5025

マーキュリー(5025)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 不動産ビッグデータ活用
    マーキュリーは、約30年かけて収集したマンションの物件コンセプトブック、図面集、価格表といった貴重な不動産ビッグデータを基盤としています。このデータを活用し、不動産市場の動向分析や営業支援を行うサービスを提供することで収益を得ています。これにより、不動産デベロッパーや仲介業者の業務効率化を支援しています。
  • プラットフォーム事業
    主力事業の一つであるプラットフォーム事業では、新築マンション市場向けに市場調査・分析システム「サマリシリーズ」をサブスクリプション(月額定額)型で提供し、安定的な収益を確保しています。中古マンション市場向けには、不動産ビッグデータを活用した営業支援サービスを従量課金型で提供しており、多様な収益モデルを構築しています。
  • デジタルマーケティング支援
    もう一つの主力事業であるデジタルマーケティング事業では、マンション販売における集客をWebマーケティングで支援しています。特に、購買意欲の高いユーザーが集まるCGMサイトを活用した「CGM広告」は、質の高い反響と送客力を強みとし、主要な収益源となっています。リスティング広告運用やサイト制作も手掛け、多角的に収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • プラットフォーム事業
    この事業は、マーキュリーが長年蓄積してきた「不動産ビッグデータ」を基盤としています。新築マンション市場向けには、市場調査・分析システム「サマリシリーズ」をサブスクリプション型で提供し、安定的な収益源となっています。中古マンション市場向けには、営業支援のための「データダウンロードサービス」を従量課金型で提供しており、多様な顧客ニーズに対応しています。
  • デジタルマーケティング事業
    この事業では、マンション販売における集客をWebマーケティングの力で支援しています。特に「CGM広告」は、マンション購入意欲の高いユーザーに特化して広告を配信することで、質の高い反響と高い送客力を実現しています。リスティング広告運用やサイト制作も手掛け、顧客の販売促進を多角的にサポートしています。
  • 新規領域への事業拡張
    既存のサービス拡充に加え、新たな収益源を確保するため、新規サービスの創出にも積極的に取り組んでいます。特に、賃貸系データベースの強化を進め、2026年3月には「賃料査定DX」をリリースし、新築・中古領域に加え、賃貸領域へとサービス提供範囲を広げています。これにより、事業の多角化と成長を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,134 文字
3 【事業の内容】株式会社GA technologiesによる当社の普通株式に対する公開買付けの結果、2024年8月21日に当社議決権の52.3%を取得し、株式会社GA technologiesが当社の親会社となりました。創業以来、「不動産ビッグデータ×Technology」を事業コンセプトとしており「プラットフォーム事業」「デジタルマーケティング事業」が主力事業です。当社は、マンションの新築分譲時にしか取得することができない物件コンセプトブック、図面集、価格表を約30年以上にわたり収集しており、これらを情報ソースとし不動産ビッグデータを構築してきました。「プラットフォーム事業」は、保有している不動産ビッグデータをもとに、新築マンション領域、中古マンション領域それぞれの業態に合わせたサービスを開発し提供しております。新築マンション領域においては、主にマンションデベロッパーに向けて、不動産ビッグデータの閲覧や多彩な集計グラフ・帳票を出力できる市場調査・分析システムの「サマリシリーズ」というサブスク型(注1)不動産マーケティングシステムを提供しております。中古マンション領域においては、主にマンションの仲介業者に向けて、不動産ビッグデータを活用し不動産販売における営業支援を行う「データダウンロードサービス」という従量課金型のサービスを提供しております。また、賃貸系データベースの強化が進み、2026年3月に「賃料査定DX」リリースいたしました。新築領域、中古領域に加え新たに賃貸領域へとサービスを拡張してまいります。今後も既存プロダクトのサービス拡充及び新規サービスの創出に向けて積極的に取り組んでまいります。「デジタルマーケティング事業」はマンション販売における集客をWebマーケティングにより支援しております。 主要サービスの「CGM広告」は、マンションの購買意欲の高いユーザーが集まるCGMサイトを活用することから、反響の質の高さと送客力を強みとするサービスで、今後も引き続き重点サービスと位置付け、営業活動を推進しております。 また、周辺マンション相場や当該物件の特徴等を分析し、適切なキーワード選定や広告配信エリアの提案を行い運用するリスティング広告(注2)や、物件公式サイト等のアクセス解析、サイト制作等を行っております。その他、今後の事業化を目指しているサービスとして、不動産データベースよりマンションの間取りや販売価格などから世帯属性を想定しデータセグメントのうえ広告配布を行うダイレクトメールの配送サービスや、システムの開発受託などを行っております。 (注)1.サブスク型とはサブスクリプションの略で月額定額料金の収益モデルを指す。 2.リスティング広告とはGoogleやYahoo!が提供する検索エンジンの検索結果で、検索エンジン利用者が検索したキーワードに対し、関連した広告を表示させる広告手法を指す。事業の種類具体的なサービスプラットフォーム事業サマリシリーズリアナビマンションデータダウンロードサービスデータ提供デジタルマーケティング事業CGM広告リスティング広告運用サイト制作その他タウンマンションプラス(DM)システム開発受託 (1)プラットフォーム事業 「プラットフォーム事業」では、「不動産ビッグデータ×Technology」を事業コンセプトとし、各種のサービスを展開しております。 新築マンション領域では「サマリシリーズ」を中心に不動産に関連するデータベースを活用した不動産マーケティングプラットフォーム「Realnet」を提供しております。  当社の提供する「サマリシリーズ」は継続課金型の収益モデルとなっており、「サマリシリーズ」のARR(注)は全体の52.2%(2026年2月期)となっております。チャーンレート(解約率)は0.6%(2026年2月期)と低水準であり、継続率が高く安定的な収益確保が可能である点が当サービスの強みとなっております。 また、当社が保有する新築分譲マンションのデータについては、不動産ポータルサイト運営会社等にデータ提供を行っており、これらは不動産ポータルサイト内で過去販売物件の物件概要の掲載や行政区、駅別などエリアごとのマンション相場情報の掲載等、幅広くご活用頂いております。 中古マンション領域では、新築マンション販売当時に配布されたマンションのコンセプトブック、図面集及び新築時価格表や中古販売履歴などをダウンロードできる「マンションデータダウンロードサービス」を提供しております。これらのデータは中古マンションの売却査定時や売買商談時に物件の特徴を把握するための情報源としてご活用頂いております。 また、「間取図作成サービス」は自社で保有する新築時の間取図データを活用し、スピーディかつ低コストで広告掲載用間取図の作成を行っております。(注)Annual Recurring Revenueの略で、継続的な契約により毎年決まって得られる売上高を表します。  ① サマリシリーズ「プラットフォーム事業」における「サマリシリーズ」は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県)・関西(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)・東海(愛知県、岐阜県、三重県)の三大都市圏を対象とし、マンションデベロッパーやマンション販売会社等の新築分譲マンション事業に関わるユーザーがマンション市場の調査等を行う際に必要な過去の販売事例のデータ閲覧やマンション相場集計グラフの出力等が行えるマーケティングシステムです。現在最も利用者の多いマンションサマリはSaaS型システムとして提供しております。収益モデルはサブスクリプション(定額課金型)が主な報酬形態となっており、一部集計レポート等の出力に応じて課金する従量課金も行っております。    各サービスについての特徴は以下のとおりです。サービス名称特徴利用方法一例マンションサマリ過去に販売された新築分譲マンションの販売データが搭載されており、地図上での物件表示や物件毎の坪単価等の一覧表示、住戸価格の一覧表示、Excelグラフや各種帳票の出力機能等が使用できるサービスマンション用地購入時に行う市場調査のマーケティングツールとしての利用賃貸サマリ賃貸物件の賃料相場を瞬時に集計するシステムで賃貸事例の一覧表示やクロス集計、構成比グラフ等の出力が可能新築マンション販売時に周辺の賃料相場より住宅費に対する支払い能力などを参考にするために利用 サービス名称特徴利用方法一例統計サマリ国勢調査や住宅土地統計などのデータソースをもとに各町丁目単位での人口、世帯などの集計が可能。