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日本動物高度医療センター(6039)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 高度動物医療の提供: 日本動物高度医療センターグループは、ペットの高齢化や疾病の多様化に対応するため、専門的な診断・治療を行う「二次診療」に特化した動物病院を運営しています。かかりつけの動物病院(一次診療施設)からの紹介を受け、高度な医療機器と専門獣医師による診療サービスを提供し、飼い主から診療費を得るビジネスモデルです。
  • 画像診断サービスの提供: 連結子会社の株式会社キャミックを通じて、MRIやCTなどの高度な医療機器を使った画像診断サービスを提供しています。これも一次診療施設からの紹介に基づいており、専門知識を持つ獣医師が画像の撮影、読影、診断を行い、飼い主から診断費を受け取ることで収益を上げています。
  • 在宅ケア機器のレンタル・販売: テルコム株式会社が、動物の在宅ケアに必要な酸素濃縮器とケージのセット(酸素ケージ)のレンタルや販売を行っています。飼い主へのレンタルは主に一次診療施設からの紹介、一次診療施設への販売も行っており、動物の長期的な健康管理をサポートすることで収益源としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 二次診療サービス: 当社グループの主要な収益源であり、日本動物高度医療センターが担っています。かかりつけの動物病院からの紹介を受け、専門分野を持つ獣医師が高度な医療機器を用いて診察、検査、投薬、手術などの診療サービスを提供し、飼い主から診療費を得ています。
  • 画像診断サービス: 株式会社キャミックが提供するサービスで、首都圏に3つの施設を展開しています。一次診療施設からの依頼に基づき、MRIやCTなどの高度な画像診断装置で撮影・読影・診断を行い、その結果を一次診療施設にフィードバックします。飼い主から診断費を受け取る形で収益を上げています。
  • 動物用医療機器・健康管理機器のレンタル・販売: テルコム株式会社が担当しており、全国3営業所で酸素ケージ(酸素濃縮器とケージのセット)のレンタルと販売を行っています。飼い主へのレンタルは主に一次診療施設からの紹介、販売は主に一次診療施設向けで、動物の在宅ケアをサポートする事業です。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,754 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社の株式会社キャミック及びテルコム株式会社の3社で構成され、動物医療業界における高度医療を提供することを目的としております。 動物医療業界におきましては、ペットを大切な家族として考える人が増加するとともに、ペットの高齢化に伴い疾病が多様化しており、動物医療の高度化への期待は高まっております。当社グループは動物を愛する飼い主様の願いに応えるため、民間で初めて、より専門的な診断・治療を行う「二次診療」に特化した動物病院として、飼い主様のかかりつけの動物病院(一次診療施設)から紹介を受け、専門技術を有する獣医師が高度な医療機器を使用して行う二次診療サービス、MRI・CTによる画像診断サービス、並びに動物の在宅ケアのための酸素濃縮器のレンタル・販売を行っております。 当社グループは、小動物二次診療のトップランナーとして、以上のような高度医療(二次診療)を実践すると同時に、若い臨床獣医師が世界に通用する最先端医療を学ぶことができる「教育の場」、診療の質を高める新しい技術やツールの開発を行う「臨床研究の場」を提供するとともに、日本で最も多くの画像診断データ、診療・予後データを保有している強みを生かすことで、動物医療の発展と社会への貢献を果たしていきたいと考えております。  当社グループは、動物医療関連事業の単一セグメントでありますが、当該事業を以下の4つに分類しております。(1) 二次診療サービス(当社) 一次診療施設からの紹介を受け、専門分野を持った獣医師が、高度な医療機器を使用して行う、診察、検査、投薬、手術等の診療サービスです。サービスの提供を行った際に飼い主から診療費を受け取っており、一次診療施設からは紹介料等は受け取っていません。(2) 画像診断サービス(株式会社キャミック) 一次診療施設からの紹介を受け、画像診断の専門知識を有する獣医師が、高度な医療機器を使用して行う、画像の撮影・読影・診断等のサービスです。飼い主様から診断費を受け取っており、一次診療施設からは紹介料等は受け取っていません。(3) 動物用医療機器・健康管理機器のレンタル・販売(テルコム株式会社) 動物の飼い主様に対する酸素ケージ(酸素濃縮器とケージのセット)のレンタル及び一次診療施設等に対する酸素ケージの販売です。(4) その他(当社) 一次診療施設・研究機関・一般消費者向けにウエアラブルデバイス等の販売・周辺サービス提供が該当します。 [事業系統図][診療の流れ]① 飼い主様がかかりつけの動物病院(一次診療施設)に相談 ⇒A.飼い主様が二次診療(検査、治療、手術、入院等)を希望する場合② 一次診療施設から当社に症例として紹介。→症状、検査データ等の情報共有を行い、担当の診療科と予約日時を確定③ 予約日時に飼い主様と患者動物が当社の診療施設に来院(初診)→検査、投薬、手術、入院等の診療実施(症例により診療の内容は異なります)④ 診療の途中経過及び結果を一次診療施設にフィードバック⑤ 一次診療施設で術後のケアや継続治療を実施 ⇒B.飼い主様が画像による診断のみを希望する場合②’一次診療施設からキャミックに検査依頼、予約日時の確定③’予約日時に飼い主様と患者動物がキャミックの診断施設に来院して画像撮影、読影④’画像診断結果を一次診療施設にフィードバック⑤’一次診療施設でその後の治療方針を検討の上、診療を継続 [当社グループの事業の特徴](1) 連携病院について 当社の理念にご賛同いただいた全国各地の一次診療施設様に「連携病院」としてご登録いただいております。連携病院からは、前述の通り、二次診療を必要とする動物と飼い主様のご紹介をいただき当社で診療を行うとともに、当社からはこれらの連携病院に対し、①当社ウェブサイトにおける連携病院としての紹介 ②学術情報等の提供 ③診療手術への参加 ④当社施設の利用(有料)等のサービス提供を行っております。なお、連携病院数は2025年3月31日現在で4,647病院であります。