研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 73 |
| 2024-03 | - | 76 |
| 2023-03 | - | 64 |
| 2022-03 | - | 57 |
| 2021-03 | - | 30 |
研究開発活動(本文)
FY2025|5,802 文字
6 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,409百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発一般産業機械、半導体製造装置、自動車の生産に関わる設備投資の底堅さを受け、2024年暦年の日工会受注総額は前年比0.1%減の1兆4,851億円となりました。2024年後半からと見込んでいた本格的な回復局面は2025年以降に持ち越されてはいるものの、特に、労働人口減少、脱炭素化、サプライチェーン再編等、社会課題や地政学リスクへの対応に伴う需要は堅調に推移しました。こうした中、「ものづくりDXソリューションの展開」を基本戦略とし、存在意義(Purpose)である「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ため、当社の強みである「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を活かし、高い生産性と安定した稼働を実現する新機種(スマートマシン)・新技術開発を進めています。「自動化、省人化」「工程集約」対応につきましては、開発した新技術を自社のスマートファクトリー「Dream Site(ドリームサイト)」で実証確認すると共に、お客様と共同で実行した経験をノウハウとして蓄積し、一層の信頼性向上を図っております。また、「脱炭素」対応につきましては、知能化技術を応用展開することで工作機械が自律的に高精度の安定維持と省エネルギーを実現するスマートマシンを「Green-Smart Machine」と位置づけて「脱炭素化」への取組を継続強化しております。2024年度は、成長するEVや半導体製造装置部品等の生産を革新する新コンセプトの小型横形マシニングセンタ「MS-320H」を開発しました。多品種少量生産から量産、省人化から自動化まで小物部品加工に最適化し、人手不足の課題解決と働き方改革への貢献を図ってまいります。切粉処理性等安定稼働に必要な要件を見直した機械構造に、知能化技術、AI技術活用を適用することで、コンパクトでありながらも多様化する自動化ニーズに柔軟に応えることが高く評価され「2024年十大新製品賞本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。労働人口減少による自動化・省人化への要望の高まりは、生産性向上を目的とするものであり、そうした課題に 対応する技術開発を行っております。省スペースで長時間の自動運転を実現するパレット搬送システムの需要拡大に対し、タワー型APCや昇降2段式APC等の製品を強化しました。横形マシニングセンタ「MA-4000H」に搭載した新開発の多本数工具収納マガジンでは、最大で260本の工具を収納可能としながらもフロアスペースを従来機比で20%削減しました。加工の工程集約については、研削盤の製造販売で培った研削技術を複合加工機や5軸制御マシニングセンタに盛り込み提供を行っております。また、工作物を工作機械に投入するロボット操作においては、産業ロボットの操作にあたり工作機械とは異なったロボット特有の言語と取り扱い方を習得する必要があり、中小企業におけるロボット導入の障壁となっています。この課題に対して、生産を担う「工作機械オペレーターがすぐに使える自動化」をコンセプトとして新たな操作技術を開発し展開しております。工作機械とロボットを完全融合したロボットシステム『ARMROID(アームロイド)』をはじめ、ロボットと工作機械を組み合わせた加工セルでは、ロボットの動作順を表形式の工程表で指定するだけで動作可能なスマート加工セルコントローラ「smarTwinCELL(スマートツインセル)」を開発しました。Green-Smart Machineの複合加工機MULTUS B300Ⅱと組み合わせ、2023年度より提供を開始しております。2024年度は、旋盤LB3000 EX Ⅲ、5軸制御マシニングセンタMU-4000V、立形マシニングセンタMB-46,56V Ⅱと適用機種を拡大しました。一方で、現状の生産現場に対する自動化展開を図るため、生産の繁忙に合わせて柔軟に自動化することを目的に、移動可能なワークストッカとロボットを組み合わせた移動式協働ロボット「OMR」を開発し、提供を開始しました。自動化したい工作機械に対して約4分半で自動運転を可能とするだけでなく、最大10台の工作機械に対応ができること、最大30種の加工部品に対応可能であることが特徴で多品種少量生産の生産現場の生産性向上に貢献いたします。さらに、自働化において重要となるワークの品質管理にも取り組んでおります。品質管理の目的で使用される機内計測装置の校正において、手動で30分要していた作業を自動で5分にて完了する技術を開発し、提供しております。また、稼働の安定化に対しては、ドリル加工時に工作機械が自動で加工不具合を防ぐ「AI加工診断機能(ドリル)」を提供しております。2024年度は、タップ加工にも適用範囲を拡大しました。ドリル加工同様に、Dream Site(ドリームサイト)で実証確認すると共に、お客様でも効果を実証しています。 国内外の大手の製造業が脱炭素化に向けた取組を開示し、サプライチェーン全体への波及が進んでいることから、中小規模企業においても脱炭素化の取組が必要となっています。このような状況を踏まえ、部品加工工場の電力消費量の多くを占める工作機械の省エネルギー(温室効果ガス排出量の削減)技術の開発を進めております。具体的には、精度安定化のために必要となる工作機械の暖機運転や工場の環境温度変化を抑制するための空調を削減しても工作機械が自律的に高精度の安定維持を行うと共に、周辺機器の稼働を自動できめ細かく運転することで省エネルギーを実現するスマートマシンを「Green-Smart Machine」として展開し、提供しております。当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度と高生産性」を追求し、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」の実現に必要な技術開発、新製品開発を行い、「最高のものづくりサービス」を提供することで、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) スマートマシンを支えるNC装置の開発とスマートファクトリー実現の取組当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC装置「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、社会における人々の志向の多様化、脱炭素社会への移行、安全保障、地政学的リスクへの対応等、時代が大きく転換している中で、ものづくり産業における生産革新、スマート化が進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。スマートマシンを支えるNC装置では、お客様の「ものづくりDX(デジタル・トランスフォーメーション)」を実現する新世代CNC「OSP-P500」を2023年5月より当社工作機械への搭載を開始しました。高性能CNCハードウエアとソフトウエア制御を最適化し、一般部品加工における加工中の非切削時間を削減、高度なデジタル技術に基づく加工形状に最適な軸制御により、金型や自由曲面形状の加工性能、加工面品位の向上、あわせて、加工時間を短縮しました。加えて高精度・高生産性と環境対応を両立する脱炭素ソリューション、セキュアな環境を実現する強固なセキュリティを備えています。さらには、迅速かつ正確なフロントローディングを実現するデジタルツイン、初心者でも簡単に加工が可能な革新的操作性を強化し、幅広い産業の製造現場においてお客様の「ものづくりDX」の実現を支援し、社会課題解決と高精度・高生産性を両立したものづくりを推進します。1) スマートマシンを支える新世代CNC「OSP-P500」での機能開発1-1) 2つのデジタルツイン実際の機械から収集した様々なデータを元に、限りなく実際の機械に近いシミュレーションを可能とするデジタルツイン技術を活用し、迅速かつ正確なフロントローディングを実現するPC上でのデジタルツインと、実際の機械上で機械動作を高速、高精度でシミュレーション可能なデジタルツインの2つのデジタルツインを開発しました。PC上でのデジタルツイン(「デジタルツイン オンPC」)では、実際の機械の軸動作だけでなく、ATC等の周辺装置等の様々な動作情報をNC装置(OSP-P500)により収集、PCに送出することにより、PC上においても精度の高い機械動作のシミュレーションを高速で実行することにより、より精度の高い工具パスや干渉チェックの検証、高精度の加工時間見積を可能にしました。実際の機械上でのデジタルツイン(「デジタルツイン オンマシン」)では、実際の機械を制御するための制御データをそのままシミュレーションに用いることにより、加工を開始する前の作業者が設定したデータ設定ミス等を事前に確認できるようになりました。この2つのデジタルツイン(「デジタルツイン オンPC」および「デジタルツイン オンマシン」)により、迅速かつ正確なフロントローディングや実際の機械上での作業確認時間の短縮を図り、生産性の向上を実現します。 1-2) スマートOSP操作製造業での人手不足、熟練技能者の高齢化が叫ばれる中、NCプログラムを全く知らない初心者の方でも、簡単に加工を行えるよう作業者を支援する「スマートOSP操作」を開発しました。「スマートOSP操作」の加工においては、加工に必要データを表形式に順に入力することにより、加工するための動作を定義でき、加工工程、工具、切削条件を自動決定し、直ぐに加工が行えます。加工をするための原点設定や工具の取付け等の段取り作業についても、手順をガイダンスし、作業者の作業を支援します。これにより、作業者は短期間で機械の操作や加工を習得できます。1-3)セキュリティ機能製造現場でのIoTが加速しています。工場内の機械や様々な機器がネットワークで繋がるだけでなく、グローバルに拡がる複数の工場間、あるいは、取引先を含めたサプライチェーンがネットワークで繋がっていきます。最近、お客様の工場でのサイバー攻撃等のセキュリティインシデントの報告が増加しています。このようなサイバー攻撃のリスクから工作機械を守るために、工作機械での強固なセキュリティ機能を開発しました。不正なアクセスや接続を防ぐオペレーター認証機能による「防衛」、被害を抑制するホワイトリスト方式のウイルス対策による「防御」、万が一に備える制御ソフトウエアとデータのバックアップ機能による「復旧」の3つの観点で、サイバー攻撃のリスクからお客様の大切な資産を守ります。1-4) ECO suite plus環境対応として、脱炭素社会の実現に向け、工作機械の使用による温室効果ガス排出量(消費電力)を見える化すると共に、加工中は、必要な時に必要な分だけ周辺機器を運転するよう制御し、加工完了後は、機械が自律的に不要な周辺機器をアイドルストップしたり、作業者の作業状況を自動で判別して周辺機器のアイドルストップと復帰を自動化したりする等、様々な機能により当グループが提案する「Green Smart Machine」を支えています。2024年度には主軸冷却装置の消費電力を40%削減(従来機比)するオイルコントローラ自動制御機能を横形マシニングセンタMA-4000Hに搭載しました。従来の非加工中に加え、加工中にも対応した主軸冷却装置の自動運転制御を開発し適用しています。順次、他の横形マシニングセンタにも展開していきます。2) スマートファクトリー実現の取組次世代のものづくりが拡がる中、当グループ工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」では、当グループが目指すスマートファクトリーとして、導入した自社製スマートマシンを活用し、全体最適の見える化工場、部品加工プロセスの制御周期の高速化によるスループット向上、ロボット・自動化システムによる自動化・省人化に取り組んでいます。さらには、業務・製造プロセスのデジタル化を進め、デジタルマニュファクチャリングの実現に向けて、着実な成果を上げております。加えて、この取組を会社全体の業務プロセスに拡張し、当グループにおいて「ものづくりDX」として取り組んでいます。今後は、「ものづくりDX」ソリューションとして、上記の当グループ工場や社内の業務プロセスにおけるDXの取組の成果やお客様のものづくりの現場でこれまで培ってきたノウハウや成功事例を、個人や個別組織の経験値として蓄積するだけでなく、デジタル化により全体で共有し、リードタイム短縮、生産性向上、品質向上に利活用し、変化する顧客や社会のニーズに迅速に適合できるように変革することをお客様と共に協創して取り組み、お客様の価値創造を支援していきます。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC装置開発の基本理念を今後も継承すると共に、当グループの強みである「機電情知」融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、スマートマシンの実現を推進すると共に、当グループ工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」で実証されたデジタルマニュファクチャリングを、「ものづくりサービス」として提供し、世界中のお客様の価値創造の実現と社会に貢献できるように推進してまいります。
