5986

モリテック スチール(5986)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 鋼材の販売と加工
    モリテック スチールは、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)や普通鋼などの鋼材を販売する商事部門と、それらを加工して製品にする部門を持つ企業グループです。具体的には、焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む)の製造販売や、コードリール、ゼンマイなどの鈑金加工品の製造販売を行っています。これらの製品は、自動車、家電、農業機械といった耐久消費財の幅広い分野で利用されており、多岐にわたる産業を支える基盤素材を提供しています。
  • 海外展開と現地加工
    同社グループは、日本国内だけでなく、タイ、中国、ベトナム、インドネシア、メキシコに子会社を展開し、グローバルに事業を行っています。これらの海外子会社では、日本からの鋼材輸出の販売代理業務に加え、現地での鋼材加工販売も手掛けています。特にメキシコ子会社では自動車部品の製造販売も行っており、各国の需要に合わせたきめ細やかなサービスと製品提供を通じて、国際的な競争力を高めています。
  • 多様な製品と顧客層
    モリテック スチールは、特殊な性質を持つ鋼帯から一般的な鋼材、さらにそれらを加工した部品まで、幅広い製品ポートフォリオを持っています。これにより、自動車関連、家電、農業機械、工具、刃物など、多様な業界の顧客ニーズに対応しています。製品の用途が広汎であるため、特定の産業の景気変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しようとしていることがうかがえます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 金属材料事業
    この事業は、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)や普通鋼などの鋼材の販売を主とする商事部門と、鋼材加工販売を行う部門で構成されています。最新年度の売上高は362.94億円、営業利益は4.08億円と、同社グループの中で最も大きな売上規模を誇る基幹事業です。自動車、家電、農業機械など幅広い耐久消費財分野に素材を提供しており、グループ全体の収益を牽引しています。
  • 熱処理製品事業
    この事業は、特殊帯鋼を主原料とした焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む)の製造販売を行っています。焼入鋼帯は高い強度や耐久性が求められる製品に使用され、同社の技術力が活かされています。最新年度の売上高は15.16億円、営業利益は1.30億円であり、売上規模は他の事業に比べて小さいものの、技術的な専門性が高い製品を提供しています。
  • プレス加工製品事業
    この事業は、鈑金加工品(コードリール、ゼンマイを含む)の製造販売を行っています。最新年度の売上高は71.74億円、営業利益は6.45億円と、金属材料事業に次ぐ規模の売上と、グループ内で最も高い営業利益を上げており、収益性の高い事業であることがうかがえます。耐久消費財分野の多様なニーズに応える製品を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MetalMaterials 事業 363 4 1.1%
HeatTreatedProducts 事業 15 1 8.6%
PressWorkedProducts 事業 72 6 9.0%
Overseas 事業 55 1 1.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|743 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社9社で構成され、事業部門として、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)、普通鋼等を主とした鋼材の販売をする商事部門と、特殊帯鋼を主原料とした焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む。)を製造販売する焼入鋼帯部門及び鈑金加工品(コードリール、ゼンマイを含む。)を製造販売する鈑金加工品部門とがあり、需要分野はいずれも耐久消費財で広汎にわたっております。連結子会社としては、ジュタワン・モリテック(タイランド)株式会社(当社の貿易業務のうち、タイ国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、タイ国内向けの鋼材加工販売、及び家電、農業機械、自動車用の各部品の製造販売)、上海摩立特克鋼鉄商貿有限公司(当社の貿易業務のうち、中国国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、中国国内向けの鋼材加工販売)、モリテックスチール(ベトナム)会社(当社の貿易業務のうち、ベトナム国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、ベトナム国内向けの鋼材加工販売)、モリテックスチールインドネシア株式会社(当社の貿易業務のうち、インドネシア国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、インドネシア国内向けの鋼材加工販売)、モリテックスチールメキシコ株式会社(当社の貿易業務のうち、メキシコ国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、メキシコ国内向けの鋼材加工販売、及び自動車用の各部品の製造販売)、日輪鋼業株式会社(日本国内外向けの鋼材加工販売)、中川産業株式会社(普通鋼、ステンレス鋼、非鉄、その他一般鋼材、鉄鋼二次製品などの加工販売)、株式会社サンド(金属の二次加工)の8社があります。 事業の系統図は、次のとおりであります。 (注)非連結子会社1社については、重要性が乏しいため記載を省略しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要仕入先への依存度が高く、価格交渉力が弱い可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
