有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|10,017 文字
3【事業等のリスク】1.重大リスクの選定プロセス 当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社管理部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、サステナビリティ審議会等において半期ごとにモニタリング/レビューし、その結果はSCQ推進本部及び戦略経営会議に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。 重大リスクをグループ全体のリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています(図2参照)。特に本社の管理部門/事業部門は、事業拠点で確実に対策が実行されるよう、半期ごとに事業拠点とリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図3参照)。 また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図4参照)。 図1:リスクマネジメント体制 図2:重大リスクの位置づけ 図3:リスクマネジメントサイクル 図4:リスクの評価基準 3.事業等のリスク 当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。 これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2025年6月24日現在において判断したものです。 また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。 (1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大) 世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。 限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。 こうした状況を踏まえ、当社グループは、2023年度から2030年度までを対象とする中期経営戦略において、強みをもとに金属資源の循環を強化し、対象範囲、展開地域、規模の拡大によりバリューチェーン全体での成長実現に取り組むこととしています。強みである、E-Scrap、家電、超硬工具等の高度なリサイクル技術による資源循環の推進と、リサイクル可能な製品の開発・提供により、資源循環を実践するとともに、欧州を中心とした地域軸での資源循環戦略を立案・実行することで、中長期的な競争力の強化につなげていきます。 (2)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中) 気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。 これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。 当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。 一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。 (3)人的資本の強化 (発生可能性:中、影響度:大) 少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。 このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。 当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、一人ひとりの従業員の価値の最大化と、多様な人材による共創と成長を生み出す基盤構築につながる人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。 また、当社は国内外に事業拠点を持ち、原材料や資材を調達するサプライヤーも多数の国や地域に及びます。自らの事業またはサプライチェーンにおいて、人権侵害(強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為等)が発生した場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的信用・レピュテーションの棄損につながる可能性があります。 このため、当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」を制定し、人権尊重は事業活動の基盤となるという考えのもと、国際的に宣言されている人権の原則を尊重することを明確にするとともに、「人権方針」を制定し、こうしたリスクの低減に向けた取り組みを推進しています。 (4)コミュニケーションの活性化 (発生可能性:中、影響度:中) 株主、従業員、顧客、サプライヤー、地域住民、NGO、政府機関等のステークホルダーとのコミュニケーションや対話等を通じて、信頼関係を構築すること、要望や問題を理解し、企業活動に活かしていくことは、企業価値向上に欠かせない重要な取り組みです。ステークホルダーとのエンゲージメントが低下することで、適正な株価形成の妨げになるだけでなく、従業員のモチベーションやコンプライアンス意識の低下、顧客ロイヤルティの低下、ブランドの毀損などにつながる可能性があります。 当社では、株主、投資家との建設的な対話に関する方針を策定し、対話を充実させるだけではなく、各種の説明会を開催し、株主、投資家から得られた意見等は集約・分析の上、取締役会及び経営陣に対してフィードバックを行うこととしています。 従業員のエンゲージメントの向上は、従業員がその能力を最大限に発揮することにつながり、当社グループの企業価値向上につながるものと考えています。また、自由闊達なコミュニケーションができる風通しの良い組織風土を構築することがガバナンス強化、コンプライアンス違反の防止につながるという認識のもと、経営陣と従業員の直接対話の場や研修等を通じたコミュニケーションの深化を図っています。 また、顧客の多様な要望にお応えするため、当社グループでは、品質マネジメント活動の一環として、クレーム情報の分析や、顧客満足度調査を実施しています。顧客の声を真摯に受け止め、経営陣とも共有し、より良い製品とサービスの提供に向けた改善に反映しています。 加えて、当社は、「地域社会貢献活動方針」を制定し、地域での自然保護、次世代教育支援やマイノリティ支援を含むダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン等の社会における課題を解決するための貢献活動を積極的に行い、地域社会との共生に取り組んでいます。 (5)情報セキュリティの強化 (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、情報漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。 このため、ITリテラシーを含むITグローバルガバナンスの強化として、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新や冗長化等を適宜実施しています。更に、情報漏洩防止のためにIT資産管理を強化するとともに、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。 (6)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大) 利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。当社グループは、SCQ課題への対応強化のために、「SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署の部長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。 S:Safety & Health(安全・健康最優先)については、グループ内の労働災害の発生状況等の分析、重点的に取り組むべき課題の抽出、具体的な施策の立案を行い、各施策の進捗の定期的な情報共有や解決策の協議等も行っています。また、安全責任者会議、安全担当者・安全指導員会議を定期的に開催し、幅広い業種を抱える当社グループ内での多様な災害情報や安全衛生活動に関する情報交換を行い、安全衛生水準の向上に取り組んでいます。さらに、従業員の健康管理を重要な経営課題と位置付け、SCQ推進本部下に健康経営推進部会を設置し、健康保持・増進に関するさまざまな取り組みを全社で実施しています。 C:Compliance & Environment (法令遵守、公正な活動、環境保全)については、コンプライアンスを、法令遵守はもとより企業倫理や社会規範を含む広い概念として捉え、ステークホルダーの期待に誠実に応えていくことと考えています。当社グループ全体のコンプライアンス体制強化に向け、国内外での研修等、さまざまな施策を通じ、グループの従業員一人ひとりのコンプライアンス意識を向上させる取り組みを継続しています。また、当社グループ内で発生したコンプライアンス違反に関する情報を、的確且つ迅速に収集・共有することにより、違反案件への適切な対応やリスクマネジメント活動及び教育・研修等への反映を通じた再発防止に繋げています。環境については、関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守した事業活動を行っています。また、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応のために、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転を全社グループで進める等の施策を推進しています。 Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)については、2017年11月以降の一連の品質問題の再発防止を徹底するため、品質問題に係る再発防止策の継続実施、品質振り返りの日の設定等による品質問題の風化防止、及び「攻めの品質」による規格外品を発生させない仕組みづくりを行っています。 (7)持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化 (発生可能性:中、影響度:大) 近年は、パンデミックや自然災害を含め、世界規模でサプライチェーンの混乱・途絶を招く事象が頻発しています。また、国家による希少鉱物への各種規制が、サプライチェーンを脅かすリスクとして懸念されています。銅製錬の主原料である銅精鉱は地球上での産出地域が限られており、近年では、資源保有国における自国資源保護の政策や環境意識の高まりによる開発反対運動等が増加しています。新規に開発される銅鉱山は高所や深部での採掘の必要性が高まり、品位も低下し、不純物も増加しています。そのため、クリーンな銅精鉱の安定した調達ができなければ、銅製錬所の操業に大きな支障をきたすことにつながりかねません。 さらに、資源循環の重要性が高まっており、特に、銅・金・銀・白金・パラジウムなどの有価金属を高濃度に含有するE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとしたリサイクル原料の集荷についても競争激化が見込まれます。当社は、独自の銅製錬プロセス「三菱連続製銅法」の技術的な優位性と高度な操業ノウハウを有し、グローバルなE-Scrap集荷体制を構築するとともに処理能力の強化を進めていますが、E-Scrapの安定した調達基盤の強化ができなければ、中経2030で掲げている資源循環の拡大が停滞する恐れがあります。製錬マージンであるTC/RCが足もとで大きく低下し、製錬事業の収益性悪化が見込まれるなかで、リサイクル原料を中心とした製錬ビジネスへのシフトや資源循環ループの早期構築を実現することは、当社グループの収益性向上にもつながります。 当社グループにおけるクリーンな銅精鉱の安定調達に向けては、30%の権益を保有するマントベルデ銅鉱山が2024年に硫化鉱の商業生産を開始したほか、20%の権益を保有するサフラナル銅鉱山は投資判断に向けた調査・分析等が進行しています。さらに、次の新規投資候補として、2023年4月にWestern Copper and Gold Corporation社への資本参加を通じてカジノ銅鉱山プロジェクトに参画しています。 また、E-Scrapビジネスの拡大を目指し、2023年3月に米国インディアナ州において新規リサイクルプラントの建設を予定している英国Exurban社へ出資しました。同社は、E-Scrapをはじめとするリサイクル原料に特化した世界初の廃棄物ゼロのリサイクルプラントの実現に取り組んでいます。これを足掛かりに米国における金属資源循環事業拡大の機会を創出し、将来的にはアジア・欧州など世界に向けた拡大も目指します。 グローバル化による経済発展の一方で、サプライチェーンが複雑化しており、調達先において、劣悪な労働環境や児童労働、強制的な立ち退きなどの人権を侵害するような行為が行われていることが把握できない可能性もあります。また、国際連合人権理事会の「ビジネスと人権に関する指導原則」や英国の現代奴隷法など、欧州各国でも人権デューデリジェンスを義務付ける法制化が進むなど、企業は人権に関するリスクマネジメントや取り組みを求められており、人権リスクは非常に重要な課題となっています。 当社グループは、原材料調達から素材・製品の開発、生産、流通、消費、廃棄そして再資源化を含むすべての事業活動領域において、当社グループのビジネスが直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを理解し、当社グループの「人権方針」「調達方針」等の実効性確保に向けた啓発活動、デューデリジェンス、救済措置の確保等の多層的な取り組みの展開や責任ある鉱物調達の認証維持(金、銀、錫、タングステン)や実践(銅、鉛)等、サプライチェーンでの人権尊重の取り組みを進めています。 加えて、予測不可能なリスクを伴うパンデミックや自然災害に対しても、オールハザード型BCPの整備等、事前の備えを進めています。(8)DXの深化 (発生可能性:中、影響度:大) IT、通信、エネルギーなどの分野で大きく技術が発達し、世界規模での経済環境は大きく変化し、また、デジタル化の急速な進展により、社会が大きく変わっています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。 当社グループは、グローバル競争に勝ち抜くための基盤づくりとして、DX戦略(MMDX)に取り組んでおり、データとデジタル技術の活用を通じたビジネス付加価値向上、オペレーション競争力向上、経営スピード向上の3本柱を強力に推進しています。 (9)価値創造の追求 (発生可能性:中、影響度:大) 持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。 当社グループは価値創造の追求に向け、収益に結び付く競争優位性を構築するべく、ものづくり力、マーケティング力と販売力を強化することで、厳しい外部環境の中においても収益を上げられるように取り組んでいます。また、社外リソースを活用した事業開発の加速、M&Aや出資等の投融資戦略を組み合わせる等、新規事業のアイデアをより早く確実に実現するための施策を展開しています。 (10)地政学、地経学リスク (発生可能性:高、影響度:大) 当社グループは、海外32の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。 当社グループが進出する国、地域等において、政情不安、国家間の紛争や一方的な侵攻、政変等の地政学リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。また、上記リスクのほか、グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の経済情勢、予期しない政策や規制、取引先の事業戦略や商品展開の変更等も想定されます。 これらのリスクに対しては、常に情勢を注視・モニタリングし、事業戦略、海外投資等の見直しを行います。また、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。さらに、海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。そのうえで、従来からのリスク低減回避策やBCPを策定し、定期的に見直していくこととしています。 特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。これらに対しては、持続可能な原料調達のポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保しています。 (11)財務リスク (発生可能性:中、影響度:大)1)有利子負債 当社グループの有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)は、2025年3月期においては5,930億円、総資産に対する割合は25.0%となっています。棚卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。 2)保有資産の時価の変動 当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。 3)金属価格上昇による運転資本増加及び資本効率悪化への対応 銅をはじめとした金属価格の上昇は、鉱山配当の増加等の恩恵につながる一方で当社グループの運転資本の増加及び資本効率の悪化につながる可能性があります。 このため、棚卸資産の圧縮等による資本効率の向上に取り組んでいます。 4)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。 このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。
FY2024|10,159 文字
3【事業等のリスク】1.重大リスクの選定プロセス 当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社管理部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、事業部門が本社管理部門に対し説明する会議(サステナビリティ審議会)を経て決定しています。2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については半期ごとにモニタリング/レビューし、結果はSCQ推進本部、戦略経営会議、及び取締役会等に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています(図1参照)。 重大リスクをグループ全体のリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています(図2参照)。特に本社の管理部門/事業部門は、事業拠点で確実に対策が実行されるよう、半期ごとに事業拠点とリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図3参照)。 また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図4参照)。 図1:リスクマネジメント体制 図2:重大リスクの位置づけ 図3:リスクマネジメントサイクル 図4:リスクの評価基準 3.事業等のリスク 当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、および当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。 これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題およびそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2024年6月26日現在において判断したものです。 また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。 (1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大) 世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。 限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。 こうした状況を踏まえ、当社グループは、2023年度から2030年度までを対象とする中期経営戦略において、強みをもとに金属資源の循環を強化し、対象範囲、展開地域、規模の拡大によりバリューチェーン全体での成長実現に取り組むこととしています。強みである、E-Scrap、家電、超硬工具等の高度なリサイクル技術による資源循環の推進と、リサイクル可能な製品の開発・提供により、資源循環を実践するとともに、中長期的な競争力の強化につなげていきます。 (2)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中) 気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。 これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。 当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。 一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。 (3)人的資本の強化 (発生可能性:中、影響度:大) 少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。 このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。 当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、一人ひとりの従業員の価値の最大化と、多様な人材による共創と成長を生み出す基盤構築につながる人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。 また、当社は国内外に事業拠点を持ち、原材料や資材を調達するサプライヤーも多数の国や地域に及びます。自らの事業またはサプライチェーンにおいて、人権侵害(強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為等)が発生した場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的信用・レピュテーションの棄損につながる可能性があります。 このため、当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」を制定し、人権尊重は事業活動の基盤となるという考えのもと、国際的に宣言されている人権の原則を尊重することを明確にするとともに、「人権方針」を制定し、こうしたリスクの低減に向けた取り組みを推進しています。 (4)コミュニケーションの活性化 (発生可能性:中、影響度:中) 株主、従業員、顧客、サプライヤー、地域住民、NGO、政府機関等のステークホルダーとのコミュニケーションや対話等を通じて、信頼関係を構築すること、要望や問題を理解し、企業活動に活かしていくことは、企業価値向上に欠かせない重要な取り組みです。ステークホルダーとのエンゲージメントが低下することで、適正な株価形成の妨げになるだけでなく、従業員のモチベーションやコンプライアンス意識の低下、顧客ロイヤルティの低下、ブランドの毀損などにつながる可能性があります。 当社では、株主、投資家との建設的な対話に関する方針を策定し、対話を充実させるだけではなく、各種の説明会を開催し、株主、投資家から得られた意見等は集約・分析の上、取締役会及び経営陣に対してフィードバックを行うこととしています。 従業員のエンゲージメントの向上は、従業員がその能力を最大限に発揮することにつながり、当社グループの企業価値向上につながるものと考えています。また、自由闊達なコミュニケーションができる風通しの良い組織風土を構築することがガバナンス強化、コンプライアンス違反の防止につながるという認識のもと、経営陣と従業員の直接対話の場や研修等を通じたコミュニケーションの深化を図っています。 また、顧客の多様な要望にお応えするため、当社グループでは、品質マネジメント活動の一環として、クレーム情報の分析や、顧客満足度調査を実施しています。顧客の声を真摯に受け止め、経営陣とも共有し、より良い製品とサービスの提供に向けた改善に反映しています。 加えて、当社は、「地域社会貢献活動方針」を制定し、地域での自然保護、次世代教育支援やマイノリティ支援を含むダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン等の社会における課題を解決するための貢献活動を積極的に行い、地域社会との共生に取り組んでいます。 (5)情報セキュリティの強化 (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、情報漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。 このため、ITグローバルガバナンスの強化として、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新や冗長化等を適宜実施しています。更に、情報漏洩防止のためにIT資産管理を強化するとともに、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。 (6)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大) 利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。当社グループは、SCQ課題への対応強化のために、「SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署の部長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。 S:Safety & Health(安全・健康最優先)については、グループ内の労働災害の発生状況等の分析、重点的に取り組むべき課題の抽出、具体的な施策の立案を行い、各施策の進捗の定期的な情報共有や解決策の協議等も行っています。また、安全責任者会議、安全担当者・安全指導員会議を定期的に開催し、幅広い業種を抱える当社グループ内での多様な災害情報や安全衛生活動に関する情報交換を行い、安全衛生水準の向上に取り組んでいます。さらに、従業員の健康管理を重要な経営課題と位置付け、SCQ推進本部下に健康経営推進部会を設置し、健康保持・増進に関するさまざまな取り組みを全社で実施しています。 C:Compliance & Environment (法令遵守、公正な活動、環境保全)については、コンプライアンスを、法令遵守はもとより企業倫理や社会規範を含む広い概念として捉え、ステークホルダーの期待に誠実に応えていくことと考えています。当社グループ全体のコンプライアンス体制強化に向け、国内外での研修等、さまざまな施策を通じ、グループの従業員一人ひとりのコンプライアンス意識を向上させる取り組みを継続しています。また、当社グループ内で発生したコンプライアンス違反に関する情報を、的確且つ迅速に収集・共有することにより、違反案件への適切な対応やリスクマネジメント活動及び教育・研修等への反映を通じた再発防止に繋げています。環境については、関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守した事業活動を行っています。また、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応のために、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転を全社グループで進める等の施策を推進しています。 Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)については、2017年11月以降の一連の品質問題の再発防止を徹底するため、品質問題に係る再発防止策の継続実施、品質振り返りの日の設定等による品質問題の風化防止、及び「攻めの品質」による規格外品を発生させない仕組みづくりを行っています。 (7)持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化 (発生可能性:中、影響度:大) 近年は、世界規模でサプライチェーンの混乱・途絶を招く事象が頻発しています。また、国家による希少鉱物への各種規制が、サプライチェーンを脅かすリスクとして懸念されています。銅製錬の主原料である銅精鉱は地球上での産出地域が限られており、近年では、資源保有国における自国資源保護の政策や環境意識の高まりによる開発反対運動等が増加しています。新規に開発される銅鉱山は高所や深部での採掘の必要性が高まり、品位も低下し、不純物も増加しています。そのため、クリーンな銅精鉱の安定した調達ができなければ、銅製錬所の操業に大きな支障をきたすことにつながりかねません。 さらに、資源循環の重要性が高まっており、特に、銅・金・銀・白金・パラジウムなどの有価金属を高濃度に含有するE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとしたリサイクル原料の集荷についても競争激化が見込まれます。当社は、独自の銅製錬プロセス「三菱連続製銅法」の技術的な優位性と高度な操業ノウハウを有し、グローバルなE-Scrap集荷体制を構築するとともに処理能力の強化を進めていますが、E-Scrapの安定した調達基盤の強化ができなければ、中経2030で掲げている資源循環の拡大が停滞する恐れがあります。 当社グループにおけるクリーンな銅精鉱の安定調達に向けては、30%の権益を保有するマントベルデ銅鉱山で2024年の硫化鉱商業生産開始に向けた建設工事を進めているほか、20%の権益を保有するサフラナル銅鉱山は環境許認可を取得し、投資判断に向けた調査・分析等が進行しています。さらに、次の新規投資候補として、2023年4月にWestern Copper and Gold Corporation社への資本参加を通じてカジノ銅鉱山プロジェクトに参画しています。 また、E-Scrapビジネスの拡大を目指し、2023年3月に米国インディアナ州において新規リサイクルプラントの建設を予定している英国Exurban社へ出資しました。同社は、E-Scrapをはじめとするリサイクル原料に特化した世界初の廃棄物ゼロのリサイクルプラントの実現に取り組んでいます。