研究開発活動(本文)
FY2025|3,970 文字
6【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、高周波対応材料、ディスプレイ向け材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は7,211百万円となり、前連結会計年度に比べ1,016百万円増加しています。各セグメントの研究開発費につきましては、以下のとおりです。 エレクトロニクス事業に係る研究開発費は、6,198百万円です。 医療・医薬品事業に係る研究開発費は、893百万円です。 その他の研究開発費は、119百万円です。 エレクトロニクス事業ではSRの顧客基盤強化(既存市場×既存技術)、迅速な新製品上市の継続(既存市場×新技術)、用途展開の推進(新規市場×既存技術)の 3つの施策を主として、SRについては市場のシェアを拡大し、その他のエレクトロニクス部材についてはSRに続く利益の柱となる新規事業の創出(新規市場×新技術)を進めていくことで、エレクトロニクス事業の持続的な成長を推進していきます。 <SRの顧客基盤強化(既存 市場×既存技術)> 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。また、コンソーシアムに参加するなど外部連携を図りながら事業開発を進めています。 リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用される高密度実装配線(HDI)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、第5世代移動通信システム(5G)関連の開発要求が増えていく中で、他社に先駆けて伝送損失の低い材料を新たに開発し、顧客に採用される段階まで来ています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、ガソリン車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次期車載基板用SRとして最終顧客認証を得て採用が決定し量産を開始しました。近年成長が見込まれる衛星通信のアンテナ向け基板用途においても当社製品が採用されており、次世代品への適用に向けてさらに開発を強化しています。 PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はオンライン需要の増加によりPC、スマートフォンやタブレット端末を始めとする電子機器を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。PCでは、中央演算処理を行う半導体チップのCPUや3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップのGPU、モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社グループのSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社グループの顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社グループのDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社グループのコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 <用途展開の推進(新規市場×既存技術)>電子部品用途への展開 既存材料の電子部品用途への展開を進めています。電気信号の高周波化により、電子部品に従来採用されていた材料では対応困難な課題が生じ始めています。この様な課題に対して当社は、プリント基板市場で培った知見をもとに材料や工法の提案を行っており、既に一部電子部品にて当社材料が採用されています。今後も顧客の課題や要望に応えられる製品・工法を提案していきます。 <迅速な新製品上市の継続(既存市場×新技術)>インクジェット印刷対応SR インクジェット塗布機に対応したSRやエッチングレジストについて、車載基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。市場拡大の期待されるフレキシブル基板向けに引き続き開発を進めていきます。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレイ用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。 層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した低誘電特性を有した層間絶縁材料の開発を進め、顧客評価まで進行しています。今後、更なる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っていきます。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、顧客の採用につながっています。今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、スマートフォンのカメラを初めとした様々な電子機器用途で採用されています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 高周波対応配線形成用新シードフィルム 5Gの普及に伴い、使用周波数帯域である6GHz未満のSub6やSub6以上の高周波帯域であるミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線形成技術が重要となります。高周波伝送では、高周波帯域になるほど電気信号が銅配線表層に流れやすくなります。この電気信号に対する伝送損失を抑えるためには、銅配線表層の形状を平滑にすることが求められています。本フィルム材料を用いることで、基材フィルムと銅配線の界面を極めて平滑な状態で密着させることができます。また、より精度の高い銅配線を形成する方法として、従来用いられている銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)は、シード層の銅をエッチングする際に銅配線が同時に溶解されるため、配線の表面や側面の凹凸が大きくなる課題がありました。一方、本フィルム材料では、銅とは異なる金属をシード層に用いるためシード層のみをエッチングすることが可能となり、銅配線表面や側面が平滑なファインパターンを得ることができます。 <新規事業の創出(新規市場×新技術)>ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社グループが展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 ディスプレイ用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレイへの要求に応えるためにMini LEDの採用が始まり、Micro LEDの研究開発が進められています。当社グループはこれらLEDディスプレイの部材としてバックライトユニットに使用される高反射材等を開発しています。LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)としてDFタイプ、液状タイプまた、インクジェット法で塗布、形成できる部材を開発し市場に提供しています。白色のDFタイプ、白色の液状タイプに関しては、多くのLEDディスプレイのバックライトユニットに採用されています。一方、遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っており、この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。
FY2024|3,906 文字
