事業の概要
- マーケティングAX支援アライドアーキテクツは、顧客企業のマーケティング活動をAIとクリエイティブの力で変革(AX:AI Transformation)するBtoB事業を展開しています。生活者の声(VOC)データをAIで分析し、その結果に基づいた戦略立案から具体的な施策実行までを一貫して支援することで、企業のマーケティング課題を解決し収益向上に貢献しています。
- 三層支援モデル同社は「マーケティング実行レイヤー」「マーケティング戦略レイヤー」「経営・事業戦略レイヤー」の三層で顧客を支援します。デジタル広告運用、SNS活用、コンテンツ制作といった実行支援から、VOCデータ分析に基づく戦略立案、さらには経営課題解決に繋がる事業・ブランド戦略まで、幅広い領域で企業のマーケティング活動をサポートしています。
- 自社プロダクトとソリューションSNS上のUGC(ユーザー生成コンテンツ)活用を支援する「Letro」やX(旧Twitter)キャンペーンツール「echoes」、VOCデータ分析プラットフォーム「Kaname.ax」といった自社開発プロダクトを提供しています。これに加え、デジタル広告運用代行、インフルエンサーマーケティング、クリエイティブ制作など、包括的なソリューションも提供し、多様な顧客ニーズに応えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- マーケティングAX事業同社グループの主要な事業であり、生活者の声(VOC)データとAI技術、クリエイティブを組み合わせ、顧客企業のマーケティング変革(AX)を一貫して支援しています。デジタル広告運用代行、SNS活用支援、コンテンツ制作、VOCデータ分析に基づく戦略立案、経営・事業戦略支援など多岐にわたるサービスを提供しています。
- 三層支援モデルの推進マーケティングAX事業は「マーケティング実行レイヤー」「マーケティング戦略レイヤー」「経営・事業戦略レイヤー」の三層から構成され、顧客企業の課題解決を多角的に支援します。これにより、従来の実行支援だけでなく、より上流の戦略立案や経営課題解決に貢献することで、顧客単価の向上と収益性の改善を目指しています。
- 自社プロダクトとソリューション提供SNS上のUGC活用支援ツール「Letro」、Xキャンペーンツール「echoes」、VOCデータプラットフォーム「Kaname.ax」といった自社開発プロダクトを中核に据えつつ、デジタル広告の企画・制作・運用代行、インフルエンサーマーケティング、クリエイティブ制作など、包括的なソリューションを提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに対応し、事業領域を拡大しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、生活者の声(VOC:Voice of Consumer)とAI技術、クリエイティブを組み合わせ、顧客企業のマーケティングAX(AI Transformation)を支援する事業を展開しております。設立以来累積で6,000社超の顧客企業との取引実績を有するBtoB企業であります。 (1)マーケティングAX事業 当社グループは、生活者の声(VOC)のデータとAI技術、クリエイティブを組み合わせた「三層支援モデル」により、顧客企業のマーケティング変革を一貫して支援しております。三層支援モデルは、デジタル広告の運用代行・コンテンツ制作・SNS活用支援等を担う「マーケティング実行レイヤー」、VOCデータ分析に基づくマーケティング戦略の立案・実行支援を担う「マーケティング戦略レイヤー」、経営課題の解決を起点とした事業戦略・ブランド戦略の立案・実行支援を担う「経営・事業戦略レイヤー」の三層から構成されております。自社開発プロダクトとして、SNS上のUGC(User Generated Content)の収集・活用を支援する「Letro」、X上でのキャンペーン実行を支援する「echoes」及びVOCを大規模に収集・分析するデータプラットフォーム「Kaname.ax」(2025年5月正式リリース、同月特許出願)を提供するほか、デジタル広告の企画・制作・運用代行、インフルエンサーマーケティング、クリエイティブ制作、インバウンド支援等の包括的なソリューションを提供しております。また、当連結会計年度において、TikTokが公式に認定する「TikTok Shop Partner(TSP)」及びTikTok for Businessが認定する「TikTokマーケティングパートナー エージェンシーバッジ」を取得しており、TikTok Shopの店舗運営支援やTikTok広告運用等、顧客企業のニーズに応じた支援を行う体制を有しております。 (2)海外事業その他 当連結会計年度において、シンガポールの連結子会社であるSuperFaction Pte. Ltd.については清算手続きを開始し、海外SaaS事業から撤退いたしました。なお、Creadits USA Inc.については、清算が完了したことから連結範囲から除外いたしました。株式会社オセロについては、2025年11月14日開催の取締役会において解散及び清算を決議しており、同社が展開していた事業は当社に移管されております。 [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 自社開発プロダクトと「三層支援モデル」による一貫支援で差別化を図っているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 VOCデータ分析とAI技術、クリエイティブを組み合わせた「三層支援モデル」と自社開発プロダクト。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:SNSに関するリスク / 人材の確保及び育成に関するリスク / システム障害のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産の存在を示す具体的な情報は確認できない。事業内容から推測される技術力やノウハウは存在する可能性があるが、定量的な評価は困難。
スイッチングコスト★★☆☆☆
同社はSNSマーケティング支援やインフルエンサーマーケティングプラットフォームを提供しており、顧客企業はプラットフォームへのデータ蓄積や運用ノウハウの蓄積により、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、競合サービスへの移行障壁は限定的と推測される。
ネットワーク効果★★★☆☆
同社のインフルエンサーマーケティングプラットフォームは、インフルエンサーが増加することでより多くの企業が利用しやすくなり、企業が増加することでより多くのインフルエンサーが集まるという、限定的なネットワーク効果が働く可能性がある。しかし、その効果の強さや持続性については不明瞭。
コスト優位☆☆☆☆☆
サービス業であり、製造業のような規模の経済やプロセスによるコスト優位性を確立しているという情報は確認できない。価格競争力に関する具体的な優位性も不明。
規模の経済★☆☆☆☆
SNSマーケティング支援市場は成長しているものの、多数のプレイヤーが存在する競争市場であり、同社が業界規模に対して最適化された少数寡占を形成しているとは言えない。市場シェアに関する具体的なデータも不足している。
- VOCデータとAI技術同社は、生活者の声(VOC)データとAI技術、クリエイティブを組み合わせた「三層支援モデル」を強みとしています。特に、累計4,165万件ものVOCデータをAIで分析し、マーケティング戦略の立案から実行までを一気通貫で支援するビジネスモデルは、他社との差別化要因となり、競争力の源泉となっています。
- 豊富な顧客実績と知見設立以来、累積で6,000社を超える顧客企業との取引実績を有しており、BtoBマーケティング支援における豊富な経験とノウハウを蓄積しています。この実績は、新規顧客獲得における信頼性向上や、多様な業界・業種への対応力を高める上で有利に働くと考えられます。
