5658

日亜鋼業(5658)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 普通線材製品の製造販売
    フェンスや落石防護網などに使われる、めっき加工された鉄線やその加工品を製造・販売しています。主に公共土木工事や民間の建設プロジェクト向けに提供されており、社会インフラの整備に貢献しています。
  • 特殊線材製品の製造販売
    自動車部品、電力・通信ケーブル、公共土木工事などで使用される、硬鋼線や各種めっき鋼線、鋼より線などを製造・販売しています。高い技術力が求められる分野で、幅広い産業を支える基盤素材を提供しています。
  • 鋲螺線材製品の製造販売
    土木・建設現場で構造物を固定するために使われる、トルシア形高力ボルトや六角高力ボルト、GNボルトなどを製造・販売しています。建物の安全性や耐久性を確保する上で不可欠な製品を提供しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 普通線材製品事業
    フェンスや落石防護網、かごなどに使われるめっき鉄線やその加工製品を製造・販売しています。主に公共土木工事や民間向けに提供されており、最新年度の売上高は約93.77億円、営業利益は約3.13億円と、安定した収益を上げています。
  • 特殊線材製品事業
    自動車産業、電力・通信産業、公共土木向けに、硬鋼線や各種めっき鋼線、鋼より線などを製造・販売しています。最新年度の売上高は約168.41億円、営業利益は約3.47億円と、同社グループの主力事業であり、高い技術力が求められる分野で収益を牽引しています。
  • 鋲螺線材製品事業
    土木・建設業向けのトルシア形高力ボルト、六角高力ボルト、GNボルトなどを製造・販売しています。最新年度の売上高は約71.61億円、営業利益は約5.74億円と、売上規模は特殊線材に劣るものの、利益率が高く、収益性の高い事業として貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
OrdinarySteelWireRods 事業 94 3 3.3%
SpecialSteelWireRods 事業 168 3 2.1%
TackWireRods 事業 72 6 8.0%
RealEstateLeasing 事業 2 1 60.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|580 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社は、当社、連結子会社(ジェイ-ワイテックス㈱、滋賀ボルト㈱、太陽メッキ㈱、烟台基威特鋼線製品有限公司)、非連結子会社(日亜企業㈱、㈱エムアールケー)、その他の関係会社(日本製鉄㈱)の計8社で構成されており、普通線材製品、特殊線材製品、鋲螺線材製品の製造販売を主な事業として取り組んでいる。当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分である。 普通線材製品公共土木向けのかご、落石防護網及び民間向けのフェンス等に使用される各種めっき鉄線、また、めっき鉄線を素線とした加工製品を製造販売している。 (主な関係会社)当社 特殊線材製品自動車産業向け、電力・通信産業向け及び公共土木向け等の硬鋼線、各種めっき鋼線、鋼平線、鋼より線、鋼索を製造販売している。 (主な関係会社)当社及びジェイ-ワイテックス㈱ 鋲螺線材製品土木・建設業向け等のトルシア形高力ボルト、六角高力ボルト及びGNボルトを製造販売している。 (主な関係会社)当社及び滋賀ボルト㈱ 不動産賃貸建物、土地の不動産賃貸業を営んでいる。 (主な関係会社)当社及び滋賀ボルト㈱ その他めっき受託加工及び副産物を販売している。 (主な関係会社)当社、ジェイ-ワイテックス㈱及び太陽メッキ㈱

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格が市況と連動するため、価格決定権が限定的である可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
線材製品の製造には大規模な生産設備が必要と推測される。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:規格変更等による販売環境の変化 / 原材料等の市場動向による業績影響 / 固定資産減損損失の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日亜鋼業は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという情報は公開情報からは確認できない。鉄鋼業は一般的にコモディティ性が高く、無形資産による競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

鉄鋼製品は顧客の仕様に合わせて製造される場合が多く、一度取引が始まると、品質や納期、コストなどの観点から顧客がサプライヤーを切り替えることには一定の手間やリスクが伴う可能性がある。しかし、代替材料の存在や価格競争により、スイッチング・コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

