事業の概要
- 親会社製品の販売代理米国オラクル・コーポレーションの日本法人として、データベース、ミドルウェア、アプリケーションなどのソフトウェア、サーバー、ストレージなどのハードウェアを日本市場に提供しています。これらの製品は、ITシステムの構築・運用に不可欠な基盤技術であり、企業の情報システムを支える重要な役割を担っています。
- クラウドサービスの提供インターネットを通じてITリソースを提供するクラウドサービスが主力事業の一つです。これにより、顧客は自社で高価なハードウェアやソフトウェアを保有することなく、必要な時に必要な分だけサービスを利用でき、初期投資を抑えながら柔軟なIT環境を構築できます。
- ライセンスとサポートソフトウェアライセンスの販売に加え、既存顧客に対しては、ライセンスの更新版提供や技術サポートを行う「ライセンスサポート」が収益の大きな柱です。これは安定した継続的な収益源であり、顧客のシステム運用を長期的に支えることで、強固な顧客関係を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- クラウドサービス&ライセンスサポートこのセグメントは、クラウドサービスとライセンスサポートの合計で、最新年度の売上高構成比率は66.2%と最も高く、日本オラクルの中核事業です。クラウドサービスはインターネット経由でITリソースを提供し、ライセンスサポートは既存顧客への更新版提供や技術サポートを行うことで、安定した収益源となっています。
- クラウドライセンス&オンプレミスライセンス企業向けにデータベース管理ソフトウェアや業務アプリケーションソフトウェアのライセンスを販売する事業で、最新年度の売上高構成比率は18.5%です。これは、企業のIT基盤を支える重要なソフトウェアを提供しており、クラウドへの移行が進む中でも、オンプレミス環境の需要も依然として存在することを示しています。
- サービスコンサルティングサービスやアドバンストカスタマーサービスを提供し、最新年度の売上高構成比率は9.4%です。これは、製品導入支援や予防保守、IT環境の運用管理など、顧客のIT活用を包括的にサポートする事業であり、製品販売だけでなく、顧客との長期的な関係構築に貢献しています。
2025-05 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| CloudAndLicense | 事業 | 2,230 | 857 | 38.4% |
| HardwareSystems | 事業 | 156 | 6 | 3.6% |
| Services | 事業 | 249 | 58 | 23.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、米国オラクル・コーポレーションを実質的な親会社とし、同社を中心とする企業集団に属しております。当企業集団は世界各地で、クラウド・コンピューティングを含むITシステムの構築・運用に利用されるデータベース、ミドルウェアおよびアプリケーション等のソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器等のハードウェアの販売と、これらの製品をインターネットなどのネットワークを通じて提供するクラウドサービス、当社製品の導入や利用を支援する各種サービスの提供を行っております。当社は、親会社であるオラクル・コーポレーションの知的財産権の保有・管理を行っているオラクル・インターナショナル・コーポレーションと販売代理店契約を結んでおります。また、オラクル・コーポレーションの子会社で、オラクル・コーポレーションによる買収製品(ソフトウェアおよびハードウェア)およびクラウドサービスの日本におけるライセンス許諾権・製品販売権を保有している日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社と販売代理店契約を結んでおります。 これらの契約に基づき、当社はオラクル・コーポレーションより日本市場向けに製品の供給を受け、その対価として当該製品の売上高に対する一定割合をロイヤルティとしてオラクル・インターナショナル・コーポレーションに支払っております。また、当該買収製品およびクラウドサービスについては日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社から供給を受け、その対価(売上高に対する一定割合のロイヤルティまたは製品仕入代金)を支払っております。また、オラクル・コーポレーションが開発した製品の国内市場における販売と、これらに付随する関連サービスの提供を主たる業務としているため、当社独自の研究開発活動は行っておりません。 〔事業系統図〕 各事業の内容および売上高構成比率は、次のとおりであります。 セグメントの名称事業内容売上高構成比率(%)(注)第38期(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)第39期(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)第40期(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)クラウドサービスソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービス提供。16.019.723.5ライセンスサポートライセンスを利用されているお客様に更新版等のアップデートや技術サポートを提供。46.644.842.7クラウドサービス&ライセンスサポート小計62.664.566.2クラウドライセンス&オンプレミスライセンス企業等のIT基盤に利用される、データベース管理ソフトウェア、各種ミドルウェア、ERP等の業務アプリケーションソフトウェアのソフトウェア・ライセンスを販売21.119.318.5クラウド&ライセンス計83.783.984.6ハードウェア・システムズハードウェア・システムズ・プロダクト:サーバー、ストレージ、エンジニアド・システム、ネットワーク機器等のハードウェアの販売およびそれらのオペレーティングシステム(OS)や関連ソフトウェアの提供。ハードウェア・システムズ・サポート:ハードウェア製品の技術サポート、修理、メンテナンスの提供およびOS等関連ソフトウェアの更新版等の提供。7.26.95.9サービスコンサルティングサービス:当社製品の導入支援の提供。アドバンストカスタマーサービス:予防保守サービスやIT環境の包括的な運用管理サービスを提供。9.29.29.4合計100.0100.0100.0 (注) 構成比は単位未満を四捨五入して表示しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 親会社製品への依存と競争激化の可能性から、価格決定権は限定的。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 データベース、ミドルウェア、アプリケーション等のソフトウェア、サーバー、ストレージ等の技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:オラクル・コーポレーションの製品・技術への依存 / ロイヤルティの料率および適用範囲の変更の可能性 / Oracle Cloud戦略に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