これを足掛かりに米国における金属資源循環事業拡大の機会を創出し、将来的にはアジア・欧州など世界に向けた拡大も目指します。 グローバル化による経済発展の一方で、サプライチェーンが複雑化しており、調達先において、劣悪な労働環境や児童労働、強制的な立ち退きなどの人権を侵害するような行為が行われていることが把握できない可能性もあります。また、国際連合人権理事会の「ビジネスと人権に関する指導原則」や英国の現代奴隷法など、欧州各国でも人権デューデリジェンスを義務付ける法制化が進むなど、企業は人権に関するリスクマネジメントや取り組みを求められており、人権リスクは非常に重要な課題となっています。 当社グループは、原材料調達から素材・製品の開発、生産、流通、消費、廃棄そして再資源化を含むすべての事業活動領域において、当社グループのビジネスが直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを理解し、当社グループの「人権方針」「調達方針」等の実効性確保に向けた啓発活動、デューデリジェンス、救済措置の確保等の多層的な取り組みの展開や責任ある鉱物調達認証の維持(金、銀、錫、タングステン)と取得(銅、鉛)等、サプライチェーンでの人権尊重の取り組みを進めています。 (8)DXの深化 (発生可能性:中、影響度:大) IT、通信、エネルギーなどの分野で大きく技術が発達し、世界規模での経済環境は大きく変化し、また、デジタル化の急速な進展により、社会が大きく変わっています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。 当社グループは、グローバル競争に勝ち抜くための基盤づくりとして、DX戦略(MMDX)に取り組んでおり、データとデジタル技術の活用を通じたビジネス付加価値向上、オペレーション競争力向上、経営スピード向上の3本柱を強力に推進しています。中経2030においては、2023~2025年度のPhase1を本格稼働のフェーズと位置付け、データ基盤の活用促進とともに、グループ全体でMMDXを加速させる計画です。2026~2030年度のPhase2では効果拡大・継続発展フェーズと位置付け、ERPを中心としたグループ展開を推進し、MMDXの定着維持・改善を図ることとしています。 (9)価値創造の追求 (発生可能性:中、影響度:大) 持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。 当社グループは価値創造の追求に向け、中経2030において、新規事業創出プロセスの構築と実行を重要テーマに掲げています。アクセラレーションプログラムにより、社外リソースを活用して事業開発を加速させるほか、M&Aや出資等、投融資戦略を組み合わせる等、新規事業のアイデアをより早く確実に実現するための施策を展開していきます。 また、ものづくり力の別格化も進めており、以下の3点を重点的に取り組んでいます。●ものづくり力の強化 現場と協調し目線を高く維持したものづくり力強化を推進。デジタル技術を広く、効果的・徹底的に活用●ものづくり基盤の強化 生産準備プロセスを強化し不良発生の抑え込み。人・モノ・設備の標準化と見える化を推進●ものづくり体質の強化 原理原則の理解とメカニズムを解明できる人材育成。デジタルスキルの学習プログラムや課題解決支援を提供 (10)地政学、地経学リスク (発生可能性:高、影響度:大) 当社グループは、海外32の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。 当社グループが進出する国、地域等において、政情不安、国家間の紛争や一方的な侵攻、政変等の地政学リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。また、上記リスクのほか、グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の経済情勢、予期しない政策や規制、取引先の事業戦略や商品展開の変更等も想定されます。 これらのリスクに対しては、常に情勢を注視・モニタリングし、事業戦略、海外投資等の見直しを行います。また、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。さらに、海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。そのうえで、従来からのリスク低減回避策やBCPを策定し、定期的に見直していくこととしています。 特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。これらに対しては、持続可能な原料調達のポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保しています。 (11)財務リスク (発生可能性:中、影響度:大)1)有利子負債 2024年3月期において、当社グループの有利子負債は6,031億円(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は27.8%となっています。棚卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。 2)保有資産の時価の変動 当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。 3)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2024年3月期において43億円の債務保証を引き受けています。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、関連会社等の経営状態、財政状態を適宜モニタリングし、影響を低減する取り組みを行っています。 4)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。 このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。
FY2023|8,046 文字
3【事業等のリスク】1.重大リスクの選定プロセス 当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、本社管理部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価したうえで、最終的には戦略経営会議において社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、対処すべき優先順位付けを行っています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、事業部門が本社管理部門に対し説明する会議(ビジネスレビュー)を経て決定し、その後進捗状況を確認しています。2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については半期ごとにモニタリング/レビューし、結果はサステナブル経営推進本部、戦略経営会議、及び取締役会等に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています(図1参照)。 重大リスクをグループ全体のリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています(図2参照)。特に本社の管理部門/事業部門は、事業拠点で確実に対策が実行されるよう、半期ごとに事業拠点とリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図3参照)。 また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図4参照)。 新型コロナウイルス感染症の対応については、 2020年1月に危機管理担当役員を本部長とする対策本部を本社に設置し、国内外の感染状況に応じたグループとしての対応指針を策定し周知、実行するとともに、事業継続計画の見直し等を実施してきました。 図1:リスクマネジメント体制 図2:重大リスクの位置づけ 図3:リスクマネジメントサイクル 図4:リスクの評価基準3.事業等のリスク 経営者が当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2023年6月23日現在において判断したものです。(1)地政学、国際情勢、海外経済情勢 (発生可能性:高、影響度:大) 当社グループは、海外31の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。 ウクライナ情勢やそれに伴う諸外国によるロシアへの経済制裁やウクライナへの軍事支援、米国・中国をはじめとする二国間関係等により、国際関係は不安定な状況が続き先行きは依然として不透明になっております。当社グループが進出する国、地域等において、政情不安、国家間の紛争や一方的な侵攻、政変等の地政学リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また上記リスクのほか、グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の経済情勢、予期しない政策や規制、取引先の事業戦略や商品展開の変更等が想定され、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、これらのリスクは常に潜在的に存在していると判断しています。 これらのリスクに対しては、従来からのリスク低減回避策やBCP等を更に徹底していくとともに、常に情勢を注視・モニタリングし、事業戦略、海外投資等の見直しを行います。また、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。 特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。これらに対しましては、持続可能な原料ポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保してまいります。(2)市場動向 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供していますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更等、市場・顧客動向は常に変動し、以下に述べるリスクの発生時期は様々であると想定していますが、常に潜在的に存在していると判断しています。 自動車業界は電動化による内燃機関の減少、CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)やMaaS(Mobility as a Service)による構造変化が想定され、生活様式や社会の変化によるモビリティに関するニーズが変化することにより、切削工具等の製品の需要減少が生じることが想定されます。このような業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、自動車部品の変化による新たな需要の獲得を目指すとともに、医療など新たな産業を視野に入れた市場開拓を目指し、ソリューションなど新たな価値の提供によりシェアの維持・拡大を目指します。また、電動化が進展しても需要が継続する足回り部品の製造に使用される切削工具需要への拡販を目指し、新たな加工方法や新素材に対応した切削技術による市場展開等に取り組んでいます。 また、当社グループは、半導体業界向けに電子材料等を供給しており、半導体市況の動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、特徴のある高品質な製品提供による重要顧客との信頼関係強化、高付加価値な製品の開発等によるシェア拡大等を検討しています。 セメントの国内需要は、長期に亘り縮小傾向が続き、現在の国内需要はピーク時の半分以下となっています。社会に不可欠な素材であり中長期的にも一定規模以上の需要が確保される見込みでありますが、需要減少が加速すると、セメント事業継続が困難になる可能性があります。このため、2022年4月1日付でUBE三菱セメント株式会社への事業承継によって生産・物流・販売機能の合理化効果を創出し、また海外では今後の成長が期待できる地域での事業拡大・新規開拓を目指します。 (3)原材料・ユーティリティ価格の変動 (発生可能性:高、影響度:大)1)原材料価格 非鉄金属原材料、石炭等の調達価格は、国際商品相場、為替相場、及び海上運賃等の変動の影響を受けます。これら原材料価格等の高騰等により調達価格が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。国際商品相場、及び為替相場等の大きな変動は過去にも発生し、今後も数年に一度程度の頻度で発生する可能性があると想定しています。 このため、金属事業における銅精鉱に関しては原材料調達ルートの複線化、安定的な調達先の確保や海外鉱山への投資等、加工事業のタングステン原料等の非鉄金属原材料に関しては調達先の拡大、リサイクル原料の使用比率の向上等に取り組む等、原材料価格への影響の最小化に努めます。2)ユーティリティ価格 原油、石炭、天然ガスの調達コストの大幅な上昇によりエネルギー価格も高騰し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼしております。これら価格の更なる上昇や値上げ等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。エネルギー価格の上昇リスクが顕在化している現在の状況からも、省エネ設備の導入推進、あるいは自家消費型太陽光発電システムの導入を進めることで購入電力量の削減を図ってまいります。(4)調達品 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループの生産活動における資材、部品その他の部材調達に関し、需要の急拡大による供給量の制限や品質不良による調達量不足や原料・熱エネルギー源となる資源の枯渇、ユーティリティ会社の設備故障、重要サプライヤーの被災や倒産等により減産が生じた場合、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。様々な要因により発生するリスクのため発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在し備えるべきリスクと判断しています。 さらに、セメント事業の分野においては、製造工程の省エネに取り組むとともに、現在天然資源の代替として受け入れている廃棄物・副産物の受け入れを拡大し、原料及び資源等の枯渇の防止に努めています。(5)気候変動 (発生可能性:高、影響度:大) 気候変動に対する政策及び法規制が強化され炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会への移行に伴い、当社の従来からの製品市場において縮小が見込まれる分野も存在しており、新たな市場拡大分野への対応が遅れた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルの動きが高まっており、我が国においても2050年のカーボンニュートラルへの取り組みが宣言される中、近い将来に想定される規制強化に向けた迅速な対応が必要であると判断しています。 このため、2030年度に向けたGHG削減目標を見直し、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。 