- TikTok公式認定パートナー同社は、TikTokが公式に認定する「TikTok Shop Partner(TSP)」および「TikTokマーケティングパートナー エージェンシーバッジ」を取得しています。これにより、急成長するTikTok市場において、TikTok Shopの店舗運営支援や広告運用など、顧客企業のニーズに応じた専門的な支援体制を確立しており、新たな事業機会を創出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界中の人と企業の創造がめぐる社会へ」というミッションのもと、生活者の声(VOC)のデータとAI技術、クリエイティブを組み合わせ、顧客企業のマーケティングAX(AI Transformation)を支援する事業を展開し、企業価値・株主価値の向上を目指しております。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループの中長期戦略としましては、マーケティングAX支援事業のオーガニック成長を基軸としつつ、新領域の開拓による業容拡大を図り、持続的な成長を実現することを掲げております。オーガニック成長としては、三層支援モデルの深化・定着、データプラットフォーム「Kaname.ax」の本格展開による顧客単価の向上、営業組織の強化による新規顧客獲得・既存顧客の深耕、新商材のサービス展開加速を着実に実行してまいります。新領域の開拓としては、クリプト・Web3領域における事業開発を中長期的な成長軸として位置づけており、2025年12月に完了した第三者割当増資(発行総額315百万円)により調達した資金を、エンタープライズ向けのクリプト関連導入支援及び関連システムの提供(イネーブラー事業)に係る事業開発投資に77百万円、次世代DAT(デジタル・アセット・トレジャリー)構想の推進を目的とした連結子会社Allied Verse Pte. Ltd.への増資に220百万円を充当しております。なお、当該新規事業についてはいずれも投資フェーズの位置づけであり、2026年12月期の業績予想には織り込んでおりません。 (3)経営環境2025年の日本経済は、長期化する円安基調、継続的な物価上昇、人件費の高騰、地政学的リスクの高まりなど、企業経営を取り巻く環境が依然として不透明な状況が続きました。一方で、生成AIの急速な普及とそれに伴う知的労働の再定義、産業構造の変革が進展し、企業には迅速な変革と自社の存在意義を問い直すことが求められております。このような環境下、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資は省力化対策として労働集約型産業を中心に加速しており、企業の競争力向上に向けた重要な経営戦略として一層の注目を集めております。当社グループが事業を展開するマーケティング領域においても、生成AIをはじめとする先進技術の活用によりAI Transformationの流れが加速しており、AI技術を活用した高付加価値ソリューションへの需要が顕著に拡大しています。ソーシャルメディアを活用したマーケティングへの投資も引き続き拡大基調にあり、特にTikTokを中心とした動画コンテンツやライブコマース等の新たなチャネルが急成長しており、デジタル・ソーシャル時代の本格的な到来は当社グループの事業展開に追い風となっております。当社グループは、このような環境を踏まえ、マーケットのニーズに合わせてマーケティングAX支援事業の展開を図る方針であります。具体的には、データプラットフォーム「Kaname.ax」の機能強化・拡販、三層支援モデルの深化によるプロフェッショナル人材の付加価値向上、自社サービスの認知度向上等に積極的な取り組みを行い、サービス拡大に努めてまいります。また、蓄積したVOCデータをはじめとするマーケティングデータを適切に活用するサービスを展開し、事業領域の拡大及び事業進化を目指してまいります。 (4)目標とする経営指標当社グループは継続的な事業の発展と企業価値向上のため、売上高、及び営業利益とそれぞれの成長率を重要な指標としております。 2025年12月期(実績)(百万円)2026年12月期(予想)(百万円)前期比売上高2,9903,000+0.3%営業利益又は営業損失(△)△18850-経常利益又は経常損失(△)△16050-親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)△74320-(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①収益基盤の強化 当社グループは2025年12月期において「マーケティングAX支援事業への集中と三層支援モデルの定着」をグループ方針として事業展開を進めてまいりました。データ分析を起点として顧客企業の上流工程に深く関与する戦略の有効性が確認されており、複数のソリューションを併用する二層・三層支援顧客の比率上昇と顧客単価の改善傾向が認められております。2026年12月期においては、この流れをさらに加速し、三層支援モデルの本格的な定着・深化を通じて営業黒字化を実現することを最優先課題としております。 <マーケティングAX支援事業> データプラットフォーム「Kaname.ax」の企業別導入拡大と収益化の加速、上流ソリューション(マーケティング戦略・経営事業戦略レイヤー)の案件比率向上、営業組織の強化による新規顧客獲得と既存顧客の深耕、TikTok Shop運営支援をはじめとする新商材のサービス展開加速等に取り組んでまいります。マーケティング業界では生成AIをはじめとする先進技術の急速な普及により競争環境が一層激化しており、他社との差別化と競争優位性の確立が重要な課題であると認識しております。そのため、AI技術を活用したマーケティングソリューションの開発、自社プロダクトの機能強化、そして三層支援モデルの提供価値を顧客に確実に届けるための営業・カスタマーサクセス体制の最適化にも取り組んでまいります。 ②ガバナンス体制の強化 2024年12月24日付「調査委員会設置に関するお知らせ」でお伝えしたクロスバウンド事業における不適切会計については、ステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。外部の弁護士・公認会計士で構成される調査委員会による特別調査(調査費用の最終確定額729,436千円を特別損失として計上)を経て、調査委員会からの指摘・提言を踏まえた再発防止策の実行に取り組んでまいりました。 再発防止策の実行にあたっては、ガバナンス強化費用について、投資範囲の再検討・効率的な体制構築・社内リソースの活用により、当初の見込みを大幅に下回る水準に抑制することができました。 経営の健全化、公正性の観点から、内部統制システムの強化、リスク管理体制の見直し、コンプライアンス教育の徹底、監査・監督機能の実効性向上など、多面的なアプローチによりガバナンス体制の強化を図ってまいりましたが、2026年12月期はさらに取締役会機能の一層の強化を通じて、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。なお、2026年3月31日開催の定時株主総会において取締役を現行の3名から7名へ増員する議案を付議する予定であり、同議案が可決された場合には、独立社外取締役の活用や取締役会の多様性確保がさらに強化される見込みであります。さらに、改訂コーポレートガバナンス・コードへの的確な対応も継続して進めてまいります。 ③財務基盤の安定化 当社グループの財務の方針は、健全な財務基盤を維持しつつ、マーケティングAX支援事業の中長期的な成長のための投資を行うことを基本方針としております。2025年12月末時点において、現預金1,528,242千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)は439,013千円であり、自己資本比率は54.9%となっております。 2025年12月期の当期純損失は△743,342千円となりましたが、このうち特別調査費用729,436千円及びガバナンス強化費用等は一過性の費用であり、2026年12月期以降は固定費削減効果と収益性改善につながるものと見込んでおります。国内事業への経営資源集中により事業構造を簡素化し、より効率的な事業運営と安定した収益基盤の確立を図ってまいります。 投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で行うことを目標としておりますが、企業価値を大きく向上させる投資機会に備え、金融機関との良好な関係を維持し、資金調達環境を整えてまいります。また、投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、負債を適正な水準に留め、資本コストを意識した経営を推進してまいります。