日本オラクルは、Oracle Database、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) などの強力なソフトウェア製品群と、それらを支える高度な技術力、長年の実績に裏打ちされたブランド力を持つ。特にエンタープライズ領域での信頼性は高く、これが無形資産として機能している。
スイッチングコスト★★★★☆
Oracle製品は、その複雑性、導入・運用コスト、既存システムとの連携の深さから、他社製品への乗り換えには多大な時間と費用、リスクが伴う。特に基幹システムとして利用されている場合、スイッチング・コストは非常に高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
日本オラクルは主にBtoBビジネスを展開しており、プラットフォームとしてのネットワーク効果は限定的である。個々の顧客との関係は重要だが、ユーザー数増加が直接的に製品価値を高める構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
ソフトウェアライセンスやクラウドサービスは、一定の規模までは固定費が先行するため、規模の経済は働きやすいものの、競合他社も同様のビジネスモデルを採用しており、構造的なコスト優位性は確立しにくい。
規模の経済★★★☆☆
日本市場におけるデータベースおよびクラウドインフラ分野では、主要プレイヤーとして一定のシェアを確保しており、規模の経済による効率性は一定程度期待できる。しかし、グローバルな競合と比較すると、その規模は限定的。
- オラクル製品への依存日本オラクルは、実質的な親会社である米国オラクル・コーポレーションの製品と技術を日本市場に提供しています。これにより、世界的に認知された強力なブランド力と、最先端の技術力を背景とした製品ラインナップを享受できる点が大きな強みです。
- 強固な顧客基盤と継続収益データベース管理ソフトウェアなどで培われた圧倒的な市場シェアと、既存顧客へのライセンスサポート提供により、安定した継続的な収益を確保しています。一度導入されたオラクル製品は、その特性上、他社製品への切り替え(スイッチングコスト)が大きく、顧客の囲い込みに成功しています。
- クラウド戦略との連携親会社が主導するOracle Cloud戦略と密接に連携し、SaaS、PaaS、IaaSといった多様なクラウドサービスを日本市場に展開しています。これにより、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援し、クラウド市場の成長を取り込むことで、今後の事業拡大を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「ITの新しい価値を創造し、お客様の成功と社会の発展に貢献する」ことを基本理念として掲げております。ITの役割は業務効率化、コスト削減などのツールから、企業のプロセスやビジネスモデルの変革を支える経営基盤へと進化し、その利用形態も革新し続けております。当社はテクノロジー・カンパニーとしてクラウドソリューションをはじめとする最先端のデジタル技術をご提供することにより、お客様の競争力強化、業績向上、社会の利便性向上、発展に貢献していくことを基本方針としております。 (2) 目標とする経営指標売上高、営業利益および1株当たり純利益(EPS)の増加により、継続的な企業価値の向上と株主への利益還元を実現することを目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題ミッション・ステートメント当社は、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。また人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことをミッションとしております。我々自身が進化を続け、そしてお客様の進化を正しくナビゲートしていくことが、世の中を正しい方向に導く一歩となり、いずれ社会や人類への貢献に繋がると考えております。 当社の強みお客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。テクノロジー企業であるオラクルが自社のテクノロジーを用いて実践したビジネスプロセスの近代化、デジタル化の成果をお客様企業へ導入することで、日本企業の成長とイノベーションを支える基盤づくりに邁進してまいります。当社はシステムを構築するために必要なプラットフォーム製品、業務アプリケーション、ハードウェアまでを、クラウド、オンプレミス(*1)いずれの環境においても展開可能な総合的製品ポートフォリオを有しております。特にソフトウェア・ライセンス製品は、長年、高度なセキュリティ、可用性と高速処理性能が求められるミッションクリティカル領域で広く採用されております。事業の中核である進化したOracle Cloudのテクノロジーを、お客様のオンプレミス環境でも利用できることを強みとしております。 重点施策データ・ドリブンなアプローチにより情報価値を最大化するクラウドサービス(*2)、それらの利用を支援する各種サービスの提供をさらに加速させ、日本の社会のために貢献してまいります。日本市場でのレガシー・システムのモダナイゼーションと、将来の技術進化を見据えることが不可欠であるという考えのもと、広範で統合されたクラウドサービスに加えて、最高水準のセキュリティ、パフォーマンス、効率性を備えたエンタープライズ向けのAIを提供し、お客様のビジネスを革新する存在として成長してまいります。 2024年5月期に始動した重点施策では、「日本のためのクラウド提供」と「お客様のためのAI推進」の2つの方針を掲げております。3年目となる翌事業年度(2026年5月期)につきましては、この方針を引き続き強化、拡充し、日本企業の基幹システムの進化を支え、新たな価値の創造を目指します。 1. これまで培ってきたOracle Cloud Infrastructure(OCI)を活用し、お客様のミッションクリティカル・システムのモダナイゼーションと生成AIの活用をさらに展開してまいります。大規模なAIモデル作成を高速で低コストに実現できるGPU(*3)環境、顧客データをセキュアに活用した生成AIサービスやAIエージェントサービス、AI向けデータプラットフォーム等の提供を強化いたします。