特殊帯鋼の製造販売、焼入鋼帯の製造販売、鈑金加工品の製造販売には設備が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:自動車関連業界への売上依存 / 鋼材の仕入先への依存 / 固定資産の減損に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

モリテック スチールは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。汎用的な金属製品の製造・販売が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の仕様や品質を求める場合、サプライヤー変更に一定の手間やコスト(評価、テスト等)が発生する可能性がある。しかし、金属製品市場は競争が激しく、代替品も存在するため、スイッチング・コストは高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

モリテック スチールの事業は、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生む構造ではない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウや生産効率の改善努力により、一定のコスト競争力を維持している可能性がある。しかし、原材料価格の変動や、より大規模な競合他社とのコスト構造の差は大きいと考えられる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

金属製品業界において、一定の生産規模と販売網を有しており、効率的なオペレーションを実現している。しかし、業界全体で見ると、より巨大なグローバル企業や、特定のニッチ市場に特化した企業も存在し、絶対的な寡占状態ではない。

  • 特殊鋼帯の製造技術
    モリテック スチールは、みがき特殊帯鋼や熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯といった特殊な鋼材を主原料とした焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む)の製造販売に強みを持っています。これらの特殊鋼帯は、高い強度や耐久性が求められる自動車部品や精密機械部品などに使用され、同社の技術力が製品の品質と性能を支えています。長年の経験とノウハウが蓄積された製造技術は、競争優位性の一つと考えられます。
  • グローバルな供給体制
    同社グループは、日本に加え、タイ、中国、ベトナム、インドネシア、メキシコに子会社を持ち、鋼材の輸出販売代理業務や現地での加工販売を行っています。この多国籍な事業展開により、各国の顧客ニーズに迅速に対応できる供給体制を構築しています。特に自動車産業が盛んな地域での現地生産・販売は、顧客との密接な関係構築や物流コストの最適化に貢献している可能性があります。
  • 幅広い需要分野への対応
    モリテック スチールの製品は、自動車関連、家電、農業機械、工具、刃物など、非常に広範な耐久消費財分野で利用されています。これにより、特定の産業に依存しすぎることなく、多様な市場からの需要を取り込むことが可能です。幅広い顧客層と製品用途は、市場の変化に対する柔軟性を高め、安定した事業運営を支える要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人を大切にして、共に成長する会社つくり」という経営方針のもと、透明で公正な企業活動を通じて販売力の強化、システム(仕組み)の再構築を推進しております。当社は、特殊帯鋼の専門商社や各種産業機械向けの機能部品メーカーとして、価値提案型企業を目指しております。多様化するニーズに的確に対応し、環境にも配慮した独自性の高い商品、製品を提供することにより、信頼される企業として社会・経済の発展に寄与してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 今後のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな景気回復が期待されますが、欧米や中国を中心とした海外の景気減退、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の進行、 ロシア・ウクライナ情勢や中東問題、さらには米国の関税措置がもたらす影響、加えて100年に一度と言われる自動車業界の大変革期を迎えている等、依然として不透明な状況で推移するものと思われます。また、労働力不足を背景とした賃金上昇に伴う労務費負担の増加も企業活動に影響を及ぼすと考えております。  このような状況のもと、当社グループにおいては、資本コストと株価を意識した経営の実現に向け、自己資本利益率(ROE)8%以上に目標を見直し、収益力の向上に取り組んでまいります。各事業部門においては、次のような施策を行ってまいります。 特殊帯鋼、普通鋼、ステンレス鋼等の販売をしております商事部門については、2023年3月期に連結子会社化した中川産業株式会社とのシナジー効果を発揮させる取り組みを加速してまいります。特殊帯鋼の取り扱いと自動車産業向け販路に強みを持つ当社と、ステンレス鋼の取り扱いと家電・半導体向け販路に強みを持つ中川産業株式会社とは、商材や調達ルートで相互補完関係にあるだけではなく、双方の業界への販路拡大が期待できます。加えて、鋼材のスリット加工を内製化するなどグループ一体となった競争力の強化に努めてまいります。 焼入鋼帯部門については、海外メーカーとの競争が激しくなる中、円安を追い風とした海外マーケットの新規創出と国内向け販路拡大を進めてまいります。 鈑金加工品部門については、労務費や動力費、原材料価格の上昇分を販売価格に転嫁し、適正価格での販売を図ってまいります。また、引き続き変動費や経費の削減に努め、原価の低減に取り組んでまいります。加えて、今後も自動車産業においてはEV化の進展が予想され、内燃機関系自動車部品を取り巻く環境は、さらに厳しさを増すことが見込まれます。このような環境の変化を踏まえ、国内外での生産能力の適正化を進めるとともに、拡大するEV需要へ迅速に対応するなど、事業構造改革を加速してまいります。かねてより、けいはんなR&Dセンターを研究開発拠点として、次世代自動車領域への開発部門を設置し新製品の開発に注力しており、多様なニーズに応えたEV充電器のバリエーションを増やすことで大手需要家からの受注も着実に増加しております。