3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社50社及び公正価値で評価している子会社56社により構成されております(2025年12月31日時点)。 当社グループは設立以来、経営理念である「Trusted Investor=信頼できる資本家」を目指し、世界に通用する日本型企業改革、すなわち資本家たるファンドと経営者が強い信頼関係の下に協力し合う変革の実現に貢献することをミッションとして、PE投資事業を行ってまいりました。日本と世界の産業へ貢献できる領域を広げるため、PE以外への投資対象の拡大も進めてきており、新たなアセットクラスとして、2024年11月より不動産投資事業、2025年3月よりグローバルテック・グロース投資事業を開始しております。 報告セグメントである「PE投資事業」及び「不動産投資事業」の主な事業内容を以下に記載しております。報告セグメント名事業内容各事業における主なグループ会社名収益(2025年12月期)PE投資事業・PE投資事業・PE投資に付随する経営及び財務に関するコンサルティング業務インテグラル・パートナーズ株式会社13,335百万円不動産投資事業・不動産投資事業・不動産投資に関する助言・代理業務インテグラル・リアルエステート株式会社258百万円※グローバルテック・グロース投資事業は、当社グループ全体に占める事業規模が小さいため、報告セグメントとはしておりません。 (1) PE投資事業PE投資事業では、主に未公開株式会社への投資を目的として、ファンドを組成・運用しております。当社グループは、GPとしてPE投資ファンドの運用を行い、管理報酬を得るとともに、投資先企業への経営支援等を提供し、その経営に積極的に関与することで企業価値を高め、株式上場やトレードセール等のExitを図ることによって投資の成果であるキャピタルゲインや、ファンドの業績に応じて当社グループが受け取る分配であるキャリードインタレストを得ております。また、当社グループは、一定のルールの下にPE投資ファンドを通じての投資と併せてプリンシパル投資も行うことにより、収益機会の拡大を図っております。 当社のPE投資事業における特徴は以下のとおりです。 ①プリンシパル投資PE投資ファンドによる投資は、中堅中小企業の経営者から短期間での売却を企図した投資とみられて嫌気されることもあり、当社グループはこの状況を改善するため、ファンド投資(LP投資家から集めてきたファンド資金によるファンド経由の投資)と並行してプリンシパル投資(当社グループの自己資金による投資)を行っております。新規投資の実行にあたり、プリンシパル投資部分の投資期間を、ファンド投資部分の投資期間よりも長期に設定することにより、投資先企業の経営者やオーナーに対して、当社グループが安定株主として、より長期のコミットメントを示すことを企図しております。具体的には、ファンドによる投資先企業に対する投資(ファンド投資の原資となるファンド資金には、原則として2%相当の当社グループによるGP出資が含まれます。)に加えて、プリンシパル投資として、ファンド投資に係る投資額及びプリンシパル投資に係る投資額の合計額の一定割合(案件ごとに3%以上34%以下。また当該ファンドシリーズの全投資先に対するプリンシパル投資の総額はファンド投資及びプリンシパル投資による投資総額の20%以下。)を当社グループの自己資金により投資先企業に対して投資するものです。 ②常駐型のハンズオンによる経営支援(i-Engine)中堅企業の経営資源は一般的に限られており、多くの場合、人的・資金的な投資の不足や全体的なマネジメント力の不足などの制約に直面しており、経営・オペレーションの方法を改善するために具体的な業務支援を求めております。当社グループは、このように中堅企業が経営上のリソースの不足という問題を抱えていること自体が、当社グループによる価値創造の重要な機会となり得ると考えております。経営上のリソース不足に起因する課題の解決手段として、当社グループの投資プロフェッショナルを派遣し、当該課題の解決を図る機能を投資先に提供しております(i-Engineと呼称)。投資先企業の経営に直接参画するハンズオン型のファンドは珍しくないものの、当社のように役員派遣だけでなく、実務スタッフとして多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを投資実行後からExitまで、投資先企業に常駐させる手法を取るPE投資ファンドは稀であると認識しております。 ③幅広い投資機会への対応力国内のPE投資市場では、中堅中小企業における事業承継ニーズの高まりや、上場企業を中心とした企業改革への意識強化を背景に、良好な投資機会が増加していると認識しています。