5988

パイオラックス(5988)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 自動車部品製造販売:パイオラックスは、自動車の内装や外装に使われる工業用ファスナー(結束具)や精密ばねの製造販売を主力事業としています。国内外の子会社が製造を担い、主に日産自動車や他の自動車メーカー、関連会社に製品を供給することで収益を得ています。グローバルな生産・販売体制を構築しており、世界中の自動車産業を支える重要な役割を担っています。
  • 医療機器事業:自動車部品事業に加え、子会社である株式会社パイオラックス メディカル デバイスが医療に関する製品の製造販売も行っています。これにより、事業の多角化を図り、自動車産業以外の分野でも収益源を確保しています。ただし、売上規模は自動車関連事業に比べて小さいです。
  • グローバル展開と連携:日本国内だけでなく、米国、英国、韓国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシアなど世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。また、自動車用ボルトメーカーとの業務提携を通じて、製品ラインナップの強化や国際的な協力関係の構築も目指しており、事業基盤の強化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車関連事業:パイオラックスの主力事業であり、売上高581.78億円、営業利益30.95億円を計上しています。自動車の内装・外装に使われる工業用ファスナーや精密ばねの製造販売が主な内容です。国内外の子会社が製造を担い、主に日産自動車や他の自動車メーカー、関連会社に製品を供給しており、同社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 医療機器事業:自動車関連事業に次ぐ事業で、売上高51.72億円、営業利益3.28億円を計上しています。株式会社パイオラックス メディカル デバイスが医療に関する製品の製造販売を行っています。自動車産業以外の分野で収益源を確保し、事業の多角化を進める上で重要な役割を担っていますが、規模は自動車関連事業に比べて小さいです。
  • グローバルな事業展開:自動車関連事業は日本だけでなく、米国、英国、韓国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシアなど世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに展開しています。これにより、世界中の自動車メーカーに製品を供給できる体制を構築しており、地域ごとの市場特性や需要に対応しながら事業を拡大しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomobilRelated 事業 582 31 5.3%
Medical 事業 52 3 6.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,292 文字
3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社16社(うち国外10社)、関連会社1社で構成され、自動車関連製品の製造販売を主な内容とし、これに関連するサービス事業活動を展開しております。 当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。(自動車関連等) 自動車関連等の主な製品は、工業用ファスナー(車の内装及び外装の結束具)及び精密ばねであり、当社が製造販売するほか、国内においては㈱パイオラックス エイチエフエス、㈱ピーエヌエス、㈱パイオラックス九州、㈱ケーアンドケーが製造を担当し、主に当社経由で日産自動車㈱、他の自動車会社及び関連会社、その他に販売しております。また、㈱ケーエッチケー販売は、当社より製品を仕入れ、国内の小口の得意先に対する販売を担当しております。㈱パイオラックス ビジネスサービスは、当社及び国内関係会社の経理、人事、総務の業務を担当しております。海外においては、パイオラックス コーポレーションが米国ジョージア州で自動車部品を製造し、販売しております。英国ではパイオラックス リミテッドが英国ランカシャー州で自動車部品を製造し、販売しております。韓国ではパイオラックス株式会社が韓国仁川広域市で自動車部品を製造し、販売しております。タイ国ではパイオラックス(タイランド)リミテッドがタイ国ラヨーン県で自動車部品を製造し、販売しております。中国では東莞百楽仕汽車精密配件有限公司が中国広東省で自動車部品を製造しており、武漢百楽仕汽車精密配件有限公司が中国湖北省で自動車部品を製造しており、百奥来仕(中国)投資有限公司が中国上海市で中国における販売拠点として活動しております。インド国ではパイオラックス インディア プライベート リミテッドがインド国アーンドラ・プラデーシュ州で自動車部品を製造し、販売しております。メキシコ国ではパイオラックス メキシカーナがメキシコ国ヌエボレオン州で自動車部品を製造しております。インドネシア共和国ではピーティー パイオラックス インドネシアがインドネシア共和国西ジャワ州で自動車部品を製造し、販売しております。なお、当社は㈱ピーエムティーを2024年4月に吸収合併しております。(医療機器)  ㈱パイオラックス メディカル デバイスが医療に関する製品を製造し、販売しております。 なお、当社は自動車用ボルトの大手メーカーである㈱佐賀鉄工所とグローバルな協力関係を構築することを目指して、包括的な業務提携契約を締結しております。また、当社は2025年2月12日に当社が所有する㈱佐賀鉄工所の株式の一部売却を行ったため当第4四半期連結会計期間より持分法の適用範囲から除外しております。  以上の企業集団等の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。注1.当社は2024年4月1日付をもって㈱ピーエムティーを吸収合併しております。注2.当社は2025年2月12日に当社が所有する㈱佐賀鉄工所の株式の一部売却を行ったため当第4四半期連結会計期間より持分法の適用範囲から除外しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
サプライヤー間の競争激化により、原材料費等の増加を製品価格に転嫁しにくい。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