グラフや帳票の種類も豊富で地図上でのポリゴン(注)表示機能等も搭載借家世帯数や平均世帯年収データなどを活用しターゲットボリュームの算出や折り込みチラシ配布エリアの選定等で利用開発サマリ分譲マンションのみならず中高層建築の計画情報が閲覧できるサービス当該地周辺の中高層建築の計画情報を取得し、競合他社の参入や当該地の将来像などを把握するために利用用地サマリ土地の仕入れ担当者が候補用地に対する案件のステータス管理ができるシステムで物件のプロット機能や物件一覧の出力が可能土地の仕入れ担当者の商談履歴等を地図上で管理するためのツールとして利用 (注)ポリゴンとは多角形の面のことで、ここでは「町」や「丁目」などの行政界エリアデータを指す。   なお、賃貸サマリは株式会社ワンノブアカインド(本店所在地:東京都港区、代表者名:川島 直也)、マンションリサーチ株式会社(本店所在地:東京都千代田区、代表者名:山田 力)、統計サマリは株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ(本店所在地:東京都千代田区、代表者名:山下 弘記)よりデータ提供を受けております。その他は当社顧客より入手したデータであります。  ② リアナビ「プラットフォーム事業」における「リアナビ」は、SaaS型(リリース当時はASP型と表現)の不動産マーケティングシステムです。新築分譲マンションの営業担当者をターゲットにリアルタイム性を追求したサービスで、相場情報のほか新規販売情報や完売情報、値引き情報等の販売動向などを即時にユーザーに情報配信することで、新築マンションの販売時に近隣の競合分析や販売戦略の立案等に活用いただいております。リアナビはユーザーが必要なサービスを選択し、システム利用ライセンス料として月額課金制による収益モデルとなっており、マンションカタログ等の一部従量課金サービスも行っております。    各サービスについての特徴は以下のとおりです。サービス名称特徴利用方法一例マンションカタログ新築分譲時の物件パンフレット(コンセプトブック、図面集、価格表)の画像データを取得できるサービス近隣の競合物件調査や商品企画の参考事例として活用不動産市況新築、中古、賃貸、戸建て全てのデータによるエリア相場の把握ができるサービス。集計レポートも取得可能新築、中古、賃貸、戸建てなどの相場を把握し営業戦略の立案や、物件購入検討者に向けた営業資料作成時に活用エリアポテンシャル国勢調査等の民力データを活用し、人口、世帯、平均年収等が把握でき、出力グラフ、レポートも取得可能 ターゲット(集客)エリアの選定など広告戦略等の立案時に活用 流通価値算定物件の売買価格と賃料により表面利回りが瞬時に算出されるツール過去の販売事例により物件の利回りを算出できるため、営業時に物件の資産性を説明するために活用 サービス名称特徴利用方法一例ニュース&トピックス業界に係るニュースやコラム、各種レポートのダウンロードなど業界特化型の会員向け情報提供サイト業界ニュースや業界特化したコラム、価格改定情報など情報収集ツールとして活用リセールプライス新築時点からの物件価格騰落率が分かるサービス中古物件の価格査定等で利用  なお、エリアポテンシャルはマップマーケティング株式会社、不動産市況の賃貸データは株式会社ワンノブアカインド、マンションリサーチ株式会社よりそれぞれデータ提供を受けており、その他は当社顧客より入手したデータとなっております。  ③ マンションデータダウンロードサービス「プラットフォーム事業」における「マンションデータダウンロードサービス」は不動産仲介業者に向けた営業支援サービスであり、マンションの売買仲介業務における物件査定業務時や、マンション購入検討者との商談時の営業資料として必要なデータの取得が可能となっております。   また、データダウンロードサービス内の「間取図作成サービス」は自社で保有する新築時の間取図データを活用し、スピーディかつ低コストで広告掲載用間取図の作成を行っております。  当サービスは、株式会社ワンノブアカインドとの共同運営事業であります。当社はコンテンツの提供及び既存顧客に対するサービスの利用促進営業や今後予定している新たなサービスの提案を行い、株式会社ワンノブアカインドは新規顧客の開拓営業活動及びデータダウンロードサービスのサービス提供サイトのシステム開発及び保守を行っております。収益モデルはダウンロード数に応じた従量課金となっております。   各ダウンロードデータは以下のとおりです。データ項目特徴利用方法一例パンフレット画像検索にて特定された物件の新築当時のパンフレット画像(コンセプトブック、図面集)がダウンロードできるサービス中古マンションの営業において購入検討者に向けた配布資料として新築当時に作成されたパンフレット画像をダウンロードし物件の特徴や間取りの詳細を提示物件写真分譲マンションの外観写真やエントランス写真等がダウンロードできるサービス中古マンションの広告作成や顧客向け資料作成等に利用新築時価格情報中古販売履歴情報新築時の分譲価格や中古販売価格の履歴が一覧表として出力できるサービス売り物件を査定する際に新築時の価格情報と中古の販売履歴情報を取得し、物件オーナーに対し販売価格の提案を行う際の根拠資料として活用 なお、パンフレット画像は当社顧客より入手したデータ、物件写真は当社が制作したデータ、中古販売履歴情報は共同運営事業者の株式会社ワンノブアカインドより提供を受けているものであります。  ④ データ提供  「プラットフォーム事業」における「データ提供」は主に大手不動産ポータルサイトに対し、物件概要情報や相場情報などをAPI(注)にて提供しております。(注)Application Programming Interfaceの略で、具体的には当社のデータを他社が使える仕組みを作ること。   以上のプラットフォーム事業の概念図は、次のとおりです。『プラットフォーム事業概念図』 (注) 簡易GISとは、Googleマップなどの電子地図とデータ連携して、マンション情報等を地図上にて一覧、集計表示するシステムのこと。 (2)デジタルマーケティング事業新築分譲マンション事業向けのマーケティングノウハウや当社保有の不動産データベースを活用して、マンション販売における集客をWebマーケティングで支援しております。 CGM広告を活用した集客サービスの企画販売、インターネット広告の運用、アクセス解析及びバナー(注1)やランディングページ(注2)などクリエイティブ素材の提供、物件サイトの制作等を行っております。  ① CGM広告マンションの購買意欲の高いユーザーが集まるCGMを活用することから、反響の質の高さと送客力が強みのサービスです。不動産ポータルサイトが得意とする、これから物件購入を検討する潜在層の集客と、本サービスを組み合わせて利用することで、Web広告の効果を高めることが期待できます。また、CGM広告はGoogleが定めた良質なWebサイトを作成するうえで最も重要な基準E-E-A-T(注3)に沿ったサイト構成であることから、Googleから高く評価され、検索結果として上位表示されることから効率的な集客が可能となります。当サービスは、顧客から広告掲載料を頂く報酬形態となっております。  ② リスティング広告運用新築分譲マンション及び分譲戸建て販売の集客に特化したインターネット広告の運用を行っており、広告運用実績やアクセス解析をもとに物件の資料請求やモデルルームへの来場促進を担っております。当社の強みとしては、長きにわたり不動産業界に向けた事業を展開しているためマンション販売に関して知識があり、さらに豊富なデータを保有していることから、リスティング広告のキーワード、エリアの選定など適正かつ効率的な運用を得意としております。Yahoo!プロモーション広告におけるスポンサードサーチ、YDA広告(注4)、GoogleAdwordsにおける検索ネットワーク、GDN広告(注5)だけでなく、Facebook広告、YouTube広告などのSNS広告や位置情報広告及びTVer広告を扱っており、物件の完売までをサポートする広告運用代行としてサービスを提供しております。  ③ サイト制作新築分譲マンション及び分譲戸建て販売に特化したサイト制作を行っております。広告の対象となる物件の訴求ポイントなどの抽出や販売好調だった物件のクリエイティブ戦略など、当社が長年にわたって蓄積した不動産に関するデータやノウハウを活用し、Webサイト制作やバナー制作などクリエイティブ素材を主に当社のリスティング広告運用の顧客向けに提供しております。(注)1.ウェブページ上で他のウェブサイトを紹介する役割を持つ画像のこと。2.ウェブページ上で検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのこと。3.2022年12月Google品質評価ガイドラインのアップデート情報より。4.Yahoo!ディスプレイアドネットワークの略称で、Yahooで出稿できるディスプレイ広告のこと。5.Googleディスプレイネットワークの略称で、Googleで出稿できるディスプレイ広告のこと。 (3)その他当社保有の不動産データベース及び顧客の社内システムやWebサービスとデータベースとの連携システムの開発経験等に基づき、以下のサービスを展開しております。  ① タウンマンションプラス(DM)ターゲットを絞り込んでダイレクトメールの配送を行う当社独自のダイレクトメールの配送サービスです。他社のダイレクトメールとの違いは、配布対象のセグメントの方法にあります。タウンマンションプラス(DM)では、当社保有の不動産データベースより築年数や物件価格、間取りなどの物件特性から「世帯属性」や「生活志向」を導き出し、きめ細かく世帯をセグメントすることで、より高い確率で広告主が求めるターゲット顧客に訴求することが可能となり、取り扱う商品やサービスとターゲット顧客とのミスマッチが起こりづらくなる効率的なマーケティングが可能となっております。  ② システム開発受託サマリネットやリアナビ等の開発・運用実績やデータベース構築ノウハウ等を活かし、システムの開発受託を行っております。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(1)プラットフォーム事業 (2)デジタルマーケティング事業