2. ガバメントクラウドに認定されたOracle Cloud Infrastructure(OCI)を活用し、日本全国、地方自治体のデジタル化および生成AIを活用した業務の効率化を支援することで、日本政府が推進するガバメントクラウドに貢献します。3. 「Oracle Alloy」を活用し、日本企業(パートナー様)から提供される日本初のソブリンクラウドを展開いたします。地政学リスクや経済安全保障リスクに対応し、データ主権および運用主権の要件に対応するソブリンクラウドとソブリンAIの提供を推進してまいります。 4. ITコストの構造改革や生成AI活用のための最適解を常に提案し、オンプレミスとクラウドのハイブリッドクラウド環境や、他ハイパースケーラーとのマルチクラウド環境を提供いたします。5. AIが組み込まれたApplication Cloud (SaaS)の提供により、お客様のライフサイクルコスト構造の変革、進化を続けるAI技術の享受、さらに変化対応力の両立を支援します。四半期ごとのバージョンアップやお客様独自のAIエージェント開発機能を提供することで、最新AI技術の価値をご利用いただけます。6. 以上の施策を実現するために、パートナー様との連携をさらに強化いたします。 さらに組織横断のコラボレーションにより、各業界のお客様に最適なオラクルソリューションをご提供することで、お客様のビジネスに貢献してまいります。 [用語解説]*1 オンプレミス:ITシステムを自社所有で構築・運用する形態。*2 クラウドサービス:企業等のITシステムに利用されるソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービスとして提供する形態。*3 GPU:Graphics Processing Unit(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)の略。画像を描写するために必要な計算処理を行う画像処理装置。並列計算能力が高く、膨大なデータ量を瞬時に演算処理することが可能であり、ビッグデータ処理、AI開発等にも適している。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「ITの新しい価値を創造し、お客様の成功と社会の発展に貢献する」ことを基本理念として掲げております。ITの役割は業務効率化、コスト削減などのツールから、企業のプロセスやビジネスモデルの変革を支える経営基盤へと進化し、その利用形態も革新し続けております。当社はテクノロジー・カンパニーとしてクラウドソリューションをはじめとする最先端のデジタル技術をご提供することにより、お客様の競争力強化、業績向上、社会の利便性向上、発展に貢献していくことを基本方針としております。 (2) 目標とする経営指標売上高、営業利益および1株当たり純利益(EPS)の増加により、継続的な企業価値の向上と株主への利益還元を実現することを目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題ミッション・ステートメント当社は、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。また人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことをミッションとしております。我々自身が進化を続け、そしてお客様の進化を正しくナビゲートしていくことが、世の中を正しい方向に導く一歩となり、いずれ社会や人類への貢献に繋がると考えております。 当社の強みお客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。テクノロジー企業であるオラクルが自社のテクノロジーを用いて実践したビジネスプロセスの近代化、デジタル化の成果をお客様企業へ導入することで、日本企業の成長とイノベーションを支える基盤づくりに邁進してまいります。当社はシステムを構築するために必要なプラットフォーム製品、業務アプリケーション、ハードウェアまでを、クラウド、オンプレミス(*1)いずれの環境においても展開可能な総合的製品ポートフォリオを有しております。特にソフトウェア・ライセンス製品は、長年、高度なセキュリティ、可用性と高速処理性能が求められるミッションクリティカル領域で広く採用されております。事業の中核である進化したOracle Cloudのテクノロジーを、お客様のオンプレミス環境でも利用できることを強みとしております。 重点施策データ・ドリブンなアプローチにより情報価値を最大化するクラウドサービス(*2)、それらの利用を支援する各種サービスの提供をさらに加速させ、日本の社会のために貢献してまいります。日本市場でのレガシー・システムのモダナイゼーションと、将来の技術進化を見据えることが不可欠であるという考えのもと、広範で統合されたクラウドサービスに加えて、最高水準のセキュリティ、パフォーマンス、効率性を備えたエンタープライズ向けのAIを提供し、お客様のビジネスを革新する存在として成長してまいります。 2024年5月期に始動した重点施策では、「日本のためのクラウド提供」と「お客様のためのAI推進」の2つの方針を掲げております。3年目となる翌事業年度(2026年5月期)につきましては、この方針を引き続き強化、拡充し、日本企業の基幹システムの進化を支え、新たな価値の創造を目指します。 1. これまで培ってきたOracle Cloud Infrastructure(OCI)を活用し、お客様のミッションクリティカル・システムのモダナイゼーションと生成AIの活用をさらに展開してまいります。大規模なAIモデル作成を高速で低コストに実現できるGPU(*3)環境、顧客データをセキュアに活用した生成AIサービスやAIエージェントサービス、AI向けデータプラットフォーム等の提供を強化いたします。2. ガバメントクラウドに認定されたOracle Cloud Infrastructure(OCI)を活用し、日本全国、地方自治体のデジタル化および生成AIを活用した業務の効率化を支援することで、日本政府が推進するガバメントクラウドに貢献します。3. 「Oracle Alloy」を活用し、日本企業(パートナー様)から提供される日本初のソブリンクラウドを展開いたします。地政学リスクや経済安全保障リスクに対応し、データ主権および運用主権の要件に対応するソブリンクラウドとソブリンAIの提供を推進してまいります。 4. ITコストの構造改革や生成AI活用のための最適解を常に提案し、オンプレミスとクラウドのハイブリッドクラウド環境や、他ハイパースケーラーとのマルチクラウド環境を提供いたします。5. AIが組み込まれたApplication Cloud (SaaS)の提供により、お客様のライフサイクルコスト構造の変革、進化を続けるAI技術の享受、さらに変化対応力の両立を支援します。