研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 403 |
| 2024-03 | - | 370 |
| 2023-03 | - | 281 |
| 2022-03 | - | 233 |
| 2021-03 | - | 250 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,547 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてまいりました。直近では、複数のお客様から電動化関連の新製品のお引き合いを頂き、開発及び新規事業検討を推進しております。 世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ環境チャレンジ」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関係会社の開発部門等の、グループ全体の従業員数の6.2%に当たる1,112名のスタッフにより、鋭意推進されております。 当連結会計年度における研究開発費総額は22,740百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.8%に当たります。 当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用2,837百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 懸架ばね事業では、OEM各社の電動化への対応として、高い品質と付加価値を兼ね備えた製品の開発を推進するとともに、環境問題であるカーボンニュートラルの達成に向けた計画を実行に移し、CO2の削減を進めています。 懸架ばね用製品では、BEV(Battery Electric Vehicle)化に伴う車両の電費性能の向上に寄与する軽量化や、空力性能の向上にも貢献する部品のコンパクト化、車両重量増による軽量化のニーズに対応すべく、主力製品である巻ばね、スタビライザ、板ばねを中心に新しい技術開発や製品開発を計画に沿って推進しております。 金属ベローズを用いた高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータでは、従来のブレーキ用に加え、サスペンション用として海外客先への対応を進めております。 地球環境保全への対応として、CO2排出量削減による脱炭素社会を構築するための「ニッパツグループ環境チャレンジ」に基づき、2030年CO2排出量50%削減(2013年比)、2039年排出量実質ゼロの実現に向けて、製造工程におけるエネルギーの効率化や、再生可能エネルギーなどを利用する取り組みを進めております。 また、DXを活用し、製品の設計、開発、評価、生産の各ステージで様々な効率を向上させることを目指して研究を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、4,654百万円であります。 (2)シート事業 シート事業の開発活動は、「軽量化・自動運転・省電力化及び快適な乗り心地性能」「環境配慮に対応する製品」の大きく2つの狙いで取り組んでおります。 軽量化の取り組みとしては、すでに量産化している超ハイテン材1,200MPa級鋼板を使用したシートフレームに続き、一層の板厚ダウンを図る事のできる1,500MPa級の高強度材を使用した軽量フレームを開発いたしました。今後も、ばねやウレタンを含めたシート全体での軽量化・薄肉化を狙ったアイテムの開発を進めてまいります。自動運転に向けたアイテムにつきましては、シートに対するニーズの変化(スマートフォンや各種ディスプレイの閲覧が可能になる。運転から解放される)に対応するべく、運転中の車酔いを低減するアイテムや、シートに対する追加機能・アイテムの開発に取り組んでおります。またEV(電気自動車)対応のアイテムとして、車両の電費向上に貢献するため、乗員を効率的に温められる空調・ヒーターシートの開発、省電力につながる新素材を利用したシートヒーターの開発などを進めております。 環境配慮に対する開発につきましては、バイオマス原料やリサイクル材を活用した材料開発、シートのリサイクル率向上を狙ったアイテムの開発などを進めており、カーボンニュートラルに貢献してまいります。 引き続き、業界の変革に対応し差別化を狙いつつ、各カーメーカーの要望に応えながら先行開発を進めてまいります。 当事業に関する研究開発費の金額は、6,697百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野では、自動車産業の変革期に対応するため、電動化製品の開発に注力しております。モータ関連では、小型高回転化に移行するにあたって必要となる高効率モータ用のモーターコアの独自工法の開発を進めており、実用化の目処を立てております。インバーター関連では、従来のばね技術を活かしたパワーモジュール冷却用の押え板ばねを製品化しております。また、電動化に伴う課題として挙げられる電気効率、熱マネジメント、振動への対応のため、電気や熱を高効率に伝えるばねの開発や除震用ばねの開発を進めております。線ばねや皿ばねなどの従来製品については、自動解析システムを構築し、最適設計と信頼性向上を図っております。HDD用機構部品に関しては、次世代HDDに対応する材料開発と製品開発を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は3,897百万円であります。 (4)DDS事業 HDD関連分野においては、10~11枚Disk搭載で容量24~26TB用CLA/TSAサスペンションの量産を開始、熱アシスト記録用TSAサスペンションも供給しており、歩留まり改善等によるコスト低減、品質向上を引き続き進めております。今後の高容量HDDは、アシスト記録の有無に関わらず、ディスク一枚当たりの記録密度向上が主にデータトラック密度の上昇によって進む見通しで、磁気ヘッドの位置決め精度向上が必要となっております。そのためサスペンションには共振特性の高性能化が求められるため、次機種以降用のサスペンションデザイン最適化を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は2,006百万円であります。 (5)産業機器ほか事業 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。 半導体製造プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しております。 固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しております。 金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)事業については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しております。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。 その一方で、厚銅エッチングや特殊金属加工、徹底した自動化などの加工技術開発にも注力しており、高品質で生産性の高い生産ラインの構築と将来的な需要の伸びに対応する生産能力の拡充に取り組んでおります。 ゴルフシャフト事業では、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、あらゆる階層向けに商品を展開しております。これらの技術の中で2024年度は解析技術を向上させるべく、新しい弾道測定器を導入しました。ヘッドやシャフト付近の動きが計測可能になり、シャフトの多角的な挙動解析により開発品の様々な裏付けデータ取得が可能となりました。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,647百万円であります。
FY2024|3,740 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。あわせて活発な特許出願により、製品や技術の差別化を図る取り組みを強化しております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてまいりました。さらに、2024年4月より、営業本部内に「EV営業部」を発足し、電動化関連含む開発営業、マーケティング機能を拡充し、加速して推進してまいります。 世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関連会社の開発部門等の、グループ全体の従業員数により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,066名であり、これは全従業員数の6.0%に当たります。 当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、19,335百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.5%に当たります。 当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用2,392百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 懸架ばね事業では、自動車メーカー各社の電動化への対応として、高い品質と付加価値を兼ね備えた製品の開発を推進するとともに、環境問題であるカーボンニュートラルの達成に向けた計画を実行に移し、CO2の削減を進めております。 