6209

リケンNPR(6209)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 持株会社体制
    リケンNPRは、リケンと日本ピストンリングの経営統合により設立された共同持株会社です。グループ全体の経営戦略の立案と、傘下のグループ会社への経営管理を通じて収益を上げています。この体制により、グループ全体の効率的な運営と成長を目指しています。
  • 自動車・産業機械部品事業
    グループの主要事業は、自動車や産業機械向けの部品製造・販売です。ピストンリングなどの基幹部品を国内外で展開しており、リケンや日本ピストンリングが中心となって製造・販売を担っています。関連会社が製造工程の一部や販売・輸出をサポートし、グローバルな供給体制を構築しています。
  • 配管・建設機材とその他事業
    配管・建設機材事業では、日本継手などが製品を製造・販売しています。その他、電波暗室、工業炉、電熱材の製造・販売、さらには建設請負工事や工場営繕修理などのサービス事業も展開しており、多角的な事業ポートフォリオを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車・産業機械部品事業
    この事業はグループの売上高の大部分を占める主力事業で、最新年度の売上高は1277.1億円、営業利益は90.5億円です。自動車や各種産業機械向けの部品(ピストンリングなど)を製造・販売しており、国内外に多くの生産・販売拠点を持ち、グローバルに展開しています。
  • 配管・建設機材事業
    配管や建設現場で使用される機材の製造・販売を行う事業で、最新年度の売上高は186.76億円、営業利益は11.97億円です。日本継手などが中心となり、主に国内市場で事業を展開しており、グループの安定収益に貢献しています。
  • その他の製品・サービス事業
    電波暗室、工業炉、電熱材の製造・販売、建設請負工事、工場営繕修理などのサービスを提供しています。これらの事業は、主力事業を補完し、グループ全体の多角化とリスク分散に寄与しており、特定の市場に依存しない収益源を確保しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomobileIndustrialMachineryPartsBusiness 地域 1,277 91 7.1%
PipingProductsProductsForConstructionBusiness 地域 187 12 6.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,401 文字
3【事業の内容】当社は、2023年10月2日付で㈱リケン及び日本ピストンリング㈱の経営統合に伴い、共同株式移転の方法により両社の共同持株会社として設立され、グループの経営戦略立案機能を担うとともに、グループ会社への経営管理並びにこれに付帯又は関連する業務を行っております。当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社36社及び持分法適用関連会社6社により構成され、自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業、その他の製品の製造・販売等を主な内容として国内及び海外にてグローバルに事業を営んでおり、更にグループ内外を対象にしたサービス等の事業活動を展開しております。当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業に係わる位置づけは次のとおりであります。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」に掲げるセグメント情報等の区分と同一であります。 (自動車・産業機械部品事業)㈱リケン、日本ピストンリング㈱が製造・販売するほか、㈱リケンキャステックが製造したものを㈱リケンが、㈱日ピス福島製造所が製造・外注加工したものを日本ピストンリング㈱が仕入れて販売しております。また、理研機械㈱、㈱リケンEP、日本メッキ工業㈱、柏崎ピストンリング㈱及び、理研熊谷機械㈱、㈱日ピス岩手は製造工程の一部を下請けしております。理研商事㈱は㈱リケン製品の販売、八重洲貿易㈱は㈱リケン製品の輸出をしております。なお、海外ではリケンオブアメリカ社、ユーロリケン社、リケンオブアジア社、リケンセールスアンドトレーディング社、エヌピーアールオブヨーロッパ社、エヌピーアールシンガポール社、イーエーアソシエーツ社が当社グループ製品を販売しております。このほか、パカルティリケンインドネシア社、理研汽車配件(武漢)有限公司、理研密封件(武漢)有限公司、リケンメキシコ社、台湾理研工業股份有限公司、サイアムリケン社、南京理研動力系統零部件有限公司(中国)、エヌティーピストンリングインドネシア社、日環汽車零部件製造(儀征)有限公司、エヌピーアールマニュファクチュアリングインドネシア社、サイアムエヌピーアール社、エヌピーアールオブアメリカ社、エヌピーアールオートパーツマニュファクチュアリングインディア社及び儀征日環亜新科粉末冶金製造有限公司が各々製造・販売・外注加工をしております。 (配管・建設機材事業)日本継手㈱が製造・販売するほか、㈱リケン、理研商事㈱は㈱リケンCKJVが製造したものを仕入れて販売しております。 (その他)電波暗室については、㈱リケン環境システムが製造・販売しております。工業炉、電熱材については、㈱リケンヒートテクノ及び㈱シンワバネスが製造・販売しております。サービス事業等は㈱アール・ケー・イーが建設請負工事、環境整備及び工場内の営繕修理を行っております。また、日本ピストンリング㈱、エヌピーアールオブヨーロッパ社、エヌピーアールオブアメリカ社及び㈱ノルメカエイシアが、他社より仕入れた商品等の販売を行っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。  事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格等の上昇を顧客に適切に価格転嫁交渉する取り組みを推進しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