FY2024|5,227 文字
6 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,199百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発半導体や自動車関連の需要の落ち着きや中国経済減速の影響を受け、2023年暦年の日工会受注額は前年比15.5%減の1兆4,865億円と3年ぶりに減少しました。しかしながら、日工会受注額は過去7番目であり、労働人口減少、脱炭素化、サプライチェーン再編等、社会課題や地政学リスクへの対応に伴う需要は底堅く推移しました。こうした中、「ものづくりDXソリューションの展開」を基本戦略とし、Purposeである「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ため、当社の強みである機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を活かし、高い生産性と安定した稼働を実現する新機種(スマートマシン)・新技術開発を進めています。特に「脱炭素化」「自動化」の対応に注力しており、開発した新技術は自社のスマートファクトリー「Dream Site(ドリームサイト)」で実証確認し、ここで得られたノウハウを反映することで、信頼性の向上を図っております。国内外の大手の製造業が脱炭素化に向けた取組みを開示し、サプライチェーン全体への波及が進んでいることから、中小規模企業においても脱炭素化の取組みが必要となっています。このような状況を踏まえ、部品加工工場の電力消費量の多くを占める工作機械の省エネルギー(CO2排出量の削減)技術の開発を進めております。具体的には、精度安定化のために必要となる工作機械の暖機運転や工場の環境温度変化を抑制するための空調を削減しても工作機械が自律的に高精度の安定維持を行うと共に、周辺機器の稼働を自動できめ細かく運転することで省エネルギーを実現するスマートマシンを「Green-Smart Machine」として展開し、提供しております。2023年度は、工作機械の基本となる加工性能と環境温度変化に対する精度安定性をさらに高めた立形マシニングセンター「MB-V Ⅱシリーズ」を開発し、機械稼働時の保守作業が大きく削減できるスラッジレスタンクも進化させたことが高く評価され「2023年十大新製品賞本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。また、労働人口減少により自動化・省人化への要望が高まる中、Dream Site(ドリームサイト)での経験を活かした技術開発を行っております。一般に産業ロボットを操作するには工作機械とは異なったロボット特有の言語を習得する必要があり、ロボット導入の障壁となっています。この課題に対して、「工作機械オペレータがすぐに使える自動化」をコンセプトに特徴のある技術開発を行い、工作機械とロボットを完全融合した次世代ロボットシステム『ARMROID(アームロイド)』を提供しております。さらに、2023年度はロボットと工作機械を組み合わせた加工セルに対して、ロボットの動作順を表形式の工程表で指定するだけで動作可能なスマート加工セルコントローラー「smarTwinCELL(スマ―ツインセル)」を開発しました。Green-Smart Machineの複合加工機MULTUS B300Ⅱと組み合わせ「smarTwinCELLロボットキット」として提供を開始しました。また、生産の繁忙に合わせて柔軟に自動化することを目的に、移動可能なワークストッカとロボットを組み合わせた移動式協働ロボット「OMR」を開発し、提供を開始しました。自動化したい工作機械に対して約4分半で設置でき、最大10台の工作機械に対応ができること、最大30種の加工部品に対応可能であることが特徴で多品種少量生産の生産現場の生産性向上に貢献いたします。このような自動化の普及推進と並行し、㈱木村鋳造所との協創において、工程間のデジタルデータ連携や、これまで培ったソリューションを応用したロボットによる砂型の直接加工の実現で、多品種少量の中・小型鋳物の生産性を向上する新鋳造製造技術を開発しました。このように自動化の適用範囲を拡大することで、ソリューションの提供範囲を広げています。自働化において重要となるワークの製造品質向上にも積極的に取り組んでおります。加工精度に対しては、精度確認を目的に活用される機内計測装置の校正作業を自動で行う機能を開発し、提供を開始しました。従来の手作業を無くすことができるだけでなく、計測誤差に伴う製品不良を未然に防止します。また、稼働の安定化に対して、ドリル加工時に工作機械が自動で加工不具合を防ぐ「AI加工診断機能(ドリル)」を開発し、提供を開始しました。Dream Site(ドリームサイト)で4年以上運用し、ガンドリルによる加工不具合の撲滅を実証すると共に、お客様によるモニタ活用で、機械・ワークの保護や工具費用の削減に貢献できることを実証しています。当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度と高生産性」を追求し、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」の実現に必要な技術開発、新製品開発を行い、「最高のものづくりサービス」を提供することで、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) スマートマシンを支えるNC装置の開発とスマートファクトリー実現の取組み当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC装置「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、社会における人々の志向の多様化、脱炭素社会への移行、安全保障など地政学的リスクへの対応など、時代が大きく転換しようとしている中で、ものづくり産業における生産革新、スマート化が進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。スマートマシンを支えるNC装置では、お客様の「ものづくりDX(デジタル・トランスフォーメーション)」を実現する新世代CNC「OSP-P500」を2023年5月より複合加工機、横形マシニングセンター、5軸制御のマシニングセンターに搭載を開始しました。迅速かつ正確なフロントローディングを実現するデジタルツイン、初心者でも簡単に加工が可能な革新的操作性、加えて高精度・高生産性と環境対応を両立する脱炭素ソリューション、セキュアな環境を実現する強固なセキュリティを備え、先進のデジタル技術や知能化・AI技術、脱炭素化技術により、幅広い産業の製造現場においてお客様の「ものづくりDX」の実現を支援し、社会課題解決と高精度・高生産性を両立したものづくりを推進します。1) スマートマシンを支える新世代CNC「OSP-P500」での機能開発1-1) 2つのデジタルツイン実際の機械から収集した様々なデータを元に、限りなく実際の機械に近いシミュレーションを可能とするデジタルツイン技術を活用し、迅速かつ正確なフロントローディングを実現するPC上でのデジタルツインと、実際の機械動作を行わず、機械動作を高速、高精度でシミュレーション可能な実際の機械上でのデジタルツインの2つのデジタルツインを開発しました。PC上でのデジタルツイン(「デジタルツイン オンPC」)では、実際の機械の軸動作だけでなく、ATC等の周辺装置などの様々な動作情報をNC装置(OSP-P500)により収集、PCに送出することにより、PC上においても精度の高い機械動作のシミュレーションを高速で実行することにより、より精度の高い工具パスや干渉チェックの検証、高精度の加工時間見積を可能にしました。実際の機械上でのデジタルツイン(「デジタルツイン オンマシン」)では、実際の機械を制御するための制御データをそのままシミュレーションに用いることにより、加工を開始する前の作業者が設定したデータ設定ミスなど、今まで実際に動かしてみないとわからなかったことが事前に確認できるようになりました。この2つのデジタルツイン(「デジタルツイン オンPC」および「デジタルツイン オンマシン」)により、迅速かつ正確なフロントローディングや実際の機械上での作業確認時間の短縮を図り、生産性の向上を実現します。1-2) スマートOSP操作製造業での人手不足、熟練技能者の高齢化が叫ばれる中、NCプログラムを全く知らない初心者の方でも、簡単に加工を行えるようガイダンスにより作業者を支援する「スマートOSP操作」を開発しました。「スマートOSP操作」の加工においては、加工に必要データを表形式に順に入力することにより、加工するための動作を定義でき、加工工程、工具、切削条件を自動決定し、直ぐに加工が行えます。加工をするための原点設定や工具の取付けなどの段取り作業についても、表形式で手順をガイダンスし、作業者の作業を支援します。これにより、作業者は短期間で機械の操作や加工を習得できます。1-3)セキュリティ機能製造現場でのIoTが加速しています。工場内の機械や様々な機器がネットワークで繋がるだけでなく、グローバルに拡がる複数の工場間、あるいは、取引先を含めたサプライチェーンがネットワークで繋がっていきます。このような中で、サイバー攻撃により生産が停止したというニュースも耳にします。このようなサイバー攻撃のリスクから工作機械を守るために、工作機械での強固なセキュリティ機能を開発しました。不正なアクセスや接続を防ぐオペレータ認証機能による「防衛」、被害を抑制するホワイトリスト方式のウィルス対策による「防御」、万が一に備える制御ソフトウェアとデータのバックアップ機能による「復旧」の3つの観点で、サイバー攻撃のリスクから お客様の大切な資産を守ります。 1-4) ECO suite plus環境対応として、脱炭素社会の実現に向け、工作機械の使用によるCO2排出量(消費電力)を見える化すると共に、加工中は、必要な時に必要な分だけ周辺機器を運転するよう制御、加工完了後は、機械が自律的に不要な周辺機器をアイドルストップしたり、作業者の作業状況を自動で判別して周辺機器のアイドルストップと復帰を自動化するなど、様々な機能により当グループが提案する「Green Smart Machine」を支えています。2) スマートファクトリー実現の取組み次世代のものづくりが拡がる中、当グループ工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」では、当グループが目指すスマートファクトリーとして、導入した自社製スマートマシンを活用し、全体最適の見える化工場、部品加工プロセスの制御周期の高速化によるスループット向上、ロボット・自動化システムによる自動化・省人化に取組んでいます。さらには、業務・製造プロセスのデジタル化を進め、デジタルマニュファクチャリングの実現に向けて、着実な成果を上げております。加えて、この取組みを会社全体の業務プロセスに拡張し、当グループにおいて「ものづくりDX」として取組んでいます。今後は、「ものづくりDX」ソリューションとして、上記の当グループ工場や社内の業務プロセスにおけるDXの取組みの成果やお客様のものづくりの現場でこれまで培ってきたノウハウや成功事例を、個人や個別組織の経験値として蓄積するだけでなく、デジタル化により全体で共有し、リードタイム短縮、生産性向上、品質向上に利活用し、変化する顧客や社会のニーズに迅速に適合できるように変革することをお客様と共に協創して取組み、お客様の価値創造を支援していきます。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC装置開発の基本理念を今後も継承すると共に、当グループの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、スマートマシンの実現を推進すると共に、当グループ工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」で実証されたデジタルマニュファクチャリングを、「ものづくりサービス」として提供し、世界中のお客様の価値創造の実現と社会に貢献できるように推進してまいります。
FY2023|5,082 文字