一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。 (6)自然災害・異常気象 (発生可能性:中、影響度:大) 異常気象や自然災害などのリスクは年々増加しており、国内外において多数の事業拠点を有している当社グループは、最新のハザード情報等を元に各種防災対策等に取り組んでいます。しかし、地震、台風、洪水、ゲリラ豪雨等の、想定した水準をはるかに超えた大規模自然災害によって生産設備等が甚大な被害を受ける可能性があり、生産設備の損壊、工場における操業・製品の出荷への影響等から、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 近年頻発する自然災害・異常気象に対応するため、当社グループ内の体制の拡充を推進するほか、BCP(事業継続計画)の整備・見直し、複数拠点による製造可能品目の増強、洪水、高潮、高波対応工事等の各種施策を計画的に実施しています。 なお、今後発生が想定される首都直下地震等を含め、自然災害等による危機事態が発生した際に、速やかに従業員の安否や事業拠点の被災状況を把握するために、2019年1月、国内外の全拠点に危機管理システムを導入しました。グループ内で被害情報をリアルタイムに共有することにより、各事業拠点や本社部門が各々の立場での適切かつ迅速な対応を可能にするとともに、本社部門や近隣拠点からも速やかに救援し易い体制を構築しています。(7)公害及び環境法令違反の発生 (発生可能性:中、影響度:中) 世界的なサステナブルディベロップメント(持続可能な発展)の実現に向けた動きを背景に、事業活動において環境法令違反を発生させた場合の企業に対する法的及び社会的な制裁等はかつてなく重くなっています。 当社グループの事業は、国内外の各拠点において、環境関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守し活動しています。しかし、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応の遅れ、有害物質含有量の基準厳格化、行政指導の変化、選任・届出・報告等への対応の遅れが生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在するリスクと判断しています。 このため、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転を全社グループで進める等の施策を推進しています。(8)感染症 (発生可能性:中、影響度:中) 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大が認められた2020年1月下旬の段階で本社に対策本部を設置し、統一的な対応を実施してきました。具体的には感染症の流行状況に応じたグループ対応方針と予防対策のガイドライン等の策定、従業員の健康状態、国・地域の方針等、事業拠点やサプライチェーンへの影響等に関する情報の収集と経営層との共有、モニタリング等を行ってきました。 国内では、感染症法上の取り扱いは第5類に移行しましたが、今後、新たな変異株やウイルスの出現による感染の拡大により市場環境の回復の遅れや当社グループの生産、物流、営業活動等への支障が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、職場における感染予防・拡大防止策の徹底を継続し当社グループの製品・サービス等の提供を途切れさせることがないよう事業運営するとともに、感染症による事業環境の変化を注視し、適切な対応を継続的に実施することとしております。(9)情報セキュリティ (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、常に潜在的に存在するリスクと判断しています。 このため、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新や冗長化等を適宜実施しています。更に、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。 (10)人権 (発生可能性:中、影響度:中) 当社グループは、国内外に事業拠点を持ち、原材料や資材を調達するサプライヤーも多数の国や地域に及びます。自らの事業またはサプライチェーンにおいて、人権侵害(強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為等)が発生した場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的信用・レピュテーションの棄損につながり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在し備えるべきリスクと判断しています。 このため、当社グループでは、2021年12月1日「サステナビリティ基本方針」を制定し、人権尊重は事業活動の基盤となるという考えのもと、国際的に宣言されている人権の原則を尊重することを明確にしました。同時に「人権方針」を制定しリスク低減に向けて取り組みを推進しています。また、「三菱マテリアルグループ調達方針」、「三菱マテリアルCSR調達ガイドライン」に基づき、人権に配慮した調達に努めています。 (11)財務 (発生可能性:中、影響度:大)1)有利子負債 2023年3月期において、当社グループの有利子負債は5,335億円(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は28.2%となっています。棚卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。2)保有資産の時価の変動 当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。3)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2023年3月期において38億円の債務保証を引き受けています。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、関連会社等の経営状態、財政状態を適宜モニタリングし、影響を低減する取り組みを行っています。4)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。 このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。
FY2022|8,262 文字
2【事業等のリスク】1.重大リスクの選定プロセス 当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、階層ごと(経営層、本社管理部門、本社事業部門、事業拠点)に毎期網羅的に洗い出し評価したうえで、最終的には戦略経営会議において社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、対処すべき優先順位付けと対応方針を決定しています。(図1参照)2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 特定した重大リスクと対応方針は各拠点に展開され、拠点では実施計画を策定のうえリスク低減活動を行っています。実施計画は半期ごとのガバナンス審議会において確認、見直し等がなされ、また拠点の活動状況については四半期ごとにレビューし、結果はサステナブル経営推進本部、戦略経営会議、及び取締役会に報告され、リスクの状態を経営レベルでモニタリングしています。 なお、重大リスクはその属性に応じてグループ全体で優先的に取り組むもの、事業部門内で重点的に取り組むもの、及び事業拠点が単独で取り組むものに分類することにより、各階層が担うべき役割(方針・計画の策定、実行、支援、モニタリング)を明確にしています。特に本社の事業部門は、事業拠点で確実に対策が実行されるよう、事業拠点と定期的にリスクに関するコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています。 また、事業拠点のリスク情報は監査部にて共有し内部監査に活用するとともに、監査で認識されたリスク情報は事業活動に反映しています。(図2参照) 新型コロナウイルス感染症については、2020年1月に危機管理担当役員を本部長とする対策本部を本社に設置し、国内外の感染状況に応じたグループとしての対応指針を策定し周知、実行するとともに、事業継続計画の見直し等を実施しています。図1:重大リスクの選定プロセス 図2:リスクマネジメント体制3.事業等のリスク 経営者が当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 今般のウクライナ危機やそれに伴う諸外国によるロシアへの経済制裁等により、国際関係は不安定な状況が続き先行きは不透明になっております。主要リスクのうち、特に「(1)国際情勢、海外経済情勢」「(2)市場動向」「(3)原材料・ユーティリティ価格の変動」「(4)調達品」への影響は懸念され、また価格の上昇等一部は発生しておりリスクは現実化しつつあり、今後の状況次第では当社グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。これら当社グループの管理が及ばない事象による影響のリスクに対しては、従来からのリスク低減回避策を更に徹底していくとともに、常に情勢を注視・モニタリングしていくことにより、変化に対し迅速な対応を行うよう努めてまいります。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2022年6月28日現在において判断したものです。(1)国際情勢、海外経済情勢 (発生可能性:高、影響度:大) 当社グループは、海外31の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の政情不安、経済情勢、予期しない政策や規制の変更、また取引先の事業戦略や商品展開の変更等が想定され、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、これらのリスクは常に潜在的に存在していると判断しています。 このため、定期的に事業の状況をモニタリングし、国際情勢、海外経済情勢の変化等によるリスクを踏まえたうえで事業戦略、海外投資等の見直しを行うとともに、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。また、海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。 特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。 これらに対しましては、持続可能な原料ポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保してまいります。(2)市場動向 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供していますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更等、市場・顧客動向は常に変動し、以下に述べるリスクの発生時期は様々であると想定していますが、常に潜在的に存在していると判断しています。 自動車業界は電動化による内燃機関の減少、CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)やMaaS(Mobility as a Service)による構造変化が想定され、生活様式や社会の変化によるモビリティに関するニーズが変化することにより、切削工具等の製品の需要減少が生じることが想定されます。このような業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、自動車部品の変化による新たな需要の獲得を目指すとともに、医療など新たな産業を視野に入れた市場開拓を目指し、ソリューションなど新たな価値の提供によりシェアの維持・拡大を目指します。また、電動化が進展しても需要が継続する足回り部品の製造に使用される切削工具需要への拡販を目指し、新たな加工方法や新素材に対応した切削技術による市場展開等に取り組んでいます。 また、当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しており、半導体市況の動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、特徴のある高品質な製品提供による重要顧客との信頼関係強化、高付加価値な製品の開発等によるシェア拡大等を検討しています。 セメントの国内需要は、1990年度の86,286千tをピークに、長期に亘り縮小傾向が続き、現在の国内需要はピーク時の半分以下となっています。社会に不可欠な素材であり中長期的にも一定規模以上の需要が確保される見込みでありますが、需要減少が加速すると当社グループの収益が悪化し、事業継続が困難になる可能性があります。このため、2022年4月1日付で実施しました宇部興産株式会社(現UBE株式会社)との事業統合(UBE三菱セメント株式会社への事業承継)によって生産・物流・販売機能の合理化効果を創出し、国内事業の再編と生産体制の最適化を図る、また海外では今後の成長が期待できる地域での事業拡大・新規開拓を目指します。(3)原材料・ユーティリティ価格の変動 (発生可能性:高、影響度:大)1)原材料価格 金属事業、加工事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等の調達価格は、国際商品相場、為替相場、及び海上運賃等の変動の影響を受けます。これら原材料価格等の高騰等により調達価格が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。国際商品相場、及び為替相場等の大きな変動は過去にも発生し、今後も数年に一度程度の頻度で発生する可能性があると想定しています。 このため、加工事業のタングステン原料等の非鉄金属原材料に関しては、その調達先を拡大する、リサイクル原料の使用比率を高める等に取り組む他、その他事業においても原材料調達ルートの複線化、安定的な調達先の確保等を通じ、原材料価格への影響の最小化に努めます。2)ユーティリティ価格 原油や天然ガス等の輸入化石燃料費の増加、エネルギー価格の高騰、再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げ等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。近年、エネルギー情勢は大きく変動し、常に対応できる体制を整えるべきリスクと判断しています。 このため、省エネ設備の導入や自家消費型太陽光発電システムの導入を進めることで購入電力量の削減を図る等を推進しています。(4)調達品 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループの生産活動における資材、部品その他の部材調達に関し、需要の急拡大による供給量の制限や品質不良による調達量不足や原料・熱エネルギー源となる資源の枯渇、ユーティリティ会社の設備故障、重要サプライヤーの被災や倒産等により減産が生じた場合、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。様々な要因により発生するリスクのため発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在し備えるべきリスクと判断しています。 