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自の不動産ビッグデータを活用したサービス提供と、CGM広告の質の高さ。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
約30年以上にわたり収集した物件コンセプトブック、図面集、価格表による不動産ビッグデータ。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:不動産業界の景気や規制環境の変化 / インターネット広告商品の相対的価値低下 / システム障害の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された情報からは、マーキュリーが特許、ブランド、規制ライセンスなどの無形資産を競争優位の源泉としている具体的な証拠は見当たりません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は主にIT人材派遣やSES(システムエンジニアリングサービス)を提供しており、顧客企業が他のITベンダーへ切り替える際の直接的なスイッチングコストは限定的と考えられます。しかし、長年の取引による信頼関係やプロジェクトの継続性から、一定の顧客維持効果は期待できます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

マーキュリーの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接高めるネットワーク効果を生み出す構造ではありません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

IT人材派遣・SES業界は一般的に労働集約型であり、同社が構造的に顕著なコスト優位性を持つとは考えにくいです。ただし、効率的な人材管理や営業活動によるコスト抑制の努力は存在する可能性があります。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

IT人材派遣・SES業界は多数のプレイヤーが存在する競争市場であり、マーキュリーが圧倒的な規模の経済を享受しているとは言えません。業界内での一定の規模は持つものの、寡占化が進んでいるとは言えません。

  • 独自の不動産ビッグデータ
    マーキュリーは、約30年以上にわたり新築分譲マンションの物件コンセプトブック、図面集、価格表といった他社では入手困難な情報を独自に収集・蓄積しています。この膨大なデータは、不動産市場の深い分析を可能にし、競合他社に対する強力な参入障壁となっています。
  • 安定的な収益基盤
    新築マンション領域で提供する「サマリシリーズ」は、サブスクリプション(定額課金)型のビジネスモデルを採用しており、2026年2月期には全売上高の52.2%を占めるARR(年間経常収益)を達成しています。チャーンレート(解約率)も0.6%と低く、高い継続率が安定した収益確保の強みとなっています。
  • 専門性の高いマーケティング
    デジタルマーケティング事業では、マンションの購買意欲が高いユーザーに特化したCGM広告を主要サービスとしています。これにより、効率的かつ質の高い集客を実現し、顧客であるマンションデベロッパーの販売促進に貢献しています。不動産業界に特化した専門知識とデータに基づいたマーケティング戦略が強みです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、「報恩」を合言葉に「喜びや成長の糧となる環境を人々から与えられている事に感謝し、不屈不撓の精神で価値ある未来の創造に挑戦し続ける」ことを経営理念として掲げ、「不動産IT革命により不動産取引に関わる全ての人の満足を創造する」ことを事業理念としております。当社は35年以上にわたって三大都市圏における新築マンションに関するパンフレット等の資料を収集し不動産データベースとして蓄積することで、新築マンションデベロッパー、不動産仲介業者、不動産販売事業者、戸建て業者等の不動産に関わる事業者様に不動産マーケティングシステムを提供しております。一物四価と言われ価値の測定が困難な性質を持つ不動産に対して、顧客が不動産取引を行う上で、正確な不動産価値分析により選択に確信を持っていただけるよう、正確な裏付けのある不動産データベースを整備し長年にわたりご活用いただいております。また、当社は新築マンションのデータベースを日々更新・蓄積しており、保有する不動産データベースは、データ棟数65,656棟、住戸数2,894,124戸、パンフレット数47,168部、間取り数699,574タイプ(2026年2月28日現在)となっております。当社は、この不動産データベースとAI(人工知能)や画像解析等のテクノロジーを活用し、不動産業界に変化を起こすイノベーターを目指し今後も新たな付加価値の創造に向けたチャレンジを続けてまいります。 (2)目標とする経営指標等当社は持続的な成長と企業価値向上を目指しており、全社的な主要な指標として売上高及び営業利益を重視しております。また、当社は主力事業と位置付けるプラットフォーム事業において目標とする経営指標を設定しております。主に新築マンション事業者向けに提供している月額課金制サービス(サマリネット及びリアナビ)においては平均顧客単価、平均顧客数、ARR及び解約率を、不動産仲介業者(中古領域)向けのデータダウンロードサービスにおいては売上高及び平均顧客数を事業運営上重視する経営指標としております。新築マンション事業者向けの月額課金制サービスは、売上高に連動して増加する変動費が少ない収益構造であることから、ARRを伸長させることが営業利益確保のために重要であると考えております。従ってARRを目標とする経営指標に設定するとともに、ARRの構成要素として平均顧客単価、平均顧客数及び解約率を目標とする経営指標に含めております。平均顧客単価を上げるために、既存顧客に対して利便性の高いサービスを訴求するアップセルに注力してまいります。不動産仲介業者向けのデータダウンロードサービスは従量課金制であり、当サービスの売上高と平均顧客数を目標とする経営指標に設定しております。当サービスにおいては、現在はパンフレット画像を中心に提供を行っておりますが、今後は顧客が求めるコンテンツをサービスに追加することで顧客数を増やし、利用頻度を高める事で売上高の増加を図ってまいります。 (注)サマリネット・リアナビ及びデータダウンロードサービスの経営指標の算定方法は以下のとおりです。サービス名経営指標算定方法サマリネット・リアナビ平均顧客単価(サマリネット)各月の顧客単価(売上高 ÷ 顧客数)の平均値平均顧客数(サマリネット)各月の顧客数の平均値ARR(サマリネット・リアナビ)月額課金制サービスの契約額の年間合計額解約率(サマリネット・リアナビ)期中解約金額 ÷ 前期のARR × 100データダウンロードサービス売上高データダウンロードサービスの売上高平均顧客数 各月の顧客数の平均値 (3)経営環境当社は、不動産マーケティングソリューション事業を行っており、当社の主要な顧客は新築マンションデベロッパー、不動産仲介業者、不動産販売事業者、戸建て業者等であり、その大半が不動産業に関わっております。不動産業は、国民生活や経済活動の基礎となる住宅・オフィス・商業施設等の開発・流通・管理等を通じ我が国の豊かな国民生活・経済成長等を支える重要な基幹産業であり、その産業規模は2024年度では売上高58.8兆円であります。(出典:年次別法人企業統計調査(令和6年度)、財務省 財務総合政策研究所)居住用不動産を取り巻く環境としては、少子高齢化に伴う人口減少の進展や空き家問題の顕在化が中長期的な課題となっております。一方、政府が2026年3月に閣議決定した「住生活基本計画」においては、こうした社会構造の変化を踏まえ、ストック住宅の有効活用や住宅の質の向上、脱炭素化の推進が重視されております。これにより、従来の新築中心の供給から、ストック住宅重視・質重視へと政策の軸足が移行しております。足元では、雇用・所得環境の改善が見られ、各種政策の効果もあって景気の緩やかな回復が続くことが期待されている中にあって、低金利環境の継続と建築資材や人件費の高騰を受けて新築マンションの平均価格は2022年 6,413万円、2023年 8,118万円、2024年 7,956万円、2025年 9,175万円(首都圏の各年に発売された新築マンションが対象、当社調べ)と堅調な推移を見せております。新築マンションの価格高騰により、中古マンション業界も活況を呈しており、首都圏の中古マンションの価格は、2010年を100とする不動産価格指数において2022年 176.0、2023年 185.4、2024年 197.9、2025年 214.5(南関東圏におけるマンションが対象、出典:国土交通省)と値上がりが続いております。