開し、新規事業分野への進出等を図り、より付加価値の高いビジネスを創出し、長期的持続的な成長性を実現し、企業価値向上を図ってまいります。(注)中期経営計画 (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/Mid-term.html) ② 資本コストを意識した経営の強化当社は、総合的な企業価値指標である「MAVY」の持続的な拡大を経営の基本としており、「MAVY」を、財務情報、非財務情報、株主還元情報の3つに区分し、それぞれ定量目標を開示しております。2028年3月期の定量目標として、財務情報としては、MAVY's 2%以上、ROIC10%以上、WACC7.3%以下、非財務情報としては、FTSE4.0、CDP Aスコア取得、株主還元情報としては、DOE10%以上、配当性向80%以上を目標として中期経営計画書に開示しております。このように、定量目標の開示により、投資家との対話を推進するとともに、社内における各部門や従業員の取り組むべき課題や目標を明確にすることで、資本コストを意識した経営の強化と、企業価値の向上を図ってまいります。(注)中期経営計画 (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/Mid-term.html) ③ ESG経営の推進当社は持続可能な環境・社会を実現するための取り組みとして、気候変動に対する取り組み及び人的資本への積極的な投資を掲げております。具体的には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同を表明し、企業や自治体の環境への取り組みを評価する国際環境非営利団体CDPが行う「CDP気候変動」Aスコアを取得しておりますが、FTSE RussellのESGスコア4.0を目標にした取り組みも強化してまいります。また、人的資本への投資としては、「多様な価値観を持つ人的資本」への投資を図ることを通じ、従業員等にとり「ウェル・ビーイング」な社会を実現すべく努めてまいります。更に、当社はコーポレート・ガバナンス及び経営課題に関する事項等について幅広く議論し、コーポレート・ガバナンス機能の継続的な充実を図ることを目的とした取締役会の諮問機関として、ガバナンス委員会を設置しております。同委員会は、取締役会の経営の監督機能の実効性の評価、課題に対する取締役会への助言、改善提案、報告、執行役員への通知といった活動を行っております。同委員会は透明性及び客観性を確保するため、委員は独立社外取締役で構成されております。加えて、グループ会社が行う業務執行に関するリスクの監視・牽制機能(モニタリング)、内部監査で実施される評価業務の支援を目的とした社内委員会として、代表取締役社長の諮問機関である業務監理委員会を設置しております。この内部統制組織の拡充強化を通じ、当社連結グループ全体のガバナンス及びコンプライアンスの更なる改善を図ってまいります。当社はこのようなガバナンス委員会及び業務監理委員会の活動を通じ、より一層牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。(注)サステナビリティレポート (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/sustainability/data.html)(注)統合報告書 (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/integratedreport.html)
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。この経営理念には、当社の創業者である山崎正彦のフィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマに持続可能な社会の実現のための課題解決に取り組み、コーポレートサステナビリティの更なる強化に努めるとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。 (2)当社グループを取り巻く経営環境当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業においては、新車の販売台数は前年度と同水準で推移する見通しである一方で、交換需要は引き続き堅調に推移することが見込まれます。また、地政学リスクを背景とした資材価格やエネルギーコストの高騰については依然として終息のめどが立たず、先行き不透明な状況が継続しており、米国の関税政策の影響による建機市場の需要減退が懸念されますが、当社グループのサプライチェーンにおける米国向け製品の関税の影響は僅少であり、影響額については販売価格の改定等により当社の負担を最小化することが可能であると見込んでおります。 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題① 新たな価値創造の取り組み当社は、新たな価値創造の取り組みとして、主力事業である建機用フィルタ事業においては、多様なアプローチによるシェア拡大、高付加価値製品の導入、アフターマーケット活動の進化に取り組み、更なる事業規模の拡大と収益性の改善に取り組んでまいります。また、ナノファイバー技術による先端素材を建機用フィルタ事業やエアフィルタ事業により積極的に展開し、新規事業分野への進出等を図り、より付加価値の高いビジネスを創出し、長期的持続的な成長性を実現し、企業価値向上を図ってまいります。(注)中期経営計画 (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/Mid-term.html) ② 資本コストを意識した経営の強化当社は、総合的な企業価値指標である「MAVY」の持続的な拡大を経営の基本としており、「MAVY」を、財務情報、非財務情報、株主還元情報の3つに区分し、それぞれ定量目標を開示しております。