事業の概要
- 自動車部品の製造販売ジーテクトグループは、日本、北米、欧州、アジア、中国、南米といった世界各地で自動車部品の製造と販売を行っています。主に完成車メーカーや関連部品メーカーに製品を供給しており、自動車産業のサプライチェーンの一翼を担っています。国内外の幅広い地域で事業を展開することで、特定の市場に依存しすぎない事業構造を目指しています。
- グローバルな生産体制国内では当社が直接自動車部品を製造販売する一方、海外の顧客に対しては、北米、欧州、アジア、中国、南米にある現地の子会社や関連会社が当社の技術支援を受けて製造販売を行っています。これにより、各地域のニーズに合わせた製品供給と効率的な生産体制を構築しています。
- 生産設備のグループ内供給自動車部品の製造に必要な金型や治工具といった生産設備は、主に当社とタイのG-TEKT (Thailand) Co., Ltd.、中国のAuto Parts Alliance (China) Ltd.がグループ内で供給しています。これにより、生産設備の品質管理を徹底し、グループ全体の生産効率と技術力の向上に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 北米地域が最大の売上北米地域は売上高1,253.05億円、営業利益50.25億円と、ジーテクトグループの中で最も大きな売上を誇る地域です。これは、北米市場における自動車生産規模の大きさや、現地完成車メーカーとの強固な取引関係を反映していると考えられます。グループ全体の収益に大きく貢献する主要な稼ぎ頭です。
- 日本地域も重要な収益源日本地域は売上高608.84億円、営業利益56.65億円と、北米に次ぐ売上規模を持ち、営業利益ではグループ内で最も高い数字を記録しています。これは、国内の自動車メーカーとの安定した取引基盤と、効率的な生産体制が確立されていることを示唆しています。技術開発や生産設備の供給拠点としての役割も担っています。
- 中国地域の収益性課題中国地域は売上高575.03億円と大きな市場規模を持つ一方で、営業利益は-1.45億円と赤字を計上しています。これは、中国市場における競争激化や、生産コストの増加、あるいは特定の顧客の生産変動などが影響している可能性があります。今後の収益改善が課題となる地域です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 609 | 57 | 9.3% |
| NorthAmerica | 地域 | 1,253 | 50 | 4.0% |
| Europe | 地域 | 372 | 29 | 7.8% |
| Asia | 地域 | 402 | 16 | 3.9% |
| China | 地域 | 575 | -1 | -0.3% |
| SouthAmerica | 地域 | 181 | 12 | 6.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社20社及び持分法適用関連会社1社により構成され、日本、北米、欧州、アジア、中国、南米における自動車用部品の製造販売を主な事業内容としております。 国内得意先向けには当社が自動車用部品を製造販売し、海外得意先向けの製造販売は、北米、欧州、アジア、中国、南米において現地の子会社及び関連会社が当社からの技術援助を受け行っております。金型・治工具等の生産設備は主に当社及びG-TEKT (Thailand) Co., Ltd.及びAuto Parts Alliance (China) Ltd.がグループ内に供給しております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 特定の販売先への依存がある一方で、価格競争力のある開発提案による営業戦略を展開。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 軽量・高強度な車体部品の開発・製造、車体一台分解析技術、新素材加工・接合技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化 / 自動車のEV化 / 特定の販売先への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ジーテクトは自動車部品メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開情報からは確認できない。技術力は存在するが、それが特許等で保護され、競合優位性を確立するほどの無形資産となっているかは不明確。
スイッチングコスト★★☆☆☆
自動車部品サプライヤーとして、自動車メーカーとの長年の取引関係や、特定の部品仕様への適合性から、一定のスイッチング・コストは存在する。しかし、自動車メーカーは複数のサプライヤーを確保する傾向があり、完全なロックイン効果は限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ジーテクトの事業モデルは、ユーザー数が増えることで製品やサービスの価値が増大するネットワーク効果を生むものではない。BtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。
コスト優位★★☆☆☆
金属加工技術や生産効率の向上により、コスト競争力を維持しようとしていると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、グローバルな競合他社との価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性は限定的と推測される。
規模の経済★★★☆☆
自動車部品業界において、一定の生産規模と技術力を有しており、主要な自動車メーカーに部品を供給している。特にステアリングコラム分野では世界でもトップクラスのシェアを持つとされており、効率規模の経済性が一定程度働いていると考えられる。
- グローバルな事業展開ジーテクトは日本、北米、欧州、アジア、中国、南米と世界各地に拠点を持ち、自動車部品の製造販売を行っています。これにより、特定の地域市場の変動リスクを分散し、多様な顧客基盤を構築しています。各地域の完成車メーカーや関連部品メーカーに製品を供給することで、安定的な事業運営を目指しています。
- 技術支援による連携強化海外の子会社や関連会社は、当社からの技術援助を受けて製造販売を行っています。これにより、グループ全体で統一された高い技術水準を維持しつつ、現地のニーズに合わせた製品開発や生産が可能です。技術的な連携は、製品品質の向上と効率的な生産体制の構築に貢献しています。
