5334

日本特殊陶業(5334)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ガラス・土石製品 建設・資材

事業の概要

  • 自動車関連製品
    スパークプラグやグロープラグ、各種センサーといった自動車部品の製造販売が主力です。国内では自社製造に加え、子会社への製造委託も行い、海外ではブラジルでの一貫生産や、北米、中国、東南アジア、欧州の子会社での組立・販売を通じてグローバルに展開しています。自動車産業のサプライチェーンに深く組み込まれ、世界中の自動車メーカーや補修市場に製品を供給しています。
  • セラミック製品
    工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、半導体製造装置用製品、ICパッケージなどの半導体部品、さらには医療用酸素濃縮装置といった幅広い製品を手掛けています。国内では自社および子会社が製造販売を行い、海外ではCAIRE Inc.が一貫生産を担うほか、海外販売子会社を通じてグローバルに顧客へ製品を届けています。
  • 新規事業への注力
    燃料電池などの環境エネルギー分野に関する製品の製造販売にも力を入れています。国内では森村SOFCテクノロジー株式会社が固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造販売を行っており、海外の販売子会社を通じてこれらの新規事業製品を顧客に提供しています。将来の成長ドライバーとして、環境技術分野への投資と事業拡大を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車関連製品事業
    スパークプラグ、グロープラグ、自動車用各種センサーなどの自動車部品の製造販売が中心です。当期売上高は3,228.56億円、営業利益は711.34億円と、同社グループの収益の大部分を占める稼ぎ頭です。国内での製造販売に加え、北米、中国、東南アジア、欧州など世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
  • 半導体・セラミック技術製品事業
    半導体製造装置用製品やICパッケージなどの半導体部品、工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、医療用酸素濃縮装置などを扱っています。半導体技術製品の売上高は356.35億円で営業利益は-47.44億円、セラミック技術製品の売上高は209.95億円で営業利益は0.47億円、技術セラミック製品全体では売上高566.31億円で営業利益は-46.97億円となっています。半導体市場の変動に影響を受けやすい特性があります。
  • 新規事業
    燃料電池などの環境エネルギー分野に関する製品の製造販売を行っています。具体的な売上高や営業利益の記載はありませんが、将来の成長を見据えた投資分野として位置づけられています。森村SOFCテクノロジー株式会社での固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造販売など、環境技術分野での事業拡大を目指しています。
FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomotiveComponents 事業 3,229 711 22.0%
SemiconductorTechnicalCeramics 事業 356 -47 -13.3%
CeramicsTechnicalCeramics 事業 210 0 0.2%
TechnicalCeramics 事業 566 -47 -8.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,327 文字
3 【事業の内容】当企業集団は日本特殊陶業㈱(以下「当社」)、子会社69社、関連会社11社で構成され、自動車関連製品、セラミック製品、新規事業に関する製品の製造販売等を主な事業内容としています。当社グループの事業に係る位置付けの概要は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの管理区分を変更しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.セグメント情報」を参照下さい。<自動車関連> 当事業は、スパークプラグ、グロープラグ、自動車用各種センサをはじめとした自動車部品の製造販売を行っています。 国内では当社が製造販売を行っています。また、当社から㈱日特スパークテックWKS・セラミックセンサ㈱をはじめとした国内子会社へ原材料・部品を支給して製造委託を行うなどして、完成品及び半製品・組立部品として購入した上で販売しています。海外ではNiterraブラジル㈲でスパークプラグの一貫生産と販売を行っている他、Niterra North America㈱をはじめとする北米、中国・韓国及び東南アジア、欧州の海外製造販売子会社・関連会社において当社から部品及び原材料を購入して完成品を組立、各地域で販売を行っています。また、Wells Vehicle Electronics, L.P.では自動車関連品の一貫生産と販売を行っています。更には、各海外工場で製造した半製品・部品の一部を、当社をはじめ各製造拠点で組立部品としても活用しています。 一方、上記の海外製造販売子会社及びNiterra EMEA㈲をはじめとした海外販売子会社は、当社及び上記海外製造子会社から完成品を仕入れ、各地域において顧客への販売を行っています。<セラミック>当事業は、工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、半導体製造装置用製品、ICパッケージをはじめとした半導体部品、医療用酸素濃縮装置等の製造販売を行っています。 国内では当社、㈱NTKセラテックが製造販売を行っています。また、当社からNTKセラミック㈱をはじめとした国内子会社・関連会社へ原材料・部品を支給して製造委託を行うなどして、完成品及び半製品・部品として購入した上で販売しています。海外ではCAIRE Inc.が一貫生産と販売を行っている一方、Niterra North America㈱をはじめとした海外販売子会社は、当社及び上記製造子会社から完成品を仕入れ、各地域において顧客へ販売を行っています。<新規事業>当事業は、燃料電池等の環境エネルギー分野に関する製品をはじめとした、新規事業に関する製品の製造販売を行っています。 国内では当社が製造販売を行っています。また、森村SOFCテクノロジー㈱において、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造販売を行っています。海外ではNiterra North America㈱をはじめとした海外販売子会社で、当社から新規事業に関する製品を仕入れ、各地域において顧客への販売を行っています。<その他>日特アルファサービス㈱にて福利厚生サービスを行っています。  上記事項の概略は、次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