(2) 二次診療について 当社は、川崎本院(神奈川県川崎市高津区)、東京病院(東京都足立区)、名古屋病院(愛知県名古屋市天白区)、大阪病院(大阪府箕面市)において二次診療を行っております。 診療の質を高めるためには、飼い主様のかかりつけの動物病院(一次診療施設)との緊密な連携が不可欠なものと位置づけ、完全紹介によってのみ診療を行い、診療後のケアは一次診療施設にお願いする体制をとっております。 基本的には担当の専門診療科が複数の獣医師・スタッフからなるチームを編成し、診療にあたっております。 必要な場合は、専門診療科の枠を越え、診療科横断的にチーム診療を行います。これは単科の病院にはない、以下の12の専門診療科を有する総合病院である当社の強みを活かしたものであります。<診療科>(提出日現在) 循環器科、呼吸器科、消化器科、泌尿生殖器科、腫瘍科、血液内科、放射線科、画像診断科、脳神経科、整形科、 麻酔科/手術部、集中治療科(3) 画像診断について 株式会社キャミックは、首都圏3ヶ所(東京都江戸川区、東京都世田谷区、埼玉県さいたま市)の施設において、画像診断サービスを行っております。 当社の二次診療施設と同様に完全紹介制をとっており、一次診療施設から画像診断のみを希望する飼い主様・患者動物の紹介を受け、MRI、CTを用いて画像の撮影を行い、所見をつけて一次診療施設に報告するもので、基本的なスタンスは一次診療施設のサポートであります。(4) 酸素ケージのレンタル及び販売について テルコム株式会社は、全国の3営業所(神奈川県横浜市港北区、大阪府大阪市福島区、福岡県福岡市博多区)において、酸素ケージ(酸素濃縮器とケージのセット)のレンタル及び販売を行っております。 酸素ケージのレンタルは動物の飼い主様向けに行っておりますが、これは主に一次診療施設からの紹介によるものです。また、販売は主に一次診療施設向けに行っております。 上記レンタル及び販売は、営業所が顧客に対して直接行う場合と、代理店を通じて行う場合があります。(5) その他のサービスについて 日本最大かつ日々蓄積される画像診断・治療データを活用した「動物医療インテリジェンスプラットフォーム」の構築を検討しており、一次診療施設の支援として症例や治療方法・治療成績等の有益情報の提供やデジタル技術・AIを活用した診断支援サービスを、大学・製薬会社等向けとして匿名化データ提供や分析サービス、人材交流・技術交流等を行うなどのデータ活用戦略を模索してまいります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高度医療に特化し、複数の専門診療科連携で差別化を図っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
二次診療施設は人的資源及び多額の資金を必要とすることから参入障壁が高い。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変化(飼育動物頭数の減少) / 競合激化による診療数の減少 / 診療サービスの過誤
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

高度な獣医療技術と専門知識は、参入障壁となる無形資産。特に、高度な画像診断や専門外科手術は、一般の動物病院では提供困難であり、ブランド力と信頼性を構築している。獣医師の専門性や継続的な教育投資が競争優位の源泉。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

高度医療は、ペットの命に関わるため、飼い主にとってセカンドオピニオンや転院のハードルは高い。一度治療を開始した病院からの乗り換えは、情報収集や移動の負担、治療の連続性への懸念から容易ではない。専門性の高い治療ほど、スイッチングコストは高まる傾向。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ネットワーク効果を想起させるような事業モデルは見られない。顧客(飼い主)が増加しても、サービス提供者(同社)の価値が直接的に向上する構造ではない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

高度医療は、専門設備や人材への投資が必要であり、コスト構造で他社を圧倒する優位性は見出しにくい。むしろ、高水準の医療サービス提供に伴うコストは高いと推測される。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

動物高度医療センターというニッチな市場において、複数の拠点を展開している点は一定の規模の経済性を示唆する。しかし、業界全体の規模に対して、寡占状態とまでは言えない可能性がある。

  • 二次診療の専門性と連携体制: 当社グループは、民間で初めて二次診療に特化した動物病院として、高度な専門知識と医療機器を要する診療を提供しています。全国4,647病院の連携病院からの紹介制を徹底し、一次診療施設との緊密な連携により、最適なチーム獣医療を実現している点が強みです。
  • 多様な専門診療科と総合病院機能: 循環器科、腫瘍科、脳神経科など12の専門診療科を有し、単科の病院では難しい診療科横断的なチーム診療が可能です。これにより、複雑な症例にも対応できる総合病院としての機能を提供し、他の二次診療施設との差別化を図っています。
  • 豊富なデータと教育・研究の場: 日本で最も多くの画像診断データや診療・予後データを保有しており、これを活用した動物医療インテリジェンスプラットフォームの構築を検討しています。また、若い臨床獣医師の教育や新しい技術開発のための臨床研究の場も提供しており、業界全体の発展に貢献しつつ、自社の競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「かかりつけの動物病院と連携し、より高度な医療・寄り添う心で、どうぶつを愛する家族の希望となる。」を企業ミッションとして掲げております。「動物にも人間と同じような高度な医療を受けさせてあげたい。」という飼い主様のニーズに応えるべく、人と変わらぬ最先端の医療設備や治療技術を追及するとともに、スタッフ一人ひとりが誠心誠意、心まで尽くすことを忘れず、飼い主さまの不安や期待に寄り添いながら動物医療に向き合っております。 (2) 経営戦略等 当社は、拡大する二次診療ニーズに対し、高度な動物医療を提供する体制を整備してまいりました。