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長谷川香料(4958)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 香料の製造販売: 長谷川香料グループは、香水やシャンプーなどに使われる「香粧品香料」と、飲料やお菓子に使われる「食品香料」の製造・販売を主な事業としています。世界中の人々の生活に香りや味覚の喜びを提供する、専門性の高いビジネスモデルです。
  • グローバル展開: 日本だけでなく、アジアや米国にも子会社を持ち、それぞれの地域で香料の製造や販売を行っています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の市場ニーズに対応できる体制を構築しており、事業の安定性を高めています。
  • 多岐にわたる製品用途: 香粧品香料は化粧品、トイレタリー製品、洗剤など幅広い日用品に、食品香料は飲料、菓子、冷菓、即席麺スープなど多様な食品に利用されています。これにより、幅広い産業の顧客に製品を提供し、収益源を分散しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業: 日本国内における香料の製造・販売を担うセグメントで、売上高は397.83億円、営業利益は37.89億円です。主に香粧品香料や食品香料の国内市場向け製品を手掛けており、グループ全体の収益基盤を支える重要な役割を担っています。
  • アジア事業: 中国や東南アジアを中心としたアジア地域での香料事業を展開しており、売上高は178.26億円、営業利益は48.92億円と、グループ内で最も高い利益率を誇ります。この地域は成長市場として位置づけられ、製造・販売拠点を強化し、事業拡大を推進しています。
  • 米国事業: 米国市場における食品香料の製造・販売が主な事業内容で、売上高は158.85億円ですが、営業利益は-2.86億円と赤字です。米国は重要な市場であり、各種香料の製造販売や原材料・食品加工の調査を通じて、事業の立て直しと収益性改善を目指しています。
2025-09 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
JAPAN 地域 398 38 9.5%
ASIA 地域 178 49 27.4%
USA 地域 159 -3 -1.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,446 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社12社及び関連会社1社で構成されており、香料の製造並びに販売あるいはこれらに関連する事業を行っております。 当社グループの主な事業内容及び事業系統図は以下のとおりであります。セグメント部門区分(注)日本フレグランス部門(製品・商品)食品部門(製品・商品)米国食品部門(製品・商品)アジアフレグランス部門(製品)食品部門(製品)(注)各部門の主要品目、主要用途は以下のとおりであります。○ フレグランス部門:香水・クリーム等の化粧品、シャンプー・石鹸等のトイレタリー製品、洗剤等のハウスホールド製品に用いられる香粧品香料等○ 食品部門:飲料・菓子・冷菓・デザート・即席麺スープ等に用いられるエッセンス・食品用油性香料・食品用粉末香料・シーズニング・フルーツ加工品・天然色素等区分主要品目主要用途製品フレグランス部門香粧品香料香水、オーデコロン等のフレグランス製品。クリーム、口紅、ヘアトニック等の化粧品。シャンプー、石鹸等のトイレタリー製品。芳香剤、洗剤等のハウスホールド製品香粧品製品合成香料食品部門エッセンス飲料、冷菓、デザート等食品用油性香料菓子、スープ、酪農・油脂製品等食品用乳化香料飲料、菓子、冷菓等食品用粉末香料菓子、スープ、食肉・水産加工品等食品用抽出香料飲料、冷菓、菓子等シーズニングスープ、菓子、調味料等エキストラクト飲料、冷菓、デザート等加工食品素材加工食品、飲料、菓子等フルーツ加工品飲料、冷菓、デザート等天然色素飲料、加工食品等商品フレグランス部門化粧品素材等化粧品等食品部門フルーツ加工品飲料、冷菓、デザート等果汁 [事業系統図] 主な事業内容は下記のとおりであります。セグメント会社名部門区分事業内容日本長谷川ビジネスサービス㈱食品部門農畜産物の加工及び販売㈱小海コンポースその他有機質肥料の製造及び販売アジア長谷川香料(上海)有限公司フレグランス及び食品部門各種香料の製造及び販売長谷川香料(蘇州)有限公司食品部門各種食品香料の製造及び販売上海長谷川香精貿易有限公司フレグランス及び食品部門各種香料及び香料原材料の販売台灣長谷川香料股份有限公司フレグランス及び食品部門各種香料の販売T HASEGAWA FLAVOURS (KUALA LUMPUR) SDN. BHD.食品部門各種食品香料の製造及び販売T. HASEGAWA (SOUTHEAST ASIA) CO., LTD.フレグランス及び食品部門各種香料の販売PT. HASEGAWA FLAVOURS AND FRAGRANCES INDONESIAフレグランス及び食品部門各種香料の販売米国T. HASEGAWA U.S.A., INC.食品部門各種香料の製造及び販売、各種香料・原材料・食品加工の調査ABELEI, INC.食品部門各種食品香料の製造販売  (注)1.当社は堆肥原料となる農産物系の廃棄物を産業廃棄物処理業者経由にて㈱小海コンポースへ供給しているため、当社と㈱小海コンポースの間に直接の取引はありません。2.2024年12月に長谷川香料(平湖)有限公司を設立し、連結子会社といたしましたが、現在、事業活動に向けて準備中であり、当連結会計年度中に当社との間に営業取引はありません。なお、同社のセグメント区分は「アジア」であります。3.T. HASEGAWA (SOUTHEAST ASIA) CO., LTD.はタイ王国に所在しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
国内外の香料メーカー間の競争が激化しており、原材料高騰の影響も受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年の研究開発で培った調香技術、分析技術、合成技術、各種抽出・加工技術が強み。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:人権に係るリスク / 従業員エンゲージメントに係るリスク / 子会社管理に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