主要製品に使用する貴金属の価格高騰に対し、原価低減や価格転嫁等の施策を検討
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
スパークプラグやセンサ、半導体製造装置用部品などの高度な技術開発と安定量産体制
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:世界情勢・為替変動に関するリスク / 事業環境に関するリスク / 製品品質に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

NGKスパークプラグは世界トップクラスのシェアを誇り、自動車メーカーからの高い信頼を得ている。長年のブランド構築と技術開発により、他社が容易に模倣できない強力なブランド力と技術的優位性を確立している。特に高性能・高耐久性スパークプラグ分野での特許技術は競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーにとって、スパークプラグはエンジン性能や燃費に直結する重要な部品であり、サプライヤー変更には車両設計レベルでの検証や認証が必要となる。一度採用されたサプライヤーは、品質と信頼性から継続的に採用される傾向があり、スイッチングコストは高いと考えられる。しかし、競合他社も技術開発を進めており、絶対的なロックイン効果とは言えない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

スパークプラグの製造・販売において、ネットワーク効果は直接的には見られない。製品の価値は個々の性能に依存し、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高める構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウとスケールメリットにより、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社の生産効率向上により、絶対的なコスト優位性を維持することは容易ではない。特に新興国メーカーの台頭はコスト圧力を高める要因となりうる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

スパークプラグ市場において、世界有数の生産能力と販売網を有しており、一定の規模の経済は働いている。しかし、市場全体としては複数の大手メーカーが存在する寡占市場であり、絶対的な支配力を持つレベルではない。特にアフターマーケットでの競争は激しい。

  • グローバルな生産販売網
    売上の約80%が海外市場であることからもわかるように、世界中に製造・販売拠点を展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに合わせた製品供給や、為替変動リスクの分散、地政学リスクへの対応力を高めています。特に自動車関連製品では、主要な自動車生産地域を網羅し、安定的な供給体制を構築しています。
  • 多角的な製品ポートフォリオ
    自動車関連製品だけでなく、セラミック製品や新規事業製品といった幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを軽減し、異なる産業分野の成長機会を取り込むことが可能です。特に半導体部品や医療機器など、成長が見込まれる分野への展開は、将来の収益安定化に寄与する可能性があります。
  • 長年の技術蓄積と品質管理
    スパークプラグなどの自動車部品で培われた精密なセラミック技術や品質管理ノウハウは、同社の強みです。世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しており、高い信頼性を確保しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、競争の激しい市場において優位性を保っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040年 ありたい姿」の再定義と「2030 長期経営計画」当社グループは、2020年に「2040年 ありたい姿」からバックキャストし、そのマイルストーンと なる2030年をターゲットにした長期経営計画「2030 長期経営計画日特BX」を策定しました。しかしながら、前中期経営計画(2021~2024年度)以降、経営環境の変化は目まぐるしく、持続可能な成長を遂げるには、企業固有のアセットを経営課題に合わせ再構成し、自社の競争力を高めていく必要があります。当社グループが経営を通じて、過去から蓄積してきた技術・アセットを軸としながらも新たな価値創造を実現し、社会課題を解決する姿勢を明確にすべく、これまで「2040年 ありたい姿」としていた「“Beyond ceramics, eXceeding imagination”『セラミックスのその先へ、想像のその先へ』」を新たに「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」へと改定しました。また、当社グループの使命として「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたアセット』と『新たなアセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」と定義し、そのスローガンを「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」とし、グループ一丸となり社会課題を解決していくことを目指します。