さらに、セメント事業の分野においては、製造工程の省エネに取り組むとともに、現在天然資源の代替として受け入れている廃棄物・副産物の受け入れを拡大し、原料及び資源等の枯渇の防止に努めています。(5)気候変動 (発生可能性:高、影響度:大) 気候変動に対する政策及び法規制が強化され炭素価格制度が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会移行への要求の高まりに対して当社グループの対応が遅れた場合には、販売機会の損失等による企業価値低下が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルの動きが高まっており、我が国においても2050年のカーボンニュートラルへの取り組みが宣言される中、近い将来に想定される規制強化に向けた迅速な対応が必要であると判断しています。 このため、2030年度に向けたGHG削減目標を見直し、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。 一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発への推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。(6)自然災害・異常気象 (発生可能性:中、影響度:中) 異常気象や自然災害などのリスクは年々増加しており、国内外において多数の事業拠点を有している当社グループは、最新のハザード情報等を元に各種防災対策等に取り組んでいます。しかし、地震、台風、洪水、ゲリラ豪雨等の、想定した水準をはるかに超えた大規模自然災害によって生産設備等が甚大な被害を受ける可能性があり、生産設備の損壊、工場における操業・製品の出荷への影響等から、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 近年頻発する自然災害・異常気象に対応するため、当社グループ内の体制の拡充を推進するほか、BCP(事業継続計画)の整備・見直し、複数拠点による製造可能品目の増強、洪水、高潮、高波対応工事等の各種施策を計画的に実施しています。 なお、自然災害等による危機事態が発生した際に、速やかに従業員の安否や事業拠点の被災状況を把握するために、2019年1月、国内外の全拠点に危機管理システムを導入しました。グループ内で被害情報をリアルタイムに共有することにより、各事業拠点や本社部門が各々の立場での適切かつ迅速な対応を可能にするとともに、本社部門や近隣拠点からも速やかに救援し易い体制を構築しています。(7)公害及び環境法令違反の発生 (発生可能性:中、影響度:中) 世界的なサスティナブルディベロップメント(持続可能な発展)の実現に向けた動きを背景に、事業活動において公害または環境破壊を発生させた場合の企業に対する法的及び社会的な制裁等はかつてなく重くなっています。 当社グループの事業は、国内外の各事業所において、環境関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守し活動しています。しかし、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応の遅れ、有害物質含有量の基準厳格化、行政指導の変化、選任・届出・報告等への対応の遅れが生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在するリスクと判断しています。 このため、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転をグループ全社で進める等の施策を推進しています。(8)感染症(新型コロナウイルス) (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大が認められた2020年1月下旬の段階で本社に対策本部を設置し、統一的な対応を開始しています。同対策本部では、世界各地の感染症の流行状況に応じたグループ対応方針と予防対策のガイドライン等を策定し、全事業拠点への周知を図るとともに、従業員の健康状態、国・地域の状況や方針・規制等、事業拠点への影響、サプライチェーンへの影響等の情報を一元的に収集の上、経営層にも共有し、状況の変化に応じて適切かつ迅速に対応するべくモニタリングしています。 これまでのワクチン接種等の感染予防対策の浸透により、国内外の経済、社会活動に一定程度の回復の兆しが見られていますが、新たな変異株の出現による感染の再拡大により市場環境の回復の遅れや当社グループの生産、物流、営業活動等への支障が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、職場における感染予防・拡大防止策の徹底を継続し当社グループの製品・サービス等の提供を途切れさせることがないよう事業運営するとともに、同感染症による事業環境の変化を注視し、その変化の程度や内容によっては、当社グループが取り組むべき社会課題や持続的成長に向けた事業戦略の見直しが必要であると判断しています。(9)情報セキュリティ (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、常に潜在的に存在するリスクと判断しています。 このため、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新や冗長化等を適宜実施しています。更に、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。(10)財務リスク (発生可能性:中、影響度:大) 財務リスクについては、次のリスクを想定しています。いずれも発生時期の予測は困難ですが、常に対応できるよう各種対策を推進しています。1)有利子負債 2022年3月期において、当社グループの有利子負債は6,087億円(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は28.6%となっています。棚卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。2)保有資産の時価の変動 当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。3)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2022年3月期において48億円の債務保証を引き受けています。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、関連会社等の経営状態、財政状態を適宜モニタリングし、影響を低減する取り組みを行っています。4)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。 このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。(11)人権リスク (発生可能性:中、影響度:中) 当社グループは、国内外に事業拠点を持ち、原材料や資材を調達するサプライヤーも多数の国や地域に及びます。自らの事業またはサプライチェーンにおいて、人権侵害が発生した場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的信用・レピュテーションの棄損につながり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在し備えるべきリスクと判断しています。 このため、当社グループでは、2021年12月1日「サスティナビリティ基本方針」を制定し、人権尊重は事業活動の基盤となるという考えのもと、国際的に宣言されている人権の原則を尊重することを明確にしました。同時に「人権方針」を制定しリスク低減に向けて取り組みを推進しています。また、「三菱マテリアルグループ調達方針」、「三菱マテリアルCSR調達ガイドライン」に基づき、人権に配慮した調達に努めています。
FY2021|7,695 文字
2【事業等のリスク】1.重大リスクの選定プロセス 当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、階層ごと(経営層、本社管理部門、本社事業部門、事業拠点)に毎期網羅的に洗い出し評価したうえで、最終的には執行役会において社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、対処すべき優先順位付けと対応方針を決定しています。(図1参照)2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 特定した重大リスクと対応方針は各拠点に展開され、拠点では実施計画を策定のうえリスク低減活動を行っています。実施計画は半期ごとのガバナンス審議会において確認、見直し等がなされ、また拠点の活動状況については四半期ごとにレビューし、結果はサステナブル経営推進本部、執行役会、及び取締役会に報告され、リスクの状態を経営レベルでモニタリングしています。 なお、重大リスクはその属性に応じてグループ全体で優先的に取り組むもの、事業部門内で重点的に取り組むもの、及び事業拠点が単独で取り組むものに分類することにより、各階層が担うべき役割(方針・計画の策定、実行、支援、モニタリング)を明確にしています。特に本社の事業部門は、事業拠点で確実に対策が実行されるよう、事業拠点と定期的にリスクに関するコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています。 また、事業拠点のリスク情報は監査部に共有し内部監査に活用するとともに、監査で認識されたリスク情報は事業活動に反映しています。(図2参照) 新型コロナウイルス感染症については、2020年1月に危機管理担当役員を本部長とする対策本部を本社に設置し、国内外の感染状況に応じたグループとしての対応指針を策定し周知、実行するとともに、事業継続計画の見直し等を実施しています。図1:重大リスクの選定プロセス 図2:リスクマネジメント体制3.事業等のリスク 経営者が当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2021年6月24日現在において判断したものです。(1)国際情勢、海外経済情勢 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループは、海外30の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の政情不安、経済情勢、予期しない政策や規制の変更、また取引先の事業戦略や商品展開の変更等が想定され、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、これらのリスクは常に潜在的に存在していると判断しています。 このため、定期的に事業の状況をモニタリングし、国際情勢、海外経済情勢の変化等によるリスクを踏まえたうえで事業戦略、海外投資等の見直しを行うとともに、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。また、海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。 特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。 これらに対しましては、持続可能な原料ポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保してまいります。(2)市場動向 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供していますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更等、市場・顧客動向は常に変動し、以下に述べるリスクの発生時期は様々であると想定していますが、常に潜在的に存在していると判断しています。 セメントの国内需要は、1990年度の86,286千tをピークに、長期に亘り縮小傾向が続き、現在の国内需要はピーク時の半分以下となっています。社会に不可欠な素材であり中長期的にも一定規模以上の需要が確保される見込みでありますが、需要減少が加速すると当社グループの収益が悪化し、事業継続が困難になる可能性があります。このため、主力工場である九州工場の強靭化を図るとともに、宇部興産社との事業統合によって生産・物流・販売機能の合理化効果を創出し、国内事業の再編と生産体制の最適化を図る、また海外では今後の成長が期待できる地域での事業拡大・新規開拓を目指すことなどを検討しています。 一方、自動車業界は電動化による内燃機関の減少、CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)やMaaS(Mobility as a Service)による構造変化が想定され、生活様式や社会の変化によるモビリティに関するニーズが変化することにより、切削工具等の製品の需要減少が生じることが想定されます。このような業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、自動車部品の変化による新たな需要の獲得を目指すとともに、医療など新たな産業を視野に入れた市場開拓を目指し、減少する可能性のある既存ビジネス領域においてはソリューションなど新たな価値の提供によりシェアの維持・拡大を目指します。また、電動化が進展しても需要が継続する足回り部品の製造に使用される切削工具需要への拡販を目指し、新たな製造工法や新素材に対応した切削技術による市場展開等に取り組んでいます。 また、当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しており、半導体市況の動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、特徴のある高品質な製品提供による重要顧客との信頼関係強化、高付加価値な製品の開発等によるシェア拡大等を検討しています。(3)原材料・ユーティリティ価格の変動 (発生可能性:中、影響度:大)1)原材料価格 金属事業、加工事業、アルミ事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等の調達価格は、当該非鉄金属や石炭等の国際商品相場、為替相場、及び海上運賃等の変動の影響を受けます。これら原材料価格等の高騰等により調達価格が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。国際商品相場、及び為替相場等の大きな変動は過去にも発生し、今後も数年に一度程度の頻度で発生する可能性があると想定しています。 このため、加工事業のタングステン原料、アルミ事業のアルミ地金等の非鉄金属原材料に関しては、その調達先を拡大する、リサイクル原料の使用比率を高める等に取り組んでいます。2)ユーティリティ価格 原油や天然ガス等の輸入化石燃料費の増加、エネルギー価格の高騰、再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げ等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。近年、エネルギー情勢は大きく変動し、常に対応できる体制を整えるべきリスクと判断しています。 このため、省エネ設備の導入や自家消費型太陽光発電システムの導入を進めることで購入電力量の削減を図る等を推進しています。