- 生産設備の内製化推進金型や治工具といった生産設備を主に当社および一部の海外子会社がグループ内で供給しています。これにより、外部への依存度を低減し、生産設備の開発から製造までのリードタイムを短縮できる可能性があります。また、独自の生産技術を蓄積し、競争優位性を高めることにもつながります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、次の経営理念とそれらを実現するための経営ビジョン(当社の進むべき方向性)を策定し、これらの経営方針とビジョンの下、グローバル競争に打ち勝つ企業規模と展開力を実現し、安全・環境に即した先進技術の追求を通じ、車体部品とトランスミッション部品の専門メーカーとして世界TOPを目指し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。<経営理念>社是・人間性尊重・技術革新・堅実経営 行動指針・愛情と相互信頼をモットーに自己啓発に努めよう・先進技術を追求し良質廉価な製品を提供しよう・自主性をもち英知と機敏さで社会に貢献しよう <経営ビジョン> 情熱と革新を融合させ人とクルマと地球のより良い未来をかたちづくる (2)経営指標 当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、自己資本に対する収益性を高めること、そのために、売上・利益の持続的な拡大を図ること、そして株主還元による株主価値の向上を目指しています。 健全な財務体質を維持向上するため、自己資本比率は50%以上を維持すること、同時に、資本効率の面では自己資本利益率(ROE)10%以上を目指します。そのためには、安定した利益成長が求められます。当社は売上・利益の拡大を図るため、売上高成長率及び売上高営業利益率の向上を目指します。目標として、2030年度に売上高4,000億円、営業利益280億円、営業利益率7.0%を目指します。また、設備産業の特性から、売上拡大のための設備投資と資産は効率性を重視し、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)の向上を目指します。 また、当社グループは、株主の利益向上を経営の重要課題のひとつとしています。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、安定的・継続的な株主還元を実施し、目標値として2031年3月期に株主資本配当率(DOE)を3.0%とするとともに、配当性向を2025年3月期から30%以上とすることを基本方針としています。 (3)会社の対処すべき課題 大変革期のただ中にある自動車業界にあって、事業会社としての生き残りを賭けて、当社グループでは以下の課題に重きを置いた取り組みを推進してまいります。 ① 車体領域のシステムサプライヤー(Tier 0.5)への進化 自動車の電動化は、当初の想定よりも速度が鈍化しているものの、長期的には引き続き進展が見込まれており、自動車業界各社は、EVとして競争力ある車両開発や電池、モーターといった新たな領域の開発に工数を割くと同時に、世界各地で新たな調達網(サプライチェーン)の構築を進めています。これらの多大な工数を賄うために、完成車メーカーは外部リソースとしてのサプライヤーの活用を拡大することが想定されています。当社はこれを商機と捉え、これまで培った車体一台分解析技術と生産技術を駆使すると共に、外部とのアライアンスを積極的に検討、活用することで、一次メーカーと称される現在の「Tier 1」サプライヤーから一つ上のステージである「Tier 0.5」に進化し、開発から量産までを完成車メーカーから一括受注する「車体領域のシステムサプライヤー」としての事業モデルを確立することを目指しています。 現在、開発連携、材料・設備調達、生産能力補完の観点から、企業間のアライアンス、すなわちジーテクトネットワークを構築し、必要な体制を確立する取り組みを推進しています。その例として、技術力・開発力のさらなる強化を目的に、外部の各専門メーカーやエンジニアリングサービスプロバイダーと協力しています。これにより増強されたリソースをもとに、東京都に所在する自社拠点の実証ラインにて複数のEV関連技術を実証しています。また、材料メーカーやアルミダイキャストメーカーとの協業では、当社の戦略製品である「大型一体化製品」の開発効率を飛躍的に向上させています。 今後も外部アライアンスの強化を継続するとともに、早期の事業化に向けて引き続き取り組んでまいります。 ② スマートファクトリーの具現化 自動車の電動化は、当社の商品である車体部品の造りを大きく変え、生産方式、ひいては工場の在り方の変革を伴う可能性を秘めています。次世代の工場では、これまで以上の生産性と信頼性を備えた高度かつ緻密な管理が求められており、これを実現するためのデジタル技術の活用が必須となっています。また、昨今の製造業における若者離れや少子化等を背景とする労働人口の減少への対策として、生産工場の無人化も急務となっています。当社では、生産ラインの自動化、自動検査システムの導入、現場から収集したビッグデータの活用等により、工場の無人化を図るとともに、ものづくりの根幹である品質と生産性を飛躍的に高めるための取り組みを進めています。 先行する事例として、新工場として新たに稼働を開始した中部工場(岐阜県)及び南沙工場(中国・広東省)では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を前提とした最先端のテクノロジーを導入し、生産ラインの無人化に加え、AGV(無人搬送車)・AGF(無人搬送フォークリフト)の導入と自動倉庫システムとの連動による構内物流の無人化に取り組んでいます。 当社におけるスマートファクトリー化への取り組みは、まだ道半ばですが、今後は、生産・検査の自動化によって得られた膨大なデータをクラウド上で一元管理し、生産を最適化することで、さらなる体質変革に繋げてまいります。例えば、生産状況をリアルタイムで把握し、在庫数を適切な水準に保ち、顧客からの納入変更指示にも即座に対応して生産計画を柔軟に組み替えたりするなど、無駄のない最適な生産状態を維持できる体制の構築を目指します。 さらに将来的には、工場内でボトルネックとなっている工程を特定し、生産効率の改善につなげるなど、ビッグデータをAIが分析・最適化することで、工場自体が知能を持った「究極のスマートファクトリー」を具現化し、世界のグループ各社に水平展開することで、グループ全体での品質向上・収益向上を図ってまいります。 ③ 人的資本への投資 「人間性尊重」の社是に基づき、人財こそ最も重要な経営資源と位置づけ、人財育成方針に「すべての社員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップを支援すること」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財を創出すること」を掲げ、社員とともに当社が成長するための取り組みを推進しています。 車体領域のシステムサプライヤー(Tier 0.5)への進化やスマートファクトリーの具現化といった喫緊の課題に対処するためには、既存技術を継承しながらもデジタル化技術を積極的に取り入れ発展させることと、その技術を活かしグローバルに変革することができる多様な人財が不可欠です。 当社では、人財の多様性向上に関する各種指標を設定し、目標達成に向けて予実管理に努めています。 