また、金融政策においては、日本銀行が物価上昇率について中長期的に2%程度の水準を目標としていることを踏まえ、当面は大きな金融引締めが行われない限りにおいて、相対的に緩和的な金融環境が継続する可能性があると認識しております。このような環境のもと、既存住宅流通の拡大が一定程度後押しされるものと考えております。かかる環境を踏まえ、当社ではプラットフォーム事業において新築マンション事業者(新築マンション領域)向けのサービスと不動産仲介業者(中古マンション領域)向けの両方において売上高及び営業利益の向上を目指してまいります。 (4)経営戦略等上記の経営環境を踏まえたそれぞれの領域における具体的な経営戦略は以下のとおりであります。新築マンション領域においては、不動産マーケティングシステムとしてサマリネット及びリアナビを提供しておりますが、これらのサービスは主に用地仕入れや企画・マーケティング部門においてご活用いただいております。用地仕入れ時の事業計画策定、市場調査レポートの作成、競合物件調査等を短時間で行うことができる利便性の高いシステムであることから、新築マンションの年間供給戸数ランキング(2025年度、株式会社不動産経済研究所調べ)における上位20社中19社に導入いただいております。 2021年2月期より、従来クライアントサーバ型システムにて提供しておりました不動産マーケティングシステムの主力サービスである「マンションサマリ」のSaaS型サービスへの切り替えを進め、顧客が場所や端末を選ぶことなく業務を行うことができる環境を整備しております。SaaS型サービスへのリプレイスにより、月額課金制サービスの年間売上高(ARR)の増加を実現しております。さらに、サービスの安定運用とユーザビリティの向上を踏まえ、2026年4月から新価格体系へ移行いたしました。今後はライセンス追加によるARRの獲得やリカーリング商材の利用促進に注力することでARPU(注1)の向上を目指してまいります。また、「マンションサマリ」以外のサービスについても順次SaaS型サービスへリプレイスを進めていく予定です。中古マンション領域においては、当社が長年収集してきた新築マンションの販売時のコンセプトブックや価格表等のデータを仲介業者向けに提供しております。物件チラシや重要事項説明書の作成、顧客への営業資料作成、広告出稿用の間取図作成、物件査定等にご活用いただいております。類似サービスを提供している競合企業が1社ございますが、サービスのコンセプトが若干異なること及びそれぞれが従量課金制のサービスを提供していることから、共存可能な状況であると認識しております。また、過去に遡って販売当時のデータを収集する事は困難なため、競合企業の新規参入は想定しておりません。中古マンション領域における今後の成長戦略としては、①契約社数の増加、②サービス拡張及びリカーリング収益向上の二つの軸での成長を見込んでおり、提供コンテンツのラインナップを増やすための新規サービス開発及び新規顧客の開拓、既存顧客へリカーリング推進に注力してまいります。また上記2領域に加え、新たに賃貸管理会社及び仲介会社向けの賃貸領域への展開を図り、2026年3月に新サービス「賃料査定DX」をリリースいたしました。足元では、物価上昇等の影響を背景として、従来比較的安定的に推移してきた賃貸相場においても上昇傾向が見られており、管理会社及び仲介事業者においては、正確な市場動向の把握及び客観的根拠に基づく賃料査定の重要性が高まっております。このような事業環境の変化を踏まえ、当社はこれまで蓄積してきた不動産ビッグデータの活用領域を賃貸マンション及びアパート分野へ拡張し、賃料査定や市場分析等の調査業務を効率的かつ一体的に実施可能なサービスを開発いたしました。今後は、GA technologiesグループのイタンジ株式会社が運営する「ITANDI BB」との連携を予定しており、サービス機能の拡充及び顧客基盤の拡大を図ってまいります。 ①契約社数の増加について現在3,662社(2026年2月28日現在)のサービス契約社数を引き上げることにより、データダウンロードサービスの売上拡大を図ってまいります。当サービスを共同運営している株式会社ワンノブアカインドと協力しながら、三大都市圏でのサービス認知度を高めて利用を促進していく方針です。三大都市圏における宅地建物取引業者数は約75,000業者(注2)ございますが、中古マンションの仲介事業を積極的に行っている約36,000業者(注3)をターゲットとして想定しております。 ②サービス拡張及びリカーリング収益向上についてデータダウンロードサービスの契約社数を増やす活動と並行して、ご利用いただけるコンテンツを追加し顧客単価の向上を図ってまいります。一昨年リリースした「間取図作成サービス」は、高精度の自社所有データに描画処理技術を活用することで、スピーディかつ低コストで広告用間取図を作成できる営業支援サービスです。データダウンロード サービスと本サービスの利用促進を図ることで、中古マンション領域の増収を目指すとともに、引き続き仲介業者様の業務効率向上に貢献するサービスを提供し、プラットフォームの拡充に努めて参ります。(注)1.ARPUとは、Average Revenue Per Userの略で1ユーザーあたりの平均売上高を指します。2.一般財団法人不動産適正取引推進機構の公表データから埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県の宅地建物取引業者数を集計しております。3.三大都市圏において中古マンションの仲介事業者を、当社独自に抽出・集計しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① GA technologiesグループ全体との連携によるシナジー効果の最大化 当社は株式会社GA technologiesのグループ会社となって以降、GA technologiesグループ全体との連携強化を進めております。引き続きシナジー効果を最大化できるよう、最大限の取り組みを推進してまいります。② 安定的な収益基盤の強化当社は長年かけて収集・蓄積してきた不動産データベースを不動産業界に提供するプラットフォーム事業を主な事業としております。今後の持続的な成長実現のためには、顧客のニーズにフィットした新たなサービスの開発・提供を通じて収益基盤を一層強化していくことが必須であると考えております。  ・プラットフォーム事業   プラットフォーム事業においては、SaaS事業基盤の強化を図ってまいります。具体的には、従来の従量課金コンテンツを標準パッケージ化(インクルード)することで、プロダクトの利用価値を最大化し、ユーザーがコストを気にせず「いつでも、何度でも」使える環境を提供いたします。これにより、提供価値とマッチした新価格体系へ移行し、プラットフォーム事業の増収増益を目指してまいります。また、賃貸系データベースの強化が進み、2026年3月に「賃料査定DX」をリリースいたしました。新築領域、中古領域に加え新たに賃貸領域へとサービスを拡張してまいります。今後も既存プロダクトのサービス拡充及び新規サービスの創出に向けて積極的に取り組んでまいります。  ・デジタルマーケティング事業   デジタルマーケティング事業においては、専属のプランニングチームを新たに発足しました。これにより、これまでの属人的な提案から、最新の知見とデータを反映した高品質な提案を平準化してまいります。質の高い提案が案件獲得率を高めることにつながり、これによりデジタルマーケティング事業の増収増益を目指してまいります。   上記を重点施策として取り組むことで、より安定した収益基盤を構築してまいります。③ 優秀な人材の確保によるシステム開発力の強化当社サービスの一層の充実を図るうえでは、システム開発力の強化が欠かせません。当社ではシステム開発要員の採用を積極的に実施し、人材の確保をすることで、開発基盤の構築及び開発組織の強化を進めておりますが、現状では十分な開発リソースの確保ができておらず開発の大部分を外注により実施している状況であるため、引き続き採用を継続し、システム開発力の一層の強化と開発業務の効率化を図ってまいります。当社は、半期毎の人事評価制度の運用改善及び社内研修制度の見直し等により、従業員が主体的かつ柔軟に勤務できる魅力ある職場づくりを推進しております。こうした制度上の改善に加えて、福利厚生制度及びインセンティブの充実により、引き続き優秀な人材の確保及び育成に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、「報恩」を合言葉に「喜びや成長の糧となる環境を人々から与えられている事に感謝し、不屈不撓の精神で価値ある未来の創造に挑戦し続ける」ことを経営理念として掲げ、「不動産IT革命により不動産取引に関わる全ての人の満足を創造する」ことを事業理念としております。当社は35年以上にわたって三大都市圏における新築マンションに関するパンフレット等の資料を収集し不動産データベースとして蓄積することで、新築マンションデベロッパー、不動産仲介業者、不動産販売事業者、戸建て業者等の不動産に関わる事業者様に不動産マーケティングシステムを提供しております。一物四価と言われ価値の測定が困難な性質を持つ不動産に対して、顧客が不動産取引を行う上で、正確な不動産価値分析により選択に確信を持っていただけるよう、正確な裏付けのある不動産データベースを整備し長年にわたりご活用いただいております。また、当社は新築マンションのデータベースを日々更新・蓄積しており、保有する不動産データベースは、データ棟数65,656棟、住戸数2,894,124戸、パンフレット数47,168部、間取り数699,574タイプ(2026年2月28日現在)となっております。