しかしながら、多くのご紹介をいただく中で、診療ご希望が当社病院の受け入れ能力を恒常的に上回ってしまっており、全てのニーズにお応えできていない状況にあります。この課題に対応し、更なる動物医療の発展と一次診療施設様への支援を強化するとともに、事業の持続的成長、企業価値の向上を図るため、以下の施策を通じて診療能力を大幅に拡大するとともに、新たな事業機会の創出を行い、企業価値の向上を図ってまいります。① 地理的拡大 既存の病院機能の強化に加え、新たな地域への展開を進めます。具体的には、名古屋病院のリニューアルによる診療能力の増強(2027年春予定、現行比約2.5倍)および、九州・福岡エリアへの新規展開(2027年末以降予定)を計画しております。② 既存病院の診療受け入れ能力の強化 質の高い医療サービスの提供力を拡大するため、診療体制の強化を図ります。具体的には、獣医師・動物看護師等の専門人材に対する人的資本投資を拡大し、計画的な採用・育成策を推進します。また、AI技術等を活用した次世代型の新電子カルテシステムを開発・導入することにより診療フローの最適化を進め、より効率的で質の高い医療提供体制を構築し、獣医師が診療と飼い主様とのコミュニケーションに集中できる体制を構築します。これにより、診療受け入れ能力の拡大とともに、飼い主様・一次診療施設様の満足度向上を図ってまいります。③ グループ能力の結集 グループ全体の専門性を最大限に活かし、一次診療施設様への包括的な支援体制を強化します。具体的には、画像診断サービスを提供する株式会社キャミック、二次診療を担う当社、そして在宅ケア(酸素ハウス提供等)を提供する株式会社テルコムは、それぞれの分野におけるトップランナーであり、一次診療施設様からのご紹介を基盤としており、有機的に連携することで高い効果が見込まれます。これらグループ各社の専門能力を結集し、紹介元の一次診療施設様との連携を一層深め、より強固な関係性を構築してまいります。④ DX・データ活用 デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、データの戦略的活用を通じて新たな価値を創出します。当社グループは、画像診断データおよび診療データの保有においても業界をリードする立場にあり、日々最新のデータが蓄積されております。これらの貴重なデータを最大限に活用し、具体的には、AI等を実装した次世代型電子カルテシステムの開発・導入を進めるとともに、「動物医療インテリジェンスプラットフォーム」構想の実現を目指します。このプラットフォーム構想においては、当社が有する豊富な画像診断データや診療データを匿名加工の上で活用できるデータ基盤を構築し、AIによる診療支援や電子カルテへの入力自動化といったサービスの開発・提供を検討します。将来的には、全国約4,650の連携病院様、大学、製薬会社等へのデータ提供や共同研究といった協業も視野に入れております。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、売上高の成長、各利益率の向上を伴った各段階利益の業績予想値を経営上の目標としております。その達成状況の検証のため、二次診療及び画像診断については初診数、総診療件数、連携病院数、獣医師数等を、在宅ヘルスケアサービスにおいては、契約数、代理店数などを定期的にモニタリングしております。(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等 当社グループを取り巻く事業環境は、ペットの家族化や長寿化、医療技術の高度化を背景に、より専門的かつ高度な二次診療に対するニーズが一層高まっております。この旺盛な需要に応え、持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、先に掲げた経営戦略を着実に実行していくことが不可欠です。そのために以下の課題に優先的かつ戦略的に取り組んでまいります。① 一次診療施設様等との関係強化 当社グループは、一次診療施設様からのご紹介を基盤として成り立っております。継続的な事業成長のためには、紹介元の一次診療施設様との信頼関係をより一層深化させ、緊密な連携体制を構築・維持することが極めて重要です。診療情報のスムーズな共有、迅速かつ丁寧なフィードバック、症例や最新の治療方法の情報共有、治療実績等の提供などを通じて、相互理解を深め、一次診療施設様への診療支援と円滑な動物医療連携の実現を目指してまいります。また、大学との関係においても、共同研究や学術交流を推進することで、新たな治療法の開発に貢献し、動物医療全体の発展に寄与してまいります。② 専門人材の拡充と育成 高度な二次診療を提供し続けるためには、専門的な知識・技術を有する獣医師、動物看護師等の確保と育成が不可欠です。知名度の向上により獣医師の新卒採用は順調に進んでおりますが、しかしながら、専門性の高い人材の採用競争は激化しており、計画的な人材獲得と定着、そして継続的なスキルアップ支援が喫緊の課題となっております。魅力ある職場環境の整備、教育研修制度の充実、キャリアパスの明確化、データ活用等の先進的取り組み等を通じて、優秀な人材の確保・育成に努めてまいります。③ 従業員満足度への対応 質の高い医療サービスは、従業員一人ひとりの意欲と能力が最大限に発揮されてこそ提供できるものです。従業員が心身ともに健康で、やりがいを持って業務に取り組める環境を整備し、従業員満足度(ES)を向上させることが、医療の質の維持・向上、ひいては顧客満足度(CS)の向上にも繋がると認識しております。トップランナーとしての人事制度の抜本改正、労働環境の向上、コミュニケーションの活性化等を図り、従業員エンゲージメントの強化に努めてまいります。④ グループ一体でのマーケティング 当社グループは、画像診断(キャミック)、二次診療(当社)、在宅ケア(テルコム)の各分野においてトップシェアを有する専門性の高いサービスを提供しております。これらの強みを活かし、グループ一体となったマーケティング戦略を展開することで、一次診療施設様及び飼い主様に対し、当社グループならではの包括的なサービスの認知度向上と利用促進を図り、グループ全体のブランド価値向上と顧客基盤の拡大を目指してまいります。⑤ 内部管理体制の強化 事業規模の拡大及び事業領域の多様化に伴い、グループ全体のガバナンス体制及び内部統制システムの重要性が一層増しております。法令遵守はもとより、企業倫理の浸透、リスク管理体制の高度化、業務プロセスの標準化・効率化を進め、経営の透明性と健全性を確保するとともに、内部監査機能の強化や規程類の整備、従業員教育の徹底等を通じて、グループ全体の内部管理体制を強化してまいります。