6 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,835百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発新型コロナウイルス感染拡大による影響から、全世界的に社会生活や経済活動が大きく制限された最悪期の状況を脱し、昨年に引き続き受注額が拡大したことから 2022年暦年の日工会受注額は歴代2位となる1兆7,596億円となりました。そのような中、全世界でSDGs、脱炭素社会の実現に向けた取組みが活発化しており、再生可能エネルギー市場は継続的な成長が見込まれます。また、EVシフトが加速している自動車市場では、内燃エンジンから電動モーター化へと構成部品が大きく変化しており、まさにビジネスチェンジが起きています。そうした脱炭素に向けた動きの中で、製造業では、サプライチェーン全体で脱炭素を目指す企業の動きが国内外で拡大しており、中小規模企業にも脱炭素の取組みが必要となっています。また、製造業界では慢性的な人手不足に加えて熟練者知見の技術伝承に対する課題があり、自動化、省人化に対する需要、生産性向上に対する要求がますます高まっています。このような市場において、提案力を一層高めていくため業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、社会課題への解決提案として「脱炭素」「自動化」への対応と、技術革新を支援する「デジタルソリューション」の3つのテーマを柱に高い生産性と安定した稼働を実現する技術開発を進めています。開発した技術は、自社のスマートファクトリー(Dream Site(ドリームサイト))で実証確認し、ここで得られたノウハウの活用と市場動向、商品戦略を踏まえて製品・技術に反映し、企業理念として掲げるものづくりサービスの実現に向けた取組みを進めております。脱炭素に向けた取組みでは、工作機械の稼働に関わる消費電力が部品工場の多くを占めることを踏まえ、寸法精度安定化のための暖機運転や空調などを削減しても「寸法精度の安定」が可能で、工作機械が自律的に「エネルギー消費量の削減」を行う技術を開発し、現状の生産機への反映を行っております。これらの環境対応に貢献する知的工作機械を「Green-Smart Machine」と定義し、2023年4月からエンブレムを取付けてお客様へ提供しております。また『Green-Smart Machine』の新機種として、5軸制御マシニングセンタ『MU-500VⅢ』、CNC 旋盤『LB3000 EXⅢ』、立形マシニングセンタ『MB-46VⅡ』を開発いたしました。また、労働人口減少に伴う、自動化・省人化の需要はますます高まっています。当社は、「工作機械オペレータがすぐに使える自動化」をコンセプトとして、2018年に工作機械とロボットを完全融合した次世代ロボットシステム『ARMROID(アームロイド)』を開発しました。自動化の需要が高まる中、単体機と同等のスペースで容易に自動化が可能であること、機械操作と同じ操作感覚でロボット操作が可能であること、働き方に合わせて人とロボットとの業務シェアを実現可能な人調和型自動化セルであることなどから市場で導入が拡大しています。そして、多品種少量生産に向けた自動化対応強化として、段取り替え作業の簡素化で作業時間が削減でき、当社の特徴である工作機械と同様の操作感覚でロボットの操作ができる操作系と、ロボット特有のプログラム言語を習得しなくても動作順を表形式の工程表で指定するだけで動作可能なスマート加工セルコントローラー『smarTwinCELL(スマーツインセル)』を開発しました。また、加工セルの動作を忠実にバーチャル空間で実現するシミュレーターも開発することで事前に精緻な動作確認を可能としました。これらにより段取り替えによる稼動停止時間の最少化が実現でき、市場からの対応要望が多い多品種少量生産の生産性向上に貢献してまいります。当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を製品に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、社会課題の解決と共にトータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・製品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) スマートマシンを支えるNC装置の開発とスマートファクトリー実現の取組み当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC装置「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、社会における人々の志向の多様化、脱炭素社会への移行、安全保障など地政学的リスクへの対応など、時代が大きく転換しようとしている中で、ものづくり産業における生産革新、スマート化が進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。スマートマシンを支えるNC装置では、昨年開催された第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2022)でお客様の「ものづくりDX(デジタル・トランスフォーメーション)」を実現する新世代CNCとして「OSP-P500」を開発、発表しました。本製品は、「2022年十大新製品賞 本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞しました。迅速かつ正確なフロントローディングを実現するデジタルツイン、初心者でも簡単に加工が可能な革新的操作性、加えて高精度・高生産性と環境対応を両立する脱炭素ソリューション、セキュアな環境を実現する強固なセキュリティを備え、先進のデジタル技術や知能化・AI技術、脱炭素技術により、幅広い産業の製造現場においてお客様の「ものづくりDX」の実現を支援し、社会課題解決と高精度・高生産性を両立したものづくりを推進します。1) スマートマシンを支える新世代CNC「OSP-P500」での機能開発1-1) 2つのデジタルツイン実際の機械から収集した様々なデータを元に、限りなく実際の機械に近いシミュレーションを可能とするデジタルツイン技術を活用し、迅速かつ正確なフロントローディングを実現するPC上でのデジタルツインと、実際の機械動作を行なわず、機械動作を高速、高精度でシミュレーション可能な実際の機械上でのデジタルツインの2つのデジタルツインを開発しました。PC上でのデジタルツイン(「デジタルツイン オンPC」)では、実際の機械の軸動作だけでなく、ATC等の周辺装置などの様々な動作情報をNC装置(OSP-P500)により収集、PCに送出することにより、PC上においても精度の高い機械動作のシミュレーションを高速で実行することにより、より精度の高い工具パスや干渉チェックの検証、高精度の加工時間見積を可能にしました。実際の機械上でのデジタルツイン(「デジタルツイン オンマシン」)では、実際の機械を制御するための制御データをそのままシミュレーションに用いることにより、加工を開始する前の作業者が設定したデータ設定ミスなど、今まで実際に動かしてみないとわからなかったことが事前に確認できるようになりました。この2つのデジタルツイン(「デジタルツイン オンPC」および「デジタルツイン オンマシン」)により、迅速かつ正確なフロントローディングや実際の機械上での作業確認時間の短縮を図り、生産性の向上を実現します。1-2) スマートOSP操作製造業での人手不足、熟練技能者の高齢化が叫ばれる中、NCプログラムを全く知らない初心者の方でも、簡単に加工を行えるようガイダンスにより作業者を支援する「スマートOSP操作」を開発しました。「スマートOSP操作」の加工においては、加工に必要なデータを表形式に順に入力することにより、加工するための動作を定義でき、加工工程、工具、切削条件を自動決定し、直ぐに加工が行えます。加工をするための原点設定や工具の取付けなどの段取り作業についても、表形式で手順をガイダンスし、作業者の作業を支援します。これにより、作業者は短期間で機械の操作や加工を習得できます。1-3)セキュリティ機能製造現場でのIoTが加速しています。工場内の機械や様々な機器がネットワークで繋がるだけでなく、グローバルに拡がる複数の工場間、あるいは、取引先を含めたサプライチェーンがネットワークで繋がっていきます。このような中で、サイバー攻撃により生産が停止したというニュースも耳にします。このようなサイバー攻撃のリスクから工作機械を守るために、工作機械での強固なセキュリティ機能を開発しました。不正なアクセスや接続を防ぐオペレータ認証機能による防衛、被害を抑制するホワイトリスト方式のウイルス対策による防御、万が一に備える制御ソフトウエアとデータのバックアップ機能による復旧の3つの観点で、サイバー攻撃のリスクから お客様の大切な資産を守ります。 1-4) ECO suite plus環境対応として、脱炭素社会の実現に向け、工作機械の使用によるCO2排出量(消費電力)を見える化するとともに、加工中は、必要な時に必要な分だけ周辺機器を運転するよう制御、加工完了後は、機械が自律的に不要な周辺機器をアイドルストップしたり、作業者の作業状況を自動で判別して周辺機器のアイドルストップと復帰を自動化するなど、様々な機能により当グループが提案する「Green-Smart Machine」を支えています。2) スマートファクトリー実現の取組み次世代のものづくりが拡がる中、当グループ工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」では、当グループが目指すスマートファクトリーとして、導入した自社製スマートマシンを活用し、全体最適の見える化工場、部品加工プロセスの制御周期の高速化によるスループット向上、ロボット・自動化システムによる自動化・省人化に取組んでいます。さらには、業務・製造プロセスのデジタル化を進め、デジタルマニュファクチャリングの実現に向けて、着実な成果を上げております。加えて、この取組みを会社全体の業務プロセスに拡張し、当グループにおいて「ものづくりDX」として取組んでいます。今後は、「ものづくりDX」ソリューションとして、上記の当グループ工場や社内の業務プロセスにおけるDXの取組みの成果やお客様のものづくりの現場でこれまで培ってきたノウハウや成功事例を、個人や個別組織の経験値として蓄積するだけでなく、デジタル化により全体で共有し、リードタイム短縮、生産性向上、品質向上に利活用し、変化する顧客や社会のニーズに迅速に適合できるように変革することをお客様とともに協創して取組み、お客様の価値創造を支援していきます。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC装置開発の基本理念を今後も継承するとともに、当グループの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、スマートマシンの実現を推進するともに、当グループ工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」で実証されたデジタルマニュファクチャリングを、「ものづくりサービス」として提供し、世界中のお客様の価値創造の実現と社会に貢献できるように推進してまいります。
FY2022|5,132 文字
5 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,634百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発新型コロナウイルス感染拡大による影響から、全世界的に社会生活や経済活動が大きく制限された最悪期の状況を脱し、各国・地域毎の実情を踏まえた形で、徐々に行動制限の緩和に向かう流れが加速し、2021年の日本の業界受注額は3年ぶりに1兆5,000億円を上回り、過去4番目となる1兆5,414億円となりました。そのような中、製造業界では慢性的な人手不足に加え、人との接触を極力減らした生産形態を模索する動きが加速し、自動化、省人化に対する需要、生産性向上に対する要求がますます高まっています。また、全世界でSDGs、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化しており、こうした動きを背景に市況は急速な回復状態にあります。 このような市場において、提案力を一層高めていくため業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、高い生産性と安定した稼働を実現する技術開発を行っています。さらに、環境負荷やメンテナンス作業の軽減を加味して自社のスマートファクトリー(Dream Site)に展開し、ここで得られたノウハウの活用と市場動向を踏まえ、自動化・省人化、並びに効率化に貢献する自律型工作機械「スマートマシン」をはじめとした多くのオンリーワン技術・製品の開発を行っています。その一例として、2018年に開発した工作機械とロボットを完全融合した次世代ロボットシステム『ARMROID』シリーズは、自動化の需要が高まる中、単体機と同等のスペースで容易に自動化が可能であること、機械操作と同じ操作感覚でロボット操作が可能であること、働き方に合わせて人とロボットとの業務シェアを実現する人調和型自動化セルであることなどから生産現場における有用性が浸透してきており、市場で導入が拡がっています。グローバルに脱炭素化社会の実現に向けた動きが加速する中、再生可能エネルギー市場は継続的な成長が見込まれます。また、EVシフトが加速している自動車市場では、内燃エンジンから電動モータ化へと構成部品が大きく変化しており、まさにビジネスチェンジが起きています。そうした脱炭素に向けた動きの中で、製造業では、サプライチェーン全体で脱炭素を目指す企業の動きが国内外で拡大しており、中小規模企業にも脱炭素の取組みが必要となっています。当グループは、独自のAI、知能化技術による電力消費量の削減や、産業廃棄物となる切削液の長寿命化など製造過程トータルで発生する環境負荷の低減に取り組んでいます。部品加工時の省エネ(CO2排出量の削減)と、高精度及び高生産性を両立するため、2001年より、工場や機械の過度な温度管理と、暖機運転や寸法修正工程を最小化する技術である「サーモフレンドリーコンセプト」を標準適用した工作機械を順次拡大し、累計56,000台以上供給しました。また、この「サーモフレンドリーコンセプト」の技術を応用することで、高精度を維持したまま工作機械の周辺機器を停止する「ECOアイドルストップ」をはじめとした省エネルギーシステム「ECO suite」を2014年に商品化し、全世界で累計35,000台以上を市場投入しました。2021年は、この「ECO suite」をさらに強化し、『ECO suite plus』として進化させました。電力使用量の大きいミストコレクタなどの機器に対して、一層きめ細やかな運転制御指示を可能とすると共に、個々の機器の電力使用量を個別に確認・記録管理できる機能の追加や、ネットワークを利用した外部出力機能などを強化、そしてCO2排出量の見える化と分析の容易化により、CO2排出量の削減活動を支援しています。