5408

中山製鋼所(5408)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 鉄鋼製品の製造販売
    中山製鋼所グループは、主に鉄鋼製品の製造と販売を行っています。自社で鉄鋼事業部門を持ち、鉄鋼製品を製造・販売するほか、連結子会社である三泉シヤーや関連会社の日鉄ボルテンも鉄鋼二次加工製品の製造・販売を手掛けています。グループ全体で鉄鋼関連事業を多角的に展開し、収益の柱としています。
  • エンジニアリング事業
    鉄鋼事業で培った技術を活かし、鋼製魚礁の製造・販売、ロールの製造・販売、機械の加工・組立なども行っています。これは、鉄鋼以外の分野で技術力を活用し、事業の多角化を図ることで収益源を広げるビジネスモデルと言えます。
  • 不動産事業による収益
    不動産事業部門では、不動産の賃貸や販売を行っています。また、連結子会社の中山興産は不動産の売買・仲介やその他のサービス事業を展開しており、安定的な収益源としてグループ全体の経営を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鉄鋼事業
    中山製鋼所の主力事業であり、鉄鋼製品の製造・販売を行っています。連結子会社や関連会社も鉄鋼二次加工製品の製造・販売を担い、グループ全体の売上高の大部分(1664.86億円)を占める稼ぎ頭です。主要株主である阪和興業への鋼材販売や原料購入も行っています。
  • エンジニアリング事業
    鋼製魚礁の製造・販売、ロールの製造・販売、機械の加工・組立などを手掛けています。鉄鋼事業で培った技術を応用し、ニッチな市場で事業を展開しており、売上高は18.58億円と鉄鋼事業に比べると規模は小さいですが、技術力を活かした多角化の一翼を担っています。
  • 不動産事業
    不動産の賃貸・販売を主な内容とし、連結子会社の中山興産が不動産の売買・仲介やその他サービス事業を行っています。売上高は9.84億円で、グループ全体の収益に占める割合は小さいものの、安定的な収益源として事業ポートフォリオの一部を構成しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Steel 事業 1,665
Engineering 事業 19
RealEstate 事業 10
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|559 文字
3 【事業の内容】当社グループは、鉄鋼の製造、販売を主な事業内容としておりますが、各事業に関わる位置付け等は、次のとおりであります。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1) 鉄鋼鉄鋼製品については当社の鉄鋼事業部門が製造・販売を行っており、鉄鋼二次加工製品については、当社以外に連結子会社三泉シヤー㈱及び関連会社日鉄ボルテン㈱においても製造・販売を行っております。また、当社グループの製品等の輸送については、主として連結子会社三星海運㈱が行っております。当社製品の一部については、連結子会社中山通商㈱及び三星商事㈱を通じて販売しております。当社の鉄鋼事業部門は、主要株主である阪和興業㈱への鋼材の販売及び鋼材の原料となる鋼片等の購入を行っております。 (2) エンジニアリング当社のエンジニアリング事業部門において、鋼製魚礁の製造・販売のほか、ロールの製造・販売及び機械の加工・組立等を行っております。 (3) 不動産当社の不動産事業部門が不動産の賃貸・販売を行っているほか、連結子会社中山興産㈱が不動産の売買・仲介、その他サービス事業を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主原料の国際商品市況が急激に上昇した場合、販売価格への転嫁が困難なため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
鉄鋼製品の製造には大規模な設備投資が必要であり、新規参入が困難。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:主要原材料・製品販売価格の変動リスク / 最終ユーザーの需要動向に伴うリスク / 電気料金の価格動向に伴うリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

中山製鋼所は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという明確な証拠はない。汎用性の高い鉄鋼製品を製造しており、無形資産による競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

鉄鋼製品の調達において、顧客は品質、価格、納期などを総合的に判断する。特定のサプライヤーへの依存度を高めるほどの高いスイッチングコストは存在しないが、長年の取引関係や品質への信頼から一定の継続性は見られる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄鋼業は製造業であり、製品の利用者が増えることで価値が増大するネットワーク効果は発生しない。プラットフォームビジネスのような性質は皆無である。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