長谷川香料は、長年にわたり培ってきた独自の香料・フレーバー開発技術と、顧客との強固な信頼関係に裏打ちされたブランド力を有する。特に、食品、飲料、香粧品分野における多様なニーズに応えるための高度な調合技術と、長年の経験に基づくノウハウは、模倣困難な無形資産と言える。研究開発への継続的な投資も、この優位性を支えている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

食品・飲料メーカー等にとって、香料・フレーバーの変更は、製品の味や香りに直接影響するため、開発・テスト・許認可プロセスに多大な時間とコストがかかる。長谷川香料が提供するカスタマイズされたソリューションは、顧客の製品開発プロセスに深く組み込まれており、安易な切り替えを困難にしている。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

長谷川香料のビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生まない。製品の価値は、個々の顧客との関係性や技術力に依存する。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

香料原料の調達や製造プロセスにおいて、一定の規模の経済性は存在する可能性があるが、競合他社との圧倒的なコスト優位性を示す具体的な証拠は乏しい。原料価格の変動リスクは存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

長谷川香料は、香料業界においてグローバルに事業を展開しており、一定の規模を持つプレイヤーである。特に日本国内においては、主要な香料メーカーの一つとして、市場での存在感を示している。しかし、業界全体で見ると、より巨大なグローバル企業も存在するため、絶対的な寡占状態ではない。

  • 多様な香料技術: 長谷川香料は、エッセンス、油性香料、粉末香料、抽出香料、シーズニング、天然色素など、多種多様な香料製品を開発・製造する技術力を持っています。これにより、顧客の様々な要望に応じたカスタマイズが可能となり、競争上の強みとなっています。
  • グローバルな生産・販売網: 日本、中国、東南アジア、米国に製造・販売拠点を持ち、世界各地の市場に製品を供給できる体制を確立しています。これにより、地域ごとの嗜好や規制に対応しつつ、効率的なサプライチェーンを構築し、安定的な事業運営を可能にしています。
  • 品質と安全性へのコミットメント: 「食の安全性」に関わるメーカーとして、品質保証部を中心に研究開発から生産、販売まで一貫した品質保証体制を構築しています。製品の欠陥によるリスクを低減し、顧客からの信頼を得ることで、長期的な競争優位性を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指しております。 また、厳しい経済環境のもと、香料業界における国際競争は激化し、多様化・高度化する顧客の要望への即応が求められる中、当社は以下の事項を経営の基本方針としております。 ・ 顧客とのパートナーシップをさらに強化し、カスタマーサクセスに貢献する。・ 成長し続ける企業を目指して、行動指針に則り、変化を厭わずチャレンジする。・ 人的資本経営を推進し、エンゲージメントを高め誰もが働きやすい職場環境を構築する。・ コンプライアンスの徹底とサステナブルな企業活動を通じ、社会的責任を全うする。・ 資本効率の向上、企業価値と株主利益の増大を図り、安定的で適正な利益還元を実施する。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、持続的・安定的な発展を通じて中長期的な企業価値の向上を実現していくために、必要かつ可能な範囲を意識して、連結売上高伸長率3.0%以上、2028年9月期に連結売上高営業利益率11.0%、連結売上高経常利益率12.0%を目標としております。 当連結会計年度におきましては、連結売上高伸長率2.6%、連結売上高営業利益率11.6%、連結売上高経常利益率12.6%となりました。 (3) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後のわが国経済は、雇用や所得の環境が改善し、景気は緩やかな回復が継続することが期待されます。一方で、米国・中国を中心とした国際情勢の変動、原材料価格や資源価格が不安定な状況、物価の上昇、為替の大幅な変動等の影響が引き続き懸念され、先行きが不透明な状況が続くことが見込まれます。 香料業界におきましても、各社のシェア獲得競争の一層の激化、品質保証に関する要求増加など厳しい状況が続くことが予想されます。 このような状況の中で、当社グループは、研究・技術開発力の一層の向上により、特長のある差別化された製品開発を行うとともに、生産性の向上や業務全般の効率化によるコスト削減に努めてまいります。 また、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指します。今後の当社グループの成長を追求するためには、経営環境の変化や不測の事態に柔軟に対応できるレジリエントな組織を構築し、少子高齢化に伴う成熟化が進行する国内市場においてシェア拡大に努める一方で、グローバル展開を更に強化していくことが不可欠です。当社が重点地域と位置付ける米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域に経営資源を効率的に投入し、市場の成長性や消費者の嗜好等を的確に捉え、経営環境の変化に応じた事業戦略を立案、推進してまいります。また、将来にわたる持続的成長の実現に向けた投資を行い、海外市場での業績拡大を目指してまいります。 国内におきましては、営業、研究及びマーケティングを統括するビジネスソリューション本部のもと、研究面では、戦略的な研究開発を推進するため、重点分野を明確化した上で、研究開発のスピードアップと持続的、長期的な成長につながる基礎研究開発力の強化を目指してまいります。また、カスタマーサクセスとイノベーションを実現していくために営業、マーケティング、国際部門との連携を活かし限りない品質向上にこだわり続けます。