透明性の高い財務運営により、ステークホルダーの皆様からの信頼回復と企業価値の持続的向上を目指してまいります。 ④後発事象への対処及び新規成長領域の開拓 当社グループは、当連結会計年度終了後において、Book & Entries Capital Pte. Ltd.の全株式をFelicity Global Capital Pte. Ltd.に対して譲渡すること(売却価格770,000シンガポールドル、2026年2月末譲渡予定)を2026年1月30日開催の取締役会において決議いたしました。当該株式売却に伴う損益については、有価証券報告書提出期日(2026年3月30日)までに確定させる予定です。 また、2026年2月13日開催の取締役会において、取締役・執行役員等8名を対象とした新株予約権(ストック・オプション)2,859個(285,900株相当)の発行を決議し、2026年2月27日に発行いたしました。行使価額は1株347円、行使期間は2028年4月1日から2035年3月31日までであり、2030年12月期までに連結経常利益5億円を達成することが行使条件となっております。 クリプト・Web3領域については、2025年12月に完了した第三者割当増資で調達した資金をもとに、エンタープライズ向けの導入支援及び関連システムの提供(イネーブラー事業)を推進してまいります。なお、当該新規事業の業績への寄与は中長期的な観点で見込んでいるものであり、2026年12月期の業績予想には織り込んでおりません。 ⑤持続的な企業価値向上に向けた情報開示の強化 当社グループは、東京証券取引所グロース市場の上場維持基準を踏まえ、投資家・ステークホルダーとの適切なコミュニケーションを通じた透明性の高い情報開示に努めてまいります。成長可能性資料の充実、決算説明会の継続的な実施等を通じて、当社グループの事業価値・成長戦略に対する理解の促進を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界中の人と企業の創造がめぐる社会へ」というミッションのもと、生活者の声(VOC)のデータとAI技術、クリエイティブを組み合わせ、顧客企業のマーケティングAX(AI Transformation)を支援する事業を展開し、企業価値・株主価値の向上を目指しております。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループの中長期戦略としましては、マーケティングAX支援事業のオーガニック成長を基軸としつつ、新領域の開拓による業容拡大を図り、持続的な成長を実現することを掲げております。オーガニック成長としては、三層支援モデルの深化・定着、データプラットフォーム「Kaname.ax」の本格展開による顧客単価の向上、営業組織の強化による新規顧客獲得・既存顧客の深耕、新商材のサービス展開加速を着実に実行してまいります。新領域の開拓としては、クリプト・Web3領域における事業開発を中長期的な成長軸として位置づけており、2025年12月に完了した第三者割当増資(発行総額315百万円)により調達した資金を、エンタープライズ向けのクリプト関連導入支援及び関連システムの提供(イネーブラー事業)に係る事業開発投資に77百万円、次世代DAT(デジタル・アセット・トレジャリー)構想の推進を目的とした連結子会社Allied Verse Pte. Ltd.への増資に220百万円を充当しております。なお、当該新規事業についてはいずれも投資フェーズの位置づけであり、2026年12月期の業績予想には織り込んでおりません。 (3)経営環境2025年の日本経済は、長期化する円安基調、継続的な物価上昇、人件費の高騰、地政学的リスクの高まりなど、企業経営を取り巻く環境が依然として不透明な状況が続きました。一方で、生成AIの急速な普及とそれに伴う知的労働の再定義、産業構造の変革が進展し、企業には迅速な変革と自社の存在意義を問い直すことが求められております。このような環境下、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資は省力化対策として労働集約型産業を中心に加速しており、企業の競争力向上に向けた重要な経営戦略として一層の注目を集めております。当社グループが事業を展開するマーケティング領域においても、生成AIをはじめとする先進技術の活用によりAI Transformationの流れが加速しており、AI技術を活用した高付加価値ソリューションへの需要が顕著に拡大しています。ソーシャルメディアを活用したマーケティングへの投資も引き続き拡大基調にあり、特にTikTokを中心とした動画コンテンツやライブコマース等の新たなチャネルが急成長しており、デジタル・ソーシャル時代の本格的な到来は当社グループの事業展開に追い風となっております。当社グループは、このような環境を踏まえ、マーケットのニーズに合わせてマーケティングAX支援事業の展開を図る方針であります。具体的には、データプラットフォーム「Kaname.ax」の機能強化・拡販、三層支援モデルの深化によるプロフェッショナル人材の付加価値向上、自社サービスの認知度向上等に積極的な取り組みを行い、サービス拡大に努めてまいります。また、蓄積したVOCデータをはじめとするマーケティングデータを適切に活用するサービスを展開し、事業領域の拡大及び事業進化を目指してまいります。 (4)目標とする経営指標当社グループは継続的な事業の発展と企業価値向上のため、売上高、及び営業利益とそれぞれの成長率を重要な指標としております。 2025年12月期(実績)(百万円)2026年12月期(予想)(百万円)前期比売上高2,9903,000+0.3%営業利益又は営業損失(△)△18850-経常利益又は経常損失(△)△16050-親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)△74320-(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①収益基盤の強化 当社グループは2025年12月期において「マーケティングAX支援事業への集中と三層支援モデルの定着」をグループ方針として事業展開を進めてまいりました。データ分析を起点として顧客企業の上流工程に深く関与する戦略の有効性が確認されており、複数のソリューションを併用する二層・三層支援顧客の比率上昇と顧客単価の改善傾向が認められております。2026年12月期においては、この流れをさらに加速し、三層支援モデルの本格的な定着・深化を通じて営業黒字化を実現することを最優先課題としております。 <マーケティングAX支援事業> データプラットフォーム「Kaname.ax」の企業別導入拡大と収益化の加速、上流ソリューション(マーケティング戦略・経営事業戦略レイヤー)の案件比率向上、営業組織の強化による新規顧客獲得と既存顧客の深耕、TikTok Shop運営支援をはじめとする新商材のサービス展開加速等に取り組んでまいります。マーケティング業界では生成AIをはじめとする先進技術の急速な普及により競争環境が一層激化しており、他社との差別化と競争優位性の確立が重要な課題であると認識しております。そのため、AI技術を活用したマーケティングソリューションの開発、自社プロダクトの機能強化、そして三層支援モデルの提供価値を顧客に確実に届けるための営業・カスタマーサクセス体制の最適化にも取り組んでまいります。 ②ガバナンス体制の強化 2024年12月24日付「調査委員会設置に関するお知らせ」でお伝えしたクロスバウンド事業における不適切会計については、ステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。外部の弁護士・公認会計士で構成される調査委員会による特別調査(調査費用の最終確定額729,436千円を特別損失として計上)を経て、調査委員会からの指摘・提言を踏まえた再発防止策の実行に取り組んでまいりました。 再発防止策の実行にあたっては、ガバナンス強化費用について、投資範囲の再検討・効率的な体制構築・社内リソースの活用により、当初の見込みを大幅に下回る水準に抑制することができました。 経営の健全化、公正性の観点から、内部統制システムの強化、リスク管理体制の見直し、コンプライアンス教育の徹底、監査・監督機能の実効性向上など、多面的なアプローチによりガバナンス体制の強化を図ってまいりましたが、2026年12月期はさらに取締役会機能の一層の強化を通じて、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。