「2030 長期経営計画」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力領域は、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。また、「2030 長期経営計画」の実現に向けた具体的な施策や経営目標を定めるため、2025年度から2029年度を対象期間とする新たな中期経営計画の策定を進めています。 ②前中期経営計画(2021~2024年度)の振り返り前中期経営計画は、「2030 長期経営計画 日特BX」における2021年度から2024年度までの4年間で「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」をスローガンに、組織を変革する期間との位置付けとしていました。以下の基本方針及び重点課題を掲げ、各種の取組を実行してまいりました。 <基本方針>「既存事業」と「新規事業」が独立しながら、両輪で走る <重点課題>成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化前中期経営計画の総括は以下のとおりです。 (定量目標の達成状況)初年度からの新型コロナウイルス感染の再拡大や半導体供給不足による自動車生産台数への影響、またロシア・ウクライナ情勢の長期化や原材料価格の高騰など、不透明な事業環境が続きました。しかしながら、自動車関連事業においては、補修用製品の販売が好調に推移したことやインフレに対応した価格転嫁を実行したことに加え、円安へ進行したことによる利益押上げもあり、継続して収益性を向上することができました。また、成長・新規事業領域と位置付けるセラミック事業においては、半導体関連の事業が市場での生産調整の影響を受けつつも、事業規模を拡大したことなどにより、売上収益、営業利益及び資本効率性指標について目標値を1年前倒しで達成することができました。 2020年度 中期経営計画(2016~2020年度)最終年度実績・・・2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度実績2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度目標売上収益 (億円)4,275 6,5296,000営業利益 (億円)473 1,2961,000営業利益率11% 20%17%以上非内燃事業売上収益 (億円)889 1,1401,500ROIC6% 11%10%ROE9% 14%13% (重点課題の成果と課題)■成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進・成長事業及び新規事業については、売上収益の規模が2020年度より約28%向上しました。SPE事業においてはセラミック素材技術により高まる要求性能に応え、旺盛な半導体需要を着実に捉えています。また、2024年11月には、東芝マテリアル社の株式の取得(子会社化)を決定し、将来的に電気自動車向けに市場の拡大が見込まれる窒化ケイ素を利用したモーター用軸受けのセラミックボールやパワー半導体用の窒化ケイ素放熱基板等での事業成長を目指しています。一方で、不採算事業や不採算製品からの撤退も実行し、収益構造を改善しました。・2021年4月には社内カンパニー制への移行と一部事業部門の分社化を実施しました。事業部門、事業サポート部門、コーポレート部門の各組織において権限と責任を明確にし、独立自営の体制のもと、機動的な意思決定の実現と収益性の可視化による更なる成長を推進します。・事業ポートフォリオの転換に不可欠な人材ポートフォリオの転換を実現するため、成長事業・新規事業への人材の積極的な転換に取り組むとともに、「自律創造人材」の育成・創出を推進しました。 ■ ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化・ROICを用いた事業別の目標管理・事業ポートフォリオマネジメントの仕組みの構築・運用に加え、グローバル戦略本部を中心に監理対象銘柄入りの決定や格付の基準を定める等、財務規律を明確化することで、経営資源の最適配分の実現に向けた取組を加速しました。 ③優先的に取り組む経営課題当社グループの理念体系であるNiterraウェイの重要な要素であるCSR・サステナビリティ憲章にも謳われているように、当社グループは持続可能な社会の実現に寄与することで、企業価値を向上していくことを目指しています。そのために、社会的課題の解決により「地球を輝かせる」ことが最も重要な経営課題と考え、社会的課題解決・人的資本・経営基盤の3つの枠組みで具体的取組を推進します。具体的には、Niterraグループならではの特殊な技術と発想を活かし、多様な技術の組み合わせを通じた社会的課題解決への貢献と再生可能・循環可能なソリューションの提供に取り組みます。また、それを支える人的資本への取組としては、Niterraウェイを体現する多様な人材が個を活かしていきいきと働くことができる仕組みの拡充を図ります。多様な人材は、主体的に動き未来を切り開く人材・より高度な課題に対し専門性を持って新たな価値を創造できる人材と定義し、その育成に取り組みます。更にこれらを実現するため、迅速な意思決定を支え、外部環境の変化に対応した戦略的なリスクコントロールを可能にするグローバルな経営基盤を構築していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040年 ありたい姿」の再定義と「2030 長期経営計画」当社グループは、2020年に「2040年 ありたい姿」からバックキャストし、そのマイルストーンと なる2030年をターゲットにした長期経営計画「2030 長期経営計画日特BX」を策定しました。しかしながら、前中期経営計画(2021~2024年度)以降、経営環境の変化は目まぐるしく、持続可能な成長を遂げるには、企業固有のアセットを経営課題に合わせ再構成し、自社の競争力を高めていく必要があります。