⑥ 情報セキュリティ強化 DX推進及びデータ活用を積極的に進める上で、患者様の大切な診療情報や当社グループの機密情報を保護するための情報セキュリティ体制の強化は最重要課題の一つです。サイバー攻撃の脅威が増大する中、情報資産の適切な管理と保護、情報漏洩リスクの低減が求められます。セキュリティポリシーの徹底、従業員への教育・啓発、最新のセキュリティ技術の導入、インシデント対応体制の整備等を進め、情報セキュリティレベルの向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「かかりつけの動物病院と連携し、より高度な医療・寄り添う心で、どうぶつを愛する家族の希望となる。」を企業ミッションとして掲げております。「動物にも人間と同じような高度な医療を受けさせてあげたい。」という飼い主様のニーズに応えるべく、人と変わらぬ最先端の医療設備や治療技術を追及するとともに、スタッフ一人ひとりが誠心誠意、心まで尽くすことを忘れず、飼い主さまの不安や期待に寄り添いながら動物医療に向き合っております。 (2) 経営戦略等 当社は、拡大する二次診療ニーズに対し、高度な動物医療を提供する体制を整備してまいりました。しかしながら、多くのご紹介をいただく中で、診療ご希望が当社病院の受け入れ能力を恒常的に上回ってしまっており、全てのニーズにお応えできていない状況にあります。この課題に対応し、更なる動物医療の発展と一次診療施設様への支援を強化するとともに、事業の持続的成長、企業価値の向上を図るため、以下の施策を通じて診療能力を大幅に拡大するとともに、新たな事業機会の創出を行い、企業価値の向上を図ってまいります。① 地理的拡大 既存の病院機能の強化に加え、新たな地域への展開を進めます。具体的には、名古屋病院のリニューアルによる診療能力の増強(2027年春予定、現行比約2.5倍)および、九州・福岡エリアへの新規展開(2027年末以降予定)を計画しております。② 既存病院の診療受け入れ能力の強化 質の高い医療サービスの提供力を拡大するため、診療体制の強化を図ります。具体的には、獣医師・動物看護師等の専門人材に対する人的資本投資を拡大し、計画的な採用・育成策を推進します。また、AI技術等を活用した次世代型の新電子カルテシステムを開発・導入することにより診療フローの最適化を進め、より効率的で質の高い医療提供体制を構築し、獣医師が診療と飼い主様とのコミュニケーションに集中できる体制を構築します。これにより、診療受け入れ能力の拡大とともに、飼い主様・一次診療施設様の満足度向上を図ってまいります。③ グループ能力の結集 グループ全体の専門性を最大限に活かし、一次診療施設様への包括的な支援体制を強化します。具体的には、画像診断サービスを提供する株式会社キャミック、二次診療を担う当社、そして在宅ケア(酸素ハウス提供等)を提供する株式会社テルコムは、それぞれの分野におけるトップランナーであり、一次診療施設様からのご紹介を基盤としており、有機的に連携することで高い効果が見込まれます。これらグループ各社の専門能力を結集し、紹介元の一次診療施設様との連携を一層深め、より強固な関係性を構築してまいります。④ DX・データ活用 デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、データの戦略的活用を通じて新たな価値を創出します。当社グループは、画像診断データおよび診療データの保有においても業界をリードする立場にあり、日々最新のデータが蓄積されております。これらの貴重なデータを最大限に活用し、具体的には、AI等を実装した次世代型電子カルテシステムの開発・導入を進めるとともに、「動物医療インテリジェンスプラットフォーム」構想の実現を目指します。このプラットフォーム構想においては、当社が有する豊富な画像診断データや診療データを匿名加工の上で活用できるデータ基盤を構築し、AIによる診療支援や電子カルテへの入力自動化といったサービスの開発・提供を検討します。将来的には、全国約4,650の連携病院様、大学、製薬会社等へのデータ提供や共同研究といった協業も視野に入れております。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、売上高の成長、各利益率の向上を伴った各段階利益の業績予想値を経営上の目標としております。その達成状況の検証のため、二次診療及び画像診断については初診数、総診療件数、連携病院数、獣医師数等を、在宅ヘルスケアサービスにおいては、契約数、代理店数などを定期的にモニタリングしております。(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等 当社グループを取り巻く事業環境は、ペットの家族化や長寿化、医療技術の高度化を背景に、より専門的かつ高度な二次診療に対するニーズが一層高まっております。この旺盛な需要に応え、持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、先に掲げた経営戦略を着実に実行していくことが不可欠です。そのために以下の課題に優先的かつ戦略的に取り組んでまいります。① 一次診療施設様等との関係強化 当社グループは、一次診療施設様からのご紹介を基盤として成り立っております。継続的な事業成長のためには、紹介元の一次診療施設様との信頼関係をより一層深化させ、緊密な連携体制を構築・維持することが極めて重要です。診療情報のスムーズな共有、迅速かつ丁寧なフィードバック、症例や最新の治療方法の情報共有、治療実績等の提供などを通じて、相互理解を深め、一次診療施設様への診療支援と円滑な動物医療連携の実現を目指してまいります。また、大学との関係においても、共同研究や学術交流を推進することで、新たな治療法の開発に貢献し、動物医療全体の発展に寄与してまいります。② 専門人材の拡充と育成 高度な二次診療を提供し続けるためには、専門的な知識・技術を有する獣医師、動物看護師等の確保と育成が不可欠です。知名度の向上により獣医師の新卒採用は順調に進んでおりますが、しかしながら、専門性の高い人材の採用競争は激化しており、計画的な人材獲得と定着、そして継続的なスキルアップ支援が喫緊の課題となっております。魅力ある職場環境の整備、教育研修制度の充実、キャリアパスの明確化、データ活用等の先進的取り組み等を通じて、優秀な人材の確保・育成に努めてまいります。