なお、2026年3月31日開催の定時株主総会において取締役を現行の3名から7名へ増員する議案を付議する予定であり、同議案が可決された場合には、独立社外取締役の活用や取締役会の多様性確保がさらに強化される見込みであります。さらに、改訂コーポレートガバナンス・コードへの的確な対応も継続して進めてまいります。 ③財務基盤の安定化 当社グループの財務の方針は、健全な財務基盤を維持しつつ、マーケティングAX支援事業の中長期的な成長のための投資を行うことを基本方針としております。2025年12月末時点において、現預金1,528,242千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)は439,013千円であり、自己資本比率は54.9%となっております。 2025年12月期の当期純損失は△743,342千円となりましたが、このうち特別調査費用729,436千円及びガバナンス強化費用等は一過性の費用であり、2026年12月期以降は固定費削減効果と収益性改善につながるものと見込んでおります。国内事業への経営資源集中により事業構造を簡素化し、より効率的な事業運営と安定した収益基盤の確立を図ってまいります。 投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で行うことを目標としておりますが、企業価値を大きく向上させる投資機会に備え、金融機関との良好な関係を維持し、資金調達環境を整えてまいります。また、投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、負債を適正な水準に留め、資本コストを意識した経営を推進してまいります。透明性の高い財務運営により、ステークホルダーの皆様からの信頼回復と企業価値の持続的向上を目指してまいります。 ④後発事象への対処及び新規成長領域の開拓 当社グループは、当連結会計年度終了後において、Book & Entries Capital Pte. Ltd.の全株式をFelicity Global Capital Pte. Ltd.に対して譲渡すること(売却価格770,000シンガポールドル、2026年2月末譲渡予定)を2026年1月30日開催の取締役会において決議いたしました。当該株式売却に伴う損益については、有価証券報告書提出期日(2026年3月30日)までに確定させる予定です。 また、2026年2月13日開催の取締役会において、取締役・執行役員等8名を対象とした新株予約権(ストック・オプション)2,859個(285,900株相当)の発行を決議し、2026年2月27日に発行いたしました。行使価額は1株347円、行使期間は2028年4月1日から2035年3月31日までであり、2030年12月期までに連結経常利益5億円を達成することが行使条件となっております。 クリプト・Web3領域については、2025年12月に完了した第三者割当増資で調達した資金をもとに、エンタープライズ向けの導入支援及び関連システムの提供(イネーブラー事業)を推進してまいります。なお、当該新規事業の業績への寄与は中長期的な観点で見込んでいるものであり、2026年12月期の業績予想には織り込んでおりません。 ⑤持続的な企業価値向上に向けた情報開示の強化 当社グループは、東京証券取引所グロース市場の上場維持基準を踏まえ、投資家・ステークホルダーとの適切なコミュニケーションを通じた透明性の高い情報開示に努めてまいります。成長可能性資料の充実、決算説明会の継続的な実施等を通じて、当社グループの事業価値・成長戦略に対する理解の促進を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 2025年の日本経済は、長期化する円安基調、継続的な物価上昇、人件費の高騰、地政学的リスクの高まりなど、企業経営を取り巻く環境が依然として不透明な状況が続く一年となりました。一方で、生成AIの急速な普及とそれに伴う知的労働の再定義、産業構造の変革、さらには企業の競争優位性を左右する要因の変化など、デジタル社会における大きな転換期を迎えており、企業には迅速な変革と同時に、自社の存在意義を改めて問い直すことが求められています。 このような環境下、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資への取り組みは、労働集約型産業を中心に省力化対策として加速しており、企業の競争力向上に向けた重要な経営戦略として一層の注目を集めています。当社グループが事業を展開するマーケティング領域においても、生成AIをはじめとする先進技術の活用によりDXの流れが加速しており、デジタル・ソーシャル時代の本格的な到来は、当社グループの事業展開に追い風となっております。 こうした背景のもと、当社グループでは、企業のマーケティング領域における変革を支援するため、自社開発のマーケティングSaaSツールやSNS活用を中心としたソリューションの提供といった『顧客企業と人をつなぐ』BtoBビジネスを展開してまいりました。AI技術を中核としたサービス拡充をより明確に位置づけ、当社グループの事業特性を適切に表現するため、当連結会計年度よりセグメント名称を「マーケティングDX支援事業」から「マーケティングAX(AI Transformation)支援事業」へ変更いたしました。 当連結会計年度は、前期に着手した抜本的な構造改革を完遂し、持続的な成長基盤を確立するための事業再構築を推し進めた一年となりました。 まず、前期に解散を決定したシンガポール特定子会社SuperFaction Pte. Ltd.の清算手続きを進め、海外SaaS事業から撤退いたしました。また、クロスバウンド事業においては、2024年12月に公表した不適切会計事案を受け、当該領域の事業運営体制を見直しました。需要が引き続き旺盛なインバウンド支援領域については国内事業の枠組みに取り込みつつ、ガバナンス強化の観点およびビジネスモデルの見直しも踏まえ、当第3四半期連結会計期間よりグローバル領域を統括する新組織を設置することで、リスク管理体制の強化と事業運営の効率化を図りました。これらの事業ポートフォリオ再構築により、当社グループは国内マーケティングAX支援事業への経営資源集中を加速させました。 イ.経営成績 第1四半期連結会計期間においては、主要顧客の年度末需要等の一時的要因もありつつ、デジタル広告運用代行およびクリエイティブ制作の営業強化により既存顧客の深耕が進展いたしました。また、インバウンド支援領域においてもソリューション売上が伸長いたしました。これらの売上の伸長が下支えとなり、営業利益段階で黒字転換いたしました。 第2四半期連結会計期間においては、AI技術を活用した高付加価値ソリューションの提供基盤を強化いたしました。5月には新たなデータプラットフォーム「Kaname.ax」をリリースし、その分析システムについて特許を出願することで、差別化要素となる技術基盤を確立いたしました。また、TikTok Shop運営支援サービス等の新商材の提供を開始し、既存サービスとの組み合わせによる支援領域拡大のための基盤づくりを行いました。さらに、「マーケティング実行レイヤー」から「マーケティング戦略レイヤー」への支援拡張を本格的に開始し、経営・事業戦略レイヤーを含む三層支援モデルへの進化を推進いたしました。なお、不適切会計事案に係る特別調査費用等は、当中間期において特別損失として計上いたしました。 第3四半期連結会計期間以降は、三層支援モデルの体制整備を加速させ、上流ソリューション領域の拡大と高利益率体質への転換を進めました。主要顧客における広告・制作等の実行支援案件が堅調に推移したことに加え、上流ソリューションおよびマーケティングシステム領域への案件拡張が進展いたしました。この結果、複数のソリューションを併用する顧客(二層・三層支援顧客)の比率が上昇し、顧客単価の改善傾向が確認されました。一方で、不適切会計事案に係る再発防止策の実行に伴う一過性費用は、当第3四半期連結会計期間以降、販売費及び一般管理費として発生し、営業損益を押し下げました(上期に特別損失として計上した特別調査費用とは費用の性格および計上区分が異なります)。また、事業成長に向けた体制強化・開発への先行投資(約100百万円)も重なり、短期的には収益性を圧迫いたしましたが、下期以降の収益貢献を見込みつつ、中長期では増益基調への回復を想定しております。