5122

オカモト(5122)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ゴム製品 自動車・輸送機

事業の概要

  • 産業用製品事業
    プラスチックフィルム、壁紙、自動車内装材、産業資材といった多岐にわたる製品を製造・販売しています。これらは主に企業向け(BtoB)の製品であり、様々な産業の基盤を支える素材や部品を提供することで収益を上げています。子会社23社と密接に連携し、国内外で事業を展開しています。
  • 生活用品事業
    医療・日用品(コンドーム、カイロ、除湿剤など)、シューズ、衣料・スポーツ用品といった一般消費者向け(BtoC)の製品を製造・販売しています。日々の生活に密着した製品を提供することで、幅広い顧客層から収益を得ています。自社ブランド製品の展開を通じて市場での存在感を確立しています。
  • 多角的な事業展開
    産業用製品と生活用品という異なる市場セグメントに事業を展開することで、特定市場の変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。さらに、輸送・保管事業や太陽光発電事業、持株会社による統括など、多角的な事業活動を通じてグループ全体の収益力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 産業用製品事業
    プラスチックフィルム、壁紙、自動車内装材、産業資材などの製造・販売を行う事業です。主に企業向けに製品を提供しており、最新年度の売上高は746.28億円、営業利益は13.38億円となっています。国内外の子会社が連携し、幅広い産業分野を支える基盤材料を提供しています。
  • 生活用品事業
    医療・日用品、シューズ、衣料・スポーツ用品などの製造・販売を行う事業です。一般消費者向けの製品が中心で、最新年度の売上高は342.37億円、営業利益は92.67億円と、売上規模は産業用製品より小さいものの、高い利益率を誇る稼ぎ頭となっています。
  • その他事業
    輸送・保管事業を行うオカモト通商株式会社や、太陽光発電事業、持株会社であるOkamoto North America,Inc.などが含まれます。これらの事業は、主要な産業用製品事業と生活用品事業を補完し、グループ全体の効率化や新たな収益源の確保に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IndustrialProducts 地域 746 13 1.8%
DailyCommodities 事業 342 93 27.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|871 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(子会社23社(2025年3月31日現在))においては、産業用製品(主要製品:プラスチックフイルム、壁紙、自動車内装材、産業資材)と生活用品(主要製品:医療・日用品、シューズ、衣料・スポーツ用品)の製造及び販売を主な内容として密接な相互協力のもと、活動を展開しております。事業内容の当社と関係会社の位置付けは、次のとおりであります。なお、事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一のものであります。 産業用製品プラスチックフイルム、壁紙、自動車内装材、産業資材の製造・仕入及び販売を行っております。〔会社名〕当社、オカモト化成品㈱、船堀ゴム㈱、Okamoto U.S.A.,Inc.、岡本(香港)有限公司、岡本貿易(深セン)有限公司、Siam Okamoto Co.,Ltd.、Okamoto Manufacturing(Thailand)Co.,Ltd.、Okamoto Sandusky Manufacturing,LLC、理研コランダム㈱、理研香港有限公司、オカモト環境開発㈱、武漢岡本汽車内飾新材料有限公司、九州グラビヤ印刷㈱ 生活用品医療・日用品、シューズ、衣料・スポーツ用品の製造・仕入及び販売を行っております。〔会社名〕当社、イチジク製薬㈱、ヒルソン・デック㈱、Okamoto U.S.A.,Inc.、岡本(香港)有限公司、岡本貿易(深セン)有限公司、Siam Okamoto Co.,Ltd.、Okamoto Rubber Products Co.,Ltd.、Vina Okamoto Co.,Ltd.、広東岡本衛生科技有限公司 その他製品輸送及び保管事業を行っている会社は下記のとおりであります。オカモト通商㈱太陽光発電事業を行っている会社は下記のとおりであります。当社持株会社は下記のとおりであります。Okamoto North America,Inc. 〔事業系統図〕事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高い技術力に根差した高品質の製品供給と企業ブランドの維持・向上に努めているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自の技術とノウハウを培い、高品質、高性能を追求することで「オカモトブランド」の信頼性を高めている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達に関するリスク / 季節要因のリスク / 海外展開に伴うリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

オカモトは「ゼロゼロワン」ブランドのコンドームで高い知名度を持つ。また、医療用手袋や工業用ゴム手袋でも一定のブランド認知があると考えられるが、特許や独占的IPによる明確な競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

医療用手袋や工業用ゴム手袋は、品質や機能へのこだわりから、一度採用した製品からの切り替えには一定のハードルがある可能性がある。しかし、価格や供給安定性も重要な選定基準であり、スイッチングコストは高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