懸架ばねでは、BEV(Battery Electric Vehicle)化に伴う車両の電費性能の向上に寄与する軽量化や、空力性能の向上にも貢献する部品のコンパクト化、車両重量増といったニーズに対応すべく、主力製品であるコイルばね、スタビライザ、板ばねを中心に新しい技術開発や製品開発を推進しております。 金属ベローズを用いた高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータでは、従来のブレーキ用に加え、サスペンション用として海外客先への対応を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、4,266百万円であります。 (2)シート事業 シート事業では、競合他社に対し優位性を持つための基盤技術となる「安全性能」「快適性のロジック」「バーチャル技術」などの開発に取組んでおり、これらを土台として、市場ニーズや環境課題に応じた高付加価値製品の開発を行っております。 軽量化の取組みでは、生産台数の伸びが予想される電気自動車の航続距離伸長へ貢献するために、省電力技術の他、更なる軽量化を検討しており、アルミを用いた軽量化フレームや、フレーム部品の一部を金属から樹脂に置き換えた軽量化フレームの開発を進めております。今後は、金属フレームの軽量化、薄型化に加え、ばねやウレタンを含めたシート全体での軽量化・薄型化を狙ったアイテムの開発にも取り組んでまいります。 自動運転に向けたアイテムでは、自動運転でのニーズを考慮し、運転姿勢・休息姿勢両方において快適な姿勢をとることができ、長時間着座時の疲労低減や温熱快適性、動画視聴時に課題となる車酔い低減にも配慮したシートを開発し、一部アイテムは自動車メーカーと量産を想定した開発を進めております。 地球環境に配慮したシートの開発では、部品をバイオマス原料やリサイクル原料を使用したものに代替し、CO2排出量削減に効果の高い技術の開発を進めております。また、シート廃却時のリサイクルにも目を向け、リサイクル率向上を考えた、部材の単一素材化や、分別を考えた解体しやすい構造のシート開発も進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、5,994百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、自動車産業の変革期に対応すべく、電動化関連製品の開発に注力しております。モータ関連では、小型高回転化に移行するにあたって必要となる高効率モータ用のモーターコアの独自工法の開発を進めており、実用化の目処を立てております。インバータ関連では、従来のばね技術を活かしたパワーモジュールを冷却するための押え板ばねを製品化しております。この分野では、今後、熱マネジメント技術が必須となることから、設備導入を進め、評価、解析技術の拡充を図るとともに、次世代ばねの開発に取り組んでおります。従来製品に関するところでは、線ばね、皿ばねなどの製品においては、解析システムを構築し、これら製品の最適設計及び更なる信頼性向上を進め、HDD用メカニカルパーツにおいては、次世代HDDに対応するための材料開発、製品開発を進めております。 HDDサスペンションにおいては、10枚Disk搭載で容量20~24TBのCLA/TSAを全ての客先向けに量産開始、また熱補助型磁気記録(HAMR:Heat Assisted Magnetic Recording)用TSAの量産も開始しており、引き続き生産効率を改善した量産設備の海外展開、歩留まり改善等によるコスト低減、品質向上を進めております。26TB以降用のTSAは現在開発中ですが、HDD記録容量向上にはディスク一枚当たりの更なる記録密度向上や多盤化が必須で、磁気ヘッド位置決め特性改善とサスペンションの薄型化が必要となっております。多盤化では関連部品も同様に薄型化し、データセンターにおける冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化も生じるため、いずれの場合においても特に共振特性高性能化が求められ、薄型サスペンション用の部材開発と共にデザイン最適化を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は4,738百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。 半導体製造プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属材料を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しております。 固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しております。 金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)事業については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しております。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。 その一方で、厚銅エッチングや特殊金属加工、徹底した自動化などの加工技術開発にも注力しており、高品質で生産性の高い生産ラインの構築と将来的な需要の伸びに対応する生産能力の拡充に取り組んでおります。 ゴルフシャフト事業では、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、あらゆる階層向けに商品を展開しており、前年度より建設を進めていた新開発棟が2023年4月に竣工し、開発体制がより充実したものとなっております。そこから生み出された新ブランドのドライバー用カーボンシャフトは、当社独自の理論と製法によるシャフト挙動の制御により、ヘッドスピードに応じた理想の飛距離を獲得することを可能にしております。 また、neoシリーズの集大成と言える最軽量グレード750GHneoの成立にも寄与しております。いずれも新たなラインアップ商品として、2024年初頭に市場リリースを果たしました。また、シャフト用に特化して開発した三価クロムメッキにより、環境へも配慮しつつ、高級感のある色調(ブラック及びシルバー)を実現し、ユーザーの満足度を高めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、1,942百万円であります。
FY2023|3,365 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてまいりました。直近では、複数のお客様から電動化関連の新製品のお引き合いを頂き、開発及び新規事業検討を推進しております。 世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関係会社の開発部門等の、グループ全体の従業員数の6.1%に当たる1,067名のスタッフにより、鋭意推進されております。 当連結会計年度における研究開発費総額は17,503百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.5%に当たります。 当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,788百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 懸架ばね事業においては、各社OEMの電動化への対応として、高い品質と付加価値を兼ね備えた製品の開発を推進するとともに、環境問題であるカーボンニュートラルの達成に向けた計画を実行に移し、CO2の削減を進めております。 懸架ばねでは、BEV(Battery Electric Vehicle)化に伴う車両の航続距離や性能の向上に大きく寄与する軽量化ニーズの達成や車両重量の大幅な増加による仕様の変化に対応すべく、新しい生産技術の開発を計画に沿って推進しております。 金属ベローズを用いた高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータでは、従来のブレーキ用に加え、サスペンション用として海外客先への対応を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,981百万円であります。 (2)シート事業 シート事業の開発活動は、「軽量化・自動運転・省電力化及び快適な乗り心地性能」「環境配慮に対応する製品」の大きく2つの狙いで取り組んでおります。 軽量化の取組みとしては、すでに量産化している超ハイテン材1,200MPa級鋼板を使用したシートフレームに続き、一層の板厚ダウンを図る事のできる1,500MPa級の高強度材を使用した軽量フレームを開発いたしました。今後も、ばねやウレタンを含めたシート全体での軽量化・薄肉化を狙ったアイテムの開発を進めてまいります。自動運転に向けたアイテムにつきましては、シートに対するニーズの変化(スマートフォンや各種ディスプレイの閲覧が可能になる。運転から解放される)に対応するべく、運転中の車酔いを低減するアイテムや、シートに対する追加機能・アイテムの開発に取り組んでおります。