③ 従業員満足度への対応 質の高い医療サービスは、従業員一人ひとりの意欲と能力が最大限に発揮されてこそ提供できるものです。従業員が心身ともに健康で、やりがいを持って業務に取り組める環境を整備し、従業員満足度(ES)を向上させることが、医療の質の維持・向上、ひいては顧客満足度(CS)の向上にも繋がると認識しております。トップランナーとしての人事制度の抜本改正、労働環境の向上、コミュニケーションの活性化等を図り、従業員エンゲージメントの強化に努めてまいります。④ グループ一体でのマーケティング 当社グループは、画像診断(キャミック)、二次診療(当社)、在宅ケア(テルコム)の各分野においてトップシェアを有する専門性の高いサービスを提供しております。これらの強みを活かし、グループ一体となったマーケティング戦略を展開することで、一次診療施設様及び飼い主様に対し、当社グループならではの包括的なサービスの認知度向上と利用促進を図り、グループ全体のブランド価値向上と顧客基盤の拡大を目指してまいります。⑤ 内部管理体制の強化 事業規模の拡大及び事業領域の多様化に伴い、グループ全体のガバナンス体制及び内部統制システムの重要性が一層増しております。法令遵守はもとより、企業倫理の浸透、リスク管理体制の高度化、業務プロセスの標準化・効率化を進め、経営の透明性と健全性を確保するとともに、内部監査機能の強化や規程類の整備、従業員教育の徹底等を通じて、グループ全体の内部管理体制を強化してまいります。⑥ 情報セキュリティ強化 DX推進及びデータ活用を積極的に進める上で、患者様の大切な診療情報や当社グループの機密情報を保護するための情報セキュリティ体制の強化は最重要課題の一つです。サイバー攻撃の脅威が増大する中、情報資産の適切な管理と保護、情報漏洩リスクの低減が求められます。セキュリティポリシーの徹底、従業員への教育・啓発、最新のセキュリティ技術の導入、インシデント対応体制の整備等を進め、情報セキュリティレベルの向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.経営成績の状況 動物医療業界では、ペットを大切な家族として考える人が増加し、ペットの高齢化に伴う疾病の多様化と動物医療の高度化への期待が高まっております。このような環境の中、当社グループは、“かかりつけの動物病院と連携し、より高度な医療・寄り添う心で、どうぶつを愛する家族の希望となる。”を使命とし、飼い主様のかかりつけ病院(一次診療施設)から紹介を受け、専門獣医師が高度な医療機器を使用して行う二次診療サービス、MRI・CTによる画像診断サービス、並びに動物の在宅ケアのための酸素濃縮器のレンタル・販売を展開してまいりました。 二次診療サービスについては、順調に獣医師の採用が進み診療受入能力が向上したことで診療数は大幅に増加いたしました。また、2023年6月に診療を開始した大阪病院では、2024年5月に稼働を開始した放射線治療施設(川崎本院に続き2施設目)が、動物への負担が少ない治療を選択したい飼い主様のニーズを背景に順調に拡大いたしました。 これらの結果、二次診療サービスにおきましては、初診数(新規に受け入れた症例数)は10,031件(前連結会計年度比21.4%増)、総診療数(初診数と再診数の合計)は34,991件(前連結会計年度比20.8%増)、手術数は3,068件(前連結会計年度比21.2%増)となりました。 画像診断サービスについては、最新MRIへの入れ替え工事により7~8月に休業したため、検査件数は前連結会計年度比横ばいとなりました。 動物用医療機器・健康管理機器レンタル・販売についても前連結会計年度比増加しました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,277,736千円(前連結会計年度比23.6%増)、営業利益720,974千円(前連結会計年度比45.1%増)、経常利益720,245千円(前連結会計年度比47.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益520,982千円(前連結会計年度比54.5%増)と増収増益となりました。 前連結会計年度(千円)当連結会計年度(千円)前期比増減率(%)売上高4,270,1955,277,73623.6%売上総利益1,464,3501,832,53525.1%営業利益496,919720,97445.1%経常利益489,781720,24547.1%親会社株主に帰属する当期純利益337,217520,98254.5%ROE9.0%13.1%4.1㌽EBITDA974,6001,316,94035.1% b.財政状況(資産) 当連結会計年度末における総資産は8,753,719千円となり、前連結会計年度末と比べて16,316千円減少いたしました。 流動資産は前連結会計年度末に比べ、179,366千円減少し、1,597,996千円となりました。これは主に現金及び預金が230,035千円減少した一方で売掛金及び契約資産が28,880千円、流動資産のその他に含まれる前払金が14,175千円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ、163,049千円増加し、7,155,722千円となりました。これは主に名古屋病院土地取得により土地が92,017千円増加、並びに大阪病院放射線治療棟開設に伴い建物及び構築物が278,484千円、工具、器具及び備品が365,921千円増加した一方で建設仮勘定が144,312千円減少及び有形固定資産の減価償却累計額が427,157千円増加したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は4,605,192千円となり、前連結会計年度末と比べて353,420千円減少いたしました。 流動負債は1,554,172千円となり、前連結会計年度末に比べ15,561千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が123,879千円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が92,033千円、賞与引当金が64,035千円増加した一方で未払金が260,013千円減少したことによるものであります。また、固定負債は3,051,019千円となり、前連結会計年度末に比べ368,981千円減少いたしました。