中山製鋼所は電炉メーカーとして、鉄スクラップを主原料としている。鉄スクラップの調達力や、省エネルギー技術の導入による生産効率の高さがコスト競争力の源泉となりうる。特に、高炉メーカーと比較して設備投資が少なく、変動費率が高い点が特徴。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電炉メーカーとしては中堅規模であり、特定の鋼種や用途において一定の生産規模を持つ。しかし、鉄鋼業界全体で見ると、日本製鉄などの巨大企業と比較して規模の経済性は限定的である。特定分野での効率的な生産体制が競争力に寄与。

  • 多様な販売チャネルとリスク分散
    同社グループは、特定の大手最終ユーザーに直接販売するのではなく、全国の問屋や溶断業者を通じて多種多様な中小最終ユーザーへ製品を供給しています。これにより、特定の顧客や産業の需要変動リスクを分散し、安定的な販売基盤を築いています。
  • 鉄源の柔軟な使い分け
    主要原材料価格や販売価格の変動リスクに対し、電気炉鋼片と購入鋼片を柔軟に使い分ける生産・営業体制を構築しています。これにより、市況の変動に応じて製造コストを最適化し、鋼材スプレッド(製品価格と原材料価格の差)の最大化を図ることで、収益性を維持する強みがあります。
  • 環境マネジメントシステムの確立
    ISO14001を取得し、環境マネジメントシステムを構築・運用しています。これにより、環境規制の強化や脱炭素化の流れに対応し、事業活動における環境リスクを低減するとともに、持続可能な企業としての信頼性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 1. 経営方針当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。 <経営理念>中山製鋼所グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。 <行動指針>① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。 <グループビジョン>中山製鋼所グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。 2. 経営環境今後の見通しにつきましては、米国の関税をはじめとする国際的な保護貿易政策や中国製品の安値流入拡大懸念などにより不透明感が強く、労務費、物流費など諸コストが上昇するなか、人手不足や資材高騰に伴う工事の見直しにより中小建築案件の需要回復が見込めないことから、厳しい環境が継続するものと思われます。このような環境下、2025年5月9日に公表しました「中山製鋼所グループの長期ビジョン実現に向けた長期計画の策定と新電気炉投資に関するお知らせ」の通り、当社は長期計画の実現に向けて取り組んでいくとともに、同日併せて公表しました「日本製鉄株式会社との合弁会社設立及び業務提携に向けた基本合意書締結のお知らせ」の通り、日本製鉄との合弁会社設立と業務提携に向けて協議を進めてまいります。カーボンニュートラルへの意識が高まるなか、電気炉の生産能力増強や電気炉材の適用拡大を推し進めることで基盤作りを行い、高付加価値製品の拡販、加工能力の増強など諸施策を着実に実行し、収益性の向上を図ってまいります。 3. 対処すべき課題等[中山製鋼所グループ2030長期ビジョン]当社は、おかげさまで2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、長期ビジョンとして2030年のありたい姿・目指す企業像を策定いたしました。当社グループの経営理念やグループビジョンを踏まえ、電気炉メーカーである強みや優位性を活かした成長戦略を推進するとともに、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してまいります。 中山製鋼所グループ2030長期ビジョン~ESGにおける5つのマテリアリティ(重要課題)ありたい姿・目指す企業像・カーボンニュートラル実現に向けて尽力する企業・従業員のモチベーションをアップさせ、家族の幸せを追求する企業・社会に貢献し地域と協調・共生する企業・お客様に中山製鋼所グループを選んでいただき、喜んでいただける企業・ステークホルダーに安心していただき、喜んでいただける企業 [中期経営計画(2022~2024年度)の概要と実績]当社グループは、前記の2030長期ビジョンの実現に向けて、そのスタートとなる3年間の中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定し、施策を実施いたしました。当該中期経営計画の重点方針及び最終目標は以下の通りです。 (1) 重点方針① ”中山らしさ”の追求、グループ一体での付加価値向上による連結収益最大化② カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取組強化③ 中部鋼鈑株式会社との業務提携の推進④ 経営基盤の強化⑤ ステークホルダーに貢献する取組強化 (2) 経営目標本中期経営計画の最終年度である2024年度の定量目標・KPI及び2022~2024年度実績は以下のとおりです。 2024年度(最終年度)目標2022年度実績2023年度実績2024年度実績経常利益100億円134億円122億円81億円投資額190億円/3年間40億円52億円41億円ネットD/Eレシオ0.1倍程度△0.06倍△0.07倍△0.06倍ROE7.0%11.0%8.8%5.4%配当性向30%29.1%30.4%38.0% [中山製鋼所グループの長期計画について]当社は、2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、2022年5月に当社グループの2030年のありたい姿・目指す企業像として「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」を公表しました。