(4)調達品 (発生可能性:中、影響度:大) 当社グループの生産活動における資材、部品その他の部材調達に関し、品質不良による調達量不足や原料・熱エネルギー源となる資源の枯渇、ユーティリティ会社の設備故障、重要サプライヤーの被災や倒産等により減産が生じた場合、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。様々な要因により発生するリスクのため発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在し備えるべきリスクと判断しています。 このため、当社グループの生産活動に大きな影響を及ぼす可能性のある重要原料及び重要資機材に関しては、製造拠点毎にリスト化し調達リスク低減の諸施策を検討・実施し、災害等有事の際には、サプライヤーの被災状況や交通事情の情報を収集して各拠点間で情報の共有化を図っています。 さらに、セメント事業の分野においては、製造工程の省エネに取り組むとともに、現在天然資源の代替として受け入れている廃棄物・副産物の受け入れを拡大し、原料及び資源等の枯渇の防止に努めています。(5)気候変動 (発生可能性:高、影響度:大) 気候変動に対する政策及び法規制が強化され炭素価格制度が導入、強化された場合など、GHG(Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会移行への要求の高まりに対して当社グループの対応が遅れた場合には、販売機会の損失等による企業価値低下が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルの動きが高まっており、我が国においても2050年のカーボンニュートラルへの取り組みが宣言される中、近い将来に想定される規制強化に向けた迅速な対応が必要であると判断しています。 このため、2030年度に向けたGHG削減目標を設定し、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGを着実に削減し、炭素価格負担の圧縮に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。 一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・貯留に関する実証試験・適地調査事業への参画、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。(6)自然災害・異常気象 (発生可能性:中、影響度:中) 異常気象や自然災害などのリスクは年々増加しており、国内外において多数の事業拠点を有している当社グループは、各種防災対策等に取り組んでいます。しかし、地震、台風、洪水、ゲリラ豪雨等の、想定した水準をはるかに超えた大規模自然災害によって生産設備等が甚大な被害を受ける可能性があり、生産設備の損壊、工場における操業・製品の出荷への影響等から、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 近年頻発する自然災害・異常気象に対応するため、当社グループ内の体制の拡充を推進するほか、BCP(事業継続計画)の整備・見直し、複数拠点による製造可能品目の増強、壁面かさ上げ工事等の洪水、高潮、高波対策等の各種施策を計画的に実施しています。 なお、自然災害等による危機事態が発生した際に、速やかに従業員の安否や事業拠点の被災状況を把握するために、2019年1月、国内外の全拠点に危機管理システムを導入しました。グループ内で被害情報をリアルタイムに共有することにより、各事業拠点や本社部門が各々の立場での適切かつ迅速な対応を可能にするとともに、本社部門や近隣拠点からも速やかに救援し易い体制を構築しています。(7)公害及び環境法令違反の発生 (発生可能性:中、影響度:大) 世界的なサスティナブルディベロップメント(持続可能な発展)の実現に向けた動きを背景に、事業活動において公害または環境破壊を発生させた場合の企業に対する法的及び社会的な制裁等はかつてなく重くなっています。 当社グループの事業は、国内外の各事業所において、環境関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守し活動しています。しかし、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応の遅れ、有害元素含有量の基準厳格化、行政指導の変化、選任・届出・報告等への対応の遅れが生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。発生時期は明確ではありませんが、常に潜在的に存在するリスクと判断しています。 このため、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転を全社グループで進める等の施策を推進しています。(8)感染症(新型コロナウイルス) (発生可能性:高、影響度:大) 現在、新型コロナウイルス感染症の感染地域・感染者数拡大により、工場の操業等の事業活動、人材や物資の移動が制約される状況となっており、今後も継続すると想定しています。 このため、当社グループは、中国において同感染症の拡大が認められた2020年1月下旬の段階で本社に対策本部を設置し、統一的な対応を開始しています。同対策本部では、世界各地の感染症の流行状況に応じたグループ対応方針と予防対策のガイドライン等を策定し、全事業拠点への周知を図るとともに、従業員の健康状態、国・地域の状況や方針・規制等、事業拠点への影響、サプライチェーンへの影響等の情報を一元的に収集の上、経営層とも共有し、状況の変化に応じて適切かつ迅速に対応するべくモニタリングしています。 職場での感染予防・拡大防止策としては、各部署における在宅勤務の本格運用、出張・行事等の制限、職場で感染者が発生した場合の対応手順の策定等を実施しています。また、社会基盤を支える当社グループの製品・サービス等の提供を途切れさせることがないよう事業拠点ごとに事業継続計画を策定し、感染症の流行状況に応じた感染拡大防止策をはじめとする各種施策を実施しています。 需要の減少等、同感染症が経営に及ぼす影響評価と対策立案には、アフターコロナの事業環境の変化を注視しておく必要があります。その変化の程度、内容によっては、足元での対応策に加えて、当社グループが取り組むべき社会課題の追加や見直し、業界の構造変化に対する戦略見直しや対策の変更等を検討します。(9)情報セキュリティ (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、常に潜在的に存在するリスクと判断しています。 このため、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新等を適宜実施しています。更に、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。(10)財務リスク (発生可能性:中、影響度:大) 財務リスクについては、次のリスクを想定しています。いずれも発生時期の予測は困難ですが、常に対応できるよう各種対策を推進しています。1)有利子負債 2021年3月期において、当社グループの有利子負債は6,294億円(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は30.9%となっています。たな卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。2)保有資産の時価の変動 当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。3)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2021年3月期において133億円の債務保証を引き受けています。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このため、関連会社等の経営状態、財政状態を適宜モニタリングし、影響を低減する取り組みを行っています。4)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。 このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。
FY2020|4,766 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、こうしたリスクに対して、「第4 提出会社の状況、4.コーポレート・ガバナンスの状況等、(1)コーポレート・ガバナンスの概要、③企業統治に関するその他の事項、 イ.内部統制システムの整備の状況及び子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況」に記載のとおり、「内部統制システム」を構築し、執行役の中からリスク管理に関する事項を分掌する役員を任命するほか、リスクマネジメントを重要なガバナンス関連事項として、サステナブル経営推進本部会、ガバナンス審議会、執行役会、及び取締役会において統合的に管理し、重大リスクの全社方針・計画の審議と決定、及びモニタリングを実施しております。 上記体制の下、重大リスクを含む各リスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、万一発生した場合には影響の極小化に努めております。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える定量的な影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2020年6月30日)現在において判断したものであります。(1)事業再編 当社グループは、2020年度から2022年度を対象期間とする新中期経営戦略における全社方針の一つとして「事業ポートフォリオの最適化」を掲げており、自社がオーナーシップを取るべき事業として、ビジョン・会社の目指す姿と整合性のある事業、自社としてガバナンスできる事業、世界又は特定の地域でリーダーの地位を得られる事業、及び中長期的に資本コストを上回るリターンを継続できる事業への集中を図り、収益性と成長性の2軸で事業の方向性を決定し、ポートフォリオを構築することとしています。その結果により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、2020年2月12日付で、宇部興産株式会社との間で2022年4月を目途に両社のセメント事業及びその関連事業等の統合実施に向けた基本合意書を締結しました。また、2020年4月1日付で、株式会社MOLDINO(三菱日立ツール株式会社から社名変更)を完全子会社化しました。(2)市場・顧客動向 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供しておりますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更により、当社グループの製品等の販売が影響を受ける可能性があります。特に自動車及びIT関連業界は激しい価格及び技術開発競争にさらされており、当社グループは各般に亘るコストダウン、新製品・技術の開発に努めておりますが、業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3)非鉄金属相場、為替相場の変動等 金属事業においては、主な収益源である外貨建の出資鉱山からの配当金及び製錬費等が、非鉄金属相場、為替相場の変動や買鉱条件により影響を受けます。また、出資鉱山に係る貸付金の回収可能性及び債務保証の履行可能性は、非鉄金属相場の影響を受ける当該鉱山のキャッシュ・フローの状況に左右されます。なお、たな卸資産に関しては、鉱石の調達から地金生産・販売に至る期間において、原料代に非鉄金属相場、為替相場の変動リスクを有します。 また、アルミ事業、加工事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等も国際商品であり、これらの原材料及び原燃料の調達価格が、非鉄金属や石炭等の相場、為替相場、海上運賃等の変動の影響を受けます。(4)半導体市況の動向 当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しており、半導体市況の動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5)有利子負債 2020年3月期において、当社グループの有利子負債は5,476億円(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は28.8%となっております。たな卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めておりますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2020年3月期において180億円の債務保証を引き受けております。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7)保有資産の時価の変動 保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等によって発生した損失が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものでありますが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。(9)環境に関するリスクとその対応 当社グループが国内外で展開する各事業において、万が一、有害物質の漏えいによる大気、水質、土壌等の汚染や、廃棄物の不適切な処理が惹起した場合には、当社グループの事業活動に深刻な影響を与えるとともに、新たな費用負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、環境リスクの顕在化を防止するために、環境関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止や廃棄物の適正管理に努めるとともに、環境方針に基づき、事業活動や取り扱う物質、また、立地条件に即してリスク評価を行い、当社グループにとっての環境リスクを見出すとともに必要な対策を講じています。(10)海外活動等 当社グループは、海外30の国・地域に生産及び販売拠点等を有しており、また、海外売上高も連結売上高の44.4%を占めておりますが、各国の政治・経済情勢や為替相場等のほか、貿易・通商規制、鉱業政策、環境関連規制、税制、その他予期しない法律または規制の変更及びその解釈の相違や現地提携先・パートナーの経営方針変更等が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(11)知的財産権 当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。