これは主に長期借入金が382,165千円減少したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は4,148,527千円となり、前連結会計年度末と比べて337,103千円増加いたしました。これは主に自己株式の取得により164,951千円減少、及び自己株式の処分により25,188千円増加、配当の実施による53,865千円の減少、並びに、親会社株主に帰属する当期純利益520,982千円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動による資金の増加1,372,376千円、投資活動による資金の減少994,383千円、財務活動による資金の減少608,029千円の結果、前連結会計年度末に比べ230,035千円減少し、1,107,603千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、1,372,376千円(前連結会計年度比52.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益720,263千円、減価償却費550,315千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、994,383千円(前連結会計年度比0.9%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出953,678千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は、608,029千円(前連結会計年度は55.0%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出681,493千円及び自己株式の取得による支出172,447千円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績 動物医療関連事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注実績に関する記載はしておりません。 c.販売実績 当社グループは、動物医療関連事業の単一セグメントであります。当連結会計年度の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。 売上種類の名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)二次診療サービス(千円)3,786,597129.8%画像診断サービス(千円)554,685102.8%動物用医療機器・健康管理機器のレンタル・販売(千円)925,259114.8%その他(千円)11,193166.7%合計(千円)5,277,736123.6% (注)グループ間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 当社グループは、この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は、5,277,736千円(前連結会計年度比23.6%増)となりました。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度における売上原価は、3,445,200千円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。 この結果、売上総利益は1,832,535千円(前連結会計年度比25.1%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,111,561千円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。 この結果、営業利益720,974千円(前連結会計年度比45.1%増)となりました。 (営業外損益、経常利益) 当連結会計年度においては、家賃収入等の営業外収益31,273千円、支払利息等の営業外費用32,002千円を計上しております。 この結果、経常利益は720,245千円(前連結会計年度比47.1%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益は720,263千円(前連結会計年度比46.6%増)となりました。法人税、住民税及び事業税275,676千円、法人税等調整額を△76,395千円計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は520,982千円(前連結会計年度比54.5%増)となりました。 b.経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。b.資本の財源及び資金の流動性 当社グループの必要資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて外部からの資金調達を実施することを基本方針としております。 今後の資金需要のうち、主なものは、新病院の開業や既存病院における新医療機器導入等の設備投資や、M&A等の戦略的投資等であります。 これらの資金については、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要に応じて金融機関からの借入等の資金調達を実行してまいります。

事業リスク

  • 事業環境の変化による影響: 飼育動物の頭数減少は事業に影響を与える可能性があります。一方で、ペットの高齢化による疾病多様化やペット保険加入率の増加、動物1頭あたりの飼育費増加は高度医療へのニーズを高めていますが、これらの環境が悪化した場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合激化と差別化の課題: 動物病院の数は増加傾向にあり、二次診療施設は参入障壁が高いものの、今後新規参入や競争激化が進む可能性があります。当社グループが十分な差別化やサービス向上を図れなかった場合、診療数の減少につながり、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 診療過誤や感染症のリスク: 高度な医療サービスを提供する中で、診療過誤が発生するリスクがあります。また、患者動物間での感染症が流行した場合、社会的評価の低下や診療数の減少につながる可能性があります。