コンドームやゴム手袋の製造販売事業において、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年のゴム製品製造で培われたノウハウや、規模の経済によるコスト削減努力は存在する可能性がある。しかし、原料価格の変動や競合他社との価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ゴム手袋やコンドーム市場において、オカモトは国内有数のメーカーであり、一定の市場シェアを有している。これにより、生産・調達面での効率性を享受していると考えられる。しかし、グローバル市場ではさらに巨大な競合が存在する。

  • 多様な製品ポートフォリオ
    産業用製品と生活用品という異なる分野で幅広い製品を展開している点が強みです。これにより、特定の市場の変動に左右されにくい安定した事業構造を築き、リスクを分散しながら収益機会を最大化しています。顧客ニーズに合わせた多様な製品提供が可能です。
  • グローバルな事業展開
    アジアや北米地域に事業拠点を持ち、製品や原材料の輸出入をグローバルに行っています。これにより、国内外の市場機会を捉え、規模の経済を追求できるとともに、地域ごとの需要変動リスクを分散し、安定的な成長を目指せる点が競争優位性となります。
  • 品質とブランド力
    長年にわたり培ってきた高い技術力と品質管理体制により、企業ブランドおよび商品ブランドを確立しています。特に生活用品においては、消費者の信頼を得ることでブランド価値を高め、市場での競争力を維持・向上させています。品質の高さが顧客からの支持に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係するすべての人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命とし、以下の事項を経営理念に据え、グループの総力を尽くしてこれらを実現させながら企業価値の増大を図るとともに、結果としてお客様、株主、従業員、その他のステークホルダーの信頼を得て、経済・社会の発展に貢献してまいります。① 法令(行政上の通達・指針等を含む)、就業規則及び企業倫理を遵守する。② 独自の技術を基盤に人々の生活に役立つ商品を多面的、積極的に開発し提供していく。③ 高品質を徹底して追求することによってオリジナルブランド「オカモト」への信頼感を高め、国内・国際市場で強い競争力を維持していく。④ 可能なかぎりの合理化努力を続け、つねにユーザーやお客様に歓迎されるよい仕事を継続する。⑤ 社内においては、協調を旨とし、全員一丸となって生き甲斐と潤いのある職場環境を創造していく。 (2) 目標とする経営指標当社はROE(株主資本利益率:当期利益/株主資本)を世間一般の要求水準とされている8%以上とすることを目標としております。過去の株価等の市場データに基づき、CAPM(資本資産評価モデル)により推計される当社の株主資本コストはこれを下回る水準ですが、中長期的に株主資本コストを上回るリターンを継続することによって企業価値の増大を目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、原油価格や為替の変動及び海外発の不安が引き続きリスクとなっておりますが、上記の経営方針のもと更なる成長と事業基盤の拡大に努めるため、次の課題に重点的に取り組んでまいります。① 産業用製品事業及び生活用品事業それぞれにおいて、社内の研究開発の推進に加えて、事業の継承や経営権の取得等を通じて事業の多角化を進めるとともに、これらの事業並びにグループにおける生産面及び販売面での一層の相乗効果を創出し、グループ全体の売上及び利益の向上を目指す。② 原材料価格や為替の変動等による事業環境の変動に対応できるよう、固定費・経費の圧縮等を更に進めるとともに、研究開発センターを中心に長年培ってきた技術を生かして製造コストの削減を継続的に行い、効率的なモノづくりの強化に努め、更に、資材調達から物流までのサプライチェーンの最適化及び強化を進め、確たる利益を継続的に計上すべく体質を強化する。③ 品質の追求と顧客ニーズに合致した競争力のある高付加価値の新製品を市場に投入し続けていくために営業、工場が一体となって研究開発力の維持・向上を図ることで、ブランド力を強化し、中長期的に市場競争力を高めていく。④ コンドームの製造・販売会社として、HIV/AIDSをはじめとするSTI(注1)予防啓発活動を積極的に展開し、環境問題や社会的要請への取り組みを強化し、サステナビリティ(持続可能な社会)の実現を目指す。(注1)「STI」とは、「Sexually(性)Transmitted(感染)Infection(症状)」の略で、日本語では「性感染症」といいます。⑤ 製造現場での再生可能エネルギーの積極的な活用と更なる省エネの推進、生産性を更に改善させるための設備投資による廃棄物の削減、及び太陽光発電事業の維持発展等を通じて持続可能な成長を図る。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の見通しにつきましては、足元の国内経済は、食料品など非耐久財を中心とした物価高騰によって家計の節約志向が高まっているものの、所得環境は緩やかに改善され、堅調に推移するインバウンド需要、底堅い企業の設備投資への意欲もあり、景気は緩やかに持ち直しています。しかしながら、国際情勢関連では、米国の通商政策動向が見通せないことから警戒感が強まっており、世界経済の景気後退、地政学的リスクの高まり、為替相場の不安定化などの可能性により、世界経済は以前にも増して不透明な状況が続いております。このような状況のなか、製造業たる当社といたしましては、変動的な国際情勢に起因する市況悪化や長期化する原材料価格の高騰に対処し、利益向上を図るために、市場の需要を踏まえ、生産販売数量を増加させること、稼働効率を高めることは不可欠であると認識しております。そのためには、固定観念に囚われず、新素材・新技術の研究開発により新たな市場を開拓し需要を創出することや、少子高齢化社会に対応すべく工場設備の省人化を進めるなど生産体制を最適化することが、喫緊の課題であります。