経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が永年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、インフレ率の上昇や金利の引き上げ、米国追加関税政策や地域紛争等の地政学リスクが及ぼす世界情勢への影響が懸念されております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格の高騰や中国経済の成長の鈍化等の要因から不透明感が継続しております。 (3) 経営方針 これまで当社は、自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。ファスナー部品、燃料系部品、駆動系部品、開閉機構部品の4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトいたします。 (4)対処すべき課題 ①商品戦略 当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。特に注力していく商品として、先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーなどがあり、新真岡工場(栃木県)を中心とした大型成形機の導入など、設備投資も積極的に進めてまいります。 ②地域・顧客戦略 地域別にメリハリをつけ、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進めていきます。海外では、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。米国では、生産体制見直しと製造現場における省人化の推進、中国では現地自動車関連メーカーの開発スピードに負けない体制づくり、特に成長が期待できるインドでは、生産能力増強のため、第2工場の建設を計画し、ADAS関連商品など付加価値の高い商品への参入を行ってまいります。 ③組織改革 当社は事業部の壁を超え、迅速で柔軟な事業展開ができる体制の構築を目指しております。その実現のため、これまでの4つの商品群からなるSBU(戦略的ビジネスユニット)制を廃止し、2025年4月から機能別の体制へ改編をすることとしました。経営環境が大きく変化する中、機能別の体制を敷くことにより、戦略立案と実行、意思決定の迅速化や適正なリソース配分の実現を加速させ、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。 ④医療機器事業の展開 子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイスは、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。 ⑤サステナビリティに関する取組 「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」をパーパスに掲げ、利益を追求するだけでなく、当社のステークホルダーの方々と協力し、社会への貢献を目指しております。 当社ではサステナビリティ課題の解決に向け、2030年に向けたビジョン「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、重点方策を定め、KPIに落とし込んで活動を継続しております。脱炭素社会と循環型社会を目指した企業活動、安心して働ける活気ある職場づくり、公正・公平な取引と信頼関係の向上、ガバナンス強化による安定した組織運営をESG Visionに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取組を、中長期的な視点で着実に実行してまいります。 ⑥資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取組は以下の3件です。 1.3年間における累計自己株式取得300億円 2.3年間における年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が永年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、インフレ率の上昇や金利の引き上げ、米国追加関税政策や地域紛争等の地政学リスクが及ぼす世界情勢への影響が懸念されております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格の高騰や中国経済の成長の鈍化等の要因から不透明感が継続しております。 (3) 経営方針 これまで当社は、自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。ファスナー部品、燃料系部品、駆動系部品、開閉機構部品の4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトいたします。 (4)対処すべき課題 ①商品戦略 当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。特に注力していく商品として、先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーなどがあり、新真岡工場(栃木県)を中心とした大型成形機の導入など、設備投資も積極的に進めてまいります。 ②地域・顧客戦略 地域別にメリハリをつけ、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進めていきます。海外では、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。米国では、生産体制見直しと製造現場における省人化の推進、中国では現地自動車関連メーカーの開発スピードに負けない体制づくり、特に成長が期待できるインドでは、生産能力増強のため、第2工場の建設を計画し、ADAS関連商品など付加価値の高い商品への参入を行ってまいります。 ③組織改革 当社は事業部の壁を超え、迅速で柔軟な事業展開ができる体制の構築を目指しております。その実現のため、これまでの4つの商品群からなるSBU(戦略的ビジネスユニット)制を廃止し、2025年4月から機能別の体制へ改編をすることとしました。経営環境が大きく変化する中、機能別の体制を敷くことにより、戦略立案と実行、意思決定の迅速化や適正なリソース配分の実現を加速させ、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。 ④医療機器事業の展開 子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイスは、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。 ⑤サステナビリティに関する取組 「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」をパーパスに掲げ、利益を追求するだけでなく、当社のステークホルダーの方々と協力し、社会への貢献を目指しております。 当社ではサステナビリティ課題の解決に向け、2030年に向けたビジョン「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、重点方策を定め、KPIに落とし込んで活動を継続しております。脱炭素社会と循環型社会を目指した企業活動、安心して働ける活気ある職場づくり、公正・公平な取引と信頼関係の向上、ガバナンス強化による安定した組織運営をESG Visionに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取組を、中長期的な視点で着実に実行してまいります。 ⑥資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取組は以下の3件です。 