6【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、高周波対応材料、ディスプレイ向け材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は6,194百万円となり、前連結会計年度に比べ1,711百万円増加しています。各セグメントの研究開発費につきましては、以下のとおりです。 エレクトロニクス事業に係る研究開発費は、5,284百万円です。 医療・医薬品事業に係る研究開発費は、725百万円です。 その他の研究開発費は、183百万円です。 エレクトロニクス事業ではSRの顧客基盤強化(既存市場×既存技術)、継続的な新製品上市の迅速化(既存市場×新規技術)、用途展開の推進(新規市場×既存技術)の 3つの施策を主として、SRについては市場のシェアを拡大し、その他のエレクトロニクス部材についてはSRに続く利益の柱となる新規事業開発の創出(新規市場×新存技術)を進めていくことで、エレクトロニクス事業の持続的な成長を推進していきます。 <SRの顧客基盤強化(既存 市場×既存技術)> 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。 リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用される高密度実装配線(HDI)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、第5世代移動通信システム(5G)関連の開発要求が増えていく中で、他社に先駆けて伝送損失の低い材料を新たに開発し、顧客に採用される段階まで来ています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、ガソリン車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次期車載基板用SRとして最終顧客認証を得ることができ、採用が決定しました。また、コンソーシアムに参加するなど外部連携をはかりながら事業開発を進めています。 一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はオンライン需要の増加によりPC、スマートフォンやタブレット端末を始めとする電子機器を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。PCでは、中央演算処理を行う半導体チップのCPUや3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップのGPU、モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社グループのSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社グループの顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社グループのDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社グループのコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 <用途展開の推進(新規市場×既存技術)>電子部品用途への展開 既存材料の電子部品用途への展開を進めています。電気信号の高周波化により、電子部品に従来採用されていた材料では対応困難な課題が生じ始めています。この様な課題に対して当社は、プリント基板市場で培った知見をもとに材料や工法の提案を行っており、既に一部電子部品にて当社材料が採用されています。今後も顧客の課題や要望に応えられる製品・工法を提案していきます。 <継続的な新製品の上市の迅速化(既存市場×新規技術)>インクジェット印刷対応SR インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。市場拡大の期待されるフレキシブル基板向けに引き続き開発を進めていきます。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレイ用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。 層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した低誘電特性を有した層間絶縁材料の開発を進め、顧客評価まで進行しています。今後、更なる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っています。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、顧客の採用につながっています。今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、スマートフォンのカメラを初めとした様々な電子機器用途で採用されています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 高周波対応配線形成用新シードフィルム 5Gの普及に伴い、使用周波数帯域である6GHz未満のSub6やSub6以上の高周波帯域であるミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線形成技術が重要となります。高周波伝送では、高周波帯域になるほど電気信号が銅配線表層に流れやすくなります。この電気信号に対する伝送損失を抑えるためには、銅配線表層の形状を平滑にすることが求められています。本フィルム材料を用いることで、基材フィルムと銅配線の界面を極めて平滑な状態で密着させることができます。また、より精度の高い銅配線を形成する方法として、従来用いられている銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)は、シード層の銅をエッチングする際に銅配線が同時に溶解するため、配線の表面や側面の凹凸が大きくなる課題がありました。一方、本フィルム材料では、銅とは異なる金属をシード層に用いるためシード層のみをエッチングすることが可能となり、銅配線表面や側面が平滑なファインパターンを得ることができます。 <新規事業開発の創出(新規市場×新存技術)>ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社グループが展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 ディスプレイ用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレイへの要求に応えるためにMini LEDの採用が始まり、Micro LEDの研究開発が進められています。当社グループはこれらLEDディスプレイの部材としてバックライトユニットに使用される高反射材等を開発しています。LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)としてDFタイプ、液状タイプまた、インクジェット法で塗布、形成できる部材を開発し市場に提供しています。白色のDFタイプ、白色の液状タイプに関しては、多くのLEDディスプレイのバックライトユニットに採用されています。一方、遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っており、この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。
FY2023|3,542 文字