また、生産形態に最適な自動化対応と長時間の安定稼働により労働生産性を大幅に向上できる加工機のニーズが高まりに応えるため、『ECO suite plus』を搭載し、長時間連続運転が可能な高い信頼性と自動化対応力を大幅に強化した横形マシニングセンタ『MA-8000H』を開発しました。これにより、お客様が抱える生産現場の脱炭素化、労働力不足、技術伝承などの課題解決を強力に支援し、その上で大幅な生産能力の向上を実現可能としました。本製品は、「2021年度十大新製品賞 最高賞(増田賞)」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。 当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・製品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) スマートマシンを支えるNC装置の開発とスマートファクトリー実現の取組み当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC装置「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、社会における人々の志向の多様化、脱炭素社会への移行、安全保障など地政学的リスクへの対応など、時代が大きく転換しようとしている中で、ものづくり産業における生産革新、スマート化が進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。スマートマシンを支えるNC装置では、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とする制御技術開発に加え、最新のAI技術を活用し、送り軸や主軸の状態を診断する「AI機械診断機能」、加工状況を監視し、工具の寿命・折損を診断する「AI加工診断機能」等の知能化技術を実現、また、脱炭素社会の実現に向け、CO2排出量(消費電力)の削減を支援する「ECO suite plus」を提供するなど、工作機械として、スマートな加工を実現しています。1) スマートマシンを実現する機能開発1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業時間を短縮するため、加工面品位の向上に対する要求が高まっています。この加工面品位向上の要求に応えるため、曲面を認識してエッジ部の形状精度を保ちながら滑らかな加工を可能とする「Hyper-Surface」を開発しました。「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備え、お客様から高い評価を頂いております。さらに、加工の進行方向に対する指令位置の間隔や左右のゆらぎを滑らかにする「粗密補整機能」「ゆらぎ補整機能」、指令位置のバラツキによる軸動作の反転を抑制する「微小反転平滑化機能」、面品位を重視した加工を実現する「プログラム指令点補整機能」などを開発し、より高い面品位の加工をお客様に提案しています。1-2) AI機械診断機能高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、AI技術を融合し、ボールねじ、ボールねじ支持軸受、ミーリング主軸軸受の状態を見える化することにより、専門的な知見を用いなくても加工現場のオペレータにて容易に機械状態を把握でき、予防保全につながる取り組みを可能としました。今後も診断対象の拡充を図り、保全活動の支援を強化していきます。1-3) AI加工診断機能工具の有効活用による購入コスト削減や、工具異常による手直しコスト削減による生産性向上を支援する機能として、AI技術を活用した工具の折損診断技術により、ドリルの破損を発生直前に検出して回避することを可能としました。本機能を当社自社工場の設備機に搭載し、工具に関する情報を蓄積し、折損診断技術を向上させることで、工具の長寿命化、工具費用の削減に効果を上げています。また、工具異常時に自動的に工具を交換し、加工を継続する工具の乗り換え機能を開発し、自動化システムでの長時間連続運転の実現に取組んでいます。お客様の工場にてお使い頂くことで、部品加工のコスト削減に寄与します。 1-4) 自動化技術の強化自動化・省人化を容易に実現する次世代ロボットシステム「ARMROID」や「STANDROID」では、工作機械のオペレータが使うことを前提に、ガイダンスに従って始点・終点を教示し、パラメータを入力するだけで、ぶつからない最適な動作経路を自動生成するなど、複雑なロボットのプログラミングを不要とした「ROID Navi」を開発しました。さらに、ロボット先端に取付ける加工物を掴むワークハンドの選択機能の拡張、動作時間の短縮などの生産性向上のための開発を進めています。1-5) ECO suite plus環境対応として、脱炭素社会の実現に向け、工作機械の使用によるCO2排出量(消費電力)を見える化するとともに、加工中は、必要な時に必要な分だけ周辺機器を運転するよう制御、加工完了後は、機械が自律的に不要な周辺機器をアイドルストップしたり、作業者の作業状況を自動で判別して周辺機器のアイドルストップと復帰を自動化するなど、様々な機能によりCO2排出量(消費電力)の削減を支援しています。2) スマートファクトリー実現の取組みドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」や中国の「中国製造2025」など、国を挙げて次世代のものづくりが推進しています。当社工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」では、オークマが目指すスマートファクトリーとして、導入した自社製スマートマシンを活用し、全体最適の見える化工場、部品加工プロセスの制御周期の高速化によるスループット向上、ロボット・自動化システムによる自動化・省人化に取組んでいます。さらには、業務・製造プロセスのデジタル化を進め、デジタルマニュファクチャリングの実現に向けて、着実な成果を上げております。加えて、この取組みを会社全体の業務プロセスに拡張して、「ものづくりDXソリューション」として、世界のお客様の価値創造のために提供していきます。「ものづくりDXソリューション」では、お客様のものづくりの現場でこれまで培ってきたノウハウや成功事例を、個人や個別組織の経験値として蓄積するだけでなく、デジタル化により全体に共有し、リードタイム短縮、生産性向上、品質向上に利活用し、変化する顧客や社会のニーズに迅速に適合できるように変革することをお客様とともに協創して取組み、お客様の価値創造を支援していきます。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、当社の強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、スマートマシンの実現を推進するとともに、当社工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」で実証されたデジタルマニュファクチャリングを、「総合一貫した“ものづくりサービス”」として提供し、世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。
FY2021|5,393 文字
5 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,713百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発新型コロナウイルス感染拡大による影響から、全世界的に社会生活や経済活動が大きく制限され、航空機、自動車をはじめ様々な産業分野において投資マインドが冷え込んだことなどから、2020年の日本の業界受注額は10年ぶりに1兆円の大台を割り込み9,018億円となりました。そのような中、製造業界では慢性的な人手不足に加え、人との接触を極力減らした生産形態を模索する動きが加速し、自動化、省人化に対する需要、生産性向上に対する要求はますます増加しています。また、全世界でSDGs、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化しており、こうした動きを背景に市況は回復基調にあります。このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定的に継続して実現でき、かつ、環境・エネルギー・メンテナンス作業を含む負荷の軽減に配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追及と共に自動化・省人化、並びに効率化に貢献するオンリーワン技術・製品の開発を行っております。自動化・省人化の設備を導入しやすくするため、2018年に開発した工作機械とロボットを完全融合した次世代ロボットシステム「ARMROID」シリーズは、機械操作と同じ操作感覚でのロボット操作を可能とし、働き方に合わせて人とロボットとの業務シェアを実現する人調和型自動化セルとしました。2020年は複合加工機への展開として「MULTUS B300Ⅱ ARMROID」を開発しました。また、加工物及び素材をストックするコンベヤの積載量の拡大や、ロボット先端に取付ける加工物を掴むワークハンドについても柔軟に選択いただけるよう種類の拡充を行いました。世界中で急拡大している半導体製造装置業界や、風力、太陽光、ガス発電などのエネルギー市場など、大型の部品を扱う産業機械分野では、より広範囲な加工や多様な加工工程を高精度かつ、高効率に対応できる大型加工機が求められています。その一方、大型部品加工において高度な品質を維持してきた経験やノウハウの伝承が課題となっており、熟練技能者に依存することなく機械が自律的に品質を維持できる高精度、高機能な大型加工機のニーズが高まっています。このような課題に対し、機械精度の安定状態を自己診断する「精度安定診断機能」と誰でも簡単に空間精度を校正できる「3Dキャリブレーション」を標準搭載した門形マシニングセンタ『MCR-BⅤ』を開発しました。これにより熟練者の技能が必要であった大型加工機の精度維持を誰でも簡単に高いレベルで実現可能としました。本製品は、「2020年度十大新製品賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。脱炭素社会に向けては、オークマ独自のAI、知能化技術による電力消費量の削減や、産業廃棄物となる切削液の長寿命化など製造過程トータルで発生する環境負荷の低減に取り組んでいます。これまでに消費エネルギーを「知る」「減らす」を可能とした、新世代省エネルギーシステム「ECO Suit」を開発し、既に市場投入しております。「ECO Suit」の機能の一部であります「ECO 電力モニタ」により、ワーク当たりの消費電力量を見える化し、省エネ効果をその場で確認できます。また、サーモフレンドリーコンセプトを応用した知能化省エネ機能「ECO アイドルストップ」により、冷却の要否を機械が自ら判断し、精度を維持したまま冷却装置をアイドルストップいたします。継続して環境配慮型の工作機械を目指し『ECO Suit』の機能強化開発を図ってまいります。また、2019年に開発しました、半導体製造装置部品や金型部品の高い生産性と良好なメンテナンス性で長時間の自動運転を実現した大型立形マシニングセンタ「MB-80V」、及び、自動車のプレス金型製造において手仕上げ作業を大幅に削減する超高精度加工を実現した門形マシニングセンタ「MCR-S(Super)」は、2020年に「第50回機械工業デザイン賞」(日刊工業新聞社主催)を初めてダブル受賞いたしました。 当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・製品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) NC装置とIT製品の開発当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。当連結会計年度における研究開発活動としては、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とするスマートマシンの制御技術開発、そして、次世代ロボットシステム「ARMROID」や「STANDROID」などの自動化技術の強化、さらに自社工場での72時間無人稼働を実現したDS1、DS2、DS3(Dream Site1、2、3)での加工機・ロボットの稼働分析を始めとするスマートマニュファクチャリングの実証結果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。1) スマートマシンの制御技術開発高速で高精度かつ高品位で安定加工への要求に応えるため、スマートマシンの制御技術開発及び診断機能開発を強化してまいりました。1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業時間を短縮するため、加工面品位の向上に対する要求が高まっています。この加工面品位向上の要求に応えるため、曲面を認識してエッジ部の形状精度を保ちながら滑らかな加工を可能とする「Hyper-Surface」を開発いたしました。「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備え、お客様から高い評価を頂いております。さらに、加工の進行方向に対する指令位置の間隔や左右のゆらぎを滑らかにする「粗密補整機能」「ゆらぎ補整機能」、指令位置のバラツキによる軸動作の反転を抑制する「微小反転平滑化機能」を開発し、機能拡張しました。微小点群指令プログラムによる加工を行う様々な分野のお客様に、より高い面品位の加工を提供していきます。