当社は、この不動産データベースとAI(人工知能)や画像解析等のテクノロジーを活用し、不動産業界に変化を起こすイノベーターを目指し今後も新たな付加価値の創造に向けたチャレンジを続けてまいります。 (2)目標とする経営指標等当社は持続的な成長と企業価値向上を目指しており、全社的な主要な指標として売上高及び営業利益を重視しております。また、当社は主力事業と位置付けるプラットフォーム事業において目標とする経営指標を設定しております。主に新築マンション事業者向けに提供している月額課金制サービス(サマリネット及びリアナビ)においては平均顧客単価、平均顧客数、ARR及び解約率を、不動産仲介業者(中古領域)向けのデータダウンロードサービスにおいては売上高及び平均顧客数を事業運営上重視する経営指標としております。新築マンション事業者向けの月額課金制サービスは、売上高に連動して増加する変動費が少ない収益構造であることから、ARRを伸長させることが営業利益確保のために重要であると考えております。従ってARRを目標とする経営指標に設定するとともに、ARRの構成要素として平均顧客単価、平均顧客数及び解約率を目標とする経営指標に含めております。平均顧客単価を上げるために、既存顧客に対して利便性の高いサービスを訴求するアップセルに注力してまいります。不動産仲介業者向けのデータダウンロードサービスは従量課金制であり、当サービスの売上高と平均顧客数を目標とする経営指標に設定しております。当サービスにおいては、現在はパンフレット画像を中心に提供を行っておりますが、今後は顧客が求めるコンテンツをサービスに追加することで顧客数を増やし、利用頻度を高める事で売上高の増加を図ってまいります。 (注)サマリネット・リアナビ及びデータダウンロードサービスの経営指標の算定方法は以下のとおりです。サービス名経営指標算定方法サマリネット・リアナビ平均顧客単価(サマリネット)各月の顧客単価(売上高 ÷ 顧客数)の平均値平均顧客数(サマリネット)各月の顧客数の平均値ARR(サマリネット・リアナビ)月額課金制サービスの契約額の年間合計額解約率(サマリネット・リアナビ)期中解約金額 ÷ 前期のARR × 100データダウンロードサービス売上高データダウンロードサービスの売上高平均顧客数 各月の顧客数の平均値 (3)経営環境当社は、不動産マーケティングソリューション事業を行っており、当社の主要な顧客は新築マンションデベロッパー、不動産仲介業者、不動産販売事業者、戸建て業者等であり、その大半が不動産業に関わっております。不動産業は、国民生活や経済活動の基礎となる住宅・オフィス・商業施設等の開発・流通・管理等を通じ我が国の豊かな国民生活・経済成長等を支える重要な基幹産業であり、その産業規模は2024年度では売上高58.8兆円であります。(出典:年次別法人企業統計調査(令和6年度)、財務省 財務総合政策研究所)居住用不動産を取り巻く環境としては、少子高齢化に伴う人口減少の進展や空き家問題の顕在化が中長期的な課題となっております。一方、政府が2026年3月に閣議決定した「住生活基本計画」においては、こうした社会構造の変化を踏まえ、ストック住宅の有効活用や住宅の質の向上、脱炭素化の推進が重視されております。これにより、従来の新築中心の供給から、ストック住宅重視・質重視へと政策の軸足が移行しております。足元では、雇用・所得環境の改善が見られ、各種政策の効果もあって景気の緩やかな回復が続くことが期待されている中にあって、低金利環境の継続と建築資材や人件費の高騰を受けて新築マンションの平均価格は2022年 6,413万円、2023年 8,118万円、2024年 7,956万円、2025年 9,175万円(首都圏の各年に発売された新築マンションが対象、当社調べ)と堅調な推移を見せております。新築マンションの価格高騰により、中古マンション業界も活況を呈しており、首都圏の中古マンションの価格は、2010年を100とする不動産価格指数において2022年 176.0、2023年 185.4、2024年 197.9、2025年 214.5(南関東圏におけるマンションが対象、出典:国土交通省)と値上がりが続いております。また、金融政策においては、日本銀行が物価上昇率について中長期的に2%程度の水準を目標としていることを踏まえ、当面は大きな金融引締めが行われない限りにおいて、相対的に緩和的な金融環境が継続する可能性があると認識しております。このような環境のもと、既存住宅流通の拡大が一定程度後押しされるものと考えております。かかる環境を踏まえ、当社ではプラットフォーム事業において新築マンション事業者(新築マンション領域)向けのサービスと不動産仲介業者(中古マンション領域)向けの両方において売上高及び営業利益の向上を目指してまいります。 (4)経営戦略等上記の経営環境を踏まえたそれぞれの領域における具体的な経営戦略は以下のとおりであります。新築マンション領域においては、不動産マーケティングシステムとしてサマリネット及びリアナビを提供しておりますが、これらのサービスは主に用地仕入れや企画・マーケティング部門においてご活用いただいております。用地仕入れ時の事業計画策定、市場調査レポートの作成、競合物件調査等を短時間で行うことができる利便性の高いシステムであることから、新築マンションの年間供給戸数ランキング(2025年度、株式会社不動産経済研究所調べ)における上位20社中19社に導入いただいております。 2021年2月期より、従来クライアントサーバ型システムにて提供しておりました不動産マーケティングシステムの主力サービスである「マンションサマリ」のSaaS型サービスへの切り替えを進め、顧客が場所や端末を選ぶことなく業務を行うことができる環境を整備しております。SaaS型サービスへのリプレイスにより、月額課金制サービスの年間売上高(ARR)の増加を実現しております。さらに、サービスの安定運用とユーザビリティの向上を踏まえ、2026年4月から新価格体系へ移行いたしました。今後はライセンス追加によるARRの獲得やリカーリング商材の利用促進に注力することでARPU(注1)の向上を目指してまいります。また、「マンションサマリ」以外のサービスについても順次SaaS型サービスへリプレイスを進めていく予定です。中古マンション領域においては、当社が長年収集してきた新築マンションの販売時のコンセプトブックや価格表等のデータを仲介業者向けに提供しております。物件チラシや重要事項説明書の作成、顧客への営業資料作成、広告出稿用の間取図作成、物件査定等にご活用いただいております。類似サービスを提供している競合企業が1社ございますが、サービスのコンセプトが若干異なること及びそれぞれが従量課金制のサービスを提供していることから、共存可能な状況であると認識しております。また、過去に遡って販売当時のデータを収集する事は困難なため、競合企業の新規参入は想定しておりません。中古マンション領域における今後の成長戦略としては、①契約社数の増加、②サービス拡張及びリカーリング収益向上の二つの軸での成長を見込んでおり、提供コンテンツのラインナップを増やすための新規サービス開発及び新規顧客の開拓、既存顧客へリカーリング推進に注力してまいります。また上記2領域に加え、新たに賃貸管理会社及び仲介会社向けの賃貸領域への展開を図り、2026年3月に新サービス「賃料査定DX」をリリースいたしました。足元では、物価上昇等の影響を背景として、従来比較的安定的に推移してきた賃貸相場においても上昇傾向が見られており、管理会社及び仲介事業者においては、正確な市場動向の把握及び客観的根拠に基づく賃料査定の重要性が高まっております。このような事業環境の変化を踏まえ、当社はこれまで蓄積してきた不動産ビッグデータの活用領域を賃貸マンション及びアパート分野へ拡張し、賃料査定や市場分析等の調査業務を効率的かつ一体的に実施可能なサービスを開発いたしました。今後は、GA technologiesグループのイタンジ株式会社が運営する「ITANDI BB」との連携を予定しており、サービス機能の拡充及び顧客基盤の拡大を図ってまいります。 ①契約社数の増加について現在3,662社(2026年2月28日現在)のサービス契約社数を引き上げることにより、データダウンロードサービスの売上拡大を図ってまいります。当サービスを共同運営している株式会社ワンノブアカインドと協力しながら、三大都市圏でのサービス認知度を高めて利用を促進していく方針です。三大都市圏における宅地建物取引業者数は約75,000業者(注2)ございますが、中古マンションの仲介事業を積極的に行っている約36,000業者(注3)をターゲットとして想定しております。 ②サービス拡張及びリカーリング収益向上についてデータダウンロードサービスの契約社数を増やす活動と並行して、ご利用いただけるコンテンツを追加し顧客単価の向上を図ってまいります。一昨年リリースした「間取図作成サービス」は、高精度の自社所有データに描画処理技術を活用することで、スピーディかつ低コストで広告用間取図を作成できる営業支援サービスです。データダウンロード サービスと本サービスの利用促進を図ることで、中古マンション領域の増収を目指すとともに、引き続き仲介業者様の業務効率向上に貢献するサービスを提供し、プラットフォームの拡充に努めて参ります。(注)1.ARPUとは、Average Revenue Per Userの略で1ユーザーあたりの平均売上高を指します。2.一般財団法人不動産適正取引推進機構の公表データから埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県の宅地建物取引業者数を集計しております。