6【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料、ディスプレイ向け材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4,483百万円となり、前連結会計年度に比べ872百万円増加しています。各セグメントの研究開発費につきましては、以下のとおりです。 エレクトロニクス事業に係る研究開発費は、4,115百万円です。 医療・医薬品事業に係る研究開発費は、233百万円です。 その他の研究開発費は、134百万円です。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1)SR 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用される高密度実装配線(HDI)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、第5世代移動通信システム(5G)関連の開発要求が増えていく中で、他社に先駆けて伝送損失の低い材料を新たに開発し、顧客に採用される段階まで来ています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、ガソリン車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次期車載基板用SRとして最終顧客認証を得ることができ、採用が決定しました。また、コンソーシアムに参加するなど外部連携をはかりながら事業開発を進めています。 一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はオンライン需要の増加によりPC、スマートフォンやタブレット端末を始めとする電子機器を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。PCでは、中央演算処理を行う半導体チップのCPUや3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップのGPU、モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社グループのSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社グループの顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社グループのDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社グループのコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 (2)層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した低誘電特性を有した層間絶縁材料の開発を進め、顧客評価まで進行しています。今後、さらなる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っています。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、顧客の採用につながっています。今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 (3)感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、スマートフォンのカメラを初めとした様々な電子機器用途で採用されています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 (4)高周波対応配線形成用新シードフィルム 5Gの普及に伴い、使用周波数帯域である6GHz未満のSub6やSub6以上の高周波帯域であるミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線形成技術が重要となります。高周波伝送では、高周波帯域になるほど電気信号が銅配線表層に流れやすくなります。この電気信号に対する伝送損失を抑えるためには、銅配線表層の形状を平滑にすることが求められています。本フィルム材料を用いることで、基材フィルムと銅配線の界面を極めて平滑な状態で密着させることができます。また、より精度の高い銅配線を形成する方法として、従来用いられている銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)は、シード層の銅をエッチングする際に銅配線が同時に溶解するため、配線の表面や側面の凹凸が大きくなる課題がありました。一方、本フィルム材料では、銅とは異なる金属をシード層に用いるためシード層のみをエッチングすることが可能となり、銅配線表面や側面が平滑なファインパターンを得ることができます。 (5)ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社グループが展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 (6)インクジェット印刷対応SR インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。市場拡大の期待されるフレキシブル基板向けに引き続き開発を進めていきます。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレイ用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。 (7)ディスプレイ用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレイへの要求に応えるためにMini LEDの採用が始まり、Micro LEDの研究開発が進められています。当社グループはこれらLEDディスプレイの部材としてバックライトユニットに使用される高反射材等を開発しています。LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)としてDFタイプ、液状タイプまた、インクジェット法で塗布、形成できる部材を開発し市場に提供しています。白色のDFタイプ、白色の液状タイプに関しては、多くのLEDディスプレイのバックライトユニットに採用されています。一方、遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っており、この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。また、当社グループが展開するストレッチャブルな導電材料特有のストレッチャブル性が注目されフォルダブルディスプレイ向けに評価が進行しています。
FY2022|3,343 文字
5【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料、ディスプレイ向け材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,611百万円となり、前連結会計年度に比べ289百万円増加しています。各セグメントの研究開発費につきましては、以下のとおりです。 電子機器用部材事業に係る研究開発費は、3,312百万円です。 医療・医薬品事業に係る研究開発費は、122百万円です。 その他の研究開発費は、176百万円です。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1)SR 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、第5世代移動通信システム(5G)関連の開発要求が増えていく中で、他社に先駆けて伝送損失の低い材料を新たに開発し、顧客に採用される段階まで来ています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次期車載基板用SRとして最終顧客認証を得ることができ、採用が決定しました。また、コンソーシアムに参加するなど外部連携をはかりながら事業開発を進めています。 