競合他社と差別化できる製品・生産技術の開発、技術提案型の営業体制の構築。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:景気後退による需要減少のリスク / 原材料価格等の上昇及び調達リスク / 特定業種(乗用車エンジン向け)への高依存度リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

リケンNPRは特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに関する顕著な情報が見当たらない。主力事業であるプラスチック製品の製造において、差別化された無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

リケンNPRの製品は、自動車部品や工業用部品など、特定の用途に特化している場合がある。これらの部品は、顧客の製造ラインや製品設計に組み込まれているため、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストや手間がかかる可能性がある。しかし、代替材料や競合製品の存在も考慮すると、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

リケンNPRの事業モデルは、製品の利用者が増えることで価値が増加するネットワーク効果を生み出す性質のものではない。BtoBの製造業であり、直接的なユーザーコミュニティやプラットフォーム形成とは無縁である。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

プラスチック成形加工業においては、生産効率の改善や材料調達コストの削減が競争力の源泉となりうる。リケンNPRが長年の操業で培った生産ノウハウやサプライヤーとの関係により、一定のコスト優位性を有している可能性はあるが、構造的な圧倒的優位性を示す情報は乏しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

リケンNPRは、特定のニッチ市場(例:自動車部品、工業用部品)において、一定のシェアと生産規模を有していると考えられる。業界全体で見ると、特定の製品群においては、規模の経済を活かした効率的な生産体制を構築し、寡占的な地位を築いている可能性がある。

  • グローバルな生産・販売網
    リケンNPRグループは、北米、欧州、アジアなど世界各地に生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、安定的な供給体制を構築することで、国際的な競争力を維持しています。
  • 多角的な事業展開
    自動車・産業機械部品を主力としながらも、配管・建設機材、電波暗室、工業炉、電熱材、さらにはサービス事業など、幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いていると考えられます。
  • 技術開発と品質管理
    自動車部品など高い品質が求められる製品を製造しており、ISO9001やIATF16949といった外部認証を取得し、品質の維持・向上に努めています。また、競合他社と差別化できる製品・生産技術の開発にも注力しており、これが競争優位の源泉となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は、2023年10月2日付で㈱リケンと日本ピストンリング㈱の経営統合に伴い、両社の共同持株会社として設立されました。経営統合にあたり、リケンNPRグループの経営理念として次のMission、Vision、Valueを定めており、単に競争を通じて利潤を追求するという経済主体ではなく、株主、取引先、従業員、地域社会等すべてのステークホルダーの立場を尊重し、その期待に応え、社会の一員として義務を果たしていくという決意を込めており、今後も持続可能な社会の実現に向け、努力と挑戦を続けてまいります。  リケンNPRグループ経営理念 Mission(リケンNPRの使命・存在意義)  生み出す力で人と地球の「今と未来」を支えます  Vision(リケンNPRの目指す姿・ありたい姿)  人と技術の融合によりイノベーションを創出し、変革に挑戦し続けます  Value(リケンNPRが提供する価値)  信頼の「環」:ステークホルダーの皆様とのつながりを大切にし、高品質の製品とソリューションの提供を通じて企業価値を向上させます  成長の「環」:互いの価値を認めて尊重し合い、新たな挑戦を続けることで会社と従業員がともに成長します  社会の「環」:暮らし、環境の社会課題解決に貢献します (2) 経営戦略 当社グループは、2024年2月14日に2026年度を最終年度とする第一次中期経営計画を策定いたしました。「経営統合によるシナジー創出」「事業ポートフォリオ改革」「サステナビリティ経営の強化・成長基盤の整備」を柱とする中期経営方針に加えて、定量目標としましては、2026年度に、売上高1,800億円、経常利益率9%以上、ROE8%以上を目標としております。 エンジン関連部品を中心とする既存事業については各種合理化等を含む収益力強化策を進めるとともに、次代を担うネクストコア事業の拡大・基盤強化を推進してまいります。