3.三大都市圏において中古マンションの仲介事業者を、当社独自に抽出・集計しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① GA technologiesグループ全体との連携によるシナジー効果の最大化 当社は株式会社GA technologiesのグループ会社となって以降、GA technologiesグループ全体との連携強化を進めております。引き続きシナジー効果を最大化できるよう、最大限の取り組みを推進してまいります。② 安定的な収益基盤の強化当社は長年かけて収集・蓄積してきた不動産データベースを不動産業界に提供するプラットフォーム事業を主な事業としております。今後の持続的な成長実現のためには、顧客のニーズにフィットした新たなサービスの開発・提供を通じて収益基盤を一層強化していくことが必須であると考えております。  ・プラットフォーム事業   プラットフォーム事業においては、SaaS事業基盤の強化を図ってまいります。具体的には、従来の従量課金コンテンツを標準パッケージ化(インクルード)することで、プロダクトの利用価値を最大化し、ユーザーがコストを気にせず「いつでも、何度でも」使える環境を提供いたします。これにより、提供価値とマッチした新価格体系へ移行し、プラットフォーム事業の増収増益を目指してまいります。また、賃貸系データベースの強化が進み、2026年3月に「賃料査定DX」をリリースいたしました。新築領域、中古領域に加え新たに賃貸領域へとサービスを拡張してまいります。今後も既存プロダクトのサービス拡充及び新規サービスの創出に向けて積極的に取り組んでまいります。  ・デジタルマーケティング事業   デジタルマーケティング事業においては、専属のプランニングチームを新たに発足しました。これにより、これまでの属人的な提案から、最新の知見とデータを反映した高品質な提案を平準化してまいります。質の高い提案が案件獲得率を高めることにつながり、これによりデジタルマーケティング事業の増収増益を目指してまいります。   上記を重点施策として取り組むことで、より安定した収益基盤を構築してまいります。③ 優秀な人材の確保によるシステム開発力の強化当社サービスの一層の充実を図るうえでは、システム開発力の強化が欠かせません。当社ではシステム開発要員の採用を積極的に実施し、人材の確保をすることで、開発基盤の構築及び開発組織の強化を進めておりますが、現状では十分な開発リソースの確保ができておらず開発の大部分を外注により実施している状況であるため、引き続き採用を継続し、システム開発力の一層の強化と開発業務の効率化を図ってまいります。当社は、半期毎の人事評価制度の運用改善及び社内研修制度の見直し等により、従業員が主体的かつ柔軟に勤務できる魅力ある職場づくりを推進しております。こうした制度上の改善に加えて、福利厚生制度及びインセンティブの充実により、引き続き優秀な人材の確保及び育成に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①経営成績の状況当事業年度における我が国の景気動向は、中東情勢の影響を注視する必要があるものの、景気は緩やかに回復しております。当社の顧客が属する不動産業界におきましては、全体として住宅建設は弱含みで推移しております。その一方で、当社が事業展開している三大都市圏の新築マンション市場においては資材価格や人件費等の建築コストの高騰等を背景として新築マンションの販売価格は引き続き上昇傾向にあります。また、新築マンション価格の上昇を受けて中古マンション価格も上昇基調で推移しており、不動産価格全体としては底堅い動きが継続しております。このような事業環境の下、不動産情報提供サービスを行う当社はサービスの拡大を積極的に推進しております。当社の主力事業であるプラットフォーム事業(新築マンション事業者向けSaaS型マンションサマリ)においては、ライセンス追加によるMRR(月次経常収益)の積み上げに注力するとともに、リカーリング商材の利用促進を図りました。また、賃貸系データベースの整備・拡充を並行して進め、不動産ビッグデータの更なる強化に努めてまいりました。マンション販売における集客支援を行うデジタルマーケティング領域においては、Web広告運用および広告企画販売に係る売上高は堅調に推移いたしました。コスト面におきましては本社移転(新宿区から港区)に伴う一過性の費用が発生したほか、「賃料査定DX」等のサービス開発への積極的な投資を実施しました。前年度の大型ショット収益の影響により営業利益は前事業年度を下回りましたが、投資有価証券譲渡による売却益の影響で当期純利益では前事業年度を上回る結果となっております。この結果、当事業年度の売上高は1,601,996千円(前事業年度比9.1%減)、営業利益は74,315千円(同56.3%減)、経常利益は82,543千円(同50.5%減)及び当期純利益は162,305千円(同28.3%増)となりました。なお、当社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。 ②財政状態の状況(資産)当事業年度末における流動資産は1,137,081千円となり、前事業年度末に比べ197,828千円増加いたしました。これは主に、投資有価証券の譲渡により預金が172,851千円増加したことによるものであります。固定資産は220,884千円となり、前事業年度末に比べ27,163千円減少いたしました。これは主に、無形固定資産に計上しているソフトウエアが41,247千円減少したことによるものであります。なお、当該減少は、ソフトウエア開発に伴う資産計上額があったものの、ソフトウエア償却の計上がこれを上回ったことによるものであります。投資その他の資産は164,745千円となり、前事業年度末に比べ37,150千円増加いたしました。これは主に、譲渡制限付株式報酬制度の導入に伴い長期前払費用が39,763千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は1,357,966千円となり、前事業年度末に比べ170,665千円増加いたしました。 (負債)当事業年度末における流動負債は239,735千円となり、前事業年度末に比べ51,809千円減少いたしました。これは主に、未払消費税等が36,528千円、未払法人税等が13,868千円減少したことによるものであります。固定負債は6,176千円となり、前事業年度末に比べ518千円減少いたしました。これは主に、リース債務の返済が進捗したことによるものであります。 (純資産)当事業年度末における純資産は1,112,053千円となり、前事業年度末に比べ222,994千円増加いたしました。これは主に、従業員のストックオプションの権利行使並びに譲渡制限付株式の割当により自己株式が73,504千円減少したこと及び当期純利益の計上により利益剰余金が149,537千円増加したことによるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ172,851千円増加し、855,904千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は27,255千円となりました。これは主に、税引前当期純利益を225,391千円及び減価償却費を66,625千円を計上した一方で、投資有価証券売却益135,714千円及び法人税等の支払額88,158千円を計上したこと及び売上債権が21,223千円増加したこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は137,552千円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入145,214千円を計上したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は8,043千円となりました。これは主に、自己株式の処分による収入が8,505千円あったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を行っておりません。セグメントの名称第35期事業年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)前年同期比(%)不動産マーケティングソリューション事業(千円)1,601,996△9.1合計(千円)1,601,996△9.1 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定の変更により、将来の課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 (固定資産の減損) 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産について、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定は慎重に検討しておりますが、将来の事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定の変更により、回収可能価額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態の分析「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b. 