四半期ごとのバージョンアップやお客様独自のAIエージェント開発機能を提供することで、最新AI技術の価値をご利用いただけます。6. 以上の施策を実現するために、パートナー様との連携をさらに強化いたします。 さらに組織横断のコラボレーションにより、各業界のお客様に最適なオラクルソリューションをご提供することで、お客様のビジネスに貢献してまいります。 [用語解説]*1 オンプレミス:ITシステムを自社所有で構築・運用する形態。*2 クラウドサービス:企業等のITシステムに利用されるソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービスとして提供する形態。*3 GPU:Graphics Processing Unit(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)の略。画像を描写するために必要な計算処理を行う画像処理装置。並列計算能力が高く、膨大なデータ量を瞬時に演算処理することが可能であり、ビッグデータ処理、AI開発等にも適している。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(業績等の概要)(1) 業績当事業年度(以下、「当期」)における当社の属する国内の情報サービス産業においては、システム更新需要のほか、企業が収集するあらゆるデジタルデータを活用した業務効率化、人的資本をはじめとするサステナビリティ経営の実現に向けたIT環境整備、エンドユーザーとの接点強化など企業成長、競争力強化を目的とするIT投資が底堅く推移しております。このような環境下において、当社は広範で統合されたクラウドサービス、最高水準のセキュリティ、パフォーマンス、効率性を備えたエンタープライズ向けのAIなど新しいテクノロジーの活用によって顧客企業のイノベーションの実現とビジネス変革、成長を強力に支援することへの価値訴求を継続してまいりました。 このような取り組みの結果、売上高263,510百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益86,832百万円(前年同期比8.8%増)、経常利益87,454百万円(前年同期比8.9%増)、当期純利益60,725百万円(前年同期比9.2%増)となり、通期としては売上高、営業利益、経常利益および当期純利益ともに過去最高を達成いたしました。 市場展開方針(2025年5月期)ミッション・ステートメント当社は、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。また人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことをミッションとしております。我々自身が進化を続け、そしてお客様の進化を正しくナビゲートしていくことが、世の中を正しい方向に導く一歩となり、いずれ社会や人類への貢献に繋がると考えております。 当社の強み「Be a TRUSTED TECHNOLOGY ADVISOR」を掲げ、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。テクノロジー企業であるオラクルが自社のテクノロジーを用いて実践したビジネスプロセスの近代化、デジタル化の成果をお客様企業へ導入することで、データ・ドリブンなデジタル・トランスフォーメーションを支援してまいります。当社はシステムを構築するために必要なプラットフォーム製品、業務アプリケーション、ハードウェアまでを、クラウド、オンプレミスいずれの環境においても展開可能な総合的製品ポートフォリオを有しております。特にソフトウェア・ライセンス製品は、長年、高度なセキュリティ、可用性と高速処理性能が求められるミッションクリティカル領域で広く採用されております。事業の中核であるOracle Cloudは、このソフトウェア・ライセンスと同じ設計思想、同じ技術で構築しており、オラクルのソフトウェア・ライセンスで構築したオンプレミス・システムとオラクルクラウドとの連携、双方向の移行を可能とすることを強みとしております。 各セグメント別の営業の概況は次のとおりであります。 [クラウド&ライセンス]売上高は223,030百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は85,673百万円(前年同期比7.6%増)となりました。内訳につきましては、クラウドサービス&ライセンスサポートの売上高は174,400百万円(前年同期比10.5%増)、クラウドライセンス&オンプレミスライセンスの売上高は48,630百万円(前年同期比2.8%増)、となりました。当セグメントは企業等のIT基盤に利用される、データベース管理ソフトウェア、各種ミドルウェア、ERP等の業務アプリケーションソフトウェアのソフトウェア・ライセンスを販売する「クラウドライセンス&オンプレミスライセンス」とライセンスを利用されているお客様に更新版等のアップデートや技術サポートを提供する「ライセンスサポート」、これらのソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービス提供する「クラウドサービス」から構成されます。クラウド&ライセンスについては、市場展開方針により、当社製品・サービスの価値訴求を積極的に展開してまいりました。ライセンスビジネスにおいては、レガシー・システムからの脱却とシステム標準化・オープン化の動きが活発化しております。またコスト削減のためだけではなく、デジタル改革をする柔軟なIT基盤への刷新、ビジネスを成長させていくためのIT投資需要は引き続き堅調です。また、パートナー企業様とのアライアンス強化を積極的に推進し、クラウドパートナーとの協業強化を進め、中堅中小企業向けの需要創出にも注力してまいりました。 クラウドサービスにおいては、クラウドシフトをさらに加速させるため、既存のお客様向けに“Oracle Fusion Cloud Applications”へのアップグレード(オンプレミスからクラウドへのリフト&シフト)に一層注力するとともに、新規顧客の獲得にも積極的に取り組んでまいりました。“Oracle Cloud Infrastructure (OCI)”については、パフォーマンスやセキュリティ、費用対効果を重視されるお客様からの引合いは引き続き強く、東京および大阪データセンターの利用量は順調に増加しております。OCIは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP - Information system Security Management and Assessment Program)に適合したクラウドサービスとして登録されております。