これらの事象は、事業展開や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,092 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項及び具現化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から、積極的に記載しております。 なお、文中における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に由来するリスク① 事業環境の変化について 当社グループは、動物医療関連事業を主たる事業領域としていることから、飼育動物の頭数の影響を大きく受けると考えられます。飼育動物の頭数は、人口動態、景気動向等の影響を受けると考えられ、一部の調査におきましては近年は減少傾向にあります。一方で動物の平均寿命は伸びてきており、高齢化による疾病が多様化していること、ペット保険の加入率が増加傾向にあること、動物1頭あたりにかける飼育費(診療費を含む)が増加傾向にあること等から、当社グループが手掛ける「動物の高度医療」に対するニーズはむしろ高まっていると認識しております。しかし上記の事業環境が悪化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合について 当社グループが主たる事業領域としている動物医療業界におきましては、動物病院の数は増加傾向にあります。その大部分は地域に密着した病院(一次診療施設)であり、当社グループのような一次診療施設から紹介を受ける診療施設(二次診療施設)は、人的資源及び多額の資金を必要とすることから比較的参入障壁が高いと思われ、これまでのところ急速に増加しているとは認識しておりません。また、当社グループは多くの専門診療科を有するいわゆる総合診療施設を志向しており、複数の専門診療科の連携によって患者動物に最適な診療サービスを提供することで、他の二次診療施設との差別化を図っております。 現行の画像診断施設におきましても、当社の豊富な診療ノウハウの導入及び積極的な設備投資により、顧客のニーズに沿ったサービスの向上を図ってまいります。 しかしながら、今後当社グループが十分な差別化やサービス向上を図れなかった場合や、新規参入等により競争が激化し、診療数の減少が進んだ場合等には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業内容に由来するリスク① 診療サービスの過誤について 当社グループは、提供する動物医療サービスの品質管理に細心の注意を払っておりますが、提供するサービスに過誤が生じるリスクがあります。その場合、当社グループは、サービスの過誤が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、サービスに過誤が生じたことにより社会的評価が低下した場合は、当社グループのサービスに対するニーズが低下する可能性があります。これらの場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 診療動物間での感染症の流行について 当社グループでは、患者動物の感染症についても、診察時に患者動物の感染の有無の確認を行うことや感染症にかかった患者動物用の入院室を有していること等、厳重に対応しておりますが、患者動物の間で犬ジステンパー感染症、ケンネルコフ、猫のウイルス性上部気道感染症などの感染症が流行したことにより当社グループの社会的評価が低下した場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 施設の展開及び設備投資について 当社グループは日本の各地に積極的に施設(病院等)の展開を推進していく予定です。当社グループがサービスを提供していなかった地域に新たに施設を開設した場合、通常、顧客は徐々に増加してまいりますが、開設する地域によっては損益分岐点を上回るまでには相応の時間を要するため、開設からある程度の期間は赤字を計上する可能性があります。 また、既存施設においても、今後の顧客増加に備えるため、あるいは医療サービスの品質の向上を図るため、継続的な医療機器等の設備投資が必要であると認識しています。施設の新設や設備投資を行ったものの、顧客数、症例数が想定を下回った場合には、稼働率が低下することになり、減価償却費等の費用の増加を吸収できず、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制及び知的財産等に関するリスクについて① 法的リスク 当社グループの動物医療関連事業につきましては、「獣医師法」、「獣医療法」、その他法令により規制を受けておりますが、今後、それらの法令の改廃または新たな規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点においては、行政処分に該当する事象は発生していないものと認識しております。イ.獣医師法 獣医師法では、獣医師の任務、免許の取得、免許の取消・業務の停止、義務等について定められており、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ロ.獣医療法 獣医療法は、飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めること等により、適切な獣医療の確保を図ることを目的とした法律であり、診療施設の構造設備の基準、診療施設の管理、獣医療を提供する体制の整備のための基本方針等について定められており、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ハ.その他法令、及び法令改正対応 前記獣医師法・獣医療法を始め当社グループが運営する事業に関係する法令改正については、管理部企画課を中心に情報収集を行っており、各部署において必要に応じた対応を行っています。 特に農林水産省より「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」(第四次の基本方針/2020年5月27日付)が公表され、当社グループの主な事業分野である小動物分野における獣医療に関して、「獣医師の養成と獣医療技術に関する研修体制の体系的な整備」、「小動物診療におけるチーム獣医療提供体制の充実」、「小動物分野の獣医療に対する監視指導体制の整備及び獣医療に関する相談窓口の明確化」等を図ることとされております。