産業用製品事業においては、主力であるプラスチック製品は、食品・飲料、消費財、自動車、電気・電子などの幅広い業界で製品の消費が世界的に増加しております。一方で、世界レベルでの温室効果ガス削減や環境負荷軽減の動きを踏まえた「脱プラスチック」の影響も重なり、社会的にも3R(Reduce、Reuse、Recycle)の推進が求められております。当社としてもこの状況に対応するために、環境負荷に配慮した新素材の研究やリサイクル素材の活用を視野に入れ、新たな機能性・用途の開発等により細かなニーズの獲得に努めてまいります。加えて、国内工場の一部では生産ラインから製品倉庫までを一気通貫したオートメーション化を進めており、コスト削減及び生産効率改善を推進しております。また、自動車内装材は、米国の関税政策の影響により先行きの不透明感は増しておりますが、あらゆる状況に柔軟に対応すべく、変わり続ける市場ニーズを的確に捉えた新製品の開発や積極的な販売戦略を展開してまいります。生活用品事業においては、主力であるコンドーム市場は、訪日外国人によるインバウンド需要が活況化しておりますが、日本国内においては少子化の影響もあり、先行きが不透明な状況にあります。今後も、国内ではジェネレーションごとのマーケティング戦略を展開、新商品の上市や店頭での積極的な販促活動を行います。特にZ世代に関しては消費傾向の特性を理解し、効果的なアプローチ方法を図ってまいります。また海外では、引き続き技術力及びブランド力を強化し、現地文化・宗教観・倫理観に則した広告戦略として、ターゲットに沿った効果的なSNSマーケティグを展開することでマーケットシェア拡大に努めてまいります。その他の生活用品は、既存製品のブランド力の強化を図りながら、近年の市場拡大で注目されているフェムテック分野の製品ラインアップ拡充や各種環境配慮商品の拡販など、多様化する消費者のニーズを踏まえた新製品の開発と新たな販路開拓や積極的な販売戦略に努めてまいります。全社的には、引き続きサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、創業以来の創意あふれる技術を結集し、健康的で快適な人間生活に寄与する製品を作り出すことで社会に貢献し、ステークホルダーの皆様により大きな満足を与えることを使命としたサステナビリティ基本方針を掲げて経営を推進してまいります。環境配慮の面では、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー使用量とCO2排出量の削減や産業廃棄物の削減・縮小に取り組み、企業としての社会的責任を果たすべく活動してまいります。多種多様なリスクへの対応では、BCP対策として、各既存工場の自然災害対策を図るとともに、新しい生産・物流面の拠点とすべく2024年に着工した岡山工場・倉庫の稼働に向けた準備を進めてまいります。また、これまでも行っていた人権尊重の取り組みを一層強化するために、2025年3月には「オカモトグループ人権方針」を策定いたしました。本方針に基づき、当社のパーパスである「モノづくりの可能性から、身近な『うれしい』を暮らしと社会に造り続ける。」を実現するため、事業活動にかかわる全ての人々の人権を尊重する取り組みに努めてまいります。製造業として「安全は、全てに優先する」を理念とし、従業員の安全衛生の確保が企業活動の最重要基盤であると考え、多様な人材が闊達に働ける企業として、全てのステークホルダーが健全な社会生活を送れる企業体であり続けるよう持続的な成長を目指すコーポレート・サステナビリティを実現してまいります。更に、幅広く株主の皆様の支持を得られるよう、資本コスト・株価を意識した経営に努め、持続的成長が期待できる分野への経営資源の重点配分や事業ポートフォリオの再構築により生産性の向上や収益力の強化を図ってまいります。加えて、サステナブルな企業として中・長期的な視点での企業価値の向上を実現するため、環境、社会、経済の持続可能性に配慮し、各ステークホルダーとの対話・協働と、ガバナンスやリスク管理体制の充実を図り、より透明性の高い経営を行うとともに、それらに関する情報の積極的な開示に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係するすべての人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命とし、以下の事項を経営理念に据え、グループの総力を尽くしてこれらを実現させながら企業価値の増大を図るとともに、結果としてお客様、株主、従業員、その他のステークホルダーの信頼を得て、経済・社会の発展に貢献してまいります。① 法令(行政上の通達・指針等を含む)、就業規則及び企業倫理を遵守する。② 独自の技術を基盤に人々の生活に役立つ商品を多面的、積極的に開発し提供していく。③ 高品質を徹底して追求することによってオリジナルブランド「オカモト」への信頼感を高め、国内・国際市場で強い競争力を維持していく。④ 可能なかぎりの合理化努力を続け、つねにユーザーやお客様に歓迎されるよい仕事を継続する。⑤ 社内においては、協調を旨とし、全員一丸となって生き甲斐と潤いのある職場環境を創造していく。 (2) 目標とする経営指標当社はROE(株主資本利益率:当期利益/株主資本)を世間一般の要求水準とされている8%以上とすることを目標としております。過去の株価等の市場データに基づき、CAPM(資本資産評価モデル)により推計される当社の株主資本コストはこれを下回る水準ですが、中長期的に株主資本コストを上回るリターンを継続することによって企業価値の増大を目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、原油価格や為替の変動及び海外発の不安が引き続きリスクとなっておりますが、上記の経営方針のもと更なる成長と事業基盤の拡大に努めるため、次の課題に重点的に取り組んでまいります。① 産業用製品事業及び生活用品事業それぞれにおいて、社内の研究開発の推進に加えて、事業の継承や経営権の取得等を通じて事業の多角化を進めるとともに、これらの事業並びにグループにおける生産面及び販売面での一層の相乗効果を創出し、グループ全体の売上及び利益の向上を目指す。