そして、多様な人財の能力拡大・伸長のために、社員の成長と新たな挑戦への支援として、「管理職育成プログラム」、「業務遂行スキル向上」、「自主的で継続的な学びの支援」の3つのテーマを掲げ、それぞれの従業員に適した各種の教育研修・学習支援プログラムを提供しています。また、次世代経営陣の育成のため、サクセッションプランを企図した育成計画を基に、対象者に対し、育成時点での業務アサインに加え、役員に必要な知識に関する教育プログラムの提供を予定しています。 また、昨今の人財の流動化への対応として、従業員の定着化を目的とした人事制度の整備、福利厚生の充実、「健康経営」の推進・拡充等の「働きやすさ」の向上のみならず、従業員一人ひとりが「働きがい」や「ジーテクトで働く意義・メリット」を実感できることが重要であるという認識の下、経営層とのコミュニケーション強化、管理職層の研修拡充や若手層へのヒアリングによるマッチングの実施等のエンゲージメント向上施策を強化・推進しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、次の経営理念とそれらを実現するための経営ビジョン(当社の進むべき方向性)を策定し、これらの経営方針とビジョンの下、グローバル競争に打ち勝つ企業規模と展開力を実現し、安全・環境に即した先進技術の追求を通じ、車体部品とトランスミッション部品の専門メーカーとして世界TOPを目指し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。<経営理念>社是・人間性尊重・技術革新・堅実経営 行動指針・愛情と相互信頼をモットーに自己啓発に努めよう・先進技術を追求し良質廉価な製品を提供しよう・自主性をもち英知と機敏さで社会に貢献しよう <経営ビジョン> 情熱と革新を融合させ人とクルマと地球のより良い未来をかたちづくる (2)経営指標 当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、自己資本に対する収益性を高めること、そのために、売上・利益の持続的な拡大を図ること、そして株主還元による株主価値の向上を目指しています。 健全な財務体質を維持向上するため、自己資本比率は50%以上を維持すること、同時に、資本効率の面では自己資本利益率(ROE)10%以上を目指します。そのためには、安定した利益成長が求められます。当社は売上・利益の拡大を図るため、売上高成長率及び売上高営業利益率の向上を目指します。目標として、2030年度に売上高4,000億円、営業利益280億円、営業利益率7.0%を目指します。また、設備産業の特性から、売上拡大のための設備投資と資産は効率性を重視し、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)の向上を目指します。 また、当社グループは、株主の利益向上を経営の重要課題のひとつとしています。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、安定的・継続的な株主還元を実施し、目標値として2031年3月期に株主資本配当率(DOE)を3.0%とするとともに、配当性向を2025年3月期から30%以上とすることを基本方針としています。 (3)会社の対処すべき課題 大変革期のただ中にある自動車業界にあって、事業会社としての生き残りを賭けて、当社グループでは以下の課題に重きを置いた取り組みを推進してまいります。 ① 車体領域のシステムサプライヤー(Tier 0.5)への進化 自動車の電動化は、当初の想定よりも速度が鈍化しているものの、長期的には引き続き進展が見込まれており、自動車業界各社は、EVとして競争力ある車両開発や電池、モーターといった新たな領域の開発に工数を割くと同時に、世界各地で新たな調達網(サプライチェーン)の構築を進めています。これらの多大な工数を賄うために、完成車メーカーは外部リソースとしてのサプライヤーの活用を拡大することが想定されています。当社はこれを商機と捉え、これまで培った車体一台分解析技術と生産技術を駆使すると共に、外部とのアライアンスを積極的に検討、活用することで、一次メーカーと称される現在の「Tier 1」サプライヤーから一つ上のステージである「Tier 0.5」に進化し、開発から量産までを完成車メーカーから一括受注する「車体領域のシステムサプライヤー」としての事業モデルを確立することを目指しています。 現在、開発連携、材料・設備調達、生産能力補完の観点から、企業間のアライアンス、すなわちジーテクトネットワークを構築し、必要な体制を確立する取り組みを推進しています。その例として、技術力・開発力のさらなる強化を目的に、外部の各専門メーカーやエンジニアリングサービスプロバイダーと協力しています。これにより増強されたリソースをもとに、東京都に所在する自社拠点の実証ラインにて複数のEV関連技術を実証しています。また、材料メーカーやアルミダイキャストメーカーとの協業では、当社の戦略製品である「大型一体化製品」の開発効率を飛躍的に向上させています。 今後も外部アライアンスの強化を継続するとともに、早期の事業化に向けて引き続き取り組んでまいります。 ② スマートファクトリーの具現化 自動車の電動化は、当社の商品である車体部品の造りを大きく変え、生産方式、ひいては工場の在り方の変革を伴う可能性を秘めています。次世代の工場では、これまで以上の生産性と信頼性を備えた高度かつ緻密な管理が求められており、これを実現するためのデジタル技術の活用が必須となっています。また、昨今の製造業における若者離れや少子化等を背景とする労働人口の減少への対策として、生産工場の無人化も急務となっています。当社では、生産ラインの自動化、自動検査システムの導入、現場から収集したビッグデータの活用等により、工場の無人化を図るとともに、ものづくりの根幹である品質と生産性を飛躍的に高めるための取り組みを進めています。 先行する事例として、新工場として新たに稼働を開始した中部工場(岐阜県)及び南沙工場(中国・広東省)では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を前提とした最先端のテクノロジーを導入し、生産ラインの無人化に加え、AGV(無人搬送車)・AGF(無人搬送フォークリフト)の導入と自動倉庫システムとの連動による構内物流の無人化に取り組んでいます。 当社におけるスマートファクトリー化への取り組みは、まだ道半ばですが、今後は、生産・検査の自動化によって得られた膨大なデータをクラウド上で一元管理し、生産を最適化することで、さらなる体質変革に繋げてまいります。例えば、生産状況をリアルタイムで把握し、在庫数を適切な水準に保ち、顧客からの納入変更指示にも即座に対応して生産計画を柔軟に組み替えたりするなど、無駄のない最適な生産状態を維持できる体制の構築を目指します。 さらに将来的には、工場内でボトルネックとなっている工程を特定し、生産効率の改善につなげるなど、ビッグデータをAIが分析・最適化することで、工場自体が知能を持った「究極のスマートファクトリー」を具現化し、世界のグループ各社に水平展開することで、グループ全体での品質向上・収益向上を図ってまいります。 ③ 人的資本への投資 「人間性尊重」の社是に基づき、人財こそ最も重要な経営資源と位置づけ、人財育成方針に「すべての社員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップを支援すること」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財を創出すること」を掲げ、社員とともに当社が成長するための取り組みを推進しています。 車体領域のシステムサプライヤー(Tier 0.5)への進化やスマートファクトリーの具現化といった喫緊の課題に対処するためには、既存技術を継承しながらもデジタル化技術を積極的に取り入れ発展させることと、その技術を活かしグローバルに変革することができる多様な人財が不可欠です。 当社では、人財の多様性向上に関する各種指標を設定し、目標達成に向けて予実管理に努めています。 そして、多様な人財の能力拡大・伸長のために、社員の成長と新たな挑戦への支援として、「管理職育成プログラム」、「業務遂行スキル向上」、「自主的で継続的な学びの支援」の3つのテーマを掲げ、それぞれの従業員に適した各種の教育研修・学習支援プログラムを提供しています。また、次世代経営陣の育成のため、サクセッションプランを企図した育成計画を基に、対象者に対し、育成時点での業務アサインに加え、役員に必要な知識に関する教育プログラムの提供を予定しています。 また、昨今の人財の流動化への対応として、従業員の定着化を目的とした人事制度の整備、福利厚生の充実、「健康経営」の推進・拡充等の「働きやすさ」の向上のみならず、従業員一人ひとりが「働きがい」や「ジーテクトで働く意義・メリット」を実感できることが重要であるという認識の下、経営層とのコミュニケーション強化、管理職層の研修拡充や若手層へのヒアリングによるマッチングの実施等のエンゲージメント向上施策を強化・推進しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済については、高インフレの抑制を目的とした金融引締めが継続する中で底堅さを見せました。また、米国による関税措置や、世界的な労務費と物価の高騰、急激な為替変動の影響もあり、先行き不透明な状況です。自動車業界においては、電動化が進行する中で、BEV(バッテリーEV)のみならず多様な選択肢が見直されることとなり、ハイブリッド車とBEVがその主導的役割を果たしています。国内完成車メーカーにおいても、ハイブリッド車の継続生産と並行してBEV開発を加速させており、一部のBEVが量産段階へ移行し始めています。一方、中国完成車メーカーは、自国内での販売比率を伸張させるだけでなく、東南アジア市場においても存在感を高めています。当社はこのような環境の中、工場自体が知能を持って最適化を行う「スマートファクトリー」を目指し、生産・検査・物流を無人化させた中部工場・南沙工場の稼働を開始しました。開発領域では、クルマのシステムサプライヤー(Tier 0.5)に向けた取り組みの一つとして、既存の生産設備を活用しながら車体の構成部品数を削減できる大型一体化(モジュール化)製品の開発を推進しました。このような環境の中、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末より17,257百万円増加し、321,386百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末より10,294百万円増加し、109,029百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末より6,963百万円増加し、212,357百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の業績につきましては、売上高は339,233百万円(前期比1.6%減)、営業利益は16,380百万円(前期比0.8%増)、経常利益は17,529百万円(前期比7.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,440百万円(前期比6.0%減)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。なお、増減理由については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b. 経営成績の分析」のセグメントの業績をご参照ください。1)日本 売上高は、68,917百万円(前期比14.1%増)となり、営業利益は、5,665百万円(前期比24.3%増)となりました。2)北米 売上高は、125,761百万円(前期比5.2%増)となり、営業利益は、5,025百万円(前期比24.6%増)となりました。3)欧州 売上高は、37,520百万円(前期比3.3%増)となり、営業利益は、2,887百万円(前期比5.6%増)となりました。4)アジア 売上高は、40,259百万円(前期比17.8%減)となり、営業利益は、1,569百万円(前期比48.9%減)となりました。5)中国 売上高は、57,753百万円(前期比19.2%減)となり、営業損益は、145百万円の営業損失(前期は457百万円の利益)となりました。6)南米 売上高は、18,055百万円(前期比5.3%増)となり、営業利益は、1,237百万円(前期比0.9%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、31,201百万円となり、前連結会計年度に比べ1,645百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは22,540百万円の資金増加、投資活動によるキャッシュ・フローは30,045百万円の資金減少、財務活動によるキャッシュ・フローは、5,774百万円の資金増加となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本64,06125.6北米113,4324.5欧州21,7331.0アジア37,274△12.6中国54,439△19.3南米15,4312.4合計306,3720.0(注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本63,38510.317,65516.5北米126,2563.730,2283.2欧州38,3232.89,20113.3アジア41,549△16.110,38614.4中国56,311△16.412,579△8.7南米17,632△4.04,548△8.5合計343,459△2.484,6005.3(注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本60,88416.4北米125,3055.2欧州37,2443.3アジア40,239△17.8中国57,503△19.1南米18,0555.3合計339,233△1.6(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Honda Development & Manufacturingof America, LLC60,85417.763,79218.8本田技研工業㈱31,3049.133,5289.9(注)前連結会計年度及び当連結会計年度双方について、当該割合が100分の10未満の相手先は記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。 