当社グループが経営を通じて、過去から蓄積してきた技術・アセットを軸としながらも新たな価値創造を実現し、社会課題を解決する姿勢を明確にすべく、これまで「2040年 ありたい姿」としていた「“Beyond ceramics, eXceeding imagination”『セラミックスのその先へ、想像のその先へ』」を新たに「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」へと改定しました。また、当社グループの使命として「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたアセット』と『新たなアセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」と定義し、そのスローガンを「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」とし、グループ一丸となり社会課題を解決していくことを目指します。「2030 長期経営計画」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力領域は、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。また、「2030 長期経営計画」の実現に向けた具体的な施策や経営目標を定めるため、2025年度から2029年度を対象期間とする新たな中期経営計画の策定を進めています。 ②前中期経営計画(2021~2024年度)の振り返り前中期経営計画は、「2030 長期経営計画 日特BX」における2021年度から2024年度までの4年間で「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」をスローガンに、組織を変革する期間との位置付けとしていました。以下の基本方針及び重点課題を掲げ、各種の取組を実行してまいりました。 <基本方針>「既存事業」と「新規事業」が独立しながら、両輪で走る <重点課題>成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化前中期経営計画の総括は以下のとおりです。 (定量目標の達成状況)初年度からの新型コロナウイルス感染の再拡大や半導体供給不足による自動車生産台数への影響、またロシア・ウクライナ情勢の長期化や原材料価格の高騰など、不透明な事業環境が続きました。しかしながら、自動車関連事業においては、補修用製品の販売が好調に推移したことやインフレに対応した価格転嫁を実行したことに加え、円安へ進行したことによる利益押上げもあり、継続して収益性を向上することができました。また、成長・新規事業領域と位置付けるセラミック事業においては、半導体関連の事業が市場での生産調整の影響を受けつつも、事業規模を拡大したことなどにより、売上収益、営業利益及び資本効率性指標について目標値を1年前倒しで達成することができました。 2020年度 中期経営計画(2016~2020年度)最終年度実績・・・2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度実績2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度目標売上収益 (億円)4,275 6,5296,000営業利益 (億円)473 1,2961,000営業利益率11% 20%17%以上非内燃事業売上収益 (億円)889 1,1401,500ROIC6% 11%10%ROE9% 14%13% (重点課題の成果と課題)■成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進・成長事業及び新規事業については、売上収益の規模が2020年度より約28%向上しました。SPE事業においてはセラミック素材技術により高まる要求性能に応え、旺盛な半導体需要を着実に捉えています。また、2024年11月には、東芝マテリアル社の株式の取得(子会社化)を決定し、将来的に電気自動車向けに市場の拡大が見込まれる窒化ケイ素を利用したモーター用軸受けのセラミックボールやパワー半導体用の窒化ケイ素放熱基板等での事業成長を目指しています。一方で、不採算事業や不採算製品からの撤退も実行し、収益構造を改善しました。・2021年4月には社内カンパニー制への移行と一部事業部門の分社化を実施しました。事業部門、事業サポート部門、コーポレート部門の各組織において権限と責任を明確にし、独立自営の体制のもと、機動的な意思決定の実現と収益性の可視化による更なる成長を推進します。・事業ポートフォリオの転換に不可欠な人材ポートフォリオの転換を実現するため、成長事業・新規事業への人材の積極的な転換に取り組むとともに、「自律創造人材」の育成・創出を推進しました。 ■ ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化・ROICを用いた事業別の目標管理・事業ポートフォリオマネジメントの仕組みの構築・運用に加え、グローバル戦略本部を中心に監理対象銘柄入りの決定や格付の基準を定める等、財務規律を明確化することで、経営資源の最適配分の実現に向けた取組を加速しました。 ③優先的に取り組む経営課題当社グループの理念体系であるNiterraウェイの重要な要素であるCSR・サステナビリティ憲章にも謳われているように、当社グループは持続可能な社会の実現に寄与することで、企業価値を向上していくことを目指しています。そのために、社会的課題の解決により「地球を輝かせる」ことが最も重要な経営課題と考え、社会的課題解決・人的資本・経営基盤の3つの枠組みで具体的取組を推進します。具体的には、Niterraグループならではの特殊な技術と発想を活かし、多様な技術の組み合わせを通じた社会的課題解決への貢献と再生可能・循環可能なソリューションの提供に取り組みます。また、それを支える人的資本への取組としては、Niterraウェイを体現する多様な人材が個を活かしていきいきと働くことができる仕組みの拡充を図ります。多様な人材は、主体的に動き未来を切り開く人材・より高度な課題に対し専門性を持って新たな価値を創造できる人材と定義し、その育成に取り組みます。更にこれらを実現するため、迅速な意思決定を支え、外部環境の変化に対応した戦略的なリスクコントロールを可能にするグローバルな経営基盤を構築していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況① 経営成績当連結会計年度における世界経済は、米国及び欧州では、年度前半においては、サービス業を中心に景気を押し上げ緩やかな回復基調を見せたものの、年度後半においては生産コストの増加や外需の低迷が企業収益回復への重石となりました。