当社独自の特長のある製品の開発により競合他社との差別化を図るとともに、外部知見や知的財産を活かした新しい価値の創造や技術革新を推進し、社会が抱える課題の解決に貢献できるよう努めてまいります。 食品部門では、安全・安心の確保を第一に、引き続き健康志向に根ざした低糖・低塩・低脂肪の食品に美味しさをもたらす香料、及び安定性・持続性に優れた香料の開発に取り組みます。また、食資源不足をはじめとする社会的課題の解決に向け、食品原料を代替する香料の開発等に注力いたします。 フレグランス部門では、基礎研究を徹底し、安全性・安定性に優れた新しい香り創りにより、国内での更なるシェア拡大に注力いたします。海外におきましても市場調査及び嗜好性調査の結果を踏まえて現地の消費者に好まれる香り創りに努めてまいります。 営業面におきましては、研究及びマーケティング、国際部門と連携し、マーケット調査・分析等の活用により顧客の潜在的欲求の把握に努め、当社の総合力を活かした的確なソリューションを提供することで、顧客に信頼されるパートナーとしての地位確立、カスタマーサクセスへの貢献を通じた売上拡大及び販売シェアアップを目指してまいります。また、新規顧客の探索と開拓を強化し、将来の成長を支える営業基盤の拡充を図ってまいります。 生産面におきましては、安全性確保を徹底し、また、生産の省力化・効率化を推進するため、工場の再構築、生産設備の更新・新設を図ってまいります。さらに、工場周辺への臭気拡散防止、温室効果ガス削減も取り組んでまいります。製造方法の改良や物流体制の見直し、在庫適正化の取り組みも継続し、製造原価低減に努めてまいります。 海外におきましては、経営資源を効率的に投入し、着実なグローバル展開を図る戦略のもと、米国では、T. HASEGAWA U.S.A., INC.および2024年9月に連結子会社化したABELEI, INC.の販売面や製造面でのシナジー効果の早期実現を目指すとともに引き続き現地顧客向けの積極的な営業活動を推進し、米国市場での更なる業績拡大を図ってまいります。 中国では、マーケティング機能を活用した戦略的な営業活動により、新規顧客開拓・既存顧客深耕に注力するとともに、利益管理を徹底し、売上、利益の両面から業績拡大を目指してまいります。また、現地需要拡大に対応し、より一層のサービス体制の強化を図るために、中国における第三の生産拠点として2024年12月に長谷川香料(平湖)有限公司を設立し、生産体制の強化を推進してまいります。 東南アジアでは、2025年11月にベトナムで食品香料と食品素材の製造・販売を行っているHoàng Anh Flavors and Food Ingredients Joint Stock Companyの全株式を取得し、連結子会社といたしました。これによって、 同地域全体の営業戦略のもと、マレーシア、ベトナムの製販拠点とタイ、インドネシアの販売拠点及び周辺地域の営業員との連携やアプリケーションラボラトリーの活用により、業績拡大を目指してまいります。また、アジア市場・ハラル市場における需要増加に対応した生産能力の拡大に対応するため、マレーシアのエンステック工業団地における新工場建設計画を推進してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指しております。 また、厳しい経済環境のもと、香料業界における国際競争は激化し、多様化・高度化する顧客の要望への即応が求められる中、当社は以下の事項を経営の基本方針としております。 ・ 顧客とのパートナーシップをさらに強化し、カスタマーサクセスに貢献する。・ 成長し続ける企業を目指して、行動指針に則り、変化を厭わずチャレンジする。・ 人的資本経営を推進し、エンゲージメントを高め誰もが働きやすい職場環境を構築する。・ コンプライアンスの徹底とサステナブルな企業活動を通じ、社会的責任を全うする。・ 資本効率の向上、企業価値と株主利益の増大を図り、安定的で適正な利益還元を実施する。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、持続的・安定的な発展を通じて中長期的な企業価値の向上を実現していくために、必要かつ可能な範囲を意識して、連結売上高伸長率3.0%以上、2028年9月期に連結売上高営業利益率11.0%、連結売上高経常利益率12.0%を目標としております。 当連結会計年度におきましては、連結売上高伸長率2.6%、連結売上高営業利益率11.6%、連結売上高経常利益率12.6%となりました。 (3) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後のわが国経済は、雇用や所得の環境が改善し、景気は緩やかな回復が継続することが期待されます。一方で、米国・中国を中心とした国際情勢の変動、原材料価格や資源価格が不安定な状況、物価の上昇、為替の大幅な変動等の影響が引き続き懸念され、先行きが不透明な状況が続くことが見込まれます。 香料業界におきましても、各社のシェア獲得競争の一層の激化、品質保証に関する要求増加など厳しい状況が続くことが予想されます。 このような状況の中で、当社グループは、研究・技術開発力の一層の向上により、特長のある差別化された製品開発を行うとともに、生産性の向上や業務全般の効率化によるコスト削減に努めてまいります。 また、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指します。今後の当社グループの成長を追求するためには、経営環境の変化や不測の事態に柔軟に対応できるレジリエントな組織を構築し、少子高齢化に伴う成熟化が進行する国内市場においてシェア拡大に努める一方で、グローバル展開を更に強化していくことが不可欠です。当社が重点地域と位置付ける米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域に経営資源を効率的に投入し、市場の成長性や消費者の嗜好等を的確に捉え、経営環境の変化に応じた事業戦略を立案、推進してまいります。また、将来にわたる持続的成長の実現に向けた投資を行い、海外市場での業績拡大を目指してまいります。 国内におきましては、営業、研究及びマーケティングを統括するビジネスソリューション本部のもと、研究面では、戦略的な研究開発を推進するため、重点分野を明確化した上で、研究開発のスピードアップと持続的、長期的な成長につながる基礎研究開発力の強化を目指してまいります。