この基本方針に基づく法改正等の動向により、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当基本方針に沿うものとして2022年5月に施行された「愛玩動物看護師法」は、今後ますます重要性が増していくことが想定される愛玩動物を対象とした動物看護師の資質向上・業務の適正を図ることを目的に、愛玩動物看護師の国家資格化を定める法律で、2023年2月に最初の国家試験が行われました。当社グループが実践している獣医師と動物看護師の役割分担と連携を通じた「チーム獣医療」の提供の体制を充実させるため、取組を推進してまいります。 ② 情報管理に関するリスク 顧客や取引先の個人情報や機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものと認識しております。当社グループでは、社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について様々な対策を推進しておりますが、万一、情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生するなど、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産等に関するリスク 当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないように取組んでおります。当社グループは、本書提出日現在において、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたり、またそのような通知を受けておりません。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合または認識していない権利が既に成立している場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性並びに使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、当社グループが使用する商標権が、第三者より侵害された場合には当社グループのブランドイメージが低下する可能性があるほか、解決までに多くの時間と費用を要する可能性があります。それらの場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスク① 人材の確保及び育成について 当社グループにおいて専門性の高い獣医師をはじめとする優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であります。これまで、給与・賞与支給水準の向上、退職金制度の創設などの待遇改善に努めてまいりました。また、新入社員及び中途入社社員に対する研修や、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の育成に努め、社内研修・カンファレンス、症例報告会、学会発表の指導等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。 しかしながら必要とする人材を採用できない場合、また採用、育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外に流出した場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定人物への依存について 当社の代表取締役社長である平尾秀博は、経営方針及び事業戦略等を決定するとともに、診療現場の運営にも携わっており、当社グループのビジネス全般について重要な役割を果たしております。 当社グループは、経営ノウハウの共有、権限委譲や組織の整備などにより、同氏に過度に依存しない事業体制の構築に努めてまいりますが、今後何らかの理由で同氏が業務を執行することが困難となった場合は、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 自然災害・火災・事故への対応について 地震、風水害等の自然災害により、事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績等が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループは安全を第一とし、労使間において安全衛生委員会を設けて、安全対策の推進、安全教育の実施等を行っておりますが、万一、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 有利子負債依存度について 当社グループは、設備投資費用や運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、有利子負債が3,485,497千円(2025年3月末現在)、有利子負債依存度が39.8%と高い状況にあります。現状は借り換えも含め順調に調達ができておりますが、今後、金利水準が上昇した場合や計画どおりに資金調達ができなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑤ 配当政策について 当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。今後の利益還元につきましては、配当については成長投資とのバランスをとりつつ、連結配当性向20%以上かつ株主への利益還元の安定的拡大を基本方針としておりますが、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、利益還元に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 財務制限条項について 当社が複数の金融機関との間で締結している借入にかかわる契約の一部には、財務制限条項が定められております。今後、当社の経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入についての期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、財務制限条項の詳細は、「第2 事業の状況 5.重要な契約等」に記載しております。

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