② 原材料価格や為替の変動等による事業環境の変動に対応できるよう、固定費・経費の圧縮等を更に進めるとともに、研究開発センターを中心に長年培ってきた技術を生かして製造コストの削減を継続的に行い、効率的なモノづくりの強化に努め、更に、資材調達から物流までのサプライチェーンの最適化及び強化を進め、確たる利益を継続的に計上すべく体質を強化する。③ 品質の追求と顧客ニーズに合致した競争力のある高付加価値の新製品を市場に投入し続けていくために営業、工場が一体となって研究開発力の維持・向上を図ることで、ブランド力を強化し、中長期的に市場競争力を高めていく。④ コンドームの製造・販売会社として、HIV/AIDSをはじめとするSTI(注1)予防啓発活動を積極的に展開し、環境問題や社会的要請への取り組みを強化し、サステナビリティ(持続可能な社会)の実現を目指す。(注1)「STI」とは、「Sexually(性)Transmitted(感染)Infection(症状)」の略で、日本語では「性感染症」といいます。⑤ 製造現場での再生可能エネルギーの積極的な活用と更なる省エネの推進、生産性を更に改善させるための設備投資による廃棄物の削減、及び太陽光発電事業の維持発展等を通じて持続可能な成長を図る。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の見通しにつきましては、足元の国内経済は、食料品など非耐久財を中心とした物価高騰によって家計の節約志向が高まっているものの、所得環境は緩やかに改善され、堅調に推移するインバウンド需要、底堅い企業の設備投資への意欲もあり、景気は緩やかに持ち直しています。しかしながら、国際情勢関連では、米国の通商政策動向が見通せないことから警戒感が強まっており、世界経済の景気後退、地政学的リスクの高まり、為替相場の不安定化などの可能性により、世界経済は以前にも増して不透明な状況が続いております。このような状況のなか、製造業たる当社といたしましては、変動的な国際情勢に起因する市況悪化や長期化する原材料価格の高騰に対処し、利益向上を図るために、市場の需要を踏まえ、生産販売数量を増加させること、稼働効率を高めることは不可欠であると認識しております。そのためには、固定観念に囚われず、新素材・新技術の研究開発により新たな市場を開拓し需要を創出することや、少子高齢化社会に対応すべく工場設備の省人化を進めるなど生産体制を最適化することが、喫緊の課題であります。産業用製品事業においては、主力であるプラスチック製品は、食品・飲料、消費財、自動車、電気・電子などの幅広い業界で製品の消費が世界的に増加しております。一方で、世界レベルでの温室効果ガス削減や環境負荷軽減の動きを踏まえた「脱プラスチック」の影響も重なり、社会的にも3R(Reduce、Reuse、Recycle)の推進が求められております。当社としてもこの状況に対応するために、環境負荷に配慮した新素材の研究やリサイクル素材の活用を視野に入れ、新たな機能性・用途の開発等により細かなニーズの獲得に努めてまいります。加えて、国内工場の一部では生産ラインから製品倉庫までを一気通貫したオートメーション化を進めており、コスト削減及び生産効率改善を推進しております。また、自動車内装材は、米国の関税政策の影響により先行きの不透明感は増しておりますが、あらゆる状況に柔軟に対応すべく、変わり続ける市場ニーズを的確に捉えた新製品の開発や積極的な販売戦略を展開してまいります。生活用品事業においては、主力であるコンドーム市場は、訪日外国人によるインバウンド需要が活況化しておりますが、日本国内においては少子化の影響もあり、先行きが不透明な状況にあります。今後も、国内ではジェネレーションごとのマーケティング戦略を展開、新商品の上市や店頭での積極的な販促活動を行います。特にZ世代に関しては消費傾向の特性を理解し、効果的なアプローチ方法を図ってまいります。また海外では、引き続き技術力及びブランド力を強化し、現地文化・宗教観・倫理観に則した広告戦略として、ターゲットに沿った効果的なSNSマーケティグを展開することでマーケットシェア拡大に努めてまいります。その他の生活用品は、既存製品のブランド力の強化を図りながら、近年の市場拡大で注目されているフェムテック分野の製品ラインアップ拡充や各種環境配慮商品の拡販など、多様化する消費者のニーズを踏まえた新製品の開発と新たな販路開拓や積極的な販売戦略に努めてまいります。全社的には、引き続きサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、創業以来の創意あふれる技術を結集し、健康的で快適な人間生活に寄与する製品を作り出すことで社会に貢献し、ステークホルダーの皆様により大きな満足を与えることを使命としたサステナビリティ基本方針を掲げて経営を推進してまいります。環境配慮の面では、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー使用量とCO2排出量の削減や産業廃棄物の削減・縮小に取り組み、企業としての社会的責任を果たすべく活動してまいります。多種多様なリスクへの対応では、BCP対策として、各既存工場の自然災害対策を図るとともに、新しい生産・物流面の拠点とすべく2024年に着工した岡山工場・倉庫の稼働に向けた準備を進めてまいります。また、これまでも行っていた人権尊重の取り組みを一層強化するために、2025年3月には「オカモトグループ人権方針」を策定いたしました。本方針に基づき、当社のパーパスである「モノづくりの可能性から、身近な『うれしい』を暮らしと社会に造り続ける。」を実現するため、事業活動にかかわる全ての人々の人権を尊重する取り組みに努めてまいります。製造業として「安全は、全てに優先する」を理念とし、従業員の安全衛生の確保が企業活動の最重要基盤であると考え、多様な人材が闊達に働ける企業として、全てのステークホルダーが健全な社会生活を送れる企業体であり続けるよう持続的な成長を目指すコーポレート・サステナビリティを実現してまいります。