工業用ファスナーや精密ばねの製造技術、特にEV化に伴う締結部品の変化・進化への対応。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自動車産業の動向 / 特定取引先への依存 / 海外事業に潜在するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

パイオラックスは、精密ばね・金属部品の分野で長年の実績と技術蓄積がある。特に自動車部品や医療機器分野でのニッチな技術力は、一定の無形資産となり得るが、特許やブランド力が突出しているわけではない。特定の顧客との信頼関係は存在するものの、明確なIPや規制ライセンスによる参入障壁は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車部品や医療機器などの分野では、部品メーカーの変更は、設計変更、認証取得、品質検証などに多大な時間とコストを要するため、顧客にとってスイッチング・コストは一定程度存在する。しかし、パイオラックスの製品が代替困難なほどユニークなものでない場合、顧客は他のサプライヤーへの移行を検討する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

パイオラックスの事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増大するネットワーク効果を直接的に生み出すものではない。BtoBの部品供給ビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウによる効率化や、特定の自動化設備への投資により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社も同様の効率化を進めている可能性があり、構造的な圧倒的コスト優位性を持っているとは断定しにくい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

精密ばね・金属部品市場において、パイオラックスは一定のシェアを有しているが、グローバルで見ると多数の競合が存在する。特定のニッチ市場では強みを持つ可能性があるものの、業界全体を代表するような規模の経済による寡占的な地位を確立しているとは言えない。

  • グローバルな生産・販売網:パイオラックスは、日本を含む世界10カ国以上で自動車部品の製造・販売拠点を展開しており、これにより主要な自動車メーカーの生産拠点に近い場所で製品を供給できる強みがあります。この広範なネットワークは、顧客への迅速な対応と安定供給を可能にし、競争優位性を生み出しています。
  • 主要自動車メーカーとの関係:長年にわたり日産自動車をはじめとする日系自動車メーカーを主要な取引先としており、安定した取引関係を築いています。これは、製品の品質や技術力が評価されている証拠であり、新規参入企業にとっては模倣が難しい参入障壁となっています。ただし、特定取引先への依存度が高いというリスクも抱えています。
  • 多様な製品と技術力:工業用ファスナーや精密ばねといった自動車の基幹部品を製造しており、その技術力は自動車の安全性や快適性に貢献しています。また、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)といった自動車産業の変革に対応した高付加価値製品の開発にも注力しており、将来の需要変化に対応できる技術基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が永年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する  <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、インフレ率の上昇や金利の引き上げ、米国追加関税政策や地域紛争等の地政学リスクが及ぼす世界情勢への影響が懸念されております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格の高騰や中国経済の成長の鈍化等の要因から不透明感が継続しております。 (3) 経営方針 これまで当社は、自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。ファスナー部品、燃料系部品、駆動系部品、開閉機構部品の4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトいたします。 (4)対処すべき課題 ①商品戦略 当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。特に注力していく商品として、先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーなどがあり、新真岡工場(栃木県)を中心とした大型成形機の導入など、設備投資も積極的に進めてまいります。  ②地域・顧客戦略 地域別にメリハリをつけ、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進めていきます。海外では、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。米国では、生産体制見直しと製造現場における省人化の推進、中国では現地自動車関連メーカーの開発スピードに負けない体制づくり、特に成長が期待できるインドでは、生産能力増強のため、第2工場の建設を計画し、ADAS関連商品など付加価値の高い商品への参入を行ってまいります。 ③組織改革 当社は事業部の壁を超え、迅速で柔軟な事業展開ができる体制の構築を目指しております。その実現のため、これまでの4つの商品群からなるSBU(戦略的ビジネスユニット)制を廃止し、2025年4月から機能別の体制へ改編をすることとしました。経営環境が大きく変化する中、機能別の体制を敷くことにより、戦略立案と実行、意思決定の迅速化や適正なリソース配分の実現を加速させ、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。 ④医療機器事業の展開 子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイスは、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。 ⑤サステナビリティに関する取組 「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」をパーパスに掲げ、利益を追求するだけでなく、当社のステークホルダーの方々と協力し、社会への貢献を目指しております。 