このような環境において、当社は、事業承継、非公開化(MBO)、非中核事業のカーブアウト等、様々な投資案件に対応して新規投資の機会を獲得しています。 a. 事業承継日本の多くの中小企業が後継者不在の状況に直面しております。事業承継を課題とする多くの企業で経営資源の充実や経営権変更による支援が必要となりますが、このような企業は長期的視点を持つパートナーを求めていることが多く、当社グループが独立系のPE投資ファンドであることや、当社グループによるファンド投資とプリンシパル投資を組み合わせた長期的投資のアプローチは、これまで投資を行ってきた投資先企業の経営者から高く評価されています。 b. 非公開化(MBO:Management Buy-out)一部の中堅上場企業においては、上場維持によるメリットと、アクティビスト等の外部株主からの影響を遮断することによる経営の自由化等のメリットを比較し、上場の是非を検討する場合があります。このような環境下で、上場意義の見直しに至り、戦略的に非公開化の可能性を求めている企業が増加しておりますが、PE投資ファンドは非上場化の有効なパートナーとしての立場を期待されており、当社グループはこのようなニーズにも対応しております。 c. カーブアウト大企業による集中と選択の中で、カーブアウト(事業の一部売却)を図る場合があります。当社グループが当該事業を取得の上、独立企業体としての企業運営(スタンドアロン化)を含む経営サポートを行うことで、売主である企業及びカーブアウトされた企業双方にとって望ましい企業価値の最大化に寄与できるものと考えております。 (2) 不動産投資事業不動産投資事業では、日本国内の多種多様なアセットに投資を行うファンドを組成・運用しております。PE投資事業と同様に、GPとしてファンド運営の対価として管理報酬を得るとともに、既存アセットにリノベーション(修繕)やコンバージョン(用途変更)などの施策を講じてアセットの価値を高めて売却することにより、キャピタルゲインやファンドの運用成績に基づくキャリードインタレストも受領することが可能です。 当社の不動産投資事業における特徴は以下のとおりです。 ①多様なアセットへの投資経験を有するプロフェッショナル当社グループの不動産投資事業を担う投資プロフェッショナルは、多様なバックグラウンドを有しており、オフィス、住宅、商業施設、ホテル、物流センターなど、あらゆるアセットにおける投資・運用経験を有しています 。過去に築き上げた広範なネットワークとノウハウを活用して投資機会を獲得するとともに、各アセットの不動産価値やキャッシュフローを最大化するための適切な戦略を実行することができます。 ②バリューアッドファンドの希少性当社グループが運用するファンドは、既存不動産の付加価値を高めるバリューアッド型のファンドになります。バリューアッドとは、既存の不動産に対して、リノベーション(大規模修繕)やコンバージョン(用途変更)などを講じることで、不動産価値自体を向上させるとともにキャッシュフローの最大化を図る戦略であり、具体的には下記のような施策を行います。・コンバージョン: オフィスビルをホテルへ改修するなどの用途変更・住宅物件のリノベーション: 共用部の利便性向上や専有部のデザイン向上に向けた回収・オフィスのリノベーション: 既存のオフィスビルを現代のニーズに合わせた機能的な空間へ改修建築費の高騰等により新築物件の供給が抑制され、建築着工面積が減少傾向にある中、バリューアッド投資の重要性が相対的に高まっています。また一任勘定型のバリューアッドファンドを運用するGPは国内では稀であると認識しており、投資機会及びLP投資家からの資金調達の機会において、差別化の要因となるものと認識しております。 ③事業会社が保有する不動産へのアプローチ日本国内の不動産の約8割以上は、REIT等で証券化されていない事業会社が保有する物件であり、隠れた価値を有する多数のアセットが存在しています。当社グループでは、PE投資事業とも協業しながら、当社グループが有する中堅・大企業とのネットワークを活用し、事業会社の保有不動産の有効活用・売却に関する提案などを通じて、新たな投資機会を掘り起こすことが可能です。 (3) その他の事業 2025年3月より、新たな事業としてグローバルテック・グロース投資事業を開始しており、今後は日本・アジア・米国等のグロース企業への投資及び経営支援を行っていく予定です。2025年12月期では、アジア地域でグロース投資事業を展開しているGranite Asia Capital Pte. Ltd.