a.繰延税金資産 繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること等の理由で、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。マネジメントは、将来の利益計画に基づく課税所得の見積りは合理的に行われたものと考えておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 b.固定資産の減損 固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しております。将来キャッシュ・フローは、計画策定時における合理的な情報等を基礎として策定された事業計画に基づいております。この事業計画は、各種経済予測、顧客の生産計画などに関する経営者の判断に基づく仮定により影響を受け、半導体不足の影響によるサプライチェーンリスクが潜在する市場環境等、事業計画の前提とした条件や仮定には不確実性が含まれています。 マネジメントは、前提や検討は妥当なものと考えておりますが、市場環境等の変化により、事業計画の変更が生じた場合、将来キャッシュ・フローが減少することによって、減損処理が必要となる可能性があります。c.退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用 退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付に係る負債の割引率、年金資産の期待運用収益率等の仮定に基づいて算出しております。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有する優良社債の報告期間の期末日時点における市場利回りに基づいて決定し、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等に基づいて決定しております。マネジメントは割引率、年金資産の期待運用収益率に使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(資産合計) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ17,257百万円増加し、321,386百万円となりました。流動資産は、主に仕掛品が増加し、前連結会計年度と比べて8,512百万円増加の141,416百万円となりました。固定資産は、主に工具、器具及び備品、建設仮勘定並びに投資有価証券が減少した一方、建物及び構築物並びに機械装置及び運搬具が増加し、前連結会計年度と比べて8,744百万円増加の179,970百万円となりました。(負債合計) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末より10,294百万円増加し、109,029百万円となりました。流動負債は、主に短期借入金が増加し、前連結会計年度末と比べて8,841百万円増加の77,375百万円となりました。固定負債は、主に長期借入金が増加し、前連結会計年度末と比べて1,452百万円増加の31,654百万円となりました。(純資産合計) 主に、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末と比べて6,963百万円増加し、212,357百万円となりました。 b.経営成績の分析 当連結会計年度の業績は、南米セグメントにおける増産に加え、日本・北米・欧州セグメントにおいて金型・試作等の車種開発売上が増加しましたが、中国セグメントをはじめとした減産の影響により、売上高は339,233百万円(前期比1.6%減)となりました。利益につきましては、営業利益は、インフレによる人件費高騰等があったものの、車種開発の利益寄与により、16,380百万円(前期比0.8%増)となりました。経常利益は、円高等の為替影響により17,529百万円(前期比7.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上があったものの、中国事業の一部整理に伴う割増退職金等の計上等により、12,440百万円(前期比6.0%減)となりました。 受注生産台数(千台) 当連結会計年度の本田技研工業株式会社グループから受注した生産台数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)合計3,8033,296△507△13.3日本707693△14△2.0北米1,4251,399△26△1.8アジア421347△73△17.4中国1,173759△414△35.3南米77982126.9(注)上記数値は千台未満を四捨五入して表示しています。増減率は一台単位まで計算しています。 セグメントの業績は次のとおりであります。1)日本 売上高は、生産台数の減少があったものの、金型・試作等の車種開発売上の増加や得意先からの補償の計上により、68,917百万円(前期比14.1%増)となりました。営業利益は、インフレによる労務費の増加があったものの、車種開発売上の増加や補償の計上により、5,665百万円(前期比24.3%増)となりました。2)北米 売上高は、生産台数の減少があったものの、機種構成変動や金型・試作等の車種開発売上の増加により、125,761百万円(前期比5.2%増)となりました。営業利益は、インフレによる労務費の増加があったものの、量産売上の増加や車種開発売上の増加により、5,025百万円(前期比24.6%増)となりました。3)欧州 売上高は、生産台数の減少があったものの、金型・試作等の車種開発売上の増加及び為替影響により、37,520百万円(前期比3.3%増)となりました。営業利益は、車種開発売上の増加により、2,887百万円(前期比5.6%増)となりました。4)アジア 売上高は、生産台数の減少及び金型・設備等の車種開発売上の減少により、40,259百万円(前期17.8%減)となりました。営業利益は、量産売上及び車種開発売上の減少により、1,569百万円(前期比48.9%減)となりました。5)中国 売上高は、生産台数の激減により、57,753百万円(前期比19.2%減)となりました。営業損益は、生産台数減少による労務費の抑制や諸経費の削減があったものの、減収による影響が大きく、145百万円の営業損失(前期は457百万円の利益)となりました。