当社ではサステナビリティ課題の解決に向け、2030年に向けたビジョン「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、重点方策を定め、KPIに落とし込んで活動を継続しております。脱炭素社会と循環型社会を目指した企業活動、安心して働ける活気ある職場づくり、公正・公平な取引と信頼関係の向上、ガバナンス強化による安定した組織運営をESG Visionに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取組を、中長期的な視点で着実に実行してまいります。 ⑥資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取組は以下の3件です。  1.3年間における累計自己株式取得300億円 2.3年間における年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更  今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が永年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する  <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、インフレ率の上昇や金利の引き上げ、米国追加関税政策や地域紛争等の地政学リスクが及ぼす世界情勢への影響が懸念されております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格の高騰や中国経済の成長の鈍化等の要因から不透明感が継続しております。 (3) 経営方針 これまで当社は、自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。ファスナー部品、燃料系部品、駆動系部品、開閉機構部品の4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトいたします。 (4)対処すべき課題 ①商品戦略 当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。特に注力していく商品として、先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーなどがあり、新真岡工場(栃木県)を中心とした大型成形機の導入など、設備投資も積極的に進めてまいります。  ②地域・顧客戦略 地域別にメリハリをつけ、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進めていきます。海外では、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。米国では、生産体制見直しと製造現場における省人化の推進、中国では現地自動車関連メーカーの開発スピードに負けない体制づくり、特に成長が期待できるインドでは、生産能力増強のため、第2工場の建設を計画し、ADAS関連商品など付加価値の高い商品への参入を行ってまいります。 ③組織改革 当社は事業部の壁を超え、迅速で柔軟な事業展開ができる体制の構築を目指しております。その実現のため、これまでの4つの商品群からなるSBU(戦略的ビジネスユニット)制を廃止し、2025年4月から機能別の体制へ改編をすることとしました。経営環境が大きく変化する中、機能別の体制を敷くことにより、戦略立案と実行、意思決定の迅速化や適正なリソース配分の実現を加速させ、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。 ④医療機器事業の展開 子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイスは、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。 ⑤サステナビリティに関する取組 「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」をパーパスに掲げ、利益を追求するだけでなく、当社のステークホルダーの方々と協力し、社会への貢献を目指しております。 当社ではサステナビリティ課題の解決に向け、2030年に向けたビジョン「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、重点方策を定め、KPIに落とし込んで活動を継続しております。脱炭素社会と循環型社会を目指した企業活動、安心して働ける活気ある職場づくり、公正・公平な取引と信頼関係の向上、ガバナンス強化による安定した組織運営をESG Visionに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取組を、中長期的な視点で着実に実行してまいります。 ⑥資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取組は以下の3件です。  1.3年間における累計自己株式取得300億円 2.3年間における年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更  今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、社会・経済の正常化が進み景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、経済活動が活発になる中、終わりの見えない地域紛争などの地政学的リスクの高まりなど、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、一部の自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響により生産台数が減少し、また、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフトなど、依然として厳しい状況が続いております。 