加えて、持続的に成長する経済社会実現のためのサステナビリティ経営を実践し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。  なお、株主資本コストを上回るROE(資本収益性)を実現するために、事業ポートフォリオ改革にむけた積極投資(設備投資・M&A・研究開発)、株主還元の一層の充実化など、企業価値向上に向けた戦略的キャッシュアロケーションを推進するとともに、財務戦略も含めた当期純利益水準の確保、中期戦略の着実な遂行、IR活動の充実化を通じた株主資本コストの低減に向けた取り組みを行ってまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、米国関税政策変更に伴う混乱や為替(円高)リスクの高まり、依然として高水準の地政学的リスク等、従来以上に不確実性の高い状況にあるものと認識しております。そのような環境下にあって、当社と関連が深い自動車産業は、その影響を強く受ける業界であり、変化に対する柔軟かつ適切な対応が求められるものと考えております。 当業界は、100年に一度と言われる大きな変革期にあり、特にエンジン部品を巡る市場環境は、従前において中心的なシナリオであった「急速なBEV化」については進展のスピードが緩和されたとの見方が示されつつあるとはいえ、引き続きその厳しさは変わらないものと認識しております。そのような中で、当社グループは、内燃機関搭載車が今後とも当面はモビリティの主役であるとの認識を持ち、その主力事業者としての責任を果たすべく地球環境に貢献するエンジン部品の開発を強力に進めてまいります。同時に、新規事業領域への展開につきましても、上記の事業環境変化を踏まえつつSDGsや脱炭素といったグローバルな潮流を捉え、経営上の重要な課題として積極的に取り組んでまいります。 当社グループは、このような大きな環境変化の中にはありますが、第一次中期経営計画に則った取り組みを着実に進捗させることで、企業価値向上に向け一歩一歩進んで行くことができるものと考えております。具体的な課題や取組方針は、次のとおりとなります。 ①事業戦略(事業ポートフォリオの改革)<既存事業> 当社グループが「グローバルNo.1サプライヤー」であるピストンリング事業については、その地位の維持・強化を図ります。統合シナジーの創出と抜本的な生産性改善に注力するとともにエンジン機能の向上や水素・代替燃料対応技術開発にも積極的に取り組んでまいります。また、焼結・樹脂・素形材等の分野においても、グローバル展開を進めるニッチ分野にも強い有力サプライヤーとして引き続きシェア拡大を図ります。これらの既存事業については、競争力とともに収益力の強化を重視した施策を進めます。 <ネクストコア事業> 半導体・エレクトロニクス事業に関連の深い熱エンジニアリング分野やEMC分野等、次代を担う事業の拡大・基盤強化を進めるとともに、電動化ユニット、機能性樹脂、磁性材、医療機器等の新製品開発にも積極的に取り組み、中核事業化を進めてまいります。加えて、内部リソースにのみ拘ることなく、M&A等を活用し、技術連関性や親和性の高い事業の取り込みも積極的に進め、本事業の質・量両面の拡充を図ります。 ②財務・資本戦略(バランスシートの最適化)<キャッシュアロケーション> 営業キャッシュフロー及び政策保有株式等の資産圧縮を通じて創出した資金を、成長領域の設備投資・研究開発、M&A、等の戦略投資と株主還元に活用してまいります。 <株主還元> 株主還元につきましては、経営上の重要課題と認識しており、総合的な観点から適切な資金配分を行うことを前提として、株主のご期待に応えつつ安定的・継続的に実施して行く方針としております。第一次中期経営計画期間については、配当性向40%以上、総還元性向70%以上(3年平均)、総額200億円(うち自己株式取得100億円)を目途とし、従来対比高水準の株主還元を実施してまいりたいと考えております。なお、自己株式取得につきましては、損益・財務状況、資本効率等を勘案しつつ、機動的に実施してまいりたいと考えております。 ③サステナビリティ経営 当社グループは、企業と社会の持続的成長を支えるため、サステナビリティ経営を推進してまいります。人的資本投資の拡充やエンゲージメント向上も含めた主要取組事項については、KPIを設定し、2026年度での目標達成を目指します。 ④株主価値向上に向けた対応 当社グループは、中期経営計画期間において、上記のとおり、事業ポートフォリオ改革、シナジー創出やバランスシート最適化、等を進めるとともに、ROIC経営の考え方を積極的に取り入れ、株主資本コストを上回る資本収益性(ROE)の実現を図ってまいります。また、引き続き従来対比高水準の株主還元を継続し、株主のご期待に応えるとともに、IR活動の充実化も推進し、企業価値の向上、延いてはPBR1倍以上の実現を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は、2023年10月2日付で㈱リケンと日本ピストンリング㈱の経営統合に伴い、両社の共同持株会社として設立されました。経営統合にあたり、リケンNPRグループの経営理念として次のMission、Vision、Valueを定めており、単に競争を通じて利潤を追求するという経済主体ではなく、株主、取引先、従業員、地域社会等すべてのステークホルダーの立場を尊重し、その期待に応え、社会の一員として義務を果たしていくという決意を込めており、今後も持続可能な社会の実現に向け、努力と挑戦を続けてまいります。  