と共同でGranite Integral Capital Pte. Ltd.を設立し、日本を含むアジア地域におけるグロース投資及び同ファンドGranite Integral Investmentsの運営事業を開始いたしました。さらに、米国においてソフトウエア・AI関連スタートアップ企業への投資を行うTouring Capital LLCとのアライアンスも開始いたしました。2025年12月期には2件の新規投資実行を行っております。 [収益の概要]PE投資事業及び不動産投資事業における主な収益は以下のとおりです。 (1) リカーリング収益(管理報酬・経営支援料)GPとしてファンドの運用を行うことに対する対価として、ファンドの投資残高又は出資約束金額に対する一定の割合(1.85%~2.0%/年)の管理報酬を受領することができます。PE投資事業においては、当社の役職員が投資先に常駐して経営支援活動を行うことに対する対価として、投資先企業から経営支援料も受領しております。リカーリング収益は、安定的に受領することができる報酬であり、当社グループ全体の収益の基盤となっています。 (2) キャリードインタレストキャリードインタレストは、ファンドのリターンのうち、当社がGPとして分配を受けることができるものであり、ファンドが稼得した収益(投資先企業の株式及び投資アセットの譲渡対価等)から投資額及び組合費用(管理報酬及びファンド運営にかかる専門家費用等)等を除いたファンドにおける利益がハードルレート(出資履行金額に対して年率8%)を超過した際に、それまでのファンド利益累計額の20%を受領(ただし、役職員によるGP出資分を除く。)することができます。 (3) プリンシパル投資による収益PE投資事業では、ファンド投資を実行する際に、一定のルールの下、当社グループの自己資金によるプリンシパル投資も行っております。ファンド投資と同様に、四半期ごとの公正価値の評価額の変動及びExit時の売却益の実現を収益として計上することができます。 [PE投資事業及び不動産投資事業における事業系統図]
FY2024|4,800 文字|出典 docID: S100VG6U
3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社42社及び公正価値で評価している子会社29社により構成されております(2024年12月31日時点)。当社グループは、主としてPE投資ファンド事業を行っております。主に未公開株式会社への投資を目的として、ファンドを組成・運用しております。当社は、GPとしてPE投資ファンドの運用を行い、管理報酬を得るとともに、投資先企業への経営支援等を提供し、その経営に積極的に関与することで企業価値を高め、株式上場やトレードセール等のExitを図ることによって投資の成果であるキャピタルゲインや、ファンドの業績に応じて当社グループが受け取る分配であるキャリードインタレストを得ております。また、当社グループは、一定のルールの下にPE投資ファンドを通じての投資と併せてプリンシパル投資も行うことにより、収益機会の拡大を図っております。 当社は、中長期の成長戦略として、PE投資に加えて、不動産、グロース、インフラ等の他のアセットクラスへの投資を行い、日本の社会や産業の発展に貢献し、結果としてグループ全体のAUM(Assets Under Management : 運用資産残高)を拡大することを目指しており、マルチアセット化の第一歩として、2024年11月より新たに不動産投資ファンド事業を開始しております。但し、2024年12月31日時点において、不動産投資ファンド事業では、ファンドの組成・運用を行っておらず、当社グループ全体に占める事業規模が小さいため、報告セグメントとしておりません。なお、2025年1月に不動産1号ファンドとなるインテグラル・リアルエステート・ファンド1号のファーストクロージングを行っております。 そのため、以下では主たる事業であるPE投資ファンド事業に関する特徴を記載しております。① 中堅企業への特化当社グループは、日本の中堅企業を投資の主なターゲットにしており、この市場セグメントに位置する約124,000社(年商10億円以上1,000億円以下)(※1)を投資対象とすることを原則としております。同セグメントの中堅企業は、資金ニーズに加えて経営上のノウハウと支援を必要とする難易度の高い案件であることが多く、PEファンドは、高い専門性と実績を有することが必須となっております。当社グループは、同セグメントをターゲットとする他のファンドに比して、多くの実績を有している独立系PE投資ファンドとして、優位な地位を確立しております。