また、カスタマーサクセスとイノベーションを実現していくために営業、マーケティング、国際部門との連携を活かし限りない品質向上にこだわり続けます。当社独自の特長のある製品の開発により競合他社との差別化を図るとともに、外部知見や知的財産を活かした新しい価値の創造や技術革新を推進し、社会が抱える課題の解決に貢献できるよう努めてまいります。 食品部門では、安全・安心の確保を第一に、引き続き健康志向に根ざした低糖・低塩・低脂肪の食品に美味しさをもたらす香料、及び安定性・持続性に優れた香料の開発に取り組みます。また、食資源不足をはじめとする社会的課題の解決に向け、食品原料を代替する香料の開発等に注力いたします。 フレグランス部門では、基礎研究を徹底し、安全性・安定性に優れた新しい香り創りにより、国内での更なるシェア拡大に注力いたします。海外におきましても市場調査及び嗜好性調査の結果を踏まえて現地の消費者に好まれる香り創りに努めてまいります。 営業面におきましては、研究及びマーケティング、国際部門と連携し、マーケット調査・分析等の活用により顧客の潜在的欲求の把握に努め、当社の総合力を活かした的確なソリューションを提供することで、顧客に信頼されるパートナーとしての地位確立、カスタマーサクセスへの貢献を通じた売上拡大及び販売シェアアップを目指してまいります。また、新規顧客の探索と開拓を強化し、将来の成長を支える営業基盤の拡充を図ってまいります。 生産面におきましては、安全性確保を徹底し、また、生産の省力化・効率化を推進するため、工場の再構築、生産設備の更新・新設を図ってまいります。さらに、工場周辺への臭気拡散防止、温室効果ガス削減も取り組んでまいります。製造方法の改良や物流体制の見直し、在庫適正化の取り組みも継続し、製造原価低減に努めてまいります。 海外におきましては、経営資源を効率的に投入し、着実なグローバル展開を図る戦略のもと、米国では、T. HASEGAWA U.S.A., INC.および2024年9月に連結子会社化したABELEI, INC.の販売面や製造面でのシナジー効果の早期実現を目指すとともに引き続き現地顧客向けの積極的な営業活動を推進し、米国市場での更なる業績拡大を図ってまいります。 中国では、マーケティング機能を活用した戦略的な営業活動により、新規顧客開拓・既存顧客深耕に注力するとともに、利益管理を徹底し、売上、利益の両面から業績拡大を目指してまいります。また、現地需要拡大に対応し、より一層のサービス体制の強化を図るために、中国における第三の生産拠点として2024年12月に長谷川香料(平湖)有限公司を設立し、生産体制の強化を推進してまいります。 東南アジアでは、2025年11月にベトナムで食品香料と食品素材の製造・販売を行っているHoàng Anh Flavors and Food Ingredients Joint Stock Companyの全株式を取得し、連結子会社といたしました。これによって、 同地域全体の営業戦略のもと、マレーシア、ベトナムの製販拠点とタイ、インドネシアの販売拠点及び周辺地域の営業員との連携やアプリケーションラボラトリーの活用により、業績拡大を目指してまいります。また、アジア市場・ハラル市場における需要増加に対応した生産能力の拡大に対応するため、マレーシアのエンステック工業団地における新工場建設計画を推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、景気は緩やかな回復が見られました。一方で、米国・中国を中心とした国際情勢や原材料価格・資源価格が不安定な状況の中、物価の上昇、為替の大幅な変動等が国内外の経済活動に与える影響が引き続き懸念され、依然として先行きは不透明な状況で推移いたしました。 香料業界は、国内市場の成熟化、同業者間での競争激化、品質保証に関する要求増加など、依然として厳しい状況にありました。 このような環境の中で、当社グループは製品の品質管理と安全性の確保を第一に、研究・技術開発力の一層の向上に努め、当社独自の高品質・高付加価値製品の開発に注力してまいりました。 当連結会計年度におきましては、売上高は前連結会計年度に比べ1,849百万円(2.6%)増加し、73,495百万円となりました。なお、当社単体の売上高は前連結会計年度比0.4%の増収、主要な海外連結子会社の売上高は、米国子会社が前連結会計年度比5.0%の増収(現地通貨ベースでは同5.8%の増収)、中国子会社が前連結会計年度比4.8%の増収(現地通貨ベースでは同5.6%の増収)、マレーシア子会社が前連結会計年度比7.6%の増収(現地通貨ベースでは同1.3%の増収)となりました。 部門別に見ますと、食品部門は、米国子会社、中国子会社、及び当社単体の売上増加を主因に前連結会計年度比3.4%増加し、65,828百万円となりました。 フレグランス部門は、当社単体の売上が減少したことを主因に前連結会計年度比3.9%減少し、7,666百万円となりました。 利益につきましては、営業利益は人件費等の販管費の増加を主因に前連結会計年度に比べ856百万円(9.1%)減少し、8,515百万円となりました。経常利益は為替差益98百万円を計上したものの(前期は為替差損171百万円の計上)、営業利益の減少を主因に、前連結会計年度に比べ435百万円(4.5%)減少し、9,288百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少を主因に、前連結会計年度に比べ280百万円(3.9%)減少し、6,921百万円となりました。 なお、当連結会計年度おける損益計算書の換算に適用する主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)は、下記のとおりです。  1米ドル=149.28円(前年同期150.44円、前年同期比0.8%円高)  1人民元=20.68円(前年同期20.84円、前年同期比0.8%円高)  1マレーシアリンギット=34.38円(前年同期32.37円、前年同期比6.2%円安)  セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高等を含めて表示しております。(日本) 売上高は、食品部門の売上増加を主因に42,549百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。セグメント利益は、人件費の増加等に伴い販管費が増加し3,789百万円(前連結会計年度比23.4%減)となりました。