このような需要環境のもと当社グループといたしましては、お取引先からのニーズを確実に捕捉し、日系のお取引先に加え非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進いたしました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して15,951百万円減少し、105,464百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して211百万円増加し、13,683百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して16,162百万円減少し、91,781百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度における売上高は63,351百万円(前期比1.9%減)、営業利益は2,382百万円(前期比49.9%減)、経常利益は3,402百万円(前期比39.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,792百万円(前期比55.3%減)となりました。  セグメントの業績は、次のとおりであります。 (自動車関連等) 米国や中国をはじめ新興国市場等にグローバルに拡販活動を積極的に推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は58,178百万円と前期比△1,623百万円(△2.7%)の減収となりました。一方利益面においては、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による限界利益の減少や労務費上昇等により、営業利益は3,095百万円と前期比△2,789百万円(△47.4%)の減益となりました。 (医療機器) 拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,172百万円と前期比423百万円(8.9%)の増収となりました。一方利益面においては、増収による限界利益の増加に加え、合理化活動を推進した結果、営業利益は328百万円と前期比283百万円(631.3%)の増益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益3,402百万円及び減価償却費4,353百万円等の収入要因があり、有形固定資産の取得による支出4,552百万円及び配当金の支払額3,472百万円等の支出要因により、前連結会計年度末と比較して5,486百万円(前期末比22.2%増)増加し、当連結会計年度末には30,236百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は8,124百万円(前期比2.9%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は3,340百万円(前期は8,573百万円の使用)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、定期預金の払戻による収入の増加及び有形固定資産の取得による支出の減少等によるものであります。  なお、営業活動により得られたキャッシュ・フローと投資活動により使用したキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは11,465百万円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は6,469百万円(前期比37.8%増)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、自己株式の取得による支出の増加等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比自動車関連等58,22796.9%医療機器5,152106.3%合計63,38097.6% (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(2)受注実績 当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の販売実績等を参考とした見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比自動車関連等58,17897.3%医療機器5,172108.9%合計63,35198.1% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.単独で売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末時点での状況を基礎に連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与えるような項目・事象について見積りを行ないますが、これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる基準を設定して継続的に実施しております。なお、当連結会計年度末におきましては、材料の供給問題・価格高騰、経済活性化に伴う輸送コストの増加やエネルギーコストの高騰等による影響について、翌連結会計年度以降も一定の影響が継続するという前提に基づいて、足元の実績をもとに当初の事業計画値に反映し会計上の見積りとしております。しかし実際の結果は、見積りには不確実性が伴うため、これらの見積りとは異なる場合があります。 (固定資産の減損処理) 当社グループは原則として、事業用資産については管理会計上の区分を基にグルーピングを実施し、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行って、減損兆候の判定に基づき、必要に応じて帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 (投資有価証券の減損処理) 当社グループは、保有する有価証券について、市場価格のない株式等以外のものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施しております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は64,398百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,664百万円減少しました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、現金及び預金や売掛金の減少等によるものであります。固定資産は41,066百万円となり、前連結会計年度末と比較して13,287百万円減少いたしました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、投資有価証券の減少等によるものであります。 