さらにOCIは、2022年10月「デジタル庁におけるガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」に決定いたしました。政府機関、地方自治体等のデジタル化の推進に伴う、中長期的な需要創出および基盤構築への寄与を目指します。政府・自治体向けOCIに関する情報提供webサイトを開設しておりますのでご参照ください。https://www.oracle.com/jp/cloud/government/ 中堅中小企業向けCloud ERPのNetSuiteにおいても、組織再編を進めクラウドサービスを導入する企業の需要を取り込み堅調に推移いたしました。 ライセンスサポートは、高い契約更新率を維持しており、オンプレミスライセンスの販売に伴う新規保守契約も高水準を堅持しております。 [ハードウェア・システムズ]売上高は15,590百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は569百万円(前年同期比17.6%減)となりました。当セグメントは、サーバー、ストレージ、エンジニアド・システム、ネットワーク機器等のハードウェアの販売およびそれらのオペレーティングシステム(OS)や関連ソフトウェアを提供する「ハードウェア・システムズ・プロダクト」、ハードウェア製品の技術サポート、修理、メンテナンスの提供およびOS等関連ソフトウェアの更新版等の提供を行う「ハードウェア・システムズ・サポート」から構成されます。ハードウェア・システムズにつきましては、2025年1月に“Oracle Exadata”プラットフォームの最新世代となる“Oracle Exadata X11M”の提供を開始いたしました。最新世代のAMD EPYC™プロセッサ向けに最適化された“Oracle Exadata X11M”は、前世代と同じ価格のままで、AI、分析、オンライン・トランザクション処理(OLTP)のパフォーマンスを大幅に向上させます。インテリジェントな電力管理と、ミッション・クリティカルなワークロードをより少ないシステムで高速に実行する機能により、エネルギー効率とサステナビリティの目標達成を支援します。“Oracle Exadata X11M”のパフォーマンスはストレージ・ボトルネックを排除し、アナリティクス、IoT、不正検出、高頻度取引など、最も過酷なワークロード全体でパフォーマンスを大幅に向上させます。AIではベクトル検索の大幅な高速化、トランザクション処理ではIOPSの大幅な高速化とレイテンシの短縮、分析ではデータスキャンとクエリ処理能力の大幅な高速化が実現しています。 [サービス]売上高は24,890百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は5,844百万円(前年同期比22.7%増)となりました。当セグメントは、当社製品の導入支援を行う「コンサルティングサービス」、予防保守サービスやお客様のIT環境の包括的な運用管理サービスを提供する「アドバンストカスタマーサービス」から構成されております。サービスにつきましては、コンサルティングサービスにおいて、オンプレミス環境からOCI (IaaS/PaaS)環境への基盤移行、ERPクラウドを始めとするApplication Cloud (SaaS)との連携案件など、当社の総合的な製品サービス・ポートフォリオを活かした複合型案件が堅調に推移しております。 <報告セグメント別売上高の状況>区分2024年5月期2025年5月期金額構成比金額構成比対前年同期比百万円%百万円%% クラウドサービス 48,25719.761,96223.528.4 ライセンスサポート109,53144.8112,43842.72.7 クラウドサービス&ライセンスサポート157,78964.5174,40066.210.5 クラウドライセンス&オンプレミスライセンス47,28519.348,63018.52.8クラウド&ライセンス205,07483.9223,03084.68.8ハードウェア・システムズ16,8966.915,5905.9△7.7サービス22,5719.224,8909.410.3合計244,542100.0263,510100.07.8 (注) 金額は単位未満を切捨て、構成比ならびに対前年同期比は単位未満を四捨五入で表示しております。 (2) キャッシュ・フロー当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、66,599百万円(前年同期比13,744百万円減)となりました。これは主に、税引前当期純利益(87,457百万円)の計上、前渡金の減少(1,428百万円)、およびその他の流動負債の増加(1,893百万円)によるキャッシュ・インがある一方で、法人税等の納付(26,453百万円)、売上債権の増加(1,371百万円)等によるキャッシュ・アウトがあった結果によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、1,956百万円(前年同期比70,432百万円減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は、89,964百万円(前年同期比69,274百万円増)となりました。これは主に、期末配当金として1株当たり674円(特別配当500円を含む)の配当金の支払いによるものです。以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物は前事業年度末と比べ、25,287百万円減少し、66,616百万円となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)クラウド&ライセンス112,89311.0ハードウェア・システムズ13,803△7.1サービス15,4267.1合計142,1238.5 (注) 金額は、売上原価によっております。 (2) 受注状況当社の事業はオラクル・コーポレーションの開発した製品の販売およびそれに付随する関連サービスの提供が主体であり、個別受注生産という概念に該当する業務の金額に重要性がないため、記載を省略しております。 (3) 販売状況セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)クラウド&ライセンス クラウドサービス61,96228.4ライセンスサポート112,4382.7クラウドサービス&ライセンスサポート174,40010.5クラウドライセンス&オンプレミスライセンス48,6302.8クラウド&ライセンス計223,0308.8ハードウェア・システムズ ハードウェア・システムズ計15,590△7.7サービス サービス計24,89010.3合計263,5107.8 (注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度当事業年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)日本電気㈱31,88113.032,24612.2 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。