(※1)出所:帝国データバンク(2025年2月) ② ハイブリッド投資PE投資ファンドによる投資は、短期間の投資とみられることが多いことから、日本の企業経営者は、一般的にPE投資ファンドとかかわりを持ちたがらない傾向があります。この状況を改善するため、当社はプリンシパル投資(当社グループの自己資金による投資)とファンド投資(LP投資家から集めてきたファンド資金によるファンド経由の投資)を並行して行うハイブリッド投資を実施しています。ハイブリッド投資を行うにあたり、プリンシパル投資部分の投資期間を、ファンド投資部分の投資期間よりも長期に設定することにより、投資先企業の経営者やオーナーに対して、当社グループが安定株主として、より長期のコミットメントを示すことを企図しております。具体的には、ファンドによる投資先企業に対する投資(ファンド投資の原資となるファンド資金には、原則として2%相当の当社グループによるGP出資が含まれます。)に加えて、プリンシパル投資として、ファンド投資に係る投資額及びプリンシパル投資に係る投資額の合計額の一定割合(案件ごとに3%以上34%以下。また当該ファンドシリーズの全投資先に対するプリンシパル投資の総額はファンド投資及びプリンシパル投資による投資総額の20%以下。)を当社グループの自己資金により投資先企業に対して投資するものです。今後は、手元資金の活用により、プリンシパル投資の割合の拡大を目指したいと考えております。 ③ 常駐型のハンズオンによる経営支援中堅企業の経営資源は一般的に限られており、多くの場合、オーナー企業としての企業カルチャー、親会社による人的・資金的な投資の不足や全体的なマネジメント力の不足などの制約に直面しており、経営・オペレーションの方法を改善するために具体的な業務支援を求めております。当社グループとしては、このように中堅企業が経営上のリソースの不足という問題を抱えていること自体が、当社グループによる価値創造の重要な機会となり得ると考えております。そこで、経営上のリソース不足に起因する課題の解決手段として、当社グループの投資プロフェッショナルを派遣し、当該課題の解決を図る当社グループ特有の機能を投資先に提供しております(i-Engineと呼称)。投資先企業の経営に直接参画するハンズオン型のファンドは珍しくないものの、当社のように役員派遣だけでなく、実務スタッフとして多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを投資実行後からExitまで、投資先企業に常駐させる手法を取るPE投資ファンドは稀であると認識しております。 ④ 幅広い投資機会への対応力当社グループは、日本の中堅企業が抱える課題への対応力、幅広い投資機会への対応力を備えております。豊富な投資経験を有するパートナーを含む、多種多様なバックグラウンドを有する投資プロフェッショナルが、個々の企業が抱える課題に対して、i-Engine機能を活用することにより積極的に経営に関与し、課題解決に取り組みます。また、当社グループは投資時点から多様なExit手法を想定することで、柔軟な投資実行を可能としております。 a.事業承継2023年では、日本の中小企業の経営者年齢が70歳以上である企業の割合は2000年以降最高となっており、将来的には後継者不在・未定の会社数がさらに増加するものと考えております。今後、事業承継を課題とする多くの企業で経営資源の充実や経営権変更による支援が必要となりますが、このような企業は長期的視点を持つパートナーを求めていることが多く、当社グループが独立系のPE投資ファンドであることや、当社グループによるファンド投資とプリンシパル投資を組み合わせた長期的投資のアプローチは、これまで投資を行ってきた投資先企業の経営者から高く評価されています。(※1)出所:中小企業白書(2024年) b.再成長中堅企業の中には、強固な既存のビジネスモデルを持ちながらも、事業領域の拡大を図り、更なる売上の拡大を目指す企業があります。当社グループはこのようなニーズにも十分に応えられる実績とノウハウを有しております。 c.再生強固なビジネスモデルと市場ポジションを持ちながらも、過去の戦略や財務的失敗のために企業再生を要する企業が少なからず存在します。そうした企業に対して当社グループが資本参画の上、i-Engineを通じた経営支援を行うことで、時間的にも経済的にも効率の高い方法で企業価値を高めることに寄与できると考えております。再生企業への投資にあたっては価値を創造するスキルと十分な経験が求められますが、当社グループは創業以来、再生案件においても多数の実績を有しております。 d.