6)南米 売上高は、材料単価が下落したものの、生産台数の増加及び金型・設備等の車種開発売上の増加により、18,055百万円(前期比5.3%増)となりました。営業利益は、ロイヤリティ負担の増加やインフレによる労務費の上昇があったものの、車種開発売上の増加や増産効果により、1,237百万円(前期比0.9%増)となりました。 c.キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ、1,645百万円減少し、31,201百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動のキャッシュ・フローは、22,540百万円の収入となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益17,269百万円、減価償却費19,456百万円です。前連結会計年度に対して、14,921百万円の収入減少となりました。主な要因は、売上債権の減少額の減少です。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動のキャッシュ・フローは、30,045百万円の支出となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による31,686百万円です。前連結会計年度に対して、847百万円の支出減少となりました。主な要因は、定期預金の払戻しによる収入の増加です。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動のキャッシュ・フローは、5,774百万円の収入となりました。主な収入は、短期借入金の純増8,763百万円、長期借入れ11,598百万円です。前連結会計年度に対して、22,153百万円の収入増加となりました。主な要因は、借入れの増加です。 (3)資本の財源及び資金の流動性a.資本政策 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、安定的・継続的な株主還元を実施し、目標値として2031年3月期までにDOE(株主資本配当率)を3.0%とするとともに、配当性向を2025年3月期から30%以上とすることを基本方針としております。 事業活動によって得られた資金は、まず、成長投資及び研究開発費に向けられます。敏速な投資実行と危機対応を可能にする自己資本の水準を維持するため、内部留保に充てられます。 b.資金調達の状況 当社グループは、運転資金及び設備投資資金を、内部資金又は借入により資金調達することとしています。運転資金需要は、新規車種開発に伴い得意先に売却予定の金型・専用設備等の制作費用、量産部品製造のための原材料、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などによるものです。 また、設備投資需要は、量産部品生産用汎用設備の取得や生産能力増強、あるいは新規生産拠点設立にかかる出資及び設備投資などによるものです。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、設備投資に関しては、将来の資金創出能力を見積もり、当該能力の範囲内で設備投資を行うことを基本としております。 短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としております。長期運転資金や設備投資資金は、金融機関からの長期借入を基本としています。2020年4月に株式会社格付投資情報センター(R&I)から信用格付「A-」を取得し、維持しております。今後、長短期の資金調達の多様化を図ってまいります。 海外子会社については、自己資金及び子会社が取引通貨、通貨の安定性等を勘案して最も適切な通貨で金融機関からの資金調達を基本としております。調達通貨の金利・為替の状況、子会社の財務状態等を勘案して、当社からの資金貸出を行うこともあります。 主要な借入先の状況(百万円)借入先前連結会計年度末当連結会計年度末増減額㈱三菱UFJ銀行17,77024,0566,286㈱三井住友銀行9,55710,249691㈱みずほ銀行4,8635,700837㈱埼玉りそな銀行1,1743,7282,554野村證券㈱2,0002,000-三井住友信託銀行㈱2,0381,177△860
事業リスク
- 市場環境の変化による影響ジーテクトは世界各国で事業を展開しており、各市場の景気後退や税制変更による消費者の購買意欲の低下は、自動車販売の減少に直結し、ジーテクトの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、中国市場の景気減速や欧州での自動車販売不振は、部品需要の減少につながる可能性があります。
- 気候変動・環境規制への対応世界的に温室効果ガス排出削減への意識が高まり、各国で環境規制が強化されています。ジーテクトがこれらの規制や脱炭素への要請に適切に対応できない場合、社会的評価の低下や事業機会の損失により、業績に影響が出る可能性があります。例えば、サプライチェーン全体での排出量削減が求められる中、対応が遅れると取引機会を失う可能性があります。
- 自動車のEV化への対応自動車業界では、脱炭素化の流れで電気自動車(EV)への転換が進んでいます。EVは従来のガソリン車と構造が異なるため、ジーテクトがEV向け部品の開発や工場改革に遅れをとると、受注を失い業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、EV化の速度が想定を下回った場合も、従来の部品生産計画に影響が出る可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあることを認識しております。 なお、以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。 リスクの分類リスクの項目リスクの説明リスクの対策事業環境市場環境の変化 当社グループは、日本、北米、中国及びその他のアジア地域、南米、欧州と、世界各国において事業を展開し、現地の完成車メーカー及び関連部品メーカーに対し製品を供給しております。これらの市場における景気後退による消費の低迷や税制変更による消費者の購買意欲の低下は、自動車の販売低下につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、事業展開をしている世界各国の市場の動向を注視し、設備投資の判断や適正な要員配置・経費管理等の面で迅速かつ的確な対応が取れるように努めております。気候変動・環境規制への対応 温室効果ガス排出等による温暖化の深刻な影響に対し、地球環境の保全を喫緊の課題として取り組むことが求められています。 各国が強化する環境規制や、ステークホルダーが求める脱炭素への事業を通じた貢献の要請に適切に対応できない場合、社会的評価の低下等による機会損失により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、「2050年度カーボンニュートラル」を目指し、生産時(Scope 1+2)における温室効果ガス排出量を省エネ施策の実行と再生可能エネルギー由来の電力への切り替えによって削減する取り組みを行っております。