また、米国政府の関税政策により、景気の先行きに不透明感が増しています。中国においては、年度前半より内外需要ならびに不動産市場の低迷が続き景気は停滞しています。年度後半においても、外需低迷などを背景に景況感は依然として低迷していることに加え、米国の関税引き上げの影響が大きなリスク要因となっています。わが国経済においては、年度前半ではインバウンド需要の拡大を背景に、企業収益は高水準で推移しました。年度後半においては、半導体需要の回復に加え、為替相場の円安圏での推移が下支えとなり、企業収益は好調に推移しています。当社グループの主要な事業基盤である自動車業界における新車生産は、一部地域において持ち直しの動きを見せたものの、前年比で減少する結果となりました。中国においては、電気自動車の伸長による増加は見られましたが、内燃機関搭載車の生産は引き続き軟調です。半導体製造装置業界では、生成AIを中心とする半導体需要が高まりを見せる一方で、依然として米中対立を起点とする地政学的リスクなどが懸念されています。その結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は6,529億93百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は1,296億60百万円(前連結会計年度比20.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は926億25百万円(前連結会計年度比12.1%増)となりました。売上収益営業利益率(営業利益/売上収益)は前連結会計年度17.5%に対して2.3ポイント上昇し19.9%となりました。親会社所有者帰属持分利益率(親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分)は前連結会計年度末の13.8%から14.1%と0.4ポイント上昇し、基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の409円47銭から466円34銭と56円88銭増加しました。 セグメント別の業績は次のとおりです。セグメントの名称 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 売上収益営業利益又は営業損失(△)売上収益営業利益又は営業損失(△)自動車関連(百万円)505,355121,245538,894140,856セラミック(百万円)95,028678100,92839新規事業(百万円)6,663△14,5176,052△12,987その他(百万円)8,1771847,9041,751調整額(百万円)△738-△787- 当連結会計年度より報告セグメントの管理区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値で比較しています。 <自動車関連>当事業は、新車組付け用製品の販売は中国市場での内燃機関搭載車両の生産台数減少に加え、欧米においても顧客での生産調整が続いたことによる落ち込みを見せたものの、補修用製品の販売は引き続き好調であったことから前年比で増加しました。また、インフレに対応した価格転嫁の実施と円安への進行がさらに売上収益を押し上げ、営業利益についても増益となりました。この結果、当事業の売上収益は5,388億94百万円(前連結会計年度比6.6%増)、営業利益は1,408億56百万円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。 <セラミック>当事業は、SPE事業での販売については生成AI関連の需要増を背景に緩やかに回復しました。セラミック事業全体では、収益性の改善に時間を要していますが、前年比で売上収益は増加する結果となりました。この結果、当事業の売上収益は1,009億28百万円(前連結会計年度比6.2%増)、営業利益は39百万円(前連結会計年度比94.2%減)となりました。 <新規事業>新規事業については、売上収益は60億52百万円(前連結会計年度比9.2%減)、営業損失は129億87百万円(前連結会計年度は145億17百万円の営業損失)となりました。 <その他>その他の事業については、売上収益は79億4百万円(前連結会計年度比3.3%減)、固定資産の売却等により営業利益は17億51百万円(前連結会計年度比851.3%増)となりました。 ② 財政状態資産合計は、9,909億66百万円であり、前連結会計年度末比152億46百万円(1.6%)増加しました。これは、主にのれん及び無形資産並びに棚卸資産、有形固定資産が減少した一方、現金及び現金同等物並びに営業債権及びその他の債権が増加したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 現金及び現金同等物180,684 208,192 27,507 営業債権及びその他の債権141,403 147,551 6,147 棚卸資産189,627 183,932 △5,694 有形固定資産224,336 219,974 △4,362 のれん及び無形資産50,302 44,221 △6,081 使用権資産11,429 9,872 △1,557 その他177,934 177,221 △712 資産合計975,719 990,966 15,246 負債合計は、3,162億43百万円であり、前連結会計年度末比211億75百万円(6.3%)減少しました。これは、主に社債及び借入金が減少したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 有利子負債190,840 167,835 △23,004 未払法人所得税17,972 22,041 4,068 繰延税金負債4,118 2,332 △1,785 その他の負債124,488 124,034 △453 負債合計337,419 316,243 △21,175 資本合計は、6,747億22百万円であり、前連結会計年度末比364億22百万円(5.7%)増加しました。これは、主に当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。