他方、他社の有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(12)製品の品質 当社グループでは、高品質の製品の提供を目指し品質管理体制の強化に取り組んでおりますが、過去に製造販売した製品に関連する現時点で想定していない補償費用等が生じた場合や、重大な品質問題が新たに発生し、信用低下による販売活動への影響並びに品質管理体制の改善・強化等に要する費用及び補償費用等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(13)労働安全衛生、設備事故等 当社グループでは、労働安全衛生・防災保安管理体制といったソフト面と、運転・保守管理と設備安全化といったハード面の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(14)情報管理 当社グループでは、個人情報の取扱を含め情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)訴訟等 国内及び海外の現在または過去の事業に関連して、当社グループが現在当事者となっており、若しくは将来当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、訴訟等が提起されることを未然に防ぐため、法令遵守を徹底するとともに、取引の相手方と十分に協議を行い、合意に基づいて書面で契約を締結する取り組みを進めております。 万が一、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある重要な訴訟等が提起された場合は、当社としては、所管部署が取締役会等に報告するとともに、法務担当部署が所管部署や弁護士等と連携をとりながら、慎重かつ迅速に対応することとしております。(16)電力調達 原子力発電所の稼動停止に伴う輸入化石燃料費の増加や再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げが、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(17)株式会社ダイヤメットの業績 当社の連結子会社である株式会社ダイヤメットは、継続的に営業損失及び固定資産の減損損失を計上しており、債務超過の状態にあります。当社では、同社の事業継続のために同社に対して融資を実行しておりますが、今後、同社の業績の悪化が継続した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(18)気候変動 気候変動による物理的リスクと移行リスクは当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。物理的リスクとして、異常気象(暴風雨、洪水、干ばつ等)による被害により当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、温室効果ガス排出に対する規制(排出量取引制度等)が強化された場合には、当社事業の全てに財務リスクが発生する可能性がありますが、特に、セメント事業は、エネルギー起源の二酸化炭素に加えて、主原料である石灰石の熱分解においても二酸化炭素が排出されるため、当該財務への影響が大きいと考えます。 当社は、2020年3月にTCFD提言への賛同を表明し、今後統合報告書等において同提言に基づいた情報開示を積極的に行ってまいります。(19)感染症(新型コロナウイルス) 新型コロナウイルス感染症に対しては、従業員の健康を第一に、事業活動に支障が出ることのないよう予防・拡大の防止に努めておりますが、感染地域・感染者数の拡大による工場操業や事業活動への制約、及び世界的な景気低迷に伴う需要減退により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(20)その他 上記のほか、取引慣行の変化、地震等の自然災害、及びテロ・戦争・疫病等の不測の事態が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|3,101 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、幅広い事業を展開しているため、業績及び財政状態は国内外の政治・経済・天候・市況・為替動向・法令等、様々な要因の影響を受けます。特に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において判断したものであります。(1)事業再編 当社グループは、事業の選択と集中を推進しており、収益性の高い事業には積極的に経営資源を投入するとともに、他社との提携も視野に入れた、事業の見直し、再編、整理に積極的に取り組んでおります。その結果により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2)市場・顧客動向 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供しておりますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更により、当社グループの製品等の販売が影響を受ける可能性があります。特に自動車及びIT関連業界は激しい価格及び技術開発競争にさらされており、当社グループは各般に亘るコストダウン、新製品・技術の開発に努めておりますが、業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3)非鉄金属相場、為替相場の変動等 金属事業においては、主な収益源である外貨建の出資鉱山からの配当金及び製錬費等が非鉄金属相場、為替相場の変動や買鉱条件により影響を受けます。なお、たな卸資産に関しては、鉱石の調達から地金生産・販売に至る期間において、原料代に非鉄金属相場、為替相場の変動リスクを有します。 また、アルミ事業、加工事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等も国際商品であり、これらの原材料及び原燃料の調達価格が、非鉄金属や石炭等の相場、為替相場、海上運賃等の変動の影響を受けます。(4)半導体市況の動向 当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しており、半導体市況の動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5)有利子負債 2019年3月期において、当社グループの有利子負債は4,947億円(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は25.5%となっております。たな卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めておりますが、今後の金融情勢が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2019年3月期において199億円の債務保証を引き受けております。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7)保有資産の時価の変動 保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものでありますが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。(9)環境規制等 当社グループは、国内外の各事業所において、環境関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や集積場の管理等、鉱害防止に努めております。しかし、関連法令の改正や温室効果ガスの排出に対する数量規制等がなされた場合、新たな費用負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(10)海外活動等 当社グループは、海外31の国・地域に生産及び販売拠点等を有しており、また、海外売上高も連結売上高の44.9%を占めておりますが、各国の政治・経済情勢や為替相場等のほか、貿易・通商規制、鉱業政策、環境関連規制、税制、その他予期しない法律または規制の変更及びその解釈の相違や現地提携先・パートナーの経営方針変更等が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(11)知的財産権 当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。他方、他社の有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(12)製品の品質 当社グループでは、高品質の製品の提供を目指し品質管理体制の強化に取り組んでおりますが、過去に製造販売した製品に関連する現時点で想定していない補償費用等が生じた場合や、重大な品質問題が新たに発生し、信用低下による販売活動への影響並びに品質管理体制の改善・強化等に要する費用及び補償費用等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(13)労働安全衛生、設備事故等 当社グループでは、労働安全衛生・防災保安管理体制といったソフト面と、運転・保守管理と設備安全化といったハード面の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(14)情報管理 当社グループでは、個人情報の取扱を含め情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(15)訴訟等 国内及び海外の現在または過去の事業に関連して、当社グループが現在当事者となっており、若しくは将来当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(16)電力調達 原子力発電所の稼動停止に伴う輸入化石燃料費の増加や再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げが、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(17)株式会社ダイヤメットの業績 当社の連結子会社である株式会社ダイヤメットは、継続的に営業損失及び固定資産の減損損失を計上しており、債務超過の状態にあります。当社では、同社の事業継続のために同社に対して融資を実行しておりますが、今後、同社の業績の悪化が継続した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(18)その他 上記のほか、取引慣行の変化、地震・洪水等の自然災害、及びテロ・戦争・疫病等の不測の事態が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|3,293 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、幅広い事業を展開しているため、業績及び財政状態は国内外の政治・経済・天候・市況・為替動向・法令等、様々な要因の影響を受けます。特に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2018年6月22日)現在において判断したものであります。(1)事業再編 当社グループは、事業の選択と集中を推進しており、収益性の高い事業には積極的に経営資源を投入するとともに、他社との提携も視野に入れた、事業の見直し、再編、整理に積極的に取り組んでおります。この過程において、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(2)市場・顧客動向 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供しておりますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更により、当社グループの製品等の販売が影響を受ける可能性があります。特に自動車及びIT関連業界は激しい価格及び技術開発競争にさらされており、当社グループは各般に亘るコストダウン、新製品・技術の開発に努めておりますが、業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)非鉄金属相場、為替相場の変動等 金属事業においては、主な収益源である外貨建の出資鉱山からの配当金及び製錬費等が非鉄金属相場、為替相場の変動や買鉱条件により影響を受けます。なお、たな卸資産に関しては、鉱石の調達から地金生産・販売に至る期間において、原料代に非鉄金属相場、為替相場の変動リスクを有します。 また、アルミ事業、加工事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等も国際商品であり、これら原材料及び原燃料の調達価格が非鉄金属や石炭等の相場、為替相場、海上運賃等の変動の影響を受けます。(4)半導体市況の動向 当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しており、半導体市況の動向により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(5)有利子負債 2018年3月期において、当社グループの有利子負債は5,214億円(短期借入金、1年以内償還予定の社債、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は25.9%となっております。たな卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めておりますが、今後の金融情勢が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(6)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2018年3月期において210億円の債務保証を引き受けております。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(7)保有資産の時価の変動 保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動などにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 (8)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものでありますが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。(9)環境規制等 当社グループは、国内外の各事業所において、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や集積場の安全管理等、鉱害防止に努めております。しかし、関連法令の改正や温室効果ガスの排出に対する数量規制等がなされた場合は、当社グループにおいて新たな費用負担が発生する可能性があります。(10)海外活動等 当社グループは、海外31の国・地域に生産及び販売拠点等を有しており、また、海外売上高も連結売上高の45.9%を占めておりますが、各国の政治・経済情勢や為替相場等のほか、貿易・通商規制、鉱業政策、環境関連規制、税制、その他予期しない法律または規制の変更及びその解釈の相違や現地提携先・パートナーの経営方針変更等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(11)知的財産権 当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。他方、他社の有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(12)製品の品質 当社グループでは、高品質の製品の提供を目指し、品質管理には万全を期しております。しかし、予期しない事情により、大規模な製品回収等となった場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(13)労働安全衛生、設備事故等 当社グループでは、労働安全衛生・防災保安管理体制といったソフト面と、運転・保守管理と設備安全化といったハード面の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(14)情報管理 当社グループでは、個人情報の取扱を含め情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(15)訴訟等 国内及び海外の現在または過去の事業に関連して、当社グループが現在当事者となっており、若しくは将来当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(16)電力調達 原子力発電所の稼動停止に伴う輸入化石燃料費の増加や再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(17)不適合品に関する対応 当社は、昨年11月に、連結子会社の三菱電線工業株式会社及び三菱伸銅株式会社について、本年2月に同じく連結子会社の三菱アルミニウム株式会社、立花金属工業株式会社及び株式会社ダイヤメットについて、過去に製造販売した製品の一部について、検査記録データの書き換え等の不適切な行為によりお客様の規格値または社内仕様値を逸脱した製品等を出荷した事案を公表しました。 また、当社直島製錬所にて判明した銅スラグ骨材における品質管理上の問題点について、一般財団法人日本品質保証機構(以下、「JQA」といいます。)に事案を報告し、臨時維持審査を受けた結果、JQAより当社直島製錬所の銅スラグ骨材のJIS認証が取り消されました。 これらの事案の今後の進捗次第では、信用低下や受注状況の変化による販売活動への影響や、品質管理体制の強化等に要する費用等及びお客様への補償費用を始めとする損失等の発生により、当社グループの業績及び財政状況が影響を受ける可能性があります。 (18)その他 上記のほか、取引慣行の変化、テロ・戦争・疫病・地震・洪水等の自然災害や不測の事態の発生により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