製品のライフサイクル(Scope 1~3)における温室効果ガス排出量は、購入した鋼板が大部分を占めていることから、より環境負荷の少ない方法で製造された鋼板への切り替えの検討に加えて、リサイクル性に優れたアルミ製品の開発と生産技術の確立に取り組んでおります。自動車のEV化 自動車業界では、脱炭素の実現のため、内燃機関の自動車からEVへの転換が進んでいます。 従来の自動車と駆動系等の構造を異にするEVの普及は、新規参入による事業拡大の機会となる一方で、従来の部品の需要や、工場のあり方そのものを大きく変える可能性があります。 研究開発・工場改革の遅延や頓挫等により、当社が適切に対応できない場合、受注を失い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、EVへの転換の速度が想定を下回る可能性もあり、その結果として国内外における動力源別の自動車生産及び販売比率が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社では、「EV関連事業の確立」を新経営戦略の一つとして掲げております。研究開発費・設備投資として2022年から10年間で700億円を投入するとともに、EV関連事業として売上高1,000億円以上、営業利益率8%以上を達成することを目指して研究開発及び営業活動を推進しております。 現在、これまで以上の生産性と信頼性を備えるスマートファクトリーの実現のため、製造工程に留まらない工場内物流も含めた工場の自動化を進めています。 また、当面はEVのほかに、ハイブリッド車等を含む多様な動力源の需要が相当程度見込まれます。当社では、自社製品が多様な動力源の自動車に適用されることを想定し、これまで培った車体一台解析技術と生産技術を駆使して、地域や製品に応じた外部とのアライアンスを新たに構築し、必要に応じて生産の外部委託を活用することで、開発から一括受注するクルマのシステムサプライヤー(Tier 0.5)への事業モデルの進化を目指しております。事業運営市場ニーズに基づく技術開発 市場ニーズの把握は、技術開発リソースの配分決定にとって重要な指標となるものですが、市場ニーズの変化を予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合や適時に提供できない場合、想定よりも需要が伸びなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、投資負担が当社グループの財政状態又は業績に影響を与える可能性があります。 国内に当社グループの研究開発・知財管理の中核拠点であるジーテクト東京ラボを置くとともに、北米(デトロイト)・欧州(ミュンヘン)に営業・技術・開発機能が一体となった営業・エンジニアリング拠点を設置しております。これらの拠点間の連携を強化することで、市場ニーズの把握に努めるとともに、欧州ESP(Engineering Service Provider)と協業して新たな技術の研究開発に取り組んでおります。新素材、新工法の普及 当社グループの取扱分野において新素材の普及が進んだ場合には、当社グループの製品と競合することとなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、ギガキャストの普及によって自動車の車体下側の部品の製法が大きく変わる可能性が示唆されており、将来的には、この工法の普及あるいは適用領域の拡大により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、従来の鋼板素材のみならず、欧州車を中心に採用が進むアルミ等の新素材の研究開発にも取り組んでおり、アルミのプレス加工については、量産技術を確立して欧州拠点にて生産を行っております。 また、ギガキャスト技術に代わる現時点の最適解として、他社との協業・共同開発の下でアルミダイキャスト技術やホットスタンプ技術を用いた大型一体化部品の製品化に向けた開発・研究と得意先への提案活動を推進しております。知的財産権 研究開発中の技術について他者が当社グループに先行して知的財産権を取得するなど、技術の権利化に劣後した場合には、製品化することができないことによる機会損失又は追加の費用の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、知的財産の管理に特化した専門の部署を設置し、知財戦略に基づいた知的財産権の調査・取得・管理を行っております。 新規事業領域の知的財産の取得状況を精査するとともに、これからのビジネスの流れを先取りした知的財産権の取得に注力して取り組んでいます。人財の確保 当社グループは、世界各国の拠点で従業員を採用して事業活動を行っておりますが、景気変動や少子化などの様々な要因による労働市場の逼迫や人事制度の構築・運用の失敗等により、優秀な人財の確保が困難となる恐れがあります。 人財の採用難あるいは流出は、従業員の育成や能力向上の機会を損なうものであり、ひいては人財不足による事業活動全般の停滞を招き、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、従業員の定着を図るため、人事制度の見直し・拡充による福利厚生・従業員待遇の改善や、体力・集中力を要する現場労働の自動化(機械化)による従業員の負荷低減等の施策を積極的に推進、展開しています。また、職場診断等の実施により、職場の現状を可視化し、働きやすい職場づくりのための施策立案につなげています。 これらの取り組みを通じて、国内外の多様な人財が自ら学び、考え成長することを支援する環境作りと企業風土の醸成に努めております。リスクマネジメント体制 当社グループは、海外において積極的な事業展開を図っております。これらの国、地域においては、それぞれに様々なリスクが存在し、一様ではありません。これらのリスクに対して当社グループが適切に対処できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、当社グループ全体でのリスク管理の重要性に鑑み、当社グループが進出している国ごとにリスクマップを作成しており、これに基づいて各子会社が最優先対応リスクを選定し、対策を推進しております。対策状況については、日本本社が定期的なモニタリングを実施し、グループ全体でのリスクと対策の共有を行っております。事業運営特定の販売先への依存 当社グループは、本田技研工業株式会社が総議決権の30%以上を所有しており、同社は当社のその他の関係会社に該当しているほか、連結売上高の概ね5割強を本田技研工業株式会社及びそのグループ会社が占めております。