その中において、グループ一体での付加価値向上やカーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取り組み強化を図っていくため、電気炉鋼材の適用拡大、加工戦略の推進に加え、抜本的な電気炉生産能力の増強策として、新電気炉投資(以下「本投資」といいます。)を検討してまいりました。 特に、近年、世界的に環境意識が高まる中において、鉄鋼業におけるCO2排出量の削減は喫緊の課題となっております。そのような事業環境下において、CO2排出量が高炉鋼の約1/4である電気炉鋼の需要は、今後益々高まると考えられております。 当社グループは、高炉・転炉の技術も持ち合わせた電気炉鋼材を生産できる限られたメーカーの一つであります。2002年に高炉・転炉を休止し、現在は電気炉で生産した鉄源と外部から調達した鉄源により鋼材やその加工品を生産・販売しておりますが、老朽化が進む既設電気炉を休止し、新電気炉を建設して生産能力を大幅に増強し、外部調達から自社鉄源に置き換えることにより、CO2排出量を大幅に削減できるだけでなく、収益性も改善できると見込んでおります。 このような認識に基づき、100年先も躍動し続けるグループの土台となる「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」の実現のため、本投資を決定し、これを中核とする長期計画を策定いたしました。 なお、本投資は、2025年5月9日に公表いたしました「日本製鉄株式会社との合弁会社設立及び業務提携に向けた基本合意書締結のお知らせ」のとおり、日本製鉄株式会社と当社が出資し合弁会社を設立し、当社船町工場構内に電気炉設備を新設するものであり、当社が当該電気炉設備を賃借して電気炉操業を行う予定です。 (1) 重点方針① カーボンニュートラル・循環型社会の実現への貢献 ・本投資により完成する新電気炉が稼働することで、2030年度CO2排出量を2013年度比46%削減、2050年度にカーボンニュートラルを目指します。② 収益構造の改善、製品ポートフォリオの改革・本投資により、自社鉄源比率の向上、省エネルギーや歩留り改善などコスト競争力を強化し、日本製鉄との業務提携に基づく電気炉鋼片や電気炉熱延製品の供給による収益性の向上や安定化を図ります。 ・電気炉鋼材の適用拡大を推進し、製品開発などにより製品ラインアップを拡充するなど、新たな顧客価値を創出します。グリーン鋼材への取組みも今後検討してまいります。また、これまで進めてきた加工戦略を一層強化し、付加価値を向上させ製品ポートフォリオを改革します。・新電気炉稼働までの期間は、既設電気炉で月間5万トンの生産体制を構築するとともに、電気炉鋼比率を高め、電気炉鋼の拡販に注力します。③ 事業連携の強化・日本製鉄との合弁契約締結に向けて引続き協議し、両社の業務提携を実現できるよう取り組みます。・中部鋼鈑株式会社との業務提携契約に基づき、同社からのスラブ供給や同社への厚板生産委託などを推進します。・加工戦略を一層推進すべく、取引先との加工受委託や製品開発に関する連携も検討してまいります。④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり・新電気炉は、当社船町工場構内の高炉・コークス跡地に設置され、下工程の熱延工場加熱炉に近接でき、構内物流の整流化や電気炉鋼片の熱延工場加熱炉への直送によるコスト改善も見込まれます。新電気炉の建設とともに、安全かつ効率的な業務運営にも取り組んでまいります。・新電気炉生産量は120万トン/年で、既設電気炉の2倍以上を想定しております。そのため、鉄スクラップの調達が課題となりますが、当社主要拠点の岸壁を活用したグループ会社による海上輸送や新電気炉による加工スクラップの使用比率低減などの対策を講じてまいります。⑤ 経営基盤の強化・④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり を踏まえ、労働生産性向上のため、DXによる業務効率化を推進します。生産情報の可視化・リアルタイム共有、サプライチェーン情報の可視化や経営管理の高度化など付加価値の高い業務へのシフトを進めます。・人的資本経営への取組みとしては、将来人事戦略を具現化し、優秀な人材獲得や離職率の低減、人材育成の仕組みを再構築するとともに、DE&Iを推進し、従業員のモチベーションややりがいを高める職場環境づくりを目指します。 (2) 経営目標本長期計画において重視する経営指標の数値目標は以下のとおりです。 2024年度実績2030年度目標2033年度目標※経常利益81億円100億円以上130億円以上EBITDA113億円220億円以上260億円以上ROE5.4%5%以上6%以上 ※新電気炉本格的稼働を2030年度期中と想定しており、新電気炉による施策効果が概ね見込まれる2033年度を長期計画の数値目標といたしました。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 1. 経営方針当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。 <経営理念>中山製鋼所グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。 <行動指針>① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。 <グループビジョン>中山製鋼所グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。 2. 