経営成績の分析(売上高)当事業年度における売上高は、1,601,996千円(前事業年度比9.1%減)となりました。事業別にはプラットフォーム事業1,006,816千円、デジタルマーケティング事業520,545千円及びその他74,634千円でありました。プラットフォーム事業においては、中古マンション領域における前事業年度の大型のショット収益に伴う反動減等により、前事業年度比18.7%減となりました。デジタルマーケティング事業においては、リスティング広告運用では既存顧客の深耕が順調に推移したことに加え、取組みを強化しているCGM広告の取扱いも堅調に伸びたこと等から、前事業年度比10.8%増の増収となりました。その他事業においては、システム開発受託における受注の増加により、前事業年度比33.9%増となりました。(売上原価、売上総利益)当事業年度における売上原価は、人件費や物価の高騰によりサーバー利用料及びリスティング広告運用の拡大に伴う支払手数料が増加した一方で、過年度に実施したSaaSプロダクトの大規模な機能拡張に伴うソフトウエアの減価償却費がピークを過ぎ減少したこと等により、968,526千円(前事業年度比0.7%減)となりました。この結果、売上総利益は663,470千円(前事業年度比19.6%減)となりました。当社におけるソフトウエアの償却年数は3年としており、過年度の開発投資に係る減価償却費は今後逓減する見込みであります。これにより、2027年2月期において売上原価の低減を通じた利益の改善に寄与するものと見込んでおります。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度における販売費及び一般管理費は、賃料査定DXに関する研究開発費及び本社移転に伴う諸費用の増加があった一方で、前事業年度に計上した役員向けストックオプションに係る株式報酬費用及び関西支社移転に係る費用の剥落により、559,154千円(前事業年度比9.4%減)となりました。この結果、営業利益は74,315千円(前事業年度比56.3%減)となりました。(営業外損益、経常利益)当事業年度における営業外収益は、14,975千円(前事業年度比182.1%増)となっております。この主な内訳は、親会社とのグループファイナンス取引における当社貸付金に対する受取利息の計上であります。また、当事業年度における営業外費用は6,747千円となりました。この主な内訳は投資有価証券の譲渡に伴い発生した弁護士報酬等であります。この結果、経常利益は82,543千円(前事業年度比50.5%減)となりました。なお、親会社とのグループファイナンス取引は今後も継続的に実施する方針であり、2027年2月期においても受取利息の計上を見込んでおります。(特別損益、当期純利益)当事業年度における特別利益は、142,851千円となっております。これは主として、投資有価証券の売却及び従業員向け譲渡制限付株式報酬の割当て時に新株予約権を放棄したことに伴う新株予約権戻入益を計上したことによるものであります。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は63,085千円となりました。この結果、当事業年度の当期純利益は162,305千円(前事業年度比28.3%増)となりました。 ③目標とする経営指標等の達成状況について当社は、全社的に重視する指標として売上高及び営業利益を設定しております。また、サービス毎には、主に新築マンション事業者向けに提供している月額課金制サービス(サマリネット及びリアナビ)における平均顧客単価(サマリネット)、平均顧客数(サマリネット)、ARR(サマリネット・リアナビ)及び解約率(サマリネット・リアナビ)を、不動産仲介事業者(中古領域)向けのデータダウンロードサービスにおいては売上高及び平均顧客数を事業運営上重視する経営指標としております。 それぞれの指標の推移は下表のとおりであります。 第34期事業年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)第35期事業年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)売上高 (千円)1,763,2851,601,996営業利益(千円)170,14974,315サマリネット・リアナビ平均顧客単価(千円)247252平均顧客数(社)286282ARR(千円)833,682836,522解約率(%)0.20.6データダウンロードサービス売上高(千円)321,16991,038平均顧客数 (社)3,2083,662 サマリネット・リアナビについては平均顧客数が286社から282社へ減少いたしましたが、ライセンス追加等のアップセルを推進したことにより平均顧客単価が上昇し、ARRは順調に増加しております。また、解約率は0.6%と上昇したものの、依然として低い水準に抑えられております。データダウンロードサービスについては、平均顧客数が堅調に増加し利用件数が増加しておりますが、昨年度の大型のショット収益の反動により、売上高が減少いたしました。 ④キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金の手許流動性や財務健全性を考慮したうえで、原則として自己資金を財源とする方針に基づき事業運営、設備投資を実施しております。 ⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析当社の財政状態及び経営成績の分析については、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ⑥経営成績に重要な影響を与える要因について当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、新規住宅及び既存住宅の流通動向や不動産会社の販売促進活動の動向等があります。また、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 ⑦経営者の問題意識と今後の方針当社が今後更なる成長を遂げるために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している課題に対処することが重要であると認識しております。そのため、当社の経営成績等に重要な影響を与える要因に対応すべく、当社では新規住宅及び既存住宅を含めた不動産全体の市場動向を鑑みて、顧客のニーズに合わせたサービスを開発・提供していく方針であります。

事業リスク

  • 不動産業界の景気変動
    マーキュリーの顧客は不動産業界に集中しており、不動産市場全体の景気動向や、不動産業界におけるシステム投資の状況が、会社の業績や財政状態に直接的な影響を与える可能性があります。不動産価格の変動や住宅ローン金利の変化なども、事業に影響を及ぼす要因となり得ます。
  • インターネット広告の変化
    デジタルマーケティング事業で提供するインターネット広告の手法は日々進化しており、現在の主力であるリスティング広告やディスプレイ広告の相対的価値が低下する可能性があります。新しい広告手法への対応が遅れた場合、顧客ニーズに応えられなくなり、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • システム障害と情報漏洩
    マーキュリーの事業はインターネット環境に依存しており、システム障害やサイバー攻撃、自然災害など予期せぬ事態が発生した場合、サービス提供に支障が生じる可能性があります。また、個人情報を含む大量のデータを保有しているため、情報漏洩が発生した場合には、会社の信用失墜や損害賠償責任が発生するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,034 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1)事業環境等に関するリスク①業界及び顧客の動向に関するリスク当社は不動産業界に特化したプラットフォーム事業及びデジタルマーケティング事業等を行っており、当社顧客は不動産業界に集中している状況にあります。不動産業界の中でも新築マンションデベロップ事業者、新築戸建て事業者及び不動産仲介事業者等に向けたサービスを創業以来提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合、同様に当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②インターネット広告商品の変化について当社がデジタルマーケティング事業で取組んでいるインターネット広告は、その手法が日々進化しておりますので、当社の取り扱うリスティング広告及びディスプレイ広告等のインターネット広告商品の相対的価値が低下することで、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、当社ではスマートフォンなどの新たなデバイス向けの広告商品やFacebook広告やYouTube広告等のSNS広告の取扱いもスタートして、顧客ニーズをいち早く捉えるべく新規広告商材への取組みを進めるなど対応を図っております。しかしながら、これらの広告商品への対応が著しく遅れてしまった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③システムリスクについて当社の事業はインターネット環境において行われており、サービスの安定供給のために当社として適切と考える以下のセキュリティ対策を施しております。