これらにより1株当たり親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末の3,181円33銭から3,399円43銭となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額2億23百万円を加算し、売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額3億95百万円を控除した純額で275億7百万円増加し、2,081億92百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)118,179132,921投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△92,157△34,246財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△57,450△70,995現金及び現金同等物の期末残高(百万円)180,684208,192 <営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から147億42百万円増加の1,329億21百万円となりました。これは、主に棚卸資産の増減により収入が減少した一方、税引前利益が増加したことによるものです。<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から579億10百万円減少の342億46百万円となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出の減少並びに定期預金の純減による収入が増加したことによるものです。<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から135億45百万円増加の709億95百万円となりました。これは、主に長期借入れによる収入が増加した一方、短期借入金の純減による支出並びに社債の償還による支出が増加したことによるものです。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。 ④ 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)自動車関連544,769+6.0セラミック98,133+7.4新規事業6,494+23.3合計649,397+6.3 (注) 1 金額は売価換算により計算されています。2 生産高には委託生産高を含んでいます。 ⑤ 受注実績自動車関連の製品のうち、新車組付用は自動車メーカーの生産計画を基準とし、また、補修用は自動車の稼動台数、その他市場の動向、過去の販売実績、代理店の意向等を勘案してそれぞれほぼ確実な見込み生産を行っています。セラミックの製品の大部分及び新規事業の製品は注文生産品であり、その受注状況は次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)セラミック64,570+8.219,245+12.6新規事業6,303+39.83△90.0合計70,874+10.419,248+12.5  ⑥ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称売上収益(百万円)前年同期比(%)自動車関連538,894+6.6セラミック100,141+6.2新規事業6,052△9.2その他7,904△3.3合計652,993+6.3 (注) 金額は外部顧客への売上収益を示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。当社グループが採用した重要な会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (7) 見積り及び判断の利用」に記載しています。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容経営成績等の状況に関する分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載しています。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループは円滑な事業運営を支えるための運転資金の確保、及び持続的な成長の実現を目的とした他社との連携やM&A、設備投資等、将来の機動的な投資活動を可能にするための中長期的資金への計画的準備を図ることにより、安定的経営と変化への対応に備えることを財務方針としています。そのため、資金計画に基づく当座資金の維持管理をはじめ、債権債務・棚卸資産の効率性を上げるための継続的取り組みを行うとともに、投資リスク軽減のための決裁規程等の整備、経営会議等の各種組織運営に注力しています。資金調達の方法としては、内部留保資金の他、短期資金需要に対しては銀行借入、コマーシャルペーパー発行等による調達を行っています。また中長期的資金需要に対しては銀行借入やシンジケート・ローン等を通じた間接金融及び社債発行等の直接金融による調達に加え、必要に応じてエクイティファイナンスも検討します。

事業リスク

  • 世界情勢と為替変動
    売上の約80%が海外市場であるため、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学リスクや、各国の景気減速、物流混乱、燃料価格高騰、法令・規制変更が、需要や供給に大きな影響を与える可能性があります。また、米ドルやユーロなど主要通貨に対する円の変動は、製品の価格競争力や海外子会社の業績に直接影響を及ぼします。
  • 自動車産業の電動化
    自動車関連事業は、自動車メーカーの生産計画に大きく左右されます。特に、世界的なエネルギー政策や環境規制の進展による自動車産業の電動化は、内燃機関車の減少につながる可能性があり、想定を超える速度で進んだ場合、主力事業の収益に深刻な影響を与える可能性があります。長寿命プラグの普及も補修市場の成長を抑制する要因です。
  • 原材料調達と価格変動