1.3年間における累計自己株式取得300億円 2.3年間における年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、社会・経済の正常化が進み景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、経済活動が活発になる中、終わりの見えない地域紛争などの地政学的リスクの高まりなど、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、一部の自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響により生産台数が減少し、また、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフトなど、依然として厳しい状況が続いております。 このような需要環境のもと当社グループといたしましては、お取引先からのニーズを確実に捕捉し、日系のお取引先に加え非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進いたしました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して15,951百万円減少し、105,464百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して211百万円増加し、13,683百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して16,162百万円減少し、91,781百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度における売上高は63,351百万円(前期比1.9%減)、営業利益は2,382百万円(前期比49.9%減)、経常利益は3,402百万円(前期比39.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,792百万円(前期比55.3%減)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (自動車関連等) 米国や中国をはじめ新興国市場等にグローバルに拡販活動を積極的に推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は58,178百万円と前期比△1,623百万円(△2.7%)の減収となりました。一方利益面においては、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による限界利益の減少や労務費上昇等により、営業利益は3,095百万円と前期比△2,789百万円(△47.4%)の減益となりました。 (医療機器) 拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,172百万円と前期比423百万円(8.9%)の増収となりました。一方利益面においては、増収による限界利益の増加に加え、合理化活動を推進した結果、営業利益は328百万円と前期比283百万円(631.3%)の増益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益3,402百万円及び減価償却費4,353百万円等の収入要因があり、有形固定資産の取得による支出4,552百万円及び配当金の支払額3,472百万円等の支出要因により、前連結会計年度末と比較して5,486百万円(前期末比22.2%増)増加し、当連結会計年度末には30,236百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は8,124百万円(前期比2.9%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は3,340百万円(前期は8,573百万円の使用)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、定期預金の払戻による収入の増加及び有形固定資産の取得による支出の減少等によるものであります。 なお、営業活動により得られたキャッシュ・フローと投資活動により使用したキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは11,465百万円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は6,469百万円(前期比37.8%増)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、自己株式の取得による支出の増加等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比自動車関連等58,22796.9%医療機器5,152106.3%合計63,38097.6% (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(2)受注実績 当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の販売実績等を参考とした見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比自動車関連等58,17897.3%医療機器5,172108.9%合計63,35198.1% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.単独で売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末時点での状況を基礎に連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与えるような項目・事象について見積りを行ないますが、これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる基準を設定して継続的に実施しております。なお、当連結会計年度末におきましては、材料の供給問題・価格高騰、経済活性化に伴う輸送コストの増加やエネルギーコストの高騰等による影響について、翌連結会計年度以降も一定の影響が継続するという前提に基づいて、足元の実績をもとに当初の事業計画値に反映し会計上の見積りとしております。しかし実際の結果は、見積りには不確実性が伴うため、これらの見積りとは異なる場合があります。 (固定資産の減損処理) 当社グループは原則として、事業用資産については管理会計上の区分を基にグルーピングを実施し、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行って、減損兆候の判定に基づき、必要に応じて帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 (投資有価証券の減損処理) 当社グループは、保有する有価証券について、市場価格のない株式等以外のものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施しております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は64,398百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,664百万円減少しました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、現金及び預金や売掛金の減少等によるものであります。固定資産は41,066百万円となり、前連結会計年度末と比較して13,287百万円減少いたしました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、投資有価証券の減少等によるものであります。 