またEV(電気自動車)対応のアイテムとして、車両の電費向上に貢献するため、乗員を効率的に温められる空調・ヒーターシートの開発、省電力につながる新素材を利用したシートヒーターの開発などを進めております。 環境配慮に対する開発につきましては、バイオマス原料やリサイクル材を活用した材料開発、シートのリサイクル率向上を狙ったアイテムの開発などを進めており、カーボンニュートラルに貢献してまいります。 引き続き、業界の変革に遅れないように差別化を狙いつつ、各カーメーカーの要望に応えながら先行開発を進めてまいります。 当事業に関する研究開発費の金額は、6,215百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、各種自動車関連部品に加え、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在は、今後、普及拡大が見込まれるEVやHEV(ハイブリッド車)向けの製品開発に注力しております。EV・HEV分野においては、高精度プレス加工技術を基盤としたモーターコアをはじめ、従来のばね技術を生かしたパワーモジュールを冷却するための押え板ばねなどの製品開発を行っております。同分野においては、今後、熱マネジメント技術が必須となることから、設備導入を進め、評価、解析技術の拡充を図っております。また、従来の線ばね、皿ばねなどの製品においては、自動設計システムを構築し、工程最適化と併せて、コスト低減や信頼性向上を進めております。 HDD関連分野においては、10枚Disk搭載で容量20~22TB用CLA/TSAサスペンションの量産を全ての客先向けに開始、生産効率を改善した量産設備の海外展開、歩留まり改善等によるコスト低減、品質向上を引き続き進めております。24TB以降のTSAサスペンションは現在開発中でありますが、ディスク一枚当たりの記録密度向上が難しく多盤化が進む見通しで、サスペンションの薄型化が必要となっております。関連部品も同様に薄型化し、データセンターにおける冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が予想されるため、共振特性高性能化も必須で、薄型サスペンション用の部材開発とともにデザイン最適化を進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は3,972百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。 プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しております。 固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しております。 金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)事業については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しております。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使った金属基板や、より耐久性に優れた金属基板の開発も行っており、様々な用途に採用されております。 ゴルフシャフト事業では、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、あらゆる階層向けに商品を展開しており、2022年度には、飛び系アイアン用に850GHneo及びアスリート向けのTOUR115を新たにリリースし、さらなるラインアップの充実を図っております。 さらに、総合シャフトメーカーならではの開発商品であるカーボンとスチールの複合シャフトも売上を伸ばしております。シャフト用に特化して開発した三価クロムメッキにより、環境へも配慮しつつ、高級感のある色調(ブラック及びシルバー)を実現し、ユーザーの満足度を高めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、1,544百万円であります。
FY2022|3,138 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてきました。直近では、複数のお客様から電動化関連の新製品のお引き合いを頂き、開発及び新規事業検討を推進しております。 世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関連会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,067名であり、これは全従業員数の6.0%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、16,077百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.7%に当たります。 当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,352百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 懸架ばね事業では、加速化する各社OEMの電動化への対応として、更なる軽量化と高品質化に注力した製品や新技術の開発に加え、カーボンニュートラル達成に向けた、生産技術開発に取り組み始めており、一部工程においてはCO2削減に成功しております。 懸架ばねでは、BEV化による車両重量の増加に伴う仕様変更に対応した技術が要求されております。その中でも、軽量化のニーズの一層の高まりと収益と競争力確保の両立のための生産技術の早期完成を推進しております。 金属ベローズを用いたアキュムレータでは、昨年度よりサスペンション用として本格量産を開始した、高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータをベースとして、さらなる最適化・適応開発を実施しております。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,703百万円であります。 (2)シート事業 シート事業の開発アイテムとしては、軽量化、自動運転に対応するシート、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。 軽量化への取り組みとしては、超ハイテン材の1,180Mpa級の高延性材などの使用部位を拡大することや、近い将来の材料動向を踏まえた1,470Mpa級の高強度材を採用したフロントシートフレームの開発を行っております。リヤシートフレームについてもフレーム構造の合理化と各部品の薄板化により、材料置換せず安価な鉄を使って軽量化を達成する開発を進めております。 また、自動運転に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転時の「快適な姿勢」「快適な操作性」「長時間快適性」をコンセプトに、車室内で快適な姿勢をとることができるシートアレンジや、長時間移動でも疲労の少ないシートの開発、車酔いになりにくいシートの開発などに取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、5,769百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、各種自動車関連製品に加え、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在は、今後、普及拡大が見込まれるEV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)向けの製品開発、ばねの品質向上やコスト低減に向けた技術開発に注力しております。EV・HEV分野については、高精度プレス加工技術を基盤としたモーターコア部品をはじめ、パワーモジュール部品の開発を行っております。また、ばねの品質向上・コスト低減については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び自動化ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。加えて、ばねの解析システムを構築し、これら製品の最適設計、及び、更なる信頼性向上を進めております。 HDD関連分野においては、9~10枚Disk搭載で容量20~22TB用CLA/TSAサスペンションが量産化、あるいは量産準備中で、生産効率を改善した量産設備の海外展開、歩留まり改善によるコスト低減、品質向上を進めております。24TB以降のTSAサスペンションは現在開発中ですが、HDD関連部品の薄型化でデータセンターにおける冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が著しく、共振特性高性能化が必須となっており、継続してデザイン最適化を進めております。また、さらなる多盤化に対応できるサスペンションの薄型化も検討中であります。 当事業に関する研究開発費の金額は2,890百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。 プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しています。 一方、固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しています。 金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使った金属基板や、より耐久性に優れた金属基板の開発も行っております。 ゴルフシャフト事業では、北米におけるシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、弾道、距離、方向性の3ポイントをコントロールした商品開発を実施し、さらにグローバルスタンダード化を目指しております。 一方でさらなる超軽量化シャフト開発並びに材料開発を継続し、その技術を応用したカーボンとスチールの複合シャフトを開発、商品化しております。また、環境対策の一環として、シャフト用に特化した6価クロムフリーのメッキを開発し、実用化しております。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,360百万円であります。