更に、幅広く株主の皆様の支持を得られるよう、資本コスト・株価を意識した経営に努め、持続的成長が期待できる分野への経営資源の重点配分や事業ポートフォリオの再構築により生産性の向上や収益力の強化を図ってまいります。加えて、サステナブルな企業として中・長期的な視点での企業価値の向上を実現するため、環境、社会、経済の持続可能性に配慮し、各ステークホルダーとの対話・協働と、ガバナンスやリスク管理体制の充実を図り、より透明性の高い経営を行うとともに、それらに関する情報の積極的な開示に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、資源・原材料価格の高騰などによる継続的な物価高で一部に足踏みがみられるものの、堅調な企業業績やインバウンド需要の増加、雇用・所得環境の改善により個人消費に持ち直しの動きがみられることなどから、総合的には緩やかに回復しております。一方で、国際情勢では米国の通商政策の行方の不透明性や地政学リスクの高まり及び中国経済の先行きの懸念、国内では物価高による消費者マインドの悪化や人手不足による供給の制約などの可能性から、先行きが不透明な状況が続いております。 このような経営環境のなか当社グループは、各セクションで事業戦略の遂行を進め競争力の強化に努めました。営業部門では引き続き原材料高を鑑みた価格の適正化を図りつつ、国内外での積極的な活動によりシェアアップに取り組んでまいりました。生産・管理部門では、原材料の安定的な調達や生産効率の更なる改善によるコスト縮減を進めてまいりました。 また、理研コランダム株式会社の完全子会社化の実施、岡山県井原市の新工場・物流倉庫建設の着工、生産・資材管理新システムの導入に向けた準備など、将来を見据えた施策を着実に実行してまいりました。 結果、当連結会計年度における売上高は109,107百万円(前年同期比2.8%増)となりました。営業利益は8,701百万円(前年同期比13.3%減)、経常利益は9,764百万円(前年同期比19.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,674百万円(前年同期比9.7%減)となりました。 a. 経営成績 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (産業用製品)一般用フイルムは、価格改定を実施しましたが市況が低迷し売上微減となりました。工業用フイルムは、滞留していた市場在庫も減少し、ステッカー用が好調で売上増となりました。建材用フイルムは、価格改定の実施に加え新規商圏の獲得があり売上増となりました。多層フイルムは、食品包装用、医療用及び工業材料用が堅調で売上増となりました。壁紙は、住宅着工件数の低迷が継続し売上減となりました。農業用フイルムは、価格改定の実施に加え新商品の発売があり売上増となりました。自動車内装材は、中国での日系メーカー生産減少の影響はあったものの、北米市場の好調が継続し売上増となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学向けの需要が減少し売上減となりました。粘着テープは、包装用テープが堅調に推移し売上増となりました。工業テープは、眼鏡用及び車輛用が好調に推移し売上増となりました。食品衛生用品のうち、ラップはスーパーマーケット及び外食関連の新規獲得があり売上増となりました。食品用手袋は、価格競争が激しく売上減となりました。食品用脱水・吸水シートであるピチット製品は、外食向けの好調に加え食品加工向けも堅調で売上増となりました。研磨布紙等は、半導体向けの研磨材が得意先の在庫調整により売上減となりました。以上により、当セグメントの売上高は74,628百万円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益は1,338百万円(前年同期比38.4%減)となりました。 (生活用品)コンドームは、新商品の発売及びインバウンド顧客増加により売上増となりました。また、海外は中国景気低迷の影響を受けるも売上は微増でした。浣腸は、主要小売店での新規定番採用等があり売上増となりました。除湿剤は、店頭販売が堅調に推移し売上増となりました。カイロは、当初暖冬傾向でしたが年明けからの気温の低下で店頭販売が増加し前年並みとなりました。手袋は、家庭用手袋は大手得意先取引減少のため売上減となりました。医療用手袋は競争激化により売上減となりました。産業用手袋は価格改定に加え新規獲得もあり売上増となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、市況の落ち着きにより売上減となりました。ブーツは、市況の低迷に加え価格改定の影響があり売上減となりました。シューズは、前年度に取り扱いアイテムの整理があり売上減となりました。以上により、当セグメントの売上高は34,237百万円(前年同期比1.8%減)、セグメント利益は9,267百万円(前年同期比4.6%減)となりました。 (その他)その他の事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)は3,513百万円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益は433百万円(前年同期比26.0%増)となりました。 b. 財政状態 (資産)当連結会計年度末における総資産は146,134百万円で、前連結会計年度末と比べ2,275百万円増加しております。流動資産は89,348百万円で、前連結会計年度末と比べ3,860百万円の増加となりました。これは主として、現金及び預金1,464百万円、商品及び製品2,365百万円が増加したことによるものです。固定資産は56,785百万円で、前連結会計年度末と比べ1,585百万円の減少となりました。これは主として、有形固定資産1,230百万円、無形固定資産667百万円が増加し、投資有価証券2,208百万円、長期貸付金992百万円が減少したことによるものです。 (負債)当連結会計年度末における総負債は51,669百万円で、前連結会計年度末と比べ607百万円減少しております。