一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はオンライン需要の増加によりPC、スマートフォンやタブレット端末を始めとする機器用途を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。PCでは、中央演算処理を行う半導体チップのCPU(Central Processing Unit)や3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップのGPU(Graphics Processing Unit)、モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社のSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社の顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社のDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社のコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 (2)層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した低誘電特性を有した層間絶縁材料の開発を進め、顧客評価まで進行しています。今後、さらなる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っています。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、顧客の採用につながっています。今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 (3)感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、スマートフォンのカメラを初めとした様々な電子機器用途で採用されています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 (4)導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることにより電極形状への対応を可能にしています。すでに市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。 (5)ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社が展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 (6)インクジェット用SR インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載用リジッド基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。市場拡大の期待されるフレキシブル基板向けに引き続き開発を進めていきます。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレイ用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。 (7)ディスプレイ用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレイへの要求に応えるためにMini LED、Micro LEDディスプレイが採用されつつあります。当社グループはこれらLEDディスプレイの部材としてバックライトユニットに使用される高反射材を開発しています。LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)としてDFタイプ、液状タイプまた、インクジェット法で塗布、形成できる部材を開発し市場に提供しています。白色のDFタイプ、白色の液状タイプに関しては、多くのLEDディスプレイのバックライトユニットに採用されています。一方、遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っており、この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。また、当社が展開するストレッチャブルな導電材料特有のストレッチャブル性が注目されフォルダブルディスプレイ向けに評価が進行しています。
FY2021|3,357 文字
5【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料、ディスプレー向け材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,321百万円となり、前連結会計年度に比べ9百万円増加しています。各セグメントの研究開発状況につきましては、以下のとおりです。 電子機器用部材事業に係る研究開発費は、3,078百万円です。 医療・医薬品事業に係る研究開発費は、102百万円です。 その他の研究開発費は、140百万円です。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1)SR 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次期車載基板用SRとして最終顧客認証を得ることができ、採用が決定しました。 一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はオンライン需要の増加によりパソコン、スマートフォンやタブレット端末を始めとする機器用途を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。パソコンでは、中央演算処理を行う半導体チップのCPU(Central Processing Unit)や3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップのGPU(Graphics Processing Unit)、モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社のSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社の顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社のDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社のコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 (2)層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した低誘電特性を有した層間絶縁材料の開発を進めている他、次世代のさらなる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っています。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、顧客の採用につながっています。今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 (3)感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、様々な電子機器用途で採用され始めています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 (4)導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることにより電極形状への対応を可能にしています。すでに市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。 (5)ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社が展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 (6)インクジェット用SR インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載用リジッド基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。市場拡大の期待されるフレキシブル基板向けに引き続き開発を進めていきます。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレー用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。 (7)ディスプレー用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレーへの要求に応えるためにマイクロLED、ミニLEDディスプレーが採用されつつあります。当社グループはこれらLEDディスプレーの部材としてバックライトユニットに使用される高反射材を開発しています。LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)としてDFタイプ、液状タイプまた、インクジェット法で塗布、形成できる部材を開発し市場に提供しています。さらに、遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っており、この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。また、当社が展開するストレッチャブルな導電材料特有のストレッチャブル性が注目されフォルダブルディスプレー向けに評価が進行しています。
FY2020|3,013 文字
5【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,312百万円となり、前連結会計年度に比べ196百万円増加しています。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1)SR 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次世代の車載基板用SRとして最終顧客認証が得られるように対応を進めています。 一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はスマートフォンやタブレット端末を始めとするモバイル機器用途を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社のSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社の顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社のDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社のコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 (2)層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した新たな層間絶縁材料の開発を進めている他、次世代のさらなる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っています。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 (3)感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、様々な電子機器用途で採用され始めています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 (4)導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることにより電極形状への対応を可能にしています。すでに市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。 (5)ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社が展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 (6)インクジェット用SR インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載用リジッド基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。今後はリジッド基板向けに信頼性のさらなる向上と、市場拡大の期待されるフレキシブル基板や半導体用途向けに引き続き開発を進めてまいります。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレー用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。 (7)ディスプレー用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレーへの要求に応えるためにマイクロLED、ミニLEDディスプレーが各国で研究されています。当社グループはこれらLEDディスプレーの部材として遮蔽材を開発しています。遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っています。この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。また、LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)もインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。
FY2019|3,035 文字
5【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,116百万円となり、前連結会計年度に比べ26百万円増加しています。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1)SR 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次世代の車載基板用SRとして最終顧客認証が得られるように対応を進めています。 一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はスマートフォンやタブレット端末を始めとするモバイル機器用途を中心に市場が拡大しております。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社のSRが広く使用されております。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しております。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社の顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しております。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社のDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社のコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。 (2)層間絶縁材 近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した新たな層間絶縁材料の開発を進めている他、次世代のさらなる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っております。また層間絶縁材料としての付加価値を高めるために、当社グループの技術を結集した銅箔付きタイプの開発も進めており、今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。 (3)感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、様々な電子機器用途で採用され始めています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。 (4)導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることにより電極形状への対応を可能にしています。すでに市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。 (5)ウェアラブル端末用部材 新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社が展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。 (6)インクジェット用SR インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載用リジッド基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット工法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。今後はリジッド基板向けに信頼性のさらなる向上と、市場拡大の期待されるフレキシブル基板や半導体用途向けに引き続き開発を進めてまいります。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレー用材料等、様々な用途に向けインクジェット工法に対応した製品の開発を進めています。 (7)ディスプレー用材料 高画質、高輝度、省エネに対するディスプレーへの要求に応えるためにマイクロLED、ミニLEDディスプレーが各国で研究されています。当社はこれらLEDディスプレーの部材として遮蔽材を開発しています。遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っています。この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでおります。また、LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)もインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。
FY2018|2,540 文字
5【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,089百万円となり、前連結会計年度に比べ146百万円減少しています。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1) SR 当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのレジストの開発を着手しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次世代の車載基板用SRとして最終顧客認証が得られるように対応を進めています。 PKG基板用SRは、記憶媒体であるSSDやスマートフォンに搭載されるメモリー、アプリケーションプロセッサーなどのCSP(Chip Size Package)に多く使用されています。半導体チップとPKG基板との接続信頼性が重視されるPKG基板用SRは、平滑性に優れたDFタイプが年々増加しています。当社グループは、DFにおいて困難とされていたSR表面がマット状に形成できる技術を確立し、顧客の認証取得に動いています。更に、車載用PKG基板や種々のセンサー類に適用が図れるようSRの開発を進めています。 また、実装される部品から発生する熱が効率よく放熱されるSRの開発を進め、高放熱SRとして顧客の評価が進行しています。更に、信号を正しく早く伝えることが必要な高速通信基板に対応したSRも新たに開発を進めており、市場の展開を図っていきます。 (2) 層間絶縁材 PKG基板に使用されるDFタイプの層間絶縁材料を開発しています。新たな市場として受動素子に使用される材料としても評価が進み、顧客採用が開始されました。また、高速通信基板向けに対応した新たな層間絶縁材料も開発を進め、顧客評価が進行しています。さらに、層間絶縁材としてDFタイプのみではなく銅箔付きタイプの開発も進めており、顧客の新しい要求に応えられる製品を開発しています。 (3) 感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立に応えるため、感光性カバーレイを新規に開発し、顧客の採用が決定したことで量産が始まりました。今後はこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案を行ってまいります。 (4) 導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることによりファインピッチ化への対応を可能にしています。これまで、市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。 (5) ウェアラブル端末用部材 現在、新規エレクトロニクス市場としてのウェアラブル端末市場の成長が広く注目されています。 ウェアラブル端末市場は、スマートウォッチやスマートグラスに代表される「体外デバイス」だけでなく、活動量計・導電性繊維を使ったスポーツ・ヘルスケア分野向け「体表デバイス」、更には医療機器向け生体センサーといった「電子皮膚デバイス」分野にも広がってきています。 ウェアラブル端末は「体に密着させて使用する電子製品」であるため、ここに使われる部材には、折り曲げが可能なフレキシブル性に留まらず、「伸び特性」といった「ストレッチャブル性」も要求されることが多くなっています。これまでのPWB用部材で当社グループが培ってきた技術をベースに、成長が期待されるウェアラブル端末市場への参入を目指し、ストレッチャブルな導電材料開発を進めてきた結果、顧客で採用が決定しています。 (6) インクジェット用SR インクジェット塗布機に対応したSRを開発し、塗布機メーカー、顧客と共に採用に向けて評価を進めています。インクジェット塗布機によるSR塗布工法は乾燥・露光・現像工程が省略され、省スペースで必要な部分に選択的に塗布可能であり環境に優しい基板製造工法の一つです。またSR用途だけでなく同装置を用いてめっきレジスト、エッチングレジスト、QFP(Quad Flat Package)用絶縁材、フレキシブルタイプ等様々な用途に向け、開発を進めています。
FY2017|2,420 文字