1-2) AI機械診断機能高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、ディープラーニングによるAI技術を融合し、ボールねじ、ボールねじ支持軸受、ミーリング主軸軸受の状態を見える化することにより、専門的な知見を用いなくても加工現場のオペレータにて容易に機械状態を把握でき、予防保全につながる取り組みを可能としました。今後も診断対象の拡充を図り、保全活動の支援を強化していきます。1-3) AI加工診断機能工具の有効活用による購入コスト削減や、工具異常による手直しコスト削減による生産性向上を支援する機能として、ディープラーニングによるAI技術を活用した工具の折損診断技術により、ドリルの破損を発生直前に検出して回避することを可能としました。本機能を当社自社工場の設備機に搭載し、工具に関する情報を蓄積し、折損診断技術を向上させることで、工具の長寿命化、工具費用の削減に効果を上げています。また、工具異常時に自動的に工具を交換し、加工を継続する工具の乗り換え機能を追加開発することにより、自動化システムでの長時間連続運転の実現に取組んでいます。お客様の工場にてお使い頂くことで、部品加工のコスト削減に寄与します。 1-4) サイクルタイム短縮機能生産性を向上させるために、サイクルタイム短縮に取り組んでいます。サイクルタイム短縮に寄与する機能として、「加工経路処理」「送り軸移動指令ブロック間処理」「主軸・送り軸の加減速処理」「ATC等の同時動作」等多数の機能を有しており、これらを最適に組み合わせて使用することが重要となります。これらサイクルタイム短縮に寄与する機能の設定項目を1つの画面に集約し、当社が用意した推奨値を加工内容に即してかんたんに一括指定、各機能を有効に活用することを可能としており、またプログラム運転中の加工準備動作時間を削減するために、ガイダンス付きのプログラム編集機能を開発し、サイクルタイムを短縮する加工プログラムを容易に作成することを可能とし、使いやすさの向上を図りました。今後は、特殊な加工サイクル等対象範囲を拡げて、サイクルタイム短縮に取組んでいきます。2) 自動化技術の強化自動化・省人化を容易に実現する次世代ロボットシステム「ARMROID」や「STANDROID」では、工作機械のオペレータが使うことを前提に、ガイダンスに従って始点・終点を教示し、パラメータを入力するだけで、ぶつからない最適な動作経路を自動生成するなど、複雑なロボットのプログラミングを不要とした「ROID Navi」を開発しました。さらに、ロボット先端に取付ける加工物を掴むワークハンドの選択機能の拡張、動作時間の短縮などの生産性向上のための開発を進めてきました。3) オークマスマートファクトリーの開発ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」や中国の「中国製造2025」など、国を挙げて次世代のものづくりが推進しています。当社は、自社工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」にて進めてきたスマートマニュファクチャリングの実証結果を、機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」を通じて、お客様の工場のスマート化を支援してきました。「Connect Plan」は、機械の稼働状況や実績を見える化し、さらに機械の停止理由分析にAIを活用して細分化するAI稼働分析機能により、時間を要する機械停止理由の原因分析の自動化と具体的改善項目を見える化する事で、非稼働時間を削減するカイゼンサイクルを促して機械の稼働率の向上を進めます。さらに部品加工工場の生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援してまいります。また、「Okuma App ストア」では、お客様のニーズにフィットするアプリ等のダウンロードサービス、加工プログラム作成代行サービス、ウイルス対策ファイルやAI機械診断機能の最新ファイル配信サービス、ネットワークを介して機械故障を診断するリモート診断をサービスしております。お客様と密着したサービスで、お客様のものづくり全般をサポートしております。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、当社の強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品を通じて、お客様の工場のスマート化を支援することにより、「総合一貫した“ものづくりサービス”」で世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。
FY2020|5,446 文字
5 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,597百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発前年まで堅調だった自動車や半導体関連の需要に一服感がでて、米中貿易摩擦による中国市場の落ち込みから輸出が減少しました。これにより輸出関連産業の投資マインドが冷え込んだこと等から、2019年の日本の業界受注額は3年ぶりに減少し、1兆2,299億円となりました。一方で、製造業界では、人手不足が深刻化し、多くの企業で熟練技術者のノウハウ継承も深刻な課題となっています。そのため、自動化に対する需要、生産性向上に対する要求はますます増加しています。 このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定的に継続して実現でき、かつ、環境・エネルギー・メンテナンス作業を含む負荷の軽減に配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追及と共に自動化・省人化、並びに効率化に貢献するオンリーワン技術・製品の開発を行っております。 当グループは、加工寸法精度の安定化、及び加工条件を最適化して高能率化を自律的に実現する知能化技術を開発し、工作機械に適用してまいりました。工作機械の熱変位を抑制し加工寸法の安定化に効果が高い熱変位制御技術「サーモフレンドリーコンセプト」は、2001年の開発以来19年で、120機種以上に適用開発して累計出荷台数が50,000台を超えました。自動化・省人化の設備を導入しやすくするため、2018年に工作機械とロボットを完全融合した次世代ロボットシステム『LB3000 EXⅡ ARMROID』を開発しました。従来のロボットシステムでは、ロボットの専門スキルを持った作業者しかロボットのティーチングなどのシステム設定ができない課題がありましたが、『LB3000 EXⅡ ARMROID』では、機械の操作と同じ操作感覚でロボット操作を可能としました。また、働き方に合わせて人とロボットの業務シェアができる構造により、人調和型自動化セルとしました。このような特徴を複合加工機へ展開した『MULTUS B250Ⅱ ARMROID』を2019年に開発しました。また、適用機種の展開に合わせ、加工物可搬質量を従来の5㎏タイプに、10㎏タイプを追加しました。『ARMROID』は、2019年に「第49回機械工業デザイン賞 最優秀賞(経済産業大臣賞)」(日刊工業新聞社主催)、及び「2019年度(第39回)精密工学会 技術賞」を受賞いたしました。 また、市販の多関節ロボットと工作物のストック装置を一体化することで、容易に自動化セルを導入できるようにした『STANDROID』は、立形マシニングセンタ、5軸制御マシニングセンタに対応する5機種を展開開発しました。 拡大する半導体製造装置市場をはじめ、高品位・高精度化と共に自動化の需要が進む大物部品や金型部品など、重切削から高精度仕上げ加工まで幅広い加工に対応でき、省人化・無人化にも応えられる大型の立形マシニングセンタが求められています。こうした需要に応えるため、高い生産性を実現する立形マシニングセンタ『MB-80V』を開発しました。主軸に円筒ころ軸受を採用することで、重切削能力の向上を図りました。また、長時間の連続運転が安定して稼働できるようにするため、加工室内からの機外への切粉排出性を高めるとともに、切粉が堆積しやすい切削液タンクの清掃を不要とする構造にしました。 海外を中心として拡販が進んでいる、プレミアム・エコプロダクトであるGENOSシリーズにおいては、サブ主軸を搭載した『GENOS L3000(MYW仕様)』、及びマシニングセンタのシリーズ強化として、『GENOS M660-V』を開発し市場投入しました。 自動車業界ではユーザの嗜好の広がりから、自動車のスタイリングがますます重要視されるようになっています。プレス金型製造においては、外観デザインの進化で高い意匠性の実現が求められる一方で、熟練技術者のノウハウ継承が深刻な課題となっていることから、工作機械には、高いレベルでの形状精度と加工面品位の両立が求められるようになっております。このような課題に対し、機械精度の安定状態を自己診断する「精度安定診断機能」と誰でも簡単に空間精度を校正できる「3Dキャリブレーション」を開発し、門形マシニングセンタ『MCR-S (Super)』に適用可能としました。これにより、機内計測装置にて三次元測定機と同等の測定が可能となりました。本製品は、「2019年度十大新製品賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。 当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・製品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) NC装置とIT製品の開発当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。当連結会計年度における研究開発活動としては、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とするスマートマシンの制御技術開発、そしてスマートマシン及びスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発強化、さらに自社工場のDS1、DS2(Dream Site1、2)のコンセプトを受け継いで72時間無人稼働を実現したDS3(Dream Site3)での加工機・ロボットの稼働分析を始めとするスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。1) スマートマシンの制御技術開発高速で高精度かつ高品位で安定加工への要求に応えるため、スマートマシンの制御技術開発及び診断機能開発を強化してまいりました。1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業時間を短縮するため、加工面品位の向上に対する要求が高まっています。この加工面品位向上の要求に応えるため、曲面を認識してエッジ部の形状精度を保ちながら滑らかな加工を可能とする「Hyper-Surface」を開発いたしました。「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備え、お客様から高い評価を頂いております。 さらに、この「Hyper-Surface」を育成開発し、航空機部品や医療分野における複雑形状部品を加工する、同時5軸加工の分野でもお使いいただけるよう機能拡張しました。微小点群指令プログラムによる加工を行う様々な分野に、高い面品位の加工を提供していきます。1-2) AI機械診断機能高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、ディープラーニングによるAI技術を融合し、ボールねじ、ボールねじ支持軸受、ミーリング主軸軸受の状態を見える化することにより、専門的な知見を用いなくても加工現場のオペレータにて容易に機械状態を把握でき、予防保全につながる取り組みを可能としました。今後も診断対象の拡充を図り、保全活動の支援を強化していきます。1-3) AI加工診断機能工具の有効活用による購入コスト削減や、工具異常による手直しコスト削減による生産性向上を支援する機能として、ディープラーニングによるAI技術を活用した工具の折損診断技術により、ドリルの破損を発生直前に検出して回避することを可能としました。本機能を当社自社工場の設備機に搭載することで、工具の長寿命化、工具費用の削減に効果を上げています。お客様の工場にてお使い頂くことで、部品加工のコスト削減に寄与します。 1-4) サイクルタイム短縮機能生産性を向上させるために、サイクルタイム短縮に取り組んでいます。サイクルタイム短縮に寄与する機能として、「加工経路処理」「送り軸移動指令ブロック間処理」「主軸・送り軸の加減速処理」「ATC等の同時動作」等多数の機能を有しており、これらを最適に組み合わせて使用することが重要となります。 これらサイクルタイム短縮に寄与する機能の設定項目を1つの画面に集約し、当社が用意した推奨値を加工内容に即してかんたんに一括指定、各機能を有効に活用することを可能としており、またプログラム運転中の加工準備動作時間を削減するために、ガイダンス付きのプログラム編集機能を開発し、サイクルタイムを短縮する加工プログラムを容易に作成することを可能とし、使いやすさの向上を図りました。2) ものづくりコントローラ「OSP suite」の強化OSP suiteが有するsuiteアプリは、機械オペレータの1日の作業(機械点検、加工プログラム準備、段取り、加工、加工後作業)を支援するアプリ、CAD/CAM、MES(製造実行システム)との連携を強化するアプリで、工場全体のスマート化を支援します。 suiteアプリはお客様、加工現場の声を元に開発しており、特に「工程表作成アプリ」「工具寿命予測アプリ」などは、加工ノウハウの再利用と機械の長時間連続加工を可能とすることで生産性の向上につながり、高い評価を頂いています。3) オークマスマートファクトリーの開発ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」や中国の「中国製造2025」など、国を挙げて次世代のものづくりが推進しています。当社は、自社工場「Dream Site(DS1、DS2、DS3)」にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングを、機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」として、お客様へ導入しております。 「Connect Plan」は、機械の稼働状況や実績を見える化し、さらに機械の停止理由分析にAIを活用して細分化するAI稼働分析機能により、時間を要する機械停止理由の原因分析の自動化と具体的改善項目を見える化する事で、非稼働時間を削減するカイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。 さらに部品加工工場の生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援してまいります。 また、「Okuma App ストア」では、お客様のニーズにフィットするアプリ等のダウンロードサービス、加工プログラム作成代行サービス、ウイルス対策ファイルやAI機械診断機能の最新ファイル配信サービス、機械故障をネットワークを介して診断するリモート診断をサービスしております。お客様と密着したサービスで、お客様のものづくり全般をサポートしております。 当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、当社の強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。