経営環境今後の見通しにつきましては、米国の関税をはじめとする国際的な保護貿易政策や中国製品の安値流入拡大懸念などにより不透明感が強く、労務費、物流費など諸コストが上昇するなか、人手不足や資材高騰に伴う工事の見直しにより中小建築案件の需要回復が見込めないことから、厳しい環境が継続するものと思われます。このような環境下、2025年5月9日に公表しました「中山製鋼所グループの長期ビジョン実現に向けた長期計画の策定と新電気炉投資に関するお知らせ」の通り、当社は長期計画の実現に向けて取り組んでいくとともに、同日併せて公表しました「日本製鉄株式会社との合弁会社設立及び業務提携に向けた基本合意書締結のお知らせ」の通り、日本製鉄との合弁会社設立と業務提携に向けて協議を進めてまいります。カーボンニュートラルへの意識が高まるなか、電気炉の生産能力増強や電気炉材の適用拡大を推し進めることで基盤作りを行い、高付加価値製品の拡販、加工能力の増強など諸施策を着実に実行し、収益性の向上を図ってまいります。 3. 対処すべき課題等[中山製鋼所グループ2030長期ビジョン]当社は、おかげさまで2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、長期ビジョンとして2030年のありたい姿・目指す企業像を策定いたしました。当社グループの経営理念やグループビジョンを踏まえ、電気炉メーカーである強みや優位性を活かした成長戦略を推進するとともに、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してまいります。 中山製鋼所グループ2030長期ビジョン~ESGにおける5つのマテリアリティ(重要課題)ありたい姿・目指す企業像・カーボンニュートラル実現に向けて尽力する企業・従業員のモチベーションをアップさせ、家族の幸せを追求する企業・社会に貢献し地域と協調・共生する企業・お客様に中山製鋼所グループを選んでいただき、喜んでいただける企業・ステークホルダーに安心していただき、喜んでいただける企業 [中期経営計画(2022~2024年度)の概要と実績]当社グループは、前記の2030長期ビジョンの実現に向けて、そのスタートとなる3年間の中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定し、施策を実施いたしました。当該中期経営計画の重点方針及び最終目標は以下の通りです。 (1) 重点方針① ”中山らしさ”の追求、グループ一体での付加価値向上による連結収益最大化② カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取組強化③ 中部鋼鈑株式会社との業務提携の推進④ 経営基盤の強化⑤ ステークホルダーに貢献する取組強化 (2) 経営目標本中期経営計画の最終年度である2024年度の定量目標・KPI及び2022~2024年度実績は以下のとおりです。 2024年度(最終年度)目標2022年度実績2023年度実績2024年度実績経常利益100億円134億円122億円81億円投資額190億円/3年間40億円52億円41億円ネットD/Eレシオ0.1倍程度△0.06倍△0.07倍△0.06倍ROE7.0%11.0%8.8%5.4%配当性向30%29.1%30.4%38.0% [中山製鋼所グループの長期計画について]当社は、2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、2022年5月に当社グループの2030年のありたい姿・目指す企業像として「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」を公表しました。その中において、グループ一体での付加価値向上やカーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取り組み強化を図っていくため、電気炉鋼材の適用拡大、加工戦略の推進に加え、抜本的な電気炉生産能力の増強策として、新電気炉投資(以下「本投資」といいます。)を検討してまいりました。 特に、近年、世界的に環境意識が高まる中において、鉄鋼業におけるCO2排出量の削減は喫緊の課題となっております。そのような事業環境下において、CO2排出量が高炉鋼の約1/4である電気炉鋼の需要は、今後益々高まると考えられております。 当社グループは、高炉・転炉の技術も持ち合わせた電気炉鋼材を生産できる限られたメーカーの一つであります。2002年に高炉・転炉を休止し、現在は電気炉で生産した鉄源と外部から調達した鉄源により鋼材やその加工品を生産・販売しておりますが、老朽化が進む既設電気炉を休止し、新電気炉を建設して生産能力を大幅に増強し、外部調達から自社鉄源に置き換えることにより、CO2排出量を大幅に削減できるだけでなく、収益性も改善できると見込んでおります。 このような認識に基づき、100年先も躍動し続けるグループの土台となる「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」の実現のため、本投資を決定し、これを中核とする長期計画を策定いたしました。 なお、本投資は、2025年5月9日に公表いたしました「日本製鉄株式会社との合弁会社設立及び業務提携に向けた基本合意書締結のお知らせ」のとおり、日本製鉄株式会社と当社が出資し合弁会社を設立し、当社船町工場構内に電気炉設備を新設するものであり、当社が当該電気炉設備を賃借して電気炉操業を行う予定です。 (1) 重点方針① カーボンニュートラル・循環型社会の実現への貢献 ・本投資により完成する新電気炉が稼働することで、2030年度CO2排出量を2013年度比46%削減、2050年度にカーボンニュートラルを目指します。