2028年3月期の定量目標として、財務情報としては、MAVY's 2%以上、ROIC10%以上、WACC7.3%以下、非財務情報としては、FTSE4.0、CDP Aスコア取得、株主還元情報としては、DOE10%以上、配当性向80%以上を目標として中期経営計画書に開示しております。このように、定量目標の開示により、投資家との対話を推進するとともに、社内における各部門や従業員の取り組むべき課題や目標を明確にすることで、資本コストを意識した経営の強化と、企業価値の向上を図ってまいります。(注)中期経営計画 (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/Mid-term.html) ③ ESG経営の推進当社は持続可能な環境・社会を実現するための取り組みとして、気候変動に対する取り組み及び人的資本への積極的な投資を掲げております。具体的には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同を表明し、企業や自治体の環境への取り組みを評価する国際環境非営利団体CDPが行う「CDP気候変動」Aスコアを取得しておりますが、FTSE RussellのESGスコア4.0を目標にした取り組みも強化してまいります。また、人的資本への投資としては、「多様な価値観を持つ人的資本」への投資を図ることを通じ、従業員等にとり「ウェル・ビーイング」な社会を実現すべく努めてまいります。更に、当社はコーポレート・ガバナンス及び経営課題に関する事項等について幅広く議論し、コーポレート・ガバナンス機能の継続的な充実を図ることを目的とした取締役会の諮問機関として、ガバナンス委員会を設置しております。同委員会は、取締役会の経営の監督機能の実効性の評価、課題に対する取締役会への助言、改善提案、報告、執行役員への通知といった活動を行っております。同委員会は透明性及び客観性を確保するため、委員は独立社外取締役で構成されております。加えて、グループ会社が行う業務執行に関するリスクの監視・牽制機能(モニタリング)、内部監査で実施される評価業務の支援を目的とした社内委員会として、代表取締役社長の諮問機関である業務監理委員会を設置しております。この内部統制組織の拡充強化を通じ、当社連結グループ全体のガバナンス及びコンプライアンスの更なる改善を図ってまいります。当社はこのようなガバナンス委員会及び業務監理委員会の活動を通じ、より一層牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。(注)サステナビリティレポート (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/sustainability/data.html)(注)統合報告書 (https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/integratedreport.html)
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況1.経営成績当社グループは、2024年11月に公表した中期経営計画 “Fly to the next stage!”(2025年3月期から2028年3月期)において、①新たな価値創造の取り組み、②資本コストを意識した経営の強化、③ESG経営の推進に取り組んでおります。主力事業である建機用フィルタ事業においては、建機の新車需要は各市場において前年度を下回る一方で、交換需要の増加等により、当連結会計年度においては全体で大幅な増収増益となり、連結業績は創業以来の過去最高益を達成いたしました。当社グループは、建機用フィルタビジネスにおける更なるシェア拡大と収益性の改善に取り組んでおり、主要得意先に対して、環境負荷低減に貢献するナノファイバーを使用したロングライフのフィルタ製品の供給を本格的に開始いたしました。また、北米市場のシェア拡大についても着実に進展しており、建機用フィルタ事業の更なる成長と資本効率の改善が着実に進展しております。エアフィルタ事業においては、主力製品であるビル空調用フィルタの交換需要の減少や、基幹システムの導入に伴う販売管理費の増加により、減収減益となりました。当社グループは、ロングライフ、低圧損、高捕集率のナノファイバー製エアフィルタ(製品名NanoWHELP(ナノウェルプ))の供給の拡大に向けた取り組みを強化するとともに、今後、国内市場のみならず、健康や環境被害を排除するための規制の強化がEUから各国に広がり始めている欧州市場をはじめとした海外市場の開拓にも積極的に取り組んでまいります。また、新たな市場開拓の取り組みとして、Yamashin Nano FilterTM の持つ素材の可能性を活かし、新規事業領域における製品開発を継続しております。具体的には、実績のあるアパレル分野に加え、耐熱性、導電性の特性を活かし、断熱材市場やスマートテキスタイル市場への進出を視野に入れ、研究開発を継続してまいります。今後も当社グループは、総合フィルタメーカーとして「環境」「空気」「健康」をテーマに持続可能な社会・経済活動に貢献する企業として社会的責任を果たしてまいります。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は201億4百万円(前年同期比11.5%増)となり、営業利益は26億30百万円(前年同期比86.4%増)、経常利益は26億69百万円(前年同期比88.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億23百万円(前年同期比119.1%増)となりました。 2.