流動負債は36,945百万円で、前連結会計年度末と比べ30百万円の減少となりました。これは主として、電子記録債務が993百万円増加し、支払手形及び買掛金が1,065百万円減少したことによるものです。固定負債は14,724百万円で、前連結会計年度末と比べ576百万円の減少となりました。これは主として、繰延税金負債が427百万円増加し、退職給付に係る負債が854百万円減少したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は94,464百万円で、前連結会計年度末と比べ2,882百万円増加しております。これは主として、利益剰余金3,242百万円、為替換算調整勘定2,112百万円、資本剰余金701百万円が増加し、非支配株主持分が2,814百万円減少したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,264百万円(3.4%)増加し、38,932百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、7,240百万円(前年同期比44.1%減)となりました。増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益9,721百万円、減少の主な内訳は、法人税等の支払額2,947百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、2,002百万円(前年同期比66.3%減)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,482百万円、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出3,586百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、5,748百万円(前年同期比126.5%増)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額2,445百万円、自己株式の取得による支出1,044百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)産業用製品59,593△4.3生活用品23,818△0.7合計83,412△3.3 (注) 1 金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)産業用製品42,374△1.23,308△11.0生活用品7,6603.9631△4.7合計50,035△0.53,940△10.0 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)産業用製品74,6285.1%生活用品34,237△1.8%その他241△4.7%合計109,1072.8% (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、車輌内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ等と多岐にわたります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々なのステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は109,107百万円(前年同期比2.8%増)、在庫圧縮やコストダウンを継続し、営業利益は8,701百万円(前年同期比13.3%減)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により436百万円の為替差損となりました。特別利益は、投資有価証券売却益1,221百万円を計上しております。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(手袋事業、カイロ事業、フイルム事業、農業用フイルム事業、多層フイルム事業、工業テープ事業、壁紙事業、食品包装用事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を1,065百万円計上しております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益6,674百万円(前年同期比9.7%減)となりました。事業全体としては、堅調に推移するインバウンド需要、底堅い企業の設備投資への意欲もあり、景気は緩やかに持ち直しています。しかしながら、国際情勢関連では、米国の通商政策動向が見通せないことから警戒感が強まっており、世界経済の景気後退、地政学的リスクの高まり、為替相場の不安定化などの可能性により、世界経済は以前にも増して不透明な状況が続いております。それら仮定を定めた上で会計上の見積りを実施しております。経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に自動車内装材は、米国の関税政策の影響により先行きの不透明感は増しておりますが、あらゆる状況に柔軟に対応すべく、変わり続ける市場ニーズを的確に捉えた新製品の開発や積極的な販売戦略を展開してまいります。生活用品事業のうち特にコンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要が活況化しておりますが、日本国内においては少子化の影響もあり、先行きが不透明な状況にあります。今後も、国内ではジェネレーションごとのマーケティング戦略を展開、新商品の上市や店頭での積極的な販促活動を行います。海外市場では、各国の世情に沿ったSNS戦略で市場拡大を目指します。また、ASEAN地域など成長が期待できるエリアを取り込むように営業活動を行ってまいります。今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,264百万円(3.4%)増加し、38,932百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は230百万円増加し9,721百万円となりました。