FY2017|2,856 文字
4【事業等のリスク】 当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、幅広い事業を展開しているため、業績及び財政状態は国内外の政治・経済・天候・市況・為替動向・法令等、様々な要因の影響を受けます。特に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2017年6月28日)現在において判断したものであります。(1)事業再編 当社グループは、事業の選択と集中を推進しており、収益性の高い事業には積極的に経営資源を投入するとともに、他社との提携も視野に入れた、事業の見直し、再編、整理に積極的に取り組んでおります。この過程において、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(2)市場・顧客動向 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供しておりますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更により、当社グループの製品等の販売が影響を受ける可能性があります。特に自動車及びIT関連業界は激しい価格及び技術開発競争にさらされており、当社グループは各般に亘るコストダウン、新製品・技術の開発に努めておりますが、業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)非鉄金属相場、為替相場の変動等 金属事業においては、主な収益源である外貨建の出資鉱山からの配当金及び製錬費等が非鉄金属相場、為替相場の変動や買鉱条件により影響を受けます。なお、たな卸資産に関しては、鉱石の調達から地金生産・販売に至る期間において、原料代に非鉄金属相場、為替相場の変動リスクを有します。 また、アルミ事業、加工事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等も国際商品であり、これら原材料及び原燃料の調達価格が非鉄金属や石炭等の相場、為替相場、海上運賃等の変動の影響を受けます。(4)半導体市況の動向 当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しており、半導体市況の動向により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(5)有利子負債 2017年3月期において、当社グループの有利子負債は5,282億円(短期借入金、1年以内償還予定の社債、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は27.8%となっております。たな卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めておりますが、今後の金融情勢が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(6)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、2017年3月期において288億円の債務保証を引き受けております。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(7)保有資産の時価の変動 保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動などにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 (8)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものでありますが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。(9)環境規制等 当社グループは、国内外の各事業所において、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や集積場の安全管理等、鉱害防止に努めております。しかし、関連法令の改正や温室効果ガスの排出に対する数量規制等がなされた場合は、当社グループにおいて新たな費用負担が発生する可能性があります。(10)海外活動等 当社グループは、海外32の国・地域に生産及び販売拠点等を有しており、また、海外売上高も連結売上高の42.3%を占めておりますが、各国の政治・経済情勢や為替相場等のほか、貿易・通商規制、鉱業政策、環境関連規制、税制、その他予期しない法律または規制の変更及びその解釈の相違や現地提携先・パートナーの経営方針変更等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(11)知的財産権 当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。他方、他社の有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(12)製品の品質 当社グループでは、高品質の製品の提供を目指し、品質管理には万全を期しております。しかし、予期しない事情により、大規模な製品回収等となった場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(13)労働安全衛生、設備事故等 当社グループでは、労働安全衛生・防災保安管理体制といったソフト面と、運転・保守管理と設備安全化といったハード面の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(14)情報管理 当社グループでは、個人情報の取扱を含め情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(15)訴訟等 国内及び海外の現在または過去の事業に関連して、当社グループが現在当事者となっており、若しくは将来当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(16)電力調達 原子力発電所の稼動停止に伴う輸入化石燃料費の増加や再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(17)その他 上記のほか、取引慣行の変化、テロ・戦争・疫病・地震・洪水等の自然災害や不測の事態の発生により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
FY2016|2,902 文字
4【事業等のリスク】 当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、幅広い事業を展開しているため、業績及び財政状態は国内外の政治・経済・天候・市況・為替動向・法令等、様々な要因の影響を受けます。特に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において判断したものであります。(1)事業再編 当社グループは、事業の選択と集中を推進しており、収益性の高い事業には積極的に経営資源を投入するとともに、他社との提携も視野に入れた、事業の見直し、再編、整理に積極的に取り組んでおります。この過程において、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(2)市場・顧客動向 当社グループは、様々な業界に対し、製品及びサービスを提供しておりますが、世界経済情勢の変化や顧客の市場の急速な変化と顧客の市場占有率の変化、顧客の事業戦略または商品展開の変更により、当社グループの製品等の販売が影響を受ける可能性があります。特に自動車及びIT関連業界は激しい価格及び技術開発競争にさらされており、当社グループは各般に亘るコストダウン、新製品・技術の開発に努めておりますが、業界と顧客市場の変化に的確に対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)非鉄金属相場、為替相場の変動等 金属事業においては、主な収益源である外貨建の出資鉱山からの配当金及び製錬費等が非鉄金属相場、為替相場の変動や買鉱条件により影響を受けます。なお、たな卸資産に関しては、鉱石の調達から地金生産・販売に至る期間において、原料代に非鉄金属相場、為替相場の変動リスクを有します。 また、アルミ事業、加工事業等の非鉄金属原材料、セメント事業の石炭等も国際商品であり、これら原材料及び原燃料の調達価格が非鉄金属や石炭等の相場、為替相場、海上運賃等の変動の影響を受けます。(4)半導体市況の動向 当社グループは、半導体業界向けに電子材料、多結晶シリコン等を供給しているほか、持分法適用関連会社である㈱SUMCOにおいて半導体用シリコンウェーハ事業を行っており、半導体市況の動向により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(5)有利子負債 平成28年3月期において、当社グループの有利子負債は5,263億円(短期借入金、1年以内償還予定の社債、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)、総資産に対する割合は29.3%となっております。たな卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めておりますが、今後の金融情勢が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(6)債務保証 当社グループは、連結会社以外の関連会社等の金銭債務に対して、平成28年3月期において263億円の債務保証を引き受けております。将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(7)保有資産の時価の変動 保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動などにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を 受ける可能性があります。 (8)退職給付費用及び債務 従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものでありますが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。(9)環境規制等 当社グループは、国内外の各事業所において、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、国内の休廃止鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や集積場の安全管理等、鉱害防止に努めております。しかし、関連法令の改正や温室効果ガスの排出に対する数量規制等がなされた場合は、当社グループにおいて新たな費用負担が発生する可能性があります。(10)海外活動等 当社グループは、海外29の国・地域に生産及び販売拠点等を有しており、また、海外売上高も連結売上高の35.7%を占めておりますが、各国の政治・経済情勢や為替相場等のほか、貿易・通商規制、鉱業政策、環境関連規制、税制、その他予期しない法律または規制の変更及びその解釈の相違や現地提携先・パートナーの経営方針変更等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(11)知的財産権 当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。他方、他社の有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(12)製品の品質 当社グループでは、高品質の製品の提供を目指し、品質管理には万全を期しております。しかし、予期しない事情により、大規模な製品回収等となった場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(13)労働安全衛生、設備事故等 当社グループでは、労働安全衛生・防災保安管理体制といったソフト面と、運転・保守管理と設備安全化といったハード面の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(14)情報管理 当社グループでは、個人情報の取扱を含め情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(15)訴訟等 国内及び海外の現在または過去の事業に関連して、当社グループが現在当事者となっており、若しくは将来当事者となることのある訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(16)電力調達 原子力発電所の稼動停止に伴う輸入化石燃料費の増加や再生可能エネルギー賦課金の増加等による電気料金の値上げにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(17)その他 上記のほか、取引慣行の変化、テロ・戦争・疫病・地震・洪水等の自然災害や不測の事態の発生により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。