② 収益構造の改善、製品ポートフォリオの改革・本投資により、自社鉄源比率の向上、省エネルギーや歩留り改善などコスト競争力を強化し、日本製鉄との業務提携に基づく電気炉鋼片や電気炉熱延製品の供給による収益性の向上や安定化を図ります。 ・電気炉鋼材の適用拡大を推進し、製品開発などにより製品ラインアップを拡充するなど、新たな顧客価値を創出します。グリーン鋼材への取組みも今後検討してまいります。また、これまで進めてきた加工戦略を一層強化し、付加価値を向上させ製品ポートフォリオを改革します。・新電気炉稼働までの期間は、既設電気炉で月間5万トンの生産体制を構築するとともに、電気炉鋼比率を高め、電気炉鋼の拡販に注力します。③ 事業連携の強化・日本製鉄との合弁契約締結に向けて引続き協議し、両社の業務提携を実現できるよう取り組みます。・中部鋼鈑株式会社との業務提携契約に基づき、同社からのスラブ供給や同社への厚板生産委託などを推進します。・加工戦略を一層推進すべく、取引先との加工受委託や製品開発に関する連携も検討してまいります。④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり・新電気炉は、当社船町工場構内の高炉・コークス跡地に設置され、下工程の熱延工場加熱炉に近接でき、構内物流の整流化や電気炉鋼片の熱延工場加熱炉への直送によるコスト改善も見込まれます。新電気炉の建設とともに、安全かつ効率的な業務運営にも取り組んでまいります。・新電気炉生産量は120万トン/年で、既設電気炉の2倍以上を想定しております。そのため、鉄スクラップの調達が課題となりますが、当社主要拠点の岸壁を活用したグループ会社による海上輸送や新電気炉による加工スクラップの使用比率低減などの対策を講じてまいります。⑤ 経営基盤の強化・④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり を踏まえ、労働生産性向上のため、DXによる業務効率化を推進します。生産情報の可視化・リアルタイム共有、サプライチェーン情報の可視化や経営管理の高度化など付加価値の高い業務へのシフトを進めます。・人的資本経営への取組みとしては、将来人事戦略を具現化し、優秀な人材獲得や離職率の低減、人材育成の仕組みを再構築するとともに、DE&Iを推進し、従業員のモチベーションややりがいを高める職場環境づくりを目指します。 (2) 経営目標本長期計画において重視する経営指標の数値目標は以下のとおりです。 2024年度実績2030年度目標2033年度目標※経常利益81億円100億円以上130億円以上EBITDA113億円220億円以上260億円以上ROE5.4%5%以上6%以上 ※新電気炉本格的稼働を2030年度期中と想定しており、新電気炉による施策効果が概ね見込まれる2033年度を長期計画の数値目標といたしました。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。   ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国の経済は、企業の設備投資や公的需要の増加から回復傾向にはあるものの、物価上昇が下押し要因となったことで民間消費が低調であったことから成長率はほぼ横ばいにとどまりました。当社グループの主力事業である鉄鋼業界におきましては、資材高騰や人手不足に伴う工期の遅れなどにより建設・製造業向けの国内需要が低位に推移したことに加え、安価な輸入材流入の影響により鋼材販売数量、販売価格がともに下落をしました。またそれに加え労務費、物流コストやエネルギー価格が増加するなど、収益環境は厳しさを増すこととなりました。これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,693億29百万円(前期比151億16百万円減)、営業利益84億36百万円(前期比38億90百万円の減益)、経常利益81億19百万円(前期比41億24百万円の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益56億95百万円(前期比32億8百万円の減益)となりました。 当連結会計年度における各セグメントの業績は、次のとおりであります。鉄鋼につきましては、昨年度の設備トラブルが解消し、安定した操業を継続したことにより製造コストは改善しましたが、鋼材販売数量の減少と販売価格の下落に加え、固定費の増加や在庫影響などにより減益となりました。これらの結果、売上高は1,666億47百万円(前期比149億97百万円減)、経常利益は78億24百万円(前期比39億28百万円の減益)となりました。エンジニアリングにつきましては、海洋部門の売上減などにより、売上高は18億86百万円(前期比1億71百万円減)、経常利益は36百万円(前期比37百万円の減益)となりました。不動産につきましては、賃貸収入を中心に安定した収益を確保し、売上高は13億92百万円(前期比45百万円減)、経常利益は6億96百万円(前期比9百万円の減益)となりました。 当連結会計年度末の総資産は1,491億48百万円となり、前連結会計年度末と比べ29億39百万円減少しました。これは主として、商品及び製品、原材料及び貯蔵品、機械及び装置が増加した一方、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、差入保証金が減少したことによるものであります。負債については423億37百万円となり、前連結会計年度末と比べ51億97百万円減少しました。これは主として、支払手形及び買掛金、未払法人税等の減少によるものであります。