リケンNPRグループ経営理念 Mission(リケンNPRの使命・存在意義)  生み出す力で人と地球の「今と未来」を支えます  Vision(リケンNPRの目指す姿・ありたい姿)  人と技術の融合によりイノベーションを創出し、変革に挑戦し続けます  Value(リケンNPRが提供する価値)  信頼の「環」:ステークホルダーの皆様とのつながりを大切にし、高品質の製品とソリューションの提供を通じて企業価値を向上させます  成長の「環」:互いの価値を認めて尊重し合い、新たな挑戦を続けることで会社と従業員がともに成長します  社会の「環」:暮らし、環境の社会課題解決に貢献します (2) 経営戦略 当社グループは、2024年2月14日に2026年度を最終年度とする第一次中期経営計画を策定いたしました。「経営統合によるシナジー創出」「事業ポートフォリオ改革」「サステナビリティ経営の強化・成長基盤の整備」を柱とする中期経営方針に加えて、定量目標としましては、2026年度に、売上高1,800億円、経常利益率9%以上、ROE8%以上を目標としております。 エンジン関連部品を中心とする既存事業については各種合理化等を含む収益力強化策を進めるとともに、次代を担うネクストコア事業の拡大・基盤強化を推進してまいります。加えて、持続的に成長する経済社会実現のためのサステナビリティ経営を実践し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。  なお、株主資本コストを上回るROE(資本収益性)を実現するために、事業ポートフォリオ改革にむけた積極投資(設備投資・M&A・研究開発)、株主還元の一層の充実化など、企業価値向上に向けた戦略的キャッシュアロケーションを推進するとともに、財務戦略も含めた当期純利益水準の確保、中期戦略の着実な遂行、IR活動の充実化を通じた株主資本コストの低減に向けた取り組みを行ってまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、米国関税政策変更に伴う混乱や為替(円高)リスクの高まり、依然として高水準の地政学的リスク等、従来以上に不確実性の高い状況にあるものと認識しております。そのような環境下にあって、当社と関連が深い自動車産業は、その影響を強く受ける業界であり、変化に対する柔軟かつ適切な対応が求められるものと考えております。 当業界は、100年に一度と言われる大きな変革期にあり、特にエンジン部品を巡る市場環境は、従前において中心的なシナリオであった「急速なBEV化」については進展のスピードが緩和されたとの見方が示されつつあるとはいえ、引き続きその厳しさは変わらないものと認識しております。そのような中で、当社グループは、内燃機関搭載車が今後とも当面はモビリティの主役であるとの認識を持ち、その主力事業者としての責任を果たすべく地球環境に貢献するエンジン部品の開発を強力に進めてまいります。同時に、新規事業領域への展開につきましても、上記の事業環境変化を踏まえつつSDGsや脱炭素といったグローバルな潮流を捉え、経営上の重要な課題として積極的に取り組んでまいります。 当社グループは、このような大きな環境変化の中にはありますが、第一次中期経営計画に則った取り組みを着実に進捗させることで、企業価値向上に向け一歩一歩進んで行くことができるものと考えております。具体的な課題や取組方針は、次のとおりとなります。 ①事業戦略(事業ポートフォリオの改革)<既存事業> 当社グループが「グローバルNo.1サプライヤー」であるピストンリング事業については、その地位の維持・強化を図ります。統合シナジーの創出と抜本的な生産性改善に注力するとともにエンジン機能の向上や水素・代替燃料対応技術開発にも積極的に取り組んでまいります。また、焼結・樹脂・素形材等の分野においても、グローバル展開を進めるニッチ分野にも強い有力サプライヤーとして引き続きシェア拡大を図ります。これらの既存事業については、競争力とともに収益力の強化を重視した施策を進めます。 <ネクストコア事業> 半導体・エレクトロニクス事業に関連の深い熱エンジニアリング分野やEMC分野等、次代を担う事業の拡大・基盤強化を進めるとともに、電動化ユニット、機能性樹脂、磁性材、医療機器等の新製品開発にも積極的に取り組み、中核事業化を進めてまいります。加えて、内部リソースにのみ拘ることなく、M&A等を活用し、技術連関性や親和性の高い事業の取り込みも積極的に進め、本事業の質・量両面の拡充を図ります。 ②財務・資本戦略(バランスシートの最適化)<キャッシュアロケーション> 営業キャッシュフロー及び政策保有株式等の資産圧縮を通じて創出した資金を、成長領域の設備投資・研究開発、M&A、等の戦略投資と株主還元に活用してまいります。 <株主還元> 株主還元につきましては、経営上の重要課題と認識しており、総合的な観点から適切な資金配分を行うことを前提として、株主のご期待に応えつつ安定的・継続的に実施して行く方針としております。第一次中期経営計画期間については、配当性向40%以上、総還元性向70%以上(3年平均)、総額200億円(うち自己株式取得100億円)を目途とし、従来対比高水準の株主還元を実施してまいりたいと考えております。なお、自己株式取得につきましては、損益・財務状況、資本効率等を勘案しつつ、機動的に実施してまいりたいと考えております。 ③サステナビリティ経営 当社グループは、企業と社会の持続的成長を支えるため、サステナビリティ経営を推進してまいります。人的資本投資の拡充やエンゲージメント向上も含めた主要取組事項については、KPIを設定し、2026年度での目標達成を目指します。 ④株主価値向上に向けた対応 当社グループは、中期経営計画期間において、上記のとおり、事業ポートフォリオ改革、シナジー創出やバランスシート最適化、等を進めるとともに、ROIC経営の考え方を積極的に取り入れ、株主資本コストを上回る資本収益性(ROE)の実現を図ってまいります。