今後さらに顧客発掘に努め、EV充電器に付帯する分野の製品開発にも取り組み、需要の取り込みを図ってまいります。また、日本政府は2030年に30万口のEV充電器の整備を目標にしておりますが、その10%以上のシェア獲得を目指し、拡販に努めてまいります。 海外事業については、米国の関税措置の影響が予想され、市場の変化に合わせ海外拠点を集約するなどの見直しを進めてまいります。また、新規需要開拓を積極的に推進し、拡販に努めてまいります。 また、2020年に設立70周年を迎えたことを機に、当社は、「3つのステージ」と呼ばれる成長戦略を掲げ、中長期の未来を見据えた取組みをスタートさせました。第1ステージは、足元を固め事業を再構築し成長への礎をつくるステージであります。第2ステージは、2030年に向けた環境配慮型の事業展開であり、EV充電器の拡充だけでなく、現有設備を活用した脱炭素に貢献する製品の取組みを推進いたします。第3ステージは、未来に向けての事業構想であり、2040年に事業の柱となる独自技術開発の展開を目指してまいります。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、経営指標として資本に対する収益性である自己資本利益率(ROE)8%台を目標に収益力の向上に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人を大切にして、共に成長する会社つくり」という経営方針のもと、透明で公正な企業活動を通じて販売力の強化、システム(仕組み)の再構築を推進しております。当社は、特殊帯鋼の専門商社や各種産業機械向けの機能部品メーカーとして、価値提案型企業を目指しております。多様化するニーズに的確に対応し、環境にも配慮した独自性の高い商品、製品を提供することにより、信頼される企業として社会・経済の発展に寄与してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 今後のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな景気回復が期待されますが、欧米や中国を中心とした海外の景気減退、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の進行、 ロシア・ウクライナ情勢や中東問題、さらには米国の関税措置がもたらす影響、加えて100年に一度と言われる自動車業界の大変革期を迎えている等、依然として不透明な状況で推移するものと思われます。また、労働力不足を背景とした賃金上昇に伴う労務費負担の増加も企業活動に影響を及ぼすと考えております。  このような状況のもと、当社グループにおいては、資本コストと株価を意識した経営の実現に向け、自己資本利益率(ROE)8%以上に目標を見直し、収益力の向上に取り組んでまいります。各事業部門においては、次のような施策を行ってまいります。 特殊帯鋼、普通鋼、ステンレス鋼等の販売をしております商事部門については、2023年3月期に連結子会社化した中川産業株式会社とのシナジー効果を発揮させる取り組みを加速してまいります。特殊帯鋼の取り扱いと自動車産業向け販路に強みを持つ当社と、ステンレス鋼の取り扱いと家電・半導体向け販路に強みを持つ中川産業株式会社とは、商材や調達ルートで相互補完関係にあるだけではなく、双方の業界への販路拡大が期待できます。加えて、鋼材のスリット加工を内製化するなどグループ一体となった競争力の強化に努めてまいります。 焼入鋼帯部門については、海外メーカーとの競争が激しくなる中、円安を追い風とした海外マーケットの新規創出と国内向け販路拡大を進めてまいります。 鈑金加工品部門については、労務費や動力費、原材料価格の上昇分を販売価格に転嫁し、適正価格での販売を図ってまいります。また、引き続き変動費や経費の削減に努め、原価の低減に取り組んでまいります。加えて、今後も自動車産業においてはEV化の進展が予想され、内燃機関系自動車部品を取り巻く環境は、さらに厳しさを増すことが見込まれます。このような環境の変化を踏まえ、国内外での生産能力の適正化を進めるとともに、拡大するEV需要へ迅速に対応するなど、事業構造改革を加速してまいります。かねてより、けいはんなR&Dセンターを研究開発拠点として、次世代自動車領域への開発部門を設置し新製品の開発に注力しており、多様なニーズに応えたEV充電器のバリエーションを増やすことで大手需要家からの受注も着実に増加しております。今後さらに顧客発掘に努め、EV充電器に付帯する分野の製品開発にも取り組み、需要の取り込みを図ってまいります。また、日本政府は2030年に30万口のEV充電器の整備を目標にしておりますが、その10%以上のシェア獲得を目指し、拡販に努めてまいります。 海外事業については、米国の関税措置の影響が予想され、市場の変化に合わせ海外拠点を集約するなどの見直しを進めてまいります。また、新規需要開拓を積極的に推進し、拡販に努めてまいります。 また、2020年に設立70周年を迎えたことを機に、当社は、「3つのステージ」と呼ばれる成長戦略を掲げ、中長期の未来を見据えた取組みをスタートさせました。第1ステージは、足元を固め事業を再構築し成長への礎をつくるステージであります。第2ステージは、2030年に向けた環境配慮型の事業展開であり、EV充電器の拡充だけでなく、現有設備を活用した脱炭素に貢献する製品の取組みを推進いたします。第3ステージは、未来に向けての事業構想であり、2040年に事業の柱となる独自技術開発の展開を目指してまいります。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、経営指標として資本に対する収益性である自己資本利益率(ROE)8%台を目標に収益力の向上に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等もあり、景気は緩やかに回復の動きが見られるものの、通商政策などアメリカの政策動向による影響や、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響等、景気の見通しは依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。このような状況の下、国内市場におきましては、回復傾向にあるものの、コロナ禍前の水準までには戻っておらず、伸び悩んでいることや、一部メーカーでは販売が大きく落ち込んでいることなど、当社グループを取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。