また、固定資産減損損失1,065百万円(前年同期比1,513百万円減)、売上債権の減少による増加3,100百万円(前年同期比3,585百万円増)、仕入債務の減少による減少2,469百万円(前年同期比3,448百万円減)、棚卸資産の増加による減少2,272百万円(前年同期比2,082百万円減)となりました。これらにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では7,240百万円の増加(前年同期比5,717百万円の収入減)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しており、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では2,002百万円の支出(前年同期比3,947百万円の支出減)となっております。財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額2,445百万円、自己株式の取得1,044百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では5,748百万円の支出(前年同期比3,210百万円の支出増)となっております。よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は38,932百万円となりました。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。更に当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 原材料価格の変動
    石油などの一次産品を原料とする製品が多く、原油価格の高騰や地政学的リスクにより、原材料の安定調達が困難になったり、調達コストが著しく上昇したりする可能性があります。これにより、製品の製造コストが増加し、利益率を圧迫する恐れがあります。
  • 季節要因と天候変動
    カイロや除湿剤など、季節や天候に売上が大きく左右される製品があります。冷夏や暖冬、低降水量・低降雪量といった予測困難な天候変動は、これらの製品の需要を減少させ、生産計画や在庫管理に影響を与え、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 海外事業と地政学リスク
    事業をグローバルに展開しているため、為替変動、各国の政治・経済情勢の変化、法規制の変更、保護主義的な通商政策、テロや戦争などの地政学的リスクが業績に影響を与える可能性があります。特にアジアや北米地域での事業展開において、これらのリスクは顕著です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,855 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 原材料の調達に関するリスク当社グループの製品群の多くは、石油など一次産品をもとにした原材料を加工したものが多く、当社の品質要件を満たす原材料を安定して調達できること、安価であることなどを考慮し、仕入れ業者を分散して調達しております。しかしながら、原油をはじめとする原材料価格の高騰や地政学的リスク、調達先の事業縮小・撤退により安定調達が困難になるリスク等が考えられます。以上のことから、安定的に調達できない場合や調達コストが著しく上昇する場合には、業績に影響を与える場合があります。(2) 季節要因のリスク当社グループの製品群には、カイロ、除湿剤等の季節的要因、特に冷夏・暖冬、低降水量・低降雪量といった天候の影響を受けやすい製品があります。機動的な生産、在庫の最適化に努めておりますが、これらの季節的要因については予測が困難であるため、その変動によって当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(3) 海外展開に伴うリスク当社グループは、事業をグローバルに展開しておりますが、これに伴い以下の場合には当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。① 為替変動リスク当社グループは外貨建取引を行っておりますが、それらは為替レート変動による影響を受けることがあります。為替予約等による相場変動のリスクヘッジを行っているものの、急激な為替レートの変動は、業績に影響を与える可能性があります。② 地政学的リスク当社グループではアジア及び北米地域に事業拠点を開設するとともに、製品や原材料の輸出入などグローバルに取引を展開しておりますが、昨今の国際情勢で経済格差が顕著な地域や一部には政治的な緊張感が高まっている地域があり、こうした地域で、政治変動・経済情勢の変化・法改正等により、著しい景気の悪化、労働力不足やストライキのほか、テロ、戦争などが発生した場合、当社グループの経営成績や財政状況などに影響を及ぼす可能性があります。③ 各国の経済通商政策リスク当社グループは、事業をグローバルに展開しており、各国政府の経済通商政策の影響を受ける可能性があります。具体的には、免税であった輸出品が関税対象になる場合、あるいは元々関税対象だったがその関税が大幅に上昇する場合等のリスクがあります。また、直接的な関税賦課の影響に加え、その影響を受ける対象品の需要が減少することや、世界的に物品の流通に障害が出るなどの間接的な影響も想定されます。このようなことから、特定の国・地域における経済政策の急激な変更、あるいは保護主義的な措置が導入された場合、当社の事業活動や収益性、投資計画に影響を及ぼす可能性があります。