FY2019|5,123 文字
5 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として4,596百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、そして成長を続ける航空機産業、労働力不足を背景に広範囲に亘る国内製造業の旺盛な設備投資意欲が続きました。2018年の日本の業界受注額は、1兆8,157億円と2017年に続き過去最高額を更新いたしました。このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工を安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追及と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・製品の開発を行っております。当グループは、加工寸法精度の安定化及び、加工条件を最適化して高能率化を自律的に実現する知能化技術を開発し、工作機械に適用してまいりました。工作機械用CNC装置にAI機能を内蔵したAI機械診断機能「OSP-AI」を開発し、機械の主軸や送り軸の診断を可能とすることで、不具合による突然の機械停止を防ぐことを可能にしました。また、工作物の不良につながる工具破損の課題に対し、リアルタイムにドリル加工の異常検知を行うことで不具合回避や工具費の削減を実現する「AIドリル加工診断」技術を開発いたしました。 製造業界では、人手不足が深刻化し、多くの企業で熟練技術者のノウハウ継承も深刻な課題となっています。こうした課題に対し、工作機械とロボットを完全融合した次世代ロボットシステム「ARMROID」を開発しました。「ARMROID」は、自社開発のロボットを工作機械の加工室内に設け、従来のロボットシステムでは対応できなかった加工中のサポートも可能にすると共に、ロボットの設置スペースを不要にして省スペース化を図りました。更に、従来のロボットシステムでは、ロボット操作やプログラム言語が工作機械とは全く異なり、ロボットの専門スキルを持った作業者しかロボットのティーチングなどのシステム設定ができなかったという課題がありました。この課題に対し、機械の操作と同じ操作感覚でロボット操作を可能とし、手動操作でも、自動運転でもロボットの衝突防止機能が有効に機能するので、工作機械を操作できる作業者であれば誰でも使いこなせるロボット制御システムを開発いたしました。そして、働き方に合わせて人とロボットの業務シェアにより、効率生産を実現する人調和型自動化セルとしました。この「ARMROID」は、「2018年度十大新製品賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。自動車業界ではハイブリッド、EV等パワートレインが多様化し、低燃費の追究やユーザの嗜好の広がりから、自動車のスタイリングがますます重要視されるようになりました。外観デザインの進化につれて、意匠性の高いデザインが多用され、プレス金型製造においては、高いレベルでの形状精度と加工面品位の両立が求められるようになっております。このような課題に対し、加工時間の短縮と、長時間安定した高精度加工を実現し、型合せ時間を大幅に短縮する5面加工門形マシニングセンタ「MCR-S」を開発しました。また、自動車部品、建設機械や油圧部品、半導体製造装置部品など、高速加工から重切削まで幅広い加工に対応できる十分な能力と、省人化・無人化ニーズにも応えられる機械が求められています。こうした需要に応えるため、高い生産性を実現する横形マシニングセンタ「MB-5000HⅡ」を開発しました。各移動軸の高速化と加工能力の向上により、加工時間の短縮を図り、加工領域を従来機に対し拡大した上で、機械スペースは従来機よりも小さくすることで、面積生産性を従来機比20%向上しました。当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・製品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) NC装置とIT製品の開発当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。当連結会計年度における研究開発活動としては、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とするスマートマシンの制御技術開発、そしてスマートマシン及びスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発強化、さらに自社工場DS1、DS2(Dream Site1、2)にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。 1) スマートマシンの制御技術開発高速で高精度かつ高品位で安定加工への要求に応えるため、スマートマシンの制御技術開発及び診断機能開発を強化してまいりました。1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」近年、金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業を短縮するために、加工面品位の向上に対する要求が高まっております。この加工面品位向上の要求に応えるため、曲面を認識してエッジ部の形状精度を保ちながら滑らかな加工を可能とする「Hyper-Surface」を開発いたしました。「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備えており、加工面品位を大幅に向上させることができます。実際の加工現場では、荒加工から仕上げに至る加工工程や加工用途の違いにより、加工時間を重視する、あるいは加工面品位を重視するといったケースがあり、各機能の効き具合をパラメータで調整します。その際、各機能が持つ個々のパラメータの調整作業を軽減するため、「Hyper-Surfaceパラメータかんたん設定」機能を開発しました。予め加工工程や加工用途に応じた最適なセッティングを施しており、機械オペレータは加工の際に所望の加工工程や加工用途をリストから選ぶのみで、最適な加工条件を得ることを可能としました。1-2) AI機械診断機能高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、ディープラーニングによるAI技術を融合し、世界で初めて工作機械用CNC装置にAI機能を内蔵いたしました。従来のボールねじ、ボールねじ支持軸受状態の見える化に加え、ミーリング主軸軸受状態の見える化を開発し、保全活動の支援を強化いたしました。オークマクラウドから最新のAI診断モデルを配信しており、出荷後も最新の情報でAI診断精度を向上させることができます。1-3) AI加工診断機能工具の有効活用による購入コスト削減や、工具異常による手直しコスト削減による生産性向上を支援する機能として、ディープラーニングによるAI技術を活用した工具の寿命・折損診断技術を世界で初めて開発いたしました。ドリルの摩耗状態を可視化することで寿命直前まで使う事ができ、さらに工具の破損を発生前に検出して回避することができます。1-4) サイクルタイム短縮機能生産性を向上させるために、サイクルタイム短縮に取り組んでいます。このサイクルタイム短縮に寄与する機能としては、「加工経路処理」「送り軸移動指令ブロック間処理」「主軸・送り軸の加減速処理」「ATC等の同時動作」等多数あり、加工内容に則して最適に組み合わせて使用することが重要となります。サイクルタイム短縮に寄与する機能群を1つの画面に集約し、当社が用意した推奨値を加工内容に則してかんたんに一括指定できるようにしました。また、ガイダンスに添って推奨値の変更も可能で、変更した推奨値は保存され再利用を可能としましたので、生産性向上の取り組みに大幅に貢献できます。2) ものづくりコントローラ「OSP suite」の強化ものづくりの情報化・ネットワーク化への要求に応えるため、開発強化を加速してまいりました。2-1) 新suiteアプリ「OSPマシニングレコーダ」suiteアプリは、機械オペレータの1日の作業(機械点検、加工プログラム準備、段取り、加工、終了)を支援するアプリ、CAD/CAM、MES(製造実行システム)との連携を強化するアプリで、工場全体のスマート化を支援しています。「OSPマシニングレコーダ」は、機内に設置したカメラで、常に映像を画面表示して機内の状態を監視いたします。さらに、加工プログラム実行開始時やアラーム発生時に映像を自動録画し、不良要因やアラームの原因追究を支援いたします。 3) オークマスマートファクトリーの開発ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」や中国の「中国製造2025」など、国を挙げて次世代のものづくりが推進しています。当社は、自社工場DS1、DS2にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングを、機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」として、お客様へ導入しております。「Connect Plan」は、機械の稼働状況や実績を見える化し、さらに機械の停止理由分析にAIを活用して細分化するAI稼働分析機能により、時間を要する機械停止理由の原因分析の自動化と具体的改善項目を見える化する事で、非稼働時間を削減するカイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。さらに部品加工工場の生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援してまいります。また、「Okuma App ストア」では、お客様のニーズにフィットするアプリ等のダウンロードサービス、加工プログラム作成代行サービス、ウィルス対策ファイルやAI機械診断機能の最新ファイル配信サービス、機械故障をネットワークを介して診断するリモート診断をサービスしております。お客様と密着したサービスで、お客様のものづくり全般をサポートしております。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、当社の強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術、先進のAI活用技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。
FY2018|5,091 文字