(アジア) 売上高は、中国子会社及びマレーシア子会社の売上増加を主因に18,020百万円(前連結会計年度比5.1%増)となりました。セグメント利益は、中国子会社が売上高の増加及び売上原価率の改善により増益となったことを主因に4,892百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。(米国) 売上高は、2024年9月に買収したABELEI社の連結を開始したことから16,015百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。セグメント利益は、一過性のPMI費用を含め販管費が増加したことを主因に286百万円のセグメント損失(前連結会計年度は332百万円のセグメント利益)となりました。 b.財政状態の状況 資産、負債及び純資産の状況(流動資産) 前連結会計年度に比べ、現金及び預金が7,458百万円、商品及び製品が696百万円、それぞれ増加した一方で、有価証券が4,997百万円減少したことを主因として、流動資産は前連結会計年度に比べ2,755百万円増加し、74,997百万円となりました。 (固定資産) 有形固定資産は、前連結会計年度に比べ、建物及び構築物(純額)が170百万円、建設仮勘定が407百万円それぞれ増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ627百万円増加し、36,994百万円となりました。無形固定資産は、償却が進んだことによりのれんが843百万円、顧客関連資産が280百万円それぞれ減少した一方で、その他に含まれるソフトウエア仮勘定が1,017百万円、借地権が572百万円それぞれ増加したことを主因に793百万円増加し、23,517百万円になりました。 なお、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い、前連結会計年度については、取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を使用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定)」をご参照ください。 (流動負債) 前連結会計年度に比べ、買掛金が512百万円、未払法人税等が491百万円、それぞれ減少した一方で、和解金等引当金、棚卸資産廃棄引当金を計上したことを主因として、流動負債は前連結会計年度に比べ159百万円減少し、14,611百万円となりました。 (固定負債) 前連結会計年度に比べ、退職給付にかかる負債が902百万円減少したことを主因に、固定負債は前連結会計年度に比べ836百万円減少し、9,215百万円となりました。 (純資産の部) 前連結会計年度に比べ、利益剰余金が3,805百万円、為替換算調整勘定が2,223百万円、それぞれ増加した一方で、自己株式が2,217百万円増加(純資産は減少)、その他有価証券評価差額金が864百万円減少したことを主因として、純資産合計は前連結会計年度に比べ3,643百万円増加し、123,324百万円となりました。 なお、当連結会計年度における貸借対照表の換算に適用する主要通貨の日本円への換算レート(期末日レート)は、下記のとおりです。  1米ドル=148.88円(前連結会計年度末142.73円、前連結会計年度末比4.3%円安)  1人民元=20.88円(前連結会計年度末20.46円、前連結会計年度末比2.1%円安)  1マレーシアリンギット=35.35円(前連結会計年度末34.79円、前連結会計年度末比1.6%円安) ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ684百万円減少(前連結会計年度は1,995百万円増加)し、31,267百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果増加した資金は11,247百万円(前連結会計年度は13,947百万円増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が9,794百万円、減価償却費が4,226百万円、のれんの償却額が1,195百万円であった一方で、法人税等の支払額が3,184百万円、投資有価証券売却及び評価損益が714百万円であったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果減少した資金は6,914百万円(前連結会計年度は9,386百万円減少)となりました。これは主に定期預金の預入が4,398百万円、同払戻が1,333百万円であったことと、有形固定資産の取得による支出2,932百万円、無形固定資産の取得による支出1,700百万円、投資有価証券の売却による収入879百万円がそれぞれあったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果減少した資金は5,489百万円(前連結会計年度は2,699百万円減少)となりました。これは主に自己 株式の取得が2,238百万円、配当金の支払額が3,113百万円であったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)前年同期比(%)日本  (百万円)40,964100.6アジア (百万円)15,068106.0米国  (百万円)14,43095.3合計  (百万円)70,462100.6 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。 b.商品仕入実績 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)前年同期比(%)日本  (百万円)2,484113.2アジア (百万円)1,93492.1米国  (百万円)--合計  (百万円)4,419102.9 (注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。 c.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本40,096100.72,477114.5アジア17,784102.11,30696.9米国16,180110.11,620122.3合計74,061103.05,404111.7 (注) 金額は販売価格で表示しております。 d.