6【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、エレクトロニクス分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,235百万円となり、前連結会計年度に比べ793百万円増加しています。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。(1) SR 当社グループの中核製品であるSRは、リジット基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジット基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。車載基板は、ハイブリット車、電気自動車の登場によりSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温時における特性が重要視されていることから、新たに樹脂骨格を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次世代の車載基板用SRとして最終顧客認証が得られるように対応を進めています。 PKG基板用SRは、記憶媒体であるSSDやスマートフォンに搭載されるメモリー、アプリケーションプロセッサーなどのCSP(Chip size package)に多く使用されています。半導体チップとPKG基板との接続信頼性が重視されるPKG基板用SRは、平滑性に優れたドライフィルムタイプが年々増加しています。当社グループは、ドライフィルムにおいて困難とされていたSR表面がマット状に形成できる技術を確立し、顧客の認証取得に動いています。更に、種々のセンサー類に適用が図れるようSRの開発を進めています。 最近では実装される部品から発生する熱が効率よく放熱されるSRの開発を進め、高放熱SRとして顧客の評価が進行しています。また、信号を正しく早く伝えることが必要な高速通信基板に対応したSRも新たに開発を進めており、市場の展開を図っていきます。 (2) 層間絶縁材 PKG基板に使用されるドライフィルムタイプの層間絶縁材料を開発し、中国市場の顧客に対し積極的にアプローチを進め、顧客評価が進んでいます。また、新たな市場として受動素子に使用される材料としても評価を進めており、顧客採用を目指して活動を行っています。一方、層間絶縁材としてドライフィルムタイプのみではなく銅箔付きタイプの開発も進めており、顧客の新しい要求に応えられる製品を開発しています。 (3) 感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立に応えるため、感光性カバーレイを新規に開発しました。今後はこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案を行ってまいります。 (4) 導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることによりファインピッチ化への対応を可能にしています。また、高い温度を掛けられない基材向けに、従来品より低温での硬化を可能とした製品の開発を行いました。 (5) ウェアラブル端末用部材 現在、新規エレクトロニクス市場としてのウェアラブル端末市場の成長が広く注目されています。 ウェアラブル端末市場は、スマートウォッチやスマートグラスに代表される「体外デバイス」だけでなく、活動量計・導電性繊維を使ったスポーツ・ヘルスケア分野向け「体表デバイス」、更には医療機器向け生体センサーといった「電子皮膚デバイス」分野にも広がってきています。 ウェアラブル端末は「体に密着させて使用する電子製品」であるため、ここに使われる部材には、折り曲げが可能なフレキシブル性に留まらず、「伸び特性」といった「ストレッチャブル性」も要求されることが多くなっています。これまでのPWB用部材で当社グループが培ってきた技術をベースに、成長が期待されるウェアラブル端末市場への参入を目指し、ストレッチャブルな導電材料開発を進めています。 (6) インクジェット用SR インクジェット塗布機に対応したSRを開発し、塗布機メーカー、顧客と共に評価を進めています。インクジェット塗布機によるSR塗布工法は乾燥・露光・現像工程が省略され、省スペースで必要な部分に選択的に塗布可能であり環境に優しい基板製造工法の一つです。またSR用途だけでなく同装置を用いてめっきレジスト、エッチングレジスト、QFP(Quad Flat Package)用絶縁材、フレキシブルタイプ等様々な用途に向け、開発を進めています。
FY2016|2,040 文字
6【研究開発活動】 当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、エレクトロニクス分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2,441百万円となり、前連結会計年度に比べ228百万円増加しています。 注力した研究内容と成果は以下のとおりです。① SR 当社グループの主力製品であるリジッド基板に使用されるSRは、顧客とのコミュニケーションを第一にあらゆる要求に素早く確実に応えるべく研究開発を推進しています。スマートフォンに代表される情報端末用基板では、小型・高密度化が進展し、配線の微細化に伴い位置精度の高いダイレクト露光方式が浸透しています。当社グループではこの露光方式に適合させたSRを早くから開発し採用されています。今後とも更なる生産性向上を目的とした高感度なSRの開発に注力していきます。 PKG基板に使用されるSRは、微細化・薄膜化に有利なドライフィルムの採用が増大しています。高い絶縁信頼性をドライフィルムで実現することによりスマートフォン関連部材である最先端PKG基板に採用されています。ドライフィルムは従来の液状と比較し、加工中の溶剤の揮発が少なく環境に優しい特徴も有しており、今後の需要の増加に応えるべく着実に開発を進めています。また、顧客の御要望が多様化され、緑色だけでなく、黒色のドライフィルム型SRについても評価が進んでいます。 省エネルギーの観点から注目されているLEDランプの特性を最大限に発揮することを目的に、高反射白色SRが採用されています。近年では長期信頼性を目的とした不純物を削減した白色SRを開発し、顧客の採用が決定しています。 自動車の電装基板に使用されるSRは、高温下での使用や振動等過酷な環境に曝されるため、従来よりも耐熱性や強度が必要とされます。これに十分に耐えうる熱分解温度と強度を向上させた高耐熱SRを開発しました。今後は市場への展開を進めていきます。 ② 層間絶縁材 PKG基板に使用されるドライフィルムタイプの層間絶縁材料を開発しており、PKG基板製造への新規参入や、新しい工法で基板製造を検討している顧客のニーズに合致した製品を開発しています。現在、エンドユーザー様にて採用に向けた認定試験を受けている段階ですが、今後はドライフィルムだけに留まらず、顧客の新しい要求に沿った製品を開発していきます。 ③ 感光性カバーレイ スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立に応えるため、感光性カバーレイを新規に開発・発表しました。今後はこの新材料の実用化と用途拡大に向けて顧客と共に開発を進めていきます。 ④ 導電性接着剤 スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、高密度化に伴う狭ピッチ接合に対応します。また、LEDチップ等の接合用として低温硬化が可能な等方導電性接着剤の開発を進めていきます。⑤ ウェアラブル端末用部材 現在、新規エレクトロニクス市場としてのウェアラブル端末市場の成長が広く注目されています。 ウェアラブル端末市場は、スマートウォッチやスマートグラスに代表される「体外デバイス」だけでなく、活動量計・導電性繊維を使ったスポーツ・ヘルスケア分野向け「体表デバイス」、更には医療機器向け生体センサーといった「電子皮膚デバイス」分野にも広がってきています。 ウェアラブル端末は「体に密着させて使用する電子製品」であるため、ここに使われる部材には、折り曲げが可能なフレキシブル性に留まらず、「伸び特性」といった「ストレッチャブル性」も要求されることが多くなっています。これまでのPWB用部材で当社グループが培ってきた技術をベースに、成長が期待されるウェアラブル端末市場への参入を目指し、ストレッチャブルな導電材料開発を開始しました。 ⑥ インクジェット用SR 近年、注目されているインクジェット塗布機に対応したSRを開発し、顧客と共に評価を進めています。インクジェット装置によるSR塗布工法は乾燥・露光・現像工程が省略され、環境に優しい基板作製工法の一つです。またSR用途だけでなく同装置を用いて銘板や回路形成用のエッチングレジスト、半導体や金属への印字用、フレキシブルタイプ等様々な用途に向け、開発を進めています。