純資産については1,068億10百万円となり、前連結会計年度末と比べ22億57百万円増加しました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び剰余金の配当によるものであります。  ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、153億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億40百万円減少(△6.9%)しました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 営業活動の結果得られた資金は、73億46百万円(前期51億53百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益、減価償却費、売上債権の減少、仕入債務の減少、法人税等の支払によるものであります。投資活動の結果支出した資金は、46億83百万円(前期23億円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出によるものであります。財務活動の結果支出した資金は、38億4百万円(前期31億41百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出、配当金の支払によるものであります。    ③ 生産、受注及び販売の状況  a.生産実績セグメントの名称品名当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)生産高(千トン)前期比(%)鉄鋼粗鋼54110.7圧延鋼材976△8.6加工鋼材3465.4 (注) 上記以外については、役務の提供や重要性のないものであるため記載を省略しております。   b.受注実績セグメントの名称品名当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)鉄鋼鋼材75,707△18.911,629△31.9エンジニアリング魚礁等1,6923.51,713△8.8 (注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 鉄鋼セグメントについては、製造会社である当社、三泉シヤ―㈱の2社の受注高及び受注残高を記載しております。また、当該2社の中山通商㈱、三星商事㈱を介した外部顧客に対する受注高及び受注残高については、実務上算定が困難であるため、上記には含めておりません。3 当連結会計年度において、鉄鋼事業の受注残高は著しく減少しました。これは、鋼材需要が低位に推移したこと及び輸入材の流入による、受注数量の減少及び鋼材販売価格の下落によるものであります。   c.販売実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)前期比(%)鉄鋼166,486△8.2エンジニアリング1,858△7.2不動産984△1.8合計169,329△8.2 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)阪和興業㈱36,15519.633,68119.9  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。  ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。  ② 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因についての分析当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。  ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報1.キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 2.資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入などによる調達を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は90億62百万円、現金及び現金同等物の残高は153億26百万円となっております。

事業リスク

  • 原材料価格と製品価格の変動
    鉄鋼製品の主要原材料価格は国際的な資源需給に影響され、急激な高騰があった場合、製造コストの上昇分を販売価格に転嫁することが困難になる可能性があります。また、燃料価格の上昇も製造・運送コストに影響し、会社の利益を圧迫する恐れがあります。
  • 最終ユーザーの需要変動
    同社グループの鉄鋼製品は、建設、建設機械、産業機械などの分野で使われることが多いため、これらの業界の需要が低迷すると、製品の販売量が減少し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に景気変動の影響を受けやすいリスクがあります。
  • 電気料金の価格変動
    国内の電力供給状況や燃料価格の変動により、電気料金が高騰する可能性があります。鉄鋼製品の製造には多量の電力を消費するため、電力コストの増加は製造コストに直結し、会社の財政状態や経営成績に大きな影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,798 文字