(4) 地震等自然災害及び感染症によるリスク当社グループは、全社的に突発的な自然災害、不慮の事故の発生等に備えて、損害保険及び火災保険等により影響を最小限度に止めるよう努めておりますが、当社の産業用製品事業の中核を担う静岡工場は大規模地震発生の可能性を指摘されている地域に位置し、また、福島工場は「令和元年東日本台風」による浸水被害が発生した地域に位置しており、これらを含めた自然災害が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、感染症の発生及び拡大は、原材料の継続的な調達、生産体制の維持、市場への製品の安定供給やサプライチェーンに著しい支障をきたす場合があり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5) 気候変動に関するリスク当社グループでは、気候変動により気温上昇が進んだ場合に考えられる台風・集中豪雨等の異常気象や自然災害によって工場等が損害を受けた場合は、復旧のためのコスト負担などが経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、サプライチェーンが異常気象や自然災害によって損害を受けた場合も、原材料供給の停止などが生産活動に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会に向けた各種規制の強化、炭素税の導入など移行時の環境変化により、今後の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 製品の品質維持とブランドの毀損リスク当社グループは、高い技術力に根差した高品質の製品を供給することにより築き上げてきた企業ブランド及び商品ブランドの維持・向上が経営上の重要課題であると認識しております。特に品質管理体制には万全を期しておりますが、予想を超える品質トラブルが発生すれば、売上の減少や企業ブランド価値の低下等経営成績や財政状態に支障をきたす懸念があります。また、従業員によるコンプライアンス違反やSNS等における根拠のない不正確な情報の拡散などが発生した場合、当社のブランドイメージが毀損し、消費者・取引先からの信頼を損なう可能性があります。その結果、当社グループの経営成績や財政状況などに影響を及ぼす可能性があります。(7) 情報漏洩のリスク当社グループは、事業活動において顧客等の個人や信用に関する情報を入手し、他企業等の情報を受け取ることがあります。これらの情報の秘密保持には細心の注意を払い、情報の漏洩が生じないよう最大限の管理に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が発生して、事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また、事業上の重要機密が第三者に不正流用されるおそれもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(8) 法律・規制・訴訟等のリスク当社グループは、事業活動を行っている各国において、展開している事業に関連する様々な法律や規制の適用を受けております。今後、国内外における予期せぬ法律や規制の変更、新たな法律や規制により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコンプライアンス(法令遵守)の徹底を図っておりますが、国内外の事業活動に関連して重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に労務関係では、当社グループは労働法規に則った適正な管理体制を構築し従業員の労働環境の向上に努めておりますが、長時間労働、職場でのハラスメント及び雇用形態における不均衡などのコンプライアンスに抵触する問題が発生した場合、行政指導や法的措置を受けるリスク、あるいは従業員のモチベーションや定着率の低下を招く可能性があります。(9) 固定資産の減損リスク① 産業用製品事業の減損リスク当社グループの産業用製品事業が有する固定資産は、主として取引先の生産工程で使用されるなど事業者向けの製品を製造する設備であります。これら設備は事業者向けのため、製造設備の構造的規模あるいは投資金額が大きくなる傾向があり、短期的な回収より長期的な視点で設備投資を実施する場合があります。その場合、将来キャッシュ・フローを短期的に生成することができず減損損失に至る場合があります。② 生活用品事業の減損リスク当社グループの生活用品事業が有する固定資産は、主として消費者向けの製品を製造する設備であります。当社グループの一部製品は、他社と競合する製品が多数あり、その年の事業環境あるいは販売動向等、市場での商圏変動や販売価格変動等が起こりやすい環境下にあります。これにより収益性の低下が生じた場合、減損損失の兆候を認識し将来キャッシュ・フローを生成することができなかった場合は減損損失に至る場合があります。(10) 知的財産侵害に関するリスク当社グループは、技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者による知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品又は技術が第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、その訴えが認められた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(11) 人材確保のリスク当社グループの事業活動を継続的かつ安定的に展開していくためには、高い専門性と優れたマネジメント能力を有する人材の確保及び育成が不可欠であります。特に、研究開発、品質管理、海外事業などの分野においては専門性の高い人材の重要度が増しております。また、地方における人材獲得競争の激化、就労環境に対する意識の変化などにより、現場労働者の必要な人員の確保、育成が困難となる可能性があります。今後も国内においては労働人口の減少が予測されますが、これらの人材の採用・定着・教育が計画通りに進まない場合、製品開発、生産体制の維持・拡充、及び営業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、働き方改革やダイバーシティ推進に対する対応が遅れた場合、企業の魅力度や従業員満足度の低下を招き、人材流出や採用競争力の低下につながる可能性があります。

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