本項における将来に関する記載は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①経営成績の分析イ 売上高全社売上高は263,510百万円(前年同期比7.8%増)となりました。セグメント別の売上の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。ロ 営業利益および経常利益当社製品・サービスの価値訴求を積極的に展開したことにより、クラウド&ライセンスセグメントが好調に推移したため、全社として営業利益は86,832百万円(前年同期比8.8%増)となりました。売上原価は、142,123百万円(前年同期比8.5%増)となりました。クラウド&ライセンスセグメントにおいてロイヤルティおよび業務委託費が増加し、サービスセグメントにおいては、人件費が増加しました。一方、ハードウェア・システムズセグメントにおいては、当期仕入高が減少しました。 販売費及び一般管理費は業務委託費及び広告宣伝費等が増加した結果34,555百万円(前年同期比2.5%増)となりました。営業外損益622百万円の収益(純額)を計上した結果、経常利益は87,454百万円(前年同期比8.9%増)となりました。ハ 当期純利益特別利益として新株予約権戻入益(2百万円)及び法人税等(26,731百万円)を計上した結果、当期純利益は60,725百万円(前年同期比9.2%増)となりました。ニ 1株当たり当期純利益(EPS)上記の結果、1株当たり当期純利益(EPS)は39.82円増加し、473.98円(前年同期比9.2%増)となりました。 ②財政状態の分析当事業年度末における総資産は316,403百万円(前期末比23,755百万円減)となりました。(資産の部)当事業年度末における流動資産は、203,861百万円(前期末比85,031百万円増)となりました。当事業年度末における固定資産は、112,542百万円(前期末比108,787百万円減)となりました。これは主に、親会社であるオラクル・ジャパン・ホールディング・インクに対する2021年2月より5年間を貸付期間とする関係会社貸付金の固定資産から流動資産への振替(110,000百万円)によるものです。(負債の部)当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比で4,358百万円増加し、152,722百万円となりました。これは主に、買掛金が前事業年度末比で767百万円増加し、13,386百万円となったこと等によるものです。(純資産の部)当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比で28,114百万円減少し、163,681百万円となりました。これは主に、ストック・オプションの行使による資本金、資本剰余金の各々の増加(49百万円)、当期純利益の計上(60,725百万円)および期末配当金として1株当たり674円(特別配当500円を含む)を支払ったこと(86,460百万円)による利益剰余金の減少(25,734百万円)によるものです。この結果、自己資本比率は51.7%(前期末比4.7ポイントダウン)となりました。なお、当社では、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報①キャッシュ・フローの分析当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。 ②資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社における資金の使途の主な内容としましては、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用並びに各種税金の納付等であります。売上原価の内訳は、主に「クラウド&ライセンス」に係るロイヤルティ、原価部門における労務費及び業務委託費、「ハードウェア・システムズ」セグメントにおける仕入原価であります。その他の資金の使途の主な内容としましては、クラウド事業に関連する設備投資、各種税金の納付、配当金の支払となっております。これらの資金需要は、営業キャッシュ・フローから生じる自己資金によって賄っております。 当社の資金管理・運用については、当社が定める資金管理・運用規程(オラクル・コーポレーションが定めるglobal policy)に則り、高い安全性と適切な流動性の確保を図っております。また、当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載しております。 (3) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析当社においては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表等は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。この財務諸表等の作成にあたっては、期末日における資産および負債、会計期間における収益および費用に影響を与えるような仮定や見積りを必要とします。過去の経験および状況下において妥当と考えられた見積りであっても、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
事業リスク
- 親会社の経営戦略への依存日本オラクルは米国オラクル・コーポレーションの日本法人であり、親会社の経営戦略、特にクラウド事業や製品開発戦略に大きく影響されます。親会社の製品投入遅延や欠陥、サービス提供ポリシーの変更などが生じた場合、日本オラクルの業績に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。
- ロイヤルティ料率変更のリスク親会社やその子会社との販売代理店契約に基づき、製品売上高に対する一定割合をロイヤルティとして支払っています。このロイヤルティ料率や適用範囲が、移転価格税制の変更や製品・サービス内容の変更によって見直された場合、日本オラクルの利益率が低下し、経営成績に影響を与える可能性があります。