日亜鋼業の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は存在しない。鉄鋼業はBtoBビジネスであり、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄鋼業は規模の経済が働きやすい産業であり、日亜鋼業も長年の操業で培われた生産ノウハウや効率的な生産体制により、一定のコスト競争力を有している可能性がある。特に、特定の製品群における生産効率の高さがコスト優位に寄与しているかもしれない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

鉄鋼業は設備投資が大きく、業界再編が進む中で、一定の生産規模を持つ企業は効率的な操業によりコスト面で優位に立ちやすい。日亜鋼業が特定のニッチ市場や製品分野で一定のシェアを確保し、効率的な規模を維持している可能性は考えられる。

  • 多角的な製品展開
    普通線材、特殊線材、鋲螺線材といった幅広い製品群を持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できる強みがあります。これにより、安定した事業基盤を築いています。
  • グループ会社による連携
    連結子会社であるジェイ-ワイテックスや滋賀ボルト、太陽メッキなどと連携し、製造から加工、めっき処理まで一貫した体制を構築しています。これにより、効率的な生産と品質管理を実現し、顧客への安定供給を可能にしています。
  • 国内製造拠点のリスク分散
    国内の製造拠点を関東と関西の二箇所に配置しており、地震や自然災害が発生した場合でも、東西で生産・出荷を相互にバックアップできる体制を構築しています。これにより、事業継続性を高め、供給途絶のリスクを低減しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1)経営の基本方針  当社グループは、線材加工製品の総合メーカーとして、時代と環境の変化に柔軟に対応しながら、和親協同・信用保持・創意工夫の社是の下、株主や取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの負託と信頼に応えて、当社グループの健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、社会の発展に貢献していく。 (2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題  わが国経済は、米国トランプ政権による関税・通商政策の不安が払拭されない中、中国経済の減速影響や、中東情勢などの地政学的リスクの顕在化、こうした背景による円安進行など、先行き不透明で不確実な状況が一層深まり、一部では製品の価格高騰や供給制約など、経済活動への影響が生じつつある状況下にある。 鉄鋼業界では、中国経済の減速によって生じている中国鉄鋼メーカーの過剰生産・輸出増加問題、日本国内では、継続する需要低迷下において、一方で主副原料価格の高騰等の影響が出つつある。 そうした中で、線材加工製品業界においては、普通線材製品は、フェンス及び土木の二大需要分野で早期の回復は難しい状況にあり、特殊線材製品は、電力通信分野の案件が一定程度見込まれるものの、緩やかに回復してきた自動車分野については、中東情勢の影響等が懸念されている。鋲螺線材製品については、当面建築物件の停滞が継続し、回復は26年度下期以降と想定されている。  また、コスト面では、主副原料価格の大幅な上昇を余儀なくされている中、人財確保や従業員のエンゲージメント向上に資するための人件費の増加に加え、中東情勢の悪化を背景とする原油価格の高騰等、一層のコスト上昇が見込まれる状況にある。 当社グループとしては、こうした事業環境や鉄鋼市場の変化に的確に対応し、一層強靭な企業体質を構築していくために、生産コストの改善・物流効率化等の自助努力を継続した上で、自社で吸収することが困難なコスト増分の販価転嫁の完遂、市場競争力の強化、シェアの拡大、需要の開拓、品種構成の高度化、変動費・固定費の低減、子会社との一体的運営を通じたシナジーの追求、経営基盤強化ならびに業務運営改革に資する基幹システムの刷新等により、収益の確保・拡大と持続的な成長に努めていく。 当社は、めっき・成形加工の高度な技術と商品開発力に支えられたナンバーワン・オンリーワン商品をはじめとする高付加価値の多彩な商品群を有している。こうした差別化商品と東西製造拠点からの短納期デリバリーを武器に、製販技一体で需要家へのソリューション営業を展開し、既存市場での拡販と新規市場の開拓を推進していく。当社は、従来より養殖金網や製紙向け等の用途開拓に加え、補強土壁『ハイパープレメッシュ』の需要家との共同開発など、数々の需要開拓を推し進めてきた。今後とも社会のニーズを踏まえた戦略的な商品を積極的に市場に投入し、公共事業を含めた一定の需要が期待できる建設向け、リピート性の高い製造業向け、他素材の代替を含めた農林水産業向け等を中心に拡販を展開していく。また、事業や業容の拡大を図っていく中で、必要に応じて資本提携等も行っていく。 当社は、ESGやSDGsを踏まえ、「めっき技術で社会に貢献する」をキーワードに、耐食性の高い環境にやさしい商品の提供(エコプロダクト)、お客様や社会のニーズに応えるソリューションの提案(エコソリューション)、省エネやCO2排出量削減等に資する製造プロセスの構築(エコプロセス)の「三つのエコ」を通じて、持続可能な社会の実現に向けて積極的に貢献している。加えて、社会貢献活動の一環として、森林、資源の整備にも取り組んでいる。さらに、ガバナンスの面では、内部統制の充実及びコンプライアンスの徹底を図り、社会から信頼される企業グループを目指していく。