FY2021|3,507 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関連会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,103名であり、これは全従業員数の6.0%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、15,664百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.7%に当たります。 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,189百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 懸架ばね事業では、CASEやMaaSといったキーワードに含まれる電動化や自動運転車両への対応、各国の環境規制に対応するため、更なる軽量化と高品質化に注力した製品や新技術開発、生産工程の省エネルギー化、自動化を進めるための生産技術開発に取り組んでおります。 懸架ばねでは、軽量化・高品質化への取り組みとして、ショットピーニングや熱処理などの加工技術開発、高強度材料や繊維強化プラスチック材料などの材料開発を進めております。また、低廉な材料に独自の設計・加工技術を適用し、高品質な製品の開発も進めております。 金属ベローズを用いたアキュムレータでは、部品点数の削減と軽量化を図り前連結会計年度よりブレーキ用として本格量産を開始した新世代アキュムレータを、新たにサスペンション用にも展開しております。 生産技術開発では、自動化や工程の最適化を進めることで、生産性向上に取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,977百万円であります。 (2)シート事業 シート事業の開発アイテムとしては、軽量化、自動運転に対応するシート、体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。 軽量化への取り組みとしては、超ハイテン材の1,200Mpa級の高延性材などの使用部位を拡大することや、近い将来の材料動向を踏まえた1,500Mpa級の高強度材を採用したフロントシートフレームの開発を行っております。 また、さらなる軽量化としてアルミ材やマグネ材などへ材料置換したフレームの開発も検討しております。 将来予想される自動運転車市場の拡大に備え、自動運転時に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転Level3、4となると、自動運転から手動運転への切換えシーンが発生します。そのため、リラックス姿勢から運転姿勢にスムーズに戻せるシートや、眠気等の状態を検知し、乗員に注意喚起を行うといった自動運転車向けシートの開発に取り組んでおります。また、自動運転になると従来よりも車で過ごす時間が長くなると予測されており、長時間着座による疲労も増加すると考えられます。長時間着座によって乗員が感じる違和感、痛み、むくみ、圧迫感等を分析して、それらを改善できる疲労低減アイテムの開発にも取り組んでおります。(左右大腿部の圧迫をコントロールできるシート開発、骨盤をしっかりサポートできるユニット開発、温度を利用して血流循環を促進させるシートヒーターユニットの開発等) また、自動運転車では、ドライバーが同乗者と同様に運転以外のタスクを行うようになるため、車酔い発症の増加が懸念されています。そこで、車酔いの発生メカニズムに基づき、自動運転中でも車酔いになりにくいシートの開発を進めています。 現状では、車酔いの定量評価指標を開発するとともに、ヘッドレスト形状を中心として乗員の体の支持方法を工夫することにより、従来シート比で車酔いを50%低減することが可能になっております。(試作品にて効果確認済み) 引き続き、業界の変革に遅れないよう差別化を狙いつつ、各カーメーカーの要望に応えながら先行開発を進めてまいります。 当事業に関する研究開発費の金額は、5,476百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在はHEV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)向けの製品開発、ばねの高品質化、低コスト化に向けた生産技術開発、解析技術構築に注力しております。 HEV・EV分野については、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーターコア部品、パワーモジュール部品、及び燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。 ばねの高品質化・低コスト化については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び自動化ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。加えて、ばねの解析システムを構築し、これら製品の最適設計、及び更なる高信頼性化を進めております。 HDD関連分野においては、9枚Disk搭載のデータセンター向け高容量HDDに対応したCLA(Co-Located Actuator)及びTSA(Triple Stage Actuator)サスペンションは開発が終了し、生産効率を20%改善した量産設備の海外展開を実施しております。10枚Disk搭載のHDDに対応したCLA/TSAサスペンションについては開発を継続しております。HDD多盤化によりサスペンションを含めたHDD関連部品の薄型化がさらに進むため、冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が著しく、共振特性高性能化が必須となっており、実試作及びFEM検討によるデザイン最適化を、生産技術、品質向上、コスト低減と合わせて進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は2,736百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。 プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しています。 一方、固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しています。 金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使った金属基板や、より耐久性に優れた金属基板の開発も行っております。 ゴルフシャフト事業では、北米におけるシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、弾道、距離、方向性の3ポイントをコントロールした商品開発を実施し、さらにグローバルスタンダード化を目指しております。 一方でさらなる超軽量化シャフト開発並びに材料開発を継続し、その技術を応用したカーボンとスチールの複合シャフトを開発、商品化しております。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,284百万円であります。