- クラウドサービス運営のリスククラウドサービスは顧客の基幹業務や重要情報を扱うため、システム障害、データ漏洩、サイバー攻撃などが発生した場合、顧客業務の遅延や損害賠償請求につながる可能性があります。これにより、日本オラクルの社会的信用が失墜し、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。これらは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えておりますが、記載した項目は当事業年度末現在において当社が判断したものであり、全てのリスクが網羅されているわけではありません。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の財政状態、経営成績等に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社は当該リスクの把握・評価および対策を実施する体制を構築しております。詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。 (1) オラクル・コーポレーションとの関係当社は、米国オラクル・コーポレーションを実質的な親会社とし、同社を中心とする企業集団に属しております。当社の今後の事業展開等は、同社のクラウド事業その他の経営戦略等の影響を受ける可能性があります。① オラクル・コーポレーションの製品・技術への依存当社は、オラクル・コーポレーションの製品やサービスを日本市場に提供しているため、同社の製品・技術に依存しております。従って、同社の新製品やサービス、更新版製品の投入や同社が買収した製品の統合が遅れた場合、製品やサービスが顧客のニーズを満たせない、もしくは重大な欠陥や瑕疵が存在した場合、製品やサービス等の提供ポリシーが変更された場合などにおいて、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。② ロイヤルティの料率および適用範囲の変更の可能性当社は、親会社であるオラクル・コーポレーションの知的財産権の保有・管理を行っているオラクル・インターナショナル・コーポレーションと販売代理店契約を結んでおります。また、オラクル・コーポレーションの子会社で、オラクル・コーポレーションによる買収製品(ソフトウェアおよびハードウェア)およびクラウドサービスの日本におけるライセンス許諾権・製品販売権を保有している日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社と販売代理店契約を結んでおります。これらの契約に基づき、当社はオラクル・コーポレーションより日本市場向けに製品の供給を受け、その対価として当該製品の売上高に対する一定割合をロイヤルティとしてオラクル・インターナショナル・コーポレーションに支払っております。また、当該買収製品およびクラウドサービスについては日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社から供給を受け、その対価(売上高に対する一定割合のロイヤルティまたは製品仕入代金)を支払っております。当該ロイヤルティの料率および適用範囲は、オラクル・コーポレーションと当社を含むオラクル製品を取り扱うグループ会社との間で合理的な基準により決定しております。オラクル・コーポレーションから供給を受ける製品やサービスの内容等の変更、移転価格税制等により、料率または適用範囲が変更となった場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。なお、日米税務当局間の移転価格に関しての合意に基づき、2011年5月期より、オラクル・インターナショナル・コーポレーションに対するロイヤルティ料率が引き上げられました。③ Oracle Cloud戦略に係るリスク当社は、SaaS、PaaS、IaaS等からなるクラウドサービスを顧客のニーズに即した形で提供しています。これらのビジネスモデルは親会社であるオラクル・コーポレーション主導のもとに提供しているところ、当社の顧客に対して効果的に提供できない場合、当社の競争力低下をまねき、財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクがあります。④ AI戦略に関するリスク機械学習とAI(ジェネレーティブAI、エージェント型AI、大規模言語モデル(LLM)を含む)はますます技術 革新を牽引しており、AI技術とサービスは競争が激しく、急速に進化しております。もし当社が新しいAI製品 を市場に投入できない場合、当社のAI製品が想定通りに機能しない、競合製品と同等またはそれ以上の性能を発揮できない、または顧客のニーズを満たせない場合、あるいは競合他社のAI製品が当社よりも高い市場受容性を獲得した場合、当社はAIへの投資を回収できない可能性があり、当社の事業と評判が損なわれる可能性があります。⑤ 自然災害等によるシステム障害オラクル・コーポレーションを中心としたオラクル・グループにおいて、総勘定元帳(General Ledger)をはじめ、統合基幹業務システム(OracleERP)をクラウド化(オラクル・パブリック・クラウド)しております。当社はこれらクラウド上のシステムや電子メールサーバーなどをオラクル・グループ企業と共用しております。日本国内のみならず、日本国外において地震等自然災害によって、共用システムに障害等が生じた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績および今後の事業展開に影響を受ける可能性があります。こうした事態を想定し、当社独自の災害発生時の対処、復旧計画、データのバックアップ体制を構築、定期的に内容の見直しを実施するとともに、当社を含む全世界のオラクル・グループ共通のBusiness Continuity Management Program(事業継続マネジメントプログラム)を構築しています。⑥ Shared Service Center(シェアードサービスセンター)との関係当社は、全世界のオラクル・グループの事務管理業務を統合・標準化したシェアードサービスセンターを利用し、経営の効率化を図っております。未払金等の支払処理、給与計算等の経理業務や受注業務等を同センターに移管しておりますが、同センターの処理能力を超えた場合や、予期せぬ事象等により同センターが適切なサービスを提供できなかった場合等には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (2) クラウド事業等の運営当社の「クラウドサービス」は、ソフトウェアやソフトウェアを稼働する実行基盤をデータセンター(オラクル・グループのデータセンターを含む)から顧客にサービス提供しております。また、「クラウドサービス」に含まれる「マネージド・クラウド・サービス」は、親会社、パートナーあるいは顧客のデータセンターにある顧客の情報システムの管理運用業務を提供しています。これらは顧客の基幹業務にかかる情報システムや重要情報の管理運用を行っており、セキュリティ対策およびデータのバックアップ、リカバリ等の対策には万全を期しております。