    主要原材料や重要な工程委託において、代替品や代替ルートの確保が困難なものがあるため、仕入先の事故や廃業、国際的な規制変更などにより、安定調達に支障をきたすリスクがあります。特に、主要製品に使用される貴金属の需給逼迫による価格高騰が続いた場合、原価が上昇し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,136 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績は、今後起こり得る様々な要因に影響を受ける可能性があり、事業展開上のリスク要因と考えられる主な事項は以下のとおりですが、これらを認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 世界情勢・為替変動に関するリスク当社グループは、売上の約80%が海外市場であり、海外生産の展開も合わせて国際的な事業運営を行っているため、経営成績は世界的な政治・経済情勢の変化の影響を大きく受けます。米中対立の激化、ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢の長期化等の地政学リスクの高まりに加え、中国等の諸外国の景気減速懸念、物流の混乱や燃料価格の高止まり、法令・規制の変更等、事業環境変化が当社グループ又はその顧客の需給に影響を与える可能性があります。米国における関税政策への対応に関しては、状況と市場動向を注視し、生産地の変更や価格転嫁等を含めた各事業への影響を軽減する対策を検討しています。また、当社グループでは、国際情勢や重要な法規制の改正等の動向をモニタリングし、当社グループへの影響を把握しています。さらに、米ドル、ユーロ等主要通貨に対する日本円の変動は、当社グループの製品の価格面での競争力に影響を及ぼす他、連結海外子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。当社グループでは、短期的な為替変動に対して機動的な為替予約等によりリスクヘッジを図る一方、主要通貨の変動及び事業への影響についてはモニタリングを行い、必要に応じて事業への影響を軽減する対策を検討しています。(2) 事業環境に関するリスク自動車関連事業の新車組付用製品の販売量は、自動車メーカーの生産計画による影響を受けます。また、補修用スパークプラグの販売に関しては、潜在的成長性を有する発展途上の国々における需要が期待できる反面、先進国では長寿命プラグの採用を指向する傾向にあり、販売量の拡大が継続しない可能性があります。また、世界各国のエネルギー政策や環境規制の進展は、自動車産業の電動化を加速させる可能性があり、内燃機関車の減少につながる変化が当社グループの想定を超えて進捗した場合には、経営成績に影響を与えることがあります。セラミック事業における半導体部品や半導体製造装置用製品は、移動体通信機器や半導体製造装置をはじめとする情報通信産業・機械等設備産業の事業環境により影響を受けます。また、半導体市場の需要の変動、景気減速等は、セラミック事業の成長を抑制する可能性があります。当社グループは、事業活動の進捗状況を執行役員・カンパニープレジデント会でモニタリングし、必要に応じて事業への影響を軽減する対策を検討しています。(3) 製品品質に関するリスク当社グループは調達先を含めて各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造していますが、全ての製品について欠陥が無く、将来においてリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。特定の製品に直接的・間接的に起因する市場クレームが発生した場合、当該製品を回収し、顧客とともに当該製品に変更を施し、又は対策費用の支出による場合も含め、財政的な負担を負わなければならないだけでなく、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質保証体制の強化に常に取り組むとともに、品質問題の予防に向け、製品品質のみならず、すべての業務において品質の向上を意識した取り組みを進めてまいります。(4) 技術開発に関するリスク当社グループが提供する製品市場は、技術の急速な進展及びニーズの変化や新興勢力との差別化をその特徴とし、新技術及び新製品の開発においては、短期間での開発、安定した量産に対応する製法の構築のために、市場への導入に先立って設備投資を行うことが必要とされます。このような新製品は、開発資源の増大や競合他社による新技術の開発の結果、想定していた新規性やコスト面での優位性を有しなくなったり、既存の製品の市場性を低下させたりすることで、経営成績に影響を与えることがあります。当社グループでは、開発速度を上げるようオープンイノベーションを推進し、外部技術との連携を図る仕組みも整備しています。 (5) 知的財産に関するリスク当社グループは、事業活動を進めていくに際して、第三者の知的財産権の侵害により係争となることやライセンス費用又は和解費用を負担することが生じると、経営成績に影響を与える可能性があります。それらのリスクを抑えるため、開発段階から量産段階における第三者の知的財産権調査と、各種契約の知財条項の適否確認に注力しています。合わせて、知的財産の社員教育も推進し、「ものづくり企業」として知的財産権の取得・管理を強化しています。一方で、当社製品の模倣品が新興国を中心に出回っています。こうした模倣品は購入された方の安全を脅かす可能性もありますので、世界各国の税関・行政機関等とも連携して摘発・排除活動を実施しています。(6) 原材料・部品の調達に関するリスク当社グループは、適時・適量の原材料・部品の確保を前提とした生産体制をとっていますが、主要原材料・重要な工程委託の中には代替品あるいは代替ルートの確保が困難なものが存在しており、仕入先における事故、廃業、あるいは海外調達品の場合は当事国間の規制変更や各国の輸出規制の強化等により、安定調達に支障をきたすリスクがあります。当社グループでは、複数購買を推進し、サプライヤーとの連携を密にしながら、リスク低減に努めています。また、主要製品に使用する貴金属が世界的な需給逼迫により価格高騰が続く場合、経営成績に影響を与えることがあります。当社グループでは、原価低減や価格転嫁等の施策を行い、その影響を軽減する対策を都度検討しています。