連結業績当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)業績について (単位:百万円) 2024年3月期 2025年3月期増減額増減率外部売上高18,02420,1042,07911.5%営業利益(利益率)1,411(7.8%)2,630(13.1%)1,21886.4%経常利益(利益率)1,415(7.9%)2,669(13.3%)1,25488.6%親会社株主に帰属する当期純利益(利益率)786(4.4%)1,723(8.6%)936119.1% 売上高については、建機用フィルタ事業において13.7%の増収、エアフィルタ事業において1.0%の減収となったことから、全体では11.5%の増収となりました。営業利益については、建機用フィルタ事業において、収益性の高い補給品売上高の大幅な増加等により93.5%の増益となりました。エアフィルタ事業においては、基幹システムの導入に伴う販売管理費の増加により17.3%の減益となり、連結では86.4%の増益となりました。経常利益については、為替差損の減少等により88.6%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、119.1%の増益となりました。なお、当社は、グループ経営の効率化及び競争力強化を目的とし、中国及び北米拠点における事業構造改革を実施しており、事業構造改革費用として232百万円を、また当社の得意先に供給した製品不具合に関する対応費用として19百万円をそれぞれ特別損失に計上しております。 3.事業セグメント別の売上高と営業利益 (建機用フィルタ事業)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)業績について(単位:百万円) 2024年3月期 2025年3月期増減額増減率外部売上高15,38217,4892,10613.7%営業利益(利益率)1,320(8.6%)2,554(14.6%)1,23493.5% 売上高については、補給品売上高の販売数量の増加により13.7%の増収となりました。営業利益については、収益性の高い補給品売上高の大幅な増加等により93.5%の増益となりました。 (エアフィルタ事業)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)業績について(単位:百万円) 2024年3月期 2025年3月期増減額増減率外部売上高2,6422,615△26△1.0%営業利益(利益率)91(3.5%)75(2.9%)△15△17.3% 売上高については、交換需要の減少等により、1.0%の減収となりました。営業利益については、基幹システムの導入に伴う販売管理費の増加により、17.3%の減益となりました。 4.財政状態当連結会計年度末における当社グループの財政状態については、総資産は266億42百万円(前連結会計年度末比2.7%増)となり、負債は40億22百万円(前連結会計年度末比13.4%減)となり、純資産は226億19百万円(前連結会計年度末比6.2%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より9億36百万円増加し、57億62百万円となりました。  ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループはフィルタ製品の製造・販売を主たる事業としており、事業品目別に記載しております。a 生産実績当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。なお、生産実績については、品目の共通原材料及び共通部品が含まれるため、品目ごとに金額を記載しておりません。 事業品目の名称生産高(千円)前年同期比(%)建機用フィルタ事業10,971,096123.1エアフィルタ事業2,616,48599.7合計13,587,582117.8 (注) 1.金額は販売価格によっております。2.産業用フィルタ及びプロセス用フィルタについては建機用フィルタ事業に含めております。 b 受注状況当連結会計年度の受注状況を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。 事業品目の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)建機用フィルタ16,810,884118.23,679,568124.7産業用フィルタ773,609115.9244,311136.3プロセス用フィルタ711,537100.3131,854109.8エアフィルタ2,581,82396.9220,28986.9合計20,877,855114.34,276,024122.1 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。 事業品目の名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)建機用フィルタ16,080,965114.8産業用フィルタ708,547109.3プロセス用フィルタ699,74296.4エアフィルタ2,615,12299.0合計20,104,378111.5 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。   2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)CATAPILLAR INC.1,815,42610.12,249,47311.2 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 (2) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (3) 経営成績の分析当連結会計年度において、売上高は201億4百万円(前年同期比11.5%増)となり、営業利益は26億30百万円(前年同期比86.4%増)、経常利益は26億69百万円(前年同期比88.