また、引き続き従来対比高水準の株主還元を継続し、株主のご期待に応えるとともに、IR活動の充実化も推進し、企業価値の向上、延いてはPBR1倍以上の実現を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。  ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における日本及び世界経済は、総じて緩やかな成長を持続しているものの、各国でのインフレ動向や中国経済の減速、米国の政策動向、地政学リスクなど、依然として先行きが見通しにくい状況で推移いたしました。 当社グループと関連の深い自動車産業におきましては、認証不正問題等により日本国内の自動車生産台数は減少しましたが、中国市場の成長によりグローバルの自動車生産台数はほぼ前年並みとなりました。なお、中国においては、BEVをはじめとした電動車の伸長により自動車生産台数は増加したものの、内燃機関搭載車の生産は軟調が続いております。このような状況のなか、当連結会計年度における当社グループの売上高は、為替が円安方向に推移したことや前連結会計年度末に㈱シンワバネスを子会社化したこと等により、170,340百万円となりました。損益面におきましては、原材料費高騰や労務費上昇等の売価反映を進めたことや原価低減活動の効果等により、営業利益は11,807百万円、経常利益は海外の持分法適用会社の利益等により14,678百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失の計上等により8,756百万円となりました。なお、当社は2023年10月2日付で㈱リケンと日本ピストンリング㈱の経営統合に伴い、両社の共同持株会社として設立されました。設立に際し、㈱リケンを取得企業として企業結合を行っているため、前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の連結経営成績は、取得企業である㈱リケンの2023年4月1日から2024年3月31日までの連結経営成績を基礎に、日本ピストンリング㈱の2023年10月1日から2024年3月31日までの連結経営成績を連結したものとなるため、前連結会計年度との対比は行っておりません。セグメント別の状況は、売上高は自動車・産業機械部品事業が127,778百万円(前年同期比18.2%増)、配管・建設機材事業が18,676百万円(前年同期比7.1%増)、その他は26,278百万円(前年同期比66.5%増)となりました。営業利益は自動車・産業機械部品事業が9,050百万円(前年同期比39.1%増)、配管・建設機材事業1,197百万円(前年同期比114.3%増)、その他が2,056百万円(前年同期比70.2%増)となりました。当社グループの当連結会計年度末における総資産は219,045百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,119百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が3,291百万円、受取手形及び売掛金が1,151百万円、無形固定資産が755百万円、仕掛品が519百万円、商品及び製品が483百万円減少したことに対し、現金及び預金が3,581百万円、退職給付資産が1,426百万円増加したこと等によるものであります。負債につきましては64,375百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,370百万円減少いたしました。これは主に電子記録債務が4,268百万円、短期借入金が4,044百万円、流動負債その他が798百万円、繰延税金負債が796百万円、退職給付に係る負債が453百万円減少したことに対し、長期借入金が3,739百万円、賞与引当金が374百万円増加したこと等によるものであります。純資産につきましては、154,669百万円と前連結会計年度末に比べ5,251百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が5,577百万円、為替換算調整勘定が5,309百万円、非支配株主持分が547百万円増加したことに対し、その他有価証券評価差額金が2,548百万円減少したこと等によるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、25,760百万円と前連結会計年度末に比べ、3,498百万円増加しました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は17,477百万円(前連結会計年度は18,496百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益13,151百万円、減価償却費9,437百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は7,085百万円(前連結会計年度は13,548百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出7,259百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1,115百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は8,404百万円(前連結会計年度は8,615百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出12,454百万円、短期借入による収入8,295百万円によるものであります。  当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資金調達は銀行借入が中心で、当連結会計年度末における借入金は19,337百万円です。