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)前年同期比(%)日本  (百万円)39,783100.6アジア (百万円)17,826105.0米国  (百万円)15,885105.0合計  (百万円)73,495102.6  (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績(売上高) 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (営業利益) 売上原価は前連結会計年度に比べ1,146百万円増加し、43,147百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ1,559百万円増加し、21,832百万円となりました。 これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ856百万円(9.1%)減少し、8,515百万円となりました。 (経常利益) 経常利益は、前連結会計年度は為替差損を計上していたのに対し、当連結会計年度は為替差益の計上に転じた一方で、営業利益が減少したことなどの結果、前連結会計年度に比べ435百万円(4.5%)減少し、9,288百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 特別利益は、14百万円増加し、814百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ44百万円減少し、308百万円となりました。 税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ375百万円減少し、9,794百万円となりました。税金費用は、前連結会計年度に比べ95百万円減少し、2,873百万円となりました。 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ280百万円(3.9%)減少し、6,921百万円となりました。 b.財政状態 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」に記載のとおりであります。 c.キャッシュ・フローの状況 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループでは、中期3ヵ年経営計画(連結)(毎期見直しを行うローリング方式)を定め、会社として達成すべき目標を明確にしております。2025年9月期は、売上高74,300百万円、営業利益9,970百万円、経常利益10,450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益7,580百万円の計画(2024年11月8日公表)を掲げ、その実現に取り組んでまいりました。 当連結会計年度は、日本国内において、主に食品部門の売上が増加し堅調に推移したこと、海外において、米国子会社でABELEI社の連結を開始したことや、中国子会社等で食品部門の売上が好調に推移したことから、売上高は前連結会計年度比増収したものの、計画には未達となりました。利益につきましても、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、販管費の増加等を主因に、計画には未達となりました。  セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 日本は、食品部門の売上増加を主因に前連結会計年度比増収となりました。セグメント利益は、プロダクトミックスの変化による原価率の悪化や、人件費の増加に伴う販管費の増加により前連結会計年度比減益となりました。 アジアは、中国において飲料向けを主因に食品部門の売上が増加したこと、及びマレーシアにおいて東南アジア(インドネシア等)向けを主因に売上が増加した結果、売上高は前連結会計年度比増収となりました。セグメント利益は、中国及びマレーシアにおける増収及び売上原価率の改善を主因に前連結会計年度比増益となりました。 米国は、2024年9月に買収したABELEI社の連結を開始したことにより前連結会計年度比増収しました。セグメント利益は、ABELEI社の連結開始に伴う一過性のPMI費用を含め販管費が増加したことを主因に赤字となりました。  今後のわが国経済は、雇用や所得の環境が改善し、景気は緩やかな回復が継続することが期待されるものの、米国・中国を中心とした国際情勢の変動、原材料価格や資源価格が不安定な状況、物価の上昇、為替の大幅な変動等の影響が引き続き懸念され、先行きが不透明な状況が続くことが見込まれます。当社グループは、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指します。また、少子高齢化に伴う成熟化が進行する国内市場でのシェア拡大に努める一方で、グローバル展開を更に強化し、海外市場での業績拡大を目指してまいります。 e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、持続的・安定的な発展を通じて中長期的な企業価値の向上を実現していくために、必要かつ可能な範囲を意識して、連結売上高伸長率3.0%以上、2028年9月期に連結売上高営業利益率11.0%、連結売上高経常利益率12.0%を目標としております。 当連結会計年度の連結売上高伸長率は、当社単体、米国子会社、及び中国子会社の売上増加を主因に2.6%となり、連結売上高伸長率3.0%以上の目標には未達となりました。また、連結売上高営業利益率は、米国や単体の販管費の増加を主因に前連結会計年度比1.5ポイント低下の11.6%、連結売上高経常利益率は、為替差益98百万円を計上したものの(前期は為替差損171百万円の計上)、営業利益の減少を主因に前連結会計年度比1.0ポイント低下の12.6%となりました。当社グループは、引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。 なお、当連結会計年度を含む、直近3連結会計年度の代表的な指標の推移は以下のとおりです。(単位:%) 2023年9月期2024年9月期2025年9月期連結売上高伸長率4.010.42.6連結売上高営業利益率11.613.111.6連結売上高経常利益率12.613.612.6 f.経営成績に重要な影響を与える要因 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 g.