FY2020|3,507 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向や顧客ニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関連会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,102名であり、これは全従業員数の6.0%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、18,407百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.8%に当たります。 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,219百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 自動車業界おいて、100年に一度の大変革期と言われている中、電動化や自動運転車両へのニーズに対応するため、軽量化と高品質化、さらには高い付加価値のある製品の技術開発を進めております。 これらの具現化に向けて、高強度材料や繊維強化プラスチック材料といった材料開発、最適な成形、熱処理及びショットピーニング等の加工技術開発に取り組んでおります。一方、原価低減を目的とした低廉材の開発、無人化や省エネルギー化を実現する生産技術開発にも並行して取り組んでおります。 加えて、2004年より量産を開始した、主にハイブリッド自動車や大型SUVに使用されるブレーキ用アキュムレータの構造変更を行い、耐久性の向上、部品点数の削減と軽量化を図った新世代アキュムレータの本格量産を開始いたしました。 今後も、材料、加工、製造技術の開発とそのグローバル展開を進め、お客様にとって魅力ある製品の技術開発に取り組んでまいります。 当事業に関する研究開発費の金額は、4,977百万円であります。 (2)シート事業 軽量化、自動運転に対応するシート、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。軽量化への取り組みとしては、超ハイテン材の120kg級の高延性材などの使用部位を拡大することや、近い将来の材料動向を踏まえた150kg級の高強度材を採用したフロントシートフレームの開発を行っております。 また、さらなる軽量化としてアルミ材やマグネ材などへ材料置換したフレームの開発も検討しております。 将来予想される自動運転車市場の拡大に備え、自動運転時に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転Level3、4となると、自動運転から手動運転への切換えシーンが発生します。そのため、リラックス姿勢から運転姿勢にスムーズに戻せるシートや、眠気等の状態を検知し、乗員に注意喚起を行うといった自動運転車向けシートの開発に取り組んでおります。また、自動運転になると従来よりも車で過ごす時間が長くなると予測されており、長時間着座による疲労も増加すると考えられます。長時間着座によって乗員が感じる違和感、痛み、むくみ、圧迫感等を分析して、それらを改善できる疲労低減アイテムの開発にも取り組んでおります。 快適な動性能・静性能を持つシートの開発については、人間の特性、感覚に合った動・静性能を持つシート開発に取り組んでおります。シートの振動乗心地評価には,乗員が着座した状態でのシート上振動データが必要になります。これまでに、シートと人間の解析用モデル(有限要素解析モデル)を用いて、着座時のシート上振動を予測する手法を開発済みです。しかし、2列目、3列目のシートは、車両走行中に生じるフロアの動的な変形(振動)がシート振動に影響を与えてしまうため、新たに車体フロアの動的変形を考慮したシート上振動の予測手法を開発いたしました。静的な座り心地に関しても、シート及び人体の解析用モデルを用いた着座時シート上圧力分布予測に取り組んでおります。また温熱快適性については、評価やデータのばらつきが大きな人間の代わりに温熱計測用のマネキンを用いて、ヒーターシートやベンチレーションシートの性能を安定的に計測・評価する技術を開発しております。 当事業に関する研究開発費の金額は、6,921百万円であります。(3)精密部品事業 精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在はHEV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)向けの製品開発、ばねの高品質化・低コスト化に向けた生産技術開発、高強度材料の開発に注力しております。 HEV・EV分野については、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーター部品、パワーモジュール部品及び燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。 ばねの高品質化・低コスト化については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び省人化・無人化を実現する一貫生産ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。 また、これらの基となる素材についても、さらなる高強度材の開発を進め、製品の高性能化、高信頼性化を進めています。その一方で廉価材の開発を進め、製品のコスト低減化にも努めております。 HDD関連分野においては、9・10枚Disk搭載のデータセンター向け高容量HDDに対応したサスペンション開発を継続しております。多盤化によりサスペンションを含めたHDD部品の薄型化が進むため、冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が著しく、TSA (Triple Stage Actuator)サスペンションの高性能化が必須となっており、生産技術、品質向上、コスト低減と合わせて開発に取り組んでおります。9枚Disk用TSAは生産効率を20%改善した量産設備を確立し量産開始、10枚Disk用TSAの試作は共振特性とSwage特性の最適化がほぼ終了し、さらなる最適化を実施中であります。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,862百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。一方、固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しています。 IMS(金属基板:Integrated Metal Substrate)については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。IMSは高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使ったIMSや、より耐久性に優れたIMSの開発も行っております。 ゴルフシャフト事業では、北米のシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、弾道、距離、方向性の3ポイントをコントロールした商品開発を実施し、更にグローバルスタンダード化を目指しております。 一方でさらなる超軽量化シャフト開発並びに材料開発を継続し、その技術を応用したカーボンとスチールの複合シャフトを開発、商品化しております。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,425百万円であります。
FY2019|3,380 文字
5【研究開発活動】当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向や顧客ニーズを迅速に研究開発へ反映させる為、マーケティング機能を有する電動化事業推進室を新設し、新製品及び新規事業開拓を進めております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各子会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,074名であり、これは全従業員数の5.9%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、16,822百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.5%に当たります。 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,074百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 自動車業界おいて、100年に一度の大変革期と言われている中で、電動化や自動運転車両へのニーズに対応するため、軽量化と高品質化、さらには高い付加価値のある製品の技術開発に取り組んでおります。 これらの具現化に向けて、高強度の新鋼種および繊維強化プラスチック材料の開発等を行うと同時に、最適な成形、熱処理およびショットピーニング等の加工技術開発に加え、原価低減を目的とした無人化や省エネルギー化を実現する生産方式の開発を並行して進めております。 当連結会計年度の主な成果は、耐久性と品質に優れた製品の開発を完了させ、量産化したことです。また、今後の課題は、さらなる軽量化技術の創生のベースとなる、新材料と加工方法の開発とグローバル展開であります。 当事業に関する研究開発費の金額は、4,488百万円であります。 (2)シート事業 軽量化、自動運転に対応するシート、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。 軽量化への取り組みとしては、超ハイテン材の使用部位を拡大することや、近い将来の材料動向を踏まえた高強度材や高延性材などを採用したフロントシートフレームの開発を行っております。 また、さらなる軽量化として部分的に非鉄金属の採用も視野に入れており、フロントフレームだけではなく、リアシートへの適用も検討しております。 将来予想される自動運転車に対応するシートについては、自動運転時に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転Level3、4となると、車内で本と読んだり、リラックスしたりと車内での過ごし方が多様化します。そこで2018年度より、その際の乗員の姿勢や必要機能を調査し、その結果を織り込んだ自動運転車向けシートの開発に取り組んでいます。また、自動運転になると従来よりも車で過ごす時間が長くなると予測されており、長時間着座による疲労も増加すると考えられます。