カーブアウト大企業による集中と選択の中で、カーブアウト(事業の一部売却)を図る場合があります。当社グループが当該事業を取得の上、独立企業体としての企業運営(スタンドアロン化)を含む経営サポートを行うことで、売主である企業及びカーブアウトされた企業双方にとって望ましい企業価値の最大化に寄与できるものと考えております。 e. MBO(Management Buy-Out : 戦略的株式非公開化)一部の中堅上場企業においては、上場維持によるメリットと、アクティビスト等の外部株主からの影響を遮断することによる経営の自由化等のメリットを比較し、上場の是非を検討する場合があります。このような環境下で、上場意義の見直しに至り、戦略的に非公開化の可能性を求めている企業が増加しておりますが、PE投資ファンドは非上場化の有効なパートナーとしての立場を期待されており、当社グループはこのようなニーズにも対応しております。 f.セカンダリーバイアウト(ファンドの投資先企業を別のファンドが買収する二次買収)今後日本のPE投資業界の成熟に伴い、ファンドの投資案件を対象とした二次バイアウトの機会が多くなってくると予想されます。当社グループは、このようなニーズにも対応しております。 g.PIPEs(Private Investments in Public Equities:上場企業による第三者割当増資の引受)取引関係を重視した銀行借入れはこれまで広く普及しており、数多くの企業がそうした状況の下で借入過多となる中、財務状況を改善し、長期的な持続可能性を獲得するための資本構成の再構築を図り、本業回帰を目指す企業が存在します。このような企業は、資本基盤を強化し、成長のための資金と支援を獲得すべく、市場を通じた資金調達が難しい状況であっても、PE投資ファンドによる上場会社からの第三者割当の引き受けにより、機動的な資金調達を求めていると考えております。当社グループはこのようなニーズにも対応しております。 h. i-Bridge当社グループは、機動的な投資実行の実現のため、自己資金を投資先企業への投資のためのブリッジ・ファイナンスにもちいるスキーム(i-Bridgeと呼称)を投資実行時に活用しております。これにより、投資実行前の資金調達が不要となり、投資検討から実行までのリードタイムの大幅な短縮、投資案件情報の秘匿維持効果が期待できます。その結果、競争力及び機動力のある投資スキームを構築することができ、大型の投資案件や共同投資を活用した投資案件等への対応も可能としています。 ⑤ PE投資ファンドの概要当社グループが運用を行うフラッグシップファンドの概要は以下のとおりです。以下表内の出資約束金額とは、組合契約においてLP投資家が出資を行うことを約束した金額を指しています。 ⑥ 収益の概要PE投資ファンド事業における主な収益は以下のとおりです。 (1) 管理報酬・経営支援料管理報酬は、GPとしてファンドの運用を行うことに対する対価であり、ファンドの投資残高又は出資約束金額に対する一定の割合(1.85%~2.0%/年)を管理報酬として毎四半期ごとに受領することができます。経営支援料は、当社の役職員が投資先に常駐して経営支援活動を行うことに対する対価であり、投資先企業から一定金額を当社グループが受領することができます。 (2) キャリードインタレストキャリードインタレストは、ファンドのリターンのうち、当社がGPとして分配を受けることができるものであり、ファンドが投資先企業から稼得した収益(投資先企業の株式譲渡の対価等)から投資額及び組合費用(管理報酬及びファンド運営にかかる専門家費用等)等を除いたファンドにおける利益がハードルレート(出資履行金額に対して年率8%)を超過した際に、それまでのファンド利益累計額の20%を受領(ただし、役職員によるGP出資分を除く。)することができます。 (3) プリンシパル投資による収益当社は、ファンド投資を実行する際に、一定のルールの下、当社グループの自己資金によるプリンシパル投資も行っております。ファンド投資と同様に、四半期毎の公正価値の評価額の変動及びExit時の売却益の実現を収益として計上することができます。 [事業系統図]
FY2023|6,138 文字|出典 docID: S100T5CH