この結果、総資産は105,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,951百万円減少いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は12,218百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,776百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、未払金の増加等によるものであります。固定負債は1,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,564百万円減少いたしました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、繰延税金負債の減少等によるものであります。 この結果、負債合計は13,683百万円となり、前連結会計年度末と比較して211百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は91,781百万円となり、前連結会計年度末と比較して16,162百万円減少となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、利益剰余金の減少等によるものであります。 この結果、自己資本比率は85.8%(前連結会計年度末は87.5%)となりました。 2)経営成績 当連結会計年度における、わが国の経済は、社会・経済の正常化が進み、景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、経済活動が活発になる中、終わりの見えない地域紛争などの地政学的リスクの高まりによって、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、一部の自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響により生産台数が減少し、また、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフトなど、依然として厳しい経営環境が続いております。 このような需要環境のもと、当社グループといたしましては、お取引先からのニーズを確実に捕捉し、日系のお取引先に加え、非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進しましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による影響を大きく受け、売上高は63,351百万円(前年同期は64,551百万円、1.9%減)と前期比△1,200百万円の減収となりました。セグメント別では、自動車関連事業は米国や中国をはじめ新興国市場等にグローバルに拡販活動を積極的に推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は58,178百万円(前年同期は59,802百万円、2.7%減)と前期比△1,623百万円の減収となりました。医療機器事業は、拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,172百万円(前年同期は4,749百万円、8.9%増)と前期比423百万円の増益となりました。 一方利益面におきましては、より一層の合理化を推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による限界利益の減少や労務費の上昇等により、営業利益は2,382百万円(前年同期は4,756百万円、49.9%減)と前期比△2,373百万円の減益となりました。セグメント別では、自動車関連等事業は、3,095百万円(前年同期は5,885百万円、47.4%減)と前期比△2,789百万円の減益となりました。医療機器事業は、328百万円(前年同期は44百万円、631.3%増)と前期比283百万円の増益となりました。 また経常利益は3,402百万円(前年同期は5,650百万円、39.8%減)と前期比△2,247百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,792百万円(前年同期は4,013百万円、55.3%減)と前期比2,220百万円の減益となりました。 3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、当社グループの資金につきましては、単体及びグループ全体でも月商売上高の6ヶ月以上の現金同等物を有しており、主として換金が容易であるため充分な流動性をもって事業活動を行っておりますが、今後不測の事態が生じた場合には、コミットメントライン21.5億円の実行と併せ、固定費の圧縮等に努め、挽回策を講じていく所存であります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界的なインフレや地政学リスクが高まる中、米国の保護主義政策や中国の経済対策が世界経済に与える影響が懸念されています。当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、中国市場では中国系自動車メーカーの台頭による、日系自動車メーカーの販売不振が続いております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格などのコストの高騰等の要因、為替の動向など、経営環境は不透明感が継続しております。 自動車関連をコア事業とする当社は、これまで自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトすることを決定いたしました。今後は、当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。また、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進め、海外では日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。コスト高への対策としては、更なる合理化と併せ、価格転嫁も継続してまいります。 グローバル供給体制の最適化に向け、現地生産、現地調達も推進してまいります。 2024年11月に資本政策を見直し致しました。