同社グループの国内外における生産及び販売の動向、事業戦略や購買方針等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、本田技研工業株式会社との長期にわたる緊密な取引関係を通じ、生産及び販売の見通し、事業戦略や購買方針に関する将来の方向性を共有し、自社グループの投資・事業戦略の判断に活用しております。 また、既存の取引先以外の取引先との取引を拡大するため、価格競争力のある開発提案による営業戦略を展開しており、これによって、特定の販売先への依存リスクの低減を図っております。品質 当社グループの製品について、予期できない品質問題が発生した場合には、コストの発生や当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、関連法規を遵守し、国際的な品質管理基準に従って設計・製造を行い、品質ガバナンスを徹底することで品質向上に努めるとともに、カメラ映像や画像解析技術を活用した品質保証を進め、生産ライン内部での精度・品質検査の実現により、品質の信頼性向上に取り組んでおります。 また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクトを通じて、グローバルでグループの品質情報を可視化し、モニタリングすることで、予知予防による管理を目指します。さらには、新たな事業領域であるEV関連部品事業にふさわしい品質保証体制の確立にも取り組んでおります。サプライチェーン 当社グループは、主要な部分品・購入品の調達について、当社グループ内外の調達先から供給を受けております。このため、感染症の拡大あるいは洪水等の天災等により、調達先の操業が停止することで、調達ができない状況が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、主要サプライヤーの操業停止リスクについて、ハザードマップを基に調査を実施して各社の災害復旧体制を把握するとともに、災害発生・感染症の拡大に伴うサプライヤーの操業停止に備えた代替先確保に取り組んでいます。 当社が金型の製作を委託する金型メーカーの中には、代替先の確保が困難な企業もありますが、金型製作のリードタイム短縮、工程分散をはかり、万一の際の物流確保などによるサプライチェーンの途絶リスクの低減・早期復旧を図っております。為替 当社グループは、国際的な事業展開の結果、本邦通貨に対する外貨の価値変動が当社グループの業績に影響します。当社グループの連結売上高の8割は海外子会社による現地生産であり、為替変動は本邦通貨への換算差額として、財政状態及び業績に影響があります。 また、海外の販売先に対し金型・治工具等の生産設備を販売するなど、一部の製品及び部品等を輸出しております。急激又は大幅な為替変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、製品及び部品の輸出に関して、為替予約等の手段で為替変動による影響の軽減を図っており、為替リスクに対する対策を行っております。事業運営租税 当社グループは、日本、北米、中国及びその他のアジア地域、南米、欧州と、世界各国において事業を展開しておりますが、各国の税制変更、移転価格税制、税務コンプライアンス問題等により、予期せぬ税負担の発生や、各種の訴訟対応等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、税務ポリシーを制定しております。事業活動を行うすべての国・地域において、租税に関する法令等を遵守し、適正な納税を通じ社会に貢献することを基本方針として、税務コンプライアンス意識の醸成に努め、税務当局との健全な関係構築の基づき、問題発生時には速やかに日本本社と現地子会社が連携して問題解決を図るガバナンス体制を構築しております。コンプライアンス 当社グループは国内外の広範な法令に従って事業活動を展開しており、万が一、役職員による法令等の違反があった場合には、各種の訴訟や規制当局の訴追により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、コンプライアンスオフィサーを委員長とするコンプライアンス小委員会が主導して、自己検証、コンプライアンスに関する研修、社内啓発、企業倫理改善提案内容のレビューなどを行っており、例えば不正競争防止や腐敗防止などに関するグループ共通の基本方針を策定し、従業員への周知展開を行うなど、法令及び社内規程を遵守する体制を構築しております。サイバーセキュリティ サイバー攻撃は日々巧妙化しており、エンドポイントの増加・多様化により防御範囲が拡大するとともに、攻撃者も変化していることから、侵入されることを前提とした新たな対策が必要となっております。万が一、当社が標的となった場合に、重要な業務の中断や機密データ等の流出等、当社の業績あるいは社会的イメージに影響を与える可能性があります。 当社グループでは、情報セキュリティ部門を中心として、サイバーセキュリティに関するルールの見直しや現場設備の棚卸を行っております。 さらには、日本本社を核として当社海外子会社に不正操作監視システム(EDR)を導入し、同システムによる監視を通じて、侵入されたとしても、不正操作・動作を即座に検知・遮断する体制をグループ全体で構築し、運用しています。感染症・自然災害、地政学リスク等感染症の発生 新たな感染症の発生・世界的な拡大への対応として、各国政府等の行動制限要請がなされること等により、世界経済や当社あるいは得意先・取引先の事業活動が停滞することで、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 当社グループでは、感染症の拡大に伴う操業停止中も支出が継続する労務費等の固定費に対して、日本本社等がグループ全体の手元流動性を確保する体制を整えております。 生産領域の自動化、工場・事務所のレイアウト見直しやリモートワーク、関係先とのオンラインの活用等により、感染リスクの低減を図っています。自然災害 当社グループは、国内外において工場を設け、プレス、溶接加工等の生産設備を活用し、現地で従業員を採用し、自動車部品の生産、販売を行っております。これらの生産、販売活動は大地震、洪水、津波、竜巻などの自然災害に影響される可能性があります。これらが発生した場合には、原材料や部品の調達、生産、販売に遅延や停止を生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント小委員会が主導して、従業員の安全確保を最優先として、リスクの把握・対策の実施・被害の最小化に向けた取り組みを継続的に行っています。具体的には、拠点ごとの自然災害の被害想定と、想定に基づく初動対応体制の整備、復旧計画の検討を通じ有事への備えをしております。地政学リスク 当社グループが進出する国、地域あるいはその周辺において、政情不安、国家間の政治的な緊張、戦争、紛争あるいはテロなどの地政学リスクが発生した場合、事業活動が制限、阻害され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、グループ間で各国地政学リスクの共有を強化する一方で、各地域の調達等の面での自律化を進め、収益面でのバランスも図ってまいります。