3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社31社、公正価値で評価している子会社20社、及び関連会社1社により構成されております(2023年12月31日時点)。当社グループは、主として未公開株式会社への投資を目的とする「投資事業有限責任組合」及び「リミテッド・パートナーシップ」(注1)等を組成し、運用しております。当社グループが運営するファンドは、投資事業有限責任組合契約に関する法律(以下、「投資事業有限責任組合契約法」という。)及び外国法制に基づくプライベートエクイティ・ファンド(以下、「PEファンド」という。)であり、PEファンドを通じて対象企業への投資を実行します。当社グループは、PEファンドのゼネラル・パートナー(以下、「GP」という。)(注2)として管理運用を行い、管理報酬を得るとともに、投資先企業への経営支援等を提供し、その経営に積極的に関与することで企業価値を高め、株式上場やトレードセール等のEXITによってキャピタルゲインを得ております。また、当社グループは、一定のルールの下にPEファンドを通じての投資と併せてプリンシパル投資(注3)も行うことにより、当社の収益機会の拡大を図っております。当社グループの事業は、投資事業の単一セグメントからなっております。当社グループの特徴は以下のとおりです。① 中堅企業への特化当社グループは、日本の中堅企業へのコントロール投資(注4)を主なターゲットにしており、この市場セグメントに位置する約121,000社(年商10億円以上1,000億円以下)(※1)を投資対象とすることを原則としており、国内投資比率は100%となっております。同セグメントの中堅企業は、資金ニーズに加えて経営上のノウハウと支援を必要とする難易度の高い案件であることが多く、PEファンドは、高い専門性と実績を有することが必須となっております。当社グループは、同セグメント内をターゲットとする同業他社に比して、多くの実績を有している独立系PEファンドとしての地位を確立しております。(※1)出所:帝国データバンク(2024年2月) ② ハイブリッド投資(注5)PEファンドによる投資は、短期間の投資とみられることが多いことから、日本の企業経営者は、一般的にPEファンドとかかわりを持ちたがらない傾向があります。この状況を改善するため、当社はプリンシパル投資とファンド投資を並行して行うハイブリッド投資を開発しました。ハイブリッド投資を行うにあたり、プリンシパル投資部分の投資期間を、ファンド投資部分の投資期間よりも長期に設定することにより、投資先企業の経営者、起業家又はオーナーに対して、当社グループが安定株主として、より長期のコミットメントを示すことを企図しております。具体的には、ファンドによる投資先企業に対する投資(ファンド投資。なお、ファンド投資の原資となるファンド資金には、原則として2%相当の当社グループによるGP出資が含まれます。)に加えて、プリンシパル投資として、ファンド投資に係る投資額及びプリンシパル投資に係る投資額の合計額の一定割合(案件ごとに3%以上34%以下。また当該ファンドの全投資先に対するプリンシパル投資の総額はファンド投資及びプリンシパル投資による投資総額の20%以下。)を当社グループの自己資金(借入金を含む。)により投資先企業に対して投資することをハイブリッド投資の仕組みとしております。今後は、手元資金の活用により、プリンシパル投資の割合の拡大を目指したいと考えております。 ③ i-Engine(注6)による常駐型経営支援中堅企業の経営資源は一般的に限られており、多くの場合、オーナー企業としての企業カルチャー、親会社による人的・資金的な投資の不足や全体的なマネジメント力の不足などの制約に直面しており、経営・オペレーションの方法を改善するために具体的な業務支援を求めております。当社グループとしては、このように中堅企業が経営上のリソースの不足という問題を抱えていること自体が、当社グループによる価値創造の重要な機会となり得ると考えております。そこで、経営上のリソース不足に起因する課題の解決手段として、投資実行後に投資先企業から要請のあった場合には当社グループのメンバー(当社では投資プロフェッショナルと呼称)を派遣し、当該課題の解決を図る当社グループ特有の機能を開発しました。役員派遣を始めとして、様々な方法で投資先企業の経営課題の解決を図ろうとするハンズオン型(注7)のファンドは珍しくないものの、当社のように役員派遣だけでなく、実務スタッフとして多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを一定期間、投資先企業に常駐させる手法を取るPEファンドは稀であると認識しております。なお、i-Engineの仕組みの概要図は以下のとおりです。 ④ 幅広い投資機会への対応力当社グループは、日本の中堅企業が抱える課題への対応力、幅広い投資機会への対応力を備えております。投資経験豊富なパートナーと投資プロフェッショナルで構成される、多種多様なバックグラウンドを有する経験豊富なチームが、個々の企業が抱える課題に対して、i-Engine機能を活用することにより積極的に経営に関与し、課題解決に取り組みます。