なお、これらの一過性費用を除いた恒常的な販管費は概ね計画線上で推移しております。 第4四半期連結会計期間においては、三層支援モデルの本格稼働により営業段階での収益性改善が一層進展いたしました。データ分析を起点として顧客企業の上流工程に関与し、戦略立案からクリエイティブ制作、広告運用までを一貫して支援する三層支援戦略の実効性が確認され、注力顧客層の拡大による顧客単価向上が進みました。また、コストコントロールの徹底および費用の平準化により、第4四半期連結会計期間の営業損失は縮小し、通期での営業損益の改善に寄与いたしました。なお、ガバナンス強化費用については、当初約250百万円を見込んでおりました。投資範囲の再検討や効率的な体制の構築及び社内リソースの活用により12月時点で約150百万円に見直しておりましたが、最終的には当初見込みを大幅に下回る水準に抑制することができました。 一方、損益面においては、SuperFaction Pte. Ltd.の撤退に伴う売上高の減少に加え、不適切会計事案に係る特別調査費用729百万円を特別損失として計上したこと等が影響いたしました。また、当第3四半期連結会計期間以降、再発防止策の実行に伴うガバナンス強化費用等が販売費及び一般管理費として発生したほか、事業成長に向けた先行投資も重なり、営業損益を押し下げる要因となりました。こうした一過性費用の影響があるものの、構造改革の効果およびコストコントロールの徹底により、営業損益は前連結会計年度比で約271百万円改善いたしました。しかしながら、特別調査費用に加え、海外事業からの撤退に伴う関係会社株式評価損等の特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は前連結会計年度を上回る結果となりました。なお、子会社税金費用については、最終的な税務処理の確定により、当初想定を下回る水準となりました。 当社グループは、国内事業への経営資源集中と三層支援モデルの深化により、マーケティング領域での実行支援のみにとどまらず、マーケティング戦略さらには経営レベルでの事業戦略立案まで一貫した高付加価値サービスを提供する体制の整備を進めてまいりました。今後は、データ分析とAI活用による差別化を一層強化し、顧客企業の上流工程に深く関与することで、継続性の高い収益基盤の確立と持続的な企業価値向上を目指してまいります。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,990,959千円(前連結会計年度比13.6%減)、営業損失は188,437千円(前連結会計年度は459,826千円の営業損失)、経常損失は160,173千円(前連結会計年度は386,845千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は743,342千円(前連結会計年度は516,291千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ロ.財政状態(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度と比べて834,733千円減少し、3,251,100千円となりました。これは主に、現金及び預金が411,963千円、投資有価証券が278,272千円それぞれ減少したこと等によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて242,288千円減少し1,310,425千円となりました。これは主に、長期借入金が162,864千円、繰延税金負債が81,177千円それぞれ減少したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて592,445千円減少し1,940,674千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと等により利益剰余金が741,863千円減少したこと等によるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて411,963千円減少し、1,528,242千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動により減少した資金は、860,790千円となりました(前年同期は106,785千円の減少)。これは主に、売上債権の減少が99,954千円発生した一方で、税金等調整前当期純損失を534,182千円計上したこと及び投資有価証券売却益を376,139千円計上したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動により増加した資金は、315,076千円となりました(前年同期は139,881千円の減少)。これは主に、無形固定資産の取得による支出が72,465千円発生した一方で、投資有価証券の売却による収入が391,770千円発生したこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は、138,649千円となりました(前年同期は311,494千円の増加)。これは主に、長期借入金の返済による支出が171,604千円発生した一方で、株式の発行による収入が315,379千円発生したこと等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループの事業はマーケティングAX支援事業を主な事業とする単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。 イ.生産実績 当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。 ロ.受注実績 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。サービス受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)マーケティングサービス3,483,929124.61,202,077170.0CREADITSサービス1,9740.5--合計3,485,904108.51,202,077170.0(注)金額は、販売価格によっております。 ハ.販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。サービス当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)前年同期比(%)マーケティングサービス2,988,98498.4CREADITSサービス1,9740.5合計2,990,95986.4(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.経営成績の分析当連結会計年度の売上高は2,990,959千円となり、前連結会計年度比86.4%となりました。SuperFaction Pte. Ltd.が営業を停止し、その影響がそのまま表れたかたちとなっております。 ロ.財政状態の分析 自己資本比率が54.9%と前連結会計年度と比べ3.5pt低下する結果となっております。親会社株主に帰属する当期純損失を743,342千円計上する一方で、2025年12月1日に第三者割当増資を実施しており、自己資本を315,379千円充実させております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。当社グループの事業活動における主な資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本等であります。当社グループは、主として内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。内部資金については、国内事業で安定的に利益剰余金を積み重ねることで維持している現預金を活用しております。資金調達については、市場環境を勘案しながら慎重な判断のもと借入を行っております。また、当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、機動的な資金調達ができる環境を整えております。