資本効率を改善し、企業価値を向上させるため、中期経営計画(2024~2026年度)の中で、3年累計自己株式取得300億円、3年間配当金92円以上維持を掲げております。 c.資本の財源及び資金の流動性資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための費用等の販管費が主な内容であります。 投資活動については、新規対応・自動化及び生産性向上等を目的とした設備投資と金型投資及び国内リニューアル投資が主な内容となります。財務政策 当社グループは現在、運転資金・設備資金とも内部資金で充当しております。 また、不足が生じた場合に備えて、21.5億円のコミットメントラインを設定しております。 d.経営上の目標の達成・進捗状況 2024年度は、連結売上高633億円、連結営業利益23億円となり、2024年度目標としておりました連結売上高635億円、連結営業利益24億円に対し、減収減益となりました。 2025年度につきましては、日本経済は、2024年度に引き続き、エネルギー価格の高騰や物価上昇等による個人消費や経済活動への影響が懸念されます。世界経済では景気停滞や中国経済の減速、地域紛争等による地政学リスクの長期化、原材料費、エネルギー価格の高止まりが見込まれるなど、先行き不透明な状況が継続すると予想されます。このような環境下の中で業績予想といたしましては、内外カーメーカーに対するグローバル拡販の更なる推進を図る一方で、全社一丸となって合理化活動を推進することにより、連結売上高630億円、連結営業利益29億円を見込んでおります。 今後は電動化の推進により、当社製品群の一部である燃料系部品等の売上が減少することが想定されますが、それを補うべく、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。

事業リスク

  • 自動車産業の動向への依存:売上の90%以上が自動車産業向けであり、特に日系自動車メーカーの生産販売動向に大きく左右されます。中国やタイでの販売低迷、EVシフトの加速、米国追加関税政策などが業績に影響を与える可能性があります。自動車産業の構造変化や競争激化は、収益性の低下につながるリスクがあります。
  • 特定取引先への高い依存度:日産自動車グループへの販売比率が高いため、日産自動車グループの生産販売動向が直接的に業績に影響を及ぼします。特定の顧客に依存しすぎると、その顧客の業績悪化や方針変更が自社の経営に大きな打撃を与える可能性があります。取引先の多角化が重要な課題です。
  • 海外事業と為替変動リスク:北米、欧州、アジアなど広範な地域で事業を展開しているため、各国の政治・経済情勢、予期せぬ法律・規制の変更、地政学リスク、貿易摩擦などが業績に影響を与える可能性があります。また、海外事業の収益は円換算されるため、為替レートの変動が連結業績や財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,196 文字
3【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 当社は、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める所存であります。 なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において、当社グループ及び当社経営者が判断したものであります。(1) 自動車産業の動向 当社グループの売上は、その90%超が自動車産業向けのものであり、なかでも日系自動車メーカーを主要な取引先としていることから、当社グループの業績は日系自動車メーカーの生産販売動向に影響を受けます。この動向に関係する事象として中国やタイにおける日系OEMの販売低迷やEV車のシェア増加、米国追加関税政策などがあります。また、自動車業界の競争激化が進んでおり、当社グループとしては、合理化による原価低減並びに製品構成の高付加価値化により、製品価格引下げが収益性低下につながらないよう努力いたしております。しかし、サプライヤー間の競争上、収益性を低下させる原材料費や物流費、エネルギー費用などの増加、製品価格の引下げを実施せざるを得ない可能性があり、その場合には当社の収益にも影響することが考えられます。当社としては、今後も取引先との連携を強化し、リスク管理を実施してまいります。 また今後、カーボンニュートラル実現に向けた取組が急速に進む自動車産業において、CASEに対応した商品の開発、特に電動化対応商品の需要が高まる反面、燃料系部品、駆動系部品などの一部の製品で需要が減退する可能性があります。当社グループはこの受注減のリスクを打ち返すべく、「商品開発部」「MIRAI開発部」「最適開発推進部」を統括する「商品開発本部」を設立し、全社レベルで開発を推し進める体制を整備しております。高付加価値製品の技術開発を推進し、急成長が見込めるCASE新分野での活動を具体化し、CASE対応商品の受注拡大を目指してまいります。(2) 特定取引先への依存 当社グループは、日産自動車、そのグループ会社及びこれらに対する部品サプライヤー向け販売の売上に占める比率が高く、当社業績は日産自動車グループの生産販売動向に大きく影響を受けます。そのため、自動車生産台数だけに頼らない経営を目指します。実現に向けた施策の1つとして、2025年4月付でこれまでの商品群別の事業部制を廃止し、機能別の組織体制へ改編いたしました。機能別の体制を敷くことで、戦略の立案、意思決定の迅速化を図り、当社グループの持続的な成長につなげてまいります。また、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販活動に注力し、引き続き取引先の多角化に努めてまいります。 (3) 品質関連 当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。全ての製品について欠陥がなく、不良品が発生しない製造を行っておりますが、不良品が発生した場合は製品回収費用並びに取引先に対する費用の補填などのコストが発生するリスクがあります。特に販売先である自動車メーカーのリコールにつながる製品の欠陥は多額なコスト負担が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす事があります。そのため、国内外の品質の監理を担う「品質監理室」と「品質保証部」を統括した「品質保証本部」を2025年4月に新設いたしました。品質マネジメントシステムに沿った保証体制を構築することで、品質をさらに向上させ、リコールを発生させないような体制を整えております。