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億23百万円(前年同期比119.1%増)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、次のとおりであります。 ① 売上高当連結会計年度の売上高は、建機用フィルタ事業において13.7%の増収、エアフィルタ事業において1.0%の減収となったことから、全体では11.5%の増収となりました。② 販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、63億2百万円(前年同期比2.5%増)となり、前年同期に比べ1億56百万円増加しました。これは主に決算賞与の支給に伴い人件費が増加したことなどによるものであります。③ 営業外損益当連結会計年度の営業外収益は、89百万円(前年同期比30.1%減)となりました。これは主に前連結会計年度にあった2021年9月に竣工した佐賀新工場の立地促進補助金収入が当連結会計年度にはなかったことにより補助金収入が減少したことによるものであります。営業外費用は、49百万円(前年同期比59.8%減)となりました。これは主に為替差損の計上が前連結会計年度に比べ減少したことよるものであります。④ 特別損益当連結会計年度の特別利益は、1億37百万円(前年同期比1,386.6%増)となりました。これは主に前期に計上した品質保証損失引当金の戻入及び保険金収入の計上によるものであります。特別損失は、2億85百万円(前年同期比0.2%減)となりました。これは主に事業構造改革費用の計上によるものであります。 (4) 財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比9億46百万円増加(前連結会計年度末比7.0%増)し、144億34百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が9億49百万円増加(前連結会計年度末比18.7%増)、受取手形及び売掛金が4億18百万円増加(前連結会計年度末比12.0%増)、その他が1億49百万円増加(前連結会計年度末比75.0%増)した一方で、電子記録債権が4億92百万円減少(前連結会計年度末比37.0%減)したことによるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比2億47百万円減少(前連結会計年度末比2.0%減)し、122億8百万円となりました。その主な要因は、機械装置及び運搬具が1億52百万円減少(前連結会計年度末比12.2%減)、繰延税金資産が1億74百万円減少(前連結会計年度末比28.2%減)したことによるものであります。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比4億38百万円減少(前連結会計年度末比11.5%減)し、33億89百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が2億25百万円減少(前連結会計年度末比100.0%減)、1年内返済予定の長期借入金が83百万円減少(前連結会計年度末比20.8%減)、品質保証対応損失引当金が1億12百万円減少(前連結会計年度末比92.2%減)したことによるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1億82百万円減少(前連結会計年度末比22.4%減)し、6億33百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が3億19百万円減少(前連結会計年度末比100.0%減)、その他が62百万円減少(前連結会計年度末比30.0%減)した一方で、資産除去債務が1億99百万円増加したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比13億20百万円増加(前連結会計年度末比6.2%増)し、226億19百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が11億56百万円増加(前連結会計年度末比14.6%増)した一方で、自己株式が1億33百万円減少(前連結会計年度末日は2億32百万円)したことによるものであります。 (5) キャッシュ・フローの状況の分析① キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より9億36百万円増加し、57億62百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、27億62百万円(前年同期は得られた資金26億32百万円)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益25億22百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、5億29百万円(前年同期は使用した資金5億41百万円)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出4億24百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、12億98百万円(前年同期は使用した資金14億65百万円)となりました。その主な内訳は、配当金の支払5億66百万円、長期借入金の返済4億3百万円、短期借入金の返済2億25百万円によるものであります。 ② 資金需要資金需要の主なものは、製品製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係る運転資金と設備投資資金であります。これらの運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金を充当しております。 (6) 経営戦略の現状と見通し当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (7) 経営者の問題認識と今後の方針当社グループの経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (8) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 特定市場への高い依存度