資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業活動及び設備投資のための適切な資金確保を常に目指しており、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を重視しております。 当連結会計年度末の資金の流動性は十分に確保されていると認識しており、また、金融機関との間にコミットメントラインを設定することで、急な資金需要や不測の事態にも備えております。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループが採用している会計方針は、以下の事項及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績・現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。 (a)繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 (b)退職給付債務及び退職給付費用の算定 当社グループは、退職給付債務及び退職給付費用について、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。 (c)固定資産の減損 当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産等について、減損の兆候を判定しており、必要に応じて減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能価額の算定において、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表等において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 人権侵害リスク: 事業活動全体で人権侵害が発生した場合、企業の社会的信用が失墜し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。企業行動規範やサプライヤーガイドラインを策定し、サプライチェーン全体で人権尊重を推進することで、リスクの低減を図っています。
  • 原材料調達リスク: 異常気象、社会不安、調達先の事故などにより原材料の調達が困難になった場合、生産活動に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。複数の取引先からの調達やグローバル購買により、調達先の分散と多様化を進めています。
  • 経済情勢変動リスク: 事業を展開する各国の経済情勢や景気動向、個人消費の低迷は、顧客の最終商品の販売不振につながり、長谷川香料グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。グローバル展開による地域分散や、市場変化への迅速な対応でリスク軽減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,153 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループは、毎年全社的なリスク調査を実施し、リスクの洗い出しを行っております。リスク調査の分析結果につきましては、代表取締役会長を委員長とし、取締役をメンバーに含むグループ会社の横断的な組織であるリスク管理委員会に報告しております。分析結果の報告を受け、リスク管理委員会において重点リスクとして選定したより重要なリスクは、「人権に係るリスク」、「従業員エンゲージメントに係るリスク」、「子会社管理に係るリスク」、「情報セキュリティに係るリスク」及び「減損損失に係るリスク」であります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 リスク項目リスクの内容リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容リスクが顕在化する可能性の程度や時期当該リスクへの対応策人権に係るリスク当社グループに関わる事業領域全体で人権を侵害する行為が発生した場合、当社グループの社会的信用の失墜につながり、業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・「人権の尊重」の項目を含む「長谷川香料企業行動規範」、「人権基本方針」、国連グローバル・コンパクト10原則に基づき、人権を尊重した事業活動を推進する。・事業活動による人権への負の影響を予防・軽減するために、毎年実施している全社的なリスク調査を通じて対応すべき人権リスクを特定する。特定したリスクへの対策を行うとともに定期的にモニタリング・情報開示を実施し、取り組みの改善を図る。・サプライチェーン全体で持続可能な成長を実現できるよう資源・環境・人権に配慮した調達活動を推進する。人権に対しては、「人権への配慮」の項目を含む「長谷川香料グループ調達方針」、「人権の尊重」の項目を含む「長谷川香料グループ・サプライヤーガイドライン」を制定し、サプライヤーに対して周知徹底する。また、サプライヤーアセスメントを実施し、調査結果に基づく課題を抽出し、サプライヤーとともに課題解決に向けて協調することでサステナビリティ調達を推進する。従業員エンゲージメントに係るリスク従業員のエンゲージメント低下により退職や生産性の低下が発生し、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・エンゲージメントサーベイを実施し、その結果分析を踏まえたエンゲージメント向上の取り組みを行う。・工場において労働環境の改善を推進する。天候に係るリスク天候不順により顧客業界(飲料業界、食品業界、トイレタリー業界等)の最終商品の販売が低迷し、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・天候不順による影響を最も大きく受ける飲料向け以外のカテゴリーの売上高構成比率向上を目指す。原材料調達に係るリスク生産地における異常気象(サイクロン、ハリケーンの発生等)による被害、社会不安(テロ、戦争、感染症等)、調達先における事故等により原材料の調達が困難になり、当社グループの業績に影響を与える。