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等  当社グループは、収益性の面では、国際会計基準のEBITDAに準拠した減価償却前の利益率を指標とし、売上高に対する減価償却前営業利益率8%、減価償却前経常利益率10%を目標としている。財務の健全性を示すD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)については0.3倍以下としている。  当連結会計年度の減価償却前営業利益率は8.4%(減価償却前営業利益2,838百万円)、減価償却前経常利益率は10.8%(減価償却前経常利益は3,636百万円)、D/Eレシオは0.04倍と目標値をそれぞれ達成した。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1)経営の基本方針  当社グループは、線材加工製品の総合メーカーとして、時代と環境の変化に柔軟に対応しながら、和親協同・信用保持・創意工夫の社是の下、株主や取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの負託と信頼に応えて、当社グループの健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、社会の発展に貢献していく。 (2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題  わが国経済は、米国トランプ政権による関税・通商政策の不安が払拭されない中、中国経済の減速影響や、中東情勢などの地政学的リスクの顕在化、こうした背景による円安進行など、先行き不透明で不確実な状況が一層深まり、一部では製品の価格高騰や供給制約など、経済活動への影響が生じつつある状況下にある。 鉄鋼業界では、中国経済の減速によって生じている中国鉄鋼メーカーの過剰生産・輸出増加問題、日本国内では、継続する需要低迷下において、一方で主副原料価格の高騰等の影響が出つつある。 そうした中で、線材加工製品業界においては、普通線材製品は、フェンス及び土木の二大需要分野で早期の回復は難しい状況にあり、特殊線材製品は、電力通信分野の案件が一定程度見込まれるものの、緩やかに回復してきた自動車分野については、中東情勢の影響等が懸念されている。鋲螺線材製品については、当面建築物件の停滞が継続し、回復は26年度下期以降と想定されている。  また、コスト面では、主副原料価格の大幅な上昇を余儀なくされている中、人財確保や従業員のエンゲージメント向上に資するための人件費の増加に加え、中東情勢の悪化を背景とする原油価格の高騰等、一層のコスト上昇が見込まれる状況にある。 当社グループとしては、こうした事業環境や鉄鋼市場の変化に的確に対応し、一層強靭な企業体質を構築していくために、生産コストの改善・物流効率化等の自助努力を継続した上で、自社で吸収することが困難なコスト増分の販価転嫁の完遂、市場競争力の強化、シェアの拡大、需要の開拓、品種構成の高度化、変動費・固定費の低減、子会社との一体的運営を通じたシナジーの追求、経営基盤強化ならびに業務運営改革に資する基幹システムの刷新等により、収益の確保・拡大と持続的な成長に努めていく。 当社は、めっき・成形加工の高度な技術と商品開発力に支えられたナンバーワン・オンリーワン商品をはじめとする高付加価値の多彩な商品群を有している。こうした差別化商品と東西製造拠点からの短納期デリバリーを武器に、製販技一体で需要家へのソリューション営業を展開し、既存市場での拡販と新規市場の開拓を推進していく。当社は、従来より養殖金網や製紙向け等の用途開拓に加え、補強土壁『ハイパープレメッシュ』の需要家との共同開発など、数々の需要開拓を推し進めてきた。今後とも社会のニーズを踏まえた戦略的な商品を積極的に市場に投入し、公共事業を含めた一定の需要が期待できる建設向け、リピート性の高い製造業向け、他素材の代替を含めた農林水産業向け等を中心に拡販を展開していく。また、事業や業容の拡大を図っていく中で、必要に応じて資本提携等も行っていく。 当社は、ESGやSDGsを踏まえ、「めっき技術で社会に貢献する」をキーワードに、耐食性の高い環境にやさしい商品の提供(エコプロダクト)、お客様や社会のニーズに応えるソリューションの提案(エコソリューション)、省エネやCO2排出量削減等に資する製造プロセスの構築(エコプロセス)の「三つのエコ」を通じて、持続可能な社会の実現に向けて積極的に貢献している。加えて、社会貢献活動の一環として、森林、資源の整備にも取り組んでいる。さらに、ガバナンスの面では、内部統制の充実及びコンプライアンスの徹底を図り、社会から信頼される企業グループを目指していく。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等  当社グループは、収益性の面では、国際会計基準のEBITDAに準拠した減価償却前の利益率を指標とし、売上高に対する減価償却前営業利益率8%、減価償却前経常利益率10%を目標としている。財務の健全性を示すD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)については0.3倍以下としている。  当連結会計年度の減価償却前営業利益率は8.4%(減価償却前営業利益2,838百万円)、減価償却前経常利益率は10.8%(減価償却前経常利益は3,636百万円)、D/Eレシオは0.04倍と目標値をそれぞれ達成した。