    ヤマシンフィルタの事業は、2025年3月期において建機用フィルタ事業が売上高の約8割を占めています。そのため、景気低迷や公共投資の減少による建設機械メーカーの業績悪化、あるいは建設機械の構造革新や油圧動力に代わる新技術の登場などがあった場合、建機用フィルタの売上高が減少し、会社全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 新興国市場での競合激化
    主要市場である油圧ショベル市場は、中長期的には新興国での拡大が予測されています。しかし、新興国市場では模倣品や安価な製品の台頭が予想されており、これらが普及した場合、ヤマシンフィルタの建機用フィルタの売上高が減少し、業績に影響を与える可能性があります。同社は大手建設機械メーカーへの純正部品供給で対抗しています。
  • グローバル事業における為替変動と地政学リスク
    ヤマシンフィルタは日本、フィリピン、ベトナムに生産拠点を持ち、日本、アメリカ、ベルギー、タイ、中国に販売拠点を展開しています。原材料の調達、物流、販売、海外事業における外貨建て資産・負債は為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。また、生産拠点が集中するフィリピンなどで自然災害、戦争、テロなどが発生した場合、生産活動や販売に遅延や中断が生じ、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,094 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上の重要なリスクとは考えていない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 特定市場の依存度について当社グループの事業活動は、2025年3月期において、建機用フィルタ事業向け売上高が約8割を占めており、中長期の事業展開も当該売上高の割合が高く推移するものと計画しております。当社グループは、景気停滞、公共投資低迷などの原因による建設機械メーカー各社の業績が悪化した場合、又は当社グループの強みである作動油フィルタに対する建設機械の構造革新や油圧動力に替わる新たな技術革新などが起きた場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合について当社グループ製品の主要市場である油圧ショベル市場は、中長期的には、新興国での市場の拡大を予測しております。新興国市場においては、模倣品や廉価品の台頭が予想され、当社グループでは、継続して大手建設機械メーカーを中心に純正部品として建機用フィルタ及び関連部品を安定供給することに努めます。しかしながら、今後、新興国において競合他社の模倣品・廉価品の販売が伸長した場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 為替レートの変動について当社グループは、生産拠点を日本、フィリピン及びベトナムに擁し、販売拠点を日本、アメリカ、ベルギー、タイ及び中国に擁しております。当社グループの原材料調達、物流、販売等の営業活動、海外事業等による外貨建資産及び負債は、為替レート変動の影響を受ける恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 公的規制等について当社グループの事業活動は、各国の政策動向やその国固有の規制等の影響を受けており、今後、当社グループが事業展開するにあたって、新たな関税、通貨規制、税制度等が導入された場合には、これらの対応コストの発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 調達・生産・物流について当社グループの製品原価に占める部品・資材の割合は大きく、その調達は素材市況の変動に影響を受けます。部品・資材価格の高騰は、当社グループの材料費を増加させ、製造原価の増加をもたらします。また、部品・資材の品薄や調達先の倒産あるいは生産打ち切りにより、当社グループにおいて適時の調達・生産が困難になり、生産効率が低下する可能性があります。当社グループでは、材料費の増加については他の原価低減や販売価格の見直しによって対応し、また適時の調達・生産の問題については関係部門の連携を密にすることによって、これらの影響を最小限に抑えることに努めております。しかしながら、予想を大きく上回る素材価格の高騰や供給の逼迫が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループは、生産拠点における部品・資材の輸入調達を行っているとともに、当社及び販売子会社を通じて海外顧客への輸出販売を行っております。そのため、物流を取り巻く外部環境の変化に伴うコンテナ船の需要変動により、輸送リードタイムの長期化、海上輸送費の高騰や、物流コストの高騰が継続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 生産計画と適正在庫について当社グループの事業活動は、2025年3月期において、建機用フィルタ事業向け売上高が約8割を占めており、その殆どがOEM(注)製品であります。