イ.ISO27001情報セキュリティマネジメントシステムの認証取得による情報管理体制の整備ロ.各サービスの運用サーバ及びネットワーク等の冗長化ハ.ウイルスやアタックを防止するファイアウォールの設置ニ.SSL(Secure Socket Layer)等を用いた外部との通信の暗号化ホ.継続的な脆弱性診断の実施ヘ.セキュリティの担保された通信を実施するためのVPN設置ト.セキュリティリスクに対応したソフトウエア及び機器の定期的なアップデートチ.メール誤送信防止ソフトの導入リ.ウイルス対策ソフトの導入ヌ.大規模クラウドサービスプラットフォーム AWS(Amazon Web Service)環境におけるサービス運用こうした対策にもかかわらず、ハードウエア・ソフトウエアの不具合、人為的なミス、コンピュータウイルス、第三者によるサーバやシステムへのサイバー攻撃、AWSの不備や障害、自然災害等の予期せぬ事象の発生によって、当社の想定しないシステム障害等が発生した場合は、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)事業内容等に関するリスク ①新規サービスについて当社は、事業規模の拡大及び収益源の多様化を実現するために、新規サービスの拡充への取組みを進めていく方針であります。新規サービスの拡充にあたっては、当社の不動産業界における顧客基盤や当社の保有データ・技術等を踏まえて確度の高いサービス開発に取り組んでまいりますが、新規サービスが安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、顧客とのヒアリング及びリサーチを実施することによりサービスに対する顧客ニーズを明確に把握し、優先順位づけを適切に行うことで本リスクを軽減させていく方針です。  ②パンフレット画像の利用に係る契約について当社のプラットフォーム事業におけるデータベースにおいては、新築マンション販売時のパンフレット画像等を契約に基づき収集しておりますが、当該契約の解消または変更等により当該パンフレット画像等が利用できなくなった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、新築マンションのパンフレット画像等の提供元である新築マンションデベロッパーの顧客満足度向上に努め、関係維持を図ることにより本リスクを軽減させていくこととしております。 (3)組織体制等に関するリスク ①人材の確保及び育成について 当社は、事業の拡大に伴い、継続的な人材の確保が必要となるため、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めてまいります。しかしながら、人材の確保及び育成が計画どおりに進まなかった場合は、当社の事業展開に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 当社としては、人材の確保の遅れが生じないように採用ルートの多様化を推進するとともに、適宜外部リソースを活用することで本リスクの軽減を図っております。  ②コンプライアンス体制について当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのためコンプライアンスに関する社内規程として「コンプライアンス規程」、「リスク・コンプライアンス管理委員会規程」、「関連当事者取引管理規程」、「内部通報規程」、「インサイダー取引防止規程」、「広告・広報等管理規程」及び「知的財産管理規程」等を策定するとともに四半期に一度コンプライアンス研修を実施し、社内規程の周知徹底とコンプライアンス意識の醸成を図っております。しかしながら、これらの取組みにもかかわらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の事業及び業績や社会的信用に影響を与える可能性があります。  ③親会社に関する利益相反について当社は、株式会社GA technologiesの子会社であります。今後、事業拡大を目的とした親会社及びグループ会社との取引を多数行っていく予定です。親会社は、当社の株主総会の議決権の過半数を直接的に保有し、当社の経営への影響力を有しております。そのため、当社は親会社やそのグループ会社との間の取引の公正性を維持するため、これらの取引について、取締役会の決議をする場合には親会社やそのグループ会社と関係のある取締役は議決から除外するなど仕組みを構築するとともに、親会社からの独立性を有する独立役員で社外取締役の監査等委員3名で構成される監査等委員会において、利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行っており、取引の公正性が保たれるよう運用しております。しかし、当該仕組みが機能せず、親会社やそのグループ会社と当社との間で利益相反が生じる場合には、当社の利益が損なわれる可能性があります。  ④小規模組織であることについて当社は小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社は、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4)事業に関する法的規制等に関するリスク ①個人情報の保護について当社は、当社の提供するサービスを通じて、利用者本人を識別することができる個人情報を一部保有しております。当社は、信頼性の高い外部サーバで当該個人情報を保護するとともに、個人情報保護に関するフローを整備し、個人情報の保護に努めております。こうした対策にもかかわらず、個人情報が当社の関係者等の故意または過失により外部に流出した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社の運営するサービスの信頼性等が毀損し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。  ②法的規制について現時点において、当社事業そのものを規制する法的規制はないものと認識しておりますが、情報サービス業界の変化は激しいことから、今後新たな法令等の整備が行われる可能性は否定できず、当該内容によっては当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の表示項目等が規制の対象になる可能性も否定できず、その場合には当社の事業の一部が制約される可能性があります。 (5)その他リスク ①ソフトウエアの減損について当社は、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められた開発費用をソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)として資産計上しております。このうち、プラットフォーム事業に係るソフトウエアについては、技術革新のスピードの早いインターネットを使ったSaaS型サービスであることを鑑み、見込利用可能期間を3年と保守的に設定しております。このソフトウエアについて、クライアントニーズへの適切な対応を実施することにより減損を発生させないよう努める方針ですが、重大な将来計画、使用状況等の変更やサービスの陳腐化等により、収益獲得又は費用削減効果が大幅に損なわれ、ソフトウエアの減損が必要となった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。  ②繰延税金資産について繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果が予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。  ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化について   当社では、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、本報告書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は7.66%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。  ④当社株式の流動性について当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は本報告書提出日現在において28.1%であります。今後は、当社主要株主等への一部売出しの要請等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が向上しない場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。  ⑤配当政策について   当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する配当による利益還元は重要な経営課題として認識しております。しかし、当社は現在成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当の実施時期については未定であります。

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