長時間着座によってユーザーはどのような違和感、痛み、圧迫感を感じるのかを分析して、それらを改善できるアイテム開発にも取り組んでおります。 快適な動性能・静性能を持つシートの開発については、人間の特性,感覚に合った動・静性能を持つシートの開発に取り組んでおります。シートの振動乗心地評価には,乗員が着座した状態でのシート上振動データが必要になります。これまでに、シートと人間のFEモデル(有限要素解析モデル)を用いて、着座時のシート上振動を予測する手法を開発済みです。また、2列目、3列目のシートにおいては、車両走行中に生じるフロアの動的な変形(振動)がシート上振動に影響を与えてしまうため、新たに車体フロアの動的変形を考慮したシート上振動の予測手法を開発致しました。静的な座り心地に関しては、シート及び人体FEモデルを用いた着座時シート上圧力分布予測に取り組んでいます。また温熱快適性については、評価やデータのばらつきが大きな人間の代わりに温熱計測用のマネキンを用いた安定的な計測・評価技術を開発しております。 当事業に関する研究開発費の金額は、5,830百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在はHEV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)向けの製品開発、ばねの高品質化・低コスト化に向けた生産技術開発、高強度材料の開発に注力しております。 HEV・EV分野については、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーター部品、パワーモジュール部品及び燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。 ばねの高品質化・低コスト化については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び省人化・無人化を実現する一貫生産ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。 また、これらの基となる素材についても、更なる高強度材の開発を進め、製品の高性能化、高信頼性化を進めています。その一方で廉価材の開発を進め、製品のコスト低減化にも努めております。 HDD関連分野においては、データセンター向けHDDの高容量化に対応するため、引き続きCLAサスペンション(Co-Located Actuator)の高性能化、及びCLAとMilli-DSAを合体させたTSA(Triple Stage Actuator)の開発を進めております。近年、記録密度増加が鈍化しているため多盤化が更に進み、9・10枚Disk HDDの開発が主流となっています。サスペンション等の部品はより薄くなるにもかかわらず、冷却用高速ファンによる10kHz前後まで及ぶ外部振動のためHDDの位置決めはますます難しくなり、より薄型で位置決めに適した高性能CLA、もしくはTSAが必要となります。これらの製品開発と共に生産技術、品質向上・コスト低減に向けた開発に取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,051百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体製造プロセスは、積層化と微細化が進み顧客要求が厳しさを増しております。半導体製造装置開発では、顧客別の要望に応えるために開発段階から深く入り込み、設計/試作/評価をトータルに実施できる体制を整えました。半導体製造装置の心臓部品の開発に必要となる接合技術の深耕を図るために、ろう付技術のほかに、拡散接合技術やコールドスプレー技術を駆使し、信用性の高いコンタミレスの金属製ヒータや冷却板を開発しております。更にはセラミック溶射技術を応用し、絶縁特性、均熱特性、大型化対応などを図り、北米向けでヒータ製品の業界トップシェアを維持しております。 IMS(金属基板:Integrated Metal Substrate)については、近年、自動車向けの基板の需要が多く、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。IMSは高密度・大容量化に伴い、放熱性ニーズが高まっており、それに応えるべく高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに高い耐熱性も持ち、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使ったIMSや、より耐久性に優れたIMSの開発も行っております。 ゴルフシャフト事業では、重量シャフトがメインの北米のシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、北米市場のニーズである高弾道・低スピンのスチールシャフトを開発し商品化しております。一方で更なる超軽量化シャフト開発にも取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,376百万円であります。
FY2018|3,503 文字
5【研究開発活動】当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部及び技術本部、各生産本部及び事業本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各子会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,057名であり、これは全従業員数の6.1%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、16,119百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.4%に当たります。 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部及び技術本部で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用412百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 ますます重要となるエネルギー消費と環境に対する規制に対応するため、小型軽量かつ高品質、高耐久化に注力した製品開発と共に、品質と安全性を確保した無人化、省エネルギー化を目指した生産技術開発を進めております。これらの具現化に向けて、製品では応力分布の均等化設計、新鉄鋼材料及び繊維強化プラスチック材料の開発等を行うと同時に、生産では熱処理、ショットピーニング、組立てなど各工程における新工法及び新技術開発を進めております。当連結会計年度の主な成果は、耐久性・品質に優れた製品の開発を実現したことであります。今後の課題は、最適な材料の調達、軽量化を実現する加工法及び無人化と省エネルギー化が可能な生産方法の開発と、これらの海外拠点を含めた導入であります。 当事業に関する研究開発費の金額は、4,346百万円であります。 (2)シート事業 軽量化、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートにも重点を置き、開発活動に取り組んでおります。軽量化に加え、板金部品をFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)に材料置換したフレーム最適構造・構成の開発に取り組んでおり、射出成形CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)フロントシートフレームで、現行比約20%の軽量化を達成しております。更にCAE(Computer Aided Engineering)での衝突試験予測技術の確立を進めているところであります。 そのほか、将来予想される自動運転車市場の拡大に備え、自動運転時に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転Level3、4となると、自動運転とマニュアル運転切り替えの場面が発生します。その際、安全に切り替えを行うためには、素早く、運転可能な姿勢に戻す必要がでてきます。それに対応するため、素早く元の姿勢を復帰できるシートの開発を行っております。また、自動運転になると従来よりも車で過ごす時間が長くなると予測されており、長時間着座による疲労も増加すると考えられます。長時間着座によってユーザーはどのような違和感、痛み、圧迫感を感じるのかを分析して、それらを改善できるアイテム開発にも取り組んでおります。 快適な動性能・静性能を持つシートの開発については、人体及びシート動・静性能を持つシートの開発に取り組んでおります。従来、定量評価が難しかった高い周波数のシート振動に対する快適性評価のため、人間着座時のシートフレーム振動を予測するための数値解析用人体モデル(シミュレーションモデル)を開発し、高周波の振動快適性の定量予測を可能としました。また、着座時のシート上の圧力分布データから快適性を推定するシステムを開発中で、深層学習技術を用いることで高精度の快適性推定を実現しています。さらに、シート温熱快適性の定量評価指標も開発しております。 量産に近い開発については、DD(ダイナミックダンパー)ボルトの開発と次なる小型トラック向けの「自動車用薄型サスペンションシート」の開発を行っております。DDボルトは従来のダイナミックダンパーを軽量化・低コスト化した開発品で、自動車のアイドル時や走行時にシートが共振して発生する振動や音を防ぐデバイスです。