なお、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,528,242千円、借入金残高は430,007千円となっております。今後も引き続き十分な手元資金を維持できるように努めてまいります。 ③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等当社グループは、2026年2月13日に公表した2026年12月期の業績予想である、売上高3,000百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20百万円を目標としております。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- SNSプラットフォーム依存Instagram、X、LINE、TikTokなど各種SNSプラットフォームを活用したマーケティング支援が主力事業であるため、SNS運営事業者の広告方針変更やサービス不具合、新たなSNSの登場による影響力低下などが、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特定のSNSに依存しないサービス設計を進めていますが、急激な変化には対応しきれないリスクがあります。
- 人材確保と育成の課題マーケティングAX支援事業の成長には、データ分析・戦略立案が可能な上流人材、AI技術を活用したプロダクト開発人材、クリエイティブ人材の確保が不可欠です。また、新たに参入したクリプト領域では高度な専門知識を持つ人材が必要であり、人材獲得競争の激化により、計画通りの人材確保が進まない場合、競争力低下や事業拡大の制約となる可能性があります。
- AI技術の急速な進化と規制AIを活用したマーケティング支援が競争力の源泉である一方、生成AI技術の急速な進化により、競合他社が同等以上のサービスを低コストで提供する可能性があります。また、AI利用に関する法規制の整備や、AI出力結果の正確性に関する問題は、事業運営に制約を与えたり、顧客との信頼関係に悪影響を及ぼしたりするリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月30日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業に関するリスク① SNSに関するリスク 当社グループでは、デジタル・ソーシャルに強いマーケティング支援を行っており、とりわけInstagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTok等の各種SNSプラットフォームを活用したマーケティング支援を行っております。これらのSNSは、自社で運用しているものではないことから、1)新たなSNSの登場により既存のSNSの影響力が低下するリスク、2)SNS運営事業者の広告に関する方針変更により、当社グループが提供するサービスが突如として規制対象となるリスク、3)連携するSNSサービスの不具合により当社サービスが利用できなくなるリスク、4)顧客企業の広告予算の月ごとの変動により業績が変動しやすいリスクがあると認識しております。 当社グループは、これらのリスクに対応するため、SNS運営事業者との連携を強化するとともに、特定のSNSに依存し過ぎないサービスの設計等を進めております。当社のVOCデータ分析ソリューション「Kaname.ax」は、SNS上のUGCに加え、レビュー、アンケート、コールセンターデータ等の多様なデータソースに対応しており、特定のSNSプラットフォームへの依存度を低減する構造となっております。しかしながら、これらのリスクが急激に発生・拡大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 人材の確保及び育成に関するリスク 当社グループでは、マーケティングAX支援事業における「三層支援モデル」の推進を成長戦略の柱としており、マーケティング実行レイヤーの人材に加え、データ分析・戦略立案が可能な上流人材、AI技術を活用したプロダクト開発人材、及びクリエイティブ人材の確保が不可欠となっております。 また、新たに参入したクリプト領域においては、暗号資産の運用・管理、ブロックチェーン技術、DeFi等に関する高度な専門知識を有する人材の確保が必要であり、当該領域における人材獲得競争は激化しております。 当社グループは今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ システム障害のリスク 当社グループが提供するソフトウェアの不具合、連携するSNSサービスの不具合、サイトへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピューター又は当社サービスのシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。 特に、当社グループのデータ分析基盤である「Kaname.ax」は、AIエージェントによるVOCデータの自動分析・CEPs抽出等の処理を行っており、AIモデルの精度低下、学習データの品質問題、外部AIサービス(大規模言語モデル等)の障害やAPI仕様変更等が発生した場合、サービスの品質低下や提供の遅延が生じる可能性があります。 また、サーバーの作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、損害賠償請求が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ AI技術に関するリスク 当社グループは、VOCデータ分析ソリューション「Kaname.ax」を中核に据え、AIを活用したマーケティング支援の高度化を推進しております。累計4,165万件の生活者の声データをAIで分析し、マーケティング戦略の立案から施策の実行・検証までを一気通貫で支援するビジネスモデルを構築しており、AI技術は当社グループの競争力の源泉となっております。 しかしながら、生成AI技術の急速な進化により、競合他社が同様又はより高度なAI分析サービスを低コストで提供する可能性があります。また、当社グループが利用する外部のAIサービス(大規模言語モデル等)について、サービス提供者による利用規約の変更、料金体系の改定、サービスの中止等が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、AI技術の利用に関する法規制の整備が国内外で進んでおり、EU AI規制法をはじめとする各国の規制強化、著作権やプライバシーに関する法的論点の顕在化等によって、当社グループのAI活用に制約が生じる可能性があります。さらに、AIの出力結果の正確性には一定の限界があり、誤った分析結果に基づく施策の提案が行われた場合には、顧客との信頼関係や当社グループの評判に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 事業構造転換に伴うリスク 当社グループは、従来のマーケティング実行レイヤー中心の事業構造から、データ分析を起点とした「三層支援モデル」への転換を推進しております。この事業構造転換により、マーケティング戦略レイヤー及び経営・事業戦略レイヤーへと支援領域を拡大し、顧客単価の向上と収益性の改善を図っております。 当連結会計年度においては、旧プロダクト事業と旧ソリューション事業を統合し「マーケティングAX支援事業」に一本化いたしました。2027年12月期には売上高50億円・営業利益5億円(営業利益率10%)を中期目標として掲げておりますが、三層支援モデルの浸透が想定通りに進まない場合、ソリューション比率の拡大が計画を下回る場合、又は顧客企業における上流支援ニーズが十分に顕在化しない場合には、中期目標の達成が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2)経営環境に関するリスク① インターネット広告市場に関するリスク 当社グループが対象とするインターネット広告市場は、2021年にマスコミ四媒体広告費を上回って以降も成長を続けており、今後も当該市場は拡大していくものと推測されます。当社グループの売上の多くは顧客企業における広告予算のうち、インターネット広告費に区分されております。 しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向や業績、事業方針の影響を受け易いものであり、また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、当社グループは収益の柱をプロダクト(SaaSツール)からソリューション(データ分析・戦略立案・施策実行の一気通貫支援)へシフトする事業構造転換を進めており、ソリューション比率を2027年に80%へ拡大する方針です。この構造転換により、インターネット広告市場の変動が当社グループの業績に与える影響は相対的に緩和される方向にありますが、ソリューション事業においても顧客企業のマーケティング予算に依存する構造に変わりはないため、広告市場全体の縮小は引き続きリスク要因であります。 また、景品表示法の改正により、ステルスマーケティング(注)を含む偽装広告や不正な情報操作が法律によって明確に禁止されました。当社グループでは、ガイドラインを作成し、適正サイト内の確認を行う他、違法確認機能の開発等の対応を図っておりますが、広告主の不安が高まった場合等には、ソーシャルメディアを利用した広告市場の拡大に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (※)ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。 ② サイトの健全性に関するリスク 当社グループが提供するサービスを展開するSNS上では不特定多数の利用者同士が独自にコミュニケーションを図っており、こうしたコミュニケーションにおいては、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。 このため、当社グループサービスの利用者には利用規約に禁止事項を明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備し、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請等を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。なお、利用規約に明記されている禁止事項の内容は以下のとおりであります。(ア)当社、他の利用者もしくは第三者の著作権、商標権等の知的財産権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為(イ)他の会員もしくは第三者の財産、プライバシーもしくは肖像権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為(ウ)特定個人の氏名・住所・電話番号・メールアドレス等第三者が見て個人を特定できる情報の提供(エ)一人の利用者が複数のメールアドレスを利用して重複してIDを取得する行為(オ)IDの使用を停止ないし無効にされた利用者に代わりIDを取得する行為 しかしながら、急速な利用者数の増加による急速な利用者の増加に対しては、サイト内における不適切行為等を完全に把握することは困難であり、サイト内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 海外事業及びグローバル事業に関するリスク 当社グループは、中国・香港・台湾向けインバウンド及びアウトバウンドのプロモーション支援を行うグローバル事業を展開しております。当該事業においては、中国版Instagram等と言われるRED(小紅書)等の中国SNSプラットフォームの活用を中心に、訪日インバウンド客の集客支援や、日本企業の中国市場向けプロモーション支援を行っております。 当該事業は、日中関係や中国政府の政策動向、中国における経済環境の変化、中国のインターネット・SNSに関する規制の変更、為替変動(特に人民元・円の為替レート)等の影響を受けます。特に、中国政府によるSNS規制の強化、日中間の政治的緊張の高まり、訪日中国人観光客数の変動等が生じた場合には、当社グループのグローバル事業の業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、当連結会計年度においてクリプト領域の新規事業を開始しており、今後シンガポール等海外拠点の活用を検討しております。海外事業の展開においては、現地の法規制、税制、商慣習の違い、政治・経済の不安定性等のリスクが存在し、これらの変化が当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、当社グループは前連結会計年度において、シンガポールの連結子会社であったSuperFaction Pte. Ltd.について事業継続が困難であると判断し、同社の解散と清算手続の申立てを行い、海外事業からは一度撤退しております。 ④ 法的規制に関するリスク 当社グループ事業を規制する主な法規制として、(ア)「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下「プロバイダ責任制限法」という。)及び(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下「不正アクセス禁止法」という。)があります。 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律については、無差別かつ大量に短時間の内に送信される広告等といった迷惑メールを規制し、インターネット等を良好な環境に保つものです。また、当社グループは、プロバイダ責任制限法における「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務が課されております。さらに、当社グループには、不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。 上記に加え、公正取引委員会より公表されている「インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて」、消費者庁より公表された「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」、及び「一般消費者が事業者の表示であることが困難である表示の運用基準」についても、業界に対して影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当連結会計年度よりクリプト領域の事業を開始したことに伴い、資金決済に関する法律(資金決済法)、金融商品取引法等の暗号資産関連の法規制への対応が必要となっております。暗号資産に関する法規制は国内外で整備途上にあり、今後の規制強化や新たな法令の制定により、当社グループのクリプト領域事業の運営に制約が生じる可能性があります。 その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方等については現在も様々な議論がなされており、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきている状況にあります。今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 自然災害・テロ・感染症等のリスク 当社グループは、国内に複数の事業拠点を有しております。各拠点では、不慮の災害や感染症発生等に対する防災・防疫対策等を施しておりますが、想定を超えた大規模な地震、台風や洪水等の自然災害やそれに起因する大規模停電、未知の感染症の流行、テロ等の犯罪行為等によって大きな被害を受ける可能性があります。 それらの影響を受け、情報通信インフラの損壊・途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)新規事業・M&Aに関するリスク① クリプト領域事業に関するリスク 当社グループは、2026年3月に、子会社アライドクリプト株式会社を設立し、クリプト領域における新規事業(次世代DAT事業、運用支援事業、導入支援事業)に参入いたしました。当該事業は、暗号資産のポートフォリオ運用、DeFi・ステーキング等による利回り運用、及び日本企業のオンチェーン実装支援を主な事業内容としております。 クリプト領域事業には固有のリスクが存在いたします。暗号資産に関する各国の法規制は整備途上にあり、規制の強化や予期しない法改正が行われた場合には、事業の継続や拡大に制約が生じる可能性があります。