5 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として39億28百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発グローバルに広がる情報活用を背景に拡大し続ける半導体産業、先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、そして安定した成長を続ける航空機産業、並びに広範囲に亘る国内製造業の設備投資意欲が旺盛な状況が継続しています。2017年の日本の業界受注額は、1兆6,455億円と10年ぶりに過去最高額を更新いたしました。 このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、このような市場要求に対して業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追及と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・商品の開発を行っております。当グループは、これまでにお客様の加工能率最大を支援する「加工ナビ」、安定した高精度加工が誰にでも実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、衝突を気にせず誰でも熟練の操作が実現できる「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」高精度・安定動作を長期間維持する「サーボナビ」等の知能化技術を開発いたしました。航空・宇宙、エネルギー、自動車、半導体、一般機械等幅広い業界で、部品の高精度化・軽量化を目的として複数部品の一体化が加速し、複雑形状化が進んでおります。そのため加工の工程集約のニーズが一層高まり、1回の段取りであらゆる加工ができる5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要がグローバルに増加しております。また、IoTを具現化するスマートファクトリーでは部品の流れが重要となり、さらなる工程集約やスループットを高める工作機械が求められております。こうした需要に対して当グループは、ミーリング、旋削、研削加工に加え、レーザ加工技術を融合し、金属積層造形加工を対応可能にした「LASER EX」シリーズを開発いたしました。この金属積層技術は、複雑形状や難削材など切削による除去加工で時間がかかる部品を効率的に製作することが可能となるだけでなく、異種金属への積層が可能となるため、工具費、ランニングコスト、部品点数の削減にも貢献いたします。また、レーザ技術の応用により、焼入れ工程も集約することが可能となり、短時間かつ歪みの少ない焼入れ処理を実現し、スループットも向上させました。5軸制御マシニングセンタでは、従来の概念を変える省スペースでコンパクトな「MU-S600V」を開発いたしました。単体での使い易さ・生産性と、2台以上の機械を連結した自動化ラインでは、テーブルがロボット機能を発揮する事で、機台間の搬送レスでのライン構成を可能としました。このラインでは、工程間で加工物が機外に出ることが無いため、切削液や切粉の飛散が無いクリーンな工場の実現を可能としました。多品種少量生産から量産部品加工までを1種類の機械で自在にこなす全く新しいコンセプトの機械で、製品ライフサイクルでの生産量の変化に合わせて、1台から複数台の連結に自在に組替を可能としました。この「MU-S600V」は、「2017年度十大新製品賞 本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。旋盤では、自動車部品に代表される量産加工に対応する並行2主軸タイプの「2SP-2500H」を開発いたしました。機械サイズのコンパクト化、ミーリング加工能力強化による面積生産性の向上と共に、工作物の交換時間を短縮する新開発の高速ローダを搭載し、スループットの向上を実現いたしました。更に、プレミアムエコプロダクトである GENOS Lシリーズの性能、メンテナンス性の向上を図り、全14機種の一斉モデルチェンジをいたしました。当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) NC装置とIT製品の開発当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。 当連結会計年度における研究開発活動としては、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とするスマートマシンの制御技術開発、そしてスマートマシン及びスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発強化、さらに自社工場DS1,DS2(Dream Site1,2)にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。1) スマートマシンの制御技術開発高速で高精度かつ高品位で安定加工への要求に応えるため、スマートマシンの制御技術開発及び診断機能開発を強化してまいりました。1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」近年、金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業を短縮するために、加工面品位の向上に対する要求が高まっております。この加工面品位向上への要求に応えるため、曲面を認識して、エッジ部の形状精度を保ちながら滑らかに加工を可能とする「Hyper-Surface(ハイパー・サーフェス)」を開発いたしました。「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備えておりますので、加工面品位を大幅に向上させることができます。1-2) 加工面品位向上機能「サーボナビ たわみ自動調整」機械駆動系の経時変化に対する送り軸の追従性を維持する「サーボナビSF たわみ自動調整」を開発いたしました。機械を長期間使用しますと、送り軸駆動系のたわみ量が変化し、加減速時に追従遅れが発生し、加工面品位の劣化を招くことがあります。本機能は、駆動系の変化で発生する追従遅れを、サーボパラメータを自動学習で調整しサーボ制御で補正しますので、機械性能を最大限に引き出すことができ、高品位な加工で生産性向上に寄与いたします。1-3)AI機械診断機能「OSP-AI」高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、ディープラーニングによるAI技術を融合し、世界で初めて工作機械用CNC装置にAI機能を内蔵いたしました。この診断機能により、ボールねじ、ボールねじ支持軸受の状態を見える化することで保全活動を支援いたします。さらに、お客様の機械からAI診断結果を収集し、オークマクラウド上で機械学習を行う事により、AI診断精度を向上させるサービスも開始いたしました。2) ものづくりコントローラ「OSP suite」の強化ものづくりの情報化・ネットワーク化への要求に応えるため、開発強化を加速してまいりました。2-1) 新suiteアプリ「3D-STEPビューア」「工程表作成」「工具寿命予測」suiteアプリは、機械オペレータの1日の作業(機械点検、加工プログラム準備、段取り、加工、終了)を支援する事で生産効率向上を目指して開発してまいりました。今後はCAD/CAM、MES(製造実行システム)との連携を強化し、工場全体のスマート化を支援してまいります。CAD/CAM連携を強化する新suiteアプリとして「3D-STEPビューア」「工程表作成」、MES連携を強化する新suiteアプリとして「工具寿命予測」を開発いたしました。「3D-STEPビューア」は、CADで作成した3D形状をOSPの画面で直接確認することで、機械オペレータが直感的に形状を認識し、思い込みによるミスを防止いたします。「工程表作成」は、加工で使用した工具毎の工具情報、切削条件、加工時間を記憶して工程表として作成する事で、加工実績を保管し改善結果の確認やノウハウの共有を支援いたします。「工具寿命予測」は加工途中での工具寿命アラームによる加工中断を防止し、機械停止時間の削減を支援いたします。2-2) オペレータ認証機能機械オペレータのレベルに応じて操作制限を設ける機能を開発いたしました。加工現場に様々なレベルの機械オペレータが混在する場合、レベルに応じて機械操作に制限を設ける事で、安心して機械操作を委ねる事が可能になります。管理者が機械オペレータ毎に可能な操作とパスワードを設定し、機械オペレータが自身のパスワードでログインする事で、操作制限が設定されます。 3) オークマスマートファクトリーの開発ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」など、国を挙げて次世代のものづくりを推進するなか、当社は、自社工場DS1,DS2にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングを機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」として、お客様へ導入しております。「Connect Plan」は、IoTをスモールスタートで始めたいお客様向けのプランです。機械の稼働状況、実績を見える化し、さらに機械の停止理由分析にAIを活用して細分化するAI稼働分析機能により、時間を要する機械停止理由の原因分析の自動化と具体的改善項目を見える化する事で、カイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。さらに部品加工工場の生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援してまいります。また、「Okuma App ストア」を立上げ、お客様のニーズにフィットするアプリ等のダウンロードサービス、加工プログラム作成代行サービス、ウィルス対策ファイルやAI機械診断機能の最新ファイル配信サービス、リモート診断サービスを開始いたしました。お客様と密着したサービスで、お客様のモノづくり全般をサポートしてまいります。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。
FY2017|4,583 文字
6 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として41億79百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発グローバルに拡大を続ける航空機産業やIT・半導体産業、先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、並びに広範囲に亘る国内製造業の設備投資意欲が旺盛な状況となりました。2016年の日本の業界受注額は1兆2,500億円と前年の1兆4,806億円には届かなかったものの、6年連続で1兆円超えとなり、円高傾向となった中では高水準となりました。このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、このような市場要求に対して業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追求と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・商品の開発を行っております。当グループは、これまでにお客様の加工能率最大を支援する「加工ナビ」、安定した高精度加工が誰にでも実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、衝突を気にせず誰でも熟練の操作が実現できる「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」等の知能化技術を開発いたしました。拡大を続ける航空機産業に対しては、航空機業界向けの支援拠点Aerospace Center of Excellence – Japanを開設いたしました。すでに開設している、アメリカ(ノースカロライナ州)、フランス(パリ)の各拠点と航空機部品加工ノウハウを共有し、先進のマシンと加工技術、そして、トータルソリューションを提案する体制が整いました。航空・宇宙、エネルギー、自動車、半導体、一般機械等幅広い業界で、部品の高精度化・軽量化を目的として複数部品の一体化が加速し、複雑形状化が進んでおります。そのため加工の工程集約のニーズが一層高まり、1回の段取りであらゆる加工ができる5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要がグローバルに増加しております。 こうした需要に対して当社は、これまでの複合加工機の機能であるミーリング、旋削、研削加工に加え、レーザ加工技術を融合した超複合加工機「MU-6300V LASER EX」「MULTUS U3000 LASER EX」を開発し、「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」に出品いたしました。従来にない高能率かつ高精細な三次元金属積層造形加工を世界最大級の加工範囲で実現いたしました。この金属積層技術は、異種金属への積層が可能となるため、複雑形状や難削材など切削による除去加工で時間がかかる部品加工の生産性を劇的に変革させることが可能となりました。さらにレーザ技術による焼入れ工程を実現し、熱処理炉での従来焼入れと比較し、短時間かつ歪みの少ない焼入れ処理を実現しスループットを向上させました。この「LASER EX」シリーズは、「2016年十大新製品賞 本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。また、工作機械の「運転電力の低減」と「待機電力の削減」を実現する新世代省エネルギー技術「ECO suite」が、「平成28年度優秀省エネルギー機器表彰 経済産業大臣賞」を受賞いたしました。5軸制御マシニングセンタでは、従来の概念を変える省スペースでコンパクトなスマートマシン「MU-S600V」を開発いたしました。単体での使い易さ・生産性と、2台以上連結ではテーブルがロボット機能を発揮する事で機台間の搬送装置レスでのライン構成の実現を可能としました。多品種少量生産から量産部品加工までを1種類の機械で自在にこなす全く新しいコンセプトで、生産量の変化に合わせて、1台から複数台の連結に自在に組替えを可能としました。複合加工機では、中・大物部品の強力加工に対応する工程集約機で、これまでに開発した「MULTUS U3000」「MULTUS U4000」の上位機種となる「MULTUS U5000」を開発いたしました。研削盤においては、自動車部品に代表される量産加工に対応する省スペースで操作性を高めた砥石台トラバース方式の円筒研削盤「GA26W」、「GP26W」を開発いたしました。