3 【事業等のリスク】当報告書に記載している事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 主要原材料の価格並びに製品の販売価格の動向に伴うリスク鉄鋼製品の主要原材料価格は、国内だけでなく国際的な資源需給の動向等の影響を受けます。主原料の国際商品市況が急激に上昇した場合、製造コストの上昇分に見合った販売価格への転嫁を早期に実施することは困難であるため、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。また、原油価格の変動に伴う重油・ガソリン・天然ガスなど、燃料価格の上昇は、製造プロセスにおける燃料コストや販売運送コストに影響を与える可能性があります。当社グループでは、販売価格や主原料価格の動向により、電気炉鋼片又は購入鋼片をフレキシブルに使い分けた生産・営業体制を堅持し、鋼材スプレッドの最大化を図っております。② 最終ユーザーの需要動向に伴うリスク当社グループが製造している鉄鋼製品は、総合商社や鉄鋼商社、問屋や溶断業者などを通じて最終ユーザーに販売されております。最終ユーザーは、主として建設、建設機械や産業機械などに属する企業であることから、建設需要の低迷や建設機械や産業機械の生産量の減少など、最終ユーザーにおける鉄鋼需要そのものが低迷した場合、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、特に問屋、溶断業者とのサプライチェーンを全国にきめ細かく築いております。特定の大手最終ユーザーと直接取引をするより、各地域の多種多様な中小最終ユーザーへ問屋、溶断業者が持つ地場密着のきめ細かな販売、配送機能を利用して販売することで需要低迷時のリスク分散、競合他社との差別化を図っております。今後もこのサプライチェーンをより一層強化するため、全地域に販売拠点を持つグループ会社との連携営業、加工能力増強による商品ラインアップの充実を進めてまいります。③ 電気料金の価格動向に伴うリスク現在、国内の原子力発電所の多くが運転を停止し、火力による発電比率が高まる中、電力単価が上昇し、電力費の負担は高水準で推移しております。また、燃料費調整単価は、火力発電に必要な石炭、液化天然ガス及び原油などの価格や為替の動向によって上昇する可能性があります。これらの動向による電力料金の状況により、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、電気炉コストが急激に上昇したり、計画停電などにより減産を余儀なくされた場合においては、鉄源多様化による購入鋼片を増加させることなどにより、生産・販売や収益への影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。④ 各種法的規制、訴訟等に伴うリスク当社グループは、日本及び海外各国・地域の法令や規制に従って事業活動を行っております。法規制には、環境、商取引、労務、知的財産権、租税、為替等の各種関係法令に加えて、事業活動や投資を行うために必要とされる様々な官公庁等の許認可規制があります。今後、より厳格な規制が導入されたり、法令の運用・解釈が厳しくなったりすることにより、当社グループの事業活動の継続が困難になったり、法令遵守のための費用負担が増加する可能性があります。当社グループは、「中山製鋼所グループ企業理念」により、法令遵守することを行動指針の一つとして掲げており、全役職員に教育・指導しておりますが、当社グループが何らかの理由により法規制に違反したと認定された場合には、課徴金等の行政処分、罰金等の刑事処分を受ける可能性があり、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。また、重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループでは、各種業界団体への加盟やセミナーへの参加等により、各種法的規制に関する必要な情報を適時・的確に収集するとともに、各種法令等遵守の徹底を図るため、コンプライアンス推進部署が、各種法令等への遵守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。 ⑤ 事業活動にかかる環境規制に伴うリスク当社グループは、現在、鉄鋼事業活動の過程で発生する廃棄物、副産物等の扱いは、国内外の法規制を遵守し、的確な対応を行っておりますが、将来において環境規制が強化された場合、鉄鋼事業活動が制約を受け、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。また、パリ協定の合意以降、世界的に脱炭素化の流れが加速しており、当社グループにおいてもカーボンニュートラルに向けた取り組みを行いCO2排出量削減に努めておりますが、国内外において法規制の厳格化、炭素税や排出量取引制度が導入された場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、各種業界団体への加盟やセミナーへの参加等により、必要な情報を適時・的確に収集するとともに、環境パフォーマンスの改善を図ることを目的としてISO14001を取得するなど、環境マネジメントシステムを構築し運用しております。⑥ 気候変動が及ぼすリスク当社は、2022年10月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、気候変動に関するリスクと機会を分析・開示するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組みを開始しておりますが、気温の上昇や異常気象、自然災害等によって原材料の調達停止やコストの増加、生産停止など事業活動に影響が生じる可能性があります。また、脱炭素への対応が不足又は遅延することで、生産コストの増加や新たな税負担、事業活動の制限等の影響を受ける可能性があります。