また、DeFiプロトコルやスマートコントラクトには、ハッキング、プログラムの脆弱性等の技術的リスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合にはサービスの安定提供に支障が生じる可能性があります。 当社グループは、最高暗号資産責任者(CCO)の新設、グローバルなパートナーネットワークの構築、AIを活用した運用手法の確立等により、これらのリスクの低減に努めてまいります。 なお、クリプト領域事業に関連する財務リスク(暗号資産の価格変動リスク、運用資産の毀損リスク、先行投資の回収リスク)については、「(4)財務リスク ③ クリプト領域事業に係る財務リスク」に記載しております。 ② M&A・新規事業投資に関するリスク 当社グループは、マーケティングAX支援事業を基盤としつつ、クリプト関連事業やM&A・新規事業への投資を通じた事業多角化を成長戦略の一つとして位置づけております。 M&Aの実行にあたっては、対象企業の事業内容、財務状況、法的リスク等について十分なデューデリジェンスを実施する方針でありますが、事前の調査で把握できなかったリスクが買収後に顕在化する可能性があります。また、買収後のPMI(経営統合プロセス)が計画通りに進捗しない場合、想定したシナジー効果が発揮されない可能性があります。 新規事業への投資においても、事業環境の急変や投資回収が想定通りに進まないリスクが存在します。これらの結果、のれんの減損損失の計上や投資の回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループは、小規模のM&Aから開始するとともに、体制構築、専任人材の配置、PMI計画と実行の徹底等により、これらのリスクの低減を図ってまいります。 (4)財務リスク① 資金繰りに関するリスク 当社グループは、営業活動から生じるキャッシュ・フローに加え、主として銀行からの借入金により手元資金を確保しております。取引銀行との間では良好な関係を築いておりますが、当社グループの財政状態・経営成績が悪化した場合には機動的な資金調達が困難となり、事業活動に支障が生じるリスクがあります。 当連結会計年度は、不適切会計事案に係る調査費用(729百万円)等の一過性費用の発生により営業損失を計上いたしましたが、調査委員会活動等は2025年6月に終了しており、当該費用は一巡しております。2026年12月期においては営業黒字への転換を見込んでおりますが、事業計画通りに収益が回復しない場合には、資金繰りに影響を与える可能性があります。 かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 新株予約権行使による株式価値の希薄化に関するリスク 当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。 今後においても同様の目的で新株予約権を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。 ③ クリプト領域事業に係る財務リスク 当社グループのクリプト領域事業においては、暗号資産のポートフォリオ運用及びDeFi・ステーキング等による利回り運用を行っております。暗号資産の価格は極めて変動性が高く、ビットコイン、イーサリアム等の暗号資産の市場価格が大幅に下落した場合には、当社グループが保有又は運用する暗号資産の評価額が減少し、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。 また、DeFiプロトコルやスマートコントラクトを利用した運用においては、ハッキング、プログラムの脆弱性、流動性の枯渇等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合には、運用資産の毀損が生じる可能性があります。 なお、クリプト領域事業は現在投資フェーズにあり、2026年12月期の業績予想には売上を織り込んでおりません。当該事業が計画通りに収益貢献しない場合、先行投資が回収できないリスクがあります。 ④ 上場維持基準に関するリスク 当社グループは、2025年12月末時点における東京証券取引所グロース市場の上場維持基準への適合状況について、時価総額基準が基準に適合せず、2026年1月1日より改善期間に入っております。2026年12月末までに適合しない場合には、監理銘柄・整理銘柄(原則として6か月)に指定後、2027年7月1日に上場廃止となります。そのため、当社グループは改善期間内での基準適合に取り組んでまいります。 また、東京証券取引所グロース市場において、2030年より、グロース市場上場5年経過後の企業に対し、時価総額100億円以上の上場維持基準が適用されます。当社は2013年に上場しており、2030年時点で既に基準適用対象となります。 当社グループは、2030年適用の上場維持基準(時価総額100億円)を重要な経営課題として認識しており、2027年12月期中期目標(売上高50億円・営業利益5億円)の達成を起点に、成長性・収益性・資本効率・ガバナンスの改善を通じて企業価値向上を図り、基準適合を目指す方針であります。加えて、当社は2025年12月に東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備を開始することを決議しており、投資家層の拡大、株式流動性の向上及び企業としての信用力・認知度の向上を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。 しかしながら、スタンダード市場への変更申請については、現時点で申請日や承認日は未定であり、準備を中止する可能性や、申請が東京証券取引所の承認を受けられない可能性があります。また、グロース市場に留まる場合、当社の時価総額は現時点では上場維持基準を下回っておりませんが、時価総額は株式市場の評価の結果であり、事業環境の変化や市場動向等により、今後基準を下回るリスクがあります。当社の取り組みのみでは基準の充足を確約できるものではなく、基準を充足できない場合には、上場廃止となるリスクがあり、当社株式の流動性及び企業価値に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他のリスク① コンプライアンス・ガバナンスに関するリスク 当社グループでは、法令遵守と適切な企業統治の確保を重要な経営課題として位置づけております。 当社グループは、前連結会計年度において、グローバル事業における不適切な会計処理が発覚したことを受け、調査委員会を設置し調査を実施いたしました。調査委員会活動等は2025年6月に終了し、調査関連費用729百万円の計上をもって、不適切会計事案への緊急対応は一区切りとなりました。 当社グループは、本件を重く受け止め、再発防止策として以下の取り組みを実施しております。ガバナンス強化の観点から、会計・コンプライアンス教育の継続実施、三線ディフェンスの強化(事業部門・管理部門・内部監査の三層による牽制体制)、リスク管理委員会の設置、外部アドバイザー4名の選任による経営体制の補強等を進めております。 しかしながら、これらの再発防止策が十分に機能しない場合や、類似の事案が再び発生した場合には、社会的信用の失墜、行政処分、損害賠償等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループは、内部統制システムの継続的な改善とコンプライアンス意識の醸成を通じて、このリスクの低減に努めてまいります。 ② 個人情報管理に関するリスク 当社グループはサービス提供にあたり、顧客、サービス利用会員等の個人に関連する情報を取得しております。また、当社グループのVOCデータ分析基盤「Kaname.ax」においては、SNS上のUGC、レビューデータ、アンケートデータ、コールセンターデータ等、累計4,165万件を超える大量の生活者の声データを収集・蓄積・分析しております。 これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。特に、大量のVOCデータの取り扱いにおいては、個人情報保護法をはじめとするデータ保護関連法令を遵守するとともに、データの匿名化処理やアクセス制御等の技術的措置を講じております。 しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。