先に発売された「GA15W」、「GP15W」と併せ、需要規模の大きい小型量産部品から中型部品まで、対象部品にあわせたラインナップを完成させました。当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) NC装置とIT製品の開発当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。当連結会計年度における研究開発活動として、スマートマシン、そしてスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発展開を加速してまいりました。さらには、自社工場DS1(Dream Site1)にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。1) ものづくりコントローラ「OSP suite」の進化ものづくりの情報化・ネットワーク化に関して、日増しに高度化する要求に応えられるように、ものづくりコントローラ「OSP suite」の基本性能・機能を大きく進化させ、CNC装置のモデルを「OSP-P300A」として開発いたしました。「OSP-P300A」は2016年8月から複合加工機と5軸制御マシニングセンタに、 2016年11月からは全機種に搭載し販売を開始いたしました。1-1) 新CNCモデル「OSP-P300A」最新CPUを搭載して処理速度、描画性能の向上を実現し、また、加工現場に最適なマルチタッチパネルを採用いたしました。第4次産業革命の流れにおいては、IoT技術の活用、スマートな製造による生産革新が求められており、「OSP-P300A」は、ものづくり現場において高度なデジタル情報をスムースかつ双方向に扱うことのできる処理能力と操作性を提供いたします。 1-2) 新サーボシステム「MCS4」工作機械では、高速で高精度かつ高品位な加工面が求められ、機械の送り軸や主軸には精密なサーボ制御が要求されます。「MCS4」は、送り軸と主軸制御における位置・速度・電流の制御周期を高速化し、新開発の検出器により送り軸の位置検出分解能を大幅に向上させることで、超ハイゲイン化(高感度化)を可能としました。「OSP-P300A」の演算性能アップと相まって、機械性能を最大限に引き出し、高速で高精度かつ高品位な加工で生産性向上に寄与いたします。1-3) 工作機械保全支援ソリューション「メンテナンス suite」機械の安定稼動に繋がる効率的な保全作業がこれまで以上に重要視され、保全の容易化、機械停止時間の最小化に向けての支援システムの構築が強く求められています。「メンテナンスsuite」は、機械停止を未然に防ぐ予防保全機能として「OSP-AI 故障診断機能」、定期保全の支援と見える化を実現する「メンテナンスモニター」、事後保全として機械停止をいち早く知らせる「メール通知機能」をひと揃え(suite)で提供いたします。特に「OSP-AI 故障診断機能」は、当社の強みである知能化技術を発展させ、AI(人工知能)診断技術を世界で初めて工作機械用CNC装置に内蔵し、ボールねじ、ボールねじ支持軸受の不具合の有無、異常部位をAIが診断し、機械保全に関する専門知識が無くても予防保全を可能とします。2) オークマスマートファクトリーの開発ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」など、国を挙げて次世代のものづくりを推進するなか、当社は、自社工場DS1にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングをお客様向けに商品化し、2016年11月に開催した「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」にて発表いたしました。「OSP suite」を中核に、工作機械とPC(パソコン)をつなぎ機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」と生産計画の見える化で工場生産性を向上する「Smart Plan」を発表し、お客様の工場のスマート化の支援を開始いたしました。「Connect Plan」は、IoTをスモールスタートで始めたいお客様向けのプランで、機械の稼働状況、実績を見える化する事で、カイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。「Smart Plan」は、さらに生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援いたします。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。
FY2016|4,451 文字
6 【研究開発活動】当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として41億42百万円を支出いたしました。研究開発活動の概要は、次のとおりであります。 (1) 新機種・新技術開発グローバルに拡大を続ける航空機産業や、先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、並びに広範囲に亘る国内製造業の設備投資意欲が旺盛な状況となりました。2015年の日本の業界受注額は1兆4,806億円と前年の1兆5,094億円には届かなかったものの歴代3番目の高水準となりました。このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、このような市場要求に対して業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追求と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・商品の開発を展開しております。当グループは、これまでにお客様の加工能率最大を支援する「加工ナビ」、安定した高精度加工が誰にでも実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、衝突を気にせず誰にでも熟練の操作が実現できる「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」等の知能化技術を開発いたしました。また、拡大を続ける航空機業界で課題となっている、チタン・インコネル材の様な難削材の高能率加工を実現する「シンクロドライビング」の開発は、当グループの技術力を示す新技術開発となりました。航空・宇宙、エネルギー、自動車、一般機械等幅広い業界で、部品の高機能化・軽量化を目的として複数部品の一体化が加速し、複雑形状化が進んでおります。そのため加工の工程集約のニーズが一層高まり、1回の段取りであらゆる加工ができる5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要がグローバルに増加しております。これらの需要に対応すべく、サーモフレンドリーコンセプトによる抜群の加工精度安定性とファイブチューニングによる高精度な加工を実現する5軸制御マシニングセンタ「MU-4000V」を開発しました。「MU-4000V」は、昨年までに開発した「MU-5000V」「MU-6300V」「MU-8000V」のMU-1000Vシリーズを完成させるもので、高速・高精度な5軸制御マシニングセンタでありながら旋削機能、研削機能、スカイビング歯車加工等の多工程をコンパクトサイズに集約可能といたしました。新たな5軸制御マシニングセンタのベストセラーマシンとしてまいります。さらに大型の5軸制御マシニングセンタとしては、横形の「MU-10000H」を既に市場投入しており、幅広い市場ニーズに応えることができるよう新機種開発を進めてまいりました。今後とも5軸制御マシニングセンタ、複合加工機シリーズの育成展開を継続して、一層の市場競争力強化を図ってまいります。5軸制御マシニングセンタ及び複合加工機の領域において、さらなる工程集約・機能拡張を実現するため、複合加工機では、工具主軸の回転を利用し、加工物の外周穴や突出部の旋削加工も可能にしたターニングカット機能を開発し、シール機構部に要求される加工精度の対応を可能にしました。工具主軸の持つB軸動作と旋削加工を同期制御することで、工具寿命の延長や、曲面形状の加工精度を向上するB軸旋削機能、さらに、複雑形状加工を実施後、加工物を取外すことなく、三次元計測を可能とした、機内計測システム等を開発いたしました。また、生産性向上を目的とした、下刃物台付の複合加工機では、下刃物台の取付け工具本数の制約から、長時間連続運転に制限がありましたが、工具を自動交換する技術を開発し、長時間自動運転の対応を可能としました。また、当社のベストセラーマシンであります「LB EX」シリーズの中でも、最も需要の大きな「LB3000 EXⅡ」において長尺加工を可能とする心間1,300mm仕様を開発いたしました。長尺加工物を高能率に加工する為、加工物を支持する振止めをNC制御にて長手に移動可能とした「自走式振止め」や、ねじ加工時のビビリを抑制する「加工ナビT-gねじ切り」機能を付加し、新たに長手展開をいたしました。これらの継続的な機械及び技術の開発の結果、2015年には、5軸制御マシニングセンタ「MU-4000V-L」が、日刊工業新聞社主催の「2015年度十大新製品賞 本賞」を、また、新世代省エネルギー技術として開発いたしました「ECO suite」が、日刊工業新聞社主催の「第45回機械工業デザイン賞 最優秀賞・経済産業大臣賞」をそれぞれ受賞いたしました。 当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。 (2) NC装置とIT製品の開発当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。当連結会計年度における研究開発活動として、1)新世代知能化CNC「OSP suite」 、2)新世代省エネシステム「ECO suite」、3)オークマスマートファクトリー、4)新制御技術の開発を進めてまいりました。 1)新世代知能化CNC「OSP suite」の全機種展開「OSP suite」は、オンリーワン技術である「知能化技術」に加えて、タッチパネル操作を進化させた新操作感覚「suite タッチ」と加工現場から発想した「suite アプリ」を搭載し、始業点検からプログラムや工具・治具の準備、加工、終業作業に至るまで、作業全般でのデジタル情報の活用を促進する新世代知能化CNC装置であります。当社はJIMTOF2014を皮切りに、19インチ大画面を搭載した新世代知能化CNC「OSP suite」のPRを開始し、2015年4月より複合加工機、5軸制御マシニングセンタへの適用、販売を開始いたしました。「OSP suite」は、「IoT」時代にフィットした「ものづくりのデジタル化」を推進する「CNC装置」として、人に優しい操作性と省スペースを両立する15インチ画面を採用した「OSP suite」スリムタイプ及びコンパクトタイプを開発し、2015年8月から 旋盤、マシニングセンタ全機種に搭載し販売を開始いたしました。2)新世代省エネルギー技術「ECO suite」の全機種展開「ECO suite」は、「運転電力の低減」と「待機電力の削減」による省エネを実現する新世代省エネルギー技術であります。「ECO suite」は、世界初の工作機械アイドリングストップ機能「ECOアイドルストップ」、電力消費量をリアルタイムで見える化する「ECO電力モニタ」、ものづくりの環境に合わせて省エネルギーを最適化する「ECOユアツ」、「ECOオペレーション」で構成され、高度な省エネルギー技術により、高精度を維持したまま電力消費量の削減を実現するものであります。2015年4月から「ECO suite」を複合加工機、5軸制御マシニングセンタに搭載、販売を開始、2015年8月からは、旋盤、マシニングセンタ全機種に搭載し、販売を開始いたしました。3)オークマスマートファクトリーの提案ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」など、国を挙げて次世代のものづくりを推進するなか、当社は、2015年11月に開催した「OMF」(オークママシンフェア)にて、「OSP suite」を中核に、CAD、CAM、そして工作機械の動作を忠実にシミュレーションする当社独自の3Dバーチャモニタと機械をつなぎ、最短時間で加工準備を完了するものづくり現場のスマートファクトリー化の提案を行いました。また、生産計画の変更に対して、柔軟に作業計画を変更し、作業者に分かりやすく伝えるシステム、作業計画から加工準備、実加工、品質検査までの各種情報をデジタル化して蓄積し、製品のトレーサビリティを確保すると共に、データ分析によって計画策定や加工準備、加工作業の改善につなげるスマートマニュファクチャリングを提案いたしました。 4) 新制御技術の開発高付加価値加工が求められる複合加工機や5軸制御マシニングセンタの回転軸においては、加工物の径が大きい場合、微細な角度誤差が加工面に大きな誤差となって現れるため、精密なサーボ制御が要求されます。当社が開発した、サーボナビAI(Automatic Identification)は、ワーク重量に応じて最適な制御パラメータを自動的に調整する新制御技術であり、これをさらに進化させ、機械の摩擦抵抗などの状態変化に対しても、自動的に最適な制御パラメータを調整するサーボナビSF(Surface Fine tuning)を5軸制御マシニングセンタに適用いたしました。これらサーボナビによって、機械性能を最大限に引き出し、複雑化する5軸加工の高生産性と高品位加工の両立の実現を図りました。当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。