また、海外市場におきましても、特に中国関連事業が急速なEVシフトや価格競争の激化、新排ガス規制に対応した生産調整等により業績に大きな影響を与えております。加えて、製造経費や販管費などのコスト削減に全社一丸となって取り組んで参りましたが、物価上昇による影響も受けております。この結果、当連結会計年度の売上高は504億9千8百万円と前連結会計年度比0.5%減少しましたが、営業利益につきましては3億9千6百万円と前連結会計年度比52.4%増加しました。経常利益は3億2千2百万円と前連結会計年度比26.9%減少し、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては3億2千9百万円と前連結会計年度比5.5%の増加となりました。  当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。 (a) 商事部門特殊帯鋼、普通鋼等を販売しております商事部門は、主力顧客の自動車向けや家電需要の調整が続き、半導体需要も回復が緩やかであること等により、売上高は362億9千4百万円と前連結会計年度比2.0%減少し、セグメント利益(営業利益)は4億8百万円と前連結会計年度比11.6%の減少となりました。 (b) 焼入鋼帯部門、鈑金加工品部門焼入鋼帯を製造販売しております焼入鋼帯部門につきましては、輸出を中心とした自動車関連部品や刃物の在庫調整もあり、売上高は15億1千6百万円と前連結会計年度比2.2%減少し、セグメント利益(営業利益)は原材料価格の高騰により、1億3千万円と前連結会計年度比13.9%の減少となりました。鈑金加工品を製造販売しております鈑金加工品部門につきましては、主力販売先である自動車業界向けの売上高が微減したこと等により、売上高は71億7千4百万円と前連結会計年度比1.6%減少し、人件費や物流費の上昇等により、セグメント利益(営業利益)は6億4千4百万円と前連結会計年度比11.9%の減少となりました。 (c) 海外事業海外事業につきましては、一部地域での新規受注部品の生産開始などにより、売上高は55億1千4百万円と前連結会計年度比12.2%増加し、生産効率の向上や品質の改善に努めたこと等により、セグメント利益(営業利益)は7千9百万円(前年同期は3億8千2百万円の損失)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より8億3千9百万円減少し、47億9千9百万円となりました。 当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を5億7千3百万円、非資金項目である減価償却費7億4千7百万円を計上したほか、売上債権の減少12億7千2百万円、仕入債務の減少16億7百万円、法人税等の支払い1億5千2百万円、棚卸資産の増加15億8千9百万円等により、17億5千9百万円の資金減少となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出5億5千1百万円、投資有価証券の取得による支出2千5百万円等により、3千1百万円の資金増加となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入13億6千7百万円、長期借入れによる収入2億5千万円、長期借入金の返済による支出7億4千9百万円、配当金の支払い8千9百万円等により、6億9千6百万円の資金増加となりました。  ③生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)焼入鋼帯部門1,629,8851.7鈑金加工品部門8,781,317△0.1海外事業4,082,35060.1合計14,493,55212.0 (注) 金額の算定基準は販売価格によっております。 (b) 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称及び品目仕入高(千円)前年同期比(%)商事部門特殊帯鋼14,601,35515.5普通鋼19,772,523△3.1その他1,279,22728.5合計35,653,1054.8 (注) 金額は実際仕入額で算出したものであります。 (c) 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)焼入鋼帯部門1,672,68113.8435,10744.7鈑金加工品部門5,915,074△5.91,553,851△4.5海外事業4,185,30216.3410,36211.9合計11,773,0583.82,399,3204.6 (d) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称及び品目販売高(千円)前年同期比(%)商事部門特殊帯鋼21,236,6382.4普通鋼13,524,198△9.8その他1,533,36219.2小計36,294,198△2.0焼入鋼帯部門1,516,040△2.2鈑金加工品部門7,174,085△1.6海外事業5,514,33812.2合計50,498,662△0.5 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度売上高(千円)割合(%)売上高(千円)割合(%)第一金属株式会社3,354,4366.63,322,2146.6株式会社エクセディ2,229,0374.42,297,6314.5株式会社今仙電機製作所738,1451.52,012,3204.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は263億6千2百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金48億6千9百万円、受取手形、売掛金及び契約資産73億9千万円、商品及び製品51億8千万円であります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は101億6千3百万円となりました。主な内訳は、土地23億8千5百万円、建設仮勘定7千7百万円を含む有形固定資産66億4千3百万円、投資有価証券26億3千7百万円であります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は189億4千9百万円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金84億5千万円であります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は29億6千4百万円となりました。