また、当社グループは投資時点から多様なEXIT手法を想定し、柔軟に実行することができると考えております。 a.事業承継2022年11月時点において、日本の中小企業経営者の最多の年齢群は70~74歳であり、また70歳以上の中小企業経営者の割合は全体の4分の1を超えており(※1)、将来的には後継者不在・未定の会社数がさらに増加するものと考えております。今後、経営者の高齢化により、事業承継を課題とする多くの企業が経営資源の充実や経営権変更による支援を必要となり、こうした企業は長期的視点を持つパートナーを求めていることが多く、当社グループが独立系のPEファンドであることや、当社グループによるファンド投資とプリンシパル投資を組み合わせた長期的投資のアプローチは、当社がこれまで投資を行ってきた投資先企業の経営者から高く評価されています。(※1)出所:中小企業白書(2023年) b.再成長中堅企業の中には、強固なビジネスモデルを持ちながらも事業領域の拡大を図るとともに、更なる売上の拡大を目指す企業があります。当社グループはこのようなニーズにも十分に応えられる実績とノウハウを有しております。 c.再生強固なビジネスモデルと市場ポジションを持ちながらも、過去の戦略や財務的失敗のために企業再生を要する企業が少なからず存在します。そうした企業に対して当社グループが資本参画の上、i-Engineを通じた経営支援を行うことで、時間的にも経済的にも効率の高い方法で企業価値を拡大することに寄与できると考えております。再生企業への投資にあたっては価値を創造するスキルと十分な経験が求められますが、当社グループは創業以来、再生案件においても実績を残しております。 d.カーブアウト大企業による集中と選択の中で、既存事業の売却(カーブアウト)を図る場合においても、幅広い分野での投資経験を有し、様々なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを擁する当社グループが当該事業を取得の上、経営サポートを行うことで、売主である企業及びカーブアウトされた企業双方にとって望ましい企業価値の最大化に寄与できるものと考えております。 e. 戦略的株式非公開化一部の中堅上場企業においては、上場維持のメリットよりも、アクティビスト(注8)等の外部株主からの影響を遮断することによる経営の自由化等のメリットの重視により上場の是非を検討する場合があります。このような企業の中には、上場意義の見直しに至り、戦略的に非公開化の可能性を求めている企業が増加しているものと認識しております。こうした中で、PEファンドが非上場化の有効なパートナーとして求められており、当社グループはこのようなニーズにも対応しております。 f.セカンダリーバイアウト(注9)今後日本のプライベートエクイティ業界の成熟に伴い、ファンドの投資案件を対象とした二次バイアウトの機会が今後生じてくると予想されます。当社グループは、このようなニーズにも対応しております。 g.PIPEs(注10)取引関係を重視した銀行借入れはこれまで広く普及しており、数多くの企業がそうした状況の下で借入過多となる中、財務状況を改善し、長期的な持続可能性を獲得するための資本構成の再構築を図り、本業回帰を目指す企業が存在します。このような企業は、資本基盤を強化し、成長のための資金と支援を獲得すべく、市場を通じた資金調達が難しい状況であっても、PEファンドによる上場会社からの第三者割当の引き受けにより、機動的な資金調達を求めていると考えております。当社グループはこのようなニーズにも対応しております。 h. i-Bridge当社グループは、機動的な投資実行の実現のため、自己資金をブリッジ・ファイナンスとして用いるi-Bridge(注11)機能を有しております。これにより、投資実行前の資金調達が不要となり、投資検討から実行までのリードタイムの大幅な短縮、投資案件情報の秘匿維持効果が期待できます。その結果、競争力及び機動力のある投資スキームを構築することができ、大型の投資案件や共同投資を活用した投資案件等への対応も可能としています。 ⑤ ファンドの概要当社グループが運用を行うフラッグシップファンドの概要は以下のとおりです。以下表内の出資約束金額とは、組合契約においてLP投資家が当社ファンドに出資を行うことを約束した金額を指しています。 2号ファンドシリーズはインテグラル2号投資事業有限責任組合及びIntegral Fund II (A) L.P.の総称、3号ファンドシリーズはインテグラル3号投資事業有限責任組合及びInnovation Alpha L.P.