また、国内金融機関において合計10,000百万円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。  ③生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)自動車・産業機械部品事業125,68518.8配管・建設機材事業11,299△1.1報告セグメント 計136,98416.9その他4,179△15.8合計141,16315.5(注) 金額は、販売価格等によっております。  b. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)自動車・産業機械部品事業127,33313.115,512△2.4配管・建設機材事業18,9718.32,96711.0報告セグメント 計146,30412.418,480△0.4その他35,389416.013,648517.3合計181,69332.632,12854.7  c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)自動車・産業機械部品事業127,71018.2配管・建設機材事業18,6767.1報告セグメント 計146,38716.7その他23,95282.9合計170,34022.9(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において判断したものであります。  ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、製品保証引当金、環境対策引当金、固定資産の減損会計及び繰延税金資産の回収可能性であり、継続して評価を行っております。 見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。  ②当連結会計年度の財政状態の分析 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。  ③当連結会計年度の経営成績の分析 当連結会計年度における経営成績の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。  ④当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。  ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

事業リスク

  • 景気後退による需要減少
    自動車や産業機械、建設業界の景気変動は、リケンNPRグループの製品需要に直接影響を与えます。世界経済の減速や国内景気の後退により、自動車生産台数や着工件数が減少すると、製品の需要が減り、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格高騰と為替変動
    鉄、合金、樹脂などの主要原材料の価格は、需給バランスや為替レートによって変動し、製造コストの上昇につながるリスクがあります。また、海外事業や外貨建て取引が多いことから、為替レートの急激な変動も、円換算後の売上や利益、資産価値に影響を与え、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 自動車産業の構造変化
    グループ売上の半分以上を占める乗用車エンジン向け部品事業は、電気自動車(EV)化の進展により、内燃機関搭載車市場の縮小という構造変化に直面しています。非ICE(内燃機関以外)領域への事業ポートフォリオ改革を進めていますが、この変化への対応が不十分だった場合、業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,347 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において判断したものであります。当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスクを最小化するためにリスク管理体制の整備・充実に努めてまいります。 (1)経済・金融市場動向に関するリスク①景気後退による需要減少のリスク当社グループの製品は、自動車、各種産業機械や建築・建設等に多く採用されております。よって、世界や我が国の景気後退や経済成長の減速が発生した場合、自動車生産・販売台数や着工件数等が減少し、当社製品の需要が減少する可能性があります。当社グループは需要動向の早期把握、動向に応じた仕掛品・在庫品の適正水準の維持、リードタイム短縮、コストダウンを強化する等、安定的な収益基盤を強化する取り組みを行っておりますが、想定を超える需要変動があった場合やその他の要因で大きな需要変動があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②原材料価格等の上昇及び調達リスク当社グループ製品の主要材料である鉄、合金や硬質粒子などの金属材料、石炭、樹脂系原料等は需給バランス、為替レート変動等に伴い市場価格が変動することがあり、また一部調達先が限定されるものもあります。これらの原材料価格等が需給変化や市況変動により上昇する場合は、製造コストの上昇につながります。昨今、世界的な原材料価格等の高騰リスクも顕在化しております。当社グループは生産の合理化、調達先の分散化、代替材料の選定など、原価低減策による影響緩和を図るとともに、顧客に対する適切な価格転嫁交渉の取り組みを鋭意すすめておりますが、予測を超えて市場価格に急激な変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③為替レートの変動リスク当社グループは、海外における事業展開及び、海外の顧客向けに販売活動を展開していることから、外貨建取引から発生する為替変動の影響を受ける可能性があります。