(7) 自然災害に関するリスク当社グループは、日本における生産拠点及び研究開発拠点を東海地方に集中して配置しており、大地震や風水害等の自然災害が東海地方に発生した場合は、操業停止やサプライチェーン寸断等が発生し、生産や出荷活動の低下を招き、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、自然災害を想定した設備対応と定期訓練を実施して緊急事態に備えるとともに、災害発生時には社長を本部長とする緊急対策本部を立上げ、初動対応と復旧対応を行う事業継続計画(BCP)を実行できる体制の整備を推進しています。(8) 環境に関するリスク当社グループは、環境リスクの中でも特に気候変動への対応に世界的な関心が高まる中、気候変動リスクへの対応を重要な経営課題であると認識しています。気候変動リスクには、自然災害の深刻化や慢性化等の物理的リスクのほか、炭素税導入や環境規制強化等の移行リスクがあり、いずれも当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスク認識を踏まえて、2030年を見据えた「エコビジョン2030」を策定しました。その中で「気候変動への対応」を重要課題とし、2050年に向けてカーボンニュートラルを目指すことを表明するとともに、社内炭素税と社内環境ファンドの導入等によりCO2削減の取り組みを強化しています。(9) 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業の円滑かつ効率的な遂行のため、ITシステムを利用していますが、システムの高度化・複雑化によって利便性が向上する一方で、ITインフラのシステムダウン、不正アクセス、コンピュータウイルス感染等により、生産や販売等の基幹システムの不具合、故障・停止が発生した場合、または経営及び事業に関する重要情報及び個人データ等の機密情報が漏えいした場合には、経済被害だけでなく、企業価値の失墜につながり、企業経営に大きな損害を与える可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに対し、ITシステムのセキュリティ水準を向上させるとともに、コンピュータセキュリティに関する事故対応チーム(CSIRT)や全社横断的なITセキュリティ委員会を運営し、事故発生時の早期収拾、未然防止に向けた活動を推進しています。また、機密管理を含めた情報セキュリティの社員教育も推進しています。 (10) 人材確保に関するリスク当社グループは、持続的な成長を担う人材の確保・育成に努めていますが、各分野で必要とする専門性を持つ人材や組織を先導する人材を適切に配置できない場合や人材の獲得競争の激化や従業員の退職等によって十分な人材の確保ができなかった場合は事業活動が停滞し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、キャリア採用により専門性を持つ人材の確保を進めるとともに、スキルマップを活用した従業員の保有スキルの可視化や社内公募による社内人材の流動性確保、またリーダー育成・配置にあたっては、経営層をメンバーとする経営会議で育成プログラムやコアポジションの人材配置を計画的に進めています。(11) コンプライアンスに関するリスク当社グループは、事業を遂行する上で各種の法令・規制等の適用を受けていますが、これらが変更された場合や見解の相違があった場合、また予見できない新たな法令・規制等が設けられた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは継続的なコンプライアンスの実践に努めていますが、独占禁止法違反、その他に関する諸外国を含めた法令・規制違反の可能性に関連して、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続の当事者となる可能性があります。当社グループでは、役員、従業員に対して教育プログラムを設定し、コンプライアンス意識の醸成に努めるとともに、コンプライアンス違反行為またはそのおそれのある行為の通報や相談の窓口として社内外に内部通報窓口を設置し、早期対応、未然防止に向けた活動を推進しています。また、当社グループは、税務コンプライアンスを遵守するため、各国・地域の税務に関する法令・規則に従い、適時かつ適切な税務申告と納税を行っています。(12) 事業投資に関するリスク当社グループは、事業戦略の一環として、既存事業の拡大や新たな事業への進出等を目的として他社との事業提携・資本提携及び企業買収等を行うことがあります。これらの意思決定に際しては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っていますが、期待した収益や成果を充分に得られず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、重要な投資に対してはモニタリングを行い、必要に応じて投資計画改善の対策を検討しています。(13) 感染症に関するリスク感染症の大流行により、世界的な移動制限や地域によっては防疫強化のための経済活動抑制が行われ、主要な顧客において生産調整を余儀なくされる場合は、当社グループもその影響を受ける可能性があります。また、サプライヤーが所在する国・地域において、感染症が大流行することにより、当社グループへの原材料・部品の供給に影響を受ける可能性があります。当社グループは、顧客・サプライヤーとの連携を密にして製品の安定供給及び原材料・部品の安定調達を行ってまいります。さらに、社内感染予防策及び感染症に対する事業継続計画(BCP)を策定し、感染症の発生段階に応じた対応体制、事業継続方針等を定め、感染症の発生に備えています。(14) 人権侵害に関するリスク当社グループ又はサプライチェーン上の人権侵害又はその兆候・課題に対して、適切な対応が取られていない場合、顧客との取引停止や行政罰等のペナルティ、またブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。当社グループは、強制労働・児童労働、差別・ハラスメント等、あらゆる形態の非人道的・搾取的労働慣行や行為を当社の事業及びサプライチェーンから排除するため、人権方針を従業員に周知し、人権尊重の取り組みを推進しています。また、当社グループ及び取引先に対する人権デュー・ディリジェンスの実施、役員・従業員に対する人権教育、取引先への人権啓発などの取り組みを進めています。

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