現在多くのカーメーカーより共同開発、量産化の依頼が来ており、量産化に向けての取り組みを進めております。「自動車用薄型サスペンションシート」は、小型トラック用には2015年より量産開始しましたが、次なる展開として乗用車の助手席や後部座席への適用や、新たな車種への展開を設計部門と共同で進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、5,706百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在はHEV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)向けの製品開発、ばねの高品質化・低コスト化に向けた生産技術開発、高強度材料の開発に注力しております。 HEV・EV分野については、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーター部品、リチウムイオン・燃料電池用部品、インバータ用部品、及び燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。 ばねの高品質化・低コスト化については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び省人化・無人化を実現する一貫生産ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。 また、これらの基となる素材についても、更なる高強度材の開発を進め、製品の高性能化、高信頼性化を進めています。その一方で廉価材の開発を進め、製品のコスト低減化にも努めております。 HDD関連分野においては、引き続きHDDの高容量化に対応するため、CLAサスペンション(Co-Located Actuator)の高性能化に向けた開発を進めております。近年データセンター向けHDDは高速ファンによる10kHz前後まで及ぶ外部振動でヘッドの位置決めがより難しくなっている一方で、多盤化による薄いDiskの採用により2kHz以下の低域振動も問題になりつつあります。この2つの問題解決のため、高域位置決めに適したCLAと低域位置決めに適したMilli-DSAを合体させたTSA(Triple Stage Actuator)が必要になります。これらの製品開発と共に生産技術、品質向上・コスト低減に向けた開発に取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,220百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体製造プロセスは、積層化と微細化が進み顧客要求が厳しさを増しております。半導体製造装置開発では、顧客別の要望に応えるために開発段階から深く入り込み、設計/試作/評価をトータルに実施できる体制を整えました。半導体製造装置の心臓部品の開発に必要となる接合技術の深耕を図るために、ろう付技術のほかに、拡散接合技術やコールドスプレー技術を駆使し、信用性の高いコンタミレスの金属製ヒータや冷却板を開発しております。更にはセラミック溶射技術を応用し、絶縁特性、均熱特性、大型化対応などを図り、北米向けでヒータ製品の業界トップシェアを維持しております。 メタルベース基板については、近年、自動車向けの基板の需要が多く、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。メタルベース基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性ニーズが高まっており、それに応えるべく高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに高い耐熱性も持ち、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使ったメタルベース基板や、より耐久性に優れたメタルベース基板の開発も行っております。 ゴルフシャフト事業では、重量シャフトがメインの北米のシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、北米市場のニーズである高弾道・低スピンのスチールシャフトを開発し商品化しておりますが、更なる超軽量化シャフト開発にも取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,433百万円であります。
FY2017|2,981 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。 現在、研究開発は、本社研究開発本部及び技術本部、各生産本部及び事業本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各子会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,026名であり、これは全従業員数の6.0%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、16,130百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.6%に当たります。 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部及び技術本部で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用399百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 ますます重要となるエネルギー消費と環境に対する規制に対応するため、小型軽量かつ高品質、高耐久化に注力した製品開発に加え、品質と安全性を確保した無人化、省エネルギー化を目指した生産技術開発を進めております。これらの具現化に向けて、製品では応力分布の均等化設計、新鉄鋼材料及び繊維強化プラスチック材料の開発等を行うと同時に、生産では熱処理、組立てなど各工程における新工法及び新技術開発を進めております。当連結会計年度の主な成果は、耐久性・品質に優れた製品の開発を実現したことであります。今後の課題は、最適な材料の調達、軽量化を実現する加工法及び無人化と省エネルギー化が可能な生産方法の開発と、これらの海外拠点を含めた導入であります。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,886百万円であります。 (2)シート事業 軽量化、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。 軽量化については、板金部品をFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)に材料置換したフレーム最適構造・構成の開発に取り組んでおります。その成果として射出成形CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)フロントシートフレームを開発し、現行比約20%の軽量化を達成致しました。 生体信号利用のシート応用製品については、疲労低減コンフォートシートの開発に取り組んでおります。疲労低減コンフォートシートは、血流の改善やむくみを回復することで疲労を低減させるシートであります。 快適な動性能・静性能を持つシートについては、従来、定量評価が難しかった高い周波数のシート振動に対する快適性評価のための定量評価指標を確立しました。また、着座時のシート上の圧力分布データから快適性を推定するシステムの推定精度を大幅向上させております。さらに、シート温熱快適性の定量評価指標も開発しております。 また、DD(ダイナミックダンパー)ボルトの開発と自動車用薄型サスペンションシートの開発を行っております。DDボルトは従来のダイナミックダンパー(DD)を軽量化・低コスト化した製品で、自動車のアイドル時にシートが共振して発生する振動や音を軽減する製品です。多くのカーメーカーより共同開発、量産化の依頼を受けており、量産化に向けて取り組んでおります。自動車用薄型サスペンションシートは、昨年、「超モノづくり部品大賞」において「モノづくり日本会議 共同議長賞」を受賞致しました。小型トラック用として2015年より量産を開始しており、乗用車の助手席や後部座席への適用や、新たな車種への展開を開発部門と設計部門が共同で進めております。 当事業に関する研究開発費の金額は、5,916百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在はハイブリッド車(HEV)・電気自動車(EV)向けの製品開発、ばねの高品質化・低コスト化に向けた生産技術開発、高強度材料の開発に注力しております。 HEV・EV分野については、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーター部品、リチウムイオン・燃料電池用部品、インバータ用部品、及び燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。 ばねの高品質化・低コスト化については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び省人化・無人化を実現する一貫生産ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。 