⑦ 製品・サービスの品質問題等によるリスク当社グループは、鉄鋼製品をはじめ様々な製品・サービスについて、お客様に有用な付加価値の高い製品・サービスを提供してまいります。当社グループでは、法令・日本産業規格などの公的な規格・顧客との協定事項の遵守を徹底し、厳密な社内規準の制定や堅固な検査体制の構築を実施し、これを確実に運用しております。ただし、不適合な製品等が社外に流出し、あるいは顧客にて品質問題が生じた場合には、顧客等からの代品の納入や補償の要求などにより、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、品質問題が発生した場合には不適合の発生原因を正確に突き止め、そのうえで確実な再発防止策を講じてまいります。こうした施策により、当社グループ又は当社グループの製品やサービスに関する信頼の損失や売上の減少等を回避し、当社グループの財政状態や経営成績等の維持・向上を図ります。⑧ 台風・地震等の大規模な自然災害や各種感染症等の異常事態発生に伴うリスク当社の本社・船町工場は大阪市内にあり、単独の事業拠点、工場をもって事業を展開しております。台風・地震等の大規模な自然災害や、新型コロナウイルスを始めとする感染症拡大など、異常事態が当社グループの想定を超える規模で発生し、工場の生産や製品の販売が困難な状態となった場合、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、有事の際には、在宅勤務等、勤務体制の変更、従業員の行動基準の策定、異常事態発生時の対応マニュアルの運用等により、事業リスクの最小化に向けた施策を推進します。⑨ 重大な労働災害、設備事故等によるリスク当社の船町工場をはじめとする当社グループの各製造工場において、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には、操業に支障をきたし、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、労働災害や工場事故発生時の対応マニュアルの発動や、通常時は安全管理を徹底するなど、事業リスクの最小化に向けて対応いたします。⑩ 人材の確保におけるリスク当社グループでは、企業戦略を支えるのは人材であると認識しております。現在、わが国では、少子高齢化が進展していますが、人材の確保が十分にできない場合には、生産・販売・サービス等のレベル低下により、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループでは、新卒採用活動の強化のほか、中途採用も積極的に行うだけでなく、2024年4月より当社の定年年齢を従来の60歳から65歳へ延長し、長期的かつ安定的な人材の確保に取り組んでおります。さらに、有能な人材の確保のために取り組むだけでなく、設備の省力化・合理化等の設備投資も進めております。 ⑪ システムリスク当社グループの業務は、基幹システムを導入し業務運営を行っております。不正アクセス、大規模停電、予期せぬシステムトラブルが発生し、復旧等に時間を要した場合、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループでは、データのバックアップを外部のデータセンターに送ることによりシステム障害によるデータ消失への対策を講じております。また、システムハード障害においても重要な機器類を冗長化するとともに24時間365日の障害監視を外部に委託し障害の予兆監視と障害発生時の早期修理対応ができるように対策を講じております。⑫ 減損会計適用に伴うリスク当社グループは、事業用の設備、不動産をはじめ、様々な有形・無形固定資産を所有しております。当該資産が将来期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況に陥る等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失の計上が必要となり、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループでは、事業用の設備、不動産の安定した稼働を維持し、安定したキャッシュ・フローの創出に努めてまいります。⑬ 投資有価証券の価格変動リスク上場株式の株価が著しく下落した場合には、当社グループが保有する投資有価証券の減損損失計上が必要となったり、年金資産を構成する上場株式の評価下落により、退職給付会計における数理計算上の差異が発生し、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、純投資目的である投資株式は保有しておらず、純投資目的以外の目的である投資株式についても保有の意義が必ずしも十分でないと判断される株式については縮減を図る方針であります。また、年金資産の構成についても、国内債券等安全性の高い資産が過半数を占めるなど、上場株式のリスクについて極力低減させております。⑭ 資金調達に関わるリスク当社の金融機関からの借入契約には、各年度の末日の連結純資産及び各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合には、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。当社が借入金について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営計画の着実な実行により安定した収益確保と財務体質の強化に努めてまいります。

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