また、売上・費用・資産を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成時に円換算いたしますが、現地通貨における価値に変動がない場合も、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。当社グループは輸出入等を中心とした外貨建取引については、為替予約等を通じて為替レート変動の影響を抑えるよう努めておりますが、予測を超える変動が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業及び外部の事業環境に関するリスク①海外展開に伴うリスク当社グループは、海外において北米(米国、メキシコ)、欧州(ドイツ)、アジア(インドネシア、中国、台湾、タイ、インド、シンガポール、マレーシア)の拠点で生産・販売活動を展開しております。これら各国は政治、経済、社会的混乱等によるリスクが潜在しており、これらの事象により、影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、海外において現地資本と合弁で事業を行っている会社について、合弁パートナーの経営や財務その他の要因が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは各社の在外子会社を所管する部門が定期的に海外子会社との情報交換及び継続的モニタリングに加え、経営状況の他、周辺環境の変化等についても情報の把握・分析を行い、可能な限りリスクの抑制を図っております。しかしながら、当社グループの製品を製造・販売している各国の政治・経済・社会体制に予想を超える急激な変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、直近では、米国関税政策変更に伴う関税レートの引き上げにより、特に北米に展開する拠点において、販売・製造コストの上昇等の影響を受ける可能性があります。これに対しましては、上記の対応に加え、顧客に対する適切な価格転嫁交渉、商流の見直し、生産体制見直しの検討等を行い、可能な限り影響を抑えるよう努めてまいります。 ②特定業種(乗用車エンジン向け)への高依存度リスク当社グループは、自動車エンジン向け、特に乗用車エンジン(乗用ICE)向け部品関連事業の売上高が事業全体の半分以上を占めておりますが、自動車産業では電気自動車や自動運転等の開発・実用化等の技術革新のスピードが速まっております。この産業構造変化に伴う自動車構成部品の変動は、電動化による内燃機関搭載車市場の縮小として、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは中期経営方針において「既存ICE領域の収益力向上」「非ICE領域であるネクストコア事業・新製品事業を育成・売上比率向上」の事業ポートフォリオ改革を掲げ、非ICE領域の育成に経営資源を積極的に投入しております。しかしながら、自動車産業における構造変化への対応が結果として不十分だった場合や変化が予想を超え急激に進展した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③価格競争リスク当社グループの主要販売先である自動車、各種産業機械業界をはじめとして、すべての業界ではグローバルに激しい競争が行われております。よって、当社グループ製品自体のグローバル市場における競争力、ひいてはグローバルな製品供給能力、技術開発力、国際価格競争力が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、競合他社と差別化できる製品・生産技術の開発を必要な経営資源を投じて推し進めるとともに、お客さまのニーズを捉え、適時適切なソリューションを提供する技術提案型の営業体制の構築や評価技術サービスの展開、コストダウンの強化等の諸施策により、競争力の維持強化に努めてまいりますが、これらの取り組みが結果として不十分だった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④知的財産権リスク当社グループは、当社グループの産業財産権やノウハウ等の知的財産権がお客さまの課題解決に貢献し、環境性能に優れた魅力ある製品・サービスを提供し続けるために不可欠であり、競争力・差別化の源泉であると認識しております。当社グループは、自社権利の取得、活用及び保護と、他社権利の尊重に努めておりますが、第三者による当社グループの知的財産権の侵害、又は当社グループが意図せず他社等の知的財産権を侵害した場合、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3)業務運営に関するリスク①品質リスク当社グループの製品は、自動車、各種産業機械や建築・建設等に多く採用されております。よって、これら製品の品質に関する何らかの瑕疵が顕在化し、顧客等に付随した損害を与えるような場合、製造物責任やリコールにより、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。当社グループは、「品質方針」を定めるとともに、お客様の要求する品質保証体制を構築の上、ISO9001やIATF16949といった外部認証を取得し、品質の保持、向上に努めておりますが、品質に瑕疵のある製品の流出を防止できず、それが大規模なリコールや製造物責任賠償につながった場合、その補償や社会的評価の低下等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②環境汚染リスク当社グループは、製品の製造においては多種多様な環境負荷物質の取り扱いを行っております。