当社グループの建設機械市場向け製品の販売は、最終顧客に接する販売代理店への直接販売は行わず、建設機械メーカーを経由して販売する方法を採用しており、建設機械メーカーの生産計画及び部品の販売計画が当社の生産計画に影響を及ぼす構造になっております。当社グループは、建設機械メーカーと定期的に情報交換するなど市場動向、生産計画及び部品の販売計画等の最新情報を入手し、在庫が適正水準を維持できるように常に監視・分析しておりますが、建設機械メーカーからの急な発注数量の変更や納期の調整などにより、在庫を過剰に保有する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(注) 製造委託者のブランドで製品製造を行うこと。 (7) 製品の品質について当社グループは、グループ内において品質管理体制を整え、厳格な品質基準に基づく製品の製造をしております。しかしながら、当社グループが顧客に納入した製品について、顧客の要求規格及び仕様等を充足しなかった場合又は不適合が生じた場合には、重大な品質クレームを引き起こす可能性があります。大規模なクレームの発生や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストが発生することに加えて、当社グループの評判や当社グループと顧客の関係に重大な影響を与え、それにより販売が縮小し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 自然災害等について当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を海外に設けグローバルに事業を展開しております。また、生産の拠点については日本、フィリピン及びベトナムに設けており、2025年3月期において、建機用フィルタ事業における生産の約6割(販売価格ベース)をフィリピンに集約しております。これらの拠点において、地震・水害等の自然災害、戦争・テロ又は第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。当社グループでは、一定規模の災害等を想定した、リスク対応施策を講じておりますが、こうした自然災害等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報管理について当社グループの事業活動において、顧客情報に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏えい及び紛失などから守るために管理体制を構築するとともに、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じております。しかしながら、万が一、情報漏えい等の事故が起きた場合には、当社グループの評価・信用に悪影響を与えるなどのリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 知的財産権について当社グループが開発した独自技術等は、特許権等の取得により、知的財産権の保護を行っております。しかしながら、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、第三者が当社の製品と類似した製品を製造、販売することにより、当社グループが損害を受ける可能性があります。また、製品開発においては、第三者が保有する権利をチェックすること等によって、第三者の知的財産権を含む権利侵害を行わないように努めております。しかしながら、当社グループが第三者から知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 係争・紛争について当社グループの事業活動にあたっては、内部統制を強化し、法令遵守、社会道徳遵守を含めたコンプライアンスの強化、各種リスクの低減に努めると共に、必要に応じて弁護士等の外部専門家の助言等を受けております。しかしながら、事業活動にあたっては、法令などの違反の有無にかかわらず訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、本報告書提出日現在において係争・紛争は発生しておりません。 (12) M&A・業務提携について当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び業務提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。M&Aや業務提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデュー・デリジェンス(Due diligence)(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、事前に買収・提携成立後に偶発債務の判明等、不測の事態が発生する可能性を完全には防止できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じた場合は、当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(注)M&Aなどの取引に際して行われる、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動 (13)感染拡大に関するリスク当社グループは佐賀県、大阪府及びフィリピン、ベトナムの各生産拠点において厳重な対策を実施した上で、生産活動を含む事業活動を継続し、顧客に対する製品供給体制を維持しておりますが、感染症の感染拡大の影響により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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