しかしながら、機器の不具合、災害発生時の対応瑕疵、管理運用に関わる要員の過失、または、悪意ある第三者によるウイルス、ハッキング、不正なアクセス、サイバーアタックを受けた場合等により、顧客の情報システムの停止や重要情報の漏洩等が発生し、顧客業務の遅滞や機会損失が起きた場合、顧客からの損害賠償請求等により、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (3) 情報管理Oracle Cloud Services を含む当社の製品およびサービスは、当社自身のデータだけでなく、お客様の情報やデータなど、第三者のデータを保存、取得、処理、管理しています。特にオラクルは、健康科学、金融サービス、小売、接客業、政府といった、機密性の高い情報を取り扱う顧客などのデータを大量に保存・処理するため、コンピュータハッカーやその他の悪質業者の標的になっていると考えております。このため、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社の社会的信用に影響を与えるとともに、その対応のための不測の費用負担や、損害賠償等により、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (4) 競争激化の可能性当社が事業を展開する情報サービス産業は、競争が激しく、技術革新が急速に進展するため、業界や競合会社の動向によって、当社の経営成績および財政状態等は影響を受ける可能性があります。例えば、新規参入者を含めた競争激化による価格低下圧力の高まり、競合会社の競争優位な新製品の投入や競合会社同士の戦略的提携といった場合には、当社の競争力、市場占有率等に影響を与える可能性があります。 (5) テクニカルサポートサービスの提供に係るリスク顧客は当社の製品に関連する技術的な問題を解決するために、当社のサポートサービスを利用しています。当社が顧客の需要増加を予測できずサポートサービスを迅速に供給できなかった場合、顧客の技術的な問題に対して効果的なサポートを提供できなかった場合等には、追加費用等が発生し、当社の財政状態、経営成績等に影響を与えるリスクがあります。 (6) プロジェクトの管理当社は、顧客が当社製品を導入する際に、導入計画、システム設計計画、システム運用等の顧客支援作業を提供することがあります。提供に際しては品質、開発期間、採算の管理徹底等、プロジェクト管理の強化を図っておりますが、顧客からの仕様変更や当初見積以上の作業の発生等によりプロジェクトの進捗が当初の計画から乖離した場合、追加費用の発生や納期遅延に伴う違約金が発生し、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (7) 法的規制等当社の事業遂行に際しては、様々な法律や規制の適用を受けております。当社は、これら法律、規制等を遵守すべく、社内体制の確立や従業員教育等に万全を期しておりますが、万一当社に対して訴訟や法的手続きが行われた場合には、多額の訴訟対応費用の発生や、損害賠償金の支払の可能性があります。このような場合、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (8) 人的資源当社は、事業の継続、発展、成長のためには、高い専門性を備えた人材(営業職、技術職その他)の採用、育成、維持が最も重要な経営課題の一つであると認識しております。当社が事業を展開している情報サービス産業においては、継続的に人材の獲得競争があり、人材も不足傾向にあります。このため、重要な社員が流出する場合や、適格な人材を十分に採用、育成、維持出来ない場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (9) 特定の売上セグメントへの依存当社において、クラウド&ライセンス売上(クラウドライセンス&オンプレミスライセンス、クラウドサービス&ライセンスサポート)の占める割合が高く、また利益への貢献割合が高いことが特徴です。これらの販売が悪化した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (10) 間接販売(パートナーモデル)への依存当社の製品・サービスは、主に、ハードウェアメーカーやシステムインテグレータ、独立系ソフト開発会社等のパートナー企業との協業によって、販売されております。当社の顧客は、製造業、流通業、金融業、通信業、サービス業、官公庁、教育機関など業種、業態を問わず多岐にわたっており、規模的にも大企業から小規模事業者まで広範囲となっております。当社では、これらの幅広い顧客ニーズにきめ細かく応えるため、パートナー企業を経由した間接販売に依存しており、間接販売による売上高は、当事業年度において大きな割合を占めております。従って、パートナー企業との安定的信頼関係の維持は、当社の将来にとって重大な意義を持ちます。例えば、パートナー企業との関係が悪化した場合、競合会社が当社のパートナー企業と戦略的提携を行った場合、パートナー企業の財政状態が悪化した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。 (11) 金融商品に係るリスク資金の管理・運用については、当社が定める資金管理・運用規程(オラクル・コーポレーションが定めるglobal policyに準拠)に則り、高格付の有価証券への投資および高格付の金融機関への資金預入等に限定し、高い安全性と適切な流動性の確保をはかっております。投資有価証券については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、リスク軽減に努めております。しかしながら、万一、運用先の金融機関の破綻や債券の債務不履行(デフォルト)、投資商品の元本割れ等が発生した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。営業債権である受取手形、売掛金、未収入金および貸付金に関しては、当社の与信管理規程(オラクル・コーポレーションが定めるglobal policyに準拠)に則り、取引先ごとの期日管理および残高管理を行うとともに、信用状況を定期的に把握し、リスク軽減に努めております。しかしながら取引先の財務状況が悪化した場合などには、損失が発生する可能性があります。なお、デリバティブ取引は行わない方針です。 (12) 将来の企業買収・合併当社は、当社独自の事業戦略あるいは親会社のグローバルな事業戦略の一環で、将来、買収や合併を実施する可能性があります。これに伴い、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社の事業と統合出来ない可能性や、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との関係を維持出来ない可能性や買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。