また、これらの基となる素材についても、更なる高強度材の開発を進め、製品の高性能化、高信頼性化を進めています。その一方で廉価材の開発を進め、製品のコスト低減化にも努めております。 HDD関連分野においては、HDDの高容量化に対応するため、CLAサスペンション(Co-Located Actuator)の高性能化に向けて開発を進めてきた結果、他社に比べて位置決め精度の高いCLAサスペンションのデザインを開発致しました。また、HDDの更なる高容量化に対応できる高性能なサスペンションのデザイン設計を行うと共に、品質向上・コスト低減に向けた開発に取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,452百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体製造プロセスは、積層化と微細化が進み顧客要求が厳しさを増しております。半導体製造装置開発では、顧客別の要望に応えるために開発段階から深く入り込み、設計/試作/評価をトータルに実施できる体制を整えました。半導体製造装置の心臓部品の開発に必要となる接合技術の深耕を図るために、ろう付技術のほかに、拡散接合技術やコールドスプレー技術を駆使し、安価でコンタミレスの金属製ヒータや冷却板を開発しております。更にはセラミック溶射技術を応用し、絶縁特性、均熱特性、大型化対応などを図り、北米向けでヒータ製品の業界トップシェアを維持しております。 メタルベース基板については、近年、自動車向けの基板の需要が多く、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。メタルベース基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性ニーズが高まっており、それに応えるべく高放熱絶縁材料の開発を行って参りました。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに高い耐熱性も持ち、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使ったメタルベース基板や、より耐久性に優れたメタルベース基板の開発も行っております。 ゴルフシャフト事業では、重量シャフトがメインの北米のシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、北米市場のニーズである高弾道・低スピンのスチールシャフトを開発し商品化しておりますが、更なる超軽量化シャフト開発にも取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,475百万円であります。
FY2016|2,715 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。 現在、研究開発体制は、本社研究開発本部及び技術本部、各生産本部及び事業本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各子会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,032名であり、これは全従業員数の6.1%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、16,328百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.5%に当たります。 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部及び技術本部で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用355百万円が含まれております。 (1)懸架ばね事業 自動車の燃費向上、CO2排出量低減に向けた小型軽量かつ高耐久化に注力した開発に加え、省人化技術の開発を進めております。主要課題は、FSD(Fully Stressed Design:部位によらず、応力分布を均等にする設計法)化、高強度化及びそれに用いる新材料の開発、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)化、これらを実現する新工法の開発等であります。当連結会計年度の主な成果は、耐久性・品質に優れた製品の開発を実現したことであります。今後の課題は、低廉な材料を用い、高強度かつ軽量化を実現する加工法及び、自動化等による低コストな生産方法の開発であります。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,199百万円であります。 (2)シート事業 軽量化、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。軽量化については、板金部品をFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)に材料置換を進めたフレーム最適構造・構成の開発に取り組んでおり、射出成形CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)フロントシートフレームで、現行比約20%の軽量化を達成しました。更にCAEでの衝突試験予測技術の確立を進めているところであります。 生体信号利用のシート応用製品開発については、リフレッシュシートの開発に取り組んでおります。リフレッシュシートについては、改善試作と客先プレゼン、展示を実施し、客先の受注に繋げられる様に進めております。 快適な動性能を持つシートの開発については、人体及びシート動性能を持つシートの開発に取り組んでおります。コーナリング時の低周波乗員挙動を予測する人体基本モデルが完成し、人体揺動低減に必要なシート特性予測に目処がつきました。また、着座時のシート上圧力分布データから快適性を自動評価するシステムの構築に着手し、基本的分類アルゴリズムに目処がつきました。更に精度の高いCAEシートモデルを効率的に開発するプロセスを構築しました。 当事業に関する研究開発費の金額は、6,263百万円であります。 (3)精密部品事業 精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、住宅関連の制震装置、医療関連機構品、情報通信関連のHDD(ハードディスクドライブ)用部品等、幅広い分野での製品開発を行っております。 次世代自動車分野では、世界的な環境規制の強化により、自動車業界はガソリン車に代わるエコカーの開発を迫られている中で、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーター部品、燃料電池用部品、および燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。 また、これらの基となる素材についても、更なる高強度材の開発を進め、製品の高性能化、高信頼性化を進めています。その一方で廉価材の開発を進め、製品のコスト低減化にも努めております。 さらに、半導体関連分野では、超精密加工技術をベースにした半導体検査用ソケットやプローブ製品を商品化しており、今後も微細化が進む半導体技術に対応した高品質な狭ピッチプローブの開発に努めております。 HDD用サスペンションにつきましては、HDDの高容量化が益々加速することから、次世代サスペンション(Co-Located DSA)の量産化に向けて小ロット生産ラインを導入し、量産技術の確立を目指して開発を進めてきました。その結果、2016年初めには量産ラインの導入・立ち上げを完了致しました。 今後は、HDDの高容量化に必要なヘリウム環境下での解析を行い、評価技術を更に高め、最適製品のデザイン設計に活かしていきます。 当事業に関する研究開発費の金額は、3,741百万円であります。 (4)産業機器ほか事業 半導体製造プロセスは、積層化と微細化が進み顧客要求が厳しさを増しております。半導体製造装置開発では、顧客別の要望に応えるために開発段階から深く入り込み、設計/試作/評価をトータルに実施できる体制を整えました。半導体製造装置の心臓部品の開発に必要となる接合技術の深耕を図るために、ろう付技術のほかに、拡散接合技術やコールドスプレー技術を駆使し、安価でコンタミレスの金属製ヒータや冷却板を開発しております。更にはセラミック溶射技術を応用し、絶縁特性、均熱特性、大型化対応などを図り、北米2社向けでヒータ製品の業界トップシェアを維持しております。 メタルベース基板については、近年、自動車向けの基板の需要が多く、高品質、高信頼性に対する要求が高まっております。メタルベース基板は高密度・高容量化に伴い、放熱性ニーズが高まっており、それにこたえるべく高放熱絶縁材料の開発を行ってまいりました。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに高い耐熱性も持ち、セラミック代替を目指しております。 その一方で安価な絶縁材料を使ったメタルベース基板や、より耐久性に優れたメタルベース基板の開発にも着手しております。 ゴルフシャフト事業では、重量シャフトがメインの北米のシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、北米市場のニーズである高弾道・低スピンのスチールシャフトを開発し商品化すると共に、更なる超軽量化シャフト開発にも取り組んでおります。 当事業に関する研究開発費の金額は、2,769百万円であります。