よって、これら環境負荷物質が法定、あるいは社内基準以上に環境に流出し、環境汚染の原因となった場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「環境方針」を定めるとともに、地球環境保全に向けた環境負荷の低減のためISO14001に沿った環境マネジメント体制を構築しておりますが、想定外の事態による環境汚染が発生した場合、その処理費用の負担や行政命令等に基づく操業の停止、社会的評価の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③情報セキュリティリスク当社グループは、研究開発、生産、販売等に関する当社グループ及びお客様の機密情報に加え、お客様や従業員等の個人情報を保有しております。また、事業活動全般において、様々な情報技術、ネットワーク、システム等を活用しております。よって、これらの情報資産が不正アクセス等により「機密性」「完全性」「可用性」に関する脅威にさらされた場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報セキュリティを強化するため「情報セキュリティ基本方針」を定め、サイバー攻撃からの防御の強化、各種情報・機器の取扱い規定に基づく管理、従業員等の教育・啓発を行う等の取り組みを行っております。しかしながら、サイバー攻撃の手口はますます高度化、複雑化しており、想定を大幅に超える不正アクセス等のサイバー攻撃により、当社グループのシステム停止や機密情報の外部流出が発生するなど、想定を超える事案が発生した場合、業務中断や社会的評価の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④企業買収、資本提携及び事業再編リスク当社グループは、中期経営方針において「既存ICE領域の収益力向上」「非ICE領域であるネクストコア事業・新製品事業を育成・売上比率向上」の事業ポートフォリオ改革を掲げ、その実現に向けた企業買収、資本提携及び事業再編を実施しておりますが、当社及び出資先企業の事業環境の変化、経営や財務その他の要因が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、買収や提携等の検討対象企業のデューデリジェンスを慎重に行い、買収や提携後の事業計画を検証することによりリスクの低減に努めておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業環境に想定外の変化が生じた場合、のれん及び無形資産の減損等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤人材に関するリスク当社グループの持続的成長については、人材に依存する部分が大きく、優秀な技術者をはじめとする、必要な人材の採用・育成(キャリア開発)を行うとともに、安全、安心して働くことができる職場環境を整備することが重要であると認識しております。今後、人的資本経営を展開するためには、事業ポートフォリオに連動した人材ポートフォリオを戦略的に企画・構築し、人材の多様性やリスキリングなどを通じて、組織・個人の活性化を図ることが求められておりますが、この展開が停滞した場合は、人材の流出など、当社グループの持続的成長に影響を及ぼす可能性があります。 (4)法的手続き・災害等のイベント性のリスク①法的リスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、環境法、安全衛生法、独禁法、贈収賄防止、安全保障貿易管理など、各国の多岐にわたる法令・規制が関連しております。当社グループは、コンプライアンス推進機能のさらなる強化を図ることを目的として、専任組織である「法務・コンプライアンス室」を設置し、これらの法令等に適合する社内規定に基づく管理、従業員等の教育・啓発、法令等の改正への適宜対応に加え、各部門・子会社にコンプライアンス責任者(コンプライアンスリーダー)を設置し、自律的な教育・訓練、法令・規定の順守状況の確認を行っておりますが、これらのコンプライアンスの徹底が十分でなく、結果として適用法令等の違反が発生した場合、処罰、処分その他の制裁、対応費用の負担、社会的評価の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②災害・感染症・テロ等の事業継続に影響を及ぼす事象に伴うリスク当社グループの製品は、自動車、各種産業機械や建築・建設等に多く採用されており、その供給責任を果たすことの重要性を認識しております。一方、当社グループの各国事業拠点において大規模地震、水害、火災、感染症の蔓延、テロなど、様々な障害による調達・製造・物流に関わる製品供給停止が発生した場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、供給責任を全うするため「事業継続マネジメント(BCM)基本方針」を定め、災害時の事業継続又は早期復旧・再開を図るための取り組み方針、手続、組織・体制等について定めた事業継続計画(BCP Business Continuity Plan)を策定し、適切な管理体制を整備するとともに、建屋の耐震補強、製品や材料の安全在庫の確保、代替調達先、代替生産拠点の整備などの取り組みを行っております。しかしながら、深刻な障害が発生した場合の被害や製品供給停止を完全に回避することは困難であるため、有事の際には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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