(4) 海外事業に潜在するリスク 当社グループは、北米・欧州並びにアジア地域で事業展開をしており、これらの海外市場の事業展開において以下に挙げるいくつかのリスクが内在しております。米国の追加関税政策などの地政学的リスクによる事業影響についても今後注視していく必要があります。 ① 予期しない法律又は規制の変更 ② 不利な政治又は経済要因 ③ 潜在的に不利な税影響 ④ 地政学リスクによる社会的混乱 ⑤ 諸外国同士による貿易摩擦 これらの事項が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、海外事業に係る現地通貨建ての会計項目は、連結財務諸表作成のために円換算されていますので、為替相場の変動が業績及び財務状況に影響を及ぼします。(5) 知的財産保護の限界 当社グループは、知的財産に関する法律及び契約上の規制に基づき一定の固有財産権を確立し、保護するための措置を講じております。しかしながら、知的財産を保護するための措置は技術の不正流用の防止、第三者による類似技術の開発、もしくは取得の抑止等の防止には十分でないことが、判明する可能性があります。 結果として、当社グループの技術の不正流用、第三者による類似技術開発及び権利侵害のクレームへの関与が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、知的財産権に知見を有する部門を設置しリスクの未然防止を図る体制を整えています。 (6) 原材料の価格高騰・調達難 当社グループの製品は、原材料の大部分と一部の部品を外部より調達しておりますが、価格高騰や需給逼迫、調達先の不慮の事故等により、原材料・部品不足が生じ、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクが存在します。そのため、調達先との安定的な取引関係維持に努めております。 (7) 物流の混乱と物流費高騰 地域紛争等の世界情勢の混乱や異常気象に伴い、流通の混乱が発生しております。一部混乱は解消されつつあり、物流費の高騰も収まりつつありますが、北米・欧州並びにアジア地域で事業展開している当社グループの業績に影響を及ぼすリスクが存在します。 物流費高騰への対策として、当社グループは物流合理化をさらに強化してまいります。 (8) 環境規制 自動車部品業界は、広範囲な環境その他の法的規制の適用を受けております。燃費、安全性及び生産工場からの汚染物質レベル等規制が広範囲に渡っております。その規制の変更等により、規制を遵守するための費用が発生する可能性があることから、常に情報収集及び法規対応に取り組んでおります。 (9) 人財の確保 当社グループの成長には、有能な人財を採用・育成し、雇用の維持を図ることが重要であると考えております。近年、労働市場における人財獲得競争は、ますます激しくなってきており、従業員の高齢化やダイバーシティ対応への遅れにより、多様性が確保できなかった場合や有能な人財を採用、育成できなかった場合、企業の発展が阻害されるリスクがあります。当社グループでは、「パイオラックスグループ人財基本方針」を制定し、多様な人財の確保と育成に積極的に取組、新たな発想力による企業発展を目指しております。 (10) 自然災害、感染症等 国内のみならず全世界的に予期せぬ大規模な自然災害や感染症が発生した場合、原材料の調達を含む製品の製造や物流、販売活動に被害が出ることにより、当社の業績に影響を与えるリスクがあります。そのため事業継続計画(BCP)を策定し、リスクの未然防止を図る体制を整え、日常のリスク体制強化にも取り組んでいます。 (11) 情報セキュリティ関連 当社グループは、情報システムに様々なセキュリティ対策を講じておりますが、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、情報システム等に障害が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流失した場合は、事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、年々多様化、巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベル向上の取組を進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、定期的な教育・訓練を通じ、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。 (12) 為替レートの変動 当社グループの海外売上高比率は約6割を占め、為替変動は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。将来における為替相場の変動に伴うリスクの軽減を図るため、為替予約を行っております。しかしながら想定を超える急激な為替変動により、当社グループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (13) 気候変動等による影響 気候変動が事業に与える影響について、シナリオ分析を通じてリスクと機会を特定し、対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下のリスクが顕在化する可能性があります。 ①気候変動によるリスク(移行リスク) 短中期においては、製造工程の脱炭素化に向けた設備投資、各国の環境規制への対応コスト、カーボンニュートラル達成に向けたエネルギーコスト等の増加リスクがあります。中長期においては、炭素税の導入やエネルギー転換による原材料費、輸送費の高騰、自動車業界におけるCASE動向、特に電動化の加速による既存製品の受注減等のリスクがあります。(物理リスク) 中長期においては、異常気象によるサプライチェーンの分断、工場・倉庫の操業停止、修繕コストの増加、エネルギー供給の不安定化等のリスクがあります。 ②リスクへの対応策(移行リスク) 短中期におけるリスクへの対応策として、生産性向上を目的とした真岡工場リニューアルや徹底した省エネ施策等に取り組んでおります。中長期においては、環境配慮原材料の採用、地産地消化による調達コストの削減、CASE対応製品の開発及び販売を実施しております。(物理リスク) 地産地消化の拡大による在庫コストの圧縮、サプライチェーンの多極化や原材料の標準化による安定調達、工場や倉庫のレジリエンス強化に向けたインフラ整備等を実施しております。

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