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済が、米国トランプ政権の関税・通商政策、地政学的リスク、中国経済減速など先行きの不透明な状況の中、国内鉄鋼需要は低調に推移し、特に建築・土木分野については、人手不足や資機材高騰等により低迷が継続した。線材加工製品業界においては、普通線材製品でフェンス・土木向けの需要減少が継続し、特殊線材製品では、自動車関連は緩やかな回復傾向にあるものの、鋼索分野は低調に推移した。鋲螺線材製品は、昨年度下期以降の建築・土木向け物件の停滞が継続した。また、コスト面では、人件費の上昇に加え、物流費や副原料費等が増加した。このような事業環境の中、当社グループは、生産コストの改善・物流効率化等の自助努力を継続した上で、自社で吸収することが困難なコスト増分については販価転嫁を進めながら、数量捕捉対策並びにコスト削減策等を積極的に推進した。その結果、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。  a.財政状態当連結会計年度末の財政状態については、総資産は73,097百万円と前連結会計年度末に比べ758百万円の増加、負債合計は15,890百万円と前連結会計年度末に比べ1,073百万円の減少、純資産合計は57,206百万円と前連結会計年度末に比べ1,831百万円の増加となった。  b.経営成績当連結会計年度の経営成績については、売上高は販売数量の減少により33,793百万円と前期に比べ333百万円(△1.0%)の減収、利益面においては、販売数量が減少したものの、諸コスト上昇に対する販売価格改善やコスト削減策等により、営業利益は1,431百万円と前期比82百万円(6.1%)の増益、経常利益は2,229百万円と前期比89百万円(4.2%)の増益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に不採算事業であったタイ関係会社の関係会社整理損を計上したこと等により、1,017百万円と前期比47百万円(△4.5%)の減益となった。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。 また、セグメント利益は、営業利益ベースの数値である。 普通線材製品普通線材を素材とした各種めっき鉄線、また、めっき鉄線を素線とした加工製品からなり、公共土木向けのかご、落石防護網及び民間向けを含めた各種フェンス等に使用されている。 売上高は、人件費や物流費等のコスト上昇に対する販売価格改善の一方で、販売数量が減少したことにより、9,188百万円と前期に比べ207百万円(△2.2%)の減収となった。営業利益は、販価改善等の増益要因が、販売数量減等の減益要因を上回ったことにより、498百万円と前期に比べ185百万円(59.4%)の増益となった。 特殊線材製品特殊線材を素材とした硬鋼線、各種めっき鋼線、鋼平線、鋼より線、鋼索等からなり、自動車向け、電力通信向け及び公共土木向け等、多岐に渡って使用されている。 売上高は、人件費や物流費等のコスト上昇に対する販売価格改善等により、17,287百万円と前期に比べ403百万円(2.4%)の増収となった。営業利益は、販価改善等の増益要因が、諸コスト上昇等の減益要因を上回ったことにより、609百万円と前期に比べ262百万円(75.7%)の増益となった。 鋲螺線材製品鋲螺線材を素材としたトルシア形高力ボルト、六角高力ボルト及びGNボルト等からなり、主として建築向けに使用されている。 売上高は、販売数量の減少及び販売価格低下により、6,673百万円と前期に比べ488百万円(△6.8%)の減収となった。営業利益は、販売数量減及び諸コスト上昇等により、210百万円と前期に比べ363百万円(△63.3%)の減益となった。 不動産賃貸主に賃貸用不動産を所有・経営している。 売上高は、161百万円と前期に比べ2百万円(△1.4%)の減収となった。営業利益は98百万円と前期に比べほぼ横這いとなった。 その他めっき受託加工等の売上高は545百万円と前期に比べ38百万円(△6.6%)の減収となった。営業利益は15百万円と前期に比べほぼ横這いとなった。  ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,356百万円となり、前連結会計年度末に比べ26百万円(0.4%)の増加となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりである。  (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、3,038百万円となり、前期に比べ672百万円(28.4%)の増加となった。これは主に、棚卸資産の増減額の減少への転換、関係会社整理損の増加が売上債権の増減額の増加への転換、関係会社整理損失引当金の増減額の減少への転換を上回ったことによるものである。  (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、836百万円となり、前期に比べ1,269百万円(△60.3%)の減少となった。これは主に、定期預金の預入による支出の減少、有価証券の償還による収入の増加が有形固定資産の取得による支出の増加、貸付けによる支出の増加、投資有価証券の売却による収入の減少を上回ったことによるものである。  (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、2,187百万円となり、前期に比べ586百万円(36.6%)の増加となった。