この結果、総資産は105,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,951百万円減少いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は12,218百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,776百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、未払金の増加等によるものであります。固定負債は1,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,564百万円減少いたしました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、繰延税金負債の減少等によるものであります。 この結果、負債合計は13,683百万円となり、前連結会計年度末と比較して211百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は91,781百万円となり、前連結会計年度末と比較して16,162百万円減少となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、利益剰余金の減少等によるものであります。 この結果、自己資本比率は85.8%(前連結会計年度末は87.5%)となりました。 2)経営成績 当連結会計年度における、わが国の経済は、社会・経済の正常化が進み、景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、経済活動が活発になる中、終わりの見えない地域紛争などの地政学的リスクの高まりによって、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、一部の自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響により生産台数が減少し、また、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフトなど、依然として厳しい経営環境が続いております。 このような需要環境のもと、当社グループといたしましては、お取引先からのニーズを確実に捕捉し、日系のお取引先に加え、非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進しましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による影響を大きく受け、売上高は63,351百万円(前年同期は64,551百万円、1.9%減)と前期比△1,200百万円の減収となりました。セグメント別では、自動車関連事業は米国や中国をはじめ新興国市場等にグローバルに拡販活動を積極的に推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は58,178百万円(前年同期は59,802百万円、2.7%減)と前期比△1,623百万円の減収となりました。医療機器事業は、拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,172百万円(前年同期は4,749百万円、8.9%増)と前期比423百万円の増益となりました。 一方利益面におきましては、より一層の合理化を推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による限界利益の減少や労務費の上昇等により、営業利益は2,382百万円(前年同期は4,756百万円、49.9%減)と前期比△2,373百万円の減益となりました。セグメント別では、自動車関連等事業は、3,095百万円(前年同期は5,885百万円、47.4%減)と前期比△2,789百万円の減益となりました。医療機器事業は、328百万円(前年同期は44百万円、631.3%増)と前期比283百万円の増益となりました。 また経常利益は3,402百万円(前年同期は5,650百万円、39.8%減)と前期比△2,247百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,792百万円(前年同期は4,013百万円、55.3%減)と前期比2,220百万円の減益となりました。 3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、当社グループの資金につきましては、単体及びグループ全体でも月商売上高の6ヶ月以上の現金同等物を有しており、主として換金が容易であるため充分な流動性をもって事業活動を行っておりますが、今後不測の事態が生じた場合には、コミットメントライン21.5億円の実行と併せ、固定費の圧縮等に努め、挽回策を講じていく所存であります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界的なインフレや地政学リスクが高まる中、米国の保護主義政策や中国の経済対策が世界経済に与える影響が懸念されています。当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、中国市場では中国系自動車メーカーの台頭による、日系自動車メーカーの販売不振が続いております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格などのコストの高騰等の要因、為替の動向など、経営環境は不透明感が継続しております。 自動車関連をコア事業とする当社は、これまで自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトすることを決定いたしました。今後は、当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。また、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進め、海外では日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。コスト高への対策としては、更なる合理化と併せ、価格転嫁も継続してまいります。 グローバル供給体制の最適化に向け、現地生産、現地調達も推進してまいります。 2024年11月に資本政策を見直し致しました。資本効率を改善し、企業価値を向上させるため、中期経営計画(2024~2026年度)の中で、3年累計自己株式取得300億円、3年間配当金92円以上維持を掲げております。 c.資本の財源及び資金の流動性資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための費用等の販管費が主な内容であります。 投資活動については、新規対応・自動化及び生産性向上等を目的とした設備投資と金型投資及び国内リニューアル投資が主な内容となります。財務政策 当社グループは現在、運転資金・設備資金とも内部資金で充当しております。 また、不足が生じた場合に備えて、21.5億円のコミットメントラインを設定しております。 d.経営上の目標の達成・進捗状況 2024年度は、連結売上高633億円、連結営業利益23億円となり、2024年度目標としておりました連結売上高635億円、連結営業利益24億円に対し、減収減益となりました。 2025年度につきましては、日本経済は、2024年度に引き続き、エネルギー価格の高騰や物価上昇等による個人消費や経済活動への影響が懸念されます。世界経済では景気停滞や中国経済の減速、地域紛争等による地政学リスクの長期化、原材料費、エネルギー価格の高止まりが見込まれるなど、先行き不透明な状況が継続すると予想されます。このような環境下の中で業績予想といたしましては、内外カーメーカーに対するグローバル拡販の更なる推進を図る一方で、全社一丸となって合理化活動を推進することにより、連結売上高630億円、連結営業利益29億円を見込んでおります。 今後は電動化の推進により、当社製品群の一部である燃料系部品等の売上が減少することが想定されますが、それを補うべく、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。