主な内訳は、長期借入金11億6千7百万円、退職給付に係る負債8億9千8百万円であります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は146億1千1百万円となりました。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は前連結会計年度に比べ2億7千6百万円減少し、504億9千8百万円(前年同期比0.5%減)となりました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は1億3千6百万円増加し、3億9千6百万円(前年同期比52.4%増)となりました。売上高営業利益率は、製造原価の削減などの要因により、前連結会計年度比0.3ポイント増加し、0.8%となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は1億1千8百万円減少し、3億2千2百万円(前年同期比26.9%減)となりました。売上高経常利益率は、為替差損計上などの要因により、前連結会計年度比0.3ポイント減少となりました。また、為替差損計上などの要因により、売上高営業利益率から0.2%減少し、0.6%となりました。 (自己資本利益率)当連結会計年度における自己資本利益率(ROE)は、目標の5%に対し、2.3%となりました。今後、高付加価値の製品群の受注拡大に取組み、その構成比を上げるとともに、拡大するEV需要の取り込みを図ってまいります。 (c) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造に使用する原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修に係る投資資金であります。 資金調達については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応しております。 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

事業リスク

  • 自動車業界への依存度
    モリテック スチールの製品は、自動車関連、家電、農業機械など幅広い業界に販売されていますが、売上高に占める自動車業界への割合が比較的高くなっています。そのため、自動車業界の生産動向や主要取引先(第一金属、エクセディ、今仙電機製作所など)の事業方針や経営施策が、同社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  • 鋼材仕入先の集中
    同社グループは、主に日本製鉄株式会社の販売代理店である株式会社メタルワンから多くの鋼材を仕入れています。仕入高に占めるメタルワンの割合が高いため、将来的にメタルワンの供給体制に変化が生じた場合、鋼材の安定的な調達に支障をきたし、同社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替変動の影響
    モリテック スチールは、海外事業展開や輸出入取引において外貨建て決済を行っており、海外子会社間での貸付も実施しています。為替予約などでリスク軽減に努めていますが、急激な為替相場の変動が発生した場合、外貨建て資産や負債の評価額が変動し、同社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,120 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 自動車関連業界への売上について当社グループの製品商品の販売先は、自動車関連、家電、農業機械、工具、刃物等の広い業界にわたっておりますが、売上高に占める自動車業界への割合が相対的に高くなっており、当社グループの業績は自動車業界における生産動向の影響を受ける可能性があります。また、主な取引先としては、第一金属株式会社、株式会社エクセディ、株式会社今仙電機製作所があります(4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、③生産、受注及び販売の実績、(d) 販売実績の(注)2をご参照ください。)。主な取引先の事業方針、経営施策により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 鋼材の仕入先について当社グループは、主として、日本製鉄株式会社の販売代理店である株式会社メタルワンより多くの鋼材を仕入れており、仕入高に占める割合が高くなっております。今後の供給体制に変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 固定資産の減損に関するリスク当社グループは、多額の固定資産を所有しており、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産グループについて、経営環境の変化などにより資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見込額が減少、あるいは、資産グループの時価の著しい下落等の要因により、固定資産の減損処理が必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 為替相場の変動について当社グループは、海外における事業展開や輸出入取引等で外貨建て決済を行っております。また、効率的な資金運用の観点から、海外子会社間で貸付も行っております。為替予約等により為替相場の変動リスクを軽減するよう努めておりますが、急激な為替変動があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 有利子負債への依存度について当社グループは、運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、2025年3月期末の総資産額に占める有利子負債比率は17.5%となっております。現状は借り換えを含め順調に資金調達がなされておりますが、財務体質の悪化や、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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