の総称、4号ファンドシリーズはインテグラル4号投資事業有限責任組合、Innovation Alpha IV L.P.及びInitiative Delta IV L.P.の総称です。また投資事業有限責任組合は、日本国内で組成されたファンドで主に国内のLP投資家が出資を行い、L.P.(リミテッド・パートナーシップ)はケイマン諸島で組成されたファンドで主に海外のLP投資家が出資を行っております。 ⑥ ファンドの収益の概要当社グループの主な収益は以下のとおりです。当社グループの収益としては、下記のファンド収益の他に当社グループの自己資金による投資持分の売却に伴う利益であるプリンシパル投資収益があります。a.管理報酬管理報酬は、GPとしてファンドの運用を行うことに対する対価であり、ファンドの投資残高又は出資約束金額に対して一定の割合(1.85%~2.0%/年)を管理報酬として毎四半期ごとに受領することができます。b.キャリードインタレストキャリードインタレストは、ファンドのリターンのうち、当社がGPとして分配を受けることができるものであり、ファンドが投資先企業から稼得した収益(投資先企業の株式譲渡の対価等)から投資額及び組合費用(管理報酬及びファンド運営にかかる専門家費用等)等を除いたファンドにおける利益がハードルレート(出資履行金額に対して年率8%)を超過した際に、それまでのファンド利益累計額の20%を受領(ただし、役職員によるGP出資分を除く。)することができます。c.経営支援料経営支援料は、当社の役職員が投資先に常駐して経営支援活動を行うことに対する対価であり、投資先企業ごとに一定金額を当社グループが受領することができます。 [用語解説]「第1.企業の概況 3.事業の内容」にて使用している用語の定義は、以下のとおりです。注 1投資事業有限責任組合(リミテッド・パートナーシップ)投資事業有限責任組合とは、投資事業有限責任組合契約法に基づいて設立される、投資家が出資金の範囲で責任を負う事業組織のことであり、いわゆる“ファンド”を指します。有限責任組合員となる投資家(以下、下記のリミテッド・パートナーシップに出資をするリミテッド・パートナーとともに「LP」という。)には出資額に応じた収益が分配され、損失が生じた場合の負担に上限があります。リミテッド・パートナーシップは、ケイマン諸島で設立される投資事業有限責任組合と類似する事業組織であり、当社グループが投資事業有限責任組合とともに運用を行うものです。2ゼネラル・パートナー無限責任組合員を意味し、ファンドの運営に対して無限責任を負う組合員のことです。当社ファンドにおいては、投資・EXIT等の意思決定を行い、ファンド運営に関する一切の権限を有しており、ファンド運営の対価として、組合から管理報酬を受領します。当社ファンドにおけるゼネラル・パートナーは、当社の子会社又は役職員が出資を行う投資事業有限責任組合が務めております。3プリンシパル投資自己資金(借入金を含む。)によって投資を行うことです。当社グループにおいては、主にLPから集めてきたファンド資金によるファンド経由の投資(ファンド投資)ではなく、当社グループの自己資金による投資を「プリンシパル投資」と呼称しています。4コントロール投資資本構成上マジョリティの維持、又は取締役の派遣等を通じて、当社グループによって経営をコントロールできる形で投資するスキームについて、「コントロール投資」と呼称しています。5ハイブリッド投資主にLPから集めてきたファンド資金によるファンド経由の投資(ファンド投資)に加え、当社グループの自己資金による投資(プリンシパル投資)も並行して実行するスキームを「ハイブリッド投資」と呼称しています。6i-Engine当社グループによるハンズオン型経営支援を「i-Engine」と呼称しています。7ハンズオン型出資者であるPEファンドが投資先企業の経営に直接参画することを指します。8アクティビスト株式を一定程度取得した上で、その保有株式を裏付けに、投資先企業の経営に関して役員の交代や大幅な増配等の過激なコーポレートアクションに係る提言を積極的に行い、比較的短期での自己利益の最大化を目指す投資家のことを指します。9セカンダリーバイアウトファンドの投資先企業を別のファンドが買収する二次買収を指します。10PIPEs「Private Investments in Public Equities」の略称であり、PEファンドが上場企業の第三者割当を引き受けることを指します。11i-Bridge当社グループの自己資金を投資先企業への投資のためのブリッジ・ファイナンスに用いる投資スキームを「i-Bridge」と呼称しています。 [事業系統図]