これは主に、自己株式の取得による支出の増加、長期借入金返済による支出の増加、短期借入金の純増減額の減少が非支配株主への配当金の支払額の減少を上回ったことによるものである。  ③ 生産、受注及び販売の実績  a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)普通線材製品7,088,262△4.1特殊線材製品13,905,867△0.8鋲螺線材製品4,461,355△5.3その他230,422△6.7合計25,685,907△2.6 (注)金額は、製造原価によっている。   b.受注実績 当社グループは原則として需要状況を勘案した見込生産を行っているため、該当事項なし。    c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)普通線材製品9,188,218△2.2特殊線材製品17,287,9152.4鋲螺線材製品6,673,304△6.8不動産賃貸161,590△1.4その他545,126△6.6調整額△62,7570.4合計33,793,398△1.0 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)株式会社メタルワン鉄鋼製品販売3,555,80210.43,715,68211.0 (注)株式会社メタルワン鉄鋼製品販売は2026年4月1日付で株式会社メタルワン特殊鋼と合併し、株式会社Metal One Nexusに名称を変更している。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。  ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析当社グループは、生産コストの改善・物流効率化等の自助努力を継続した上で、自社で吸収することが困難なコスト増分については販価転嫁を進めながら、数量捕捉対策並びにコスト削減策等を積極的に推進した。その結果、当連結会計年度における売上高は、販売数量の減少により33,793百万円と前期に比べ333百万円(△1.0%)の減収となった。 営業利益は、販売数量が減少したものの、諸コスト上昇に対する販売価格改善やコスト削減策等により、1,431百万円と前期に比べ82百万円(6.1%)の増益となった。 経常利益は、2,229百万円と前期に比べ89百万円(4.2%)の増益となった。 特別利益は、為替換算調整勘定取崩益の増加等により、前期に比べ224百万円増加の225百万円となった。 特別損失は、関係会社整理損の増加等により、前期に比べ434百万円増加の1,143百万円となった。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ120百万円減少の1,311百万円となった。また、税効果による法人税等調整額を含む税金費用は、前期に比べ264百万円減少し、非支配株主に帰属する当期純利益は191百万円増加した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,017百万円と前期に比べ47百万円(△4.5%)の減益となった。 セグメント別の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載している。  b.財政状態の分析 (資産の部)当連結会計年度末の総資産は73,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ758百万円の増加となった。流動資産は34,062百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,765百万円の減少となった。これは主に現金及び預金の減少によるものである。固定資産は39,034百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,523百万円の増加となった。これは主に建設仮勘定の増加によるものである。  (負債の部)当連結会計年度末の負債合計は15,890百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,073百万円の減少となった。流動負債は10,393百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,335百万円の減少となった。これは主に1年内返済予定の長期借入金の減少によるものである。固定負債は5,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ262百万円の増加となった。これは主に繰延税金負債の増加によるものである。  (純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は57,206百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,831百万円の増加となった。この結果、自己資本比率は73.1%となった。  ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載している。 当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入、設備投資等によるものである。 当社グループは、事業の運営に必要な資金については、自己資金を活用するとともに、銀行等金融機関からの借入により調達している。  ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えている。 (固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しているが、将来計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性がある。 (繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、繰延税金資産について、将来計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。 (退職給付債務の算定)確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定している。数理計算上の仮定には、割引率等の計算基礎がある。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性がある。なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2 確定給付制度 (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりである。

事業リスク

  • 製品規格の変更リスク
    技術革新や法規制の変更により、製品の規格や素材が変更される可能性があります。これにより、現在の生産設備や技術が陳腐化し、新たな設備投資や技術開発が必要となることで、生産・販売活動に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の変動リスク
    鉄鉱石、スクラップ、亜鉛などの原材料価格は市況に連動して大きく変動します。これらの価格が高騰した場合、製品の製造コストが増加し、利益率が圧迫される可能性があります。特に、国際的な需給バランスや為替レートの変動が影響します。
  • 地政学的リスクとサプライチェーン
    中東情勢の悪化などの地政学的リスクが高まると、原油価格の高騰や物流の混乱、原材料の調達難などが発生し、生産・販売活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。これにより、製品の安定供給が困難になり、業績が悪化するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,375 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1) 規格の変更等について当社グループは、規格の変更、新方式・新素材の採用等により販売環境が大きく変わり、当社グループの生産・販売活動に支障が生じる可能性がある。 (2) 原材料等の市場動向について当社グループの事業に用いる原材料の価格は、鉄鉱石やスクラップ、亜鉛等の市況と連動することから、当該市況の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。 (3) 固定資産減損損失について当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (4) 株式・債券市場等の動向について当社グループは、投資有価証券を運用していることから、市場の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。当社では、所有株式・債券について個別銘柄毎に取引・運用状況を検証し、投資先企業の業績や財務体質を踏まえた保有リスク、含み損益、投資リターン等を総合的に勘案し、継続保有や新規保有の適否の判断を行っている。 (5) 2024年問題(物流・建設)の影響について2024年4月の労働基準法改正により、物流・建設業関連業務における時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されたことに伴う働き手不足により、建設・土木分野の需要低迷が継続する可能性がある。 (6) 米国トランプ政権の関税・通商政策等の影響について米国トランプ政権の関税・通商政策等が自動車分野の需要動向をはじめ、わが国及び世界の景気動向等に影響を与えることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。 (7) 中東情勢の影響について中東情勢の悪化を始めとする地政学的リスクの高まりにより、需要の低迷やサプライチェーンの混乱、燃料の価格高騰や調達難など、当社グループの生産・販売活動に影響を及ぼす可能性がある。当社では、今後の動向を注視しつつ、適時適切な対策を図っていく。 (8) 地震、津波及びその他の自然災害等について当社グループは、地震、津波及びその他の自然災害等により、当社グループの生産・販売活動に支障が生じる可能性がある。国内の製造拠点は関東と関西の二箇所に配置しており、東西で生産・出荷を可能な限り相互にバックアップできるような体制を構築している。システム関係については、基幹サーバを兵庫県尼崎市の本社から同県三田市のデータセンターに移設するとともに、千葉県のデータセンターにもサーバデータの複製を保管することにより、システム情報の保管に関するリスク回避を図っている。また、当社では、地震、津波、台風その他の自然災害等に備えた防災体制の強化や社員の災害対応力の向上を図るため、防災機器・設備の充実や防災対応マニュアルの整備・更新、定期的な初動対応訓練等を適宜行っている。

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