・市場動向によるため、顕在化する可能性は翌期以降においても常にあるものと認識している。・世界各国の複数の取引先からの原材料調達に努め、調達先の分散、調達手段の多様化を推進する。・当社グループの国内外各拠点の連携によるグローバル購買を実施する。 リスク項目リスクの内容リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容リスクが顕在化する可能性の程度や時期当該リスクへの対応策災害等に係るリスク当社グループの生産拠点に、自然災害(地震、台風等)や社会不安(テロ、戦争、感染症等)による被害が発生し、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・災害等の不測の事態や危機の発生時に事業の継続を図るため、事業継続規程及びその下位規程である事業継続要領を定め、運用する。また、大規模災害を想定した消防訓練及び安否確認訓練を実施し、実効性を高める。品質に係るリスク製品の欠陥に起因する損害が発生し、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期以降においても常にあるものと認識している。・「食の安全性」に関わるメーカーとして、安全性を第一に、顧客に満足いただける品質の製品供給に努める。・代表取締役社長直轄の品質保証部を中心として、研究開発、原材料調達、生産、販売を含めた総合的な品質保証体制を構築し、製品の安全性確保に万全を期す。・万一に備え、製造物賠償責任保険を付保する。経済情勢等に係るリスク当社グループが事業を展開する各国の経済情勢や景気動向、金融情勢、並びにこれらの影響を受ける個人消費の動向等により、顧客の最終商品の販売が低迷し、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域においてグローバル展開を推進し、進出地域を分散する。・当社グループが進出する各国・各地域において市場の成長性や消費者の嗜好等を的確に捉え、変化の著しい経営環境に迅速かつ柔軟に対応可能な事業戦略を立案、推進する。環境に係るリスク国内外で環境関連法令等が厳格化された場合、費用負担の増大、事業活動の制限等により当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・環境問題に対して、事業を展開している各国・各地域の環境関連法令等の遵守を徹底する。・CSR方針及び「長谷川香料企業行動規範」に、環境保全及び環境問題の改善に積極的に取り組む旨を定め、環境に配慮した事業活動を行う。減損損失に係るリスク当社グループの資産の時価が著しく下落した場合、又は事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・保有する固定資産の収益性について適宜評価を実施し、その評価に基づく保有の継続可否、活用策の立案等を検討する。また、固定資産の安定的な維持管理のための設備投資を行い、資産価値の向上に努める。・M&Aを実施する際は、事業計画の策定、将来価値の測定について十分な検討を行う。また、M&A実施後は、想定したシナジー効果を最大限に発揮するため、PMI(買収後統合)を計画的に推進する。 リスク項目リスクの内容リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容リスクが顕在化する可能性の程度や時期当該リスクへの対応策子会社管理に係るリスク当社グループは、日本国内のほか、海外市場を成長ドライバーと位置付け、中国、東南アジアを中心としたアジア地域及び米国においてグローバル展開を強化している。しかしながら、国内外の子会社管理(企業統治)が不十分であることにより、不正・不祥事等が発生した場合、企業イメージの悪化、信用失墜等により、当社グループの業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・当社グループは、信頼性・透明性の高い経営体制の基盤となるコーポレート・ガバナンスを重要な課題と位置付け、子会社を含め、実効性あるガバナンス体制の強化に努める。・「長谷川香料企業行動規範」とコンプライアンス規程を子会社にも適用し、当社グループ全体のコンプライアンス体制の構築に努める。また、子会社において違法行為の通報の受け皿として社内通報制度を設ける。・海外子会社において重要基本規程を整備し、海外子会社のガバナンス体制を強化した。・海外子会社の運営リスクを当社グループの重点リスクと位置付け、整備した重要基本規程の運用等を含め、策定した海外子会社に対する業務監査の実施要領・計画に基づき、定期的に海外子会社に対する業務監査を実施する。為替レートの変動に係るリスク海外現地法人の現地通貨建ての財務諸表項目は、連結財務諸表の作成のため円貨換算されており、換算時の為替レートによって、当社グループの業績に影響を与える。・市場動向によるため、顕在化する可能性は翌期以降においても常にあるものと認識している。・米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域におけるグローバル展開を推進し、海外で現地生産、現地販売を行うことにより為替レートの変動リスクの低減を図る。・為替レートの変動を織り込んだ経営計画を策定する。・当社単体では、日本国内からの輸出額と海外からの原材料の輸入額がほぼ均衡しているため、為替レートの変動による影響はほとんど受けない。情報セキュリティに係るリスク当社グループの事業活動に係る情報資産が、サイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染、システム障害等により、逸失、棄損あるいは外部に漏洩した場合、業務停止や当社グループの社会的信用の失墜につながり、業績に影響を与える。・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。・「情報セキュリティ基本方針および対策基準」をはじめとした情報セキュリティに関する規程を整備し、当社グループが保有する情報資産の適切な運用・管理を徹底する。・情報セキュリティソフトの導入等により、早期検知・防御・対応が可能な環境を整備する。・全役員及び全従業員に対し、情報セキュリティに関する定期的な教育を実施するほか、通達等による啓蒙活動を行い、情報セキュリティに対する意識の向上を図る。

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